JP2017052065A - 加工方法 - Google Patents

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Kenichiro Kunitomo
謙一郎 國友
敏夫 山中
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敏夫 山中
伸哉 関山
Shinya Sekiyama
伸哉 関山
茂吉 藤原
Mokichi Fujiwara
茂吉 藤原
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Abstract

【課題】被削材の無駄な切削除去を防止しつつ、表面形状に応じて円滑な切削加工を行うことのできる加工方法を提供する。
【解決手段】
回転する被削材1の表面1bに切削工具2を当接させて前記被削材1を切削加工する加工方法であって、被削材1の回転軸1aの軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置1i、1jにおいて、被削材1の回転軸1aから被削材表面1bまでの距離4i、4jを測定し、測定された複数の前記距離4i、4jのうちの一の値を基準値4dとして設定し、基準値4dに基づいて、切削工具2の設置すべき位置4eを算出し、算出された切削工具の設置すべき位置4eに切削工具2を移動させて、被削材の表面1bを切削加工する加工方法である。
【選択図】 図8

Description

本発明は、加工方法に関し、特に回転する被削材の表面を切削加工する加工方法に関する。
従来、例えば鉄鋼材料を原材料から製造する場合には、まず原材料を一旦溶解させてインゴットを製造した後、再度インゴットを溶解させる工程を、複数回繰り返して行っている。一般に、原材料の溶解後に得られたインゴットの表面には、ほぼ一定の厚さの不純物層が存在する。このため、溶解前のインゴット表面の不純物層を除去して、溶解物における不純物量を低減している。被削材の表面の除去は、切削工具の先端部を、回転する被削材の回転軸から一定の距離に保持して行われている。
被削材の表面を切削加工する技術として、例えば特許文献1には、刃先位置接触検知部により工具刃先位置を検出し、切削時の抵抗による工具変形量の推定値を加味して算出された工具補正値に基づいて、工具刃先を移動させるようにした工具刃先検出装置が開示されている。
また、特許文献2には、ワークの偏心ピンの先端部に当接させた接触体のx軸方向の位置を、リニアスケールにより連続的に又は間欠的に測定する方法が開示されている。特許文献2に記載の方法は、切削加工後のワークの偏心ピンの表面形状についての、偏心ピンの半径rに関する測定値を、目標形状から算出される計算上の値と比較して加工誤差データを取得し、この加工誤差データに基づいて、次の切削加工処理における加工条件を補正するようにしたものである。
特開平8−25180号公報 特開2014−168837号公報
ところで、原材料を溶解させて製造されるインゴットの表面は、回転軸からの距離が必ずしも一定でない。このため、切削工具の先端部を、回転する被削材の回転軸から一定の距離に保持して切削加工を行う場合、被削材の表面の不純物層が全体的に除去されるように、切削工具の先端部の位置が設定される。この場合、一部の領域では、不純物層だけでなく、不純物層より内側の主成分まで無駄に切削除去されるため、歩留りが低下する。このため、被削材の表面形状に応じて、切削工具の位置を補正しながら切削加工する方法が求められている。
特許文献1及び2に記載の技術は、いずれも、切削加工前の被削材の表面形状に応じて、工具の位置を移動させながら切削加工するようにしたものではない。
また、切削加工前の被削材の表面形状を測定し、測定された表面形状に応じて切削工具の位置を移動させながら切削加工を行う場合、被削材の表面に突発的に突起が顕れたたとき、この突起が接触体による測定断面の位置に重なると、突起形状が被削材の表面形状として認識される。このような突起形状に追従させて、切削工具の先端位置を移動させると、切削工具が急激に上方又は下方に移動し、突発欠損を生じるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、被削材の無駄な切削除去を防止しつつ、表面形状に応じて円滑な切削加工を行うことのできる加工方法を提供することにある。
本発明に係る加工方法の好ましい実施形態としては、回転する被削材の表面に切削工具を当接させて前記被削材を切削加工する加工方法であって、前記被削材の回転軸の軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置において、前記被削材の回転軸から前記被削材表面までの距離を測定し、測定された複数の前記距離のうちの一の値を基準値として設定し、前記基準値に基づいて、前記切削工具の設置すべき位置を算出し、算出された前記切削工具の設置すべき位置に前記切削工具を移動させて、前記被削材の表面を切削加工することを特徴とする。
本発明によれば、被削材の無駄な切削除去を防止しつつ、表面形状に応じて円滑な切削加工を行うことのできる加工方法を実現することができる。
切削加工における被削材と切削工具との関係を示す図である。 図1に示す被削材1の切削工具2の当接位置における断面を示す図である。 従来の加工方法を説明するための図である。 図3に示す被削材1の測定位置1dにおける断面図を示す図である。 図3及び図4に示す方法で切削加工を行ったときの、距離4a及び距離4bと回転角度1fとの関係を示す図である。 実施例1に係る加工方法を説明するための図である。 実施形態の加工方法を実施するための加工装置の構成を示すブロック図である。 実施例1に係る加工方法のプロセスを示すフローチャート図である。 図6に示す方法で切削加工を行ったときの、距離4i、距離4j、基準値4d及び距離4eと、回転角度1fとの関係を示す図である。 実施例2に係る加工方法を説明するための図である。 実施例2に係る加工方法のプロセスを示すフローチャート図である。 実施例2に係る加工方法を行ったときの、平均値5i、平均値5i、基準値5d、及び距離5eと回転角度1fとの関係を示す図である。 実施例1及び実施例2に係る加工方法を説明するための図である。
本発明の実施の形態を説明する前に、まず従来の加工方法について説明する。
図1は、切削加工における被削材と切削工具との関係を示す図である。従来の加工方法を説明するための図である。図1において、1は被削材であり、2は切削工具である。被削材1は、回転軸1aを中心に矢印1c方向に回転されている。切削工具2は被削材1と接触させるチップ2a及び工具本体2bにより構成されている。チップ2aは、工具本体2bと一体で切削工具2を形成していてもよく、工具本体2bから取り外して交換可能に構成されていてもよい。
図2は、図1に示す被削材1の切削工具2の当接位置における断面を示す図である。図2により、被削材1の表面1bを、切削工具2のチップ2aで切削加工する際の、切削工具2と被削材1との位置関係を示す。
まず、図2に示すように、チップ2aの先端部の位置を、被削材1の表面1bから回転軸1a方向に、所定の切込量dの距離分だけ移動させる。そして、被削材1の1c方向への回転運動を維持しながら、切削工具2のチップ2aの先端部を、被削材1の表面1bに当接させつつ、回転軸1aの軸方向(図1の矢印2c方向)へ移動させる。このとき、従来の加工方法では、チップ2aの先端部と回転軸1との距離を一定に保持しつつ、切削工具2を回転軸1aの軸方向に移動させる。これにより、被削材1の表面1bは、切削工具2のチップ2aにより切削除去される。
ここで、切込量dは、切削加工により、被削材1の表面1bから除去する厚さとして設定される量(例えば、被削材表面に形成されている不純物層の厚さに相当する厚さ)であり、一般には1〜20mm程度である。
従来の加工方法では、被削材1の回転軸1aに対する、チップ2aの先端の位置に関しては、まず、被削材1の回転運動を一旦停止した状態で、被削材1の表面1bの、回転軸1aからの距離を測定する。そして、この距離が最小値となる位置を基準面位置とし、この基準面位置から回転軸1a方向に切込量d(所定の深さd)分だけ移動させた位置を、チップ2aの先端部の位置として設定する。
図3は、従来の加工方法を説明するための図である。
図3には、被削材1の表面位置を測定する表面位置測定装置3が、被削材1の近傍に設置された状態を示している。図3において、被削材1の表面には、測定位置1dが設定されており、表面位置測定装置3により、測定位置1d上における、回転軸1aから被削材1の表面1bまでの距離が測定される。
図4に、図3に示す被削材1の測定位置1dにおける断面図を示す。
図4中1gで示す点は、被削材1の表面1bに設定した任意の固定点である。図4において、表面位置測定装置3により回転軸1aから表面1bまでの距離の測定が行われている表面1b上の測定点を、1hと定義する。すなわち、被削材1の矢印1c方向への回転に伴い、測定点1hは、被削材1の表面1b上を矢印1cと反対方向に移動する。
ここで、回転軸1aと固定点1gとを結ぶ直線と、回転軸1aと測定点1hとを結ぶ直線とがなす角度を回転角度1fと定義する。回転角度1fは、被削材1の矢印1c方向への回転に伴い増加する。図4において、回転軸1aから被削材表面1bまでの距離を4aとし、回転軸1aからチップ2aの先端までの距離を4bとする。
図5に、図3及び図4に示す方法で切削加工を行ったときの、距離4a及び距離4bと回転角度1fとの関係を示す。
図5において、チップ2aの被削材1の表面1bに対する実際の切込量d´(すなわち、チップ2aにより実際に除去される被削材の厚さに相当。)は、下記式(1)で示される。
[式1]
d´=4a―4b・・・(1)
図5に示すように、従来の加工方法では、回転軸1aからチップ2a先端までの距離4bは、一定にして切削加工が行われる。これは、一般的な工業製品では、切削加工後の切削体における寸法精度を優先して切削加工が行われることが多いためである。すなわち、上記した従来の加工方法では、被削材1の表面1b全体において、表面1bから、切込量dに相当する一定の深さだけ切削除去することは考慮されていない。この場合、実際の切込量d´は、距離4aの変動に伴って変動し、バラツキが発生する。この場合、以下のような問題点が発生する。
例えばインゴットの表面に略一定の厚さで形成された不純物層を除去するために切削加工を行う場合、上記した従来の加工方法により、除去量に不足を生じさせることなく、不純物層の全体を除去するには、切削工具2の設定位置は、実際の切込量d´の最小値d´minと、切込量d(この場合には、不純物層の厚さ。)とが、下記式(2)を満たすように、設定される。
[式2]
d=d´min・・・(2)
上記のようにして切削工具2の位置を設定した場合、被削材1では、回転角度1fの変動に伴い、下記式(3)で示す関係となる領域が発生する。
[式3]
d´>d´min・・・(3)
上記式(3)の関係を満たす領域では、被削材1が、必要量を超えて余分に除去される。被削材1の除去量が必要以上に増加すると、被削材1の歩留まりが低下する。また、被削材1の除去量の増加に伴い、切削加工時にチップ2aにかかる圧力が上昇する。このため、チップ2aの摩耗進行が速くなり、交換回数が増加することで、運転コストが増加する。
次に、図6を用いて実施例1に係る加工方法を説明する。なお、図6において、図1に示す部位と構成、動作が同じ部位については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、被削材1の表面には、回転軸1aの軸方向に離れた2箇所の位置に、測定位置1i、1jが設けられている。図6に示す例では、測定位置1i、1jにおける、回転軸1aから被削材1の表面1bまでの距離4i、4jを、表面位置測定装置3i、3jにより測定する。
すなわち、表面位置測定装置3iは、測定箇所1iにおける回転軸1aから表面1bの距離4iを測定し、表面位置測定装置3jは、測定箇所1jにおける回転軸1aから表面1bの距離4jを測定する。表面位置測定装置3i、3jとしては、例えばレーザ照射により回転軸1a及び被削材1の表面1bの位置を検出可能なレーザ測定装置を用いることができる。
実施例1では、距離4i、4jの測定結果にもとづき、各時点における、切削工具2のチップ2aの先端部の設置位置の算出を行いながら、切削加工を実施する。
すなわち、実施例1では、表面位置測定装置3i、3jにより得られた距離4i、4jの測定値のうちの一方を基準値4dとして選択して、チップ2aの先端部を設置する位置を算出する。このとき、基準値4dが測定された方の測定位置が基準面位置1dとなる。そして、算出された先端部の設置位置に、チップ2aの先端部を移動させながら、切削加工を実施する。
本実施例では、測定された距離4i、4jのうちの最小値を基準値4dとして選択し、基準面位置1dを設定する。そして、基準面位置1dにおける測定値(すなわち、基準値4d。)に基づいて、チップ2aの先端部の設置位置を算出する。
このように、表面位置測定装置3i、3jにより得られた距離4i、4jの測定値に基づいて、切削工具2の設置位置の算出を行い、得られた算出値に基づいて切削工具2を移動させながら、切削加工を実施することで、チップ2aの先端の位置を固定して切削加工する従来の方法と比較して、切削量の無駄を防止することができる。
また、距離4i、4jのうちの一方の値を基準値として選択して、チップ2aの先端部の位置を設定することで、切削工具2を、回転軸1aに対して急激に離間又は接近させる制御動作を回避することができる。
すなわち、回転軸1aから被削材の表面1bまでの距離を、1箇所のみで測定し、得られた距離に基づいてチップ2aの先端部の設置位置を算出する場合、被削材表面に顕れた突起が測定位置に重なると、切削工具は、この突起形状に追従して突発的に回転軸から離間する。また、回転軸1aから被削材の表面1bまでの距離を、被削材1の一の断面における複数箇所において測定した場合にも、この突起が、複数の測定位置の双方に重なることがある。この場合も、切削工具は、この突起形状に追従して突発的に回転軸から離間する。
これに対し、実施例1では、軸方向に離れた2箇所の測定位置1i、1jで測定された距離4i、4jのうち、小さい方の値を基準値として選択しているため、測定位置1i、1jのうちの一方が、被削材1上に発生した突起と重なった場合でも、他方の測定位置が基準面位置1dとして採用されて、チップ2aの先端部の設置位置が算出される。このため、切削工具2が、回転軸1aから急激に離間する動作を防止することができ、切削工具2の破損を防止することができる。
また、距離4i、4jのうち、小さい方の値を基準値として選択することで、各切削位置において、確実に不純物層を除去することができる。
図7は、実施形態の加工方法を実施するための加工装置の構成を示すブロック図である。
加工装置は、被削材1の表面を切削加工する切削工具2と、切削工具2を駆動するサーボモータ9と、被削材1の表面位置の測定を行う表面位置測定装置3i、3jと、表面位置測定装置3i、3jで測定された表面位置を検出する位置検出部6i、6jと、回転軸1aの回転角度を検出する回転角度検出器11と、切削工具2の位置を検出する切削工具位置検出器12と、位置検出部6i、6jで検出された表面位置データを記憶する記憶部7と、位置検出部6i、6jで検出された表面位置データに基づいて、切削工具2の先端部の設置位置を算出するマイクロプロセッサ等の処理部8と、処理部8により得られた演算結果に基づき、サーボモータ9の動作を制御する制御部10と、記憶部7及び処理部8に情報を入力する入力部13と、を有している。
以下に、図7に示す加工装置を用いた実施例1に係る加工方法について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップ11では、入力部13により、切込量dが記憶部7に記憶される。次に、ステップ12では、制御部10は、サーボモータ9を駆動して切削工具2を駆動するとともに、被削材1の回転軸1aを駆動して、切削加工を開始する。
次に、ステップ13では、表面位置測定装置3i、3jは、それぞれ、測定位置1i、1jにおける、回転軸1aから被削材1の表面1bまでの距離4i、4jを測定する。表面位置測定装置3i、3jにより測定された距離4i、4jは、位置検出部6i、6jにより、表面位置データとして検出される。
また、位置検出部6i、6jによる表面位置データの検出と同時に、回転角度検出器11は、表面位置測定装置3i、3jによる距離4i、4jの測定が行われた時点での、回転軸1aの回転角度を検出する。位置検出部6i、6jにより検出された距離4i、4jは、回転角度検出器11により検出された回転角度と併せて、記憶部7に記憶される。
次に、ステップ14〜ステップ16では、処理部8は、ステップ13で得られた表面位置データに基づき、切削工具2のチップ2aの先端部を移動させる位置を算出する。
まず、ステップ14では、処理部8は、位置検出部6i、6jで検出された表面位置データ(距離4i、4j)を記憶部7から読み出し、距離4i、4jのうちの最小値を基準値4dとして選択する。すなわち、測定位置1i、1jのうち、基準値4dの距離が測定された方の測定位置が、基準面位置1dとして設定される。
次いで、ステップ15では、処理部8は、ステップ14で設定された基準値4dを用いて、チップ2aの先端部を移動させる位置を算出する。具体的には、処理部8は、記憶部7から切込量dを読み出し、下記式(4)により、チップ2aの先端部を移動させる位置を、距離4eとして算出する。
[式4]
4e=4d−d・・・(4)
上記式(4)において、距離4eは、チップ2aの先端部を移動させる位置と回転軸1aとの距離である。
次いで、ステップ16では、切削工具位置検出器12は、切削工具2の現在位置を検出し、検出された位置情報を処理部8に送る。処理部8は、切削工具位置検出器12から送られた切削工具2の現在の位置情報と、ステップ15で算出されたチップ2aの先端部の移動位置(距離4e)とに基づき、NCプログラムにより切削工具2の移動量を算出する。
次いで、ステップ17では、制御部10は、サーボモータ9を駆動し、ステップ16で算出された移動量分だけ、切削工具2を回転軸1aの方向に移動させる。これにより、チップ2aの先端部は、回転軸1aから距離4eの位置に移動する。
被削材1の表面1bでは、基準面位置1d(測定位置1i、1jのうち、距離4i、4jの最小値が測定された方の測定位置)の表面1bから切込量dだけ切り込んだ範囲が、切削工具2のチップ2aにより切削除去される。
次に、ステップ18では、処理部8は、切削工具位置検出器12により検出された切削工具2の現在の位置情報に基づき、加工処理が終了したか否かを確認する。加工処理が終了していないと判断した場合には、ステップ13に戻り、次の位置での切削加工処理を行う。加工処理が終了したと判断した場合には、加工処理プロセスを終了する。
図9に、図6に示す方法で切削加工を行ったときの、距離4iと回転角度1fとの関係、及び距離4jと回転角度1fとの関係を示す。
図9に示すように、距離4i及び距離4jは、それぞれ、回転角度1fの変化に伴い変動している。さらに、上記で説明した加工処理プロセスのステップ14で設定された基準面位置1dにおける基準値4dと回転角度1fとの関係を図9に併せて示す。図9では、距離4iと距離4jのうちの最小値を、基準値4dとして示している。さらに、図9には、基準値4dを用いて算出される距離4e(ステップ15)を、併せて示している。
図9に示すように、切削工具2の先端部と回転軸1aとの距離4eは、距離4i、4jと比較して、急激な増加又は減少が抑制されており、チップ2aの先端部の位置を、距離4i単独又は4j単独の値に追従させて設定する場合と比較して、切削工具2の突発的な移動が防止されている。
また、図9に示すように、切削工具2の先端部の回転軸1aからの距離4eは、被削材1の表面形状(距離4i又は距離4j)に応じて変化させているため、切削工具2の先端部と回転軸1aとの距離を一定にして行う従来の方法と比較して、切削量の無駄が防止されている。
なお、実施例1では、基準値4dとして、距離4i、4jのうちの最小値を選択するようにしたが、本発明は、必ずしもこのような形態に限られない。例えば、距離4i、4jのうちの最大値を基準値として選択して、チップ2aの先端を移動させる位置を算出するようにすることも可能である。この場合、例えば測定位置1i、1jのうちの一方が、被削材1の表面1bに発生した凹部と重なった場合でも、他方の測定位置が基準面位置1dとして採用されて、チップ2aの先端部の設置位置が算出される。このため、切削工具2が急激に回転軸1a側に移動して、被削材1が必要以上に切削除去されるのを防止することができる。
次に、図10を用いて実施例2に係る加工方法を説明する。なお、図10において、図4に示す部位と構成、動作が同じ部位については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施例2においても、被削材1の表面には、回転軸1aの軸方向に離れた2か所の位置に、測定位置1i、1jが設けられている。なお、実施例2の加工方法は、切削工具2及び表面位置測定装置3i、3jを、図6に示すのと同様の形態で設置して、実施することができる。このため、実施例2の加工方法についても、図6を用いて説明する。
実施例2では、表面位置測定装置3iにより、測定位置1iにおいて、測定点1hから測定角度1kまでの範囲の複数箇所において、回転軸1aから表面1bまでの距離4iを測定する。そして、測定された距離4iを平均化した値を、平均値5iと定義する。また、同様に、表面位置測定装置3jにより、測定位置1jにおいて、測定点1hから測定角度1kまでの範囲の複数箇所において、回転軸1aから表面1bまでの距離4jを測定する。そして、測定された距離4jを平均化した値を、平均値5jと定義する。なお、測定角度1kは、予め設定した任意の一定角度である。
実施例2では、実施例1で用いた距離4i、4jに代えて、平均値5i、5jを使用して、切削工具2の先端部の位置を決定する。
すなわち、実施例2では、距離4i、4jの平均値5i、5jのうちの一方を基準値5dとして選択して、チップ2aの先端部を設置する位置を算出する。このとき、基準値5dの各距離が測定された方の測定位置が基準面位置1dとなる。そして、算出された先端部の設置位置に、チップ2aの先端部を移動させながら、切削加工を実施する。
本実施例では、算出された平均値5i、5jのうちの最小値を基準値5dとして選択し、基準面位置1dを設定する。そして、基準値5dに基づいて、チップ2aの先端部の設置位置を算出する。
このように、切削工具2の先端部の位置を、距離4i、4jの平均値5i、5jを用いて設定することで、先端部の細かい上下動が抑制される。このため、実施例1と比較して、より効率的な切削加工を行うことができる。
また、実施例2では、実施例1と同様、切削工具2の先端位置を固定して切削加工する従来の方法と比較して切削量の無駄が防止される。また、実施例2では、2箇所の測定位置における距離4i、4jの平均値5i、5jのうち、小さい方の値を基準値5dとして選択しているため、切削工具2が、回転軸1aから急激に離間する動作が防止され、切削工具2の突発破損が防止される。
以下に、図7に示す加工装置を用いた実施例2に係る加工方法について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップ21、ステップ22は、実施例1のステップ11、ステップ12と同様である。
次に、ステップ23では、表面位置測定装置3i、3jは、それぞれ、測定位置1i、1jの測定点1hから回転角度1kの範囲の複数箇所において、回転軸1aから被削材1の表面1bまでの距離4i、4jを測定する。距離4i、4jの測定は、測定点1hから回転角度1kの範囲において連続的に行ってもよく、この範囲内の複数箇所で各別に行ってもよい。表面位置測定装置3i、3jにより測定された距離4i、4jは、表面位置データとして位置検出部6i、6jにより検出される。
また、位置検出部6i、6jによる位置検出と同時に、回転角度検出器11は、表面位置測定装置3i、3jによる距離4i、4jの測定が行われた時点での、回転軸1aの回転角度を検出する。
次に、ステップ24では、処理部8は、測定位置1i、1jの測定点1hから回転角度1k間の範囲において測定された距離4i、4jを平均化し、平均値5i、5jを算出する。表面位置データとしての平均値5i、5jは、回転角度検出器11で検出された回転角度と併せて記憶部7に記憶される。
次に、ステップ25〜ステップ27では、処理部8は、ステップ24で得られた表面位置データ(平均値5i、5j)に基づき、チップ2aの先端部を移動させる位置を算出する。
まず、ステップ25では、処理部8は、平均値5i、5jを記憶部7から読み出し、平均値5i、5jのうちの最小値を基準値5dとして選択する。すなわち、平均値5i、5jのうち、基準値5dとして選択された方の、平均化前の距離の測定位置が、基準面位置1dとして設定される。
次いで、ステップ26では、処理部8は、ステップ25で選択された基準値5dを用いて、チップ2aの先端部を移動させる位置を算出する。具体的には、処理部8は、記憶部7から切込量dを読み出し、下記式(5)により、チップ2aの先端部を移動させる位置を、距離5eとして算出する。
[式5]
5e=5d−d・・・(5)
上記式(5)において、距離5eは、チップ2aの先端部を移動させる位置と回転軸1aとの距離である。
次いで、ステップ27では、切削工具位置検出器12は、切削工具2の現在位置を検出し、検出された位置情報を処理部8に送る。処理部8は、切削工具位置検出器12から送られた切削工具2の現在の位置情報と、ステップ26で算出されたチップ2aの先端部の位置(距離5e)とに基づき、NCプログラムにより切削工具2の移動量を算出する。
次いで、ステップ28では、制御部10は、サーボモータ9を駆動し、ステップ27で算出された移動量分だけ、切削工具2を回転軸1a方向に移動させる。これにより、チップ2aの先端部は、回転軸1aから距離5eの位置に移動する。
これにより、被削材1の表面1bでは、基準面位置1d(測定位置1i、1jのうち、平均値5i、5jのうちの最小値の、平均化前の距離が測定された方の測定位置)の表面1bから切込量dだけ切り込んだ範囲が、切削工具2のチップ2aにより切削除去される。
次に、ステップ29では、処理部8は、切削工具位置検出器12により検出された切削工具2の現在の位置情報に基づき、加工処理が終了したか否かを確認する。加工処理が終了していないと判断した場合には、ステップ23に戻り、次の位置での切削加工処理を行う。加工処理が終了したと判断した場合には、加工処理プロセスを終了する。
図12に、実施例2に係る加工方法を行ったときの、平均値5iと回転角度1fとの関係、及び平均値5jと回転角度1fとの関係を示す。さらに、上記で説明した加工処理プロセスのステップ25で選択された、基準面位置1dにおける基準値5dと回転角度1fとの関係を図12に併せて示す。図12では、平均値5iと平均値5jのうちの最小値を、基準値5dとして示している。さらに、図12には、基準値5dを用いて算出される距離5e(ステップS26)を、併せて示している。
図12に示すように、切削工具2の先端部と回転軸1aとの距離5eは、距離5i、5jと比較して、大きな増加又は減少が抑制されており、チップ2aの先端部の位置を、平均値5i単独又は5j単独の値に追従させて設定する場合と比較して、切削工具2の突発的な移動が防止されている。
また、図12に示すように、距離5eは、実施例1の図9に示す距離4eと比較して、細かい上下動が少なく、よりなだらかな変化を示しており、実施例1と比較して、効率的な切削加工が行われる。
また、図12に示すように、切削工具2の先端部の回転軸1aからの距離5eは、被削材1の表面形状(距離4i、4j)の変化に応じて変化させているため、切削工具2の先端部と回転軸1aとの距離を一定にして行う従来の方法と比較して、切削量の無駄が防止されている。
なお、実施例2では、基準値5dとして、平均値5i、5jのうちの最小値を選択するようにしたが、実施例1と同様に、例えば、平均値5i、5jのうちの最大値を基準値として選択して、チップ2aの先端を移動させる位置を算出するようにすることも可能である。この場合、例えば測定位置1i、1jのうちの一方が、被削材1上に発生した凹部と重なった場合でも、他方の測定位置が基準面位置1dとして採用されて、チップ2aの先端部の設置位置が算出される。このため、切削工具2が急激に回転軸1a側に移動して、被削材1が必要以上に切削除去されるのを防止することができる。
実施例1及び実施例2では、いずれも、軸方向に離れた2箇所の位置に表面位置測定装置3i、3jを設置し、表面位置測定装置3iにより、測定位置1iにおける距離4iを測定し、表面位置測定装置3jにより、測定位置1jにおける距離4jを測定するようにしたが、本発明は、必ずしもこのような形態に限られない。例えば、図13に示すように、測定装置としてリニアスケール3kを用いて、測定位置1i、1jにおける回転軸1aから被削材表面1bまでの距離4i、4jを同時に測定するようにしてもよい。
また、実施例1及び実施例2では、被削材1の表面1bに、2箇所の測定位置1i、1jを設定して、チップ2aの先端部を移動させる位置を算出するようにしたが、測定位置は、3箇所以上設定してもよい。この場合、例えば、3箇所の測定位置のうちの2箇所において、被削材表面1bの突起と重なった場合でも、もう一つの測定位置が基準面位置1dとして採用されて、チップ2aの先端部の設置位置が算出される。このため、切削工具2が、回転軸1aから急激に離間する動作を防止することができ、切削工具2の破損を防止することができる。
1…被削材、1a…回転軸、1b…被削材1の表面、1c…回転軸1aの回転方向、1d…基準面位置、1f…回転角度、1g…固定点、1h…測定点、1i、1j…測定位置、1k…測定角度、2…切削工具、2a…チップ、2b…工具本体、2c…切削工具2の移動方向、3、3i、3j…表面位置測定装置、
3k…リニアスケール3k、4a、4i、4j…回転軸1aから被削材表面1bまでの距離、4b…回転軸1aからチップ2a先端までの距離、4d、5d…基準値、4e、5e…チップ2aの先端部を移動させる位置と回転軸1aとの距離、5i、5j…平均値、
6i、6j…位置検出部、7…記憶部、8…処理部、9…サーボモータ、10…制御部、11…回転角度検出器、12…切削工具位置検出器、13…入力部、d…切込量、d´…実際の切込量、d´min…d´の最小値

Claims (6)

  1. 回転する被削材の表面に切削工具を当接させて前記被削材を切削加工する加工方法であって、
    前記被削材の回転軸の軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置において、前記被削材の回転軸から前記被削材表面までの距離を測定し、
    測定された複数の前記距離のうちの一の値を基準値として設定し、
    前記基準値に基づいて、前記切削工具の設置すべき位置を算出し、
    算出された前記切削工具の設置すべき位置に前記切削工具を移動させて、前記被削材の表面を切削加工することを特徴とする加工方法。
  2. 前記被削材の回転軸から前記被削材表面までの距離の測定を、前記切削加工と並行して行うことを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  3. 測定された前記回転軸から前記被削材の表面までの距離のうちの最小値を、前記基準値として設定することを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  4. 前記被削材の回転軸から前記被削材表面までの距離を、前記測定位置からそれぞれ任意の範囲における複数の位置において測定し、得られた複数の測定値を平均化した値のうちの一の値を、前記基準値として設定することを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  5. 前記被削材の回転軸方向に離れた少なくとも2箇所の位置に検出装置を設置して、前記被削材の回転軸から前記被削材表面までの距離を測定することを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
  6. 前記回転軸の軸方向の一定範囲における、前記回転軸と前記被削材との間の距離を測定する検出装置を使用することを特徴とする請求項1に記載の加工方法。
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