JP6375258B2 - 金属混合水溶液からの金属の除去方法 - Google Patents

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Description

この発明は、金属混合溶液から所定の金属を除去するための方法に関するものであり、特には、リチウムイオン電池の正極活物質を含む廃材等を酸浸出することによって得られた金属混合溶液から、ニッケルないしコバルト等の有価金属を有効に回収することに資する技術を提案するものである。
リチウムイオン電池はハイブリッド自動車用として急速に用途が広がっている。また、ユニットの高容量化により大型電池の生産量が急増することが予想される。このようなリチウムイオン電池の需要拡大に伴い、リチウムイオン電池からの有価金属回収方法の確立が求められている。
リチウムイオン電池は、主に正極、負極、セパレーター、筐体からなるものであり、このうち正極は、マンガン、コバルト、ニッケル及びリチウム等を含む正極活物質を、フッ素系等のバインダーを介して、アルミニウム箔等の集電体上に接着させて構成されている。
リチウムイオン電池のリサイクル方法としては、使用済みリチウムイオン電池を焼却、破砕して選別した後に酸浸出を行い、それにより得られた浸出液から溶媒抽出によってそれぞれの金属を抽出分離する方法がある。しかしながら、酸浸出させるリチウムイオン電池に、正極を構成する上記の金属のみならず、銅、鉄及びアルミニウムが含まれていると、酸浸出によって銅、鉄及びアルミニウムもまた浸出され、目的回収物であるニッケルないしコバルト等の品質を低下させる。そのため、リチウムイオン電池を酸浸出した浸出液中に銅、鉄及びアルミニウムが含まれている場合は、それらの除去が必要となる。
このことに対し、特許文献1では、リチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトからなる金属群Aと、銅、アルミニウム及び鉄からなる金属群Bとを含有する金属混合水溶液から効率的に金属群Bを分離し、且つ、金属群Aを構成するリチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトをそれぞれ分離回収する方法が提案されている。
具体的には、特許文献1に記載された分離回収方法では、ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を混合した抽出剤を使用し、鉄、アルミニウム及び銅を主に分離する第一次抽出と、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を混合した抽出剤を使用し、マンガン、銅及びアルミニウムを主に分離する第二次抽出と、抽出残液に対して、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用し、コバルトを分離する第三次抽出と、さらに抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して、ニッケルを分離する第四次抽出とをこの順に実施する。
この方法によれば、リチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトからなる金属群Aと、銅、アルミニウム及び鉄からなる金属群Bとを含有する金属混合水溶液から効率的に金属群Bを分離させた上で、金属群Aを構成するリチウム、マンガン、ニッケル、及びコバルトをそれぞれ分離回収することができる。
特開2014−162982号公報
上述したような分離回収方法では、使用済みのリチウムイオン電池だけを含む廃材を対象とする場合であれば、かかる廃材を酸浸出して得た金属混合水溶液から、有価金属等を有効に分離して回収することができる。
一方、使用済みのリチウムイオン電池にニカド電池、ニッケルめっき廃液等を混合させ、これらをまとめて廃材として回収処理を行う場合があり、この場合、処理対象の廃材には、リチウムイオン電池には通常含まれない亜鉛やクロム、カドミウムが、不純物として含まれることになる。
リチウムイオン電池の廃棄物からの金属の回収技術では、これまでに、このような不純物を含む廃材を対象とする場合について着目されたものはない。そのため、酸浸出によりかかる不純物も浸出して得られた金属混合水溶液から、如何にして効率的に、特に亜鉛、クロム、カドミウム等の各金属を分離させるかについては更なる検討の余地があった。
この発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、たとえば金属混合水溶液からの有価金属の回収等に先立って、リチウムイオン電池を構成する金属の他、亜鉛やクロム、カドミウムを含有する金属混合水溶液から、各金属を有効に分離して除去することのできる、金属混合水溶液からの金属の除去方法を提供することにある。
発明者は、ニッケルないしコバルトだけでなく、亜鉛やクロム、カドミウムを含有する金属混合水溶液から、亜鉛等を有効に分離させることについて鋭意検討した結果、亜鉛については、ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を混合した抽出剤により、その一部を抽出できること、及び、さらにその後に、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を混合した抽出剤により、残部を確実に抽出できることを見出した。
また、クロム及びカドミウムについては、ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を混合した抽出剤、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を混合した抽出剤により抽出できることを見出した。
このような知見に基き、この発明の金属混合水溶液からの金属の除去方法は、ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分Aと、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bとを含有する金属混合水溶液から、金属を除去する方法であって、金属分Aと金属分Bとを含有する前記金属混合水溶液に対し、工程(1):ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を含有する第一混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、抽出時の平衡pHを、2.5〜4.0とし、当該金属混合溶液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程、及び/又は、工程(2):燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する第二混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、抽出時の平衡pHを、2.5〜4.0とし、当該抽出残液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程を行うことを含むものである。
ここで、金属混合水溶液の前記金属分Bが亜鉛をさらに含む場合は、工程(1)及び工程(2)の両工程をこの順序で行い、工程(2)は、工程(1)後の抽出残液に対して行うことが好ましい。
また、金属混合水溶液の前記金属分Bが、銅、鉄及びアルミニウムのうちの一種以上をさらに含む場合も、工程(1)及び工程(2)の両工程をこの順序で行い、工程(2)は、工程(1)後の抽出残液に対して行うことが好ましい。
上記の第一混合抽出剤は、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシルとネオデカン酸を含有することが好ましい。また、第一混合抽出剤は、体積比で、ホスホン酸エステル系抽出剤:カルボン酸系抽出剤=1:10〜4:1であることが好ましい。
上記の第二混合抽出剤は、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とアドキシム系抽出剤を含有することが好ましい。また、第二混合抽出剤は、体積比で、燐酸エステル系抽出剤:オキシム系抽出剤=1:1〜50であることが好ましい。
金属分Aがコバルトを含む場合、この発明の除去方法は、工程(3):前記工程(1)後の抽出残液又は前記工程(2)後の抽出残液に対して、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からコバルトを分離する工程を行うことをさらに含むことが好適である。
さらに、金属分Aが、コバルトのみならずニッケルをも含む場合、この発明の除去方法は、工程(4):前記工程(3)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する工程を行うことをさらに含むことが好適である。
あるいは、金属分Aがニッケルを含む場合、この発明の除去方法は、工程(4):前記工程(1)後の抽出残液又は前記工程(2)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する工程を行うことをさらに含むことが好適である。
この発明の金属混合水溶液からの金属の除去方法によれば、ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分Aの他、亜鉛、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bを含有する金属混合水溶液から、亜鉛やクロム、カドミウムを有効に分離して除去することができる。その結果として、その後に回収され得るニッケルないしコバルトの純度を有意に高めることができる。
この発明の一の実施形態を示すフローチャートである。 他の実施形態を示すフローチャートである。 さらに他の実施形態を示すフローチャートである。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明に係る金属混合水溶液からの金属の除去方法の一の実施形態では、ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分Aと、亜鉛、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bとを含有する金属混合水溶液から、金属を除去するに当り、金属分Aと金属分Bとを含有する前記金属混合水溶液に対し、工程(1):ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を含有する第一混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該金属混合溶液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程、及び/又は、工程(2):燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する第二混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程を行う。以下では、主として図1に示す実施形態に基いて説明するが、この実施形態に限定されるものではない。
<金属混合水溶液>
この発明で対象とする金属混合水溶液は、ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分Aと、亜鉛、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bとを含有する。このうち、金属分Aは、リチウム及びマンガンをさらに含み、リチウム、マンガン、ニッケル及びコバルトからなるものとすることができる。金属分Bは、銅、アルミニウム及び鉄のうちの一種以上をさらに含むものとすることができる。
このような金属混合水溶液は特に制限はないが、典型的には、正極活物質を含むリチウムイオン電池並びに、ニカド電池、ニッケルめっき廃液等を含む廃材を硫酸等で酸浸出して得られた浸出後液とすることができる。より詳細には、正極活物質メーカーから出てくる廃正極活物質、電池メーカーから出てくる正極活物質(場合によっては負極活物質及び溶剤(PVDFやNMP)が混練されている)を焼却・乾燥したもの、アルミニウム箔等の集電体にバインダーを介して正極活物質が接着された正極材、正極材から正極活物質を分離したもの、一般に電池滓や電池破砕粉と呼ばれる電池そのものを焼却・破砕・篩別などして正極活物質を分離したようなものを硫酸等で酸浸出して得られた浸出後液とすることができる。
したがって、典型的な実施形態では、金属混合水溶液としての浸出後液は酸性である。かかる浸出後液は、典型的には、金属分Aとして、0.001〜50g/Lのリチウム、0.1〜100g/Lのマンガン、0.1〜100g/Lのニッケル及び、0.1〜100g/Lのコバルトを含有し、また金属分Bとして、0.001〜5g/Lの亜鉛、0.001〜5g/Lのクロム、0.001〜5g/Lのカドミウム、0.001〜20g/Lの銅、0.001〜20g/Lのアルミニウム及び、0.001〜20g/Lの鉄を含有する。かかる浸出後液は、より典型的には、0.01〜20g/Lのリチウム、1〜80g/Lのマンガン、1〜80g/Lのニッケル、1〜80g/Lのコバルト、0.001〜1g/Lの亜鉛、0.001〜1g/Lのクロム、0.001〜1g/Lのカドミウム、0.01〜10g/Lの銅、3〜10g/Lのアルミニウム、0.01〜10g/Lの鉄を含有する。この発明においては、アルミニウムが高濃度で含まれている浸出後液に対しても、事前にアルミニウムを除去することなく、高い分離効率で溶媒抽出可能である。
<工程(1)>
上記の金属混合水溶液に対し、工程(1)では、ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を含有する第一混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該金属混合溶液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する。ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を混合した抽出剤とすることで、鉄が逆抽出されるpH領域が高pH側にシフトすると共に、アルミニウムの抽出も一度の抽出操作で可能になる。また、鉄及びアルミニウムほどの高い抽出率ではないが、銅も抽出可能である。
ここで発明者は、上記の第一混合抽出剤を用いることにより、鉄、アルミニウム、銅の他、金属分Bとして金属混合水溶液に含まれ得る亜鉛、クロム等もまた有効に分離できることを、抽出曲線から見出した。
クロム、カドミウムは、工程(1)と、後述する工程(2)でほぼ全てを抽出することができる。一方、亜鉛は工程(1)で全て除去されずに、工程(1)後の抽出残液に残る場合があるので、これを確実に除去するため、工程(1)の後に、後述する工程(2)を行うことが好ましい。
ホスホン酸エステル系抽出剤としては限定的ではないが2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A、Ionquest801)が挙げられる。カルボン酸系抽出剤としては限定的ではないがネオデカン酸、ナフテン酸等が挙げられ、中でも高pH側での鉄逆抽出の理由によりネオデカン酸が好ましい。抽出剤としては、ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤以外にも種々考えられるが、この発明においてはこれら以外の抽出剤を必要とすることなく、高い分離効率が得られる。
ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤の体積比には特に制限はないがアルミニウムと銅の抽出、鉄逆抽出の理由により、ホスホン酸エステル系抽出剤:カルボン酸系抽出剤=1:10〜4:1(体積比)であることが好ましく、ホスホン酸エステル系抽出剤:カルボン酸系抽出剤=1:5〜3:2(体積比)であることがより好ましく、ホスホン酸エステル系抽出剤:カルボン酸系抽出剤=1:4〜1:1(体積比)であることが更により好ましい。
抽出剤は典型的には炭化水素系有機溶剤で希釈して使用することができる。有機溶剤としては芳香族系、パラフィン系、ナフテン系等が挙げられる。この発明の一実施形態においては、混合抽出剤中の第一抽出剤及び第二抽出剤の合計濃度が10〜30体積%となるように希釈することができ、粘度、分相性、抽出速度、抽出容量の理由により、20〜25体積%となるように希釈することが好ましい。
抽出の手順は常法に従えばよい。一例を挙げれば、金属混合水溶液(水相)と前記抽出剤(有機相)を接触させ、典型的にはミキサーでこれらを攪拌混合(例:200〜500rpmで5〜60分)し、金属分Bのイオンを抽出剤と反応させる。抽出は、常温(例:15〜25℃)〜60℃以下で実施し、抽出速度、分相性、有機溶剤の蒸発の理由により35〜45℃で実施することが好ましい。その後、セトラーにより、混合した有機相と水相を比重差により分離する。溶媒抽出は繰り返し行ってもよく、例えば有機相と水相が向流接触するようにした多段方式とすることもできる。O/A比(水相に対する油相の体積比)は、抽出したい金属の含有量によるが、ミキサーセトラーでの操業を考慮すると0.1〜10とするのが一般的であり、1〜5が好ましい。
抽出時の平衡pHは、分離効率やAlの水酸化物発生の理由により2.5〜4.0とするのが好ましく、2.8〜3.3とするのがより好ましい。
抽出後の、金属分Bを含有する抽出剤(有機相)に対しては、逆抽出を行うことができる。逆抽出は硫酸、塩酸等の酸性水溶液を使用して、ミキサー等で撹拌混合(例:200〜500rpmで5〜60分)することにより実施することができる。逆抽出液としては製品品質、設備腐食防止、排水中の塩化物イオン濃度の理由により硫酸を使用することが好ましい。逆抽出液の酸濃度は抽出した金属を逆抽出することと、後工程に移行する酸の量を少なくする理由により0.5〜200g/l(pH:−0.6〜2.0)に調整することが好ましく、25〜100g/l(pH:−0.3〜0.3)に調整することがより好ましい。逆抽出は、常温(例:15〜25℃)〜60℃以下で実施することができ、逆抽出速度、分相性、有機溶剤の蒸発の理由により35〜45℃で実施することが好ましい。逆抽出することにより、金属分Bの多くを水相側に移動させることができる。これによって、水相側に移動した金属分Bを中和などによって更に処理することができる。
一般的に、逆抽出後の抽出剤(有機相)に対しては、抽出剤(有機相)中に残っている金属を除くことを目的としてスカベンジングを実施することができる。スカベンジングは、硫酸、塩酸等の酸性水溶液を使用して、ミキサー等で撹拌混合(例:200〜500rpmで5〜60分)することにより実施することができる。スカベンジング液としては製品品質、設備腐食防止、排水中の塩化物イオン濃度の理由により硫酸を使用することが好ましい。スカベンジング液の酸濃度は逆抽出後に抽出剤(有機相)中に残っている金属の多くを取り除くことと、後工程に移行する酸の量を少なくする理由により25〜400g/l(pH:−0.9〜0.3)に調整することが好ましく、100〜250g/l(pH:−0.7〜−0.3)に調整することがより好ましい。スカベンジングは、常温(例:15〜25℃)〜60℃以下で実施することができ、スカベンジング速度、分相性、有機溶剤の蒸発の理由により35〜45℃で実施することが好ましい。スカベンジングすることにより、金属分Bの逆抽出後に抽出剤(有機相)中に残っている金属の多くを水相側に移動させることができる。これによって、抽出剤を再利用することができる。
逆抽出された水相側の金属分Bは、中和処理後にろ過等で固液分離することで固形分として回収可能である。亜鉛、クロム、鉄、アルミニウム及び銅を水酸化物として回収することができる。中和処理の方法としては、例えば、水酸化ナトリウムでpH7.0以上に調整することで行う。
残った液中の銅分は、硫化処理で硫化銅として沈殿させ、固液分離により固形分として回収することができる。硫化のためには、硫化水素ガスを使用することができるほか、硫化ナトリウムや水硫化ナトリウムなどの硫化アルカリから硫化水素ガスを発生させ、それを利用することも可能である。有毒ガスである硫化水素ガスを直接取り扱うより、硫化アルカリから硫化水素ガスを発生させた方が取り扱いやすい。液温は、室温以上で十分である。溶液のpHは、4.5以下が好ましく、0.1〜2.0がより好ましい。硫化水素ガス又は硫化アルカリから発生させる硫化水素ガスは、溶液中の銅の当量より若干多い量とすることが好ましい。つまり、銅当量の1.05以上とするのが好ましく、経済性の観点から1.05〜1.5倍が好ましい。
<工程(2)>
先述の工程(1)を実施することで、金属混合水溶液中の金属分Bに属する金属のうち、クロム、鉄、アルミニウム及び銅の大部分並びに、亜鉛の一部は、金属混合水溶液から分離されるが、工程(1)後の抽出残液(水相)に対して工程(2)を更に実施することで、金属群Bとマンガンを除く金属群Aとの分離性を向上させるという利点が得られる。すなわち、工程(2)では、金属分Bの残りの亜鉛、クロム、カドミウム、アルミニウム及び銅と、金属分Aのマンガンを抽出することができる。
なお、金属混合水溶液の金属分Bに亜鉛、鉄、アルミニウム及び銅が含まれない場合は、先述の工程(1)を省略して工程(2)を行うことができる。この場合、工程(2)では、金属分Bのクロムやカドミウムを十分に分離させることができる。
工程(2)では具体的には、金属混合水溶液または工程(1)後の抽出残液(水相)に対して、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する第二混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液から更に金属群Bを分離する。このとき、金属分Aに含まれることのあるマンガンも同時に分離される。燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を併用することにより、金属混合水溶液からの金属分Bの分離効率が顕著に向上する。特に、工程(2)では、工程(1)後の抽出残液に残った亜鉛及び銅のほとんどを抽出することができる。
燐酸エステル系抽出剤としては限定的ではないがジ−2−エチルヘキシルリン酸(商品名:D2EHPA又はDP8R)等が挙げられる。
オキシム系抽出剤としては好ましくはアルドキシムやアルドキシムが主成分のものを挙げることができる。具体的には、限定的ではないが、2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシム(商品名:LIX84)、5−ドデシルサリシルアルドオキシム(商品名:LIX860)、LIX84とLIX860の混合物(商品名:LIX984)、5−ノニルサリチルアルドキシム(商品名:ACORGA M5640)を挙げることができ、そのなかでも主に価格面から5−ノニルサリチルアルドキシムが好ましい。
燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤の体積比には特に制限はないが、オキシム系抽出剤は本来銅を選択的に抽出する抽出剤であり、オキシム系抽出剤は銅の抽出を促進する役割を担うことと、オキシム系抽出剤の割合が多いと銅を逆抽出するのに多くの酸を必要とする理由により、燐酸エステル系抽出剤に対してオキシム系抽出剤の体積が少ないことが好ましい。例えば、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤の体積比は燐酸エステル系抽出剤:オキシム系抽出剤=1:1〜50:1とすることが好ましく、5:1〜15:1とするのがより好ましい。
抽出剤は典型的には炭化水素系有機溶剤で希釈して使用することができる。有機溶剤としては芳香族系、パラフィン系、ナフテン系等が挙げられる。この発明の一実施形態では、混合抽出剤中の第一抽出剤及び第二抽出剤の合計濃度が10〜30体積%となるように希釈することができ、粘度、分相性、抽出速度、抽出容量の理由により、20〜25体積%となるように希釈することが好ましい。
抽出の手順は、工程(1)と同様に、常法に従えばよい。但し、抽出時の平衡pHはアルミニウムの沈殿を避けるという理由から、2.5〜4.0とするのが好ましく、2.8〜3.3とするのがより好ましい。
溶媒抽出後の抽出剤(有機相)が、亜鉛、クロム、カドミウム、アルミニウム、銅及びマンガンを含有する場合、この抽出剤に対しては、工程(1)と同様に、逆抽出を行うことができる。これによって、水相側に移動した亜鉛、クロム、カドミウム、アルミニウム、銅及びマンガンは中和によって更に処理することができる。工程(1)の逆抽出液と一緒にすることもできる。逆抽出液中の亜鉛、クロム、カドミウム、アルミニウム、銅及びマンガンは中和によって分離する。例えば、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整し、亜鉛、クロム、カドミウム及びアルミニウム、銅の水酸化物を生成させる。固液分離後の液にはマンガンが含まれ、該液に炭酸ガスを吹き込むことで炭酸マンガンを生成する方法によって回収することができる。また、マンガンは硫酸酸性の逆抽出後液(水相側)を加熱濃縮することにより、硫酸マンガンとして回収することも可能である。逆抽出後の抽出剤(有機相)に対しては、工程(1)で述べたのと同様に、スカベンジングを実施することができる。
以上に述べた工程(1)と工程(2)の実施の態様は、金属混合水溶液中の金属分Bに含まれる金属に応じて、以下のように場合分けすることができる。
金属分Bに、鉄、アルミニウム及び銅のうちの少なくとも一種が含まれる場合、先述したように、これらの金属を分離除去するために、工程(1)及び(2)を行うことが好ましい。
一方、金属分Bに、鉄、アルミニウム及び銅がいずれも含まれず、亜鉛が含まれる場合もまた、工程(1)及び工程(2)の両工程を行うことが好ましい。工程(1)で亜鉛の一部を除去し、さらに工程(2)で亜鉛の残部を除去して、亜鉛のほぼ全てを確実に除去するためである。図2に、金属分Bに鉄、アルミニウム及び銅が含まれず、亜鉛、クロム及びカドミウムが含まれる場合の実施形態を示す。
<工程(3)>
工程(2)を終えた段階で、金属群Bは金属混合溶液からほとんど分離除去されている。また、金属分Aに含まれ得るマンガンも大部分が分離されている。従って、工程(2)後の抽出残液中には、ニッケル及び/又はコバルト、場合によってはリチウムが主として含まれている。工程(3)以降ではこれらの金属群Aに属する金属の分離回収を行う。
工程(3)では、工程(1)後の抽出残液または工程(2)後の抽出残液(水相)に対して、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からコバルトを分離する。ホスホン酸エステル系抽出剤としては特に制限はないが、ニッケルとコバルトの分離効率の観点から2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A、Ionquest801)が好ましい。
抽出剤は典型的には炭化水素系有機溶剤で希釈して使用することができる。有機溶剤としては芳香族系、パラフィン系、ナフテン系等が挙げられる。この発明の一実施形態においては、混合抽出剤中の第一抽出剤及び第二抽出剤の合計濃度が10〜30体積%となるように希釈することができ、粘度、分相性、抽出速度、抽出容量の理由により、20〜25体積%となるように希釈することが好ましい。
抽出の手順は、工程(1)と同様に、常法に従えばよい。但し、抽出時の平衡pHはニッケルとコバルトの分離性の理由により4.5〜5.5とするのが好ましく、4.8〜5.2とするのがより好ましい。
溶媒抽出後のコバルトを含有する抽出剤(有機相)に対しては、工程(1)と同様に、逆抽出を行うことができる。水相側に移動したコバルトは、電解採取などによって回収可能である。
なお、工程(3)と工程(4)の間に、リチウム及びニッケルを濃縮するために、工程(3)後の抽出残液(水相)から、いったん両者を溶媒抽出した後に、逆抽出する操作を行うことも可能である。このときの抽出剤としては2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシルやジ−2−エチルヘキシルリン酸を挙げることができる。ニッケル及びリチウムを抽出したこれらの有機相を工程(1)と同様に逆抽出することを繰り返すことにより、逆抽出液中のニッケルとリチウム濃度が上昇し、ニッケルとリチウムを濃縮することができる。この逆抽出時の平衡pHは2〜4であることが好ましい。これよりpHが低いとリチウムとニッケルを逆抽出するのに無駄な酸となり、コストがかかる。また、これよりもpHが高いとニッケルとリチウムの水相への移行が不十分となり、逆抽出液のニッケルとリチウム濃度が十分に上昇しない。ニッケルとリチウムを濃縮した逆抽出液は工程(4)で使用することができ、ニッケルとリチウムの分離を行う。しかしながら、当該濃縮操作はpH調整による薬品コストの増大を招くので、行わないほうが経済性の観点からは好ましい。
<工程(4)>
工程(3)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する。カルボン酸系抽出剤としては、限定的ではないがネオデカン酸、ナフテン酸等が挙げられ、ニッケルの抽出能力の理由によりネオデカン酸が好ましい。
抽出の手順は、工程(1)と同様に、常法に従えばよい。但し、抽出時の平衡pHは高すぎるとニッケルの水酸化物が発生する一方で、低すぎるとニッケルの抽出率が低下することから、6〜8とするのが好ましく、6.8〜7.2とするのがより好ましい。ニッケル抽出時は抽出剤から水素イオンが放出されるので、溶液のpHが低下してくる。このためアルカリ剤を添加し、pHを保持しながらニッケルの抽出を行うことが望ましい。使用するアルカリ剤は、アンモニア水または水酸化ナトリウムを用いることができる。
溶媒抽出後のニッケルを含有する抽出剤(有機相)に対しては、工程(1)と同様に、逆抽出を行うことができる。水相側に移動したニッケルは、電解採取によって回収することがコストの観点で望ましい。いったん炭酸化して回収した後に金属ニッケルに還元する方法もあるが、工程が増える分だけコスト高となりやすい。
ニッケルを分離した後のリチウムを含む水溶液(抽出残液)に対しては、アルカリ剤を添加した後、炭酸ガスを吹き込むか炭酸化剤を添加することで炭酸リチウムを沈殿させ回収することが可能である。アルカリ剤には水酸化ナトリウムまたはアンモニア水が使用できる。炭酸ガスの吹き込み又は炭酸化剤の投入時のpHを8−11にすることで効率よく炭酸リチウムの生成が進む。また、炭酸ガス吹き込み時には炭酸リチウムの生成とともにpHが低下するので、適宜アルカリを添加して、炭酸化のpHを8−11に保持することでリチウムの回収率を向上させることができる。
なお、金属混合水溶液中の金属分Aにコバルト及びニッケルが含まれていた場合は、工程(3)及び工程(4)の両工程を行って、これらの金属を回収することができる。
一方、金属混合水溶液中の金属分Aにニッケルが含まれていなかった場合、金属分Aに含まれるコバルトを回収するため、工程(1)及び/又は工程(2)後に工程(3)を行って、工程(4)を省略することができる。あるいは、金属混合水溶液中の金属分Aにコバルトが含まれていなかった場合、金属分Aに含まれるニッケルを回収するため、工程(1)及び/又は工程(2)後に、工程(4)を行って工程(3)を省略することができる。この場合、工程(4)で溶媒抽出の対象とするものは、工程(1)後の抽出残液または工程(2)後の抽出残液とする。工程(3)を省略した場合の実施形態を、図3に示す。
次に、この発明を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであって、それに限定されることを意図するものではない。
(試験例1)
リチウムイオン電池の電池破砕粉を硫酸浸出して得られる金属混合水溶液として、マンガン、コバルト、ニッケル、リチウム、ナトリウム、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、クロムを含む抽出前液を用意し、この抽出前液に対し、下記の工程(1)〜工程(4)を実施した。
工程(1)では、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A)を5.0体積%、ネオデカン酸(ヘキシオンスペシャルティーケミカルズ 商品名:VA−10)を20.0体積%、直鎖系炭化水素が主成分の有機溶剤(商品名:ShellsolD70)を75.0体積%で含有する抽出剤を用意した。抽出前液に対して、この抽出剤を用いて平衡pH3.0として溶媒抽出を行った。抽出前液と抽出剤をO/A比=2.0になるように向流多段ミキサーセトラー(抽出段数:2段)を使用して混合撹拌(400rpm)し、溶媒抽出を行った。抽出における反応時間は15分とした。抽出時の液温は25〜30℃に維持した。
工程(2)では、ジ−2−エチルヘキシルリン酸(商品名:D2EHPA)を21.0体積%、5−ノニルサリチルアルドキシム(商品名: ACORGAM5640)を4.0体積%、直鎖系炭化水素が主成分の有機溶剤(商品名:ShellsolD70)を75.0体積%で含有する抽出剤を用意した。工程(1)後の抽出残液に対して、この抽出剤を用いて平衡pHを3.0として溶媒抽出を行った。工程(1)後の抽出残液と抽出剤を、O/A比=1.5になるように向流多段ミキサーセトラー(抽出段数:3段)を使用して混合撹拌(400rpm)することにより溶媒抽出を行った。各抽出段における撹拌時間は15分とした。抽出時の液温は25〜30℃に維持した。
工程(3)では、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A)を25.0体積%、直鎖系炭化水素が主成分の有機溶剤(商品名:ShellsolD70)を75.0体積%で含有する抽出剤を用意した。工程(2)後の抽出残液に対して、この抽出剤を用いて平衡pHを5.0として溶媒抽出を行った。工程(2)後の抽出残液と抽出剤を、O/A比=1.2になるように向流多段ミキサーセトラー(抽出段数:5段)を使用して混合撹拌(400rpm)することにより溶媒抽出を行った。各抽出段における撹拌時間は15分とした。抽出時の液温は25〜30℃に維持した。
工程(4)では、ネオデカン酸(ヘキシオンスペシャルティーケミカルズ 商品名:VA−10)を25.0体積%、直鎖系炭化水素が主成分の有機溶剤(商品名:ShellsolD70)を75.0体積%で含有する抽出剤を用意した。工程(3)後の抽出残液に対して、この抽出剤を用いて平衡pHを7.0として溶媒抽出を行った。溶媒抽出は、工程(3)後の抽出残液と抽出剤をO/A比=2.0になるように向流多段ミキサーセトラー(抽出段数:2段)を使用して混合撹拌(400rpm)することにより行った。各抽出段における撹拌時間は15分とした。抽出時の液温は25〜30℃に維持した。
上述した各工程(1)〜(4)を行う前の溶液中の各金属の濃度を、ICPにより測定した。その結果を、各工程(1)〜(4)の条件とともに表1に示す。
Figure 0006375258
表1に示すところから、抽出前液に含まれていた亜鉛及びクロムの多くは、工程(1)で除去され、残りはほぼ全て工程(2)で除去されたことが解かる。従って、この方法によれば、金属混合水溶液から亜鉛及びクロムを有効に除去できることが解かった。
(試験例2)
表2に示すように、カドミウムを87mg/Lで含む抽出前液に対し、試験例1と同様の工程(1)を実施した。その結果、抽出残液中のカドミウム濃度は34mg/Lとなった。
またこれとは別に、カドミウムを32mg/Lで含む抽出前液に対し、試験例1と同様の工程(2)を実施すると、抽出残液中のカドミウム濃度は1mg/L未満となった。
Figure 0006375258
この試験例2より、工程(1)及び(2)を実施すれば、金属混合水溶液中のカドミウムがほぼ全て除去できることが解かった。

Claims (10)

  1. ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分Aと、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bとを含有する金属混合水溶液から、金属を除去する方法であって、金属分Aと金属分Bとを含有する前記金属混合水溶液に対し、
    工程(1):ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を含有する第一混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、抽出時の平衡pHを、2.5〜4.0とし、当該金属混合溶液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程、及び、
    工程(2):燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する第二混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、抽出時の平衡pHを、2.5〜4.0とし、当該抽出残液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程
    を行うことを含む、金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  2. 金属混合水溶液の前記金属分Bが亜鉛をさらに含み、
    工程(1)及び工程(2)を順に行い、工程(2)は、工程(1)後の抽出残液に対して行う、請求項1に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  3. 金属混合水溶液の前記金属分Bが、銅、鉄及びアルミニウムのうちの一種以上をさらに含み、
    工程(1)及び工程(2)を順に行い、工程(2)は、工程(1)後の抽出残液に対して行う、請求項1又は2に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  4. 第一混合抽出剤が、2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシルとネオデカン酸を含有する、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  5. 第一混合抽出剤において、体積比で、ホスホン酸エステル系抽出剤:カルボン酸系抽出剤=1:10〜4:1である、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  6. 第二混合抽出剤が、ジ−2−エチルヘキシルリン酸とアドキシム系抽出剤を含有する、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  7. 第二混合抽出剤において、体積比で、燐酸エステル系抽出剤:オキシム系抽出剤=1:1〜50である、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  8. 金属分Aがコバルトを含み、
    工程(3):前記工程(1)後の抽出残液又は前記工程(2)後の抽出残液に対して、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からコバルトを分離する工程
    を行うことをさらに含む、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  9. 金属分Aがニッケルを含み、
    工程(4):前記工程(3)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する工程
    を行うことをさらに含む、請求項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
  10. 金属分Aがニッケルを含み、
    工程(4):前記工程(1)後の抽出残液又は前記工程(2)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する工程を行うことをさらに含む、請求項1〜の何れか一項に記載の金属混合水溶液からの金属の除去方法。
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