JP6754710B2 - 自立型防護壁、自立型防護壁の設計方法、自立型防護壁の製造方法 - Google Patents

自立型防護壁、自立型防護壁の設計方法、自立型防護壁の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、航空機衝突対策のための建屋の自立型防護壁に係り、特に、建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際に建屋の外壁と一体として評価可能な自立型防護壁に関する。
近年、原子力発電施設の航空機衝突防護対策として、防護対象建屋の壁厚を増加させる方法を用いて、建屋及び建屋内機器の損傷や機能の喪失を防止することが行われている。建屋を防護する方法の一つとして特許文献1に記載されたような技術がある。この特許文献1には防護対象物を防護壁で囲むように収納することで航空機等の飛来物や車両の衝突から防護対象建屋内の防護対象物を好適に防護して、防護対象物の健全性を確保できることが記載されている。
また、特許文献2においては外部飛来物の衝突による衝撃に耐える壁厚に構築された建屋構造物と、この建屋構造物の上方に構築された屋根構造物を有し、建屋構造物と屋根構造物とが互いに分離構成されるとともに、互いに独立した基礎構造部を備えた防護構造物が記載されている。
特開2015−200124号公報 特開2011−252800号公報
建屋を防護する最も簡単な方法として、対象建屋の外壁の壁厚を増加させて強化する方法が考えられる。しかしながら、既設の建屋に対して壁を打ち増してしまうと建屋重量が増加してしまい、耐震上影響が出るため、耐震設計の再実施や機器への影響度合いの検討が必要となったり、また、その結果から機器の安全性が担保できないと判断される場合には建屋の強化や取替えが必要となる。
これらを回避するためには建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際は外壁と一体として評価できる防護壁の構造とその設計方法、製造方法の確立が課題である。
上記特許文献1のように離隔した位置に防護壁を設置した場合、現在の衝突解析技術では衝突によるエネルギーの減衰を考えることが出来ないため、その防護壁のみで衝突を止めることを考えなければならない。その場合、とても分厚い防護壁を構築しなければならず、設置スペースを確保する必要があるとともに建設コストも増大してしまう。
また、上記特許文献2のように建屋構造物の上方に屋根構造物を設けた場合、屋根構造物の影響を含めた建屋構造物の耐震設計の見直しが必要となり、また建屋構造物と屋根構造物を独立して設置しているため、航空機衝突解析が煩雑で精度が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明の目的は、航空機などの飛来物が衝突した場合に建屋および当該建屋内部を防護する建屋の防護壁において、建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際に建屋の外壁と一体として評価可能な自立型防護壁とその設計方法および製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁であって、前記自立型防護壁は、前記建屋の外壁面から所定の間隔を空けて離隔して設けられ、前記所定の間隔は、前記自立型防護壁に対する耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により算出した当該自立型防護壁の変位量よりも狭く、前記自立型防護壁の壁厚は、前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から求めた厚さであることを特徴とする。
また、本発明は、建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁の設計方法であって、前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から前記自立型防護壁の壁厚を算出し、当該算出した壁厚を有する前記自立型防護壁に対する耐震解析により前記建屋との相対変位量を算出し、当該算出した壁厚を有する前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により前記自立型防護壁の変位量を算出し、前記自立型防護壁と前記建屋の外壁面との間隔が、前記耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記衝突解析により算出した前記自立型防護壁の変位量よりも狭くなる位置に、前記自立型防護壁を前記建屋の外壁面から離隔して配置することを特徴とする。
また、本発明は、建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁の製造方法であって、(a)前記建屋の外壁面から第1の間隔を空けて離隔して第1の型枠を設置する工程、(b)前記第1の型枠から第2の間隔を空けて離隔して第2の型枠を設置する工程、(c)前記第1の型枠と前記第2の型枠の間に、コンクリートを流し込み、当該コンクリートを固化する工程、を有し、前記第1の間隔は、前記固化したコンクリートからなる前記自立型防護壁に対する耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により算出した当該自立型防護壁の変位量よりも狭く、前記第2の間隔は、前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から求めた前記自立型防護壁の厚さであることを特徴とする。
本発明によれば、建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際に外壁と一体として評価可能な防護壁を構築することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁と防護対象建屋を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の製造過程の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自立型防護壁の一部を示す断面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1Aから図3を参照して、実施例1の自立型防護壁とその設計方法について説明する。図1Aは本実施例の設計手法を用いて設計した自立型防護壁の一部を模式的に示す断面図である。図1Bは図1Aの自立型防護壁1と防護対象建屋2の全体を上方から平面視した際の様子を模式的に示す平面図である。図2は図1Aにおいて自立型防護壁1と防護対象建屋2に地震荷重が加わった場合の状態を示しており、図3は図1Aにおいて自立型防護壁1に航空機衝突荷重が加わった場合の状態を示している。
なお、図1Bでは防護対象建屋2の一部の側面に自立型防護壁1を設ける例を示しているが、周囲の状況等に応じて、防護対象建屋2の両側面に設ける場合や、防護対象建屋2を囲むように全周に渡って設ける場合も含むものとする。
また、本明細書中においては、建屋に対し自立して(独立して)設置されるという意味で、自立型防護壁と呼ぶこととする。
図1Bに示すように、本実施例の自立型防護壁1は、防護対象となる建屋2の外壁面から一定の間隔(間隙)3を空けて離隔して外壁の外側に設置されている。防護対象建屋2としては、例えば、原子力発電所の原子炉建屋であり、建屋2の内部には原子炉4が配置されている。
ここで、図1Aを用いて、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)3について説明する。
先ず、防護対象となる建屋2の外壁の壁厚Aと建屋2内の機器の損傷及び/又は建屋2内の機能の喪失を防ぐ程度の壁厚B(図示せず)を元に、その差分である追加すべき壁厚Cを求める。この壁厚Cは、図1Aに示すように自立型防護壁1の壁厚となる。
次に、壁厚Cを有する自立型防護壁1に対し耐震解析を行い、自立型防護壁1の防護対象建屋2に対する相対変位量(建屋相対変位a)を算出する。
同様に、壁厚Cを有する自立型防護壁1に対し航空機(飛来物)の衝突解析を行い、航空機(飛来物)衝突時の自立型防護壁1の変位bを算出する。
続いて、a<c’<bを満たす間隔(間隙)c’を求め、防護壁の位置を決定する。このc’が、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)3となる。
図2および図3を用いて、本実施例の自立型防護壁1の作用について説明する。
本実施例の自立型防護壁1を上記のような構成とすることにより、地震が発生した場合(図2の状態)においては、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)3(つまり図1Aのc’)が自立型防護壁1の防護対象建屋2に対する相対変位量(建屋相対変位a)よりも広いため、地震荷重により自立型防護壁1に変形が生じたとしても、防護対象建屋2へ接触することはなく、防護対象建屋2への影響は無い。従って、防護対象建屋2の外側に自立型防護壁1を設ける際に防護対象建屋2の耐震設計を見直す必要がない。
一方、自立型防護壁1に航空機などの飛来物が衝突した場合(図3の状態)においては、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)3(つまり図1Aのc’)が航空機(飛来物)衝突時の自立型防護壁1の変位bよりも狭いため、自立型防護壁1は航空機(飛来物)衝突荷重を受けて防護対象建屋2の外壁面側に変形し、外壁に密着して一体となり、防護対象建屋2内の機器の損傷及び/又は防護対象建屋2内の機能の喪失を防ぐ程度の壁厚Bと同等の厚みを有するようになり、建屋2内の機器の損傷や建屋2内の機能の喪失を防ぐことができる。
言い換えれば、本実施例では、航空機(飛来物)衝突対策のために建屋外壁を強化する際に、建屋外壁から外側に以下の(1)(2)の条件を満たす距離を離隔した自立型防護壁を設ける。
(1)耐震解析を行った際の相対変位によって建屋(原子炉建屋)の外壁にぶつかることがない。
(2)航空機(飛来物)の衝突解析を行った際の変位で建屋(原子炉建屋)の外壁と一体となる。
本実施例の自立型防護壁とその設計方法によれば、航空機などの飛来物が衝突した場合に建屋および当該建屋内部を防護する建屋の防護壁において、建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際に建屋の外壁と一体として評価可能な自立型防護壁を構築することができる。
図4から図6を参照して、実施例2の自立型防護壁について説明する。図4は本実施例の自立型防護壁の一部を模式的に示す断面図である。図5は図4において自立型防護壁1に航空機衝突荷重が加わった場合の状態を示している。本実施例は実施例1の具体例のひとつである。図6は図4の構造12の具体例を示す図である。
本実施例の自立型防護壁1は、図4および図5に示すように、航空機衝突による自立型防護壁1の変位によって、防護対象建屋2の外壁と一体となるような構造12を防護壁下部に有している。
なお、本実施例では、自立型防護壁1は実施例1の設計方法により防護対象建屋2の外壁の外側に設置されている。すなわち、自立型防護壁1に対する耐震解析により算出した自立型防護壁1の防護対象建屋2に対する相対変位量(建屋相対変位)をa、自立型防護壁1に対する航空機(飛来物)の衝突解析により算出した航空機(飛来物)衝突時の自立型防護壁1の変位をbとした場合、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)c’がa<c’<bの関係を満たすように自立型防護壁1を設けている。従って、図4の自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)は、耐震解析を行った際の建屋相対変位の総和よりも広い間隔11となる。
上記したように、本実施例の自立型防護壁1は、下部に図4のように通常時及び地震時においては固定されるが、図5のように航空機や竜巻等により発生する飛来物のような速度の速いものが衝突した際に固定が解除される構造(間隔保持手段)12を有している。この構造12は、具体的には図6のような航空機や竜巻等により発生する飛来物の衝突によって破壊するストッパー構造13のようなものがあげられる。
図7から図10を参照して、実施例3の自立型防護壁について説明する。図7は本実施例の自立型防護壁の一部を模式的に示す断面図である。図8は図7の自立型防護壁1と防護対象建屋2を上方から平面視した際の様子を模式的に示す平面図である。図9は図7において自立型防護壁1と防護対象建屋2に地震荷重が加わった場合の状態を示しており、図10は図7において自立型防護壁1に航空機衝突荷重が加わった場合の状態を示している。
本実施例では、図7および図8に示すように、自立型防護壁1と防護対象建屋2の外壁との間の地面(床面)にガイドレール21が設置されており、このガイドレール21に沿って、自立型防護壁1の下部に設けられたローラー22が移動する構造となっている。このような構造により、航空機や竜巻等により発生する飛来物の衝突時に防護対象建屋2の適切な箇所を防護することができる。
また、図9に示すように、ローラー22を設けることで地震のような振動荷重は逃がすことができ、図10に示すように、航空機や竜巻等により発生する飛来物のような一方向の大きな荷重が加わった場合には移動して外壁と一体にすることができる。
なお、本実施例では、ガイドレール21とローラー22の両方を設ける例を示したが、ガイドレール21を設置せずに、自立型防護壁1の下部にローラー22のみを設けることも可能である。この場合、自立型防護壁1が防護対象建屋2側へ移動する際に、横方向の揺れを生じる可能性はあるが、ローラー22により地面(床面)との摩擦が減少し、自立型防護壁1の防護対象建屋2側への移動をスムーズにすることができる。
図11を参照して、実施例4の自立型防護壁の構築方法(製造方法)について説明する。図11は自立型防護壁1の製造過程の一部を示す断面図である。
本実施例は実施例1のような自立型防護壁1と防護対象建屋2の間隔(間隙)を設定する場合において型枠31を用いる工法である。本型枠には強度や防護対象建屋2の外壁に対する接着等は期待しない。
本実施例の構築方法(製造方法)では、先ず、防護対象建屋2の外壁面から所定の間隔(第1の間隔)を空けて離隔して型枠31(第1の型枠)を設置する。この所定の間隔(第1の間隔)は、実施例1で説明したように、自立型防護壁1に対する耐震解析により算出した防護対象建屋2との相対変位量よりも広く、自立型防護壁1に対する航空機(飛来物)の衝突解析により算出した自立型防護壁1の変位量よりも狭くなる位置に型枠31(第1の型枠)を設置する。(ステップ1)
次に、上記の工程(ステップ1)で設置した型枠31(第1の型枠)から所定の間隔(第2の間隔)を空けて離隔して別の型枠31(第2の型枠)をステップ1で設置した型枠31(第1の型枠)の外側(防護対象建屋2側とは反対側)に設置する。この所定の間隔(第2の間隔)は、実施例1で説明したように、航空機(飛来物)が衝突した場合の防護対象建屋2内の機器の損傷または防護対象建屋2内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚Bと、防護対象建屋2の外壁の壁厚Aとの差分から求めた自立型防護壁1の厚さCとする。(ステップ2)
続いて、上記ステップ1およびステップ2で設置した2つの型枠31(第1の型枠と第2の型枠)の間に、コンクリート材を流し込み、当該コンクリートを固化させることで、自立型防護壁1が完成する。(ステップ3)
上記の型枠31には、自立型防護壁1に航空機(飛来物)が衝突した際に自立型防護壁1が防護対象建屋2の外壁面側に変形するのを妨げない程度の柔軟性(弾力性)を持った材料を用いるのが好適である。例えば、木枠や発泡スチロール材などが挙げられる。
なお、型枠31は自立型防護壁1の完成後に取り除いてもよい。この場合、自立型防護壁1と防護対象建屋2の間は空間(空隙)となり、実施例1の図1Aのような形態となる。
図12Aおよび図12Bを参照して、実施例5の自立型防護壁について説明する。図12Aは比較のために示す図であり、実施例1の図1Aに相当する。図12Bは本実施例の自立型防護壁の一部を模式的に示す断面図である。
本実施例では、実施例1における自立型防護壁1の壁厚Cを低減させるために高強度コンクリート5を用いる。これにより追加すべき壁厚Cを低減することができ、また自立型防護壁1に対する耐震解析を行った際の建屋相対変位aや航空機衝突解析を行った際の自立型防護壁1の変位bも低減することができるため、自立型防護壁1構築のために必要なスペースを抑えることができる。
高強度コンクリートとは、コンクリートの一種であり、コンクリートの成分であるセメント自体や混合する石に硬度が高いものを用いたり、材料の水/セメント比を低くして(水を少なく、セメントを多くして)密度を高めることで、一般的なコンクリートよりも強度が高いものを指す。
以上説明したように、上記の各実施例によれば、建屋の耐震設計に影響を与えることなく、航空機衝突解析の際に外壁と一体として評価可能な防護壁を構築することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…防護壁(自立型防護壁)、2…建屋(防護対象建屋)、3…防護壁1と建屋2の間隔(間隙)、4…原子炉、5…高強度コンクリートの防護壁、11…耐震解析を行った際の建屋相対変位の総和よりも広い間隔、12…通常時及び地震時においては固定されているが、航空機のような速度の速いものが衝突した際に固定が解除される構造、13…航空機や竜巻等により発生する飛来物の衝突によって破壊するストッパー構造、21…ガイドレール、22…ローラー、31…型枠、A…防護対象建屋2の外壁の壁厚、B…防護対象建屋2内の機器の損傷及び/又は機能の喪失を防ぐ程度の壁厚、C…航空機(飛来物)の衝突防護のために追加すべき壁厚、a…壁厚Cを有する防護壁1に対し耐震解析により算出した建屋相対変位、b…壁厚Cを有する防護壁1に対し航空機衝突解析により算出した変位、c’…a<c’<bを満たす間隔(間隙)。

Claims (14)

  1. 建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁であって、
    前記自立型防護壁は、前記建屋の外壁面から所定の間隔を空けて離隔して設けられ、
    前記所定の間隔は、前記自立型防護壁に対する耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により算出した当該自立型防護壁の変位量よりも狭く、
    前記自立型防護壁の壁厚は、前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から求めた厚さであることを特徴とする自立型防護壁。
  2. 請求項に記載の自立型防護壁であって、
    前記自立型防護壁は、前記飛来物が衝突した場合、前記建屋の外壁面側に変形し、当該外壁に密着して一体となることを特徴とする自立型防護壁。
  3. 請求項に記載の自立型防護壁であって、
    前記自立型防護壁は、当該自立型防護壁の下部に、前記所定の間隔を保持する間隔保持手段を備え、
    前記飛来物が衝突した場合、前記間隔保持手段による保持が解除されて、前記自立型防護壁と前記外壁が一体となることを特徴とする自立型防護壁。
  4. 請求項2または3に記載の自立型防護壁であって、
    前記自立型防護壁は、当該自立型防護壁の下部にローラーを備え、
    前記ローラーは、前記飛来物が衝突した場合、前記自立型防護壁と前記外壁との間に設けられたガイドレールに沿って移動し、前記自立型防護壁と前記外壁が一体となることを特徴とする自立型防護壁。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の自立型防護壁であって、
    前記自立型防護壁は、高強度コンクリートにより形成されることを特徴とする自立型防護壁。
  6. 建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁の設計方法であって、
    前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から前記自立型防護壁の壁厚を算出し、
    当該算出した壁厚を有する前記自立型防護壁に対する耐震解析により前記建屋との相対変位量を算出し、
    当該算出した壁厚を有する前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により前記自立型防護壁の変位量を算出し、
    前記自立型防護壁と前記建屋の外壁面との間隔が、前記耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記衝突解析により算出した前記自立型防護壁の変位量よりも狭くなる位置に、前記自立型防護壁を前記建屋の外壁面から離隔して配置することを特徴とする自立型防護壁の設計方法。
  7. 請求項に記載の自立型防護壁の設計方法であって、
    前記自立型防護壁は、前記飛来物が衝突した場合、前記建屋の外壁面側に変形し、当該外壁に密着して一体となることを特徴とする自立型防護壁の設計方法。
  8. 請求項に記載の自立型防護壁の設計方法であって、
    前記自立型防護壁の下部に、当該自立型防護壁と前記建屋の外壁面との間隔を保持する間隔保持手段を配置し、
    前記飛来物が衝突した場合、前記間隔保持手段による保持が解除されて、前記自立型防護壁と前記外壁が一体となることを特徴とする自立型防護壁の設計方法。
  9. 請求項7または8に記載の自立型防護壁の設計方法であって、
    前記自立型防護壁の下部にローラーを配置し、
    前記自立型防護壁と前記外壁との間にガイドレールを配置し、
    前記飛来物が衝突した場合、前記ローラーが前記ガイドレールに沿って移動し、前記自立型防護壁と前記外壁が一体となることを特徴とする自立型防護壁の設計方法。
  10. 請求項6から9のいずれか1項に記載の自立型防護壁の設計方法であって、
    前記自立型防護壁に高強度コンクリートを用いることを特徴とする自立型防護壁の設計方法。
  11. 建屋の外部に設けられ、航空機などの飛来物が衝突した場合に前記建屋および当該建屋内部を防護する自立型防護壁の製造方法であって、
    (a)前記建屋の外壁面から第1の間隔を空けて離隔して第1の型枠を設置する工程、
    (b)前記第1の型枠から第2の間隔を空けて離隔して第2の型枠を設置する工程、
    (c)前記第1の型枠と前記第2の型枠の間に、コンクリートを流し込み、当該コンクリートを固化する工程、
    を有し、
    前記第1の間隔は、前記固化したコンクリートからなる前記自立型防護壁に対する耐震解析により算出した前記建屋との相対変位量よりも広く、前記自立型防護壁に対する前記飛来物の衝突解析により算出した当該自立型防護壁の変位量よりも狭く、
    前記第2の間隔は、前記飛来物が衝突した場合の前記建屋内の機器の損傷または前記建屋内の機能の喪失を単独で防止可能な壁厚と、前記建屋の外壁の壁厚との差分から求めた前記自立型防護壁の厚さであることを特徴とする自立型防護壁の製造方法。
  12. 請求項11に記載の自立型防護壁の製造方法であって、
    前記(c)工程の後に、(d)前記固化したコンクリートの下部に、前記自立型防護壁と前記建屋の外壁面との間隔を保持する間隔保持手段を設置する工程、
    を有する自立型防護壁の製造方法。
  13. 請求項11に記載の自立型防護壁の製造方法であって、
    前記(c)工程の後に、(e)前記固化したコンクリートの下部に、ローラーを設置する工程、
    (f)前記固化したコンクリートと前記外壁との間にガイドレールを設置する工程、
    を有する自立型防護壁の製造方法。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の自立型防護壁の製造方法であって、
    前記コンクリートは、高強度コンクリートであることを特徴とする自立型防護壁の製造方法。
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