JP6367620B2 - 延伸フィルム - Google Patents
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Description
「1. シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂と、平均粒径Aが0.5〜5μm、DBA値が200ミリモル/kg以下、細孔容積が0.5〜2.0ml/gの範囲である多孔質シリカ粒子を含む樹脂組成物からなる延伸フィルムであって、該多孔質シリカ粒子の含有量が樹脂組成物質量を基準として0.01〜3質量%である延伸フィルム。
2. 樹脂組成物が、さらに熱可塑性非晶樹脂を含有する上記1に記載の延伸フィルム。
3. 熱可塑性非晶樹脂がポリフェニレンエーテルである上記2に記載の延伸フィルム。
4. 熱可塑性非晶樹脂を、樹脂組成物の質量を基準として5〜48質量%含有する上記2または3に記載の延伸フィルム。
5. 厚み方向の屈折率が1.575〜1.635である上記1〜4のいずれかに記載の延伸フィルム。
6. 酸化防止剤を、樹脂組成物の質量を基準として0.1〜5質量%含有する上記1〜5のいずれかに記載の延伸フィルム。
7. 酸化防止剤の熱分解温度が250℃以上である上記6に記載の延伸フィルム。
8. 多孔質シリカ粒子の圧縮率が20〜90%である上記1〜7のいずれかに記載の延伸フィルム。
9. さらに平均粒径Aが0.01μm以上0.5μm未満の粒子を、フィルム質量を基準として0.01〜3質量%含有する上記1〜8のいずれかに記載の延伸フィルム。
10. フィルム中に含まれる最大長25μm以上の粗大粒子の数が10個/m2以下である上記1〜9のいずれかに記載の延伸フィルム。
11. フィルム中に含まれる多孔質シリカ粒子の周りに発生するボイドの、下記式(1)で表わされるボイド率が50%以下である上記1〜10のいずれかに記載の延伸フィルム。
(1)ボイド率=((粒子周囲のボイド径−粒子径)/粒子周囲のボイド径)×100
12. シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂を含む樹脂材料に、平均粒径Bが0.5〜5μm、DBA値が200ミリモル/kg以下、細孔容積が0.5〜2.0ml/gの範囲である多孔質シリカ粒子を混合してなる樹脂組成物であって、該多孔質シリカ粒子の含有量が、樹脂組成物の質量を基準として0.01〜10質量%である樹脂組成物。
13. 樹脂組成物が、さらに熱可塑性非晶樹脂を含有する上記12に記載の樹脂組成物。
14. 多孔質シリカ粒子の圧縮率が20〜90%である上記12または13に記載の樹脂組成物。」
が提供される。
本発明の延伸フィルムは、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂(以下、SPSと称することがある)と、平均粒径Aが0.5〜5.0μmの多孔質シリカ粒子とを含む樹脂組成物からなる。
かかる不活性粒子の含有量は、樹脂組成物100質量%中に好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%、特に好ましくは0.1〜0.3質量%以下である。かかる不活性粒子を上記範囲で含有することによって、高い絶縁破壊電圧を保ったまま、フィルムの取扱い性を良好なものとすることができる。
なお、不活性粒子を含有しない樹脂組成物をフィルムに溶融成形する際に、得られるフィルム中の不活性粒子含有量が上記範囲となるように、不活性粒子をそのまま又はマスターチップとして添加しても構わない。
なお、本発明の延伸フィルム中には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、上記SPS、熱可塑性非晶樹脂の他に、さらに他の樹脂を併用してもよい。
なお、酸化防止剤を含有しない樹脂組成物をフィルムに溶融成形する際に、得られるフィルム中の酸化防止剤含有量が上記範囲となるように、酸化防止剤をそのまま又はマスターチップとして添加しても構わない。
また、上記絶縁破壊電圧の標準偏差は40V/μm以下であることが好ましく、より好ましくは30V/μm以下、さらに好ましくは20V/μm以下である。この標準偏差がかかる要件を満たすということは、局所的な絶縁破壊電圧の低下が小さい(ばらつきが小さい)ということを表わし、コンデンサーなどの電気絶縁材料として用いた場合の材料の信頼性を高めることができる。
以上に説明した本発明の延伸フィルムは、基本的には従来知られている、あるいは当業界に蓄積されている方法で得ることができる。以下、本発明の延伸フィルムを得るための製造方法について詳記する。なお、本発明の延伸フィルムは、一軸配向フィルムであっても二軸配向フィルムであっても良いが、生産性や物性のバランスの点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。以下、二軸延伸フィルムを例にとって、説明する。
なお、本発明においては、未延伸シート、または、かかる未延伸シートを好ましくは縦方向に一軸延伸した一軸延伸フィルムに、塗布層を形成するための塗液を塗布することで、塗布層を形成してもよい。
本発明の延伸フィルムの製造に好ましく用いられる樹脂組成物は、前述のシンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂に、多孔質シリカ粒子を溶融混合してなるものである。
ここで用いられる多孔質シリカ粒子の平均粒径Bは0.5〜5μm、特に0.8〜3.0μmの範囲にあることが好ましい。この平均粒径が0.5μm未満の場合には、フィルム等に溶融成形した際のフィルム中の多孔質シリカ粒子の平均粒径Aが小さくなって滑り性が不足し、巻取り性や取扱い性が不十分となる傾向にある。一方、5μmを超える場合には、フィルム等に溶融成形する際、延伸等により粒子の周りに形成されるボイドの径が大きくなりやすい。また、該粒子の含有量は、樹脂組成物質量を基準として0.01〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%の範囲とする。含有量が0.01質量%未満ではフィルム等に成形した後の成形品の滑り性が不足して取扱い性が不十分となる。一方、10質量%を超える場合には、樹脂組成物中での粒子の分散が悪くなるので好ましくない。なお、樹脂組成物をそのまま溶融成形してフィルム等に成形する場合には、粒子の含有量は前述のとおり、0.01〜3質量%、さらに0.02〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%の範囲とするのが好ましい。一方、ベース樹脂等で希釈して溶融製膜する場合には、含有量の多い、例えば0.5〜10質量%の樹脂組成物を用い、フィルム等に成形した樹脂組成物中(フィルム中)の含有量が上記の範囲となるように希釈すればよい。
前述した本発明の延伸フィルムは、例えば少なくとも片面に金属層を積層することによりコンデンサーを得ることができる。金属層の材質については特に制限はないが、例えばアルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、錫、銅およびこれらの合金が挙げられる。さらに、これらの金属層は若干量酸化されていてもよい。また、金属層を簡便に形成できるため、金属層は蒸着法により形成された蒸着型金属層であることが好ましい。なお、金属層を積層するにあたり、予め塗布層を設けることによって、延伸フィルム層(基材層)と金属層とに適度な接着力を持たせることができ、フィルムコンデンサー製造において巻回などの加工を施す場合には金属層の剥離がなく、コンデンサーとしての機能が発揮されるものとなる。さらに、同時に塗布層と金属層とが適度の接着性を有し、放電が起こっても、先に表面エネルギーの小さい塗布層がフィルムから剥離し、金属層と塗布層のみが破壊され、フィルムは破壊されず、それにより短絡状態にならず、絶縁破壊電圧の向上効果を高くすることができる。
平均粒径A
フィルム表面をプラズマリアクターで処理して粒子を露出させ、金スパッター装置によりこの表面に金薄膜蒸着層を厚み200〜300Åで形成した。次いで、走査型電子顕微鏡を用いて1万5000倍で観察し、日本レギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、測定対象物の形状(輪郭)が2値化画像になるよう設定して少なくとも110個の粒子について面積相当粒径(Di)を求め、そのうち最大値と最小値からそれぞれ5個を除いて数平均を算出し、粒子の平均粒径Aとした。
平均粒径B
分散媒としてエタノールを使用し、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000Jを用いて体積分布基準で平均粒径Bを求めた。
105℃、2時間で乾燥した試料250mgを精秤し、これに50mlの1/500N−DBA溶液(石油ベンジン溶媒)を加え、20℃で2時間放置する。この上澄液25mlにクロロホルム5ml、クリスタルバイオレット指示薬2〜3滴を加え、紫色が青色に変わるまで1/100N−過塩素酸溶液(無水酢酸溶媒)で滴定し、この時の滴定値をAmlとする。別にブランクを行いBmlとし、次式によってDBA値を算出した。
DBA値(ミリモル/kg)=80(A−B)f
但し、fは1/100N−過塩素酸溶液の力価
(R.Meyer;Kautschuku.Gummi.,7[8],180-182(1954)参照)
島津製作所製微小圧縮試験MCTM−200を用い、荷重負荷速度0.0725gf/secの条件で荷重し、0.2gf荷重時の圧縮率を求める。粒径が平均粒子径と同じ粒子を5個選んで測定し、それらの平均値を粒子の圧縮率として算出した。
フィルム原料を押出機に供給し、ダイスを通じて溶融押出する際の揮発成分の発生状況、およびフィルムの延伸製膜工程におけるフィルム製膜性について、以下の基準によって評価した。
◎:ポリマー溶融押出時に粗大凝集物などなく、製膜工程も破断することなく生産できる
〇:ポリマー溶融押出時に粗大凝集物が見られるが、破断することなく生産できる
△:ポリマー溶融押出時に粗大凝集物が見られ、破断が時々発生し安定生産できない
×:ポリマー溶融押出時に粗大凝集物が著しいか、破断が多発し生産できない
日本PALL社製H−250(目開き25μmの焼結(粒)型フィルター)にて、フィルム原料を吐出量(kg)/フィルター面積(cm2)にて換算した際、押出温度300℃、5kg/cm2でろ過した場合の100kg をろ過した際の初期圧力から上昇したフィルター圧力差(ΔP)を評価し、以下の基準によって評価した。
◎:溶融押出時にフィルターの昇圧が無く,安定に押し出すことができる
〇:溶融押出時にフィルターの昇圧が一時的に起こるが、安定に押し出すことができる
△:溶融押出時にフィルターの昇圧は緩やかであるが、長期間安定的に押し出せない
×:溶融押出時にフィルターの圧力が急激に昇圧し、短時間で押し出せなくなった
多孔質シリカ粒子およびその他の粒子:フィルムサンプルを、樹脂は溶解し粒子は溶解しない溶媒を選択して、サンプルを溶解させた後、粒子を樹脂から遠心分離し、サンプル重量に対する粒子の比率(重量%)をもって粒子含有量とした。また、その他の粒子を含有している場合は、粒子の含有比率からそれぞれの含有率を算出した。
熱可塑性非晶樹脂:1H−NMR測定、13C−NMR測定により、熱可塑性非晶樹脂の成分および各成分量を特定した。
酸化防止剤:1H−NMR測定、13C−NMR測定により、酸化防止剤の成分および各成分量を特定した。なお、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](登録商標Irg1098)の場合はtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルとアミド結合との間の炭化水素鎖に起因する水素に起因するピーク強度を測定した。かかるNMR測定結果をもとに、安定剤が樹脂と反応している場合はもとの安定剤に換算した含有量を求めた。また、ポリマーと未反応な安定剤と、ポリマーと反応した安定剤とが混在し、同じ炭化水素鎖に着目しても複数のピーク位置が検出される場合は、それらの合計値より含有量を求めた。
ナトリウムD線(589nm)を光源としたアッベ屈折計を用いて23℃65%RHにて、厚み方向の屈折率(Nz)を測定した。厚み方向の屈折率が高いほど、フィルムの面方向に分子鎖が配向していることを意味する。
フィルムサンプルについて、万能投影機を用い、透過照明にて20倍に拡大し、1m2面積中に含まれる最大長(長径)が25μm以上の粒子数をカウントした。
フィルムを厚み方向かつ幅方向に沿って、ミクロトームで切断し、切断面を(株)日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて20000倍で、切断面におけるフィルム中の多孔質シリカ粒子およびそれらの周囲のボイドを観察して、粒子10個について各粒子の断面と各粒子の周囲のボイド断面のフィルム幅方向の径を求め、下記式で各粒子のボイド率を算出した。
ボイド率=((粒子周囲のボイド径−粒子径)/粒子周囲のボイド径)×100
粒子10個についてボイド率の平均を算出して、平均ボイド率とし、フィルム中にボイドが実質的にあるか、実質的にないかを評価した。
〇:ボイドが実質的にない(平均ボイド率が30%以下)
△:ボイドが実質的にない(平均ボイド率が30%超、50%以下)
×:ボイドが実質的にある(平均ボイド率が50%超)
非接触式三次元粗さ計(小坂研究所製、ET−30HK)を用いて波長780nmの半導体レーザー、ビーム径1.6μmの光触針で測定長(Lx)1mm、サンプリングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、厚み方向拡大倍率1万倍、横方向拡大倍率200倍、走査線数100本(従って、Y方向の測定長Ly=0.2mm)の条件にてフィルム表面の突起プロファイルを測定した。その粗さ曲面をZ=f(x,y)で表わしたとき、次の式で得られる値をフィルムの中心線平均表面粗さ(Ra、単位:nm)とした。
フィルムの製造工程において、フィルムを550mm幅で6000mのロール状に100m/分の速度で巻き上げ、その巻上げ状況、ロールの外観により以下の基準によって評価した。
A:フィルム表面全体で表面粗さが均一であり、ロールの巻き姿良好
B:フィルム中の粗大凝集粒子の影響により、ロールの表面に1個以上5個未満のピンプル(突起状盛り上がり)が見られるがほぼ良好
C:フィルム中の粗大凝集物が多数あり、ロールの表面に5個以上のピンプル(突起状盛り上がり)が見られ、外観不良
D:ロールのフィルム端面ズレが起き、巻き姿不良
延伸フィルムサンプルを、JIS規格C2151に記載のDC試験のうち平板電極法に準拠して、東京精電株式会社製ITS−6003を用いて、0.1kV/秒の昇圧速度で測定し、破壊時の電圧を絶縁破壊電圧として測定した。測定はn=50で行い、平均値を絶縁破壊電圧とし、標準偏差を絶縁破壊電圧のばらつきとした。なお測定は25℃の室温で実施した。
フィルムを長手方向に幅1/2インチ,長さ400mmにカットしたものを、フィルム走行試験機を用いてステンレスガイドピン(表面粗さ:Raで40nm)上を走行させ、走行速度が20mm/秒で200mmの距離を2往復させた(巻き付け角度90°、出側張力50g)。走行後、ガイドピンのフィルム接触部とフィルムのガイドピン接触面を日立製走査型電子顕微鏡S−4700にて100倍で粒子の付着量を観察して、次の基準で判定を行った。削れた粒子の堆積幅が小さいほど、削れ性に優れている。
○:0.20mm未満
△:0.20mm以上0.50mm未満
×:0.50mm以上
フィルムを100mm角の正方形にカットしたものを合計厚みが20μm以上になるように重ね合せ(フィルム1枚で厚みが20μm以上あるものは1枚で使用)、 同じサイズのアルミ箔で上下1枚ずつ挟んだ積層体を作製した。その積層体を加熱プレス機にて熱圧着を行った。圧着条件はプレス温度125℃、プレス圧5MPa、プレス時間を30分とした。圧着後、積層体をオーブンにて150℃、30分間熱処理を行い、冷却後の積層体のフィルムとアルミ箔の剥離力を測定した。剥離力の測定は引張試験機を使用し、引張速度300mm/分の条件で測定し、測定結果からブロッキング性を次の基準で判定した。
〇:ほとんど自然に剥離しているか、平均剥離力が1.0mN/mm以下である
△:部分的にブロッキングしているが、平均剥離力が1.0mN/mm超え、3.0mN/mm以下である
×:全体的にブロッキングしており、平均剥離力が3.0mN/mmを超えている
22wt%のケイ酸ソーダ水溶液と37wt%の硫酸水溶液を、混合ノズルを用いて反応させ、シリカヒドロゾルを得た。シリカヒドロゾルは約7分でゲル化してシリカヒドロゲルを得た。このシリカヒドロゲルを径約10mmに粗砕した後、90℃,pH9.0の条件で5時間の水熱処理し、その後水洗した。次に水洗したシリカヒドロゲルを振動流動層(中央化工機社製商品名「振動流動相装置VUA−15型」)を用いて、60分間乾燥する第1工程を行い含水量7%に乾燥したシリカを得た。この後、乾燥を行なったシリカに水を添加する第2工程を行って、含水量37%に調整したシリカを得、次に再度、振動流動層により2時間乾燥する第3工程を行って含水量1%のゲル法シリカを得た。この乾燥したシリカをジェットミルを用いて粉砕処理し、得られたシリカ100部を振動流動層に仕込み、除湿された空気によって振動流動させながらn−オクチルトリエトキシシラン12部を噴霧し30分間流動混合した。その後、速やかに温度25℃、湿度90%に保持された恒温恒湿槽中に入れ、72時間保持して表面処理されたシリカ粉体を得た。再度、シリカ分散のためジェットミルを用いて粉砕処理した。得られたシリカ粉体1(多孔質シリカ粒子1)の特性値を表1に示す。
ジェットミル条件を変更して平均粒径を調整する以外は、合成例1と同様な処理行った。得られたシリカ粉体2、3、5の特性値を表1に示す。
添加するn−オクチルトリエトキシシラン量を変更する以外は、合成例1と同様な処理行った。得られたシリカ粉体4の特性値を表1に示す。
小粒径とするため、1回目のジェットミル処理の後、シリカを蒸留水にて10%スラリーとし、サンドグラインダー(ダイノーミル、容量5L)の湿式粉砕工程を追加する以外は、合成例1と同様な処理行った。得られたシリカ粉体6の特性値を表1に示す。このシリカ粉体は平均粒径が0.3μmと小さすぎるため、圧縮率は測定できなかった。
n−オクチルトリエトキシシランでの表面処理を施さない以外は、合成例1と同様な処理行った。得られたシリカ粉体7の特性値を表1に示す。
樹脂投入口及び2箇所に真空ベントを有する神戸製鋼(株)製ベント付二軸混練押出機KTX−46にローターディスクの送り翼及び戻し翼を2箇所設置し、さらに、ローターセグメント部のすぐ下流側にニーディングディスクが配置されており、ニーディングディスクのすぐ下流側に逆送りフルフライトスクリューがある抵抗部分が配置された設備を用い、樹脂投入口よりポリフェニレンエーテル樹脂(以下、PPEと略すことがある)として三菱エンジニアリングプラスチック製ユピエースPX−100L(Tg210℃)を40質量部、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂(以下、SPSと略すことがある)として出光興産製ザレック60ZCを55.8質量部、酸化防止剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010を0.2質量部混合投入した。
さらに、多孔質シリカ粒子として前述のシリカ粉体1を4質量部、二軸混練押出機の中間部分(ニーディングディスクの下流部分)より添加し混合分散した。この際、混合体フィード量は35質量部/Hr、バレル温度270℃、スクリュー回転数250rpmでダイホールよりストランド状に溶融押出した。その後、冷却バスで樹脂を冷却した後、ペレターザーでカッテングを行い、長径約4mm、短径約4mm、長さ約3mmの樹脂組成物チップを得た。得られた樹脂組成物チップを表1に示す。
使用する多孔質シリカ粒子、PPE、SPSの使用割合を表1に記載のとおりとする以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物チップを得た。あわせて表1に示す。
多孔質シリカ粒子の他に、平均粒径Bが0.3μmの球状シリコーン樹脂粒子を4質量部用い、SPSの使用割合を表1に記載のとおりとする以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物チップを得た。あわせて表1に示す。
使用する多孔質シリカ粒子に変えて、平均粒径Bが2.0μmの球状シリカ粒子(非多孔質)を用いる以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物チップを得た。あわせて表1に示す。
実施例1で得られた樹脂組成物チップ(マスターチップA)、ポリフェニレンエーテル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製ユピエースPX−100L)、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂(出光興産製ザレック60ZC)、ポリフェニレンエーレル樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製ユピエースPX−100L)に酸化防止剤としてチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガノックス1010を5重量%含有させたマスターチップをそれぞれ乾燥した後、表2記載の組成のフィルムが得られる割合でこれらを混合して押出機に供給し、300℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、50℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸シートを作成した。なお、酸化防止剤はフィルムの製膜過程で一部飛散されるので、原料の混合物中の酸化防止剤含有量は多めとしてフィルム中の含有量が1重量%となるように調整した。
この未延伸シートを140℃で縦方向(機械軸方向)に3.5倍延伸し、続いてテンターに導いた後、横方向(機械軸方向と厚み方向とに垂直な方向)に4.5倍延伸した。その際、横方向の延伸速度は5000%/分とし、横方向の延伸の温度は、等分の4段階に別け、第1段階の温度を126℃、最終段階の温度を145℃とした。その後250℃で9秒間熱固定をし、さらに180℃まで冷却する間に横方向に2%弛緩処理をして、厚み2.5μmの二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き取った。得られたフィルムの特性を表2に示す。
表2又は3に記載のとおりのマスターチップを用い、得られるフィルムの組成が表2又は3に記載となるように、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂および酸化防止剤含有マスターチップを併用する以外は実施例11と同様な操作を繰り返した。得られた延伸フィルムの評価結果を表2、3に示す。なお、実施例25、26においては、酸化防止剤含有マスターチップとしてイルガノックス1010を5重量%含有させたシンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂(出光興産製ザレック60ZC)を用いた。
得られるフィルムの組成が表2又は3に記載となるように、ポリフェニレンエーテル樹脂、シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂、多孔質シリカ粒子および酸化防止剤を、実施例1と同様に混合して先ず樹脂組成物チップを得た。得られた樹脂組成物を乾燥し、実施例11と同様に製膜して二軸延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムの評価結果を表2、3に示す。
また、表2および3中の、Irg1010はペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名IRGANOX1010)を、Irg1098はN,N’−ビス3−(3'5'ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名IRGANOX1098)、Irg565は2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4'−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:商品名IRGANOX565)である。
Claims (14)
- シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂と、平均粒径Aが0.5〜5μm、DBA値が200ミリモル/kg以下、細孔容積が0.5〜2.0ml/gの範囲である多孔質シリカ粒子を含む樹脂組成物からなる延伸フィルムであって、該多孔質シリカ粒子の含有量が樹脂組成物質量を基準として0.01〜3質量%である延伸フィルム。
- 樹脂組成物が、さらに熱可塑性非晶樹脂を含有する請求項1記載の延伸フィルム。
- 熱可塑性非晶樹脂がポリフェニレンエーテルである請求項2に記載の延伸フィルム。
- 熱可塑性非晶樹脂を、樹脂組成物の質量を基準として5〜48質量%含有する請求項2または3に記載の延伸フィルム。
- 厚み方向の屈折率が1.575〜1.635である請求項1〜4のいずれかに記載の延伸フィルム。
- 酸化防止剤を、樹脂組成物の質量を基準として0.1〜5質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の延伸フィルム。
- 酸化防止剤の熱分解温度が250℃以上である請求項6に記載の延伸フィルム。
- 多孔質シリカ粒子の圧縮率が20〜90%である請求項1〜7のいずれかに記載の延伸フィルム。
- さらに平均粒径Aが0.01μm以上0.5μm未満の粒子を、樹脂組成物の質量を基準として0.01〜3質量%含有する請求項1〜8のいずれかに記載の延伸フィルム。
- フィルム中に含まれる最大長25μm以上の粗大粒子の数が10個/m2以下である請求項1〜9のいずれかに記載の延伸フィルム。
- フィルム中に含まれる多孔質シリカ粒子の周りに発生するボイドの、下記式(1)で表わされるボイド率が50%以下である請求項1〜10のいずれかに記載の延伸フィルム。
(1)ボイド率=((粒子周囲のボイド径−粒子径)/粒子周囲のボイド径)×100 - シンジオタクチック構造のポリスチレン系樹脂を含む樹脂材料に、平均粒径Bが0.5〜5μm、DBA値が200ミリモル/kg以下、細孔容積が0.5〜2.0ml/gの範囲である多孔質シリカ粒子を混合してなる樹脂組成物であって、該多孔質シリカ粒子の含有量が、樹脂組成物の質量を基準として0.01〜10質量%である樹脂組成物。
- 樹脂組成物が、さらに熱可塑性非晶樹脂を含有する請求項12記載の樹脂組成物。
- 多孔質シリカ粒子の圧縮率が20〜90%である請求項12または13に記載の樹脂組成物。
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