JP6373276B2 - アクリル酸アルキルを製造するための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続エステル交換によるアクリル酸アルキルの製造に関する。
エステル交換によるエステルの製造は、数十年間にわたって、アクリルの分野において広く普及した反応である。これにもかかわらず、粗反応生成物を処理することおよび所望の生成物を精製された形態で得ることには、数多くの技術的課題があり、数多くの開発の主題になっている。
エステル交換反応は、以下の一般式(1):
Figure 0006373276
に従い、通常、触媒および重合防止剤の存在下、「重質」と称される「長」鎖アルコールの存在下において、「軽質」と称される「短」鎖アクリル酸アルキルが関わる。
この平衡を「長」鎖アクリル酸アルキルの形成の方向にシフトさせるために、反応中に生成される「軽質」アルコールを除去する必要がある。この反応は通常不純物を生成する二次反応を伴い、この不純物は、モノマーとしての最終用途に関連する技術的要件を満たすのに十分高いレベルの純度で所望のアクリル酸アルキルを得る目的で除去されなければならない。このようにして得られたアクリル酸アルキルは、数多くの応用分野において使用することができる(コ)ポリマーの製造に使用される。
さらに、明らかな経済的理由のために、粗反応生成物混合物中に存在する利用可能な生成物、特に未反応の反応物および触媒は、できる限り、この方法において再利用される。
利用可能な生成物の再利用と並んで、所望の生成物が単離され、精製される必要がある。このために、一連の蒸留、抽出および/または沈降操作を含む数多くの分離/精製方法が用いられる。
例えば、文献US6977310は、軽質生成物を分離する第1の蒸留塔によって粗反応生成物を処理し、重質生成物を第2の塔に送ることにより、所望の生成物を触媒および重合防止剤から分離することを開示している。
文献US7268251は、触媒を分離するための蒸発装置を含む、所望の生成物を精製する少なくとも4つの蒸留塔または精留塔を含む、粗反応生成物を処理する様々な方法を開示している。
文献US7268251に記載されている方法は、高い純度の生成物および満足できる生産性を得るための4つの連続的な蒸留/精留エレメントにおける操作条件の最適化が原因で、工業規模で実行するには複雑であることが判明している。
文献JP2005−239564では、「仕切り壁」技術(仕切り壁塔)を使用する蒸留塔の使用が、(メタ)アクリル酸エステルの反応混合物を精製するために提唱されている。これにもかかわらず、ただ1つの塔の使用に基づくこの技術は、従来の塔と比べたときのコスト(仕切り壁を設置しなければならない。)および処理される流れのタイプの変更に関する融通性の欠如などの欠点を有する。
アクリル酸アルキルを製造するための方法を記載しており、反応物および所望の生成物が、それぞれ気体の形態で最上部においておよび液体の形態で底部において回収される蒸留塔の使用を開示している文献EP0968995も公知である。
さらに、この方法におけるエステル交換反応は、蒸留塔において直接生じる。蒸留塔において均一系触媒を使用する主な欠点は、様々な流出物の還流に起因するこの均一系触媒の消費量の劇的な増加およびまた触媒沈殿の場合における蒸留塔の付着物の劇的な増加である。不均一系触媒の場合、触媒は、蒸留塔に直接入れられるので、連続的に再利用することができない。さらに、長い時間にわたって低下していく触媒の効率は、反応収率に直接影響する。触媒の置換は、方法を停止しなければならず、各触媒充填間で塔を完全に浄化しなければならないので、非常に高コストである。
米国特許第6977310号明細書 米国特許第7268251号明細書 特開2005−239564号公報 欧州特許第0968995号明細書
アクリルの分野におけるエステル交換反応から得られる粗反応生成物の処理は、数多くの開発の対象であった。これにもかかわらず、これらの方法は、なおも不十分である。ゆえに、より単純であり、より良好な性能を有し、工業規模で従来技術の欠点を有さず、例えば、揮発性有機化合物の含有量が少ない状態でラテックスを製造するためのモノマーとしての最終用途に関連する、製造される生成物の純度に関する要件を満たすアクリル酸アルキルを製造するための方法を有することができるという大きなニーズが存在する。
様々な実験の後、本出願人は、従来技術において提唱されていない、一塔式の単純な塔を用いる蒸留によって粗反応混合物を処理する工程を含む、アクリル酸アルキルを製造するための方法を見出した。
文献JP2005−239564の教示によると、ブチルメタクリレートなどの短鎖(メタ)アクリル酸アルキルを十分な純度で得るためには仕切り壁塔を使用することが必要である。この仕切り壁塔は、従来の塔のサイズよりも一般に非常に大きなサイズを有する塔であるがゆえにより高コストであり、操作の最適化、投入される重合防止剤の分散または壁に沈着物が発生した場合の浄化の点で、この使用が困難であるので、本出願人は、この使用に対する数多くの欠点を見出した。
驚くべきことに、本出願人は、アクリル酸アルキルの反応混合物をただ1つの工程で精製するために単純な塔を使用することによって、99.8%超の純度でアクリル酸アルキルを得ることが可能になることを見出した。
単純な塔を使用して、文献JP2005−239564において使用されている塔よりも融通性であって高価でない単純化された技術を利用する。さらに、この方法が、重質アクリル酸アルキル、即ち、アルキル鎖が4個より多い炭素原子を含むアクリル酸アルキルの連続的な製造に都合よく適用されることは、本出願人には明らかである。
この方法は、従来技術と比べて流出物の処理を単純化することと改善することの両方を可能にし、これにより、高い純度および高い生産性の生成物が得られる。
従って、粗反応生成物を処理するために一塔式の単純な蒸留塔を使用することによって、本発明に係る方法は、現行の方法から生じる精製コストと比べて大幅な精製コストの減少を可能にする。
本発明の主題は、以下の反応:
Figure 0006373276
[Rは、メチル基またはエチル基を表し、Rは、窒素原子を含み得る、4から9個の炭素原子の直鎖状または分枝状のアルキル基を表す]
によって表される、少なくとも1つの触媒および少なくとも1つの重合防止剤の存在下における軽質アクリル酸アルキルと重質アルコールとの間のエステル交換反応によるアクリル酸アルキルの連続的な製造のための方法であり、前記反応は、蒸留塔に連結された反応容器内で行われ、前記蒸留塔からエステル交換反応によって生成される軽質アクリル酸アルキルおよび軽質アルコールからなる共沸混合物が連続的に取り出され、未反応の反応物、形成された反応生成物、触媒および重合防止剤を含む粗反応生成物は、一塔式の蒸留塔に減圧下で送られ、前記一塔式の蒸留塔における蒸留が、
最上部において、反応容器に再循環される、残留アルコールROHおよびROHならびにまた未反応の反応物HC=CHCOORから本質的になる軽質生成物の流れ、
底部の一部において、気相において側面から取り出される所望の生成物HC=CHCOOR
底部において、反応容器に部分的に再循環される、触媒、重合防止剤およびHC=CHCOORを含む重質反応生成物の流れ
を得ることを可能にすることを特徴とする。
1つの実施形態によると、本発明に係る方法は、エステル交換触媒が、2−オクタノール中の溶液における、アルキルチタネート、好ましくは、エチルチタネートおよび/または2−オクチルチタネートであることを特徴とする。
本発明によって提供される好ましい可能性によると、上記方法は、Rが、8個の炭素原子の直鎖状または分枝状のアルキル基、好ましくは、2−オクチルを表すことを特徴とする。
1つの実施形態によると、本発明に係る方法は、Rがエチル基を表すことを特徴とする。
好ましい実施形態によると、本発明に係る方法は、触媒が、ROHのモルあたり5×10−4から5×10−2molの量、好ましくは、ROHのモルあたり10−3から10−2molの量で存在することを特徴とする。
本発明によって提供される極めて特に好ましい可能性によると、本発明に係る方法は、2−オクタノール中のエチルチタネートおよび/または2−オクチルチタネートが触媒として使用される2−オクチルアクリレートの製造に適していることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る方法は、化合物HC=CHCOORと化合物ROHとのモル比が、1から3、好ましくは、1.3から1.8であることを特徴とする。
極めて特に好ましい実施形態によると、本発明に係る方法は、上記エステル交換反応が、350mmHg(即ち0.47×10Pa)から大気圧(760mmHg即ち10Pa)の圧力および90℃から150℃、好ましくは、100℃から130℃の温度で行われることを特徴とする。
本発明は、本発明の方法を実行するための設備を模式的に示している添付の単一の図面に照らして、以下の説明においてより詳細に説明される。
本発明の方法を実行するための設備を模式的に示している図である。
通常、軽質アクリル酸アルキル反応物は、アクリル酸メチルまたはアクリル酸エチル、より好ましくは、アクリル酸エチルから選択される。
本発明の方法の極めて特に有益な実施形態によると、出発物質は、天然の再生可能起源、即ち、バイオベースである。例えば、2−オクタノールは、ひまし油に由来するリシノール酸のアルカリ処理によって得ることができる。
より詳細には、軽質アクリル酸アルキルは、再生可能起源のアクリル酸に由来し得、おそらく、グリセロールを脱水してアクロレインを得る第1の工程に続いて、このようにして得られたアクロレインの気相酸化の工程を含む方法に従って、特にグリセロールから得られるか;または2−ヒドロキシプロピオン酸(乳酸)もしくは3−ヒドロキシプロピオン酸およびこれらのエステルを脱水することによって得られ得る。
重質アルコール反応物ROHは、4から9個の炭素原子、好ましくは、5から9個の炭素原子を含み、おそらく窒素原子も含む、直鎖状または分枝状のアルキル鎖を有する第一級または第二級アルコールである。
通常、反応物ROHは、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、イソブタノール、ペンタン−1−オール(アミルアルコール)、2,2−メチルプロパン−1−オール(イソアミルアルコール)、ヘキサン−1−オール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、N,N−ジメチルアミノエタノールおよびN,N−ジエチルアミノエタノールから選択され得るが、このリストに限定されない。
好ましくは、上記アルコールは、2−オクタノール、2−エチルヘキサノールおよびN,N−ジメチルアミノエタノールから選択される。
より好ましくは、反応物ROHは、2−オクタノールである。
触媒は、軽質アクリル酸アルキルと重質アルコールとの間のエステル交換反応を触媒する能力を有するすべての触媒、例えば、酸、例えば、硫酸およびp−トルエンスルホン酸;塩基性化合物、例えば、アルコキシド、ヒドロキシド、カーボネート、ホスフェート、オキシドまたはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の錯体;金属アルコキシド錯体、例えば、アルミニウムアルコキシドまたはマグネシウムアルコキシド;チタンベースの化合物、例えば、チタンアルコキシド、チタンフェノキシドまたはアルキルチタネート;鉛、亜鉛またはスズに基づく化合物;銅、鉄またはジルコニウムの錯体から選択される。
より詳細には、本発明の方法に係る触媒は、アルコールROHおよび/またはROH中の溶液における式Ti(ORまたはTi(ORのアルキルチタネート、例えば、アルコールROHもしくはエタノール中の80から90%エチルチタンおよび/またはアルコールROH中のROHチタネートの溶液から選択される。触媒を溶液中に入れるために使用されるアルコールは、エステル交換反応において使用されるかまたは生成されるものと同じであることが理解される。
より好ましくは、エチルチタネートまたはイソプロピルチタネートを2−オクタノールと100℃で反応させることによって予め得られる、2−オクタノール中の溶液における2−オクチルチタネートが使用される。
上記反応は、粗反応生成物混合物に対して1000から5000ppmの量で反応容器に投入される1つ以上の重合防止剤の存在下において行われる。使用され得る重合防止剤としては、例えば、フェノチアジン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ジ−tert−ブチルパラ−クレゾール(BHT)、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ)、ジ−tert−ブチルカテコールまたはTEMPO誘導体、例えば、4−ヒドロキシ(OH)−TEMPOが、単独でまたは任意の比率のこれらの混合物として、挙げられ得る。重合防止剤の補充的な添加は、通常、特に蒸留塔におけるこの後の精製処理中に行われる。
本発明の方法に係る粗反応生成物を処理する一塔式の蒸留塔は、単純な蒸留塔、例えば、圧力が所望のレベルに調整され得、場合により断熱材によって保護され、場合により保守操作のためのアクセスデバイスが取り付けられる、構造的充填物を有する塔、または通常、15から20段の理論段、例えば、18段の理論段を有する棚段塔である。
本発明の文脈内で、単純な蒸留塔という用語は、場合により液体を分散させるための分散板とともに、下降管ありもしくはなしの蒸留段を備えるかまたはランダムなもしくは構造化されたタイプの充填物を備え、大気圧未満の圧力で操作することができる塔のことを意味すると意図されている。この塔は、前記塔の側方の位置において生成物を蒸気として取り出すことができるシステムが取り付けられているが、垂直方向の仕切り壁を備えていない。
本発明に係る方法の操作例を、添付の図面に照らして説明する。
触媒(2)の存在下における軽質アクリル酸アルキル(3)と重質アルコール(1)との間のエステル交換反応によって反応容器内で形成された軽質アルコール(ROH)は、軽質アクリル酸アルキル(3)との共沸混合物の形態で、反応容器(A)の最上部の蒸留塔(CX1)に連続的に供給される(4)。この共沸混合物は、軽質エステル(6)を合成するためのユニット内で使用され得る。
反応後、通常3から6時間という反応容器内の滞留時間に従って、粗反応生成物混合物(5)は、軽質生成物として、重質アルコール(ROH)および未反応の軽質アクリル酸アルキル、ならびに重質化合物として、触媒、重合防止剤および反応の重質副産物とともに、所望のアクリル酸アルキルを含む。
粗反応生成物の混合物(5)は、一方では、側面から取り出される純粋な所望のアクリル酸アルキル(9)、ならびに他方では、塔の最上部において、反応しておらず(7)、再利用されることが意図される(11)、残留アルコール(ROHおよびROH)および軽質アクリル酸アルキル、ならびに塔の底部において、反応容器(A)に部分的に再循環されることが意図される(12)、触媒、重合防止剤、この反応の重質副産物および重質エステル(8)を得るために、一塔式の蒸留塔(CX2)における精製処理を受け、他の部分は:
所望のアクリル酸アルキルを含むオーバーヘッド流および廃棄設備に送られるボトム流を回収する薄膜蒸発装置(線図には示されていない。)
または廃棄設備
に送られる(10)。
塔(CX2)は、好ましくは、減圧下で操作される、構造的充填物を有する塔または15から20段の理論段、好ましくは、18段の理論段を有する棚段塔に対応する、減圧下で操作される単純な蒸留塔である。
好ましくは、粗反応生成物を処理する蒸留塔は、20から150mmHg(即ち0.027×10Paから0.2×10Pa)、好ましくは、20から75mmHg(即ち0.027×10Paから0.1×10Pa)の圧力で操作される。
好ましくは、所望のアクリル酸アルキルは、18段の理論段を有する塔の場合、理論段12段と14段との間である蒸留塔の底部において、気相において側面から取り出される。
本発明に係る方法は、所望の生成物、即ち、アクリル酸アルキルを99.8%超の純度で製造することを可能にする。
以下の具体的であるが非限定的な実施例は、本発明を例証するためおよびより良く理解するために与えられる。
実験の項
実施例において、パーセンテージは、別段示されない限り、重量基準で与えられ、以下の略語が使用される:
EA:アクリル酸エチル
2OCTA:2−オクチルアクリレート
PTZ:フェノチアジン
HQME:ヒドロキノンメチルエステル
2−オクタノール中の溶液における、アクリル酸エチル(3)、2−オクタノール(1)およびエチルチタネート混合物(2)(2−オクタノール中のエチルチタネートの90%混合物)を50.1/49.7/0.2という重量基準の比率で、フェノチアジン防止剤とともに、外部の熱交換器によって加熱される12段の理論段を有する蒸留塔(CX1)を最上部に備える完全に撹拌される反応容器Aに供給する。
上記反応容器を、通気しながら加熱し、温度が、640ミリバールにおいて125℃に達したらすぐに、2−オクタノール(2)中の溶液における、2000ppmのPTZで安定化されたEA(3)、2−オクタノール(1)およびエチルチタネートを、50.1/49.7/0.2という重量基準の比率で連続的に投入する。
塔(CX1)の最上部において、40/60という重量基準の組成を有するEA/エタノール共沸混合物(4)が、連続的に取り除かれる。この混合物(4)は、軽質エステル設備に再循環される。
連続反応によって得られる粗反応生成物(5)は、2OCTA、未反応のEA、未反応の2−オクタノールならびに重合防止剤および重質誘導体とともに触媒を含む混合物を含む。
流れ(5)は、減圧下で操作される18段の理論段を有する一塔式の蒸留塔(CX2)に連続的に送られ、外部の熱交換器によって140℃の温度に加熱される。
塔(CX2)の最上部において、EA中の2500ppmのPTZの混合物(図面に示されず)が投入される。
塔CX2は、最上部において、反応容器(A)に再循環される(11)52.4/34.2/4.6という組成を有するEA/2−オクタノール/2OCTAの混合物(7)を分離し、底部において、重質生成物、重合防止剤および触媒の混合物を2OCTA画分とともに15.9/84.1という重量基準の比率で含む混合物(8)を分離し、混合物(8)は部分的に反応に再循環され(12)、他の部分は、重質処理区画(10)に送られる。
純粋な2−オクチルアクリレート(9)は、段番号13の塔の底部において、気相において側面から取り出すことによって得られる。この2−オクチルアクリレートの純度は、99.89%である。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの触媒および少なくとも1つの重合防止剤の存在下における以下の反応:
    Figure 0006373276
    [Rは、メチル基またはエチル基を表し、Rは、窒素原子を含み得る、4から9個の炭素原子の直鎖状または分枝状のアルキル基を表す]
    によって表される、軽質アクリル酸アルキルと重質アルコールROHとの間のエステル交換反応による、99.8%超の純度を有するアクリル酸アルキルの連続的な製造のための方法であって、
    前記反応は、蒸留塔(CX1)に連結された反応容器内で行われ、前記蒸留塔(CX1)から前記エステル交換反応によって生成される軽質アルコールROHと、軽質アクリル酸アルキルとからなる、軽質アクリル酸アルキルを合成するためのユニット内で使用される共沸混合物が取り出され、
    未反応の反応物、形成された反応生成物、前記触媒および前記重合防止剤を含む粗反応生成物は、一塔式の蒸留塔(CX2)に減圧下で送られ、前記一塔式の蒸留塔(CX2)における蒸留が、
    − 最上部において、前記反応容器に再循環される、残留アルコールROHおよびROHならびにまた前記未反応の反応物HC=CHCOORから本質的になる軽質生成物の流れ、
    − 底部の一部において、気相において側面から取り出される所望の生成物HC=CHCOOR
    − 底部において、前記反応容器に部分的に再循環される、前記触媒、前記重合防止剤およびHC=CHCOORを含む重質反応生成物の流れ
    を得ることを可能にし、
    前記蒸留塔(CX2)が、場合により液体を分散させるための分散板とともに、下降管ありもしくはなしの蒸留段を備えるかまたはランダムなもしくは構造化されたタイプの充填物を備え、大気圧未満の圧力で操作することができる単純な塔である
    ことを特徴とする、方法。
  2. の炭素原子が、5から9個である、請求項1に記載の方法。
  3. アルコールROHが、2−オクタノール、2−エチルヘキサノールおよびN,N−ジメチルアミノエタノールから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 重質アルコールROHが、2−オクタノールであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記触媒が、アルコールROHおよび/またはROH中の溶液における式Ti(ORまたはTi(ORのアルキルチタネートであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. が、エチル基を表すことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記触媒が、ROHのモルあたり5×10−4から5×10−2molの量で存在することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 化合物HC=CHCOORと化合物ROHとのモル比が、1から3であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. エステル交換反応が、350mmHg(0.47×10Pa)から大気圧の圧力、および90℃から150℃の温度において行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記触媒として2−オクタノール中のエチルチタネートおよび/または2−オクチルチタネートを用いる、2−オクチルアクリレートの製造に適していることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
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