JP6374785B2 - 液体噴射ヘッドの製造装置、液体噴射ヘッドの製造方法、及び液体噴射ヘッド - Google Patents
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Description
この構成によれば、駆動電極に電圧を印加すると、チャネルを画成する駆動壁が変形することで、チャネル内の圧力が高まり、チャネル内に収容されたインクがノズル孔を通して吐出される。
本発明に係る液体噴射ヘッドの製造装置は、圧電材料からなるアクチュエータプレートを有するヘッドチップと、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板と、を接続する液体噴射ヘッドの製造装置であって、前記ヘッドチップがセットされるホルダ部と、前記ヘッドチップに対して前記駆動基板を圧着する圧着機構と、前記駆動基板に接続されるとともに、前記駆動基板に帯電する電荷を放電するアース部と、を備え、前記圧着機構は、第1ヘッドチップ及び第2ヘッドチップの積層体に対して第1駆動基板及び第2駆動基板を各別に圧着し、前記アース部は、前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板同士を接続することを特徴とする。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法は、圧電材料からなるアクチュエータプレートを有するヘッドチップと、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板と、を接続する液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記駆動基板と前記ヘッドチップとを圧着する圧着工程を有し、前記圧着工程では、前記駆動基板をアース部に接続し、前記駆動基板に帯電する電荷を放電しながら行い、前記圧着工程は、第1ヘッドチップ及び第2ヘッドチップの積層体のうち、前記第1ヘッドチップに第1駆動基板を圧着する第1圧着工程と、前記積層体のうち前記第2ヘッドチップに第2駆動基板を圧着する第2圧着工程と、を有し、前記第2圧着工程では、前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板間に前記アース部を接続した状態で圧着を行うことを特徴とする。
この構成によれば、圧着時に各駆動基板に帯電する電荷をアース部に放電することができるため、後工程において、各駆動基板同士が直接接触する等によって各駆動基板間に過電圧が印加され、駆動基板に実装された電子部品が破損するのを抑制できる。その結果、複数のヘッドチップが積層された複数列タイプの液体噴射ヘッドにおいても、歩留まりの向上や失敗コストの低下を図ることができる。
この構成によれば、圧着時に各駆動基板に帯電する電荷をアース部に放電することができるため、後工程において、各駆動基板同士が直接接触する等によって各駆動基板間に過電圧が印加され、駆動基板に実装された電子部品が破損するのを抑制できる。その結果、第1ヘッドチップ及び第2ヘッドチップが積層された複数列タイプの液体噴射ヘッドにおいても、歩留まりの向上や失敗コストの低下を図ることができる。
この構成によれば、駆動基板に予め配設されたアース部を介して各駆動基板同士を接続することで、第2圧着工程において両駆動基板同士を確実にアース部に接続できる。また、各駆動基板同士がアース部に接続された状態で、後工程に搬送されるので、各駆動基板に帯電した電荷を確実に放電することができる。
この構成によれば、上記本発明に係る液体噴射ヘッドの製造方法により製造されているため、歩留まりの向上や失敗コストの低下を図った上で、信頼性の高い液体噴射ヘッドを提供できる。
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、プリンタ1は、紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送機構(移動機構)2,3と、被記録媒体Sにインク滴を噴射するインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)4と、インクジェットヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、被記録媒体Sの搬送方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)にインクジェットヘッド4を走査させる走査手段6と、を備えている。なお、以下の説明においては、上述した主走査方向をX方向、副走査方向をY方向、そしてX方向、及びY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
インクタンク10は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4種類のインクが各別に収容されたインクタンク10Y,10M,10C,10Bを備えている。なお、インクは、4種類に限られるものではなく、さらに多色であってもよく、単色であってもよい。
インク配管11は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、インクジェットヘッド4を支持するキャリッジ16の動作(移動)に追従可能とされている。
駆動機構17は、一対のガイドレール14,15の間に配置され、Y方向に間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、一対のプーリ18間に巻回されてY方向に走行する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
次に、上述したインクジェットヘッド4について詳述する。図2はインクジェットヘッド4の分解斜視図であり、図3は図2のIII−III線に相当する断面図である。なお、上述した各インクジェットヘッド4は、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、一のインクジェットヘッド4について説明する。
図2、図3に示すように、インクジェットヘッド4は、インク滴を吐出する吐出部21と、吐出部21にインクを供給する流路部材22と、吐出部21の後述する各ヘッドチップ31A,31B(図4参照)にそれぞれ電気的に接続された第1駆動基板23a及び第2駆動基板23bと、これら各構成品を支持するヘッドベース24と、を備えている。
図4、図5に示すように、吐出部21は、複数のノズル孔(第1ノズル孔48a及び第2ノズル孔49a)からなるノズル列48,49が二列に亘って形成された二列タイプの吐出部21である。具体的に、吐出部21は、Y方向に積層された第1ヘッドチップ31A及び第2ヘッドチップ31Bと、各ヘッドチップ31A,31Bをまとめて支持するノズルキャップ32と、各ヘッドチップ31A,31Bに固定されたノズルプレート33と、を備えている。なお、各ヘッドチップ31A,31Bは、後述する吐出チャネル43aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。したがって、本実施形態の吐出部21は、Z方向が上下方向に一致した状態で設置される。以下、Z方向に沿うノズルプレート33側を下側、ノズルプレート33側とは反対側を上側という場合がある。また、以下の説明では、主に第1ヘッドチップ31Aについて説明し、第2ヘッドチップ31Bにおける第1ヘッドチップ31Aと対応する箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
アクチュエータプレート41は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成され、その分極方向が厚さ方向(Y方向)に沿って一方向に設定されている。
スリット47は、共通インク室46のうち、X方向で吐出チャネル43aに対応する位置に形成され、共通インク室46内と吐出チャネル43a内とを連通している。
また、第2ヘッドチップ31Bにおいて、アクチュエータプレート41の尾部には、第2駆動基板23b(図1,2参照)が接続されている。
第2ノズル列49は、ノズルプレート33をZ方向に貫通するとともに、X方向に間隔をあけて並んだ複数の第2ノズル孔49aを有し、上述した第1ノズル列48と平行に配設されている。各第2ノズル孔49aは、上述した第2ヘッドチップ31Bの吐出チャネル43a内に連通している。したがって、各ダミーチャネル43bは、ノズル孔48a,49aには連通しておらず、ノズルプレート33により下方から覆われている。
第2流路ブロック52は、X方向に沿って延びる板状を呈し、吐出部21を挟んで第1流路ブロック51とY方向で対向している。具体的に、第2流路ブロック52は、第2ヘッドチップ31Bのカバープレート42における他方の主面42b上に固定されるとともに、第2ヘッドチップ31B側の共通インク室46を閉塞している。第2流路ブロック52には、共通インク室46内に連通する第2インク供給路55が形成されている。
第1FPC61aには、第1ヘッドチップ31Aを駆動するための駆動信号を生成するドライバIC63や、図示しないコンデンサ等の各種電子部品が実装されている。これら電子部品は、図示しない配線パターンを介して接続されている。また、ドライバIC63は、図示しない配線パターンを介して第1ヘッドチップ31Aの駆動電極に電気的に接続されている。具体的に、第1FPC61aの下端部は、第1ヘッドチップ31A(アクチュエータプレート41)における尾部の一方の主面41a上に、図示しない異方性導電膜を介して圧着されている。これにより、第1ヘッドチップ31A及び第1FPC61a同士が機械的に接続されるとともに、第1ヘッドチップ31Aの駆動電極及び第1FPC61aの配線パターン同士が異方性導電膜中に分散された導電粒子を介して電気的に接続されている。
また、本実施形態において、各FPC61a,61bは、各電子部品の位置を面内方向(YZ平面)でずらした状態で、電子部品の実装面同士が対向している。
第2支持プレート62bには、X方向の両側に向けて突出する一対の取付片68が形成されている。これら取付片68は、第2駆動基板23bをヘッドベース24に取り付けるためのものであって、第2支持プレート62bをY方向に貫通する取付孔69をそれぞれ有している。なお、図示の例において、第2支持プレート62bの取付片68は、Z方向で異なる位置に形成されるとともに、第1支持プレート62aの取付片65とY方向で重ならない位置に形成されている。
本体ベース71は、Z方向から見た上面視でX方向の第1ヘッドチップ31A側に向けて開口するC字状とされ、吐出部21や流路部材22、第1駆動基板23aを第1ヘッドチップ31A側から覆っている。図2に示すように、本体ベース71には、上述した各支持プレート62a,62bの取付片65,68が取り付けられる台座部73が形成されている。各台座部73には、対応する取付片65,68がY方向で当接している。取付片65,68のうち、第1支持プレート62aの取付片65はビス75によって台座部73に固定されている。
次に、上述したインクジェットヘッド4の製造方法について説明する。
まず、吐出部21を形成する(吐出部形成工程)。具体的には、まず各ヘッドチップ31A,31Bとなるアクチュエータプレート41及びカバープレート42をそれぞれ貼り合わせ、その後各ヘッドチップ31A,31Bのアクチュエータプレート41同士を貼り合わせる。続いて、各ヘッドチップ31A,31Bをノズルキャップ32の嵌合孔32a内に嵌合した後、ノズルキャップ32及び各ヘッドチップ31A,31Bの下端面にノズルプレート33を固定する。
図6、図7に示すように、圧着治具100は、吐出部21を保持するホルダ部101と、ホルダ部101に対して駆動基板23a,23bを圧着する図示しない圧着機構と、駆動基板23a,23bに帯電する電荷を放電するアース部102と、を備えている。
図6、図8に示すように、アース部102は、ホルダ部101のうち、後述する第2圧着工程で圧着される駆動基板(本実施形態では第2駆動基板23b)の各取付片68と平面視で重なる部分にそれぞれ埋め込み固定されている。具体的に、アース部102は、樹脂材料等からなるブロック状の基部110を備えている。基部110は、側面視L字状を呈し、基板用凹部104の開口縁(ホルダ部101の上面)から基板用凹部104の底面に跨って延設されている。
上述した圧着治具100を用いて接続工程を行うには、図9に示すように、まず第1ヘッドチップ31Aと第1駆動基板23aとを接続する。具体的には、まず第1ヘッドチップ31Aを上方に向けるとともに、第2ヘッドチップ31Bの尾部が圧着台座105上に配置されるように吐出部21をホルダ部101にセットする(セット工程)。続いて、第1ヘッドチップ31Aの尾部において、アクチュエータプレート41の一方の主面41a上に異方性導電膜を貼り付けた後、尾部と、第1駆動基板23aにおける第1FPC61aの接続端部と、を重ね合わせる。この状態で、第1ヘッドチップ31Aの尾部と、第1FPC61aの接続端部と、の重ね合わせ部分を圧着機構により熱をかけながら加圧する(第1圧着工程)。これにより、第1ヘッドチップ31Aと第1駆動基板23aとが圧着される。なお、第1圧着工程において、第1駆動基板23aは第1支持プレート62aの取付片65がホルダ部101の上面(例えば、アース部102の上面)に当接することで、基板用凹部104内への進入が規制されている。
この構成によれば、駆動基板23a,23bに予め配設されたアース部300を介して各駆動基板23a,23b同士を接続することで、圧着工程において両駆動基板23a,23b同士を確実にアース部300に接続できる。また、各駆動基板23a,23b同士がアース部300に接続された状態で、後工程に搬送されるので、各駆動基板23a,23bに帯電した電荷を確実に放電することができる。この場合、FPC61a,61b上に、アース部300に接続される抵抗体(不図示)を別途配設してもよい。
さらに、アース部300は、各駆動基板23a,23b同士を接続する構成であれば、各駆動基板23a,23bの双方に配設する必要はなく、少なくとも何れかの駆動基板23a,23bに配設されていれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、各駆動基板23a,23bの実装面同士が対向する構成について説明したが、これに限られない。
また、上述した実施形態では、異方性導電膜を介してヘッドチップ31A,31Bと駆動基板23a,23bとを接続する構成について説明したが、これに限らず、圧着方法は適宜設計変更が可能である。
23a…第1駆動基板
23b…第2駆動基板
31A…第1ヘッドチップ(ヘッドチップ)
31B…第2ヘッドチップ(ヘッドチップ)
101…ホルダ部
102,200,300…アース部
Claims (3)
- 圧電材料からなるアクチュエータプレートを有するヘッドチップと、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板と、を接続する液体噴射ヘッドの製造装置であって、
前記ヘッドチップがセットされるホルダ部と、
前記ヘッドチップに対して前記駆動基板を圧着する圧着機構と、
前記駆動基板に接続されるとともに、前記駆動基板に帯電する電荷を放電するアース部と、を備え、
前記圧着機構は、第1ヘッドチップ及び第2ヘッドチップの積層体に対して第1駆動基板及び第2駆動基板を各別に圧着し、
前記アース部は、前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板同士を接続することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造装置。 - 圧電材料からなるアクチュエータプレートを有するヘッドチップと、前記ヘッドチップを駆動する駆動基板と、を接続する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記駆動基板と前記ヘッドチップとを圧着する圧着工程を有し、
前記圧着工程では、前記駆動基板をアース部に接続し、前記駆動基板に帯電する電荷を放電しながら行い、
前記圧着工程は、
第1ヘッドチップ及び第2ヘッドチップの積層体のうち、前記第1ヘッドチップに第1駆動基板を圧着する第1圧着工程と、
前記積層体のうち前記第2ヘッドチップに第2駆動基板を圧着する第2圧着工程と、を有し、
前記第2圧着工程では、前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板間に前記アース部を接続した状態で圧着を行うことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。 - 前記第2圧着工程では、前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板のうち、少なくとも何れかの前記駆動基板に予め配設された前記アース部を介して前記第1駆動基板及び前記第2駆動基板同士を接続することを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
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