以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下において、ワーク作業装置等の構成の説明の便宜上、上下左右前後等の方向を適宜使用する場合があるが、ワーク作業装置等の各構成の位置関係を限定するものではない。
<1.第1実施形態>
まず、第1実施形態について説明する。
(1−1.作業ラインの全体構成)
図1を用いて、本実施形態に係るワーク作業装置3を備えた作業ライン1の全体構成の一例について説明する。作業ライン1は、例えば食品容器12に食品13を盛り付ける盛り付け作業を行う作業ラインである。
作業ライン1は、ワーク搬送コンベア11(第1搬送コンベアの一例)と、複数(この例では3台)の作業ロボット2と、複数(この例では2台)のワーク作業装置3を有する。作業ロボット2及びワーク作業装置3は、ワーク搬送コンベア11の近傍に配置されている。また図1に示す例では、ワーク搬送コンベア11の近傍に、作業ロボット2、ワーク作業装置3とともに、複数(この例では2人)の作業員10も配置されている。なお、作業員10の代わりに作業ロボット2を配置してもよい。なお、ワーク搬送コンベア11とワーク作業装置3は、ワーク作業システム8を構成する。
図1に示すように、この作業ライン1では、ワーク搬送コンベア11に対し、上流側(図1中左側)から1番目にワーク作業装置3、2番目に作業員10、3番目〜5番目に作業ロボット2、6番目に作業員10、7番目にワーク作業装置3が、略等間隔等の適宜の間隔で配置されている。このうち、2台のワーク作業装置3と、2人の作業員10と、1台の作業ロボット2は、ワーク搬送コンベア11の幅方向一方側(図1中上側)に配置され、残りの2台の作業ロボット2は、ワーク搬送コンベア11の幅方向他方側(図1中下側)に配置されている。なお、図1に示す配置は一例であり、上記以外の配置としてもよい。
ワーク搬送コンベア11は、食品容器12と食品トレー14(ワークの一例)とを搬送する。ワーク作業装置3は、ワーク搬送コンベア11に対して食品トレー14の供給又は排出の少なくとも一方を行う。作業ロボット2及び作業員10は、食品容器12に対し食品13の盛り付けを行う。
ワーク搬送コンベア11には、上流側から1番目のワーク作業装置3よりも上流側で、図示しない供給装置又は人手により、空の食品容器12が適宜のタイミングで供給される。また、ワーク搬送コンベア11には、上流側のワーク作業装置3から食品13が収容された食品トレー14が供給される。これにより、ワーク搬送コンベア11は食品容器12と食品トレー14とを混在させて下流側(図1中右側)へ向けて順次搬送する。ワーク作業装置3の詳細については後述する。
上流側から1番目のワーク作業装置3が供給する食品トレー14には、盛り付けに必要な総菜等の食品13が収容されている。1つの食品トレー14には1種類の食品13が複数収容されている。食品13は複数種類あり、その種類ごとに異なる食品トレー14に収容されている。この例では、盛り付けられる食品13は例えば5種類であり、各作業ロボット2と各作業員10は対応する種類の食品13を盛り付ける。各作業員10及び各作業ロボット2のワーク搬送コンベア11に近接した位置には、それぞれ食品トレー14を保持するトレー載置台15が配置されている。
作業ロボット2は、例えば2本のロボットアーム18を有する双腕ロボットである。但し、単腕ロボットとしてもよい。作業ロボット2には、例えば水平多関節型(スカラー式)、パラレルリンク式、直動式、垂直多関節型等のロボットを使用できる。2本のロボットアーム18は、互いに上流側と下流側となるようワーク搬送コンベア11上に突出しており、それぞれ独立してワーク搬送コンベア11とトレー載置台15との間で動作しつつ盛り付け作業を実行可能に構成されている。
3台の作業ロボット2と2人の作業員10は、それぞれの上流側からの順番に対応する種類の食品13を食品容器12に盛り付ける。
具体的には、上流側から2番目の作業員10は、ワーク搬送コンベア11により上流から流れてくる第1の種類の食品13を収容した食品トレー14をトレー載置台15上に引き込み、保持する。また、2番目の作業員10は、トレー載置台15上に保持されている食品トレー14の食品13を把持し、当該作業員10の近傍に流れてくる空の食品容器12に対し、所定の第1の盛り付け位置に食品13を運んで盛り付ける。なお、図1ではこの作業員10による食品13の盛り付け動作を黒矢印で示している(以下同様)。
上流側から3番目の作業ロボット2は、ワーク搬送コンベア11により上流から流れてくる第2の種類の食品13を収容した食品トレー14をロボットアーム18でトレー載置台15上に引き込み、保持する。なお、図1ではこのロボットアーム18による食品トレー14の引き込み動作を白矢印で示している(以下同様)。また、3番目の作業ロボット2は、ロボットアーム18でトレー載置台15上に保持されている食品トレー14の食品13を把持し、当該作業ロボット2の近傍に流れてくる第1の種類の食品13が盛り付けられた食品容器12に対し、所定の第2の盛り付け位置に食品13を運んで盛り付ける。なお、図1ではこのロボットアーム18による食品13の盛り付け動作も黒矢印で示している(以下同様)。
上流側から4番目の作業ロボット2は、ワーク搬送コンベア11により上流から流れてくる第3の種類の食品13を収容した食品トレー14をロボットアーム18でトレー載置台15上に引き込み、保持する。また、4番目の作業ロボット2は、ロボットアーム18でトレー載置台15上に保持されている食品トレー14の食品13を把持し、当該作業ロボット2の近傍に流れてくる第1及び第2の種類の食品13が盛り付けられた食品容器12に対し、所定の第3の盛り付け位置に食品13を運んで盛り付ける。
上流側から5番目の作業ロボット2は、ワーク搬送コンベア11により上流から流れてくる第4の種類の食品13を収容した食品トレー14をロボットアーム18でトレー載置台15上に引き込み、保持する。また、5番目の作業ロボット2は、ロボットアーム18でトレー載置台15上に保持されている食品トレー14の食品13を把持し、当該作業ロボット2の近傍に流れてくる第1〜第3の種類の食品13が盛り付けられた食品容器12に対し、所定の第4の盛り付け位置に食品13を運んで盛り付ける。
上流側から6番目の作業員10は、ワーク搬送コンベア11により上流から流れてくる第5の種類の食品13を収容した食品トレー14をトレー載置台15上に引き込み、保持する。また、5番目の作業員10は、トレー載置台15上に保持されている食品トレー14の食品13を把持し、当該作業員10の近傍に流れてくる第1〜第4の種類の食品13が盛り付けられた食品容器12に対し、所定の第5の盛り付け位置に食品13を運んで盛り付ける。
食品容器12に第1〜第5の5種類の食品13が盛り付けられると、食品13の盛り付け作業が完了する。食品13の盛り付け作業が完了した食品容器12は、ワーク搬送コンベア11により下流側に設置された図示しない後工程設備に流され、例えば食品容器12にフタを被せる等の後工程処理が行われる。また、各作業員10及び各作業ロボット2は、トレー載置台15上の食品トレー14の食品13が消費されて空になると、当該空の食品トレー14をトレー載置台15上からワーク搬送コンベア11上に戻す。戻された空の食品トレー14は搬送され、下流側のワーク作業装置3によってワーク搬送コンベア11から排出(回収ともいう)される。
(1−2.ワーク作業装置の構成)
次に、ワーク作業装置3の構成の一例について図2〜図5を用いて説明する。なお、各部の構造の理解を容易とするため、図3〜図5では、後述するカバー56、スライダ63、リニアブッシュ64等を適宜透視して図示している。
(1−2−1.全体構成)
図2に示すように、ワーク作業装置3は、大別して、第1容器移送ユニット5、第2容器移送ユニット6、ワーク移送ユニット7、容器搬送コンベア40(第2搬送コンベアの一例)の4つのユニットで構成されている。各ユニットは、例えばボルト等の連結部材により分離可能に連結されている。
第1容器移送ユニット5は、ワーク搬送コンベア11の搬送方向においてワーク移送ユニット7の例えば下流側(図2中の右側)に、第2容器移送ユニット6は、ワーク移送ユニット7の例えば上流側(図2中の左側)に配置される。ワーク移送ユニット7は、第1容器移送ユニット5と第2容器移送ユニット6の間において、後述するワーク移送ロボット30がワーク搬送コンベア11上に突出するように配置される。容器搬送コンベア40は、ワーク移送ユニット7に挿通されつつ第1容器移送ユニット5と第2容器移送ユニット6とに亘るように、搬送経路がワーク搬送コンベア11の搬送方向(この例では左右方向。X軸方向ともいう)に沿うように配置される。容器搬送コンベア40は、下端にアジャスタ47aを有する支柱47で搬送方向両端を支持され、床FLに設置されている。第1容器移送ユニット5及び第2容器移送ユニット6は、後述する水平移動機構60による移動方向が上記ワーク搬送コンベア11の搬送方向と略垂直な方向(この例では前後方向)となるように配置される。
第1容器移送ユニット5及び第2容器移送ユニット6は、例えば互いに鏡像関係となるように構成されている。但し、これらのユニットを同一の構成としてもよい。第1容器移送ユニット5及び第2容器移送ユニット6は、それぞれ略直方体形状の枠状の支持フレーム70R及び支持フレーム70Lを有する。第1容器移送ユニット5は、支持フレーム70Rに設けられた、食品トレー14が収容されていない容器16を収容する第1収容部21と、第1容器移送ロボット41とを備える。第2容器移送ユニット6は、支持フレーム70Lに設けられた、食品トレー14が収容された容器16を収容する第2収容部22と、第2容器移送ロボット42とを備える。支持フレーム70R,70Lの四隅の下端には、それぞれキャスタ付きアジャスタ71が設けられている。
なお、第1収容部21及び第2収容部22は、支持フレーム70R,70Lに底板等が設けられてその上に容器16が載置される構成としてもよいし、底板等は設けられず、例えば容器16が載置された台車等が挿入されるスペースとしてもよい。
ワーク移送ユニット7は、略直方体形状の枠状の支持フレーム31を有している。支持フレーム31には、ワーク移送ロボット30が設けられている。ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11から食品トレー14を排出する場合には、第1収容部21より取り出された容器16にワーク搬送コンベア11から食品トレー14を移送する。一方、ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11に食品トレー14を供給する場合には、第2収容部22より取り出された容器16から食品トレー14をワーク搬送コンベア11に移送する。
容器搬送コンベア40と、第1容器移送ロボット41と、第2容器移送ロボット42とは、搬送装置48を構成する。容器搬送コンベア40は、容器16をワーク移送ロボット30の作業位置46(図3に示すワーク移送ロボット30の下方の位置)を含む搬送経路に沿って搬送する。第1容器移送ロボット41は、第1収容部21と容器搬送コンベア40との間で食品トレー14が収容されていない容器16を移送する。第2容器移送ロボット42は、第2収容部22と容器搬送コンベア40との間で食品トレー14が収容された容器16を移送する。
(1−2−2.第1容器移送ユニット、第2容器移送ユニット)
図4及び図5に示すように、第1容器移送ユニット5が備える第1容器移送ロボット41及び第2容器移送ユニット6が備える第2容器移送ロボット42は、容器16を保持するロボットハンド43と、ロボットハンド43を上下方向(Z軸方向ともいう)に移動させる上下移動機構50と、ロボットハンド43を上下方向に垂直な水平方向(この例では前後方向。Y軸方向ともいう)に移動させる水平移動機構60と、を有する。上下移動機構50は、水平移動機構60によりロボットハンド43と共に前後方向に移動される。
図5に示すように、上下移動機構50は、Z軸モータ51と、ベルト52と、駆動プーリ53と、複数の従動プーリ54とを有する。また上下移動機構50は、上下端間に2本のガイド部材としての中空シャフト55が取り付けられたカバー56を有する。2本の中空シャフト55は前後方向に所定の間隔を空けて配置され、ベルト52、駆動プーリ53、従動プーリ54と共にカバー56によって覆われている。カバー56は、ワーク移送ユニット7側が開口している。各中空シャフト55は、水平移動機構60のスライダ63に設けられた上下2つのリニアブッシュ64にそれぞれ挿通され、スライダ63に対し上下方向に移動可能に設けられている。Z軸モータ51はスライダ63に取り付けられ、Z軸モータ51の出力軸に固定した駆動プーリ53を駆動する。ベルト52は、駆動プーリ53と、カバー56の内側の上部、下部の2箇所に取り付けられた従動プーリ54等に掛け回される。
図3に示すように、水平移動機構60は、Y軸モータ61と、ガイドレール62と、スライダ63とを有する。ガイドレール62は、支持フレーム70R,70Lの上部に設けられたベース65上に設けられている。Y軸モータ61は例えば回転型モータであり、例えばボールネジ機構等によりスライダ63をガイドレール62に沿って前後方向に移動させる。なお、Y軸モータ61としてリニアモータやエアシリンダ(前後の停止位置が決まっている場合)等を用いてもよい。また図4に示すように、ベース65上のガイドレール62の隣には、Y軸モータ61によるスライダ63の移動量を検出するリニアエンコーダ66(図3、図5では図示省略)がガイドレール62と略平行に設けられている。また、ベース65上の、ガイドレール62に対してリニアエンコーダ66と反対となる側には、Z軸モータ51等の配線ケーブルを敷設するケーブルラック67(図3では図示省略)が設けられている。上記スライダ63の一部、ガイドレール62、及びケーブルラック67等は、カバー68(図3、図5では図示省略)により覆われている。
上下移動機構50が、Z軸モータ51によりベルト52を駆動することにより、カバー56がスライダ63に対し中空シャフト55により案内されながら上下方向に移動し、これによりロボットハンド43が上下方向に移動する。なお、上下移動機構50の駆動方法は、ベルト駆動方式に限定されるものではなく、例えばラックアンドピニオンやボールネジ方式でもよい。また水平移動機構60が、Y軸モータ61を駆動することにより、スライダ63がガイドレール62に案内されながら前後方向に移動し、カバー56が前後方向に移動する。これにより、ロボットハンド43が前後方向に移動する。
図4及び図5に示すように、ロボットハンド43は、カバー56の下端の前後方向略中央部に連結部材49及びエアチャック45を介して取り付けられる。エアチャック45の下端には、θ軸モータ44等により生じる油やゴミの落下を防止するエアチャックカバー46aが取り付けられている。エアチャック45は空気圧によりロボットハンド43を開閉駆動させ、容器16を両側から把持して保持する。θ軸モータ44(回転機構の一例)は、エアチャック45及びロボットハンド43を上下方向に平行な軸(Z軸)回りに回転させる。これにより、第1容器移送ロボット41及び第2容器移送ロボット42は、ロボットハンド43に保持された容器16をZ軸回りに回転させることが可能である。また、上記のロボットハンド43はエア駆動式に限られず電動駆動式ハンド等にすることも可能であり、回転させるθ軸モータ44もエア式ロータリーアクチュエータ等で代用することは可能である。
(1−2−3.ワーク移送ユニット)
図4及び図5に示すように、ワーク移送ユニット7は、支持フレーム31と、ワーク移送ロボット30と、制御ボックス32と、を備える。制御ボックス32は、ワーク移送ロボット30の動作を制御する図示しないコントローラを収容する。図5に示すように、支持フレーム31は、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32との間に容器搬送コンベア40が挿通される間隙Sが設けられるように、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32とを支持する。これにより、制御ボックス32が容器搬送コンベア40の下方に配置されると共に、ワーク移送ロボット30が容器搬送コンベア40の上方に配置される。また図5に示すように、支持フレーム31の上部の前方部下面には、ワーク搬送コンベア11上の食品トレー14等を検出するワーク検出カメラ33が設置されている。
ワーク移送ロボット30は、パラレルリンクロボットである。支持フレーム31の上部に取り付けられた基礎部38と下方の可動プレート34とが、3組のリンク部35により連結されており、可動プレート34の下端にワーク把持用ハンド36が設けられている。これら3組のリンク部35を基礎部38の図示しないアクチュエータで個別に制御することによって、可動プレート34を3軸方向に自由に移動させ、所望の位置に位置決めすることができる。支持フレーム31の四隅の下端には、床FLへの設置用のキャスタ付きアジャスタ37がそれぞれ設けられている。なお、ワーク移送ロボット30はパラレルリンクロボットに限定されるものではなく、例えば水平多関節型(スカラー式)、直動式、垂直多関節型等のロボットを使用できる。
(1−3.食品トレーを収容する容器の構造)
次に、容器16の構造の一例について図6〜図8を用いて説明する。
容器16は、ワークとしての食品トレー14を収容するための容器であり、コンテナ、番重等とも呼ばれる。容器16は、第1収容部21及び第2収容部22において、上下方向に積み重ねて収容される。図6Aは開口側から見た容器16の平面図、図6Bは底部側から見た容器16の底面図である。図6A及び図6Bに示すように、容器16は略長方形状の箱体であり、食品トレー14が収容される収容部81と、収容部81の開口部の周囲に形成されたつば部80と、を有する。収容部81は底部83を備える。収容部81の内壁面のうち一方の短辺側(図6A中左側)には、溝の長手方向に直交する断面積が比較的大きい2つの切欠き溝82aが設けられ、他方の短辺側(図6A中右側)には、溝の長手方向に直交する断面積が比較的小さい2つの切欠き溝82bが設けられている。2つの切欠き溝82a及び2つの切欠き溝82bは、それぞれ容器16の長手方向に沿う中心線hに対して略線対称な位置に配置されている。また、2つの切欠き溝82aの間隔は、2つの切欠き溝82bの間隔よりも長くなるように配置されている。
図6Bに示すように、収容部81の外壁面のうち一方の短辺側(図6B中左側)には、上記切欠き溝82aに対応した位置及び大きさに形成された2つの突条部84aが設けられ、他方の短辺側(図6B中右側)には、上記切欠き溝82bに対応した位置及び大きさに形成された2つの突条部84bが設けられている。
図7Aに示すように、複数の容器16を、切欠き溝82aと突条部84a、切欠き溝82bと突条部84bが対応する向きで上下に積み重ねると、上下に隣接する容器16のうちの下の容器16(実線で示す)の2つの切欠き溝82aに上の容器16(破線で示す)の2つの突条部84aが嵌合すると共に、下の容器16の2つの切欠き溝82bに上の容器16の2つの突条部84bが嵌合する。これにより、図7Bに示すように、下の容器16の収容部81に上の容器16の収容部81が深く挿入された状態となり、積み重ねられた複数の容器16の積み重ね寸法Hを小さくすることができる。このような積み重ねは、食品トレー14が収容されていない複数の容器16が第1収容部21に収容される際に行われる。
一方、図8Aに示すように、複数の容器16を、切欠き溝82aと突条部84b、切欠き溝82bと突条部84aが対応する向き、言い換えると、図7Aに示す状態から上の容器16を紙面に垂直な方向(Z軸方向)の周りに180°回転させた向きで積み重ねると、次のようになる。すなわち、上下に隣接する容器16のうちの下の容器16(実線で示す)の2つの切欠き溝82aに上の容器16(破線で示す)の2つの突条部84bが位置及び大きさが異なることから嵌合しないと共に、下の容器16の2つの切欠き溝82bに上の容器16の2つの突条部84aが位置及び大きさが異なることから嵌合しない。これにより、図8Bに示すように、下の容器16の収容部81に上の容器16の収容部81が浅く挿入された状態となり、積み重ねられた複数の容器16の積み重ね寸法Hは大きくなる。したがって、各容器16の収容部81に食品トレー14の収容スペースを確保することができる。このような積み重ねは、食品トレー14が収容された複数の容器16が第2収容部22に収容される際に行われる。
なお、容器16の上記構造は一例であり、積み重ねる際の向きに応じて積み重ね寸法が異なるような構造であれば、容器16を他の構造としてもよい。例えば、上記では容器16の短辺側に切欠き溝及び突条部を設けたが、これに代えて又は加えて、容器16の長辺側に同様の構造の切欠き溝及び突条部を設けてもよい。
(1−4.ワーク作業装置の供給動作)
次に、図9を用いて、上流側に配置されたワーク作業装置3の供給動作の一例について説明する。なお、供給動作の理解を容易とするため、図9では、容器16及び食品トレー14等を破線にて図示している。
図9に示すように、ワーク作業装置3により食品トレー14をワーク搬送コンベア11に供給する際には、まず、第2容器移送ユニット6の第2収容部22に、食品13が充填された食品トレー14が収容された複数の容器16が上下方向に積み重ねて収容される。この際、上述したように、複数の容器16は切欠き溝82aと突条部84b、切欠き溝82bと突条部84aが対応する向きで積み重ねられる。なお、この収容作業は、例えば第2容器移送ロボット42や他のロボットにより行われてもよいし、作業者によって行われてもよい。次に、第2容器移送ロボット42のY軸モータ61及びZ軸モータ51が駆動して水平移動機構60及び上下移動機構50を動作させ、ロボットハンド43が第2収容部22の最上段の容器16の上方に移動して容器16を保持する。次に、容器16を保持したロボットハンド43が前方に移動して、容器16を第2収容部22から容器搬送コンベア40の一端部(図9中左端部)近傍に移送し、保持を解除して容器16を容器搬送コンベア40上に載置する。このようにして、第2容器移送ロボット42は第2収容部22の容器16を適宜のタイミングで容器搬送コンベア40へ移送する。
容器搬送コンベア40は、容器16が載置されると、容器16をワーク移送ユニット7のワーク移送ロボット30の作業位置46に搬送する。ワーク移送ロボット30は、リンク部35及びワーク把持用ハンド36の動作を制御し、作業位置46に搬送された容器16内の食品トレー14をワーク把持用ハンド36で把持し、容器16から取り出す。そして、ワーク移送ロボット30は、取り出した食品トレー14をワーク搬送コンベア11に移動し、把持を解除して食品トレー14をワーク搬送コンベア11に供給する。容器16からの食品トレー14の供給が繰り返されて容器16が空になると、容器搬送コンベア40は空の容器16を作業位置46から第1容器移送ユニット5へ搬送し、容器16を容器搬送コンベア40の他端部(図9中右端部)近傍に位置させる。
第1容器移送ユニット5では、第1容器移送ロボット41のY軸モータ61及びZ軸モータ51が駆動して水平移動機構60及び上下移動機構50を動作させ、ロボットハンド43が容器搬送コンベア40上の容器16の上方に移動して容器16を保持する。次に、容器16を保持したロボットハンド43が後方に移動して、容器16を容器搬送コンベア40から第1収容部21に移送し、保持を解除して容器16を第1収容部21に収容する。第1容器移送ロボット41は、空の容器16が第1容器移送ユニット5へ搬送されてくるたびに第1収容部21に移送し、第1収容部21に複数の容器16を上下方向に積み重ねて収容する。この第1収容部21への容器16の移送の際に、第1容器移送ロボット41は、θ軸モータ44により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させて、上述した切欠き溝82aと突条部84a、切欠き溝82bと突条部84bが対応する向きにする。これにより、第1収容部21に空の容器16を積み重ね寸法を小さくして収容することができる。
なお、上記では容器16の回転を第1容器移送ユニット5側で行ったが、第2容器移送ユニット6側で行ってもよい。すなわち、第2収容部22から容器搬送コンベア40への容器16の移送の際に、第2容器移送ロボット42がθ軸モータ44により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させてもよい。この場合、第1容器移送ユニット5側での回転は不要となる。
(1−5.ワーク作業装置の排出動作)
次に、図10を用いて、下流側に配置されたワーク作業装置3の排出動作の一例について説明する。なお、排出動作の理解を容易とするため、図10では、容器16及び食品トレー14等を破線にて図示している。
図10に示すように、ワーク作業装置3によりワーク搬送コンベア11から食品トレー14を排出する際には、まず、第1容器移送ユニット5の第1収容部21に、食品トレー14が収容されていない空の複数の容器16が上下方向に積み重ねて収容される。この際、上述したように、複数の容器16は切欠き溝82aと突条部84a、切欠き溝82bと突条部84bが対応する向きで積み重ねられる。なお、この収容作業は、例えば第1容器移送ロボット41や他のロボットにより行われてもよいし、作業者によって行われてもよい。次に、第1容器移送ロボット41のY軸モータ61及びZ軸モータ51が駆動して水平移動機構60及び上下移動機構50を動作させ、ロボットハンド43が第1収容部21の最上段の容器16の上方に移動して容器16を保持する。次に、容器16を保持したロボットハンド43が前方に移動して、容器16を第1収容部21から容器搬送コンベア40の一端部(図10中右端部)近傍に移送し、保持を解除して容器16を容器搬送コンベア40上に載置する。このようにして、第1容器移送ロボット41は第1収容部21の容器16を適宜のタイミングで容器搬送コンベア40へ移送する。
容器搬送コンベア40は、容器16が載置されると、容器16をワーク移送ユニット7のワーク移送ロボット30の作業位置46に搬送する。ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11により搬送された食品13が収容されていない空の食品トレー14をワーク把持用ハンド36で把持し、作業位置46の容器16に移動し収容する。このようにして、ワーク搬送コンベア11から空の食品トレー14が回収、排出される。容器16への食品トレー14の収容が繰り返されて容器16が食品トレー14で満たされると、容器搬送コンベア40は食品トレー14が収容された容器16を作業位置46から第2容器移送ユニット6へ搬送し、容器16を容器搬送コンベア40の他端部(図10中左端部)に位置させる。
第2容器移送ユニット6では、第2容器移送ロボット42のY軸モータ61及びZ軸モータ51が駆動して水平移動機構60及び上下移動機構50を動作させ、ロボットハンド43が容器搬送コンベア40上の容器16の上方に移動して容器16を保持する。次に、容器16を保持したロボットハンド43が後方に移動して、容器16を容器搬送コンベア40から第2収容部22に移送し、保持を解除して容器16を第2収容部22に収容する。第2容器移送ロボット42は、空の食品トレー14が収容された容器16が第2容器移送ユニット6へ搬送されてくるたびに第2収容部22に移送し、第2収容部22に複数の容器16を上下方向に積み重ねて収容する。この第2収容部22への容器16の移送の際に、第2容器移送ロボット42は、θ軸モータ44により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させて、上述した切欠き溝82aと突条部84b、切欠き溝82bと突条部84aが対応する向きにする。これにより、第2収容部22における複数の容器16の積み重ね寸法を大きくして、食品トレー14を押圧することなく容器16を積み重ねることができる。
なお、上記では容器16の回転を第2容器移送ユニット6側で行ったが、第1容器移送ユニット5側で行ってもよい。すなわち、第1収容部21から容器搬送コンベア40への容器16の移送の際に、第1容器移送ロボット41がθ軸モータ44により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させてもよい。この場合、第2容器移送ユニット6側での回転は不要となる。
(1−6.第1実施形態の効果)
以上説明したように、食品トレー14を搬送するワーク搬送コンベア11に対して食品トレー14の供給又は排出の少なくとも一方を行うワーク作業装置3であって、食品トレー14を収容するための容器16を収容する収容部(上記実施形態では第1収容部21、第2収容部22)と、容器16を所定の作業位置46と上記収容部との間で搬送する搬送装置48と、作業位置46に搬送された容器16とワーク搬送コンベア11との間で食品トレー14を移送するワーク移送ロボット30と、を有する。
本実施形態のワーク作業装置3では、ワーク搬送コンベア11から食品トレー14を排出する場合には、搬送装置48により収容部(上記実施形態では第1収容部21)から作業位置46に搬送された空の容器16に、ワーク移送ロボット30によりワーク搬送コンベア11から食品トレー14を移送する。また、ワーク搬送コンベア11に食品トレー14を供給する場合には、搬送装置48により収容部(上記実施形態では第2収容部22)から作業位置46に搬送された、食品トレー14が収容された容器16から、ワーク移送ロボット30によりワーク搬送コンベア11に食品トレー14を移送する。このようにして、ワーク搬送コンベア11に対する食品トレー14の供給及び排出を自動化できるので、作業効率を向上できると共に省人化できる。また、ワーク作業装置3が、収容部、搬送装置48、及びワーク移送ロボット30を有しており、それらを単一の装置として集約配置することができるので、省スペース化が可能となる。さらに、ワーク作業装置3を、供給装置及び排出装置として機能させることができるので、一台のワーク作業装置3を各装置として兼用できる。
また、本実施形態では特に、上記収容部が第1収容部21と第2収容部22で構成されており、搬送装置48は、食品トレー14を排出する場合には、第1収容部21の容器16を作業位置46に搬送すると共に作業位置46から第2収容部22に搬送し、食品トレー14を供給する場合には、第2収容部22の容器16を上記作業位置46に搬送すると共に作業位置46から第1収容部21に搬送する。
本実施形態おいては、ワーク作業装置3は第1収容部21と第2収容部22を有する。これにより、第1収容部21には空の容器16を収容し、第2収容部22には食品トレー14が充填された容器16を収容することができる。その結果、食品トレー14を排出する場合には、第1収容部21から作業位置46に搬送された空の容器16に食品トレー14を回収し、当該容器16を第2収容部22に搬送して収容しておくことができる。また、食品トレー14を供給する場合には、第2収容部22から作業位置46に搬送された食品トレー14が充填された容器16からワーク搬送コンベア11に食品トレー14を供給し、食品トレー14が取り出された空の容器16を第1収容部21に搬送して収容しておくことができる。このようにすることで、例えば収容部が1つしかない場合に比べて、食品トレー14の排出及び供給の作業効率を大幅に向上できる。
また、本実施形態では特に、搬送装置48は、容器16を上記作業位置46を含む搬送経路に沿って搬送する容器搬送コンベア40と、第1収容部21と容器搬送コンベア40との間で容器16を移送する第1容器移送ロボット41と、第2収容部22と容器搬送コンベア40との間で容器16を移送する第2容器移送ロボット42と、を有する。
このように、第1収容部21及び第2収容部22への容器16の出し入れにロボットを用いることにより、例えば容器16を複数軸方向(Z軸方向、Y軸方向)に移送したり回転させたりしつつ、収容部21,22に対して出し入れすることが可能となる。これにより、第1収容部21及び第2収容部22による容器16の収容の態様を拡大できると共に、各収容部21,22の設計の自由度を向上できる。
また、本実施形態では特に、第1収容部21と第1容器移送ロボット41は、第1容器移送ユニット5としてユニット化されており、第2収容部22と第2容器移送ロボット42は、第2容器移送ユニット6としてユニット化されている。
これにより、ワーク作業装置3を、大別して第1容器移送ユニット5、第2容器移送ユニット6、及び容器搬送コンベア40等の複数のユニットで構成できる。その結果、ワーク作業装置3の設置や移設の際の作業性を向上できる。また、収容部21,22と容器移送ロボットを単一のユニットとしてコンパクト化できるので、更なる省スペース化が可能となる。
また、本実施形態では特に、第1容器移送ロボット41及び第2容器移送ロボット42は、容器16を保持するロボットハンド43と、ロボットハンド43を上下方向に移動させる上下移動機構50と、ロボットハンド43を上下方向に垂直な水平方向(上記実施形態では前後方向)に移動させる水平移動機構60と、を有する。
これにより、第1収容部21及び第2収容部22において容器16を上下方向に積み重ねて収容することが可能となる。また、各収容部21,22の上下方向寸法及び上下移動機構50のストローク長を大きくすることで、第1収容部21及び第2収容部22の収容能力を向上できる。
また、本実施形態では特に、容器搬送コンベア40は、上記搬送経路がワーク搬送コンベア11の搬送方向に沿うように配置され、第1容器移送ユニット5及び第2容器移送ユニット6は、水平移動機構60による移動方向がワーク搬送コンベア11の搬送方向と略垂直となるように配置される。
これにより、搬送方向に長尺な形状の容器搬送コンベア40をワーク搬送コンベア11に略平行に配置することができるので、ワーク作業装置3の奥行き寸法(前後方向の寸法)を抑えることができる。また、水平移動機構60による移動方向に長い略長方形の第1容器移送ユニット5及び第2容器移送ユニット6を、長辺がワーク搬送コンベア11に略垂直となるように配置できるので、ワーク作業装置3の幅寸法(左右方向の寸法)を抑えることができる。したがって、更なる省スペース化が可能となる。
また、本実施形態では特に、第1収容部21及び第2収容部22は、容器16を上下方向に積み重ねて収容し、容器16は、積み重ねる際の向きに応じて積み重ね寸法が異なるように構成されており、第1容器移送ロボット41及び第2容器移送ロボット42は、ロボットハンド43を上下方向に平行なZ軸回りに回転させるθ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)を有する。
これにより、空の容器16が収容される第1収容部21においては、積み重ね寸法が小さくなる向きで容器16を積み重ねて収容することが可能となるので、第1収容部21の容器16の収容数を増大できる。一方、食品トレー14が収容された容器16が収容される第2収容部22においては、積み重ね寸法が大きくなる向きで積み重ねて収容することで、食品トレー14の載置スペースを確保しつつ(押しつぶすことなく)容器16を積み重ねることができる。そして、各収容部21,22に対する出し入れの際に、第1容器移送ロボット41又は第2容器移送ロボット42のθ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)により容器16の向きを上記に対応した向きとすることができる。
また、本実施形態では特に、ワーク移送ロボット30は、ワーク移送ユニット7としてユニット化されており、ワーク移送ユニット7は、ワーク移送ロボット30の動作を制御するコントローラを収容する制御ボックス32と、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32との間に容器搬送コンベア40が挿通される間隙Sが設けられるように、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32を支持する支持フレーム31と、を有する。
これにより、ワーク移送ユニット7では、制御ボックス32が容器搬送コンベア40の下方に配置されると共に、ワーク移送ロボット30が容器搬送コンベア40の上方に配置される。これにより、上面視においてワーク移送ロボット30や制御ボックス32を容器搬送コンベア40に対して重なるように配置できるので、ワーク作業装置3の設置スペースを縮小でき、更なる省スペース化が可能となる。
また、本実施形態では特に、ワーク移送ロボット30は、パラレルリンクロボットである。これにより、食品トレー14を高速、高精度、広範囲に移送できるので、ワーク作業装置3の作業効率を向上できる。
(1−7.変形例)
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1−7−1.ストック装置として使用する場合)
上記実施形態では、ワーク作業装置3を供給装置、排出装置として使用する場合について説明したが、ワークをストックするストック装置として使用してもよい。図11及び図12を用いて、本変形例の作業ライン1Aについて説明する。なお、ストック動作の理解を容易とするため、図11及び図12では、容器16及び食品容器12等を破線にて図示している。
図11及び図12に示すように、本変形例の作業ライン1Aは、前工程装置8と、後工程装置9と、ワーク搬送コンベア11と、ワーク作業装置3と、を備えている。前工程装置8は、例えば食品容器12への食品13の盛り付け等の工程に関わる装置であり、例えば前述の実施形態の作業ライン1等に相当する。また、後工程装置9は、前工程装置8により食品13の盛り付けが完了した食品容器12に対しフタの取り付け等の工程を行う装置である。
本変形例のワーク作業装置3は、搬送コンベア11の近傍に配置され、ワーク搬送コンベア11により搬送される食品容器12を回収して一時的にストック(バッファリングともいう)し、ストックした食品容器12を搬送コンベア11に供給する。ワーク作業装置3の構成は、前述の図2〜図5に示すワーク作業装置3と同じであるので説明を省略する。
図11に示すように、例えば後工程装置9に不具合等が生じ、ワーク搬送コンベア11上に食品容器12(ワークの一例)が滞留した場合、ワーク作業装置3は次のように動作する。まず、第1容器移送ユニット5の第1収容部21に、食品容器12が収容されていない空の複数の容器16が上下方向に積み重ねて収容される。この際、上述したように、複数の容器16は切欠き溝82aと突条部84a、切欠き溝82bと突条部84bが対応する向きで積み重ねられる。なお、この収容作業は、例えば第1容器移送ロボット41や他のロボットにより行われてもよいし、作業者によって行われてもよい。
次に、第1容器移送ロボット41のロボットハンド43が、第1収容部21の食品容器12が収容されていない空の容器16を把持して容器搬送コンベア40に移送する。容器搬送コンベア40は、容器16をワーク移送ユニット7のワーク移送ロボット30の作業位置46に搬送する。ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11により搬送される食品容器12をワーク把持用ハンド36で回収し、作業位置46の容器16に移動して収容する。容器16が食品容器12で満たされると、容器搬送コンベア40は容器16を作業位置46から第2容器移送ユニット6へ搬送する。
第2容器移送ユニット6では、第2容器移送ロボット42のロボットハンド43が容器16を容器搬送コンベア40から第2収容部22に移送し、収容する。この移送の際に、第2容器移送ロボット42は、θ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させて、上述した切欠き溝82aと突条部84b、切欠き溝82bと突条部84aが対応する向きにする。なお、この容器16の回転は第1容器移送ユニット5側で行われてもよい。このようにして、ワーク作業装置3は後工程装置9の不具合等が解消するまでの間、食品容器12を第2収容部22に一時的にストックする。なお、第2収容部22が容器16により一杯になった場合には、容器16が第2収容部22から適宜取り出される。
その後、図12に示すように、後工程装置9の不具合等が解消して、ワーク搬送コンベア11上の食品容器12の滞留が解消した場合には、ワーク作業装置3は次のように動作する。すなわち、第2容器移送ユニット6において、第2容器移送ロボット42のロボットハンド43が第2収容部22から食品容器12が収容された容器16を容器搬送コンベア40に移送する。
容器搬送コンベア40は、容器16をワーク移送ユニット7のワーク移送ロボット30の作業位置46に搬送する。ワーク移送ロボット30は、搬送された容器16からワーク把持用ハンド36により食品容器12を取り出してワーク搬送コンベア11に移動し、食品容器12をワーク搬送コンベア11に再供給する。容器搬送コンベア40は、作業位置46の容器16が空になると、当該空の容器16を第1容器移送ユニット5へ搬送する。
第1容器移送ユニット5では、第1容器移送ロボット41のロボットハンド43が容器16を容器搬送コンベア40から第1収容部22に移送し、収容する。この移送の際に、第1容器移送ロボット41は、θ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)により容器16を1つ置きにZ軸周りに180°回転させて、上述した切欠き溝82aと突条部84a、切欠き溝82bと突条部84bが対応する向きに戻される。なお、この容器16の回転は第2容器移送ユニット6側で行われてもよい。
本変形例によれば、次の効果を奏する。すなわち、一般に、工程ラインはワーク搬送コンベア11に沿って各工程に関わる装置が配置されて構築されるが、一部の装置に不具合等が生じた場合、その装置に対する食品容器12の供給を停止するのが好ましい。このため、工程ラインを停止できない場合には、例えば作業員10が手作業にて食品容器12を回収してコンテナ等に一時的にストックし、装置の修復後にはストックされた食品容器12をワーク搬送コンベア11に戻す、といった緊急対応が行われる。
本変形例によれば、ワーク作業装置3により食品容器12の一時的なストック及びワーク搬送コンベア11への供給を自動的に行うことができる。これにより、上記緊急対応のための人員の確保が不要となるので、更なる省人化が可能となる。また、ワーク作業装置3を、供給装置、排出装置だけでなく、ストック装置(バッファリング装置ともいう)としても機能させることができるので、一台のワーク作業装置3を各装置として兼用できる。
(1−7−2.ワーク搬送コンベアで2列の食品トレーを搬送する場合)
上記実施形態では、ワーク作業装置3により食品トレー14をワーク搬送コンベア11上に1列に配置して搬送したが、幅広のワーク搬送コンベアを使用して食品トレー14をワーク搬送コンベア上に2列に配置して搬送してもよい。図13に当該変形例の作業ライン1Bの構成の一例を示す。
図13に示すように、本変形例の作業ライン1Bでは、ワーク搬送コンベア11Aが上記実施形態のワーク搬送コンベア11よりも大きな幅方向寸法を有している。ワーク搬送コンベア11A上の幅方向一方側(図13の上側)寄りの位置と、幅方向他方側(図13の下側)寄りの位置とに、食品容器12と食品トレー14とがそれぞれ混在して2列に配置され、搬送される。
図13に示す例では、ワーク搬送コンベア11Aの幅方向一方側(図13の上側)に2台のワーク作業装置3と3台の作業ロボット2と2人の作業員10が、幅方向他方側(図13の下側)に2台のワーク作業装置3と2台の作業ロボット2と3人の作業員10が、それぞれ配置されている。幅方向一方側の2台のワーク作業装置3と3台の作業ロボット2と2人の作業員10は、上流側(図13中左側)から下流側(図13中右側)に向けて、ワーク作業装置3、作業ロボット2、作業員10、作業ロボット2、作業員10、作業ロボット2、ワーク作業装置3の順に配置されている。幅方向他方側の2台のワーク作業装置3と2台の作業ロボット2と3人の作業員10は、上流側から下流側に向けて、ワーク作業装置3、作業員10、作業ロボット2、作業員10、作業ロボット2、作業員10、ワーク作業装置3の順に配置されている。各作業ロボット2と各作業員10は、搬送コンベア11Aの幅方向に対向するように配置され、各ワーク作業装置3は、幅方向に対向するように配置されている。
ワーク搬送コンベア11Aの上流側の幅方向一方側のワーク作業装置3と幅方向他方側のワーク作業装置3は、食品13が収容された食品トレー14をワーク搬送コンベア11Aの幅方向一方側(図13の上側)寄りの位置と幅方向他方側(図13の下側)寄りの位置とに、2列に配置されるように供給する。ワーク搬送コンベア11Aの幅方向一方側の3台の作業ロボット2と2人の作業員10の各々は、ワーク搬送コンベア11A上の幅方向一方側において上流側から流れてくる食品トレー14を引き込むとともに、食品トレー14と混在して流れてくる食品容器12に対し、食品トレー14から対応する種類の食品13を対応する位置に盛り付ける。幅方向他方側の2台の作業ロボット2と3人の作業員10の各々は、搬送コンベア11A上の幅方向他方側において上流側から流れてくる食品トレー14を引き込むとともに、食品トレー14と混在して流れてくる食品容器12に対し、食品トレー14から対応する種類の食品13を対応する位置に盛り付ける。ワーク搬送コンベア11Aの下流側の幅方向一方側のワーク作業装置3と幅方向他方側のワーク作業装置3は、各作業員10及び各作業ロボット2によってワーク搬送コンベア11Aに戻された空の食品トレー14を回収し、搬送コンベア11Aから排出する。本変形例のその他の構成は図1と同様である。
本変形例では、上記実施形態と比べて、搬送コンベア11Aにより搬送する食品容器12の数を2倍に増やすことができ、搬送コンベア11Aを長くすることなく工程数を増やすことができる。したがって、生産性を2倍に向上することが可能となる。また、作業ロボット2と作業員10を対向して配置するので、作業ロボット2に不具合等が生じた場合に、例えば対向する作業員10が一時的に2列分の盛り付け作業を行う等の緊急対応が可能となり、工程ラインの停止を回避できる。
(1−7−3.その他)
以上では、第1収容部21に食品トレー14が収容されていない空の容器16を収容し、第2収容部22に食品トレー14が収容された容器16を収容する場合について説明したが、反対に、第2収容部22に空の容器16を収容し、第1収容部21に食品トレー14が収容された容器16を収容する構成としてもよい。この場合、前述の図9及び図10で説明した供給時及び排出時の容器16の流れを反対方向とすればよい。
また以上では、第1容器移送ロボット41及び第2容器移送ロボット42の両方がθ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)を有する構成としたが、どちらか一方のみがθ軸モータ44(又はエア式回転機構でもよい)を有する構成としてもよい。
また以上では、ワーク作業装置3が2つの収容部21,22を有する場合を説明したが、収容部の数は2に限定されるものではなく、1又は3以上でもよい。例えば収容部が1つである場合、食品トレー14を排出する際には、空の容器16を収容部から作業位置46に搬送し、ワーク移送ロボット30により食品トレー14が収容された容器16を再度収容部に戻せばよい。また、食品トレー14を供給する際には、食品トレー14が収容された容器16を収容部から作業位置46に搬送し、ワーク移送ロボット30により食品トレー14が取り出された空の容器16を再度収容部に戻せばよい。
また以上では、作業ライン1で行われる作業が食品の盛付け作業である場合を一例として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば工業製品の筐体に対する機械部品や電気部品の組み付け作業等が行われる作業ライン等に対しても、本発明は適用可能である。また以上では、ワーク作業装置3が取り扱うワークが食品トレー14や食品容器12である場合について説明したが、ワークは食品そのもの(例えばおにぎりやサンドイッチ等)でもよいし、上記組み付け作業等が行われる場合には機械部品や電気部品等でもよい。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。近年、品種の多様化等に対応するために、工場における作業ラインのラインスペースはさらなる省スペース化が要望されている。本実施形態はこのような要望に対応するために、ワーク作業装置の構造を簡素化して小型化したものである。
(2−1.ワーク作業装置の構成)
第2実施形態におけるワーク作業装置90の構成の一例について図14〜図16を用いて説明する。なお、煩雑防止のため、これら図14〜図16では、容器16を破線にて図示している。
図16に示すように、ワーク作業装置90は、食品トレー14(ワークの一例)を収容するための容器16を収容する第1収容部141(収容部の一例)及び第2収容部142(収容部の一例)と、容器16を所定の作業位置93と第1収容部141及び第2収容部142との間で搬送する搬送装置100と、作業位置93に搬送された容器16とワーク搬送コンベア11との間で食品トレー14を移送するワーク移送ロボット30と、を有する。
搬送装置100は、食品トレー14をワーク搬送コンベア11から排出する場合には、第1収容部141に載置された空の状態の容器16を作業位置93に搬送すると共に、ワーク移送ロボット30により食品トレー14が充填された容器16を作業位置93から第2収容部142に搬送する。また、搬送装置100は、食品トレー14をワーク搬送コンベア11に供給する場合には、第2収容部142に載置された食品トレー14が充填された状態の容器16を作業位置93に搬送すると共に、ワーク移送ロボット30により空の状態となった容器16を作業位置93から第1収容部141に搬送する。
搬送装置100は、容器16を作業位置93を含む上下方向の搬送経路に沿って搬送する第1容器搬送機構110と、第1収容部141と第1容器搬送機構110との間で容器16を略水平方向の搬送経路に沿って搬送する第2容器搬送機構120と、第2容器搬送機構120の上方に配置され、第2収容部142と第1容器搬送機構110との間で容器16を略水平方向の搬送経路に沿って搬送する第3容器搬送機構130と、を有する。なお、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130の配置関係を反対とし、第2容器搬送機構120を第3容器搬送機構130の上方に配置してもよい。
作業位置93は、第1容器搬送機構110による上下方向の搬送経路の下端、且つ、第2容器搬送機構120による前後方向の搬送経路の前端に位置している。第1収容部141は、第2容器搬送機構120による前後方向の搬送経路の後端に位置し、第2収容部142は、第3容器搬送機構130による前後方向の搬送経路の後端に位置する。
上記ワーク移送ロボット30、第1容器搬送機構110、第2容器搬送機構120、及び第3容器搬送機構130は、ワーク作業ユニット95としてユニット化されている。
図14及び図16に示すように、ワーク作業ユニット95は、上フレーム部91a、メインフレーム部91b、下フレーム部91cを備えた支持フレーム91を有する。メインフレーム部91bは、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130の設置位置が上下方向から見て重複する(本例では、第2容器搬送機構120が下側、第3容器搬送機構130が上側となる)ように、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130を支持する。
上フレーム部91aは、メインフレーム部91bの上部において前方側に突出した枠状のフレームであり、この上フレーム部91aにワーク移送ロボット30の基礎部38が取り付けられている。基礎部38には、下端にワーク把持用ハンド36を有する可動プレート34が3組のリンク部35により連結される。
また、図15及び図16に示すように、下フレーム部91cは、メインフレーム部91bの下部において前方側に突出した枠状のフレームであり、この下フレーム部91cに制御ボックス32が設置されている。支持フレーム91は、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32との間に、容器搬送コンベア121の一端が挿入される間隙S1が設けられるように、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32とを支持する。これにより、制御ボックス32が容器搬送コンベア121の下方に配置されると共に、ワーク移送ロボット30が容器搬送コンベア121の上方に配置される。また、支持フレーム91の上フレーム部91aには、ワーク搬送コンベア11上の食品トレー14等を検出する図示しないワーク検出カメラが設置されている。また、下フレーム91cの下端には、床FLへの設置用の複数のキャスタ付きアジャスタ92が設けられている。
図15及び図16に示すように、第1容器搬送機構110は、容器支持台112と、Z軸モータ113と、ボールねじ機構を構成するねじ軸111とを有する。ねじ軸111は、支持フレーム91の左右両側のメインフレーム部91bのそれぞれに上下方向に沿って設けられている。容器支持台112は、容器16の底面を支持する枠状の支持部材であり、左右両側のねじ軸111のそれぞれに図示しないナットを介して上下方向に移動自在に取り付けられている。Z軸モータ113は、各ねじ軸111の下端部に設けられた回転型モータであり、ねじ軸111を回転させることにより容器支持台112を上下方向に駆動する。これにより、第1容器搬送機構110は、容器支持台112に支持された容器16を作業位置93を含む上下方向の搬送経路に沿って搬送する。
なお、第1容器搬送機構110は、ボールねじによる駆動機構以外にも、例えばベルト駆動、ラック・アンド・ピニオンによる駆動機構としてもよい。
図16に示すように、第2容器搬送機構120は、容器搬送コンベア121(第3搬送コンベアの一例)と、コンベアモータ123と、一対のガイドレール122とを有する。
容器搬送コンベア121は、第1収容部141と第1容器搬送機構110(作業位置93)とに亘るように、ワーク搬送コンベア11の搬送方向と略直角の搬送経路(この例では前後方向)に沿うように配置されている。図16に示すように、容器搬送コンベア121上の後方側の空間が第1収容部141を構成する。また、容器搬送コンベア121の前方側端部は、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32との間に配置される。容器搬送コンベア121は、前後方向の中間部を支持フレーム91のメインフレーム部91bに支持され、後端部をコンベアフレーム124に支持されている。コンベアフレーム124の下端には、床FL設置用のキャスタ付きアジャスタ124aが設置されている。
図15及び図16に示すように、ガイドレール122は、容器16の左右両側の側面に接触するように、第1収容部141の左右両側に前後方向に沿って設けられたレール部材である。ガイドレール122の前端部は、支持フレーム91の左右両側のメインフレーム部91bの内側に取り付けられている。ガイドレール122は、容器搬送コンベア121によって搬送される容器16の左右両側面の上下方向中間部に接触し、容器16の第1収容部141と第1容器搬送機構110(作業位置93)との間の移動方向をガイドする。
コンベアモータ123は、容器搬送コンベア121の下部に設置された回転型モータである。第2容器搬送機構120は、コンベアモータ123により容器搬送コンベア121を駆動させることで、容器16をガイドレール122で案内しながら、容器16を第1収容部141と第1容器搬送機構110(作業位置93)との間の略水平な搬送経路に沿って前後方向に搬送する。
図16に示すように、第3容器搬送機構130は、フック部材131と、アクチュエータ132と、一対のガイドレール133とを有する。
フック部材131は、アクチュエータ132の可動部132bの例えば先端部(前端部)に取り付けられている。フック部材131は、容器16の開口部周囲のつば部80に係合可能に構成されている。可動部132bが前端位置(作業位置93の上方位置)に移動された場合には、フック部材131とつば部80とは、第1容器搬送機構110による容器16の上下動によって自動的に係合又は係合解除される。また、可動部132bが後端位置に移動された場合(言い換えると容器16が第2収容部142に移動された場合)には、フック部材131とつば部80とは、作業者の適宜の操作によって係合又は係合解除される。
アクチュエータ132は、第2収容部142の上方で前後方向に延びるようにメインフレーム部91bに取り付けられたベース部132aと、当該ベース部132aに沿って前後方向に所定のストロークで移動する可動部132bとを有する。アクチュエータ132は、可動部132bを前後方向に移動させることにより、フック部材131に係合された容器16を前後方向に移動することができる。アクチュエータ132は特に限定されるものではないが、例えばエアシリンダや、ボールねじによる駆動機構、ベルト駆動機構、ラック・アンド・ピニオンによる駆動機構等で構成される。
図14〜図16に示すように、ガイドレール133は、容器16の底面の左右両側の隅部を支持するレール部材であり、第2容器搬送機構120のガイドレール122の上方に前後方向に沿って設けられている。ガイドレール133の前端部は、支持フレーム91の左右両側のメインフレーム部91bの内側に取り付けられている。ガイドレール133は、フック部材131によって搬送される容器16の底面の左右両側の隅部に接触し、容器16の第2収容部142と第1容器搬送機構110(作業位置93の上方位置)との間の移動方向をガイドする。
第3容器搬送機構130は、アクチュエータ132により可動部132bを駆動させることで、容器16をガイドレール133で案内しながら、フック部材131により容器16を第2収容部142と第1容器搬送機構110(作業位置93の所定の上方位置)との間の略水平な搬送経路に沿って前後方向に搬送する。図16に示すように、ガイドレール133上の後方側の空間が第2収容部142を構成する。
(2−2.ワーク作業装置の排出動作)
次に、図17を用いて、ワーク作業装置90の排出動作の一例について説明する。なお、排出動作の理解を容易とするため、図17では、容器16を破線にて図示している。
図17に示すように、ワーク作業装置90によりワーク搬送コンベア11から食品トレー14を排出する際には、まず作業者が、食品トレー14が収容されていない空の容器16を容器搬送コンベア121上の後側の所定の位置、すなわち第1収容部141に載置する。なお、この載置作業は、例えばロボットにより行われてもよい。
次に、第2容器搬送機構120のコンベアモータ123が駆動し、容器搬送コンベア121が容器16を第1収容部141からワーク移送ロボット30による作業位置93に搬送する。このとき、作業位置93に搬送された容器16の底面は、第1容器搬送機構110の容器支持台112によって支持される。
なお、作業者は、容器16が容器搬送コンベア121により作業位置93に搬送された後は、容器16が第2収容部142まで搬送されるのを待たずに(例えばワーク移送ロボット30による排出作業中に)、空の容器16を第1収容部141に載置してもよい。この場合、容器16は作業位置93が空くまで第1収容部141に収容された状態となる。
ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11により搬送された食品13が収容されていない空の食品トレー14をワーク把持用ハンド36で把持し、作業位置93の容器16に移動し収容する。このようにして、ワーク搬送コンベア11から空の食品トレー14が回収、排出される。この排出作業は、容器16が食品トレー14で満たされるまで繰り返される。
次に、第1容器搬送機構110のZ軸モータ113が駆動してねじ軸111を回転させ、容器支持台112が容器16を作業位置93から上方に搬送する。容器16が所定の上方位置に到達すると、第3容器搬送機構130のフック部材131が容器16のつば部80に係合する。
次に、第3容器搬送機構130のアクチュエータ132が駆動し、フック部材131が容器16を後方に移動させてガイドレール133上の後側の所定の位置、すなわち第2収容部142に搬送する。容器16が第2収容部142に搬送されると、作業者がフック部材131の係合を解除して取り外し、食品トレー14が充填された容器16を第2収容部142から搬出する。
(2−3.ワーク作業装置の供給動作)
次に、図18を用いて、ワーク作業装置90の供給動作の一例について説明する。なお、供給動作の理解を容易とするため、図18では、容器16を破線にて図示している。
図18に示すように、ワーク作業装置90により食品トレー14をワーク搬送コンベア11に供給する際には、まず作業者が、食品13が充填された食品トレー14が収容された容器16をガイドレール133上の後側の所定の位置、すなわち第2収容部142に載置する。そして、作業者は容器16のつば部80に第3容器搬送機構130のフック部材131を係合させる。なお、この載置作業や係合作業は、例えばロボットにより行われてもよい。
次に、第3容器搬送機構130のアクチュエータ132が駆動し、フック部材131が容器16を前方に移動させて第2収容部142から作業位置93の上方位置に搬送する。このとき、容器16の底面は、第1容器搬送機構110の容器支持台112によって支持される。
なお、作業者は、容器16がアクチュエータ132により前方位置に搬送された後は、容器16が第1収容部141まで搬送されるのを待たずに(例えばワーク移送ロボット30による供給作業中に)、食品トレー14が充填された容器16を第2収容部142に載置してもよい。この場合、容器16は作業位置93が空くまで第2収容部142に収容された状態となる。
次に、第1容器搬送機構110のZ軸モータ113が駆動し、容器支持台112が容器16を下方に移動させて作業位置93に搬送する。このとき、フック部材131の係合は自動的に解除されて容器16から取り外される。作業位置93に搬送された容器16は、第2容器搬送機構120の容器搬送コンベア121上に載置される。
ワーク移送ロボット30は、作業位置93に搬送された容器16内の食品トレー14をワーク把持用ハンド36で把持し、容器16から取り出してワーク搬送コンベア11に移送する。このようにして、容器16からワーク搬送コンベア11に食品13が充填された食品トレー14が供給される。この供給作業は、容器16が空になるまで繰り返される。
容器16が空になると、第2容器搬送機構120のコンベアモータ123が駆動し、容器搬送コンベア121が空の容器16を作業位置93から第1収容部141へ搬送する。作業者は、第1収容部141に搬送された空の容器16を搬出する。
(2−4.ワーク作業装置のストック動作)
前述の第1実施形態と同様に、ワーク作業装置90は、ワーク搬送コンベア11により搬送される食品容器12を回収して一時的にストック(バッファリング)し、ストックした食品容器12をワーク搬送コンベア11に供給するストック装置として使用されてもよい。
前述の図11に示すように、例えば後工程装置9に不具合等が生じ、ワーク搬送コンベア11上に食品容器12(ワークの一例)が滞留した場合、まず作業者が、食品容器12が収容されていない空の容器16を容器搬送コンベア121上の第1収容部141に載置する。
次に、第2容器搬送機構120のコンベアモータ123が駆動し、容器搬送コンベア121が容器16を第1収容部141から作業位置93に搬送する。ワーク移送ロボット30は、ワーク搬送コンベア11により搬送される食品容器12をワーク把持用ハンド36で回収し、作業位置93の容器16に移動して収容する。
容器16が食品容器12で満たされると、第1容器搬送機構110はZ軸モータ113を駆動させて容器支持台112により容器16を作業位置93の上方位置に搬送する。このとき、第3容器搬送機構130のフック部材131が容器16のつば部80に係合する。
そして、第3容器搬送機構130のアクチュエータ132が駆動し、フック部材131が容器16を後方に移動させて第2収容部142に搬送する。作業者は、第2収容部142に搬送された容器16からフック部材131を取り外し、食品容器12が収容された容器16を第2収容部142から搬出して、適宜の待機場所(コンテナ等)に収容し待機させる。
その後、前述の図12に示すように、後工程装置9の不具合等が解消して、ワーク搬送コンベア11上の食品容器12の滞留が解消した場合には、まず作業者が、上記の待機場所に収容した容器16をコンテナ等から取り出して第2収容部142に載置し、容器16のつば部80に第3容器搬送機構130のフック部材131を係合させる。次に、第3容器搬送機構130のアクチュエータ132が駆動し、フック部材131が容器16を前方に移動させて第2収容部142から作業位置93の上方位置に搬送する。
次に、第1容器搬送機構110のZ軸モータ113が駆動し、容器支持台112が容器16を下方に移動させて作業位置93に搬送し、第2容器搬送機構120の容器搬送コンベア121上に載置する。ワーク移送ロボット30は、作業位置93に搬送された容器16から食品容器12を取り出してワーク搬送コンベア11に移動し、食品容器12をワーク搬送コンベア11に再供給する。
容器16からワーク搬送コンベア11への食品容器12の供給が繰り返されて作業位置93の容器16が空になると、第2容器搬送機構120のコンベアモータ123が駆動し、容器搬送コンベア121が空の容器16を作業位置93から第1収容部141に搬送する。第1収容部141に搬送された容器16は、作業者により搬出される。
(2−5.第2実施形態の効果)
以上説明した本実施形態のワーク作業装置90によれば、前述の第1実施形態と同様に、自動化による作業効率の向上及び省人化等の効果を奏すると共に、以下のような効果を得る。
すなわち、本実施形態のワーク作業装置90では、搬送装置100は、容器16を作業位置93を含む上下方向の搬送経路に沿って搬送する第1容器搬送機構110と、第1収容部141と第1容器搬送機構110との間で容器16を搬送する第2容器搬送機構120と、第2容器搬送機構120の上方に配置され、第2収容部142と第1容器搬送機構110との間で容器16を搬送する第3容器搬送機構130と、を有する。
このように、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130を上下方向に並設し、第1容器搬送機構110により作業位置93近傍で容器16を上下方向に搬送する構成とすることにより、ワーク作業ユニット95の幅方向両側に移送ユニット(第1実施形態の容器移送ユニット5,6等)を設置する必要が無くなる。その結果、ワーク作業装置90の幅方向寸法を大幅に短縮でき、設置スペースの大幅な縮小が可能となる。
また、本実施形態では特に、ワーク移送ロボット30、第1容器搬送機構110、第2容器搬送機構120、及び第3容器搬送機構130は、ワーク作業ユニット95としてユニット化されている。
これにより、ワーク作業装置90を単一のユニットとして構成できるので、ワーク作業装置90の設置や移設の際の作業性を向上できる。また、ワーク移送ロボット30と第1〜第3容器搬送機構110〜130を単一のユニットとしてコンパクト化できるので、更なる省スペース化が可能となる。
また、本実施形態では特に、ワーク作業ユニット95は、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130の設置位置が上下方向から見て重複するように、第2容器搬送機構120と第3容器搬送機構130を支持する支持フレーム91を有する。
これにより、ワーク作業装置90の設置スペースを縮小でき、更なる省スペース化が可能となる。
また、本実施形態では特に、第2容器搬送機構120は、容器16を第1収容部141と作業位置93との間で搬送する容器搬送コンベア121を備え、支持フレーム91は、ワーク移送ロボット30と、当該ワーク移送ロボット30の動作を制御するコントローラを収容する制御ボックス32と、の間に容器搬送コンベア121が挿入される間隙S1が設けられるように、ワーク移送ロボット30と制御ボックス32を支持する。これにより、次の効果を奏する。
すなわち、本実施形態では、ワーク作業装置90において、制御ボックス32が容器搬送コンベア121の下方に配置されると共に、ワーク移送ロボット30が容器搬送コンベア121の上方に配置される。これにより、上面視においてワーク移送ロボット30や制御ボックス32を容器搬送コンベア121に対して重なるように配置できるので、ワーク作業装置90の設置スペースを縮小でき、更なる省スペース化が可能となる。
(2−6.変形例)
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(2−6−1.第3容器搬送機構に搬送コンベアを用いる場合)
上記第2実施形態では、第2容器搬送機構120に容器搬送コンベア121を使用し、第3容器搬送機構130にはアクチュエータ132とフック部材131を使用したが、これに限定されるものではなく、第3容器搬送機構130にも搬送コンベアを使用してもよい。
(2−6−2.第2又は第3容器搬送機構に長尺の搬送コンベアを用いる場合)
上記第2実施形態では、第2容器搬送機構120の容器搬送コンベア121は、第1収容部141と作業位置93との間で容器16を搬送可能な長さの短尺の搬送コンベアとして構成されていたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば容器搬送コンベア121を第1収容部141よりもさらに後方に長くした長尺の搬送コンベアとして、容器16に食品トレー14を充填するライン等、作業ライン1とは異なる別のラインを構成してもよい。さらに、上記のように第3容器搬送機構130にも長尺の搬送コンベアを使用することで、作業ライン1とは異なる別の循環するラインを構成してもよい。
(2−6−3.作業位置を異なる位置とする場合)
上記第2実施形態では、ワーク移送ロボット30による作業位置93を、第1容器搬送機構110による上下方向の搬送経路の下端、且つ、第2容器搬送機構120による前後方向の搬送経路の前端の位置としたが、これに限定されるものではない。例えば作業位置93は、第1容器搬送機構110による上下方向の搬送経路の上端、且つ、第3容器搬送機構130による前後方向の搬送経路の前端の位置としてもよいし、第1容器搬送機構110による上下方向の搬送経路の途中位置としてもよい。
(2−6−4.その他)
以上では、第1収容部141に食品トレー14が収容されていない空の容器16を収容し、第2収容部142に食品トレー14が収容された容器16を収容する場合について説明したが、反対に、第2収容部142に空の容器16を収容し、第1収容部141に食品トレー14が収容された容器16を収容する構成としてもよい。この場合、前述の図17及び図18で説明した排出時及び供給時の容器16の流れを反対方向とすればよい。
また以上では、ワーク作業装置90が2つの収容部141,142を有する場合を説明したが、収容部の数は2に限定されるものではなく、1又は3以上でもよい。例えば収容部が1つである場合、食品トレー14を排出する際には、空の容器16を収容部から作業位置93に搬送し、ワーク移送ロボット30により食品トレー14が収容された容器16を再度収容部に戻せばよい。また、食品トレー14を供給する際には、食品トレー14が収容された容器16を収容部から作業位置93に搬送し、ワーク移送ロボット30により食品トレー14が取り出された空の容器16を再度収容部に戻せばよい。
また以上では、ワーク作業装置90が取り扱うワークが食品トレー14である場合について説明したが、ワークは食品そのもの(例えばおにぎりやサンドイッチ等)でもよいし、例えば工業製品の筐体に対する機械部品や電気部品の組み付け作業等が行われる場合には機械部品や電気部品等でもよい。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。