JP2017173755A - 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017173755A
JP2017173755A JP2016062589A JP2016062589A JP2017173755A JP 2017173755 A JP2017173755 A JP 2017173755A JP 2016062589 A JP2016062589 A JP 2016062589A JP 2016062589 A JP2016062589 A JP 2016062589A JP 2017173755 A JP2017173755 A JP 2017173755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
birefringence
plane
backlight
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016062589A
Other languages
English (en)
Inventor
伸之 戸部
Nobuyuki Tobe
伸之 戸部
恒川 雅行
Masayuki Tsunekawa
雅行 恒川
玄 古井
Gen Furui
玄 古井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016062589A priority Critical patent/JP2017173755A/ja
Publication of JP2017173755A publication Critical patent/JP2017173755A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】広色域、かつ、出射角を大きくしても正しい色を再現できる画像表示装置、該画像表示装置に用いる積層体、該積層体の製造方法、及び、画像表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】バックライト光源を有する画像表示装置の上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、上記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体であって、上記バックライト光源からの光は、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有し、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とは、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層されていることを特徴とする積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法に関する。
液晶表示装置は、省電力、軽量、薄型等といった特徴を有していることから、従来のCRTディスプレイに替わり、近年急速に普及している。
一般的な液晶表示装置としては、例えば、バックライト光源、該バックライト側の偏光板、液晶セル、カラーフィルター及び表示側の偏光板を有する構造が挙げられる。
液晶表示装置の2枚の偏光板は、所定の振動方向の振動面を有する直線偏光のみを選択的に透過させるように構成されたものであり、それぞれの振動方向が相互に直角の関係になるようにクロスニコル状態で対向して配置されている。また、液晶セルは2枚の偏光板の間に配置されている。
近年、高精細な液晶表示装置が一般化しており、このような高精細な液晶表示装置では、液晶表示装置自身が限りなく薄いことも要望の一つとなっている。
従来、偏光板の保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースエステルからなるフィルムが用いられているが、このようなセルロースエステルフィルムを、薄型化された液晶表示装置に用いると、熱や外力によってソリや歪みが生じるといった問題があった。
そのため、薄型化された液晶表示装置に対しては、熱又は機械的特性に優れたポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを利用する試みがなされている。
しかしながら、偏光板の保護フィルムとして、ポリエステルフィルムを用いた液晶表示装置では、バックライト光源としてブロードな波長を有する白色LED光源(例えば、青色LEDと黄色蛍光体とを組み合わせたLED光源)を用いることが好ましいとされており(例えば、特許文献1〜3)、このような白色LED光源を用いた液晶表示装置では、近年要求されている広色域な色に対する再現性は不充分なものであった。
ところで、このような構成の液晶表示装置において、バックライト光源から照射された光を効率よく表示画面まで透過させることは、表示画面の輝度向上に重要である。特に、近年急速に普及しているスマートフォン等のモバイル機器では、バッテリーの持続時間に直接影響するため、より効率よくバックライト光源からの光を表示画面まで透過させることが求められている。
このような液晶表示装置として、例えば、バックライト光源と該バックライト光源側の偏光板との間に、特定の偏光成分を透過させるとともに、その他の偏光成分を反射してバックライト光源側に戻す機能を有する偏光分離フィルムを設ける等してバックライト光源側の偏光板に偏光された光を入射させ、表示画面の輝度を向上させたものが知られている(例えば、特許文献4)。
更に、近年の表示装置の超高精細化により、表示装置を大画面化しても画素が気にならなくなったため、大画面の表示装置が更に増加している。このような大画面の表示装置では、正面から観察しても画面の左右両端は出射角が大きくなる。また、例えばタッチパネル付きの表示装置においては、画面と人間の目との距離が近くなるため、それほど大画面ではなくても、画面の左右両端は出射角が大きくなる。また、表示装置が曲面形状を有する場合も、左右両端の出射角が大きくなる。このため、出射角が異なる範囲における色の再現性が重要視され始めている。
特開2014−032276号公報 特開2013−257579号公報 国際公開第2013/080948号パンフレット 特開2008−176059号公報
本発明は、上記現状に鑑み、広色域、かつ、出射角を大きくしても正しい色を再現できる画像表示装置、該画像表示装置に用いる積層体、該積層体の製造方法、及び、画像表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、上記出射角とは、積層体を通過した光の出射角度を意味するものであり、上記出射角を大きくした状態とは、積層体を通過した光の出射角度が30°以上のものをいう。
本発明は、バックライト光源を有する画像表示装置の上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、上記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体であって、上記バックライト光源からの光は、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有し、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とは、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層されていることを特徴とする積層体である。
本発明の積層体において、面内に複屈折率を有する光透過性基材と偏光子とは、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±10°又は90°±10°となるように積層されていることが好ましい。
また、面内に複屈折率を有する光透過性基材は、屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、上記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上であることが好ましい。
また、本発明の積層体において、バックライト光源からの光は、赤色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、緑色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、青色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークとをそれぞれ有することが好ましい。
また、本発明の積層体において、バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含むことが好ましい。
また、本発明は、バックライト光源を有する画像表示装置の上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、上記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体の製造方法であって、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とを、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有することを特徴とする積層体の製造方法でもある。
また、本発明は、上述した本発明の積層体を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
本発明の画像表示装置は、NTSC比が、65%以上であることが好ましい。
また、本発明は、バックライト光源を有し、該バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層され、上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられる積層体を備えた画像表示装置の製造方法であって、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とを、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有することを特徴とする画像表示装置の製造方法でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も“樹脂”と記載する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、自然の色そのものの正しい色を表現できるような広色域な色に対する再現性を達成するためには、バックライト光源からの光が、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有するものを用いることが必須であるとの知見を得た。
しかしながら、画像表示装置の薄型化、広色域な色に対する再現性、及び、輝度の向上を同時に達成することを目的として、偏光分離フィルム、ポリエステルフィルム、及び、偏光子がこの順に積層された積層体を用いた画像表示装置に対し、バックライト光源からの光が、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度をそれぞれ有するものを用いた場合には、出射角を大きくすると、意図した色が得られないといった問題が生じることを見出した。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結果、偏光分離フィルム、ポリエステルフィルム、及び、偏光子がこの順に積層された積層体において、ポリエステルフィルムの屈折率の小さい方向である進相軸と偏光子の透過軸とが特定の角度範囲となるように積層させることによって、上記課題をすべて解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の積層体は、バックライト光源を有する画像表示装置の上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、上記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層されたものである。
すなわち、本発明の積層体は、画像表示装置のバックライト光源と、表示画面との間に配置して用いられるものである。
上記偏光分離フィルムは、上記バックライト光源から出射される光のうち、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有する部材である。本発明の積層体を液晶表示装置に用いた場合、液晶セルと偏光分離フィルムとの間に本発明の積層体が設けられた構成となり、本発明の積層体は、特定の偏光成分のみを選択的に透過するので、偏光分離フィルムを用いて特定の偏光成分(本発明の積層体を透過する偏光成分)以外の偏光成分を選択的に反射させ再利用することで、本発明の積層体を通過する光の量を多くし、上記液晶表示装置の表示画面の輝度を向上させることができる。
上記偏光分離フィルムとしては、液晶表示装置に用いられている一般的なものを用いることができる。また、偏光分離フィルムとして市販品を用いてもよく、例えば、住友スリーエム社製のDBEFシリーズを好適に用いることができる。
上記光透過性基材としては、面内に複屈折率を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエステル等からなる基材が挙げられるが、なかでも、コスト及び機械的強度において有利なポリエステル基材であることが好適である。なお、以下の説明では、面内に複屈折率を有する光透過性基材をポリエステル基材として説明する。
なお、本発明の積層体において、上記光透過性基材としては、従来、光学等方性材料として用いられていたセルロースエステル等からなる光透過性基材であっても、敢えて複屈折率を持たせることで使用することができる。
本発明の積層体において、上記ポリエステル基材の面内において屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、上記遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差nx−ny(以下、Δnとも表記する)は、0.05以上であることが好ましい。上記Δnが0.05未満であると、斜めから見たときの色再現性の低下を抑える効果が少なくなることがある。一方、上記Δnは、0.40以下であることが好ましい。0.40を超えると、ポリエステル基材を過度に延伸する必要が生じるため、ポリエステル基材が裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。
以上の観点から、上記Δnのより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は0.35である。なお、上記Δnが0.35を超えると、耐湿熱性試験でのポリエステル基材の耐久性が劣ることがある。耐湿熱性試験での耐久性が優れることから、上記Δnの更に好ましい上限は0.30である。このようなΔnを満たすことで、斜めから見たときの色再現性の向上を図ることができる。
なお、本明細書において、光透過性基材が面内に複屈折率を有しているか否かは、波長550nmの屈折率において、Δn(nx−ny)≧0.0005であるものは、複屈折性を有しているとし、Δn(nx−ny)<0.0005であるものは、複屈折性を有していないとする。複屈折率は、王子計測機器社製KOBRA−WRを用いて、測定角0°かつ測定波長552.1nmに設定して、測定を行うことができる。このとき、複屈折率算出には、膜厚、平均屈折率が必要となる。膜厚は、例えば、マイクロメーター(Digimatic Micrometer、ミツトヨ社製)や、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定できる。平均屈折率は、アッベ屈折率計や、エリプソメーターを用いて測定することができる。
なお、一般的に等方性材料として知られる、トリアセチルセルロースからなるTD80UL−M(富士フィルム社製)、シクロオレフィンポリマーから成るZF16−100(日本ゼオン社製)のΔnは、上記測定方法により、それぞれ、0.0000375、0.00005であり、複屈折性を有していない(等方性)と判断した。
その他、複屈折率を測定する方法として、二枚の偏光板を用いて、光透過性基材の配向軸方向(主軸の方向)を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求めることもできるし、裏面に黒ビニールテープ(例えば、ヤマトビニールテープNo200−38−21 38mm幅)を貼ってから、分光光度計(V7100型、自動絶対反射率測定ユニット、VAR−7010 日本分光社製)を用いて、偏光測定:S偏光にて、S偏光に対して、遅相軸を平行にした場合と、進相軸を平行にした場合の5度反射率を測定し、反射率(R)と屈折率(n)との関係を示す下記式(1)より、遅相軸と進相軸の各波長の屈折率(nx、ny)を算出することもできる。
R(%)=(1−n)/(1+n) 式(1)
また、平均屈折率は、アッベ屈折率計や、エリプソメーターを用いて測定することができ、光透過性フィルムの厚み方向の屈折率nzは、上記の方法によって測定した、nx、nyを用いて、下記式(2)より、計算できる。
平均屈折率N=(nx+ny+nz)/3 式(2)
ここで、nx、ny、nzの算出方法を、具体例を挙げて説明する。
なお、nxは、光透過性基材の遅相軸方向の屈折率、nyは、光透過性基材の進相軸方向の屈折率、nzは、光透過性基材の厚み方向の屈折率である。
(3次元屈折率波長分散の算出)
まずは、シクロオレフィンポリマーを例に挙げて、3次元屈折率波長分散の算出方法を具体的に説明する。
面内に複屈折率を有さないシクロオレフィンポリマーフィルムの平均屈折率波長分散を、エリプソメーター(UVISEL 堀場製作所)を用いて測定し、その結果を図1に示した。この測定結果より、面内に複屈折率を有さないシクロオレフィンポリマーフィルムの平均屈折率波長分散を、nxとny、nzの屈折率波長分散とした。
このフィルムを延伸温度155℃で自由端一軸延伸して、面内に複屈折率を有するフィルムを得た。膜厚は、100μmであった。この自由端一軸延伸したフィルムを、複屈折測定計(KOBRA−21ADH、王子計測機器)により、入射角0°及び40°のリタデーション値を4波長(447.6nm、547.0nm、630.6nm、743.4nm)で測定した。
各波長での、平均屈折率(N)と、リタデーション値とを元に、複屈折測定計付属の3次元波長分散計算ソフトを用いて、Cauchy又はSellmeierの式などを用いて、3次元屈折率波長分散を算出し、その結果を図2に示した。なお、図2中、nyはnzとほぼ重なって示されている。この結果より、面内に複屈折率を有するシクロオレフィンポリマーの3次元屈折率波長分散を得た。
(分光光度計を用いた屈折率nx、ny、nzの算出)
ポリエチレンテレフタレートを例に挙げて、分光光度計を用いた屈折率nx、ny、nzの算出方法を具体的に説明する。
面内に複屈折率を有さないポリエチレンテレフタレートの平均屈折率波長分散は、上記3次元屈折率波長分散の算出方法と同様に行った。
面内に複屈折率を有するポリエチレンテレフタレートの屈折率波長分散(nx、ny)は、分光光度計(V7100型、自動絶対反射率測定ユニットVAR−7010 日本分光社製)を用いて算出した。測定面とは反対面に、裏面反射を防止するために測定スポット面積よりも大きな幅の黒ビニールテープ(例えば、ヤマトビニールテープNo200−38−21 38mm幅)を貼ってから、偏光測定:S偏光にて、光透過性基材の配向軸を平行に設置した場合と、配向軸に対して直交する軸を平行に設置した場合との5度分光反射率を測定した。結果を図3に示す。反射率(R)と屈折率(n)との関係を示す上記式(1)より、屈折率波長分散(nx、ny)を算出した。より大きい反射率(上記式(1)により算出された屈折率)を示す方向をnx(遅相軸ともいう)とし、より小さい反射率(上記式(1)により算出された屈折率)を示す方向をny(進相軸ともいう)とした。ここで、配向軸とは、光源の上に、クロスニコル状態に設置された二枚の偏光板の間に、面内に複屈折率を有するフィルムを挟み、フィルムを回転させ、光漏れがもっとも少ない状態の時、偏光板の透過軸、又は、吸収軸と同一方向が、フィルムの配向軸とすることができる。また、屈折率nzは、上記平均屈折率(N)と上記式(2)とにより算出できる。
上記ポリエステル基材を構成する材料としては、上述したΔnを充足するものであれば特に限定されないが、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート(ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレン−1,4−ナフタレート、ポリエチレン−1,5−ナフタレート、ポリエチレン−2,7−ナフタレート、ポリエチレン−2,3−ナフタレート)などを例示することができる。また、ポリエステル基材に用いられるポリエステルは、これらのポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。上記ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。また、PETは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりΔnの制御が可能であり、固有複屈折が大きいため、比較的容易に複屈折率を持たせることができる。
上記ポリエステル基材を得る方法としては、上述したΔnを充足する方法であれば特に限定されないが、例えば、材料の上記PET等のポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された未延伸ポリエステルをガラス転移温度以上の温度においてテンター等を用いて横延伸後、熱処理を施す方法が挙げられる。
上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステル基材の透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られるポリエステル基材の複屈折が小さくなることがある。
また、本発明においては、二軸延伸試験装置を用いて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後、該横延伸に対する流れ方向の延伸(以下、縦延伸ともいう)を行ってもよい。この場合、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。上記縦延伸の延伸倍率が2倍を超えると、Δnの値を上述した好ましい範囲にできないことがある。
また、上記熱処理時の処理温度はしては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
上記ポリエステル基材の厚みとしては、5〜300μmの範囲内であることが好ましい。5μm未満であると、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。一方、300μmを超えると、ポリエステル基材が非常に剛直であり、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、やはり工業材料としての実用性が低下することがあるので好ましくない。上記ポリエステル基材の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は200μmであり、更に好ましい上限は150μmである。
また、上記ポリエステル基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、84%以上であるものがより好ましい。なお、上記透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、本発明において、上記ポリエステル基材には本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、及び火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
上記偏光子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。
本発明の積層体において、上記光透過性基材と上記偏光子とは、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°(すなわち、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が、−20°〜20°となる範囲)又は90°±20°(すなわち、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が、70°〜110°となる範囲)となるように積層されている。
本発明の積層体は、上記光透過性基材と上記偏光子とが上述のように配置されるため、本発明の積層体を用いた画像表示装置は、広色域、かつ、出射角を大きくしても正しい色を再現することができる。すなわち、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が上記範囲を外れる場合、具体的には、45°±25°未満である場合、出射角が大きくなると、意図した色が得られないこととなる。これは、以下の理由によるものである。
光源と偏光素子との間に偏光分離フィルムを備えた積層体では、通常、偏光子の透過軸を透過する光の偏光軸の方向と、偏光分離フィルムを透過した偏光された光の偏光軸の方向とは、一致するように設置されている。このため、偏光子と偏光分離フィルムとの間に、面内に複屈折率を有する光透過性基材が設置され、かつ、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、45°±25°未満の範囲である場合、偏光分離フィルムを透過した偏光された光の偏光軸が変化してしまい、偏光子は偏光サングラスのような役割を果たして、偏光された光の一部を吸収軸によって吸収してしまうので、出射角を大きくすると、意図した色が得られないこととなる。
この現象は、バックライト光源からの光が、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有する場合に、より顕著なものとなる。
本発明の積層体において、上記光透過性基材と上記偏光子とは、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±10°又は90°±10°となるように積層されていることが好ましく、上記光透過性基材と上記偏光子とは、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±5°又は90°±5°となるように積層されていることが更に好ましく、上記光透過性基材と上記偏光子とは、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が、0°又は90°となるように積層されていることが更により好ましい。
上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が上記範囲にあることで、出射角を更に大きくしても(例えば、出射角45°)、正しい色を再現することができる。
本発明の積層体において、上記光透過性基材と上記偏光子とは、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±5°となるように積層されていることが特に好ましい。
上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が上記範囲にあることで、本発明の積層体の光透過率が極めて良好なものとなる。これは、上記光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が、上記の範囲のとき、偏光された光が、上記光透過性基材に入射する際の反射率を小さくすることができるからである。この理由は、以下の理由による。
すなわち、偏光分離フィルムを透過した偏光された光が積層体に入射する場合、上記光透過性基材の進相軸と上記偏光子の透過軸とのなす角度が0°であっても、90°であっても、上記偏光分離フィルムを透過した偏光された光は、その振動方向を保ったまま、光透過性基材を通過する。しかし、この光が、空気界面から、光透過性基材に入る場合、下記式によって反射が起こる。ここで、下記式中、ρは、反射率を示し、naは、光の振動方向と同じ方向の光透過性基材の面内の屈折率を示す。
ρ=(1−na)/(1+na)
そして、上記積層体の透過率τは、下記式によって求められるが、吸収率αは、材料が同じであるため、同じ値であることを考えれば、透過率τを大きくするためには、反射率ρを小さくすれば良い。
τ=1−ρ−α
すなわち、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とは、該光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とがなす角度が0°である場合、光は、光透過性基材の面内において、最も小さい屈折率と空気の屈折率との差によって反射が起こるため、反射率を最も小さくでき、透過率を上げることができる。
一方、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とは、該光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とがなす角度が90°である場合、光は、光透過性基材の面内において、最も大きい屈折率と空気の屈折率との差によって反射が起こるため、反射率がもっとも大きくなり、結果として、透過率が低下する。
更に、本発明の積層体では、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、上記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)と、上記光透過性基材の平均屈折率(N)とが、下記式の関係を有し、かつ、上記進相軸と偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が0°±2°であるとき、光透過性基材を等方性材料のまま用いたときよりも透過率を向上できるため最も好ましい。
nx>N>ny
なお、本発明の積層体は、面内に複屈折率を有する光透過性基材の偏光子が積層されている側とは反対の面に、上記光透過性基材の進相軸方向の屈折率nyよりも小さな屈折率を有する低屈折率層が設けられていてもよい。このような低屈折率層としては、屈折率が上記光透過性基材の進相軸方向の屈折率nyよりも小さなものであれば特に限定されず、従来公知の材料からなるものが挙げられる。
本発明の積層体では、上記バックライト光源からの光が、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有するものを用いる。
このようなバックライト光源を用いることで、画像表示装置が広色域な色に対する再現性を有するものとすることができる。ここで、上記赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域とは、600〜700nmの赤色波長帯域、500〜600nmの緑色波長帯域、及び、400〜500nmの青色波長帯域のことをいい、本発明の積層体では、上記各波長帯域に発光強度のピークを有する。また、上記バックライト光源が、上記赤色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、上記緑色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、上記青色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークとを有するものが好ましく、上記赤色波長帯域の半値幅が55nm以下である発光強度のピークと、上記緑色波長帯域の半値幅が55nm以下である発光強度のピークと、上記青色波長帯域の半値幅が55nm以下である発光強度のピークとを有するものがより好ましく、上記赤色波長帯域の半値幅が50nm以下である発光強度のピークと、上記緑色波長帯域の半値幅が50nm以上である発光強度のピークと、上記青色波長帯域の半値幅が50nm以下である発光強度のピークとを有するものが更に好ましい。このようなバックライト光源を用いることで、広色域な色に対する再現性が更に向上する。このようなバックライト光源としては、青色LEDと赤色蛍光体と緑色蛍光体とを組み合わせたLED光源や、青色LED光源と量子ドットを含有する光透過層とを組み合わせたもの等が挙げられる。
上記バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含むことが好ましい。
上記量子ドットとは、量子閉じ込め効果(quantum confinement effect)を有する所定の大きさの半導体粒子である。量子ドットは、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに応じたエネルギーを放出する。よって、量子ドットの粒径又は物質の組成を調節すると、エネルギーバンドギャップを調節することができ、様々なレベルの波長帯のエネルギーを得ることができる。
また、上記量子ドットは、通常、中心体と該中心体を被覆する殻で構成され、該殻の外表面に高分子コーティングされた構成を有する。
上記量子ドットの中心体及び殻としては特に限定されず、例えば、CdSe、CdTe、CdS、ZnO、ZnS、ZnSe、InP、PbSe等が挙げられる。
上記光透過層としては、例えば、上述した量子ドット及びバインダー樹脂のモノマー成分に、必要に応じて公知の溶剤及び光重合開始剤等を添加した光透過層用組成物を調製し、該光透過層用組成物を、公知の方法で塗布、乾燥、硬化させることで製造することができる。
上述したように、本発明の画像表示装置は、バックライト光源が上記量子ドットを含有する光透過層を有する場合、高輝度及び高色域化を図ることができる。
また、本発明の積層体を製造する方法もまた、本発明の一つである。
すなわち、本発明の積層体の製造方法は、バックライト光源を有する画像表示装置の上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、上記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体の製造方法であって、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とを、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有することを特徴とする。
本発明の画像表示装置の製造方法において、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と偏光子としては、上述した本発明の積層体と同様のものが挙げられる。
また、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子との積層は、公知の接着剤を介して行うことが好ましい。
上述した本発明の積層体を備えてなる画像表示装置もまた、本発明の一つである。
本発明の画像表示装置は、観察者側に、少なくとも、面内に複屈折率を有する上部光透過性基材が上部偏光子上に設けられた上部偏光板を更に有し、上記面内に複屈折率を有する上部光透過性基材と上記上部偏光子とは、上記面内に複屈折率を有する上部光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記上部偏光子の透過軸とがなす角度が90°とならないように配置されていることが好ましい。
上記面内に複屈折率を有する上部光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記上部偏光子の透過軸とがなす角度が90°であると、本発明の画像表示装置のバックライト光源から出射した光の上記上部偏光板の透過率が小さくなり、その結果、本発明の画像表示装置の光透過率が劣ることがある。
より好ましくは、0°±30°未満であり、0°±10°未満が更に好ましい。
上記上部光透過性基材から、空気界面に出る時の屈折率差が小さくなるため、反射率が小さくなり、上部偏光板の透過率が更に優れたものとなるからである。
上記上部偏光板を構成する、面内に複屈折率を有する上部光透過性基材及び上部偏光子としては、それぞれ上述した本発明の積層体における光透過性基材及び偏光子と同様のものが挙げられる。
上記上部偏光板を備えた本発明の画像表示装置としては、液晶セルを介して観察者側に上部偏光板を、バックライト光源側に本発明の積層体を、それぞれ備えた液晶表示装置であることが好ましい。また、本発明の積層体の偏光子と上部偏光板の上部偏光子とは、透過軸がクロスニコルの関係にあることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、液晶セルと、該液晶セルを背面から照射するバックライト光源とを備え、上記液晶セルのバックライト光源側に、本発明の積層体が形成されてなる液晶表示装置(LCD)であることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、NTSC比が65%以上であることが好ましい。
上記NTSC比が65%以上であれば、近年要求される画像表示装置の広色域な色に対する再現性を満たすことができる。
上記NTSC比は、70%以上であることがより好ましく、75%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
本発明の画像表示装置が液晶表示装置の場合、上記バックライト光源は、本発明の積層体の下側から照射されるが、上述した偏光分離フィルムがバックライト光源と本発明の積層体との間に設けられていてもよい。また、液晶セルと本発明の積層体との間に位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
本発明の画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、タブレットPCなどのディスプレイ表示に使用することができ、特に、高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
また、本発明の積層体を備えた画像表示装置の製造方法もまた本発明の一つである。
すなわち、本発明の画像表示装置の製造方法は、バックライト光源を有し、該バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層され、上記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられる積層体を備えた画像表示装置の製造方法であって、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材と上記偏光子とを、上記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、上記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有することを特徴とする。
本発明の画像表示装置の製造方法において、上記偏光板並びにそれを構成する面内に複屈折率を有する光透過性基材及び偏光子としては、上述した本発明の積層体で説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明の積層体は、上述した構成からなるものであるため、広色域、かつ、出射角を大きくしても正しい色を再現できる画像表示装置を得ることができる。
面内に複屈折率を有さないシクロオレフィンポリマーフィルムの平均屈折率波長分散を示すグラフである。 面内に複屈折率を有するシクロオレフィンポリマーフィルムの3次元屈折率波長分散を示すグラフである。 分光光度計により測定したnx及びnyの5度反射率を示すグラフである。
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例及び比較例のみに限定されるものではない。
(光透過性基材1)
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、Δn=0.10、膜厚=80μm、リタデーション=8000nmの光透過性基材1を得た。
(光透過性基材2)
延伸倍率を調整して、Δn=0.045とした以外は光透過性基材1と同様にして光透過性基材2を得た。
(バックライト光源部1)
青色LED光源と、量子ドットを含有する層を含むシートを組み合わせたものをバックライト光源部1とした。
発光スペクトルを測定したところ、波長630nm、530nm、445nmにピークを有し、それぞれの半値幅は、45nm、50nm、30nmであった。
(バックライト光源部2)
青色LEDに赤色蛍光体と緑色蛍光体とを備えた光源よりなるものをバックライト光源部2とした。
発光スペクトルを測定したところ、波長640nm、540nm、445nmにピークを有し、それぞれの半値幅は、30nm、55nm、30nmであった。
(バックライト光源部3)
青色LEDに黄色蛍光体を備えた光源よりなるものをバックライト光源部3とした。
発光スペクトルを測定したところ、波長550nmと450nmにピークを有し、それぞれの半値幅は、130nm、30nmであった。
(実施例1)
市販の液晶表示装置を分解して、バックライトの光源部をバックライト光源部1とし、該バックライトと、バックライト側に偏光板が貼付してなる液晶セルとの間に、バックライト側から順にDBEF、光透過性基材1を配置して、実施例1の液晶表示装置を作製した。この際、液晶セルのバックライト側偏光板の透過軸に対して、DBEFの透過軸を平行とし、光透過性基材1の進相軸とのなす角を0度とした。
(実施例2)
バックライト側偏光板の透過軸に対して、光透過性基材1の進相軸とのなす角を90度とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の液晶表示装置を作製した。
(実施例3)
バックライト側偏光板の透過軸に対して、光透過性基材1の進相軸とのなす角を15度とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の液晶表示装置を作製した。
(実施例4)
光透過性基材1に代えて光透過性基材2を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の液晶表示装置を作製した。
(実施例5)
光透過性基材1に代えて光透過性基材2を用いた以外は、実施例2と同様にして実施例5の液晶表示装置を作製した。
(実施例6)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部2を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6の液晶表示装置を作製した。
(実施例7)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部2を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例7の液晶表示装置を作製した。
(実施例8)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部2を用いた以外は、実施例3と同様にして、実施例8の液晶表示装置を作製した。
(比較例1)
バックライト側偏光板の透過軸に対して、光透過性基材1の進相軸とのなす角を25度とした以外は実施例1と同様にして、比較例1の液晶表示装置を作製した。
(比較例2)
バックライト側偏光板の透過軸に対して、光透過性基材1の進相軸とのなす角を45度とした以外は実施例1と同様にして、比較例2の液晶表示装置を作製した。
(比較例3)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部2を用いた以外は、比較例1と同様にして、比較例3の液晶表示装置を作製した。
(比較例4)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部2を用いた以外は、比較例2と同様にして、比較例4の液晶表示装置を作製した。
(比較例5)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部3を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5の液晶表示装置を作製した。
(比較例6)
バックライト光源部1に代えてバックライト光源部3を用いた以外は、比較例2と同様にして、比較例5の液晶表示装置を作製した。
(斜めからの観察時の色再現性評価)
実施例及び比較例で作製した液晶表示装置を5人の人間が、明室及び暗室にて、正面及び斜め方向(約45度)から表示画像を観察し、正面と斜め方向での色の再現性を確認した
◎:正面と斜め方向とで色が同じに見える
○:正面と斜め方向とで色が若干変わって見えるが実用上問題ない
△:正面と斜め方向とで色が変わって見え、違和感がある
×:正面と斜め方向とで色が明らかに変わって見える
(色域(NTSC比)の評価)
実施例及び比較例で作製した液晶表示装置をそれぞれ、赤表示、緑表示、青表示させそれぞれのxy色度を、液晶表示装置の正面から分光放射計により測定し、NTSC比を算出した。
Figure 2017173755
実施例に係る液晶表示装置は、斜めからの観察時の色再現性に優れ、かつ、広色域であった。
また、光透過性基材1を用いた実施例1及び2と、光透過性基材2を用いた実施例4及び5を比較すると、Δnが0.05以上である光透過性基材1を用いた実施例1及び2の方が、斜めからの観察時の色再現性においてより優れていた。
また、バックライト光源部1を用いた実施例1〜3と、バックライト光源部2を用いた実施例6〜8を比較すると、青色LED光源と、量子ドットを含有する層を含むシートを組み合わせたバックライト光源部1を用いた実施例1〜3の方が、より広色域であった。
また、実施例1及び2と実施例3との比較、実施例6及び7と実施例8との比較から、偏光板の透過軸と光透過性基材の進相軸のなす角が0°又は90°である実施例1及び2又は実施例6及び7の方が、斜めからの観察時の色再現性においてより優れていた。
一方、偏光板の透過軸と光透過性基材の進相軸のなす角の範囲が、0°±20°又は90°±20°を満たさない比較例1〜4では、斜めからの観察時の色再現性が不充分であった。
また、赤色波長帯域に発光強度のピークを有しておらず、緑色波長帯域におけるピークの半値幅が60nmを超えていたバックライト光源部3を用いた比較例5及び6では、色域が不充分であった。
本発明の積層体は、広色域、かつ、出射角を大きくしても正しい色を再現できる画像表示装置を得ることができ、液晶ディスプレイ(LCD)等のバックライト光源と、表示画面との間に配置される積層体として好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. バックライト光源を有する画像表示装置の前記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、
    前記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体であって、
    前記バックライト光源からの光は、赤色、緑色、及び、青色の各波長帯域に発光強度のピークをそれぞれ有し、
    前記面内に複屈折率を有する光透過性基材と前記偏光子とは、前記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、前記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層されている
    ことを特徴とする積層体。
  2. 面内に複屈折率を有する光透過性基材と偏光子とは、前記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、前記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±10°又は90°±10°となるように積層されている請求項1記載の積層体。
  3. 面内に複屈折率を有する光透過性基材は、屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny)が、0.05以上である請求項1又は2記載の積層体。
  4. バックライト光源からの光は、赤色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、緑色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークと、青色波長帯域の半値幅が60nm以下である発光強度のピークとをそれぞれ有する請求項1、2又は3記載の積層体。
  5. バックライト光源は、量子ドットを含有する光透過層を含む請求項1、2、3又は4記載の積層体。
  6. バックライト光源を有する画像表示装置の前記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられ、
    前記バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層された積層体の製造方法であって、
    前記面内に複屈折率を有する光透過性基材と前記偏光子とを、前記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、前記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  7. 請求項1、2、3、4又は5記載の積層体を備えることを特徴とする画像表示装置。
  8. NTSC比が、65%以上である請求項7記載の画像表示装置。
  9. バックライト光源を有し、該バックライト光源側から、少なくとも、偏光分離フィルム、面内に複屈折率を有する光透過性基材、及び、偏光子がこの順に積層され、前記バックライト光源に対して表示画面側に配置して用いられる積層体を備えた画像表示装置の製造方法であって、前記面内に複屈折率を有する光透過性基材と前記偏光子とを、前記面内に複屈折率を有する光透過性基材の屈折率が小さい方向である進相軸と、前記偏光子の透過軸とのなす角度の範囲が、0°±20°又は90°±20°となるように積層する工程を有することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
JP2016062589A 2016-03-25 2016-03-25 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法 Pending JP2017173755A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062589A JP2017173755A (ja) 2016-03-25 2016-03-25 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062589A JP2017173755A (ja) 2016-03-25 2016-03-25 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017173755A true JP2017173755A (ja) 2017-09-28

Family

ID=59973497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016062589A Pending JP2017173755A (ja) 2016-03-25 2016-03-25 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017173755A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011059488A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板および液晶表示装置
US20130162930A1 (en) * 2011-12-26 2013-06-27 Kwang Ho Shin Polarizing plate and liquid crystal display including the same
JP2015036735A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2015069171A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 大日本印刷株式会社 偏光板複合体、偏光板セット、画像表示装置、偏光板複合体の製造方法、偏光板セットの製造方法、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置の視認性改善方法
JP2015215577A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 富士フイルム株式会社 液晶表示装置
JP2015224267A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 富士フイルム株式会社 ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置及び液晶表示装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011059488A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板および液晶表示装置
US20130162930A1 (en) * 2011-12-26 2013-06-27 Kwang Ho Shin Polarizing plate and liquid crystal display including the same
JP2015036735A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 富士フイルム株式会社 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2015069171A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 大日本印刷株式会社 偏光板複合体、偏光板セット、画像表示装置、偏光板複合体の製造方法、偏光板セットの製造方法、画像表示装置の製造方法及び画像表示装置の視認性改善方法
JP2015215577A (ja) * 2014-05-13 2015-12-03 富士フイルム株式会社 液晶表示装置
JP2015224267A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 富士フイルム株式会社 ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムの製造方法、偏光板、画像表示装置及び液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101772348B1 (ko) 액정 표시 장치
KR101782827B1 (ko) 액정 표시 장치
US6934081B2 (en) Polarizing plate and method of manufacturing the same, and liquid crystal display using the polarizing plate
CN104981718B (zh) 光学构件、偏振板组及液晶显示装置
KR101858878B1 (ko) 액정 표시 장치
WO2015037369A1 (ja) 偏光板、偏光板の製造方法、画像表示装置、画像表示装置の製造方法及び偏光板の光透過率改善方法
TW201543117A (zh) 光學構件、偏光板之套件及液晶顯示裝置
JP6244375B2 (ja) 光変換部材、偏光板、液晶パネル、バックライトユニット、および液晶表示装置
WO2015147287A1 (ja) 液晶パネル、液晶表示装置、偏光板、および偏光板保護フィルム
KR102559220B1 (ko) 화상 표시 장치
WO2012005050A1 (ja) 液晶表示装置
JP6059830B1 (ja) 画像表示装置
JP2017157330A (ja) 画像表示装置
JP5151296B2 (ja) 粘着剤層を備える液晶表示装置及びそれに用いる複合偏光板のセット
TW201816434A (zh) 光學構件
JP6059831B1 (ja) 画像表示装置
JP2017173755A (ja) 積層体、積層体の製造方法、画像表示装置、及び、画像表示装置の製造方法
JP2012252085A (ja) 液晶パネルおよび液晶表示装置
JP6600612B2 (ja) 画像表示装置
JP2017062500A (ja) 偏光板、偏光板の製造方法、画像表示装置、画像表示装置の製造方法及び偏光板の光透過率改善方法
JP6600611B2 (ja) 画像表示装置
JP2018077529A (ja) 偏光板、偏光板の製造方法、画像表示装置、画像表示装置の製造方法及び偏光板の光透過率改善方法
JP2015055679A (ja) 偏光板、偏光板の製造方法、画像表示装置、画像表示装置の製造方法及び偏光板の光透過率改善方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200707

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200707

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200716

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20200721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201110

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210108

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210119

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210209

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210510

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210511

C27B Notice of submission of publications, etc. [third party observations]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C2714

Effective date: 20210601

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210706

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210803

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210831

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210831