JP6368218B2 - 排水処理装置の洗浄方法 - Google Patents
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Description
排水処理装置1を洗浄する場合には、まず、ポンプP1を停止させて、汚泥槽2から分離膜装置4への汚泥の供給を停止させる。そして、弁V1、V2及びV3を閉とする。そして、図4に示すように、弁V4を開として、分離膜装置4内に残留している分離した水を、排出路28を通じて排出する。
次に、分離膜装置内を洗浄水ですすぐ。弁V4を閉とし、図5に示すように、弁V5、V6及びV7を開とし、ポンプP2によって、洗浄水タンク6内の洗浄水を、流路40および流路20を通じて分離膜装置4に流入させ、分離膜装置4から流出した液を、流路22および排出路26を通じて排出する。これにより、分離膜装置4内に残存する汚泥のうち、洗浄水によって流出させることができるものを排出することができる。なお、本明細書において記載する洗浄水は特に限定されず、工水や純水でもよい。
次に、苛性ソーダで分離膜装置を洗浄する。なお、本実施形態において、苛性ソーダを使用するが、本工程において使用する洗浄液は、アルカリ性洗浄液であれば限定されない。
次に、苛性ソーダタンク内の苛性ソーダを洗浄水で洗浄する。弁V7を閉とし、図9に示すように、弁V5、V6及びV10を開とし、ポンプP2によって、流路40、流路20、分離膜装置4、流路22、流路34を通じて苛性ソーダタンク8内に洗浄水を流入させる。その後、弁V5、V6及びV10を閉とし、図10に示すように、弁V7、V8及びV9を開として、流路32、流路20、分離膜装置4、流路22および排出路26を通じて苛性ソーダタンク8内の液を排出する。
次に、塩酸で分離膜装置を洗浄する。なお、本実施形態において、塩酸を使用するが、本工程において使用する洗浄液は、酸性洗浄液であれば限定されない。
次に、塩酸タンクを洗浄水で洗浄する。弁V7を閉とし、図14に示すように、弁V5、V6及びV13を開とし、ポンプP2によって、洗浄水タンク内の洗浄水を塩酸タンク10内に、流路40、流路20、分離膜装置4、流路22および流路38を通じて流入させる。その後、弁V5、V6及びV13を閉とし、図15に示すように、弁V11、V12およびV7を開として、塩酸タンク10内の液を、流路36、流路20、分離膜装置4、流路22および排出路26を通じて排出する。
そこで、本発明では、この塩酸タンクの洗浄工程の後、図16に示すように、洗浄水による分離膜装置4内の洗浄を行う。すなわち、塩酸タンクの洗浄工程の後、弁V11、およびV12を閉として、図16に示すように、弁V5、V6およびV7を開として、ポンプP2によって、洗浄水タンク6中の洗浄水を、流路40および流路20を通じて分離膜装置4に流入させ、分離膜装置4から流出した液は流路22および排出路26を通じて排出する。この後さらに、図17に示すように、弁V5、V6およびV7を閉として、弁V2およびV4を開として、水を、流路28を通じて分離膜装置4に流入させ、分離膜装置4から流路24を通じて排出することが好ましい。
汚泥のpHと、その汚泥のろ過処理に使用する分離膜モジュールの詰まり易さとの関係に関する試験である。
塩酸による分離膜装置の洗浄後の、洗浄水による分離膜装置の洗浄条件に関する試験である。
TCF(温度補正係数)=ηt(℃)/η25(℃)
また、分離膜の有効圧(PN)を下記の式で求めた。
以上の値を用い、下記の式で分離膜のフラックス値を求めた。
図16に示す、本発明の洗浄水による分離膜装置の洗浄工程では、分離膜モジュールのチューブ内の洗浄を75分間行った。その際、洗浄水による洗浄開始前、並びに、洗浄開始から30分後、45分後、60分後、および、75分後の、分離膜モジュールから流路22を通って流出する洗浄水のpHを測定した。その測定結果を表2に示す。
洗浄水による分離膜装置の洗浄工程を追加したことによる、分離膜装置の排水処理能力の変化に関する試験である。
実験例2で使用した汚泥および排水処理装置を用い、実験例2と同様に汚泥のろ過処理を行った。そして、実験例2と同様、分離膜装置フラックス値5.0m/d以下または分離膜出口流量10m3/h以下となったとき、図4〜17に示す、排水処理装置の洗浄方法を行った。図16に示す、分離膜装置の洗浄工程では、分離膜モジュールのチューブ内の洗浄を60分間行った。分離膜モジュールのチューブ内の洗浄後、図17に示す、分離膜モジュールのチューブ外の洗浄を10分間行った。確実に分離膜モジュールのチューブ内外のpHをそれぞれ2以上、3以上にするために、チューブ内外の洗浄時間(それぞれ60分、10分)は、実験例2の結果から決定した。
図16および図17に示す洗浄工程を行わないこと以外は、実施例と同様に行った。具体的には、処理中、フラックス値5.0m/d以下または分離膜出口流量10m3/h以下となったときに、図4〜図15までの従来の方法で排水処理装置の洗浄を行い、その後排水処理を再開した。各月に測定したフラックス値及び排水処理量の結果を図19に示す。
本発明の実施例では、比較例に比べて、フラックス値が向上した。分離膜装置のフラックス値は排水処理における通水と共に低下するが、図18〜21に示すとおり、従来の洗浄方法を行った比較例では、フラックス値は洗浄前の5.0m/dから、15.0m/d程度に向上した一方で、本発明の洗浄方法を行った場合、これまで、分離膜モジュールの取替直後しか出なかったフラックス値(25m/d程度)まで向上した。またフラックス値の最低値も比較例に比べ高くなった。また、フラックス値の年間平均は、本発明の方法が、従来法(比較例)に比べ2.6m/d高かった。
つまり、本発明の方法を用いると、分離膜装置4台分、つまり排水処理装置1台において処理排水量が67.2m3/d上昇した。この値は下記の通り求めた。
ここで、排水処理装置の最大処理排水量は上述の通り1000m3/dであるので、本発明の洗浄方法によって、排水装置の処理能力が6.7%向上した。
Claims (6)
- 排水処理装置の洗浄方法であって、
前記排水処理装置は、
汚泥を貯留する汚泥槽と、
汚泥流入口と汚泥流出口と水流出口とを有し、前記汚泥槽から前記汚泥流入口を通じて流入した汚泥から水を分離して、分離した汚泥と分離した水をそれぞれ前記汚泥流出口と前記水流出口から流出させる分離膜装置と、
前記分離膜装置から前記分離した水を排水ラインへ供給する第1排出路と、
前記分離膜装置から前記分離した水を前記排水処理装置の外部へ排出する第2排出路と、
洗浄剤流入口と洗浄剤流出口を有し、前記洗浄剤流出口が前記分離膜装置の前記汚泥流入口に連通し、前記洗浄剤流入口が前記分離膜装置の前記汚泥流出口に連通した洗浄剤タンクと、
洗浄水流入口と洗浄水流出口を有し、前記洗浄水流出口が前記分離膜装置の前記汚泥流入口に連通した洗浄水タンクと、
前記分離膜装置の前記汚泥流出口と前記洗浄剤タンクの前記洗浄剤流入口を連通させる流路から分岐させた第3排出路と、
を備え、
前記汚泥槽から前記分離膜装置への汚泥の流出を停止させる第1工程と、
前記第1排出路を閉じる第2工程と、
前記洗浄水タンク内の洗浄水を、前記洗浄水タンクから、前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記第3排出路から排出する第3工程と、
前記洗浄剤タンク内の洗浄剤を、前記洗浄剤タンクから前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記洗浄剤タンクに流入させる第4工程と、
前記洗浄剤タンクから前記分離膜装置に洗浄剤が供給されないようにした状態で、前記分離膜装置内に残留している洗浄剤を、前記第2排出路を通じて排出する第5工程と、
前記洗浄水タンク内の洗浄水を、前記洗浄水タンクから前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記第3排出路から排出する第6工程と、
前記洗浄水タンク内の洗浄水を、前記洗浄水タンクから前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記洗浄剤流入口を通じて前記洗浄剤タンクに流入させる第7工程と、
前記洗浄剤タンク内の前記洗浄水を、前記洗浄剤タンクから前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記第3排水路から排出する第8工程と、
前記洗浄水タンク内の洗浄水を、前記洗浄水タンクから前記分離膜装置に流入させ、前記分離膜装置から前記汚泥流出口を通じて流出させ、前記第3排水路から排出する第9工程と、
をこの順に行う、排水処理装置の洗浄方法。 - 前記洗浄剤が塩酸である、請求項1に記載の排水処理装置の洗浄方法。
- 前記第9工程は、前記分離膜装置から流出させた洗浄水のpHが2以上になるまで行う、請求項2に記載の排水処理装置の洗浄方法。
- 前記分離膜装置は、円筒状の筒体と、前記筒体内に当該筒体の軸方向に沿って配置されたチューブ状の分離膜モジュールを備えた分離膜装置であって、
前記分離膜モジュールは、前記チューブ内を通過する汚泥から水を分離し、分離した水を透過させる、請求項1〜3のいずれかに記載の排水処理装置の洗浄方法。 - 水を、前記第2排水路から前記分離膜装置内に流入させ、前記分離膜装置の前記筒体内の前記チューブ外を通過させて、前記第1排水路を通じて排出する第10工程を、前記第9工程の後に行なう、請求項4に記載の排水処理装置の洗浄方法。
- 前記第10工程は、前記分離膜装置から流出させた洗浄水のpHが3以上になるまで行う、請求項5に記載の排水処理装置の洗浄方法。
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