以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、センターケース5の左側が第1遊技領域3a、右側が第2遊技領域3bとなり、図に示したA部まで到達した遊技球は、第2遊技領域誘導路101を転動し、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第1遊技領域3a(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(演出表示装置に相当)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11(本発明の始動口に相当)が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口31が設けられている。なお、この普通入賞口31は、入球率が変化しない普通入賞口である。
センターケース5の右の第2遊技領域3bには、普通図柄作動ゲート17が配置され、普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物15からなる第2始動口12(本発明の始動口に相当)が配置されており、この普通電動役物15は開閉可能な翼片を供えこの翼片が開放しなければ第2始動口12への入球は不可となっている。普通電動役物15からなる第2始動口12の左下には大入賞口14が配置されている。
第1始動口11は、植設された遊技釘及びセンターケース5を構成する成型樹脂により、第2遊技領域3bを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11は、ほぼ第1遊技領域3aを流下した遊技球のみが入球可能となる。
第2遊技領域3bの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1遊技領域3aに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図2参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
第2遊技領域3bに遊技流を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図2参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物15の翼片が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12である普通電動役物15に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
本実施例では、第2始動口12は普通電動役物15の翼片が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図2参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
普通図柄作動ゲート17、普通電動役物15からなる第2始動口12、及び大入賞口14とは、第2遊技領域3b(センターケース5の右側)に配置されているため、大当り遊技状態、及び開放延長状態に移行した場合は、発射した遊技球の全てが第2遊技領域3bに到達するように発射ハンドルを調整することになる。
図2は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口31に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力され、裏配線中継端子板75を介して、前枠(ガラス枠)および内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図2では普電役物ソレノイドと表記)17bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ67aの入力ならびに主制御装置80から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄制御装置82に出力する。
また、サブ統合制御装置83には、音量を調節する音量調節スイッチ83aが備えられ、音量調節スイッチ83aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ66へ送信する内容とを判断し、スピーカ66から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄等の演出画像を表示する。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図3の図表を用いて、遊技機の作動内容の概要について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11及び第2始動口12への遊技球入球に基づく当否判定は、通常確率状態(低確率状態)と、該通常確率状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率状態とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。なお、小当り確率は、通常遊技状態と高確率遊技状態とで同一の1/150となり、当選すると大入賞口14が1.6秒間開放する。
また、普通電動役物15(第2始動口12)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物15は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物15は1.0秒の開放動作を3回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態(開放延長状態)での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短状態)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させている。よって、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
大当り遊技は、大入賞口14が全ての大当り時に15ラウンド(1ラウンド最高29.0秒開放又は9カウント)の開放動作を行う。大当り図柄には確変図柄と通常図柄とがあり、確変図柄で大当りした場合は、大当り遊技終了後から次回の大当りまで高確率遊技状態に移行し、通常図柄で大当りした場合は、大当り遊技終了後、特別図柄が100回の変動表示を行うまで時短(開放延長)状態となる。
次に、図4を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S85))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14への入賞、普通入賞口31への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)については、図5を用いて後述する。
続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に、図5を用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。本処理は、図4に示した入賞確認処理(S65)のサブルーチンの一つであり、本発明の保留記憶手段、先読判定手段を含む処理となる。
以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。肯定判定であれば(S100:yes)、主制御装置80に既に格納されている第1保留記憶数が上限数(本実施例では4個)未満であるか否か判定する(S105)。肯定判定であれば(S105:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を抽出し、第1保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110) (本発明の保留記憶手段に相当)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り決定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、小当り値なら小当り図柄の種類を確認する。大当りでも小当りでもないハズレなら、ハズレ図柄の種類を確認する(本発明の先読判定手段に相当)。
続いて、S115の先読判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。本実施例では、第1先読判定コマンドと第1保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに合成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。また、保留記憶数コマンドの内容は、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示すものではなく、+1(1増)を示すものでもよい。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、当否乱数等の各種乱数値(大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数1,2、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を抽出し、第2保留記憶として主制御装置80の保留記憶数に応じた記憶領域に格納し、第2保留記憶の数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)。
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S150)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化(保留図柄を表示)させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に、図6,7,8を用いて、主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、「始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数に基づいて、大当りを生起させるか否かを抽選する」処理となる。
本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち、大当り中か否か判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)リターンし、否定判定なら(S200:no)、第1又は第2特別図柄が変動中か否か判定し(S205)、否定判定なら(S205:no)、第1又は第2特別図柄が確定表示中か否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S215)。肯定判定なら(S215:yes)、S225に進み、否定判定なら(S215:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S220:yes)S225に進む。S215とS220の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変わりはない。また、2種類の特図が同時に変動可能な構成であっても本発明の効果に変わりはない。
S225では時短フラグの値が0か否か判定する(S225)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「1」のときは時短状態、及び開放延長状態であることを、値が「0」のときは非時短状態、非開放延長状態であることを主制御装置80が判断するための値である。肯定判定なら(S225:yes)S230に進み、否定判定なら(S225:no)時短状態中の処理に進む。時短状態中の処理は、特図の変動時間を設定する変動パターン選択テーブルのみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S230では、保留記憶のシフト処理を行い(S230)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。本実施例では、保留数が増加した時のみ保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成としているが、この減算に応じて、サブ統合制御装置83に減少を示す保留数指示コマンドを送信する構成としてもよい。
S230に続いては、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数の値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S235)。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS240の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S235)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S240:yes)、図柄モード設定処理を行う(S245)。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S250)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)と大当り図柄との関連付けを行うために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS245で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S255)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S245で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S260)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S265)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S375が否定判定なら(S375:no)、ハズレ図柄を選択し(S385)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S365)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S370)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S240が否定判定、即ちハズレなら(S240:no)、S235の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S280)、肯定判定なら(S280:yes)、特図の種類、遊技状態、及び小当り図柄決定用乱数に基づいて小当り図柄を選択し(S285)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S260)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S265)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S280が否定判定なら(S280:no)、ハズレ図柄を選択し(S290)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S265)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図7のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S265で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判断なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS250,S285又はS290で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と、演出図柄表示装置6に表示される擬似図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か(高確率状態か否か)判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットし(S325)、S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S330)、肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットし(S335)、S330、又はS335の否定判定(S335:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)とを行うことで大当りを開始し、大当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S350)。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定し(S365)、肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S370)、確変カウンタが0か否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0をセットする(S380)。続いて、S380、又はS365,S375が否定判定なら(S365:no,S375:no)、時短フラグが1か否か判定し(S385)、肯定判定なら(S385:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S390)、時短カウンタが0か否か判定し(S395)、肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0をセットする(S400)。S365からS400によって、特別図柄が当否判定に応じたハズレ確定表示を行うごとに、高確率状態を規制する確変カウンタと時短(開放延長)状態を規制する時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで遊技状態が変化(時短(開放延長)状態が終了し、通常状態(通常確変状態で、且つ、通常開放状態)に移行)する。
続いて、S400、又はS385,S395が否定判定なら(S385:no,S395:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行い(S410)、S350,S410、又はS405の否定判定(S405:no)に続いては、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S355)リターンする。
図6に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図8のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示信号を送信してリターンする。
次に、図9に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、本発明の保留記憶図柄表示手段に相当する処理となる。本処理を開始すると、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S500)。否定判定なら(S500:no)、リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに+1し(S505)、演出図柄制御装置82に保留数表示信号を送信し(S510)、リターンする。演出図柄制御装置82は、保留数表示信号を受信すると、受信時の保留数カウンタ値に応じて演出図柄表示装置6上に保留図柄を表示する。本実施例では1個の保留記憶に対して1個の保留図柄を表示する構成であり、詳細については図を用いて後述する。なお、保留数カウンタの値は、後述する変動指示コマンド受信処理において変動指示コマンドを受信するごとにデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置50が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
また、サブ統合制御装置83に保留数カウンタを備えない構成も考えられる。この構成では、主制御装置80が送信する保留数指示コマンドが保留記憶数を示しサブ統合制御装置83は指示された数を保留記憶数として表示し、保留数指示コマンドは、変動開始時と、保留記憶発生時に主制御装置80から送信される構成となる。この構成でも、保留記憶図柄の増減タイミングは主制御装置80の保留数指示コマンドの送信タイミングと同じとなり演出図柄表示装置6上でも正確な保留数を報知することが可能となる。
次に、図10に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する先読判定コマンド受信処理を説明する。本処理は、本発明の先読演出手段に相当し実行態様選択手段を含む処理となる。本処理を開始すると、先読判定コマンド(図5、S120、又はS150に基づく)を受信したか否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)、リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、先読演出フラグが0か否か判定する(S605)。先読演出フラグはサブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら先読演出の実行中であることを、値が0なら先読演出の実行中ではないことをサブ統合制御装置83が判断する。なお、先読判定フラグは、フラグ設定に応じた先読演出の表示が終了した時点で0がセットされる。
S605が肯定判定なら(S605:yes)、振分乱数1を抽出し(S610)、受信した先読判定コマンドの内容(大当り(確変、非確変)、スーパーリーチ、リーチ、ハズレ)とS610で抽出した振分乱数1の値に基づいて、該内容と該値との組合せがサブ統合制御装置83が備える先読演出実行判定テーブルの実効値か否か比較する先読演出実行判定処理を行う(S615)。
続いて、S615の比較結果が実効値と一致(先読演出実行)したか否か判定し(S620)、否定判定なら(S620:no)リターンし、肯定判定なら(S620:yes)、先読演出選択処理を行う(S625)。先読演出選択処理では、後述する3種類の先読演出実行態様からいずれか一つを選択し、且つ、実行する(先読)保留演出と(先読)連続演出との演出内容の種類、及びそれぞれの先読演出の実行タイミングまで選択する。
続いて、先読演出フラグに1をセットし(S630)、S625で選択した保留演出と連続演出とを同様に選択した実行態様に基づいて表示する指示を演出図柄制御装置82に送信し(S635)リターンする。該指示を受けた演出図柄制御装置82は、後述する保留演出と連続演出との演出表示態様を、指示されたタイミングに基づいて順次演出図柄表示装置6に表示する処理を実施する。
S605が否定判定、即ち、先読演出の実行中なら(S605:no)、振分乱数2を抽出し(S640)、重複先読演出実行判断処理を行う(S645)。この重複先読演出実行判断処理では、実行中の先読演出を参照し、受信した先読判定コマンドの内容とS640で抽出した振分乱数2の値とに基づいて、実行中の先読演出に対して新たに重複して先読演出を実行することによって更に期待感を増幅させる先読演出実行態様(第2実行態様、又は第3実行態様)が可能かどうか判断する。
また、重複実行する場合は、既に実行しているいずれか(保留演出、又は連続演出)の先読演出のうち、最後まで残る先読演出とは異なる種類の先読演出を実施することで更に期待度を増加させる演出とすることができる(擬似的な第2又は第3実行態様、若しくは第2又は第3実行態様から更に先読演出が複合)。
続いて、S645の判断結果が重複した先読演出の実行か否か判定し(S650)、否定判定なら(S650:no)リターンし、肯定判定なら(S650:yes)、重複して実行する先読演出の種類と実行タイミングを選択し(S655)、S655で選択した保留演出又/及び連続演出を、同様に選択した実行タイミングに基づいて表示する指示を演出図柄制御装置82に送信し(S660)リターンする。
なお、先読み演出が実行中である場合、保留演出ならば重複先読み演出を実行し、連続演出なら重複先読み演出は行なわないといった構成や、先読み演出の実行中は一切重複させない構成なども考えられる。また、保留演出ならば、保留記憶に応じて保留図柄を表示しているため、対象となる保留図柄を先読み図柄に切替えるだけであり、重複しても大して問題はない。対して連続演出の場合は、演出態様として何回連続したかなどが大当りへの期待度を表すため重複させることが難しい。そのため、先読み演出実行中でもどちらの演出を実行中かで対応を変えることにより好適な演出を実行することができる。また、重複演出を一切行わないようにすることにより、特に第2実行態様と誤認させることを避けることができ、遊技者が勘違いすることを防ぐことができる。
次に、図11の図表を用いて、実施例1における第1実行態様から第3実行態様までの内容と、その選択率(S625で選択処理)を説明する。第1実行態様は、保留演出と連続演出とが各々単独で実行される場合となり、保留演出のみ(a)と連続演出のみ(b)とが選択される確率は、受信した先読判定コマンドの内容がハズレ非リーチであれば40%、ハズレノーマルリーチであれば30%、大当り又はスーパーリーチ(ハズレ)であれは5%に設定されている。
第2実行態様は、実行を判定する一つの先読演出コマンドの受信後、最初の特図の変動時には、少なくとも保留演出と連続演出との2種類の先読演出がどちらも実行される場合となり、この場合、二つの先読演出を同時に開始(表示)する場合(c)と保留演出を先に開始する場合(d)と、連続演出を先に開始する場合(e)とがあり、それぞれが選択される確率は、いずれも、受信した先読判定コマンドの内容がハズレ非リーチであれば5%、ハズレノーマルリーチであれば10%、大当り又はスーパーリーチ(ハズレ)であれは10%に設定されている。
第3実行態様は、実行を判定する一つの先読演出コマンドの受信後、いずれか一方(保留演出又は連続演出)の先読演出を特図の変動が所定回数行われる期間単独で実行した後該一方の先読演出と実行期間が重なるように他方の先読演出が開始される場合となり、この場合も、保留演出を先に開始する場合(f)と、連続演出を先に開始する場合(g)とがあり、それぞれが選択される確率は、いずれも、受信した先読判定コマンドの内容がハズレ非リーチであれば2.5%、ハズレノーマルリーチであれば5%、大当り又はスーパーリーチ(ハズレ)であれは30%に設定されている。
この設定内容が示すように、受信した先読判定コマンドの内容が大当り又はスーパーリーチ(ハズレ)(本発明の特定の値に相当)ならば、第1実行態様よりも第2実行態様が高確率で選択され、更に第2実行態様よりも第3実行態様のほうが高確率で選択される設定となっている。
これにより、始動口入賞に基づく保留記憶が、言い換えれば受信した先読判定コマンドの内容が大当りの期待できるものであれば、保留演出、又は連続演出の一方が単独で特図が所定回数の変動を行う期間実行された場合(この時点では第1実行態様)であっても、その後の実行期間中に他方が開始されることにより第3実行態様に発展し、期待度を大きく増加させる演出となる。また、例え第1実行態様から第2実行態様に発展したとしても、当初の第1実行態様よりは期待度を増加させることができる。
以下に、演出図柄表示装置6の表示内容について説明する。図12,図13は、演出図柄表示装置6に表示される先読演出の表示例を示し、上述したように、先読演出となる保留演出と連続演出とがそれぞれ単独で行われた場合は、第1実行態様となる。図12(1)は、特図が変動中に演出図柄表示装置6で表示される通常変動時の表示内容例となる。この場合、画面中央の擬似図柄表示領域では、変動中の第1特図又は第2特図に対応して左中右の擬似図柄が変動表示を実施する。また、画面左下の第1保留記憶数表示領域及び右下の第2保留記憶数表示領域では、保留図柄の表示数で各々の保留記憶数を報知する。
図12(1)の画面で第1保留記憶数表示領域に表示されている3個の保留図柄(3個の保留記憶があることを報知)は、全て通常の保留図柄となり、この保留図柄の表示態様を変化させることにより先読演出となる保留演出を実施する。具体的には、図12(2)の図表に示すように、保留演出を実施する先読保留図柄にはAからDまでの4種があり、先読保留図柄Aが表示されれば、その保留記憶の期待度が「低」であることを示唆し、先読保留図柄Bが表示されれば期待度が「中」であることを示唆し、先読保留図柄Cが表示されれば期待度が「高」であることを示唆し、先読保留図柄Dが表示されればその保留記憶が大当り確定であることを示唆する。従って、図13(1)の表示例では、3番目の保留記憶が先読保留図柄Aを表示していることより、当該変動表示が終了後3番目に変動を開始する保留記憶の期待度は「低」であることを示唆している。なお、S625において第3実行形態が選択された場合は、大当りの期待度が高い保留記憶であっても先読保留図柄Aが選択される確率が高くなっている。これにより、第3実行形態に発展した場合の遊技者が感じる期待度の振れ幅が望外に大きくなる。
図13(2)は、先読演出となる連続演出の表示例を示している。本実施例での連続演出は、複数回の擬似図柄の変動に亘ってキャラクタ(熊の達吉)が出現する構成となり、この熊の達吉の出現が連続するほど、遊技者は期待感を増幅させる。熊の達吉が出現すれば遊技者に連続演出であることを認識させるが、出現するタイミングは一定ではなく、変動開始時、変動中、変動終了時と1回の変動中にどのタイミングでも出現する。また、出現した熊の達吉が変動終了時まで表示を継続することもあれば、変動中に所定時間表示しその後の変動中に消える場合もある。
図14は、第2実行態様の表示例となり、詳しくは、保留演出と連続演出とを同時に開始する図11の図表(c)を示している。図14(1)は特図変動中の第1始動口11への遊技球入球に基づいて、保留図柄が1個増えた場面となる。サブ統合制御装置83は、該保留図柄を表示することとなった第1保留数指示コマンドと同時受信する当該保留記憶の先読判定コマンド(先読演出の開始契機となる先読判定コマンド)に基づいて、図14に示す第2実行態様(c)を実行することになる。
図14(1)の時点では、先読演出の開始契機となる先読判定コマンドに対応した保留記憶を示す保留図柄は通常保留図柄であり、開始契機となる先読判定コマンドは受信したが、未だ先読演出は開始されていない状態となる。
図14(2)は、(1)で変動中だった擬似図柄が停止し、確定表示を行っている場面となる。この時点でも、まだ先読演出は開始されていない。
図14(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶(一番左に表示されていた保留図柄に対応)の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時となり、この時点で、先読演出の開始契機となった先読判定コマンド((1)で受信)に起因して、対応する保留図柄が保留演出(先読保留図柄A)に変化し、連続演出として熊の達吉が表示される。これにより、「前記先読判定コマンド又は前記合成コマンドの受信を開始契機として、少なくとも、該受信後次の表示演出時には前記保留図柄演出と前記連続演出との双方が実行を開始する」構成となっている。保留演出は、始動口入賞時(保留数指示コマンド受信時)以外にも変動開始時に表示されるパターンがあり、それにより、図14のように同時に2種類の先読演出を開始することもできる。
図15も、保留演出と連続演出とを同時に開始するパターン(図11図表(c))となるが、図14とは開始タイミングが異なり、図15(1)に示すように、第1始動口11への入賞に起因して保留数指示コマンド及び先読演出の開始契機となる先読判定コマンドを受信すると、該受信に基づいて該受信時に保留演出と連続演出とを同時に開始している。(2)は、(1)で変動していた擬似図柄の確定表示時となり、先読保留図柄Aを表示する保留演出は継続しながらも熊の達吉は消えているが、連続演出として表示し続ける構成ならば熊の達吉の表示を継続していればよい。(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時を示し、この時点で熊の達吉が再度出現することで連続演出を継続し、先読保留図柄Aの保留演出も継続して実施され、この双方の先読演出は、先読保留図柄Aが示す保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示が開始されるまで継続する。
図16も第2実行態様の表示例となり、詳しくは、保留演出を先んじて実行し、次の変動表示が開始される時点から連続演出を開始するパターン(図11の図表(d))となる。この場合、図16(1)では、第1始動口11への入賞に起因して先読演出の開始契機となる先読判定コマンドを受信すると、該受信に基づいて該受信時から先読保留図柄Aを表示する保留演出を開始し、(2)は、(1)で変動していた擬似図柄の確定表示時を示し、保留予告を継続している。(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時を示し、この時点で熊の達吉を表示する連続演出を開始している。この構成も「前記先読判定コマンド又は前記合成コマンドの受信を開始契機として、少なくとも、該受信後次の表示演出時には前記保留図柄演出と前記連続演出との双方が実行を開始する」に相当する。
図17は、図16と同様のタイミングで保留演出と連続演出とを開始する第2実行態様を示しているが、図16と異なるのは、先に開始した保留演出となる先読保留図柄Aが連続演出の開始とタイミングを同じくして先読保留図柄Bに変化する点となる。この構成により、同じ第2実行態様であってもその実行過程において、より期待度をアップさせることができる。
また、この場合、先読保留図柄に変化する可能性があることを示唆するのみで、先読み判定内容を示唆しない先読保留図柄示唆図柄を第1始動口11への入賞に起因して表示しておき、連続演出の開始と共に先読保留図柄に変化するという構成でもよい。
図18も第2実行態様の表示例となり、詳しくは、連続演出を先んじて実行し、次の変動表示が開始される時点から保留演出を開始するパターン(図11の図表(d))となる(図16、17の逆のパターン)。この場合、図18(1)では、第1始動口11への入賞に起因して先読演出の開始契機となる先読判定コマンドを受信すると、該受信に基づいて該受信時から熊の達吉を出現させることで連続演出を開始し、(2)は、(1)で変動していた擬似図柄の確定表示時を示すが、この時点では一度出現した熊の達吉は消え、保留記憶図柄の態様に変化はない。(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時を示し、この時点で、開始契機となる先読判定コマンドに対応した保留図柄が先読保留図柄Aに変化し保留演出を開始すると共に連続演出を継続表示している。
図19,20,21は、第3実行態様の表示例となり、詳しくは、先読演出の開始契機となる先読判定コマンドの受信から、所定回数(例では3回)の変動表示が実施される間は保留演出のみを行い、保留演出を継続するその後の変動開始から連続演出も開始するパターン(図11の図表(f))となる。
図19(1)は、第1始動口11への入賞に起因して先読演出の開始契機となる先読判定コマンドを受信し、該受信に基づいて該受信時から先読保留図柄A(期待度小)を表示する保留演出を開始した状態を示している(第3実行態様を行う場合、保留演出として先読保留図柄Aが選択される確率が先読図柄BCDが選択される確率よりも高い)。(2)は、(1)で変動していた擬似図柄の確定表示時を示し、先読保留図柄Aを表示する保留演出が継続して実施されている。(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時を示し、この時点では、保留演出は継続しながらも連続演出は開始されていない。従って遊技者は、保留演出のみ実施する第1実行態様だと思い、且つ期待度の低い先読保留図柄Aであるため過度な期待を持たずに遊技を進行する。但し、遊技内容を熟知した遊技者においては、単独で先読保留図柄Aが実行されていることで第3実行態様への発展を期待しながら遊技を進行することになる。
このように、第3実行態様への発展の可能性を持たせることにより、結果的に第1実行態様の時だとしても大当りへの期待を持って遊技を行うことができ、遊技者をがっかりさせるような先読み演出状態を低減させることができる。また、保留演出は、先読保留図柄を変化させることにより期待度を変化させていく演出が主流であるが、それと組み合わせる事により先読保留図柄が変化するか、それとも連続演出が開始されるか、と多様な期待度の変化のさせ方が可能となる。
図20(4)は、(3)で変動を開始した擬似図柄の確定表示時を示し、先読保留図柄Aを表示する保留演出が継続して実施されている。連続演出はまだ開始されない。(5)は、(1)の第1始動口11入賞時において、2番目に古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時を示し、保留演出は継続しながらもまだこの時点でも連続演出は開始されていない。(6)は、(5)で変動を開始した擬似図柄の確定表示時を示し、先読保留図柄Aを表示する保留演出のみが継続して実施されている。
図21(7)は、(1)の第1始動口11入賞時において、3番目に古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時となり、保留演出はそのまま継続しながら、この時点で連続演出を開始することで先読演出の第3実行態様であることが分かる。この演出例は、先読演出の開始契機を同一の先読判定コマンドの受信としながらも、保留演出を3変動分先行して実行してから、該保留演出の実行中に連続演出を開始する構成となる。
本来、連続演出は何変動に亘って実行することにより大当りの期待度を示唆する演出となるが、この実施例の用い方では連続演出は2変動しか行なわれない。それでも保留演出と複合することにより期待度が高くなる設定にすることにより、連続回数でしか期待度を表せなかった連続演出を少ない連続回数でも十分に活かすことが可能となる。
図22,23,24も、第3実行態様の表示例となり、詳しくは、先読演出の開始契機となる先読判定コマンドの受信から、所定回数(例では2回)の変動表示が実施される間は連続演出のみを行い、3回目の連続演出継続時と同時に保留演出を開始するパターン(図11の図表(g))となる。
図22(1)は、特図変動中の第1始動口11への遊技球入球に基づいて、保留図柄が1個増えた場面となる。サブ統合制御装置83は、該保留図柄を表示することとなった第1保留数指示コマンドと同時に受信する当該保留記憶の先読判定コマンド(先読演出の開始契機となる先読判定コマンド)に基づいて、第3実行態様(g)を実行する。
図22(1)の時点では、先読演出の開始契機となる先読判定コマンドに対応した保留記憶を示す保留図柄は通常保留図柄であり、開始契機となる先読判定コマンドは受信したが、未だ先読演出は開始されていない状態となる。
図22(2)は、(1)で変動中だった擬似図柄が停止し、確定表示を行っている場面となる。この時点でも、まだ先読演出(連続演出)は開始されていない。
図22(3)は、(1)の第1始動口11入賞時において、最も古かった保留記憶(一番左に表示されていた保留図柄に対応)の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時となり、この時点で、先読演出の開始契機となった先読判定コマンド((1)で受信)に起因して、連続演出(熊の達吉を表示)を開始するが、開始契機となる先読判定コマンドに対応した保留図柄は通常のまま変化しない。
図23(4)は、(3)で変動を開始した擬似図柄が停止し、確定表示を行っている場面となる。この時点では、連続演出は既に開始されているが、保留演出はまだ開始されていない。
図23(5)は、(1)の第1始動口11入賞時において、2番目に古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時となり、この時点で、連続演出(熊の達吉を表示)の2回目の表示を実施するが、開始契機となる先読判定コマンドに対応した保留図柄は通常のまま変化しない。遊技者は、この時点では、連続演出のみ実施する第1実行態様だと思いながら、次回次々回の変動まで連続演出が継続するのを期待しながら遊技を進行することになる。なお、熊の達吉の表情に変化をつけることで(キャラクタの表示態様を変化させることで)、各表情に連続演出としての期待度を設定してもよく、その場合の(5)の状況で期待度が低い表情であれば、連続演出のみを実施する第1実行態様と思わせながら後に期待度の高い第3実行態様に発展することで、第3実行態様に発展した時点での期待度の振れ幅を大きくすることができる。
図23(6)は、(5)で変動を開始した擬似図柄が停止し、確定表示を行っている場面となる。この時点では、連続演出を2回行っているが、保留演出はまだ開始されていない。
図24(7)は、(1)の第1始動口11入賞時において、3番目に古かった保留記憶の抽選(当否判定)に基づく変動表示の開始時となり、3回目の連続演出を継続しながら、この時点で先読予告の開始契機となった保留記憶が通常保留図柄から先読保留図柄に変化することで先読演出の第3実行態様であることが分かる。この演出例は、先読演出の開始契機を同一の先読判定コマンドの受信としながらも、先行した連続演出の3変動目から保留演出を開始する構成となる。これにより、連続演出が複数回実施され期待感がアップしたところで更に保留演出も出現することでより一層期待感が増加する。
実施例1では、図11の図表に示したように、サブ統合制御装置83が受信した先読判定コマンドの内容が特定の値(大当り又はスーパーリーチ(ハズレ))なら、第3実行形態を選択する確率が最も高く、その次に第2実行形態となり、第1実行形態が選択される確率は最も低い。この構成により、先読判定結果が特定の値の場合、第1実行態様で先読演出が開始されても、第3実行態様になるかもしれないと期待することができ、第2実行態様は第1実行態様よりも特定の値であることに期待が持てることから、いずれの先読演出が開始されても期待を持ちながら遊技をすることができる。更に、最終的に実施される擬似図柄の変動演出も大当り、若しくはスーパーリーチとなるため、それまでの演出過程と乖離することはない。