JP6365825B2 - 加工工具のサポート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、加工工具のサポート装置に関するものである。
金型等の製作において、ワークに幅が狭い深溝等を加工する際、従来から、加工工具による切削加工ではなく、放電加工が用いられている。これは、加工工具により深溝等を加工するには、加工工具の突き出し量と直径との比が高い(以下、「高L/D」という。)加工工具が必要となり、このような高L/Dの加工工具を用いて切削加工を行うと、工具の折損・たわみやびびり現象が発生し、加工精度が損なわれてしまうためである。なお、ここでの高L/Dとは、L/D>40である。一方、びびり現象を抑制する発明として、エンドミル等の回転する加工工具をサポートする装置が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平8−257823号公報 特開2003−136324号公報
しかしながら、上述した放電加工は、専用の放電加工機の操作に訓練が必要であり、又、専用設備へのワークの移動、電極製作等の段取り、実加工に時間を要し、コストも高額であった。
又、上述したサポート装置は、回転工具の外周面に、サポート部材の摺動面やローラを接触させることにより、びびり現象を防止するものであるため、回転工具とサポート部材との間に、摩擦やこれに伴う熱が発生し、温度が上昇して焼き付きが発生してしまうという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工工具とサポート部材との間の摩擦や熱の低減により焼き付きを抑制しながら、切削加工の精度を高めることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)工作機械の加工ヘッドの主軸に保持される加工工具のサポート装置であって、前記加工ヘッドから延び、前記加工工具の先端近傍の外周の一部に近接する、少なくとも1つのサポート部と、前記加工工具と前記サポート部との近接箇所の隙間に流体を供給する流体供給手段と、制御手段とを含み、前記サポート部は、前記加工工具に近接する近接面に、流体を保持するための溝部を有し、前記流体供給手段は、流体を供給する流体供給部と、一端が前記流体供給部に接続され、前記サポート部を通って、他端が前記サポート部の近接面の前記溝部に開口した流体供給経路と、前記近接箇所の隙間の大きさを測定するギャップセンサとを含み、前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記近接箇所の隙間の大きさを制御するものである加工工具のサポート装置(請求項1)。
(2)上記(1)項において、前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記流体供給部から供給する流体の圧力を制御するものである加工工具のサポート装置(請求項2)。
(3)上記(1)項において、前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記加工工具の回転数を制御するものである加工工具のサポート装置(請求項3)。
(4)上記(1)から(3)項において、前記サポート部は、前記加工工具に近接する近接面が、前記加工工具の外周形状に倣った形状である加工工具のサポート装置(請求項4)。
(5)上記(1)から(4)項において、前記加工ヘッドに固定されるベース部を含み、前記サポート部は、前記ベース部から前記加工工具の先端近傍まで延び、前記加工工具によりワークを加工する際に、少なくとも前記加工工具のたわむ方向に配置された、加工工具の軸方向と直交する方向の厚みが前記加工工具の接触部位の幅以下である、バックアップ部材を含む加工工具のサポート装置。
(6)上記(5)項において、前記ベース部は、前記加工ヘッドの主軸に前記加工工具を固定している固定器具を内周に通す態様で、前記加工ヘッドに固定される環状部を含み、前記バックアップ部材は、少なくとも、前記加工工具によりワークを加工する際の前記加工工具の進行方向後方側に、前記加工工具の進行方向と平行に、前記固定器具を避ける態様で、前記ベース部から前記加工工具の先端近傍まで延びる、板状部材を含む加工工具のサポート装置。
本発明はこのように構成したので、加工工具とサポート部材との間の摩擦や熱の低減により焼き付きを抑制しながら、切削加工の精度を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置の構成を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は底面図である。 本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置の構成の一部を示す概略図である。 サポート部に設けられた溝部を示しており、(a)は溝部の一例の正面図、(b)は(a)の溝部の断面図、(c)は溝部の別例の正面図である。 高L/Dの加工工具を用いて幅が狭い深溝を加工する様子を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置を用いながら、加工工具により切削加工を行う際の、力の関係を概略的に示したイメージ図である。 (a)は加工工具とサポート部との近接箇所近傍を示す概略縦断面図であり、(b)は(a)のA−A´での断面図である。 加工工具とサポート部との間の速度分布を示すモデル図である。 加工工具とサポート部との間における、せん断応力と流体膜圧力との関係を示すモデル図である。 本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置を用いながら、加工工具により切削加工を行う際の、加工工具とサポート部との隙間に形成する流体の膜厚と、負荷との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置による、加工工具とサポート部との隙間の大きさの制御方法を示す簡略的な処理ブロック図である。 図10とは別の隙間の大きさの制御方法を示しており、(a)は隙間の大きさを流体圧力に変換する制御方法の簡略的な処理ブロック図、(b)は加工工具の回転数を調整する制御方法の簡略的な処理ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10の構成を概略的に示している。加工工具のサポート装置10は、図1に示すように、図中左右両側から加工工具24に近接する2つのサポート部12と、サポート部12を加工ヘッド26に固定するベース部18とを含んでいる。更に、加工工具のサポート装置10は、図1での図示は省略しているが、図2に示すように、流体供給手段40と制御手段50とを含んでいる。なお、図1の加工工具24は、図4に示すような幅が狭い深溝等を加工する際に用いられる、高L/Dの回転工具であり、ホルダ30a及びチャック30bからなる固定器具30により、加工ヘッド26の回転主軸28に固定されている。
図1の例において、ベース部18は、環状部締付ボルト32により加工ヘッド26に固定される環状部20と、サポート部12の各々を環状部20に固定している2つの固定部22とを含んでいる。環状部20は半割りの環状部材であり、外周の対向位置にある2つの環状部締付ボルト32の締め付けにより、加工ヘッド26の外周部に環状部20の外壁20aの内周面が圧接されることで、加工ヘッド26に固定されている。又、環状部20の内周の空間部には、加工工具24、固定器具30、回転主軸28が配置されている。又、固定部22は、環状部20の外壁20aから、内周方向へ突出した底部20bの底面に、溶接等で固定された、ブロック状のブラケットである。
2つのサポート部12の各々は、バックアップ部材14を含んでおり、図1の例では、バックアップ部材14が、第1の板状部材16aと第2の板状部材16bとを含む、板状部材16で構成されている。第1の板状部材16aは、サポート部固定ボルト34により固定部22に固定されており、又、第2の板状部材16bは、中間ボルト36により第1の板状部材16aに固定されている。すなわち、第1の板状部材16aと第2の板状部材16bとは、加工工具24の変更等の必要に応じて、取り替え可能となっている。又、板状部材16は、図1(a)で確認できるように、固定器具30を避けて、ベース部18の環状部20に固定された固定部22から、加工工具24の先端近傍に達するように、加工工具24の軸心に向かって傾斜した形状を有している。又、第2の板状部材16bは、厚み(図1(b)における上下方向の厚み)が、加工工具24の直径D(図4参照)以下(加工工具24の直径Dが先端側に向けて縮小するような場合には、最細部の直径以下)に形成されている。一方、第1の板状部材16aは、第2の板状部材16bのような厚みの制約は無く、第2の板状部材16bを確実に保持するための、必要十分な厚みを有している。
又、サポート部12は、板状部材16の第2の板状部材16bが、加工工具24の先端近傍の外周の一部に近接するものである。第2の板状部材16bの加工工具24に対する近接面60(図2、図6参照)の形状は、加工工具24の外周面に倣った形状とし、例えば、加工工具24の直径Dが先端側に向けて縮小するようにテーパがつけられている場合は、テーパに沿って傾斜した曲面となる。又、第2の板状部材16bの各々が、加工工具24に近接する範囲は、加工工具24が受ける切削抵抗等を考慮して、適切な範囲を設定できる。例えば、周方向の近接範囲は、加工工具24の外周の半分程度としてもよく、この場合は、2つの第2の板状部材16bが、加工工具24の外周の略全周を囲うようになる(図6(b)参照)。又、詳細は後述するが、第2の板状部材16bの各々には、加工工具24に近接する近接面60に、溝部62が設けられている(図3参照)。なお、第2の板状部材16bは、例えば、DLCコートが施された超鋼合金製である。
流体供給手段40は、図2に示すように、流体供給部42、流体供給経路44、ギャップセンサ46を含んでいる。流体供給部42は、エアー、水、油等の流体を供給するものであり、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10では、流体としてエアーを供給するものである。流体供給経路44は、流体供給部42から供給されるエアーを、サポート部12の第2の板状部材16bの近接面60に供給するための経路であり、流体供給部42から延びて、第2の板状部材16bの内部を通り、近接面60に開口している。より詳しくは、流体供給経路44は、図3に示すように、近接面60に設けられた溝部62に開口している。又、流体供給経路44は、例えば、チューブ等で構成される。
ギャップセンサ46は、加工工具24とサポート部12の近接面60との間の、隙間の大きさを測定するものである。ここで、加工工具24と近接面60との隙間の大きさは、切削加工中にワークW(図4参照)に接触する加工工具24の先端に近いほど、変動し易い傾向にある。このため、ギャップセンサ46を、加工工具24の先端に近い、第2の板状部材16bの下端側に設置している。又、同じ理由により、上述した流体供給経路44は、ギャップセンサ46の直近に開口している。ギャップセンサ46には、非接触で加工工具24との隙間を測定可能な、各種のギャップセンサが用いられる。図2の例では、ギャップセンサ46は、ギャップセンサのコントローラ52により制御される。
制御手段50は、図2の例では、コントローラ52を制御して、ギャップセンサ46による測定結果を取得し、又、流体供給部42を制御して、近接面60に供給するエアーの圧力等を調整するものである。更に、制御手段50は、加工工具24を具備する加工機の制御を行ってもよい。制御手段50は、各種のコンピュータ等で構成される。
なお、図2は、図1に示した一方のサポート部12についてのみ図示しているが、図2に示した構成の各々は、2つのサポート部12の夫々に対して設置されるものである。しかしながら、例えば、2つのサポート部12に対応する2つの流体供給部42の制御を、1つの制御手段50で機能的に分けて行ってもよい。
次に、図3には、各サポート部12の近接面60に設ける溝部62の例を示している。溝部62は、図3(a)、(b)に示すように、加工工具24に近接する第2の板状部材16の近接面60に、加工工具24の外周面に倣った形状である近接面60に沿って設けられている。そして、上述したように、溝部62には、流体供給部42から延びる流体供給経路44が開口している。又、溝部62は、図3(c)に示すように、2つに分かれて設けられていてもよく、この場合には、2つの溝部62に跨って流体供給経路44が開口しており、各々の溝部62が近接面60に沿って設けられている。なお、図3では、ギャップセンサ46の図示を省略している。
ここで、サポート部12の板状部材16は、加工工具24によりワークを加工する際に、少なくとも加工工具24のたわむ方向に配置されるものである。図1の例では、ワークを加工する際の、加工工具24の進行方向後方側と前方側とに、加工工具24の進行方向と平行な配置になるように、2つのサポート部12が図中左右方向に配置されている。よって、本例は、加工の際に図中左方向又は右方向に加工工具24がたわむ場合の、サポート部12の配置例を示している。より詳しくは、図4に示すように、ワークWに加工工具24の直径Dよりも僅かに大きい幅の深溝を形成する際に、加工工具24を紙面手前方向と奥方向とに往復移動させて、図中下方向に徐々に深く(段階的に)溝を加工する。そして、加工工具24は、紙面手前方向へ移動する加工の際に、紙面奥方向へたわむ傾向にあり、又、紙面奥方向へ移動する加工の際に、紙面手前方向へたわむ傾向にある。このため、図4の深溝を加工する場合には、図1に示す2つのサポート部12が、図4の紙面手前方向と奥方向とに配置されるように、サポート装置10を設置する。
続いて、加工工具24により切削加工を行う際に、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10を用いた場合の作用について説明する。加工工具のサポート装置10は、流体供給手段40により加工工具24とサポート部12との間にエアーを供給しながら、サポート部12により加工工具24をサポートするものである。例えば、図5の例において、図中左方向に加工工具24を移動させて、ワークW(図4参照)に切削加工を行う場合を想定すると、加工工具24には、ワークWとの接触箇所において、図中右方向への切削抵抗Fが発生する。この際、図中右側から加工工具24をサポートするサポート部12には、接触抵抗Fに応じた図中右方向への力F´が加わるが、流体供給経路44を介して圧力Pのエアーを供給することで、加工工具24とサポート部12との間にエアー膜を形成する。
より詳細には、図6に示すように、加工工具24と第2の板状部材16bの近接面60との間に、図中ドットで示すようなエアー膜を形成する。ここで、加工工具24に近接面60が近接している状態では、溝部62を構成する各面と、加工工具24の外周面とにより、略閉鎖された空間が形成される。このため、エアー膜は、主に、近接面60に設けた溝部62において維持されることとなる。更に、詳細は後述するが、エアー膜を形成するために流体供給部42から供給するエアーの圧力Pは、ギャップセンサ46により測定する、加工工具24と近接面60との間の隙間の大きさ(エアー膜の膜厚)Gr、Glの夫々に基づいて、2つのサポート部12側で別々に制御される。
ここで、上述したエアー(流体)膜の形成の理論について言及する。
図7のモデル図において、隙間hの2面間がエアーで満たされている状態で、下側の面が固定され、上側の面がx方向に速度Vで移動すると仮定する。エアーの絶対粘度をηとすると、エアー膜内のせん断応力τ(Pa)は、〔数1〕で与えられる。
Figure 0006365825
すなわち、せん断応力τは、エアー膜の厚さ方向(y方向)の速度勾配V/hに比例する。
次に、微小要素dx×dy×1に働く力のつり合いは、x軸が速度Vで動く運動片の方向、y軸が隙間hの方向、隙間h=h(x)とすると、〔数2〕のように示される。
Figure 0006365825
又、せん断応力τは、x方向のエアーの流速をvとすると、〔数3〕のように示される。
Figure 0006365825
次に、図8のモデル図において、エアー膜圧力pは、隙間方向(y方向)に一定である。このため、境界条件をy=0でv=V、y=hでv=0とし、yについて2回積分すると、流速と圧力分布との関係は、〔数4〕のように示される。
Figure 0006365825
更に、流速と圧力分布との関係式(ナビエ・ストークスの方程式)は、〔数5〕のようになる。
Figure 0006365825
又、隙間を流れる単位幅あたりのエアーの流量Qは、
Figure 0006365825
と示され、流量は連続して変化なく、dQ/dx=0であるため、
Figure 0006365825
と示される。
更に、〔数7〕を変形し、hについて求めると、
Figure 0006365825
となる。この関係式を、膜厚をh、負荷をLDとしてグラフで表すと、図9のようになる。すなわち、加工工具24とサポート部12の近接面60との間には、切削抵抗による力とエアー圧との関係の力(負荷力)に応じて、図9で示される膜厚hのエアー膜が生じる。上記のような計算を採用する際には、予め実験的に値を求めておき、以下に説明する隙間hの大きさの制御方法のための、各パラメータ等を設定する。
続いて、切削加工中の切削抵抗の変動による負荷の変化に対応して、加工工具24とサポート部12との間の隙間の大きさ(膜厚)を制御する方法について説明する。
例えば、図6の例において、加工工具24により切削加工を行うと、切削抵抗が不規則に変化し、これに伴い、膜厚Gr、Glの変化や、エアー漏れ等が発生する。このため、図10に示す方法等で、膜厚Gr、Gl等を制御する必要がある。以下、図10に示す処理の流れに沿って説明する。なお、加工工具のサポート装置10の構成については図1及び図2を、加工工具24とサポート部12との近接箇所のイメージについては図6を、適宜、参照されたい。
S10(エアー発生):加工工具24を具備する加工機の運転に先立ち、流体供給手段40によりエアー圧P0でエアーを供給し、加工工具24とサポート部12の近接面60との間にエアーを供給した状態にする。
S20(加工機設定):加工機の各運転状態を設定する。すなわち、加工機の制御を行う制御手段50等に、加工工具24の回転数S(rpm)、送り速度F(mm/min)、切込み量t(mm)、ピックフィードp(mm)を設定する。この際、1刃あたりの送りf=F/(刃数×S)(1/min)を計算する。
S30(ギャップ設定):加工工具24と2つのサポート部12の夫々との間の、隙間(ギャップ)Gr及びGlの所定値G0を設定する。この所定値G0には、切削抵抗Fに応じてサポート部12に加わる力F´(図5参照)や、〔数8〕に示した膜厚と負荷の関係を考慮して、適切な値を設定する。
S40(エアー圧力制御計算):エアー圧力を制御するための計算を行い、この計算結果に基づいてエアー圧力を制御する。具体的には、加工工具24とサポート部12との間の隙間Gr及びGlを検出量、エアー圧Pを制御量として、以下の計算を行う。
後述するS80においてギャップセンサ46により測定する測定値をGxとすると、隙間の所定値G0と測定値Gxとの偏差eは、〔数9〕のようになる。
Figure 0006365825
〔数9〕の量を、例えばPID制御すると、〔数10〕のようになる。
Figure 0006365825
〔数10〕において、KP1、KP2、及びKP3は、定数である。
〔数10〕の計算式を、2つのサポート部12の夫々の隙間Gr、Glについて、制御手段50に設定しておき、加工機の運転中は常に、エアー圧Pを算出する。そして、算出したエアー圧Pで、加工工具24とサポート部12との間にエアーが供給されるように、2つのサポート部12の夫々について、制御手段50により流体供給部42を制御する。なお、加工機の運転開始前の場合は、〔数10〕の計算は行わずに、上記S10でのエアー圧P0のままエアーを供給すればよい。
S50(加工機運転):加工工具24を具備する加工機を運転し、加工工具24により切削加工を行う。
S60(切削抵抗変動):上記S50により、加工機の運転を継続すると、加工工具24の切削抵抗Fが変動する。
S70(ギャップ発生):上記S60により、加工工具24の切削抵抗Fが変動すると、加工工具24とサポート部12との間に、変動した切削抵抗Fに応じた隙間(ギャップ)が発生する。
S80(ギャップ検出):ギャップセンサ46により、加工工具24とサポート部12との間の隙間(ギャップ)を測定する。隙間の測定は、加工機の運転中は常に行うものとする。
すなわち、図10に示す制御方法は、切削抵抗Fの変動に伴って変化する隙間の大きさを常に測定し、この測定値から、隙間の大きさが予め設定した所定値になるようなエアー圧を算出して、算出したエアー圧でエアーを供給することにより、隙間の大きさを制御するものである。
なお、隙間の大きさを制御する方法は、例えば、図11に示すような方法であってもよい。詳細な説明は控えるが、図11(a)に示す制御方法は、ギャップセンサ46により測定した隙間を、これに対応するエアー圧力に変換し(S190)、予め設定した(S130)エアー圧力と、変換したエアー圧力との偏差を利用して、エアー圧力を制御する(S140)ものである。一方、図11(b)に示す制御方法は、隙間の測定値と所定値との偏差を利用して、加工工具24の回転数を制御する(S240)ものである。
なお、図1では、加工ヘッド26の主軸が回転主軸28であり、加工工具24が回転工具である例を示しているが、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10は、加工ヘッド26の主軸が固定主軸であり、加工工具24が固定工具であってもよい。又、加工工具のサポート装置10は、第1の板状部材16aと第2の板状部材16bとが一体化されていてもよく、更に固定部22が加えられて一体化されていてもよい。更に、流体供給手段40の流体供給経路44は、図2等の例では、第2の板状部材16bの下方側端からサポート部12を貫通しているが、これに限定されるものではない。流体供給経路44は、加工工具24による切削加工やサポート部12による加工工具24のサポートに影響を与えず、かつ、溝部62に開口していれば、どのようなルートであってもよい。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10は、図1に示すような構成であることで、加工工具24の先端近傍の外周の一部に近接する、2つのサポート部12により、加工工具24をサポートする。詳細には、サポート部12は、加工ヘッド26に固定されるベース部18から、加工工具24の先端近傍まで延びる、バックアップ部材14を有している。このバックアップ部材14は、加工工具24によりワークW(図4参照)を加工する際の、少なくとも加工工具24のたわむ方向に配置され、加工工具24に近接する。これにより、特に高L/Dの加工工具24を用いる際に発生するたわみの要因である、加工工具24の軸方向と直交する方向に発生する切削抵抗を、バックアップ部材14で受け、加工工具24のたわみや折損を抑制することができる。更に、加工工具24のたわみの抑制と共に、回転工具である加工工具24の切刃がワークWから不規則に離れることが抑制されるため、切削加工の加工精度を高めることができる。
更に、加工工具のサポート装置10は、サポート部12のバックアップ部材14の、加工工具24の軸方向と直交する方向(図1(b)の上下方向)の厚みが、加工工具24の接触部位の幅以下となっている。すなわち、バックアップ部材14の当該方向の厚みは、少なくとも加工工具24の直径D以下である。このため、図4に示すように、高L/Dの加工工具24を用いて、加工工具24の直径Dよりも僅かに大きい幅の深溝等を加工する場合でも、加工工具24をサポートしているサポート部12のバックアップ部材14が、ワークWに接触することはない。より詳しくは、加工工具24に対するバックアップ部材14の接触部位が、ワークWの加工開始前の表面(図4中上面)よりも深い位置に達した場合でも、それまでに加工した溝幅よりも小さい厚みを有するバックアップ部材14が、ワークWに接触することなく、加工工具24をサポートすることができる。これにより、従来は放電加工を用いていた幅が狭い深溝等の加工を、高L/Dの加工工具24を用いて高精度で行うことが可能となるため、設備の省スペース化、加工時間の短縮、加工費の低減を図ることができる。
又、ベース部18の環状部20が、加工ヘッド26の回転主軸28に加工工具24を固定している固定器具30を内周に通す態様で、加工ヘッド26に固定されている。更に、バックアップ部材14の板状部材16が、固定器具30を避ける態様で、ベース部18から加工工具24の先端近傍まで延びているものである。このように、固定器具30に接触しない構造でありながらも、加工ヘッド26に固定されたベース部18から延びる板状部材16が、加工工具24の先端近傍に近接する。このため、加工時の加工工具24の回転運動等を妨げることなく、加工工具24をより確実にサポートすることが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10は、図2のような構成を有していることで、加工工具24をサポートする際に、流体供給手段40により、加工工具24とサポート部12との近接箇所の隙間に、流体としてエアーを供給し、エアー膜を形成するものである。更に、図3に示すように、加工工具24に近接するサポート部12の近接面60には、溝部62が設けられており、又、流体供給手段40は、流体供給部42から、サポート部12を通って溝部62に開口している流体供給経路44を介してエアーを供給する。このため、図6に示すように、流体供給手段40により供給するエアーを、加工工具24をサポートしているサポート部12と加工工具24との間において溝部62に保持することができ、エアー膜を維持することが可能となる。なお、溝部62は、図3に示した形状に限定されるものではなく、幅、長さ、深さ、傾斜等を任意に設定できるものである。例えば、溝部62は、流体供給経路44の開口部に向かって溝の深さが徐々に大きくなるように、傾斜している形状であってもよい。
又、流体供給手段40が、加工工具24とサポート部12との近接箇所の隙間の大きさを測定するギャップセンサ46を含んでおり、このギャップセンサ46の測定結果に基づいて、制御手段50が、近接箇所の隙間の大きさを制御するものである。すなわち、制御手段50は、ギャップセンサ46により測定される近接箇所の隙間の大きさGr、Glを監視しながら、例えば、近接箇所の隙間が所定の大きさに維持されるように、制御を行う。換言すれば、近接箇所の隙間に形成しているエアー膜が、所定の膜厚に維持されるように、制御を行う。これにより、切削加工を行う加工工具24と、加工工具24をサポートするサポート部12との間に、常に、所定の膜厚のエアー膜を形成することができる。このため、加工工具24とサポート部12との間の摩擦や熱を低減することができ、焼き付きを抑制することが可能となる。
又、加工工具のサポート装置10は、制御手段50が、ギャップセンサ46の測定結果に基づいて、流体供給手段40の流体供給部42から供給するエアーの圧力を制御するものである。すなわち、図10、図11(a)に示すように、切削加工中に加工工具24が受ける切削抵抗が変動して(S60、S160)、加工工具24とサポート部12との近接箇所の隙間の大きさが変化する(S70、S170)場合であっても、当該隙間の大きさの変化を加味して、エアーの圧力を制御する(S40、S140)ものである。このように、サポート部12の溝部62内のエアー圧力を調整することにより、エアーの膜厚をより正確に維持することができる。
一方、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10は、制御手段50が、ギャップセンサ46の測定結果に基づいて、加工工具24の回転数を制御するものであってもよい。すなわち、図11(b)に示すように、切削加工中に加工工具24が受ける切削抵抗が変動して(S260)、加工工具24とサポート部12との近接箇所の隙間の大きさが変化する(S270)場合であっても、当該隙間の大きさの変化を加味して、加工工具の回転数を制御する(S240)。これにより、加工工具24が受ける切削抵抗が調整されるため、切削抵抗に影響される、加工工具24とサポート部12との隙間の大きさを、効率よく維持することが可能となる。
更に、加工工具のサポート装置10は、加工工具24に近接するサポート部12の近接面60が、加工工具24の外周形状に倣った形状を有している。これにより、加工工具24の外周とサポート部12の近接面60との間の隙間が、近接面60の全体にわたって略一様の大きさとなるため、切削抵抗を近接面60の全体で略均等に受けることができ、バランスよく加工工具24をサポートすることが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係る加工工具のサポート装置10は、加工工具24とサポート部12との間にエアー膜を形成するため、加工工具24とサポート部12との隙間に、切削加工によるワークWの切粉等が入り込むことを防止する効果も期待される。更に、加工工具24とサポート部12との間の摩擦や熱の低減に伴い、加工工具24とワークWとの間の摩擦や熱の低減も期待できるものである。
10:加工工具のサポート装置、12:サポート部、24:加工工具、26:加工ヘッド、28:主軸、40:流体供給手段、42:流体供給部、44:流体供給経路、46:ギャップセンサ、50:制御手段、60:近接面、62:溝部

Claims (4)

  1. 工作機械の加工ヘッドの主軸に保持される加工工具のサポート装置であって、
    前記加工ヘッドから延び、前記加工工具の先端近傍の外周の一部に近接する、少なくとも1つのサポート部と、前記加工工具と前記サポート部との近接箇所の隙間に流体を供給する流体供給手段と、制御手段とを含み、
    前記サポート部は、前記加工工具に近接する近接面に、流体を保持するための溝部を有し、
    前記流体供給手段は、流体を供給する流体供給部と、一端が前記流体供給部に接続され、前記サポート部を通って、他端が前記サポート部の近接面の前記溝部に開口した流体供給経路と、前記近接箇所の隙間の大きさを測定するギャップセンサとを含み、
    前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記近接箇所の隙間の大きさを制御するものであることを特徴とする加工工具のサポート装置。
  2. 前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記流体供給部から供給する流体の圧力を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の加工工具のサポート装置。
  3. 前記制御手段は、前記ギャップセンサの測定結果に基づいて、前記加工工具の回転数を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の加工工具のサポート装置。
  4. 前記サポート部は、前記加工工具に近接する近接面が、前記加工工具の外周形状に倣った形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の加工工具のサポート装置。
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