JP6375908B2 - Dc−dcコンバータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DC−DCコンバータの制御装置に関し、特にDC−DCコンバータのフィードバック制御に用いるコンパレータの故障診断が可能なDC−DCコンバータの制御装置に関する。
コンパレータの故障診断装置として特許文献1に開示のものが知られている。この故障診断装置は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという)を備える。コンパレータの出力端子はマイコンの入力ポートに接続されており、入力端子は、マイコンのHまたはLのマイコン信号を出力可能な出力ポートと接続されている。そして、マイコンの出力によりコンパレータの入力を変化させ、コンパレータでの比較結果をマイコンに入力する。マイコンは、コンパレータでの比較結果が想定と異なるか否かによって、コンパレータが故障状態か否かを診断する。
特開2003−248022号公報
ところで、DC−DCコンバータの制御装置において、コンパレータの出力に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号によってDC−DCコンバータを動作させるものが知られている。すなわち、コンパレータの出力に基づいてDC−DCコンバータをフィードバック制御する制御装置が知られている。このコンパレータに上記故障診断装置を適用した場合に発生しうる問題点について説明する。上記故障診断装置では、コンパレータの入力端子がマイコンの出力ポートと接続されているために、マイコンの出力によりコンパレータの入力が変化し、その結果、コンパレータの出力が変化する。そのため、特に負荷に対して電力を供給しているとき、すなわちスイッチング素子がPWM信号に基づいてスイッチング動作しているときにコンパレータの故障診断をすると、スイッチング素子の制御に影響を及ぼすことになる。ひいては、DC−DCコンバータの出力電圧にも大きな影響を及ぼし、結果として高精度な故障診断ができなくなるという問題が生じる。
また、コンパレータの故障診断を実施するために、スイッチング素子へのPWM信号の出力を停止することも考えられる。しかし、負荷への電力供給を必要とするときにスイッチング動作を停止させると、負荷の制御に必要な電力が供給されなくなり、負荷の制御性悪化を招くことになる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、負荷の制御性悪化を招くことなく、DC−DCコンバータのフィードバック制御に用いられるコンパレータの故障診断を実施できるDC−DCコンバータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一つであるDC−DCコンバータの制御装置は、スイッチング回路(11)とトランス(12)を有し、直流電圧を昇降圧して負荷に電力を供給するDC−DCコンバータ(10)の制御装置(100)であって、トランスの一次側に流れる一次電流を検出する電流検出手段(14)と、DC−DCコンバータの出力電圧を検出する電圧検出手段(15)と、電圧検出手段によって検出された出力電圧と予め設定された基準電圧に基づいて閾値を設定する閾値設定手段(108)と、電流検出手段によって検出された一次電流と閾値に基づく比較を行い、比較結果を出力するコンパレータ(103)と、コンパレータの出力に基づいてスイッチング回路を動作させるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段(104)と、負荷への電力の供給状態に関する情報を取得するとともに、取得した情報と、出力電圧、およびコンパレータの出力に基づいて、コンパレータの故障発生の有無を診断する故障診断手段(106)を備え、故障診断手段は、負荷に電力を供給していない第1期間に、コンパレータの出力が常時オンまたは常時オフとなるように閾値設定手段に対して故障診断用の閾値を設定するよう指示するとともに、コンパレータの出力が指示に対応しているか否かで故障発生の有無を診断する第1条件と、負荷に電力を供給しており、かつ出力電圧が、PWM信号の生成停止を判断するために予め設定された所定の上限閾値を超えてからPWM信号の生成再開を判断するために予め設定された所定の下限閾値以下まで下降する第2期間に、コンパレータの出力が常時オンまたは常時オフとなるように閾値設定手段に対して故障診断用の閾値を設定するよう指示するとともに、コンパレータの出力が指示に対応しているか否かで故障発生の有無を診断する第2条件と、負荷に電力を供給しており、かつ出力電圧が所定の下限閾値以下の電圧値から基準電圧となるように復帰制御されている第3期間に、閾値設定手段に対して、復帰制御するための閾値を設定するよう指示するとともに、設定した閾値と一次電流のピーク値とがずれているか否かで故障発生の有無を診断する第3条件とのうち、少なくともいずれか一つの条件に基づいて故障診断を実施することを特徴とする。
本発明によれば、負荷に電力を供給していない第1期間において、任意のタイミングでコンパレータの出力が常時オンもしくは常時オフとなる故障の診断を実施する。ここで、負荷に電力を供給していないとき、つまりスイッチング回路にPWM信号を出力していないときは、スイッチング回路が動作していない。そのため、コンバータの出力電圧に影響を及ぼすことなく、また負荷の制御性悪化を招くことなく、任意のタイミングでコンパレータの故障診断を実施できる。
また、第2期間において、コンパレータの出力が常時オンもしくは常時オフとなる故障の診断を実施する。ここで、負荷に電力を供給しているとき、つまりスイッチング回路にPWM信号を出力しているときは、スイッチング回路が動作している。そこで、本発明によれば、コンバータの出力電圧が所定の上限閾値を超えてから所定の下限閾値以下まで下降するタイミングにおいてコンパレータの故障診断を実施する。このタイミングにおいては、負荷に電力を供給しなければならない状況かつ、スイッチング回路へのPWM信号の出力を停止する状況となる。したがって、コンバータの出力電圧に影響を及ぼすことなく、また負荷の制御性悪化を招くことなくコンパレータの故障診断ができる。
さらに、第3期間において、復帰制御をするために設定する閾値と一次電流のピーク値とがずれている故障の診断を実施する。コンバータの出力電圧が所定の下限閾値以下から基準電圧となるように復帰制御されているタイミングにおいては、スイッチング回路にPWM信号を出力し、出力電圧を上昇させる必要がある。そこで、このようにPWM信号を出力せざるを得ない状況下において、負荷の制御性悪化を招くことなく、復帰制御をするために設定する閾値と一次電流のピーク値とがずれている故障の診断が可能となる。
以上、本発明によれば、コンパレータの出力電圧に影響を及ぼさず、また負荷の制御性悪化を招くことなくコンパレータの故障診断が可能なDC−DCコンバータの制御装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲における括弧内の符号は、記載内容の理解を容易にすべく、後述する実施形態において対応する構成を例示するものに留まり、発明の内容を限定することを意図したものではない。
第1実施形態における電力変換装置の全体構成図 第1実施形態における故障診断部の構成図 第2期間および第3期間の説明図 オン期間の故障診断フロー オフ期間の故障診断フロー 常時オン故障の診断原理の説明図 常時オフ故障の診断原理の説明図 第1ズレ故障診断部の構成図 第1実施形態における正常時の説明図 第1実施形態における比較値ズレ故障発生時の説明図 第1実施形態における比較値ズレ故障発生時の説明図 第1実施形態における第1ズレ故障診断部の処理フロー 第1実施形態における診断機会創出部の処理フロー 第2実施形態における電力変換装置の全体構成図 第2実施形態における故障診断部の構成図 第2ズレ故障診断部の構成図 第2実施形態におけるコンパレータ正常時の説明図 第2実施形態における比較値ズレ故障発生時の説明図 第2ズレ故障診断部の処理フロー 他の実施形態における診断機会創出部の処理フロー
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1に示す電力変換装置1は、DC−DCコンバータ10およびDC−DCコンバータ10を制御する制御装置100を備える。DC−DCコンバータ10は図示しない高圧バッテリから供給される入力電圧Vinを図示しない負荷に供給するためのVoutに変換する機能を担う。DC−DCコンバータ10は、スイッチング回路11、トランス12、整流部13、電流センサ14、および電圧センサ15を備える。
スイッチング回路11は、複数のスイッチング素子Q1〜Q4および、スイッチング素子Q1〜Q4に逆並列接続されたダイオードD1〜D4を有する。後述するPWM信号生成部104にて生成されたPWM信号に基づきスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチング動作することによって、直流の入力電圧Vinを交流電圧に変換する。変換された交流電圧は、後述するトランス12の一次コイル121に印加される。
トランス12は、一次コイル121および二次コイル122を備える。一次コイル121はスイッチング回路11に接続されている。トランス12は、一次コイル121に印加された交流電圧を絶縁した状態で昇降圧し、二次コイル122から出力する。
整流部13は、ダイオードD5,D6を備える。ダイオードD5,D6は二次コイル122にそれぞれ接続されている。整流部13は、二次コイル122から出力された交流電圧をダイオードD5,D6によって整流して直流電圧Voutに変換する。変換された直流電圧Voutは負荷に供給される。
電流センサ14は、図示しない高圧バッテリとスイッチング回路11の間に設けられている。電流センサ14は、特許請求の範囲における「電流検出手段」に相当する。電流センサ14は、高圧バッテリから入力される電流値IHを検出する役割を担う。
電圧センサ15は、整流部13と負荷との間に設けられている。電圧センサ15は、特許請求の範囲における「電圧検出手段」に相当する。電圧センサ15は、出力電圧Voutを検出する役割を担う。なお、本実施形態において、電流センサ14はオフセット量Ioffを有しているものとする。つまり、実際にトランス12の一次側を流れる電流値をIHRとした場合に、電流センサ14によって検出される一次電流値IHはIHRとIoffの和となる。以下、電流センサ14によって検出される検出値としての一次電流IHと、実際に一次側に流れる電流値IHRとを区別して記載することとする。
制御装置100は、出力電圧Voutに基づいてスイッチング回路11をフィードバック制御する。制御装置100は、フィードバック演算部101、デジタルアナログコンバータ102(以下、DACという)、コンパレータ103、PWM信号生成部104、ドライブ回路105、故障診断部106、基準電圧設定部107、閾値設定部108、および出力制御部109を有する。なお、制御装置100の一部または全部は、ハードウェアで構成してもよく、CPUがプログラムを実行するソフトウェアで構成してもよい。
基準電圧設定部107は、所望の負荷駆動状態を実現するための出力電圧Voutの目標値ともいえる基準電圧Vrefを設定する。
フィードバック演算部101は、基準電圧設定部107において設定された基準電圧Vrefと、電圧センサ15によって検出された出力電圧Voutとを比較する。そして、比較結果に基づいてフィードバック制御の演算を行い、目標電流値Irefを出力する。この目標電流値Irefは、所望の負荷駆動を実現するために供給すべき電圧Vrefに対応した電流値である。本形態では、P制御およびI制御の演算を行うものとするが、必要に応じてD制御の演算を加えて行ってもよい。
閾値設定部108は、フィードバック演算部101から出力された目標電流値Irefと後述する故障診断部106から入力される故障診断用閾値Ithのうちいずれか一方を出力閾値Iselとして出力する。具体的には、後述する故障診断部106から故障診断用閾値Ithが入力された場合には、Ithを出力閾値Iselとして出力する。一方で、故障診断部106から故障診断用閾値Ithが入力されない場合は、目標電流値Irefを出力閾値Iselとして出力する。なお、閾値設定部108は、特許請求の範囲における「閾値設定手段」に相当する。
DAC102は、閾値設定部108から出力された出力閾値Iselをアナログ信号である比較閾値Idirに変換して出力する。
コンパレータ103は、DAC102から出力された比較閾値Idirと、電流センサ14によって検出された一次電流IHとを比較して、差分電流値Idelを演算する。そして、演算したIdelに基づくオンまたはオフの信号をIconとして出力する。
PWM信号生成部104は、コンパレータ103から出力された信号Iconに基づいてスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチング制御するためのPWM信号を生成し、出力する。なお、PWM信号生成部104は、特許請求の範囲における「PWM信号生成手段」に相当する。
ドライブ回路105は、PWM信号生成部104から出力されたPWM信号を増幅してスイッチング素子Q1〜Q4に出力する。
出力制御部109は、電圧センサ15によって検出された出力電圧Voutを取得しており、出力電圧Voutの値に応じて、PWM信号生成部104に対して、PWM信号の生成の停止もしくは再開するよう信号を送信する機能を担う。
故障診断部106は、コンパレータ103の故障診断を行うものである。以下、本実施形態の要部である故障診断部106における故障診断方法について図2に基づいて詳述する。
故障診断部106は、負荷駆動判定部111、閾値指示部112、電圧変化判定部113、オンオフ故障診断部114、第1ズレ故障診断部115、および診断機会創出部116を有する。なお、故障診断部106は、特許請求の範囲における「故障診断手段」に相当する。故障診断部106は、出力電圧Vout、コンパレータ103の出力信号Icon、一次電流IH、および比較閾値Idirをそれぞれ取得している。
負荷駆動判定部111は、電圧センサ15により検出された出力電圧Voutに基づき、負荷の駆動状態、つまり負荷への電力供給状態を判定する。具体的には、出力電圧Voutが零の場合には、負荷には電力が供給されていない期間であると判断する。一方で、出力電圧Voutが零でない場合には、負荷へ電力が供給されている期間であると判断する。以下、負荷に電力が供給されていない期間を第1期間という。また、負荷へ電力が供給されている期間を電力供給期間という。
第1期間であると判定すると、負荷駆動判定部111は、後述する閾値指示部112に対して故障診断用閾値Ithを閾値設定部108に出力する旨の指示信号SigAを出力する。同時に、負荷駆動判定部111は、オンオフ故障診断部114に対して、故障診断する旨の指示信号SigBを出力する。一方、負荷駆動判定部111は、電力供給期間であると判定すると、電圧変化判定部113に出力電圧Voutの時間変化に関する判定を実行する旨の指示信号SigCを出力する。
電圧変化判定部113は、電圧センサ15により検出された出力電圧Voutを取得する。電圧変化判定部113は、負荷駆動判定部111から指示信号SigCが入力されると、出力電圧Voutの時間変化に関する判定を実行する。具体的には、出力電圧Voutが所定の上限閾値Vupを超えてから所定の下限閾値Vlowまで低下する第2期間に該当するか、出力電圧Voutが所定の下限閾値Vlowから基準電圧Vrefになるように復帰制御している第3期間に該当するかを判定する。電圧変化判定部113は、第2期間に該当すると判定した場合には、オンオフ故障判断部114に対して、故障診断する旨の指示信号SigDを出力する。また、電圧変化判定部113は、閾値指示部112に対して、故障診断用閾値Ithを閾値設定部108に出力する旨の指示信号SigEを出力する。一方で、第3期間に該当すると判定した場合には、後述する第1ズレ故障判断部115に対して、故障診断する旨の指示信号SigFを出力する。
第2期間および第3期間について図3に基づき説明する。出力電圧Voutが上限閾値Vupを超える状況はたとえば、負荷が減る場合や、高圧バッテリが過電圧となる場合など偶発的な状況が考えられる。上限閾値Vupは、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング動作を停止させて出力電圧Voutを下降させるトリガとなる値であり、適宜設定されるものである。
出力制御部109が、出力電圧Voutが上限閾値Vupを超えたことを判断すると、出力制御部109からPWM信号生成部104に対してPWM信号の生成を停止する旨の停止信号を出力する。PWM信号生成部104は、出力制御部109から停止信号が入力されると、PWM信号の生成を停止する。これによって、スイッチング素子Q1〜Q4はスイッチング動作することができなくなり、出力電圧Voutは次第に下降を始める(第2期間)。
また、第2期間を経て出力電圧Voutが下限閾値Vlowに達すると、制御装置100において、出力電圧Voutが基準電圧Vrefになるようにフィードバック制御が行われる(第3期間)。下限閾値Vlowは、それまで停止させていたスイッチング動作を再開させるトリガとなる値であり、適宜設定されるものである。出力制御部109が、出力電圧Voutが下限閾値Vlowに達したことを判断すると、出力制御部109からPWM信号生成部104に対してPWM信号の生成を再開する旨の再開信号を出力する。PWM信号生成部104は、出力制御部109から再開信号が入力されると、PWM信号の生成を再開する。
閾値指示部112は、負荷駆動判定部111から信号SigAもしくは電圧変化判定部113から信号SigEが入力された場合に、コンパレータ103の出力Iconが常時オンもしくは常時オフとなる故障を診断するための故障診断用閾値Ithを閾値設定部108に出力する。以下、コンパレータ103の出力Iconが常時オンとなる故障を常時オン故障、常時オフとなる故障を常時オフ故障という。
具体的には、まず所定時間t1だけ、故障診断用閾値Ithとしてコンパレータ103の上限値Iupを閾値設定部108に出力する。所定時間t1が経過すると、次に所定時間t2だけ、故障診断用閾値Ithとしてコンパレータ103の下限値Ilowを閾値設定部108に出力する。つまり、初めの所定時間t1の間は、故障診断用閾値IthとしてIupが出力され、時間t1〜時間t1+t2の間は故障診断用閾値IthとしてIlowが出力される。
なお、初めの所定時間t1の間は故障診断用閾値IthとしてIlowを出力し、t1〜t1+t2の間は故障診断用閾値IthとしてIupを出力してもよい。また、Ilowの値はオフセット量Ioffより小さければよく、たとえば零である場合が考えられる。以下、故障診断用閾値IthとしてIupが出力されている期間をオフ期間、Ilowが出力されている期間をオン期間という。閾値指示部112は、後述する診断機会創出部116から信号SigJが入力された場合には、出力電圧Voutが上限閾値Vupを超える値となるような閾値Iforを故障診断用閾値Ithとして閾値設定部108に出力する。
ここで、第1期間ないし第3期間におけるコンパレータ103の故障診断における制御装置100の制御内容について説明する。
第1期間においては、前述したように、負荷に電力を供給していないときであるので、出力電圧が零となっている。換言すると、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチング動作しておらず、一次電流値IHRは零となっている。したがって、第1期間においては、ドライブ回路105からスイッチング素子Q1〜Q4にPWM信号を出力する必要がないため、PWM信号生成部104はPWM信号を生成していない。
第2期間においては、前述したように、負荷に電力を供給しているときであって、出力電圧Voutが所定の上限閾値Vupを超えてから所定の下限閾値Vlow以下まで下降中である。そのため、出力電圧Voutは零ではなく、スイッチング素子Q1〜Q4はスイッチング動作していない。また、一次電流値IHRは零となっている。したがって、第2期間においては、ドライブ回路105からスイッチング素子Q1〜Q4にPWM信号を出力する必要がないため、PWM信号生成部104はPWM信号を生成していない。
第3期間においては、前述したように、負荷に電力を供給しているときであって、出力電圧Voutが所定の下限閾値Vlow以下から基準電圧Vrefになるように復帰制御されている状態にある。つまり、出力電圧Voutを上昇させる制御がなされている。そのため、出力電圧Voutは零ではなく、スイッチング素子Q1〜Q4はスイッチング動作している。一次電流値IHRは零ではない。また、第3期間においては、閾値設定部108において、フィードバック演算部101から出力された目標電流値Irefを出力閾値Iselとして出力する。
オンオフ故障診断部114は、負荷駆動判定部111から指示信号SigBもしくは電圧変化判定部113から指示信号SigDが入力された時に、コンパレータ103の出力が常時オンもしくは常時オフとなる故障の診断を実施する。故障診断のタイミングとしては、オフ期間においては常時オン故障を診断する。一方で、オン期間においては常時オフ故障を診断する。ここで、負荷駆動判定部111から指示信号SigBが出力されるときは、負荷に電力が供給されていないときであるため、スイッチング素子Q1〜Q4がスイッチング動作していない。換言すると、トランス2の一次側に流れる電流値IHRが零となっている。また、電圧変化判定部113から指示信号SigDが出力されるときは、出力電圧を低下させている期間であるため、同じくトランス2の一次側に流れる電流値IHRが零となっている。
ここで、オンオフ故障診断部114における、オン期間およびオフ期間の処理フローを図4,5に基づき説明する。オン期間については、図4に基づいて、常時オフ故障の診断フローを説明する。まずS11にてコンパレータ103の出力Iconがオンとなっているかを判定する。S11において出力Iconがオンとなっていないと判定された場合(Noと判定された場合)は、S12において、コンパレータ103が常時オフ故障となっていると判定する。一方で、S11において出力Iconがオンとなっていると判定された場合(Yesと判定された場合)は、S13において、コンパレータ103が常時オフ故障となっていないと判定する。S12もしくはS13において故障診断結果を出した後、S14に進む。S14では、後述する診断機会創出部116に対して、診断したことを通知する通知信号SigGを送信する。S14を経た後、常時オフ故障の診断フローは終了する。
オフ期間については、図5に基づいて、常時オン故障の診断フローを説明する。まずS15にてコンパレータ103の出力Iconがオフとなっているかを判定する。S15において出力Iconがオフとなっていないと判定された場合(Noと判定された場合)は、S17において、コンパレータ103が常時オン故障となっていると判定する。一方で、S15において出力Iconがオフとなっていると判定された場合(Yesと判定された場合)は、S16において、コンパレータ103が常時オン故障となっていないと判定する。S16もしくはS17において故障診断結果を出した後、S18に進む。S18では、後述する診断機会創出部116に対して、診断したことを通知する通知信号SigHを送信する。S18を経た後、常時オン故障の診断フローは終了する。
常時オン故障の診断原理について図6に基づき説明する。オフ期間中、コンパレータ103にて一次電流IHと比較される出力閾値IselはIupとなっている。また、トランス2の一次側に流れる一次電流IHはIupを超えることはない。そのため、コンパレータ103が正常であれば出力はオフとなっているはずである。したがって、オンオフ故障診断部114は、オフ期間においてコンパレータ103の出力がオンとなったとき、コンパレータ103に常時オン故障が生じていると判定することができる。
常時オフ故障の診断原理について図7に基づき説明する。オン期間中、コンパレータ103にて一次電流IHと比較される出力閾値IselはIlowとなっている。また、電流センサ14にて検出される一次電流IHはオフセット量Ioffと同等である。ここで、IoffはIlowよりも大きいため、コンパレータ103が正常であれば出力はオンとなっているはずである。したがって、オンオフ故障診断部114は、オン期間においてコンパレータ103の出力がオフとなったとき、コンパレータ103に常時オフ故障が生じていると判定することができる。
第1ズレ故障診断部115は、電圧変化判定部113から指示信号SigFが入力されると、出力閾値Idirと一次電流IHの最大値IHpeakとの間に差異が生じている故障の診断を実施する。以下、このような故障を比較値ズレ故障という。第1ズレ故障診断部115は、図8に示すように、オン時間算出部61、許容時間帯算出部62、コンパレータ反応時間計測部63、および第1故障判定部64を有する。
オン時間算出部61は、比較閾値IdirおよびPWM信号生成部から出力されたPWM信号を取得している。オン時間算出部61は、後述するオン時間Trefを算出する。オン時間算出部61にて算出されたオン時間Trefは許容時間帯算出部62に入力される。
許容時間帯算出部62はオン時間Trefに基づいて後述する上限時間Tupおよび下限時間Tlowを算出する。コンパレータ反応時間計測部63は、PWM信号およびコンパレータ103の出力Iconを取得しており、後述するTonを計測する。第1故障判定部64は、Ton、TupおよびTlowに基づき、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じているか否かを判定する。
第1ズレ故障診断部における故障診断原理を図9〜図11に基づき説明する。オン時間算出部61は、ドライブ回路105からPWM信号がスイッチング素子Q1〜Q4に出力されてから、一次電流IHが出力閾値Idirに到達するまでの時間を算出する。以下、オン時間算出部61によって算出された時間をオン時間Trefという。
許容時間帯算出部62は、オン時間Trefを基準として、それぞれ前後に所定の時間幅を持った下限時間Tlowと上限時間Tupを設定する。ここで、TlowとTref間の時間幅およびTupとTref間の時間幅は、コンパレータ103の性能として許容できる範囲として適宜設定される値である。
コンパレータ反応時間計測部63は、ドライブ回路105からPWM信号がスイッチング素子Q1〜Q4に出力されてから、コンパレータ103の出力Iconがオンとなるまでの時間Tonを計測する。コンパレータ103が性能として許容できる程度に正常であれば、図9に示すように、TonはTlow〜Tupまでの時間帯に収まるはずである。しかし、コンパレータ103に性能として許容できる限度を超えた故障が生じている場合、図10に示すように、TonはTlowより短い時間になるか、図11に示すように、TonがTupより長い時間となる。したがって、第1故障判定部64は、コンパレータ103の出力がオンとなった時間が、下限時間Tlowより短い、もしくは上限時間Tupよりも長い場合に、コンパレータ103に故障が生じていると判定する。
第1ズレ故障診断部115の診断フローについて図12に基づいて説明する。まず、S21において、オン時間算出部61がオン時間Trefを算出する。オン時間Trefを算出した後、S22に進み、許容時間帯算出部62が上限時間Tupおよび下限時間Tlowを算出する。S22においてTupおよびTlowを算出すると、S23に進み、コンパレータ反応時間計測部63がTonを計測する。S23において、Tonを計測すると、S24に進む。
S24においては、TonがTlow以上Tup以下であるか否かが判定される。S24においてTonがTlow以上Tup以下であると判定された場合(Yesと判定された場合)は、S25に進み、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じていないと判定する。S24において、TonがTlow以上Tup以下でないと判定された場合(Noと判定された場合)は、S26に進み、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じていると判定する。S25もしくはS26において故障診断結果を出した後、S27に進む。S27では、後述する診断機会創出部116に対して、診断したことを通知する通知信号SigIを送信する。S27を経た後、第1ズレ故障診断部115の診断フローは終了する。
診断機会創出部116は、所定期間、故障診断が実施されていないと判断した時に、強制的に診断機会を創出する役割を担う。診断機会創出部116は、故障診断が実施されていない期間をカウントするための診断実施タイマ(図示せず)を有している。診断機会創出部116の処理フローを図13に基づいて説明する。まず、S31において、診断実施タイマをカウントアップする。S31を経てS32に進み、診断実施フラグがオフであるか否かを判定する。
具体的には、オンオフ故障診断部114から故障診断した旨の通知信号SigGもしくはSigH、第1ズレ故障診断部115から通知信号SigIが入力された場合には診断実施フラグがオンとなる。一方で、通知信号SigG,SigHもしくはSigIのいずれも入力されていない場合には、診断実施フラグはオフである。S32において、診断実施フラグがオンと判定された場合(Noと判定された場合)は、S33に進み、診断実施タイマをリセットする。S33を経た後、S34に進み、診断実施フラグをオフとする。S34において診断実施フラグをオフとした後、S31から処理を繰り返す。S32において、診断実施フラグがオフとなっている場合(Yesと判定された場合)は、S35に進み、診断実施タイマが満了しているか否かを判定する。ここで、診断実施タイマの満了とは、強制的に故障診断を実施させるトリガとなる満了時間に達したことをいい、満了時間はたとえば、100msecや1sなど、適宜設定される値である。
S35において、診断実施タイマが満了でないと判定された場合(Noと判定された場合)は、強制的に故障診断を実施させる必要がないため、再度S31から処理を繰り返す。S35において、診断実施タイマが満了したと判定された場合(Yesと判定された場合)、S36に進む。S36においては、閾値指示部112に対して、出力電圧Voutが上限閾値Vupを超える値となるような故障診断用閾値Ithを設定するよう指示信号SigJを出力する。S36において、指示信号SigJが出力されると、S37に進む。S37では、診断実施タイマをリセットする。S37を経た後、診断機会創出部116の処理を終了する。前述したとおり、閾値指示部112は指示信号SigJの入力に対応して、閾値Iforを閾値設定部108に出力する。そして、閾値Iforに基づいて出力電圧Voutは上限閾値Vupになるよう制御され、第2期間および第3期間における故障診断機会が創出される。
以下、本実施形態において得られる効果について説明する。
(1)常時オン故障もしくは常時オフ故障が生じているか否かの診断をするためには、コンパレータ103に入力される比較閾値Idirを強制的に上限値Iupもしくは下限値Ilowに設定する必要がある。仮にスイッチング素子Q1〜Q4がスイッチング制御されている期間に診断を行うと、コンパレータ103の出力値Iconは、スイッチング制御に求められる出力値とは異なる値となるため、負荷の制御性悪化につながりかねない。しかし、本実施形態では、第1期間もしくは第2期間に常時オン故障もしくは常時オフ故障の診断を行う。第1期間および第2期間は、PWM信号生成部104においてPWM信号の生成は行われていない。そのため、比較閾値Idirを強制的に上限値Iupもしくは下限値Ilowに設定したとしても、スイッチング素子Q1〜Q4の制御に影響は及ぼさない。したがって、負荷の制御性悪化を招くことなく、常時オン故障もしくは常時オフ故障の診断を行うことができる。
(2)比較値ズレ故障が生じているか否かの診断をするためには、PWM信号に基づいてスイッチング素子Q1〜Q4をスイッチング動作させることで一次電流値IHと比較閾値Idirとのズレを検出する必要がある。そのため、PWM信号の生成が行われていない第1期間や第2期間においては診断が不可能である。しかし、本実施形態では、負荷へ電力供給中であり、かつ出力電圧を復帰制御するためにPWM信号に基づく制御をしている第3期間中に、比較値ズレ故障の診断を行う。したがって、第1期間や第2期間に強制的にPWM信号に基づくスイッチング制御をさせて比較値ズレ故障の診断を行う場合と比較して、負荷の制御性悪化を招くことなく、比較値ズレ故障の診断を行うことができる。
(3)本実施形態においては、PWM信号に基づくスイッチング制御をせざるを得ない第3期間中に、比較値ズレ故障の診断を実施する。そのため、PWM信号に基づくスイッチング制御をする必要のない期間、たとえば第1期間や第2期間中に、故障診断のために強制的にスイッチング制御をする場合と比較して、効率的なタイミングで故障診断を実施することができる。
(4)診断実施タイマがカウントアップされてから満了時間に達するまでに故障診断フラグがオンとならない場合には、出力電圧Voutが強制的に上限閾値Vupを超えるよう制御する。そのため、偶発的に出力電圧Voutが上限閾値Vupを超えるまで故障診断を待つ場合と比較して、早急に故障診断を行うことができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図に基づいて説明する。なお、第1実施形態と重複する部分については説明を簡略化または省略する。
本実施形態においては、図14に示すように、制御装置200が、スロープ補償回路110を有する。また、故障診断部106は、図15に示すように、第1実施形態における第1ズレ故障診断部115に代えて、第2ズレ故障診断部117を有する。一般に、PWM信号のデューティ比が50%を超えると、サブハーモニック発振によりスイッチング素子Q1〜Q4が不安定動作となることが知られている。スロープ補償回路110は、そのようなサブハーモニック発振を防止するための手段として、比較閾値Idirに鋸波などのスロープ補償Isloopを加算することで動作を安定化させる役割を担う。スロープ補償回路110は、DAC102とコンパレータ103との間に設けられている。スロープ補償回路110は、入力された比較閾値Idirに対してスロープ補償を実行し、Iinとして出力する。具体的には、IinはIdirからIsloopを減算することにより求められる。そして、コンパレータ103には、Iinが入力される。
第2ズレ故障診断部117は、第1ズレ故障診断部115と同じく比較値ズレ故障を診断する役割を担うが、その診断方法が異なる。そのほかは第1ズレ故障診断部115と同様である。第2ズレ故障診断部117は、図16に示すように、理論判定値記憶部81、判定値算出部82、許容範囲設定部83、および第2故障判定部84を有する。
理論判定値記憶部81は、コンパレータ103が正常な状態(たとえば、出荷時など)における、後述する(Iin−A)/IHpeakにより得られる数値αを記憶している。つまり、数値αは、(Iin−A)/IHpeakにより得られる値の理論値である。
判定値算出部82は、Iin、IH、Isloop、およびIoffを取得する。判定値算出部82は、第3期間において(Iin−A)/IHpeakにより得られる数値kを算出する。つまり、数値kは第3期間におけIin、IHpeakおよびAの実測値から(Iin−A)/IHpeakを計算することで得られる値である。
許容範囲設定部83は、数値αを基準としてそれぞれ大小に所定の数値幅を持った上限値αupおよび下限値αlowを設定する。なお、上限値αupおよび下限値αlowは、コンパレータ103の性能として許容できる数値として適宜設定される値である。
第2故障判定部84は、後述する(Iin−A)/IHpeakにより求められる値kが、αlow以上αup以下であるか否かを判定する。
まず、図17および図18に基づき、第2故障判定部84における故障診断原理を説明する。図17は正常時の各種パラメータの時間変化を示しており(α=1の場合)、図18は故障時の各種パラメータの時間変化を示している。制御装置200がスロープ補償回路110を有する場合、比較閾値Idirに対してスロープ補償が実行された値Iinが実質的な目標電流値となり、一次電流IHの最大値IHpeakがIinとなるようにスイッチング素子Q1〜Q4がPWM制御される。スイッチング素子Q1〜Q4に対してPWM信号が出力された(PWM信号がオンとなった)タイミングtaから一次電流IHが上昇し始める。コンパレータ103が正常な場合、図17に示すように、一次電流IHの値がIinに達したタイミングtbで、コンパレータ103の出力Iconがオンとなり、PWM信号はオフとなる。そして、コンパレータ103が正常な場合、一般にIsloopとIoffの合計値A、Iin、およびIHpeakの間には、次の数1の関係が成り立つ。
(数1)
Iin=IHpeak×α+A
数1より次の数2が導かれる。
(数2)
(Iin−A)/IHpeak = α
一方、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じている場合、図18に示すように、一次電流IHの値がIinに達する前のタイミングtcにコンパレータの出力Iconがオンとなるか、もしくは、図18には例示していないが、一次電流IHの値がIinを超えた後のタイミングでコンパレータ103の出力Iconがオンとなることもある。このとき、当然、一次電流IHの最大値IHpeakとIinとは一致しない。IinとIHpeakの差異をズレ量Ish(IinとIHpeakの差の絶対値)とすると、次の数3の関係が成り立つ。
(数3)
(Iin−A)/IHpeak = α + (Ish×α/IHpeak)
ここで、数3の右辺の値がkである。したがって、数値αを基準として第3期間において実際に算出した数値kがどれだけ異なる値として算出されるかを診断することによって、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じているか否かを判定できる。
次に、第2ズレ故障判断部117における診断フローについて図19に基づき説明する。まず、S41において、理論判定値記憶部41で記憶されている数値αを読み出す。次に、S42において、許容範囲設定部83が上限値αupおよび下限値αlowを設定する。その後、S43において判定値算出部82が数値kを算出する。S43を経た後、S44において、数値kがαlow以上αup以下であるか否かを判定する。S44において、数値kがαlow以上αup以下であると判定された場合(Yesと判定された場合)、S45に進み、比較値ズレ故障は発生していないと判定する。一方で、S44において、数値kがαlow以上αup以下でないと判定された場合(Noと判定された場合)、S46に進み、比較値ズレ故障が発生していると判定する。S45もしくはS46において診断結果が出された後、S47に進む。S47では、診断機会創出部116に対して、診断したことを通知する通知信号SigKを出力する。S47を経た後、第2ズレ故障判断部117における診断フローは終了する。
第2実施形態において得られる効果は、第1実施形態と同様である。
(他の実施形態)
以上、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。たとえば、以下のような形態が考えられる。
・上記第1実施形態においては、第1故障判定部64の故障診断方法として、コンパレータ103の出力がオンとなった時間Tonが、下限時間Tlowより短い、もしくは上限時間Tupより長い場合に、コンパレータ103に比較値ズレ故障が生じていると判定するものを示した。しかし、第1故障判定部64は、上限時間Tupが経過するまでにコンパレータ103の出力がオンとならない場合にコンパレータ103に比較値ズレ故障が生じていると判定してもよい。この場合は、上限時間Tupを経過した後にコンパレータ103の出力がオンとなり故障と判定する場合と比べて、早期に故障が発生していることを診断できる。
・上記第1実施形態に示す診断機会創出部116は、S35において診断実施タイマが満了したと判定された場合には、S36において、閾値指示部112に対して、出力電圧Voutが上限閾値Vupを超える値となるような故障診断用閾値Ithを設定するような指示信号を出力する。しかし、図20に示すように、S35とS36との間に、診断実施可能状態にあるか否かを判定するS38を追加してもよい。診断実施可能でない状態、たとえば入力電圧Vinや一次電流IHが所定値以下の状態である場合には、出力電圧Voutを強制的に上昇させようとしても、十分上昇しない可能性がある。そのため、S38において診断実施可能状態にないと判定された場合は診断機会創出部116の処理フローを終了し、再度S31から繰り返す。一方で、S38において診断実施可能状態にあると判定された場合は、S36に進む。
・上記第1実施形態においては、第1期間、第2期間、および第3期間のすべてにおいて故障診断を実施している。しかし、第1期間ないし第3期間の少なくとも一つにおいて故障診断が実施されればよい。
・上記第1実施形態においては、第1期間および第2期間のそれぞれにおいて、常時オン故障および常時オフ故障の双方を診断する場合を示したが、いずれか一方のみを診断してもよい。たとえば、所定時間t1+t2の間、故障診断用閾値IthとしてIupを閾値指示部112から閾値設定部108に対して継続して出力することや、所定時間t1+t2の間、Ilowを継続して出力することが考えられる。
・上記第2実施形態においては、αupおよびαlowの値をαに基づき設定しているが、予め理論判定値記憶部81にてαupおよびαlowの値を記憶しており、故障診断時に読み出してもよい。
1 電力変換装置、10 DC−DCコンバータ、100、200 制御装置、101 フィードバック演算部、102 DAC、103 コンパレータ、104 PWM信号生成部、105 ドライブ回路、106 故障診断部、107 基準電圧設定部、108 閾値設定部、109 出力制御部、110 スロープ補償回路、111 負荷駆動判定部、112 閾値指示部、113 電圧変化判定部、114 オンオフ故障診断部、115 第1ズレ故障診断部、116 診断機会創出部、117 第2ズレ故障診断部

Claims (5)

  1. スイッチング回路(11)とトランス(12)を有し、直流電圧を昇降圧して負荷に電力を供給するDC−DCコンバータ(10)の制御装置(100)であって、
    前記トランスの一次側に流れる一次電流を検出する電流検出手段(14)と、
    前記DC−DCコンバータの出力電圧を検出する電圧検出手段(15)と、
    前記電圧検出手段によって検出された出力電圧と予め設定された基準電圧に基づいて、閾値を設定する閾値設定手段(108)と、
    前記電流検出手段によって検出された一次電流と前記閾値に基づく比較を行い、比較結果を出力するコンパレータ(103)と、
    前記コンパレータの出力に基づいて前記スイッチング回路を動作させるためのPWM信号を生成するPWM信号生成手段(104)と、
    前記負荷への電力の供給状態に関する情報を取得するとともに、取得した情報と、前記出力電圧、および前記コンパレータの出力に基づいて、前記コンパレータの故障発生の有無を診断する故障診断手段(106)を備え、
    前記故障診断手段は、
    前記負荷に電力を供給していない第1期間に、前記コンパレータの出力が常時オンまたは常時オフとなるように前記閾値設定手段に対して故障診断用の閾値の設定を指示するとともに、前記コンパレータの出力が指示に対応しているか否かで故障発生の有無を診断する第1条件と、
    前記負荷に電力を供給しており、かつ前記出力電圧が、前記PWM信号の生成停止を判断するために予め設定された所定の上限閾値を超えてから前記PWM信号の生成再開を判断するために予め設定された所定の下限閾値まで下降する間の第2期間に、前記コンパレータの出力が常時オンまたは常時オフとなるように前記閾値設定手段に対して故障診断用の閾値の設定を指示するとともに、前記コンパレータの出力が指示に対応しているか否かで故障発生の有無を診断する第2条件と、
    前記負荷に電力を供給しており、かつ前記出力電圧が前記所定の下限閾値以下の電圧値から前記基準電圧となるように復帰制御されている第3期間に、前記閾値設定手段に対して、復帰制御するための閾値の設定を指示するとともに、設定した閾値と前記一次電流のピーク値とがずれているか否かで故障発生の有無を診断する第3条件とのうち、
    少なくとも一つの条件に基づいて故障診断を実施することを特徴とするDC−DCコンバータの制御装置。
  2. 前記故障診断手段は、前記負荷に電力を供給している期間において所定時間、前記第2条件もしくは前記第3条件によって前記コンパレータの故障診断が実施されていないとき、
    前記出力電圧が前記所定の上限閾値以上まで上昇するように前記閾値設定手段に対して故障診断機会を創出するための閾値の設定を指示することを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置
  3. 前記故障診断手段は、前記第3条件に基づく故障診断において、前記PWM信号の出力がオンになってから、前記一次電流が前記第3条件における前記閾値設定手段によって設定された閾値に達するまでの時間をオン時間、前記オン時間を基準にして前後に所定の時間幅をもった時間帯を許容時間帯としたときに、
    前記許容時間帯外の時間において前記コンパレータの出力がオンとなった場合に故障が発生していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置。
  4. 前記故障診断手段は、前記第3条件に基づく故障診断において、前記PWM信号の出力がオンになってから、前記一次電流が前記第3条件における前記閾値設定手段によって設定された閾値に達するまでの時間をオン時間、前記オン時間を基準にして前後に所定の時間幅をもった時間帯を許容時間帯としたときに、
    前記許容時間帯の上限時間が経過するまでに前記コンパレータの出力がオンとなっていない場合に故障が発生していると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のDC−DCコンバータの制御装置。
  5. 前記故障診断手段は、前記第3条件に基づく故障診断において、発振を防止するために前記一次電流に加算されるスロープ補償量と前記電流検出手段のオフセット量の合計値をA、復帰制御するための前記一次電流の目標ピーク値をIin、前記一次電流の最大値をIHpeakとしたとき、
    k=(Iin−A)/IHpeak
    により得られる値kが、予め設定された所定の数値範囲内にない場合に、故障が発生していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のDC−DCコンバータの制御装置。
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