JP6379814B2 - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、複数個の成分画像データを含む画像データに対する画像処理に関する。
ブラック(K)のインクを吐出する複数個のノズルが特定方向に沿って第1のノズルピッチで配置され、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の各有彩色のインクを吐出する複数個のノズルが、特定方向に沿って第1のノズルピッチより大きい第2のノズルピッチで配置されたインクジェットプリンタの印刷ヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。この印刷ヘッドは、例えば、ブラックのインクのみを用いて形成されるグレーの画像を高速に印刷できるとともに、印刷ヘッドのノズル数を低減することで製造工数や部品点数の低減を実現することができる。
特開2013−244703号公報
しかしながら、上記印刷ヘッドを用いる印刷でも、有彩色の成分画像(レイヤーとも呼ぶ)と、K成分の成分画像との間で、特定方向の解像度、すなわち、特定方向の画素数を変更することは開示されていない。仮に、1個の画像データに含まれる複数個の成分画像データの間で、特定方向の画素数を変更すると、当該画像データによって表される画像の画質が低下する可能性、例えば、画像内のエッジ部分が不自然になる可能性がある。
本発明の目的は、特定方向の画素数が互いに異なる複数個の成分画像データを含む画像データによって表される画像の画質を向上することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]画像処理装置であって、
第1の成分画像を表す第1の成分画像データであって第1の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第1の成分画像データと、第2の成分画像を表す第2の成分画像データであって第2の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第2の成分画像データと、を含む画像データを取得する取得部と、
前記第1の成分画像データを用いて、第1方向の画素数が第1の解像度に応じた第1の画素数である第1の処理済み成分画像を表す第1の処理済み成分画像データを生成する処理と、前記第2の成分画像データを用いて、前記第1方向の画素数が前記第1の解像度より低い第2の解像度に応じた第2の画素数である第2の処理済み成分画像を表す第2の処理済み成分画像データを生成する処理と、を実行することによって、前記第1の処理済み成分画像データと前記第2の処理済み成分画像データとを含む処理済み画像データを生成する第1の生成部と、
を備え、
前記第1の生成部は、
前記第1の処理済み成分画像内の第1の注目画素に対応する前記第1の成分画像内の複数個の第1の対応画素の階調値を用いて、前記第1の注目画素の階調値を決定し、
前記第2の処理済み成分画像内の第2の注目画素に対応する前記第2の成分画像内の複数個の第2の対応画素の階調値を用いて、前記第2の注目画素の階調値を決定し、
前記複数個の第1の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第1の成分画像を前記第1方向に第1の距離だけずらして前記第1の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第1の注目画素と重なる複数個の画素であり、
前記複数個の第2の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第2の成分画像を前記第1方向に第2の距離だけずらして前記第2の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第2の注目画素と重なる複数個の画素であり、
前記(1)〜(3)の仮定は、
(1)前記第1方向の画素数がEであり、かつ、前記第1方向と垂直な第2方向の画素数がFである成分画像は、前記第1方向の寸法が(A/E)であり、かつ、前記第2方向の寸法が(B/F)である(E×F)個の画素(A、Bは、正の固定値)を枡目状に並べて構成されていること、および、
(2)前記第1の処理済み成分画像と前記第1の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、および、
(3)前記第2の処理済み成分画像と前記第2の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、である、画像処理装置。
上記構成によれば、第1方向の画素数が互いに異なる第1の処理済み成分画像データおよび第2の処理済み成分画像データの各画素の階調値は、適切に決定された複数個の対応画素の階調値を用いて決定される。この結果、第1方向の画素数が互いに異なる第1の処理済み成分画像データおよび第2の処理済み成分画像データを含む処理済み画像データによって表される画像の画質を向上し得る。例えば、当該画像のエッジ部分が不自然になることを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、上記画像処理装置と上記印刷実行部とを備える印刷装置、画像処理方法、これら装置の機能または上記方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としてのプリンタ100の概略構成を示すブロック図。 印刷ヘッド184に設けられたノズルの配列を示す図。 本実施例の印刷方式について説明する図。 印刷処理のフローチャート。 調整処理のフローチャート。 第1実施例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図。 K成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図。 比較例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。 比較例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。 印刷ヘッド184bに設けられたノズルの配列を示す図である。 第2実施例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図。 第2実施例のK成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図。
A.実施例:
A−1.プリンタ100の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのプリンタ100の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置としてのプリンタ100は、プリンタ100を制御するコントローラとしてのCPU110と、DRAMなどの揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置130と、液晶ディスプレイなどの表示部140と、タッチパネルやボタンなどを含む操作部150と、通信インタフェース160と、印刷実行部180と、を備えている。
不揮発性記憶装置130には、コンピュータプログラム132が格納されている。CPU110は、コンピュータプログラム132を実行することによって、プリンタ100を制御する種々の機能、例えば、後述する印刷処理を実行する画像処理部としての機能を実現する。コンピュータプログラム132は、例えば、プリンタ100の出荷時に予め不揮発性記憶装置130に格納されている。これに代えて、コンピュータプログラム132は、CD−ROMなどに記録された形態や、サーバからダウンロードする形態で提供されても良い。
揮発性記憶装置120は、例えば、CPU110がプログラム(例えば、プログラム132)を実行する際に、用いられる種々の中間データを一時的に格納するためのバッファ領域として用いられる。
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、各種のUI画面を表示するために用いられる。操作部150は、ユーザによって操作される装置であり、例えば、後述する印刷処理に関する指示をユーザから受け取るために用いられる。通信インタフェース160は、ネットワークに接続するための有線または無線のインタフェースである。
印刷実行部180は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各インクを吐出して印刷を行うインクジェット方式の印刷機構である。印刷実行部180は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各インクを吐出して用紙上にドットを形成することによって、印刷を行う。印刷実行部180は、搬送機構181と、主走査機構182と、ヘッドドライバ183と、印刷ヘッド184と、を備えている。
搬送機構181は、図示しない搬送モータの動力で搬送方向に用紙を搬送する。主走査機構182は、図示しない主走査モータの動力で印刷ヘッド184を主走査方向に往復動(主走査)させる。ヘッドドライバ183は、主走査方向に往復動する印刷ヘッド184を印刷データに従って駆動することによって、搬送機構181によって搬送される用紙上に印刷ヘッド184からインクを吐出させる。この結果、用紙上にドットが形成される。
図2は、印刷ヘッド184に設けられたノズルの配列を示す図である。図2において、第1方向D1は、用紙が搬送されることによって、用紙から見て印刷ヘッドが移動する方向、すなわち、用紙の搬送方向の反対方向(副走査方向とも呼ぶ)である。第1方向D1と垂直な第2方向D2と、第2方向D2の反対方向は、主走査方向である。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2と垂直な方向であって、印刷ヘッドから、印刷時に印刷ヘッドと対向する用紙に向かう方向である。印刷ヘッドの第3方向D3の面(ノズル形成面とも呼ぶ)には、複数個のノズルNzが形成されている。図2は、第3方向D3の反対方向から第3方向D3に向かって印刷ヘッド184のノズル形成面を透視した場合におけるノズルの配置を示している。
印刷ヘッド184は、ブラックインクを吐出するためのブラックノズル群Nkと、シアンインクを吐出するためのシアンノズル群Ncと、マゼンタインクを吐出するためのマゼンタノズル群Nmと、イエロインクを吐出するためのイエロノズル群Nyと、を有している。これらのノズル群Nk、Nc、Nm、Nyは、第2方向D2に並んでいる。
ブラックノズル群Nkは、第1方向D1に沿って千鳥状に並ぶ(2×J)個(Jは2以上の整数、本実施例では、例えば、J=500)のノズルNzkを含んでいる。ただし、図2では、図の煩雑を避けるために、J=8として、図示されている。(2×J)個のノズルNzkは、第1方向D1の位置が互いに異なる。図2に示すように、(2×J)個のノズルNzkの第1方向D1の間隔をノズルピッチNP1とする。本実施例では、ノズルピッチNP1は、(1/600)インチ、すなわち、600dpi相当のノズルピッチである。
シアンノズル群Ncは、第1方向D1に沿って直線的に並ぶJ個のノズルNzcを含んでいる。J個のノズルNzcは、第1方向D1の位置が互いに異なる。図2に示すように、J個のノズルNzcの第1方向D1の間隔をノズルピッチNP2とする。本実施例では、ノズルピッチNP2は、(1/300)インチ、すなわち、300dpi相当のノズルピッチである。
以上の説明から解るように、本実施例では、有彩色のノズル群Nc、Nm、NyのノズルピッチNP2は、ブラックノズル群NkのノズルピッチNP1の2倍である(NP2=2×NP1)。そして、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyのノズル数Jは、ブラックノズル群Nkのノズル数(2×J)の半分である。そして、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyのノズル長(J×NP2)は、ブラックノズル群Nkのノズル長(2×J×NP1)と等しい。ノズル群Nk、Nc、Nm、Nyのノズル長をNLとする(NL=J×NP2=2×J×NP1)。
マゼンタノズル群Nmとイエロノズル群Nyは、それぞれに、シアンノズル群Ncと同様に、第1方向D1に沿ってノズルピッチNP2で並ぶJ個のノズルNzm、Nzyを含んでいる。
ここで、第1方向D1の上流側からi番目のシアン、マゼンタ、イエロのノズルを、それぞれ、Nzc(i)、Nzm(i)、Nzy(i)と表す(iは、1≦i≦Jの自然数)。ノズルNzc(i)、Nzm(i)、Nzy(i)の第1方向D1の位置は、第1方向D1の上流側から(2i−1)番目のブラックのノズルNzk(2i−1)の第1方向D1の位置と、(2i)番目のブラックのノズルNzk(2i)の第1方向D1の位置と、の中間の位置である。換言すれば、ノズルNzc(i)、Nzm(i)、Nzy(i)の第1方向D1の位置は、(2i−1)番目のブラックのノズルNzk(2i−1)と(2i)番目のブラックのノズルNzk(2i)との第1方向D1の重心に位置している。例えば、図3に示すように、ノズルNzc(1)、Nzm(1)、Nzy(1)の第1方向D1の位置は、ブラックの2個のノズルNzk(1)、Nzk(2)の第1方向D1の重心GL1に位置している。
この結果、シアンのJ個のノズルNzcの第1方向D1の重心Gc2は、ブラックの(2×J)個のノズルNzkの第1方向D1の重心Gc1と一致している。同様に、マゼンタ、イエロのそれぞれのJ個のノズルNzm、Nzyの第1方向D1の重心Gc2は、ブラックの(2×J)個のノズルNzkの第1方向D1の重心Gc1と一致している。
A−2.印刷方式:
次に、本実施例のプリンタ100のCPU110が、印刷実行部180を用いて実行する印刷方式について説明する。図3は、本実施例の印刷方式について説明する図である。
CPU110は、搬送機構181と、主走査機構182と、ヘッドドライバ183と、を制御して、単位印刷と単位副走査とを交互に繰り返し実行することにより印刷を行う。単位印刷は、用紙PAの搬送を停止した状態で、主走査を行いつつ、印刷ヘッド184を駆動することによって行われる印刷である。1回の単位印刷に対応する1回の主走査をパスとも呼ぶ。単位副走査は、所定の単位送り量だけ用紙PAを搬送方向に搬送することによって行われる。
図3(A)には、1回目から3回目までのパスP1〜P3におけるブラックノズル群Nkおよびシアンノズル群Ncの副走査方向の位置が示されている。図3(A)では、これらのノズル群の副走査方向の位置として、用紙PA(図3(A)、図3(B))に対する相対的な位置が図示されている。なお、マゼンタノズル群Nmおよびイエロノズル群Nyの副走査方向の位置は、シアンノズル群Ncの副走査方向の位置と等しいので、図3(A)では、図示が省略されている。
図3(A)に示すように、本実施例の印刷方式は、所定の単位送り量がノズル長NLと等しく、第1方向D1の幅がノズル長NLと等しい印刷領域を1回のパスで印刷するいわゆる1パス印刷である。
図3(B)には、パスP1〜P3においてブラックノズル群Nkから吐出されるインクによって形成されるブラックドットの形成位置Dkが図示されている。図3(C)には、パスP1〜P3においてシアンノズル群Ncから吐出されるインクによって形成されるシアンドットの形成位置Dcが図示されている。マゼンタノズル群Nmから吐出されるインクによって形成されるマゼンタドット、および、イエロノズル群Nyから吐出されるインクによって形成されるイエロドットの形成位置は、シアンドットの形成位置と同じである。
図3(B)および図3(C)から解るように、ブラックドットの第1方向のドットピッチDPa1は、ブラックノズル群NkのノズルピッチNP1と等しい(DPa1=NP1)。また、シアン、マゼンタ、イエロの各有彩色のドットの第1方向のドットピッチDPa2は、各有彩色のノズル群Nc、Nm、NyのノズルピッチNP2と等しい(DPa2=NP2)。したがって、有彩色のドットの第1方向のドットピッチDPa2は、ブラックドットの第1方向のドットピッチDPa1の2倍である(2×DPa1=DPa2)。また、ブラックドットの第2方向のドットピッチDPb1と、各有彩色のドットの第2方向のドットピッチDPb2と、は等しい(DPb1=DPb2)。
以上の説明から解るように、本実施例の印刷方式では、ブラックの印刷画像(K成分のドット画像とも呼ぶ)の第1方向の解像度(本実施例では、600dpi)は、CMY(有彩色)の印刷画像(有彩色のドット画像とも呼ぶ)の第1方向の解像度(本実施例では、300dpi)の2倍である。K成分のドット画像の第2方向の解像度(本実施例では、600dpi)は、有彩色のドット画像の第2方向の解像度(本実施例では、600dpi)と等しい。実際の印刷画像は、K成分のドット画像と、有彩色の3個のドット画像と、を重ねた画像となる。
A−3.印刷処理:
次に、上述した印刷方式での印刷を印刷実行部180に実行させるための印刷処理について説明する。この印刷処理は、例えば、ユーザの印刷指示に応じて、CPU110によって実行される。
図4は、印刷処理のフローチャートである。ステップS10では、CPU110は、処理対象の画像データを取得する。処理対象の画像データは、例えば、ユーザによって指定された画像データである。処理対象の画像データは、例えば、元画像データを作成したアプリケーションプログラムごとに異なるデータ形式を有している。
ステップS20では、CPU110は、処理対象の画像データのデータ形式を、RGB画像データに変換するラスタライズ処理を実行する。RGB画像データは、RGB色空間の色値を画素ごとに含む画像データである。RGB色空間の色値は、R成分、G成分、B成分のそれぞれの階調値を含む。各階調値は、0〜255の256階調の値を取る。ここで、本実施例では、処理対象の画像は、縦方向を副走査方向(すなわち、第1方向D1)、横方向を主走査方向(すなわち、第2方向D2)として印刷される。このために、以下では、処理対象の画像の縦方向を第1方向D1とも呼び、横方向を第2方向D2とも呼ぶ。本実施例のラスタライズ処理では、上述したK成分のドット画像の解像度に応じた画素数を有するRGB画像データが生成される。すなわち、第1方向D1の画素数が600dpi相当の画素数であり、かつ、第2方向D2の画素数が600dpi相当の画素数であるRGB画像データが生成される。
S30では、CPU110は、RGB画像データに対して色変換処理を実行して、CMYK画像データを生成する。色変換処理は、RGB色空間の色値と、CMYK色空間の色値と、の対応関係を規定したルックアップテーブルを用いて行われる。CMYK色空間の色値は、インクの色に対応する4個の色成分、すなわち、C成分、M成分、Y成分、K成分のそれぞれの階調値を含む。各階調値は、0〜255の256階調の値を取る。
CMYK画像データは、4個の色成分(CMYK)にそれぞれ対応する4個の成分画像データを含んでいると言うことができる。各成分画像データは、1個の色成分の階調値を画素ごとに含む画像データである。CMYK画像データの画素数は、RGB画像データと同じである。4個の成分画像データの画素数は、互いに同じである。
S40では、CMYK画像データに対して調整処理を実行して、処理済みCMYK画像データを生成する。処理済みCMYK画像データに含まれるCMYKの各成分画像データを処理済み成分画像データと呼ぶ。調整処理は、詳細は後述するが、CMYKのドット画像の解像度に応じた画素数の調整と、画素ごとの階調値の調整が行われる。上述したように、本実施例の印刷方式では、K成分のドット画像の第1方向D1の解像度(600dpi)と、有彩色の3個のドット画像の第1方向D1の解像度(300dpi)は、互いに異なる。このために、調整処理では、有彩色の各成分画像データの第1方向D1の画素数は、K成分の成分画像データの第1方向D1の画素数の半分に調整される。
ここで、第1方向D1の画素数がEであり、かつ、第2方向D2の画素数がFである画像を、「画素数(E×F)の画像」と表現する。調整処理前のCMYKの各成分画像データによって表される各成分画像は、画素数(E1×F1)の画像であるとする。K成分の処理済み成分画像データによって表されるK成分の処理済み成分画像は、画素数(E1×F1)の画像である。有彩色(CMY)の処理済み成分画像データによって表される有彩色の処理済み成分画像は、画素数((E1/2)×F1)の画像である。
S50では、CPU110は、処理済みCMYK画像データに対してハーフトーン処理を実行して、ドットデータを生成する。ハーフトーン処理は、ディザ法、誤差拡散法、誤差収集法などの公知の方法を用いて実行される。ドットデータは、CMYKの4個のドット画像を表す4個の成分ドットデータを含む。CMYKの各成分ドットデータは、CMYKの各インクのドットの形成状態を、画素ごとに示すデータである。各成分ドットデータは、ドットの形成状態として、ドットの形成の有無を表す二値データである。これに代えて、各成分ドットデータは、ドットの形成状態として、ドットの形成の有無と、ドットのサイズ(例えば、大、中、小)と、を表す四値データであっても良い。ハーフトーン処理では、画素数は変更されないので、K成分のドット画像は、画素数(E1×F1)の画像であり、有彩色の3個のドット画像は、画素数((E1/2)×F1)の画像である。
ステップS60では、CPU110は、ドットデータを単位印刷にて用いられる順番に並べ代えるとともに、各種のプリンタ制御コードや、データ識別コードを付加して、印刷実行部180が解釈可能な印刷データを生成する。ステップS70では、CPU110は、生成された印刷データを印刷実行部180に供給する。この結果、印刷実行部180は、印刷データによって表される印刷画像を上述した印刷方式によって印刷する。
A−4.調整処理:
次に、上述した印刷処理のS40の調整処理について説明する。図5は、調整処理のフローチャートである。S205では、CPU110は、有彩色(CMY)の3個の成分から1個の注目成分を選択する。
S210では、CPU110は、注目成分の処理済み成分画像内の((E1/2)×F1)個の画素から、階調値が未決定である1個の注目画素を選択する。
S215では、CPU110は、注目画素に対応する調整処理前の成分画像内の複数個の対応画素の階調値を取得する。図6は、第1実施例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。図6を参照して、C成分が注目成分である場合を例に説明する。
ここで、本実施例では、成分画像および処理済み成分画像について、以下の(1)〜(3)を仮定して、説明する。
(1)第1方向D1の画素数がEであり、かつ、第2方向D2の画素数がFである成分画像は、第1方向の寸法が(A/E)であり、かつ、第2方向の寸法が(B/F)である(E×F)個の画素を枡目状に並べて構成されている。
(2)K成分の成分画像と、K成分の処理済み成分画像と、は第1方向D1の寸法および第2方向D2の寸法が互いに同一である。
(3)有彩色の成分画像と、有彩色の処理済み成分画像と、は第1方向D1の寸法および第2方向D2の寸法が互いに同一である。
(1)の仮定は、画像内の複数個の画素は、それぞれの画素が同一のサイズを有するように、当該画像が分割された矩形の領域であると、言うこともできる。また、(1)の仮定におけるA、Bは、任意の固定値である。また、E、Fは、2以上の整数である。
図6の左側には、調整処理前のC成分の成分画像CI1の一部分が示されている。図6の右側には、C成分の処理済み成分画像CI2の一部分が示されている。これらの画像CI1、CI2は、上記の(1)〜(3)の仮定に従って図示されている。
上述したように、有彩色の成分画像は、画素数(E1×F1)の画像であり、有彩色の処理済み成分画像は、画素数((E1/2)×F1)の画像である。したがって、上記(1)〜(3)の仮定の下では、処理済み成分画像CI2の画素Pctの第1方向D1の寸法は、成分画像CI1の画素Pcの第1方向D1の寸法Phの2倍(2×Ph)である。そして、処理済み成分画像CI2の画素Pctの第2方向D2の寸法は、成分画像CI1の画素Pcの第2方向D2の寸法Pwと同じである。
注目画素に対応する複数個の対応画素は、以下のように定義できる。上記(1)〜(3)の仮定の下では、成分画像CI1を、処理済み成分画像CI2に対して第1方向D1に所定のシフト量だけずらして、処理済み成分画像CI2と重ねる。この状態で、注目画素と重なる成分画像CI1内の複数個の画素が、対応画素である。ここで、所定のシフト量は、本実施例では、(1/2)Ph、すなわち、成分画像CI1の1個の画素の第1方向D1の幅Phの半分の長さである。所定のシフト量は、(1/2)Ph以外の値でも良いが、成分画像CI1の1個の画素の第1方向D1の幅Phより小さな値であることが好ましい。
図6の成分画像CI1、処理済み成分画像CI2には、第1方向D1の画素の位置を示す行番号nと、第2方向D2の画素の位置を示す列番号mと、が図示されている。行番号nと列番号mとの組み合わせ(n、m)によって、画像CI1、CI2内の1個の画素を特定できる。
成分画像CI1と処理済み成分画像CI2とを上述したように重ねた場合に、処理済み成分画像CI2の3個の画素Pct(4、1)、Pct(3、3)、Pct(2、5)が重なる成分画像CI1上の位置が、図6の左側の成分画像CI1に破線で図示されている。この図から解るように、例えば、画素Pct(4、1)の対応画素は、3個の画素Pc(6、1)、Pc(7、1)、Pc(8、1)である。本実施例では、画素Pct(n、m)の対応画素は、第1方向D1に並ぶ3個の画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)である。
したがって、図5のS215では、注目画素が画素Pct(n、m)である場合には、注目画素Pct(n、m)の3個の対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)の3個のC成分の階調値Cin(2n−2、m)、Cin(2n−1、m)、Cin(2n、m)が取得される。
S220では、CPU110は、処理済み成分画像CI2内の注目画素の階調値を決定する。注目画素が画素Pct(n、m)である場合には、注目画素Pct(n、m)のC成分の階調値Cout(n、m)は、S215にて取得された3個のC成分の階調値を用いて、以下の式(1)を用いて表される。
Cout(n,m)=Wc(2n-2,m)×Cin(2n-2,m) + Wc(2n-1,m)×Cin(2n-1,m)
+ Wc(2n,m)×Cin(2n,m) ...(1)
式(1)において、Wc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)は、それぞれ、対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)の重みである。すなわち、注目画素のC成分の階調値Cout(n、m)は、3個の対応画素のC成分の階調値の重み付き平均値である。
重みWc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)の比率は、それぞれ、成分画像CI1と処理済み成分画像CI2とを上述したように重ねた場合に、対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)のそれぞれが、注目画素Pct(n、m)とが重なる面積の比率である。
例えば、図6に示すように、画素Pct(4、1)の対応画素Pc(6、1)は、対応画素Pc(6、1)の半分の領域が画素Pct(4、1)と重なっている。また、画素Pct(4、1)の対応画素Pc(7、1)は、対応画素Pc(7、1)の全体が画素Pct(4、1)と重なっている。また、画素Pct(4、1)の対応画素Pc(8、1)は、対応画素Pc(8、1)の半分の領域が画素Pct(4、1)と重なっている。したがって、3個の対応画素の重みの比率、Wc(6、1):Wc(7、1):Wc(8、1)=(1/2):1:(1/2)である。3個の重みは、3個の重みの合計値が1になるように正規化されるので、Wc(6、1)、Wc(7、1)、Wc(8、1)は、それぞれ、(1/4)、(1/2)、(1/4)である。
本実施例では、注目画素Pct(n、m)の3個の対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)の重みWc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)は、それぞれ、(1/4)、(1/2)、(1/4)である。したがって、上記の式(1)は、以下の式(2)に書き直すことができる。
Cout(n,m)={Cin(2n-2,m) + 2×Cin(2n-1,m) + Cin(2n,m)}/4 ...(2)
S225では、CPU110は、処理済み成分画像CI2内の全ての画素を処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S225:NO)、CPU110は、S210に戻って、未処理の画素を注目画素として選択する。全ての画素を処理した場合には(S225:YES)、CPU110は、S230にて、全ての有彩色の成分、すなわち、有彩色の3個の成分について処理したか否かを判断する。未処理の有彩色の成分がある場合には(S230:NO)、CPU110は、S205に戻って、未処理の成分を注目成分として選択する。全ての有彩色の成分を処理した場合には(S230:YES)、CPU110は、S235に処理を進める。S235に処理が進められた時点で、有彩色の3個の処理済み成分画像データが生成される。
S235では、CPU110は、K成分を注目成分として選択する。S240では、CPU110は、K成分の処理済み成分画像内の(E1×F1)個の画素から、階調値が未決定である1個の注目画素を選択する。
S245では、CPU110は、注目画素に対応する調整処理前の成分画像内の複数個の対応画素の階調値を取得する。図7は、K成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。
図7の左側には、調整処理前のK成分の成分画像KI1の一部分が示されている。図7の右側には、K成分の処理済み成分画像KI2の一部分が示されている。これらの画像KI1、KI2は、上述した(1)〜(3)の仮定に従って図示されている。
上述したように、成分画像KI1と、処理済み成分画像KI2とは、画素数(E1×F1)の画像である。したがって、上記(1)〜(3)の仮定の下では、処理済み成分画像KI2の画素Pktの第1方向D1の寸法、および、第2方向D2の寸法は、成分画像KI1の画素Pkの第1方向D1の寸法Ph、および、第2方向D2の寸法Pwと同じである。
注目画素に対応する複数個の対応画素は、上述した有彩色の成分についての処理と同様に、以下のように定義できる。上記(1)〜(3)の仮定の下で、成分画像KI1を、処理済み成分画像KI2に対して第1方向D1に、所定のシフト量だけずらして、処理済み成分画像KI2と重ねる。この状態で、注目画素と重なる成分画像KI1内の複数個の画素が、対応画素である。ここで、所定のシフト量は、本実施例では、(1/2)Phである。すなわち、成分画像KI1の1個の画素の第1方向D1の幅Phの半分の長さである。
図7の成分画像KI1と処理済み成分画像KI2には、図6と同様に、第1方向D1の画素の位置を示す行番号nと、第2方向D2の画素の位置を示す列番号mと、が図示されている。
成分画像KI1と処理済み成分画像KI2とを上述したように重ねた場合に、処理済み成分画像KI2の3個の画素Pkt(6、1)、Pct(5、3)、Pct(4、5)が重なる成分画像KI1上の位置が、図7の左側の成分画像KI1に破線で図示されている。この図から解るように、例えば、画素Pkt(6、1)の対応画素は、2個の画素Pk(5、1)、Pk(6、1)である。本実施例では、画素Pkt(n、m)の対応画素は、第1方向D1に並ぶ2個の画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)である。
したがって、図5のS245では、注目画素が画素Pkt(n、m)である場合には、注目画素Pkt(n、m)の2個の対応画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)の2個のK成分の階調値が取得される。
S250では、CPU110は、処理済み成分画像CI2内の注目画素の階調値を決定する。注目画素が画素Pkt(n、m)である場合には、注目画素Pkt(n、m)のK成分の階調値Kout(n、m)は、以下の式(3)を用いて表される。
Kout(n,m)=Wk(n-1,m)×Kin(n-1,m) + Wk(n,m)×Kin(n,m) ...(3)
式(3)のKin(n−1、m)、Kin(n、m)は、S245にて取得された2個のK成分の階調値である。Wk(n−1、m)、Wk(n、m)は、それぞれ、対応画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)の重みである。すなわち、注目画素のK成分の階調値Kout(n、m)は、2個の対応画素のK成分の階調値の重み付き平均値である。
重みWk(n−1、m)、Wk(n、m)の比率は、それぞれ、成分画像KI1と処理済み成分画像KI2とを上述したように重ねた場合に、対応画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)のそれぞれが、注目画素Pkt(n、m)とが重なる面積の比率である。
例えば、図7に示すように、画素Pkt(6、1)の2個の対応画素Pk(5、1)、Pk(6、1)は、それぞれ、画素の半分の領域が画素Pkt(6、1)と重なっている。したがって、2個の対応画素の重みの比率、Wk(5、1):Wk(6、1)=1:1である。2個の重みは、2個の重みの合計値が1になるように正規化されるので、Wk(5、1)、Wk(6、1)は、それぞれ、(1/2)、(1/2)である。
本実施例では、注目画素Pkt(n、m)の2個の対応画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)の重みWk(n−1、m)、Wk(n、m)は、それぞれ、(1/2)、(1/2)である。したがって、上記の式(3)は、以下の式(4)に書き直すことができる。
Kout(n,m)={Kin(n-1,m) + Kin(n,m)}/2 ...(4)
S255では、CPU110は、処理済み成分画像KI2内の全ての画素を処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S255:NO)、CPU110は、S240に戻って、未処理の画素を注目画素として選択する。全ての画素を処理した場合には(S255:YES)、CPU110は、調整処理を終了する。S235〜S255の処理によって、K成分の処理済み成分画像データが生成される。この結果、調整処理によって、CMYKの各処理済み成分画像データを含む処理済みCMYK画像データが生成される。
以上説明した第1実施例の調整処理では、図5のS235〜S255にて、K成分の成分画像データを用いて、第1方向D1の画素数が、第1の解像度(本実施例では、600dpi)に応じた画素数であるK成分の処理済み成分画像を表すK成分の処理済み成分画像データが生成される。また、図5のS205〜S230にて、有彩色の成分画像データを用いて、第1方向D1の画素数が第1の解像度より低い第2の解像度(本実施例では、300dpi)に応じた画素数である有彩色の3個の処理済み成分画像を表す有彩色の3個の処理済み成分画像データが生成される。これによって、処理済みCMYK画像データが生成される。
ここで、有彩色の処理済み成分画像の注目画素の階調値は、複数個の対応画素の階調値を用いて生成される(図5のS215、S220)。その際に、複数個の対応画素は、上述した(1)〜(3)の仮定の下で有彩色の成分画像を第1方向D1に所定のシフト量(本実施例では、(1/2)Ph)だけずらして有彩色の処理済み成分画像と重ねた場合に、注目画素と重なる複数個の画素である。このように、成分画像の1画素の幅より小さい距離だけずらして2個の画像を重ねて対応画素を決めることにより、処理済み成分画像の画質を向上することができる。
ここで、図6を参照してより詳しく説明する。図6の左側の成分画像CI1の画素Pcのうち、白の画素Pc1は、階調値が最小値(0)である低濃度画素を示す。黒の画素Pc2は、成分画像CI1の画素Pcのうち、階調値が最大値(255)である高濃度画素を示す。すなわち、図6の右側の成分画像CI1は、第1方向D1の中央部に、画素Pcの6個分の線幅(6×Ph)を有する線が横方向に延びている画像を表している。
このような成分画像CI1を用いて生成される図6の左側の処理済み成分画像CI2は、低濃度画素Pct1と、高濃度画素Pct2と、に加えて、2種類の中間濃度画素Pct3、Pct4と、を含む。図6の例では、中間濃度画素Pct3の階調値は、32であり、中間濃度画素Pct4の階調値は、96である。すなわち、図6の右側の処理済み成分画像CI2は、画素Pctの4個分の線幅、換言すれば、画素Pcの8個分の線幅(8×Ph)を有する線が横方向に延びている画像を表している。そして、線のエッジの先鋭度は下げられる。
さらに、理解の容易のために、比較例について説明する。図8、図9は、比較例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。図8の左側には、調整処理前のC成分の成分画像CI1の一部分が示されている。この成分画像CI1は、図6の左側の成分画像CI1と同じである。図8の右側には、成分画像CI1に対して比較例の処理を実行して生成されるC成分の処理済み成分画像CI2bの一部分が示されている。図9の左側には、調整処理前のC成分の成分画像CI1cの一部分が示されている。この成分画像CI1cは、図8の成分画像CI1と異なり、線幅(6×Ph)を有する線が、1画素分だけ第1方向D1にずれている。図8の左側には、成分画像CI1cに対して比較例の処理を実行して生成されるC成分の処理済み成分画像CI2cの一部分が示されている。これらの画像CI1、CI2b、CI1c、CI2cは、第1実施例と同様に(1)〜(3)の仮定に従って図示されている。
比較例の方法では、上述した(1)〜(3)の仮定の下で、有彩色の成分画像をずらすことなく、有彩色の処理済み成分画像と完全に重ねる。そして、このように重ねた場合に、注目画素と重なる複数個の画素を対応画素とする。そして、対応画素と注目画素とが重なる面積の比率に応じて、対応画素の重みを決定する。このために、比較例では、注目画素Pct(n、m)のC成分の階調値Cout(n、m)は、2個の対応画素Pc(n−1、m)、Pc(n、m)のC成分の階調値Cin(n−1、m)、Cin(n、m)を用いて、以下の式(5)を用いて表される。
Cout(n,m)={Cin(n-1,m) + Cin(n,m)}/2 ...(5)
比較例では、図8の例では、成分画像CI1において線幅(6×Ph)を有する線が、処理済み成分画像CI2bにおいて、線幅(6×Ph)を有する線のまま維持されている。そして、線のエッジは、先鋭度が高いまま維持されている。一方、図9の例では、成分画像CI1cにおいて線幅(6×Ph)を有する線が、処理済み成分画像CI2cにおいて、線幅(8×Ph)を有する線となっている。そして、線のエッジは、先鋭度が下げられる。このように、比較例の処理では、例えば、処理前の成分画像内の特定の線などのオブジェクトが処理前の成分画像内における第1方向D1の位置によって、処理済み成分画像内における当該オブジェクトの太さや先鋭度が異なり得る。例えば、処理前の成分画像内において、どのような列に位置しているかに応じて、処理前の成分画像内における同じ幅と同じ先鋭度を有する複数本の線が、処理済み成分画像内において、互いに異なる太さと先鋭度を有する線になる可能性がある。
これに対して、本実施例の調整処理では、上述したように、有彩色の成分画像の第1方向D1の画素数を減少させる際に、所定のシフト量((1/2)Ph)だけずらして成分画像と処理済み成分画像とを重ねて対応画素を決めることにより、線幅や先鋭度がばらつく不具合を抑制することができる。例えば、成分画像CI1において線幅(6×Ph)を有する線は、当該線の第1方向D1の位置に拘わらずに、処理済み成分画像CI2bにおいて、線幅(8×Ph)を有する線となり、当該線のエッジの先鋭度は下げられる。この結果、処理済み成分画像の画質を向上することができる。
さらに、本実施例では、K成分の成分画像データは、第1方向D1の画素数を変更する必要がないにも拘わらずに、図5のS235〜S255にて、調整処理の対象とされる。ここで、K成分の処理済み成分画像の注目画素の階調値は、複数個の対応画素の階調値を用いて生成される(図5のS245、S250)。その際に、複数個の対応画素は、上述した(1)〜(3)の仮定の下でK成分の成分画像を第1方向D1に所定のシフト量(本実施例では、(1/2)Ph)だけずらしてK成分の処理済み成分画像と重ねた場合に、注目画素と重なる複数個の画素である。
この結果、図7に示すように、K成分の成分画像KI1において線幅(6×Ph)を有する線は、K成分の処理済み成分画像KI2において、線幅(7×Ph)を有する線となり、当該線のエッジの先鋭度は下げられる。この結果、K成分の処理済み成分画像KI2内の線の幅やエッジの先鋭度は、有彩色の処理済み成分画像内の線の幅やエッジの先鋭度に近づけられる。この結果、例えば、CMYKの4個の処理済み成分画像を重ねた画像である処理済み画像の画質を向上することができる。ひいては、後に生成されるドットデータによって表されるドット画像(印刷画像)の画質を向上することができる。例えば、エッジが不自然に見える不具合を抑制することができる。
さらに詳しく説明する。上述したように、有彩色の処理済み成分画像では、処理前と比較して線幅が太くなるとともに、エッジの先鋭度が低くなっている。仮に、K成分の成分画像に対して調整処理を行わずに、K成分の成分画像データを、そのまま、処理済みCMYK画像データのK成分のレイヤーとして用いる場合を考える。この場合には、K成分の成分画像内の線幅や先鋭度と、有彩色の処理済み成分画像内の線幅や先鋭度に差が現れる。この結果、例えば、画像内の同一のエッジについて、K成分の成分画像に現れるエッジと、有彩色の処理済み成分画像に現れるエッジと、の間の位置ずれや先鋭度の違いが目立つ可能性がある。画像の画質が低下する可能性があった。本実施例では、このような不都合の発生を抑制して、処理済み画像の画質を向上することができる。
上記式(1)から解るように、上記実施例では、有彩色の処理済み成分画像の注目画素の階調値は、さらに、対応画素のそれぞれについて決定される重み、例えば、上述したWc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)を用いて決定される。これらの重みWc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)の比率は、それぞれ、成分画像CI1と処理済み成分画像CI2とを上述したように重ねた場合に、対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)のそれぞれが、注目画素Pct(n、m)とが重なる面積の比率である。K成分の処理済み成分画像の注目画素の階調値を算出する際に用いられる重みWk(n−1、m)、Wk(n、m)についても同様である。この結果、処理済み成分画像の注目画素の階調値を適切に決定することができるので、処理済み画像の画質を向上することができる。
また、上記実施例では、処理前のK成分の成分画像データと、K成分の処理済み成分画像データと、の第1方向D1の画素数は、互いに同じである。すなわち、K成分の成分画像データを用いて、K成分の処理済み成分画像データを生成する処理(図5のS235〜S255)は、第1方向D1の画素数を変更する処理を含まない。そして、有彩色の処理済み成分画像データの第1方向D1の画素数は、処理前の有彩色の成分画像データの第1方向D1の画素数の半分である。すなわち、有彩色の成分画像データを用いて、有彩色の処理済み成分画像データを生成する処理(図5のS210〜S225)は、第1方向D1の画素数を低減する処理を含む。この結果、処理前のK成分の成分画像データと、K成分の処理済み成分画像データと、の第1方向D1の画素数は、互いに同じであるにも拘わらずに、上述した調整処理にて、K成分の処理済み成分画像データを生成するので、処理済み画像の画質を向上することができる。
なお、K成分の処理済み成分画像KI2にK成分の成分画像KI1を重ねる際の成分画像KI1のシフト量(第1の距離とも呼ぶ)と、有彩色の処理済み成分画像CI2に有彩色の成分画像CI1を重ねる際の成分画像CI1のシフト量(第2の距離とも呼ぶ)と、は同じである。すなわち、本実施例では、第1の距離と第2の距離は、ともに(1/2)Phであり、第1の距離と第2の距離との差分はゼロである。これは、本実施例では、上述したように、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個ノズルの第1方向D1の重心と、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個ノズルの第1方向D1の重心と、が一致しているので、K成分の処理済み成分画像KI2内のオブジェクトの第1方向D1の重心と、有彩色の処理済み成分画像CI2内のオブジェクトの第1方向D1の重心と、をずらす必要がないからである。
詳しく説明すると、K成分の処理済み成分画像KI2内のオブジェクトの第1方向D1の重心は、処理前のK成分の成分画像KI1内のオブジェクトの第1方向D1の重心に対して第1の距離の分だけシフトする。同様にして、有彩色の処理済み成分画像CI2内のオブジェクトの第1方向D1の重心は、処理前の有彩色の成分画像CI1内のオブジェクトの第1方向D1の重心に対して第2の距離だけシフトする。本実施例では、第1の距離と第2の距離とは等しいからから、有彩色の処理済み成分画像内のオブジェクトと、K成分の処理済み成分画像内のオブジェクトと、の間で第1方向D1の重心とは、一致する。
この結果、印刷画像において、K成分のドット画像と、有彩色のドット画像と、の間に、オブジェクトの重心のずれが発生しない。この結果、印刷画像の画質を向上することができる。換言すれば、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の重心と、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の重心と、が一致している場合に、第1の距離と第2の距離とが等しいことによって、印刷画像の画質の低下をより効果的に抑制することができる
なお、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の重心と、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の重心と、がずれている場合には、第1の距離と第2の距離との差分はゼロでない(すなわち、第1の距離と第2の距離とは等しくない)ことがより好ましい。この例については、第2実施例にて説明する。このように、第1の距離および第2の距離は、ブラックノズル群Nkに含まれるノズルの第1方向D1の位置に対する、有彩色の有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれるノズルの第1方向D1の位置に基づいて決定されることが好ましい。こうすれば、印刷実行部180を用いて印刷される印刷画像の画質の低下をより効果的に抑制することができる。
B.第2実施例:
第2実施例のプリンタ100は、第1実施例の印刷ヘッド184(図2)とは異なる構成の印刷ヘッド184bを備えている。図10は、印刷ヘッド184bに設けられたノズルの配列を示す図である。印刷ヘッド184bでは、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の重心Gc1が、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の重心Gc2に対して、所定の距離だけ第1方向D1にずれている。所定の距離を、ノズルずれ量ΔNとも呼ぶ。図10に示すように、本実施例では、ノズルずれ量ΔNは、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルのノズルピッチNP1の半分である{(1/2)NP1}。
このように重心がずれているので、第1方向D1の上流側からi番目のシアン、マゼンタ、イエロのノズルNzc(i)、Nzm(i)、Nzy(i)の第1方向D1の位置は、第1方向D1の上流側から(2i−1)番目のブラックのノズルNzk(2i−1)の第1方向D1の位置と、同じである。例えば、図10に示すように、ノズルNzc(1)、Nzm(1)、Nzy(1)の第1方向D1の位置は、ブラックの2個のノズルNzk(1)の第1方向D1の位置と同じである。
図10の印刷ヘッド184bの他の構成は、図2の印刷ヘッド184の構成と同じである。
図11は、第2実施例のC成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。図12は、第2実施例のK成分の処理済み成分画像データの生成について説明する図である。
第2実施例の調整処理では、上述した第1の距離と第2の距離とが、第1実施例の第1の距離と第2の距離とは異なる。すなわち、第1実施例の調整処理では、上述したように、第1の距離と第2の距離は、ともに(1/2)Phであるが、第2実施例の調整処理では、第1の距離と第2の距離は、互いに異なる値である。具体的には、第2の距離は、図11に示すように、(1/4)Phである。第1の距離は、図12に示すように、(3/4
)Phである。
このように、第2の距離が(1/4)Phであるために、第2実施例では、有彩色の成分画像CI1(図11の左側)を表す成分画像データを用いて、有彩色の処理済み成分画像CI2d(図11の右側)を表す処理済み成分画像データを生成する処理が、第1実施例と異なる。
まず、第2実施例では、注目画素に対応する3個の対応画素は、第1実施例と同じである。したがって、注目画素Pct(n、m)の3個の対応画素は、第1実施例と同じ3個の画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)である。
一方、第2実施例では、3個の対応画素の重みが、第1実施例とは異なる。具体的には、3個の対応画素Pc(2n−2、m)、Pc(2n−1、m)、Pc(2n、m)の重みWc(2n−2、m)、Wc(2n−1、m)、Wc(2n、m)は、それぞれ、(1/8)、(4/8)、(3/8)である。
したがって、注目画素Pct(n、m)のC成分の階調値Cout(n、m)は、3個の対応画素のC成分の階調値Cin(2n−2、m)、Cin(2n−1、m)、Cin(2n、m)を用いて、以下の式(6)を用いて表される。
Cout(n,m)={Cin(2n-2,m) + 4×Cin(2n-1,m) + 3×Cin(2n,m)}/8 ...(6)
さらに、第1の距離が(3/4)Phであるために、第2実施例では、K成分の成分画像KI1(図12の左側)を表す成分画像データを用いて、K成分の処理済み成分画像KI2d(図12の右側)を表す処理済み成分画像データを生成する処理が、第1実施例と異なる。
まず、第2実施例では、注目画素に対応する2個の対応画素は、第1実施例と同じである。したがって、注目画素Pkt(n、m)の2個の対応画素は、第1実施例と同じ2個の画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)である。
一方、第2実施例では、2個の対応画素の重みが、第1実施例とは異なる。具体的には、2個の対応画素Pk(n−1、m)、Pk(n、m)の重みWk(n−1、m)、Wk(n、m)は、それぞれ、(3/4)、(1/4)である。
したがって、注目画素Pkt(n、m)のK成分の階調値Kout(n、m)は、2個の対応画素のK成分の階調値Kin(n−1、m)、Kin(n、m)を用いて、以下の式(6)を用いて表される。
Kout(n,m)={3×Kin(n-1,m) + Kin(n,m)}/4 ...(6)
第2実施例の調整処理の他の処理は、第1実施例の調整処理と同じである。
以上説明した第2実施例によれば、第1の距離および第2の距離は、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の位置に対する、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の位置に、基づいて決定されている。この結果、印刷画像の画質を向上することができる。
具体的には、本実施例では、上述したように、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の重心Gc1が、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の重心Gc2に対して、ノズルずれ量ΔN=(1/2)NP1だけ第1方向D1にずれている。したがって、同じサイズのK成分のドット画像と、有彩色のドット画像と、を用紙に印刷すると、K成分のドット画像は、有彩色のドット画像に対して、(1/2)NP1だけ第1方向D1にずれる。
(1/2)NP1は、K成分の成分画像KI1の画素の第1方向D1の長さの半分(1/2)Phに等しい。本実施例では、第1距離と第2距離との差分ΔDが、(1/2)Phとなるように、第1の距離が(3/4)Phに、第2の距離が(1/4)Phに、予め決定されている。この結果、K成分の処理済み成分画像KI2d内のオブジェクトに対して有彩色の処理済み画像CI2d内のオブジェクトが(1/2)Phだけ第1方向D1にずれるように、これらの処理済み成分画像KI2d、CI2dを表す処理済み画像データが生成される。この結果、処理済み画像データを用いて生成されるドットデータによって表されるK成分のドット画像と有彩色のドット画像との間で、上述したオブジェクトのずれが発生する。この結果、これらのドットデータを用いて印刷を行うと、印刷画像において、ノズルずれ量ΔNに起因するオブジェクトのずれと、ドットデータに起因するオブジェクトのずれと、が相殺される。この結果、印刷画像の画質を向上することができる。例えば、印刷画像内の同一のエッジについて、K成分のドット画像に現れるエッジと、有彩色のドット画像に現れるエッジと、の間の位置ずれが目立つことを抑制することができる。
このように、ノズルの第1方向D1の位置に起因するオブジェクトのずれと、ドットデータに起因するオブジェクトのずれと、を相殺するためには、第2実施例のように、ノズルずれ量ΔNと、第1の距離と第2の距離との差分ΔDと、が等しくなるように、第1の距離および第2の距離とが決定されることが好ましい。本実施例では、ノズルずれ量ΔNは、(1/2)NP1=(1/2)Phであり、差分ΔD=((3/4)Ph−(1/4)Ph)=(1/2)Phである。このように、本実施例では、ノズルずれ量ΔNと、第1の距離と第2の距離との差分ΔDと、が等しいことが解る。換言すれば、ノズルずれ量ΔNが大きいほど、第1の距離と第2の距離との差分ΔDも大きくなるように、第1の距離と第2の距離とが決定されることが好ましい。こうすれば、ノズルずれ量ΔNに起因する印刷画像の画質の低下を抑制することができる。
以上の説明から解るように、第2実施例では、ブラックノズル群Nkに含まれるJ個のノズルの第1方向D1の重心Gc1と、有彩色のノズル群Nc、Nm、Nyに含まれる(J/2)個のノズルの第1方向D1の重心Gc2と、が互いに異なる場合に、第1の距離と第2の距離とを互いに異なる値にしている。この結果、重心Gc1と重心Gc2とが異なる場合に、印刷画像の画質の低下をより効果的に抑制することができる。
C.変形例:
(1)上記実施例の調整処理(図5)では、K成分の処理済み成分画像KI2の第1方向D1の画素数は、調整処理前の成分画像KI1の第1方向D1の画素数と同じである。これに代えて、調整処理では、K成分の処理済み成分画像KI2の第1方向D1の画素数が、調整処理前の成分画像KI1の第1方向D1の画素数より減少されても良い。例えば、
調整処理前のCMYKの各成分画像の第1方向D1の画素数が、E3(1200dpi相当)である場合には、K成分の処理済み成分画像KI2の第1方向D1の画素数は、(E3/2)(600dpi相当)に減少されても良い。そして、有彩色の処理済み成分画像CI2の第1方向D1の画素数は、(E3/4)(300dpi相当)に減少されても良い。
(2)上記第2実施例では、ノズルずれ量ΔNと、第1の距離と第2の距離との差分ΔDと、が等しくなるように、第1の距離および第2の距離が決定されている。必ずしもノズルずれ量ΔNと、第1の距離と第2の距離との差分ΔDと、が完全に等しくなるように、第1の距離および第2の距離が決定されていなくても良い。上記第2実施例では、第1の距離が(3/4)Phであり、第2の距離が(1/4)Phであるが、第1の距離が(1/2)Phであり、第2の距離が(1/4)Phで合っても良い。一般的には、ノズルずれ量ΔNがゼロではない場合には、第1の距離と第2の距離とが等しい場合(ΔD=0)と比較して、第1の距離と第2の距離との差分ΔDがノズルずれ量ΔNに近づくように、第1の距離と第2の距離が決定されることが好ましい。また、ノズルずれ量ΔNが大きいほど、第1の距離と第2の距離との差分ΔDが大きくなるように、第1の距離と第2の距離が決定されることが好ましい。
(3)上記実施例の調整処理では、有彩色の成分画像データを用いて、第1方向D1の画素数が600dpiの解像度に応じた画素数である有彩色の処理済み成分画像データを生成する処理と、K成分の成分画像データを用いて、第1方向D1の画素数が300dpiの解像度に応じた画素数であるK成分の処理済み成分画像データを生成する処理と、を実行している。300dpiや600dpiなどの解像度や、CMYKなどの色成分は一例であってこれに限られない。一般的には、調整処理では、(1)第1の色成分の階調値を画素ごとに含む第1の成分画像データを用いて、第1方向の画素数が第1の解像度に応じた第1の画素数である第1の処理済み成分画像データを生成する処理と、(2)第2の色成分の階調値を画素ごとに含む第2の成分画像データを用いて、第1方向の画素数が第1の解像度より低い第2の解像度に応じた第2の画素数である第2の処理済み成分画像データを生成する処理と、が実行されることが好ましい。
(4)上記実施例のプリンタ100が実行する処理(図5)は、プリンタ100と通信可能に接続された端末装置(例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ)によって実行されても良い。例えば、端末装置にプリンタドライバプログラムがインストールされ、端末装置のCPUが、当該プリンタドライバプログラムを実行することによって、上述した印刷処理を実行しても良い。この場合には、端末装置は、印刷処理によって印刷データを含む印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブを印刷実行部としてプリンタ100に送信することによって、プリンタ100に印刷を実行させれば良い。
(5)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...プリンタ、110...CPU、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...コンピュータプログラム、134...絵柄画像データ、135...宛先管理テーブル、140...表示部、150...操作部、160...通信インタフェース、180...印刷実行部

Claims (10)

  1. 画像処理装置であって、
    第1の成分画像を表す第1の成分画像データであって第1の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第1の成分画像データと、第2の成分画像を表す第2の成分画像データであって第2の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第2の成分画像データと、を含む画像データを取得する取得部と、
    前記第1の成分画像データを用いて、第1方向の画素数が第1の解像度に応じた第1の画素数である第1の処理済み成分画像を表す第1の処理済み成分画像データを生成する処理と、前記第2の成分画像データを用いて、前記第1方向の画素数が前記第1の解像度より低い第2の解像度に応じた第2の画素数である第2の処理済み成分画像を表す第2の処理済み成分画像データを生成する処理と、を実行することによって、前記第1の処理済み成分画像データと前記第2の処理済み成分画像データとを含む処理済み画像データを生成する第1の生成部と、
    を備え、
    前記第1の生成部は、
    前記第1の処理済み成分画像内の第1の注目画素に対応する前記第1の成分画像内の複数個の第1の対応画素の階調値を用いて、前記第1の注目画素の階調値を決定し、
    前記第2の処理済み成分画像内の第2の注目画素に対応する前記第2の成分画像内の複数個の第2の対応画素の階調値を用いて、前記第2の注目画素の階調値を決定し、
    前記複数個の第1の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第1の成分画像を前記第1方向に第1の距離だけずらして前記第1の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第1の注目画素と重なる複数個の画素であり、
    前記複数個の第2の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第2の成分画像を前記第1方向に第2の距離だけずらして前記第2の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第2の注目画素と重なる複数個の画素であり、
    前記(1)〜(3)の仮定は、
    (1)前記第1方向の画素数がEであり、かつ、前記第1方向と垂直な第2方向の画素数がFである成分画像は、前記第1方向の寸法が(A/E)であり、かつ、前記第2方向の寸法が(B/F)である(E×F)個の画素(A、Bは、正の固定値)を枡目状に並べて構成されていること、および、
    (2)前記第1の処理済み成分画像と前記第1の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、および、
    (3)前記第2の処理済み成分画像と前記第2の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、である、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記第1の成分画像データおよび前記第2の成分画像データの前記第1方向の画素数は、前記第1の画素数であり、
    前記第1の処理済み成分画像データを生成する処理は、前記第1方向の画素数を変更する処理を含まず、
    前記第2の処理済み成分画像データを生成する処理は、前記第1方向の画素数を低減する処理を含む、画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記処理済み画像データを用いて、印刷データを生成する第2の生成部と、
    前記印刷データを、印刷実行部に出力する出力部と、
    を備え、
    前記印刷実行部は、副走査方向に沿って並ぶ複数個の第1のノズルであって前記第1の色成分に対応する第1の色材を吐出するための前記複数個の第1のノズルと、前記副走査方向に沿って並ぶ複数個の第2のノズルであって前記第2の色成分に対応する第2の色材を吐出するための複数個の第2のノズルと、を有する印刷ヘッドを備え、
    前記第1方向は、前記副走査方向に対応する方向であり、
    前記第1の距離および前記第2の距離は、前記複数個の第1のノズルの前記副走査方向の位置に対する前記複数個の第2のノズルの前記副走査方向の位置に基づいて決定されている、画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置であって、さらに、
    前記第1の距離および前記第2の距離は、前記第1のノズルと前記第2のノズルとの前記副走査方向の重心のズレが大きいほど、前記第1の距離と前記第2の距離との差分が大きくなるように、決定されている、画像処理装置。
  5. 請求項3または4に記載の画像処理装置であって、
    前記第1の距離と前記第2の距離は、等しい、画像処理装置。
  6. 請求項5に記載の画像処理装置であって、
    前記第1のノズルの前記副走査方向の重心と、前記第2のノズルの前記副走査方向の重心とは、一致している、画像処理装置。
  7. 請求項3または4に記載の画像処理装置であって、
    前記第1の距離と前記第2の距離は、異なる、画像処理装置。
  8. 請求項7に記載の画像処理装置であって、
    前記第1のノズルの前記副走査方向の重心と、前記第2のノズルの前記副走査方向の重心とは、異なる、画像処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第1の生成部は、
    前記複数個の第1の対応画素の階調値と、前記複数個の第1の対応画素のそれぞれについて決定される重みと、を用いて、前記第1の注目画素の階調値を決定し、
    前記複数個の第2の対応画素の階調値と、前記複数個の第1の対応画素のそれぞれについて決定される重みと、を用いて、前記第2の注目画素の階調値を決定し、
    前記複数個の第1の対応画素のそれぞれについて決定される重みの比率は、前記(1)〜(3)の仮定の下で前記第1の成分画像を前記第1方向に前記第1の距離だけずらして前記第1の処理済み成分画像と重ねた場合に、前記複数個の第1の対応画素のそれぞれが前記第1の注目画素と重なる面積の比率であり、
    前記複数個の第1の対応画素のそれぞれについて決定される重みの比率は、前記(1)〜(3)の仮定の下で前記第2の成分画像を前記第2方向に前記第2の距離だけずらして前記第2の処理済み成分画像と重ねた場合に、前記複数個の第2の対応画素のそれぞれが前記第2の注目画素と重なる面積の比率である、画像処理装置。
  10. コンピュータプログラムであって、
    第1の成分画像を表す第1の成分画像データであって第1の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第1の成分画像データと、第2の成分画像を表す第2の成分画像データであって第2の色成分の階調値を画素ごとに含む前記第2の成分画像データと、を含む画像データを取得する取得機能と、
    前記第1の成分画像データを用いて、第1方向の画素数が第1の解像度に応じた第1の画素数である第1の処理済み成分画像を表す第1の処理済み成分画像データを生成する処理と、前記第2の成分画像データを用いて、前記第1方向の画素数が前記第1の解像度より低い第2の解像度に応じた第2の画素数である第2の処理済み成分画像を表す第2の処理済み成分画像データを生成する処理と、を実行することによって、前記第1の処理済み成分画像データと前記第2の処理済み成分画像データとを含む処理済み画像データを生成する第1の生成機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記第1の生成機能は、
    前記第1の処理済み成分画像内の第1の注目画素に対応する前記第1の成分画像内の複数個の第1の対応画素の階調値を用いて、前記第1の注目画素の階調値を決定し、
    前記第2の処理済み成分画像内の第2の注目画素に対応する前記第2の成分画像内の複数個の第2の対応画素の階調値を用いて、前記第2の注目画素の階調値を決定し、
    前記複数個の第1の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第1の成分画像を前記第1方向に第1の距離だけずらして前記第1の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第1の注目画素と重なる複数個の画素であり、
    前記複数個の第2の対応画素は、下記の(1)〜(3)の仮定の下で前記第2の成分画像を前記第1方向に第2の距離だけずらして前記第2の処理済み成分画像と重ねる場合に、前記第2の注目画素と重なる複数個の画素であり、
    前記(1)〜(3)の仮定は、
    (1)前記第1方向の画素数がEであり、かつ、前記第1方向と垂直な第2方向の画素数がFである成分画像は、前記第1方向の寸法が(A/E)であり、かつ、前記第2方向の寸法が(B/F)である(E×F)個の画素(A、Bは、正の固定値)を枡目状に並べて構成されていること、および、
    (2)前記第1の処理済み成分画像と前記第1の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、および、
    (3)前記第2の処理済み成分画像と前記第2の成分画像とは、前記第1方向の寸法および前記第2方向の寸法が互いに同一であること、である、コンピュータプログラム。
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