JP5784548B2 - 触媒反応シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒反応シミュレーション装置に関する。
触媒は、大規模な装置に組み込む前に、その挙動に関する各種操作要素の効果が明らかにされている必要がある。そこで、新しい触媒の挙動を速やかに明らかにする技術は、当業者にとって大きな関心事である。
近年、燃料の燃焼、燃焼排ガスの浄化、有機合成等の分野で用いられている各種の触媒について、触媒反応のメカニズム、反応生成物等の解析を行って触媒の評価を行う触媒反応シミュレーション装置の開発が行われている。前記触媒反応シミュレーション装置として、例えば、ジェット燃料を加熱炉内に配設した触媒に接触させて反応させ、その反応生成物をガスクロマトグラフ装置により分離し、質量分析計により検出するようにした装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
前記触媒反応シミュレーション装置では、まず、試料となる燃料をポンプ装置により定圧で汲み出し、導管を介してオーブンに送入する。前記オーブン内には、石英管が配設されており、前記燃料は該石英管内で加熱されることにより気化し、該石英管内に配設された触媒に接触することにより化学反応(触媒反応)を起こす。前記化学反応による反応生成物は、前記石英管から導管を介して取出され、キャピラリーカラムを備えるガスクロマトグラフ装置に送入される。
前記生成物は、前記キャピラリーカラムにより成分毎に分離され、分離された各成分は導管を介して質量分析計に供給され、その質量が検出される。そして、前記質量分析計で検出された各成分の質量を解析することにより、前記触媒反応に関する知見を得ることができる。
Xiangsheng Nie,. et.al,. "DEVEROPMENT OF ON-LINE GC/MS MONITORING TECHNIQUES FOR HIGH PRESSURE FUEL CONVERSION PROCESSES", [online], Center for Micro Analysis and Reaction Chemistry, University of Utah, [平成24年5月16日検索], インターネット<URL:http://web.anl.gov/ PCS/acsfuel/preprint%20archive/ Files/Volumes/Vol38-4.pdf>
しかしながら、前記従来の装置では、気化した成分が石英管内に配設された触媒に接触して触媒反応を起こすときに、該石英管はオーブン内に配設されて加熱されるようになっている。従って、前記従来の装置では、前記触媒反応時の温度を精密に制御することが難しく、温度条件の相違による触媒の挙動に関する知見を得ることが難しいという不都合がある。
そこで、本発明は、かかる不都合を解消して、簡略な装置構成で、触媒反応時の温度を精密に制御して、温度条件の相違による触媒の挙動に関する知見を得ることができる触媒反応シミュレーション装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の触媒反応シミュレーション装置は、第1の筒状体と、該第1の筒状体の周囲に配設された第1の加熱手段とを備え、該第1の筒状体に供給された試料を該第1の加熱手段により加熱して気相成分を生成させる気相成分生成手段と、該第1の筒状体の下流側に接続された第2の筒状体と、該第2の筒状体の周囲に配設された第2の加熱手段と、該第2の筒状体の内部に配設された触媒とを備え、該気相成分を該触媒に接触させて触媒反応を行う触媒反応手段と、該第1の加熱手段による該試料の加熱と、該第2の加熱手段による該触媒の加熱とを独立に制御する加熱制御手段と、該触媒反応による反応生成物を検出する検出手段と、該触媒反応手段と該検出手段とに接続され該反応生成物を該触媒反応手段から該検出手段に案内する案内手段とを備える触媒反応シミュレーション装置であって、前記第1の筒状体と前記第2の筒状体とを接続する接続部材と、該第2の筒状体と前記第2の加熱手段とを支持する支持部材とを備え、該接続部材は内部に形成され該第1の筒状体と該第2の筒状体とを連通する管路と、両端の内周面に該管路に連通して形成され該管路より大径のナット部とを備え、上流側の該ナット部に該第1の筒状体の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第1の筒状体が着脱自在とされる一方、下流側の該ナット部に該第2の筒状体の上流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第2の筒状体が着脱自在とされ、該支持部材は該第2の筒状体が挿通される貫通孔と、上流側端部の外周面に該貫通孔に連通して形成され該貫通孔より大径のナット部とを備え、該ナット部に該第2の加熱手段の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着され、該第2の加熱手段が着脱自在とされることにより、該第2の筒状体は該第1の筒状体との接続を解除自在かつ該第2の加熱手段から脱離自在に備えられ、該触媒はガラス管からなるカートリッジに充填されて該第2の筒状体内に交換自在に収容されることを特徴とする。
本発明の触媒反応シミュレーション装置によれば、前記気相成分生成手段で前記試料を加熱することにより生成した気相成分を、前記触媒反応手段で触媒に接触させて触媒反応を行わせる。このとき、前記気相成分生成手段における前記気相成分生成時の温度条件と、前記触媒反応手段における前記触媒反応時の温度条件とを、第1、第2の両加熱手段によりそれぞれ独立に制御することができる。また、前記第2の加熱手段は前記第2の筒状体の周囲に配設されているので、前記加熱制御手段の制御に対応して、前記触媒を所望の温度に加熱することができる。
従って、本発明の触媒反応シミュレーション装置によれば、前記触媒反応時に前記第2の加熱手段により加熱される触媒の温度を、前記加熱制御手段により精密に制御することができると共に、容易に変更することができる。そして、前記触媒反応の反応生成物を前記案内手段を介して前記検出手段に導き、該検出手段で検出された該反応生成物の解析を行うことにより、温度条件の相違による触媒の挙動に関する知見を得ることができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置によれば、前記触媒を交換自在とすることにより、触媒の相違による反応生成物の相違を容易に知ることができ、それぞれの触媒の作用を解析することができる。このとき、本発明の触媒反応シミュレーション装置では、前記第2の筒状体と第1の筒状体との接続を解除し、該第2の筒状体を前記第2の加熱手段から脱離させることにより、前記触媒が充填されているカートリッジが交換可能になるので、該触媒の交換を容易に行うことができる。
前記第2の筒状体と第1の筒状体との接続を解除し、該第2の筒状体を前記第2の加熱手段から脱離させるために、本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記第1の筒状体と前記第2の筒状体とを接続する接続部材と、該第2の筒状体と前記第2の加熱手段とを支持する支持部材とを備え、該接続部材は内部に形成され該第1の筒状体と該第2の筒状体とを連通する管路と、両端の内周面に該管路に連通して形成され該管路より大径のナット部とを備え、上流側の該ナット部に該第1の筒状体の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第1の筒状体が着脱自在とされる一方、下流側の該ナット部に該第2の筒状体の上流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第2の筒状体が着脱自在とされ、該支持部材は該第2の筒状体が挿通される貫通孔と、上流側端部の外周面に該貫通孔に連通して形成され該貫通孔より大径のナット部とを備え、該ナット部に該第2の加熱手段の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着され、該第2の加熱手段が着脱自在とされている。
発明の触媒反応シミュレーション装置において、前記加熱制御手段は、前記第2の加熱手段により前記触媒を複数の異なる温度に加熱し、それぞれの温度で触媒反応を行わせることが好ましい。この結果、本発明の触媒反応シミュレーション装置では、それぞれの温度における触媒の作用を解析し、温度条件の相違による触媒の挙動に関する知見を得ることができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置において、前記気相成分生成手段が第1の筒状体と、該第1の筒状体の周囲に配設され該第1の筒状体に供給された試料を加熱する第1の加熱手段とを備え、前記触媒反応手段が該第1の筒状体に接続され不活性金属管からなる第2の筒状体と、該第2の筒状体の周囲に配設された第2の加熱手段と、該第2の筒状体の内部に配設された触媒とを備えるとき、前記第2の筒状体は前記第1の筒状体との接続を解除自在に備えられると共に、前記第2の加熱手段から脱離自在に備えられ、前記触媒はガラス管からなるカートリッジに充填されて該第2の筒状体内に交換自在に収容されることが好ましい。
前記構成を備える本発明の触媒反応シミュレーション装置では、前記第2の筒状体と第1の筒状体との接続を解除し、該第2の筒状体を前記第2の加熱手段から脱離させることにより、前記カートリッジが交換可能になる。従って、前記構成を備える本発明の触媒反応シミュレーション装置によれば、前記触媒の交換を容易に行うことができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記気相成分と反応する反応気体を前記触媒反応手段に供給する反応気体供給手段を備えることが好ましい。本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記反応気体供給手段を備えることにより、前記気相成分と該反応気体供給手段から供給される反応気体との触媒反応における反応生成物の解析を行うことができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記触媒反応による反応生成物を選択的に前記案内手段に導入する選択的導入手段を備えることが好ましい。本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記選択的導入手段を備えることにより、前記触媒反応の条件等に対応して任意の反応生成物を選択的に前記案内手段に導入することができ、該案内手段を介して前記検出手段で検出することができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置において、前記案内手段は、前記反応生成物を未分離で前記検出手段に案内する不活性チューブであってもよく、又は該反応生成物を成分毎に分離して該検出手段に案内する分離カラムであってもよい。前記不活性チューブによれば、前記反応生成物をそのまま未分離の状態で直接前記検出手段に案内することができ、該検出手段により該反応生成物の分析を行うことができる。また、前記分離カラムによれば、前記反応生成物を成分毎に分離して前記検出手段に案内することができ、該反応生成物を構成する個々の成分の分析を行うことができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記案内手段が前記不活性チューブと前記分離カラムとを備えるときに、前記不活性チューブにより案内される未分離の前記反応生成物の定性分析を行う第1の検出手段と、前記分離カラムにより案内される前記反応生成物の各成分の質量を検出する第2の検出手段とを備えることが好ましい。このとき、本発明の触媒反応シミュレーション装置によれば、第1の検出手段で前記反応生成物の定性分析を行いつつ、同時に第2の検出手段で前記反応生成物の各成分の質量を検出することができる。
また、本発明の触媒反応シミュレーション装置において、前記反応生成物の濃度が前記分離カラムにおける分離に不十分であるときに、該反応生成物を冷却して該分離カラムに捕捉することにより濃縮する濃縮手段を備えることが好ましい。本発明の触媒反応シミュレーション装置は、前記触媒反応の反応生成物の濃度が希薄であって、前記分離カラムにおける分離に不十分である場合には、選択的に前記気相成分濃縮手段を用いて、該反応生成物を冷却して該分離カラムに捕捉することにより、該反応生成物の濃度を高めることができ、分析精度を向上させることができる。
本発明の触媒反応シミュレーション装置の第1の実施形態の構成を示すシステム構成図。 本発明の触媒反応シミュレーション装置の第2の実施形態の構成を示すシステム構成図。 本発明の触媒反応シミュレーション装置の第3の実施形態の構成を示すシステム構成図。 (a)は本発明の触媒反応シミュレーション装置の第3の実施形態の要部を拡大して示す説明的断面図、(b)は(a)の部部分側面図。 図4に示す管状接続部材の構成を示す説明的断面図。 本発明の触媒反応シミュレーション装置における各実施形態の第1の変形例の構成を示すシステム構成図。 本発明の触媒反応シミュレーション装置における各実施形態の第2の変形例の構成を示すシステム構成図。 本発明の触媒反応シミュレーション装置における各実施形態の第3の変形例の構成を示すシステム構成図。 エタノール蒸気をゼオライト触媒に接触させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム。 反応炉の設定温度と不活性ステンレス管内の温度分布との関係を示すグラフ。 (a)はエタノール蒸気をゼオライト触媒に反応させて得られた成分の検出結果を示す全イオンクロマトグラム、(b)は該成分の検出結果を示す選択イオンクロマトグラム。 (a)は図11(a)に示された平坦部に対応する成分のクロマトグラム、(b)は該クロマトグラムのピーク面積と反応炉の温度との関係を示すグラフ。 (a)は反応炉の温度を200℃に5分間維持した後、500℃に昇温したときに、エタノール蒸気をゼオライト触媒に反応させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム、(b)はその部分拡大図。 (a)は反応炉の温度を200℃に5分間維持し、500℃に昇温して2分間維持した後、再び200℃に5分間維持してから500℃に昇温しときに、エタノール蒸気をゼオライト触媒に反応させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム、(b)はその部分拡大図。 グリセリン蒸気を水素ガスと共にゼオライト触媒に接触させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム。 グリセリン蒸気を水素ガスと共にモリブデン系触媒に接触させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム。 セルロースを加熱して得られた気相成分を水素ガスと共にゼオライト触媒に接触させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム。 セルロースを加熱して得られた気相成分を水素ガスと共にモリブデン系触媒に接触させて得られた成分の検出結果を示すクロマトグラム。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
まず、本発明の第1の実施形態の触媒反応シミュレーション装置1aについて説明する。図1に示すように、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1aは、試料導入部2と、試料導入部2から導入された試料を加熱して気相成分を生成させる気相成分生成手段としての加熱炉3とを備えている。加熱炉3は、導入部4を介して気相成分を案内する案内手段としての分離カラム5に接続されており、分離カラム5は検出部6に接続されている。
試料導入部2は、例えば試料カップ21aに収容された試料を加熱炉3に導入する試料導入口22を備えている。試料導入口22にはキャリアガス導管23が接続されており、キャリアガス導管23の他方の端部は開閉弁24を介してキャリアガス源25に接続されている。また、キャリアガス導管23からは、試料導入口22と開閉弁24との間から反応ガス導管26が分岐されており、反応ガス導管26は開閉弁27を介して反応ガス源28に接続されている。反応ガス源28は、一酸化炭素、水素、窒素等の前記試料と反応する反応ガスを、反応ガス導管26を介して選択的に試料導入口22に供給する。
加熱炉3は、石英ガラス製の筒状体31を上下方向に備え、筒状体31は上方で試料導入口22に接続されると共に、下方で導入部4に接続されている。筒状体31は、下部に触媒層32を備え、触媒層32の上方に設けられた空間33を介して試料導入口22に接続されている。触媒層32は、筒状体31の下部にガラス繊維等の気相成分を透過することができる材料からなる栓(図示せず)を配設すると共に、該栓の上にゼオライト触媒、パラジウム系触媒、モリブデン系触媒等の粒子又は活性炭等の担体に担持させた各種触媒を充填することにより形成することができる。触媒層32の上には、ガラス繊維等の気相成分を透過することができる材料からなる栓(図示せず)が配設される。
また、加熱炉3は、筒状体31の外周側を囲繞して備えられた加熱手段としてのヒーター34と、ヒーター34のさらに外周側に巻回された冷却管35とを備えている。ヒーター34は、外部に設けられた加熱制御手段としての制御装置7により制御されて、筒状体31を加熱する。また、冷却管35は、制御装置7により冷却水等の冷媒が流通されることにより、ヒーター34及び筒状体31を迅速に冷却することができる。
導入部4は、上方から筒状体31の下端部が挿入されると共に、下方からは分離カラム5の端部が筒状体31の下端部に対向する位置に挿入されている。導入部4の上部からは、開閉弁41を備えるスプリットベント管42が導出されており、下部には開閉弁43を備える不活性ガス導管44が接続されている。
導入部4は、筒状体31から導入される気相成分の一部をスプリットベント管42から放出し、或いは不活性ガス導管44から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、該気相成分を該不活性ガスと共にスプリットベント管42から排出することができる。この結果、導入部4は、前記気相成分の選択的導入手段として作用する。
分離カラム5は、例えばキャピラリーカラムであり、オーブン51内に収容されている。また、分離カラム5は、その上流側に前記気相成分を捕捉して濃縮する濃縮装置52aを備えている。濃縮装置52aは液体窒素が貯留されたジュワー瓶53を備え、ジュワー瓶53は分離カラム5の上流部分が浸漬自在となっている。
検出部6は、オーブン51の外部に隣接して設けられ、四重極質量分析計等の検出器61を備えている。検出器61には、分離カラム5の下流端が接続されている。
制御装置7は、例えば、ヒーター34を加熱して昇温させる際の昇温速度等がプログラムされたソフトウェアを記憶しているパーソナルコンピュータを用いることができる。また、制御装置7は、開閉弁24,27,41,43の作動の制御、オーブン51の温度制御、検出器61の制御及び検出結果の記憶、解析等を一元的に行うものであってもよい。
次に、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1aの作動について説明する。
触媒反応シミュレーション装置1aでは、まず、制御装置7によりキャリアガス導管23の開閉弁24が開弁され、キャリアガス源25からのヘリウム等のキャリアガス流通下に、試料が試料導入口22から、触媒層32の上方の空間33に導入される。前記試料は、固体又は高粘度の液体の場合には試料カップ21aに収容して空間33に導入することができ、低粘度の液体の場合には、試料カップ21aに代えてマイクロシリンジ等により空間33に導入するようにしてもよい。
前記試料が空間33に導入されたとき、筒状体31は、制御装置7に制御されたヒーター34により該試料から気相成分が生成する温度以上の温度に加熱されている。この結果、前記試料が空間33で気化又は熱分解し、得られた気相成分は前記キャリアガスにより触媒層32に案内され、触媒層32で触媒に接触することにより、触媒反応が起きる。このとき、筒状体31は、制御装置7に制御されたヒーター34により所望の温度に加熱されており、該温度で前記触媒反応を起こさせることができる。
前記触媒反応は、前記試料から得られた気相成分が前記触媒に接触して、他の成分に変化するものであってもよく、該気相成分が該触媒の存在下、一酸化炭素、水素、窒素等の反応ガスと反応するものであってもよい。前記一酸化炭素、水素、窒素等の反応ガスは、制御装置7により、反応ガス導管26の開閉弁27を開弁して、選択的に触媒層32に導入することができる。
次に、前記触媒反応による生成した反応生成物は、前記キャリアガスにより導入部4に案内される。このとき、導入部4では、制御装置7によりスプリットベント管42の開閉弁41を開弁することにより、前記反応生成物の一部をスプリットベント管42から放出し、分離カラム5に導入される該反応生成物の量を制御してもよい。分離カラム5は、導入部4に挿入される筒状体31の下端部に比較してはるかに細径であるので、それ自体流体抵抗として作用し、開閉弁41を開弁するだけで前記反応生成物の一部をスプリットベント管42から容易に放出することができる。
また、このとき、制御装置7により不活性ガス導管44の開閉弁43を開閉することにより、前記反応生成物のうち所望の成分のみを分離カラム5に導入することができる。即ち、開閉弁43を開弁し、不活性ガス導管44から前記反応生成物よりも多量の不活性ガスを供給すると、前記のように分離カラム5が流体抵抗として作用するので、該反応生成物は該不活性ガスに伴われてスプリットベント管42から放出される。従って、前記反応生成物が分離カラム5に導入されることを阻止することができる。また、開閉弁43を閉弁し、前記不活性ガスの供給を停止すれば、前記反応生成物が分離カラム5に導入される。
次に、前記反応生成物は、分離カラム5により個々の成分に分離される。本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1aは、分離カラム5により分離された個々の成分を四重極質量分析計等の検出器61で検出することにより、前記反応生成物のクロマトグラム又は、パイログラムを得ることができる。尚、前記パイログラムとは、保持時間に対応して検出されたイオン強度を示すものである。
また、前記反応生成物は、その濃度が希薄であって、前記分離カラムにおける分離に不十分であるときには、分離カラム5の上流側に設けられた濃縮装置52aにより濃縮されてもよい。濃縮装置52aは、液体窒素が貯留されたジュワー瓶53に分離カラム5を浸漬して冷却することにより、分離カラム5のジュワー瓶53に浸漬された部分に前記反応生成物をトラップして濃縮することができる。分離カラム5をジュワー瓶53から取り出すと、トラップされた前記反応生成物はオーブン51内の雰囲気により加熱されて再び気化し、分離カラム5により個々の成分に分離される。
前記試料の分析が終了したならば、制御装置7はヒーター34を停止すると共に、冷却管35に冷媒を流通させることによりヒーター34及び筒状体31を冷却し、次の分析を準備する。
次に、本発明の第2の実施形態の触媒反応シミュレーション装置1bについて説明する。図2に示すように、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1bは、筒状体31が触媒層32を備えず、図示しない触媒を備える試料カップ21bを用いることを除いて図1に示す触媒反応シミュレーション装置1aと全く同一の構成を備えている。そこで、触媒反応シミュレーション装置1bにおいて、触媒反応シミュレーション装置1aと同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。前記触媒は、粘着性のある液体試料又はセルロース等の固体試料と均一に混合されて試料カップ21bに収容される。
本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1bによれば、触媒反応シミュレーション装置1aの場合と全く同一にして前記キャリアガスが流通され、該キャリアガス流通下、固体又は高粘度液体の試料が試料カップ21bに収容されて、筒状体31に導入される。このとき、筒状体31は、制御装置7に制御されたヒーター34により該試料から気相成分が生成する温度以上の温度に加熱されている。この結果、前記試料は筒状体31内で気化又は熱分解し、得られた気相成分が直ちに試料カップ21b内の触媒層と接触することにより、触媒反応が起きる。
本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1bによれば、触媒反応シミュレーション装置1aの場合と全く同一にして、前記触媒反応の反応生成物の分析を行うことができ、検出器61によりクロマトグラム又はパイログラムを得ることができる。
また、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1bによれば、前記試料に触媒を混合するか否かで、該触媒の有無による反応生成物の差を知ることができ、触媒の性能を容易に検討することができる。また、このとき、制御装置7により所定のプログラムに従ってヒーター34を加熱して昇温させ、温度に対する反応生成物の変化を知ることができ、前記触媒の活性温度を検討することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cについて説明する。図3に示すように、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cは、試料導入部2と、試料導入部2から導入された試料を加熱して気相成分を生成させる気相成分生成手段としての加熱炉3と、該気相成分を触媒に接触させて触媒反応を行う触媒反応手段としての反応炉8とを備えている。反応炉8は、導入部4を介して気相成分を案内する案内手段としての分離カラム5に接続されており、分離カラム5は検出部6に接続されている。
試料導入部2は、例えば試料カップ21aに収容された試料を加熱炉3に導入する試料導入口22を備えている。試料導入口22にはキャリアガス導管23が接続されており、キャリアガス導管23の他方の端部は開閉弁24を介してキャリアガス源25に接続されている。
加熱炉3は、石英ガラス製の筒状体31を上下方向に備え、筒状体31は上方で試料導入口22に接続されると共に、下方で反応炉8に接続されている。また、加熱炉3は、筒状体31の外周側を囲繞して備えられた加熱手段としてのヒーター34と、ヒーター34のさらに外周側に巻回された冷却管35とを備えている。ヒーター34は、外部に設けられた加熱制御手段としての制御装置7により制御されて、筒状体31を加熱する。また、冷却管35は、制御装置7により冷却水等の冷媒が流通されることにより、ヒーター34及び筒状体31を迅速に冷却することができる。
反応炉8は、筒状体としての不活性ステンレス管81を上下方向に備え、不活性ステンレス管81は上方で筒状体31に連通して接続されると共に、下方で導入部4に接続されている。不活性ステンレス管81は内部に触媒層82を備えている。触媒層82は、筒状体81の下部にガラス繊維等の気相成分を透過することができる材料からなる栓(図示せず)を配設すると共に、該栓の上にゼオライト触媒、パラジウム系触媒、モリブデン系触媒等の粒子又は活性炭等の担体に担持させた各種触媒を充填することにより形成することができる。触媒層82の上には、ガラス繊維等の気相成分を透過することができる材料からなる栓(図示せず)が配設される。
また、反応炉8は、不活性ステンレス管81の外周側を囲繞して備えられた加熱手段としてのヒーター83と、ヒーター83のさらに外周側に巻回された冷却管84とを備えている。ヒーター83は、制御装置7により制御されて不活性ステンレス管81を加熱する。
反応炉8では、不活性ステンレス管81に代えて石英製の筒状体を用いることもできるが、不活性ステンレス管81は不活性金属からなり石英に比較して熱伝導性に優れているので、ヒーター83を制御装置7により制御することにより触媒層82の温度をより精密に制御することができる。
また、冷却管84は、制御装置7により冷却水等の冷媒が流通されることにより、ヒーター83及び不活性ステンレス管81を迅速に冷却することができる。
また、不活性ステンレス管81の上部には、反応ガス導管26が接続されており、反応ガス導管26は開閉弁27を介して反応ガス源28に接続されている。反応ガス源28は、一酸化炭素、水素、窒素等の前記試料と反応する反応ガスを、反応ガス導管26を介して選択的に不活性ステンレス管81に供給する。
導入部4は、上方から不活性ステンレス管81の下端部が挿入されると共に、下方からは分離カラム5の端部が不活性ステンレス管81の下端部に対向する位置に挿入されている。導入部4の上部からは、開閉弁41を備えるスプリットベント管42が導出されており、下部には開閉弁43を備える不活性ガス導管44が接続されている。
導入部4は、不活性ステンレス管81から導入される気相成分の一部をスプリットベント管42から放出し、或いは不活性ガス導管44から窒素ガス等の不活性ガスを導入し、該気相成分を該不活性ガスと共にスプリットベント管42から排出することができる。この結果、導入部4は、前記気相成分の選択的導入手段として作用する。
分離カラム5は、例えばキャピラリーカラムであり、オーブン51内に収容されている。また、分離カラム5は、その上流側に前記気相成分を捕捉して濃縮する濃縮装置52aを備えている。濃縮装置52aは液体窒素が貯留されたジュワー瓶53を備え、ジュワー瓶53は分離カラム5の上流部分が浸漬自在となっている。
検出部6は、オーブン51の外部に隣接して設けられ、四重極質量分析計等の検出器61を備えている。検出器61には、分離カラム5の下流端が接続されている。
制御装置7は、例えば、ヒーター34,83を加熱して昇温させる際の昇温速度等がプログラムされたソフトウェアを記憶しているパーソナルコンピュータを用いることができる。また、制御装置7は、開閉弁24,27,41,43の作動の制御、オーブン51の温度制御、検出器61の制御及び検出結果の記憶、解析等を一元的に行うものであってもよい。
また、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cは、図4に示すように、加熱炉3と反応炉8とオーブン51とが互いに着脱自在とされていることが好ましい。
このとき、図4(a)及び図4(b)に示すように、オーブン51は、その上面に立設された1対の板状接続部材54,54を備えており、板状接続部材54,54はそれぞれその上端縁に開口する1対のU字状溝部55a,55bを備えている。
反応炉8は、1対の板状接続部材54,54間に跨設される側面視コ字状の跨設部材85を備えており、跨設部材85は水平方向に延在して板状接続部材54,54間の空間を閉蓋する水平部材851と、水平部材851の両端から垂下された脚部材86、86とを備えている。脚部材86は回動自在に取着された1対のボルト861a,861bを備えており、板状接続部材54の内面側に接した状態で、ボルト861a,861bの軸部を板状接続部材54のU字状溝部55a,55bに挿入することにより、板状接続部材54に取り付けられる。そして、ボルト861a,861bを締め付けることにより、ボルト861a,861bの頭部と脚部材86との間に板状接続部材54を挟持して固定する。
また、反応炉8は、水平部材85を貫通する支持部材852を備えており、支持部材852は不活性ステンレス管81が挿通される貫通孔853と貫通孔853の両端に設けられた袋ナット部854a,854bとを備えている。支持部材851は、袋ナット部854aに、ヒーター83の下端部に設けられたボルト部831が螺合されることにより、ヒーター83を支持する。不活性ステンレス管81には、ガラス管の内部に充填された触媒により触媒層82が形成されているカートリッジ821が収容されている。
また、支持部材852は、袋ナット部854bを導入部4の上端部に設けられたボルト部45に螺合することにより、導入部4と接続される。導入部4は、下端部に設けられたボルト部46を分離カラム5の先端に設けられた袋ナット56に螺合することにより、分離カラム5と接続される。尚、図4では、導入部4のスプリットベント管42及び不活性ガス導管44は省略して示している。
また、反応炉8は、水平部材851の側端縁に立設された側壁部材87と、側壁部材87の上端縁から水平方向に延出され水平部材851に対向する天面部材88とを備えており、天面部材88の上面には、オーブン51の板状接続部材54,54と同様の構成を備える1対の板状接続部材89,89が立設されている。1対の板状接続部材89,89は、それぞれその上端縁に開口する1対のU字状溝部891a,891bを備えている。
加熱炉3は、反応炉8の跨設部材85と同様の構成を備える跨設部材36を備えており、跨設部材36は水平方向に延在して板状接続部材89,89間の空間を閉蓋する水平部材361と、水平部材361の両端から垂下された脚部材37,37とを備えている。脚部材37は回動自在に取着された1対のボルト371a,371bを備えており、板状接続部材89の内面側に接した状態で、ボルト371a,371bの軸部を板状接続部材89のU字状溝部891a,891bに挿入することにより、板状接続部材89に取り付けられる。そして、ボルト371a,371bを締め付けることにより、ボルト371a,371bの頭部と脚部材37との間に板状接続部材89を挟持して固定する。
また、加熱炉3は、水平部材36を貫通する支持部材362を備えており、支持部材362は筒状体31が挿通される貫通孔363と貫通孔363の両端に設けられた袋ナット部364a,364bとを備えている。支持部材362は、袋ナット部364aに、ヒーター34の下端部に設けられたボルト部341が螺合されることにより、ヒーター34を支持する。
また、加熱炉3は、筒状体31と不活性ステンレス管81とを接続する管状接続部材365を備えており、管状接続部材365の反応炉8側の端部は、反応炉8の天面部材88に穿設された貫通孔部881に挿入されている。管状接続部材365は、加熱炉3側の端部外周面に設けられたボルト部366aを袋ナット部364に螺合することにより支持部材362と接続される。また、管状接続部材365は、反応炉8側の端部外周面に設けられたボルト部366bを、貫通孔部881に挿入される不活性ステンレス管81の端部に設けられた袋ナット811に螺合することにより不活性ステンレス管81と接続される。このとき、不活性ステンレス管81と管状接続部材365との間にはOリング812が配設されることにより気密性が保持されている。
尚、管状接続部材365には、図示しない反応ガス導管26が接続されている。
管状接続部材365は、図5に示すように、加熱炉3側に支持部材362と接続する第1接続部367aを備えると共に、反応炉8側に不活性ステンレス管81と接続する第2接続部367bを備え、第1、第2接続部367a,bは管継手368により連結されている。第1接続部367aは、加熱炉3側の端部外周面にボルト部366aを備えると共に、反対側の端部外周面にボルト部369aを備えている。また、第2接続部367bは、反応炉8側の端部外周面にボルト部366bを備えると共に、反対側の端部外周面にボルト部369bを備えている。
また、管継手368は、回動自在とされた袋ナット370a,bを両端に備え、加熱炉3側の端部に備えられた袋ナット370aが第1接続部367aのボルト部369aに螺合され、反応炉8側の端部に備えられた袋ナット370bが第2接続部367bのボルト部369bに螺合される。この結果、管継手368により、第1接続部367aと第2接続部367bとが接続される。
尚、加熱炉3及び反応炉8は、オーブン51の上面に立設されたハウジング(図示せず)内に収容されている。
図4及び図5に示す構成では、まず、前記ハウジングを取り外し、加熱炉3の脚部材37に取着されたボルト371a,bを緩めると共に、不活性ステンレス管81の袋ナット811を緩めて管状接続部材365と不活性ステンレス管81との接続を解除する。そして、加熱炉3を支持部材362及び管状接続部材365と共に、反応炉8の板状接続部材89のU字状溝部891a,bに沿って上方に移動させることにより、反応炉8から加熱炉3を取り外すことができる。
次に、反応炉8の脚部材86に取着されたボルト861a,bを緩めると共に、導入部4のボルト部45を緩めて支持部材852と導入部4との接続を解除する。そして、反応炉8を支持部材852と共に、オーブン51の板状接続部材54のU字状溝部55a,bに沿って上方に移動させることにより、オーブン51から反応炉8を取り外すことができる。
このようにすることにより、反応炉8から不活性ステンレス管81を取り外し、不活性ステンレス管81の内部に収容されているカートリッジ821を取り出すことができる。そこで、カートリッジ821に充填される触媒を変えて、それぞれ異なる触媒からなる触媒層82を備える複数のカートリッジ821を準備しておき、カートリッジ821を交換することにより、容易に触媒の交換を行うことができる。
次に、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cの作動について説明する。
触媒反応シミュレーション装置1cでは、まず、制御装置7によりキャリアガス導管23の開閉弁24が開弁され、キャリアガス源25からのヘリウム等のキャリアガス流通下に、試料が試料導入口22から、筒状体31に導入される。前記試料は、固体又は高粘度の液体の場合には試料カップ21aに収容して筒状体31に導入することができ、低粘度の液体の場合には、試料カップ21aに代えてマイクロシリンジ等により筒状体31に導入するようにしてもよい。
前記試料が導入されたとき、筒状体31は、制御装置7に制御されたヒーター34により該試料から気相成分が生成する温度以上の温度に加熱されている。この結果、前記試料が筒状体31内で気化又は熱分解し、得られた気相成分は前記キャリアガスにより反応炉8の不活性ステンレス管81に案内される。
不活性ステンレス管81には触媒層82が備えられているので、不活性ステンレス管81に案内された前記気相成分が触媒層82で触媒に接触することにより、触媒反応が起きる。このとき、不活性ステンレス管81は、制御装置7に制御されたヒーター83により所望の温度に加熱されており、該温度で前記触媒反応を起こさせることができる。
前記触媒反応は、前記試料から得られた気相成分が前記触媒に接触して、他の成分に変化するものであってもよく、該気相成分が該触媒の存在下、一酸化炭素、水素、窒素等の反応ガスと反応するものであってもよい。前記一酸化炭素、水素、窒素等の反応ガスは、制御装置7により、反応ガス導管26の開閉弁27を開弁して、選択的に不活性ステンレス管81に導入することができる。
本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cによれば、加熱炉3と独立に反応炉8が設けられており、反応炉8は加熱炉3のヒーター34とは別のヒーター83により加熱される。従って、本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cでは、加熱炉3における前記気相成分生成時の温度条件と、反応炉8における前記触媒反応時の温度条件とを、ヒーター34,83によりそれぞれ独立に制御することができる。また、反応炉8は、熱伝導性に優れる不活性ステンレス管81を備えているので、ヒーター83を制御装置7により制御することにより前記触媒反応時の温度をより精密に制御することができる。
次に、前記触媒反応による生成した反応生成物は、前記キャリアガスにより導入部4に案内される。このとき、導入部4では、制御装置7によりスプリットベント管42の開閉弁41を開弁することにより、前記反応生成物の一部をスプリットベント管42から放出し、分離カラム5に導入される該反応生成物の量を制御してもよい。分離カラム5は、導入部4に挿入される筒状体31の下端部に比較してはるかに細径であるので、それ自体流体抵抗として作用し、開閉弁41を開弁するだけで前記反応生成物の一部をスプリットベント管42から容易に放出することができる。
また、このとき、制御装置7により不活性ガス導管44の開閉弁43を開閉することにより、前記反応生成物のうち所望の成分のみを分離カラム5に導入することができる。即ち、開閉弁43を開弁し、不活性ガス導管44から前記反応生成物よりも多量の不活性ガスを供給すると、前記のように分離カラム5が流体抵抗として作用するので、該反応生成物は該不活性ガスに伴われてスプリットベント管42から放出される。従って、前記反応生成物が分離カラム5に導入されることを阻止することができる。また、開閉弁43を閉弁し、前記不活性ガスの供給を停止すれば、前記反応生成物が分離カラム5に導入される。
次に、前記反応生成物は、分離カラム5により個々の成分に分離される。本実施形態の触媒反応シミュレーション装置1cは、分離カラム5により分離された個々の成分を四重極質量分析計等の検出器61で検出することにより、前記反応生成物のクロマトグラム又は、パイログラムを得ることができる。
また、前記反応生成物は、その濃度が希薄であって、前記分離カラムにおける分離に不十分であるときには、分離カラム5の上流側に設けられた濃縮装置52aにより濃縮されてもよい。濃縮装置52aは、液体窒素が貯留されたジュワー瓶53に分離カラム5を浸漬して冷却することにより、分離カラム5のジュワー瓶53に浸漬された部分に前記反応生成物をトラップして濃縮することができる。分離カラム5をジュワー瓶53から取り出すと、トラップされた前記反応生成物はオーブン51内の雰囲気により加熱されて再び気化し、分離カラム5により個々の成分に分離される。
前記試料の分析が終了したならば、制御装置7はヒーター34,83を停止すると共に、冷却管35,84に冷媒を流通させることにより、ヒーター34,83、筒状体31及び不活性ステンレス管81を冷却し、次の分析を準備する。
前記各実施形態では、導入部4と検出部6とを分離カラム5により接続するようにしているが、図6に第1の変形例として示すように不活性チューブ9により接続するようにしてもよい。この場合には、前記触媒反応の反応生成物が分離されることなく、そのまま検出器61で検出されることになり、発生ガス分析(Evolved Gas Analysis)の結果として、該反応生成物のサーモグラムを得ることができる。また、このようにすることにより、前記触媒反応をリアルタイムでモニタリングすることができる。
また、図7に第2の変形例として示すように、分離カラム5と不活性チューブ9との両方を備え、分離カラム5により分離された個々の成分を検出する第1の検出器61aと、不活性チューブ9により案内される反応生成物を検出する第2の検出器61bとを備えるようにしてもよい。各検出器61a,61bとしては、前記各実施形態と同一の四重極質量分析計等を用いることができる。
図7に示す変形例では、検出器61bにより前記触媒反応をリアルタイムでモニタリングしつつ、該触媒反応の反応生成物を分離カラム5により個々の成分に分離し、検出器61aにより検出することができる。従って、例えば、検出器61bにより前記触媒反応をリアルタイムでモニタリングしつつ、導入部4を前記反応生成物の選択的導入手段として用いることにより、該反応生成物の所望の成分のみを分離カラム5に導入することもできる。
また、前記各実施形態では、濃縮装置52aとして液体窒素が貯留されたジュワー瓶53に分離カラム5を浸漬するようにしているが、図8に第3の変形例として示すように、分離カラム5の上流側の一部を囲繞する外套管57と、冷媒噴射ノズル58を備える濃縮装置52bを備えていてもよい。冷媒噴射ノズル58は、外套管57に直交するように備えられ、導管59を介して冷媒源60から供給される冷媒を外套管57内の分離カラム5に噴射して冷却することにより、この部分に前記反応生成物をトラップして濃縮することができる。前記冷媒としては、例えば液体窒素を用いることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
〔実施例1〕
本実施例では、図3に示す触媒反応シミュレーション装置1cにおいて、触媒層82にゼオライト触媒(ZSM−5)を用いた。そして、キャリアガス導管23から供給されるキャリアガスとしてのヘリウムの流通下、マイクロシリンジを用いて加熱炉3にエタノールを連続的に供給した。
加熱炉3は40〜900℃の範囲の温度に設定することができ、本実施例では制御装置7によりヒーター34を制御して加熱炉3の温度を250℃として、前記エタノールを気化させた。
生成したエタノール蒸気を、キャリアガスにより反応炉8に案内し、不活性ステンレス管81に備えられている触媒層82に接触させ、前記ゼオライト触媒により触媒反応させた。反応炉8は100〜900℃の範囲の温度に設定することができ、本実施例では制御装置7によりヒーター83を制御して反応炉8の温度をまず100℃とし、次いで300℃に上昇させた。
このとき、分離カラム5に代えて、図4に示す不活性チューブ9を用いて、発生ガス分析を行った結果をサーモグラムとして図9(a)に示す。図9(a)から、反応炉8の温度が100℃の間は質量電荷比(以下、m/zと略記する)45の物質が多く検出されるが、経時的に減少し、代わってm/z:28の物質とm/z:18の物質とが検出されるようになることがわかる。また、反応炉8の温度が300℃になると、m/z:28の物質とm/z:18の物質とが多く検出されるようになり、m/z:45の物質は痕跡量となることがわかる。
前記m/z:45の物質はエタノールであり、m/z:28の物質はエチレン、m/z:18の物質はHOである。前記サーモグラムから、100℃では前記触媒反応がほとんど進行せず、300℃で該触媒反応が進行してエタノールがジエチルエーテルを経て、エチレンとHOとに変化するものと推定することができる。
次に、図9(a)のサーモグラムの領域Aと領域Bとに当たる部分をそれぞれ導入部4において、選択的に分離カラム5に導入すると共に、濃縮装置52aにより濃縮した後、分離カラム5により分離された成分を検出器61で検出した。得られた結果をクロマトグラムとして図9(b)に示す。
図9(b)から、領域AではHOとエタノールとジエチルエーテルとが検出される一方、領域BではエチレンとHOとが検出されており、前記サーモグラムから得られた推定の裏付けを得ることができることが明らかである。
次に、エタノール蒸気を触媒層82に接触させ、反応炉8の温度をまず100℃とし、次いで300℃に上昇させたときに得られる全ての成分を分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。得られた結果をクロマトグラムとして図9(c)に示す。
図9(c)から、エチレンとHOとエタノールとが検出されていることがわかる。前記エタノールは、反応炉8の温度が100℃である間に分離カラム5に導入されたものと考えられ、エチレンとHOとは最終生成生物と考えられる。また、ジエチルエーテルは300℃の温度でエチレンとHOとに変化するため、検出されないものと考えられる。
〔実施例2〕
本実施例では、図3に示す触媒反応シミュレーション装置1cにおいて、まず、実施例1と全く同一にしてエタノールを加熱炉3に供給して気化させ、得られたエタノール蒸気を触媒層82に接触させた。このとき、本実施例では、反応炉8の温度を60℃から500℃まで段階的に昇温させ、それぞれの温度における反応生成物の解析を行った。
次に、触媒反応シミュレーション装置1cにおける反応炉8の設定温度と不活性ステンレス管81内の温度分布との関係を図10に示す。図10において、縦軸の数値は、不活性ステンレス管81の上端部からの長さを示し、触媒層82は40〜110mmの範囲に設けられている。図10から、触媒反応シミュレーション装置1cにおける反応炉8によれば、触媒層82の中心部の温度を設定温度と略一致させることができ、触媒層82の温度を精密に制御できることが明らかである。
次に、エタノール蒸気を触媒層82に接触させた後、最初の10分間で反応炉8の設定温度を60℃から100℃に昇温させ、その後は10分間毎に50℃ずつ段階的に昇温させた。前記反応炉8の温度の上昇は、制御装置7のプログラムに従って行った。また、このとき、触媒層82の温度は、図10に示すように反応炉8の設定温度と十分に一致している。
前記温度条件下にエタノール蒸気を触媒層82に接触させて得られた成分を分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。得られた結果を、全イオンクロマトグラム(TIC, Total Ion Chromatogram)として図11(a)に示す。また、H、C 、COH、(C、C の各イオンについてのイオン毎の選択イオンクロマトグラム(Selected Ion Chromatogram)を図11(b)に示す。
図11(a),(b)から、エタノール蒸気を触媒層82に接触させた後の40分間、200℃までの温度範囲で、COHに対応するエタノールが、(Cに対応するジエチルエーテルとなることがわかる。また、その後、ジエチルエーテルの脱水素を経てHに対応するHOとC に対応するエチレンが生成し、さらに高温になるとC に対応する芳香族成分が生成することがわかる。
従って、触媒反応シミュレーション装置1cによれば、触媒反応時の触媒層82の温度を精密に制御して、それぞれの温度における触媒の作用を解析し、温度条件の相違による触媒の挙動に関する知見を得ることができることが明らかである。
次に、図11(a)の全イオンクロマトグラムにおいて、各温度領域における平坦部の30秒間に当たる領域をサンプリングしたクロマトグラムを図12(a)に示す。また、検出された成分の図12(a)におけるピーク面積と、反応炉8の温度との関係を図12(b)に示す。尚、図12(b)において、各成分のピーク面積は10倍されている。
図12(b)から、前記触媒反応において、エチレンを得るための最適温度は250〜300℃の範囲であることがわかる。従って、触媒反応シミュレーション装置1cによれば、触媒反応における最適温度を解析することができることが明らかである。
〔実施例3〕
本実施例では、図3に示す触媒反応シミュレーション装置1cにおいて、まず、実施例1と全く同一にしてエタノールを加熱炉3に供給して気化させ、得られたエタノール蒸気を触媒層82に接触させた。このとき、本実施例では、反応炉8の温度を、まず、200℃に5分間維持した後、500℃に昇温し、反応生成物の解析を行った。
前記温度条件下にエタノール蒸気を触媒層82に接触させて得られた成分を分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。得られた結果を、図13(a)に示す。また、図13(a)におけるエタノール蒸気を触媒層82に接触させてから2分後以降の部分を40倍に拡大して図13(b)に示す。
図13(a),(b)から、反応炉8の温度が200℃の間に、エチレン、HO、Iso−C’2−C’、2−C’等の成分が検出されると共に、反応炉8の温度が500℃に昇温された後のエタノール蒸気を触媒層82に接触させてから7〜8分後の領域にブロードなピークが検出されることがわかる。前記ブロードなピークのマススペクトルを図13(c)に示す。
図13(c)から、前記ピークはm/Z:18の物質とm/z:25〜28の物質によるものであることがわかる。ここで、m/Z:18の物質はHOであり、m/z:25〜28の物質はエチレンである。
次に、前記ブロードなピークが検出される理由を検証するために、反応炉8の温度を、まず、200℃に5分間維持した後、500℃に昇温して2分間維持し、この間にエタノール蒸気を触媒層82に接触させて得られた成分を濃縮装置52aにより分離カラム5の上流側にトラップした。次に、反応炉8の温度を再び200℃に戻して5分間維持した後、500℃に昇温し、反応生成物の解析を行った。
前記条件下に濃縮装置52aによりトラップされた成分を熱脱着させて分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。得られた結果を、図14(a)に示す。また、図14(a)における反応炉8の温度を再び200℃に戻してから2分後以降の部分を40倍に拡大して図14(b)に示す。
図14(a),(b)から、反応炉8の温度を200℃に戻してから5分間に、エチレン、HO、2−C’、ベンゼン等の成分が検出されると共に、反応炉8の温度が500℃に昇温された後にはトルエン、キシレン等の成分が検出されるが、反応炉8の温度を200℃に戻してから7〜8分後の領域(図13(a),(b)のエタノール蒸気を触媒層82に接触させてから7〜8分後の領域に相当)には、全くピークが認められないことがわかる。
図13,14から、図13(a),(b)のエタノール蒸気を触媒層82に接触させてから7〜8分後の領域に現れるブロードなピークは、反応炉8の温度が200℃の間に触媒層82に吸着されたエチレンと、HOとが、反応炉8の温度が500℃に昇温されることにより熱脱着されたものと推定することができる。
一方、図14(a),(b)では、200℃に5分間維持した後、500℃に昇温して2分間維持し、この間にエタノール蒸気を触媒層82に接触させて得られた成分を濃縮装置52aにより分離カラム5の上流側にトラップしている。従って、最初に200℃に5分間維持した間に触媒層82に吸着された成分も、続く500℃に2分間維持した間に熱脱着され、分離カラム5の上流側にトラップされているものと考えられる。
この結果、反応炉8の温度を再び200℃に戻して5分間維持した後、500℃に昇温しても触媒層82から熱脱着される成分はなく、従って図14(a),(b)では、図13(a),(b)におけるブロードなピークが検出されないものと考えられる。
従って、触媒反応シミュレーション装置1cによれば、図13,14に示すように、夾雑物と思われるピークについても解析することができることが明らかである。
〔実施例4〕
本実施例では、図3に示す触媒反応シミュレーション装置1cにおいて、キャリアガス導管23から供給されるキャリアガスとしてのヘリウムの流通下、高粘度の液体試料としてのグリセリンを試料カップ21aに収容して、加熱炉3に供給した。
本実施例では制御装置7によりヒーター34を制御して加熱炉3の温度を300℃として、前記グリセリンを気化させた。次に、生成したグリセリン蒸気をキャリアガスにより反応炉8に案内すると共に、反応ガス導管26を介して反応ガス源28から水素ガスを供給して、グリセリン蒸気と共に不活性ステンレス管81に備えられている触媒層82に接触させ、触媒反応させた。
このとき、本実施例では制御装置7によりヒーター83を制御して反応炉8の温度を200℃とした。次に、前記温度条件下にグリセリン蒸気及び水素ガスを触媒層82に接触させて得られた成分を分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。
ここで、触媒層82にゼオライト触媒(ZSM−5)を用いたときに得られた結果を、全イオンクロマトグラムとして図15に示す。また、図15の保持時間0〜4分の領域を拡大して図15中の上段に示す。
また、触媒層82にモリブデン系触媒を用いたときに得られた結果を、全イオンクロマトグラムとして図16に示す。また、図16の保持時間0〜3分の領域を拡大して図16中の上段に示す。
図15からは、グリセリンに対する水素添加生成物として、エタン、プロパン、水、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等の化合物が検出されることがわかる。一方、図16からは、グリセリンに対する水素添加生成物として、前記化合物に加え、さらにブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、メチルシクロペンタン、p−メチルビフェニル等の化合物が検出されることがわかる。
従って、図15,16から触媒の相違による反応生成物の相違を容易に知ることができる。
〔実施例5〕
本実施例では、図3に示す触媒反応シミュレーション装置1cにおいて、キャリアガス導管23から供給されるキャリアガスとしてのヘリウムの流通下、固体試料としてのセルロースを試料カップ21aに収容して、加熱炉3に供給した。
本実施例では制御装置7によりヒーター34を制御して加熱炉3の温度を450℃として、前記セルロースを熱分解させた。次に、生成した気相成分をキャリアガスにより反応炉8に案内すると共に、反応ガス導管26を介して反応ガス源28から水素ガスを供給して、該気相成分と共に不活性ステンレス管81に備えられている触媒層82に接触させ、触媒反応させた。
このとき。本実施例では制御装置7によりヒーター83を制御して反応炉8の温度を200℃とした。次に、前記温度条件下に前記気相成分及び水素ガスを触媒層82に接触させて得られた成分を分離カラム5に導入し、分離された成分を検出器61で検出した。
ここで、触媒層82にゼオライト触媒(ZSM−5)を用いたときに得られた結果を、全イオンクロマトグラムとして図17に示す。また、図17の保持時間0〜4分の領域を拡大して図17中の上段に示す。
また、触媒層82にモリブデン系触媒を用いたときに得られた結果を、全イオンクロマトグラムとして図18に示す。また、図18の保持時間0〜3分の領域を拡大して図18中の上段に示す。
図17からは、セルロースを熱分解させて得られた気相成分に対する水素添加生成物として、エタン、水、トルエン、キシレン等の化合物が検出されることがわかる。一方、図18からは、セルロースを熱分解させて得られた気相成分に対する水素添加生成物として、前記化合物に加え、さらにプロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、メチルシクロペンタン、ベンゼン、ナフタレン、p−メチルビフェニル等の化合物が検出されることがわかる。
従って、図17,18から触媒の相違による反応生成物の相違を容易に知ることができる。
実施例4,5から、触媒反応シミュレーション装置1cによれば、触媒層82の触媒を替えることにより触媒の相違による反応機構の相違や反応生成物の相違についても容易に解析することができることが明らかである。
1a,1b,1c…触媒反応シミュレーション装置、 3…加熱炉、 4…導入部、 5…分離カラム、 6…検出部、 7…制御装置、 8…反応炉、 9…不活性チューブ。

Claims (7)

  1. 第1の筒状体と、該第1の筒状体の周囲に配設された第1の加熱手段とを備え、該第1の筒状体に供給された試料を該第1の加熱手段により加熱して気相成分を生成させる気相成分生成手段と、
    該第1の筒状体の下流側に接続された第2の筒状体と、該第2の筒状体の周囲に配設された第2の加熱手段と、該第2の筒状体の内部に配設された触媒とを備え、該気相成分を該触媒に接触させて触媒反応を行う触媒反応手段と、
    該第1の加熱手段による該試料の加熱と、該第2の加熱手段による該触媒の加熱とを独立に制御する加熱制御手段と、
    該触媒反応による反応生成物を検出する検出手段と、
    該触媒反応手段と該検出手段とに接続され該反応生成物を該触媒反応手段から該検出手段に案内する案内手段とを備える触媒反応シミュレーション装置であって、
    前記第1の筒状体と前記第2の筒状体とを接続する接続部材と、該第2の筒状体と前記第2の加熱手段とを支持する支持部材とを備え、
    該接続部材は内部に形成され該第1の筒状体と該第2の筒状体とを連通する管路と、両端の内周面に該管路に連通して形成され該管路より大径のナット部とを備え、上流側の該ナット部に該第1の筒状体の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第1の筒状体が着脱自在とされる一方、下流側の該ナット部に該第2の筒状体の上流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着されて、該第2の筒状体が着脱自在とされ、
    該支持部材は該第2の筒状体が挿通される貫通孔と、上流側端部の外周面に該貫通孔に連通して形成され該貫通孔より大径のナット部とを備え、該ナット部に該第2の加熱手段の下流側端部の外周面に形成されたボルト部が螺着され、該第2の加熱手段が着脱自在とされることにより、
    該第2の筒状体は該第1の筒状体との接続を解除自在かつ該第2の加熱手段から脱離自在に備えられ、該触媒はガラス管からなるカートリッジに充填されて該第2の筒状体内に交換自在に収容されることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  2. 請求項1記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記加熱制御手段は、前記第2の加熱手段により前記触媒を複数の異なる温度に加熱し、それぞれの温度で触媒反応を行わせることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記気相成分と反応する反応気体を前記触媒反応手段に供給する反応気体供給手段を備えることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記触媒反応による反応生成物を選択的に前記案内手段に導入する選択的導入手段を備えることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記案内手段は前記反応生成物を未分離で前記検出手段に案内する不活性チューブ又は該反応生成物を成分毎に分離して該検出手段に案内する分離カラムであることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  6. 請求項5記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記不活性チューブにより案内される未分離の前記反応生成物の定性分析を行う第1の検出手段と、前記分離カラムにより案内される前記反応生成物の各成分の質量を検出する第2の検出手段とを備えることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
  7. 請求項5又は請求項6記載の触媒反応シミュレーション装置において、前記反応生成物の濃度が前記分離カラムにおける分離に不十分であるときに、該反応生成物を冷却して該分離カラムに捕捉することにより濃縮する濃縮手段を備えることを特徴とする触媒反応シミュレーション装置。
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