JP6364464B2 - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6364464B2
JP6364464B2 JP2016204728A JP2016204728A JP6364464B2 JP 6364464 B2 JP6364464 B2 JP 6364464B2 JP 2016204728 A JP2016204728 A JP 2016204728A JP 2016204728 A JP2016204728 A JP 2016204728A JP 6364464 B2 JP6364464 B2 JP 6364464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample cup
heating furnace
sample
gas phase
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016204728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018066618A (ja
Inventor
忠一 渡辺
忠一 渡辺
壱 渡辺
壱 渡辺
真依 青野
真依 青野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Frontier Laboratories Ltd
Original Assignee
Frontier Laboratories Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Frontier Laboratories Ltd filed Critical Frontier Laboratories Ltd
Priority to JP2016204728A priority Critical patent/JP6364464B2/ja
Publication of JP2018066618A publication Critical patent/JP2018066618A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6364464B2 publication Critical patent/JP6364464B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

本発明は、気相成分分析装置に用いられる熱処理装置に関する。
従来、中空筒状の加熱炉と、該加熱炉の周囲に配設され、該加熱炉内の加熱位置を所定の設定温度に加熱する加熱手段と、キャリアガスを該加熱炉に導入するキャリアガス導入手段とを備える熱処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記熱処理装置は、前記加熱炉の上端部に接続された試料カップ把持手段に把持させた試料カップを該加熱炉内に落下させ、該加熱炉の周囲に設けられた加熱手段により所定の加熱位置で加熱する。このとき、前記加熱位置は、前記加熱手段により所定の設定温度に加熱されるようになっている。また、前記加熱炉は、その内壁面と前記試料カップの外面との間に0.1mm程度の僅かなクリアランスが存するようにされている。
そこで、前記試料カップ把持手段により前記加熱炉内に落下された前記試料カップは該加熱炉の内壁面により案内されて前記加熱位置に投入され、該加熱位置で前記加熱手段により前記設定温度に加熱される。この結果、前記試料カップに収容された有機物等の試料を熱分解させるか、又は該試料の含有成分を熱脱着させ、気相成分混合物を生成させる。そして、生成した前記気相成分混合物を、前記キャリアガス導入手段から前記加熱炉に導入される前記キャリアガスにより、ガスクロマトグラフィー等の気相分析に用いられる気相成分分析装置に導入する。
前記気相成分分析装置は、前記キャリアガスにより導入される気相成分混合物を個々の気相成分に分離するキャピラリーカラム等の分離手段と、該分離手段で分離された個々の気相成分を検出する検出手段とを備えている。前記気相成分分析装置によれば、前述のようにキャリアガスにより前記分離手段に導入された前記気相成分混合物は、該分離手段により個々の気相成分に分離された後、質量分析計等の検出手段により検出される。
特開2013−255882号公報
前記熱処理装置において、前記試料の含有成分を熱脱着させる場合には、該試料は固体であり、容積が大きくなる場合がある。そこで、容積の大きな試料を収容するために前記試料カップの外径を大きくし、それに伴って加熱炉の内径も大きなものとすることが考えられる。
しかしながら、使用者が、前記試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いるために加熱炉の内径を大きくした熱処理装置を、前記試料を熱分解させる用途にも兼用しようとすると、該熱処理装置で生成させた気相成分混合物を前記気相成分分析装置で分析する際に、同一試料について複数回の分析を行うと分析毎の誤差が大きくなることがあるという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いられる熱処理装置を、試料を熱分解させる用途に用い、生成させた気相成分混合物を前記気相成分分析装置で分析する際に、同一試料について複数回の分析を行っても分析毎の誤差を小さくすることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いるために加熱炉の内径を大きくした熱処理装置を、前記試料を熱分解させる用途に用い、生成させた気相成分混合物を気相成分分析装置で分析する際に、同一試料について複数回の分析を行うと分析毎の誤差が大きくなることがある理由について検討した。
この結果、前記試料を熱分解させる場合には前記試料の容積が小さい方が有利であり、前記試料カップも前記試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いられる試料カップよりも外径の小さなものが用いられること、前記試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いるために加熱炉の内径を大きくした熱処理装置に外径の小さな試料カップを用いると、該試料カップを該加熱炉に投入した際に該加熱炉の内壁面と該試料カップの外面との間のクリアランスが大きくなるため、該試料カップが所定の加熱位置に投入されないことがあることを知見した。
本発明者らは前記知見に基づき、さらに検討を重ねた結果、試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いられる試料カップの外径に対応して、前記加熱炉の内径を大きくした熱処理装置において、該加熱炉に該試料カップより外径の小さな試料カップを投入する際に、該外径の小さな試料カップを前記試料カップ把持手段から該加熱炉内の所定の加熱位置に案内する案内部材を用いることにより、前記問題を解決できることに想到し、本発明に到達した。
そこで、本発明の熱処理装置は、前記目的を達成するために、中空筒状の加熱炉と、該加熱炉の上端部に接続され、加熱により含有成分が熱脱着される試料を収容する第1の試料カップを落下自在に把持する試料カップ把持手段と、該加熱炉の周囲に配設され、該加熱炉内の加熱位置を所定の設定温度に加熱し、該試料カップ把持手段により該加熱位置に落下された第1の試料カップに収容された該試料の含有成分を熱脱着させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる加熱手段と、該気相成分混合物を該加熱炉から流出させるキャリアガスを該加熱炉に導入するキャリアガス導入手段とを備え、該キャリアガスにより該加熱炉から流出される該気相成分混合物が導入され、該気相成分混合物を個々の気相成分に分離する分離手段と、該分離手段で分離された個々の気相成分を検出する検出手段とを備える気相成分分析装置に用いられる熱処理装置であって、該第1の試料カップの外径より小さな外径を備え、加熱により熱分解される試料を収容する第2の試料カップが該試料カップ把持手段に把持されるときに、第2の試料カップを該試料カップ把持手段から該加熱炉内の該加熱位置に案内する案内部材を、該加熱炉内に着脱自在に備えることを特徴とする。
本発明の熱処理装置は、試料の含有成分を熱脱着させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる用途に用いられるが、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる用途に用いることもできる。
本発明の熱処理装置は、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる用途に用いる場合には、第1の試料カップの外径より小さな外径を備える第2の試料カップに、加熱により熱分解される試料を収容して、前記試料カップ把持手段に把持させ、前記加熱炉に落下させる。このとき、前記第2の試料カップは、外径が前記第1の試料カップより小さいので、前記加熱炉の内壁面との間のクリアランスが大きく、前記加熱位置に投入されないことが懸念される。
そこで、本発明の熱処理装置は、前記第2の試料カップが前記試料カップ把持手段に把持されるときには、該第2の試料カップを該試料カップ把持手段から前記加熱炉内の前記加熱位置に案内する案内部材を該加熱炉内に設ける。前記案内部材は、前記加熱炉内に着脱自在とされているので、本発明の熱処理装置が本来の用途である試料の含有成分を熱脱着させて前記気相成分混合物を生成させる用途に用いられるときには外しておき、試料を熱分解させて前記気相成分混合物を生成させる用途に用いるときにのみ加熱炉内に設けることができる。前記案内部材を前記加熱炉内に設けることにより、前記第2の試料カップは前記試料カップ把持手段により該加熱炉内に落下されると、該案内部材に案内されて、確実に前記加熱位置に投入される。
この結果、本発明の熱処理装置によれば、前記加熱炉に投入された前記第2の試料カップに収容された試料が前記加熱位置で所定の設定温度で熱分解されることとなるので、生成させた気相成分混合物を気相成分分析装置で分析する際に、同一試料について複数回の分析を行っても分析毎の誤差を小さくすることができる。
また、ポリマーの熱分解においては、タール状等の不活性揮発物も生成し、該不活性揮発物が加熱炉全体を汚染して分析の妨害となることが知られているが、本発明の熱処理装置によれば、前記案内部材を使用することにより、汚染されたととしても、該案内部材を容易に交換することができ、分析操作を速やかに行うことができるという利点がある。
本発明の熱処理装置において、前記案内部材は、例えば、前記加熱炉の内径よりも小さな外径と、前記第2の試料カップの外径と所定の間隔を存する内径とを備える中空筒状体であり、上端部が前記試料カップ把持手段に把持される前記第2の試料カップの外周側に配設され、内部に該第2の試料カップを収容する一方、下端部が前記加熱位置に開口することが好ましい。
このような中空筒状体からなる前記案内部材によれば、前記第2の試料カップが前記試料カップ把持手段により前記加熱炉内に落下されたときに、該第2の試料カップを該中空筒状体の内壁面に沿って案内することができ、該第2の試料カップを確実に前記加熱位置に投入することができる。
本発明の気相成分分析装置において、前記中空筒状体は、石英管又は表面が不活性化処理された金属管を用いることができる。
本発明の熱処理装置の基本構成を示す模式的断面図。 図1に示す熱処理装置を試料を熱分解させる用途に用いたときの状態を示す模式的断面図。 本発明の熱処理装置の案内部材を備えるときの構成を示す模式的断面図。 図3に示す熱処理装置1を用いた場合(実施例)と、図2に示す熱処理装置1を用いた場合(比較例)との測定結果の相対標準偏差を示すグラフ。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の熱処理装置1は、試料の含有成分を熱脱着させる用途に主として用いられるものであり、中空筒状の加熱炉2と、加熱炉2にキャリアガスを導入するキャリアガス導入手段3とを備え、分離手段4と、検出手段5とを備える気相成分分析装置としてのガスクロマトグラフ装置GCに接続されている。
加熱炉2は、石英管からなり、ハウジング21内に上下方向に備えられている。また、加熱炉2は、その内部に上端部に連接する大径部22と、テーパ部23を介して大径部22の下部に連接する小径部24とを備え、テーパ部23の外周部に設けられたヒータ25を備えている。ここで、加熱炉2内の温度は、ヒータ25に加熱されることにより、テーパ部23の下部、小径部24の直上付近の加熱位置において、所定の設定温度になるように制御される。
キャリアガス導入手段3は、図示しないキャリアガス源と、該キャリアガス源に接続されたキャリア導管31とを備え、キャリア導管31の下流側は開閉弁32を介して、加熱炉2の大径部22の上部に接続されている。
分離手段4は、恒温槽41内に配設されたキャピラリーカラム等の分離カラム42と、分離カラム42の先端部と加熱炉2の小径部24の下端部とを接続する試料導入部43とを備えている。恒温槽41は、図示しない制御手段により、内部が所定の設定温度となるように制御される。
試料導入部43は、上方から加熱炉2の小径部24の下端部が挿入される一方、下方からは分離カラム42の先端部が小径部24の下端部に対向する位置に挿入されている。試料導入部43の上部からは、開閉弁44を備えるスプリットベント管45が導出されており、下部には開閉弁46を備える不活性ガス導管47が接続されている。不活性ガス導管47の上流側は、図示しない不活性ガス源に接続されており、該不活性ガス源は前記キャリアガス源であってもよい。
検出手段5は、分離カラム42の後端部に接続され、例えば四重極質量分析計等の検出部51を備えている。検出部51の検出結果は、パーソナルコンピュータ、プリンタ等の図示しない外部機器に出力することにより確認することができる。
加熱炉2の大径部22の上端部には、第1の試料カップ6aを加熱炉2内に投入する試料カップ投入装置7が設けられている。第1の試料カップ6aは試料を収容するカップ本体61aと、カップ本体61aの上端縁に取着された柄部62とからなる。
また、試料カップ投入装置7は、第1の試料カップ6aの柄部62の上端部を落下自在に把持する把持部71と、把持部71による柄部62の把持を解除して、第1の試料カップ6aを加熱炉2内に投入する把持解除装置72とを備えている。試料カップ投入装置7の構成については、特開2015-200564号公報に詳細な記載がある。
次に、本実施形態の熱処理装置1の作動について説明する。
図1に示す熱処理装置1により、試料の含有成分を熱脱着させることにより複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる際には、まず、該試料を第1の試料カップ6aのカップ本体61aに収容し、柄部62を試料カップ投入装置7の把持部71に把持させ、加熱炉2の上部にセットする。
そして、把持解除装置72を操作することにより、把持部71による柄部62の把持を解除し、第1の試料カップ6aを自然落下により加熱炉2内に投入する。このとき、カップ本体61aは例えば5.8mmの外径を備えており、加熱炉2の大径部22は6mmの内径を備えている。この結果、カップ本体61aは加熱炉2の大径部22の内壁面との間に0.1mmの僅かなクリアランスを備えており、第1の試料カップ6aは大径部22の内壁面に沿って落下して、図1に仮想線示するように、テーパ部23に係止される。
次に、この状態でヒータ25により所定の昇温速度で加熱することにより、第1の試料カップ6aに収容されている試料の含有成分が熱脱着され、複数の気相成分からなる気相成分混合物が生成する。
前記気相成分混合物は、前記キャリアガス源からキャリア導管31及び開閉弁32を介して加熱炉2内に導入されるキャリアガスにより試料導入部43を介して分離カラム42に導入される。このとき、試料導入部43は、加熱炉2から導入される気相成分混合物の一部をスプリットベント管45から放出し、或いは不活性ガス導管47から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、該気相成分混合物を該不活性ガスと共にスプリットベント管45から排出することができる。従って、試料導入部43によれば、前記気相成分混合物を選択的に分離カラム42に導入することができる。
前記気相成分混合物は分離カラム42により個々の成分に分離され、分離された個々の成分は検出部51により検出される。
次に、図2を参照して、本実施形態の熱処理装置1により、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる場合の作動について説明する。
熱処理装置1により、試料を熱分解させる際には、高熱で瞬時に熱分解を行うために試料の容積が小さい方が有利であり、図1に示す第1の試料カップ6aよりも外径の小さなカップ本体61bを備える第2の試料カップ6bが用いられる。尚、図2に示す熱処理装置1は、第2の試料カップ6b以外の構成は図1に示す熱処理装置1と同一であるので、同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示す熱処理装置1により、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる際には、図1に示す熱処理装置1と同様にして、カップ本体61bに試料が収容された第2の試料カップ6bを自然落下により加熱炉2内に投入する。
加熱炉2内は、前記加熱位置がヒータ25により予め所定の設定温度に加熱されており、第2の試料カップ6bが加熱炉2内に投入されると、カップ本体61bに収容された試料が瞬時に熱分解され、複数の気相成分からなる気相成分混合物が生成する。
前記気相成分混合物は、前記キャリアガス源からキャリア導管31及び開閉弁32を介して加熱炉2内に導入されるキャリアガスにより試料導入部43を介して分離カラム42に導入される。そして、前記気相成分混合物は分離カラム42により個々の成分に分離され、分離された個々の成分は検出部51により検出される。
このとき、加熱炉2内の温度は、ヒータ25に加熱されることにより、テーパ部23の下部、小径部24の直上付近の加熱位置において、所定の設定温度になるように制御されており、大径部22の内壁面では該設定温度よりも高温になっている。
一方、カップ本体61bは例えば3.8mmの外径を備えており、加熱炉2の大径部22の内壁との間のクリアランスが、図1に示すカップ本体61aよりも大きくなっている。このため、試料カップ6bが加熱炉2内に落下された際に、小径部24の直上付近の加熱位置に投入されるとは限らず、図2に仮想線示するように、前記設定温度より高温となっている大径部22の内壁面に接触した状態で係止されたりすることが懸念される。
このように、熱処理装置1により、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる際に、第1の試料カップ6aよりも外径の小さなカップ本体61bを備える第2の試料カップ6bを用いると、第2の試料カップ6bの加熱炉2内における落下位置により熱分解温度が異なることとなる。この結果、熱処理装置1で生成させた気相成分混合物をガスクロマトグラフ装置GCで分析する際に、同一試料について複数回の分析を行うと分析毎の誤差が大きくなるものと考えられる。
そこで、本実施形態では、熱処理装置1により、試料を熱分解させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる際に、図3に示すように、第2の試料カップ6bを把持部71から加熱炉2内の所定の加熱位置に案内する案内部材8を用いる。尚、図3に示す熱処理装置1は、第2の試料カップ6b及び案内部材8以外の構成は図1に示す熱処理装置1と同一であるので、同一の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
案内部材8は、例えば、石英管又は表面が不活性化処理されたステンレス管からなる中空筒状体であり、加熱炉2の内径よりも小さな外径と、第2の試料カップ6bの外径と所定の間隔を存する内径とを備える。例えば、加熱炉2の大径部22が6mmの内径を備え、第2の試料カップ6b(カップ本体61b)が3.8mmの外径を備えている場合、案内部材8は6mm未満の外径を備える一方、4mmの内径を備えている。この結果、案内部材8は、内部に第2の試料カップ6bを収容したときに、内壁面と第2の試料カップ6bとの間に0.1mm程度の僅かなクリアランスが生じるようにされている。
案内部材8は、上端部が把持部71に当接されて第2の試料カップ6bの外周側に配設され、把持部71に把持された第2の試料カップ6bを内部に収容した状態とされる一方、下端部はテーパ部23の下部に当接されて、小径部24の直上の加熱位置に開口するようにされる。この状態で、把持部71による柄部62の把持を解除し、第2の試料カップ6bを加熱炉2内に落下させると、第2の試料カップ6bは案内部材8の内壁面に沿って落下して、図3に仮想線示するように、小径部24の直上の加熱位置でテーパ部23に係止される。
この結果、図3に示す熱処理装置1によれば、案内部材8により、第2の試料カップ6bを加熱炉2内において設定温度になるようにされている所定の加熱位置(小径部24の直上部分)に確実に投入することができる。従って、第2の試料カップ6bに収容された前記試料の熱分解を同一の設定温度で行うことができ、熱処理装置1で生成させた気相成分混合物をガスクロマトグラフ装置GCで分析する際に、同一試料について複数回の分析を行っても分析毎の誤差を小さくすることができる。
案内部材8は、加熱炉2内に着脱自在に備えられるので、熱処理装置1がその本来の用途である試料の含有成分を熱脱着させる用途に用いられるときには、取り外すことができる。
次に、図3に示すように加熱炉2に案内部材8を備える熱処理装置1を用いる場合(実施例)と、図2に示すように加熱炉2に案内部材8を備えない熱処理装置1を用いる場合(比較例)とのそれぞれにおいて、ガスクロマトグラフ装置GCによりポリスチレンの熱分解を行ったときの分析結果について説明する。
まず、試料としてポリイミドフィルム25μgを第2の試料カップ6bに収容し、加熱炉2の温度を450℃、500℃、550℃、600℃とし、それぞれの温度において熱分解を行い、得られた気相成分混合物をキャリアガス(ヘリウムを)により、試料導入部43を介して分離カラム42に導入した。試料導入部43におけるスプリット比は1/50とし、分離カラム42は、内径0.25mm、長さ30mのキャピラリーカラムであり、5%ジフェニルポリシロキサンからなる厚さ0.25μmの固定相を備えているものを用いた。また、恒温槽41は内部の温度を70℃から300℃まで40℃/分の昇温速度で昇温させた。
分離カラム42で分離された個々の気相成分を水素炎イオン化検出器により検出し、得られたパイログラムのピーク面積から、スチレンの単量体Sに対する3量体SSSの比の百分率((SSS/S)%)を求めた。
図3に示すように加熱炉2に案内部材8を備える熱処理装置1を用いる場合(実施例)と、図2に示すように加熱炉2に案内部材8を備えない熱処理装置1を用いる場合(比較例)とのそれぞれにおいて6回ずつ分析を行い、、前記各温度毎に標準偏差と平均値とから相対標準偏差(変動係数(RSD)、標準偏差/平均値)を求めた。結果を図4に示す。
図4から、実施例によれば比較例に対して各温度における相対標準偏差が小さく、その傾向は温度が高くなるほど顕著であり、加熱炉2に案内部材8を備える熱処理装置1を用いることにより、分析毎の誤差を小さくすることができることが明らかである。
1…熱処理装置、 2…加熱炉、 3…キャリアガス導入手段、 4…分離手段、 5…検出手段、 6a…第1の試料カップ、 6b…第2の試料カップ、 7…試料カップ投入装置、 71…把持部、 8…案内部材、 GC…気相成分分析装置(ガスクロマトグラフ装置)。

Claims (3)

  1. 中空筒状の加熱炉と、
    該加熱炉の上端部に接続され、加熱により含有成分が熱脱着される試料を収容する第1の試料カップを落下自在に把持する試料カップ把持手段と、
    該加熱炉の周囲に配設され、該加熱炉内の加熱位置を所定の設定温度に加熱し、該試料カップ把持手段により該加熱位置に落下された第1の試料カップに収容された該試料の含有成分を熱脱着させて複数の気相成分からなる気相成分混合物を生成させる加熱手段と、
    該気相成分混合物を該加熱炉から流出させるキャリアガスを該加熱炉に導入するキャリアガス導入手段とを備え、
    該キャリアガスにより該加熱炉から流出される該気相成分混合物が導入され、該気相成分混合物を個々の気相成分に分離する分離手段と、該分離手段で分離された個々の気相成分を検出する検出手段とを備える気相成分分析装置に用いられる熱処理装置であって、
    該第1の試料カップの外径より小さな外径を備え加熱により熱分解される試料を収容する第2の試料カップが該試料カップ把持手段に把持されるときに、第2の試料カップを該試料カップ把持手段から該加熱炉内の該加熱位置に案内する案内部材を、該加熱炉内に着脱自在に備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、前記案内部材は前記加熱炉の内径よりも小さな外径と、前記第2の試料カップの外径と所定の間隔を存する内径とを備える中空筒状体であり、上端部が前記試料カップ把持手段に把持される前記第2の試料カップの外周側に配設され、内部に該第2の試料カップを収容する一方、下端部が前記加熱位置に開口することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項2記載の熱処理装置において、前記中空筒状体は、石英管又は表面が不活性化処理された金属管であることを特徴とする熱処理装置。
JP2016204728A 2016-10-18 2016-10-18 熱処理装置 Active JP6364464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016204728A JP6364464B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016204728A JP6364464B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 熱処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018066618A JP2018066618A (ja) 2018-04-26
JP6364464B2 true JP6364464B2 (ja) 2018-07-25

Family

ID=62085940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016204728A Active JP6364464B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6364464B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3130245A1 (de) * 1981-07-31 1983-02-17 Bodenseewerk Perkin-Elmer & Co GmbH, 7770 Überlingen Probengeber zum aufgeben von proben bei der gaschromatographie
FI106409B (fi) * 1998-05-15 2001-01-31 Fortum Oil & Gas Oy Järjestely ja menetelmä lyhyen kosketusajan reaktioita varten tarkoitettujen heterogeenisten katalyyttien testaamiseksi
JP5784548B2 (ja) * 2012-06-12 2015-09-24 フロンティア・ラボ株式会社 触媒反応シミュレーション装置
JP6153108B2 (ja) * 2013-03-19 2017-06-28 株式会社豊田中央研究所 揮発分解成分捕集回収装置、液体クロマトグラフおよび揮発分解成分分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018066618A (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2924429A1 (en) Gas phase component analyzer
JP2007017196A (ja) 高分子試料分析装置
JP6364464B2 (ja) 熱処理装置
JP4322684B2 (ja) 質量分析法のための渦流大気圧化学的イオン化源
CN105954137B (zh) 一种原位快速采样热重分析仪
JP5784548B2 (ja) 触媒反応シミュレーション装置
JPH11337541A (ja) ガスクロマトグラフの試料導入部装置
US11959893B2 (en) Gas chromatograph system
US4087249A (en) Pyrolysis apparatus for analysis
JP2013068501A (ja) ガスクロマトグラフ用検出器
EP3224855A1 (en) Apparatus and method for mitigation of alterations in mass spectrometry in the presence of hydrogen
JP6419127B2 (ja) 熱処理装置
Young et al. Extending the concentration and linear dynamic range of ion mobility spectrometry with a sheath flow inlet
JP2010271241A (ja) マルチディメンジョナルガスクロマトグラフ装置
US20110283771A1 (en) Device and Method for Preparing Samples for Gas Chromatography
JP2004125404A (ja) 試料加熱装置
JP4002007B2 (ja) 気相反応解析装置
JP2012037410A (ja) 分析装置
JP6486043B2 (ja) 加熱型誘導結合プラズマトーチ
CN110392828B (zh) 试样导入装置
JP6391276B2 (ja) 試料投入装置
JP6010093B2 (ja) 気相成分分析装置
JP7074213B2 (ja) 質量分析装置および質量分析方法
Wu et al. A direct liquid sampling interface for photoelectron photoion coincidence spectroscopy
TW201335593A (zh) 容器、氣相分解方法、氣相分解裝置、分析方法及分析裝置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6364464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250