JP6378540B2 - ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置及び液晶表示装置 - Google Patents
ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置及び液晶表示装置 Download PDFInfo
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Description
近年、複屈折性を有する(光学的歪みが大きい)ポリエステルフィルムを、表面の反射率の制御(特許文献1参照)や、一軸方向に延伸することにより通常よりRe値を大きくすることにより、虹ムラを見えづらくすることが行われてきている(特許文献2参照)。
しかしながら、画像表示装置の高精細化および/または大面積化をする場合に偏光板の保護フィルムとして特許文献2に記載の高Reポリエステルフィルムを用いると、表示品質に問題が生じることが本発明者らの検討で明らかになってきた。特に今後主流となる4K2K(画素数が、横4000×縦2000ピクセル前後の高解像度の映像を意味する)の画像表示装置では、偏光板の保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いる場合の表示品質の改善が必要となる。
上記課題を達成するための具体的手段である本発明は以下のとおりである。
面内方向のレターデーションReが4000〜20000nmであり、
融解サブピーク温度Tsmが130〜190℃であり、
フィルム幅方向の長さのフィルム幅方向に直交する方向に対するアスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状が0.3個/m2以下であるポリエステルフィルム。
[2] [1]に記載のポリエステルフィルムは、凹または凸形状が0.1個/m2以下であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載のポリエステルフィルムは、凹または凸形状の凸部または凹部段差の平均値が0.1μm以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムは、ポリエステルが、チタン原子を含む触媒を用いて重合されてなることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムは、紫外線吸収剤の量がポリエステルに対して0.1質量%以下であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面の表面抵抗率SRの常用対数値logSRが10以下であることが好ましい;ただし、表面抵抗率SRの単位はΩ/sqである。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムは、偏光板保護フィルム用途であることが好ましい。
[8] 偏光子と、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のポリエステルフィルムを含む偏光板。
[9] [8]に記載の偏光板は、さらにセルロースアシレートフィルムを有し、
偏光子の一方の表面にポリエステルフィルムが積層され、他方の表面にセルロースアシレートフィルムが積層されたことが好ましい。
[10] [8]または[9]に記載の偏光板は、ポリエステルフィルムが、紫外線硬化型の接着剤を介して、偏光子と積層されたことが好ましい。
[11] [1]〜[7]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムまたは[8]〜[10]のいずれか一つに記載の偏光板を含み、画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上である画像表示装置。
[12] 液晶セルと、
液晶セルのバックライト側およびフロント側の少なくとも一方の表面に配置された[1]〜[7]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムまたは[8]〜[10]のいずれか一つに記載の偏光板とを有し、
画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上である液晶表示装置。
[13] [12]に記載の液晶表示装置は、ポリエステルフィルムとして紫外線吸収剤の量がポリエステルに対して0.1質量%以下であるポリエステルフィルムを、液晶セルのバックライト側に有することが好ましい。
[14] ポリエステルを押出機で溶融する溶融工程と、
溶融したポリエステルをフィルターが設置されたろ過装置に通してろ過するろ過工程と、
ろ過したポリエステルをダイからシート状に押し出し、冷却ドラムの上に密着させることにより冷却固化して未延伸のポリエステルフィルムを成形するフィルム成形工程と、
未延伸のポリエステルフィルムを、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置にて、クリップで把持しながら横延伸する工程と、
横延伸をした後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程を含み、
ろ過工程に設置されるフィルターの目開きが8μm以下であるポリエステルフィルムの製造方法。
[15] [14]に記載のポリエステルフィルムの製造方法は、ろ過工程において、ろ過装置が3セット以上あり、
ろ過工程の上流側から数えて1セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きXμmと、2セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きYμmと、3セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きZμmが、以下の式Aを満たすことが好ましい。
式A・・・Z≦X<Y
[16] [14]または[15]に記載のポリエステルフィルムの製造方法は、溶融工程で用いる押出機が二軸押出機であり、
ダイから押し出されるポリエステルの温度が280℃以上320℃以下であることが好ましい。
[17] [14]〜[16]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムの製造方法は、フィルム成形工程において、ポリエステルを冷却ドラムの上に密着させる際に静電印加電極を用い、
冷却ドラムの上に密着する際のポリエステルの温度が280℃以上であり、
静電印加電極と、ポリエステルが冷却ドラムに密着する点との距離が15mm以下であり、
静電印加電極の印加電圧が9kV以上であることが好ましい。
[18] [14]〜[17]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムの製造方法は、冷却ドラムから未延伸のポリエステルフィルムが剥離される点から、テンター式延伸装置の入口までの間に搬送ロールが設置され、
未延伸のポリエステルフィルムと接触する搬送ロールの50%以上が駆動式の搬送ロールであることが好ましい。
[19] [14]〜[18]のいずれか一つに記載のポリエステルフィルムの製造方法は、未延伸のポリエステルフィルムに塗布液を塗布する工程をさらに含み、
塗布液の塗布方法がバーコートであり、
バーコートに転造バーを用いることが好ましい。
また、後に詳述するが、ポリエステルフィルムは、通常、ロール等を用いて搬送し、延伸することにより得られる。このとき、フィルム搬送方向をMD(Machine Direction)方向とも称する。また、フィルムの搬送方向は、フィルムの長手方向とも称される。フィルム搬送方向は縦方向とも呼ばれ、フィルムの搬送方向への延伸を縦延伸と言い、フィルム搬送方向への収縮を縦収縮とも言う。
また、フィルム幅方向とは、長手方向に直交する方向である。フィルム幅方向は、フィルムを搬送しながら製造されたフィルムにおいては、フィルム搬送方向に直交する方向、すなわちTD(Transverse Direction)方向とも呼ばれる。フィルム搬送方向に直交する方向は横方向とも呼ばれ、フィルムの搬送方向に直交する方向への延伸を横延伸とも言う。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルを含み、フィルム一軸幅方向に延伸されてなるポリエステルフィルムであって、面内方向のレターデーションReが4000〜20000nmであり、融解サブピーク温度Tsmが140〜220℃であり、フィルム幅方向の長さのフィルム幅方向に直交する方向に対するアスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状が0.3個/m2以下である。
なお、本明細書中、フィルム幅方向の長さのフィルム幅方向に直交する方向に対するアスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状のことを、「フィルム幅方向に延びた凹または凸形状」と言うことがある。
このような構成により、本発明のポリエステルフィルムは、虹ムラの発生を抑制でき、かつ、液晶表示装置に組み込んだ際に液晶表示装置の表示品質を改善できる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、面内方向のレターデーションReが4000〜20000nmであることで、国際公開WO2012/157663号公報と類似するメカニズムにより、虹ムラの発生を抑制することができる。
また、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状が0.3個/m2以下であることで、本発明のポリエステルフィルムを4K2Kのような高精細化および/または大面積化された画像表示装置に組み込んだときにもフィルム幅方向に延びた凹または凸形状が欠陥として視認され難くなり、表示品質を高めることができる。
また、融解サブピーク温度Tsmが140〜220℃であることで、熱寸法変化(150℃、30分)が良化しさせ虹ムラを抑制することができる。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム幅方向に一軸延伸されてなるポリエステルフィルムである。
延伸ポリエステルフィルムである本発明のポリエステルフィルムの面内方向のレターデーションRe(位相差値)は、4000〜20000nmであり、より好ましくは5000nm以上15000nm以下である。Reを4000nm以上とすることにより、正面からの虹ムラ(色つき)が目立たなくなる傾向にある。なお、延伸ポリエステルフィルムの面内方向のレターデーションReは、下記式(1)で表される。
ここで、naはポリエステルフィルムの面内遅相軸方向の屈折率であり、nbはポリエステルフィルムの面内進相軸方向(面内遅相軸方向と直交する方向)の屈折率であり、dはポリエステルフィルムの厚みである。
厚み方向のレターデーションとは、フィルム厚み方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|Nx−Nz|)、△Nyz(=|Ny−Nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるレターデーションの平均を示すパラメーターである。レターデーションReの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚み方向のレターデーション(Rth)を求めることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムの融解サブピーク温度(Tsm)が140〜220℃であり、好ましくは150℃以上220℃未満であり、より好ましくは150℃以上210℃未満、さらに好ましくは150℃未満200℃以下である。融解サブピーク温度が140℃以上であると熱寸法変化(150℃、30分)が良化し、熱寸法変化(150℃、30分)が良化しさせ虹ムラを抑制することができる。また、ポリエステルフィルムにハードコート層などの塗布層を設ける場合は、融解サブピーク温度が140℃以上であると、ハードコート層の割れなどが発生し難い。他方、融解サブピーク温度が220℃以下であると、後述の本発明の偏光板において、フィルム幅方向の端部の弾性率の最大方向と偏光子の延伸方向のズレを小さくすることができる。
この融解サブピーク温度の条件を満足するポリエステルフィルムを得るためには、特に制限はないが、例えば、後述のポリエステルフィルムの製造方法に示す延伸条件でフィルムを製造することによって入手することができる。
フィルム幅方向に延びた凹または凸形状のアスペクト比(フィルム幅方向の長さのフィルム幅方向に直交する方向に対するアスペクト比)の上限値は特に制限はないが、例えば10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
フィルム幅方向に延びた凹または凸形状のフィルム幅方向の長さの平均値は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。
フィルム幅方向に延びた凹または凸形状の凸部または凹部段差(高さ)の平均値は、0.1μm以下であることが好ましく、0.08μm以下であることが特に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムのlogSRを制御する方法としては特に制限はないが、例えば、後述の易接着層に帯電防止剤を添加する方法を挙げることができ、この帯電防止剤としては後述の第4級アンモニウム塩が好ましい。
また、一軸配向しているポリエステルフィルムであることは、長手方向の屈折率が1.590以下であることで確認できる。ポリエステルフィルムの長手方向の屈折率は1.585以下がより好ましく、1.580以下が更に好ましい。ポリエステルフィルムの結晶化度は、5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることが更に好ましい。
結晶化度については、フィルムの密度から算出することができる。すなわち、フィルムの密度X(g/cm3)、結晶化度0%での密度Y=1.335g/cm3、結晶化度100%での密度Z=1.501g/cm3を用いて下記計算式より結晶化度(%)を導出することができる。
結晶化度={Z × (X−Y)}/{X × (Z−Y)}×100
なお、密度の測定は、JIS K7112に準じて行うことができる。
本発明のポリエステルフィルムは、偏光板保護フィルム用途であること、言い換えると偏光子の保護フィルムとして用いられることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルを含み、ポリエステルを主成分(ポリエステルフィルムの50質量%以上の成分)とすることが好ましい。本発明のポリエステルフィルムはポリエステルを含む単層フィルムであってもよいし、ポリエステルを含む層を有する多層フィルムであってもよい。また、本発明のポリエステルフィルムはポリエステルを主成分とする単層フィルムであってもよいし、ポリエステルを主成分とする層を有する多層フィルムであってもよい。
また、本発明のポリエステルフィルムはこれら単層フィルム又は多層フィルムの両面又は片面に表面処理が施されたものであってもよく、この表面処理は、コロナ処理、ケン化処理、熱処理、紫外線照射、電子線照射等による表面改質であってもよいし、高分子や金属等の塗布や蒸着等による薄膜形成であってもよい。
(ポリエステル)
ポリエステルフィルム全体に占めるポリエステルの質量割合は、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
ポリエステルの重合には、Sb、Ge、Ti、Al系触媒が用いられ、好ましくはSb、Ti、Al系触媒、さらに好ましくはTi系触媒である。
すなわち、本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルが、チタン原子を含む触媒を用いて重合されてなることが好ましい。
Ti系触媒を用いることで、他の触媒(例えばSb系)を用いた場合より、液晶表示装置に組み込んだ際に液晶表示装置の表示品質を改善できるポリエステルフィルムとすることができる。これは以下の理由によると推察される。
Ti系触媒は、触媒活性が高いため、必要な添加量が少なく済む。また還元下での反応となるため、酸化チタンとなっての異物析出も起こりにくい。 そのため、触媒起因の異物が少なく、欠点故障が起こりにくいことが液晶表示装置の表示品質を改善できる理由である。
Ti系触媒としては、特開2013−47317号公報の[0063]〜[0090]に記載のものを援用して使用でき、この公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。その中でも、Ti触媒としてはテトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネート等のチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、チタンアルコキシドと珪素アルコキシドもしくはジルコニウムアルコキシドとの混合物の加水分解により得られるチタン−珪素もしくはジルコニウム複合酸化物、酢酸チタン、蓚酸チタン、蓚酸チタンカリウム、蓚酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、チタンアセチルアセトナート、有機酸を配位子とする有機キレートチタン錯体、等を用いることが好ましい。
上記Ti系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、特開2013−47317号公報の[0063]〜[0111]に従い重合できる。
Ti系触媒量は、ポリエステルの質量に対するTi元素の量として1〜50ppmが好ましく、より好ましくは2〜30ppm、さらに好ましくは3〜15ppmである。
上記Al系触媒としては、WO2011/040161号公報の[0013]〜[0148](US2012/0183761号公報の[0021]〜[0123])に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
上記Al系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/008488号公報の[0091]〜[0094](US2013/0112271号公報の[0144]〜[0153])を援用して、これらの公報に従い重合でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
このようなAl系触媒は、例えば特開2012−122051号公報の[0052]〜[0054]、[0099]〜[0104](WO2012/029725号公報の[0045]〜[0047]、[0091]〜[0096])を援用して、これらの公報に従い調製でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。Al系触媒量は、ポリエステル樹脂の質量に対するAl元素の量として3〜80ppmが好ましく、より好ましくは5〜60ppm、さらに好ましくは5〜40ppmである。
上記Sb系触媒としては、特開2012−41519号公報の[0050]、[0052]〜[0054]の記載のものを使用できる。
上記Sb系触媒を用いてポリエステル樹脂を重合する方法としては特に制限はないが、具体的には、WO2012/157662号公報の[0086]〜[0087]に従い重合できる。
ポリエステルフィルムには、必要に応じて公知の添加剤を配合してもよく、その例としては、紫外線吸収剤、粒子、滑剤、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、染料、顔料等が挙げられる。ただし、ポリエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合は、一般に透明性が必要とされるため、添加剤の添加量は最小限にとどめておくことが好ましい。
ポリエステルフィルム中には液晶ディスプレイの液晶等が外界の環境からの紫外線(太陽光など)により劣化することを防止するために、紫外線吸収剤を含有させることも可能である。紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する化合物で、ポリエステルフィルムの製造工程で付加される熱に耐えうるものであれば特に限定されない。
本発明のポリエステルフィルムを、液晶セルよりもバックライト側に使用する場合には、ポリエステルフィルムに直接外光が入らないために紫外線吸収剤が必要ない。
一方で、紫外線吸収剤の添加により製膜時に揮散物質が増加する場合があり、その揮散物質がフィルム幅方向に延びた凹または凸形状、すなわち欠陥の増加に関与していることが判った。
フィルム幅方向に延びた凹または凸形状の個数を抑制する観点からは、紫外線吸収剤の量がポリエステルに対して0.1質量%以下であることが好ましく、紫外線吸収剤を含有しないことがより好ましい。特に本発明のポリエステルフィルムを液晶表示装置のリア側の偏光板の保護フィルムとして用いる場合は、ポリエステルフィルム中の紫外線吸収剤をできる限り減らすことが、前述のフィルム幅方向に延びた凹または凸形状の個数を抑制する観点から好ましい。
ポリエステルフィルムには、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。さらに、ポリエステルフィルム製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
ハードコート層は、物理強度を付与するために、ポリエステルフィルムの表面に設けられる。
ハードコート層は、紫外線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂と光重合開始剤とを含有するハードコート層用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができ、本発明の偏光板はハードコート層がアクリレートを含むことが、偏光子の保護フィルムとしてのポリエステルフィルムとポリエステルフィルムに積層するハードコート層の湿熱経時後との密着性を向上させる観点から、好ましい。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等及びこれらをエチレンオキサイド(EО)等で変性した多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
具体的には、本発明においては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステル多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)、ウレタン多官能アクリレートオリゴマー(3〜15官能)等を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、上記光重合開始剤としては、具体例には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
ハードコート層には、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有させて防眩機能(アンチグレア機能)を付与した防眩層(後述)を兼ねることもできる。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。
(ハードコート層側易接着層)
本発明におけるハードコート層側易接着層は、各種の表面機能層との密着性を向上させたもので、前面側偏光板の前面側の保護フィルムとして使用した場合、例えば、ポリエステルフィルムの前面側(偏光膜と張り合わせる側の反対側)に、ハードコート層やアンチグレア層等を有効に形成することができる。
本発明の偏光板は、ハードコート層側易接着層がポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種類を含むことが、偏光子の保護フィルムとしてのポリエステルフィルムとポリエステルフィルムに積層するハードコート層の湿熱経時後との密着性を向上させる観点から、好ましい。
また、ハードコート層側易接着層がポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる2種類以上を含むことがより好ましい。
本発明におけるハードコート層側易接着層に用いられるポリエステル樹脂とは、主な構成成分として例えば、下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物からなる。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ソジウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、4−ソジウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、p−キシリレングリコール、ビスフェノ−ルA−エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロ−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールエチルスルホン酸カリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
ハードコート層側易接着層用のポリエステルとして、上述のポリエステル樹脂の中でも脂肪族ポリエステルを用いることが、偏光子の保護フィルムとしてのポリエステルフィルムとポリエステルフィルムに積層するハードコート層の湿熱経時後との密着性を向上させ、かつ、ハードコート層の密着性の耐光性を向上させる観点から好ましく、その中でも脂環式ポリエステルがより好ましい。脂環式ポリエステルは、脂環式ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分として、脂環式ジオールを主たるジオール成分として構成される。
脂環式ポリエステルは、脂環式ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分として構成される。ここで、主たるジカルボン酸成分とするとは、全ジカルボン酸成分あたり80モル%以上、好ましくは90モル%以上であることを意味する。この範囲であると、耐熱性の双方に優れた易接着層が得られる。
脂環式ポリエステルは、脂環式ジオールを主たるジオール成分として構成される。ここで、主たるジオール成分とするとは、全ジオール成分あたり80モル%以上、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、特に好ましいくは97モル%以上であることを意味する。この範囲であると、透明性と耐熱性の双方に優れる易接着層を得ることができる。
本発明におけるハードコート層側易接着層に用いられるアクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーに代表されるような、炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーからなる重合体である。これらは、単独重合体あるいは共重合体いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で炭素−炭素二重結合を持つ重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
本発明におけるハードコート層側易接着層に用いられるウレタン樹脂としては、後述の偏光子側易接着層で説明する各種のウレタン樹脂を使用することが可能である。
本発明におけるハードコート層側易接着層には、塗布面状や透明性を向上させるために、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂以外のバインダーポリマーを併用することも可能である。
さらにハードコート層側易接着層中には本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用することも可能である。架橋剤を使用することにより、易接着層が強固になるために、耐湿熱性や耐擦傷性がより向上する場合がある。架橋剤としては、例えば、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。さらにインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性または水分散性を有することが好ましい。
また、ハードコート層側易接着層中には、易接着層のブロッキング性、滑り性改良を目的として粒子を含有してもよく、シリカ、アルミナ、酸化金属等の無機粒子、あるいは架橋高分子粒子等の有機粒子等が挙げられる。
さらに、ハードコート層側易接着層中には、ハードコート層等、クリアな表面機能層が形成された場合に、外光による干渉ムラを軽減するために、屈折率を調整する材料を使用することも可能である。屈折率を調整する材料とは、具体的には、本発明においては高屈折率材料である。高屈折率材料としては、例えば、金属化合物、芳香族含有有機化合物、硫黄原子、臭素原子等が挙げられる。
上記金属元素を有する有機化合物の中でも特に塗布性や透明性が良好であるという点でチタン元素あるいはジルコニウム元素を有する有機化合物が好ましく、さらに好ましくはインラインコーティングへの適用等を配慮した場合、水溶性チタンキレート化合物、水溶性ジルコニウムキレート化合物等が好適に使用される。
本発明において、この酸化チタン微粒子の結晶系がルチル型であることが好ましい。酸化チタン微粒子がルチル型以外の結晶系、例えばアナターゼ型であると、外光に対する耐光性が悪化する。なお、酸化チタンの結晶系はX線回折装置を用いて測定される。酸化チタン微粒子が複数の結晶系からなる場合には、ルチル型のピーク強度比が全体の50%、好ましくは60%を超えるものは、ルチル型酸化チタン微粒子とみる。
なお、ルチル型酸化チタン微粒子は、塗布の際には、環境負荷を低減して、容易に取扱うために水分散体として用いることが好ましい。
本発明における偏光子側易接着層は、各種の機能層との接着性を向上させるための層であり、例えば、偏光子とポリエステルフィルムを貼り合わせるために使用する各種の接着剤との接着性を向上させるために使用することができる。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、偏光子側易接着層およびハードコート層側易接着層には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等が含有されてもよい。
特に、帯電防止剤はフィルムの帯電による環境中にある異物のフィルムへの付着を抑える効果があり、異物低減に効果がある。帯電防止剤は、一般的な第4級アンモニウム塩、PEDOTなどを用いることが出来る。
第4級アンモニウム塩としては、特開2005−89569号公報の[0010]に記載のものを援用して使用でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
第4級アンモニウム塩としては、市販品を用いてもよく、例えばエナジコール、ライオン(株)製を好ましく用いることができる。
インラインコーティングによって易接着層を設ける場合は、上述の一連の化合物を水溶液または水分散体として、固形分濃度が0.1〜50質量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて、ポリエステルフィルムを製造するのが好ましい。また、本発明の主旨を損なわない範囲において、水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
これらの中でも、バーコートが好ましく、バーコートに転造バーを用いることが、ワイヤーバーなどを用いる場合よりも塗布液の塗布の際にフィルムに傷がつきにくなり、その後の横延伸工程においてフィルム幅方向に延びた凹または凸形状の発生を抑制することができ、その結果、液晶表示装置に組み込んだ際に液晶表示装置の表示品質を改善できる観点から、好ましい。すなわち、後述の本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、未延伸のポリエステルフィルムに塗布液を塗布する工程をさらに含み、塗布液の塗布方法がバーコートであり、バーコートに転造バーを用いることが好ましい。
転造バーとしては特に制限はないが、特開2008−264757号公報の[0054]〜[0060]に記載のものを援用して使用でき、この公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、ポリエステルを押出機で溶融する溶融工程と、溶融したポリエステルをフィルターが設置されたろ過装置に通してろ過するろ過工程と、ろ過したポリエステルをダイからシート状に押し出し、冷却ドラムの上に密着させることにより冷却固化して未延伸のポリエステルフィルムを成形するフィルム成形工程と、未延伸のポリエステルフィルムを、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置にて、クリップで把持しながら横延伸する工程と、横延伸をした後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程を含み、ろ過工程に設置されるフィルターの目開きが8μm以下である。
このような構成により、本発明のポリエステルフィルムを製造することができる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、溶融したポリエステルをフィルターが設置されたろ過装置に通してろ過するろ過工程に設置されるフィルターの目開きが8μm以下であると、異物を十分に取り除くことができ、その後の横延伸工程においてフィルム幅方向に延びた凹または凸形状の発生を抑制することができる。その結果、得られるポリエステルフィルムのフィルム幅方向に延びた凹または凸形状の単位面積当たりの個数を本発明で規定する上限値以下に制御することができる。
ポリエステルフィルムに上記特性を付与するためには、以下の方法で製造することが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、ポリエステルを押出機で溶融する溶融工程を含む。
ポリエステル樹脂、または上述のマスターバッチ法で製造したポリエステル樹脂と添加剤のマスターバッチを含水率200ppm以下に乾燥した後、一軸(単軸)あるいは二軸の押出機に導入し溶融させることが好ましい。この時、ポリエステルの分解を抑制するために、窒素中あるいは真空中で溶融することも好ましい。詳細な条件は、特許4962661号の[0051]〜[0052](US2013/0100378号公報の[0085]〜[0086])を援用して、これらの公報に従い実施でき、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、溶融したポリエステルをフィルターが設置されたろ過装置に通してろ過するろ過工程を含み、ろ過工程に設置されるフィルターの目開きが8μm以下である。
このような目開きの範囲のフィルターを有するろ過装置は、ろ過工程において1セットのみ設置してもよく、2セット以上設置してもよい。
式A・・・Z≦X<Y
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、ろ過したポリエステルをダイからシート状に押し出し、冷却ドラムの上に密着させることにより冷却固化して未延伸のポリエステルフィルムを成形するフィルム成形工程を含む。
ポリエステルフィルムが多層で押出されて製造されてなる場合、得られるポリエステルフィルムの好ましい内層の厚み(全層に対する比率)は50%以上95%以下が好ましく、より好ましくは60%以上90%以下、さらに好ましくは70%以上85%以下である。このような積層は、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイを用いることで実施できる。
ダイから押し出されるポリエステルの温度は、放射温度計(林電工製、型番:RT61−2、放射率0.95で使用)によりポリエステルの表面を非接触で測定することができる。
冷却ドラムの上に密着する際のポリエステルの温度は、放射温度計(林電工製、型番:RT61−2、放射率0.95で使用)によりポリエステルの表面を非接触で測定することができる。
静電印加電極と、ポリエステルが冷却ドラムに密着する点との距離とは、以下の2点の直線距離を意味する。すなわち、ポリエステルが冷却ドラムにまさに着地する点と、静電印加電極の中心点の2点間の直線距離である。
静電印加電極の印加電圧は、任意の値を設定することで、自由に制御できる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、未延伸のポリエステルフィルムに塗布液を塗布する工程をさらに含むことが好ましい。塗布液を塗布する工程は、易接着層を形成するための塗布液を塗布する工程であることが好ましい。塗布液を塗布する工程は、塗布液の塗布方法がバーコートであり、バーコートに転造バーを用いることが好ましい。塗布液を塗布する工程の好ましい態様は、本発明のポリエステルフィルムに易接着層を設ける方法の好ましい態様と同様である。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、未延伸のポリエステルフィルムを、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置にて、クリップで把持しながら横延伸する工程を含む。
横延伸工程における延伸温度は具体的には70℃以上170℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以上140℃以下、さらに好ましくは90℃以上120℃以下である。ここでいう延伸温度とは延伸開始から終了までの平均温度を指す。
なお、ポリエステルフィルムは延伸後の幅の上限値は特に制限はないが、例えば、幅6m以下とすることができる。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は、横延伸をした後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程を含む。
140℃以上220℃以下で、1〜60秒間熱処理(ここでは熱固定という。)を行うことが好ましい。熱固定の温度は150℃以上220℃以下であることがより好ましく、150℃以上220℃未満であることが特に好ましい。
熱固定温度が150℃以上220℃未満では、ポリエステルの配向方向のずれが小さくなり、熱寸法変化も小さくなるので、ハードコート層の剥がれや割れなどが発生しにくくなる。
延伸後の幅が1.4m以上のポリエステルフィルムにおいて、ボーイング現象は顕著であるが、本発明のポリエステルフィルムは、融解サブピーク温度を先に述べた値の範囲に制御することによって、熱寸法変化を抑えている。
さらに、熱固定温度より0〜20℃低い温度で長手方向または/および幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理(弛緩処理という)を行うことが好ましく、幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことがより好ましい。この方法では、フィルムがロールに接触することが少なくなるため、フィルム表面に微小な傷等が前述の方法よりもできにくく、光学用途への適用に有利である。
熱固定工程または任意に行ってもよい弛緩処理が終わった後、フィルムを必要に応じてトリミング、スリット、厚み出し加工して、回収のために巻き取る。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法では、クリップから開放後のフィルム幅が0.8〜6mであることがフィルム製品幅を効率よく確保し、かつ装置サイズが過大にならない観点から好ましく、1〜5mであることがより好ましく、1〜4mであることが特に好ましい。精度の必要な光学用フィルムは通常3m未満で製膜するが、本発明では上記のような幅で製膜することが好ましい。
また、幅広製膜したフィルムを好ましくは2本以上6本以下、より好ましくは2本以上5本以下、さらに好ましくは3本以上4本以下にスリットしてから、巻き取ってもよい。
なお、フィルムの端部を任意の幅でトリミングする場合や製膜後に任意の本数にスリットする場合は、トリミングまたはスリット後のフィルム幅が、本発明のポリエステルフィルムのフィルム幅に相当する。
巻取りは直径70mm以上600mm以下の巻き芯に1000m以上10000m以下巻きつけることが好ましい。フィルムの断面積あたりの巻取り張力は、3〜30kgf/cm2が好ましく、より好ましくは5〜25kgf/cm2、さらに好ましくは7〜20kgf/cm2である。また、巻き取ったフィルムの厚みは特許4962661号の[0049]と同様である。また、巻き取る前にマスキングフィルムを貼り合せることも好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明のポリエステルフィルムを含む。
本発明の偏光板は、任意の保護フィルムを有し、偏光子の一方の表面にポリエステルフィルムが積層され、他方の表面に任意の保護フィルムが積層されたことが好ましい。本発明の偏光板は、さらにセルロースアシレートフィルムを有し、偏光子の一方の表面にポリエステルフィルムが積層され、他方の表面にセルロースアシレートフィルムが積層されたことがより好ましい。
本発明の偏光板は、保護フィルムと、保護フィルム上に配置され、ポリビニルアルコールを含む偏光子と、偏光子上に配置された本発明のポリエステルフィルムと、本発明のポリエステルフィルム上に配置されたハードコート層側易接着層と、ハードコート層側易接着層上に配置されたハードコート層とを有することが好ましい。
まず、本発明の偏光板の構成を、図面に基づいて説明する。
図1に示した本発明の偏光板は、ポリビニルアルコールを含む偏光子1と、この偏光子1の片面に、積層されたポリエステルフィルム2と、ポリエステルフィルム2上に配置されたハードコート層側易接着層3bと、ハードコート層側易接着層3bの上にハードコート層4とを備えるものである。
本発明の偏光板は、偏光子1とポリエステルフィルム2との間に、偏光子側易接着層3aが配置されたことが好ましく、すなわち、ポリエステルフィルム2は偏光子1の上に偏光子側の易接着層3aを介して積層されることが好ましい。
また、本発明の偏光板は、偏光子1におけるポリエステルフィルム2が積層されている面とは反対側の面に、別の易接着層(不図示)を介して積層された保護フィルム10または光学補償フィルム(不図示)を備えていてもよい。
ポリエステルフィルムの面内の弾性率の最大方向と偏光子の吸収軸方向とのなす角は、90°±20°であることがより好ましく、90°±5°であることが特に好ましい。
本発明の偏光板に用いる偏光子は、ポリビニルアルコールを含み、ポリビニルアルコールからなることが好ましい。偏光子の製造方法としては特に制限はないが、通常、公知の方法によってポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造されるものである。
ポリエステルフィルムを偏光板における偏光子の保護フィルムとして使用する場合、一般的には、偏光子側易接着層側に偏光子を接着させるための接着剤を介して偏光子を張り合わせる。
接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリブチルアクリレート等のアクリル系化合物、グリシジル基やエポキシシクロヘキサンに例示される脂環式エポキシ基を有するエポキシ系化合物等が挙げられる。
UV接着剤としては特開2014−66955号公報の[0214]〜[0301]に記載の内容を援用して使用でき、この公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の画像表示装置は、本発明のポリエステルフィルムまたは本発明の偏光板を含み、画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上であることを特徴とする。
画像表示装置としては、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(OELD又はIELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、電子ペーパー等を挙げることができる。これらの画像表示装置は、画像表示パネルの表示画面側に本発明の偏光板を備えることが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルのバックライト側およびフロント側の少なくとも一方の表面に配置された本発明のポリエステルフィルムまたは本発明の偏光板とを有し、画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上である。
本発明の液晶表示装置は、本発明の偏光板と、液晶表示素子とを備えるものであることが好ましい。ここで、液晶表示素子は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配状態を変化させて画像の表示を行う液晶パネルが代表的であるが、その他、プラズマディスプレイパネル、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ等、公知の各種ディスプレイに対しても、本発明の偏光板を適用することができる。
液晶表示装置においては、本発明の偏光板は、ハードコート層を有する場合はそのハードコート層側を外側にして液晶表示素子よりも視認側に配置されることが好ましい。ポリエステルフィルムは、液晶表示素子の表面に直接貼合してもよいし、液晶パネルを液晶表示素子とする場合は、例えば先述のように、偏光子を介して液晶パネルの表面に貼合することもできる。このように、ポリエステルフィルムを有する本発明の偏光板を液晶表示素子に適用した場合には、ポリエステルフィルムとハードコート層との湿熱経時後の密着耐久性に優れるうえ、従来の保護フィルムを用いた場合よりも液晶表示素子の強度が補強され、液晶表示素子の反りを防止することができる。
一方、本発明の液晶表示装置は、ポリエステルフィルムとして紫外線吸収剤を含むポリエステルフィルムを、液晶セルのフロント側に有することが、耐光性を高める観点から、好ましい。フロント側に用いるポリエステルフィルム中の紫外線吸収剤の含有量の好ましい範囲は、本発明のポリエステルフィルムにおける紫外線吸収剤の含有量の好ましい範囲と同様である。
これはWO2011/162198号公報の[0019]〜[0020]記載のように虹ムラを解消し易くなるためである。
画像表示装置に用いられる光源としては、WO2011/162198号公報の[0013]記載のものが使用される。一方、WO2011/162198号公報の[0014]〜[0015]記載の光源は連続光源ではなく、好ましくない。
画像表示装置が液晶表示装置である場合、液晶表示装置(LCD)は、WO2011/162198号公報の[0011]〜[0012]に記載の構成を使用できる。
本発明のポリエステルフィルムおよび/または本発明の偏光板を用いる液晶表示装置は連続的な発光スペクトルを有する白色光源を用いたものであることが好ましく、これにより不連続(輝線)光源を用いた場合より効果的に虹ムラを低減できる。これは特許4888853号の[0015]〜[0027](US2012/0229732号公報の[0029]〜[0041])に記載の理由を援用して、この理由と同様の理由に因るものであり、これらの公報に記載された内容は本明細書に組み込まれる。
上記態様により虹状の色斑の発生が抑制される機構としては国際公開WO2011/162198号に記載があり、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
光源ユニットの発光スペクトルは、少なくとも青色と緑色と赤色の発光ピークを有し、緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅が20nm以上であり、波長460nm〜520nmの間に少なくともひとつの極小値L1を有し、波長520nm〜560nmの間に少なくともひとつの極大値L2を有し、波長560nm〜620nmの間に少なくともひとつの極小値L3を有し、L1、およびL3の値がL2の35%未満であることが好ましい。
緑色、および赤色の発光ピークの半値全幅は20nm以上60nm以下であることが好ましく、光源ユニットの緑色の発光ピーク、及び赤色の発光ピークのうち、半値全幅の小さい方の半値全幅Wが50nm以下であることが好ましく、20nm以上40nm以下であることがもっとも好ましい。半値全幅が小さいと、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。また、半値全幅が20nm以上であると、5000nm以上のReを有する第1の保護フィルムを用いることによって、虹ムラが生じないようにすることができるため、好ましい。
L1、およびL3の値はL2の20%未満であることがより好ましく、10%未満であることがもっとも好ましい。L1、およびL3の値がL2の値よりも小さいと、青色、緑色、および赤色の発光が分離され、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。
光源ユニットは、青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、および赤色発光ダイオードを有していてもよいが、コスト低減の観点から、青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードと、青色発光ダイオードまたは紫外線発光ダイオードからの光によって励起されて発光できる蛍光体とを少なくとも有することが好ましい。青色発光ダイオードを使用する場合には、緑色に発光する蛍光体、および赤色に発光する蛍光体を有していることが好ましく、紫外線発光ダイオードを使用する場合には、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、および赤色に発光する蛍光体を有していることが好ましい。
前述の蛍光体は青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードの内部に封入されていてもよいが、熱による蛍光体の劣化を防止するため、蛍光体をガラスチューブの内部に封入し、青色発光ダイオード、または紫外線発光ダイオードの発光が当るように配置するか、または、蛍光体を含むフィルムを光源ユニットの内部に配置することが好ましい。
蛍光体は、少なくとも1つがナノメートルサイズの半導体粒子である量子ドットを含んでいることが好ましい。量子ドット蛍光体は発光ピークの半値全幅を小さくすることが可能であり、液晶表示装置の色再現性を向上させることができるため、好ましい。
<原料ポリエステルの合成>
(原料ポリエステル1)
以下に示すように、テレフタル酸及びエチレングリコールを直接反応させて水を留去し、エステル化した後、減圧下で重縮合を行う直接エステル化法を用いて、連続重合装置により原料ポリエステル1(Sb触媒系PET)を得た。
第一エステル化反応槽に、高純度テレフタル酸4.7トンとエチレングリコール1.8トンを90分かけて混合してスラリー形成させ、3800kg/hの流量で連続的に第一エステル化反応槽に供給した。更に三酸化アンチモンのエチレングリコール溶液を連続的に供給し、反応槽内温度250℃、攪拌下、平均滞留時間約4.3時間で反応を行なった。このとき、三酸化アンチモンはSb添加量が元素換算値で150ppmとなるように連続的に添加した。
上記で得られたエステル化反応生成物を連続的に第一重縮合反応槽に供給し、攪拌下、反応温度270℃、反応槽内圧力20torr(2.67×10-3MPa)で、平均滞留時間約1.8時間で重縮合させた。
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)10質量部、PET1(IV=0.63)90質量部を混合し、混練押出機を用い、PET1の作製と同様にしてペレット化して、紫外線吸収剤を含有する原料ポリエステル2を得た(以降、PET2と略す)。
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)1質量部、PET1(IV=0.63)99質量部を混合し、混練押出機を用い、PET1の作製と同様にしてペレット化して、紫外線吸収剤を含有する原料ポリエステル3を得た(以降、PET3と略す)。
(フィルム成形工程)
原料ポリエステル1(PET1)90質量部と、紫外線吸収剤を含有した原料ポリエステル2(PET2)10質量部を、含水率20ppm以下に乾燥させた後、直径50mmの一軸混練押出機1のホッパー1に投入し、押出機1で300℃に溶融した(中間層II層)。
またPET1を、含水率20ppm以下に乾燥させた後、直径30mmの一軸混練押出機2のホッパー2に投入し、押出機2で300℃に溶融した(外層I層、外層III層)。
これらの2種のポリマー溶融物を、それぞれギアポンプ、フィルター(目開き8μm、すなわち孔径8μm)を1枚有するろ過装置1セットを通過させた後、2種3層合流ブロックにて、押出機1から押出されたポリマーが中間層(II層)に、押出機2から押出されたポリマーが外層(I層及びIII層)になるように積層し、幅120mmのダイよりシート状に押し出した。
溶融樹脂の押出条件は、圧力変動を1%、溶融樹脂の温度分布を2%として、溶融樹脂をダイから押出した。具体的には、背圧を、押出機のバレル内平均圧力に対して1%加圧し、押出機の配管温度を、押出機のバレル内平均温度に対して2%高い温度で加熱した。
ダイから押出した溶融樹脂は、温度25℃に設定された冷却キャストドラム上に押出し、静電印加法を用い冷却キャストドラムに密着させた。押出時の樹脂温度は300℃であった。冷却ドラムの上に密着する際の樹脂温度は277℃であった。冷却キャストドラムに対向配置された剥ぎ取りロールを用いて剥離し、未延伸ポリエステルフィルム1を得た。このとき、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押出機の吐出量を調整した。
(1)ハードコート層側易接着層の形成
下記化合物を下記の比率で混合し、ハードコート層側易接着層用の塗布液H1を作製した。
ポリエステル樹脂:(IC) 60質量部
アクリル樹脂:(II) 25質量部
メラミン化合物:(VIB) 10質量部
粒子:(VII) 5質量部
以下に使用化合物の詳細を示す。
・ポリエステル樹脂:(IC)
下記組成のモノマーで共重合したポリエステル樹脂のスルホン酸系水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
下記組成のモノマーで重合したアクリル樹脂の水分散体
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(質量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
・ウレタン樹脂:(IIIB)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400質量部、ネオペンチルグリコールを10.4質量部、イソホロンジイソシアネート58.4質量部、ジメチロールブタン酸が74.3質量部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られるウレタン樹脂の水分散体。
・メラミン化合物:(VIB)ヘキサメトキシメチルメラミン
・粒子:(VII)平均粒径65nmのシリカゾル
下記化合物を下記の比率で混合し、偏光子側易接着層用の塗布液P1を作製した。
ジメチルテレフタレート 194.2質量部
ジメチルイソフタレート 184.5質量部
ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート 14.8質量部
ジエチレングリコール 233.5質量部
エチレングリコール 136.6質量部
テトラ−n−ブチルチタネート 0.2質量部
上記化合物を仕込み、160℃から220℃の温度で4時間かけてエステル交換反応を行なった。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
共重合ポリエステル樹脂(A−1) 30質量部
エチレングリコールn−ブチルエーテル 15質量部
上記化合物を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分30質量%の乳白色のポリエステル水分散体(Aw−1)を作製した。
水90質量部を入れ、攪拌しながらケン化度が88%で重合度500のポリビニルアルコール樹脂(クラレ製)(B−1)10質量部を徐々に添加した。添加後、液を攪拌しながら、95℃まで加熱し、樹脂を溶解させた。溶解後、攪拌しながら室温まで冷却して、固形分10質量%のポリビニルアルコール水溶液(Bw−1)を作製した。
100質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 55質量部
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750) 30質量部
上記化合物を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(C−1)を得た。
水 40.61質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Aw−1) 11.67質量%
ポリビニルアルコール水溶液(Bw−1) 15.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤(C−1) 0.67質量%
粒子(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
1.25質量%
触媒(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.3質量%
界面活性剤(シリコン系、固形分濃度10質量%) 0.5質量%
ワイヤーバーを用いるバーコート法にて、未延伸ポリエステルフィルム1の片側に下記ハードコート層側易接着層用の塗布液H1を、もう一方の面に偏光子側易接着層用の塗布液P1を乾燥後の塗布量がどちらの面も0.12g/m2になるように調整しながら、ワイヤーバーを用いて塗布した。
−予熱部−
予熱温度を90℃とし、延伸可能な温度まで加熱した。
易接着層の塗布および予熱された未延伸ポリエステルフィルム1を、テンター(横延伸機)に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、下記の方法、条件にてTD方向(フィルム幅方向、横方向)に下記の条件にて横延伸し、5m幅のフィルムを得た。
《条件》
・横延伸温度:90℃
・横延伸倍率:4.3倍
次いで、ポリエステルフィルムの膜面温度を下記範囲に制御しながら、熱固定処理を行った。
<条件>
・熱固定温度:180℃
・熱固定時間:15秒
熱固定後のポリエステルフィルムを下記の温度に加熱し、フィルムを緩和した。
・熱緩和温度:170℃
・熱緩和率:TD方向(フィルム幅方向、横方向)2%
次に、熱緩和後のポリエステルフィルムを50℃の冷却温度にて冷却した。
冷却の後、ポリエステルフィルム1を1.4m幅に幅方向に3分割し、チャック部をト
リミングした。その後、分割した各ロールの両端に幅10mmで押出し加工(ナーリング)を行なった後、張力18kg/mで2000m巻き取った。以上のようにして、厚さ100μm、幅1.4mの帯状(長尺状)の1軸延伸ポリエステルフィルム1を3ロール製造した。
その後、ポリエステルフィルム1のハードコート層側易接着層用の塗布液H1を塗布した面に、下記組成の混合塗液(アクリル−1)を乾燥膜厚が5μmになるように塗布・乾燥し、紫外線を照射して硬化させハードコート層を形成した。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 85質量部
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート 15質量部
光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバスペシャルティケミカル製)
5質量部
メチルエチルケトン 200質量部
偏光板保護フィルムとして市販のセルロースアセテートフィルム(WVBZ、富士フィルム(株)製)を用意し、1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に連続的に通し、55℃で2分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.1規定の硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、市販のセルロースアセテートフィルムの表面をケン化した。
続いて、厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して搬送方向5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光子を得た。
ポリビニルアルコール(クラレ製偏光子−117H)3%水溶液を接着剤として、前述のケン化したセルロースアセテートフィルムの任意の表面、および帯状(長尺状)の1軸延伸ポリエステルフィルム試料1の偏光子側易接着層用の塗布液P1が塗布された面を偏光子側とし、偏光子を間にして2枚のフィルムをロールツーロールで貼り合わせ、偏光子の両面がフィルムによって保護された帯状(長尺)の偏光板を得た。
製造した偏光板を用い、下記記載のように市販の液晶TVの偏光板を置き換えた。
4K2KのVAモード液晶セル1(東芝製 65インチ 65Z8X、画素数は縦2160、横3840)を10台用意し、上下の偏光板を剥がし、作製した実施例1の偏光板をWVBZフィルムが液晶セル側になるようにして貼りつけた。上側偏光板の透過軸が上下方向に、そして下側偏光板の透過軸が左右方向になるように、クロスニコル配置とした。
得られた液晶表示装置を実施例1の液晶表示装置とした。
その他の実施例および比較例の液晶表示装置の製造条件、液晶セルの表裏のフロント側偏光板とバックライト側偏光板にそれぞれ用いたポリエステルフィルムの構成などは下記表1または表2に示した。詳細を以下において説明する。
以下は、偏光子との接着を上記のPVAのりではなくUV接着剤を用いて行った。
詳細を以下に示す。
・3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
:45質量部
・エポリードGT−301(ダイセル化学社製の脂環式エポキシ樹脂) :40質量部
・1、4−ブタンジオールジグリシジルエーテル :15質量部
・トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート :2.3質量部
・9,10−ジブトキシアントラセン :0.1質量部
・1,4−ジエトキシナフタレン :2.0質量部
上記調製した接着層形成用塗布液1を、フィルム1上に硬化後の膜厚が2.0μmとなるようにバーコーターで塗工して活性光線硬化型樹脂層を形成した。得られた活性光線硬化型樹脂層に、上記調製したポリビニルアルコール−ヨウ素系の偏光子を貼合した。
次いで、上記WVBZ(位相差フィルム)を用い、上記調製した接着層形成用塗布液1を、硬化後の膜厚が2.0μmとなるようにバーコーターで塗工して活性光線硬化型樹脂層を形成した。
この活性光線硬化型樹脂層に、上記フィルム1の片面に貼合された偏光子を貼合して、フィルム1/活性光線硬化型樹脂層/偏光子/活性光線硬化型樹脂層/WVBZが積層された積層物を得た。その際に、WVBZの遅相軸と偏光子の吸収軸が互いに直交になるように帯状態で貼合した。
この積層物のWVBZ面側から、紫外線照射装置(ランプは、フュージョンUVシステムズ社製のDバルブを使用)を用いて、積算光量が750mJ/cm2となるように紫外線を照射し、活性光線硬化型樹脂層を硬化させ実施例14の偏光板を作製した。この偏光板を下記表2のように液晶セルのフロント側とバックライト側に使用した。
実施例14において、下記表2の様にフィルム1に代えてフィルム3、4を用いた。バックライト側偏光板は、UV露光の際にWVBZおよびフィルム4両面からUV照射を実施した。両面照射できたため、照射時間および偏光子との密着性が向上した。それ以外は同様にして液晶表示装置を作製した。
フィルム14は、フィルム1の製造において、偏光子側易接着層用の塗布液P1を塗布しない以外は同様にして作製した。
フィルム15は、フィルム1の製造において、上記接着層形成用塗布液1を塗布する前にその表面にコロナ放電処理(コロナ放電処理条件:2KJ/m2)を施した以外は同様にして作製した。
それ以外は実施例14と同様にして下記表2に示す構成で液晶表示装置を作製した。
各実施例および比較例の偏光板に用いたポリエステルフィルムの特性評価と、各実施例、および比較例の偏光板および液晶表示装置の評価を以下の方法で行った。
得られた結果を下記表1または2に記載した。
作製した各フィルムサンプルを目視および20倍の実体顕微鏡で観察し、アスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状(フィルム幅方向に延びた凹または凸形状)について、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状の単位面積当たりの個数、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状のアスペクト比(フィルム幅方向の長さの平均値/フィルム長手方向の長さの平均値)、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状のフィルム幅方向の長さの平均値(サイズ)を評価した。
さらに、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状の凸部または凹部段差の(高さ)を、以下の方法で測定した。
凹部または凸部段差の高さは、各線状凹部または凸部に関し、光干渉顕微鏡(非接触表面形状計測器VertScan、菱化システム社製)を用いて測定した。
なお、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状のフィルム幅方向の長さの平均値、フィルム長手方向の長さの平均値、凸部または凹部段差の平均値は、全てのアスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状(フィルム幅方向に延びた凹または凸形状)の1m2中の平均を求めた。
面内方向のレターデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx−Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、レターデーション(Re)を求めた。
セイコ−電子工業(株)製 DSC220を用い、ポリエステルフィルム試料量10mgにて、昇温速度20℃/分でDSC曲線を描かせ、融解による明瞭な吸熱ピークより低温側の吸熱ピークを融解サブピーク温度(Tsm)とした。
超絶縁抵抗/微小電流計TR8601((株)アドバンテスト製)を用い、以下の方法でポリエステルフィルムのハードコート層(HC)側易接着層の塗布側の表面の表面抵抗率SR(単位はΩ/sq)を測定した。
一方から連続光源(白色LED)を用い、光を入射し、反対側から偏光サングラスを通して目視で観察し虹ムラの視認しやすさで虹ムラを評価した。
なお、虹ムラの評価は、偏光板の法線方向からと斜め方向(法線から45°)の両方から観察した。
A:虹ムラが見えない
B:虹ムラが見える
作製した各実施例および比較例の液晶表示装置を常温常湿の条件で表示した場合の品質(欠陥)を観察した。
それぞれ10台の液晶表示装置を10人の観察者に官能的に表示品質をポイント付けしてもらい評価した。黒または白表示時に表示欠陥の不具合が発見されたものが10人の平均で
10台中1台未満の場合S、
10台中1台以上1.5台未満の場合A、
10台中1.5台以上3台以下の場合B、
10台中3台以上4台以上の場合C
として、評価した。実用上、S、AまたはB評価であることが必要であり、SまたはA評価であることが好ましく、S評価であることがより好ましい。
一方、比較例1より、国際公開WO2012−157663号公報の[0105]の実施例1のように、溶融したポリエステルを通すフィルターの目開きを本発明で規定する範囲より大きくして製造したフィルム11は、フィルム幅方向に延びた凹または凸形状の単位面積当たりの個数が本発明で規定する範囲の上限値を超えるポリエステルフィルムであることがわかった。また、このようなフィルム幅方向に延びた凹または凸形状の単位面積当たりの個数が本発明で規定する範囲の上限値を超えるポリエステルフィルム(フィルム11)は、液晶表示装置に組み込んだ際に液晶表示装置の表示品質が劣ることがわかった。
2 ポリエステルフィルム
3a 偏光子側易接着層
3b ハードコート層側易接着層
4 ハードコート層
10 保護フィルム
Claims (15)
- ポリエステルを含み、フィルム幅方向に一軸延伸されてなるポリエステルフィルムであって、
面内方向のレターデーションReが4000〜20000nmであり、
融解サブピーク温度Tsmが130〜190℃であり、
フィルム幅方向の長さのフィルム幅方向に直交する方向に対するアスペクト比が2以上であり、フィルム幅方向の長さが10μm以上であり、かつ、凸部または凹部段差が0.1μm以上である凹または凸形状が0.1個/m2以下であり、
凹または凸形状のフィルム幅方向の長さの平均値が10μm以下であり、
前記ポリエステルがチタン原子を含む触媒を用いて重合されてなるポリエステルフィルム。 - 前記凹または凸形状の凸部または凹部段差の平均値が0.1μm以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 紫外線吸収剤の量が前記ポリエステルに対して0.1質量%以下である請求項1または2に記載のポリエステルフィルム。
- ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面の表面抵抗率SRの常用対数値logSRが10以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステルフィルム;
ただし、表面抵抗率SRの単位はΩ/sqである。 - 偏光板保護フィルム用途である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステルフィルム。
- 偏光子と、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステルフィルムを含む偏光板。
- さらにセルロースアシレートフィルムを有し、
前記偏光子の一方の表面に前記ポリエステルフィルムが積層され、他方の表面に前記セルロースアシレートフィルムが積層された請求項6に記載の偏光板。 - 前記ポリエステルフィルムが、紫外線硬化型の接着剤を介して、前記偏光子と積層された請求項6または7に記載の偏光板。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステルフィルムまたは請求項6〜8のいずれか一項に記載の偏光板を含み、画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上である画像表示装置。
- 液晶セルと、
前記液晶セルのバックライト側およびフロント側の少なくとも一方の表面に配置された請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステルフィルムまたは請求項6〜8のいずれか一項に記載の偏光板とを有し、
画素数が横3000以上、かつ、縦1500以上である液晶表示装置。 - 前記ポリエステルフィルムとして紫外線吸収剤の量がポリエステルに対して0.1質量%以下であるポリエステルフィルムを、液晶セルのバックライト側に有する請求項10に記載の液晶表示装置。
- ポリエステルを二軸押出機で溶融する溶融工程と、
溶融した前記ポリエステルをフィルターが設置されたろ過装置に通してろ過するろ過工程と、
ろ過した前記ポリエステルをダイからシート状に押し出し、冷却ドラムの上に密着させることにより冷却固化して未延伸のポリエステルフィルムを成形するフィルム成形工程と、
前記未延伸のポリエステルフィルムを、フィルム搬送路の両側に設置された一対のレールに沿って走行するクリップを有するテンター式延伸装置にて、前記クリップで把持しながら横延伸する工程と、
前記横延伸をした後のポリエステルフィルムをテンター内の最高温度まで加熱する熱固定工程を含み、
前記ろ過工程に設置されるフィルターの目開きが8μm以下であり、
前記ろ過工程においてろ過装置が3セット以上あり、
ろ過工程の上流側から数えて1セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きXμmと、2セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きYμmと、3セット目のろ過装置に設置されたフィルターの目開きZμmが、以下の式Aを満たし、
前記ダイから押し出される前記ポリエステルの温度が280℃以上320℃以下であり、
前記ポリエステルがチタン原子を含む触媒を用いて重合されてなるポリエステルフィルムの製造方法。
式A・・・Z≦X<Y - 前記フィルム成形工程において、前記ポリエステルを前記冷却ドラムの上に密着させる際に静電印加電極を用い、
前記冷却ドラムの上に密着する際の前記ポリエステルの温度が280℃以上であり、
前記静電印加電極と、前記ポリエステルが前記冷却ドラムに密着する点との距離が15mm以下であり、
前記静電印加電極の印加電圧が9kV以上である請求項12に記載のポリエステルフィルムの製造方法。 - 前記冷却ドラムから前記未延伸のポリエステルフィルムが剥離される点から、前記テンター式延伸装置の入口までの間に搬送ロールが設置され、
前記未延伸のポリエステルフィルムと接触する前記搬送ロールの50%以上が駆動式の搬送ロールである請求項12または13に記載のポリエステルフィルムの製造方法。 - 前記未延伸のポリエステルフィルムに塗布液を塗布する工程をさらに含み、
前記塗布液の塗布方法がバーコートであり、
前記バーコートに転造バーを用いる請求項12〜14のいずれか一項に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
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