JP6375551B2 - ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー及びそれを含む硬化性組成物 - Google Patents

ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー及びそれを含む硬化性組成物 Download PDF

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本発明は、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー及びそれを含む硬化性組成物に関し、詳細には、表面に親油性を付与し且つ摩耗性に優れる硬化膜を形成できる硬化性組成物に関する。
高分子材料は、近年、様々な分野で利用されている。それに伴い、各分野に応じてマトリクスとしてのポリマーの性状とともに、その表面や界面の特性が重要となっている。例えば、表面エネルギーの低いフッ素系化合物を表面改質剤として用いることで、撥水撥油性、防汚性、滑り性、耐摩耗性、非粘着性、剥離性、離型性、反射防止特性、耐薬品性などの表面/界面制御に関する特性の向上が期待されており、種々提案されている。
熱硬化樹脂の一つであるポリウレタンは、イソシアネート基含有化合物とポリオール等の活性水素を有する化合物との熱硬化プロセスにより得られるポリマーであって、これら化合物の組合せによって多様な性質を引き出せることから、軟質フォーム、硬質フォーム、エラストマー、接着剤、塗料、バインダーなど多彩な形態で、幅広い分野において利用されている。
このようなポリウレタン樹脂の表面改質として、例えば、フルオロアルキル基を導入した含フッ素高分岐ポリマーによるポリウレタン樹脂の表面改質が知られている(特許文献1)。
しかしながら、この材料では、携帯電話のような顔の皮脂に直接接触する用途、あるいはタッチパネルのように繰り返し指の接触する用途では、依然として指紋痕や汚れが付着しやすく、かつ撥水撥油性のため、付着した汚れをはじき、かえって指紋痕や皮脂などの汚れが目立ってしまうという問題があった。また、指紋痕や皮脂汚れを除去する目的でその表面を布やティッシュペーパーで擦った際、指紋痕や皮脂汚れが微小液滴となって光の乱反射を引き起こし表面が白く濁って見えてしまい、拭き取り後において拭き取り前より一層汚れが目立ってしまうという問題もあった。
一方で、指紋や皮脂成分の汚れをなじませることで汚れを目立たなくする、親油性高分岐ポリマーを用いたコート剤についても研究が行われている(特許文献2)。
国際公開第2013/077451号パンフレット 国際公開第2012/128214号パンフレット
しかしながら、上述したような親油性の表面改質剤はその表面に十分な滑り性を付与することができず、指紋痕や皮脂汚れの除去性が良好でないといった課題があった。また、特許文献2に開示されている表面改質剤は、マトリクス樹脂(ポリウレタン)との反応点を持たないためにマトリクス樹脂中に固定されにくいという課題があった。このため、該表面改質剤によるポリウレタンの表面改質では、表面改質効果の耐摩耗性や耐薬品性といった耐久性が不足する虞があり、より強固にマトリクス樹脂に固定される表面改質剤が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ヒドロキシ基を有する親油性高分岐ポリマーを硬化性組成物に添加することにより、該組成物から得られる硬化膜が、耐久性(スクラッチ耐性)が損なわれることなく親油性と滑り性を付与されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBと、分子内にアルコール性ヒドロキシ基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCとを少なくとも含む重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200モル%量の重合開始剤Dの存在下で重合させることにより得られる、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第2観点として、前記モノマーCが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、第1観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第3観点として、前記モノマーCが式[3]で表される化合物である、第2観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
Figure 0006375551
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基を表し、Lは炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、kは0乃至30の整数を表す(ただし、Rが水素原子を表すときkは0とならない。)。)
第4観点として、前記式[3]中、Rが、第一級炭素原子にヒドロキシ基が結合している炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基を表す、第3観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第5観点として、前記式[3]中、kが0である、第3観点又は第4観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第6観点として、前記モノマーBが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、第1観点乃至第5観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第7観点として、前記モノマーBが式[2]で表される化合物である、第6観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
Figure 0006375551
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基を表し、Lは炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、mは0乃至30の整数を表す。)
第8観点として、前記式[2]中、mが0である、第7観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第9観点として、前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、第1観点乃至第8観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第10観点として、前記モノマーAがジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、第9観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第11観点として、前記モノマーAが式[1]で表される化合物である、第10観点に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
Figure 0006375551
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Lはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、nは1乃至30の整数を表す。)
第12観点として、前記重合開始剤Dがアゾ系重合開始剤である、第1観点乃至第11観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第13観点として、前記モノマーAのモル数に対して10〜1000モル%量の前記モノマーBを用いて得られる、第1観点乃至第12観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第14観点として、前記モノマーAのモル数に対して5〜300モル%量の前記モノマーCを用いて得られる、第1観点乃至第13観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーに関する。
第15観点として、第1観点乃至第14観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを含むワニスに関する。
第16観点として、(a)第1観点乃至第15観点のうち何れか一項に記載のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー、(b)ポリオール化合物及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性化合物、及び(c)硬化剤を含む硬化性組成物であって、前記(a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーの含有量が、前記(b)反応性化合物及び前記(c)硬化剤の総質量100質量部に対して0.001〜20質量部である、硬化性組成物に関する。
第17観点として、前記(b)が(b1)ポリオール化合物であり、前記(c)硬化剤が(c1)多官能イソシアネート化合物である、第16観点に記載の硬化性組成物に関する。
第18観点として、前記(b)が(b1)ポリオール化合物であり、前記(c)硬化剤が(c2)アミノ系化合物である、第16観点に記載の硬化性組成物に関する。
第19観点として、前記(b)が(b2)エポキシ樹脂であり、前記(c)硬化剤が(c3)エポキシ硬化剤である、第16観点に記載の硬化性組成物に関する。
第20観点として、さらに(d)溶媒を含む、第16観点乃至第19観点のうち何れか一項に記載の硬化性組成物に関する。
第21観点として、第16観点乃至第20観点のうち何れか一項に記載の硬化性組成物より得られる硬化膜に関する。
第22観点として、0.01〜100μmの膜厚を有する、第21観点に記載の硬化膜に関する。
第23観点として、基材表面の一部又は全部に第20観点に記載の硬化性組成物を塗布し塗膜を形成する工程、塗膜を乾燥し溶媒を除去する工程、塗膜に高められた温度を与え硬化させる工程、により形成される表面改質膜に関する。
第24観点として、0.01〜100μmの膜厚を有する、第23観点に記載の表面改質膜に関する。
本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーは、積極的に枝分かれ構造を導入しているため、線状高分子と比較して分子間の絡み合いが少なく、微粒子的挙動を示し、有機
溶媒に対する溶解性及び樹脂に対する分散性が高いポリマーである。そのため、本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを、硬化性組成物等に配合し硬化膜等の樹脂成形品を形成する際、該微粒子状のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーが界面(硬化膜表面)に容易に移動することでき、樹脂表面の表面改質の向上、すなわち、樹脂(硬化物)表面上に優れた親油性を付与することができる。
特に本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーは、そのポリマー側鎖にポリウレタン又はエポキシ硬化系と反応性を有するアルコール性ヒドロキシ基を導入してなる。そのため、該ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを、ポリウレタン組成物に配合し硬化膜などの樹脂成形品を成した場合、ポリウレタン硬化時にイソシアネート基と該ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーとでウレタン結合を形成し、該高分岐ポリマーが架橋構造に組み込まれる。また該高分岐ポリマーをエポキシ樹脂系硬化性組成物に配合し、樹脂成形品を成した場合においても同様に、硬化時に硬化剤と該高分岐ポリマーとで架橋反応が進行し、該高分岐ポリマーが架橋構造に組み込まれる。そしてこれにより、表面改質効果において、耐摩耗性などの耐久性の高い硬化物を得ることができる。
<ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー>
本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーは、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBと、分子内にアルコール性ヒドロキシ基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCとを少なくとも含む重合性化合物を、該モノマーAのモル数に対して5〜200モル%量の重合開始剤Dの存在下で重合させることにより得られる。
なお、前記親油性高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み(IFIRP)型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Dの断片を有している。
[モノマーA]
本発明において、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有することが好ましく、特にジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
なお、本発明では(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方をいう。例えば(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸をいう。
上記モノマーAの中でも、特に下記式[1]で表される化合物が好ましい。
Figure 0006375551
上記式[1]中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Lはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、nは1乃至30の整数を表す。
が表すヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素原子数2乃至12のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、ノナメチレン基、2−メチルオクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2,5−ジイル)ビスメチレン基等が挙げられる。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基、ヘキサメチレン基、(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−2,5−ジイル)ビスメチレン基が好ましい。
また、表面改質効果の観点から、式[1]中のnは1乃至10の整数が好ましい。
前記分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAとしては、例えば、以下の(A1)乃至(A5)に示した化合物が挙げられる。
(A1)ビニル系炭化水素類:
(A1−1)脂肪族ビニル系炭化水素類;イソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等。
(A1−2)脂環式ビニル系炭化水素類;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン等。
(A1−3)芳香族ビニル系炭化水素類;ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフルオレン、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジン等。
(A2)ビニルエステル、アリルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル及びビニルケトン:
(A2−1)ビニルエステル;アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニル(メタ)アクリレート等。
(A2−2)アリルエステル;マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート等。
(A2−3)ビニルエーテル;ジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等。
(A2−4)アリルエーテル;ジアリルエーテル、ジアリルオキシエタン、トリアリルオキシエタン、テトラアリルオキシエタン、テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルオキシブタン、テトラメタリルオキシエタン等。
(A2−5)ビニルケトン;ジビニルケトン、ジアリルケトン等。
(A3)(メタ)アクリル酸エステル:
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、グリセリン=トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スル
フィド、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンウレタンジ(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタンジ(メタ)アクリレート、芳香族ウレタンジ(メタ)アクリレート等。
(A4)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系化合物:
ポリエチレングリコール(分子量:200,300,400,600,1000など)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量:400,500,700など)ジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(分子量:650など)ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ポリプロピレングリコール(分子量:700など)ジ(メタ)アクリレート等。
(A5)含窒素ビニル系化合物:
ジアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスマレイミド等。
これらモノマーAは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用しても構わない。
これらのうち好ましいものは、上記(A1−3)群の芳香族ビニル系炭化水素類、(A2)群のビニルエステル、アリルエステル、ビニルエーテル、アリルエーテル及びビニルケトン、(A3)群の(メタ)アクリル酸エステル、(A4)群のポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系化合物、並びに(A5)群の含窒素ビニル系化合物であり、より好ましくは(A3)群の(メタ)アクリル酸エステルである。
特に好ましいものとして、親油性及び樹脂分散性の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
[モノマーB]
本発明において、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有することが好ましく、特に下記式[2]で表される化合物が好ましい。
Figure 0006375551
上記式[2]中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基を表し、Lは炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、mは0乃至30の整数を表す。
が表す炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、エチルヘキシル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ヘキサデシル
基(パルミチル基)、オクタデシル基(ステアリル基)、イソステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、リグノセリル基、セロトイル基、モンタニル基、メリッシル基等の直鎖状又は分枝状アルキル基;シクロへキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ノルボルネニル基、メンシル基、アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基等の脂環基などが挙げられる。
これらの中でも、親油性及び滑り性の観点から、炭素原子数8乃至20の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、ラウリル基、イソステアリル基が好ましい。
が表す炭素原子数2乃至6のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基が好ましい。
また、表面改質効果の観点から、式[2]中のmは0が好ましい。
このようなモノマーBとしては、例えば、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレート、メンシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(メタ)アクリレート、2−(ヘキシルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ラウリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ステアリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(イソステアリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(シクロヘキシルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチレングリコール=モノラウリルエーテル=(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコール=モノラウリルエーテル=(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコール=モノラウリルエーテル=(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール=モノステアリルエーテル=(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール=モノステアリルエーテル=(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール=モノラウリルエーテル=(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール=モノステアリルエーテル=(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール=モノイソステアリルエーテル=(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール=モノステアリルエーテル=(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらモノマーBは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用しても構わない。
重合性化合物の反応性(重合性)や重合して得られる高分岐ポリマーの表面改質効果の観点から、モノマーBは、モノマーAのモル数に対して10〜1000mol%量で使用され、好ましくは30〜700mol%量、より好ましくは50〜500mol%量で使用される。
[モノマーC]
本発明において、分子内にアルコール性ヒドロキシ基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有することが好ましい。
なお、本発明において、アルコール性ヒドロキシ基とは、該ヒドロキシ基が結合してい
る原子が芳香環を構成していないヒドロキシ基を指す。すなわち、アルコール性ヒドロキシ基とは、芳香環に直接結合したヒドロキシ基、所謂フェノール性ヒドロキシ基を含まない。
上記モノマーCの中でも、特に下記式[3]で表される化合物が好ましい。
Figure 0006375551
上記式[3]中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子、又は少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基を表し、Lは炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、kは0乃至30の整数を表す。なお、Rが水素原子を表すときkは0とならない。
が表す少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状脂肪族基、分枝状脂肪族基、環状脂肪族基の何れであってもよく、また、基中に窒素原子、酸素原子、イオウ原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
前記脂肪族基に結合するヒドロキシ基は、第一級ヒドロキシ基(第一級炭素原子に結合)、第二級ヒドロキシ基(第二級炭素原子に結合)、又は、第三級ヒドロキシ基(第三級炭素原子に結合)の何れであってもよく、ヒドロキシ基の反応性を考慮すると、第一級ヒドロキシ基、第二級ヒドロキシ基、第三級ヒドロキシ基の順に好ましい。またヒドロキシ基は脂肪族基において1置換であっても多置換であってもよい。
中でも、前記式[3]において、Rが第一級炭素原子にヒドロキシ基が結合している炭素原子数1乃至20の脂肪族基であること、すなわち、脂肪族基の末端にヒドロキシ基を有する基であることが好ましい。
が表す炭素原子数2乃至6のアルキレン基としては、上述の式[2]中のLとして例示したものと同様の基が挙げられる。
これらの中でも、表面改質効果の観点から、エチレン基、メチルエチレン基が好ましい。
また、表面改質効果の観点から、式[3]中のkは0乃至10の整数が好ましい。
このようなモノマーCとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシドデシル(メタ)アクリレート、9−ヒドロキシドデシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(エチレングリコールユニット数:2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23など)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(プロピレングリコールユニット数:2,3,4,5,6,7,8
,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23など)、テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
これらモノマーCは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用しても構わない。
これらのうち好ましいものとして、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
重合して得られる高分岐ポリマーの、後述する硬化性組成物としたときの硬化剤との反応性の観点から、モノマーCは、モノマーAのモル数に対して5〜300mol%量で使用され、好ましくは10〜150mol%量、より好ましくは20〜100mol%量で使用される。
[その他のモノマー]
本発明で用いる重合性化合物は、本発明の効果を損わない限り、前記モノマーA、モノマーB、モノマーCに属さない、その他のモノマーを含んでもいてもよい。
その他のモノマーとしては、分子内に1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーであれば特に制限はないが、ビニル化合物又は(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
このようなモノマーとしては、例えば、以下の(1)、(2)に示す化合物が挙げられる。
(1)含フッ素モノマー:
2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等。
(2)含ケイ素モノマー:
3−(トリエトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3−(ジメトキシ(メチル)シリル)プロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシ(ビニル)シラン、トリエトキシ(ビニル)シラン、トリス(2−メトキシエトキシ)(ビニル)シラン、ジメトキシ(メチル)(ビニル)シラン、4−(トリメトキシシリル)スチレン等。
[重合開始剤D]
本発明において、重合開始剤Dとしては、好ましくはアゾ系重合開始剤が用いられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば、以下の(1)乃至(5)に示す化合物が挙げられる。
(1)アゾニトリル化合物:
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等。
(2)アゾアミド化合物:
2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−(1−ヒドロキシブチル))プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等。
(3)環状アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス(2−(1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等。
(4)アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)テトラヒドレート等。
(5)その他:
2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボン酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロメチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロブチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル)等。
これらの中でも、重合して得られる高分岐ポリマーの表面改質効果の観点から、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)が好ましい。
重合開始剤Dは、モノマーAのモル数に対して、5〜200mol%量で使用され、好ましくは20〜200モル%量、より好ましくは20〜100モル%量で使用される。
[ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーの製造方法]
本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーは、前述のモノマーA、モノマーB及びモノマーCと、所望によりその他のモノマーとを、該モノマーAに対して所定量の重合開始剤Dの存在下で重合させることにより得られる。該重合方法としては公知の方法、例えば、溶液重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合等が挙げられ、中でも溶液重合又は沈殿重合が好ましい。特に分子量制御の点から、有機溶媒中での溶液重合によって反応を
実施することが好ましい。
このとき用いられる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化物類;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類又はエステルエーテル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、並びにこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、芳香族炭化水素類、ハロゲン化物類、エステル類、エステルエーテル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、アミド類等であり、特に好ましいものはベンゼン、トルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等である。
上記重合反応を有機溶媒の存在下で行う場合、前記モノマーA 1質量部に対する前記有機溶媒の質量は、通常5〜120質量部であり、好ましくは10〜110質量部である。
重合反応は常圧、加圧密閉下、又は減圧下で行われ、装置及び操作の簡便さから常圧下で行うのが好ましい。また、N等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
重合温度は、反応混合物の沸点以下であれば任意であるが、重合効率と分子量調節の点から、好ましくは50〜200℃であり、さらに好ましくは80〜150℃であり、80〜130℃がより好ましい。
反応時間は、反応温度や、モノマーA、モノマーB、モノマーC、重合開始剤D並びに所望によりその他モノマーの種類及び割合、重合溶媒種等によって変動するものであるため一概には規定できないが、好ましくは30〜720分、より好ましくは40〜540分である。
重合反応の終了後、得られたヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを任意の方法で回収し、必要に応じて洗浄等の後処理を行う。反応溶液から高分子を回収する方法としては、再沈殿等の方法が挙げられる。
上記ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量(Mw)は、1,000〜400,000、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000である。
<ワニス及び薄膜>
本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーからなる薄膜を形成する具体的な方法としては、まず、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とし、該ワニスを基板上にキャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等を適宜選択して塗布し、その後、ホットプレート又はオーブン等で乾燥して成膜する。なおヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを含有するワニスも本発明の対象である。
これらの塗布方法の中でも短時間で塗布できることから揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、容易に均一な塗布を行うことができるという利点より、スピンコート法を用いることが望ましい。また、簡単に塗布することができ、かつ、大面積に塗装ムラがなく平滑な塗膜を形成することができるという利点より、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法を用いることが望ましい。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーを溶解又は分散するものであればよく、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル類又はエステルエーテル類;テトラヒドロフラン(THF)、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサフルオロプロピル=ヘキサフルオロ−2−ペンチル=エーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン(MEK)、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の溶媒を混合してもよい。
また上記溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーと溶媒の総質量(合計質量)に対して、ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーの濃度は0.001〜90質量%であり、好ましくは0.002〜80質量%であり、より好ましくは0.005〜70質量%である。
形成されたヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーからなる薄膜の厚さは特に限定されないが、通常0.01〜50μm、好ましくは0.05〜20μmである。
<硬化性組成物>
本発明は、前述の(a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー、そして(b)ポリオール化合物及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性化合物、及び(c)硬化剤を含む、硬化性組成物にも関する。
本発明の硬化性組成物において、(a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーの含有量は、(b)反応性化合物及び(c)硬化剤の総質量100質量部に対して、0.001〜20質量部であり、より好ましくは、0.05〜10質量部である。
[(b)反応性化合物]
本発明の硬化性組成物に用いられる反応性化合物は、(b1)ポリオール化合物及び(b2)エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性化合物である。
[(b1)ポリオール化合物]
本発明の硬化性組成物に用いられるポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の直鎖状ジオール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチルブタン−1,2−ジオール、2−メチルブタン−1,3−ジオール、1,2−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3−メチルペンタン−1,5−ジオール、3−メチルペンタン−3,4−ジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール等の分岐鎖を有するジオール類;シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジイルジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジイルジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールA、m−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール等の環状基を有するジオール類;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類;ショ糖、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール等の糖類及びその誘導体;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート類などが挙げられる。
さらに、これらのポリオール化合物とポリカルボン酸とを重縮合して得られるポリエステルポリオール類;これらのポリオール化合物から誘導されるポリカーボネートポリオール類;これらのポリオール化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシド類を付加したポリエーテルポリオール類;これらのポリオール化合物にε−カプロラクトン等のラクトン類を付加したポリラクトンポリオール類などの高分子ポリオール類などが挙げられる。
上述のポリオール化合物は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
上述のポリオール化合物との重縮合に用いられるポリカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸類及びその低級アルキルエステル類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸類及びその低級アルキルエステル類などが挙げられる。
これらポリカルボン酸は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
[(b2)エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を有していれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂等が挙げられる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)
エーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタン、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル=6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス((3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル)ヘキサンジオエート、ビス((6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル)ヘキサンジオエート、1,2−ビス((3,4−エポキシシクロヘキシル)メトキシ)エタン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル=3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1−メチル−4−(2−メチルオキシラン−2−イル)−1,2−エポキシシクロヘキサン、3,4:8,9−ジエポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−2,4−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ε−カプロラクトン付加テトラキス((3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート等が挙げられる。
上述のエポキシ樹脂は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
[(c)硬化剤]
本発明の硬化性組成物に用いられる硬化剤としては、例えば、(c1)多官能イソシアネート化合物、(c2)アミノ系化合物、(c3)エポキシ硬化剤等が挙げられる。
なお、前記(b)反応性化合物と(c)硬化剤は、(b1)ポリオール化合物と(c1)多官能イソシアネート化合物との組み合わせ、(b1)ポリオール化合物と(c2)アミノ系化合物との組み合わせ、(b2)エポキシ樹脂と(c3)エポキシ硬化剤との組み合わせにて使用され得る。
[(c1)多官能イソシアネート化合物]
本発明の硬化性組成物に用いられる多官能イソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル=2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。またこれらの変性物として、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物等が挙げられる。
上述の多官能イソシアネート化合物は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明の硬化性組成物において、(c1)多官能イソシアネート化合物の含有量は、(b)反応性化合物の架橋形成置換基(ヒドロキシ基等)のモル数に対して、(c1)多官能イソシアネート化合物のイソシアネート基が0.1〜100モル当量となる量であり、好ましくは、0.2〜10モル当量、より好ましくは、0.5〜2.5モル当量である。
[(c2)アミノ系化合物]
本発明の硬化性組成物に用いられるアミノ系化合物としては、メラミン系、置換尿素系、又はそれらのポリマー等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する硬化剤であり、具体的には、例えば、ALLNEX社製 CYMEL(登録商標)シリーズ、(株)三和ケミカル製 ニカラック(登録商標)シリーズ、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシメチル化グリコールウリル、メチロール化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メチロール化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メチロール化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、ブトキシメチル化チオ尿素、メチロール化チオ尿素等の化合物、及びこれらの化合物の縮合体等が挙げられる。
上述のアミノ系化合物は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明の硬化性組成物において、(c2)アミノ系化合物の含有量は、(b)反応性化合物の架橋形成置換基(ヒドロキシ基等)のモル数に対して、(c2)アミノ系化合物の置換又は非置換アミノ基が0.1〜100モル当量となる量であり、好ましくは、0.2〜10モル当量、より好ましくは、0.5〜2.5モル当量である。
[(c3)エポキシ硬化剤]
本発明の硬化性組成物に用いられるエポキシ硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂用硬化剤として使用されているものが特に制限無く使用できる。具体的には、例えば、ポリアミン類、ポリアミド樹脂類、イミン類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリメルカプタン類、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、イミダゾール類、ジシアンジアミド類等が挙げられる。
上述のエポキシ硬化剤は一種を単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明の硬化性組成物において、(c3)エポキシ硬化剤の含有量は、(b)反応性化合物の架橋形成置換基(エポキシ基)のモル数に対して、(c3)エポキシ硬化剤の架橋形成置換基が0.1〜100モル当量となる量であり、好ましくは、0.2〜10モル当量、より好ましくは、0.5〜2.5モル当量である。
[(d)溶媒]
本発明の硬化性組成物は、溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とすることもできる。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、前記(a)乃至(c)成分並びに後述するその他成分を溶解又は分散するものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化物類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、γ−ブチロラクトン、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸3−メトキシブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のエステル類又はエステルエーテル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジ−n−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類などの有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は一種を単独で使用してもよく、また二種以上の有機溶媒を混合して使用してもよい。
また上記(a)乃至(c)成分並びにその他成分を溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、前記(a)乃至(c)成分と溶媒の総質量(合計質量)に対して、固形分濃度が0.5〜80質量%であり、好ましくは1〜70質量%であり、より好ましくは1〜60質量%とすることが好ましい。ここで固形分とは硬化性組成物の全成分から溶媒成分を除いたものである。
こうして得られたワニスは、事前に孔径が0.2μm程度のフィルタなどを用いて濾過したものでもよい。
[その他添加剤]
さらに、本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて一般的に添加される添加剤、例えば、硬化触媒、硬化促進剤、加水分解抑制剤、レベリング剤、界面活性剤、密着性付与剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、貯蔵安定剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、無機充填剤、顔料、染料等を適宜配合してよい。
<硬化膜及び表面改質膜>
本発明の硬化性組成物は、例えば基材表面の一部又は全部に塗布し塗膜を形成する工程、塗膜を乾燥し溶媒を除去する工程、そして塗膜に高められた温度を与え硬化させる工程により硬化膜が得られる。こうして得られる硬化膜、すなわち表面改質膜もまた、本発明の対象である。
前記基材としては、例えば、プラスチック材料[ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合物)樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合物)樹脂、ノルボルネン系樹脂等]、FRP(繊維強化プラスチック)、金属、木材、紙、ガラス、二酸化ケイ素、スレート等を挙げることができ、中でも好ましくはプラスチック材料である。これら基材の形状は板状、フィルム状又は3次元成形体であってもよい。
本発明の硬化性組成物の塗布方法としては、前述の<ワニス及び薄膜>に例示したものと同様の方法が挙げられる。中でも短時間で塗布できることから揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、容易に均一な塗布を行うことができるという利点より、スピンコート法を用いることが望ましい。また、簡単に塗布することができ、かつ、大面積に塗装ムラがなく平滑な塗膜を形成することができるという利点より、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法を用いることが望ましい。
前記基材表面に硬化性組成物を塗布後、好ましくは続いてホットプレート又はオーブン等で予備乾燥(プリベーク)することにより溶媒を除去した後、その後、この塗膜を加熱
処理することにより、硬化膜(表面改質膜)が形成される。なお予備乾燥による溶媒の除去と加熱処理による硬化膜形成を同時に実施してもよい。
この加熱処理の条件としては、例えば、温度40〜300℃、時間0.3〜300分間の範囲の中から適宜選択された加熱温度及び加熱時間が採用される。
得られる硬化膜(表面改質膜)の厚さは、乾燥、硬化後において、通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜50μmである。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC K−804L、GPC
K−805L
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI
(2)スピンコーター
装置:ミカサ(株)製 MS−A100
(3)ホットプレート
装置:アズワン(株)製 MH−180CS、MH−3CS
(4)接触角測定
装置:協和界面科学(株)製 DropMaster DM−501
測定温度:20℃
(5)動摩擦係数μ測定
装置:新東科学(株)製 荷重変動型摩擦磨耗試験システム TRIBOGEAR(登録商標)TYPE:HHS2000
プローブ:0.6mmR サファイアピン
荷重:50g
走査速度:1mm/秒
走査距離:10mm
また、略記号は以下の意味を表す。
DCPM:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジメタクリレート[新中村化学工業(株)製 NKエステルDCP]
HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート[新中村化学工業(株)製 NKエステルA−HD−N]
4ELA:テトラエチレングリコール=モノラウリルエーテル=アクリレート[日油(株)製 ブレンマー(登録商標)ALE−200]
LA:ラウリルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 LA]
STA:ステアリルアクリレート[大阪有機化学工業(株)製 STA]
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート[日本化成(株)製 4HBA]
ADVN:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[和光純薬工業(株)製 V−65]
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)[和光純薬工業(株)製 V−59]
HXLV:ポリイソシアネート[日本ポリウレタン工業(株)製 コロネート(登録商標
)HXLV(イソシアネート基含量:23.4質量%)]
A817:イソシアネート硬化用アクリル樹脂[DIC(株)製 アクリディック(登録商標)A−817(水酸基価:27.0〜33.0mgKOH/g、不揮発分:49.0〜51.0%)]
B370:汎用水酸基含有シリコーン系表面調整剤[ビックケミー・ジャパン(株)製 BYK(登録商標)−370]
DBTDL:ジラウリン酸ジブチル錫[東京化成工業(株)製]
MEK:メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
[実施例1]親油性高分岐ポリマーHBP1の製造
200mL反応フラスコに、MIBK53gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ116℃)加熱した。
別の100mL反応フラスコに、モノマーAとしてDCPM6.6g(20mmol)、モノマーBとしてSTA1.9g(6mmol、モノマーAに対して30mol%)、モノマーCとして4HBA1.4g(10mmol、モノマーAに対して50mol%)、開始剤DとしてADVN4.0g(16mmol、モノマーAに対して80mol%)、及びMIBK53gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み窒素置換を行った。
前述の200mL反応フラスコ中の還流してあるMIBK中に、DCPM、STA、4HBA、ADVNが仕込まれた前述の100mL反応フラスコから、滴下ポンプを用いて、内容物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
この反応混合物を室温(およそ25℃)に冷却し、目的とする高分岐ポリマー(HBP1)を、ポリマー濃度12質量%のMIBK溶液として119.9g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは7,500、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は8.3であった。
[実施例2]親油性高分岐ポリマーHBP2の製造
モノマーAとしてHDDA4.5g(20mmol)、モノマーBとしてLA24.0g(100mmol、モノマーAに対して500mol%)、モノマーCとして4HBA1.4g(10mmol、モノマーAに対して50mol%)、開始剤DとしてAMBN1.9g(10mmol、モノマーAに対して50mol%)を使用し、MIBKの使用量を各51gに変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP2)を、ポリマー濃度24質量%のMIBK溶液として133.8g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは6,100、分散度:Mw/Mnは2.5であった。
[実施例3]親油性高分岐ポリマーHBP3の製造
モノマーAとしてHDDA2.3g(10mmol)、モノマーBとしてLA1.2g(5mmol、モノマーAに対して50mol%)及び4ELA6.2g(15mmol、モノマーAに対して150mol%)、モノマーCとして4HBA0.7g(5mmol、モノマーAに対して50mol%)、開始剤DとしてADVN1.5g(6mmol、モノマーAに対して60mol%)を使用し、MIBKの使用量を各25gに変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP3)を、ポリマー濃度19質量%のMIBK溶液として61.9g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは7,300、分散度:Mw/Mnは4.2であった。
[実施例4]親油性高分岐ポリマーHBP4の製造
モノマーAとしてHDDA11.3g(50mmol)、モノマーBとしてLA6.0
g(25mmol、モノマーAに対して50mol%)及び4ELA31.2g(75mmol、モノマーAに対して150mol%)、モノマーCとして4HBA3.6g(25mmol、モノマーAに対して50mol%)、開始剤DとしてAMBN5.8g(30mmol、モノマーAに対して60mol%)を使用し、MIBKの使用量を各102gに変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP4)を、ポリマー濃度22質量%のMIBK溶液として262.0g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは5,700、分散度:Mw/Mnは3.1であった。
[実施例5]親油性高分岐ポリマーHBP5の製造
モノマーAをHDDA2.3g(10mmol)、モノマーBをLA1.2g(5mmol、モノマーAに対して50mol%)及び4ELA6.2g(15mmol、モノマーAに対して150mol%)、モノマーCとして4HBA1.4g(10mmol、モノマーAに対して100mol%)、開始剤DとしてADVN1.5g(6mmol、モノマーAに対して60mol%)を使用し、MIBKの使用量を各25gに変更した以外は実施例1と同様に操作し、目的とする高分岐ポリマー(HBP4)を、ポリマー濃度20質量%のMIBK溶液として62.6g得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは7,700、分散度:Mw/Mnは3.8であった。
[製造例1]親油性高分岐ポリマーHBP6の製造
200mL反応フラスコに、MIBK53gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み、内液が還流するまで(およそ116℃)加熱した。
別の100mL反応フラスコに、モノマーAとしてDCPM6.6g(20mmol)、モノマーBとしてSTA3.2g(10mmol、モノマーAに対して50mol%)、開始剤DとしてADVN4.0g(16mmol、モノマーAに対して80mol%)、及びMIBK53gを仕込み、撹拌しながら5分間窒素を流し込み窒素置換を行った。
前述の200mL反応フラスコ中の還流してあるMIBK中に、DCPM、STA、ADVNが仕込まれた前述の100mL反応フラスコから、滴下ポンプを用いて、内容物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌した。
次に、この反応混合物からロータリーエバポレーターを用いてMIBK85gを留去後、メタノール/エタノール混合溶液(質量比7/3)332gに添加してポリマーをスラリー状態で沈殿させた。このスラリーを減圧濾過し、真空乾燥して、白色粉末の目的物(HBP6)6.9gを得た。
得られた高分岐ポリマーのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは7,600、分散度:Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は3.0であった。
Figure 0006375551
[実施例6乃至11及び比較例1乃至3]
以下の各成分を混合し、不揮発分濃度30質量%の硬化性組成物を調製した。
(1)多官能イソシアネート化合物:HXLV 84質量部
(2)ポリオール化合物:A817 16質量部(不揮発分として)
(3)表面改質剤:表2に記載の表面改質剤 表2に記載の量(不揮発分として)
(4)硬化触媒:DBTDL 1質量部
(5)溶媒:MEK 表2に記載の量
この硬化性組成物を、ガラス基板上にスピンコーティング(slope5秒間、1000rpm×30秒間、slope5秒間)し塗膜を得た。この塗膜を80℃のオーブンで3時間加熱することで、厚さおよそ3.5μmの硬化膜を作製した。
得られた硬化膜の、水及びオレイン酸の接触角、動摩擦係数μを測定した。さらに、動摩擦係数測定後の膜表面を観察し、硬化膜のスクラッチ耐性を評価した。各測定の手順を以下に示す。また、結果を表2に併せて示す。
[接触角]
プローブ液体(水又はオレイン酸)1μLを硬化膜表面に付着させて10秒後(水)又は60秒後(オレイン酸)の接触角を5回測定し、その平均値を接触角とした。
[動摩擦係数]
硬化膜表面の5箇所の動摩擦係数を測定し、その平均値を動摩擦係数とした。動摩擦係数は値が小さいほど使用プローブとの摩擦が小さいことを示し、滑り性の一目安となる。タッチパネル等の表示素子表面に適用される硬化膜に求められる動摩擦係数としては、例えば0.1以下であることが望ましい。
[スクラッチ耐性]
上記動摩擦係数測定後の膜表面の状態を目視で確認し、以下の基準に従い評価した。
A:傷跡が確認できない
B:プローブを走査した跡が観察される
C:膜が削れガラス基板表面が露出している
Figure 0006375551
表2に示すように、表面改質剤を使用していない硬化膜(比較例1)と比べ、本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー(HBP1乃至HBP5)を表面改質剤として添加した硬化膜(実施例6乃至11)では、オレイン酸の接触角及びμが小さく、また同等のスクラッチ耐性を有するという結果を得た。すなわち本発明のヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーは、スクラッチ耐性を損なうことなく、僅かな添加量で硬化膜表面に優れた親油性を付与できるという結果を得た。
一方、ヒドロキシ基を有さない高分岐ポリマー(HBP6)を添加した硬化膜(比較例2)では、親油性を付与できるもののスクラッチ耐性が極めて悪くなるとする結果となった。また、汎用ヒドロキシ基含有シリコーン系表面調整剤(B370)を添加した硬化膜(比較例3)では、オレイン酸の接触角が30度と極めて大きい結果となり、硬化膜表面に親油性を付与できないとする結果となった。

Claims (22)

  1. (a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマー、(b)ポリオール化合物及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性化合物、及び(c)硬化剤を含む硬化性組成物であって、前記(a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーが、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内に炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBと、分子内にアルコール性ヒドロキシ基及び少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーCとを少なくとも含む重合性化合物と、該モノマーAのモル数に対して5〜200モル%量の重合開始剤Dの重合物であり、前記(a)ヒドロキシ基含有親油性高分岐ポリマーの含有量が、前記(b)反応性化合物及び前記(c)硬化剤の総質量100質量部に対して0.001〜20質量部である、硬化性組成物。
  2. 前記モノマーCが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、請求項1に記載の硬化性組成物
  3. 前記モノマーCが式[3]で表される化合物である、請求項2に記載の硬化性組成物
    Figure 0006375551
    (式中、R5は水素原子又はメチル基を表し、R6は水素原子、又は少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基を表し、L3は炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、kは0乃至30の整数を表す(ただし、R6が水素原子を表すときkは0とならない。)。)
  4. 前記式[3]中、R6が、第一級炭素原子にヒドロキシ基が結合している炭素原子数1乃至20の脂肪族炭化水素基を表す、請求項3に記載の硬化性組成物
  5. 前記式[3]中、kが0である、請求項3又は請求項4に記載の硬化性組成物
  6. 前記モノマーBが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の硬化性組成物
  7. 前記モノマーBが式[2]で表される化合物である、請求項6に記載の硬化性組成物
    Figure 0006375551
    (式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、R4は炭素原子数6乃至30の脂肪族炭化水素基を表し、L2は炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、mは0乃至30の整数を表す。)
  8. 前記式[2]中、mが0である、請求項7に記載の硬化性組成物
  9. 前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を少なくとも1つ有する化合物である、請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載の硬化性組成物
  10. 前記モノマーAがジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、請求項9に記載の硬化性組成物
  11. 前記モノマーAが式[1]で表される化合物である、請求項10に記載の硬化性組成物
    Figure 0006375551
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、L1はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、nは1乃至30の整数を表す。)
  12. 前記重合開始剤Dがアゾ系重合開始剤である、請求項1乃至請求項11のうち何れか一項に記載の硬化性組成物
  13. 前記モノマーAのモル数に対して10〜1000モル%量の前記モノマーBを用いて得られる、請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載の硬化性組成物
  14. 前記モノマーAのモル数に対して5〜300モル%量の前記モノマーCを用いて得られる、請求項1乃至請求項13のうち何れか一項に記載の硬化性組成物
  15. 前記(b)が(b1)ポリオール化合物であり、前記(c)硬化剤が(c1)多官能イソシアネート化合物である、請求項1乃至請求項14のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
  16. 前記(b)が(b1)ポリオール化合物であり、前記(c)硬化剤が(c2)アミノ系化合物である、請求項1乃至請求項14のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
  17. 前記(b)が(b2)エポキシ樹脂であり、前記(c)硬化剤が(c3)エポキシ硬化剤である、請求項1乃至請求項14のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
  18. さらに(d)溶媒を含む、請求項乃至請求項17のうち何れか一項に記載の硬化性組成物。
  19. 請求項乃至請求項18のうち何れか一項に記載の硬化性組成物より得られる硬化膜。
  20. 0.01〜100μmの膜厚を有する、請求項19に記載の硬化膜。
  21. 基材表面の一部又は全部に請求項18に記載の硬化性組成物を塗布し塗膜を形成する工程、塗膜を乾燥し溶媒を除去する工程、塗膜に高められた温度を与え硬化させる工程、を含む表面改質膜の製造方法
  22. 0.01〜100μmの膜厚を有する、請求項21に記載の表面改質膜の製造方法

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