JP6378883B2 - トンネル発破掘削用の飛石防護装置 - Google Patents

トンネル発破掘削用の飛石防護装置 Download PDF

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Description

本発明は、トンネルを発破掘削する際に用いる飛石防護装置に関するものである。
トンネル工事において、掘削に発破を使用する場合、近隣集落への騒音防止対策が大きな課題になっている。そのため、トンネルの坑口に防音壁を設置し、トンネル内の発破掘削で生じる爆発音を防音壁によって遮ることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された防音壁は、坑口前に密接して配置される坑口壁部と、この坑口壁部のトンネル延長方向外側に離れて配置される正面壁部と、坑口壁部と正面壁部の外周縁同士を連結する連結壁部とを備えたものとなっている。そして、坑口壁部及び正面壁部の双方を遮音性を有する重量パネルで構成することによって防音効果を高め、坑口壁部と正面壁部とを連結壁部で連結することによって防音壁周辺からの音漏れを抑制している。
特開2006−283545号公報
特許文献1に記載されている防音壁は、一度きりの使用ではなく複数の現場で繰り返し使用されるため、防音効果だけでなく耐久性をも求められる。
ところが、発破掘削によって飛散した石等が防音壁に衝突すると、重量パネルに凹みや亀裂等の損傷が生じ、防音効果が低下して耐久性を損なうおそれがある。また、防音壁に石等が衝突することによって、二次騒音が発生するという問題もある。そのため、特許文献1の防音壁は、通常、発破される切羽面から所定距離(例えば40m)以上を確保できる場合に限り使用されていた。そして、所定距離を確保できない場合は、機械掘削を行ったり、防音壁を用いずに薬量を減らしたうえで発破掘削を行っていた。
しかしながら、機械掘削や薬量を減らした発破掘削は非常に効率が悪く、作業に長時間を要するため、工期延長の原因となる。また、表層の近くで堅固な岩盤が出現する地山においては、機械掘削や薬量を減らした発破掘削が実質的に不可能な場合もある。そのため、工期短縮の要請や現場に地質等によっては所定距離を確保できなくても通常の発破掘削を行わざるを得ない場合もあり、防音壁の使用を余儀なくされる。その結果、防音壁の損傷により耐久性が低下し、流用回数が減少したり、二次騒音によって十分な防音効果が得られないという弊害が生じていた。
そこで、本発明は、防音壁から近接した切羽面を発破掘削する場合に、飛石による防音壁の損傷や二次騒音を抑制することが可能な飛石防護装置を提供することを目的とする。
(1)本発明のトンネル発破掘削用の飛石防護装置は、トンネルの坑口付近に設置された防音壁を切羽面側で覆い、当該切羽面の発破掘削に伴う飛石を遮る遮蔽面と、この遮蔽面の全体に分散して形成され、かつ発破掘削に伴う爆風の通過を許容する多数の開口部と、を有する遮蔽カーテンと、
切羽面から坑口へ向かう方向の前記遮蔽カーテンの揺動を弾性的に制限する、揺動規制手段と、を備え、
前記遮蔽カーテンは、トンネル幅方向に並べて2枚設けられ、
2枚の前記遮蔽カーテンは、トンネルの幅方向中央部において重複して配置され、かつ、重複部分において互いに連結され、かつ、トンネル幅方向外側の端部がトンネルの幅方向両側部に配置された前記揺動規制手段に連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、発破掘削に伴う飛石が防音壁に到るような近接発破を行う場合に、遮蔽カーテンによって防音壁を切羽面側で覆うことによって飛石を遮り、防音壁への飛石の衝突を防止することができる。したがって、飛石による防音壁の損傷や二次騒音を抑制することができる。また、発破掘削に伴う爆風を遮蔽カーテンがそのまま受けてしまうと、その風圧で遮蔽カーテンが損傷したり大きく捲れ上がったりし、飛石の遮蔽機能が損なわれる。この点、本発明の遮蔽カーテンは、爆風の通過を許容する多数の開口部が遮蔽面の全体に分散して形成されているので、遮蔽カーテンに作用する風圧を緩和させることができ、遮蔽カーテンの損傷や捲れ上がりを好適に抑制することができる。
(2)前記遮蔽面は、飛石の衝突による衝撃を吸収する緩衝部材により形成されていることが推奨される。
このような構成によって、飛石の衝突による遮蔽面の損傷を防止し、当該衝突に伴う音の発生を抑制することができる。
(3)前記緩衝部材は中空構造に形成されていることが好ましい。
このような構成によって、緩衝部材内の内部空間によって衝撃を吸収することが可能となる。
(4)前記緩衝部材はパイプ材から構成されていてもよく、このパイプ材を多数並設することによって前記遮蔽面が形成されていてもよい。
このような構成により、簡素な構造の緩衝部材を用いて緩衝作用を有する遮蔽面を容易に構成することができる。
(5)前記開口部は、前記パイプ材を間隔をあけて並設することによって形成されていてもよい。
このような構成によって、遮蔽面の全体に多数の開口部を容易に形成することができる。
(6)前記緩衝部材は、弾性変形可能な弾性シート材により形成されていてもよい。
このような構成によって、飛石の衝突による衝撃を弾性シート材の弾性変形によって吸収することが可能となる。
(7) 前記防音壁には、トンネル幅方向に並べて2枚の内扉が設けられ、各内扉がトンネル幅方向の外側の端部を支点としてトンネル内部側へ開き、前記遮蔽カーテンは、前記内扉の開閉領域よりも切羽面側に設置されていることが好ましい。
このような構成によって、遮蔽カーテンが内扉の開閉の邪魔になるのを防止することができる。
(8)上記(1)の飛石防護装置は、トンネル幅方向中央部で重複する2枚の遮蔽カーテンを備えている。トンネルの切羽面を発破掘削する場合、トンネル幅方向中央部に対して行う芯抜き発破の際に最も飛石が問題となるため、2枚の遮蔽カーテンをトンネル幅方向中央部で重複させることによって、芯抜き発破に伴う飛石をより確実に遮蔽することが可能となる。
(9)本発明の飛石防護装置は、切羽面から坑口へ向かう方向の前記遮蔽カーテンの揺動を弾性的に制限する、揺動規制手段を備え、
2枚の前記遮蔽カーテンは、トンネル幅方向外側の端部がトンネルの幅方向両側部に配置された前記揺動規制手段に連結されている。
このような構成によって、発破掘削に伴う爆風で遮蔽カーテンが揺動したとしてもその揺動を弾性的に制限することができ、遮蔽カーテンの損傷を防止しながら、遮蔽カーテンの揺動で飛石の遮蔽領域が減少するのを好適に抑制することができる。
前記揺動規制手段は、前記遮蔽カーテンよりも切羽面側に配置されていることが好ましい。
(10)本発明の飛石防護装置は、遮蔽カーテンを下部側をめくり上げて開放するための開放操作手段を備えていることが好ましい。
このような構成によって、トンネル内における作業車両等の通行を容易に許容することができる。
本発明によれば、防音壁を設置した坑口から近い位置で発破掘削を行う場合に、飛石による防音壁の損傷や二次衝突音の発生を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る飛石防護装置を設置したトンネルを示す説明図である。 飛石防護装置の概略正面図である。 飛石防護装置の概略平面図である。 飛石防護装置における揺動規制手段の説明図である。 飛石防護装置における開放操作手段の説明図である。 飛石防護装置における遮蔽カーテンの一部を開放した状態の概略正面図である。 遮蔽カーテンを拡大して示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る飛石防護装置の遮蔽カーテンの一部を拡大して示す斜視図である。 同遮蔽カーテンの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る飛石防護装置を設置したトンネルを示す説明図である。図1に示されるように、トンネルTの坑口T1には、近隣集落に対する騒音対策のために防音壁(防音扉)10が設置されており、トンネルTの切羽面T2を発破掘削する際に生じる騒音の漏れを防音壁10によって抑制している。
防音壁10は、トンネルTの外部側から坑口T1を塞ぐようにトンネルTの前端面に密着して設置されている。防音壁10は、略直方体形状に形成されており、前後方向(トンネル延長方向)に所定の厚みを有するとともに、前後側壁が坑口T1の開口面積よりも大きい長方形状に形成されている。また、防音壁10の幅方向中央部には、作業車両等が出入りするための車両用扉11が設けられ、この車両用扉11の横には作業員が出入りするための人道扉12が設けられている。また、車両用扉11の上方には、換気ダクトを貫通させるためのダクト孔13が設けられている。
発破掘削を行う場合、通常、切羽面T2から坑口T1までの距離L1は40m以上とされ、発破掘削に伴う飛石が防音壁10まで到達しないように設定されるが、本実施形態では、距離L1が40m以内、例えば10m〜20m、より好ましくは12m〜15mの「近接発破」を行う。そして、トンネルT内には、発破掘削に伴う飛石が防音壁10に衝突しないように、飛石防護装置20が設けられている。
切羽面T2には、多数の発破孔14が形成され、この発破孔14に装填した爆薬に点火することによって切羽面T2を発破する。特に、切羽面T2の中央部(図1に2点鎖線で示す領域A)は、芯抜きを行うために最初に発破され、この芯抜き発破に伴う飛石が最も坑口T1側へ向けて飛散するようになっている。
〔飛石防護装置の全体構成〕
以下、飛石防護装置20について詳細に説明する。
本実施形態の飛石防護装置20は、トンネルTの坑口T1と切羽面T2との間に配置され、切羽面T2側から防音壁10を覆う遮蔽カーテン21を備えている。そして、この遮蔽カーテン21は、発破掘削による飛石を遮蔽することによって防音壁10を防護し、防音壁10の損傷や、飛石の衝突に伴う二次騒音の発生を防止している。なお、遮蔽カーテン21自体の詳細な構造については後述する。
図2は、飛石防護装置20の概略正面図、図3は、飛石防護装置20の概略平面図である。
遮蔽カーテン21は、トンネルTの上部にワイヤー23などによって吊り下げられることによって設置されている。例えば、トンネルT内に鋼製の支保工24が施されている場合、遮蔽カーテン21は支保工24に吊り下げることによって設置することができる。また、飛石防護装置20は、遮蔽カーテン21を吊り下げるための専用の支持用アーチを別途備えていてもよい。
本実施形態の飛石防護装置20は、2枚の遮蔽カーテン21を備えている。各遮蔽カーテン21は正面視で四角形状に形成されている。また、2枚の遮蔽カーテン21は、トンネルTの幅方向中央部において互いに前後に重ね合わされている。2枚の遮蔽カーテン21は、重ね合わされた部分で互いに連結されることによって一体となり、この連結を解くことによって個別に開放できるように構成されている。
〔揺動規制手段の構成〕
各遮蔽カーテン21の幅方向外側の下部側はトンネルTの幅方向側部に揺動規制手段25を介して連結されている。この揺動規制手段25は、図4に示されるように、ダンパ(緩衝器)26と、このダンパ26と遮蔽カーテン21とを接続するワイヤー27と、ワイヤー27を巻き掛ける中継プーリ(滑車)28とを備えている。ダンパ26は、バネ、ゴム又はオイル等の弾性材を収容したシリンダ部26aと、このシリンダ部26aに挿入されたロッド部26bとを備えている。そして、ダンパ26を縮める方向の負荷がロッド部26bに付与されると、その負荷の伴う衝撃がシリンダ部26a内の弾性材によって吸収される。
ワイヤー27は、ロッド部26bの先端と遮蔽カーテン21の端部とに連結され、ワイヤー27の中途部は、ロッド部26bの先端と遮蔽カーテン21との間に配置された中継プーリ28に巻き掛けられている。そして、切羽面T2の発破掘削に伴って発生した爆風(図3に白抜き矢印で示す)が遮蔽カーテン21に作用し、遮蔽カーテン21が坑口T1側に揺動すると、ワイヤー27で接続されたダンパ26によって、その揺動量が弾性的に制限される。
遮蔽カーテン21が揺動量が大きくなると、その分防音壁10を覆う範囲が狭くなり、飛石の遮蔽機能が低下するが、本実施形態のような揺動規制手段25を備えることによって、防音壁10を可及的に広範囲で覆い、飛石の遮蔽機能を好適に維持することができる。また、爆風による衝撃はダンパ26によって吸収されるので、遮蔽カーテン21の損傷を防止することができる。
また、2枚の遮蔽カーテン21は、トンネルTの幅方向中央部において重ね合わされているので、坑口T1側への飛石が最も多い芯抜き発破を行ったときに、遮蔽カーテン21の2重部分によって飛石を確実に遮蔽するともに、飛石の衝突に伴う損傷を防止することができる。
また、飛石防護装置20は、2枚の遮蔽カーテン21を備えることによって、各遮蔽カーテン21を可及的に小さくし、軽量化することができる。そのため、各遮蔽カーテン21の運搬等の取り扱いや設置・撤去作業を容易に行うことができる。
図3に示されるように、防音壁10の車両用扉11は、坑口T1側の壁部に設けられ、トンネル内部側に開く内扉11Bと、トンネル外部側の壁部に設けられた外扉11Aとからなっている。そして、遮蔽カーテン21は、内扉11Bの開閉領域Rよりも切羽面T2側に離れた位置に設置されている。そのため、遮蔽カーテン21が内扉11Bの開閉の邪魔になることはない。なお、防音壁10と遮蔽カーテン21との間の距離L2は、例えば2.5m〜5.0mとすることができる。
図2に示されるように、トンネル内部の幅方向両側部と上部とには、防音壁10が遮蔽カーテン21によって覆われない領域が存在しているが、飛石が坑口T1側まで大きく飛散するのは、切羽面T2の中央部Aにおける芯抜き発破であり、それ以外の発破、とくにトンネルTの幅方向両側部、上部及び下部における発破は坑口T1側への飛石は少ない。そのため、防音壁10が遮蔽カーテン21によって覆われていなくても、防音壁10の損傷や二次騒音が問題となることはほとんど無い。
〔開放操作手段の構成〕
遮蔽カーテン21は、上方へめくり上げることによって開放することができ、開放することによって作業車両M等(図6参照)の通行を許容することができる。本実施形態の飛石防護装置20には、遮蔽カーテン21を開放するための開放操作手段30が設けられている。この開放操作手段30は、図3に示されるように、各遮蔽カーテン21に接続されたワイヤー31を巻き取り装置32によって巻き取り、図6に示されるように、各遮蔽カーテン21をめくり上げて開放する。
図5は、飛石防護装置20における開放操作手段30の説明図である。
開放操作手段30は、遮蔽カーテン21に一端が連結されたワイヤー31と、このワイヤー31の他端側を巻き上げる巻き取り装置32とを備えている。この巻き取り装置32は、遮蔽カーテン21よりも坑口T1側におけるトンネルTの上面、例えば、鋼製支保工に取り付けられている。また、巻き取り装置32の遮蔽カーテン21側には、巻き掛けプーリ33が配置されている。
ワイヤー31の一端は、図2及び図5に示されるように、各遮蔽カーテン21の切羽面側の略中央部P1に連結されている。また、ワイヤー31の中途部は、各遮蔽カーテン21における幅方向中央側の下端角部P2を通過している。この下端角部P2には、ワイヤー31を通す連結リング34が設けられており、この連結リング34内でワイヤー31が長さ方向に移動可能となっている。
図5に示されるように、巻き取り装置32によってワイヤー31を巻き取ると、遮蔽カーテン21の下端角部P2が矢印a方向に引き上げられて中央部P1との距離が縮まり、その間で遮蔽カーテン21が弛みながら坑口T1側へめくり上げられる。このように遮蔽カーテン21を弛ませながらめくり上げることにより、遮蔽カーテン21から巻き取り装置32までの距離L3を可及的に短くすることができる。そのため、遮蔽カーテン21を可及的に切羽面T2から遠ざけ、防音壁10に近づけて配置することが可能となり、飛石から防音壁10を防護する機能を高めることができるとともに、遮蔽カーテン21への衝撃を小さくして損傷を防止することができる。
以上のように遮蔽カーテン21の下端角部P2をめくり上げると、図6に示されるように遮蔽カーテン21が開放され、中央に作業車両M等が通行可能な空間が形成される。
また、遮蔽カーテン21は、坑口T1側へめくり上げて開放されるので、遮蔽カーテン21に遮られて遮蔽カーテン21の切羽面T2側に溜まった飛石が遮蔽カーテン21の開放の邪魔になるのを防止することができる。
〔遮蔽カーテン21の具体的構造〕
次に遮蔽カーテン21の具体的構造について説明する。図7は、遮蔽カーテン21の一部を拡大して示す斜視図である。
遮蔽カーテン21は、金属製又は合成樹脂製のワイヤー等によって格子状(ネット状)に形成された基材41と、この基材41の表面全体に固定された多数のパイプ材(緩衝部材)42とから構成されている。パイプ材42は、ポリエチレン等の合成樹脂材料により円筒形状に形成されている。パイプ材42の直径Dは、例えば50mmとされ、長さL4は例えば500mmとされる。そして、このパイプ材42を基材41の表面に上下方向及び幅方向に並設することによって遮蔽カーテン21が構成されている。なお、上下方向又は幅方向に隣接する複数のパイプ材42は、相互にワイヤー等によって連結されていてもよいし、それぞれが基材41のみに固定されていてもよい。パイプ材42同士が連結されている場合には、その一部のパイプ材42が基材41に固定されていてもよいし、連結用のワイヤーが基材41に固定されていてもよい。
上下方向に関して、複数のパイプ材42は間隔S1をあけて並設されている。また、幅方向に関して、複数のパイプ材42は間隔S2あけて並設されている。この間隔S1,S2は、発破掘削に伴う飛石の最小寸法よりも小さい寸法であり、例えば30mmに設定されている。したがって、飛石は間隔S1,S2を通過することがほとんどなく、パイプ材42によって遮蔽される。
ここで、遮蔽カーテン21におけるパイプ材42の表面は、飛石を遮蔽するための遮蔽面43を構成し、この遮蔽面43には、パイプ材42の間隔S1,S2によって多数の開口部44が分散して形成されていることになる。
なお、上記の飛石の最小寸法とは、あくまで想定される最小寸法であり、実際の発破掘削では、開口部44よりも小さい飛石が生じ得る。しかしながら、開口部44を通過した小さい飛石が防音壁10に衝突したとしてもその衝撃は小さいため、防音壁10の損傷や二次騒音が問題となることはほとんど無い。
遮蔽カーテン21は、遮蔽面43の全体に多数の開口部44が分散して形成されているので、発破掘削に伴う爆風を開口部44を介して通過させることができ、遮蔽カーテン21に作用する風圧を緩和することができる。これにより遮蔽カーテン21の損傷を防止しつつ、飛石を遮蔽することができる。
また、遮蔽カーテン21の遮蔽面43は、中空構造を有するパイプ材42により形成されているので、飛石の衝突による衝撃を内部空間によって吸収することができ、衝突による騒音も小さくすることができる。
また、多数のパイプ材42は、格子状の基材41に取り付けられているので、上下方向及び幅方向にパイプ材42を間隔S1,S2をあけて並設するだけで、遮蔽カーテン21を貫通する開口部44を容易に形成することが可能となる。
パイプ材42は、円筒形状に形成されているので、発破掘削に伴う飛石を曲面で受けることができ、飛石の衝突による力を分散させて衝撃を緩和することができる。ただし、パイプ材42は、円筒形状ではなく四角形断面や三角形断面等の角筒形状に形成されていてもよい。また、開口部44は、上下方向及び幅方向の間隔S1,S2によって形成されているが、いずれか一方のみ(好ましくは間隔S1)によって形成されていてもよい。
〔第2の実施形態〕
図8は、本発明の第2の実施形態に係る飛石防護装置20の遮蔽カーテン21の一部を拡大して示す斜視図である。図9は、同遮蔽カーテン21の断面図である。
本実施形態の遮蔽カーテン21は、金属製又は合成樹脂製のワイヤー等により格子状(ネット状)に形成された基材51と、この基材51に取り付けられた弾性シート材(緩衝部材)52とから構成されている。この弾性シート材52は、弾性変形可能な素材、例えばゴムや可撓性を有する合成樹脂材から形成することができる。また、弾性シート材52には、多数の開口部53が形成されており、基材51を構成する一部のワイヤーは開口部53を通過している。したがって、本実施形態の遮蔽カーテン21は、弾性シート材52の表面が遮蔽面となり、この遮蔽面に多数の開口部53が形成されている。
本実施形態では、弾性シート材52の弾性変形によって飛石の衝突による衝撃を吸収することができ、弾性シート材52に形成された開口部53により遮蔽カーテン21に作用する風圧を緩和し、遮蔽カーテン21の損傷や捲れを防止することができる。
また、弾性シート材52に形成された開口部53を利用して基材51と弾性シート材52とを連結することができるので、遮蔽カーテン21を容易に作製することができる。
なお、弾性シート材52の内部には、別途ワイヤー等からなる芯材が埋設されていてもよい。また、基材51全体を芯材として弾性シート材52内に埋設することも可能である。また、弾性シート材自身を中空形状に形成することによって、緩衝機能を高めてもよい。
本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
例えば、本発明の遮蔽カーテンの具体的構成は、上記第1,第2実施形態で説明したものに限らず、遮蔽面に多数の開口部が形成されたものであれば、適宜変更することができる。
また、上記実施形態の遮蔽カーテン21は、正面視四角形状に形成されていたが、トンネルの横断面形状に倣った形状に形成されていてもよい。また、上記実施形態の飛石防護装置20は、2枚の遮蔽カーテン21を備えていたが、1枚又は3枚以上の遮蔽カーテン21を備えてもよい。
防音壁10の具体的構成についても上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、防音壁10は、坑口T1の外部側ではなく内部側に配設されるものであってもよい。
10 :防音壁
11A:内扉
20 :飛石防護装置
21 :遮蔽カーテン
25 :揺動規制手段
30 :開放操作手段
42 :パイプ材
43 :遮蔽面
44 :開口部
52 :弾性シート材
53 :開口部
T :トンネル
T1 :坑口
T2 :切羽面

Claims (9)

  1. トンネルの坑口付近に設置された防音壁を切羽面側で覆い、当該切羽面の発破掘削に伴う飛石を遮る遮蔽面と、この遮蔽面の全体に分散して形成され、かつ発破掘削に伴う爆風の通過を許容する多数の開口部と、を有する遮蔽カーテンと、
    切羽面から坑口へ向かう方向の前記遮蔽カーテンの揺動を弾性的に制限する、揺動規制手段と、を備え、
    前記遮蔽カーテンは、トンネル幅方向に並べて2枚設けられ、
    2枚の前記遮蔽カーテンは、トンネルの幅方向中央部において重複して配置され、かつ、重複部分において互いに連結され、かつ、トンネル幅方向外側の端部がトンネルの幅方向両側部に配置された前記揺動規制手段に連結されていることを特徴とするトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  2. 前記遮蔽面が、飛石の衝突による衝撃を吸収する緩衝部材により形成されている、請求項1に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  3. 前記緩衝部材が中空構造に形成されている、請求項2に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  4. 前記緩衝部材がパイプ材からなり、このパイプ材を多数並設することによって前記遮蔽面が形成されている、請求項3に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  5. 前記開口部が、前記パイプ材を間隔をあけて並設することによって各パイプ材の間に形成されている、請求項4に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  6. 前記緩衝部材が、弾性変形可能な弾性シート材により形成されている、請求項2に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  7. 前記防音壁に、トンネル幅方向に並べて2枚の内扉が設けられ、各内扉がトンネル幅方向外側の端部を支点としてトンネル内部側へ開き、前記遮蔽カーテンは、前記内扉の開閉領域よりも切羽面側に設置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  8. 前記揺動規制手段が、前記遮蔽カーテンよりも切羽面側に配置されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
  9. 前記遮蔽カーテンを下部側をめくり上げて開放するための開放操作手段を備えている、請求項1〜のいずれか1項に記載のトンネル発破掘削用の飛石防護装置。
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