JP4322684B2 - 質量分析法のための渦流大気圧化学的イオン化源 - Google Patents

質量分析法のための渦流大気圧化学的イオン化源 Download PDF

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Description

本発明は一般的には大気圧化学的イオン化(APCI)質量分析法(MS)に関する。より詳細には、本発明は、APCI源におけるサンプル含有液滴の気化を改善するための装置および方法に関する。
質量分析法は分子分析の非常に高感度な方法である。一般に、質量分析法は、サンプルの成分を迅速に移動する気体状イオンに変換し、イオンをその質量対電荷(m/eまたはm/z)比に基づいて分離することによって質量スペクトルを生じさせる技術である。質量スペクトルは、質量を関数とする荷電成分の相対的な存在量のプロットとして表され得るので、それらの質量分布に基づいてイオンの集団を特徴づけるために使用することができる。質量分析法は、多くの場合、分子量、分子式、構造確認、および同位体の存在を決定するために行われる。質量分析法を実施するために提供される装置、すなわち、質量分析計(MS)は、典型的には、サンプル入口系、イオン源、質量分析器およびイオン検出系、ならびに、シグナル処理タスクおよびシグナル読み取りタスクを行うために必要な構成要素を含む。質量分析計のこれらの機能的構成要素の多く、特に質量分析器は、真空系によって低圧に維持される。イオン源はサンプルの成分を荷電粒子に変換する。負荷電の粒子は、通常の場合、プロセス工程から除かれる。質量分析器は、荷電粒子をそれらのそれぞれの質量に基づいて分散させ、その後、イオンを検出器に集束させる。検出器によりもたらされるイオン電流が、その後、増幅され、スペクトル走査時間の関数として記録される。質量分析計のこれらの構成要素の設計、およびそれらの作動原理はかなり変化し得る。従って、設計が異なる構成要素は、相互に比較されたとき、異なる長所および短所を有しており、いずれかの設計の望ましさは、中でも、分析されるサンプルの性質に依存し得る。
サンプル入口系の1つのタイプはクロマトグラフィー的であるとして記述することができる。すなわち、一部のタイプの分析システムでは、クロマトグラフィーカラムからの流出液が質量分析計に対するサンプル源として利用され得る。別の言い方をすれば、そのような場合の質量分析計は、クロマトグラフィー装置に対する検出器として使用されていると見なすことができる。そのような配置の装置が、ガスクロマトグラフィー(GC)装置が質量分析計に直接接続されたシステム(GC/MSシステム)、または液体クロマトグラフィー(LC)装置が質量分析計に直接接続されたシステム(LC/MSシステム)で市販されている。質量分析計は単独では、純粋な化合物および比較的単純な混合物を取り扱うことに多かれ少なかれ限定されるので、これらの組合せシステムは、複雑なスペクトルを混合物から得るために特に有用である。
LC装置と質量分析計との間のインターフェースとして一般に役立つイオン源は、大気圧化学的イオン化(APCI)の原理に従って作動する。簡単に述べると、APCIは、液体に溶解されたサンプルをイオン化するための手段である。典型的には、LC装置から出たサンプル含有液体が、無数の小さい液滴に、典型的には直径が100ミクロン未満の液滴に空気圧により霧状化される。熱が、液体およびサンプルのマトリックスを気化させるために液滴に加えられ、生じた蒸気が続いて低電流コロナ放電の中を通過する。放電の中で、イオン分子反応が、電荷中性サンプルと、一次放電において形成されたイオンとの間で生じる。サンプルとのそのようなイオン分子反応はサンプルを帯電させ、荷電を有するサンプルイオンが、質量分析のために、真空チャンバーにおける開口部を通って質量分析計の質量分析器の中に入る。
図1には、例えば、LC/MSシステムで利用されている従来のAPCI源の一例(これは全体が10として示される)が示されている。一般的に言えば、APCI源10は、入口区画(これは全体が20として示される)、気化区画(これは全体が30として示される)、イオン化区画(これは全体が40として示される)、および、イオン化生成物が質量分析計の質量分析器の中に導かれる開口部53を含む出口区画(これは全体が50として示される)を含む。簡便化のために、質量分析計の質量分析器および他の典型的な構成要素(例えば、そのイオン検出系、シグナル処理系およびシグナル読み取り系)はまとめて、図1ではMSとして示されている。
入口区画20は、液体クロマトグラフィー装置LCからのLCカラム流を伝える、質量分析計のサンプル入口系として役立つキャピラリー管23を含む。さらに、好適な霧状化用気体(例えば、窒素など)を気化区画30の中に導くための導管27の長さ部が、キャピラリー管23の周りに同軸的に配置されている。APCI源10の気化区画30は、一般には、気化管33、ヒーター35、および好適な霧状化用気体(例えば、窒素など)を気化管33の中に導くための導管37を含む。ヒーター35は、気化管33の壁との十分な熱的接触を確保するように配置されている。キャピラリー管23は気化管33の中心軸に沿って配置されている。気化用気体導管37の一部は、キャピラリー管23だけでなく、霧状化用気体導管27の周りに同軸的に配置されている。APCI源10のイオン化区画40は、一般には、電極(これは本明細書中ではコロナニードル43として示される)が挿入される囲まれたチャンバー(具体的には示されず)を含む。コロナニードル43は、典型的には、イオン化区画40内において低電流コロナ放電45を点火するために約5Vで作動する。
操作される際、液体クロマトグラフィー装置LCからのLCカラム流を含む液体サンプルが、加熱された気化管33の中にキャピラリー管23を介して導入される。霧状化用気体および気化用気体の流れが、気化管33の中に、霧状化用気体導管27および気化用気体導管37を介してそれぞれ導入される。霧状化用気体は、中心に配置されたキャピラリー管23の周りを高速度の流れで同心的に流れ、それにより、霧状化用気体および液体サンプルが気化管33の中に進入するに従い、液体サンプルを小さい液滴に霧状化する。気化管33の壁はヒーター35によって加熱され、その結果、熱エネルギーを気化管33の内部に伝えるので、気化管33の中に進入する霧状化されたサンプルの液滴は蒸気に変換される。気化用気体は、気化管33を通してサンプルの液滴および気相を輸送することを助けるために、気化用気体導管37によって系に加えられる。蒸気は、その後、電荷中性サンプルが、放電において形成されたイオンとのイオン分子反応によってイオン化させられるイオン化区画40内のコロナニードル43によって確立された低電流コロナ放電45に入る。
従来のAPCI源10の典型的な形態において、気化管33は4mmの内径を有し、長さが120mm〜150mmである。サンプル含有液の1ml/分の液体流速は約1700ml/分の蒸気流に対応する。霧状化用気体は約1000ml/分の速度で流れ、補助的な気化用気体が約1000ml/分〜2000ml/分の速度で流れる。従って、内径が4mmで、長さが120mmである気化管33を通過する約5000ml/分の正味の気体流速を仮定すると、気体に閉じ込められた液滴は、気体の平均流れ速度で移動しているとき、気化管33の全長を通過するために約15ms〜20msを必要とする。1ml/分の水の液体流は、何らかの他の熱損失を無視したとき、その水を加熱し、気化させるためには40W以上を必要とする。気化管33を通る流れは層流であるので、霧状化された液滴は、気体の線速度が最大である気化管33の中心を主に流れる。このことは、気化管33の加熱された壁からの中心の気体流への熱移動が非常に不十分であるということになる。これは、そのような熱移動はほとんどが気相の熱移動に依っているからである。従って、気化管33の壁での著しくより高い温度が、十分な熱を液滴内に移すために要求される。残念なことに、そのような高い温度は、多くの場合、周囲の液体が完全に気化したときにサンプルの熱分解をもたらし、それにより質量分析計MSの性能を妨げる。他方で、加熱温度が、熱分解の有害な影響を回避するように下げられた場合、サンプルの不完全な気化が生じ得る。その結果として、気化していない液滴がイオン化領域に進入し、イオン化過程での様々な問題をもたらし、従って、不正確かつ/または解釈不能な質量分析をもたらす。
本発明は、全体または一部において、先行技術に関連するこれらの問題および他の問題に対処するために提供される。
一般的に言えば、本発明は、その質量分析のための調製においてサンプルのイオン化を最適化するために、サンプルを完全かつ均一な様式で気化するための装置および方法を提供する。本発明は、サンプルがイオン化前に熱移動手段によって気化されることが典型的には要求されるAPCIイオン源において実施されたときに特に有用である。本発明は、気化チャンバー内に導かれる気体流路を規定するような構造にされた気体導管を提供する。気体流路を流れる気体は、気化チャンバーの中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むベクトルに沿って流れる。気化チャンバー内にそのように導かれた気体により、その中での渦流の気体流が確立される。
サンプルは霧状化条件で気化チャンバーに導入される。従って、サンプルは、従来のシステムでの場合のように、比較的広い不均一な質量(すなわち、サイズ)分布によって特徴づけられる。従って、気化チャンバーを通って流れる霧状化されたサンプルは、ある範囲の大きい液滴および小さい液滴を含む。しかしながら、渦流の気体流が本発明に従って気化チャンバーに生じるため、サンプル液滴は、気化チャンバーの加熱された壁に向かって強制的に流れさせられる。力が質量に比例していると考えると、より小さい液滴と比較して、サンプルの液滴が大きいほど、大きい力を受ける。従って、液滴が大きいほど、壁によって供給される熱エネルギーの大きな割合を受け、その結果、より多くのエネルギーが、そのようなより大きい液滴を気化させるために利用され得る。同時に、より少ない液滴には、エネルギーがあまり移動しない。その結果、十分な量のエネルギーが、そのようなより小さい液滴を気化させるために利用され得るが、しかし、より小さい液滴に移動するエネルギーは、より小さい液滴の分析物物質を熱分解させるために十分に過度にはならない。従って、サンプルの全体的な気化が規格化(ノーマライズ)され、それにより、その後のイオン化および質量分析が最適化される。
そのうえ、気化チャンバー内の流れは渦流であるので、気化チャンバー内の乱流条件が容易に達成され得るし、そして、気体流速の増大は、サンプルのすべてを気化させる能力を増大させる。対照的に、従来の気化装置では気体流が層流であり、その結果、霧状化されたサンプルの大部分が気化空間の中心軸に沿って直線的に流れるようになっている。従って、従来の気化装置での気体流速の増大は、低下した熱移動により、サンプルを気化させるその能力の低下を実際には生じさせ得る。
また、本発明では、潜在的に汚染し得る触媒作用表面、すなわち、不活性でない表面にサンプルをさらすことなく、改善された気化が達成される。すなわち、新しい表面または構造部が、気化が行われる空間に加えられていない。サンプルは、本発明により提供される渦流形成構造部と接触しない。サンプルは、石英または他の化学的に不活性な材料から従来の様式で構成され得る気化チャンバーの加熱された壁の内側表面のみと接触するだけである。また、本発明は、サンプルの導入過程、気化過程および霧状化過程のときにサンプルの一部を拒絶または無駄にせず、従って、微量サンプルを処理するためにも有用である。
本発明の1つの実施形態によれば、質量分析法において使用されるイオン源が提供される。このイオン源は、中心軸を有するチャンバー、チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管、サンプル出口から下流側に配置されたイオン化装置、および、チャンバーと連絡している気体出口を含む気体導管を含む。気体導管により、チャンバー内に導かれる気体流路が規定される。気体流路を流れる気体は、チャンバーの中心軸の周りの周方向に関して接線方向である速度成分を含む。
好ましくは、気体流路を流れる気体は軸方向の成分も含み、そして、サンプル流路を流れるサンプルも同様に軸方向の成分を含み、この場合、軸方向の成分はともにチャンバーを通って下流方向に導かれる。この様式では、気体は、チャンバーを通ってサンプルを輸送することを助けるためにも機能する。
1つの実施形態における気体導管は、気体出口で終わるらせん路を含む。らせん路は様々な方法で形成させることができ、様々な例が下記に記載される。この実施形態は、らせん路がサンプル導管をその長手方向に沿う軸の周りを回るような構造にすることができる。より詳細には下記に記載される例示的な実施形態において、らせん路は、サンプル導管のこの長手方向に沿う軸の周りに対称的に、または実質的に対称的に配置されている。他の実施形態では、気体導管は、チャンバー内へのそれぞれの気体出口でそれぞれが終わる複数のらせん路を含む。
好ましくは、イオン源はまた、サンプルがチャンバー内に導入されたとき、サンプルの十分な霧状化を確保するための霧状化用流体導管を含む。霧状化用流体導管は、好ましくは、サンプル導管のサンプル出口に隣接し、かつ近くにある霧状化用液体出口を含む。下記に記載される実施形態において、霧状化用流体導管はサンプル出口と同心である。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかによれば、イオン源は、気化チャンバーの軸方向に沿った温度勾配を確立する、チャンバーと熱的に接触して配置された加熱装置を含むことができる。より多くの熱エネルギーが、より多くの熱が気化のために必要とされるチャンバーの上流領域でサンプルに移され、より少ないエネルギーが、より少ないエネルギーが必要とされる下流領域において移される。これは、気化が下流領域では完全または実質的に完全であるからである。従って、上流端と、上流端から軸方向に間隔を置いて配置された下流端とを含む加熱装置の場合、この加熱装置によって提供される熱エネルギー密度は、上流端において実質的に最大であり、下流端での実質的な最少に向かって徐々に低下する。
本発明の別の実施形態によれば、質量分析法のためのイオン源は、中心軸を有する気化チャンバー、チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管、霧状化用気体導管、および気化用気体導管を含む。霧状化用気体導管は、チャンバーと連絡している霧状化用気体出口を含む。霧状化用気体導管の長手方向に沿う軸は、サンプル導管の長手方向に沿う軸と同軸的に配置されている。霧状化用気体導管は、サンプル導管の周りで、かつサンプル導管の軸方向に沿ったらせん路に導かれている。気化用気体導管は、チャンバーと連絡している霧状化用気体出口を含む。気化用気体導管により、チャンバー内に導かれる流路が規定される。この流路を流れる気体は、気化チャンバーの中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含む。
チャンバーに関するサンプル導管および霧状化用気体導管の配置、特に、チャンバーの中心軸に関するそれらの配置は変化させることができる。従って、1つの実施形態において、霧状化用気体導管およびサンプル導管は、チャンバーの中心軸と実質的に同一直線上にあるサンプル導入軸に沿って配置されている。他の実施形態では、サンプル導入軸は、チャンバーの中心軸から半径方向にずれている。さらに他の実施形態では、サンプル導入軸は、チャンバーの中心軸に関してある角度で傾いている。
本発明のさらに他の実施形態によれば、質量分析法で使用されるイオン源は、中心軸を有する気化チャンバー、気化チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管、気化チャンバーと流体的に連絡して配置されたイオン化区画、および、気化チャンバーから上流側に配置された渦流形成区画を含む。渦流形成区画は、気化チャンバーと連絡している気体出口を含むアーチ状の気体導管を含む。アーチ状の気体導管により、気化チャンバー内に導かれる気体流路が規定される。この気体流路を流れる気体は、中心軸の周りの周方向に関して接線方向である速度成分を含む。
サンプル導管の一部は渦流形成区画を通って延びることができ、このとき、アーチ状の気体導管はサンプル導管のその一部の周りを巻いている。イオン源は、気化チャンバーと流体的に連絡して渦流形成区画を通って延びる霧状化用気体導管をさらに含むことができる。
また、アーチ状の気体導管は、それぞれの気体出口で終わる複数のアーチ状通路を含むことができ、この場合、各気体出口は気化チャンバーと連絡している。各アーチ状通路により、そのそれぞれの気体出口を通って気化チャンバー内に導かれるそれぞれの気体流路が規定され、そして、各気体流路を流れる気体は中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含む。さらに、渦流形成区画は、アーチ状通路と流体的に連絡するマニホールド型構造またはプレナム型構造を含むことができる。
本発明はまた、下記の工程に従って質量分析法のための調製においてサンプルを気化させるための方法を提供する。その中心軸に対して半径方向に配置された壁によって規定されるチャンバーが提供される。このチャンバーは、入口端と、入口端から軸方向に間隔を置いて配置された出口端とを有する。サンプルが入口端においてチャンバー内に流される。壁が、サンプルを気化させるために加熱される。気化用気体が、渦流の気体流にサンプルを閉じ込め、従って、サンプルを加熱された壁に向かって流れさせるために、チャンバー内に、前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向に流され、それにより、サンプル気化させる能力が高められる。接線方向の流れは、気化用気体をチャンバー内に導入する前に1つ以上のらせん路に沿って気化用気体を導くことによって達成され得る。気化されたサンプルは、出口端を通ってチャンバーから流出する。サンプルは、その後、質量分析計装置によるその後の質量分析のための調製においてイオン化され得る。
次に図2を参照して、本発明によるAPCI源(これは全体が100として示される)が示されている。APCI源100は、液体クロマトグラフィー装置LCと、質量分析計MSの質量分析系、イオン検出系および他の系との間におけるインターフェースとして特に使用される。図1に示される従来のAPCI源10と同様に、本発明のイオン源100は、入口区画(これは全体が120と示される)、気化区画(これは全体が130と示される)、イオン化区画(これは全体が140と示される)、および、イオン化生成物が質量分析計MS内に導かれる開口部153を含む出口区画(これは全体が150と示される)を含む。入口区画120は、液体クロマトグラフィー装置LCからのサンプルを導入するために、サンプル導管123を、好ましくはキャピラリー管の形態で含む。サンプル導管123は、大略的に気化管133の中心軸に沿って配置され、気化管133内にサンプルを直接導入するためのサンプル出口123Aで終わる。入口区画120はまた、好適な霧状化用気体(例えば、窒素など)を気化管133内に導くための導管127を含む。霧状化用気体導管127は、サンプルを効率的に霧状化するようにサンプル導管127から出たサンプルの進入点の近くで気化管133内に霧状化用気体を伝えるように配置された霧状化用気体出口127Aで終わる。気化管133に進入する霧状化されたサンプルは、図2では、液滴Sによって一般的に示される。霧状化は、好ましくは、サンプル導管123のサンプル出口123Aの周りに同心的に霧状化用気体出口127Aを配置することによって達成される。
気化区画130は、霧状化されたサンプルをイオン化区画140に伝えることができ、かつ、イオン化区画140に達する前に気化させることができる内部空間を規定するために好適な構造部を含む。従って、図2では、気化管133の形態で提供される、気化空間を規定する構造部が示されている。だが、本発明は、管様外形または円筒様外形を提供することに限定されない。気化区画130はさらに、気化管133の壁と熱的に接触して配置されたヒーター135を含む。図1に示される従来のシステムと同様に、APCI源100のイオン化区画140は、コロナニードル143または他の同等な点電荷供給手段が、イオン化区画140内において低電流コロナ放電145を点火させるために挿入されている包まれたチャンバー(具体的には示されず)を一般に含む。
本発明によれば、APCI源100はさらに、気化区画130の上流側に配置される渦流形成区画(これは全体が160と示される)を含む。好ましくは、サンプル導管123の長手方向に沿う軸が、渦流形成区画160を通って、気化管133の中心軸に沿って延び、そして、霧状化用気体導管127の長手方向に沿う軸が、渦流形成区画160を通って、サンプル導管123の長手方向に沿う軸に対して同軸の関係で延びる。渦流形成区画160は、好適な補助気化用気体(例えば、窒素など)を気化管133内にを導くために導管163のかなりの部分を収容している。気化用気体導管163は、気化用気体導管163を流れる気体が、チャンバーの中心軸の周りの周方向に関して、かなりの接線方向の速度成分を有する流れベクトルに沿って気化用気体を気化管133内に伝え、それにより、矢印Vによって示されるようにサンプルと気体との渦流を気化区画130において生じさせるような構造にされている。これは、気化用気体導管163のかなりの長さを、渦流形成区画160内に配置された1つ以上の渦流形成路165の形態で提供することによって達成される。
渦流形成路165は、サンプル導管123の長手方向に沿う軸の周りおよび/または気化区画130の中心軸の周りに対称的または実質的に対称的に多数の回転を伴って、気化区画130に向かう方向で回る一連のらせん通路または円錐らせん通路を構成する。渦流形成路165は多くの形態で実現することができる。例えば、渦流形成路165は、渦流形成区画160の同軸の内側表面167に半田づけもしくは溶接されるか、または他の場合には渦流形成区画160の同軸の内側表面167によって支えられる管の形態で提供することができる。あるいは、渦流形成路165は、渦流形成区画160の内側表面167に対して圧接される多条ねじ型の桿状体様構造または管様構造によって形成させることができる。各渦流形成路165の断面は、図2に示されるように直線構成であり得るか、または円形もしくは楕円形であり得るか、または他の形状を有することができる。2つ以上の渦流形成路165を収容するために、渦流形成路165のすぐ上流側の気化用気体導管163の一部はマニホールドまたはプレナム169として構造化することができ、これは、図2では、中心軸に対して同軸の関係で渦流形成区画160内に収容されているように示されている。具体的には示されないが、マニホールド169の下流側表面169Aは、それぞれの渦流形成路165内に至る進入開口部を含む。同様に、渦流形成区画160と気化区画130との間の境界面171は、各渦流形成路165からの気化用気体の流れが中心軸の周りの周方向に関して接線方向で気化管133内を通過する対応する数の出口開口部(具体的には示されず)を含む。
補助的な渦流の気体流が、気体を渦流形成路165または一連の渦流形成路165に強制的に通すことによって気化区画130において形成される。渦流の気体流は、液滴の質量(すなわち、直径)の関数である遠心力を各液滴に対して生じさせる。従って、より大きい力が、より大きい液滴に与えられ、より小さい力が、より小さい液滴に与えられる。渦流形成路165から出る気体はかなりの接線方向の速度成分を有するので、サンプルの液滴は気化管133の加熱された壁に当てられる。これは、液滴と加熱された壁との接触時間を増大させ、かつ、加熱された壁から液滴に移動する熱エネルギーの量を増大させる。渦流の気体流の利点は、より大きな液滴の場合においては特に重要である。これは、そのような大きい液滴は、相を変化させるために、より多量の潜熱エネルギーが投入されることを要求するからである。より大きな力がより大きな液滴に与えられるので、相を変化させるためにそれほど多くの潜熱エネルギーを要求しないより小さい液滴と比較した場合、より大きな液滴は、より多量の熱移動を受けることが確実になる。すなわち、より小さい力がより小さい液滴には与えられるので、より小さい液滴に加えられる熱エネルギーの量が、液相から気相への変換を行わせるために使われる潜熱エネルギーを超えるという危険性が低下する。熱移動原理に従って、過度な熱エネルギーは、気化された(または気化中の)より小さい液滴の分析物成分の温度を上昇させ、それにより分析物の熱分解または熱崩壊を生じさせ得る「顕熱」型であると考えられる。
渦流の気体流の効果はまた、断熱性の蒸気バリアが、加熱された表面と、温度がより低い湿った物体(例えば、液滴など)との間で発達し、加熱された表面からの液滴への熱交換速度を低下させる、ライデンフロスト効果と多くの場合には呼ばれる現象を打ち消すとして説明することができる。一般に、表面が、液滴の沸点を超えたある温度(これはライデンフロスト点として知られている)に加熱された場合、液滴の完全な気化が生じない。その代わり、加熱表面に最も近い液滴の表面の一部がほぼ即座に気化し、それにより、断熱性の蒸気バリアが液滴と加熱表面との間に生じる。この蒸気バリアからの気体圧力により、液滴の残り部分が加熱表面と接触することが妨げられ、従って、気化速度が著しく低下する。これは、蒸気が、熱伝導性固体と同様に熱を伝えることができないことが知られているからである。蒸気バリアが拡大することにより、液滴が加熱表面から反発させられることがあり、これは、再度ではあるが、液滴に移動する熱エネルギーの量の低下を生じさせる。ライデンフロスト条件が満たされない場合でさえ、膨張する気体は、液滴を反発させる反応力として依然として機能することができる。しかしながら、本発明によって生じる渦流は、液滴が、気化が妨げられないように気化管の壁との十分な接触状態にさせられることを確実にする。
本発明の操作の一例として、気化用気体が、0.75mm×0.5mmの断面積をそれぞれが有する3つの渦流形成路165を通って3000ml/分で流れる場合、出口における気体の平均線速度(V)は約44m/秒になる。この接線方向の速度は、F=mV2/r(式中、(m)は液滴の質量であり、(r)は、気体がらせん運動する気化管133の半径である)の液滴に対する見かけの遠心力(F)を生じさせる。直径が1ミクロンの水滴は質量が1.67×10-16kgである。この液滴が内径6mmの気化管133の中を44m/秒で移動している場合、液滴に与えられる力は1.1×10-10Nになる。これは、らせん角(すなわち、各渦流形成路165が中心軸に垂直な平面に対してなす角度)がゼロであることを仮定している。実際、実際のらせん角は、どのくらいの数の渦流形成路165が間に配置されているかに依存して、ゼロよりも大きい。3つの渦流形成路165の場合、らせん角は約4.5度である。従って、実際の接線方向の速度は44cos(4.5)になる。比較のために、この同じ液滴に対する重力はFg=mg(式中、(m)は質量であり、(g)=9.8m/sec2である)である。従って、Fg=1.63×10-15Nである。従って、気体の運動から生じる液滴に対する力は、重力による液滴に対する力よりも6.7×104倍大きい。さらに、この力は質量に比例し、質量は液滴の直径の三乗に比例することに留意しなければならない。従って、直径がより大きい液滴は、気化管の加熱された壁に対するより大きい力を受けることになり、それにより、熱移動を優先的に増大させる。このようにして、液滴サイズの初期分布が、より小さく、かつより均一な液滴サイズ分布に再規格化され、それにより、イオン化ならびにその後の検出および分析が最適化される。
APCI源100の作動は、それ以外の点では、図1に示されているAPCI源10などの従来のAPCI源と類似している。LCカラムからの液体サンプルが、加熱された気化管133の中にサンプル導管123を介して導入される。霧状化用気体の流れが、サンプル流に対して同心の関係で霧状化用気体導管127を介して気化管133の中に導入され、それにより、液体サンプルが小さい液滴に霧状化される。上記に記載されたように、気化用気体の流れ(1つまたは複数)が、気化用気体が、チャンバーの中心軸の周りの周方向に関して、かなりの接線方向の速度成分を伴って気化管の中に導入されるように、渦流形成区画160の渦流形成路165によって規定されるらせん路(1つまたは複数)に沿って気化用気体導管163を通過させられる。従って、気化用気体は、気化管133を介してサンプルの液滴および気相を輸送することを助けるだけでなく、気化管133の加熱された壁との十分な相互作用、および、その結果として、上記に記載されるような十分な熱交換をも確実にする。その後、気化されたサンプルおよび移動相が低電流コロナ放電145の中に入り、化学的イオン化が、サンプルを質量分析器MSの質量分析器の中に導入するための調製の際に行われる。


図3A、図3Bおよび図4には、本発明の他の実施形態が示されている。図3Aでは、サンプル導管123および霧状化気体導管127が配置されているサンプル導入流の軸が気化管133の中心軸から半径方向にずらされるように、APCI源(これは全体が200として示される)が構成されている。図3Bでは、サンプル導管123および霧状化気体導管127が配置されているサンプル導入流の軸が気化管133の中心軸に関してある角度で傾くように、APCI源(これは全体が250として示される)が構成されている。図3Aおよび図3Bの実施形態ではともに、サンプル液滴が、渦流形成区画160によって提供される高速度の気体流の中に、より直接的に導入される。図4では、APCI源(これは全体が300として示される)が、気化管133の長さに沿った温度勾配をもたらすように構成されている。これは、ヒーター535に三角形形状を与えることによって達成される。ヒーター535のワット密度は、より多量の熱エネルギー入力が必要とされる気化管133の開始部においてより大きく、液滴サイズがより均一であり、かつ液滴およびサンプルが完全に気化され得る気化管133の出口端に向かって気化管133の軸方向の長さに沿って徐々に小さくなる。ヒーター535の三角形形状が概略的に示されており、従って、温度勾配を減少させることが数多くの方法で達成され得ることが理解される。非限定的な一例として、ヒーター535は、気化管133の周りに巻かれている散逸加熱ワイヤを含むことができ、この場合、巻き数/長さは、ワット密度を変化させるために変化する。
従って、本明細書中に記載された実施形態のいずれかによる本発明の直接的な利点が、気化管133を通って流れるサンプル液滴への改善された熱移動、および、その結果として、液滴の改善された気化であることが理解され得る。従って、本発明は、完全に気化されていない液滴によって生じる、質量分析計によりもたらされる質量スペクトルにおけるノイズスパイクを減少させるために役立つ。先行技術の装置では、気化管を通る流れは層流であり、その結果、気体流を増大させると、実際には、気化管(例えば、図1における気化管)における液滴の滞留時間が低下し、従って、気化管から出て、質量分析器に入る気化されていない液滴の数が増大する。比較すると、本発明により提供される利点は、図5および図6に再現された質量スペクトルのプロットを検討することによって認めることができる。図5には、本発明のAPCI源100における補助的な気体流の流速が700m/分である、レセルピン(m/z=609)のサンプルを含有する質量スペクトルが示されている。この流速は低すぎて、液滴を気化管(図2参照)の加熱された壁に効果的に当てることができない。しかしながら、図6は、気体流を2400ml/分に増大させたときの効果を示している。質量分析器に進入する気化されていない液滴によるノイズが、上記に記載されたように、増大した渦流の気体流によって生じる乱流によるより完全な気化、および改善された熱移動によって除かれている。
本発明の様々な細部は、本発明の範囲から逸脱することなく変化させることができることが理解される。さらに、前記の記載は、例示目的のためだけであり、従って、限定目的のためではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によって規定される。
従来のAPCI源の断面部分概略図である。 本発明の1つの実施形態に従って提供されるAPCI源の断面部分概略図である。 本発明の他の実施形態に従って提供されるAPCI源の断面図であり、この場合、サンプルが、気化管の中心軸から外れた軸に沿って導入される。 本発明のさらに他の実施形態に従って提供されるAPCI源の断面図であり、この場合、サンプルが、気化管の中心軸に関してある角度の軸に沿って導入される。 本発明のさらに他の実施形態に従って提供されるAPCI源の断面図であり、この場合、ヒーターが、気化管の軸方向に沿った温度勾配を生じさせるように構成されている。 本発明のAPCI源を使用する質量分析計によってもたらされる質量スペクトルを示す。 図5に示される結果と比較して、増大した気体流速で本発明のAPCI源を使用する質量分析計によってもたらされる質量スペクトルを示す。

Claims (20)

  1. (a)中心軸を有するチャンバーと、
    (b)前記チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管と、
    (c)前記サンプル導管から下流側に配置されたイオン化装置と、
    (d)前記チャンバーと連絡している気体出口を含む気体導管であって、前記チャンバー内に導かれる気体流路を規定し、この気体流路を流れる気体が前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むように構成された気体導管と
    を含む、質量分析法において使用されるイオン源。
  2. 前記サンプル導管が、サンプル流路であって、このサンプル流路を流れるサンプルが前記チャンバーを通り抜ける下流方向で軸方向の速度成分を含むサンプル流路を規定し、かつ、前記気体流路は、この気体流路を流れる気体が前記チャンバーを通り抜ける下流方向で軸方向の速度成分を含むように構成されている、請求項1に記載のイオン源。
  3. 前記体導管が前記気体出口で終わるらせん路を含む、請求項1に記載のイオン源。
  4. 前記らせん路が前記サンプル導管を、その長手方向に沿う軸の周り巻いている、請求項3に記載のイオン源。
  5. 前記気体導管が、前記チャンバーと連絡している複数の気体出口を含み、かつ、前記チャンバー内に導かれる複数のそれぞれの気体流路を規定し、各気体流路が、それぞれの気体出口を通って導かれ、かつ各気体流路を流れる気体が前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むように構成された、請求項1に記載のイオン源。
  6. 前記気体流路がそれぞれの前記気体出口で終わる複数のらせん路を含み、各らせん路が、前記サンプル導管を、その長手方向に沿う軸の周り巻いている、請求項5に記載のイオン源。
  7. 前記チャンバーと連絡している前記サンプル出口に隣接し、かつその近くに配置された霧状化用流体出口を含む霧状化用流体導管を含む、請求項1に記載のイオン源。
  8. 前記チャンバーと熱的に接触して配置された加熱装置を含み、この加熱装置が上流端と、前記上流端から軸方向に間隔を置いた下流端とを含み、前記加熱装置によって提供される熱エネルギー密度が前記上流端において最大であり、前記下流端での最小に向かって徐々に減少している、請求項1に記載のイオン源。
  9. (a)中心軸を有する気化チャンバーと、
    (b)前記チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管であって、軸を備え、この軸に沿う長手形状を有するサンプル導管と、
    (c)前記チャンバーと連絡している霧状化用気体出口を含む霧状化用気体導管であって、軸を備え、この軸に沿う長手形状を有し、前記サンプル導管の周りに同軸的に配置されている霧状化気体導管と、
    (d)前記サンプル導管の周りのらせん路において、かつ前記サンプル導管の軸方向に沿って導かれる気化用気体導管であって、前記チャンバーと連絡している気化用気体出口を含む気化用気体導管であって、前記チャンバー内に導かれる気体流路を規定し、この気体流路を流れる気体が前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むように構成された気化用気体導管と
    を含む、質量分析法において使用されるイオン源。
  10. 前記霧状化用気体導管および前記サンプル導管が、前記チャンバーの前記中心軸と実質的に同一直線上にあるサンプル導入軸に沿って配置されている、請求項9に記載のイオン源。
  11. 前記霧状化用気体導管および前記サンプル導管が、前記チャンバーの前記中心軸から半径方向にずれているサンプル導入軸に沿って配置されている、請求項9に記載のイオン源。
  12. 前記霧状化用気体導管および前記サンプル導管が、前記チャンバーの前記中心軸に関して所定の角度で傾いているサンプル導入軸に沿って配置されている、請求項9に記載のイオン源。
  13. (a)中心軸を有する気化チャンバーと、
    (b)前記気化チャンバーと連絡しているサンプル出口を含むサンプル導管と、
    (c)前記気化チャンバーと流体的に連絡して配置されたイオン化区画と、
    (d)前記気化チャンバーから上流側に配置されており、かつ、アーチ状の気体導管を含む渦流形成区画であって、前記アーチ状の気体導管は、前記気化チャンバーと連絡している気体出口を含み、前記アーチ状の気体導管により、前記気化チャンバー内に導かれる流路が規定され、この流路を流れる気体が前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むように構成された渦流形成区画と
    を含む、質量分析法において使用されるイオン源。
  14. 前記サンプル導管の一部が前記渦流形成区画を通って延び、前記アーチ状の気体導管は前記サンプル導管の前記一部の周りに沿って配置されている、請求項13に記載のイオン源。
  15. 前記気化チャンバーと流体的に連絡して前記渦流形成区画を通って延びる霧状化用気体導管を含む、請求項14に記載のイオン源。
  16. 前記アーチ状の気体導管がそれぞれの気体出口で終わる複数のアーチ状通路を含み、各気体出口は前記気化チャンバーと連絡しており、各アーチ状通路は、前記気化チャンバー内にそのそれぞれの気体出口を通って導かれるそれぞれの気体流路を規定し、各気体流路は、当該気体流路を流れる気体が前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向の速度成分を含むように構成されている、請求項13に記載のイオン源。
  17. 前記渦流形成区画が複数の前記アーチ状通路と流体的に連絡しているマニホールドを含む、請求項16に記載のイオン源。
  18. (a)チャンバーを提供する工程であって、このチャンバーが、その中心軸に関して半径方向に配置された壁によって規定され、入口端と、この入口端から軸方向に間隔が置かれた出口端とを有する工程と、
    (b)サンプルを、前記入口端において前記チャンバー内に流す工程と、
    (c)前記壁を加熱して、当該サンプルを気化させる工程と、
    (d)気化用気体を前記チャンバー内に前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向に流して、当該サンプルを渦流の気体流に閉じ込め、当該サンプルを加熱された前記壁に向かって流し、それにより、当該サンプル気化させる能力が高められる工程と、
    (e)気化された当該サンプルを前記チャンバーから前記出口端より流出させる工程とを含む、質量分析法のための調製においてサンプルを気化させるための方法。
  19. 前記気化用気体を前記チャンバー内に前記中心軸の周りの周方向に関して接線方向に流す工程が、前記チャンバー内に進入する前に当該気化用気体をらせん路に沿って導く工程を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記チャンバーの前記壁が前記チャンバーの前記入口端の近くにおいて最大値を有し、前記出口端の近くで最小値に低下する温度勾配に従って加熱される、請求項18に記載の方法。
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