JP7074213B2 - 質量分析装置および質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量分析装置および質量分析方法に関する。
ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)等の質量分析装置による分析では、真空下で、140℃~350℃等の高温に加熱されたイオン源を用いてイオン化を行う。分析の終了後も、沸点が室温より高い高沸点化合物等がイオン源に付着しないように、イオン源は、その許容圧力以下の真空下で加熱により上記高温に保たれる。
このような質量分析装置のメンテナンスの際には、イオン源を大気圧下に開放する必要がある。このとき、イオン源の温度を十分に下げてからイオン源を大気圧下に開放しないと、上記のような化合物の付着が起こり、イオン源が汚染されてしまう。特許文献1では、キャリアガスをイオン源に導入することによりイオン源を冷却するGC-MSが記載されている。このGC-MSでは、イオン源の温度が所定の温度になった場合には、開閉切替部を構成する電磁弁が開かれることにより真空チャンバが大気開放される。
国際公開第2016/051554号
イオン源等のイオン化部の冷却中に、内部にイオン化部を有する真空容器に設置された扉等の開閉部が開けられてしまうと、イオン化部が汚染等の悪影響を受ける可能性がある。
本発明の第1の態様は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、前記真空容器に設置され、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部と、前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部とを備える質量分析装置に関する。
本発明の第2の態様は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、前記真空容器に設置された開閉部と、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部と、前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了を判定する判定部と、前記判定部の判定結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替える切替部とを備える質量分析装置に関する。
本発明の第3の態様は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、前記真空容器は、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部を備え、前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することを備える質量分析方法に関する。
本発明の第4の態様は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、前記質量分析装置は、前記真空容器に設置された開閉部を備え、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することと、前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了の判定を行うことと、前記判定の結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替えることとを備える質量分析方法に関する。
本発明によれば、イオン化部の冷却中に、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
図1は、一実施形態の質量分析装置の構成を示す概念図である。 図2(A)は、一実施形態における、ロックされている開閉部を示す概念図であり、図2(B)は、一実施形態における、ロックが解除された開閉部を示す概念図である。 図3は、一実施形態に係る質量分析方法の流れを示すフローチャートである。 図4は、変形例の質量分析装置の構成を示す概念図である。 図5(A)は、変形例における、ロックされていない開閉部を示す概念図であり、図5(B)は、変形例における、ロックされている開閉部を示す概念図である。 図6は、変形例に係る質量分析方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、変形例の質量分析装置の構成を示す概念図である。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
-第1実施形態-
本実施形態の質量分析装置は、冷却用ガスがイオン化部に導入された後、所定の条件に基づいて、イオン化部を取り出すための開閉部を開けられるようにするものである。
(質量分析装置について)
図1は、本実施形態の質量分析装置の構成を示す概念図である。質量分析装置1は、ガスクロマトグラフ-質量分析計(以下、GC-MSと呼ぶ)であり、測定部100と情報処理部40とを備える。測定部100は、ガスクロマトグラフ10と、冷却用ガス導入部20と、質量分析部30とを備える。
ガスクロマトグラフ10は、キャリアガス供給源G1と、キャリアガス流路11と、試料導入部12と、カラム温度調節部13と、分離カラム14と、試料ガス導入管15とを備える。冷却用ガス導入部20は、冷却用ガス流路21と、流量制御部22とを備える。質量分析部30は、真空容器31と、排気口32と、分析対象の試料をイオン化してイオンInを生成するイオン化部33と、イオン調整部34と、質量分離部35と、検出部36と、開閉部37と、開放弁38と、真空排気系300とを備える。
情報処理部40は、入力部41と、通信部42と、記憶部43と、出力部44と、制御部50とを備える。制御部50は、装置制御部51と、データ処理部52と、出力制御部53とを備える。装置制御部51は、導入制御部511と、判定部512とを備える。
測定部100は、分離分析により試料の各成分(以下、試料成分と呼ぶ)を分離する分離部として機能し、また、分離された各試料成分を検出する。
ガスクロマトグラフ10は、試料成分を物理的または化学的特性に基づいて分離する。分離カラム14に導入される際に、試料はガスまたはガス状となっているが、これを試料ガスと呼ぶ。
キャリアガス供給源G1は、キャリアガスを格納する容器を備え、キャリアガスをキャリアガス流路11に供給する。キャリアガス流路11は、その一端である第1端が、キャリアガス供給源G1にキャリアガスが流れることができるように接続され、他端である第2端が、試料導入部12にキャリアガスを導入可能に接続されている。後述するように、キャリアガス流路11は流路途中で冷却用ガス流路21に分岐している。キャリアガス供給源G1からキャリアガス流路11に導入されたキャリアガスは、キャリアガス流路11の途中に配置された不図示のキャリアガス流量制御部により流量等が調整された後、試料導入部12に導入される(矢印A1)。試料導入部12は、試料気化室等の試料が格納される室を備え、不図示のシリンジまたはオートサンプラー等の注入器により注入された試料を一時的に収容し、試料が液体の場合は気化させて、試料ガスを分離カラム14に導入する(矢印A2)。
分離カラム14は、キャピラリーカラム等のカラムを備える。分離カラム14は、カラムオーブン等を備えるカラム温度調節部13により、例えば数百℃以下に温度制御されている。試料ガスの各成分は、移動相と分離カラム14の固定相との間の分配係数等に基づいて分離され、分離された試料ガスの各成分は異なる時間に分離カラム14から溶出し、試料ガス導入管15を通って質量分析部30のイオン化部33に導入される。
冷却用ガス導入部20は、イオン化部33を冷却するための冷却用ガスの圧力等を調整し、この冷却用ガスを真空容器31の内部に導入する。
本実施形態では、冷却用ガスは、キャリアガスを用いている。冷却用ガスとしてのキャリアガスは、例えばヘリウム、窒素またはアルゴン等の不活性ガスとすることができる。
効率よくイオン化部33を冷却する観点から、冷却用ガスは、熱伝導率の高いガスが好ましい。冷却用ガスは、熱伝導度の大きさの指標となる熱伝導度定数が、1atm、0℃において、10mW/(m・K)以上が好ましく、20mW/(m・K)以上がより好ましく、100mW/(m・K)以上がさらに好ましい。
冷却用ガス流路21は、その第1端がキャリアガス流路11に冷却用ガス(キャリアガス)が流れることができるように接続され、他端である第2端が真空容器31に接続され、真空容器31の内部に冷却用ガスが導入可能となっている。
なお、キャリアガス供給源G1と冷却用ガス流路21とが、キャリアガス流路11を介さず、直接接続されていてもよい。この場合、冷却用ガス流路21の一端である第1端はキャリアガス供給源G1に冷却用ガス(キャリアガス)が流れることができるように接続され、他端である第2端は真空容器31に冷却用ガスが導入可能に接続される。
流量制御部22は、電磁弁等の流量制御弁を備える。流量制御部22は、冷却用ガス流路21の途中に設置され、冷却用ガスの真空容器31への導入、非導入を切り替える等、冷却用ガスの流量を制御する。流量制御部22は、後述の導入制御部511により制御され、冷却用ガスを真空容器31の内部に導入する。後に詳述するように、このとき真空容器31の内部に導入される冷却用ガスの量は、真空容器31の内部と外部との圧力差により開閉部37がロックした状態を保持できるように調整される。流量制御部22は、さらに、調圧器、抵抗器、圧力計および流量計の少なくとも一つ等を備え、これらを用いて冷却用ガスの圧力または流量を調整する構成としてもよい。また、冷却用ガス導入部20にオリフィス等の絞りを設け、冷却用ガスの圧力が高くなりすぎないようにしてもよい。
質量分析部30は、質量分析計を備え、イオン化部33に導入された試料をイオン化し、質量分離して検出する。イオン化部33で生成された試料に由来するイオンInの経路を矢印A4で模式的に示した。
なお、試料に由来するイオンInを所望の精度で質量分離して検出することができれば、質量分析部30を構成する質量分析計の種類は特に限定されず、任意の種類の1以上の質量分析器を含むものを用いることができる。
質量分析部30の真空容器31は、排気口32を備える。排気口32は、真空排気系300と排気可能に接続されている。真空排気系300は、ターボ分子ポンプ等の、10-2Pa以下等の高真空が実現可能なポンプおよびその補助ポンプを含む。図1では、真空容器31の内部の気体が排出される点を矢印A5で模式的に示した。
なお、冷却用ガス流路21は、上記真空排気系300に、冷却用ガスが導入可能に接続されていてもよい。この場合、例えば上記ターボ分子ポンプに冷却用ガスの導入口が形成されており、当該導入口に冷却用ガス流路21が冷却用ガスを導入可能に接続される。冷却用ガスは、このターボ分子ポンプの停止時に当該導入口から導入される。導入された冷却用ガスは、当該導入口から、このターボ分子ポンプの内部の流路を、ターボ分子ポンプの排気とは逆向きに流れ、排気口32を通って真空容器31に導入される。
質量分析部30のイオン化部33は、イオン源を備え、イオン化部33に導入された試料等を電子イオン化によりイオン化する。このイオン源は、不図示のイオン化室、熱電子生成用フィラメントおよびトラップ電極等を含み、熱電子生成用フィラメントで生成された熱電子を、トラップ電極に印加された数十eV等の電圧で加速し、イオン化室内の分子に照射してイオンInを生成する。電子イオン化の際に試料は解離されるため、イオンInは、試料が解離されて得られたフラグメントイオンを含む。イオン化部33で生成されたイオンInはイオン調整部34に導入される。
なお、イオン化部33は、化学イオン化を行ってもよい。イオン源の種類およびイオン化の方法は、イオン源が加熱されてイオン化が行われ、イオン源を室温に戻した際に高沸点化合物等による汚染の可能性があれば特に限定されない。
イオン化部33は、真空排気系300による排気と、不図示のヒーターによる加熱とにより、メンテナンス時を除いてイオン化部の許容圧力以下で140℃~350℃等の高温に保持されている。イオン化部33は、イオン化部33の温度を測定するための、白金センサ等の不図示の温度センサを備える。
質量分析部30のイオン調整部34は、レンズ電極またはイオンガイド等のイオン輸送系を備え、電磁気学的作用により、イオンInの流束を収束させる等して調整する。イオン調整部34から出射されたイオンInは質量分離部35に導入される。
質量分析部30の質量分離部35は、四重極マスフィルタを備え、導入されたイオンInを質量分離する。質量分離部35は、四重極マスフィルタに印加された電圧により、m/zの値に基づいてイオンInを選択的に通過させる。質量分離部35の質量分離で得られたイオンInは検出部36に入射する。
質量分析部30の検出部36は、イオン検出器を備え、入射したイオンInを検出する。検出部36は、入射したイオンInの検出により得られた検出信号を、不図示のA/D変換器によりA/D変換し、デジタル化された検出信号を測定データとして情報処理部40に出力する(矢印A6)。
質量分析部30の開閉部37は、手動で開閉可能な扉等の開閉機構を備える。以下では、開閉部37の開状態を、ユーザーによりイオン化部33を取り出しメンテナンスができる状態、例えば扉が開いている状態とする。開閉部37の閉状態を、真空容器31の内部と外部の圧力差を維持できる状態、例えば扉が閉じている状態とする。この閉状態において、後に詳述するようにユーザー等の外力によって開状態にできないようにロックされている状態をロック状態とし、ロックされていない状態をロック解除状態とする。本実施形態の質量分析装置1では、開閉部37は、真空容器31の内部と外部との圧力差により、ロック状態とロック解除状態が切り替わる構成となっている。
図2(A)は、ロック状態の開閉部37を示す概念図である。真空容器31の真空隔壁310に開閉部37である扉Dが設置されている。扉Dは、閉状態において真空容器31の真空を保持するように真空隔壁を含んで構成されている。開閉部37は真空容器31外側の表面に取っ手370が取り付けられている。
真空容器31の内部の圧力が、真空容器31の外部の圧力よりも一定以上低い第1圧力であるとする。このとき、真空容器31の外部と内部との差に相当する圧力により開閉部37が真空隔壁310の張り出し部311に押し付けられる。これにより、ユーザーが取っ手370を用いて開閉部37を開けることができなくなる。図2(A)では、真空容器31の外部の圧力を矢印Ap1、内部の圧力を矢印Ap2により模式的に示した(図2(B)でも同様である)。
図2(B)は、ロック解除状態の開閉部37を示す概念図である。真空容器31の内部の圧力が上記第1圧力よりも高い第2圧力であるとする。このとき、真空容器31の外部と内部との差に相当する圧力が図2(A)の場合よりも小さくなる。これにより、ユーザーが取っ手370を用いて開閉部37を開けることができるようになる。ユーザーにより扉Dが開かれ、開状態となった開閉部37mを破線で示した。
なお、開閉部37が自動制御により開くようにしてもよい。この場合、例えば、開閉部37を開くための機械制御による力を、真空容器31の外部と内部との圧力差による力よりも小さくなるように設定することができる。
図1に戻って、質量分析部30の開放弁38は、その一端である第1端を真空容器31の外部に、他端である第2端を真空容器31の内部に空気が流れることができるように接続する弁である。開放弁38は、真空容器31の圧力が高くなりすぎないようにするためのものである。開放弁38は、冷却用ガスが真空容器31に過剰に導入された場合に、真空容器31またはその内部の部品に悪影響を与えないように大気圧へと開放する。開放弁38は、真空容器31の圧力が大気圧を超える所定の圧力になったときに開くように構成されている。従って、開放弁38は真空容器31の圧力をこの所定の圧力以下に制限する。この所定の圧力は、真空容器31またはその内部の部品に悪影響を与えない圧力に設定される。
情報処理部40は、電子計算機等の情報処理装置を備え、質量分析装置1のユーザー(以下、単に「ユーザー」と呼ぶ)とのインターフェースとなる他、様々なデータに関する通信、記憶、演算等の処理を行う。
なお、測定部100と情報処理部40とが一体の装置として構成してもよい。
入力部41は、マウス、キーボード、各種ボタンまたはタッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部41は、測定部100の制御や制御部50の処理に必要な情報等を、ユーザーから受け付ける。例えば、入力部41は、ユーザーから、真空容器31の排気の停止等を行う指示を受けつける。通信部42は、インターネット等の無線または有線接続による通信を行うことができる通信装置を含んで構成され、測定部100の制御や制御部50の処理に関するデータ等を適宜送受信する。
記憶部43は、不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部50が処理を実行するためのプログラムおよびデータ、ならびに測定データ等を記憶する。出力部44は、液晶モニタ等の表示装置またはプリンター等を含んで構成される。出力部44は、制御部50の処理に関する情報等を、表示装置に表示したり、プリンターにより印刷したりして出力する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置を備え、当該処理装置は、測定部100を制御したり、測定データを処理する等、質量分析装置1の動作の主体となる。
制御部50の装置制御部51は、測定部100の各部の動作を制御する。例えば、装置制御部51は、質量分離部35で通過させるイオンのm/zを連続的に変化させるスキャンモードや、特定のm/zを有するイオンを通過させるSIM(Selective Ion Scannning)モードによりイオンInの検出を行うことができる。この場合、装置制御部51は、入力部41からの入力等に基づいて設定されたm/zを有するイオンInが質量分離部35を選択的に通過するように、質量分離部35の電圧を変化させる。
装置制御部51の導入制御部511は、真空排気系300の排気、およびイオン化部33を加熱する不図示のヒーターの加熱を停止し、その後、冷却用ガス導入部20を制御して冷却用ガスを真空容器31に導入する。導入制御部511は、冷却用ガスを導入した後の真空容器31の内部と外部との圧力差により開閉部37のロックが保持される(図2(A)参照)ように、冷却用ガスの導入を制御する。
記憶部43には、開閉部37のロック状態が保持される冷却用ガス導入のプロトコルが予め記憶されている。このプロトコルは、例えば、流量制御部22の流量制御弁を開く時間または流量制御部22で調整する冷却用ガスの圧力等により定められている。導入制御部511は、このプロトコルを参照し、当該プロトコルに基づいて冷却用ガス導入部20を制御して冷却用ガスを真空容器31に導入する。
上記プロトコルは、例えば以下のように設定されたものである。大気圧と大気圧がかかる開閉部37の表面の面積との積から、冷却用ガスが導入された後の真空容器31内部の圧力と当該圧力がかかる開閉部37の表面の面積との積を引いた値を開閉部37にかかる押し付け力とする。この押し付け力が、ユーザーの開閉部37を開けるために通常用いる力よりも大きくなるように上記プロトコルが設定される。
なお、真空容器31の内部の圧力を測定するための圧力計を備え、当該圧力計により測定された冷却用ガス導入後の真空容器31の内部の圧力に基づいて、当該圧力がロック状態を保持しつつ効率よくイオン源を冷却可能な所定の圧力になるよう冷却用ガスの導入をフィードバック制御してもよい。
導入制御部511は、後述の判定部512が、イオン化部33の冷却が終了したと判定したら、冷却用ガス導入部20を制御して冷却用ガスを再度真空容器31に導入し、真空容器31の圧力を大気圧等まで上昇させる。これにより、開閉部37のロックが解除される。このように、導入制御部511および冷却用ガス導入部20は、開閉部37をロック状態からロック解除状態へと切り替える切替部として機能する。
なお、導入制御部511は、真空容器31に設置された不図示の弁を開放することにより、真空容器31を大気圧下に開放してもよい。
装置制御部51の判定部512は、イオン化部33の冷却が終了したか否かを判定する。判定部512は、不図示の温度センサにより測定されたイオン化部33の温度が予め定められた所定の値になったら、イオン化部33の冷却が終了したと判定する。この所定の値は、真空容器31内を大気開放しても、イオン化部33が酸化または化合物の付着等により悪影響を受けない温度に基づいて設定され、記憶部43に予め記憶されている。
なお、判定部512は、イオン化部33を加熱する不図示のヒーターの加熱停止からの時間、冷却用ガスの導入からの時間、または、イオン化部33の温度が上記所定の値まで低下してからの時間等に基づいて、イオン化部33の冷却が終了したと判定してもよい。
制御部50のデータ処理部52は、測定データを処理し、解析する。この解析の方法は特に限定されない。例えば、データ処理部52は、測定データから、マススペクトルまたはマスクロマトグラムに対応するデータを生成し、試料成分のそれぞれに対応するピークのピーク強度またはピーク面積を試料成分に対応する強度として算出する。データ処理部52は、算出された強度から試料成分の試料における濃度等を算出することができる。
出力制御部53は、装置制御部51による装置制御の状態を示す情報、または、データ処理部52の処理により得られた解析の結果を示す情報を含む出力画像を生成する。出力制御部53は、出力部44を制御して当該出力画像を出力させる。
(質量分析方法について)
図3は、本実施形態に係る質量分析装置のメンテナンス方法を含む質量分析方法の流れを示すフローチャートである。予め、真空容器31の内部は真空下にあり、開閉部37はロック状態にあるものとする。ステップS1001において、質量分析装置1は、試料の質量分析を行う。ステップS1001が終了したら、ステップS1003が開始される。ステップS1003において、入力部41は、ユーザーから、真空容器31の排気の停止を行う指示を受けつける。ステップS1003が終了したらステップS1005が開始される。
ステップS1005において、導入制御部511は、真空容器31の排気およびイオン化部33の加熱を停止する。ステップS1005が終了したら、ステップS1007が開始される。ステップS1007において、冷却用ガス導入部20は、冷却用ガスを真空容器31に導入する。ステップS1007が終了したら、ステップS1009が開始される。
ステップS1009において、判定部512は、イオン化部33の冷却が終了したか否かを判定する。判定部512は、この冷却が終了した場合、ステップS1009を肯定判定してステップS1011が開始される。この冷却が終了していない場合、判定部512は、ステップS1009を否定判定し、再びステップS1009が開始される。
ステップS1011において、導入制御部511は、冷却用ガスまたは空気を真空容器31に導入する。これにより開閉部37のロックが解除される。ステップS1011が終了したら、ステップS1013が開始される。ステップS1013において、ユーザーは、イオン化部33を取り出し、質量分析装置1のメンテナンスを行う。ステップS1013が終了したら、ステップS1001に戻る。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の変形例において、上述の実施形態と同様の構造、機能を示す部位等に関しては、同一の符号で参照し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
上述の実施形態において、質量分析装置1はGC-MSとしたが、加熱されて使用されるイオン源であって、室温に戻した際に高沸点化合物等による汚染等の悪影響の可能性のあるものを有する質量分析装置であれば、その種類は特に限定されない。
(変形例2)
上述の実施形態では、キャリアガスを冷却用ガスとして用いる構成とした。しかし、冷却用ガスをキャリアガス供給源G1とは別の冷却用ガス供給源から供給してもよい。この場合、冷却用ガスは、イオン源に付着したり、イオン源と反応しなければその種類は特に限定されず、例えば、ヘリウム、窒素およびアルゴン等の不活性ガスを用いることができる。
(変形例3)
上述の実施形態では、真空容器31の内部と外部との圧力差により開閉部37がロック状態となる構成とした。しかし、質量分析装置がラッチ機構等を含むアクチュエーターにより開閉部37のロック状態とロック解除状態との切替を行う切替部を備えてもよい。
図4は、本変形例の質量分析装置2の構成を示す概念図である。質量分析装置2は、上述の実施形態の開閉部37および装置制御部51を備えず、これらの代わりにそれぞれ開閉部37aおよび装置制御部51aを備える点が上述の実施形態とは異なっている。装置制御部51aは、導入制御部513と、判定部512とを備える。
図5(A)は、ロック状態の開閉部37aを示す概念図である。図5(A)は、真空容器31の内側から開閉部37aを見た図である。質量分析装置2は、真空隔壁310に設置された、開閉部37aと、ラッチ機構400とを備える。ラッチ機構400は、中空部材371と、棒状部材390と、モーター等の駆動装置39とを備え、上記切替部として機能する。開閉部37aは、上述の開閉部37と同様の構造(図2(A))に加え、中空部材371が真空容器内側の側面に形成されている。中空部材371は、図5(A)において中空部材371の左側から右側へと貫通する中空部372を備える。この中空部372を破線で模式的に示した。図5(A)の状態では、ユーザーが取っ手370(図2(A))を引くことにより開閉部37aを開状態にすることができるため、開閉部37aはロックされていない。
図5(B)は、ロック解除状態の開閉部37aを示す概念図である。駆動装置39の駆動により、棒状部材390が移動し、棒状部材390が中空部材371の中空部372を貫通する状態で固定される。駆動装置39は装置制御部51aにより制御される。図5(B)の状態では、ユーザーが取っ手370(図2(A))を引いても、棒状部材390と中空部材371との接触により開閉部37aが開かないため、開閉部37aはロックされている。
導入制御部513は、導入制御部511と略同様の制御を行うが、冷却用ガスの導入の際、開閉部37(図2(A))をロックするために真空容器31の内部の圧力を所定の圧力以下の上記第1圧力にする必要はない。導入制御部513は、例えば大気圧と同程度または大気圧以上等の任意の圧力になるまで冷却用ガスを真空容器31に導入してもよい。
図6は、本変形例に係る質量分析装置のメンテナンス方法を含む質量分析方法の流れを示すフローチャートである。予め、真空容器31の内部は真空下にあり、開閉部37aはロック状態にあるものとする。ステップS2001からS2005までは、図3のフローチャートのステップS1001からS1005までと同様であるため、説明を省略する。ステップS2005が終了したら、ステップS2007が開始される。ステップS2007において、冷却用ガス導入部20は、冷却用ガスを真空容器31に導入する。ここでは、大気圧未満の圧力まで真空容器31に冷却用ガスが導入されたものとする。ステップS2007が終了したら、ステップS2009が開始される。
ステップS2009において、判定部512は、イオン化部33の冷却が終了したか否かを判定する。判定部512は、この冷却が終了した場合、ステップS2009を肯定判定してステップS2011が開始される。この冷却が終了していない場合、判定部512は、ステップS2009を否定判定し、再びステップS2009が開始される。
ステップS2011において、導入制御部513は、冷却用ガスまたは空気を真空容器31に導入する。これにより真空容器31の内部の圧力が大気圧と略等しくなる。ステップS2011が終了したら、ステップS2013が開始される。ステップS2013において、装置制御部51aは、駆動装置39を駆動させ、開閉部37aのロックを解除する。ステップS2013が終了したら、ステップS2015が開始される。
ステップS2015において、ユーザーは、イオン化部33を取り出し、質量分析装置2のメンテナンスを行う。ステップS2015が終了したら、ステップS2001に戻る。
(変形例4)
上述の実施形態において、質量分析装置は、真空容器31に冷却用ガスが導入される前に冷却用ガスを冷却する冷却部を備えてもよい。冷却部は、ペルチェ素子、または、内部に冷媒が流れる冷却管等の冷却装置を備える。冷却部は、冷却用ガスの供給源(上述の実施形態ではキャリアガス供給源G1)を冷却してもよい。冷却された冷却用ガスが真空容器31に導入されることで、より迅速にイオン化部33を冷却することができる。
図7は、本変形例の質量分析装置3の構成を示す概念図である。質量分析装置3は、冷却用ガス導入部20を備えず、冷却用ガス導入部20aを備える点が上述の質量分析装置1とは異なっている。冷却用ガス導入部20aは、冷却用ガス流路21の途中に配置された冷却部23を備え、冷却部23で冷却された冷却用ガスが流量制御部22の流量制御弁の開放により真空容器31に導入される構成となっている。
(態様)
上述した複数の例示的な実施形態または変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項目)一態様に係る質量分析装置は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、前記真空容器に設置され、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部と、前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部とを備える。これにより、イオン化部の冷却中に、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
なお、「質量分離により得られたイオン」とは、質量分離部で選択的に通過させられたイオンの他、質量分離部で原子若しくは原子団の付加または解離等が行われる場合に、これらの付加または解離等で得られたイオンも含むものとする。
(第2項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第1項目に記載の質量分析装置において、前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了を判定する判定部と、前記判定部の判定結果が冷却の終了判定であれば、前記真空容器にガスを導入して前記開閉部を前記ロック解除した状態に切り替える切替部とを備える。これにより、イオン化部の温度が十分に下がらない状態で、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
(第3項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第2項目に記載の質量分析装置において、前記切替部は、前記冷却用ガス導入部であり、前記真空容器に前記冷却用ガスを導入して前記開閉部を前記ロック解除した状態に切り替える。これにより、冷却用ガス導入部の他にガス導入部を設けなくてもロック解除を行うことができ、上記真空容器の部品を少なくしたり、上記真空容器の加工を容易にすることができる。
(第4項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第2項目または第3項目に記載の質量分析装置において、前記判定部は、前記イオン化部の温度、前記イオン化部を加熱するヒーターの加熱停止からの時間、前記冷却用ガスの導入からの時間、または、前記イオン化部が所定の温度まで低下してからの時間に基づいて、前記イオン化部の冷却の終了を判定する。これにより、上記温度または上記時間を用いて、イオン化部の冷却の終了後の開閉部のロック解除を適切に制御することができ、自動的な制御にも好適である。
(第5項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第1項目から第4項目までのいずれかに記載の質量分析装置において、前記冷却用ガス導入部は、前記真空容器を排気する真空排気系を介して前記真空容器に前記冷却用ガスを導入する。これにより、上記真空容器に新たに導入口を設置する必要が無く、上記真空容器の部品を少なくしたり、上記真空容器の加工を容易にすることができる。
(第6項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第1項目から第5項目までのいずれかに記載の質量分析装置において、前記冷却用ガスを冷却する冷却部を備える。これにより、より迅速にイオン化部を冷却することができる。
(第7項目)他の一態様に係る質量分析装置では、第1項目から第6項目までのいずれかに記載の質量分析装置において、前記真空容器の圧力を大気圧よりも高い所定上限値以下に制限する開放弁を備える。これにより、冷却用ガスによるイオン化部の冷却をより安全に行うことができる。
(第8項目)他の一態様に係る質量分析装置は、第1項目から第7項目までのいずれかに記載の質量分析装置であって、ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)である。これにより、GC-MSのメンテナンス等において特に問題となるイオン化部の汚染を抑制することができる。
(第9項目)一態様に係る質量分析装置は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、前記真空容器に設置された開閉部と、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部と、前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了を判定する判定部と、前記判定部の判定結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替える切替部とを備える。これにより、イオン化部の冷却中に、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
(第10項目)一態様に係る質量分析方法は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、前記真空容器は、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部を備え、前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することを備える。これにより、イオン化部の冷却中に、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
(第11項目)一態様に係る質量分析方法は、分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、前記質量分析装置は、前記真空容器に設置された開閉部を備え、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することと、前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了の判定を行うことと、前記判定の結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替えることとを備える。これにより、イオン化部の冷却中に、真空容器に設置された開閉部が開けられることを防ぎ、イオン化部が汚染等の悪影響を受けることを抑制できる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,2,3…分析装置、10…ガスクロマトグラフ、11…キャリアガス流路、12…試料導入部、14…分離カラム、20,20a…冷却用ガス導入部、21…冷却用ガス流路、22…流量制御部、23…冷却部、30…質量分析部、31…真空容器、33…イオン化部、35…質量分離部、36…検出部、37,37a,37m…開閉部、38…開放弁、39…駆動装置、40…情報処理部、44…出力部、50…制御部、51…装置制御部、52…データ処理部、100…測定部、300…真空排気系、310…真空隔壁、400…ラッチ機構、511,513…導入制御部、512…判定部、D…扉、G1…キャリアガス供給源、In…イオン。

Claims (11)

  1. 分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、
    前記真空容器に設置され、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部と、
    前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部とを備える質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、
    前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果が冷却の終了判定であれば、前記真空容器にガスを導入して前記開閉部を前記ロック解除した状態に切り替える切替部とを備える質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置において、
    前記切替部は、前記冷却用ガス導入部であり、前記真空容器に前記冷却用ガスを導入して前記開閉部を前記ロック解除した状態に切り替える質量分析装置。
  4. 請求項2または3に記載の質量分析装置において、
    前記判定部は、前記イオン化部の温度、前記イオン化部を加熱するヒーターの加熱停止からの時間、前記冷却用ガスの導入からの時間、または、前記イオン化部が所定の温度まで低下してからの時間に基づいて、前記イオン化部の冷却の終了を判定する質量分析装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    前記冷却用ガス導入部は、前記真空容器を排気する真空排気系を介して前記真空容器に前記冷却用ガスを導入する質量分析装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    前記冷却用ガスを冷却する冷却部を備える質量分析装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    前記真空容器の圧力を大気圧よりも高い所定上限値以下に制限する開放弁を備える質量分析装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    ガスクロマトグラフ-質量分析計である質量分析装置。
  9. 分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置であって、
    前記真空容器に設置された開閉部と、
    前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入する冷却用ガス導入部と、
    前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了を判定する判定部と、
    前記判定部の判定結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替える切替部とを備える質量分析装置。
  10. 分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、
    前記真空容器は、前記真空容器の内部と外部との圧力差により、閉状態にロックした状態と、ロック解除した状態とが切り替わる開閉部を備え、
    前記開閉部の前記ロックした状態が保持されるように、前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することを備える質量分析方法。
  11. 分離部で分離された試料をイオン化し、イオンを生成するイオン化部と、前記イオン化部で生成された前記イオンを質量分離する質量分離部と、前記質量分離部での質量分離により得られたイオンを検出する検出部とが内部に配置された真空容器を備える質量分析装置による質量分析方法であって、
    前記質量分析装置は、前記真空容器に設置された開閉部を備え、
    前記イオン化部を冷却するための冷却用ガスを前記真空容器に導入することと、
    前記冷却用ガスが前記真空容器に導入された後に、前記イオン化部の冷却の終了の判定を行うことと、
    前記判定の結果が冷却の終了判定であれば、前記開閉部を閉状態にロックした状態からロック解除した状態に切り替えることとを備える質量分析方法。
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