以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、遊技盤1の正面図である。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の右側が第1遊技領域3a、左側が第2遊技領域3bとなる。遊技球が所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第1遊技領域3aとなり、第2遊技領域3bは「第1遊技領域3aへは到達しない発射強度で発射された遊技球が流下する遊技領域」となる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第1遊技領域3a(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第2遊技領域3b(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには複数の遊技釘が植設されている。
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり本発明の演出表示装置に相当)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5に向かって右側方には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。センターケース5の直下には、内部に第1始動口11と第2始動口12aとを備えた始動振分装置33(本発明の始動口振分手段に相当)が配置されている。なお始動振分装置33の詳細な構成及び作用については図を用いて後述する。
始動振分装置33の右側方には、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成された第2始動口12bが設けられている。つまり、第2始動口12bは、普通図柄抽選での当選時のみ、つまり普通電動役物の開放時にのみ、遊技球が入球可能となっている。
該第2始動口12b並びに始動振分装置33に内蔵された第1始動口11及び第2始動口12aへの遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われるよう構成されている。
第2始動口12bの右上方には、大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の普通入賞口31〜32が配設されている。
なお、本実施形態では、第2始動口12b及び始動振分装置33に内蔵された第2始動口12aは何れも、遊技盤1の内部に設けられた第2始動口スイッチ12c(図3を用いて後述)に連通しており、共に入球した遊技球を該第2始動口スイッチ12cにて検出するようになっている。但し、各々個別のスイッチを設けて、其々の検出信号を共に第2始動口の通過検出として処理するように構成しても良い。また、始動振分装置33に内蔵された第1始動口11は、遊技盤1の内部に設けられた第1始動口スイッチ11a(図3を用いて後述)に連通しており、入球した遊技球を該第1始動口スイッチ11aにて検出するようになっている。
第1始動口11又は第2始動口12a若しくは第2始動口12bに遊技球が入球すると、当該入球に起因して、複数種類の乱数が抽出され、保留記憶として記憶される。第1始動口11への入球に起因して抽出された乱数に基づいて、第1特別図柄(第1特図とも呼称する)が変動表示され、第2始動口12a又は第2始動口12bへの入球に起因して抽出された乱数に基づいて、第2特別図柄(第2特図とも呼称する)が変動表示される。
普通電動役物として構成された第2始動口12bは、普通図柄抽選での当選時に、所定の回数にわたり、所定時間の開放(具体的には、本実施形態では落下してきた遊技球を受け止めて機内に誘導するための舌片部材が、後方から前方に向かって進出し、該進出状態を維持する)が行われる。具体的には、通常の遊技状態であれば、1回の当選により約1.6秒の開放が1回行なわれる。すなわち、普通電動役物(第2始動口12b)は、普通図柄の普図当否判定に応じて開放される。なお、第2始動口12bとしての普通電動役物は、本実施形態の上述した構成すなわち舌片部材の進退変位によって開放或いは閉鎖を実現するものに限らず、一般的な所謂チューリップ式普通電動役物で構成するようにしても良い。
遊技盤3の右下には、第1始動口11への入球に起因して変動する第1特別図柄(第1特図、とも呼称する)を表示する7セグメントの第1特図表示装置9と、第2始動口12a又は第2始動口12bへの入球に起因して変動する第2特別図柄(第2特図、とも呼称する)を表示する7セグメントの第2特図表示装置10と、第1始動口11への入球に起因して記憶される第1保留記憶(本発明の第1保留記憶に相当)の数を表示する4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18と、第2始動口12a又は第2始動口12bへの入球に起因して記憶される第2保留記憶(本発明の第2保留記憶に相当)の数を表示する4個のLEDからなる第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
なお、本実施例の第1特図保留数表示装置18a及び第2特図保留数表示装置18bは、何れも4個のLEDによって各々保留上限数4個の保留記憶を表示可能な構成となっている。さらに、本実施例では、始動振分装置33によって、第1保留記憶と第2保留記憶が交互に増加して、合計8個の保留記憶を上限数として記憶可能となっている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12a又第2始動口12bとの区別に拘わらず、始動口への入球順に従って保留記憶の当否判定を行う構成となっている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した図柄態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図3参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図3参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施例におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口11、第2始動口12a、及び第2始動口12bへの遊技球入球に基づく当否判定は、通常遊技状態(低確率遊技状態)と、該通常遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常(低)確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
また、普通電動役物(第2始動口12b)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は1.6秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時(開放延長状態)では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物は2.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された短縮用の変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機と同じくして作動する。なお、普通電動役物の作動は、普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球に起因して行われるため、開放延長機能作動時(開放延長状態)は、遊技者は第1遊技領域3aを遊技球が流下するように発射強度を調節して遊技することになる。また、センターケース5の成形形状と遊技釘の植設位置により、第1遊技領域3aを流下した遊技球は始動振分装置33には入球しない構成となり、第2遊技領域3bを流下した遊技球のみが始動振分装置33に入球する構成となる。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
次に、図2を用いて始動振分装置33の構成について説明する。図2は、始動振分装置33の構成を説明するための概略正面図であって、内部構造が判り易いように、前方手前側から所定位置にて切断した断面図となっている。始動振分装置33は、遊技盤1の表側面に該始動振分装置33を取り付けるための取付基板33bと、該取付基板33bの前方に図示断面異型状で且つ内部に遊技球の振分け可能な空間が形成されたハウジングとしてなるハウジング部材33cと、で構成される。
取付基板33bは、皿ビスを前方から挿入して遊技盤1に螺着可能な4箇所のビス孔が穿設されてなる。なお、図2に示すハウジング部材33cは、上述したように内部構成が判り易い状態で図示するため、ハウジング部材33cの最も前方の位置に設けられて遊技球が外部へ流出することを防止するハウジング蓋体(図示しない)を、便宜上、取り外した状態で図示している。ハウジング部材33cの上部には、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能に上方に向かって入球口33aが開設されている。
また、ハウジング部材33cの下部両側には其々、入球口33aからハウジング部材33c内部に入球した遊技球を、ハウジング部材33cの後方に排出する(パチンコ機50内部に取り込む)ための第1始動口11と第2始動口12aが前方に向かって開設されている。第1始動口11は、図示しない第1始動口スイッチ11aに連通し、第2始動口12aは、同じく図示しない第2始動口スイッチ12cに連通するように構成されている。更に、第1始動口11及び第2始動口12aの前方には、遊技球を各始動口へ誘導するための誘導レールが前方視断面略横向きE字状に形成されている。該誘導レールは、後方に向かって下り傾斜して形成されている。これによって、入球口33aからハウジング部材33c内部に入球した遊技球が、次に説明する振分部材34により何れかの誘導レールに振り分けられると、遊技球を確実且つ速やかに第1始動口11又は第2始動口12aに誘導可能となっている。
ハウジング部材33cの略中央には、左右対称な前方視断面錨状に形成され且つ中央の支軸34aにて左右に揺動(回動)可能に枢設されてなる振分部材34を備える。振分部材34の直下位置には、振分部材34が時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の右側下部が当接することで振分部材34の時計回りの揺動を停止させ、且つ、振分部材34が反時計回りに所定角度だけ揺動した位置で、振分部材34の左側下部が当接することで振分部材34の反時計回りの揺動を停止させるストッパー部材33dが、前方視断面二等辺三角形状で前方に突出して形成されている。
なお、振分部材34は、時計回りに揺動してストッパー部材33dに当接した場合(図2(e))、自重によって該姿勢を維持して半時計回りに逆回転しないように構成されている。そして、当該姿勢において、上方の入球口33aから遊技球が入球すると、落下してきた遊技球を振分部材34の左上部の凹部にて受け止めることで(図2(a))、重心位置が変化して、反時計方向に揺動してそれ以上の揺動をストッパー部材33dにて停止されて(図2(b))、再度自重により当該姿勢を維持するように構成されている。
この際、振分部材34は、先に受け止めた遊技球を、左下方に位置する誘導レール上に落下させて、第1始動口11に向けて振分け可能に構成される。同様に、振分部材34は、遊技球を右下方に位置する誘導レール上に落下させて、第2始動口12aに向けて振分け可能に構成される。このように、始動振分装置33は、入球口33aから遊技球が入球する都度、該遊技球を第1始動口11と第2始動口12aに交互に且つ1個ずつ振分けることが可能に構成されている。
続いて、図3に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図3には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。
パチンコ機の電気的構成は、図3のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80(本発明の主制御装置に相当)、払出制御装置81、演出図柄制御装置82(本発明の演出制御装置に相当)、サブ統合制御装置83(本発明の演出制御装置に相当)のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12a及び第2始動口12bに入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12c、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31,32に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ31a等の検出信号が遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図2では普電役物と表記)12bを制御することで第2始動口12となるふるう電動役物の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータに送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成され、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を駆動させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット24(プリペイドカードユニット)と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。尚、払出制御装置81と発射制御装置84とは払出制御装置81から発射制御装置84への一方向通信回路として構成されている。
サブ制御装置に該当するサブ統合制御装置83は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備え、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び遊技ボタン67の入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置83には、音量調節83a、遊技者が操作可能な遊技ボタンの操作を検出する遊技ボタンスイッチ67aなどの操作信号が入力される。そしてサブ統合制御装置83は、スピーカ66を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ26の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置82へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様を指示するコマンドを送信する。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置6のLCDパネルの表示を制御する。
次に、作動の詳細を主制御装置80で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。図4は主制御装置80で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示す。「メインルーチン」はマイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば、前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(初期乱数更新処理(S80))に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)が行われる。
続く入賞確認処理(S60)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、及び普通図柄作動ゲート17への入球、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。続いて、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
次に図5に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口11、第2始動口12a及び第2始動口12bに遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理(本発明の保留記憶手段に相当)となる。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを、後述する当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理(先読判定手段)を行う。また、始動入賞処理では、第1始動口11、第2始動口12a及び第2始動口12bへの入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶(本処理の第1保留記憶に相当)、第2始動口12a及び第2始動口12bに遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶(本処理の第2保留記憶に相当)、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12a及び第2始動口12bに遊技球が入賞したとき、又は普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数(本発明の乱数に相当)を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起させる値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。
続いて、S115の判定結果に基づいて第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12cが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、S160に進み、肯定判定なら(S130:yes)、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S135:no)、S160に進み、肯定判定であれば(S135:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数(本発明の数値データに相当)を第2保留記憶として記憶し(数値データ抽出手段と保留記憶手段)、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S140)、S110と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S145)(先読判定手段)。
続いて、S145の判定結果に基づいて第2先読判定コマンド(先読判定信号)を生成してサブ統合制御装置83に送信し(S150)(先読判定信号送信手段)、S140で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S155)、S160に進む。
S160では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S160)。否定判定なら(S160:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S160:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S165)。否定判定なら(S165:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S165:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S170)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S175)、リターンする。
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する保留図柄(本発明の保留記憶図柄に相当)の数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告演出の実施が可能となる。
次に、図6から図8に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する当否判定処理を説明する。本処理は、第1保留記憶と第2保留記憶の当否判定及び該当否判定の結果に応じた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間、確定図柄、を選択する処理となる。従って本処理は、本発明の当否判定手段と変動時間選択手段とを含む処理となる。
当否判定処理を開始すると、条件装置が作動中、即ち大当り遊技中か否かを判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、リターンし、大当り遊技中でなければ(S200:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S205)、変動中でなければ(S205:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、保留記憶が有るか否か判定し(S220)、否定判定なら(S220:no)リターンする。
続いて、S220が肯定判定なら(S220:yes)、確変フラグが0か否か判定する(S225)。確変フラグは主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら高確率遊技状態であることを、値が0なら通常遊技状態(低確率状態)であることを判断する。S225が否定判定、即ち、高確率遊技状態中なら(S225:no)、高確率遊技状態中の処理を行うが、高確率遊技状態では、上述した当否判定時の確率が異なるだけとなり従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。
S225が肯定判定なら(S225:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S230)。これにより最も古い(保留記憶されてから最も時間が経過している)第1又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S235)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS240では、S235の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本発明の当否判定手段に相当)。肯定判定なら(S240:yes)、図柄モード設定処理を行う(S245)。図柄モード設定処理では、判定対象となる第1又は第2保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態(図表を用いて後述)を決定する図柄モードを設定する。
続いて、設定した図柄モードの種類と大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S250)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当り遊技の種類を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する大当り図柄を決定する処理となる。
次にS245で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S255)。モードバッファは当否判定時に確定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S245で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S260)、当否判定の対象とした第1又は第2保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを選択する変動パターン選択処理を行う(本発明の変動時間選択処理に相当)(S265)。
本実施例における変動パターン選択処理を図9に示したフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、本処理の処理対象が第1特図か否か判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、保留記憶を参照して、第1保留記憶と第2保留記憶との記憶順と保留記憶数を確認し(S505)、保留記憶数が4個以下か否か判定し(S508)、否定判定ならS530に進み、肯定判定なら(S508)次回の当否判定処理の対象が第2保留記憶か否か判定する(S510)。
S510が肯定判定、即ち、第1特図の変動パターン選択時に、次の選択対象が第2保留記憶となるなら(本発明の「前記保留記憶手段が記憶する前記第1保留記憶と前記第2保留記憶との記憶順が所定の順番であれば、」且つ、「前記第1保留記憶を対象とした変動時間の選択時に次の選択対象が前記第2保留記憶となる順番」の構成に相当)(S510:yes)、特定変動時間選択テーブル(特定選択テーブル)を設定し(S515)、設定した特定選択テーブルから第1特図の変動パターン(変動時間)を選択し(S520)、特定フラグに1をセットして(S525)リターンする。特定フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら特定選択テーブルが既に設定してあることを、値が0なら通常変動時間選択テーブル(通常選択テーブル)が設定してあることを主制御装置80が判断する。
S508、又はS510が否定判定なら、(S508:no、S510:no)、通常選択テーブルを設定し(S530)、設定した通常選択テーブルから第1特図の変動パターンを選択し(S535)、リターンする。
S500が否定判定、即ち、選択対象が第2特図なら(S500:no)、特定フラグが1か否か判定し(S540)、肯定判定なら(S540:yes)、既に設定済の特定選択テーブルから第2特図の変動パターンを選択し(S550)、特定フラグに0をセットして(S555)リターンする。S540が否定判定なら(S540:no)、既に設定済の通常選択テーブルから第2特図の変動パターンを選択し(S565)リターンする。以上が、本実施例における変動パターン選択処理となるが、特定変動時間選択テーブルの設定は、通常遊技状態(低確率遊技状態且つ非開放延長状態)であることを条件に行うのが好適である。
図6に戻り、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、第1又は第2特別図柄の大当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。但し、特定選択テーブルを用いて選択された第1特図の変動パターンを示す変動指示コマンドを送信した場合は、擬似図柄の演出変動表示は行われない。
S240が否定判定、即ちハズレなら(S240:no)、S235の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S275)、肯定判定なら(S275:yes)、小当り図柄を選択し(S280)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S260)、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S265)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。この場合も、特定選択テーブルを用いて選択された第1特図の変動パターンを示す変動指示コマンドを送信した場合は、擬似図柄の演出変動表示は行われない。
S275が否定判定なら(S275:no)、ハズレ図柄を選択し(S285)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S265)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S270)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。この場合も、特定選択テーブルを用いて選択された第1特図の変動パターンを示す変動指示コマンドを送信した場合は、擬似図柄の演出変動表示は行われない。
次に、S205が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S205:yes)、図7のフローチャートに進み、特別図柄の変動時間(S265で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。肯定判断なら(S300:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS250,S280又はS285で選択した確定図柄を確定表示させる(S305)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と擬似図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。但し、本実施例では、特定変動時間選択テーブルを用いて第1特図の変動時間が選択された場合は、演出図柄表示装置6では擬似図柄の変動自体が行われないため確定表示も行われない。
S305に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が大当り図柄か否か判定し(S310)、肯定判定なら(S310:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S315)、確変フラグが1か否か判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、確変フラグに0をセットする(S325)。S325、又はS320の否定判定(S320:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定する(S330)。時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、尚且つ普通電動役物(第2始動口12b)の開放延長機能が作動する時短状態(開放延長状態)であることを、値が0なら非時短状態であることを判断する。S330が肯定判定なら(S330:yes)、時短フラグに0をセットする(S335)。
S335、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S340)と、役物連続作動装置作動開始処理(S345)とを行うことで大当りを開始し、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S350)。
一方、S310が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S310:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S360)、確変フラグが1か否か判定し(S365)、肯定判定なら(S365:yes)、確変カウンタからデクリメントし(S370)、確変カウンタが0か否か判定し(S375)、肯定判定なら(S375:yes)、確変フラグに0をセットする(S380)。
S380、又はS365,S375が否定判定なら(S365:no,S375:no)、時短フラグが1か否か判定し(S385)、肯定判定なら(S385:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S390)、時短カウンタが0か否か判定し(S395)、肯定判定なら(S395:yes)、時短フラグに0をセットする(S400)。S365からS400によって、特別図柄が当否判定に応じた確定表示を行うごとに、高確率遊技状態と時短状態を規制する確変カウントと時短カウンタとが計数され、これらのカウンタが所定値に至ることで高確率状態及び時短状態が終了する。
続いて、S400、又はS385,S395が否定判定なら(S385:no,S395:no)、確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、小当り遊技の作動開始を行う処理を行なう(S410)。S350,S410、又はS405の否定判定(S405:no)に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S355)リターンする。
図6に戻り、S210が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S210:yes)、図8のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S450)、肯定判定なら(S450:yes)、確定図柄表示終了処理(S455)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に疑似図柄の確定表示を終了させる指示を行う。
次に、図10を用いて、通常変動時間選択テーブルと特定変動時間選択テーブルとにおける第1特別図柄と第2特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。1の図表は通常変動時間選択テーブルから選択される変動パターンの一例となり、最も多く選択される変動パターン1の通常変動は、第1特図と第2特図とのどちらも11.0秒に設定されている。対して、2の図表は特定変動時間選択テーブルから選択される変動パターンの一例となり、最も多く選択される変動パターン1の通常変動Aは、第1特図の変動時間が0.6秒となり、第2特図の変動時間は21.4秒となる。この場合の第2特図の21.4秒という変動時間は、リーチパターンの変動時間と大差のない時間設定となっている。
最も多く選択される変動パターン1が上記した時間に設定されていることにより、特定変動時間選択テーブルにおける第1特別図柄の平均変動時間は、通常変動時間選択テーブルよりも短くなり、第2特別図柄の平均変動時間は、通常変動時間選択テーブルよりも長くなる。なお、「特定変動時間選択テーブル」を用いるのは、全体の保留記憶数(第1保留記憶と第2保留記憶のトータル)が2〜4個の場合となり、全体の保留記憶数がそれより多い場合は、変動時間短縮用の他の変動時間選択テーブルが用いられる。
次に、図6のS245で設定された図柄モードによって実施される大当り遊技の種類とその内容について図11の図表を用いて説明する。図11の図表に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、大当り図柄1,2は共通の内容となる。具体的には、大当り図柄1の場合は、最大29秒間又は9カウントまでの大入賞口14の1回の開放が15ラウンド継続する大当り遊技を行い、該大当り遊技後は確変状態と時短状態とに移行し、その遊技状態を次回の大当りまで継続する内容となる。大当り図柄2の場合は、最大29秒間又は9カウントまでの大入賞口14の1回の開放が15ラウンド継続する大当り遊技を行い、該大当り遊技後は時短状態に移行し(大当り確率は通常確率)、その遊技状態は特別図柄が100回の変動を行うまで継続する。
第1特図は、第2特図にはない大当り3を備えており、この大当り3は所謂突確大当り(大当り出玉の獲得は望めないが遊技状態が確変状態に移行する大当り)となり、具体的には、第1特図が大当り3の場合は、1秒間又は9カウントまでの大入賞口14の1回の開放を2回継続する大当り遊技を行い、該大当り遊技後は確変状態に移行し(時短状態且つ開放延長状態へは移行しない)、その遊技状態を次回の大当りが生起するまで継続する内容となる。なお、小当り遊技は、大入賞口14が1秒間の開放を2回行う作動を行うが、この作動内容は、大当り3の大入賞口14の作動と同一の作動内容となり、大入賞口14の動きを見ただけでは、遊技者は確変大当りか小当りかを判別できない。
次に、図12を用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数指示コマンド受信処理を説明する。本処理は、図5のS125及びS155によって主制御装置80から送信される第1保留記憶と第2保留記憶との数を示す信号の受信に基づいて、保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する処理となる。なお、第1保留記憶と第2保留記憶とで共通の処理が行われるが、演出図柄表示装置6に表示される保留図柄の表示態様は異なる。
本処理を開始すると、第1又は第2保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:no)、リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに+1し(S605)、受信した保留数指示コマンドの種類に応じて、演出図柄制御装置82に演出図柄表示装置6に第1又は第2保留図柄を表示する保留数表示指示信号を送信し(S610)、リターンする。
次に、図13を用いて、本実施例においてサブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理1を説明する。本処理は、図6のS270によって主制御装置80から送信される変動指示コマンドの受信に基づいて、第1又は第2特図の変動に対応した擬似図柄の演出変動を、演出図柄表示装置6上で実施する処理となる。
本処理を開始すると、変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S700)。否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、振分乱数1を抽出し(S705)、特定変動フラグが0か否か判定する(S710)。特定変動フラグは、サブ統合制御装置83が記憶する値であり、値が1なら、特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンに対応した処理が行われたことを、値が0なら、それ以外の処理が行われたことをサブ統合制御装置83が判断する。
S710が肯定判定なら(S710:yes)、受信した変動指示コマンドの内容を参照し(S715)、受信した変動指示コマンドが特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンか否か判定し(S720)、肯定判定なら(S720:yes)、受信した変動指示コマンドの内容を記憶し(S725)、特定変動フラグに1をセットして(S730)リターンする。従って、特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンを示す変動指示コマンドを受信した場合は、該コマンドの内容を記憶するだけで該コマンドに応じた演出図柄表示装置6上での擬似図柄の演出変動表示は行われない。
S720が否定判定、即ち、受信した変動指示コマンドが、特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンを示さなければ(S720:no)、通常の演出態様選択処理として、受信した変動指示コマンドの内容とS705で抽出した振分乱数1の値に応じて、サブ統合制御装置83が複数備える演出態様と確定表示する擬似図柄の中から一つを選択し(S735)、演出図柄表示装置6で選択した演出変動表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S740)リターンする。
S710が否定判定、即ち、前回の本処理で特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンに対応した処理が行われていたなら(S710:no)、受信した変動指示コマンドの内容とS725で記憶した変動指示コマンドの内容を参照し(S745、S750)、参照内容に基づいて第2特図の変動に対応した特定演出態様選択処理を行い(S760)、S725で記憶した内容を消去し(S765)、特定変動フラグに0をセットし(S770)、前述したS740に進む。なお、S760で選択する特定演出態様については、図を用いて後述する。
以上が、本実施例においてサブ統合制御装置83が実行する変動指示コマンド受信処理1となる。受信した変動指示コマンドが、特定変動時間選択テーブルから選択された第1特図の変動パターンを示す場合は(S720が肯定判定)、受信した変動指示コマンドの内容を記憶してフラグを立てる(特定変動フラグ=1)だけで、S740の擬似図柄演出変動指示が行われないため、当該第1特図の変動(0.6秒)に対応した擬似図柄の演出変動も確定表示も行われないが、次回の第2特図の変動に対応した演出変動はその時間も長くなり(21.4秒)、当該第2特図の変動に対応した演出変動で直前の第1特図の当否判定をも含めて示唆する演出表示を実施する構成となる。
次に、図14,15に示したタイミングチャートと図17,18に示した演出図柄表示装置6の表示例を用いて、実施例1における第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間と演出図柄表示装置6上での演出表示時間とその演出表示例の関係を説明する。図14の1のタイミングチャートは、第1特図と第2特図との変動時間がどちらも通常の変動時間選択テーブルを用いて、連続して変動パターン1が選択された場合を示している。本実施例におけるこの状況は、例えば、第1特図の変動開始時には保留記憶がなく、変動を開始してから第2保留記憶が発生した場合に起こる状況となる。この図14の1では、第1特別図柄が11.0秒の変動表示を行ったあと、連続して第2特別図柄が11.0秒の変動表示を行い、演出図柄表示装置6においても、それぞれの特図の変動時間に対応して擬似図柄の演出変動が行われる。
この場合の演出図柄表示装置6における演出変動が図17の1(a)(b)となる。(a)(b)では、画面中央に配置された擬似図柄表示領域において、第1特図又は第2特図に対応した左右中の擬似図柄が変動表示と確定表示を行う。画面下部右端は第4図柄表示領域となり、該領域内の左の図形が点灯時は表示中の擬似図柄が第1特図に対応していることを、右の図形が点灯時は表示中の擬似図柄が第2特図に対応していることを示す構成となっている。また、画面下部左端から中央にかけては保留記憶数表示領域となり、第1保留記憶に対しては第1保留図柄が、第2保留記憶に対しては第2保留図柄が識別可能に表示され、左端に表示された保留図柄が最も古い保留記憶を示し、右に行くほど新しくなる。従って、左端の保留記憶から消化され、消化される毎に保留図柄が左にシフトする。
図14の2は、連続した第1特図と第2特図との変動表示が、特定変動時間選択テーブルを用いてどちらも変動パターン1が選択された場合(もっとも多いパターン)を示している。この場合は、第1特別図柄が0.6秒の変動表示を行ったあと、連続する第2特別図柄の変動時間が21.4秒となり、演出図柄表示装置6においては、第1特図の変動時には、その変動時間中に第1特図に対応した演出表示は一切行われず、引き続き実施される第2特図の変動に対応した演出変動時間において、直前の第1特図と当該第2特図の当否判定結果に応じた演出変動(リーチ態様)が実施される。
この場合、演出図柄表示装置6における第2特図の変動に対応した演出変動例が図17の2となる。基本の画面構成は(a)(b)と同じとし、特定変動時間選択テーブルで選択された第2特図の変動を指示する変動指示コマンドを受信すると、S760の処理によって擬似図柄表示領域の上部に演出表示領域が出現し、該領域内で直前の第1特図の当否判定結果と当該第2特図の当否判定結果とに応じた演出表示を行う。この図例では、第1特図も第2特図もどちらもはずれ変動であるため、21.4秒間の第2特図に応じた演出変動期間ではリーチ演出を行う。具体的には、演出表示領域にキャラクタ(熊の達吉)とそのセリフとして文字列(リーチ)!を表示する。
図15は、先に変動する第1特図が突確大当りした場合の通常変動時間選択テーブル使用時と特定変動時間選択テーブル使用時とを示したタイミングチャートとなる。1の通常変動時間選択テーブルを用いた場合のタイミングチャートは、第1特別図柄の11.0秒の変動表示後突確大当りが発生し、大入賞口14が1秒間の開放動作を2回実施すると、引き続き第2特別図柄が11.0秒の変動を行うことを示している。
この場合の演出図柄表示装置6における演出変動表示は、第1特図の11.0秒の変動中は該変動に応じた演出変動(図17の1(a)に準ずる)を行い確定図柄の表示時から大入賞口14の作動(小当り遊技と同一内容)が終了するまで、小当りか突確大当りかどちらかわからない演出表示を行い、引き続き実施される第2特図の変動に応じて演出表示では、図18の3に示す潜伏演出を行う。具体的な表示は、演出表示領域に「潜伏ゾーン もしかしたら確変状態かも」の文字列と、緊張して冷や汗をかいたキャラクタを表示する。
2の特定変動時間選択テーブルを用いた場合のタイミングチャートでは、第1特別図柄の0.6秒の変動表示後突確大当りが発生し、大入賞口14が1秒間の開放動作を2回実施すると、引き続き第2特別図柄が21.4秒の変動を行うことを示している。この場合の演出図柄表示装置6の演出表示においては、第1特図の変動開始から大当り遊技終了まではその期間に対応した演出表示は一切行われず、引き続き実施される第2特図の変動に対応した演出変動時間において、直前の第1特図と当該第2特図の当否判定結果に応じた演出変動(リーチ態様)が実施され、その具体的な表示例が図18の4の内容となる。具体的な表示内容は、演出表示領域に「特別演出ゾーン!実は既に確率変動!」の文字列と笑顔のキャラクタを表示する。
本実施例においては、保留記憶が記憶する第1保留記憶と第2保留記憶の順番を2個(目)まで参照して、変動時間選択テーブルを通常から特定に変化させたが、2個までに留めず、例えば保留記憶内容の4個目までの保留記憶の順番が所定の順番(第1と第2が交互に記憶)であれば、変動時間選択テーブルを特定に設定する構成としてもよい。この構成(変形例)を示すタイミングチャートが図16となる。この変形例では最初から3個目までは1回の変動が0.6秒に短縮され、3回の変動が終了するまでは演出図柄表示装置6において、対応する演出表示が行われず、最後の第2特図の変動表示が変動時間が42.2秒まで延長され、その間の演出図柄表示装置6では、直前の第1,2,1特図と当該第2特図の当否判定結果に応じた演出変動が行われる。
最後の第2特図の変動時間が42.2秒まで延長することにより、ゲームが好適に進行するために設定されている単位時間当たりの入球数に対して図柄の変動時間が短くなりすぎ、特図が変動していない時間が多くなりすぎるのを防ぐことができる。
なお、本実施例では、第1保留記憶と第2保留記憶が連続した場合、第1特図の変動の開始から第2特図の変動の終了までのトータル変動時間を、通常変動時間選択テーブルを用いた場合と特定変動時間選択テーブルを用いた場合とでほぼ同一時間として時間的な差を設けない構成で説明したが、必ずしも同一時間にしなくてもよい。
特定変動時間選択テーブルを用いた場合の方がトータル変動時間が短くなる構成ならば、演出上の特典を与えるとともに変動時間の短縮の効果も持たせることができる。特定変動時間選択テーブルを用いた場合の方がトータル変動時間が長くなる構成ならば、それだけ演出を行う時間を長くすることができるため、演出上の特典を向上させることができるといった効果が望める。
また、演出図柄表示装置6で実施する演出内容は、第1特図と第2特図の組み合わせ(保留順番)で判断したが、第1特図の変動が連続する状態などを対象としたり、同じ第1、第2の並びであっても、保留記憶数として何番目かも条件に加えて判断することも考えられる。第1特図の連続は、なかなか狙って実施できる状況ではないため、普段よりも希少な演出を表示したりして、イレギュラーな保留順番の成立に達成感を持たせることができる。また、例えば保留6個目と7個目の並びが第1保留記憶と第2保留記憶の順番になった場合に特定変動時間にすれば、保留記憶の個数と保留記憶種類の順番とを意識しながら遊技することができる。