<実施形態の装置構成>
図1及び図2を参照すると、画像読取システム1は、端末装置2と画像読取装置3とを備えている。端末装置2と画像読取装置3とは、無線又は有線の通信回線4を介して互いに情報通信可能に接続されている。本実施形態においては、端末装置2は、いわゆる携帯端末(例えばスマートフォン)であって、CPU21と、ROM22と、RAM23と、不揮発メモリ24と、タッチパネル26と、通信インタフェース27と、双方向バス28と、を備えている。CPU21、ROM22、RAM23、不揮発メモリ24、タッチパネル26、及び通信インタフェース27は、双方向バス28を介して互いに接続されている。
CPU21は、マイクロプロセッサであって、端末装置2の全体の動作を制御するように設けられている。ROM22には、端末装置2の基本的な動作に必要な情報(起動プログラム及び基本入出力プログラム等)が格納されている。RAM23は、CPU21による演算処理中にデータを一時的に格納可能に設けられている。不揮発メモリ24は、フラッシュメモリ等の、書き換え可能な不揮発性記憶媒体であって、電源遮断中も情報を保持可能に構成されている。具体的には、不揮発メモリ24には、CPU21によって実行される各種プログラムが更新可能に格納されている。また、不揮発メモリ24は、CPU21による制御により、画像読取装置3による読取結果に基づく画像データを記憶可能に設けられている。
タッチパネル26は、液晶表示部と、ユーザの手指等が接触した位置を検出可能なタッチ入力部と、を備えていて、液晶表示部における表示状態に対応した入力を行うことができるように構成されている。通信インタフェース27は、端末装置2と通信回線4とを接続することで、端末装置2と外部との間のデータ授受を可能とするように設けられている。具体的には、端末装置2は、通信インタフェース27及び通信回線4を介して、画像読取装置3に接続されている。また、端末装置2は、図示しないネットワーク回線(インターネット等)に、通信インタフェース27を介して接続可能となっている。
画像読取装置3は、本体部30と、給紙トレイ31と、排紙トレイ32と、タッチパネル33と、キー操作部34と、読取部35と、原稿搬送機構36と、を備えている。給紙トレイ31は、本体部30の上部に設けられている。排紙トレイ32は、本体部30の下部に設けられている。給紙トレイ31及び排紙トレイ32は、シート状の原稿である原稿シートSを複数枚積層した状態で載置可能に構成されている。
タッチパネル33は、表示部と入力部とを兼ねるものであって、画像読取装置3の動作状況に応じた画面表示を行いつつ当該画面表示に応じたユーザの入力操作を受付けるように、本体部30の上面に設けられている。特に、本実施形態においては、タッチパネル33は、選択操作を受付けるように設けられている。ここで、「選択操作」とは、給紙トレイ31上に原稿シートSが無くなることで読取動作が一旦停止した場合に、そのまま読取動作を終了する(スキャン終了)か、又は引続き他の原稿の読取を行う(継続スキャン)か、に関する入力操作である。キー操作部34は、ユーザの入力操作を受付けるキーボード装置であって、本体部30の上面にてタッチパネル33に隣接して設けられている。
読取部35は、いわゆる密着センサ(CIS:Contact Image Sensor)方式の画像読取素子である。読取部35は、原稿搬送機構36によって給紙トレイ31から排紙トレイ32に向けて搬送中の原稿シートSを読取可能に、本体部30の内部に設けられている。原稿搬送機構36は、給紙トレイ31から排紙トレイ32に向けて原稿シートSを一枚ずつ搬送可能に構成されている。具体的には、原稿搬送機構36は、給紙ローラ36Aと、分離パッド36Bと、搬送ローラ36Cと、駆動モータ36Dと、搬送ローラ36Eと、を備えている。
給紙ローラ36Aは、給紙トレイ31に載置された原稿シートSの下端部に当接するように、給紙トレイ31の下端部に対応する位置に設けられている。分離パッド36Bは、原稿シートSの下端部を挟んで給紙ローラ36Aに対向するように設けられている。給紙ローラ36A及び分離パッド36Bは、給紙トレイ31に複数枚の原稿シートSが載置されている場合に、複数枚の原稿シートSのうちから最も下の一枚を摩擦力の作用で分離して排紙トレイ32に向けて搬送するように構成されている。
搬送ローラ36Cは、給紙ローラ36Aと分離パッド36Bとが対向する位置(分離位置)と、読取部35が原稿シートSと対向する位置(読取位置)との間に配置されている。搬送ローラ36Cは、駆動モータ36Dにより駆動されることで、分離位置を通過した原稿シートSを下流側の搬送ローラ36Eに向けて搬送するように設けられている。すなわち、駆動モータ36Dは、読取部35に向けて原稿シートSを搬送する際に駆動される駆動部である。搬送ローラ36Eは、読取位置と排紙トレイ32との間に配置されている。搬送ローラ36Eは、読取位置を通過した原稿シートSを下流側の排紙トレイ32に向けて搬送するように設けられている。
本体部30の内部には、原稿検出センサ37、原稿検出センサ38及び温度センサ39が設けられている。原稿検出センサ37は、原稿シートSが給紙トレイ31に載置された場合に原稿シートSの下端部が当接するように、給紙トレイ31の下端部に対向配置されている。すなわち、原稿検出センサ37は、給紙トレイ31上における原稿シートSの有無に対応する信号を発生するように設けられている。原稿検出センサ38は、原稿シートSの搬送経路における搬送ローラ36Cと読取位置との間に配置されている。原稿検出センサ38は、原稿シートSが搬送経路にて通過中か否かに対応する信号を発生するように構成されている。特に、原稿検出センサ38は、原稿シートSの先端及び後端の通過を検出可能に設けられている。温度センサ39は、駆動モータ36Dの温度に対応する出力信号を発生するように、駆動モータ36Dの近傍に配置されている。
本体部30の内部には、ECU50が収容されている。ECU50は、電子制御ユニットであって、CPU51と、ROM52と、RAM53と、不揮発メモリ54と、表示ドライバ55と、入出力インタフェース56と、通信インタフェース57と、双方向バス58と、モータドライバ59Aと、読取ドライバ59Bと、を備えている。CPU51、ROM52、RAM53、不揮発メモリ54、表示ドライバ55、入出力インタフェース56、通信インタフェース57、モータドライバ59A、及び読取ドライバ59Bは、双方向バス58を介して互いに接続されている。
CPU51は、マイクロプロセッサであって、タッチパネル33及びキー操作部34における入力に応じて画像読取装置3の全体の動作を制御するために動作するように設けられている。ROM52には、画像読取装置3の基本的な動作に必要な情報(起動プログラム及び基本入出力プログラム等)が格納されている。RAM53は、CPU51による演算処理中にデータを一時的に格納可能に設けられている。
不揮発メモリ54は、フラッシュメモリ等の、書き換え可能な不揮発性記憶媒体であって、電源遮断中も情報を保持可能に構成されている。不揮発メモリ54は、CPU51による制御により、読取部35による読取結果に基づく画像データを記憶可能に設けられている。以下、不揮発メモリ54における、画像データを記憶するための領域を、「画像メモリ」と称する。また、不揮発メモリ54には、CPU51によって実行される各種プログラム(画像読取装置3の動作を制御するためのプログラム)が更新可能に格納されている。具体的には、不揮発メモリ54には、駆動モータ36Dの温度保護を含むメイン制御プログラム(本発明の「読取装置制御プログラム」に相当する)が格納されている。また、不揮発メモリ54には、読取部35による読取結果に基づく画像データに対して所定処理(PDF形式やGIF形式等の画像ファイル化、OCR処理を伴う文書ファイル化、端末装置2等の外部機器への送信、等)を行うためのプログラムが格納されている。
表示ドライバ55は、CPU51からの指令信号に基づいてタッチパネル33に各種の表示を行わせるように、タッチパネル33における液晶表示部に接続されている。入出力インタフェース56は、タッチパネル33及びキー操作部34による入力操作に応じた信号、及び上述の各種センサ(原稿検出センサ37、原稿検出センサ38及び温度センサ39)の出力信号をCPU51に入力するように、タッチパネル33におけるタッチ入力部、キー操作部34及び上述の各種センサに接続されている。具体的には、ECU50は、CPU51の演算により算出した駆動モータ36Dの温度の推定値θ(以下単に「モータ温度θ」と称する)と、温度センサ39の出力と、に基づいて、駆動モータ36Dの温度保護制御を行うようになっている。
通信インタフェース57は、画像読取装置3と通信回線4とを接続することで、画像読取装置3と外部との間のデータ授受を可能とするように設けられている。具体的には、画像読取装置3は、通信インタフェース57及び通信回線4を介して、端末装置2に接続されている。また、画像読取装置3は、図示しないネットワーク回線(インターネット等)に、通信インタフェース57を介して接続可能となっている。特に、本実施形態においては、通信インタフェース57は、画像メモリに記憶された画像データを、CPU51による制御下で外部機器(端末装置2等)に送信可能に設けられている。
モータドライバ59Aは、CPU51からの指令信号に基づいて駆動モータ36Dが駆動されるように、駆動モータ36Dに接続されている。読取ドライバ59Bは、CPU51からの指令信号に基づいて読取部35による原稿読取動作が行われるように、読取部35に接続されている。
<動作の概要>
以下、本実施形態の画像読取システム1の動作の概要について、本実施形態の構成による作用効果とともに説明する。読取対象となる一組の原稿(少なくとも一枚の原稿シートSを含む)が給紙トレイ31に載置された状態で、ユーザにより読取開始指令が画像読取装置3に入力される。具体的には、例えば、ユーザは、画像読取装置3におけるタッチパネル33又はキー操作部34を用いて、読取開始指令を入力する。あるいは、例えば、ユーザは、端末装置2にて画像読取装置3の制御プログラム(制御アプリケーションソフトウエア)を起動し、端末装置2におけるタッチパネル26を用いて読取開始指令を入力する。
読取開始指令が画像読取装置3に入力されると、原稿搬送機構36は、給紙トレイ31上に原稿シートSが一枚も載置されていない状態(これを以下「原稿切れ(Document Empty)」と称する)が原稿検出センサ37により検出されるまで、原稿シートSを一枚ずつ、読取部35に向けて搬送する。読取部35は、読取った画像データを、読取ドライバ59Bを介してECU50に送信する。CPU51は、読取部35から受取った画像データを、画像メモリに記憶する。
原稿切れが検出されることで、一組の原稿の読取が終了する。すると、画像メモリに記憶された、当該一組の原稿の読取結果に基づく画像データに対して、上述の所定処理が行われる。具体的には、例えば、画像読取装置3におけるCPU51は、画像メモリに記憶された画像データをPDFファイル化する。あるいは、例えば、画像読取装置3におけるCPU51は、画像メモリに記憶された画像データ、又はこれをPDF化したファイルを、通信インタフェース57を介して、端末装置2に送信する。あるいは、例えば、画像読取装置3におけるCPU51は、画像メモリに記憶された画像データを、通信インタフェース57を介して、外部装置であるプリンタ(不図示)のバッファメモリに送信する。
ところで、複数組の原稿を一体的に上述の所定処理の対象としたいというニーズがある。具体的には、例えば、給紙トレイ31に対する最大積載枚数を超える枚数の原稿シートSを有する原稿の場合、当該原稿を複数組に分ける必要がある。このような場合、原稿切れが、或る組(これを以下「第一原稿」と称する)の読取と次の組(これを以下「第二原稿」と称する)の読取との間に発生する。なお、「第一原稿」は、必ずしも、複数組の原稿における最初の組を指すとは限らない。同様に、「第二原稿」も、必ずしも、複数組の原稿における二番目の組を指すとは限らない。但し、「第二原稿」は、「第一原稿」の読取直後に読取られるものとする。
そこで、画像読取装置3は、原稿読取動作中に原稿検出センサ37が原稿切れを検知すると、搬送中の原稿シートSの読取動作が終了した時点で、原稿搬送機構36の駆動及び読取部35による読取動作を一旦停止する。また、画像読取装置3は、この一旦停止中に、タッチパネル33を介して、継続スキャンを行うか否かの入力を受付ける。具体的には、例えば、タッチパネル33は、「継続」及び「終了」の二つのアイコンを有する画面を表示する(以下この画面を受付画面という)。ユーザは、タッチパネル33における受付画面上の「継続」及び「終了」の二つのアイコンのうちのいずれかを選択(タッチ操作)してユーザ指示を入力する。
以下、「継続」が選択された場合のユーザ指示の入力を「継続指示入力」という。継続指示入力は、読取部35で第二原稿を読取るべく読取部35の読取動作を継続するための入力である。また、「終了」が選択された場合のユーザ指示の入力を「終了指示入力」という。また、継続指示入力又は終了指示入力の入力操作を「選択入力操作」という。
CPU51は、モータ温度θを、駆動モータ36Dにおける温度変化挙動に関する計算モデル(後述)に基づいて推定する。そして、CPU51は、推定したモータ温度θが閾値θTH以下となるように、駆動モータ36Dにおける温度保護制御を行う。また、CPU51は、温度センサ39の出力を常時モニタリングしており、温度センサ39の出力に基づく駆動モータ36Dの温度測定値が所定の遮断温度(閾値θTH相当の温度よりも遮断温度の方が高い)に達した場合に駆動モータ36Dへの通電を強制的に遮断する(フェールセーフ)。
ここで、本実施形態においては、CPU51は、第一原稿の読取が終了すると、継続スキャン可能枚数NTH(本発明の「限界枚数」に相当する)を、モータ温度θ及び閾値θTHに基づいて算出する。継続スキャン可能枚数NTHは、第二原稿の読取のために継続スキャンを行うと仮定した場合に、モータ温度θを閾値θTH以下に保持しつつ原稿搬送機構36により連続して搬送可能な原稿シートSの枚数である。継続スキャン可能枚数NTHの算出方法の具体例については後述する。CPU51は、算出した継続スキャン可能枚数NTHを、選択入力操作の受付の際に、タッチパネル33に表示させる。
具体的には、第一原稿の読取が終了した直後に、タッチパネル33は、第一受付画面表示として、図3に示されている第一受付ウィンドウ61を表示する。第一受付ウィンドウ61は、ベースウィンドウ61Aと、枚数入力エリア61Bと、継続ボタン61Cと、終了ボタン61Eと、を有している。
ベースウィンドウ61Aには、選択入力操作及び継続枚数Nの入力をユーザに促すメッセージが表示されている。ここで、継続枚数Nは、継続スキャンのためにこれから読取られる原稿(第二原稿)における、原稿シートSの枚数である。枚数入力エリア61Bは、継続枚数Nを受付けるための入力エリアであって、ベースウィンドウ61A内における上述のメッセージの下方に設けられている。本実施形態においては、継続枚数Nは、キー操作部34を介して入力可能である。継続ボタン61C及び終了ボタン61Eは、ベースウィンドウ61A内における下部(枚数入力エリア61Bよりも下方)にて並列的に設けられたアイコンである。継続ボタン61Cは、継続指示入力の際に選択(タッチ操作)される、タッチパネル33上の仮想的な押しボタンスイッチである。終了ボタン61Eは、終了指示入力の際に選択(タッチ操作)される、タッチパネル33上の仮想的な押しボタンスイッチである。
入力された継続枚数Nが継続スキャン可能枚数NTHを超える場合、N枚の原稿シートSを有する第二原稿に対する継続スキャンの途中でモータ温度θが閾値θTH以上となることで読取中断及び待機が発生する可能性が高い。そこで、この場合、CPU51は、第二原稿の読取条件と、モータ温度θと、閾値θTHと、上述の計算モデルと、に基づいて、スキャン時間TsL(本発明の「推定所要時間」に相当する)を算出する。スキャン時間TsLは、入力された継続枚数Nの読取に要する時間の推定値であって、読取途中での中断及び待機を考慮した値となる。第二原稿の読取条件は、キー操作部34における入力を介して取得され得る。あるいは、第二原稿の読取条件は、原稿検出センサ38等の出力に基づいて取得され得る。そして、タッチパネル33は、第二受付画面表示として、図4に示されている第二受付ウィンドウ62を表示する。第二受付ウィンドウ62は、ベースウィンドウ62Aと、継続ボタン62Cと、終了ボタン62Eと、情報表示エリア62Gと、を有している。
ベースウィンドウ62Aには、入力された継続枚数Nが継続スキャン可能枚数NTHを超えている旨のメッセージが、継続スキャン可能枚数NTHとともに表示される。継続ボタン62C及び終了ボタン62Eは、ベースウィンドウ62A内における下部にて並列的に設けられたアイコンであって、図3における継続ボタン61C及び終了ボタン61Eと同様である。情報表示エリア62Gは、ベースウィンドウ62A内における上述のメッセージの下方且つ継続ボタン62C及び終了ボタン62Eの上方に設けられている。情報表示エリア62Gには、入力された継続枚数Nが表示される。また、情報表示エリア62Gには、算出されたスキャン時間TsLが、「スキャン時間」の文字列の横に表示される。スキャン時間TsLの算出方法については後述する。
第一受付ウィンドウ61にて、継続枚数Nが入力されない状態で継続ボタン61Cがタッチ操作された場合、第二原稿における原稿シートSの枚数が不明である。この場合、第二原稿に対する継続スキャンの途中でモータ温度θが閾値θTH以上となることで読取中断及び待機が発生する可能性がある。そこで、この場合、タッチパネル33は、第三受付画面表示として、図5に示されている第三受付ウィンドウ63を表示する。第三受付ウィンドウ63は、ベースウィンドウ63Aと、継続ボタン63Cと、終了ボタン63Eと、情報表示エリア63Gと、を有している。
ベースウィンドウ63Aには、第二原稿における原稿シートSの枚数が継続スキャン可能枚数を超える場合には温度保護のためにスキャン速度が低下する旨の報知メッセージが表示される。継続ボタン63C及び終了ボタン63Eは、ベースウィンドウ63A内における下部にて並列的に設けられたアイコンであって、図3における継続ボタン61C及び終了ボタン61Eと同様である。情報表示エリア63Gは、ベースウィンドウ63A内における上述のメッセージの下方且つ継続ボタン63C及び終了ボタン63Eの上方に設けられている。情報表示エリア63Gには、算出された継続スキャン可能枚数NTHが表示される。また、情報表示エリア63Gには、NTH枚の読取に要する時間の推定値であるスキャン時間TsH(本発明の「推定所要時間」に相当する)が、「スキャン時間」の文字列の横に表示される。かかるスキャン時間TsHは、図4に示されている第二受付ウィンドウ62におけるスキャン時間TsLの場合とは異なり、読取途中での中断及び待機を考慮しない値となる。スキャン時間TsHの算出方法については後述する。
原稿読取中は、図6に示されている読取ウィンドウ64が表示される。読取ウィンドウ64には、情報表示エリア64Gが設けられている。情報表示エリア64Gには、現在の読取条件(解像度等)と、「スキャン時間」とが表示される。かかる「スキャン時間」は、図4に示されている第二受付ウィンドウ62にて継続ボタン62Cがタッチ操作された場合には、情報表示エリア62Gに表示されたスキャン時間TsLに基づいた値(スキャン時間TsLが時間経過とともにカウントダウンされた値)である。同様に、図5に示されている第三受付ウィンドウ63にて継続ボタン63Cがタッチ操作された場合には、情報表示エリア63Gに表示されたスキャン時間TsHに基づいた値(スキャン時間TsHが時間経過とともにカウントダウンされた値)である。
上述のように、本実施形態においては、第一原稿の読取終了による読取動作の一旦停止時に、選択入力操作を、タッチパネル33により受付ける。また、CPU51は、モータ温度θを取得する。また、CPU51は、継続スキャン可能枚数NTHを、モータ温度θ及び閾値θTHに基づいて算出する。ここで、継続スキャン可能枚数NTHは、換言すれば、読取中断なく読取ることができる、第二原稿における原稿シートSの枚数の上限値である。そして、CPU51は、算出した継続スキャン可能枚数NTHを、選択入力操作の受付の際に、タッチパネル33に表示させる。これにより、ユーザは、表示された継続スキャン可能枚数NTHを参考にして、選択入力操作を行うことができる。このため、本実施形態の構成によれば、継続スキャンの際の、不意の読取中断及び待機の発生が、可及的に抑制され得る。
上述のように、本実施形態においては、CPU51は、継続スキャン可能枚数NTHを、第一原稿の読取が終了した時点のモータ温度θ及び閾値θTHと、駆動モータ36Dにおける温度変化挙動に関する計算モデルとに基づいて算出する。すなわち、推定された、第一原稿の読取が終了した時点のモータ温度θが、継続スキャン可能枚数NTHの算出、及び継続スキャンの際の駆動モータ36Dの温度保護に反映される。したがって、本実施形態の構成によれば、継続スキャンの際の駆動モータ36Dの温度保護が、良好に行われる。
CPU51は、選択入力操作を受付けるための受付画面をタッチパネル33に表示させる(上述の第二受付画面表示等参照)。CPU51は、継続スキャン可能枚数NTHを受付画面の領域内に表示させる。かかる構成によれば、ユーザが選択入力操作を行う際に、継続スキャン可能枚数NTHが効果的にユーザに提示される。したがって、本実施形態の構成によれば、継続スキャンが可能な画像読取装置3における操作性を、よりいっそう良好とすることが可能になる。
CPU51は、第二原稿の読取条件を、キー操作部34における入力を介して、あるいは、原稿検出センサ38等の出力に基づいて取得する。CPU51は、取得した読取条件と、モータ温度θと、閾値θTHと、上述の計算モデルとに基づいて、第二原稿の読取に要する時間の推定値である推定所要時間を算出する。CPU51は、算出した継続スキャン可能枚数NTH及び推定所要時間を、選択入力操作の受付の際にタッチパネル33に表示させることができる。したがって、本実施形態の構成によれば、継続スキャンが可能な画像読取装置3における操作性を、よりいっそう良好とすることが可能になる。
CPU51は、受付けられた選択入力操作が終了指示入力である場合、第一原稿の読取終了時点にて画像メモリに記憶された画像データを、通信インタフェース57に送信させる。一方、CPU51は、受付けられた選択入力操作が継続指示入力である場合、第二原稿の読取結果に基づく画像データを画像メモリに記憶させる。これにより、第一原稿の読取終了時点にて画像メモリに記憶された画像データと、第二原稿の読取結果に基づく画像データとを、一体として通信インタフェース57により送信することができる。
CPU51は、タッチパネル33を介して、第二原稿における原稿シートSの枚数である継続枚数Nを受付ける。CPU51は、継続枚数Nの受付が無い状態で継続指示入力が受付けられた場合に、少なくとも継続スキャン可能枚数NTHを含む報知画面をタッチパネル33に表示させる(上述の第三受付画面表示参照)。かかる構成によれば、継続スキャンが可能な画像読取装置3における操作性を、よりいっそう良好とすることが可能になる。
<継続スキャン可能枚数及びスキャン時間の算出の具体例>
以下、継続スキャン可能枚数NTHの算出の具体例について説明する。まず、CPU51は、読取モードを取得する。読取モードには、例えば、読取対象物の種類に関するモード(運転免許証等を読取るカード読取モード等)、読取部35が両面読取可能な構成の場合における片面読取モード及び両面読取モード、原稿画質に関するモード(カラー読取モード及びモノクロ読取モード等)が含まれる。読取モードは、画像読取装置3側(タッチパネル33及び/又はキー操作部34)にてユーザにより入力され得る。あるいは、読取モードは、端末装置2側にてユーザにより入力され得る。
また、CPU51は、現在のモータ温度θを取得する。このモータ温度θは、駆動モータ36Dの駆動による発熱量と駆動停止による放熱量とを勘案した、下記の簡略的な計算モデル(1)に基づいて算出される。なお、下記の計算モデルにおいて、θ0は初期値、SNは駆動モータ36Dの駆動ステップ数、Trは放熱時間(駆動モータ36Dの駆動停止時間)、Afn及びSは係数である。θ0には、例えば、0が設定され得る。あるいは、θ0には、画像読取装置3の電源投入時の温度センサ39の出力に基づく、駆動モータ36Dの初期温度に相当する値が設定され得る。係数Afnは、駆動モータ36Dの回転速度に応じた値であって、取得された読取モードに基づいてルックアップテーブル等を用いて設定される。一方、係数Sは放熱係数であって、本具体例では一定値に設定されている。
θ=θ0+(Afn・SN)−(S・Tr)・・・(1)
より具体的には、CPU51は、原稿シートS一枚分の読取が終了する毎(読取終了直後)に、モータ温度θを以下の式(2)により取得する。一方、CPU51は、駆動モータ36Dの駆動停止中は、所定時間間隔Tr1(例えば1秒)毎に、モータ温度θを以下の式(3)により取得する。
θ=θ(前回値)+(Afn・SN)・・・(2)
θ=θ(前回値)−(S・Tr1)・・・(3)
選択入力操作の受付時点におけるモータ温度θrと閾値θTHとの差Δθが、選択入力操作の受付時点において上昇可能な駆動モータ36Dの温度に相当する。したがって、第二原稿における一枚分の原稿シートSの搬送のために必要なステップ数をSN1とすると、継続スキャン可能枚数NTHは下記の式(4)により算出される。
NTH=Δθ/(SN1・Afn)・・・(4)
継続枚数Nが受付けられ且つN≦NTHの場合、スキャン時間TsHは下記の式(5)により算出される。ここで、下記の式(5)におけるT1は第二原稿における一枚分の原稿シートSの搬送のために必要な時間である。また、継続枚数Nが受付けられず継続スキャン可能枚数NTH相当のスキャン時間を表示する場合も、スキャン時間TsHは下記の式(5)により算出される(この場合においてN=NTH)。
TsH=N・T1・・・(5)
一方、継続枚数Nが受付けられ且つN>NTHの場合、N−NTH=NWとすると、第二原稿におけるNTH枚分の原稿シートSの読取終了までは中断は生じないが、これに続くNW枚分の原稿シートSの読取の際に放熱のための中断が生じる。すなわち、閾値θTHに達した駆動モータ36Dを、残りのNW枚分の原稿シートSの読取のために、モータ温度θをδθ分低下させるべく放熱時間Trw放熱する必要がある。δθは下記の式(6)により算出される。Trwは下記の式(7)により算出される。したがって、下記の式(8)によりスキャン時間TsLが算出される。
δθ=NW・Afn・SN1・・・(6)
Trw=δθ/S・・・(7)
TsL=(N・T1)+Trw・・・(8)
上記の各式において、SN1(第二原稿における一枚分の原稿シートSの搬送のために必要なステップ数)及びT1(第二原稿における一枚分の原稿シートSの搬送のために必要な時間)は、以下のようにして求められる。まず、CPU51は、取得した読取モードに基づいて、原稿長を設定する。原稿長は、第二原稿における一枚分の原稿シートSの搬送方向における長さである。
読取モードが原稿長として固定長を指定している場合、かかる固定長が原稿長として設定される。この場合、SN1及びT1は、設定された読取モードに応じた固定値であるので、読取モードに基づいてルックアップテーブル等を用いて設定され得る。
一方、読取モードが固定長を指定していない場合(オートモード)、SN1及びT1は、第二原稿に先立って読み取られた原稿(具体的には第一原稿)の読取結果に基づいて推定される。以下、この場合のSN1及びT1の推定を、「原稿長推定」と略称する。原稿長推定は、例えば、第一原稿の読取時における、原稿シートSの搬送速度と、原稿検出センサ38による原稿シートSの先端及び後端の検出信号と、に基づいて行うことが可能である。
具体的には、例えば、CPU51は、原稿シートSの搬送速度と、原稿検出センサ38による原稿シートSの先端及び後端の検出信号と、に基づいて、第一原稿に含まれる複数の原稿シートSのそれぞれについて、一枚あたりのステップ数とスキャン時間とを検出してRAM53に格納する。そして、CPU51は、第一原稿の読取が終了した時点で、RAM53に格納された一枚あたりのステップ数及びスキャン時間をそれぞれ統計演算し、それぞれの代表値を算出することによって、SN1及びT1の推定値を取得する。なお、上記の代表値としては、単純平均値、加重平均値、最大値、等が利用可能である。
上述のように、CPU51は、第二原稿の読取動作時の読取条件を、キー操作部34等の入力部、又は、当該読取条件を検出可能に設けられた検出部を介して取得する。具体的には、CPU51は、読取条件としての原稿長を、選択入力操作の受付前に読取られた第一原稿に含まれる原稿シートSの原稿長(読取長)に基づいて設定する。そして、CPU51は、取得した読取条件と、モータ温度θと、閾値θTHと、上述の計算モデルとに基づいて、継続スキャン可能枚数NTH等を算出する。かかる構成によれば、継続スキャン可能枚数NTH等が良好に算出され得る。
<動作の具体例>
以下、本実施形態の画像読取システム1の動作の一具体例について、図7及び図8に示されているフローチャートを用いて説明する。なお、図示されたフローチャート中にて「ステップ」は「S」と省略表記されている。本具体例は、上述の所定処理として、画像メモリに記憶された画像データを端末装置2に送信する場合の例である。本具体例においては、図7のフローチャートに対応するプログラムは、ユーザにより読取開始指令が画像読取装置3に入力された場合に、画像読取装置3におけるCPU51により、不揮発メモリ54から読出されて実行される。
本プログラムが起動されると、まず、CPU51は、読取モードを取得する(ステップ710)。次に、CPU51は、原稿搬送機構36を制御して原稿シートSの搬送動作を開始する(ステップ720)。CPU51は、原稿検出センサ38の出力(先端検出)に基づいて、読取部35を制御して原稿シートSの読取を実行し、読取結果に基づく画像データを画像メモリに記憶する(ステップ725)。CPU51は、原稿検出センサ38の出力(後端検出)に基づいて、現在搬送中の一枚の原稿シートSの読取が終了したか否かを判定する(ステップ730)。
一枚の原稿シートSの読取が終了すると(ステップ730=YES)、CPU51は、上述の式(2)によりモータ温度θを推定する(ステップ740)。また、CPU51は、原稿切れか否かを、原稿検出センサ37の出力に基づいて判定する(ステップ750)。この時点で給紙トレイ31に原稿シートSが載置されている場合(ステップ750=NO)、CPU51は、モータ温度θが閾値θTHを超えているか否かを判定する(ステップ760)。CPU51は、モータ温度θが閾値θTHを超えていない場合(ステップ760=NO)、次の原稿シートSの読取のために、処理をステップ720に戻す。
モータ温度θが閾値θTHを超えている場合(ステップ760=YES)、CPU51は、直前の原稿シートSの搬送終了に伴い駆動モータ36Dの駆動を停止し(搬送動作停止:ステップ765)、所定時間(例えば1秒間)待機する(ステップ770)。CPU51は、上述の所定時間待機の後、上述の式(3)によりモータ温度θを推定する(ステップ775)。モータ温度θが閾値θTH以下になるまでは、ステップ760、ステップ770及びステップ775の処理が繰り返される。すなわち、上述の式(3)に基づくモータ温度θの算出値が閾値θTH以下になるまで、所定時間の待機と上述の式(3)に基づくモータ温度θの算出とが繰り返される。モータ温度θの算出値が閾値θTH以下になると(ステップ760=NO)、CPU51は、次の原稿シートSの読取のために、処理をステップ720に戻す。
一組の原稿(第一原稿)の読取が終了すると、給紙トレイ31に原稿シートSが載置されていない状態が発生する(ステップ750=YES)。この場合、原稿切れが検知されるので、処理がステップ780に進行する。ステップ780において、CPU51は、直前の原稿シートSの搬送終了に伴い駆動モータ36Dの駆動を停止し(搬送動作停止:ステップ780)、選択入力操作のための受付画面をタッチパネル33に表示させる(受付画面表示処理:ステップ790)。
上述の受付画面表示処理(ステップ790)の具体例について、以下図8を参照しつつ説明する。まず、CPU51は、図3に示されている第一受付ウィンドウ61をタッチパネル33に表示させ(第一受付画面表示:ステップ805)、選択入力操作を待機する。次に、CPU51は、継続指示入力及び終了指示入力のいずれが受付けられたかを判定する(ステップ810)。終了指示入力が受付けられた場合(ステップ810=NO)、CPU51は、継続フラグを0に設定し(ステップ815)、処理を図7におけるステップ795に進行させる。継続指示入力が受付けられた場合(ステップ810=YES)、CPU51は、処理をステップ820以降に進行させる。
CPU51は、第二原稿の読取条件を取得する(ステップ820)。CPU51は、読取モードが原稿長として固定長を指定しているか否かを判定する(ステップ830)。固定長の原稿長が指定されていない場合(ステップ830=NO)、CPU51は、上述のようにして原稿長推定を実行した後(ステップ835)、処理をステップ840に進行させる。一方、固定長の原稿長が指定されている場合(ステップ830=YES)、CPU51は、ステップ835の処理をスキップして、処理をステップ840に進行させる。ステップ840においては、CPU51は、上述のようにして、継続スキャン可能枚数NTH及びスキャン時間TsHを算出する。
CPU51は、枚数入力エリア61Bにより継続枚数Nの入力が受付けられたか否かを判定する(ステップ850)。継続枚数Nの入力が受付けられた場合(ステップ850=YES)、CPU51は、受付けられた継続枚数Nが継続スキャン可能枚数NTH以下であるか否かを判定する(ステップ855)。受付けられた継続枚数Nが継続スキャン可能枚数NTH以下である場合(ステップ855=YES)、CPU51は、継続フラグを1に設定し(ステップ860)、図6に示されている読取ウィンドウ64をタッチパネル33に表示させる(読取画面表示:ステップ865)。読取ウィンドウ64には、ステップ840にて算出されたスキャン時間TsHに基づくスキャン時間表示が行われる。そして、CPU51は、処理を図7におけるステップ795に進行させる。
受付けられた継続枚数Nが継続スキャン可能枚数NTHを超える場合(ステップ855=NO)、CPU51は、スキャン時間TsLを算出し(ステップ870)、図4に示されている第二受付ウィンドウ62をタッチパネル33に表示させ(第二受付画面表示:ステップ875)、選択入力操作を待機する。CPU51は、継続指示入力及び終了指示入力のいずれが受付けられたかを判定する(ステップ880)。終了指示入力が受付けられた場合(ステップ880=NO)、CPU51は、処理をステップ815に進行させて継続フラグを0に設定し、処理を図7におけるステップ795に進行させる。継続指示入力が受付けられた場合(ステップ880=YES)、CPU51は、処理をステップ860及びステップ865に進行させる。この場合のステップ865の処理においては、読取ウィンドウ64には、ステップ870にて算出されたスキャン時間TsLに基づくスキャン時間表示が行われる。
継続枚数Nの入力が受付けられなかった場合(ステップ850=NO)、CPU51は、図5に示されている第三受付ウィンドウ63をタッチパネル33に表示させ(第三受付画面表示:ステップ890)、選択入力操作を待機する(ステップ880)。終了指示入力が受付けられた場合(ステップ880=NO)、CPU51は、処理をステップ815に進行させて継続フラグを0に設定し、処理を図7におけるステップ795に進行させる。継続指示入力が受付けられた場合(ステップ880=YES)、CPU51は、処理をステップ860及びステップ865に進行させる。この場合のステップ865の処理においては、第二原稿が継続スキャン可能枚数NTH以下の枚数であることを想定して、読取ウィンドウ64には、ステップ840にて算出されたスキャン時間TsHに基づくスキャン時間表示が行われる。
再び図7を参照すると、CPU51は、継続フラグが0であるか1であるかを判定する(ステップ795)。継続フラグが1である場合(ステップ795=NO)、CPU51は、次の原稿シートSの読取のために、処理をステップ720に戻す。継続フラグが0である場合(ステップ795=YES)、CPU51は、本プログラムの処理を一旦終了する。
以上説明した実施形態及び具体例において、駆動モータ36Dが本発明の「駆動部」に相当する。タッチパネル33が本発明の「表示部」に相当する。タッチパネル33及び/又はキー操作部34が本発明の「入力部」に相当する。CPU51が本発明の「制御部」及び「プロセッサ」に相当する。通信インタフェース57及びこれを用いたCPU51による送信処理に対応する部分が、本発明の「送信部」に相当する。不揮発メモリ54における画像メモリが本発明の「記憶部」に相当する。原稿検出センサ38が本発明の「検出部」に相当する。
<変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に対しては、種々の変更が可能である。以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部分に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が適宜援用され得るものとする。もっとも、言うまでもなく、変形例も、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、上述の実施形態の全部又は一部と、複数の変形例の全部又は一部とが、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わされ得る。
本発明は、上述のような具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、フラットベッドスキャナに原稿フィーダを搭載したタイプの装置構成にも、好適に適用され得る。タッチパネル33に代えて、通常の液晶表示部又は有機EL表示部が設けられていてもよい。この場合、選択入力操作は、キー操作部34又は端末装置2を介して受付けられる。CPU51の他に、上述の所定処理を行うための専用プロセッサが、ECU50に設けられていてもよい。この場合、当該専用プロセッサが、本発明の「送信部」に相当する。
本発明は、上述のような具体的な動作態様及び処理態様に限定されない。例えば、選択入力操作の受付は、キー操作部34又は端末装置2を介して行われてもよい。継続枚数Nは、タッチパネル33又は端末装置2を介して入力可能であってもよい。あるいは、継続枚数Nは、給紙トレイ31又はその近傍に設けられたセンサを用いて、給紙トレイ31上に載置された原稿シートSの枚数に対応する信号を取得することによって、自動的に取得され得る。継続スキャン可能枚数NTHの算出方法も、上述のような具体例に限定されない。スキャン時間の算出方法についても同様である。また、原稿長推定の際に統計演算の対象となる、先行して読み取られた原稿の範囲は、直前の組に限定されない。すなわち、例えば、CPU51は、検出した原稿シートS一枚あたりのステップ数とスキャン時間とを不揮発メモリ54に順次格納し、所定時間範囲(例えば同日付又は所定時間以内)の格納データに基づいてSN1及びT1の推定値を取得してもよい。
CPU51は、固定長の場合も、原稿検出センサ38による原稿シートSの先端及び後端の検出信号等に基づいて、第一原稿に含まれる複数の原稿シートSのそれぞれにおける一枚あたりの実際の読取長及び読取時間を取得し、取得した読取長及び読取時間を統計演算することでSN1及びT1の推定値を取得してもよい。この場合の「固定長」は、給紙トレイ31にて用紙幅方向に移動可能に設けられた図示しない用紙幅ガイドの位置に応じて定められたものである。すなわち、例えば、当該用紙幅ガイドが「A4」の位置に配置されていたとしても、実際の原稿シートSはA5サイズ(横置き)である可能性がある。本変形例は、このような場合においても、原稿長が良好に取得され得る。
図9に示されているように、第一受付ウィンドウ61に、継続スキャン可能枚数NTHを表示するための情報表示エリア65が設けられてもよい。この場合、情報表示エリア65に表示される「継続スキャン可能時間」は、図5に示されている第三受付ウィンドウ63の場合と同様に、NTH枚の読取に要する時間の推定値である推定所要時間であって、読取途中での中断及び待機を考慮しない値となる。この場合、例えば、図8におけるステップ835の処理に相当する処理が、ステップ805に先立って実行され得る。あるいは、例えば、所定の代表的な複数の固定長(A4、B5、レター、等)に対応する継続スキャン可能枚数NTHが並列表示され得る。
第二受付ウィンドウ62において、上述の継続スキャン可能枚数及び/又はスキャン時間は、ベースウィンドウ62Aの領域外に表示されてもよい。あるいは、上述の継続スキャン可能枚数及び/又はスキャン時間は、タッチパネル33とは別個に設けられた専用の表示エリアに表示されてもよい。あるいは、上述の継続スキャン可能枚数及び/又はスキャン時間は、端末装置2側に表示されてもよい。あるいは、上述の継続スキャン可能枚数及び/又はスキャン時間は、音声出力されてもよい。第三受付ウィンドウ63及び上述した変形例の第一受付ウィンドウ61においても同様である。
本発明は、画像読取装置3側における構成及び動作に限定されない。すなわち、上述のような画像読取装置3の動作制御は、画像読取装置3側のCPU51に代えて、あるいはこれとともに、端末装置2側のCPU21によって実現され得る。この場合、上述の各受付画面は、端末装置2側にて表示及び操作される。
その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。すなわち、本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や変形例の記載に基づいて限定的に解釈されてはならない。