JP6376430B2 - タッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置 - Google Patents

タッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネルセンサに関する。また本発明は、タッチパネルセンサと表示装置とを組み合わせることによって得られるタッチ位置検出機能付き表示装置に関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基板)を含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対面する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成するようになる。
タッチパネルセンサとして、投影型容量結合方式のタッチパネルセンサが知られている。容量結合方式のタッチパネルセンサにおいては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)する際、新たに奇生容量が発生する。この奇生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネルセンサ上における外部導体の位置が検出される。このような投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは例えば、基材と、基材の観察者側の面に設けられた複数の第1検出パターンと、基材の表示装置側の面に設けられた複数の第2検出パターンと、を備えている。第1検出パターンおよび第2検出パターンは、例えば、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成される。
また第1検出パターンおよび第2検出パターンの電気抵抗値を低くするため、第1検出パターンおよび第2検出パターンを構成する材料として、透明導電材料よりも高い導電性を有する銀や銅などの金属材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。第1検出パターンおよび第2検出パターンが金属材料から構成される場合、第1検出パターンおよび第2検出パターンには、表示装置からの映像光を適切な比率で透過させるための開口部が形成されている。例えば第1検出パターンおよび第2検出パターンは、金属材料からなり、網目状に配置された導線によって構成されている。
特開2012−79238号公報
第1検出パターンおよび第2検出パターンが金属材料からなる導線によって構成される場合、金属材料が有する金属光沢に起因して第1検出パターンおよび第2検出パターンが観察者(ユーザー)に視認されてしまうことが考えられる。特に、導線の材料として銅が用いられる場合、第1検出パターンおよび第2検出パターンからの反射光として、銅に特有の、赤味を帯びた光が観察者に到達してしまい、これによって、映像の視認性が低下してしまう。
金属光沢に起因するこのような視認性の低下を防ぐため、黒化処理などの低反射処理を導線の表面に施すことが知られている。しかしながら、導線の面のうち基材と接している面に低反射処理を施すことは容易ではない。このため、観察者側から見た場合、基材の表示装置側に設けられた第2検出パターンの導線の面がその金属光沢のために視認され易くなってしまう。
また一般に黒化処理においては、導線を構成する銅などの金属材料を、アルカリ性溶液などを用いて酸化する、という処理が実施される。この場合、導線の表面に、導電性に乏しい酸化物層が形成されることになり、このため、導線の電気抵抗値が低下してしまう。また、導線の面のうち基材と接している面にそのような酸化物層が形成される場合、基材と導線との間の密着性が低下してしまうことも懸念される。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るタッチパネルセンサおよびタッチ位置検出機能付き表示装置を提供することを目的とする。
第1の本発明は、タッチパネルセンサであって、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンと、を備え、前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、前記第1導線は、銅を含む第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1被覆層と、を含み、前記第1被覆層は、前記第1本体層よりも大きい幅を有し、前記第2導線は、銅を含む第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を含み、前記第2下地層は、前記第2本体層よりも大きい幅を有し、波長600nmの光を前記第1本体層、前記第1被覆層、前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11、R20およびR22とする場合、R11≦0.5×R10、かつ、R22≦0.5×R20の関係が成立する、タッチパネルセンサである。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記第1本体層および前記第2本体層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅を含んでいる。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含んでいる。さらに好ましくは、前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含んでいる。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1導線は、前記第1本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第1下地層は、50重量%以下の銅を含み、波長600nmの光を前記第1下地層に照射した場合の光の反射率をR12とする場合、R12≦0.5×R10の関係が成立している。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第2導線は、前記第2本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2被覆層をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第2被覆層は、50重量%以下の銅を含み、波長600nmの光を前記第2被覆層に照射した場合の光の反射率をR21とする場合、R21≦0.5×R20の関係が成立している。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1本体層の側面、前記第1被覆層の表面および前記第2本体層の側面に、低反射処理が施されていてもよい。
第2の本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンと、を備え、前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、前記第1導線は、銅を含む第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1被覆層と、を含み、前記第1被覆層は、前記第1本体層よりも大きい幅を有し、前記第2導線は、銅を含む第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を含み、前記第2下地層は、前記第2本体層よりも大きい幅を有し、波長600nmの光を前記第1本体層、前記第1被覆層、前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11、R20およびR22とする場合、R11≦0.5×R10、かつ、R22≦0.5×R20の関係が成立する、タッチ位置検出機能付き表示装置である。
第3の本発明は、タッチパネルセンサであって、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の検出パターンと、を備え、前記検出パターンは、遮光性および導電性を有する導線であって、各導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された導線から構成されており、前記導線は、本体層と、前記本体層よりも観察者側に設けられ、前記本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる被覆層と、を含み、前記本体層は、99重量%以上の銅を含み、前記被覆層は、50重量%以下の銅を含み、波長600nmの光を前記本体層および前記被覆層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、R11≦0.5×R10の関係が成立し、前記被覆層は、前記本体層よりも大きい幅を有する、タッチパネルセンサである。
第4の本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の検出パターンと、を備え、前記検出パターンは、遮光性および導電性を有する導線であって、各導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された導線から構成されており、前記導線は、本体層と、前記本体層よりも観察者側に設けられ、前記本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる被覆層と、を含み、前記本体層は、99重量%以上の銅を含み、前記被覆層は、50重量%以下の銅を含み、波長600nmの光を前記本体層および前記被覆層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、R11≦0.5×R10の関係が成立し、前記被覆層は、前記本体層よりも大きい幅を有する、タッチ位置検出機能付き表示装置である。
第1および第2の本発明において、基材の観察者側の第1面に設けられる第1検出パターンを構成する第1導線は、銅を含む第1本体層と、第1本体層よりも観察者側に設けられ、第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1被覆層と、を有している。また、基材の表示装置側の第2面に設けられる第2検出パターンを構成する第2導線は、銅を含む第2本体層と、第2本体層よりも観察者側に設けられ、第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を有している。第1被覆層は、第1本体層よりも大きい幅を有しており、第2下地層は、第2本体層よりも大きい幅を有している。このため、本体層の側面に低反射処理が施されていない場合であっても、本体層の側面からの反射光に起因して映像の視認性が低下してしまうことを抑制することができる。また、波長600nmの光を第1本体層、第1被覆層、第2本体層および第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11、R20およびR22とする場合、R11≦0.5×R10、かつ、R22≦0.5×R20の関係が成立している。このため、第1導線および第2導線における十分な導電性を確保しながら、赤味を帯びた光が観察者に到達してしまうことを抑制することができる。このことにより、映像の視認性が低下することを抑制しながら、タッチ位置の検出精度を十分に確保することができる。
また第3および第4の本発明において、基材の観察者側の第1面に設けられる検出パターンを構成する導線は、本体層と、本体層よりも観察者側に設けられ、本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる被覆層と、を有している。本体層は、99重量%以上の銅を含んでおり、一方、被覆層は、99重量%未満の銅を含んでいる。また、波長600nmの光を本体層および被覆層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、R11≦0.5×R10の関係が成立している。さらに、被覆層は、本体層よりも大きい幅を有している。このため、本体層の側面に低反射処理が施されていない場合であっても、本体層の側面からの反射光に起因して映像の視認性が低下してしまうことを抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネルセンサを示す平面図。 図3Aは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1検出パターンを拡大して示す平面図。 図3Bは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2検出パターンを拡大して示す平面図。 図3Cは、図3Aに示す第1検出パターンおよび図3Bに示す第2検出パターンを重ねて示す平面図。 図4は、タッチパネルセンサを図3CのIV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図5は、タッチパネルセンサを図3CのV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図6は、第1導線および第2導線を拡大して示す断面図。 図7(a)〜(d)は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図。 図8(a)(b)は、積層体の製造方法を説明するための図。 図9は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図10は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図11は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図12は、本発明の第2の実施の形態におけるタッチパネルセンサを示す断面図。 図13は、本発明の第2の実施の形態におけるタッチパネルセンサを示す断面図。 図14は、第1導線および第2導線を拡大して示す断面図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図7(a)〜(d)を参照して、本発明の第1の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
タッチパネル装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置
はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30は、表示装置15の表示面16aに、例えば接着層(図示せず)を介して接着されている。
タッチパネルセンサ
次に図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネルセンサ30を示す平面図である。
ここでは、タッチパネルセンサ30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネルセンサとして構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネルセンサは、透光性を有する導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネルセンサに接近することにより、外部の導体とタッチパネルセンサの導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネルセンサ上において外部導体が接近している位置の位置座標が特定される。
図2に示すように、タッチパネルセンサ30は、観察者側を向く第1面32aおよび表示装置側を向く第2面32bを含み、透光性を有する基材32と、基材32の第1面32a上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1検出パターン41と、基材32の第2面32b上に設けられ、第1方向に交差する、例えば第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2検出パターン46と、を備えている。図2に示すように、第1検出パターン41および第2検出パターン46はそれぞれ帯状に延びている。また、複数の第1検出パターン41は一定の配列ピッチで第2方向に並べられており、複数の第2検出パターン46も一定の配列ピッチで第1方向に並べられている。通常は、第2方向における第1検出パターン41の配列ピッチと、第1方向における第2検出パターン46の配列ピッチとは同一になっている。第1検出パターン41および第2検出パターン46の配列ピッチは、タッチ位置の検出に関して求められる分解能に応じて定められるが、例えば数mmになっている。なお図2においては、基材32の第1面32a側に設けられている構成要素が実線で表され、基材32の第2面32b側に設けられている構成要素が点線で表されている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30の基材32は、タッチ位置を検出され得る領域に対応する矩形状のアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する矩形枠状の非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2はそれぞれ、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して区画されたものである。
上述の第1検出パターン41および第2検出パターン46は、アクティブエリアAa1内に配置されている。また非アクティブエリアAa2のうち基材32の第1面32a上には、各第1検出パターン41に電気的に接続された複数の第1額縁配線43と、基材32の外縁近傍に配置され、各第1額縁配線43に電気的に接続された複数の第1端子部44と、が設けられている。さらに、非アクティブエリアAa2のうち基材32の第2面32b上には、各第2検出パターン46に電気的に接続された複数の第2額縁配線48と、基材32の外縁近傍に配置され、各第2額縁配線48に電気的に接続された複数の第2端子部49と、が設けられている。
以下、タッチパネルセンサ30の各構成要素について説明する。
(基材)
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1検出パターン41、第2検出パターン46、額縁配線43,48や端子部44,49を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば基材32は、タッチパネルセンサ30における光の反射率や透過率を調整するためのインデックスマッチング層をさらに含んでいてもよい。他にも、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネルセンサ30を構成する第1検出パターン41や第2検出パターン46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
(第1検出パターン)
次に図3A乃至図5を参照して、第1検出パターン41について説明する。図3Aは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1検出パターン41を、観察者側から見た場合を示す平面図であり、図3Bは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2検出パターン46を、観察者側から見た場合、すなわち基材32を透かして第2検出パターン46を見た場合を示す平面図である。また図3Cは、図3Aに示す第1検出パターンおよび図3Bに示す第2検出パターンを重ねて示す平面図である。また図4および図5はそれぞれ、タッチパネルセンサ30を図3CのIV線およびV線に沿って切断した場合を示す断面図である。なお図3Cにおいては、第1導線51が実線で示され、第2導線56が点線で示されている。
本実施の形態において、第1検出パターン41は、遮光性および導電性を有する第1導線51であって、各第1導線51の間に開口部51aが形成されるよう網目状に配置された第1導線51から構成されている。同様に、第2検出パターン46は、遮光性および導電性を有する第2導線56であって、各第2導線56の間に開口部56aが形成されるよう網目状に配置された第2導線56から構成されている。
第1検出パターン41全体の面積のうち開口部51aによって占められる面積の比率(以下、開口率と称する)が十分に高くなり、これによって、表示装置15からの映像光が適切な透過率でタッチパネルセンサ30のアクティブエリアAa1を透過することができる限りにおいて、第1導線51の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3Aおよび図3Cに示す例において、第1検出パターン41は、菱形に形成された第1導線51を第1方向に沿って並べることによって構成されている。この場合、菱形の内角のうち鋭角になる内角が第1方向に沿って並ぶよう、第1導線51が構成されている。開口率の範囲は、表示装置から放出される映像光の特性などに応じて適宜設定される。
第1導線51の線幅は、求められる開口率などに応じて設定されるが、例えば第1導線51の幅は1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内に設定されている。これによって、観察者が視認する映像に対して第1導線51が及ぼす影響を、無視可能な程度まで低くすることができる。第1導線51の厚みは、第1検出パターン41に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜0.5μmの範囲内となっている。
(第2検出パターン)
第1導線51の場合と同様に、第2導線56においても、第2検出パターン46全体の面積のうち開口部56aによって占められる面積の比率を十分に確保することができる限りにおいて、第2導線56の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3Bおよび図3Cに示す例において、第2検出パターン46は、菱形に形成された第2導線56を第2方向に沿って並べることによって構成されている。この場合、菱形の内角のうち鈍角になる内角が第2方向に沿って並ぶよう、第2導線56が構成されている。
好ましくは、図3Cに示すように、第1導線51の一部と第2導線56の一部とが平面視で重なるよう、第1導線51および第2導線56が構成されている。これによって、第2導線56が基材32を介して観察者から視認されてしまうことを部分的に抑制することができる。
(第1導線および第2導線の層構成)
次に図6を参照して、第1検出パターン41を構成する第1導線51および第2検出パターン46を構成する第2導線56の層構成について説明する。なお図6は、第1導線51および第2導線56の層構成を説明するために描かれた図であり、実際のタッチパネルセンサ30における第1導線51および第2導線56の位置関係には必ずしも対応していない。
〔第1導線〕
図6に示すように、第1導線51は、第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられた第1被覆層62と、第1本体層61よりも表示装置側に設けられた第1下地層63と、を含んでいる。
このうち第1本体層61は、第1導線51における導電性を主に実現するための層である。第1本体層61は、99重量%以上の銅を含んでおり、かつ、0.3〜2.0μmの範囲内の厚みを有している。このような構成の第1本体層61が第1導線51に設けられることにより、第1導線51における高い導電性を確保することができる。
ところで銅などの金属材料は、高い導電性を有する一方で、上述のように金属光沢を示す。このため、未処理の金属材料が第1導線51として用いられると、表示装置15からの映像光の視認性が、第1導線51の金属光沢によって妨げられることになる。特に銅は、銅に特有の赤味を帯びた色を示すため、銀などのその他の金属材料に比べて目立ち易く、このため表示装置15からの映像光の視認性がより妨げられることになる。このような銅特有の金属光沢を和らげるため、例えば上述の特許文献1においては、銅層に酸化処理を施して銅層の表面に酸化銅の層を形成し、これによって銅層の表面を黒色化(黒化)することが提案されている。しかしながら、酸化銅などの酸化物の導電性は一般に乏しい。このため、酸化処理によって金属光沢を和らげる場合、第1導線51の導電性の低下を引き起こすことになる。また、酸化処理は通常は、銅層を含む積層体をエッチングによってパターニングして第1導線51を形成した後に実施される。従って、第1導線51を構成する銅層の面のうち基材32と接している面に対してそのような酸化処理を施すことは困難である。
このような課題を考慮し、本件発明者らは、第1導線51の第1本体層61の黒化処理ではなく、第1本体層61の観察者側の面に、および任意には第1本体層61の表示装置側の面に、第1本体層61に比べて金属光沢が抑制された薄い層を設けることにより、第1導線51の金属光沢を軽減することを提案する。すなわち上述の第1被覆層62および第1下地層63はそれぞれ、第1導線51の金属光沢を軽減するために、第1本体層61の観察者側の面上および表示装置側の面上に設けられる層である。以下、第1被覆層62および第1下地層63について詳述する。
第1被覆層62および第1下地層63はいずれも、その銅の含有量が、第1本体層61における銅の含有量よりも少なくなるよう構成された層である。例えば第1被覆層62および第1下地層63はいずれも、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、第1被覆層62および第1下地層63における金属光沢は、第1本体層61における金属光沢に比べて軽減されており、特に、銅に特有の赤味を帯びた色が軽減されている。具体的には、波長600nmの光を第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11およびR12とする場合、R11≦0.5×R10、かつ、R12≦0.5×R10の関係が成立している。ここで「波長600nm」の光は、赤味に対応する光として選択されたものである。なお、波長600nmの光に対する第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63の反射率は、例えば、村上色彩技術研究所(株)製の反射・透過率計HR−100型を用いて測定することができる。
このように本実施の形態においては、銅に対する黒化処理ではなく、銅に比べて赤味が低減された金属材料を用いることにより、第1導線51からの反射光によって映像の視認性が低下することを抑制している。このため、第1導線51における十分な導電性を確保することができ、これによって、タッチパネルセンサ30によるタッチ位置の検出精度を十分に高くすることができる。また本実施の形態においては、上述の第1被覆層62および第1下地層63がいずれも、銅を含んでいる。このため、第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63をエッチングによってパターニングして第1導線51を形成する工程において、同一のエッチング液を用いて第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63を同時にエッチングすることができる。このことにより、少ない工数で第1導線51を得ることができる。
反射率R10、R11およびR12に関する上述の関係が成立する限りにおいて、第1被覆層62および第1下地層63の具体的な組成は特には限られないが、例えば第1被覆層62および第1下地層63はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含んでいる。これによって、第1被覆層62および第1下地層63における赤味を、第1本体層61に比べて十分に低減することができる。より好ましくは、第1被覆層62および第1下地層63はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含んでいてもよい。第1被覆層62および第1下地層63が、銅−ニッケル−クロムの三元合金からなる場合、その組成として例えば、銅50重量%、ニッケル40重量%およびクロム10重量%というものを採用することができる。銅、ニッケルおよびクロムを含む三元合金は、銅に比べて高い耐腐食性および耐変色性を有している。
なお第1被覆層62および第1下地層63の役割は、外光や表示装置15からの光が第1本体層61に到達することを抑制することである。ここで上述のように第1被覆層62および第1下地層63は金属材料から構成されているため、第1被覆層62および第1下地層63が第1本体層61に比べて非常に小さい厚みを有する場合であっても、光が第1本体層61に到達することを十分に抑制することができる。例えば第1被覆層62および第1下地層63の厚みは、100nm以下や20nm以下になっていてもよく、さらに薄く、例えば9nmになっていてもよい。このような薄い第1被覆層62および第1下地層63は、後述するように、スパッタリング法を用いることによって形成され得る。
なお上述の説明においては、波長600nmの光に対する反射率に基づいて第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63の光学特性を規定したが、銅特有の金属光沢を軽減することができる限りにおいて、光学特性の規定法が特に限られることはない。例えば第1被覆層62および第1下地層63の光学特性が、L表色系に基づいて規定されてもよい。L表色系においては、Lが明度を表し、aが赤緑の色相と彩度を表し、bが黄青の色相と彩度を表している。銅に特有の赤味は、主にaに反映される。従って、aに基づいて、第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63を規定することもできる。例えば、好ましくは、第1被覆層62および第1下地層63におけるaは、第1本体層61におけるaの1/2以下になっている。具体的には、99重量%以上の銅を含む第1本体層61におけるaの値は15.7〜16.7の範囲内になっており、一方、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルとを含む第1被覆層62および第1下地層63におけるaの値は約1.5になっている。aは、例えば日本電色工業(株)製の測色色差計ZE−2000型を用いて測定することができる。
次に第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63の形状について説明する。図6に示すように、第1被覆層62は、第1本体層61よりも大きい幅を有していてもよい。例えば図6に示すように、第1被覆層62は、第1本体層61の側面よりもΔW1だけ側方に突出していてもよい。この場合、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1本体層61の側面に到達することを、第1被覆層62によって防ぐことができる。このため、第1本体層61に起因する、赤味を帯びた反射光が生成されることを防ぐことができる。
第1本体層61に対する第1被覆層62の突出幅ΔW1は、想定される外光の入射角の範囲や、第1本体層61の厚みに応じて適宜設定されるが、好ましくは、突出幅ΔW1は第1本体層61の厚み以上となっている。この場合、0〜45°の範囲内の入射角で第1導線51に到達する外光は、第1本体層61の側面に到達することなく第1被覆層62によって反射されることになる。このため、赤味を帯びた反射光が生成されて観察者によって視認されてしまうことを十分に抑制することができる。
第1被覆層62と同様に、第1下地層63も、第1本体層61よりも大きい幅を有していてもよい。これによって、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1本体層61の側面に到達することを、第1下地層63によって防ぐことができる。第1本体層61に対する第1下地層63の突出幅は、第1被覆層62の場合と同等に設定され得る。
〔第2導線〕
次に第2導線56について説明する。図6に示すように、第2導線56は、第2本体層66と、第2本体層66よりも観察者側に設けられた第2下地層68と、第2本体層66よりも表示装置側に設けられた第2被覆層67と、を含んでいる。
第2本体層66は、第1導線51の第1本体層61と同様に、第2導線56における導電性を主に実現するための層である。第2本体層66は、99重量%以上の銅を含んでおり、かつ、0.3〜2.0μmの範囲内の厚みを有している。
また第2被覆層67および第2下地層68は、第1導線51の第1被覆層62および第1下地層63と同様に、第2導線56の金属光沢を軽減するために、第2本体層66の観察者側の面上および表示装置側の面上に設けられる層である。すなわち、第2被覆層67および第2下地層68はいずれも、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、波長600nmの光を第2本体層66、第2被覆層67および第2下地層68に照射した場合の光の反射率をそれぞれR20、R21およびR22とする場合、R21≦0.5×R20、かつ、R22≦0.5×R20の関係が成立している。
反射率R20、R21およびR22に関する上述の関係が成立する限りにおいて、第2被覆層67および第2下地層68の具体的な組成は特には限られないが、例えば第2被覆層67および第2下地層68はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含んでいる。これによって、第2被覆層67および第2下地層68における赤味を、第2本体層66に比べて十分に低減することができる。より好ましくは、第2被覆層67および第2下地層68はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含んでいてもよい。第2被覆層67および第2下地層68が、銅−ニッケル−クロムの三元合金からなる場合、その組成として例えば、銅50重量%、ニッケル40重量%およびクロム10重量%というものを採用することができる。
第1被覆層62および第1下地層63と同様に、第2被覆層67および第2下地層68は、第2本体層66に比べて非常に小さい厚みを有している。例えば第2被覆層67および第2下地層68の厚みは、100nm以下や20nm以下になっていてもよく、さらに薄く、例えば9nmになっていてもよい。
なお第1被覆層62および第1下地層63と同様に、第2被覆層67および第2下地層68の光学特性がaなどによって規定されていてもよい。例えば、第1被覆層62および第1下地層63の場合と同様に、第2被覆層67および第2下地層68におけるaは、第2本体層666におけるaの1/2以下になっている。
また図6に示すように、第2下地層68は、第2本体層66よりも大きい幅を有していてもよい。例えば図6に示すように、第2下地層68は、第2本体層66の側面よりもΔW2だけ側方に突出していてもよい。この場合、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した外光が第2本体層66の側面に到達することを、第2下地層68によって防ぐことができる。このため、第2本体層66に起因する赤味を帯びた反射光が生成されることを防ぐことができる。
第2本体層66に対する第2下地層68の突出幅ΔW2は、上述の突出幅ΔW1の場合と同様に、好ましくは第2本体層66の厚み以上となっている。また図6に示すように、第2被覆層67も、第2本体層66よりも大きい幅を有していてもよい。第2本体層66に対する第2被覆層67の突出幅は、第2下地層68の場合と同等に設定され得る。
(額縁配線および端子部)
第1検出パターン41に接続されている第1額縁配線43および第1端子部44、並びに、第2検出パターン46に接続されている第2額縁配線48および第2端子部49は、第1検出パターン41並びに第2検出パターン46からの信号をタッチパネルセンサ30の外部に取り出すために設けられたものである。信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1導線51と同一の層構成で第1導線51と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2導線56と同一の層構成で第2導線56と同時に形成されるものであってもよい。
タッチパネルセンサの製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、図7(a)〜(d)および図8(a)(b)を参照して説明する。
はじめに図7(a)に示すように、タッチパネルセンサ30を作製するための元材としての積層体60(ブランクとも呼ばれる)を準備する。積層体60は、基材32と、基材32の第1面32a側に、基材32から観察者側に向かって順に設けられた第1下地層63、第1本体層61および第1被覆層62と、基材32の第2面32b側に、基材32から表示装置15側に向かって順に設けられた第2下地層68、第2本体層66および第2被覆層67と、を含んでいる。
以下、図8(a)(b)を参照して、積層体60を作製するための方法の一例について説明する。ここでは、スパッタリング法によって積層体60を作製する方法について説明する。図8(a)(b)に示すように、積層体60を作製するための積層体作製装置80は、第1ロール81と、第2ロール82と、第1ロール81と第2ロール82との間で第1ロール81から第2ロール82に向かって順に並べられた第1ターゲット83、第2ターゲット84および第3ターゲット85と、を備えている。
第1ロール81および第2ロール82が時計回りに回転する場合、第1ロール81が、基材32を巻き出す巻出部となり、第2ロール82が、第1ロール81からの基材32を巻き取る巻取部となる。一方、第1ロール81および第2ロール82が反時計回りに回転する場合、第2ロール82が、基材32を巻き出す巻出部となり、第1ロール81が、第2ロール82からの基材32を巻き取る巻取部となる。
第1ターゲット83は、第1被覆層62、第1下地層63、第2被覆層67および第2下地層68の原料となるものである。例えば第1ターゲット83は、銅50重量%、ニッケル40重量%およびクロム10重量%という三元合金から構成されている。一方、第2ターゲット84および第3ターゲット85は、第1本体層61および第2本体層66の原料となるものである。例えば第2ターゲット84および第3ターゲット85は、銅から構成されている。
積層体60を作製する工程においては、はじめに、各ターゲット83,84,85の周囲の気体を排出し、各ターゲット83,84,85の周囲を真空状態とする。次に、各ターゲット83,84,85の周囲にアルゴンなどの不活性ガスを導入する。その後、図8(a)に示すように、第1ロール81および第2ロール82を時計回りに回転させ、第1ロール81から第2ロール82に向かって基材32を送り出す。このとき、図示しない放電装置によって各ターゲット83,84,85に放電電力を印加する。これによって、図8(a)に示すように、基材32が第1ターゲット83の近傍を通るとき、基材32の第1面32a上に第1下地層63が成膜される。また、基材32が第2ターゲット84および第3ターゲット85の近傍を通るとき、第1下地層63上に第1本体層61が成膜される。
次に、第1ロール81および第2ロール82を反時計回りに回転させ、第1下地層63および第1本体層61が積層された基材32を第2ロール82から第1ロール81に向かって送り出す。これによって、図8(b)に示すように、基材32が第3ターゲット85および第2ターゲット84の近傍を通るとき、銅がさらに積層されて第1本体層61の厚みが増大する。また、基材32が第1ターゲット83の近傍を通るとき、第1本体層61上に第1被覆層62が成膜される。このようにして、基材32の第1面32a上に順に第1下地層63、第1本体層61および第1被覆層62を形成することができる。
その後、基材32の表裏を反転させた後、図8(a)(b)に示す成膜工程と同様にして、基材32の第2面32b上に順に第2下地層68、第2本体層66および第2被覆層67を形成する。このようにして、図7(a)に示す積層体60を得ることができる。
本実施の形態によれば、積極的に酸素を導入はしない環境下において、金属材料からなる第1ターゲット83を用いてスパッタリングを実施することにより、第1被覆層62、第1下地層63、第2被覆層67および第2下地層68が形成される。このため、第1被覆層62、第1下地層63、第2被覆層67および第2下地層68を、導電性を有するとともに酸化物ではないもの、すなわち金属膜として形成することができる。従って、第1被覆層62、第1下地層63、第2被覆層67および第2下地層68が酸化銅などの酸化物からなる場合に比べて、第1被覆層62、第1下地層63、第2被覆層67および第2下地層68の導電性を高くすることができる。また、基材32や本体層61,66との間の密着性を高めることができる。
以下、図7に戻って、タッチパネルセンサ30の製造方法について説明する。
積層体60を準備した後、図7(b)に示すように、第1被覆層62上に第1感光層71を所定のパターンで形成するとともに、第2被覆層67上に第2感光層76を所定のパターンで形成する。第1感光層71および第2感光層76は、特定波長域の光、例えば紫外線に対する感光性を有している。感光層71,76のタイプが特に限られることはない。例えば光溶解型の感光層が用いられてもよく、若しくは光硬化型の感光層が用いられてもよい。ここでは、光溶解型の感光層が用いられる例について説明する。
第1感光層71は、第1導線51のパターンに対応したパターンで形成されている。また第2感光層76は、第2導線56のパターンに対応したパターンで形成されている。感光層71,76は、例えば、はじめに、積層体60の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
次に、第1感光層71をマスクとして第1被覆層62、第1本体層61および第1下地層63をエッチングするとともに、第2感光層76をマスクとして第2被覆層67、第2本体層66および第2下地層68をエッチングする。なお上述のように、基材32の第1面32a側の各層61〜63および基材32の第2面32b側の各層66〜68のいずれも、銅を含むよう構成されている。このため、銅を溶解させることができるエッチング液を用いて、各層61〜63および各層66〜68を同時にエッチングすることができる。エッチング液としては、銅を選択的に溶解させることができる液が用いられ、例えば塩化第2鉄溶液が用いられる。
ところで上述のように、第1被覆層62および第1下地層63における銅の含有量は、第1本体層61における銅の含有量よりも小さくなっている。同様に、第2被覆層67および第2下地層68における銅の含有量は、第2本体層66における銅の含有量よりも小さくなっている。このため、塩化第2鉄溶液などの、銅を選択的に溶解させるエッチング液が用いられる場合、第1本体層61および第2本体層66のエッチング速度は、その他の層62,63,67,68のエッチング速度に比べて高くなっている。例えば、塩化第2鉄溶液を用いて同一条件下で各層61〜63および各層66〜68をエッチングした場合、第1本体層61および第2本体層66のエッチング速度R1は、その他の層62,63,67,68のエッチング速度R2の1.4倍以上となっている。すなわち、第1本体層61および第2本体層66のエッチングの方が、その他の層62,63,67,68のエッチングに比べて速く進行する。この結果、図7(c)に示すように、第1被覆層62および第1下地層63は、第1本体層61よりも大きい幅を有するようになる。同様に、第2被覆層67および第2下地層68は、第2本体層66よりも大きい幅を有するようになる。
次に、被覆層62,67上に残っている感光層71,76に対して露光光を照射する。その後、感光層71,76を現像する。これによって、図7(d)に示すように、感光層71,76を除去することができる。このようにして、第1本体層61、第1被覆層62および第1下地層63から構成された第1導線51と、第2本体層66、第2被覆層67および第2下地層68から構成された第2導線56と、を備えるタッチパネルセンサ30を得ることができる。
次に図6を参照して、このようにして得られたタッチパネルセンサ30の作用効果について説明する。
はじめに図6において符号L1およびL2で示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。この場合、第1導線51に到達した外光L1は、第1導線51の第1被覆層62によって反射されて反射光L1’となる。同様に、第2導線56に到達した外光L2は、第2導線56の第2下地層68によって反射されて反射光L2’となる。ここで上述のように、第1被覆層62および第2下地層68はいずれも、波長600nmの光に対する反射率R11およびR22が、第1本体層61および第2本体層66における反射率R10およびR20の0.5以下になるよう構成されたものである。このため、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを抑制することができる。
次に図6において符号L3およびL4で示すように、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。ここで上述のように、第1被覆層62は、第1本体層61の側面よりもΔW1だけ側方に突出している。このため、第1導線51に到達した外光L3は、第1本体層61に到達することなく第1被覆層62によって反射される。同様に、第2下地層68は、第2本体層66の側面よりもΔW2だけ側方に突出している。このため、第2導線56に到達した外光L3は、第2本体層66に到達することなく第2下地層68によって反射される。このため、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを抑制することができる。
次に図6において符号L5およびL6で示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。この場合、第1導線51に到達した映像光L5は、第1導線51の第1下地層63によって反射されて反射光L5’となる。同様に、第2導線56に到達した映像光L6は、第2導線56の第2被覆層67によって反射されて反射光L6’となる。このため、赤味を帯びた光が表示装置15側に戻った後に表示装置15の構成要素によって再び反射されて観察者に到達してしまうことを抑制することができる。
次に図6において符号L7およびL8で示すように、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。ここで上述のように、第1下地層63は、第1本体層61の側面よりも側方に突出している。このため、第1導線51に到達した映像光L7は、第1本体層61に到達することなく第1下地層63によって反射される。同様に、第2被覆層67は、第2本体層66の側面よりも側方に突出している。このため、第2導線56に到達した映像光L8は、第2本体層66に到達することなく第2被覆層67によって反射される。このため、赤味を帯びた光が表示装置15側に戻った後に表示装置15の構成要素によって再び反射されて観察者に到達してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
上述の本実施の形態においては、第1導線51の第1被覆層62および第1下地層63を構成する金属材料の組成、並びに、第2導線56の第2被覆層67および第2下地層68を構成する金属材料の組成を適切に設定することにより、第1本体層61および第2本体層66に起因する銅特有の金属光沢を和らげる例を示した。ここで、銅特有の金属光沢をさらに和らげ、かつ、第1導線51および第2導線56の反射率をさらに低減するため、各層61〜63をパターニングすることによって得られた第1導線51、並びに、各層66〜68をパターニングすることによって得られた第2導線56に対して、黒化処理などの低反射処理をさらに施してもよい。この場合、第1導線51の第1本体層61の側面、第1被覆層62の表面および第1下地層63の側面、並びに、第2導線56の第2本体層66の側面、第2被覆層67の表面および第2下地層68の側面に対して主に低反射処理が施されることになる。
具体的な低反射処理は特には限られないが、例えば、ギ酸を含む液を用いて銅の結晶粒界をエッチングすることによって、第1導線51および第2導線56の各層の面を荒らすという方法が考えられる。また、第1導線51および第2導線56の各層の面を荒らした後、第1導線51および第2導線56の各層の面に黒色の層をめっきしたり、第1導線51および第2導線56の各層を酸化処理または硫化処理したりして黒色化するという黒化処理がさらに施されてもよい。
また上述の本実施の形態において、第1被覆層62および第1下地層63が第1本体層61よりも大きい幅を有し、第2被覆層67および第2下地層68が第2本体層66よりも大きい幅を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図9に示すように、第1被覆層62および第1下地層63の幅が第1本体層61の幅とほぼ同一であり、第2被覆層67および第2下地層68の幅が第2本体層66の幅とほぼ同一であってもよい。この場合も、図9に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2に起因して、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを、第1被覆層62および第2下地層68によって抑制することができる。また、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光L5,L6に起因して、赤味を帯びた光が表示装置15側に戻ってしまうことを、第1下地層63および第2被覆層67によって抑制することができる。
また上述の本実施の形態において、第1導線51が、第1本体層61よりも表示装置側に設けられた第1下地層63を含み、第2導線56が、第2本体層66よりも表示装置側に設けられた第2被覆層67を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図10または図11に示すように、第1導線51は、第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられた第1被覆層62と、を少なくとも含んでいればよい。また第2導線56は、第2本体層66と、第2本体層66よりも観察者側に設けられた第2下地層68と、を少なくとも含んでいればよい。これによって、図10または図11に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2に起因して、赤味を帯びた光が観察者に到達してしまうことを、第1被覆層62および第2下地層68によって抑制することができる。また図10に示すように、第1被覆層62が第1本体層61よりも大きい幅を有し、第2下地層68が第2本体層66よりも大きい幅を有する場合、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L3,L4に起因して、赤味を帯びた光が観察者に到達してしまうことを、第1被覆層62および第2下地層68によって抑制することができる。
また図示はしないが、タッチパネルセンサ30は、隣接する2つの第1検出パターン41の間に設けられ、かつ第1検出パターン41および第1額縁配線43のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターンをさらに備えていてもよい。同様に、タッチパネルセンサ30は、隣接する2つの第2検出パターン46の間に設けられ、かつ第2検出パターン46および第2額縁配線48のいずれにも電気的に接続されていないダミーパターンをさらに備えていてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に図12乃至図14を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12乃至図14に示す第2の実施の形態において、タッチ位置を検出するための検出パターンは、基材の観察者側の面上にのみ設けられており、基材の表示装置側の面上には設けられていない。図12乃至図14に示す第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
本実施の形態によるタッチパネルセンサ30の、平面視の場合の構成は、図2乃至3Cに示す上述の第1の実施の形態におけるタッチパネルセンサ30と同一であるので、説明を省略する。一方、本実施の形態におけるタッチパネルセンサ30は、第1の実施の形態におけるタッチパネルセンサ30とは異なる断面構成を有している。図12および図13はそれぞれ、本実施の形態によるタッチパネルセンサ30を図3CのIV線およびV線に沿って切断した場合に対応する断面図である。
本実施の形態において、タッチパネルセンサ30は、第1タッチパネルセンサ30Aおよび第2タッチパネルセンサ30Bを、接着層34などを介して接合することによって構成されている。このうち第1タッチパネルセンサ30Aは、図12および図13に示すように、観察者側を向く第1面32aおよび表示装置側を向く第2面32bを含む基材32と、基材32の第1面32a上に設けられた複数の第1検出パターン41と、を備えている。また第2タッチパネルセンサ30Bは、図12および図13に示すように、観察者側を向く第1面33aおよび表示装置側を向く第2面33bを含む基材33と、基材33の第1面33a上に設けられた複数の第2検出パターン46と、を備えている。このように本実施の形態において、タッチ位置を検出するための第1検出パターン41および第2検出パターン46はいずれも、基材32および基材33の観察者側の第1面32a,33a上に設けられている。
第1検出パターン41は、遮光性および導電性を有する第1導線51であって、各第1導線51の間に開口部51aが形成されるよう網目状に配置された第1導線51から構成されている。同様に、第2検出パターン46は、遮光性および導電性を有する第2導線56であって、各第2導線56の間に開口部56aが形成されるよう網目状に配置された第2導線56から構成されている。
次に図14を参照して、第1検出パターン41を構成する第1導線51および第2検出パターン46を構成する第2導線56の層構成について説明する。なお図14は、第1導線51および第2導線56の層構成を説明するために描かれた図であり、実際のタッチパネルセンサ30における第1導線51および第2導線56の位置関係には必ずしも対応していない。
図14に示すように、第1導線51および第2導線56はいずれも、本体層61と、本体層61よりも観察者側に設けられた被覆層62と、を含んでいる。また第1導線51および第2導線56において、被覆層62の幅は、本体層61の幅よりも大きくなっている。本体層61および被覆層62の光学特性や形状は、上述の第1の実施の形態における第1本体層61および第1被覆層62と同一であるので、詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、図14に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2に起因して、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを、第1導線51の被覆層62および第2導線56の被覆層62によって抑制することができる。また、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L3,L4に起因して、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを、第1導線51の被覆層62および第2導線56の被覆層62によって抑制することができる。このため、本体層61の側面に黒化処理などの低反射処理が施されていない場合であっても、映像の視認性が低下することを、広い視野角にわたって抑制することができる。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
30 タッチパネルセンサ
30A 第1タッチパネルセンサ
30B 第2タッチパネルセンサ
32 基材
33 基材
41 第1検出パターン(検出パターン)
46 第2検出パターン(検出パターン)
51 第1導線(導線)
56 第2導線(導線)
60 積層体
61 第1本体層(本体層)
62 第1被覆層(被覆層)
63 第1下地層
66 第2本体層
67 第2被覆層
68 第2下地層

Claims (10)

  1. タッチパネルセンサであって、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、
    前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンと、を備え、
    前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
    前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、
    前記第1導線は、銅を含む第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、前記第1本体層よりも小さい含有量の銅を含む第1被覆層と、を含み、
    前記第1被覆層は、前記第1本体層よりも大きい幅を有し、前記第1本体層に対する前記第1被覆層の突出幅は、前記第1本体層の厚み以上であり、
    前記第2導線は、銅を含む第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、前記第2本体層よりも小さい含有量の銅を含む第2下地層と、を含み、
    前記第2下地層は、前記第2本体層よりも大きい幅を有し、前記第2本体層に対する前記第2下地層の突出幅は、前記第2本体層の厚み以上であり、
    波長600nmの光を前記第1本体層、前記第1被覆層、前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11、R20およびR22とする場合、
    R11≦0.5×R10、かつ、R22≦0.5×R20
    の関係が成立し、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記第1本体層及び前記第1被覆層をエッチングした場合、前記第1本体層のエッチング速度が、前記第1被覆層のエッチング速度の1.4倍以上であり、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記第2本体層及び前記第2下地層をエッチングした場合、前記第2本体層のエッチング速度が、前記第2下地層のエッチング速度の1.4倍以上である、タッチパネルセンサ。
  2. 前記第1本体層および前記第2本体層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅を含む、請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含む、請求項2に記載のタッチパネルセンサ。
  4. 前記第1被覆層および前記第2下地層はいずれも、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含む、請求項3に記載のタッチパネルセンサ。
  5. 前記第1導線は、前記第1本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層をさらに含み、
    前記第1下地層は、50重量%以下の銅を含み、
    波長600nmの光を前記第1下地層に照射した場合の光の反射率をR12とする場合、
    R12≦0.5×R10
    の関係が成立する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  6. 前記第2導線は、前記第2本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2被覆層をさらに含み、
    前記第2被覆層は、50重量%以下の銅を含み、
    波長600nmの光を前記第2被覆層に照射した場合の光の反射率をR21とする場合、
    R21≦0.5×R20
    の関係が成立する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  7. 前記第1本体層の側面、前記第1被覆層の表面および前記第2本体層の側面に、低反射処理が施されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  8. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、
    前記タッチパネルセンサは、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、
    前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンと、を備え、
    前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
    前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、
    前記第1導線は、銅を含む第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、前記第1本体層よりも小さい含有量の銅を含む第1被覆層と、を含み、
    前記第1被覆層は、前記第1本体層よりも大きい幅を有し、前記第1本体層に対する前記第1被覆層の突出幅は、前記第1本体層の厚み以上であり、
    前記第2導線は、銅を含む第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、前記第2本体層よりも小さい含有量の銅を含む第2下地層と、を含み、
    前記第2下地層は、前記第2本体層よりも大きい幅を有し、前記第2本体層に対する前記第2下地層の突出幅は、前記第2本体層の厚み以上であり、
    波長600nmの光を前記第1本体層、前記第1被覆層、前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10、R11、R20およびR22とする場合、
    R11≦0.5×R10、かつ、R22≦0.5×R20
    の関係が成立し、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記第1本体層及び前記第1被覆層をエッチングした場合、前記第1本体層のエッチング速度が、前記第1被覆層のエッチング速度の1.4倍以上であり、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記第2本体層及び前記第2下地層をエッチングした場合、前記第2本体層のエッチング速度が、前記第2下地層のエッチング速度の1.4倍以上である、タッチ位置検出機能付き表示装置。
  9. タッチパネルセンサであって、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の検出パターンと、を備え、
    前記検出パターンは、遮光性および導電性を有する導線であって、各導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された導線から構成されており、
    前記導線は、本体層と、前記本体層よりも観察者側に設けられ、前記本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる被覆層と、を含み、
    前記本体層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記被覆層は、50重量%以下の銅を含み、
    波長600nmの光を前記本体層および前記被覆層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、
    R11≦0.5×R10
    の関係が成立し、
    前記被覆層は、前記本体層よりも大きい幅を有し、前記本体層に対する前記被覆層の突出幅は、前記本体層の厚み以上であり、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記本体層及び前記被覆層をエッチングした場合、前記本体層のエッチング速度が、前記被覆層のエッチング速度の1.4倍以上である、タッチパネルセンサ。
  10. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、
    前記タッチパネルセンサは、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の検出パターンと、を備え、
    前記検出パターンは、遮光性および導電性を有する導線であって、各導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された導線から構成されており、
    前記導線は、本体層と、前記本体層よりも観察者側に設けられ、前記本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる被覆層と、を含み、
    前記本体層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記被覆層は、50重量%以下の銅を含み、
    波長600nmの光を前記本体層および前記被覆層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、
    R11≦0.5×R10
    の関係が成立し、
    前記被覆層は、前記本体層よりも大きい幅を有し、前記本体層に対する前記被覆層の突出幅は、前記本体層の厚み以上であり、
    塩化第2鉄溶液を用いて前記本体層及び前記被覆層をエッチングした場合、前記本体層のエッチング速度が、前記被覆層のエッチング速度の1.4倍以上である、タッチ位置検出機能付き表示装置。
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