JP6370591B2 - 水力機械 - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、水力機械に関する。
水力機械の一例としてフランシス形水車が従来から知られている。図13には、フランシス形水車100の部分的な子午面断面形状の一例が示されている。
このフランシス形水車100の水車運転時には、ケーシングからの水が、その内周側のステーベーンとガイドベーンとにより構成される静止翼列流路を流れ、回転自在なランナ106へと流入する。ランナ106に流入した水によって、ランナ106が回転駆動され、ランナ106に連結された主軸110がその回転軸線Cを軸中心に回転駆動される。これにより、主軸110に固定される発電電動機が駆動され得る。その後、ランナ106から流出した水は、吸出し管を経て放水路へ導かれる。
ここで、図13に示すフランシス形水車100では、ランナ106のバンド外側に、下カバー116が設けられており、当該下カバー116とランナ106との間には、隙間であるランナ側圧室120が形成されている。水車運転時には、当該ランナ側圧室120にも水が流入する。これにより、損失が生じることが知られている。
すなわち、このようなフランシス形水車100のランナ106において生じる損失は、ランナ流路での損失に加え、前述のようにランナ側圧室120へ水が流入してしまう(漏れてしまう)ことによる損失と、このように漏れた水のランナ側圧室120内での流れが影響する円板摩擦損失と、がある。
特に、高落差で使用されるフランシス形水車においては、損失のうちの円板摩擦損失が比較的大きく影響するため、当該円板摩擦損失を低減することが望まれる。このため、前述のランナ側圧室120の形状等を工夫することで水車の性能を向上させることを図った技術が種々提案されている。
特開2011−58481号公報 特開2011−122472号公報 特開2010−242695号公報
ところで、図13には、ランナ側圧室120を形成する、下カバー116の内側壁面116Aと、ランナ106の外側壁面106Aと、が拡大して示されている。フランシス形水車100においては、ランナ106のバンド外側壁面106Aが、子午面断面視で滑らかに連続する曲線状に形成されている一方、下カバー116の内側壁面116Aが、子午面断面視で複数の直線部分をつなげてなる折れ線状に形成されている。しかも、符号A、Bで示す領域のように、子午面断面視で流路が上流から下流にかけて急拡大して、ランナ側圧室120の流路面積が、水車運転時に水が流れる方向で上流から下流にかけて縮小から拡大に変わる箇所がある。なお、流路面積とは、外側壁面106Aにおけるある点と、当該点の接線に対して直交して延びる直線が下カバー116の内側壁面116Aに交差する点と、の間に形成される、回転軸線Cを中心とした環状の領域の面積のことをいう。
ランナ側圧室120の流路面積は、上流から下流に向かってランナの回転軸を中心とした径が小さくなることで、小さくなる傾向にあるが、図13のように流路の拡大の程度が大きい場合には、上流側の流路面積よりも下流側の流路面積が拡大する場合がある。
しかしながら、この場合、前述のように流路面積が縮小から拡大に変わる箇所の下流側の下カバー116の内側壁面116Aにおいて流れが失速することにより、速度勾配が大きくなって円板摩擦損失が増大してしまうことを、本発明者は知見した。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ランナ側圧室に流入した水によって生じる円板摩擦損失を低減することで水車効率を向上させることができる水力機械を提供することを目的とする。
実施の形態による水力機械は、クラウン、バンド、及び前記クラウンと前記バンドとの間に設けられた複数のランナ羽根を有するランナと、前記ランナを外側から覆うカバーと、を備えている。前記バンドの外側壁面と前記カバーの内側壁面との間に、ランナ側圧室が形成されており、前記ランナ側圧室は、水車運転の際の上流側端部から下流側端部にかけて、その流路面積が拡大しないように形成されている。
第1の実施の形態によるフランシス形水車の子午面断面図である。 図1のランナ側圧室の周辺の拡大図である。 第1の実施の形態によるフランシス形水車のランナ側圧室内の流水の周方向速度の流速分布を示した図である。 比較例に係るフランシス形水車のランナ側圧室内の流水の周方向速度の流速分布を示した図である。 図3に示したランナ側圧室の流路面積と、図4に示したランナ側圧室の流路面積とを示したグラフを示した図である。 図3に示したランナ側圧室と、図4に示したランナ側圧室とを重ねて示した図である。 図6におけるd=L1よりも下流側のd=L1’の位置における、図3に示したランナ側圧室内の流水の周方向速度と、図4に示したランナ側圧室内の流水の周方向速度と、を示したグラフを示した図である。 図3に示したフランシス形水車で生じる損失と図4に示したフランシス形水車で生じる損失とを示したグラフを示した図である。 図3に示したフランシス形水車の水車効率と図4に示したフランシス形水車の水車効率とを示したグラフを示した図である。 第1の実施の形態のランナ側圧室の上流側端部の流路面積と下流側端部の流路面積との比と、水車最高効率と、の関係を示したグラフを示した図である。 第2の実施の形態によるフランシス形水車のランナ側圧室の周辺の子午面断面図である。 図11に示したフランシス形水車のランナ側圧室の流路面積と、図4に示したランナ側圧室の流路面積とを示したグラフを示した図である。 フランシス形水車の部分的な子午面断面形状の一例を示した図である。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による水力機械としてのフランシス形水車1を示している。このフランシス形水車1は、水車運転とポンプ運転との両方を行うことができるようになっている。図1に示すように、フランシス形水車1は、図示しない上池から水圧鉄管を通って水が流入する渦巻き状のケーシング3と、複数のステーベーン4と、複数のガイドベーン5と、ランナ6と、を備えている。このうちステーベーン4は、ケーシング3に流入した水をガイドベーン5およびランナ6に導くためのものであり、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。
ガイドベーン5は、流入した水をランナ6に導くためのものであり、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、各ガイドベーン5は、回動自在に設けられており、回転して開度を変えることにより、ランナ6に流入する水の流量が調整可能に構成されている。
ランナ6は、ケーシング3に対して回転軸線Cを中心に回転自在に構成され、ケーシング3から流入する水によって回転駆動される。また、ランナ6は、クラウン7と、バンド8と、クラウン7とバンド8との間に設けられた複数のランナ羽根9と、を有している。このうちランナ羽根9は、周方向に所定の間隔をあけて配置されている。
ランナ6には、主軸10を介して発電電動機Gが連結されている。この発電電動機Gは、水車運転時にランナ6の回転によって発電を行うように構成されていると共に、ポンプ運転時にランナ6を回転させるように構成されている。ランナ6の下流側には、ランナ6を流出した水流の圧力を回復させるための吸出し管12が設けられている。この吸出し管12は、図示しない下池に連結されており、ランナ6を回転駆動させた水は下池に放出されるようになっている。
また、フランシス形水車1は、クラウン7の外側(図1における上側、または、軸方向において吸出し管12側とは反対側)を覆う上カバー14と、バンド8の外側(図1における左右外側、または、半径方向外側)を覆う下カバー16と、を有している。
ここで、クラウン7と上カバー14との間には、隙間であるランナ背圧室13が形成されており、バンド8と下カバー16との間には、隙間であるランナ側圧室15が形成されている。ランナ背圧室13およびランナ側圧室15には、ガイドベーン5を通った水の一部が漏れ流れとして流入するようになっている。
図2は、図1の拡大図であって、ランナ側圧室15の周辺を拡大して示した図である。図2に示すように、バンド8の半径方向外側(水車運転時に水が流れる方向で上流側)には、側圧室側間隙部20が設けられており、この側圧室側間隙部20を通ってランナ側圧室15に水が流入する。また、ランナ側圧室15内の流水は、バンド8の半径方向内側(水車運転時に水が流れる方向で下流側)に設けられた下流側間隙部24を通って、吸出し管12内に向って流れる。
ここで、ランナ側圧室15と下流側間隙部24との間には、側圧室側シール部22が設けられており、この側圧室側シール部22は、バンド8と、下カバー16との間の隙間が最も狭くなって水が流れ難くなるように形成されている。このことにより、ガイドベーン5からランナ側圧室15への水の流入量を抑制している。この側圧室側シール部22は、ラビリンスシールによって構成され得る。
ランナ側圧室15は、バンド8と下カバー16との間の隙間のうちの、側圧室側シール部22よりも上流側の隙間である。本実施の形態においてランナ側圧室15は、バンド8の外側壁面8Aと、下カバー16の内側壁面16Aと、の間に形成されている。本実施の形態において、外側壁面8Aおよび内側壁面16Aはともに、子午面断面視で滑らかに連続する曲線状に形成されている。
図2において、符号15Uは、ランナ側圧室15の上流側端部を示し、符号15Dは、ランナ側圧室15の下流側端部を示している。本実施の形態においては、バンド8の外側壁面8Aの最上流点8Uと、当該最上流点8Uの接線に対して直交して延びる直線(すなわち、その法線)が下カバー16の内側壁面16Aに交差する点である上流側端点16Uと、の間に形成される領域に、前述の上流側端部15Uが規定されている。
また、本実施の形態においては、バンド8の最下流点8Dと、下カバー16の内側壁面16Aにおいて滑らかに連続する曲面状(子午面断面視で曲線状)の部位、換言すれば、曲面状の外側壁面8Aに沿って延びる部位、のうち最も下流側に位置する点である下流側端点16Dと、の間に形成される領域に、前述の下流側端部15Dが規定されている。本実施の形態において、最下流点8Dは、外側壁面8Aにおける点のうち、その接線に対して直交して延びる直線(すなわち、その法線)が下流側端点16Dに交差するようになっている点のことをいう。
そして、本実施の形態では、ランナ側圧室15の流路面積が、上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて拡大しないように形成されている(図5参照)。詳しくは、ランナ側圧室15の流路面積は、上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて、徐々に減少するようになっている。
なお、本実施の形態において「流路面積」とは、バンド8の外側壁面8Aにおけるある点と、当該点の接線に対して直交して延びる直線が下カバー16の内側壁面16Aに交差する点と、の間に形成される、回転軸線Cを中心とした環状の領域の面積のことをいう。また、本実施の形態では、ランナ側圧室15の流路幅が、上流側から下流側にかけて拡大しないように形成されている。流路幅とは、子午面断面視で、バンド8の外側壁面8Aにおけるある点と、当該点の接線に対して直交して延びる直線が下カバー16の内側壁面16Aに交差する点と、を結んだ線分の長さのことをいう。
次に、本実施の形態の作用について、図3乃至図10を参照しつつ説明する。
図3は、本実施の形態によるフランシス形水車1のランナ側圧室15における流水の、バンド8の外側壁面8Aから下カバー16の内側壁面16Aにかけての周方向速度の流速分布を示した図である。一方、図4は、比較例に係るフランシス形水車のランナ側圧室15’における流水の周方向速度の流速分布を示した図である。図4のフランシス形水車では、下カバー15の内側壁面16A’が、子午面断面視で折れ線状に形成されている。なお、図4に示す比較例において、ランナ側圧室15’および内側壁面16A’以外の構成部分であって本実施の形態と共通する部分については、本実施の形態と同一の符号が付されている。また、図3及び図4において示される周方向速度の流速分布は、本来、各矢印が周方向に沿って延びるように記載されるが、便宜上、図面において半径方向内側に向いた状態で示されている。
図3及び図4においては、バンド8の外側壁面8Aの最上流点8Uから最下流点8Dまでの長さがDで示されており、最上流点8Uからバンド8の外側壁面8A上におけるある点までの距離がdで示されている。図3及び図4には、d=L1、d=L2それぞれの位置の上流側と下流側との流速分布がそれぞれ示されている。
また、距離dにおける流路面積は、外側壁面8Aにおける距離dに対応する点と、当該点の接線に直交して延びる直線が下カバー16の内側壁面16Aに交差する点と、の間に形成される、回転軸線Cを中心とした環状の領域の面積よって規定される。このように規定された流路面積と距離dとの関係が図5に示されている。ここで、図5は、図3に示したランナ側圧室15の流路面積と、図4に示したランナ側圧室15’の流路面積とを示したグラフを示した図となっている。図5のグラフにおいて、横軸は、無次元距離d/Dを示し、縦軸は、d/Dに対応する流路面積を示している。
図3及び図4に示すように、フランシス形水車の運転時においてランナは高速で回転しているため、ランナ側圧室内の流水の周方向速度は、ランナのバンドの外側壁面8A側で大きく、下カバーの内側壁面16A側に近づくに従い小さくなる分布となる。
ここで、図4及び図5に示すように、ランナ側圧室15’には、その流路面積が、水車運転時に水が流れる方向で上流から下流にかけて縮小から拡大に変わる箇所がある。具体的に、d=L1、d=L2の位置において流路面積が縮小傾向から増大傾向に変わっている。
この場合、図4に示すように、d=L1、d=L2の下流側の下カバーの内側壁面16A側に流路急拡大による失速領域が生じてしまう。このことにより、d=L1、d=L2の位置それぞれにおいて、L1、L2の下流側の流水は、それぞれの上流側の流水よりも、バンドの外側壁面8Aから内側壁面16Aにかけての速度勾配が急になってしまう。このため、円板摩擦損失が大きくなってしまう。
これに対して、図5に示すように、本実施の形態のランナ側圧室15は、その流路面積が上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて徐々に(連続的に)減少している。この場合、図3に示すように、d=L1、d=L2の位置それぞれの下流側の流水において、図4のランナ側圧室15’の場合に生じていたような失速領域の形成が防止され、急な速度勾配の発生が抑制される。
図6は、図3に示したランナ側圧室15と、図4に示したランナ側圧室15’とを重ねて示した図である。また、図7は、図6に示すd=L1よりも下流側のd=L1’の位置からの法線距離yにおいての、ランナ側圧室15内の流水の周方向速度と、ランナ側圧室15’内の流水の周方向速度と、を示したグラフである。この図7から明らかなように、本実施の形態のランナ側圧室15では、図4に示したランナ側圧室15’において生じる失速領域にも流れが形成されており、図4に示したランナ側圧室15’に比べて、流水の周方向速度の速度勾配が緩やかとなっている。
このように本実施の形態によれば、ランナ側圧室15における流水の周方向速度の速度勾配が緩やかになるため、ランナ側圧室15に流入した水によって生じる円板摩擦損失を低減することができる。そして、以下に詳述するように、水車効率を向上させることができる。
図8は、図3に示したフランシス形水車で生じる損失と図4に示したフランシス形水車で生じる損失とを示したグラフを示している。また、図9は、図3に示したフランシス形水車の水車効率と図4に示したフランシス形水車の水車効率とを示したグラフを示している。
図8のグラフにおいて、実線は図3に示したフランシス形水車の損失を示し、破線は図4に示したフランシス形水車の損失を示しており、横軸に流量Q(m/s)が示され、縦軸にランナ損失ΔH/Hが示されている。ここで示すランナ損失ΔH/Hは、ランナ流路での損失に加え、ランナ側圧室に流入する流れの影響による円板摩擦損失と漏れ損失とを加味したものである。また、図9のグラフにおいて、実線は図3に示したフランシス形水車の水車効率を示し、破線は図4に示したフランシス形水車の水車効率を示している。横軸に流量Q(m/s)が示され、縦軸に水車効率ηt(%)が示されている。
図8に示すように、図3に示したランナ側圧室15では、図4に示したランナ側圧室15’に比べて全運転範囲の流量Q(m/s)におけるランナ損失ΔH/Hが抑制されている。これは、図3に示したランナ側圧室15では、図4に示したランナ側圧室15’に比べて、流水の周方向速度の速度勾配が緩やかになっていることで、流量に関わることなく円板摩擦損失が低減されたからである。したがって、図9に示すように、図3に示したランナ側圧室15のフランシス形水車では、図4に示したフランシス形水車に比べて、全運転範囲の流量Q(m/s)において水車効率ηt(%)が向上される。
また、図9には、水車最高効率ηtmaxが示されている。本発明者は、この水車最高効率ηtmaxが、図2に示した、ランナ側圧室15の上流側端部15Uの流路面積と下流側端部15Dの流路面積との比に応じて変動することを知見した。
図10は、ランナ側圧室15の上流側端部15Uの流路面積と下流側端部15Dとの流路面積の比と、水車最高効率ηtmax(%)との関係を示したグラフである。図10のグラフにおいて、横軸は上流側端部15Uの流路面積A0と下流側端部15Dの流路面積ADとの比AD/A0(流路面積比)が示されおり、縦軸に水車最高効率ηtmax(%)が示されている。
図10において、流路面積比AD/A0=0.5のときに水車最高効率ηtmaxは最も高い値を示し、AD/A0=0.15からAD/A0=0.85の範囲での水車最高効率ηtmaxは、AD/A0=0.5での最高値である水車最高効率ηtmaxに対し低下量0.1%以内に収まる。したがって、上流側端部15Uと下流側端部15Dとの流路面積を設定する際には、0.15<AD/A0<0.85、とすることが好ましく、AD/A0=0.5とすることが特に好ましい。
以上に説明したように本実施の形態によれば、水車運転の際の上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて、その流路面積が拡大しないようにランナ側圧室15が形成されていることにより、ランナ側圧室15内に流入した水の速度勾配を小さくすることができる。このことにより、ランナ側圧室15に流入した水によって生じる円板摩擦損失を低減することで水車効率を向上させることができる。また、本実施の形態では、ランナ側圧室15の流路幅が、上流側から下流側にかけて拡大しないように形成されていることで、損失を一層低減することができる。
次に、第2の実施の形態について図11を参照して説明する。図11は第2の実施の形態によるフランシス形水車のランナ側圧室の周辺の子午面断面図であり、図12は図11に示したフランシス形水車のランナ側圧室の流路面積と、図4に示した比較例のランナ側圧室の流路面積とを示したグラフを示している。なお、第2の実施の形態における第1の実施の形態と同一の構成部分には、同一の符号を示している。
図11に示すように、本実施の形態では、下カバー16の内側壁面16Aは、子午面断面視で、複数の直線部分をつなげてなる折れ線状に形成されている。詳しくは、図11に示すように、内側壁面16Aは、最上流点8Uからの距離dがL3,L4,L5,L6の位置に対応する位置で折れ曲がるように形成されている。また、図12に示すように、ランナ側圧室15の流路面積が下流側に向けて徐々に減少するようになっている。しかも、図11から明らかなように、ランナ側圧室15の流路幅は、上流側から下流側にかけて拡大しないように形成されている。なお、流路幅とは、子午面断面視で、バンド8の外側壁面8Aにおけるある点と、当該点の接線に対して直交して延びる直線が下カバー16の内側壁面16Aに交差する点と、を結んだ線分の長さのことをいう。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、製造時において下カバー16の内側壁面16Aの機械加工が比較的容易となりコストを抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記の実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ランナ側圧室15の流路面積が、上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて、徐々に減少するようになっている例を説明したが、子午面断面視におけるランナ側圧室15の流路面積は、上流側端部15Uから下流側端部15Dにかけて少なくとも部分的に一定であってもよい。
また、上述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、ランナ側圧室15の流路幅は、上流側から下流側にかけて拡大しないように形成されているが、流路面積が上流側端部から下流側端部にかけて拡大しないのであれば、流路幅は、上流側から下流側において部分的に拡大しても構わない。
1 フランシス形水車
3 ケーシング
4 ステーベーン
5 ガイドベーン
6 ランナ
7 クラウン
8 バンド
8A 外側壁面
8U 最上流点
8D 最下流点
9 ランナ羽根
10 主軸
12 吸出し管
13 ランナ背圧室
14 上カバー
15 ランナ側圧室
15U 上流側端部
15D 下流側端部
16 下カバー
16A 内側壁面
16U 上流側端点
16D 下流側端点
20 側圧室側間隙部
22 側圧室側シール部
C 回転軸線
G 発電電動機

Claims (2)

  1. クラウン、バンド、及び前記クラウンと前記バンドとの間に設けられた複数のランナ羽根を有するランナと、
    前記ランナを外側から覆うカバーと、を備え、
    前記バンドの外側壁面と前記カバーの内側壁面との間に、ランナ側圧室が形成されており、
    前記ランナ側圧室は、水車運転の際の上流側端部から下流側端部にかけて、その流路面積が徐々に減少するとともに子午面断面視で、その流路幅が拡大しないように形成され、前記流路幅は、前記バンドの外側壁面におけるある点と、当該点の接線に対して直交して延びる直線が前記カバーの内側壁面に交差する点と、を結んだ線分の長さで定まるものであり、
    前記カバーの内側壁面は、子午面断面視で、複数の直線部分をつなげてなる折れ線状に形成されている
    ことを特徴とする水力機械。
  2. 前記ランナ側圧室の前記上流側端部における流路面積をA0とし、前記ランナ側圧室の前記下流側端部における流路面積をADとしたときに、
    0.15<AD/A0<0.85、である
    ことを特徴とする請求項に記載の水力機械。
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