JP6378387B1 - 伝送線路−導波管変換器及びその製造方法 - Google Patents

伝送線路−導波管変換器及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プローブ長の高精度化を図ることができる伝送線路−導波管変換器を提供する。
【解決手段】マイクロストリップライン導波管変換器1は、電磁波が伝播する導波路12が設けられた導波管10と、上面側に主導体21が設けられた誘電体基板20と、を備え、主導体21と誘電体基板20とで伝送線路を形成し、主導体21の先端21aが導波路12の内部に位置する伝送線路−導波管変換器において、誘電体基板20には、主導体21の先端21aから導波路12の一の壁面12aまでの距離を示すプローブ長Lを調整するための目盛22が設けられた構成を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、伝送線路と導波管との間で電力伝送の変換を行なう伝送線路−導波管変換器及びその製造方法に関する。
近年、マイクロ波又はミリ波を用いて、高分解能な車載レーダや、広帯域の伝送が可能なモバイルバックホールネットワーク等が開発されている。ミリ波等の伝送では、伝送損失を低減するため、一般的に導波管が使用される。そのため、導波管から入力した電磁波を伝送線路で伝送する電気信号に変換する手段、又はその逆方向の変換を行う手段として伝送線路−導波管変換器が使用されている。伝送線路としては、マイクロストリップラインやコプレーナ型導波路等が用いられる。
従来、マイクロストリップラインを用いたものとしては、例えば、特許文献1に記載されたマイクロストリップ線路−導波管変換器が知られている。
特許文献1に記載された従来のものは、希望波を通過させるが希望波より低い周波数の不要波を遮断する第1の導波管と、基板上に形成され第1の導波管の内部に先端部が位置するよう挿入されたマイクロストリップラインと、希望波を出力する第2の導波管と、第1の導波管と第2の導波管とのインピーダンス整合を取るインピーダンス整合器と、を備えている。この構成により、従来のものは、従来必要であった帯域通過フィルタが不要となり、小型化を図ることができるようになっている。
特開昭64−48502号公報
ところで、伝送線路−導波管変換器の性能は、伝送線路の先端部から導波管の内壁までの長さ(以下「プローブ長」という)に大きく依存するため、プローブ長の精度が要求される。また、最適となるプローブ長は、部材の加工精度や基板誘電率のばらつきによっても変化するため、組立時にはプローブ長の調整を高精度に行う必要がある。
しかしながら、特許文献1には、プローブ長はインピーダンス整合が取れる様な点に固定する旨の記載はあるものの、具体的には明記されておらず、プローブ長の調整を高精度に行うことは困難と考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、プローブ長の高精度化を図ることができる伝送線路−導波管変換器及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る伝送線路−導波管変換器は、電磁波が伝播する導波路(12)が設けられた導波管(10)と、上面側に主導体(21)が設けられた誘電体基板(20)と、を備え、前記主導体と前記誘電体基板とで伝送線路を形成し、前記主導体の先端(21a)が前記導波路の内部に位置する伝送線路−導波管変換器において、前記誘電体基板には、前記主導体の前記先端から前記導波路の一の壁面(12a)までの距離を示すプローブ長(L)を調整するための目盛(22)が設けられた構成を有している。
この構成により、本発明の請求項1に係る伝送線路−導波管変換器は、プローブ長を調整するための目盛が設けられているため、作業者にプローブ長を高精度に調整させることができるので、プローブ長の高精度化を図ることができる。
本発明の請求項2に係る伝送線路−導波管変換器は、前記目盛は複数の目盛線を有し、前記導波路の一方は開口し、前記導波路の他方には前記電磁波を反射する反射壁(13)が設けられ、前記複数の目盛線の間隔は、前記電磁波が伝送するときの電力の伝送特性を表す第1の散乱パラメータ(S21)、又は、前記電磁波が前記反射壁により反射されるときの反射特性を表す第2の散乱パラメータ(S22)に基づいて設定されている構成を有している。
この構成により、本発明の請求項2に係る伝送線路−導波管変換器は、目盛に設けられた複数の各目盛線を調整の目安にすることができ、さらに目盛線の間隔が、第1又は第2の散乱パラメータに基づいて設定されているので、目盛に設けられた複数の目盛線に基づいてプローブ長を作業者に調整させることにより、プローブ長の高精度化を図ることができる。
本発明の請求項3に係る伝送線路−導波管変換器は、前記誘電体基板には、前記目盛が前記主導体に対して対称に設けられた構成を有している。
この構成により、本発明の請求項3に係る伝送線路−導波管変換器は、誘電体基板の上面にある主導体に対して対称に設けられた目盛により作業者にプローブ長を高精度に調整させることができ、プローブ長の高精度化を図ることができる。
本発明の請求項4に係る伝送線路−導波管変換器は、前記伝送線路手段及び前記目盛は、金属膜を加工して形成されたものである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項4に係る伝送線路−導波管変換器は、伝送線路の主導体の先端と目盛の各目盛線との各寸法がより正確に得られ、プローブ長の高精度化を図ることができる。
本発明の請求項5に係る伝送線路−導波管変換器は、前記伝送線路手段は、マイクロストリップラインである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項5に係る伝送線路−導波管変換器は、マイクロストリップラインにより伝送線路を構成することにより、簡易な構造でプローブ長の高精度化を図ることができる。
本発明の請求項6に係る伝送線路−導波管変換器の製造方法は、請求項1に記載の伝送線路−導波管変換器の製造方法であって、前記電磁波が伝送するときの電力の伝送特性を表す第1の散乱パラメータ(S21)、又は、前記電磁波が前記反射壁により反射されるときの反射特性を表す第2の散乱パラメータ(S22)のシミュレーション結果を求める手順(ST11)と、前記シミュレーション結果により前記プローブ長の最適値を求める手順(ST12)と、前記プローブ長の最適値に基づいて前記目盛を前記誘電体基板に形成する手順(ST13)と、前記目盛が形成された前記誘電体基板を備えた参照サンプルを製作する手順(ST14)と、前記参照サンプルについて前記第1又は前記第2の散乱パラメータの実測値を求める手順(ST15)と、前記参照サンプルの前記実測値に基づいて前記目盛の調整位置を求める手順(ST16)と、前記調整位置と前記導波路の前記一の壁面とを一致させ前記誘電体基板を前記導波管に固定して伝送線路−導波管変換器を製作する手順(ST17)と、を含む構成を有している。
この構成により、本発明の請求項6に係る伝送線路−導波管変換器の製造方法は、参照サンプルの実測値に基づいて目盛の調整位置を求め、求めた調整位置と導波路の一の壁面とを一致させることにより、プローブ長の高精度化を図った伝送線路−導波管変換器を容易に得ることができる。
本発明は、プローブ長の高精度化を図ることができるという効果を有する伝送線路−導波管変換器及びその製造方法を提供することができるものである。
本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態におけるMSL導波管変換器を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態におけるMSL導波管変換器を模式的に示す平面図である。 本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態におけるMSL導波管変換器の中心断面図である。 本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態におけるMSL導波管変換器について、挿入損失及び反射損失のシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態における製造方法のフローチャートである。 本発明に係る伝送線路−導波管変換器の一実施形態の変形例における製造方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の伝送線路−導波管変換器を、マイクロストリップライン導波管変換器に適用した例を挙げて説明する。
まず、本発明に係るマイクロストリップライン導波管変換器(以下「MSL導波管変換器」と略記する)の一実施形態における構成について図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施形態におけるMSL導波管変換器1を模式的に示す斜視図及び平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態におけるMSL導波管変換器1は、金属製の導波管10と、誘電体で形成された誘電体基板20と、を備えている。このMSL導波管変換器1は、例えばミリ波帯、特にE帯(60GHz〜90GHz)において好適に使用可能なものである。なお、MSL導波管変換器1は、伝送線路−導波管変換器の一例である。
導波管10は、EIA規格でWR−12導波管と呼ばれるものであり、誘電体基板20が取り付けられる基板取付面11を備えている。また、導波管10には、ミリ波帯の電磁波が伝播する導波路12が設けられている。なお、導波管10は、短絡ブロック、バックショートブロック等と呼ばれることがある。
導波管10の導波路12は、方形の形状を有している。導波路12の一方は導波管30が取り付けられるよう開口している。導波路12の他方は反射壁13により閉じられている。導波路12は、一の壁面として壁面12aを有している。
金属製の導波管30は導波管10に接合される構成を有する。金属製の導波管30は接合面31と導波管10の基板取付面11を介して、例えばネジ止めにより導波管10と接合される構成となっている。導波管30は、導波管10の基板取付面11に接合される接合面31と、導波管10の導波路12と同形状の導波路32と、誘電体基板20に対向する位置に形成された凹部33と、を備えている。
凹部33は基板取付面11に取り付けられた誘電体基板20に応じた幅と深さを有する。そして、導波路12の壁面12aにある凹部33の一端を介して、導波路12に誘電体基板20が挿入される。
マイクロストリップラインを形成する誘電体基板20の上面には金属膜により形成された主導体21が設けられ、電磁波は主導体21の長さ方向に伝搬する。このマイクロストリップラインの主導体21は、例えば100μm程度の幅で形成され、一端側に先端21aを有する。マイクロストリップラインの主導体21の先端21aは、導波路12の壁面12aから導波路12の内部に位置している。マイクロストリップラインの主導体21の他端側は、例えば、E帯の周波数を所定の中間周波数に変換するダウンコンバータが備えるミキサに接続される。なお、マイクロストリップラインは、伝送線路の一例である。
また、誘電体基板20には、マイクロストリップラインの主導体21の先端21aから壁面12aまでの距離を示すプローブ長Lを調整するための複数の目盛線を有する目盛22が設けられている。この目盛22は、例えば金属膜により形成され、マイクロストリップラインの主導体21の左側に形成された目盛22aと、右側に形成された目盛22bと、を含む。目盛22a及び22bは、それぞれ、6つの目盛線を有する。なお、壁面12aに代えて、導波管10又は導波路12の予め定められた所定位置をプローブ長の基準位置の代用としてもよい。
誘電体基板20は、それを保持する治具(図示省略)により保持された状態で、図2の上下方向に移動可能となっており、治具によりプローブ長Lが調整されるようになっている。このプローブ長Lを伝送線路の波長の1/4にすることにより、マイクロストリップラインをアンテナとして機能させることができる。
ここで、発明者らがプローブ長に着目した理由を説明する。本実施形態におけるMSL導波管変換器1の主な特性変動要因としては、(a)プローブ長、(b)マイクロストリップラインのパターン幅、(c)バックショート長(後述の図3寸法M)が挙げられる。(a)は組立時に任意に調整可能な寸法であり、(b)及び(c)は組立時には調整できない寸法である。また、検討結果によれば、(a)〜(c)の各寸法変化に対して、(a)の寸法変化が最もSパラメータ(散乱パラメータ)に影響を与えることが判明した。したがって、発明者らは、プローブ長の高精度化に着目し、組立時にプローブ長を高精度に調整しやすくするための目盛22を設ける構成を見出した。
目盛22は、マイクロストリップラインの主導体21の金属膜と同一の金属膜で形成されるのが好ましい。例えば、マイクロストリップラインの主導体21及び目盛22は、印刷形成、フォトリソグラフィ手法による形成等により、同一の金属膜をパターン形成することにより得られる。なお金属膜以外でも、絶縁膜や半導電性の膜でのパターン形成、誘電体基板をエッチングすることによって、目盛を形成することは可能である。この構成により、マイクロストリップラインの主導体21の先端21aと目盛22の各目盛線との各寸法がより正確に得られ、プローブ長の高精度化を図ることができる。
目盛22の形成は任意に行うことができるが、本実施形態では次のように目盛22を形成した。すなわち、パターン形成の容易さ及び後述するSパラメータの値から、目盛22の目盛線の幅(パターン幅)は25μmとした。また、目盛22の目盛線の間隔(互いに隣接する目盛線と目盛線との隙間)も25μmとした。目盛線の幅と目盛線の間隔とを同一にすることにより、プローブ長を調整する作業者は、目盛線の幅及び間隔の寸法25μmを基に容易に精度良くプローブ長を調整できるようになる。
具体的には、作業者は、目盛22の目盛線の幅及び間隔を視認することにより、寸法25μmの1/2や、1/3、1/4等の寸法の目安を得てプローブ長を調整できる。その結果、例えばマーカが1つだけ設けられた従来のものよりもプローブ長を高精度に調整することができる。なお、目盛22の目盛線の間隔は、導波管のサイズに応じて、すなわち使用する周波数に応じて設定するのが好ましい。具体的には、使用する周波数が高くなるに応じてプローブ長を細かく調整する必要が生じるので、使用する周波数が高くなるに応じて目盛22の間隔を狭くするとプローブ長の調整がやり易くなるので好ましい。
また、本実施形態における誘電体基板20には、目盛22がマイクロストリップラインの主導体21に対して左右対称に設けられ、目盛22の目盛線の本数は各6本とした。具体的には、シミュレーションによりMSL導波管変換器1のSパラメータを求め、Sパラメータの値が最適値となるプローブ長Lが、マイクロストリップラインの主導体21の先端21aから、例えば目盛22の上より3番目の目盛線の下端までとなるよう、目盛22を形成することができる。目盛22を左右対称にそれぞれ設けたことにより、作業者は、目盛22の所定位置と導波路12の壁面12aとを確実に合わせることができ、より正確なプローブ長Lが得られる。
目盛22の目盛線の幅及び間隔を各25μmとし、目盛22の目盛線の本数を6本とした理由は、MSL導波管変換器1の特性に関わる部材の加工精度や特性のばらつきを考慮したためである。具体的には、導波管10の導波路12の加工精度は十数ミクロンの幅を持ち、また、誘電体基板20の形成精度も数十ミクロンの幅を持っているので、これらはプローブ長Lに直接影響を与えるからである。また、誘電体基板20の誘電率やマイクロストリップラインの主導体21の幅等にも所定のばらつきがあるのでMSL導波管変換器1の特性に影響を与えるからである。これらの影響や調整の行い易さを考慮すると、目盛22の目盛線の幅及び間隔を各25μmとし、目盛22の目盛線の本数を6本程度とするのが好ましい。
なお、本実施形態では、目盛22の目盛線の幅及び間隔を各25μmとし、目盛22の目盛線の本数を6本としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、MSL導波管変換器1の使用周波数や特性を考慮して、目盛22の目盛線の幅、間隔及び本数を決めるのが好ましい。
次に、本実施形態における誘電体基板20の断面について図3に示す中心断面図を用いて説明する。
図3に示すように、誘電体基板20は、マイクロストリップラインの主導体21が形成された面の裏面側において、導波管10の基板取付面11に対向する領域に形成された接地導体23を有する。この接地導体23は、例えば導電性の接着剤により、導波管10の基板取付面11と接着され、確実に接地されるようになっている。
図3に示した寸法Mは、バックショート長を示し、マイクロストリップラインの主導体21が設けられている誘電体基板20の上面から反射壁13までの距離である。バックショート長は、導波管内波長λg/4で表される。
次に、MSL導波管変換器1のプローブ長に対するSパラメータを求めたシミュレーション結果について図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態におけるMSL導波管変換器1の挿入損失S21(インサーションロス)及び反射損失S22(リターンロス)について、WR−12導波管の使用周波数範囲(60GHz〜90GHz)における各最悪値をプロットしたものである。なお、挿入損失S21は、電磁波が伝送するときの電力の伝送特性を表すSパラメータであって、第1の散乱パラメータの一例である。また、反射損失S22は、電磁波が反射壁13により反射されるときの反射特性を表すSパラメータであって、第2の散乱パラメータの一例である。
図4において、左側の縦軸は挿入損失S21を示し、右側の縦軸は反射損失S22を示し、横軸はプローブ長を示している。実線で示す挿入損失S21がピーク(損失が最小)となるプローブ長、破線で示す反射損失S22のボトム(損失が最小)となるプローブ長を最適値とし、基準値(0mm)としている。なお、プローブ長のプラス符号は、導波路12の壁面12aからマイクロストリップラインの主導体21の先端21aまでの距離Lが増加する方向を示す。一方、プローブ長のマイナス符号はその逆方向で、導波路12の壁面12aからマイクロストリップラインの主導体21の先端21aまでの距離Lが減少する方向を示している。
図4に示した結果より、挿入損失S21は、プローブ長=0mmでの基準値に対して、+25μmで−0.08dB、−25μmで−0.1dB、+50μmで−0.15dB、−50μmで−0.35dBの変化である。一方、反射損失S22は、プローブ長=0mmでの基準値に対して、+25μmで+1.2dB、−25μmで+1.5dB、+50μmで+2.1dB、−50μmで+3.5dBの変化である。
前述のように、本実施形態では、目盛22の目盛線の幅及び間隔を25μmとしたので、挿入損失S21のピーク付近での調整においては、目盛22の1目盛線分の調整により、プラス方向で−0.08dB前後、マイナス方向で−0.1dB前後の高精度の調整が可能となる。
一方、反射損失S22のボトム付近での調整においては、目盛22の1目盛線分の調整により、プラス方向で+1.2dB前後、マイナス方向で+1.5dB前後の高精度の調整が可能となる。さらに、作業者が、目盛22の目盛線の幅及び間隔を視認することにより、寸法25μmの1/2や、1/3、1/4等の寸法の目安を得てプローブ長を調整できるので、さらなる高精度化を図ることができる。
次に、本実施形態におけるMSL導波管変換器1の製造方法について図5を用いて説明する。なお、以下の説明では、MSL導波管変換器1のE帯における挿入損失S21又は反射損失S22に基づいてプローブ長の調整を行う例を挙げる。
第1手順として、MSL導波管変換器1について、E帯における挿入損失S21又は反射損失S22をシミュレーションにより求める(ステップST11)。
第2手順として、挿入損失S21又は反射損失S22の最適値が得られるプローブ長L(以下「最適プローブ長L」という)を求める(ステップST12)。なお、挿入損失S21の最適値は、図4に示したピーク値が得られるプローブ長である。また、反射損失S22の最適値は、図4に示したボトム値が得られるプローブ長である。
第3手順として、最適プローブ長Lが、誘電体基板20の目盛22の中央付近で読み取れるよう、目盛22を有する誘電体基板20を製作する(ステップST13)。例えば、目盛線が6本の場合には、マイクロストリップラインの主導体21の先端21aから、目盛22の上より3番目の目盛線の下端(以下「基準目盛位置」という)までが最適プローブ長Lとなるよう、マイクロストリップラインの主導体21及び目盛22のパターンを誘電体基板20上に形成する。具体的には、例えば、最適プローブ長L=0.6mmである場合には、マイクロストリップラインの主導体21の先端21aから基準目盛位置までの距離が0.6mmとなるよう、マイクロストリップラインの主導体21及び目盛22のパターンを誘電体基板20上に形成する。
第4手順として、導波管10と、誘電体基板20と、誘電体基板20を保持する治具と、を用意し、参照サンプルを製作する(ステップST14)。参照サンプルとしては、例えば、基準目盛位置が導波路12の壁面12aと一致する参照サンプルa、基準目盛位置よりプラス側に1目盛ずらした位置が導波路12の壁面12aと一致する参照サンプルb、基準目盛位置よりマイナス側に1目盛ずらした位置が導波路12の壁面12aと一致する参照サンプルcを製作する。なお、パターン寸法や誘電率等のパラメータは製造ロット間で異なる場合もあるため、用意する導波管10及び誘電体基板20としては、それぞれ同じ製造ロットのものが好ましい。
第5手順として、例えば、ベクトルネットワークアナライザを用いて、参照サンプルa〜cについて、挿入損失S21又は反射損失S22を実測する(ステップST15)。
第6手順として、参照サンプルa〜cの挿入損失S21又は反射損失S22の実測結果に基づき、導波路12の壁面12aと一致させる目盛22の位置(以下「目盛調整位置」という)を求める(ステップST16)。例えば、第5手順において、参照サンプルaとbとの中間位置で最適プローブ長Lが得られると判明した場合には、基準目盛位置よりプラス側に1/2目盛ずらした位置が目盛調整位置となる。
第7手順として、第6手順で求めた目盛調整位置が得られるよう、誘電体基板20を保持する治具により目盛22の位置を調整して、目盛22の目盛調整位置と導波路12の壁面12aとを一致させ、誘電体基板20を導波管10の基板取付面11に接着固定する(ステップST17)。この作業を行うことにより、プローブ長の高精度化を図ったMSL導波管変換器1が得られる。
なお、誘電体基板20は、導波管10の基板取付面11に接着される構成となっているので、接着剤を除去した後に目盛調整位置を再調整することは容易である。
(変形例)
図5に示した第4手順乃至第7手順に代えて、図6に示すように目盛調整位置を求めることもできる。すなわち、プローブ長調整の基準となる基準誘電体基板を治具で保持し、図2の上下方向に移動させながら、ベクトルネットワークアナライザを用いて挿入損失S21又は反射損失S22を実測し、基準誘電体基板の目盛調整位置を求める(ステップST21)。求めた目盛調整位置が得られるよう、誘電体基板20を保持する治具により目盛22の位置を調整して、目盛22の所定位置と導波路12の壁面12aとを一致させ、誘電体基板20を導波管10の基板取付面11に接着固定する(ステップST22)。
以上のように、本実施形態におけるMSL導波管変換器1は、プローブ長を調整するための複数の目盛線を有する目盛22が設けられているため、目盛22の各目盛線を目安として作業者にプローブ長を高精度に調整させることができるので、プローブ長の高精度化を図ることができる。
なお、前述の実施形態では、伝送線路手段としてマイクロストリップラインを例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の伝送線路手段として、コプレーナ線路やグランドコプレーナ線路なども適用することもできる。
以上のように、本発明に係る伝送線路−導波管変換器及びその製造方法は、プローブ長の高精度化を図ることができるという効果を有し、伝送線路と導波管との間で電力伝送の変換を行なう伝送線路−導波管変換器及びその製造方法として有用である。
1 MSL導波管変換器(伝送線路−導波管変換器)
10 導波管
11 基板取付面
12 導波路
12a 導波路の壁面
13 反射壁
20 誘電体基板
21 マイクロストリップラインの主導体
21a マイクロストリップラインの主導体の先端
22(22a、22b) 目盛
23 接地導体

Claims (6)

  1. 電磁波が伝播する導波路(12)が設けられた導波管(10)と、
    上面側に主導体(21)が設けられた誘電体基板(20)と、
    を備え、
    前記主導体と前記誘電体基板とで伝送線路を形成し、前記主導体の先端(21a)が前記導波路の内部に位置する伝送線路−導波管変換器において、
    前記誘電体基板には、前記主導体の前記先端から前記導波路の一の壁面(12a)までの距離を示すプローブ長(L)を調整するための目盛(22)が設けられたことを特徴とする伝送線路−導波管変換器。
  2. 前記目盛は複数の目盛線を有し、
    前記導波路の一方は開口し、前記導波路の他方には前記電磁波を反射する反射壁(13)が設けられ、
    前記複数の目盛線の間隔は、前記電磁波が伝送するときの電力の伝送特性を表す第1の散乱パラメータ(S21)、又は、前記電磁波が前記反射壁により反射されるときの反射特性を表す第2の散乱パラメータ(S22)に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の伝送線路−導波管変換器。
  3. 前記誘電体基板には、前記目盛が前記主導体に対して対称に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伝送線路−導波管変換器。
  4. 前記伝送線路手段及び前記目盛は、金属膜を加工して形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の伝送線路−導波管変換器。
  5. 前記伝送線路手段は、マイクロストリップラインであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の伝送線路−導波管変換器。
  6. 請求項1に記載の伝送線路−導波管変換器の製造方法であって、
    前記電磁波が伝送するときの電力の伝送特性を表す第1の散乱パラメータ(S21)、又は、前記電磁波が前記反射壁により反射されるときの反射特性を表す第2の散乱パラメータ(S22)のシミュレーション結果を求める手順(ST11)と、
    前記シミュレーション結果により前記プローブ長の最適値を求める手順(ST12)と、
    前記プローブ長の最適値に基づいて前記目盛を前記誘電体基板に形成する手順(ST13)と、
    前記目盛が形成された前記誘電体基板を備えた参照サンプルを製作する手順(ST14)と、
    前記参照サンプルについて前記第1又は前記第2の散乱パラメータの実測値を求める手順(ST15)と、
    前記参照サンプルの前記実測値に基づいて前記目盛の調整位置を求める手順(ST16)と、
    前記調整位置と前記導波路の前記一の壁面とを一致させ前記誘電体基板を前記導波管に固定して伝送線路−導波管変換器を製作する手順(ST17)と、
    を含むことを特徴とする伝送線路−導波管変換器の製造方法。
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