JP6368638B2 - プッシュスイッチ - Google Patents
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Description
また説明の便宜上、各図面で共通する部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、図を簡略化して分かりやすく描くために、おのおので要素部品の記載を一部省略している場合がある。前後上下左右の方向軸については、各図の記載によるものとする。
まず、図1を参照しながら本発明の実施形態にかかるプッシュスイッチSW1の概略構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるプッシュスイッチの分解斜視図を示している。
本発明の実施形態のプッシュスイッチSW1は、上から順に上部ケース1と、固定端子2a,2b,2cと、ボタン3と、接続片4と、回転子5と、第1スプリング6と、第2スプリング7と、下部ケース8とを有してなる。
上部ケース1(ケース)は、略矩形状の筐体1aと、この筐体1aに設けられた略円筒状の筒部1bとを有している。
固定端子2a,2b,2cは、この筐体1aの上端面1a1の反対側の面に設けられ、接続片4と接触する導電性材料を有してなる3本の端子である(詳細後記)。
ボタン3は、前記筒部1bに嵌め込んで装着され、筒部1bの内面に沿って上下に摺り動きが自在な略円筒状の押圧部材である。ボタン3は、底部からガイドポール3a(規制部)が下方に延び出る形状を呈している(詳細後記)。
接続片4は、後記する回転子5のフランジ5aに係り止めされる。また、接続片4は導電性材料を含んでなり、上面視で略円環板状を呈し、外周部に板状のアーム4aをこの例で3本有している。なお板状のアーム4aは接続片4の外周部に所定間隔例えば120度間隔で前記固定端子2a,2b,2c方向に曲げられるようにして形成され、前記固定端子2a,2b,2cと接触している(詳細後記)。
回転子5は、前記ボタン3の往復動作に応じて、筒部1bの軸中心を回転中心として所定方向に所定角度(所定ステップ)回転しながら筒部1bの内周面の形状に沿って摺り動く部材である。また回転子5は底部にフランジ5aを有し、略円筒形状を呈している(詳細後記)。
第1スプリング6(第1の付勢部材)は、回転子5の円筒状の本体部5bの内部を挿し通されていて、下部ケース8とボタン3(図4)との間に嵌め込まれる部材である。そして、ボタン3をつねに上方に付勢する付勢部材である。
第2スプリング7(第2の付勢部材)は、第1スプリング6と同軸に設けられている。この第2スプリング7は、下部ケース8と回転子5との間に嵌め込んで装着される部材であり、回転子5を下側から支持してつねに上方に付勢する付勢部材である。
なお、第1スプリング6は第2スプリング7よりも小径の例えばコイルバネを用いているが、特にこれには限定されない。
下部ケース8(ケース)は、上部ケース1と嵌まり合って、プッシュスイッチSW1の底部を成す部材である。下部ケース8は、前記した第2スプリング7および第1スプリング6を支持する。また、底部に前記したガイドポール3aが挿入される円筒形の挿入部8aが設けられている。この挿入部8aは、若干拡径した開口部を有しており、この拡径した部分に前記したボタン3(図4)を付勢する第1スプリング6が挿入される。また、この挿入部8aには、前記した回転子5(図6)が緩く外側から嵌め込みされる。
また、下部ケース8は、側壁8b,8cを有している。側壁8b,8cは、底面をなす底部8dから立ち上がるように設けられ、プッシュスイッチSW1の側面を形成している。側壁8b,8cの上端面8b1,8c1は、上部ケース1と嵌まり合う際に、上端面1a1(図3(a))の反対側の面と密着するようにされている。これによって、固定端子2a,2b,2cの平面部2a1,2b1,2c1を上端面1a1(図3(a))の反対側の面との間で挟んで保持し、固定端子2a,2b,2cを固定している。
図2(a)は本発明の実施形態にかかるプッシュスイッチSW1の上面図である(但し、後記する比較例にかかるプッシュスイッチSW2の上面図を兼ねる)。そして、この図に示されるC−C矢視断面図が図2(b)である。なお、図2(a)に示されるC−C矢視の線は、後記する図3(a)に示されるA−A矢視の線とは反対側を見た図に相当する。
図2(b)に示すように、実施形態にかかるプッシュスイッチSW1は、ボタン3のガイドポール3aを下部ケース8の挿入部8aに挿入しボタン3の上端面3bを押圧した際、ガイドポール3aの下端部が下部ケース8の底部8dに接するようにされている。なおこのとき、回転子5を付勢する第2スプリング7は、これ以上下方に変位できない下死点まではまだ幾分かの余裕を残した状態である。
つまり、ボタン3のガイドポール3aの下端部が下部ケース8の底部8dに接すると、ボタン3のリブ3dに備えられているボタンカム面3e(第1のカム面)が、それ以上物理的に下方に押圧変位しないように規制されている。
ここで、ガイドポール3aの長さは、後記する図9(a)に示される筒部カム面1e(図3(b)の上部ケース1の筒部カム面1eも併せて参照)の位置に関する所定高さを考慮して、適宜の所定長さに決定される。つまり、回転子5の突起5cの回転子カム面5dを下方に押し込んで筒部カム面1e上を摺り動き可能にせしめる程度の、適宜の所定長さに決定される。
以上を換言すると、ガイドポール3aは、下死点において例えばガイドポール3aの下端部が下部ケース8の挿入部8aの底部8dと接する長さで形成されてボタンカム面3e(第1のカム面)のさらに下方への変位を物理的に規制している。これによって例えば回転子カム面5d(第2のカム面)の変形または破損が防止される。
なお、図2(b)中、符号5fは凸部、符号6は第1スプリングである。
筒部1bは、後記するボタン3(図4)の上下の往復運動を案内する役割を果たす。また、凸条1dの下端部に設けられた筒部カム面1eは、後記する回転子5(図6)を周方向に回転させる役割を果たす。
固定端子2a,2b,2cは、上部ケース1の筐体1aにおいて上端面1a1(図3(a))の反対側の面に取付される。固定端子2a,2b,2cは、接続片4(図5)のアーム4aと接触する平面部2a1,2b1,2c1と、外部配線Wを挟んで保持する端子部2a2,2b2,2c2とを有してなる。
ボタン3は、略円筒状の部材であり、上端面3bはボタンを押圧するための押圧面となっている。また、下端面3cの中心から下方に向かって前記したガイドポール3aが延び出ている。さらに、下端面3cの外周面には、筒部1bの案内溝1c(図3(b))に遊びをもった状態で嵌まる半径方向外側に張り出したリブ3dが例えば60°間隔で6本設けられている。このリブ3dの下端部は、前記した筒部カム面1e(図3(b))と略同じ方向に傾いた斜面状のボタンカム面3eとなっている。また、このリブ3dの上端に連続してボタン3の外周面には過回転防止用凸条3fが例えば60°間隔で設けられている。この過回転防止用凸条3fの高さはリブ3dよりも低く、リブ3dとともに前記案内溝1c(図3(b))に遊びをもった状態で嵌まる。ボタン3は、前記した筒部1b(図3(b))に嵌め込んで装着される部材である。ボタン3のリブ3dおよび過回転防止用凸条3fが、筒部1b(図3(b))の例えば60°間隔で設けられた案内溝1c(図3(b))に遊びをもった状態で嵌まる。そして、この案内溝1c(図3(b))に沿って上下に往復運動を行う。
接続片4は銅等の導電性部材を有してなる略円環板状の部材であり、円環状のベース4bと、ベース4bの外周部に例えば120°間隔で設けられた3本のアーム4aとを有してなる。このアーム4aは、正面視でベース4bの外周に沿うように(図5(b))、側面視で、ベース4bとの接続部で屈曲し、斜め上方(固定端子2a,2b,2cの方向)に延び出ている(図5(c))。このアーム4aは可撓性を有する材料を有してなるので、上方から力が加わると板バネのように撓み、力が取り除かれると再び元の形状に復帰する性質を有する。
このように本発明の実施形態においては、接続片4は板バネのように撓む性質のアーム4aを有している。なお、下死点まで押圧されたボタン3(図4)が上死点に復帰する過程で、回転子5(図6)が、第2スプリング7の付勢力により他の部材と衝突して “カチッ”という小さな音を発生する。このとき、接続片4のアーム4aが撓んでクッションの役割を果たす。
この接続片4は、後記の回転子5(図6)に係り止めされ、回転子5(図6)とともに運動する部材であり、プッシュスイッチSW1のON/OFF動作を行う。この接続片4の動作については後記する回転子5(図6)とともに説明する。
回転子5は、略円筒状の部材であり、円筒状の本体部5bと、この本体部5bの底部に前記接続片4(図5)が係り止めされるフランジ5aを有している。本体部5bの直径は、前記したボタン3(図4)の直径よりも一回り大きく、ボタン3(図4)の6本のリブ3dの外周が成す円と等しい直径を有している。
ボタン3(図4)が上死点に存在するときには、回転子5は第2スプリング7の付勢力により上端面1a1(図3(a))の反対側の面に押し止めされた状態にある。この際、フランジ5aに設けられた凸部5fの存在により、フランジ5aの上端面と上端面1a1(図3(a))の反対側の面とは密着せず、ある間隔を空けて対峙している。上死点において、フランジ5aに係り止めされた接続片4は、アーム4aが撓んで湾曲した状態でフランジ5aと上端面1a1(図3(a))の反対側の面との間隔に収まるとともに、上端面1a1(図3(a))の反対側の面に設けられた固定端子2a,2b,2c間をON状態またはOFF状態に接続している。
このように、本発明の実施形態のプッシュスイッチSW1においては、スイッチのON/OFF動作は、アーム4aが伸び切った状態において行われるので、アーム4aの回転時にアーム4aと固定端子2a,2b,2cとの摩擦を従来のプッシュスイッチよりも小さくすることが可能となっている。また、接続片4のアーム4aと固定端子2a,2b,2cとの間にグリス等は封入しなくてもよい。
図7(a),図8(a),図9(a),図10(a)は、筒部1b、ボタン3(図4)および回転子5(図6)が構成するカム機構を平面的に展開した模式図である。なお、この図は例えば図6(a)に示すB−B矢視方向を見て展開したものである。また、図7(b),図8(b),図9(b),図10(b)はそれぞれ、図7(a),図8(a),図9(a),図10(a)に対応する接続片4(図5)と第1端子2aとの位置関係を示す模式図である。
図10(a)の状態においては、ボタン3(図4)が上死点に復帰したので、回転子5(図6)は上端面1a1(図3(a))の反対側の面に最も近づいた状態となっている。図7(b)同様に、凸部5fが上端面1a1(図3(a))の反対側の面と接触して、回転子5(図6)と上部ケース1との間に適当な間隔を保っている。この状態において、接続片4(図5)のアーム4aは、第1端子2aとは接触しておらず、プッシュスイッチSW1はOFF状態にある。
図11に示すように、比較例にかかるプッシュスイッチSW2は、ガイドポール3aを挿入部8aに挿入してボタン3を押圧した際、押圧された回転子5が下死点に到達しても、ガイドポール3aの下端部が下部ケース8の底部8dに接していない。つまり、ガイドポール3aの下端部と下部ケース8の底部8dとの間にクリアランスCLが生じた状態となっている。
この状態では、回転子5は回転子5を付勢する第2スプリング7がこれ以上下方に変位できない下死点に達しているのでこれ以上下方には変位できない。しかしボタン3は第1スプリング6に付勢されているのみであり、ユーザが第1スプリング6の付勢力に抗してボタン3の上端面3bを押圧すれば、クリアランスCLの隙間の分だけ下方に変位する余地がある。そうすると、リブ3dのボタンカム面3eが必要以上に突起5cの回転子カム面5dを押圧して破損してしまい、ボタンカム面3e,回転子カム面5dが相互に変形してしまう可能性があった。ボタンカム面3e,回転子カム面5dが変形してしまうと、図7(a),図8(a),図9(a),図10(a)に示すようなカムのスムーズな動きができなくなる場合があった。
(作用・効果)
ガイドポール3aの長さは、図9(a)に示される筒部カム面1eの位置に関する所定高さを考慮して、回転子5の突起5cを下方に押し込んで筒部カム面1e上を摺り動き可能にせしめる程度の、適宜の所定長さに決定されている。
このようにすることで、ガイドポール3aの下端部と下部ケース8の底部8dとの間にクリアランスCLが生じない。つまり、ユーザが第1スプリング6の付勢力に抗してボタン3の上端面3bを押圧したとしても、クリアランスCLがないので、それ以上下方に変位することが物理的に規制される。このようにすることで、リブ3dのボタンカム面3eが突起5cの回転子カム面5dを過度に押圧して変形したり破損したりしないように、保護することができる。
これによって、図7(a),図8(a),図9(a),図10(a)に示すようなカムのスムーズな動作を確保できる。具体的には、リブ3d,突起5cは案内溝1c内をスムーズに摺り動くことができる。また、ボタン3のリブ3dはユーザによる上端面3bの押圧操作に伴って突起5cをスムーズに下方へ変位させることができる。また、第2スプリング7に付勢された回転子5の突起5cはリブ3dをスムーズに上方へ変位させることができる。また、突起5cは筒部カム面1e上をスムーズに摺り動くことができる。つまり、突起5cは図9に示されるように第2スプリング7によって上方に付勢され筒部カム面1eをスムーズに摺り動くことができる(回転子5がボタン3に対してスムーズに回転できる)。そして図10(a)に示すように、突起5cは、初めに位置した案内溝1cとは異なる隣接した案内溝1cに嵌まり合うことができる。以上で説明した動作がユーザによるボタン3の押圧操作の度にスムーズに繰り返されるので、プッシュスイッチSW1の信頼性を向上させることができる。
Claims (2)
- 略円筒状の筒部を有してなるケースと、
上下に押圧された際の下方への変位を規制する規制部が設けられたボタンと、
前記ケースの内部に設けられて前記ボタンを上方に付勢する第1の付勢部材と、
前記ボタンの前記上下の動きに応じて前記筒部の内周面の形状に沿って上下運動および回転運動を行う回転子と、
前記ケースの内部に設けられて前記回転子を上方に付勢する第2の付勢部材と、
前記ボタンが前記押圧された際に、前記ボタンに設けられた第1のカム面と前記回転子に設けられた第2のカム面とが接することで前記回転子に前記上下運動と前記回転運動とを行わせるカム機構と、
前記回転子に係り止めされた接続片と、
前記ケースに設けられ、前記接続片が接触・離反する固定端子と、
を備え、
上死点を前記ボタンが押圧されていない状態とし、下死点を前記ボタンが押圧されて前記規制部の先端が前記ケースの底部と接した状態としたとき、
前記ボタンは押圧されると前記下死点よりも下方への変位が規制されることによって前記第1のカム面及び前記第2のカム面の変形または破損が防止される程度に前記第1のカム面のさらに下方への変位を物理的に規制すること
を特徴とする、プッシュスイッチ。 - 前記規制部は、前記ボタンの下部に設けられたガイドポールであり、前記下死点にあるときは前記ガイドポールの先端が前記ケースの底部に接する状態となること
を特徴とする、請求項1に記載のプッシュスイッチ。
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