JP6366269B2 - ケージド化合物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、光応答性のケージド化合物及びその製造方法に関する。
従来、生物活性に重要な官能基を光解除性保護基で保護(修飾)して不活性化しておき、光を照射することにより、光解除性保護基による保護が解除されて、活性を示すケージド化合物(Caged compounds)が知られている。
より具体的には、例えば、カルシウムを保護する水溶性のエチレングリコールテトラアセテート(EGTA)ユニットを導入したニトロジベンゾフラン(NDBF)骨格を有する光解離性保護基(NDBF−EGTA)であって、カルシウムの働きを明らかにするためのカルシウムケージド化合物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2006/110804号
しかし、上記従来のケージド化合物は、細胞内において不溶であるため、in vivoで使用する場合、ケージド化合物が細胞膜を通過するように、細胞内に電極を配置する必要があった。従って、ケージド化合物をin vivoで使用する場合に、多大な時間と労力を必要とするという問題があった。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、電極を用いることなく、in vivoで使用することができ、光刺激により、自在かつ容易にカルシウム等の官能基を放出することができる光応答性のケージド化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のケージド化合物は、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート(NDBF−EGTA)と、アセトキシアルキルハロゲン化物(CHCOORX;Rは、C〜Cのアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子である)のエステル化反応により得られることを特徴とする。
また、本発明のケージド化合物は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 0006366269
また、本発明のケージド化合物の製造方法は、ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、下記式(2)に示すカルボン酸とアセトキシメチルブロミドとのエステル化反応を行うことにより、下記式(3)で表されるケージド化合物を製造することを特徴とする。
Figure 0006366269
Figure 0006366269
本発明のケージド化合物によれば、電極を使用することなく、細胞膜を通過する性質を有するため、本発明のケージド化合物を使用することにより、in vivoにおいて、多大な時間と労力をかけることなく、光刺激により、自在かつ容易にカルシウムを放出することが可能になる。
本発明の実施例に係るケージド化合物について、カルシウムのケージド化合物としての実用性を示すデータ(単離大脳神経細胞を用いた抑制性シナプス後電流の測定データ)である。
本発明のケージド化合物は、光刺激により、自在かつ容易にカルシウムを放出する機能を有し、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート(NDBF−EGTA)と、アセトキシアルキルハロゲン化物(CHCOORX;Rは、C〜Cのアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子である)のエステル化反応により得られ、例えば、下記式(4)で表される光応答性のケージド化合物が挙げられる。
Figure 0006366269
より具体的には、このケージド化合物は、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート−アセトキシメチルエステル(NDBF−EGTA−AMエステル)であり、細胞膜を透過する性質が付与された誘導体化合物である。
本発明のケージド化合物は、生物活性に重要な官能基、例えば、カルシウムを光解除性保護基で保護(修飾)して不活性化しておき、光を照射することにより、光解除性保護基による保護が解除されて、活性を示すものである。
また、上述のカルシウムは、生体内で重要な働きを有しており、生命活動には欠かせない必須元素である。特に、脳内においては、このカルシウムが放出されることにより、神経細胞が刺激を受け、種々の神経性生理現象が生じる。
そして、本発明のケージド化合物によれば、in vivoにおいて、このカルシウムの放出メカニズムを容易に解明することが可能になる。
即ち、本発明のケージド化合物は、電極を使用することなく、細胞膜を通過する性質を有し、本発明のケージド化合物を使用することにより、in vivoにおいて、多大な時間と労力をかけることなく、光刺激により、自在かつ容易にカルシウムを放出することが可能になる。
次に、本実施形態におけるケージド化合物の製造方法の概略を以下の反応スキーム1に示す。
<反応スキーム1>
Figure 0006366269
式(4)で表されるケージド化合物を得るには、まず、式(5)で表されるテトラカルボン酸であるニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート(NDBF−EGTA)をジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒に溶解させた後、この溶解液に、塩基であるジイソプロピルエチルアミン((i-Pr)NEt)を加える。
次いで、この溶解液を攪拌しながら、アセトキシメチルブロミド(CHCOOCHBr)を添加(滴下)して、更に、所定期間(例えば、24時間)攪拌する。そうすると、テトラカルボン酸であるニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート(NDBF−EGTA)のエステル化反応(アセトキシメチルエステル化反応)が起こり、式(4)で表されるケージド化合物が生成される。
なお、このエステル化反応の際に生成した臭化水素は、上述のジイソプロピルエチルアミンにより除去される。
次いで、反応液に水を加えて、反応を停止(クエンチ)させ、酢酸エチル中に式(4)で表されるケージド化合物を溶出させ、酢酸エチルで抽出を行う。
次いで、得られた抽出液を、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウム(NaSO)を使用して乾燥処理を行う。
次いで、洗浄処理、及び乾燥処理を行った抽出液を濾過し、濾過した抽出液に対して常法により濃縮処理を施すことにより、反応混合物を得る。
次いで、上述の方法により得られた反応混合物を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して精製することにより、上記(4)で表されるケージド化合物を得ることができる。
より具体的には、粒子充填型カラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィーにおいて、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒(極性溶媒)を移動相として使用することにより精製(単離)することができる。
なお、ジクロロメタンとメタノールの混合比率は、特に限定されないが、移動相の極性を高めて、ケージド化合物の単離を容易にするとの観点から、ジクロロメタン/メタノールの混合比率をジクロロメタン:メタノール=20:1に設定することが好ましい。
また、粒子充填型カラムとしては、例えば、高純度シリカゲル(金属不純物が極めて少ないシリカゲル)が充填されたカラム(例えば、和光純薬工業(株)製、商品名:C300)を使用することができる。
また、反応スキーム1において、式(5)のニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート1モルに対して、アセトキシメチルブロミドを3モル以上(即ち、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート中の1つのカルボキシル基に対して、アセトキシメチルブロミドを1.5倍モル当量以上)の割合で添加することが好ましい。
これは、アセトキシメチルブロミドの添加量が3モル未満の場合は、上述のエステル化反応に寄与するブロミドの量が少ないため、上記(4)で表されるケージド化合物の収率が低下する場合があるためである。
また、反応スキーム1において、式(5)のニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート1モルに対して、ジイソプロピルエチルアミンを3モル以上(即ち、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート中の1つのカルボキシル基に対して、ジイソプロピルエチルアミンを1.5倍モル当量以上)の割合で添加することが好ましい。
これは、ジイソプロピルエチルアミンの添加量が3モル未満の場合は、上述のエステル化反応に寄与する塩基の量が少ないため、上記(4)で表されるケージド化合物の収率が低下する場合があるためである。
また、発熱反応を避けるとの観点から、反応スキーム1において、上述のごとく、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテートをジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒中に、予め、溶解させておくことが好ましい。
また、反応温度の上昇に起因する不測の反応の発生を防止するとの観点から、アセトキシメチルブロミドを添加(滴下)する際に、反応温度が室温以下となるように、ゆっくりと滴下する(例えば、1ml/10分)ことが好ましい。
また、同様の観点から、アセトキシメチルブロミドを添加(滴下)する際に、使用する反応容器を冷却(例えば、反応容器であるパイレックスガラス(パイレックスは登録商標)製の3口フラスコを冷却)して、室温以下の温度で上記エステル化反応を行うことが好ましい。
更に、酸素と水による副反応の発生を防止するとの観点から、上記エステル化反応を、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
(アセトキシメチルエステル化反応における最適化条件の検討)
まず、アセトキシメチルエステル化反応において、カルボキシル基に対するアセトキシメチルブロミドの最適な添加量について検討した。
より具体的には、検討用のモデル化合物として、ジカルボン酸(2,2’−フェニルアザンジイル二酢酸)を使用し、このジカルボン酸のアセトキシメチルエステル化反応におけるアセトキシメチルブロミドの最適な添加量について検討した。このジカルボン酸のアセトキシメチルエステル化反応の概略を以下の反応スキーム2に示す。
<反応スキーム2>
Figure 0006366269
(実施例1)
まず、式(6)で表される2,2’−フェニルアザンジイル二酢酸(和光純薬工業(株)製、商品名:N−フェニルイミノ二酢酸)50.1mg(0.24mmol)を、窒素気流下でパイレックスガラス(パイレックスは登録商標)製蓋付き試験管に加え、次に、2mlのジメチルホルムアミド(DMF)を加えて溶解した。次に、この溶解液に、ジイソプロピルエチルアミン(和光純薬工業(株)製、商品名:N−エチルジイソプロピルアミン)0.63ml(3.60mmol)を加えた。
次に、冷水を使用して、反応容器を0℃に冷却しながら、0.046ml(0.48mmol)のアセトキシメチルブロミド((シグマアルドリッチ(株)製、商品名:酢酸ブロモメチル)を、1滴ずつゆっくりと10分間かけて滴下した。
次に、室温に昇温後、24時間、攪拌し、反応液に10mlの水を加えて、反応を停止(クエンチ)させた。
次に、20mlの酢酸エチル中に式(7)で表されるエステル化合物(ビス(アセトキシメチル)2,2‘-(フェニルアザジイル)ジアセテート)を溶出させ、酢酸エチルで抽出を行った。
次に、得られた抽出液を、20mlの飽和食塩水で洗浄した後、8gの硫酸ナトリウム(NaSO)を使用して乾燥処理を行った。
次に、得られた抽出液を濾紙(東京濾紙(株)製、商品名:定性濾紙)を使用して濾過し、濾過した抽出液に対して、エバポレーターによる濃縮処理を施すことにより、反応混合物を得た。
次に、得られた反応混合物を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して精製することにより、上記式(7)で表されるエステル化合物(59.6mg)を得た。
より具体的には、高純度シリカゲルが充填されたカラム(和光純薬工業(株)製、商品名:C300)を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより精製した。
なお、移動相として、ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)とメタノール(和光純薬工業(株)製)の混合溶媒を使用した。また、ジクロロメタン/メタノールの混合比率をジクロロメタン:メタノール=20:1に設定した。また、精製条件を流速2ml/min、20℃とし、カラム保持時間は10分間とした。
得られたエステル化合物の収率を表1に示す。なお、収率は、未精製の混合物のHNMRスペクトルから,AMブロミドと目的物のプロトン比から算出した。
(実施例2)
アセトキシメチルブロミドを0.068ml(0.72mmol)使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は99.8mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
アセトキシメチルブロミドを0.114ml(12.0mmol)使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は134.4g)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表1に示す。
(実施例4)
アセトキシメチルブロミドを0.227ml(24.0mmol)使用したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は155.8g)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表1に示す。
Figure 0006366269
表1に示すように、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、アセトキシメチルブロミドを2モルの割合で添加した実施例1においては、式(7)で表されるエステル化合物の収率は71%であったが、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、アセトキシメチルブロミドを3モル以上の割合で添加した実施例2〜4においては、式(7)で表されるエステル化合物の収率は91%以上であった。
以上より、アセトキシメチルエステル化反応においては、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、アセトキシメチルブロミドを3モル以上(即ち、1つのカルボキシル基に対して、アセトキシメチルブロミドを1.5倍モル当量以上)の割合で添加することにより、エステル化合物の収率が向上することが判る。
(実施例5)
次に、アセトキシメチルブロミドの添加量を、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、3モルに固定して、ジイソプロピルエチルアミンの最適な添加量を検討した。
より具体的には、ジイソプロピルエチルアミンを0.37ml(2.1mmol)使用したこと以外は、上述の実施例2と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は118.6mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表2に示す。
(実施例6)
ジイソプロピルエチルアミンを0.29ml(1.66mmol)使用したこと以外は、上述の実施例2と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は147.6mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表2に示す。
(実施例7)
ジイソプロピルエチルアミンを0.21ml(1.2mmol)使用したこと以外は、上述の実施例2と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は117.8mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表2に示す。
(実施例8)
ジイソプロピルエチルアミンを0.12ml(0.72mmol)使用したこと以外は、上述の実施例2と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は142mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表2に示す。
(実施例9)
ジイソプロピルエチルアミンを0.09ml(0.48mmol)使用したこと以外は、上述の実施例2と同様にして、式(7)で表されるエステル化合物(収量は74.7mg)を得た。その後、上述の実施例1と同様にして、収率を算出した。以上の結果を表2に示す。
Figure 0006366269
表2に示すように、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、ジイソプロピルエチルアミンを2モルの割合で添加した実施例9においては、式(7)で表されるエステル化合物の収率は89%であったが、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、アセトキシメチルブロミドを3モル以上の割合で添加した実施例5〜8においては、式(7)で表されるエステル化合物の収率は98%以上であった。
以上より、アセトキシメチルエステル化反応においては、式(6)のジカルボン酸1モルに対して、ジイソプロピルエチルアミンを3モル以上(即ち、1つのカルボキシル基に対して、ジイソプロピルエチルアミンを1.5倍モル当量以上)の割合で添加することにより、エステル化合物の収率が向上することが判る。
(ケージド化合物の合成)
次に、式(4)で表されるケージド化合物を合成した。この際、上述の実施例1〜9の結果に基づき、式(5)のニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート1モルに対して、アセトキシメチルブロミド、及びジイソプロピルエチルアミンを6モル(即ち、ニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート中の1つのカルボキシル基に対して、アセトキシメチルブロミド、及び、ジイソプロピルエチルアミンを3倍モル当量)の割合で添加した。
より具体的には、まず、式(5)のニトロジベンゾフラン−エチレングリコールテトラアセテート52.1mg(0.09mmol)を、窒素気流下で、パイレックスガラス(パイレックスは登録商標)製の2口フラスコ(30ml)に加え、2mlのジメチルホルムアミド(DMF)を加えて溶解した。次に、この溶解液に、ジイソプロピルエチルアミン(和光純薬工業(株)製,商品名:N−エチルジイソプロピルアミン)0.091ml(0.54mmol)を加えた。
次に、冷水を使用して、反応容器を0℃に冷却しながら、0.05ml(0.54mmol)のアセトキシメチルブロミド(シグマアルドリッチ(株)製、商品名:酢酸ブロモメチル)を、10分間、ゆっくりと滴下した。
次に、室温に昇温後、24時間攪拌した後、反応液に、10mlの水を加えて、反応を停止(クエンチ)させた。
次に、20mlの酢酸エチル中に式(4)で表されるケージド化合物を溶出させ、酢酸エチルで抽出を行った。
次に、得られた抽出液を、20mlの飽和食塩水で洗浄した後、8gの硫酸ナトリウム(NaSO)を使用して乾燥処理を行った。
次に、得られた抽出液を濾紙(東京濾紙(株)製、商品名:定性濾紙)を使用して濾過し、濾過した抽出液に対して、エバポレーターによる濃縮処理を施すことにより、反応混合物を得た。
次に、得られた反応混合物を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して精製することにより、上記式(4)で表されるケージド化合物を得た。
より具体的には、高純度シリカゲルが充填されたカラム(和光純薬工業(株)製、商品名:C300)を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより精製した。
なお、移動相として、ジクロロメタン(和光純薬工業(株)製)とメタノール(和光純薬工業(株)製)の混合溶媒を使用した。また、ジクロロメタン/メタノールの混合比率をジクロロメタン:メタノール=20:1に設定した。また、精製条件を流速2ml/min、20℃とし、カラム保持時間は10分間とした。
得られたケージド化合物の収量は32.4mg(0.037mmol)、収率は42%であった。なお、収率は、未精製の混合物のHNMRスペクトルから、AMブロミドと目的物のプロトン比から算出した。
(カルシウムケージド化合物評価)
次に、合成したケージド化合物について、カルシウムのケージド化合物として使用した場合の実用性を、in vivo試験(単離大脳神経細胞を用いた抑制性シナプス後電流の測定)により評価した。
より具体的には、合成した、式(4)で表されるケージド化合物(ケージド化合物60μg(0.068mmol)を2.27mlのHEPES緩衝液(pH:7.4)に溶解して30μMの濃度に調製したもの)を細胞外に導入した。
次に、カルシウム蛍光指示薬としてOregon Green 488 BATPA−1,Am(ライフテクノロジー・ジャパン製、商品名:Oregon Green 488 BAPTA-1, AM, cell permeant-special Packaging)、濃度:2mM)、非イオン性界面活性剤としてクレモフォールEL(メルク(株)製、商品名:Cremophor EL, Sterilized、濃度:0.03%)を含有する培地(pH7.4)を使用して、30分間、超音波処理を行った後、37℃の温度で培養した。
次に、パルスレーザー照射装置(スペクトラフィジックス製、商品名:MaiTaiフェムト秒レーザー)を使用して、超短パルスレーザーの点照射(波長:720nm、出力:9mW、照射時間:1×10−2秒)を行い、抑制性シナプス後電流の検出を行うことにより、カルシウム濃度の上昇を確認した。以上の結果を図1に示す。
図1に示すように、超短パルスレーザーの点照射直後に、カルシウム濃度が上昇していることが判る。即ち、合成したケージド化合物は、720nmの超短パルスレーザーの点照射によって、自在かつ容易にカルシウムを放出することができ、ケージド化合物を導入した細胞内において、カルシウム濃度が顕著に増大していることが判る。
本発明の活用例としては、光応答性のケージド化合物及びその製造方法が挙げられる。

Claims (4)

  1. ジイソプロピルエチルアミンの存在下で、下記式(1)に示すカルボン酸とアセトキシメチルブロミドとのエステル化反応を行うことにより、下記式(2)で表されるケージド化合物を製造するケージド化合物の製造方法であって、
    下記式(1)に示すカルボン酸中の1つのカルボキシル基に対して、前記ジイソプロピルエチルアミンを1.5倍モル当量添加するとともに、前記アセトキシメチルブロミドを1.5倍モル当量添加することを特徴とするケージド化合物の製造方法。
    Figure 0006366269
    Figure 0006366269
  2. 室温以下の温度で、上記エステル化反応を行うことを特徴とする請求項1に記載のケージド化合物の製造方法。
  3. 前記式(1)に示すカルボン酸を溶媒に溶解した状態で、前記ジイソプロピルエチルアミン及び前記アセトキシメチルブロミドを添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケージド化合物の製造方法。
  4. 窒素雰囲気下で、前記エステル化反応を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のケージド化合物の製造方法。
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