JP5578517B2 - ナノ集合体 - Google Patents

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Description

本発明は、光線照射によりpHに応じて異なる波長の蛍光を発するナノ集合体、その製造方法、およびその原料化合物であるSNARF誘導体に関するものである。
近年、生体、組織、細胞などにおける特定の細胞やタンパク質、微小環境を可視化することを目的としたバイオイメージングに関する技術開発が盛んに行われている。
例えば、がん組織においては、がん細胞の無秩序な増殖などが原因で、低酸素状態や低pHという微小環境が形成されている。また、低グルコース状態でもあり、グルコースの取り込みが正常組織よりも多くなっている。よって、これら微小環境などに応じて発色する化合物を選択的に取り込ませれば、がん組織を可視化することができる。
その他、一般的に、高分子は正常細胞には取り込まれ難い一方で、がん組織において新生された血管は血管壁が粗いので、かかる新生血管には取り込まれ易い。その上、がん組織においては免疫機構が働き難く、いったん取り込まれた高分子は、免疫機構の働きが弱いがん組織から排出され難く、留まり易い。かかる効果をEPR(Enhanced Permeability and Retention)効果といい、EPR効果を利用して発色性高分子をがん組織へ選択的に取り込ませ、発色させる研究も行われている。
発色性化合物を利用したバイオイメージング技術では、標的とする組織などへ選択的に取り込まれ、且つ明瞭な発色性を示す化合物の開発が鍵となる。このような化合物として、例えば特許文献1には、AMPなどのヌクレオチドと希土類塩を混合することにより自己集合させたナノ粒子が開示されている。かかるナノ粒子は、強い蛍光発光性や高い磁気モーメントを示すとされている。また、非特許文献1には、当該ナノ粒子の内部に色素を取り込ませたものが開示されている。さらに非特許文献2には、蛍光色素であるFMN(フラビンモノヌクレオチド)と酸化亜鉛イオンなどとの塩が記載されている。
しかし、上記化合物は何れも金属イオンを含んでおり、生体にとり安全なものであるとはいえないことから、例えばヒトの疾患の診断用途に適用することは難しい。特に、特許文献1や非特許文献1の実験例で用いられているガドリニウムイオンは猛毒であり、生体内で放出されないという保証がない限り、ヒトには到底用い得ない。その他、粒子径により蛍光波長が異なるQdot(登録商標)が市販されているが、半導体(CdSe)からなり、やはり安全性に疑問がある。
上述したとおり、バイオイメージング技術において用いられる発色性化合物は、ヒトや動物に対する診断用途を考慮すれば、より安全な有機化合物のみからなるものが好適であるといえる。
ところで本発明者らは、がん組織を可視化するための蛍光プローブを開発している(非特許文献3〜4)。当該蛍光プローブは、蛍光化合物であるSNARFの水酸基を4−ニトロベンジルエーテル化した構造を有する。本発明者らは当該蛍光プローブにつき継続して研究を進め、その蛍光発色機構は、当該蛍光プローブが水系溶媒中で非蛍光性のラクトン型の自己集合体を形成し、ニトロリダクターゼの存在下では、酵素反応により4−ニトロベンジル基が脱離しつつ凝集体の表面から徐々に解砕されていき、蛍光を発するキノイド体が遊離することを見出している。
特開2008−221370号公報
Ryuhei Nishiyabuら,アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angew.Chem.Int.Ed),第48巻,第9465〜9468頁(2009年) Marcus Romingら,アンゲヴァンテ・ケミー・インターナショナル・エディション,第49巻,第632〜637頁(2010年) Eiji Nakataら,バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry),第17巻,第6952〜6958頁(2009年) Eiji Nakataら,ケミカル・コミュニケーションズ(Chemical communications),第46巻,第20号,第3526〜3528頁(2010年)
上述した様に、本発明者らは、ニトロリダクターゼなどの酵素により特定の組織を可視化するための蛍光プローブを開発している。しかし、バイオイメージング技術において用いられる発色性化合物としては、様々なバリエーションが求められているので、本発明者らは、別の機構から特定組織を可視化できる蛍光化合物を新たに開発しようと検討を進めた。より具体的には、上記蛍光プローブは非蛍光性の集合体が酵素反応により徐々に解砕されつつ発光するのに対して、集合体を形成したままで蛍光性を示す化合物を志向した。さらに、がん細胞やがん組織の周辺ではpHが低下していることから、pHに応じて発蛍光波長が鋭敏に変化する化合物を探索した。
よって、本発明が解決すべき課題は、直径がナノメートルレベルであり、光線照射によりpHに応じて異なる波長の蛍光を発するナノ集合体を提供することにある。また、本発明は、当該ナノ集合体の製造方法と、当該ナノ集合体の原料化合物であるSNARF誘導体を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、蛍光化合物であるSNARFの水酸基を疎水性の光開裂性保護基で保護したところ、水系溶媒中で非蛍光性の集合体を形成する上に、驚くべきことに当該保護基を除去した後も集合体は維持されると共に、単独のSNARFとは異なるpH応答性の蛍光を発することを見出して、本発明を完成した。
本発明に係るナノ集合体は、下記式(I)で表されるSNARF誘導体からなることを特徴とする。
[式中、
1〜R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
mは、0以上、4以下の整数を示し;
nは、0以上、4以下の整数を示す]
本発明において「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状の1価脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基などを挙げることができ、C1-4アルキル基がより好ましく、C1-2アルキル基がより好ましく、メチル基がより好ましい。
「C1-6アルコキシ基」とは、炭素数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素オキシ基を意味する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキソキシ基等であり、好ましくはC1-4アルコキシ基であり、より好ましくはC1-2アルコキシ基であり、最も好ましくはメトキシ基である。
「C2-7アシルオキシ基」とは、上記C1-6アルキル基に置換されたカルボニルオキシ基を意味する。例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、t−ブチルカルボニルオキシ基、イソアミルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基などを挙げることができ、C2-4アシルオキシ基が好ましく、C2-3アシルオキシ基がより好ましく、アセチルオキシ基がより好ましい。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を例示することができ、塩素原子または臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
「C6-12アリール基」は、炭素数が6〜12の芳香族炭化水素基を意味する。例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、ビフェニル基等であり、好適にはフェニル基である。
「C7-13アラルキル基」は、上記C6-12アリール基が置換した上記C1-6アルキル基であり、炭素数が7〜13の基を意味する。例えば、ベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ビフェニルメチル基などを挙げることができ、フェニル−C1-6アルキル基が好ましく、フェニル−C1-4アルキル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
「(C1-6アルコキシ)カルボニル基」は、カルボニル基に上記C1-6アルコキシが結合した1価の基をいう。また、「C6-12アリールオキシ基」および「C7-13アラルキルオキシ基」は、それぞれ酸素原子に上記C6-12アリール基およびC7-13アラルキル基が置換した1価の基をいい、「C6-12アリールオキシカルボニル基」および「C7-13アラルキルオキシカルボニル基」は、それぞれカルボニルオキシ基の酸素原子に上記C6-12アリール基およびC7-13アラルキル基が置換した1価の基をいう。
上記置換基におけるアリール基上の置換基数およびそれぞれベンゼン環上の置換基数を示すmとnとしては、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。また、上記置換基におけるアリール基上の置換基数が2以上である場合、また、それぞれベンゼン環上の置換基数を示すmとnが2以上である場合、2以上の置換基はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記集合体の大きさは、個数平均粒子径で10nm以上、1000nm以下であることが好ましい。当該個数平均粒子径が10nm未満であると、疎水環境が十分に形成されず、蛍光性の安息香酸体が蛍光性をほとんど示さないラクトン体に変換されないおそれがあり得る。一方、当該個数平均粒子径が1000nmを超えると、集合体が水中で沈降したり、細胞に十分に取り込まれなくなるおそれがあり得る。
本発明に係るナノ集合体の製造方法は、下記式(I)または(I’)で表されるSNARF誘導体を水系溶媒に添加する工程を含むことを特徴とする。
[式中、各基の定義は上述したものと同様とする]
なお、SNARF誘導体(I)と(I’)は互いに平衡の関係にあり、極性環境では(I’)のキノイド体が主となるが、疎水性環境ではラクトン化し、ラクトン型のSNARF誘導体(I)が主となる。また、キノイド体であるSNARF誘導体(I’)は、酸性環境においては−CO2 -基が−CO2H基に、塩基性環境においてはR12+=基がR12N−基に、当該基が置換している1,4−シクロヘキサジエン環はベンゼン環となり得るが、これら化合物も本発明範囲に含まれるものとする。
本発明に係るナノ集合体の製造方法では、水の塩濃度を調節することにより集合体の個数平均粒子径を容易に調節することが可能である。
本発明に係るSNARF誘導体は、上記式(I)または(I’)で表されることを特徴とする。
本発明に係る集合体は、紫外線の照射により光開裂性保護基であるo−ニトロベンジル誘導体基が脱離して、蛍光を発する。SNARF自体は水溶性であり、水系溶媒中で集合体を形成することはできないが、本発明に係るSNARF誘導体は比較的疎水性が高いため、水系溶媒中で集合体を形成することができる。また、本発明に係る集合体は、o−ニトロベンジル誘導体基が脱離した後も崩壊することなく、その粒径がほぼ維持されたまま蛍光を発する。さらに、o−ニトロベンジル誘導体基が脱離した後の本発明集合体は、SNARFが赤色系の蛍光しか発しないのに対して、pHに応じて黄緑色から赤色の蛍光を発し得るなど、本発明集合体のpH応答性はSNARFとは明らかに異なっている。よって、例えば、本発明集合体は、比較的大きな分子を選択的に取り込む細胞や組織へ選択的に取り込ませたり、生体に本発明集合体を取り込ませた後に必要な部分に紫外線を照射して発光させたり、また、予め光活性化した本発明集合体を細胞などに取り込ませてそのpH変化を容易に観察することも可能となる。このように本発明は、特にバイオイメージング技術に適用し得るものとして、非常に有用である。
図1は、実施例1の本発明集合体の紫外線照射前後における個数基準の粒度分布を示すグラフである。(1)は紫外線照射前の粒度分布であり、(2)は紫外線照射後の粒度分布である。 図2は、実施例2の本発明集合体の紫外線照射前後における個数基準の粒度分布を示すグラフである。(1)は紫外線照射前の粒度分布であり、(2)は紫外線照射後の粒度分布である。 図3は、実施例3の本発明集合体の紫外線照射前後における個数基準の粒度分布を示すグラフである。(1)は紫外線照射前の粒度分布であり、(2)は紫外線照射後の粒度分布である。 図4は、実施例1の本発明集合体の紫外線照射前後におけるSEM写真である。(1)は紫外線照射前の写真であり、(2)は紫外線照射後の写真である。 図5は、実施例1の本発明集合体をサイズ排除ゲルクロマトグラフィにて精製した結果を示すグラフである。 図6は、SNARF溶液の、pHに応じた発光の写真である。 図7は、実施例1の本発明集合体の、pHに応じた発光の写真である。 図8は、実施例2の本発明集合体の、pHに応じた発光の写真である。 図9は、実施例1の本発明集合体の、励起光スペクトルと蛍光スペクトルである。
本発明に係るナノ集合体の原料であるSNARF誘導体は、下記スキームにより製造することができる。
[式中、R1〜R5、mおよびnは、上記と同義を示し、Halは脱離基として用い得るクロロ基、ブロモ基またはヨード基を示す]
上記工程では、溶媒中、好適には触媒の存在下、SNARF誘導体(II)とハロゲン化合物(III)を縮合させる。原料化合物であるSNARF誘導体(II)は、市販のものがあればそれを用いればよいし、或いは当業者公知の方法により市販化合物から合成することが可能である。ハロゲン化合物(III)も同様であり、市販のものがあればそれを用いればよいし、或いは当業者公知の方法により市販化合物から合成することができる。なお、上記スキーム中では、便宜上、SNARF誘導体(II)を安息香酸体として記載しているが、等価であるラクトン体や、−CO2 -基が−CO2H基、R12+=基がR12N−基である化合物であってもよい。
使用できる溶媒は、原料化合物に対して適度な溶解性を示し、且つ反応を阻害しないものであれば特に制限されない。例えば、ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;アセトニトリルなどのニトリル系溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒などを用いることができる。また、溶媒の使用量は適宜調整すればよいが、通常、原料化合物と触媒の総量が10mg/mL以上、100mg/mL以下程度とすることができる。
反応に用い得る触媒は、原料化合物などに応じて適宜選択すればよいが、例えば、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムなどアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素カリウムや炭酸水素ナトリウムなどアルカリ金属の炭酸水素塩;ヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムなどアルカリ金属のヨウ化物イオン塩;酸化銀(I)などの金属酸化物;水素化ナトリウムなどの水素化金属;ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機アミンなどを用いることができる。
SNARF誘導体(II)とハロゲン化合物(III)は、ほぼ等モル用いてもよいが、一方が入手し難いような場合には、反応を促進するために他方を過剰に用いてもよい。通常、SNARF誘導体(II)に対して、ハロゲン化合物(III)を1.1倍モル以上、5倍モル以下程度用い、より好ましくは1.2倍モル以上、2.5倍モル以下程度用いる。
触媒の使用量は適宜調整すればよいが、例えば、SNARF誘導体(II)またはハロゲン化合物(III)のうち少ない方に対して1.1倍モル以上、5倍モル倍以下程度とすることができ、より好ましくは1.5倍モル以上、3倍モル以下程度とすることができる。
具体的な反応条件としては、特に制限されないが、例えば、SNARF誘導体(II)とハロゲン化合物(III)と触媒を溶媒に添加した上で、攪拌すればよい。反応温度は適宜調整すればよいが、例えば、10℃以上、150℃以下程度とすることができ、20℃以上、90℃以下がより好ましい。また、使用する溶媒の還流温度で反応させることもできる。反応時間も特に制限されず、例えば、予備実験などで決定したり、薄層クロマトグラフィー(TLC)などで、原料化合物のうち少なくとも一方の消失が確認できるまでとすればよいが、通常は1時間以上、36時間以下程度とすることができる。
反応終了後は、当業者公知の方法により目的化合物であるSNARF誘導体を精製すればよい。例えば、反応液から触媒などの不溶成分を濾別した後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をカラムクロマトグラフィーなどで精製したり、或いは再結晶すればよい。なお、SNARF誘導体は、精製条件などにより、SNARF誘導体(I)、SNARF誘導体(I’)またはこれらの混合物として得られるが、これらは等価なものである。
本発明に係る集合体は、本発明に係るSNARF誘導体を水系溶媒に添加することにより簡便に調製することが可能である。本発明に係るSNARF誘導体は、水溶性が低いために、水に添加すると凝集して自ら疎水性環境を形成し、ラクトン環を有するSNARF誘導体(I)からなる非蛍光性の集合体となる。なお、本発明に係る集合体中のSNARF誘導体は、SNARF誘導体(I)に限定されず、SNARF誘導体(I’)を含んでいてもよいものとする。
SNARF誘導体は、いったん溶媒に溶解または分散した上で、溶液または分散液として水系溶媒に添加することが好ましい。かかる溶液の溶媒は、SNARF誘導体を溶解できるものであれば特に制限されないが、例えば、メタノールやエタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランやジオキサンなどのエーテル類;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシド;ピリジンなどのヘテロアリール類などを挙げることができる。
水系溶媒とは、水、または水と水溶性有機溶媒との混合溶媒をいう。即ち、集合体の形成のために用いる水系溶媒は、集合体が形成される範囲で水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。水溶性有機溶媒としては、SNARF誘導体の溶解に用いる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
水としては、精製水、純水、超純水、蒸留水など、特に制限なく使用できるが、水道水や井戸水など不純物を比較的多く含むものは使用しないことが好ましい。
本発明に係る集合体は極性環境で形成されるため、水系溶媒における水溶性有機溶媒の割合が過剰になると、集合体が形成されないか、形成されても安定性が低下するおそれがあり得る。よって、SNARF誘導体の溶解に水溶性有機溶媒を使う場合であっても、水系溶媒における最終的な水溶性有機溶媒の割合を0.1容量%以上、10容量%以下とすることが好ましく、0.5容量%以上、5容量%以下とすることがより好ましく、0.5容量%以上、2容量%以下とすることがさらに好ましい。
また、集合体の形成のために用いる「水系溶媒」は、塩を含むものであってもよい。かかる塩としては、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどアルカリ金属のハロゲン化物;塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどアルカリ土類金属のハロゲン化物;トリス−塩酸、グリシン塩酸塩、クエン酸−クエン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、クエン酸−リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム−リン酸水素二ナトリウム、グリシン−水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウムなど、緩衝能を有するものを挙げることができる。その他、HEPESやMOPSなどのグッドバッファーを用いてもよい。
集合体の大きさは、個数平均粒子径で10nm以上、1000nm以下であることが好ましい。当該個数平均粒子径が10nm未満であると、疎水環境が十分に形成されず、蛍光性のSNARF誘導体が蛍光性をほとんど示さないラクトン化合物に変換されないおそれがあり得る。一方、当該個数平均粒子径が1000nmを超えると、集合体が水中で沈降したり、細胞に十分に取り込まれなくなるおそれがあり得る。
集合体の大きさは、溶媒中の塩濃度で調節することが可能である。即ち、塩濃度が高いほど集合体は大きくなる傾向があり、塩濃度が低いほど集合体は小さくなる傾向がある。集合体の大きさと塩濃度との関係は、使用するSNARF誘導体の種類や濃度、また、塩の種類などにより異なるため、具体的な塩濃度は予備実験などにより決定することが好ましい。但し、集合体の個数平均粒子径で10nm以上、1000nm以下とするには、塩濃度を1mM以上、1M以下程度とすることが好ましく、5mM以上、200mM以下程度とすることがより好ましく、10mM以上、100mM以下程度とすることがさらに好ましい。
本発明に係る集合体は、例えば、本発明に係るSNARF誘導体の溶液を緩衝液などに添加してよく混合するなど、非常に簡便に製造することが可能である。得られた集合体分散液は、そのまま或いはゲルカラムにより溶媒を適切なものに置換した上で生体、組織、細胞などへ添加し、発光させることもできるし、いったん遠心分離やゲルカラムなどで集合体を単離した後、発光させることもできる。
本発明に係る集合体は、ほとんど蛍光性を示さない。その一方で、紫外線の照射により光開裂性保護基であるo−ニトロベンジル誘導体基が脱離し、蛍光性のSNARF誘導体となって強い蛍光を発する。驚くべきことに、o−ニトロベンジル誘導体基が脱離し、本来は水溶液中で安定に分散するほど親水性の高いSNARF誘導体となっても、集合体は崩壊せず、その形態をほぼ維持したまま発光する。これは、紫外線が集合体の内部にも作用して、表面から徐々にo−ニトロベンジル誘導体基の脱離反応が進行するのではなく、内部も含め集合体全体で当該脱離反応が起こることによると考えられる。また、SNARFはもともとpHに応じた波長の蛍光を発するが、本発明に係る集合体のpH応答性は、おそらくSNARF誘導体が単独で分散しているのではなく、集合体を形成していることによると考えられるが、SNARFとは異なるpH応答性を示す。
本発明に係る集合体は、上記の特性に応じた態様で使用すればよく、その使用態様は特に制限されない。例えば、比較的大きな分子を選択的に取り込む細胞や組織へ選択的に取り込ませたり、生体に本発明集合体を取り込ませた後に必要な部分に紫外線を照射して発光させたり、また、予め光活性化した本発明集合体を細胞などに取り込ませてそのpH変化を観察することもできる。
紫外線の照射量や照射時間は適宜調整すればよいが、通常、1W以上、500W以下程度の紫外線を、10分間以上、120分間以下程度照射すればよい。紫外線照射量が多いほど、また、紫外線照射時間が長いほど、本発明集合体は発光し易い一方で、紫外線は生体や細胞に悪影響を及ぼす可能性があるので、適切な範囲で調節すべきである。
本発明の集合体を用いる場合には、対象試料などに本発明の集合体を単に添加するのみでもよいが、事前に分散液としておくと利便性が高い。より詳しくは、水中で集合体を調製した場合には、反応液をそのまま用いてもよい。しかし、溶媒中に水溶性有機溶媒を添加した場合には、生体や細胞に悪影響を及ぼすおそれがあり得るため、例えば、ゲルカラムにより溶媒を適切なものに置換した上で、分散液とすることが好ましい。当該分散液の濃度としては、0.001質量%以上、0.5質量%以下程度が好適である。
SNARFはもともとpH応答性の蛍光色素であり、pHに応じて蛍光波長が変化するが、本発明の集合体は、おそらく集合体のまま蛍光を発することによると考えられるが、SNARFとは異なったpH応答性を示す。具体的には、波長が250nm以上、400nm以下程度の紫外線を照射し、o−ニトロベンジル誘導体基を脱離させた上で、500nm以上、800nm以下程度の蛍光の強度を測定すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1 本発明に係るSNARF誘導体の合成
窒素雰囲気下、SNARF(21.5mg,53.6μmol)、2−ニトロ臭化ベンジル(24.5mg,2.0倍モル)、ヨウ化カリウム(15mg)および炭酸カリウム(20mg)を含むDMF溶液(2.5mL)を、室温で5時間攪拌した。次いで、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離液:酢酸エチル/ジクロロメタン=0/1→1/10→1/5)により精製し、目的化合物を得た(収量:20.7mg(38.0μmol),収率:72.3%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ3.04(s,6H),5.64(s,2H),6.48(d,1H,J=6.83Hz),6.69-6.76(m,3H),7.14-7.18(m,2H),7.33(d,1H,J=8.80Hz),7.39(d,1H,J=9.04Hz),7.51(t,1H,J=7.56Hz),7.59-7.64(m,2H),7.70(t,1H, J=7.56Hz),7.95(d,1H,J=7.56Hz),8.05(d,1H,J=7.08Hz),8.20(d,1H,J=8.32Hz),8.55(d,1H,J=9.28Hz)
FAB-MS(m/z)[(M+H)+] 理論値(C33H25N2O6):545.1713,実測値:545.1736
実施例2 本発明に係るSNARF誘導体の合成
窒素雰囲気下、SNARF(20.0mg,48.9μmol)、4,5−ジメトキシ−2−ニトロ臭化ベンジル(15.0mg,1.1倍モル)および炭酸カリウム(100mg)を含むDMF溶液(2mL)を、室温で24時間攪拌した。次いで、溶媒を留去し、残渣を薄層クロマトグラフィ(溶離液:メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製し、目的化合物を得た(収量:11.0mg(1.5μmol),収率:2.9%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ3.06(s,6H),4.00(s,6H),5.66(s,2H),6.50(dd,1H,J=2.44,8.80Hz),6.69-6.72(m,2H),6.77(d,1H,J=8.80Hz),7.18(d,1H,J=6.36Hz),7.24(d,1H,J=2.44Hz),7.36(d,1H,J=8.80Hz),7.41-7.44(m,2H),7.61-7.67(m,2H),7.82(s,1H),8.07(d,1H,J=6.60Hz),8.57(d,1H,J=9.28Hz)
ESI-TOF-MS(m/z)[(M+H)+] 理論値(C35H29N2O8):605.1924,実測値:605.1931
実施例3 本発明に係るSNARF誘導体の合成
窒素雰囲気下、SNARF(24.0mg,53.0μmol)、2−ニトロ臭化ベンジル(25.1mg,2.2倍モル)および炭酸カリウム(40mg)を含むDMF溶液(4mL)を、室温で24時間攪拌した。次いで、溶媒を留去し、残渣を薄層クロマトグラフィ(溶離液:メタノール/ジクロロメタン=1/10)により精製し、目的化合物を得た(収量:1.1mg(1.5μmol),収率:2.9%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ3.04(s,6H),5.65(s,2H),5.83(s,2H),6.60-6.83(m,4H),7.31-7.35(m,2H),7.42-7.47(m,2H),7.56-7.64(m,3H),7.84-8.19(m,3H),8.17-8.19(m,2H),8.35-8.41(m,1H),8.59(t,1H,J=9.24Hz),8.71(m,1H)
ESI-TOF-MS(m/z)[(M+H)+] 理論値(C41H30N3O10):724.2,実測値:724.1
実施例4 集合体の製造と確認
上記実施例1〜3で製造したSNARF誘導体をDMSOに溶解し、濃度2mMの溶液とした。10mMTris−HEPES−Acetate広域緩衝液へ、各SNARF誘導体の濃度が10μMとなるように上記溶液を添加することにより、集合体を形成させた。
得られた各集合体分散液における集合体の個数基準の粒度分布を、光散乱光度計(大塚電子社製,DLS−7000)により測定した。
また、別途、上記実施例1で製造したSNARF誘導体の2mM DMSO溶液を、SNARF誘導体の濃度が10μMとなるようミリQ水に添加し、集合体を形成させた。得られた集合体分散液をガラス板に数滴垂らし、25℃で24時間乾燥させた。次に、入射角60°で、対称方向からそれぞれ60秒間イオンビームスパッタリングし、Pt−Pd薄膜を被覆した。電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所社製,S−4700)を用い、得られた試料のSEM写真を撮影した。
各集合体の個数基準の粒子分布を図1〜3に、個数平均粒子径を表1に、SEM写真を図4に示す。
上記結果のとおり、平均粒子径は多少低下しているものの、本発明に係る集合体は、紫外線の照射、ひいては光開裂保護基の脱離によっても、崩壊せず維持されていることが明らかとなった。特に実施例3のSNARF誘導体は、ベンゾラクタム構造上にも光開裂性保護基があり、紫外線の照射によりカルボキシ基が生成してSNARF自体よりも水溶性が上がるはずであるにもかかわらず、集合体が崩壊せず維持されていることは、予想を超える効果であった。
さらに、実施例1のSNARF誘導体からなる集合体をサイズ排除ゲルクロマトグラフィにて精製した。結果を図5に示す。
図5のとおり、本発明に係る集合体は、サイズ排除ゲルクロマトグラフィで精製できるほど安定性に優れることが実証された。
試験例1 pH応答性試験
上記実施例1〜2で製造したSNARF誘導体の2mM DMSO溶液を、SNARF誘導体の濃度が20μMとなるようミリQ水に添加し、集合体を形成させた。得られた集合体分散液へ、180Wのトランスイルミネーターにて紫外線を30分間照射した。次に、Sephadex(登録商標)G25ゲル(Pharmacia社製)に各分散液を添加し、ミリQ水にて溶出させ、集合体の分画を分取した。得られた分画のpHを、5.0、7.0または9.0に調整し、蛍光を観察した。上記実施例1のSNARF誘導体からなる集合体の場合では、さらにそのpHを11.0に調整した。また、比較のためSNARF自体も同様に処理し、蛍光を観察した。
SNARFの結果を図6に、実施例1のSNARF誘導体からなる集合体の結果を図7に、実施例2のSNARF誘導体からなる集合体の結果を図8に示す。
また、pH5.0、7.0および9.0の環境下における実施例1のSNARF誘導体からなる集合体の励起光スペクトルと蛍光スペクトルを測定した。結果を図9に示す。
図6のとおり、SNARFもpH応答性を示すが、pH5.0から9.0の範囲で赤色系統内での発色変化しか見られなかった。具体的には、pH5.0での蛍光ピーク波長は583nm、pH9.0での蛍光ピーク波長は627nmであった。
一方、図7〜8のとおり、本発明に係る集合体は、酸性条件下(pH5.0)から塩基性条件下(pH11.0)において、黄色系統から赤色系統に及ぶ幅広い蛍光を発することから、pH応答性に優れることが証明された。より具体的には、実施例1のSNARF誘導体からなる集合体の場合、pH5.0での蛍光ピーク波長は557nm、pH9.0での蛍光ピーク波長は627nmであった。さらに、図9のとおり、本発明に係る集合体の励起光スペクトルと蛍光スペクトルは、特に酸性環境下とアルカリ性環境下で大きく異なることから、pH応答性が非常に優れることが明らかにされた。なお、本発明に係る集合体は非常に安定であり、上記実験から1週間後でも同等の実験結果が得られた。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で表されるSNARF誘導体からなることを特徴とするナノ集合体。
    [式中、
    1〜R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
    3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
    4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
    5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
    mは、0以上、4以下の整数を示し;
    nは、0以上、4以下の整数を示す]
  2. 個数平均粒子径が10nm以上、1000nm以下である請求項1に記載のナノ集合体。
  3. 下記式(I)または(I’)で表されるSNARF誘導体を水系溶媒に添加する工程を含むことを特徴とするナノ集合体の製造方法。
    [式中、
    1〜R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
    3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
    4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
    5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
    mは、0以上、4以下の整数を示し;
    nは、0以上、4以下の整数を示す]
  4. 水系溶媒の塩濃度を調節することによりナノ集合体の個数平均粒子径を調節する請求項3に記載の製造方法。
  5. 下記式(I)または(I’)で表されることを特徴とするSNARF誘導体。
    [式中、
    1〜R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
    3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
    4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
    5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
    mは、0以上、4以下の整数を示し;
    nは、0以上、4以下の整数を示す]
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