JP6372608B2 - 送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法 - Google Patents

送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法 Download PDF

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Description

この出願で言及する実施例は、送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法に関する。
近年、電源供給や充電を行うために、無線で電力を伝送する技術が注目されている。例えば、携帯端末やノートパソコンを始めとした様々な電子機器や家電機器、或いは、電力インフラ機器に対して、無線で電力伝送を行う無線電力伝送システムが研究・開発されている。
ところで、無線電力伝送(ワイヤレス電力伝送:Wireless Power Transfer)を利用する場合、電力を送る側の送電器と、送電器から送られた電力を受け取る側の受電器がそれぞれ異なるメーカの製品であっても支障なく使用するために標準化を行うのが好ましい。
一般的に、ワイヤレス電力伝送(ワイヤレス送電,ワイヤレス給電)としては、電磁誘導を利用した技術や電波を利用した技術が知られており、例えば、携帯端末等の電子機器では、ワイヤレス給電の普及が進んでいる。
そして、近年、送電器と受電器の距離をある程度離しつつ、複数の受電器に対する電力伝送および受電器の三次元的な様々な姿勢に対する電力伝送が可能なものとして、強結合系の共振を用いたワイヤレス送電技術が注目されている。この強結合系の共振を用いたワイヤレス送電としては、例えば、磁界共鳴(磁界共振)や電界共鳴(電界共振)を利用した無線電力伝送技術が知られている。
すなわち、数Wクラス以上の電力を数cm〜数十cm離れた距離で伝送する方式としては、例えば、送電器および受電器の双方にコイルを適用した磁界結合方式が一般的である。この磁界による電力伝送方式には、従来から知られている電磁誘導方式と、近年、米国のMIT(Massachusetts Institute of Technology)により提案された磁界共鳴方式がある。
電磁誘導方式には、例えば、WPC(Wireless Power Consortium)によるQi(チー)(登録商標)規格があり、また、磁界共鳴方式には、例えば、A4WP(Alliance for Wireless Power)によるWiPower(登録商標)規格がある。
これらの無線電力伝送技術は、実用化フェーズにある数Wクラスの小型電子機器を始めとして、100W超の家電機器をターゲットとした標準化の策定が進められている。さらに、自動車メーカを中心に電気自動車に対する数kW超のワイヤレス給電技術についても開発が進められている。
従来、無線電力伝送技術としては、様々な提案がなされている。
特開2012−023950号公報
A. Kurs, et al., "Wireless Power Transfer via Strongly Coupled Magnetic Resonances," SCIENCE Vol. 317, pp.83-86, July 6, 2007 "System Description Wireless Power Transfer," Wireless Power Consortium, Volume I: Low Power, Part 1: Interface Definition, Version 1.1.2, June 2013 R. Tseng, et al., "Introduction to the Alliance for Wireless Power Loosely-Coupled Wireless Power Transfer System Specification Version 1.0," (Reprinted from) IEEE Wireless Power Transfer Conference 2013, Technologies, Systems and Applications, pp.1-6, May 15-16, 2013 J. Nadakuduti, et al., "Operating Frequency Selection for Loosely Coupled Wireless Power Transfer Systems with Respect to RF Emissions and RF Exposure Requirements," (Reprinted from) IEEE Wireless Power Transfer Conference 2013, Technologies, Systems and Applications, pp.1-6, May 15-16, 2013 "A4WP Wireless Power Transfer System Baseline System Specification (BSS)," TWC of A4WP, Ver. 1.2, November 21, 2013
前述したように、従来、電源供給や充電を行うために無線で電力を伝送する様々な無線電力伝送技術が提案されている。このうち、磁界共鳴方式は、電磁誘導方式に比べて給電距離を長くとることができ、また、受電器の位置や姿勢に関して自由度が高いといった利点を有する。
さらに、磁界共鳴方式は、1台の送電器から、複数の受電器に対する給電も実現できることから、今後、利便性の向上とともに市場拡大が見込まれる有望技術になっている。特に、受電器の姿勢に関しては、複数の送電コイルからの出力を同調させながら、受電器の姿勢に応じた制御を行うことで適切な合成磁界を生成し、受電器に対して高効率な給電を行う三次元的な無線電力伝送技術も提案されている。
ところで、磁界共鳴方式では、近傍界の磁界をエネルギー伝送に利用しているため、送電器と受電器の間の距離と姿勢により伝送効率が変化するという原理的な課題がある。そのため、送電器に対する受電器の相対位置と姿勢を何らかの方法で検出しないと、正しい給電条件を設定するのが困難になる。
そこで、磁界共鳴方式を適用した電力伝送において、電力伝送を開始する当初には、微弱なエネルギーによるテスト送電を行い、カットアンドトライ的に送電器の出力設定を適正化していく手法が考えられている。
しかしながら、例えば、複数の送電器による合成磁界を使用して三次元的な無線電力伝送を行う場合、制御手法がかなり複雑になるため、送電器と受電器間の相対位置や姿勢、特に、これらの初期値を求める手法が要望されている。
すなわち、送電器と受電器間の相対位置や姿勢が不明なまま電力伝送(給電)を開始すると、例えば、テスト送電等の処理に長時間を費やすことになり、実際の送電器から受電器への電力伝送に大きな遅延を招くことになる。なお、本明細書では、主として、磁界共鳴を利用した無線電力伝送を例として説明するが、本実施例の適用は、磁界共鳴に限定されないのはもちろんである。
一実施形態によれば、受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力を無線により送電する送電コイルと、送電制御部と、受電器検出部と、を有する送電器が提供される。
前記送電制御部は、前記送電コイルを制御し、前記受電器検出部は、前記受電器を近接または接触することにより、前記受電器を検出する。前記送電制御部は、前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記受電器を前記受電器検出部に近接または接触させた基準位置から算出された前記受電器の第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、電力の伝送効率から算出された前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する。
開示の送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法は、送電器から受電器に対する電力伝送を開始するまでの遅延を低減することができるという効果を奏する。さらに、開示の送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法は、送電器および受電器間の相互認証により、受電器に対する給電の要否や許可等の確認を行うことができという効果も奏する。
図1Aは、有線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図1Bは、無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Aは、二次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図2Bは、三次元無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図3は、無線電力伝送システムにおける送電器および受電器の一例を概略的に示すブロック図である。 図4Aは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その1)である。 図4Bは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その2)である。 図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図(その3)である。 図5Aは、独立共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図5Bは、独立共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図5Cは、独立共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図5Dは、独立共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図6Aは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その1)である。 図6Bは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その2)である。 図6Cは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その3)である。 図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイルの例を示す回路図(その4)である。 図7Aは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その1)である。 図7Bは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その2)である。 図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図(その3)である。 図8は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図である。 図9は、図8に示す三次元無線電力伝送システムによる電力伝送を説明するための図である。 図10は、本実施例の無線電力伝送システムの一例における送電器および受電器を概略的に示すブロック図である。 図11は、図10に示す無線電力伝送システムの変形例における送電器および受電器を概略的に示すブロック図である。 図12Aは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その1)である。 図12Bは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その2)である。 図12Cは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その3)である。 図12Dは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その4)である。 図12Eは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その5)である。 図12Fは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図(その6)である。 図13Aは、kQ値,効率ηおよび結合係数kの関係を説明するための図(その1)である。 図13Bは、kQ値,効率ηおよび結合係数kの関係を説明するための図(その2)である。 図13Cは、kQ値,効率ηおよび結合係数kの関係を説明するための図(その3)である。 図14は、本実施例の無線電力伝送システムにおける位置情報の乗り換え処理を説明するための図である。 図15Aは、本実施例の無線電力伝送システムにおける無線電力伝送処理の一例を示すフローチャート(その1)である。 図15Bは、本実施例の無線電力伝送システムにおける無線電力伝送処理の一例を示すフローチャート(その2)である。 図15Cは、本実施例の無線電力伝送システムにおける無線電力伝送処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
まず、送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法の実施例を詳述する前に、電力伝送システムの例、並びに、三次元無線電力伝送システムの一例における課題を、図1〜図7Cを参照して説明する。
図1Aは、有線電力伝送(ワイヤー接続給電)システムの一例を模式的に示す図であり、図1Bは、無線電力伝送(ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図である。図1Aおよび図1Bにおいて、参照符号2A1〜2C1は、それぞれ受電器を示す。
ここで、受電器2A1は、例えば、要望電力が10Wのタブレットコンピュータ(タブレット)を示し、受電器2B1は、例えば、要望電力が50Wのノートパソコンを示し、受電器2C1は、例えば、要望電力が2.5Wのスマートフォンを示す。なお、要望電力は、例えば、それぞれの受電器2A1〜2C1における充電池(二次電池)を充電するための電力に相当する。
図1Aに示されるように、通常、タブレット2A1やスマートフォン2C1の二次電池を充電する場合、例えば、パソコン(Personal Computer)のUSB(Universal Serial Bus)端子(または、専用電源等)3Aに対して電源ケーブル4A,4Cを介して接続する。また、ノートパソコン2B1の二次電池を充電する場合、例えば、専用の電源装置(AC-DC Converter)3Bに対して電源ケーブル4Bを介して接続する。
すなわち、図1Aに示されるように、携帯可能な受電器2A1〜2C1であっても、一般的に、電源ケーブル4A〜4Cを使用してUSB端子3Aや電源装置3Bからワイヤー接続により給電(有線電力伝送)を行っている。
この場合、例えば、各電源ケーブル4A〜4Cは、コネクタを介して受電器2A1〜2C1に接続されるため、コネクタの先に接続された受電器(接続機器)をコネクタごとに検知することで、台数を検知し、コネクタ形状により給電電力を固定することができる。さらに、要望電力に応じた電源ケーブルの接続をユーザが行うことで、要望電力を認識すると同時に、それぞれの接続機器に対して適切な給電を行うようになっている。
ところで、近年、電磁誘導に代表される非接触給電技術の進歩により、例えば、シェーバーや電動歯ブラシ等でワイヤレス給電(無線電力伝送)が実用化されている。そこで、図1Bに示されるように、例えば、送電器1A1から、タブレット2A1,ノートパソコン2B1およびスマートフォン2C1に対して無線電力伝送することが考えられている。
図2Aは、二次元無線電力伝送(二次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、上述したシェーバーや電動歯ブラシ等と同様に、電磁誘導により無線電力伝送を行う様子を示している。
図2Aに示されるように、電磁誘導を利用して無線電力伝送を行う場合には、非接触給電であっても送電距離が短いために、送電器1A2にほぼ接触している受電器だけが給電可能である。
すなわち、送電器(受電台)1A2上に置かれた受電器(ノートパソコン)2B2に対しては給電することができても、受電台1A2から離れたノートパソコン2B3に対しては給電することは困難である。このように、図2Aに示す無線電力伝送システムは、受電台1A2上の自由な配置を可能とする二次元的なワイヤレス給電システムである。
図2Bは、三次元無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例を模式的に示す図であり、例えば、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う様子を示している。図2Bに示されるように、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行う場合には、送電器1A2から所定範囲内(図2Bにおける破線の内側)に存在する複数の受電器に対して給電することが可能である。
すなわち、送電器1A3から所定範囲内のタブレット2A2,2A3、ノートパソコン2B2,2B3およびスマートフォン2C2に対して無線電力伝送することが可能である。なお、図2Bでは、1つの送電器1A3のみ描かれているが、複数の送電器により、様々な角度および位置の複数の受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線電力伝送を行うようになっている。
このように、図2Bに示す無線電力伝送システムは、例えば、磁界共鳴を利用することにより、電磁誘導を利用したものに比べて遠方の空間においても高い送電効率を得ることができる三次元的なワイヤレス給電システムである。
図3は、無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムにおける送電器および受電器の一例を概略的に示すブロック図である。図3において、参照符号1は一次側(送電側:送電器)を示し、2は二次側(受電側:受電器)を示す。
図3に示されるように、送電器1は、ワイヤレス送電部11、高周波電源部12、送電制御部13および通信回路部(第1通信回路部)14を含む。また、受電器2は、ワイヤレス受電部21、受電回路部(整流部)22、受電制御部23および通信回路部(第2通信回路部)24を含む。
ワイヤレス送電部11は、第1コイル(電力供給コイル)11bおよび第2コイル(送電共振コイル:送電コイル)11aを含み、また、ワイヤレス受電部21は、第3コイル(受電共振コイル:受電コイル)21aおよび第4コイル(電力取出コイル)21bを含む。
図3に示されるように、送電器1と受電器2は、送電共振コイル11aと受電共振コイル21aの間の磁界共鳴(電界共鳴)により、送電器1から受電器2に対してエネルギー(電力)の伝送を行う。なお、送電共振コイル11aから受電共振コイル21aへの電力伝送は、磁界共鳴だけでなく電界共鳴等も可能であるが、以下の説明では、主として磁界共鳴を例として説明する。
送電器1と受電器2は、通信回路部14と通信回路部24により、通信(近距離通信:アウトバンド通信)を行う。ここで、送電器1の送電共振コイル11aと受電器2の受電共振コイル21aによる電力の伝送距離(電力伝送範囲)は、送電器1の通信回路部14と受電器2の通信回路部24による通信距離(通信範囲)よりも短く設定される。
また、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、通信回路部14および24による通信とは独立した方式(Out-band:アウトバンド通信)になっている。具体的に、送電共振コイル11aおよび21aによる電力伝送は、例えば、6.78MHzの周波数帯域を使用し、通信回路部14および24による通信は、例えば、2.4GHzの周波数帯域を使用する。
この通信回路部14および24による通信としては、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用することができる。
なお、上述した無線電力伝送システムは、例えば、使用する周波数の波長の1/6程度の距離の近傍界(near field)において、送電器1の送電共振コイル11aと、受電器2の受電共振コイル21aによる磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力の伝送を行う。従って、電力伝送範囲(送電圏)は、電力伝送に使用する周波数に従って変化する。
高周波電源部12は、電力供給コイル(第1コイル)11bに対して電力を供給し、電力供給コイル11bは、その電力供給コイル11bの至近に配設された送電共振コイル11aに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。送電共振コイル11aは、受電共振コイル21aとの間に磁場共鳴を生じさせる送電周波数により、受電共振コイル21a(受電器2)に電力を伝送する。
受電共振コイル21aは、その受電共振コイル21aの至近に配設された電力取出コイル(第4コイル)21bに対して電磁誘導を利用して電力を供給する。電力取出コイル21bには受電回路部22が接続され、所定の電力が取り出される。なお、受電回路部22からの電力は、例えば、バッテリ部(負荷)25におけるバッテリの充電、或いは、受電器2の回路に対する電源出力等として利用される。
ここで、送電器1の高周波電源部12は、送電制御部13により制御され、また、受電器2の受電回路部22は、受電制御部23により制御される。そして、送電制御部13および受電制御部23は、通信回路部14および24を介して接続され、送電器1から受電器2への電力伝送を好ましい状態で行うことができるように、様々な制御を行うようになっている。
図4A〜図4Cは、図3の無線電力伝送システムにおける伝送コイルの変形例を説明するための図である。ここで、図4Aおよび図4Bは、3コイル構成の例を示し、図4Cは、2コイル構成の例を示す。
すなわち、図3に示す無線電力伝送システムでは、ワイヤレス送電部11が第1コイル11bおよび第2コイル11aを含み、ワイヤレス受電部21が第3コイル21aおよび第4コイルを含んでいる。
これに対して、図4Aの例では、ワイヤレス受電部21を1つのコイル(受電共振コイル:LC共振器)21aとし、図4Bの例では、ワイヤレス送電部11を1つのコイル(送電共振コイル:LC共振器)11aとしている。
さらに、図4Cの例では、ワイヤレス受電部21を1つの受電共振コイル21aに設定すると共に、ワイヤレス送電部11を1つの送電共振コイル11aとしている。なお、図4A〜図4Cは、単なる例であり、様々に変形することができるのはいうまでもない。
図5A〜図5Dは、独立共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図であり、図6A〜図6Dは、負荷または電源に接続された共振コイル(受電共振コイル21a)の例を示す回路図である。
ここで、図5A〜図5Dは、図3および図4Bにおける受電共振コイル21aに対応し、図6A〜図6Dは、図4Aおよび図4Cにおける受電共振コイル21aに対応する。
図5Aおよび図6Aに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211,容量(C)212およびスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオフしておく。図5Bおよび図6Bに示す例は、受電共振コイル21aを、直列接続されたコイル(L)211および容量(C)212と、容量212に並列に接続されたスイッチ213としたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Cおよび図6Cに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および抵抗(R)214を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
図5Dおよび図6Dに示す例は、図5Bおよび図6Bの受電共振コイル21aにおいて、容量212と並列に、直列接続されたスイッチ213および他の容量(C')215を設けたもので、通常時はスイッチ213をオンしておく。
上述した各受電共振コイル21aにおいて、通常時に受電共振コイル21aが動作しないように、スイッチ213をオフまたはオンに設定するようになっている。これは、例えば、不使用の受電器2や故障した受電器2に対して電力が伝送されて発熱等が生じるのを避けるためである。
以上において、送電器1の送電共振コイル11aも図5A〜図5Dおよび図6A〜図6Dと同様にすることもできるが、送電器1の送電共振コイル11aとしては、通常時に動作するようにして、高周波電源部12の出力でオン/オフ制御してもよい。この場合、送電共振コイル11aは、図5Aおよび図6Aにおいて、スイッチ213を短絡したものになる。
以上により、複数の受電器2が存在する場合、送電器1から送電を行う所定の受電器2の受電共振コイル21aのみを選択して動作可能な状態とすることにより、その選択された受電器2に対する電力の伝送(時分割電力伝送)を行うことが可能になる。
図7A〜図7Cは、複数の送電器による磁界の制御例を説明するための図である。図7A〜図7Cにおいて、参照符号1Aおよび1Bは送電器を示し、2は受電器を示す。
図7Aに示されるように、送電器1Aの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aAと送電器1Bの磁界共鳴に使用する送電用の送電共振コイル11aBは、例えば、直交するように配設されている。
また、受電器2の磁界共鳴に使用する受電用の受電共振コイル21aは、送電共振コイル11aAおよび11aBにより囲まれた個所で異なる角度(平行にならない角度)に配置されている。
ここで、送電共振コイル(LC共振器)11aAおよび11aBは、1つの送電器に設けることも可能である。すなわち、1つの送電器1が複数のワイヤレス送電部11を含んでいてもよい。
図7Bは、送電共振コイル11aAおよび11aBが同じ位相の磁界を出力している様子を示し、図7Cは、送電共振コイル11aAおよび11aBが逆の位相の磁界を出力している様子を示す。
例えば、2個の直交する送電共振コイル11aAおよび11aBが同相出力の場合と逆相出力の場合を比較すると、合成磁界は90°回転した関係になり、それぞれの受電器2(受電共振コイル21a)の向きに合わせた送電を行う。
このように、複数の送電器1A,1Bにより、任意の位置および姿勢(角度)の受電器2に対して電力を伝送する場合、送電器1A,1Bの送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界は様々に変化することが分かる。
上述した無線電力伝送システムは、複数の送電器と、少なくとも1つの受電器とを含み、受電器の位置(X,Y,Z)および姿勢(θXYZ)に応じて、その複数の送電器間の出力(強度および位相)を調整する。
なお、三次元空間に関しても、例えば、実際の三次元空間における3個以上の送電器を用いて、それぞれの出力位相差および出力強度比を調整することで、三次元空間上の任意の方向に磁界(電界)の向きを調整することが可能になることが理解されるであろう。
上述のように、例えば、磁界共鳴方式を適用した無線電力伝送システムは、受電器2の位置や姿勢に関する自由度が高いという長所を有している。しかしながら、磁界共鳴方式では、例えば、近傍界の磁界をエネルギー伝送に利用しているため、送電器と受電器間の距離と姿勢によって効率が変化するという原理的な課題がある。
そのため、送電器に対する受電器の相対位置と姿勢を何らかの方法で検出しないと、正しい給電条件を設定するのが困難になる。そこで、磁界共鳴方式を適用した電力伝送において、電力伝送を開始する当初には、微弱なエネルギーによるテスト送電を行い、カットアンドトライ的に送電器の出力設定を適正化していく手法が考えられている。
しかしながら、例えば、複数の送電器による合成磁界を使用して三次元的な無線電力伝送を行う場合、制御手法がかなり複雑になるため、送電器と受電器間の相対位置や姿勢、特に、これらの初期値を求める手法が要望されている。
一方、最近のスマートフォンを始めとする携帯端末には、加速度センサや地磁気センサといったデバイスが内蔵されているものが多く、これらを利用して、送電器と受電器間の相対位置や姿勢を求めることが考えられている。
例えば、加速度センサの2階積分を行うことで移動距離を求めることができ、また、加速度センサにより重力方向を検知し、直交座標系にベクトル分解することで(地面に対する)ピッチ方向およびロール方向の姿勢を推定することができる。さらに、地磁気センサでは、数cmレベルの位置分解能を得ることは難しいが、ヨー方向の姿勢を検知することは可能である。
すなわち、受電器の角度(姿勢)を検出するには、例えば、ピッチおよびロール方向については、加速度センサから出力される重力方向のベクトル分解により求め、ヨー方向については、地磁気センサによる方位検出を利用することにより求めることができる。
ここで、ピッチ(pitch)方向とは、例えば、ユーザが携帯するスマートフォン等の動きに対して、左右を軸とした上下の回転(移動)方向を示し、ロール(roll)方向とは、前後を軸にした回転方向を示し、ヨー(yaw)方向は、上下を軸にした回転方向を示す。
しかしながら、例えば、上述した携帯端末(受電器)の加速度センサを用いた移動距離の検出では、初期位置が確定しないと自らの位置(絶対位置)が不明になり、その結果、送電器との相対位置が分からないことになる。
また、加速度センサの2階積分を行って移動距離を求める場合、積分演算の過程でノイズやオフセット成分が累積されて精度が劣化するという課題もある。さらに、位置検出とは別に、例えば、ワイヤレス給電ゾーンに入っても給電が不要なケースもあり得るため、ユーザによるワイヤレス給電開始の意思表示をどのように行うかといった問題もある。
以下、送電器、無線電力伝送システムおよび受電器の位置情報算出方法の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図8は、本実施例の無線電力伝送システムの一例を模式的に示す図であり、垂直方向にL字型形状とされたテーブル3(送電器1)に2つの送電共振コイル(送電コイル)11aA,11aBを設け、受電器2に対して電力伝送(給電)を行っている例を示す。
すなわち、図8は、コーヒーショップや職場の休憩スペース等において、ワイヤレス給電機能を有するテーブル3により、椅子5に座ったユーザが、スマートフォン等の携帯端末(受電器2)を操作している間にバッテリが充電される様子をイメージしている。
図8に示されるように、テーブル3は、送電共振コイル11aAが設けられた縦板(立て板)31、および、送電共振コイル11aBが設けられた横板(天板)32を有し、これら送電共振コイル11aA,11aBには電源(商用電源)4から電力が供給されている。なお、図8において、例えば、図3を参照して説明した送電器1(テーブル3)における高周波電源部12,送電制御部13および通信回路部14等は省略されている。
送電共振コイル11aAおよび11aBは、例えば、直交するように設けられ、これら送電共振コイル11aA,11aBにより、受電器2に対する三次元ワイヤレス給電を行うようになっている。
ここで、テーブル3の横板32の一端には、後に詳述するように、受電器2を検出し、受電器2の給電仕様(充電情報)を受け取り、また、受電器2の認証(相互認証)等を行うための受電器検出部15(16)が設けられている。なお、給電仕様としては、例えば、受電器2に設けられたバッテリの容量や残量等の情報が含まれる。また、送電器および受電器間の相互認証により、受電器に対する給電の要否や許可等の確認を行うことができる。
なお、送電共振コイルは、直交した送電共振コイル11aAおよび11aBに限定されるものではなく、異なる角度で配置すればよく、また、送電共振コイルの数も2つに限定されるものではない。さらに、送電器1により給電される受電器2に関しても、同時に複数の受電器に対して給電することができるのはいうまでもない。
また、送電共振コイル11aAおよび11aBは、それぞれ別の送電器1Aおよび1Bの送電共振コイルとして設けてもよい。この場合、例えば、送電器1Bの受電器検出部15を横板32の一端に配置し、送電器1Bをマスタとして、自身の送電共振コイル11aBおよび送電器1Aの送電共振コイル11aAを制御することができる。
受電器2には、受電器検出部15(16)との間で極短距離通信や二次元コードの読み取り等を行って、テーブル3(送電器1A,1B)に対する基準位置の設定、並びに、上述した認証等を行うための基準位置検出部28(29)が設けられている。
なお、受電器検出部15は、例えば、アンテナ15aおよび極短距離通信回路部15bを含み、基準位置検出部28は、アンテナ28aおよび極短距離通信回路部28bを含む。この受電器検出部15および基準位置検出部28については、図10を参照して説明する。
受電器検出部16は、例えば、二次元コード16aおよび二次元コード読み取り部16bを含み、基準位置検出部29は、二次元コード29aおよび二次元コード読み取り部29bを含む。この受電器検出部16および基準位置検出部29については、図11を参照して説明する。
以上において、受電器検出部15(16)を設ける場所は、横板32の一端に限定されず、縦板31の一端、或いは、横板32または縦板31の中央等の位置であってもよい。すなわち、受電器検出部15,16(例えば、アンテナ15aまたはカメラ16b)の位置は、受電器2が送電器1(テーブル3)に対する基準位置(原点)を設定することになるため、その位置が予め特定できていればどこに配置してもよい。
図9は、図8に示す三次元無線電力伝送システムによる電力伝送を説明するための図である。図7A〜図7Cを参照して説明したように、送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界を制御することで、様々な位置および姿勢の受電器2(受電共振コイル21a)に対して高い効率で電力を伝送することができる。
なお、図9における左側の例は、前述した図7Bに対応し、また、図9における右側の例は、送電共振コイル11aAを停止させ、送電共振コイル11aBからのみ電力を伝送して給電を行う場合を示している。
このように、任意の位置および姿勢の受電器2に対して電力を伝送する場合、その受電器2の位置および姿勢に対応した給電条件に基づいて、送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界を制御して給電(電力伝送)を行う。
図10は、本実施例の無線電力伝送(三次元ワイヤレス給電)システムの一例における送電器および受電器を概略的に示すブロック図である。図10と、前述した図3の比較から明らかなように、本実施例の無線電力伝送システムにおいて、送電器1は、さらに、アンテナ(第1アンテナ)15aおよび極短距離通信回路部(第1極短距離通信回路部)15bを含む。
また、受電器2は、さらに、加速度センサ(第1センサ)26、地磁気センサ(第2センサ)27、アンテナ(第2アンテナ)28aおよび極短距離通信回路部(第2極短距離通信回路部)28bを含む。ここで、送電器1の極短距離通信回路部15bと、受電器2の極短距離通信回路部28bによる極短距離通信は、例えば、フェリカ(Felica(登録商標))やマイフェア(MIFARE(登録商標))といった非接触型ICカードの技術を適用することで実現可能である。
この送電器1における極短距離通信回路部15bのアンテナ15aは、図8を参照して説明したように、例えば、横板32の一端に配置され、受電器2における極短距離通信回路部28bのアンテナ28aを近接させて極短距離通信を行うようになっている。
なお、前述したように、送電器1の通信回路部(第1通信回路部)14と受電器2の通信回路部(第2通信回路部)24による通信は、例えば、IEEE 802.11bに準拠するDSSS方式の無線LANやブルートゥース(Bluetooth(登録商標))が適用される。
以上において、送電器1の極短距離通信回路部15b(アンテナ15a)と受電器2の極短距離通信回路部28b(アンテナ28a)による通信機能の代わりに、送電器1および受電器2の双方に二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))を設けてもよい。
図11は、図10に示す無線電力伝送システムの変形例における送電器および受電器を概略的に示すブロック図である。図11と、上述した図10の比較から明らかなように、本変形例では、極短距離通信回路部15b,28b(アンテナ15a,28a)の代わりに、二次元コード16a,29aおよび二次元コード読み取り部(カメラ)16b,29bが設けられている。
例えば、ユーザが、受電器2(例えば、スマートフォン等の携帯端末)に予め保持されている給電(充電)用のアプリ(アプリケーションソフトウェア)を起動することにより、受電器2のディスプレイ(図示しない)に二次元コード29aを表示する。
そして、例えば、受電器2を、送電器1の所定位置(受電器検出部15が配置された位置:例えば、テーブル3の横板32の一端)にかざすことにより、受電器2のディスプレイに表示された二次元コード29aを、送電器1のカメラ16bで読み取る。
これにより、送電器1は、受電器2のバッテリ容量や残量といった電源仕様等を認識することができる。なお、二次元コード29aは、受電器2のディスプレイに表示せずに、例えば、受電器2の表面に印刷することも可能である。
また、送電器1のカメラ16bが、受電器2の二次元コード29aを読み取ることにより、例えば、その受電器2に対して給電してもよいか否かといった認証を行うこともできる。この送電器1による受電器2の認証処理により、例えば、予め受電契約が行われた受電器2に対してのみ送電器1からの給電を許可する、或いは、給電による課金の制御を行うといったことも実現することができる。
さらに、例えば、送電器1の所定位置に対して二次元コード16aを印刷し、その送電器1の二次元コード16aを受電器2のカメラ29bで読み取ることにより、上述した認証処理と共に、基準位置の設定を行うことができる。
なお、送電器1においても、例えば、ディスプレイ(図示しない)を設け、そのディスプレイに対して二次元コード16aを表示し、ディスプレイに表示された二次元コード16aを、受電器2のカメラ29bで読み取ることも可能である。
ここで、例えば、送電器1のディスプレイ上の二次元コード16aの位置を受電器2のカメラ29bに対応させ、受電器2のディスプレイ上の二次元コード29aの位置を送電器1のカメラ16bに対応させれば、一度の操作で処理することができる。
また、受電器2のカメラ29bにより、送電器1に印刷された二次元コード16aを読み取って基準位置の設定のみ行い、受電器2の電源仕様や認証の処理は、送電器1および受電器2に設けた極短距離通信回路部15b,28bによる通信で行ってもよい。この場合、送電器1には、カメラ(二次元コード読み取り部)16bを設けなく済むことになる。
さらに、二次元コードではなく、送電器1および受電器2に対して、それぞれ所定形状の押しボタンスイッチを設け、双方のスイッチを接触させて押圧することにより、送電器1に受電器2を認識させると共に、受電器2に基準位置を設定することも可能である。
なお、図10におけるアンテナ15a,28aおよび通信回路部15b,28b、並びに、図11における二次元コード16a,29aおよび二次元コード読み取り部16b,29bは、単なる例であり、様々な構成を適用することができるのはいうまでもない。
また、図10および図11の実施例において、送電器1の送電制御部13および通信回路部14、並びに、受電器2の受電制御部23および通信回路部24等は、前述した図3等と同様であり、その説明は省略する。
図12A〜図12Fは、本実施例の無線電力伝送システムの動作を説明するための図であり、主として、前述した図8に示すテーブル3(送電器1)の横板32の一端に極短距離通信回路部15b(アンテナ15a)を配置した例を説明するためのものである。なお、受電器2にも、送電器1との間で極短距離通信を行うための極短距離通信回路部28b(アンテナ28a)が設けられている。
すなわち、図12A〜図12Fにおいて、送電器1(テーブル3)は、送電共振コイル11aAが設けられた縦板31、および、送電共振コイル11aBが設けられた横板32を含む。
送電共振コイル(送電コイル)11aAおよび11aBは、直交するように設けられ、これら送電共振コイル11aA,11aBにより、受電器2に対して三次元ワイヤレス給電を行う所定のエリア(三次元給電ゾーン)を形成する。
この三次元給電ゾーンとしては、例えば、30cm×30cm程度の垂直面が、縦板31および横板32の長さ方向に伸びた領域で、その給電ゾーン内において、例えば、携帯端末を使用または載置することにより、ワイヤレス給電が行われるようになっている。
なお、送電器1は、後述する方式で受電器2の相対位置および姿勢を推定(検出)し、その受電器2の位置および姿勢情報に基づいて、送電共振コイル11aA,11aBから出力する磁界の強さと位相を制御し、適切な伝送効率が得られる合成磁界を作り出す。
ここで、送電器1および受電器2は、ワイヤレス給電によるエネルギー交換を行うと共に、そのための情報通信を行う通信回路部14および24をそれぞれ有している。なお、通信回路部14および24による通信としては、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等を利用することができるのは、前述した通りである。さらに、受電器2には、加速度センサ(第1センサ)26および地磁気センサ(第2センサ)27が内蔵、若しくは、オプション装着されているものとする。
図12Aに示されるように、送電器1(3)の横板32の一端には、受電器2を検出および認証するための受電器検出部15が配置される。この受電器検出部15は、ユーザがアクセスしやすく、受電器2が自身(送電器1)に対してどの位置にあるかを予め特定できていれば、どこに配置されていても構わない。
また、受電器検出部15には、受電器2を検出および認証するための極短距離通信回路部15bおよびアンテナ15aが内蔵され、受電器2の基準位置検出部28(極短距離通信回路部28bおよびアンテナ28a)との間で極短距離通信を行うようになっている。
なお、極短距離通信機能は、例えば、フェリカ(Felica(登録商標))やマイフェア(MIFARE(登録商標))といった非接触型ICカードの技術を適用することで実現可能なのは前述した通りである。さらに、図11を参照して説明したように、受電器検出部15は、例えば、二次元コード16aおよびカメラ16bを含む受電器検出部16とすることもできる。
次に、図12Bに示されるように、ユーザが受電器2の給電を開始するときは、送電器1の受電器検出部15に設けられたアンテナ15aと、受電器2の基準位置検出部28におけるアンテナ28aを近接させる。
すなわち、ユーザが給電を開始する際、例えば、送電器1の受電器検出部15に対して受電対象になるモバイル機器(受電器2)を接触させる。このとき、例えば、ユーザが受電器2を一時的に静止させているときに、送電器1と受電器2の間で極短距離通信を行い、相互認証によって規格や給電仕様に関するチェックを行う。
この極短距離通信は、図10を参照して説明したようなフェリカ(Felica(登録商標))等の技術を適用することができるが、極短距離通信の代わりに、図11を参照して説明したような二次元コードおよびカメラを利用することもできる。
さらに、送電器1の受電器検出部15の位置を、例えば、加速度センサ(26)の出力を利用した移動距離演算の基準位置(原点)とするために、送電器1および受電器2の双方の位置情報をリセットする。また、アウトバンドでの通信、すなわち、通信回路部14および24による通信も確立する。
なお、送電器1および受電器2に対して押しボタンスイッチを設け、双方のスイッチを接触させて押圧する等の場合には、相互認証を行わずに、例えば、位置情報のリセット処理のみ行う。
以上の準備が完了したら、受電器検出部15または送電器1の所定個所等に対して、ユーザが認識可能な表示(例えば、LEDや液晶ディスプレイによる表示、或いは、音声案内等)を行い、給電の開始が可能なことの合図とすることができる。また、受電器2に対しても、認識可能な表示を行い、給電の開始が可能なことの合図としてもよい。
さらに、図12Cに示されるように、例えば、ユーザが、上述した準備完了の表示を確認したら、給電ゾーン(ワイヤレス給電ゾーン)内の任意の場所に受電器2を移動させて使用することが可能になる。
例えば、図8を参照して説明したように、ユーザが椅子5に座って、受電器2を横板32上に載置し、或いは、給電ゾーン内で操作を行っていてもよい。このとき、受電器2は、加速度センサ26により移動中であることを認識し、受電器検出部15で静止した位置(基準位置)からの移動距離を演算する。
例えば、加速度センサ26の出力が一定の値以上の間、加速度センサ出力を2階積分することにより、移動距離を算出する。この加速度センサ26の出力を処理して受電器2の位置情報を算出するのは、例えば、受電器2における受電制御部23により行われる。
また、受電器2の姿勢は、例えば、加速度センサ(重力センサ)26および地磁気センサ27の併用により求めることができる。そして、演算された移動距離と姿勢情報は、例えば、所定の時間間隔で、アウトバンド通信(通信回路部24,14)により送電器1に伝えられる。
そして、図12Dに示されるように、例えば、加速度センサ26からの出力により、受電器2が停止したことを検知し、そのときの位置情報(第1位置情報:受電器検出部15からの移動距離)および姿勢情報に対応した出力設定を行う。
すなわち、送電器1は、図12Bを参照して説明した相互認証により得られた給電仕様(充電情報)に加え、受電器2の位置および姿勢情報に基づいて、送電共振コイル11aAおよび11aBを制御し、受電器2に対して適切な給電を行う。
このように、給電(電力伝送)を開始する当初は、加速度センサ26の出力から算出した第1位置情報による給電条件に基づいて、送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界を制御して給電を行う。
なお、相互認証により送電器1に伝えられる給電仕様としては、受電器2のバッテリ容量および残量、並びに、受電共振コイル21aの仕様(例えば、Q値)や負荷情報等の様々なものが含まれる。
また、送電器1は、送電制御部13により、送電共振コイル11aA,11aBの適切な出力設定値を、演算またはテーブル参照等によって求める。そして、出力設定が完了したら、送電器1(テーブル3)から受電器2に対する給電(電力伝送)を開始する。ここで、適宜、送電器1から受電器2に対するテスト送電を行ってもよいのはいうまでもない。
次に、図12Eに示されるように、上述した加速度センサ26の出力による受電器2の移動距離演算を停止する。ここで、受電器2の移動距離は、例えば、受電器検出部15の位置を基準とし、加速度センサ26の出力を2階積分することにより求められるが、この2階積分演算を長時間行うと、演算誤差が蓄積することになる。
そのため、加速度センサ26の出力を2階積分して得られる受電器2の移動距離(位置情報)は、初期設定としてのみ使用し、給電を継続している間は、給電情報に基づいて受電器2の位置を推定する。ただし、受電器2の姿勢に関しては、加速度センサ26および地磁気センサ27の出力を同次元(積分演算無し)で取得するため、演算誤差の蓄積といった問題は生じない。
すなわち、送電器1から受電器2に給電している状態では、効率(η)を求めることが可能である。ここで、効率ηは、例えば、送電器1の送電電力をP1,受電器2における受電電力をP2とすると、η=P2/P1として求めることができ、P1およびP2を測定することで効率(測定効率)ηが分かる。
そして、効率ηから得られる受電器2の位置情報(第2位置情報)と、加速度センサ26および地磁気センサ27の出力から得られる受電器2の姿勢情報から、結合係数(k)を求めることができる。すなわち、送電器1から受電器2に対して電力伝送を開始した後は、効率ηから算出した第2位置情報による給電条件に基づいて、送電共振コイル11aA,11aBに発生させる磁界を制御して給電を行う。
ここで、kQ値(kQ)は、電磁界(磁界または電界)の結合の程度を示すk値(結合係数:k,k')と、電磁界の損失の程度を示すQ値(損失:Q)の積である。また、k値は、その値が大きいほど、結合の程度が大きいことを示し、また、Q値は、その値が大きいほど、損失の程度が小さいことを示す。
なお、送電器1から受電器2への効率(測定効率)ηからkQ値を求めることができ、さらに、コイルの損失Qは既知なので、結合係数kを求めることができる。このηとkQ値の関係等については、後に、図13A〜図13Cを参照して詳述する。
結合係数k(推定結合係数k')と、加速度センサ26および地磁気センサ27の出力から得られる受電器2の姿勢情報から、受電器2の位置を推定することができる。なお、位置情報の推定(算出)は、例えば、送電器1における送電制御部13により行われる。
このようにして得られた受電器2の推定された位置情報は、前述した送電器1の受電器検出部15の位置から受電器2の加速度センサ26の出力を2階積分してえられた位置情報よりも信頼性が高いと考えられる。
本実施例によれば、初期状態では、受電器2の加速度センサ26の出力に基づく位置情報を使用して、送電器1から受電器2への給電を、テスト送電等を行うことなく、直ちに開始することができる。
その後、実際に送電器1から受電器2への給電を行っている間は、例えば、通信回路部14,24による通信により、効率ηを求めることができ、kQ値から受電器2の位置情報を推定することが可能になる。ここで、効率ηは、例えば、送電器1の送電電力をP1,受電器2における受電電力をP2とすると、η=P2/P1として求めることができる。すなわち、P1およびP2を測定することで効率(測定効率)ηが分かることになる。
そして、本実施例によれば、給電中は、受電器2の加速度センサ26の出力に基づく位置情報ではなく、測定された効率を使用して受電器2の位置情報を求めて、給電を行うことにより、適切な給電が可能になる。
そして、図12Fに示されるように、給電の実行中、加速度センサ26の出力が一定値以上になったら、例えば、ユーザの動作により受電器2が移動しているものと判断して、加速度センサ26の出力を2階積分して移動距離の演算を再開する。
なお、姿勢に関しては、例えば、加速度センサ26および地磁気センサ27の出力から得られる受電器2の姿勢情報を、位置情報と併せて、通信回路部24,14を介して送電器1へ伝達する。このとき、例えば、移動速度が速くて給電が不安定になるような場合には、一時的に給電を停止してもよい。また、加速度センサ26の出力が一定値以下になったら、再び、図12Dを参照して説明した処理に戻り、給電を再設定することができる。
以上において、送電器1(テーブル3)から受電器2への給電が停止されるケースとしては、例えば、以下の2つの場合が考えられる。まず、第1のケースは、受電器2の二次電池(バッテリー)が満充電になる等により、給電が不要になる場合である。
そのときは、受電器2が満充電であることを、通信回路部24,14を介して送電器1に伝え、送電を停止する。なお、受電器2で行っていた一連の受電制御も停止することになる。
次に、第2のケースは、ユーザの意思によって給電を停止する場合である。このときは、ユーザが受電器2のインターフェイスで給電停止を指示することによって送電器1に無線通信で通知を行う。或いは、給電開始の時と同様に、受電器検出部15に受電器2を近接または接触させて極短距離通信により、受電器2(ユーザ)から給電停止を指示する。
なお、例外として、例えば、ユーザが使用中に給電ゾーンの外に受電器2を移動させ、給電制御が困難になる場合が考えられる。そのときは、受電器2のインターフェース(表示画面,音,振動等)により、ユーザに対して速やかに通知を行うと共に、通信回路部24,14を介して送電器1に対して送電停止を指示する。
このように、本実施例の無線電力伝送システムによれば、送電器1(テーブル3)には、受電器2の初期位置を検出するための受電器検出部15(16)が設けられている。この受電器検出部としては、極短距離通信や二次元コード等を適用することができ、受電器検出部に受電器2を近接または接触させることにより、受電器2の基準位置の設定、並びに、受電器2の給電開始の合図(意思表示)等を行うことができる。
さらに、例えば、受電器検出部15と受電器2の接触時における極短距離通信により、受電器2のバッテリの容量や充電量といった仕様情報、或いは、ユーザの受電契約や給電による課金に使用する情報等の様々な情報を送電器1に伝えることができる。
そして、受電器2は、受電器検出部15の位置を基準として、例えば、加速度センサ26を利用して位置情報を算出すると共に、加速度センサ26および地磁気センサ27を併用して受電器2の姿勢情報を、アウトバンド通信を使用して送電器1に伝える。
送電器1は、極短距離通信により得られた受電器2の仕様情報、並びに、アウトバンド通信により得られた受電器2の位置情報および姿勢情報を、初期状態の給電情報として使用して、給電を開始する。すなわち、送電器1から受電器2に対して行うテスト送電等を行うことなく、直ちに受電器2に対する給電を開始することができる。
そして、送電器1から受電器2に対する給電が行われている状態において、送電器1は、アウトバンド通信を利用して効率(η)を認識(測定)することができるため、この測定効率ηおよびkQ値等を使用して受電器2の位置情報を推定する。
すなわち、受電器2の加速度センサ26に基づく位置情報には、積分誤差が蓄積されて精度が低下する虞が有るため、給電状態では、より精度が高いと考えられる手法により得られた位置情報を使用する。
磁界共鳴(電界共鳴)方式を適用した無線電力伝送システムにおいて、送電器の出力設定精度を向上させることができ、安定した給電制御が可能になる。さらに、送電器に設けた受電器検出部に受電器を認証(接触)させることで、ユーザによる給電開始の意思表示を示すことが可能になる。
図13A〜図13Cは、kQ値,測定効率ηおよび結合係数kの関係を説明するための図である。ここで、図13Aは、送電器1(送電共振コイル11a)および受電器2(受電共振コイル21a)を概念的に示す図であり、例えば、前述した図4Cに示す伝送コイルの例に相当する。
また、図13Bは、図13Aにおける送電器1および受電器2の等化回路を示す図であり、図13Cは、RL/R2による効率(η)とkQ値の関係を示す図である。なお、伝送コイル(ワイヤレス送電部およびワイヤレス受電部)は、図4Cのものに限定されず、図3,図4Aおよび図4B等の構成であってもよいのはいうまでもない。
1つの送電器1(送電共振コイル11a)と1つの受電器2(受電共振コイル21a)間の磁界(電界)による電力伝送は、図13Aのように考えることができ、これは、図13Bの等化回路により表される。
なお、図13Bにおいて、参照符号R1およびL1は、送電共振コイル11a(コイル)の損失(抵抗値)および自己インダクタンスを示し、R2およびL2は、受電共振コイル21a(コイル211)の抵抗値および自己インダクタンスを示す。また、参照符号RLは、給電対象(バッテリ部25)の負荷抵抗を示し、Mは、送電共振コイル11aと受電共振コイル21a間の相互インダクタンスを示す。
参照符号C1は、送電共振コイル11a(容量)のキャパシタンスを示し、C2は、受電共振コイル21a(容量212)のキャパシタンスを示し、I1およびI2は、送電共振コイル11aおよび受電共振コイル21aを流れる電流を示し、Eは電源回路(12)を示す。
ここで、kQ値、k値、並びに、送電器および受電器のQ値(Q1,Q2)は、次の式(1)〜式(3)により表される。
Figure 0006372608
なお、受電共振コイル21a(受電器2)の効率は、コイル211の抵抗値R2だけでなく、給電対象となる負荷抵抗RLにより変化する。例えば、受電器2において、受電共振コイル21aにおけるコイル211の抵抗値R2は最小化を目指して設計されるが、負荷抵抗RLは、例えば、二次電池の充電率等によって変化する。
上述した本実施例では、例えば、この負荷抵抗RLの値は、例えば、送電器1と受電器2の間で行われる極短距離通信による相互認証によって、受電器2から送電器1に伝えられる。図13Cにおいて、効率ηは、次の式(4)により表される。
Figure 0006372608
なお、kQ値と効率(η)の関係は、負荷抵抗RLにより変化するが、この負荷抵抗RLに関しては、図示しない様々な手法により対応することが可能であり、ここでは、kQ値,測定効率ηおよび結合係数kの関係を説明するに留める。図13Cにおいて、曲線LLは、コイル211の抵抗値R2と負荷抵抗RLの比率が常に最適な場合(理想効率,最大効率)の特性を示す。
なお、エネルギー損失の程度を示すQ値に関して、例えば、送電共振コイル11aにおけるωおよびL1、並びに、受電共振コイル21aにおけるωおよびL2は、通常、不変とみなすことができる。
上述した式(4)に対して、例えば、測定した効率ηを適用し、さらに、抵抗比RL/R2およびその逆数R2/RLをして適用することで、kQ値を算出(推定)することができる。また、kQ値を算出できれば、k値を算出することも可能になる。なお、結合係数(k)は、受電器2の位置情報(推定された位置情報)、並びに、加速度センサ26および地磁気センサ27の出力から得られる受電器2の姿勢情報から求められるものである。
このように、本実施例によれば、初期状態では、受電器検出部15から加速度センサ26の出力を2階積分して位置情報を求め、実際に、送電器1から受電器2に給電されるようになると、効率ηを測定して、受電器2の位置情報を推定する。なお、この位置情報の乗り換え処理に関しては、図14を参照して説明する。
図14は、本実施例の無線電力伝送システムにおける位置情報の乗り換え処理を説明するための図であり、送電器1における高周波電源部12,送電制御部13および通信回路部14を示すものである。
図14に示されるように、送電制御部13は、出力演算部131,送電指示部132および効率演算部133を含む。この送電制御部13において、送電電力P1(送電出力レベル)の決定は、以下のようにして実施される。
まず、受電器2が移動中であって、送電器1からの給電は開始されておらず、加速度センサ26により受電器2の位置情報が得られている場合、すなわち、図12Cを参照して説明した場合を考える。
このとき、送電器1の通信回路部14には、受電器2における受電制御部23および通信回路部24を介して、加速度センサ(加速度ピックアップ)26および地磁気センサ27の出力に基づいた受電器2の位置情報および姿勢情報が送られてくる。
送電制御部13は、これらの情報を受け取り、例えば、出力演算部131により送電器1と受電器2の間の結合係数(k)を計算し、さらに、予め認証時に収集しておいたコイルのQ値からkQ値を求め、kQ値の関数で表現される送電効率(η')を推定する。
そして、例えば、推定送電効率η'と、受電器2が求める要求電力(P)から求められる送電電力(P1=P/η')を、送電指示部132を介して高周波電源部12(電源アンプ)に指示する。なお、送電制御部13は、受電器2の要求電力Pも、予め認証時に収集している。
次に、受電器2が給電中で、位置情報がない(加速度センサ26による位置情報を使用しない)場合、すなわち、図12Eを参照して説明した場合を考える。このとき、送電器1の通信回路部14には、受電器2における受電制御部23および通信回路部24を介して、受電器2の加速度センサ26および地磁気センサ27の出力に基づいた受電器2の位置情報および姿勢情報、並びに、受電電力(P2)が送られてくる。
送電制御部13は、これらの情報を受け取り、例えば、効率演算部133により、送電指示部132からの送電電力P1および受電器2から送られてきた受電電力P2から効率(測定効率η)の演算を行い、出力演算部131に測定効率ηを出力する。
出力演算部131では、測定効率ηからkQ値を求め,さらに、予め認証時に収集しておいたコイルのQ値から結合係数(k')を推定する。出力演算部131は、推定結合係数k'、並びに、受電器2の加速度センサ26および地磁気センサ27による姿勢情報に基づいて、受電器2の位置を推定し、その推定位置を随時更新しながら通信回路部14を介して受電器2に伝達する。
ここで、出力演算部131は、推定結合係数k'および姿勢情報から受電器2の位置を求めるためのテーブル、或いは、演算機能を有している。そして、例えば、測定効率ηと、受電器2からの受電電力(P2)から求められる送電電力(P1=P2/η)を、送電指示部132を介して高周波電源部12に指示する。
このように、本実施例は、給電開始時は、受電器2の加速度センサ26の出力から求めた位置情報を使用するが、給電が開始されると、給電効率情報が得られるようになるため、その給電効率情報から求めた位置情報を使用して給電を行うようにする。
以上のように、本実施例によれば、送電器1から受電器2に対して給電を開始する初期状態では、例えば、受電器検出部15を原点として加速度センサ26の出力から求めた位置情報を使用することで給電を早急に開始することが可能になる。また、給電中には、給電効率ηと受電器2の姿勢情報から位置情報を推定することで、加速度センサ26の出力を積分演算することによる誤差の蓄積を回避して、適切な給電を行うことが可能になる。
図15A〜図15Cは、本実施例の無線電力伝送システムにおける無線電力伝送処理の一例を示すフローチャートである。図15A〜図15Cにおいて、送電器1(テーブル3)側の処理をステップST101〜ST116で示し、受電器2側の処理をステップST201〜ST222で示す。
図15A〜図15Cに示されるように、無線電力伝送処理が開始すると、送電器1(テーブル3)のステップST101において、認証要求を検知したかどうかを判定し、受電器2からの認証要求を検出するまで、認証要求の検知判定を継続する。
受電器2のステップST201において、受電器2が、送電器1の受電器検出部15(アンテナ15a)への近接または接触を検知し、送電器1に対して認証要求を行うと、送電器1のステップST101では、認証要求を検知したと判定して、ステップST102に進む。
そして、受電器2のステップST202および送電器1のステップST102において、相互に認証処理を行う。この送電器1および受電器2の相互認証は、例えば、アンテナ15a,28aおよび極短距離通信回路部15b,28bによる極短距離通信で行う。
なお、送電器1および受電器2の相互認証は、例えば、二次元コード16a,29aおよびカメラ16b,29b等を使用して行ってもよいのは、前述した通りである。また、相互認証の内容は、例えば、受電器2に設けられたバッテリの容量や残量等の給電仕様、給電の要否、並びに、ユーザの受電契約や給電による課金に使用する情報(給電の許可や料金)等の様々なものであってもよい。
次に、受電器2では、ステップST203に進んで静止中かどうかを判定し、静止中であると判定するまで処理を継続し、静止中であると判定すると、ステップST204に進んで、加速度センサ26の出力を初期化し、初期化終了通知を送電器1に伝える。ここで、受電器2から送電器1に対して初期化終了通知を伝えるのは、例えば、通信回路14および24によるアウトバンド通信により行う。
このとき、送電器1では、ステップST103において、加速度センサ26の初期化が行われたかどうかの判定処理を継続しており、受電器2からの初期化終了通知を受け取ると、ステップST104に進んで、給電の準備を行う。さらに、ステップST105に進んで、受電器2からの給電要求が有るかどうかの判定を行う。
また、受電器2では、ステップST205において、ユーザに対して準備完了(移動OK)を通知し、ステップST206に進んで、受電器2の移動を検知したかどうかの判定を行い、移動を検知するまで処理を継続する。
ステップST206において、受電器2の移動を検知したと判定すると、ステップST207に進んで、受電器2の移動距離演算を開始する。すなわち、加速度センサ26の出力を2階積分することで、受電器検出部(15)からの距離を算出する。さらに、ステップST208に進んで、受電器2の移動が停止したかどうかを判定し、受電器2の移動が停止したと判定するまで処理を継続する。
ステップST208において、受電器2の移動が停止したと判定すると、ステップST209に進んで、移動距離の演算を停止し、さらに、ステップST210に進んで、送電器1に対して給電要求、並びに、位置情報および姿勢情報を伝える。この受電器2から送電器1に対する給電要求、並びに、位置情報および姿勢情報の伝達は、アウトバンド通信(通信回路部24,14)により行う。
送電器1のステップST105では、受電器2のステップST210における給電要求、並びに、位置情報および姿勢情報の伝達により、受電器2からの給電要求が有ったと判定してステップST106に進む。ステップST106では、受電器2の位置情報および姿勢情報を更新し、さらに、ステップST107に進んで、給電設定を行い、給電を開始する。
受電器2のステップST211では、送電器1からの給電を検出したかどうかを判定し、送電器1のステップST107による給電開始を受けて、給電を検出したと判定するとステップST212に進んで、受電器2に給電中の表示を行う。なお、ステップST211において、送電器1からの給電を検出していないと判定すると、ステップST210に戻り、送電器1に対する給電要求、並びに、位置情報および姿勢情報の伝達を行う。
受電器2において、ステップST212で給電中の表示を行った後、ステップST213に進んで、受電電力(P2)を測定し、その測定した受電電力P2を送電器1に通知し、さらに、ステップST214に進んで、姿勢情報を送電器1に通知する。なお、受電器2から送電器1に対する受電電力P2および姿勢情報の通知は、アウトバンド通信により行う。
送電器1のステップST108では、受電器2から受電電力P2の通知が有るかどうかを判定し、受電電力P2の通知が有ると判定すると、ステップST109に進んで、給電効率を計算し、受電器2の位置を推定し、さらに、ステップST110に進む。
ここで、ステップST109における給電効率(η)の計算には、例えば、図14を参照して説明した送電器1の送電電力P1等が使用される。なお、ステップST108において、受電器2から受電電力P2の通知がないと判定すると、通知が有ると判定するまで同様の処理を継続する。
送電器1のステップST110では、給電の設定を更新してステップST111に進み、受電器2から姿勢情報の通知が有るかどうかを判定する。ステップST111において、受電器2のステップST214による姿勢情報の通知を受け取り、姿勢情報の通知が有ると判定すると、ステップST112に進んで、姿勢情報を更新し、ステップST108に戻り、同様の処理を繰り返す。
送電器1のステップST111において、姿勢情報の通知がないと判定すると、ステップST113に進んで、受電器2からの移動通知が有るかどうかを判定し、移動通知がないと判定すると、ステップST115に進む。
なお、ステップST113において、受電器2からの移動通知が有る、すなわち、給電の実行中に、受電器2の加速度センサ26の出力が一定値以上になったら、例えば、ユーザの動作により受電器2が移動しているものと判断して、ステップST114に進む。
ステップST114では、給電を一時停止して、ステップST105に戻り、受電器2からの給電要求が有るかどうかを判定することになる。さらに、ステップST114では、受電器2に対して給電を一時停止したことを通知する。なお、この受電器2に対する給電の一時停止の通知も、アウトバンド通信により行う。
受電器2のステップST215では、受電器2の移動を再開したかどうかを判定し、移動を再開したと判定すると、ステップST216に進んで、加速度センサ26の出力による移動距離演算を再開する。
さらに、ステップST217に進んで、送電器1に対して、受電器2の移動を通知し、給電を一時停止するように要求する。ステップST218では、送電器1のステップST114による給電の一時停止の通知を受け取って、ステップST212による給電中の表示を停止し、ステップST208に戻って、受電器2の移動が停止するかどうかの判定を行うことになる。
一方、受電器2のステップST215において、受電器2の移動を再開していないと判定すると、ステップST219に進んで、満充電かどうかを判定し、満充電ではないと判定すると、ステップST220に進む。ステップST220では、給電停止の操作が有るかどうかを判定し、給電停止の操作がないと判定すると、ステップST213に戻り、受電電力P2を測定して送電器1に通知することになる。
また、ステップST219において、満充電であると判定した場合、並びに、ステップST220において、給電停止の操作が有ると判定した場合には、ステップST221に進み、送電器1に対して給電停止要求を行う。そして、ステップST222に進んで、給電を停止したかどうかを判定する。
送電器1のステップST115では、給電終了が通知されたかどうかを判定し、給電終了が通知されたと判定すると、ステップST108に戻り、受電器2からの受電電力P2の通知を待つことになる。
また、ステップST115において、受電器2のステップST221による給電停止要求が通知されると、給電終了が通知されたと判定し、ステップST116に進んで、給電を停止すると共に、受電器2に対して給電停止を通知する。そして、給電処理(無線電力伝送処理)を終了する。
ここで、受電器2のステップST222では、送電器1からの給電停止の通知を受け取ると、給電を停止したと判定して、無線電力伝送処理を終了する。なお、送電器1から受電器2に対する給電停止の通知も、アウトバンド通信で行う。
このように、本実施例によれば、送電器と受電器間の相対位置や姿勢の初期値を取得することで、送電器から受電器へ電力伝送を開始するまでの遅延を低減することができる。また、送電器から受電器へ電力伝送が行われている状態では、受電器の加速度センサによる位置情報の代わりに、測定した給電効率(測定効率)による位置情報を使用することで、電力伝送の精度を向上して安定した制御が可能になる。
ここに記載されている全ての例および条件的な用語は、読者が、本発明と技術の進展のために発明者により与えられる概念とを理解する際の助けとなるように、教育的な目的を意図したものである。
また、具体的に記載されている上記の例および条件、並びに、本発明の優位性および劣等性を示すことに関する本明細書における例の構成に限定されることなく、解釈されるべきものである。
さらに、本発明の実施例は詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換および修正をこれに加えることが可能であると解すべきである。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力を無線により送電する送電コイルと、
前記送電コイルを制御する送電制御部と、
前記受電器を近接または接触することにより、前記受電器を検出する受電器検出部と、を有する、
ことを特徴とする送電器。
(付記2)
前記送電制御部は、
前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記受電器を前記受電器検出部に近接または接触させた基準位置から算出された前記受電器の第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、電力の伝送効率から算出された前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
ことを特徴とする付記1に記載の送電器。
(付記3)
前記受電器検出部は、前記送電コイルによる給電ゾーンの近傍に設けられている、
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の送電器。
(付記4)
前記受電器検出部は、前記受電器を近接または接触させたとき、前記受電器との間で相互認証を行う、
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の送電器。
(付記5)
前記受電器検出部は、第1アンテナおよび第1極短距離通信回路部、或いは、第1コードおよび第1コード読み取り部を含む、
ことを特徴とする付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の送電器。
(付記6)
さらに、
前記受電器との間でアウトバンド通信を行う第1通信回路部を有し、
前記第1位置情報および前記第2位置情報は、前記第1通信回路部を介して、前記受電器から伝えられる、
ことを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1項に記載の送電器。
(付記7)
前記送電コイルは少なくとも2つ設けられ、少なくとも2つの前記送電コイルにより、前記受電器に対して電力伝送を行う三次元の給電ゾーンを形成する、
ことを特徴とする付記1乃至付記6のいずれか1項に記載の送電器。
(付記8)
前記送電器は、
第1送電コイルが設けられた立板と、
第2送電コイルが設けられた横板と、を有し、
垂直方向にL字型形状とされたテーブルとして形成される、
ことを特徴とする付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の送電器。
(付記9)
送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器に伝送する無線電力伝送システムであって、
前記送電器は、
少なくとも2つの送電コイルによる給電ゾーンの近傍に設けられ、前記受電器を近接または接触することで前記受電器を検出する受電器検出部と、
前記送電コイルを制御する送電制御部と、
前記受電器との間でアウトバンド通信を行う第1通信回路部と、を有し、
前記受電器は、
前記受電器検出部に近接または接触した位置を基準位置として検出する基準位置検出部と、
前記基準位置から前記受電器が移動した距離を演算するための第1センサと、
前記第1センサの出力に基づいて、前記基準位置からの第1位置情報を算出する受電制御部と、
前記送電器との間でアウトバンド通信を行う第2通信回路部と、を有し、
前記送電制御部は、
前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、前記第1および第2通信回路部介して得られる効率から算出された前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
ことを特徴とする無線電力伝送システム。
(付記10)
前記第1センサは、加速度センサである、
ことを特徴とする付記9に記載の無線電力伝送システム。
(付記11)
前記受電器は、
前記受電器の姿勢を、前記第1センサと共に、検出する第2センサを有し、
前記送電器は、前記第1および第2通信回路部を介して、前記第1位置情報、並びに、前記第1センサおよび前記第2センサによる姿勢情報を受け取る、
ことを特徴とする付記9または付記10に記載の無線電力伝送システム。
(付記12)
前記第2センサは、地磁気センサである、
ことを特徴とする付記11に記載の無線電力伝送システム。
(付記13)
前記送電器および前記受電器は、前記受電器検出部および前記基準位置検出部を介して相互認証を行う、
ことを特徴とする付記9乃至付記12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記14)
前記相互認証が行われて給電の準備が完了したら、前記受電器検出部または前記送電器の所定個所、或いは、前記受電器に対して、表示または音声により合図を行う、
ことを特徴とする付記13に記載の無線電力伝送システム。
(付記15)
前記送電器および前記受電器は、前記受電器検出部および前記基準位置検出部を介して、前記受電器の給電仕様、前記受電器に対する給電要否および許可、並びに、前記受電器に対する給電による課金の情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする付記13または付記14に記載の無線電力伝送システム。
(付記16)
前記受電器検出部は、第1アンテナおよび第1極短距離通信回路部を含み、
前記基準位置検出部は、第2アンテナおよび第2極短距離通信回路部を含む、
ことを特徴とする付記13乃至付記15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記17)
前記受電器検出部は、第1コードおよび第1コード読み取り部を含み、
前記基準位置検出部は、第2コードおよび第2コード読み取り部を含む、
ことを特徴とする付記13至付記15のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記18)
前記受電器検出部に対して、再度、前記受電器を近接または接触させることにより、前記送電器から前記受電器に対する電力伝送を停止する、
ことを特徴とする付記9乃至付記17のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
(付記19)
少なくとも2つの送電コイルにより、送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器に伝送する無線電力伝送システムにおける受電器の位置情報算出方法であって、
前記送電器に設けられた受電器検出部に対して、前記受電器を近接または接触させて基準位置を設定し、
前記基準位置から前記受電器が移動する距離を演算可能な第1センサの出力に基づいて、前記受電器の第1位置情報を算出し、
前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、電力の伝送効率に基づいて、前記受電器の第2位置情報を算出する、
ことを特徴とする受電器の位置情報算出方法。
(付記20)
前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記受電器の第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始した後は、前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
ことを特徴とする付記19に記載の受電器の位置情報算出方法。
1 送電器(一次側:送電側)
1A〜1D,1A1〜1A3 送電器
2 受電器(二次側:受電側)
2A1〜2A3,2B1〜2B3,2C1,2C2 受電器
11 ワイヤレス送電部
11a,11aA,11aB 送電共振コイル(送電コイル,第2コイル:LC共振器)
11b 電力供給コイル(第1コイル)
12 高周波電源部
13 送電制御部
14 通信回路部(第1通信回路部)
15,16 受電器検出部
15a アンテナ(第1アンテナ)
15b 極短距離通信回路部(第1極短距離通信回路部)
16a 二次元コード(第1コード)
16b 二次元コード読み取り部(第1コード読み取り部,カメラ)
21 ワイヤレス受電部
21a 受電共振コイル(第3コイル:LC共振器)
21b 電力取出コイル(第4コイル)
22 受電回路部(整流部)
23 受電制御部
24 通信回路部(第2通信回路部)
25 バッテリ部(機器本体,負荷)
26 加速度センサ(第1センサ)
27 地磁気センサ(第2センサ)
28,29 基準位置検出部
28a アンテナ(第2アンテナ)
28b 極短距離通信回路部(第2極短距離通信回路部)
29a 二次元コード(第2コード)
29b 二次元コード読み取り部(第2コード読み取り部,カメラ)

Claims (9)

  1. 受電器に対して、磁界共鳴または電界共鳴を利用して電力を無線により送電する送電コイルと、
    前記送電コイルを制御する送電制御部と、
    前記受電器を近接または接触することにより、前記受電器を検出する受電器検出部と、を有し、
    前記送電制御部は、
    前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記受電器を前記受電器検出部に近接または接触させた基準位置から算出された前記受電器の第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
    前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、電力の伝送効率から算出された前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
    ことを特徴とする送電器。
  2. 前記受電器検出部は、前記受電器を近接または接触させたとき、前記受電器との間で相互認証を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送電器。
  3. 送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器に伝送する無線電力伝送システムであって、
    前記送電器は、
    少なくとも2つの送電コイルによる給電ゾーンの近傍に設けられ、前記受電器を近接または接触することで前記受電器を検出する受電器検出部と、
    前記送電コイルを制御する送電制御部と、
    前記受電器との間でアウトバンド通信を行う第1通信回路部と、を有し、
    前記受電器は、
    前記受電器検出部に近接または接触した位置を基準位置として検出する基準位置検出部と、
    前記基準位置から前記受電器が移動した距離を演算するための第1センサと、
    前記第1センサの出力に基づいて、前記基準位置からの第1位置情報を算出する受電制御部と、
    前記送電器との間でアウトバンド通信を行う第2通信回路部と、を有し、
    前記送電制御部は、
    前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
    前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、前記第1および第2通信回路部介して得られる効率から算出された前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
    ことを特徴とする無線電力伝送システム。
  4. 前記受電器は、
    前記受電器の姿勢を、前記第1センサと共に、検出する第2センサを有し、
    前記送電器は、前記第1および第2通信回路部を介して、前記第1位置情報、並びに、前記第1センサおよび前記第2センサによる姿勢情報を受け取る、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記送電器および前記受電器は、前記受電器検出部および前記基準位置検出部を介して相互認証を行う、
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記送電器および前記受電器は、前記受電器検出部および前記基準位置検出部を介して、前記受電器の給電仕様、前記受電器に対する給電要否および許可、並びに、前記受電器に対する給電による課金の情報の少なくとも1つを含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の無線電力伝送システム。
  7. 前記受電器検出部に対して、再度、前記受電器を近接または接触させることにより、前記送電器から前記受電器に対する電力伝送を停止する、
    ことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
  8. 少なくとも2つの送電コイルにより、送電器からの電力を、磁界共鳴または電界共鳴を利用して無線により受電器に伝送する無線電力伝送システムにおける受電器の位置情報算出方法であって、
    前記送電器に設けられた受電器検出部に対して、前記受電器を近接または接触させて基準位置を設定し、
    前記基準位置から前記受電器が移動する距離を演算可能な第1センサの出力に基づいて、前記受電器の第1位置情報を算出し、
    前記送電器から前記受電器に対する電力伝送が開始した後は、電力の伝送効率に基づいて、前記受電器の第2位置情報を算出する、
    ことを特徴とする受電器の位置情報算出方法。
  9. 前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始する当初は、前記受電器の第1位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御し、
    前記送電器から前記受電器に対して電力伝送を開始した後は、前記受電器の第2位置情報に基づいて、前記送電コイルを制御する、
    ことを特徴とする請求項に記載の受電器の位置情報算出方法。
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