JP6372614B2 - 放射線源およびそれを備えた放射線位相差撮影装置 - Google Patents

放射線源およびそれを備えた放射線位相差撮影装置 Download PDF

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    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor

Description

本発明は、物体を透過した放射線の位相差を利用して物体の内部構造をイメージングすることができる放射線位相差撮影装置およびそれに備えられる放射線源に関する。
従来、物体に放射線を透過させて物体の内部構造をイメージングする放射線撮影装置として様々なものが考え出されている。このような放射線撮影装置の一般的なものとしては、物体に放射線を当て、物体を通過させることにより放射線の投影像を撮影するものである。このような投影像には、放射線を通しやすさに応じて濃淡が現れており、これが物体の内部構造を表している。
このような放射線撮影装置では、ある程度放射線を吸収する性質を有する物体しか撮影することができない。例えば生体軟部組織などは、放射線をほとんど吸収しない。一般的な装置でこのような組織を撮影したとしても、投影像にはほとんど何も写らない。このように放射線を吸収しない物体の内部構造をイメージングしようとするときは、一般的な放射線撮影装置では原理上の限界がある。
そこで、透過放射線の位相差を利用して物体の内部構造をイメージングする放射線位相差撮影装置が考え出されてきている。このような装置は、タルボ干渉を利用して物体の内部構造をイメージングする。
タルボ干渉について説明する。図14の放射線源53からは、位相のそろった放射線が照射されている。この放射線がスダレ状となっている位相格子55を通過させると、位相格子55から所定の距離(タルボ距離)離れた投影面上に位相格子55の像が現れる。この像を自己像と呼ぶ。自己像は、単なる位相格子55の投影像ではない。自己像は、投影面が位相格子55からタルボ距離だけ離れた位置でしか生じない。自己像は、光の干渉によって生じた干渉縞から構成される。タルボ距離において位相格子55の自己像が現れる理由は放射線源53から生じる放射線の位相がそろっているからである。放射線の位相が乱れると、タルボ距離に表れる自己像も乱れる。
放射線位相差撮影装置は自己像の乱れを利用して物体の内部構造をイメージングする。放射線源と位相格子55との間に物体を置いたものとする。この物体は、放射線をほとんど吸収しないので、物体に入射した放射線のほとんどは位相格子55側に出射する。
放射線は物体を完全に素通りであったかいうとそうではない。放射線の位相が物体を通過する間に変わるのである。物体を出射した放射線は位相が変化したまま位相格子55を通過する。この放射線をタルボ距離に置いた投影面で観察すると、位相格子55の自己像に乱れが生じている。この自己像の乱れの程度は放射線の位相変化を表している。
物体を透過した放射線の位相が具体的にどの程度変更するかは、放射線が物体のどこを通過したかによって変わる。仮に物体が均質な構成であれば、放射線の位相の変化は物体のどこを通っても同じである。しかし、一般的に物体は何らかの内部構造を有している。このような物体に放射線を透過させると位相の変化が同じとならないのである。
したがって、位相の変化が分かれば物体の内部構造を知ることができる。位相の変化はタルボ距離における位相格子55の自己像を観察することで知ることができる。このような自己像の検出は放射線検出器によって行われる。放射線検出器は放射線を検出する検出面を有しており、自己像をこの検出面に投影させることにより、放射線検出器は自己像のイメージングをすることができる(例えば特許文献1参照)。
このような放射線位相差撮影装置に備えられる放射線源53としては、コヒーレントな放射線を出力するものが選択される。コヒーレントな放射線とは、位相が揃っている放射線をいう。放射線位相差撮影装置は、放射線が被写体を透過するときに生じる放射線の位相の変化を検出しようとするものである。したがって、被写体に当てる前の放射線は位相が揃っている必要がある。
位相の揃った放射線は、放射線の発生領域が狭い放射線源53から発生させることができる。しかし、このような放射線源53は放射線の出力が弱いという難点がある。
そこで、従来構成として、より高出力な放射線源53を用いる構成が採用されている。放射線源53の出力を高くしようとするとそれだけ、放射線の発生領域を広くする必要があり、放射線のコヒーレント性が失われる。従来構成は、放射線のコヒーレント性を担保する目的で、放射線を図15左側に示すようなマルチスリットに通過させるようにしている。このマルチスリットは、放射線を吸収する部材で構成されており図15右側に示すように複数のスリットが設けられている。放射線はスリットの開口部からしかマルチスリットを通過できない。
1つのスリットを通過した放射線は、高いコヒーレント性を有している。これだけであれば放射線の出力は弱いままである。しかし、マルチスリットは複数のスリットを有している。したがって、マルチスリットを通過する放射線の線量はマルチスリットに設けられているスリットの数に応じて増える。この工夫により、放射線源53の線量は撮影に用いることができほどに高いものとなる。
国際特許公開第2009104560号公報
しかしながら、従来構成の放射線源は、次のような問題点がある。
すなわち、従来構成の放射線源は、それでも低い線量の放射線しか出力することができない。高いコヒーレント性を維持するには、マルチスリットを構成する各スリットの幅を十分に狭くする必要があるからである。
コヒーレント性と線量とはトレードオフの関係にある。コヒーレント性を高めようとすると、マルチスリットを構成する各スリットの幅を狭くする必要があり、マルチスリットを通過する放射線が少なくなる。逆にマルチスリットを通過する放射線を多くしようと思えば、各スリットの幅を広くする必要があり、コヒーレント性は低下する。
従来の放射線源は、マルチスリットを構成する各スリットの幅を十分に狭くすることで高いコヒーレント性が要求される撮影に適した構成にしている。しかし、放射線源を用いた撮影には様々なタイプのものがあり、コヒーレント性よりも線量を優先したい撮影もある。
従来構成では、マルチスリットを構成する各スリットの幅を調整できるような構成とはなっていないので、撮影目的に合わせてスリット幅を変更するようなことはできない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、マルチスリットを構成する各スリットの幅を変更できるようにすることで、線量とコヒーレント性の調節をすることができる放射線源を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線源は、単一の発生点で生じた放射線を透過させるスリットがスリットの延伸方向に直交する方向である直交方向に一定のピッチで配列されており、スリットが設けられていない部分に入射した放射線を吸収するマルチスリットと、スリットの延伸方向についての放射線の広がりを制限することにより、マルチスリットの一部に入射した放射線のみを出力させる遮蔽体と、放射線の発生点および遮蔽体とマルチスリットとの相対位置をスリットの延伸方向に移動させる移動部を備え、マルチスリットに設けられているスリットの各々には直交方向についての幅が狭い部分と広い部分とが設けられていることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、マルチスリットを構成する各スリットの幅を変更できるようにすることで、線量とコヒーレント性の調節をすることができる。すなわち、本発明のマルチスリットに設けられているスリットの各々には幅が狭い部分と広い部分とが設けられている。マルチスリットにおけるスリット幅が狭い部分に放射線を照射すると、マルチスリットを通過する放射線のコヒーレント性は高く線量は小さくなる。また、マルチスリットにおけるスリット幅が広い部分に放射線を照射すると、マルチスリットを通過する放射線のコヒーレント性は低く線量は大きくなる。本発明によれば、移動部を備えることによりマルチスリットにおける放射線が当たる部分を変更することができるので、撮影の目的に合わせて放射線の線量およびコヒーレント性の調整が可能となる。
また、上述の放射線源において、マルチスリットに設けられているスリットは、直交方向についての幅が延伸方向の一端から他端に向けて次第に大きくなるテーパ状となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線源を具体的にしたものとなっている。スリットがテーパ状となっていれば、放射線の線量およびコヒーレント性の調整が無段階的に実行できる。
また、上述のマルチスリットにおいてスリットの幅が一定の狭い幅となっている領域と、スリットの幅が一定の広い幅となっている領域を有すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の放射線源を具体的にしたものとなっている。スリットの幅が一定となっている領域を複数有する構成となっていれば、マルチスリットを通過した放射線のコヒーレント性は、部分的にムラがなく一定となる。
本発明によれば、マルチスリットを構成する各スリットの幅を変更できるようにすることで、線量とコヒーレント性の調節をすることができる。すなわち、本発明のマルチスリットに設けられているスリットの各々には幅が狭い部分と広い部分とが設けられている。本発明によれば、移動部を備えることによりマルチスリットにおける放射線が当たる部分を変更することができるので、撮影の目的に合わせて放射線の線量およびコヒーレント性の調整が可能となる。
実施例1に係るX線源を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る遮蔽体を説明する平面図である。 実施例1に係るマルチスリットを説明する平面図である。 実施例1に係るX線ビームを説明する模式図である。 実施例1に係るX線量及びコヒーレント性の調整について説明する模式図である。 実施例1に係るX線量及びコヒーレント性の調整について説明する模式図である。 実施例1に係るX線量及びコヒーレント性の調整について説明する模式図である。 実施例1に係るX線量及びコヒーレント性の調整について説明する模式図である。 実施例1に係るX線源を搭載した装置を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るX線源を搭載した装置を説明する模式図である。 実施例1に係る吸収格子を説明する模式図である。 本発明に係る変形例を説明する模式図である。 本発明に係る変形例を説明する模式図である。 従来構成の装置を説明する模式図である。 従来構成の装置を説明する模式図である。
次に、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。本発明に係る放射線源は、放射線位相差撮影装置を想定しているが、他の装置に搭載することもできる。X線は、本発明の放射線に相当する。
図1は、本発明に係るX線源3の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように本発明に係るX線源3は、電子が衝突する陽極3aと、陽極3aから放射されたX線の広がりを制限する遮蔽体3bと、遮蔽体3bを通過してきたX線を入射させるマルチスリット3cとを備えている。
陽極3aは、電子のターゲットであり、高速の電子を衝突させるとX線が発生する。X線は、単一の焦点pで生じる。遮蔽体3bは、図2に示すように、X線を通過させる窓Wを有しているX線を吸収する部材で構成される。窓Wは遮蔽体3bに設けられた貫通孔である。窓Wを通過したX線ビームは、図2の縦方向Yに幅狭で横方向Xに幅広のファン状のビームとなる。このX線ビームは、焦点pから奥行き方向Zに向かうビームであり、図1においては、縦方向Yに幅狭で紙面貫通方向に幅広のビームである。遮蔽体3bは、スリットSの延伸方向についてのX線の広がりを制限することにより、マルチスリット3cの一部に入射したX線のみを出力させる。
図1に示すように遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームは、マルチスリット3cに入射する。マルチスリット3cは加工がしやすい例えば金などの素材で構成され、X線が透過しない程度の厚みを有している。
マルチスリット移動機構3dは、図1に示すようにマルチスリット3cを陽極3aおよび遮蔽体3bに対して縦方向Yに移動させる構成である。マルチスリット移動機構3dによりマルチスリット3cの移動を行うと、マルチスリット3cが陽極3a上の焦点および遮蔽体3bに対して移動することになるので、マルチスリット3cがファン状のX線ビームに対して移動することになる。すると、マルチスリット3c上におけるファン状のX線ビームが入射する位置が変化することになる。マルチスリット移動制御部3eは、マルチスリット移動機構3dを制御する構成である。操作パネル3fは、マルチスリット3cの移動に関する操作者の指示を入力する構成である。操作パネル3fに操作者の入力の指示があると、マルチスリット移動制御部3eは、マルチスリット移動機構3dを制御することにより、操作者が指示したマルチスリット3cの移動を実現する。このように、マルチスリット移動機構3dは、X線の発生点および遮蔽体3bとマルチスリット3cとの相対位置をスリットSの延伸方向(縦方向Y)に移動させる。マルチスリット移動機構3dは本発明の移動部に相当する。
図3は、本発明のマルチスリット3cを図示している。マルチスリット3cは、縦方向Yに伸びるスリットSが横方向Xに配列した構成となっている。スリットSの各々はマルチスリット3cの貫通孔である。スリットSは、横方向Xに等間隔に配列されている。
図3は、マルチスリット3cの構成を示している。マルチスリット3cは矩形の形状をしている。マルチスリット3cに設けられているスリットSは、マルチスリット3cの上端から下端に向けて伸びた細長状となっている。このスリットSの形状は特徴的なものとなっている。すなわち、スリットSの横幅は、マルチスリット3cの上端部から下端部に向かうに従い次第に広くなっており、スリットSは全体としてテーパ状となっている。より具体的には、スリットSは縦方向Yに伸びる中心軸Cを中心に左右対称の台形の形状となっている。マルチスリット3cに設けられているスリットSの全ては、同一形状をしており、上側が幅狭で下側が幅広である。
マルチスリット3cに設けられているスリットSの各々は、横方向Xに配列している。スリットSの中心軸Cは、一定の配列ピッチDだけ離されている。したがって、スリットSの配列ピッチは、一定となっている。また、各スリットSを横切る線分を考えたとき、線分上における各スリットSの横幅は同一となる。この横幅の関係は、線分をどこに設定しても成り立つ。
図3においては、遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームがマルチスリット3cに入射する様子が示されている。ファン状のX線ビームは、マルチスリット3cの一部領域にしか入射しない。ファン状のX線ビームは、マルチスリット3cに吸収されることになる。マルチスリット3cにはスリットSが設けられているので、このスリットSを通過することができたX線のみがマルチスリット3cから出射することができる。したがって、遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームは、マルチスリット3cを通過することにより図4に示すように複数の断片に分断される。各断片の離間距離はスリットSの配列ピッチDとなる。
このように、本発明のマルチスリット3cは、単一の発生点で生じたX線を透過させるスリットSがスリットSの延伸方向(縦方向Y)に直交する方向である直交方向(横方向X)に一定のピッチで配列されており、スリットSが設けられていない部分に入射したX線を吸収する構成となっている。そして、マルチスリット3cに設けられているスリットSの各々には直交方向(横方向X)についての幅が狭い部分と広い部分とが設けられている。マルチスリット3cに設けられているスリットSは、直交方向(横方向X)についての幅が延伸方向(縦方向Y)の一端から他端に向けて次第に大きくなるテーパ状となっている。
マルチスリット移動機構3dがマルチスリット3cを上下に移動させると、これに伴ってファン状のX線ビームが入射するマルチスリット3c上の領域が上下に移動する。なお、マルチスリット3cを上に移動させると、ファン状のX線ビームが入射するマルチスリット3c上の領域は下に移動する。同様に、マルチスリット3cを下に移動させると、ファン状のX線ビームが入射するマルチスリット3c上の領域は上に移動する。
マルチスリット移動機構3dによりマルチスリット3cの位置を変動させると、X線源3から照射されるX線の線質を調整することができるのでこの点について説明する。図5は、マルチスリット3cを移動させることにより、遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームがマルチスリット3cの上端部に入射している様子を示している。この場合、X線ビームは幅狭のスリットSを通過することになるので、マルチスリット3cから出射するX線ビームの線量は小さくなる。しかし、このX線ビームは狭いスリットを透過したものであるのでコヒーレント性が高いものとなっている。
図6は、マルチスリット3cと遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームが図5で説明した位置関係にあるときにマルチスリット3cを通過したX線ビームを示している。X線ビームは図4で説明したようにマルチスリット3cにより断片化されている。図6の場合、各断片の横幅は狭いものとなっている。しかしながら、各断片の離間距離はスリットSの配列ピッチDのままである。
図7は、マルチスリット3cを移動させることにより、遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームがマルチスリット3cの下端部に入射している様子を示している。この場合、X線ビームは幅広のスリットSを通過することになるので、マルチスリット3cから出射するX線ビームの線量は大きくなる。しかし、このX線ビームは広いスリットを透過したものであるのでコヒーレント性が低いものとなる。
図8は、マルチスリット3cと遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームが図7で説明した位置関係にあるときにマルチスリット3cを通過したX線ビームを示している。X線ビームは図4で説明したようにマルチスリット3cにより断片化されている。図8の場合、各断片の横幅は広いものとなっている。しかしながら、各断片の離間距離はスリットSの配列ピッチDのままである。
このように、マルチスリット3cを移動させると、マルチスリット3cを通過するX線の線量とコヒーレント性は変化し、断片化されたX線ビームの各断片の離間距離は変化しない。
図9は、本発明に係る撮影装置1の全体構成を示している。撮影装置1は、図9に示すように被写体Mを載置する載置台2と、載置台2の上側に設けられるとともにX線ビームを照射するX線源3と、X線源3から生じ、載置台2上の被写体Mを透過してきたX線を検出するFPD(フラットパネルディテクタ)4を備えている。FPD4と載置台2との挟まれる位置にはタルボ干渉を生じさせる位相格子5が設けられている。X線源3から照射されるX線ビームとは図4で説明したようなマルチスリット3c通過後のX線ビームのことである。
撮影装置1は、タルボ干渉を利用した放射線撮影装置である。したがって、X線源3は位相のそろったX線ビームを出力する構成となっている。また、位相格子5とFPD4との間の距離は、タルボ距離に設定されている。この設定により位相格子5の自己像がFPD4のX線を検出する検出面上に現れることになる。
図4で説明したX線ビームの断片の離間距離はタルボ距離を決定するファクターのうちの一つである。本発明によれば、マルチスリット3cを移動させても断片の離間距離が変化することがない。したがって、マルチスリット3cを移動させることによりX線源3の線量およびコヒーレント性を調節したとしても、タルボ距離が変動してしまうことがない。
撮像系移動機構13は、図10に示すようにX線源3,FPD4,位相格子5を互いの位置関係を保った状態で載置台2に対して移動させる構成である。撮像系移動機構13により、X線源3,FPD4,位相格子5は、載置台2に平行な方向に移動することができる。撮像系移動機構13は、X線源3,位相格子5,およびFPD4の位置関係が保たれたままFPD4の検出面で被写体Mの投影が直線的に移動するように撮像系3,4,5および被写体Mの相対位置を変更させる。撮像系3,4,5は、X線を照射するX線源3と、図11に示すように放射線を吸収する1方向に伸びる吸収線5aが1方向と直交する方向に配列されている位相格子5と、放射線を検出する検出素子が縦横に配列された検出面でタルボ干渉によって生じる位相格子5の自己像を検出するFPD4とから構成される。
図11に示す位相格子5の吸収線5aの伸びる方向は、X線源3のマルチスリット3cのスリットSの伸びる方向に一致している。
実施例1の場合、撮像系3,4,5に対する被写体Mの相対位置の変更は被写体Mを動かさずに撮像系3,4,5を移動させることで実行される。なお、撮像系移動制御部14は、撮像系移動機構13を制御する目的で設けられている。
X線源制御部6は、X線源3を制御する目的で設けられている。撮影中、X線源制御部6は、パルス状にX線ビームを繰り返し出力するようにX線源3を制御する。X線源3がX線ビームを出力する度に、FPD4は載置台2上の被写体Mおよび位相格子5を透過してきたX線を検出し検出データを自己像生成部11に送出する。このように本発明の装置は、X線撮影を連写することにより自己像を生成する構成となっている。
X線撮影の連写は、X線源制御部6と撮像系移動制御部14とが互いに協働して実現される。X線撮影の連写結果は、自己像生成部11に送出され、そこで互いにつなぎ合わされて単一の自己像となる。透視画像生成部12は、自己像生成部11より生成された自己像に基づいて被写体Mで生じたX線の位相差がイメージングされた透視画像を生成する。
なお、本発明のX線源3によれば、マルチスリット3cを移動させることによりコヒーレント性を優先した撮影もできれば、X線量を優先した撮影もできる。本発明によれば、撮影の目的に合わせてX線の線質を適切なものにすることができる。
図9に示す主制御部21は、各部6,11,12,14を統括的に制御する目的で設けられている。この主制御部21は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各部を実現している。また、これら各部は、これらを担当する演算装置に分割して実行されてもよい。各部は必要に応じて記憶部27にアクセスすることができる。操作卓25は、操作者の指示を入力する目的で設けられている。また、表示部26は、透視像を表示する目的で設けられている。
以上のように、本発明によれば、マルチスリット3cを構成する各スリットSの幅を変更できるようにすることで、線量とコヒーレント性の調節をすることができる。すなわち、本発明のマルチスリット3cに設けられているスリットSの各々には幅が狭い部分と広い部分とが設けられている。マルチスリット3cにおけるスリットS幅が狭い部分にX線を照射すると、マルチスリット3cを通過するX線のコヒーレント性は高く線量は小さくなる。また、マルチスリット3cにおけるスリットS幅が広い部分にX線を照射すると、マルチスリット3cを通過するX線のコヒーレント性は低く線量は大きくなる。本発明によれば、移動部を備えることによりマルチスリット3cにおけるX線が当たる部分を変更することができるので、撮影の目的に合わせてX線の線量およびコヒーレント性の調整が可能となる。
また、スリットSがテーパ状となっていれば、X線の線量およびコヒーレント性の調整が無段階的に実行できる。
本発明は、上述のような構成に限られず下記のように変形実施することができる。
(1)図3によれば、マルチスリット3cに設けられるスリットSはテーパ状となっていたが本発明はこの構成に限られない。図12に示すように、スリットSが複数の領域R1,R2,R3で構成されていてもよい。スリットSの領域R1における横幅は、狭い幅で一定となっており、スリットSの領域R2における横幅は、中間的な幅で一定となっており、スリットSの領域R3における横幅は、広い幅で一定となっている。そして、遮蔽体3bを出射したファン状のX線ビームの縦の幅は、領域R1,R2,R3の縦の幅よりも小さくなっている。つまり、マルチスリット3cは、スリットSの幅が一定の狭い幅となっている領域R1と、スリットの幅が一定の広い幅となっている領域R3を有する。
このようにすることで、遮蔽体3bから出射したファン状のX線ビームを領域R1のみに入射させることもできれば、領域R2のみに入射させることもできる。同様に、遮蔽体3bから出射したファン状のX線ビームを領域R3のみに入射させることもできる。
領域R1内においてスリットSの横幅は一定である。したがって、遮蔽体3bから出射したファン状のX線ビームを領域R1のみに入射させれば、X線ビームは、一定の幅のスリットを通過することになる。すると、マルチスリット3cを通過したX線ビームのコヒーレント性は、部分的にムラがなく一定となる。同様にマルチスリット3cを通過したX線ビームの線量は、部分的にムラがなく一定となる。このような事情は遮蔽体3bから出射したファン状のX線ビームを領域R2,R3に当てた場合についても同様となる。
図12は、スリットの幅が異なる3つの領域を有していたが、領域の数は自由に調節することができる。
(2)図1によれば、遮蔽体3bが陽極3aおよびマルチスリット3cの挟まれる位置に配置されていたが、本発明はこの構成に限られない。図13に示すようにマルチスリット3cが陽極3aおよび遮蔽体3bの挟まれる位置に配置されていてもよい。
(3)図1によれば、陽極3aおよび遮蔽体3bに対してマルチスリット3cが移動する構成となっていたが、この構成に代えてマルチスリット3cに対して陽極3aおよび遮蔽体3bが移動するような構成としてもよい。
(4)図9によれば、FPD4におけるX線が入射する入射面には何も設けられていなかったが、入射面を覆うように吸収格子を配置してもよい。吸収格子は、図11で説明したような位相格子5と同様な形状であり、所定のピッチで吸収線が平行に配列した構成となっている。
以上のように、本発明は、医用分野に適している。
S スリット
3b 遮蔽体
3c マルチスリット
3d マルチスリット移動機構(移動部)

Claims (4)

  1. 単一の発生点で生じた放射線を透過させるスリットが前記スリットの延伸方向に直交する方向である直交方向に一定のピッチで配列されており、前記スリットが設けられていない部分に入射した放射線を吸収するマルチスリットと、
    前記スリットの延伸方向についての放射線の広がりを制限することにより、マルチスリットの一部に入射した放射線のみを出力させる遮蔽体と、
    放射線の発生点および前記遮蔽体と前記マルチスリットとの相対位置を前記スリットの延伸方向に移動させる移動部を備え、
    前記マルチスリットに設けられている前記スリットの各々には、直交方向についての幅が狭い部分と広い部分とが設けられていることを特徴とする放射線源。
  2. 請求項1に記載の放射線源において、
    前記マルチスリットに設けられている前記スリットは、直交方向についての幅が延伸方向の一端から他端に向けて次第に大きくなるテーパ状となっていることを特徴とする放射線源。
  3. 請求項1に記載の放射線源において、
    前記スリットの幅が一定の狭い幅となっている領域と、前記スリットの幅が一定の広い幅となっている領域とを前記マルチスリットが有していることを特徴とする放射線源。
  4. 請求項1に記載の放射線源を備えることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
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