本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向も、遊技者から見た場合の左方向や、右方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した状態における遊技者から見た方向を意味する。
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、図1を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、4個の回転リール62の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。なお、上述した4個の回転リール62は、第1回転リールとしての正面から向かって左側の左回転リール64と、第2回転リールとしての中央の中回転リール66と、この中回転リール66の右側に位置して、第3回転リールとしての右回転リール68と、この右側回転リール68より更に右側の端に位置して、第4回転リールとしての端回転リール69とから構成されている。この図柄表示窓部16は、4個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦4列横3行に配置した合計12個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、4個の駆動モータ(図示せず)と、この各駆動モータによってそれぞれ回転させられる合計4個の前記回転リール62と、前記駆動モータ及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させる報知手段70が形成されている。この報知手段70は、前扉14に配置されているものであって、スピーカー72と、表示装置84と、演出用ランプ78とを備えている。なお、回転リール62は、通常、遊技進行のために用いられるが、遊技の進行を停止している状態において、通常の回転動作とは異なる挙動による演出(いわゆるリール演出)を示すことにより報知手段70の一種として使用してもよい。
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための表示デバイスであり、動画を含んだ映像の表示を行うための液晶表示装置を有する演出ユニットを構成するものである。
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として後述するメダル投入口38からあらかじめメダルを投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記メダル投入口38の下には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。この精算スイッチ36の左側には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、4個の回転リール62のそれぞれに対応する4個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左側から右側に向かって順に、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRと、端回転リール69を停止させるための端ストップスイッチHとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するマックスベットスイッチ34の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。このスタートスイッチ40の上には、クレジットしたメダル数から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34が設けられている。
なお、マックスベットスイッチ34に加えて、又はマックスベットスイッチ34に代えて、クレジットしたメダル数を1枚減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチを設けてもよい。
なお、マックスベットスイッチ34とメダル投入口28との間に、操作手段31として遊技の進行に関与しないスイッチとしてのチャンススイッチのようなものを設けてもよい。そして、この操作手段31としてのチャンススイッチを所定の契機で遊技者に1回又は所定回数以上、操作させることで所定の特典を付与するようにしてもよい。
上述したスタートスイッチ40、ストップスイッチ50、精算スイッチ36及びマックスベットスイッチ34により、遊技者が操作可能な操作手段31(図3参照)を構成している。
前記前扉14の下部の後方向(奥方向)には、いわゆるホッパーユニットであって、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができる貯留払出手段24(図3参照)と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチを有すると共に各部品に電力を供給するための電源装置(図示せず)とが配置されている。
前記前扉14の下部には、所定の場合に貯留払出手段24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、後述するメイン制御装置110の各状態に対応した抽選テーブルを用いて役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
なお「有効ライン86」は、当選役が当該ライン上に並んだ場合に入賞等となって遊技者に利益が付与されるラインを意味し、後述する小役の「入賞」は有効ライン86上に役に対応した図柄61の組み合わせが揃うことを意味する。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64の中段と、中回転リール66の中段と、右回転リール68の中段と、端回転リール69の中段とを結んだ中央水平ライン状の1本のみからなるものである。
図2の図柄テーブルに示すように、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68及び端回転リール69の表面には、「バー(BR)、RB(RB)、赤7(R7)、青7(B7)、リプレイ(RP)、ブランク1(B1)、ブランク2(B2)、ブランク3(B3)、ブランク4(B4)」の複数の種々の図柄61が形成されている。本実施の形態では、特に図示していないが、上述した図柄の組み合わせ(いわゆる当選図柄の組み合わせ)により役a、役b、役c、・・等が予め設定されている。
本実施の形態では、上述した図柄の組み合わせを、図柄の並びを直接、全て記憶しているものではなく、役のうちの一部は図柄の並びを直接、予め記憶せずに、所定の数値から図柄の組み合わせを特定することができるように形成されており、この内容は後で詳細に説明する。
ここで、4つの図柄「バー(BR)、ブランク3(B3)、RB(RB)、ブランク4(B4)」は、回転リール62(順に左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)の図柄配列上、図柄番号3(バー、バー、バー、バー)、図柄番号8(ブランク3、ブランク3、ブランク3、ブランク3)、図柄番号13(RB、RB、RB、RB)、図柄番号18(ブランク4、ブランク4、ブランク4、ブランク4)に各回転リール62とも5図柄毎に上記同一図柄が水平(横一列)に配置されている。なお、回転リール62上に上述したような均等間隔で配置されている複数の図柄61(バー、バー、バー、バー)、(ブランク3、ブランク3、ブランク3、ブランク3)、(RB、RB、RB、RB)、(ブランク4、ブランク4、ブランク4、ブランク4)の図柄間隔は、上述したような5個の図柄毎に配置されることに限定されるものではなく、後述するグループ内番号が規則的な配置になっていれば、5個以上の図柄毎に配置してもよく、また、5個の図柄数未満の間隔(例えば、4図柄等)に配置してもよい。
本実施の形態では、この図2に示すテーブル(いわゆる図柄配列テーブル)自体をそのままデータとして記憶しているものではなく、このような図柄配列テーブルを用いて入賞判定を行っているものではない。
もちろん、これに限定されるものではなく、この図2に示すテーブル(いわゆる図柄配列テーブル)自体をそのままデータとして記憶しても良いものである。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて各状態を制御するメイン制御装置110と、このメイン制御装置110からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うために演出の各状態を制御するサブ制御装置300とを備えている。
なお、メイン制御装置110とサブ制御装置300との間は、メイン制御装置110への不正操作を防止するために、メイン制御装置110からサブ制御装置300への一方向の通信により行われ、サブ制御装置300からメイン制御装置110への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御装置110は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及び貯留払出手段24の作動を制御する。サブ制御装置300は、メイン制御装置110から信号を入力し、表示装置84等の報知手段70の作動を制御する。サブ制御装置300の出力側には、報知手段70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
なお、特に図示していないが、メイン制御装置110を有するメイン基板と、サブ制御装置300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御装置110は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御装置300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
メイン制御装置110及びサブ制御装置300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
本実施の形態に係る遊技機10のメイン制御装置110では、通常に行われる通常状態が設けられている。メイン制御装置110では、この通常状態よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)状態が設けられている。このRT状態は、メイン制御装置110により制御される。
サブ制御装置300では、ストップスイッチ50の停止操作順序や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。このAT状態は、主にサブ制御装置300により制御される。
もちろん、各状態を制御する装置(メイン制御装置110、サブ制御装置300)は、上述したものに限定されるものではなく、各状態を他方の制御装置で制御するようにしてもよく、また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよいものである。なお、その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110への直接的な送信は行われていないが、所定の停止操作順序をサブ制御装置300から報知して遊技者の停止操作等によりメイン制御装置110へ間接的に情報を送信することができる。
上記アシストタイム(AT)状態は、通常状態(非アシストタイム状態)よりも遊技者に利益となる特典を付与する可能性が高い特別状態となるように形成されている。
本実施の形態に係る遊技機10では、通常の状態である通常状態と、この通常状態中において移行するか否かの抽選(移行抽選)に当選することで移行可能であり通常状態よりも多くの特典を付与可能な特別状態としてのアシストタイム状態(AT状態)とを備えている。
特別状態としてのAT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、特別状態としてのAT状態は、役抽選の抽選結果、所定の移行役に当選した場合や、後述する移行抽選手段330により所定の移行抽選に当選した場合等に移行可能である。また、AT状態は、AT中に遊技者が獲得した(遊技者に払い出された)メダルの枚数が所定の遊技枚数(いわゆる獲得規定枚数、具体的には、360枚に設定されている。もちろん当該枚数に限定されるものではない。)に到達することで終了可能なものである。
特別状態としてのAT状態は、所定の移行抽選の結果に応じて実施した際に遊技者が獲得したメダルの獲得枚数(払出枚数)が獲得規定枚数に到達するまで実行可能であるが、この実行可能な獲得規定枚数は、所定の抽選により上乗せ可能に設定されている。この上乗せを決定する際には、特別状態の獲得規定枚数に上乗せするときの演出、いわゆる上乗せ演出が実行可能であり、この上乗せ演出としては、回転リール62を用いたリール演出と、表示装置84を用いた表示演出との両方が実行可能に形成されている。
なお、これらの開始条件や終了条件に限定されるものではなく、上述したメダルの獲得枚数として払出枚数の代わりに、払い出されたメダル枚数から投入したメダルの数を引いて計算した実質的なメダルの獲得枚数である純増枚数で設定してもよい。また、AT中に実行した遊技回数が所定の遊技回数(いわゆる初期遊技可能回数や最大遊技可能回数等と称されるもの)に達する等の他の内容の条件に設定してもよいものである。すなわち、AT中の遊技回数が所定の遊技回数(いわゆる初期遊技可能回数や最大遊技可能回数)を実行することで終了可能にしてもよいものである。また、所定の停止操作順序(押し順)の場合に入賞可能となる役において停止操作順序(押し順)を報知(いわゆるナビ)する回数の最大回数が設定され、当該回数に達することで終了可能にしてもよい。また、それらの条件を、例えば、遊技回数とメダルの獲得枚数(又は純増枚数)とのように任意に組み合わせたものにしてもよい。
前記上乗せでは、獲得規定枚数(又は純増枚数)に上乗せされるメダルの枚数が設定される。もちろん、この上乗せに関しても、上述したようにメダルの獲得枚数(純増枚数)ではなく、実行可能な遊技回数を上乗せするようにしてもよく、また、遊技回数とメダルの獲得枚数(又は純増枚数)とを組み合わせたものにしてもよいものである。
リール演出は、回転リール62を用いた演出であって、4個の回転リール62の回転や停止、回転方向の変更、回転速度の変更、回転加速度の変更、所定図柄61を揃えた状態で回転させる等の種々の手段により行われるものである。表示演出は、液晶表示装置84である表示装置84に表示される動画像や静止画像等により行われる演出である。なお、表示演出に伴ってスピーカー72からの音声や音楽や効果音等は適宜行われる。
特別状態としてのAT状態には、AT状態の開始条件の達成により開始され繰り返し実施可能なAT中通常状態と、このAT中通常状態中により移行し、所定回数だけ繰り返し実施可能なAT中上乗せ演出状態とが設けられている(図6参照)。
AT状態の開始に伴ってAT中通常状態が開始されるものであり、AT中上乗せ演出状態において上乗せ演出(上乗せ遊技)が実行可能となっている。
メイン制御装置110は、役抽選手段120、リール制御手段130(開始制御手段135、停止制御手段140)、通常状態制御手段160、RT制御手段170、ボーナス制御手段180、フリーズ演出制御手段230、上乗せ演出決定実行手段390、特別状態決定手段200、獲得規定枚数カウント手段210、リール演出実行手段245、払出制御手段250、移行抽選手段330及び送信手段260の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
なお、これらの手段は、メイン制御装置110に限定されるものではなく、サブ制御装置300が有してもよいものである。例えば、特別状態決定手段200、獲得規定枚数カウント手段210、移行抽選手段330等は、演出状態を主として制御するサブ制御装置300が有しても良い。その際、サブ制御装置300からメイン制御装置110へのデータの直接的な送信は、不正操作防止のため行われていないので、そのような送信が必要な場合は、サブ制御装置300によりストップスイッチ50による停止操作の順番を報知手段70により遊技者に報知して、遊技者がその停止操作順序で停止操作すること等の間接的な伝達手段を介して、サブ制御装置300からの情報がメイン制御装置110へ伝達される。
また、メイン制御装置110とサブ制御装置300とに対する各手段の配置(振り分け、区切り)は、上述したものに限定されるものではなく、種々の配置(振り分け、区切り)にすることができる。例えば、リールユニット60及び貯留払出手段24もサブ制御装置300で制御するようにして、メイン制御装置110には、遊技の勝ち負けを決定する機能を有する役抽選手段120又は役抽選の乱数抽出の判断処理を行う部分のみ残して、当該決定に基づく遊技進行や演出進行を行う他の全ての手段を、サブ制御装置300に配置するようなことも可能となる。
以上の構成をもって、メイン制御装置110は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御装置110は、主として遊技を制御するためのものであって、主に遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段120により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間(4.1秒)が経過すると、4個すべての回転リール62の回転が開始する。なお、本実施の形態では、後述するボーナス遊技(RB)中も上記規定数が3に設定されているが、もちろん、これに限定されることなく、ボーナス遊技中のみ規定数2に設定してもよい。
本実施の形態では、役として、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、移行役(遊技や演出の状態の移行を伴う役)が設けられている。
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、4個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、4個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、4個すべての回転リール62の回転が停止する。
本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に当選した役に対応する予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組み合わせが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
本実施の形態に係る遊技機10では、メイン制御装置110の状態として、通常に(一般的に)行われる通常状態と、この通常状態において役抽選手段120の役抽選によりボーナス(RB)に当選したにもかかわらず当該ボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止しなかった場合に、通常状態から移行する内部当選状態(具体的にはRB当選中状態であって、RT1状態)と、この内部当選状態(RB当選中状態、RT1状態)においてボーナス移行役に係る図柄61が有効ライン86上に停止した場合に移行し、通常状態よりも遊技者へ付与される利益がより大きくなり得るボーナス状態(RB状態)と、通常状態から役抽選の結果、移行可能な特別役(具体的には役物)としてのSB(シングルボーナス)状態とが設けられている(図5参照)。
本実施の形態では、役抽選の結果により当選可能な複数の特別役(役物)としてのSB(シングルボーナス)が設けられている。具体的には、このSB(シングルボーナス)は、役の種類(種別)としては、SBとして同一の種類に属するが、いわゆる当選図柄の組み合わせの異なるものがSB1からSB4まで4個設けられている。
このSB1〜SB4に対応した移行可能な図柄61の組み合わせ(例えば、SB1は、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69の有効ライン86上の図柄の組み合わせが「リプレイ(RP)、リプレイ(RP)、バー(BR)、RB(RB)」となっているもの)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から1ゲームだけ開始されるように形成されている。
また、本実施の形態では、役抽選の結果により当選可能な特別役(役物)としてのRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
このボーナス状態は、移行役としてのボーナス移行役に当選し、さらにボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせ(例えば、「バー、バー、バー、RB」)が有効ライン86上に揃うと、揃った遊技の次回の遊技から開始される遊技である。
なお、ボーナス移行役は、当選時の遊技で有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなくても、次回の遊技以降、有効ライン86上にボーナス移行役に対応する図柄61の組み合わせが揃うまでボーナス移行役に当選した状態が有効である(なお、SBは有効とならない)。その他の役(SBも含まれる)は、当選時の遊技で有効ライン86上に役に対応する図柄61の組み合わせが揃わなければ、次回の遊技以降は無効となる。ボーナス状態は、ボーナス状態中に遊技者へ払い出したメダルの総枚数が予め設定された枚数(具体的には例えば26枚)を越えたときに終了する。
本実施の形態では、ボーナス状態として、主にメイン制御装置110により制御されるレギュラーボーナス状態(RB状態、いわゆる第一種特別役物と呼ばれるもの)が設けられている。レギュラーボーナス状態は、全ての小役の抽選確率が通常状態よりも高確率になっていることで小役の入賞を容易にしているものである。本実施の形態に係るRB状態は26枚を越える払出枚数で終了する。もちろん、この終了条件は26枚に限定されるものではなく、他の枚数でもよいものである。なお、本実施の形態では、1種類のRBを有している。
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組み合わせが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
役抽選手段120は、メイン制御装置110が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段120は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類として通常状態用、ボーナス状態(RB状態)用、内部当選状態(RB当選中状態)用、SB用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御装置110のROM上に記憶している。役抽選手段120は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段120による処理は、後述するステップ113(図26参照)において行われる。
役抽選手段120の役抽選に用いる抽選確率は、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その抽選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定変更スイッチ(図示せず)を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つを選択することで前記抽選確率の変更が可能となる。本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が大きくなるほど、抽選確率が遊技者に原則として有利になり得るように規定されている。
本実施の形態に係る遊技機10では、ハズレを含む各役の種類を区分するために、ハズレを含む各役のそれぞれに対して当選番号(図示せず)が予め付されている。役抽選手段120は、役抽選の結果に基づいて、各役に対応する当選番号を決定しているものである。
なお、役物におけるボーナスの種類として、RBの1種類と、SB1〜SB4の4種類とが設けられてある。
リール制御手段130は、メイン制御装置110が備える手段であり、各回転リール62の回転を開始させるための開始制御手段135と、各回転リール62の回転を停止させるための停止制御を行う停止制御手段140とを備えている。
通常状態制御手段160は、通常状態の進行を制御するものである。ここで、メイン制御装置110における通常状態とは、後述するRT制御手段170によるリプレイタイム(RT)や、ボーナス制御手段180によるRB以外の状態をいう。なお、通常状態中における再遊技役の当選確率は、内部当選状態(RB当選中状態、RT1状態)におけるリプレイタイム(RT)よりも低く設定されている。
RT制御手段170は、本実施の形態では、リプレイタイム(RT)状態を制御するものである。
ボーナス制御手段180は、ボーナス遊技、具体的には、RB状態を制御するものである。
フリーズ演出制御手段230は、遊技の進行を一時的に停止させるフリーズ演出を実行するためのものである。具体的には、移行抽選手段330の移行抽選に当選したと判定された時には、フリーズ演出制御手段230は、フリーズ演出を実行する。なお、このフリーズ演出中に、リール演出実行手段245により、回転リール62の回転、停止、逆回転等を組み合わせた回胴演出を実行してもよいものである。
上乗せ演出決定実行手段390は、特別状態(AT)中のAT中通常状態において、所定の契機(具体的には、AT中通常状態の毎回の遊技におけるスタートスイッチ40の操作タイミングの契機)により、AT中上乗せ演出状態(いわゆる上乗せ遊技)へ移行するか否かの抽選による決定を行う。
上乗せ演出決定実行手段390は、AT中の上乗せ演出が実行される上乗せ遊技において、所定の契機(具体的には、上乗せ遊技中の毎回の遊技におけるスタートスイッチ40の操作タイミングの契機、なお、上乗せ遊技中の役抽選の結果、予め定めた所定役の当選を契機としてもよい)により、特別状態(AT)の上乗せの有無及びその上乗せされる特別状態のメダルの獲得規定枚数を抽選(上乗せ遊技獲得抽選)により決定するものである。
特別状態決定手段200は、特別状態の遊技区間の終了判定を行うためのものである。
具体的には、特別状態決定手段200は、後述する獲得規定枚数カウント手段210がカウントした獲得規定枚数が所定のメダル枚数(具体的には0枚)に到達したことを条件として特別状態の遊技区間を終了させる。
なお、後述する移行抽選手段330の移行抽選に当選した場合、特別状態決定手段200により、特別状態(AT)中に獲得可能な最大のメダル枚数(初期獲得規定枚数)が設定される。
獲得規定枚数カウント手段210は、特別状態の遊技区間中に獲得規定枚数を減算(又は加算)によりカウントするためのものである。
本実施の形態では、特に図示していないが、獲得規定枚数カウント手段210は、特別状態として獲得可能なメダルの枚数として当初に設定されている初期獲得規定枚数(360枚)をカウントし記憶するカウント手段と、上乗せ遊技により獲得された上乗せによる特別状態の獲得枚数(上乗せ獲得規定枚数)をカウントし記憶するカウント手段との両方を有している。
獲得規定枚数カウント手段210は、特に図示していないが、メダルの払い出しが行われるごとに、獲得規定枚数から払出枚数を減算する演算手段と、この演算手段により算出された数値を記憶する記憶手段とを備えているものである。
また、獲得規定枚数カウント手段210は、上述した初期獲得規定枚数と、上乗せ獲得規定枚数との両方を合計した合計獲得規定枚数をカウントし記憶するようにしてもよいものである。
また、この初期獲得規定枚数は、予め360枚に設定されてあるが、特にこれに限定されるものではなく、360枚未満、又は、360枚を越える枚数であってもよいものである。また、この初期獲得規定枚数は、乱数を用いた抽選により毎回、決定してもよい。
また、獲得規定枚数カウント手段210は、上述したように初期獲得規定枚数から払出枚数を減算するものに限定されるものではなく、遊技者に対するメダルの払出が行われるごとに、当初の0枚から払出枚数を加算するようにして、所定の獲得規定枚数に到達することで特別状態を終了させるように特別状態決定手段200により判定されるようにしてもよい。
獲得規定枚数カウント手段210は、特別状態の遊技区間中に上乗せ遊技に移行した場合、当該上乗せ遊技中に獲得した払出枚数をカウントしているが、特にこれに限定されることなく、上乗せ遊技中の払出はカウントしないようにしてもよい。
獲得規定枚数カウント手段210がカウントした獲得規定枚数が所定の枚数(具体的には0枚)に到達したことを条件として特別状態決定手段200が特別状態の遊技区間の終了を決定する。
すなわち、獲得規定枚数カウント手段210が特別状態の遊技区間中にカウントする枚数は、特別状態としてのATの遊技区間の終了を決定するための直接的なパラメータである。かかる獲得したメダルの枚数が、特別状態において獲得可能な最大のメダル枚数に到達したか否かによって特別状態の遊技区間の終了を判断するか否かが特別状態決定手段200により判断される。
なお、特別状態の遊技区間を決定するパラメータとして、上述したように獲得したメダル枚数(獲得規定枚数)を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではない。最終的に特別状態の遊技区間を決定する(遊技区間の長さに影響を与える(長さを左右し、制限する))パラメータになり得るものであれば、他のパラメータを用いてもよい。具体的には、直接的な遊技回数を前記パラメータとして用いてもよい。特別状態としてのAT中に実行可能な遊技回数の最大の遊技回数(いわゆる最大遊技回数)が決定され、特別状態としてのATは、AT中に実行される遊技回数が最大遊技回数に達することで終了するようにしてもよいものである(なお、この場合は、遊技回数を加算する場合であるが、減算する場合には、最大遊技回数から実行した遊技回数を減算して、減算後の数値が0回に達することで終了するようにしてもよい)。また、その他の最終的な遊技区間を決定可能(制限可能)な直接的又は間接的なパラメータ、または、それらのパラメータを組み合わせたものを用いてもよい。
リール演出実行手段245は、フリーズ状態において、上乗せ演出としてのリール演出を報知手段70として作動中の回転リール62により実行するためのものである。このリール演出実行手段245は、上乗せ演出のリール演出を実行する。
払出制御手段250は、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段250は、後述する特定値(CW)や規定数(3枚)等の値に基づいて決定される払出枚数のメダルの払い出しを行う。
移行抽選手段330は、予め定められた移行抽選確率を用いて非AT中に移行抽選を行うものであり、特別状態としてのAT状態へ移行するか否かを抽選(移行抽選)で決定するものである。具体的には、移行抽選手段330は、非AT中、毎回の遊技において移行抽選を行うように設定されている。もちろん、移行抽選を実施する契機は、これに限定されるものではなく、他の所定の契機(例えば、所定の状態が開始又は終了するタイミングや、所定の契機から所定の遊技回数が経過したタイミング、所定の役当選時等)でもよいものである。
送信手段260は、サブ制御装置300へ信号を送信するためのものである。
サブ制御装置300は、受信手段310及びAT制御手段320の各手段を有する。
受信手段310は、送信手段260からの信号を受信するものである。
AT制御手段320は、AT状態の演出を制御するものである。具体的には、AT制御手段320は、表示演出実行手段370を備えている。
表示演出実行手段370は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
なお、これらの手段はメイン制御装置110に配置してもよいものであり、特に表示演出実行手段370を、サブ制御装置300ではなくメイン制御装置110に配置してもよい。
以上の構成をもって、サブ制御装置300は、メイン制御装置110からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
図4に示すように、リール制御手段130は、回転リール62の回転を開始させるための開始制御手段135と、役抽選手段120の役抽選の結果及びストップスイッチ50の停止操作タイミングに応じて回転リール62の停止制御を行う停止制御手段140とを備えている。
開始制御手段135は、遊技者によるスタートスイッチ40の操作により、全回転リール62の回転を開始させ、予め定めた所定の回転速度に到達した状態で、当該回転速度を維持するように設定されている。
停止制御手段140は、役抽選手段120の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置(ストップスイッチ50の停止操作タイミング)とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、停止制御手段140は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(停止操作順序)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。停止制御手段140による処理は、後述するステップ114(図26参照)及び図27〜図29において行われる。
停止制御手段140は、ストップスイッチ50が停止操作されたときの回転リール62の図柄位置(図柄番号(コマ番号)による操作位置)に応じた回転リール62の停止位置に関する情報(具体的には、滑りコマ数)を定めた複数の停止テーブル440を予め記憶している停止テーブル記憶手段400と、複数の停止テーブル440から使用する単一の停止テーブル440を選択するテーブル選択手段500と、テーブル選択手段500が選択した単一の停止テーブル440を用いて回転リール62の停止処理を行うリール停止処理手段600とを備えている。
停止テーブル記憶手段400は、停止テーブル440(具体的には、単一の停止テーブル440として「00」、「01」、「02」、・・・等、図11参照)を複数個有している停止データテーブル420を記憶しているものである(図11参照)。この各停止テーブル440には、ストップスイッチ50が停止操作されたときの回転リール62の図柄番号と、各回転リール62の中段からの滑りコマ数(具体的には、0、1、2、3、4)とが記憶されている(図11参照)。
テーブル選択手段500は、役抽選の結果と、停止操作が行われた回転リール62とに対応する特定値(具体的には、コントロールワード(CW))を取得し、この特定値(CW)に基づいて、最終的には、単一の停止テーブル440を選択するものである。
テーブル選択手段500は、役抽選の結果と第1番目に停止操作(第1停止操作)が行われた回転リール62とに対応する特定値(CW)を取得する特定値取得手段520と、この特定値(CW)及び停止操作が行われた回転リール62に基づいて予め定めたポインタを決定するポインタ決定手段540と、パラメータに基づいて複数の処理の中から特定の処理を決定する分岐処理を行う分岐処理決定手段560と、複数の処理の1つであって後述する特定値移行判定処理を行うための特定値移行判定手段680と、複数の処理の1つであってポインタに基づいて単一の停止テーブル440を取得する停止テーブル取得処理を実施するための停止テーブル取得手段620と、特定値、役抽選結果、停止操作リール及び回転リール62の停止操作順序により特定値を新たに取得可能な特定値再取得手段570と、内部中であって、且つ所定の役抽選結果(具体的には、FPLが37〜66)である場合に共通して停止制御を行うための共通制御処理手段610と、停止操作順序に関連した停止制御を行うための第1停止正解処理手段630とを備えている。
特定値取得手段520は、役抽選の結果と、第1番目に停止操作した第1停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに対応する特定値(CW)を記憶した特定値取得テーブルを有している(図7参照)。
ここで、「役抽選の結果」とは、小役等(リプレイ等)の抽選結果に対応するフラグポインタとしての第1抽選フラグ値(FPL)と、役物に関連する第2抽選フラグ値(FPH)との両方を意味するものであって、役抽選の抽選結果により、第1抽選フラグ値(FPL)及び第2抽選フラグ値(FPH)は、役抽選の役抽選結果に対応する16進数の1桁又は2桁の数値(00、01、02・・・等、なお、実質1桁の値も表記上は2桁の数値として表記)として決定されているものである。
特定値取得手段520は、この特定値取得テーブルを用いて、役抽選の抽選結果(第1抽選フラグ値(FPL)及び第2抽選フラグ値(FPH))と、第1停止操作の回転リール62とにより、予め定めた所定数の数値の中から特定値(CW)を取得する(図7参照)。
ここで、「予め定めた所定数の数値の中から特定値(CW)を取得する」とは、予め定められた個数の数値群の中から、いずれか1つの数値を選択し、この選択した数値を特定値として決定している。具体的には、特定値が2桁の「00」〜「FF」までの16進数の数値(10進数では、0〜255)であって、この中から1個の数値(例えば「50」)が選択され、当該「50」が特定値として取得される。この場合の「所定数」は、16×16=256個(10進数)となり、256個の数値の中から1個の数値が特定値として決定されるものである。これは、8ビットCPUを用いる場合に8ビット(2の8乗=256=16×16)の数値を取り扱い易い16進数の2桁の数値が記憶容量を抑えるのに最も都合がよいことに起因している。もちろん、「所定数」は、これに限定されるものではなく、上述した256個の範囲の中の一部に設定するようにしてもよいものであり、上述した数値256を超える数値に設定してもよいものである。
なお、ここで、上述したように「役抽選の抽選結果」は、役抽選の抽選結果の中の小役等に関連する第1抽選フラグ値と、役物(小役の入賞を容易にするものであってSB(シングルボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等が含まれる)に関連するフラグポインタである第2抽選フラグ値(FPH)との両方の結果によるものであり、役抽選の抽選結果の全てを一度に反映させているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、役抽選の抽選結果を、第1抽選フラグ値(FPL)と、第2抽選フラグ値(FPH)とのいずれか一方の結果によるものであってもよいものである。
ここで、本実施の形態では、特定値(CW)は、役抽選結果と、停止操作した回転リール62とに決定されるが、役抽選結果が同一であれば、4つの回転リール62間で同一の特定値となるように設定されている(図7参照)。すなわち、停止操作した回転リール62の相違に関係なく、特定値が決定されている。これにより、4つの回転リール62のうちのいずれか1つ(具体的には、左回転リール64)の特定値を役抽選結果に沿って記憶すれば他の3つの回転リール62の各特定値を記憶しなくてもよいように設定されている。これにより、記憶容量の節約を図ることができる。
本実施の形態では、特定値(CW)は、図7では、9E、0F、10、11・・等と表示され、16進数からなる数値である。もちろん、特定値(CW)は、これらの16進数の数値に限定されるものではなく、所定の順番に並ぶ数値や、記号であれば、他の数値や、記号等であってもよいものである。
ポインタ決定手段540は、特定値取得手段520により取得された特定値(CW)と、停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに基づいて、予め定めた所定数の数値の範囲内(16進数の数値「00」〜「FF」)でポインタを記憶しているポインタ決定テーブル542(図8)を有している。ポインタ決定手段540は、このポインタ決定テーブル542を用いて、特定値取得手段520により取得された特定値(CW)と、停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに基づいて、予め定めた所定数の数値の範囲内(16進数の数値範囲であって、原則として「00」〜「FF」の範囲、本実施の形態では、「00」〜「0A」)からポインタを決定する(図8参照)。このポインタも、特定値と同様に、「予め定めた所定数の数値」の中から決定しているものである。もちろん、「所定数の数値」は上述したものに限定されるものではなく、当該所定数以下であっても所定数を超えるような数値であってもよいものであり、また、特定値とポインタとの上記「所定数」は、同一であることに限定されるものではなく、互いに異なる数値に設定することもできる。
本実施の形態では、このポインタも、16進数からなる数値により形成されているが、もちろん、ポインタは、これらの16進数の数値に限定されるものではなく、他の数値や、記号であってもよいものである。
このポインタ決定手段540が決定するポインタは、大分類として、その数値範囲により2つに分類される。具体的には、ポインタは、その数値(16進数)範囲が「00」〜「04」(「00」以上且つ「04」以下)である停止テーブルポインタ(BTRP)と、その数値範囲が「05」〜「0A」(「05」以上且つ「0A」以下)である移行判定ポインタ(BTRG)との2つに分類される(図12参照)。
なお、本実施の形態では、停止制御において、役抽選の抽選結果の全てを一度に反映させているが、特にこれに限定されるものではない。例えば、停止制御において、役抽選の抽選結果の全てを一度に反映させずに、特定値取得手段520により、当初は、役抽選の抽選結果の一部である小役等に関連する第1抽選フラグ値(FPL)だけを反映させ、その後、特殊な処理手段により、役抽選の抽選結果の残りに相当する役物に対応する第2抽選フラグ値(FPH)の結果を、特定値(CW)に反映させるようにしてもよい。このようにすると、特定値取得手段520の処理段階では、第1抽選フラグ値(FPL)だけを反映させているので、役抽選において単一の役が当選する単独当選と複数の役が同時に重複して当選する重複当選との相違に関係無く、単独当選であろうが、重複当選であろうが同一の制御を行い両者共通の特定値(CW)を決定し、その後の特殊な処理段階で、第2抽選フラグ値(FPH)の内容を特定値(CW)及びポインタに反映させて、単独当選と、重複当選との相違を特定値(CW)及びポインタに反映させ、制御の途中からボーナス等の役物の内容を参照させるようにしてもよいものである。
分岐処理決定手段560は、ポインタ決定手段540により決定されたポインタに基づいて、複数の処理の中から、いずれかの処理を決定する分岐処理を行うものである。
分岐処理決定手段560は、ポインタ決定手段540により決定されたポインタが、複数の処理のそれぞれの処理に対応して予め設定されたポインタの範囲(ポインタ範囲)のいずれのポインタ範囲に含まれるかに基づいて、複数の処理の中から、いずれかの処理を選択するように形成されている。
具体的には、分岐処理決定手段560は、ポインタに基づいて、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行(設定)するか否かの判定を行う(特定値移行判定処理)か、又は、単一の停止テーブルを取得するか(停止テーブル取得処理)の複数の処理の中から、いずれかの処理を決定する分岐処理を行っている。
停止テーブル取得処理により、分岐処理において単一の停止テーブル440が取得された場合には、リール停止処理手段600により単一の停止テーブル440を用いて停止処理が行われるものである。
分岐処理決定手段560が決定する複数の処理には、上述したように停止テーブル取得処理と、特定値移行判定処理との主に2つからなる。
分岐処理決定手段560は、ポインタ決定手段540により決定されたポインタ(16進数)の数値が、「00」以上且つ「04」以下(「00」〜「04」)である場合には、停止テーブル取得処理を選択する。このときのポインタの名称は、停止テーブルポインタ(BTRP)となる。
停止テーブル取得処理では、ポインタ決定手段540により決定されたポインタ(停止テーブルポインタ(BTRP))に基づいて停止データテーブル(図11参照)を用いて単一の停止テーブル440が選択される。
分岐処理決定手段560は、ポインタ決定手段540により決定されたポインタ(16進数)の数値が、「05」以上且つ「0A」以下(「05」〜「0A」)である場合には、特定値移行判定処理を選択する。このときのポインタの名称は、移行判定ポインタ(BTRG)となる。この特定値移行判定処理は、後述する特定値移行判定手段680により実行されるものである。
特定値移行判定手段680は、特定値移行判定処理を実行するものである。
特定値移行判定処理では、ストップスイッチ50が停止操作されたときの回転リール62の図柄位置が取得され、この図柄位置及びポインタ決定手段540により決定されたポインタ(移行判定ポインタ(BTRG))を用いて移行判定データテーブル(図10参照)により特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行するか否かの判定、いわゆる特定値移行判定が行われる。
ここで、特定値移行判定手段680は、特定値移行判定処理を行うために移行判定関連テーブル(図9参照)と、移行判定データテーブル(図10参照)との2つのテーブルを有している。
移行判定関連テーブル(図9参照)は、移行判定ポインタ(BTRG)と、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させるか否かの判定(特定値移行判定)の結果、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させる場合に用いる移行テーブルポインタ(移行P)と、停止テーブルポインタ(BTRP)との関係を示すものである。後述する特定値移行判定手段680は、移行判定関連テーブルを用いて、移行判定ポインタ(BTRG)における移行テーブルポインタ(移行P)と、移行判定ポインタ(BTRG)における停止テーブルポインタ(BTRP)とを取得する。
移行判定データテーブル(図10参照)は、ストップスイッチ50を停止操作したときの図柄番号(図柄位置)と、移行判定関連テーブル(図9参照)により採取された移行テーブルポインタ(移行P)とにより決定される移行判定値(「0」又は「1」)を示すものである。
具体的には、特定値移行判定の結果、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行する場合(移行判定データテーブルで移行判定値として「0」が成立している場合)には、現在の特定値(CW)に所定の数値(具体的には、「1」)を加算した値が新たな特定値(CW)として設定され、当該新たな特定値(CW)に基づいて、ポインタ決定手段540により新たなポインタが決定され、このポインタに基づいて分岐処理が繰り返される。
一方、特定値移行判定処理では、特定値移行判定の結果、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行しない場合(移行判定データテーブルで移行判定値として「1」が成立している場合)には、ポインタ(移行判定ポインタ(BTRG))を別のポインタ(停止テーブルポインタ(BTRP))に書き換え、当該別のポインタ(停止テーブルポインタ(BTRP))を用いて決定された単一の停止テーブル440が使用される(図9参照)。
停止テーブル取得手段620は、複数の処理の1つであってポインタに基づいて単一の停止テーブル440を取得する停止テーブル取得処理を実施するためのものである。具体的には、停止テーブル取得手段620は、図8のポインタ決定テーブルで決定されたポインタの数値が「00」〜「04」である場合には、当該ポインタの数値に対応する単一の停止テーブルを図11に示す停止データテーブルから採取するものである。例えば、停止テーブル取得手段620は、図8のポインタ決定テーブルで決定されたポインタの数値が「01」である場合には、当該ポインタ「01」の数値に対応する単一の停止テーブルを図11の停止データテーブルの中の「01」で示される単一の停止データテーブル(滑りコマ数の数値が、図柄番号0から19まで順に、(4,0,1,2,3,4,0,1,2,3,4,0,1,2,3,4,0,1,2,3)となっている停止データテーブル)を採取するものである。
特定値再取得手段570は、特定値、役抽選結果、停止操作リール及び回転リール62の停止操作順序により特定値を新たに取得可能なものである。この特定値再取得手段570の処理には、特定値が14又は16の場合の特殊処理(特殊処理1及び特殊処理2)と、第1停止不正解処理との場合がある。
先ず、特定値再取得手段570は、特殊処理において、下記のような処理を行う。
特定値再取得手段570は、特殊処理(特殊処理1、特殊処理2)に関連する重複当選役が当選した際、停止操作順序が第1番目の第1停止操作から停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、第5停止テーブルを用いるための第5特定値(具体的には、CWが14又は16)を新たに取得し、停止操作順序が第n番目の第n停止操作は、第4停止テーブルを用いるための第4特定値(具体的には、CWが15又は17)を新たに取得するように形成されている(図13、図14参照)。なお、ここで、上記nは、本実施の形態において具体的には、n=4であるが、特にこれに限定されるものではなく、n=2以上の整数であれば成立可能なものである。
上述したような特定値を有することで、停止制御手段140は、重複当選役が当選した際、停止操作順序が第1番目の停止操作である第1停止操作から、停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、第5停止テーブルを用いて停止制御を行い、停止操作順序が第n番目の停止操作である第n停止操作は、第4停止テーブルを用いて停止制御を行うように形成されていることになる。
なお、ここで、図柄として、第4特定図柄及び第5特定図柄の少なくとも2種類設けられ、第4特定図柄及び第5特定図柄は、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン上に停止可能となるように各回転リール62上に配置されている。役には、複数の役が重複して当選する重複当選役が設けられ、この重複当選役は、1個の第4特定図柄と、残りの(n−1)個の第5特定図柄との組み合わせの複数の当選図柄により形成されている。
ストップスイッチが停止操作されたときの回転リールの図柄位置に応じた回転リールの停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブルが設けられ、第4特定図柄を有効ライン上に停止させるための第4停止テーブルと、第5特定図柄を有効ライン上に停止させるための第5停止テーブルとが各回転リールの停止テーブルとして設けられている。
本実施の形態では、具体的には、特定値(CW)が14又は15の場合、第4特定図柄は、青7(B7)に設定され、第5特定図柄は、リプレイ(RP)に設定され、また、特定値(CW)が16又は17の場合、第4特定図柄は、バー(BR)/ブランク3(B3)/RB(RB)/ブランク4(B4)に設定され、第5特定図柄は、リプレイ(RP)に設定されている。
また、特定値再取得手段570は、第1停止不正解処理において、下記のような処理を行う。
特定値再取得手段570は、重複当選役が当選した際の第1停止不正解処理において、停止操作順序が第1番目の第1停止操作から停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、第2停止テーブルを用いるための第2特定値(具体的には、CWが、88、8B、8E又は91)を新たに取得し、第n停止操作は、停止操作タイミングが適正な場合、第1特定図柄を有効ライン86上に停止させるための第1特定値(具体的には、CWが89、8C、8F又は92)を新たに取得し、第n停止操作は、停止操作タイミングが不適正な場合、第2特定図柄以外のハズレとなる図柄61を有効ライン86上に停止させるための第3特定値(具体的には、CWが8A、8D、90又は93)を新たに取得するように形成されている。なお、ここで、上記nは、本実施の形態において具体的には、n=4であるが、特にこれに限定されるものではなく、n=2以上の整数であれば成立可能なものである。
上述したような特定値を有することで、停止制御手段140は、重複当選役が当選した際、停止操作順序が第1番目の停止操作である第1停止操作から、停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、第2停止テーブルを用いて停止制御を行い、第n停止操作は、停止操作タイミングが適正な場合、第1停止テーブルを用いて停止制御を行うとともに、停止操作タイミングが不適正な場合、第3停止テーブルを用いて停止制御を行うように形成されている。
なお、ここで、図柄として、第1特定図柄及び第2特定図柄の少なくとも2種類設けられ、第2特定図柄は、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン上に停止可能となるように各回転リール62上に配置され、役には、複数の役が重複して当選する重複当選役が設けられている。この重複当選役は、1個の第1特定図柄と、残りの(n−1)個の第2特定図柄との組み合わせの複数の当選図柄により形成されている。
ストップスイッチが停止操作されたときの回転リールの図柄位置に応じた回転リールの停止位置に関する情報を定めた複数の停止テーブルが設けられている。第2特定図柄を有効ライン上に停止させるための第2停止テーブルと、停止操作タイミングが適正な場合に第1特定図柄を有効ライン上に停止させるための第1停止テーブルと、停止操作タイミングが不適正な場合に第1特定図柄以外の図柄を有効ライン上に停止させるための第3停止テーブルとが各回転リールの停止テーブルとして設けられている。
本実施の形態では、具体的には、特定値(CW)が88〜8Aの場合、第1特定図柄は、バー(BR)に設定され、第2特定図柄は、リプレイ(RP)に設定され、また、特定値(CW)が8B〜8Dの場合、第1特定図柄は、ブランク3(B3)に設定され、第2特定図柄は、リプレイ(RP)に設定され、また、特定値(CW)が8E〜90の場合、第1特定図柄は、RB(RB)に設定され、第2特定図柄は、リプレイ(RP)に設定され、また、特定値(CW)が91〜93の場合、第1特定図柄は、ブランク4(B4)に設定され、第2特定図柄は、リプレイ(RP)に設定されている(図17,図18参照)。
共通制御処理手段610は、内部中(ボーナス遊技に当選して、又は当選した権利を持ち越してボーナスフラグが成立中)であって、且つ所定の役抽選結果(具体的には、FPLが37〜66)である場合に共通して停止制御を行うためのものである(図15参照)。具体的には、共通制御処理手段610により、役抽選結果と、停止操作した回転リール62とにより、特定値及びポインタ(BTRP)が決定される(図19参照)。
第1停止正解処理手段630は、第1停止正解時の停止処理に関連した停止制御を行うためのものである。具体的には、第1停止正解処理手段630は、第1停止の停止操作順序が適正な場合に、それ以後の停止制御処理について定めているものである(図20〜図25参照)。
リール停止処理手段600は、テーブル選択手段500が選択した単一の停止テーブル440を用いて回転リール62の停止処理を行うためのものであり、具体的には、単一の停止テーブル440に記載されている滑りコマ数(具体的には停止操作したタイミングにおける図柄番号の位置の滑りコマ数)だけ、回転リール62を回転させて、その後、回転を停止させるものである。
図5に示すように、メイン制御装置110における移行状態は、通常状態と、内部当選状態(RT1状態、RB当選中状態)と、ボーナス状態(RB状態)と、SB状態とがある。
通常状態は、通常状態制御手段160により制御される。通常状態又はSB状態において役抽選手段120による役抽選によりボーナス(RB)に当選した場合に、通常状態又はSB状態から内部当選状態(RT1状態、RB当選中状態)に移行する。なお、この内部当選状態(RT1状態、RB当選中状態)では、通常状態よりも再遊技の抽選確率が高い状態となっている。
この内部当選状態(RT1状態、RB当選中状態)におけるRT状態は、RT制御手段170により制御される再遊技が高確率で当選する状態である。RT状態において、RBのボーナス移行役の図柄61の組合せが揃った場合に、RB当選中状態、いわゆるRT1状態からボーナス状態(RB状態)に移行する。このボーナス状態(RB状態)は、ボーナス制御手段180により制御される。
ボーナス状態(RB状態)において所定枚数、例えば、26枚の払出がされた場合に、RB状態から通常状態に移行する。
SB状態は、いわゆるシングルボーナスであって、通常状態から移行可能なものであって、遊技回数1回のみ行われ、当選しても入賞しない場合には、当選の権利(当選フラグ)は、次の遊技に持ち越されない。
なお、本実施の形態では、メイン制御装置110がRB状態及びSB状態以外(すなわち、通常状態及び内部当選状態)であって、且つ、サブ制御装置300がAT状態以外の状態(すなわち、非AT状態)が、通常遊技となっている。
図6に示すように、特別状態(AT)中における移行状態(演出状態)には、AT中通常状態と、AT中上乗せ演出状態との2つが設けられている。
特別状態(AT)へ移行すると、AT中通常状態となる。このAT中通常状態において、上乗せ演出決定実行手段390により、AT中上乗せ演出状態へ移行するか否かの抽選において、AT中上乗せ演出状態へ移行することに当選した場合、AT中上乗せ演出状態への移行が決定され、AT中上乗せ演出状態(上乗せ遊技)への移行が実施される。
なお、特別状態(AT)は、所定のメダル枚数(獲得規定枚数)が払い出されたときに、終了条件を達成したものとして、終了するように設定されている。
AT中上乗せ演出状態において、上乗せ遊技が実行される。
図7に示すように、特定値取得テーブルでは、役抽選の結果(具体的には、第1抽選フラグ値(FPL:小役を含めた当選役を表すフラグポインタ)及び第2抽選フラグ値(FPH:ボーナス等の役物に関するフラグポインタ))と、第1停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに対応する特定値(CW)が設定されている。この特定値取得テーブルは、特定値取得手段520に記憶されている。特定値取得手段520により、この特定値取得テーブルを用いて、役抽選結果(第1抽選フラグ値(FPL)及び第2抽選フラグ値(FPH))と、第1停止操作の回転リール62とにより、特定値(CW)が取得されるものである。
図8に示すように、ポインタ決定テーブル542は、特定値(CW)と、停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに基づいて、予め定めたポインタが設定されているものである。このポインタ決定テーブル542は、ポインタ決定手段540に記憶されている。このポインタ決定テーブル542を用いることにより、ポインタ決定手段540が、特定値(CW)と、停止操作が行われた回転リール62(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに基づいて、予め定めたポインタ(16進数)を決定する。このポインタ決定テーブル542におけるポインタは、その数値範囲により複数種類に分類される。具体的には、ポインタは、その数値(16進数)範囲が「00」〜「04」(「00」以上且つ「04」以下)である停止テーブルポインタ(BTRP)と、その数値範囲が「05」〜「0A」(「05」以上且つ「0A」以下)である移行判定ポインタ(BTRG)との主として2つに分類される。
なお、図8には示されていないが、ポインタの表記を、「−−」とする場合がある。これは、「未使用」であり、「選択されることは有り得ない」ことを意味している。ここで、この「−−」が異なる複数の特定値(CW)に設けられているような場合、それらを組み合わせることで、データの圧縮が可能である。例えば、1つの特定値(CW)の左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69の各ポインタが「ポインタG」、「ポインタH」、「−−」、「ポインタK」であり、他の1つの特定値(CW)の左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69の各ポインタが「−−」、「−−」、「ポインタI」、「ポインタK」であるような場合には、これら2つの特定値(CW)の左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69のポインタのデータを「ポインタG」、「ポインタH」、「ポインタI」、「ポインタK」のように1つの特定値(CW)のポインタのデータとしてまとめて記憶させることができる。これにより、ポインタのデータに関してデータ圧縮することが可能となり、記憶容量(メモリ)の節約を図ることができる。
図9に示すように、移行判定関連テーブルでは、移行判定ポインタ(BTRG)に関連して、移行テーブルポインタ(移行P)と、停止テーブルポインタ(BTRP)とが対応付けられている。
分岐処理決定手段560により、移行判定ポインタ(BTRG)における移行テーブルポインタ(移行P)が取得されて特定値移行判定が行われ、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させる場合には、特定値(CW)が現在の特定値(CW)の値に「1」加算した値に更新される(書き換えられる)。また、分岐処理決定手段560により、特定値移行判定の結果、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させない場合には、移行判定ポインタ(BTRG)における停止テーブルポインタ(BTRP)が取得され、それに対応する停止テーブル440により回転リール62の停止処理が行われる。
なお、図9の移行判定関連テーブルにおける移行テーブルポインタ(移行P)は、移行判定ポインタ(BTRG)のデータから所定の演算処理及び条件判断等の組み合わせにより算出できるように設定されている。
また、上述した図9の移行判定関連テーブルにおいて、移行判定ポインタ(BTRG)及び移行テーブルポインタ(移行P)の両方のデータは同一になっている状態で表示(格納)されているが、非同一の箇所も発生する。移行判定ポインタ(BTRG)及び移行テーブルポインタ(移行P)の数値が同一である場合(一致する場合)には、一方の移行判定ポインタ(BTRG)のみ記憶し、他方の移行テーブルポインタ(移行P)は省略する(データを格納していない)ようにしてもよいものである。
具体的には、例えば、移行判定ポインタ(BTRG)が「05」のときの停止テーブルポインタ(移行P)も「05」となり数値が同一であるため、移行判定ポインタ(BTRG)の「05」のみ記憶し、停止テーブルポインタ(移行P)の「05」は記憶せずに、移行判定ポインタ(BTRG)に記憶したデータ「05」を利用するものである。これにより、所定のフラグ等により両者の値が同一であると判別された場合には、移行テーブルポインタ(移行P)として、移行判定ポインタ(BTRG)のデータをそのまま用いることで、データを共通して利用することができ、記憶容量(メモリ)の節約を図ることができる。なお、記憶するデータは逆にしてもよく、移行判定ポインタ(BTRG)を省略して、移行テーブルポインタ(移行P)のみ記憶するようにしてもよい。
ここで、図9に示す移行判定関連テーブルでは、使用頻度の高い移行判定ポインタ(BTRG)がデータの先頭側(プログラムの処理が行われる順番の早い側)に配置されるように、いわゆる前詰めしている。プログラムを実行する際、先頭側のデータから該当するか否かを判断していくために使用頻度の高いデータを先頭側に配置することで、プログラムの実行処理速度を速めることができる。
また、これらのデータを配置する際に、上述したようにデータが所定のパターンで繰り返し発生するような場合には、上述したようにデータを共有して利用することができる。このため、図9に示す移行判定関連テーブルのデータを配置する際、そのようなデータが繰り返し発生するように配置し、さらに、それらの繰り返されるデータが先頭側に配置されるように設定されている。これにより、さらに、実行処理速度を速めることができる。
図10に示す移行判定データテーブルでは、ストップスイッチ50を停止操作したときの図柄番号(図柄位置)と、移行判定関連テーブルにより採取された移行テーブルポインタ(移行P)とにより、移行判定値(「0」又は「1」)が決定される。
分岐処理決定手段560は、特定値移行判定処理において、この移行判定データテーブルを用いて、ストップスイッチ50を操作したときの図柄番号と、移行テーブルポインタ(移行P)とにより決定される移行判定値が「0」の場合、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させる。具体的には、現在の特定値(CW)に1を加算した値に更新したものを新たな特定値(CW)とする(書き換える)。
分岐処理決定手段560は、特定値移行判定処理において、この移行判定データテーブルを用いて、ストップスイッチ50を操作したときの図柄番号と、移行テーブルポインタ(移行P)とにより決定される移行判定値が「1」の場合、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行させない。
なお、図柄番号(図柄位置)と、それに対応するデータ(具体的には、「0」と「1」とからなるデータ)を格納する際、図10の記号Xに示すように、各図柄番号(各図柄位置)の1図柄(1コマ)毎に8個のデータ(8種類の移行テーブルポインタ(移行P)の移行判定値「0」又は「1」)を1バイトとして格納する場合、移行テーブルポインタ(移行P)の種類が増えると、8個のデータ分の容量(枠)を用意しなければならないため、データ分の容量(枠)の無駄が発生してしまう。かかる場合、移行テーブルポインタ(移行P)の種類が必ずしも8の倍数とならないため、空きデータが発生し、空きデータ分の容量(枠)の無駄が発生してしまう。本実施の形態では、図10の記号Pに示すように、2種類の移行テーブルポインタ(移行P)の図柄番号(図柄位置)の4図柄(4コマ)分の合計8個のデータ(移行判定値)を1バイトとして格納している。同様に、図10の記号P、Q、R、S、Tのそれぞれに示すように、2種類の移行テーブルポインタ(移行P)の図柄番号(図柄位置)の4図柄(4コマ)分の合計8個のデータ(移行判定値)を1バイトとして格納している。
すなわち、2種類の移行テーブルポインタ(移行P)の移行判定値のデータは、記号P、Q、R、S、Tの合計5バイトの構成になっている。このように、2種類の移行テーブルポインタ(移行P)の図柄番号(図柄位置)の4図柄(4コマ)分の合計8個のデータ(移行判定値)を1バイトとして格納するようにしたことで、移行テーブルポインタ(移行P)の種類が追加されても、上述した従来のような1図柄(1コマ)毎に8個(8種類の移行テーブルポインタ(移行P))のデータ(移行判定値)を1バイトとして格納するような場合と比較して、空きデータ分の容量(枠)の無駄を抑えることができる。なお、上述した構成が可能なのは、本実施の形態の図柄番号(図柄位置)を0〜19の合計20図柄(20コマ)にしていることもデータとして収まりが良くなっていることで要因の1つとなっている。
図11に示すように、停止データテーブル420は、複数個の停止テーブル440(具体的には、停止テーブル440の例えば「00」、「01」、「02」、・・・等)により構成されている。なお、この停止テーブル440の「01」等の数値が、停止テーブルポインタ(BTRP)の数値となる。この各停止テーブル440には、ストップスイッチ50が停止操作されたときの回転リール62の図柄番号と、各回転リール62の中段位置からの滑りコマ数(具体的には、0、1、2、3、4)との関係が示されている。
具体的には、例えば、中回転リール66を用いて、停止テーブルポインタ(BTRP)が「01」である場合には、停止テーブル440の「01」が選択され、そのときのストップスイッチ50が停止操作されたときの中段位置の図柄番号が「6」である場合には、この停止データテーブル420により、滑りコマ数「0」となり、回転移動する(滑る)ことなくそのまま停止し(ビタ止まり)、「赤7(R7)」が中段位置に停止する。また、同様に中回転リール66で停止テーブル440の「03」が選択され、停止操作されたときの中段位置の図柄番号が「05」である場合には、この停止データテーブル420により、滑りコマ数「2」となり、2コマ回転移動して(滑って)停止し、図柄番号「3」の「バー(BR)」が中段位置に停止する。
なお、図11に示す停止データテーブル420には、理解を容易にするため滑りコマ数が示されているが、実際には、各欄に滑りコマ数の数値が格納されているものではなく、実際のデータでは、「0」と「1」のビット表示となっており、停止可能な図柄位置が「1」、停止不可能な図柄位置が「0」となっている。前記ビット表示に基づいて、停止可能なコマ数まで回転移動させるものである。もちろん、これに限定されることなく、滑りコマ数の数値を直接、格納して、その図柄数(コマ数)だけ、回転リール62を回転移動させるようにしてもよい。
図12に示すポインタに基づく処理の一覧テーブルでは、取得ポインタの値の範囲と、名称と、その仕様内容とが記載されている。取得ポインタ「00」〜「04」は、停止テーブルポインタ(BTRP)となって、単一の停止テーブルの選択に用いられる。取得ポインタ「05」〜「0A」は、移行判定ポインタ(BTRG)となって、移行判定処理に用いられる。
図13では、特殊処理1において、特定値(CW)と、停止操作した回転リール62と、停止操作順番とにより決定されるポインタとが特殊処理1テーブルに示されている。この特殊処理1では、第1番目に停止操作する第1停止操作から、第3番目に停止操作する第3停止操作まで、すなわち最終停止操作以外は、特定値14のデータを使用して、各回転リール62の中段位置にリプレイ(RP)を停止させるポインタ(BTRP)を採取する。これにより、有効ライン86としての中段ラインにリプレイ(RP)を停止させることができる。
そして、第4番目に停止操作する第4停止操作(最終停止操作)では、特定値15のデータを使用して、各回転リール62の中段位置に、青7(B7)を停止させるポインタ(BTRP)を採取する。これにより、有効ライン86としての中段ラインに青7(B7)が停止する。
結果として、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69における有効ライン86上の停止図柄の組み合わせは、「RP、RP、RP、B7」、「RP、RP、B7、RP」、「RP、B7、RP、RP」、「B7、RP、RP、RP」のいずれかとなる。この4種類の図柄の組み合わせは重複当選役であって、いずれも入賞となるものであり、必ず入賞することになる。
図14では、特殊処理2において、特定値(CW)と、停止操作した回転リール62と、停止操作順番とにより決定されるポインタとが特殊処理2テーブルに示されている。この特殊処理2では、第1番目に停止操作する第1停止操作から、第3番目に停止操作する第3停止操作まで、すなわち最終停止操作以外は、特定値16のデータを使用して、各回転リール62の中段位置にリプレイ(RP)を停止させるポインタ(BTRP)を採取する。これにより、有効ライン86としての中段ラインにリプレイ(RP)を停止させることができる。
そして、第4番目に停止操作する第4停止操作(最終停止操作)では、特定値17のデータを使用して、各回転リール62の中段位置に、バー(BR)、ブランク3(B3)、RB(RB)又はブランク4(B4)のいずれかの図柄を停止させるポインタ(BTRP)を採取する。これにより、有効ライン86としての中段ラインに、バー(BR)、ブランク3(B3)、RB(RB)又はブランク4(B4)のいずれかの図柄を停止させることができる。なお、本明細書では、このようなバー(BR)、ブランク3(B3)、RB(RB)又はブランク4(B4)のいずれかの図柄を、「BR/B3/RB/B4」の形式で省略して記載する。
結果として、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69における有効ライン86上の停止図柄の組み合わせは、「RP、RP、RP、BR/B3/RB/B4」、「RP、RP、BR/B3/RB/B4、RP」、「RP、BR/B3/RB/B4、RP、RP」、「BR/B3/RB/B4、RP、RP、RP」のいずれかとなる。この4種類の図柄の組み合わせは重複当選役であって、いずれも入賞となるものであり、必ず入賞することになる。
図15では、役抽選結果の一部であるFPLと、ボーナス(RB)に当選しているか否か(当選フラグが成立しているか否か、すなわち、内部中であるか否か)とにより、内部当選判定処理の内容が内部当選判定処理テーブルに示されている。
役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「36」の範囲である場合には、ボーナス(RB)の当選フラグが成立しているか否(内部中か非内部中か)にかかわらず、第1判定処理が行われる。
役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」の範囲であって、ボーナス(RB)の当選フラグが成立していない(非内部中である)場合には、第1停止判定処理(図16参照)が行われる。
役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」の範囲であって、ボーナス(RB)の当選フラグが成立している(内部中である)場合には、共通制御処理(図19参照)が行われる。
図16は、役抽選の結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)と、停止操作した回転リール(L:左回転リール64、C:中回転リール66、R:右回転リール68、Q:端回転リール69)とにより、第1停止操作順序が正解であるか否かを判定するためのデータが記載されている。
図16右端の停止操作順序ビット(2進数表記)の数値が、特定値(CW)欄の第1停止操作の停止操作順序が正解の位置を示している。具体的には、停止操作順序ビット「0001」(すなわち「1」)の領域では、特定値(CW)欄の点線で囲んだ「1」の領域が、左回転リール64にあることで、当該領域では、第1停止操作は左回転リール64が正解停止操作であることを意味する。これにより、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「0C」と、「1F」〜「24」と、「37」〜「3C」と、「4F」〜「54」との領域では、第1停止操作は、左回転リール64が正解の停止操作であることを意味する。
同様に停止操作順序ビット「0010」(すなわち「2」)の領域では、特定値(CW)欄の点線で囲んだ「2」の領域が、中回転リール66にあることで、当該領域では、第1停止操作は中回転リール66が正解停止操作であることを意味する。同様に、停止操作順序ビット「0011」(すなわち「3」)の領域は、特定値(CW)欄の点線で囲んだ「3」の領域が、右回転リール68にあることで、当該領域では、第1停止操作は右回転リール68が正解停止操作であることを意味する。同様に、停止操作順序ビット「0100」(すなわち「4」)の領域は、特定値(CW)欄の点線で囲んだ「4」の領域が、端回転リール69にあることで、当該領域では、第1停止操作は端回転リール69が正解停止操作であることを意味する。
失敗ビットは、「0000」「0001」「0010」「0011」(いずれも2進数表記)の4種類設けてあり、これらは、順に「0」「1」「2」「3」(10進数表記)の数値にして、図16の特定値(CW)の欄のうちの第1停止操作判定の正解停止操作に用いた点線で囲んだ領域以外の箇所に記載されている。この停止操作順序に失敗した場合のデータと、役抽選結果の一部の第1抽選フラグ値(FPL)とにより、特定値範囲が設定されるものである(図17(A)(B)参照)。
図17(A)に示すように、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「1E」と、「37」〜「4E」とでは、失敗ビットが「0000」では、特定値(CW)範囲は、「88」〜「8A」(すなわち、「88」「89」又は「8A」)に設定されている。
また、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「1E」と、「37」〜「4E」とでは、失敗ビットが「0001」では、特定値(CW)範囲は、「8B」〜「8D」(すなわち、「8B」「8C」又は「8D」)に設定されている。役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「1E」と、「37」〜「4E」とでは、失敗ビットが「0010」では、特定値(CW)範囲は、「8E」〜「90」(すなわち、「8E」「8F」又は「90」)に設定されている。役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「07」〜「1E」と、「37」〜「4E」とでは、失敗ビットが「0011」では、特定値(CW)範囲は、「91」〜「93」(すなわち、「91」「92」又は「93」)に設定されている。
図17(B)に示すように、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「1F」〜「36」と、「4F」〜「66」とでは、失敗ビットが「0011」では、特定値(CW)範囲は、「88」〜「8A」(すなわち、「88」「89」又は「8A」)に設定されている。
また、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「1F」〜「36」と、「4F」〜「66」とでは、失敗ビットが「0010」では、特定値(CW)範囲は、「8B」〜「8D」(すなわち、「8B」「8C」又は「8D」)に設定されている。役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「1F」〜「36」と、「4F」〜「66」とでは、失敗ビットが「0001」では、特定値(CW)範囲は、「8E」〜「90」(すなわち、「8E」「8F」又は「90」)に設定されている。役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)が「1F」〜「36」と、「4F」〜「66」とでは、失敗ビットが「0000」では、特定値(CW)範囲は、「91」〜「93」(すなわち、「91」「92」又は「93」)に設定されている。
図18に示すように、第1停止操作順序不正解処理における特定値と、停止操作した回転リール62とにより決定されるポインタである。このポインタに基づいて、図12で説明したものと同様の処理が決定される。すなわち、取得ポインタが「00」〜「04」の場合は、当該ポインタの数値が停止テーブルポインタ(BTRP)となって、停止テーブルポインタに基づく停止テーブルにより停止処理が行われる。また、取得ポインタが「05」〜「0A」の場合は、移行判定ポインタ(BTRG)となって、移行判定データテーブル(図10参照)に基づく特定値移行判定処理が行われることになる。
ここで、図18では、特定値「88」〜「8A」では、当選図柄の組み合わせとして(BR、RP、RP、RP)(RP、BR、RP、RP)(RP、RP、BR、RP)(RP、RP、RP、BR)の重複当選役を用いている。
例えば、当該重複当選役が当選し、この特定値「88」〜「8A」を用いる場合には、停止操作順番が最終停止以外(第1〜第3停止操作)では、特定値「88」を用い、停止操作した回転リール62の中段にリプレイ(RP)を停止して、停止操作順序が最終停止(第4停止操作)の場合は、特定値「89」を用い、この特定値「89」では、停止操作タイミングによっては、当選図柄を停止させることができずにハズレ図柄となる、いわゆる「こぼし」が発生するものであり、図10の移行判定データテーブルを用いた特定値移行判定処理が行われる。特定値移行判定処理により当選図柄を停止させることができる停止タイミングであれば、特定値「89」をそのまま用いて、バー(BR)を停止させ、入賞させることができるが、特定値移行判定処理により当選図柄を停止させることができない停止タイミングであれば、特定値「89」に「+1」が加算され、特定値「8A」に更新され、当該「8A」に基づく停止制御が行われ、ハズレ図柄が揃うことになる。
特定値「8B」〜「8D」では、当選図柄の組み合わせとして(B3、RP、RP、RP)(RP、B3、RP、RP)(RP、RP、B3、RP)(RP、RP、RP、B3)の重複当選役を用いている。この場合でも上述した特定値「88」〜「8A」の場合と同様に、最終停止以外と、最終停止とに分かれた停止処理や、特定値移行判定処理による停止処理が同様に行われる。
特定値「8E」〜「90」では、当選図柄の組み合わせとして(RB、RP、RP、RP)(RP、RB、RP、RP)(RP、RP、RB、RP)(RP、RP、RP、RB)の重複当選役を用いている。この場合でも上述した特定値「88」〜「8A」の場合と同様に、最終停止以外と、最終停止とに分かれた停止処理や、特定値移行判定処理による停止処理が同様に行われる。
特定値「91」〜「93」では、当選図柄の組み合わせとして(B4、RP、RP、RP)(RP、B4、RP、RP)(RP、RP、B4、RP)(RP、RP、RP、B4)の重複当選役を用いている。この場合でも上述した特定値「88」〜「8A」の場合と同様に、最終停止以外と、最終停止とに分かれた停止処理や、特定値移行判定処理による停止処理が同様に行われる。
図19では、図15の役抽選結果の一部と内部中の有無とにより共通制御処理を行うことに決定された場合、この共通制御処理テーブルを用いて、ポインタが決定される。すなわち、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)により、特定値(CW)が決定され、当該特定値(CW)と、停止操作した回転リール62とにより、ポインタが決定される。当該ポインタは、「00」〜「04」の範囲であり、停止テーブルポインタ(BTRP)となって(図12参照)、当該停止テーブルポイントに対応する単一の停止テーブルが決定され、当該停止テーブルを用いた停止制御が行われる。
図20及び図21では、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)と、内部中であるか否かにより、処理1と、処理2とのいずれかが決定される。さらに、第1抽選フラグ値(FPL)により特定値(CW)が決定されるとともに、停止操作順番が、第1〜第4停止操作のいずれであるかによって、停止操作順序ポインタ(ATP)が決定される。
ここで、処理1が選択された場合、図20の停止操作順序ポインタ取得テーブルで取得された停止操作順序ポインタ(ATP)に基づいて、図23の停止操作順序正解不正解ポインタ決定テーブルにより、ポインタが決定される。
また、処理2が選択された場合、図20の停止操作順序ポインタ取得テーブルで取得された停止操作順序ポインタ(ATP)に基づいて、図22の停止操作順序ポインタ変更処理テーブルにより、停止操作順序ポインタ(ATP)の変更処理が行われる。
図22の停止操作順序ポインタ変更処理テーブルでは、前記処理2が選択された場合に、停止操作順序ポインタ(ATP)が、図22の左欄の数値から、右欄の数値へ変更されることになる。例えば、処理2が選択された場合であって、停止操作順序ポインタ(ATP)が「01」である場合には、停止操作順序ポインタ(ATP)が当該テーブルに基づいて「00」に変更される。そして、この変更された停止操作順序ポインタ(ATP)を用いて、図23の処理が行われるものである。
図23の停止操作順序正解不正解ポインタ決定テーブルでは、図20、図21又は図22で決定された停止操作順序ポインタ(ATP)と、停止操作した回転リール62とにより、ポインタが決定される。
ここで、停止操作順序ポインタ(ATP)と、停止操作した回転リール62とにより、停止操作した順番が正解のときは、ポインタが「00」〜「04」の範囲から選択されたものとなり、当該値が停止テーブルポインタ(BTRP)となって、対応する単一の停止テーブルにより停止処理が行われる。
また、停止操作順序ポインタ(ATP)と、停止操作した回転リール62とにより、停止操作した順番が不正解のときは、ポインタが、「0B」「0C」「0D」又は「0E」のいわゆる停止操作順序不正解ポインタとなる。
この停止操作順序不正解ポインタと、役抽選結果の一部(具体的には、FPLに相当するクジラベル)とにより、図24の停止操作順序不正解ポインタ用特定値取得テーブルを用いて、特定値(CW)が特定される。この図24で特定された特定値(CW)と、停止操作した回転リールとにより、図25の停止操作順序不正解用ポインタ決定テーブルを用いて、ポインタが決定される。このポインタは、図12のポインタに基づく処理の一覧テーブルに示すように、ポインタ「00」〜「04」は、停止テーブルポインタ(BTRP)となって、単一の停止テーブルが特定され、当該停止テーブルにより停止処理が行われる。また、ポインタ「05」〜「0A」は、特定値移行判定処理が行われ、移行する場合には、現在の特定値に「+1」が行われて更新され、加算された特定値に基づいて停止テーブルポインタ(BTRP)が決定されて停止処理が行われ、移行しない場合には、図9によりBTRPが取得されて、単一の停止テーブルが決定され、停止処理が行われる。
図26に示すフローチャートに基づいて、メイン制御装置110が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
ステップ112において、メイン制御装置110により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御装置110により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ113に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ112となる。
なお、このステップ112の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御装置110により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数3に達しているか否かの判定が行われる。
ステップ113において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選番号が決定される。さらに、移行抽選手段330により、移行抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選及び移行抽選の結果がメイン制御装置110からサブ制御装置300へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ114に進む。
ステップ114において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理(回転起動処理)が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、メイン制御装置110により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、停止制御手段140により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR、端ストップスイッチH)の当選役に対応する停止操作順序は、メイン制御装置110に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
また、全ての停止操作終了後、メイン制御装置110の送信手段260からサブ制御装置300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップ115に進む。
ステップ115において、払出制御手段250により、特定値(CW)等に基づいて決定されているメダルの払出枚数に対応した払出処理等が行われる。なお、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
図26に示すフローチャートでは、一般的な遊技制御処理全体にわたって説明していたが、図27〜図29に示すフローチャートでは、停止制御処理に特化して説明する。
図27に示すフローチャートに基づいて、停止操作処理について説明する。
先ず、ステップ311において、遊技者によりスタートスイッチ40の操作が行われてON状態となる。そして、次のステップ312に進む。
ステップ312において、役抽選手段120により、役抽選処理が行われる。そして、次のステップ313に進む。
ステップ313において、リールユニット60において回転リール62の回転が開始される。そして、回転リール62の回転速度が予め定めた所定回転速度に到達することで定常回転となる。そして、次のステップ314に進む。
ステップ314において、遊技者により、第1番目の停止操作となるストップスイッチ50が操作されることで、第1停止操作としてのストップスイッチ50が作動(ON状態となる)する。そして、次のステップ315に進む。
ステップ315において、特定値取得手段520により、役抽選の結果の全部である第1抽選フラグ値(FPL)及び第2抽選フラグ値(FPH)と、第1停止操作の回転リール62とに基づいて特定値(CW)が取得される(図7参照)。そして、次のステップ316に進む。
なお、本実施の形態では、役抽選の結果の全部である第1抽選フラグ値(FPL)及び第2抽選フラグ値(FPL)の組み合わせと、第1停止リールとに基づいて、特定値(CW)を取得しているが、特にこれに限定されることはなく、役抽選の結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)と、第1停止操作の回転リール62とに基づいて、特定値(CW)を取得するようにすることもできる。そして、それ以後の停止操作処理の途中において、第2抽選フラグ値(FPH)を反映させるようにしてもよいものである。
ステップ316において、現在の特定値(CW)は、「14」「16」又は「F3」のいずれかであるか否かが判定される。そして、特定値(CW)が「14」「16」又は「F3」のいずれかであると判定された場合、図29のステップ610に進み、特別停止制御処理へ移行し、特定値(CW)が「14」「16」又は「F3」のいずれでもないと判定された場合、次のステップ317に進み、通常停止制御処理へ移行する。
ステップ317において、特定値取得手段520により取得された特定値(CW)及び停止操作した回転リール62に対応した種々の処理が行われる。最終的には、単一の停止テーブル440が選択される。この種々の処理の内容は後で詳細に説明する(図28参照)。そして、次のステップ318に進む。
ステップ318において、取得された単一の停止テーブル440を用いて、リール停止処理手段600により、第1停止操作の回転リール62の停止処理が行われる。具体的には、取得された停止テーブル440により算出された滑りコマ数の分だけ回転リール62の回転移動が行われる。そして、次のステップ319に進む。
ステップ319において、遊技者により、第1停止操作以外の残りの停止操作(第2番目(第2停止操作)、第3番目(第3停止操作)又は第4番目(第4停止操作))となるストップスイッチ50が操作されることで、当該停止操作としてのストップスイッチ50が作動(ON状態となる)する。そして、次のステップ320に進む。
ステップ320において、現在の特定値(CW)及び停止操作した回転リール62に対応した種々の処理が行われる。最終的には、単一の停止テーブル440が選択される。この種々の処理の内容は後で詳細に説明する(図28参照)。そして、次のステップ321に進む。
ステップ321において、取得された単一の停止テーブル440を用いて、リール停止処理手段600により、第1停止操作の回転リール62の停止処理が行われる。具体的には、取得された停止テーブル440により算出された滑りコマ数の分だけ回転リール62の回転移動が行われる。そして、次のステップ322に進む。
ステップ322において、全ての回転リール62が停止したか否かが判定される。全ての回転リール62が停止していないと判定された場合、ステップ319に戻り、全ての回転リール62が停止していると判定された場合、当該処理は終了する。
図28に示すフローチャートに基づいて、現在の特定値(CW)及び停止操作した回転リール62に対応した種々の処理について説明する。
先ず、ステップ511において、ポインタ決定手段540により、ポインタ決定テーブル542(図8参照)を用いて、現在の特定値(CW)と、停止操作した回転リール62の種類(左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69)とに対応したポインタが決定される。そして、次のステップ512に進む。
ポインタ決定手段540により決定されたポインタに基づいて、ステップ512において、分岐処理決定手段560により、複数の処理(具体的には、特定値移行判定処理、停止テーブル取得処理の2つの処理)の中から、いずれの処理となるか判定される。
具体的には、ポインタの数値が、いずれの処理に対応する範囲となるか判定されるものである。
ポインタとしての16進数の数値が「00」以上且つ「04」以下(「00」〜「04」)の場合は、停止テーブル取得処理と判定されステップ513に進む。
また、ポインタとしての16進数の数値が「05」以上且つ「0A」以下(「05」〜「0A」)の場合は、特定値移行判定処理と判定されてステップ515に進む。
ステップ512にて、ポインタとしての16進数の数値が「00」以上「04」以下(「00」〜「04」)と判定され、停止テーブル取得処理を実行すると判定された場合には、ステップ513において、停止データテーブル420(図11)を用いて、ポインタ(停止テーブルポインタ(BTRP))に対応した単一の停止テーブル440のデータが取得される。そして、次のステップ514に進む。
ステップ514において、停止データテーブル420(図11)により取得された単一の停止テーブル440を用いて、ストップスイッチ50を操作した図柄番号に対応する滑りコマ数(0、1、2、3又は4)を取得(算出)する。そして、当該処理が終了する。
ステップ512にて、ポインタとしての16進数の数値が「05」以上且つ「0A」以下(「05」〜「0A」)と判定され、特定値移行判定処理を実行すると判定された場合には、ステップ515において、移行判定関連テーブル(図9)を用いて、ポインタ(移行判定ポインタ(BTRG))に対応した移行データ(具体的には、移行テーブルポインタ(移行P))と、停止テーブル440のデータ(具体的には、停止テーブルポインタ(BTRP))とが取得される。そして、次のステップ516に進む。
ステップ516において、特定値移行判定手段680により、特定値(CW)を新たな特定値(CW)に移行するか否かの判定(特定値移行判定)が行われる。具体的には、移行判定データテーブル(図10)により、移行テーブルポインタ(移行P)と、ストップスイッチ50を停止操作したタイミングにおける所定位置(具体的には、中段位置)の図柄番号とにより、移行判定値が「0」又は「1」のいずれであるか否かが判定されるものである。移行テーブルポインタ(移行P)と、図柄番号とにより決定される移行判定値が「0」の場合は、「移行する」に決定され、移行判定値が「1」の場合は、「移行しない」に決定される。特定値移行判定により「移行しない」場合には、ステップ514に進み、「移行する」場合には、ステップ517に進む。
ステップ517において、現在の特定値(CW)の数値(16進数)に1を加算し、その加算後の数値を新たな特定値(CW)とする(更新する)。そして、ステップ511に戻る。
図29に示すフローチャートに基づいて、特別停止制御処理について説明する。特別停止制御処理は、特定値取得手段520により取得された特定値が予め定めた所定値以外の場合(具体的には、特定値(CW)が「14」、「16」又は「F3」の場合)、特定値取得手段520により当該特定値を取得した後、回転リール62の停止操作の順序に基づいて特定値を直接変更可能に形成されているものである。そして、最終的には、この特定値や、この特定値に基づいて算出される他の特定値やポインタ等により最終的には単一の停止テーブル440が選択されて、当該停止テーブル440により停止制御が行われるものである。
具体的には、図27のステップ316の特定値(CW)は、「14」「16」又は「F3」であると判定された場合は、ステップ610において、現在の特定値(CW)が「14」であるか否かが判定される。そして、現在の特定値(CW)が「14」であると判定された場合、ステップ611に進み、現在の特定値(CW)が「14」でないと判定された場合、ステップ612に進む。
ステップ611において、特殊処理1が行われる。この特殊処理1は、図13に示す特殊処理1テーブルを用いて、最終停止操作以外(第1〜第3停止操作)では、特定値(CW)として、「14」が採取されて、停止操作した回転リール62の中段にリプレイ(RP)を停止させる。そして、最終停止操作(第4停止操作)では、特定値(CW)として「15」が採取されて、停止操作した回転リール62の中段に青7(B7)を停止させるものである。これにより、重複当選役である当選図柄の組み合わせ(B7、RP、RP、RP)、(RP、B7、RP、RP)、(RP、RP、B7、RP)、(RP、RP、RP、B7)のいずれかを揃えることができる。そして、当該処理が終了する。
ステップ610で現在の特定値(CW)が「14」でないと判定された場合は、ステップ612において、現在の特定値(CW)が「16」であるか否かが判定される。そして、現在の特定値(CW)が「16」であると判定された場合、ステップ613に進み、現在の特定値(CW)が「16」でないと判定された場合、ステップ614に進む。
ステップ613において、特殊処理2が行われる。この特殊処理2は、図14に示す特殊処理2テーブルを用いて、最終停止操作以外(第1〜第3停止操作)では、特定値(CW)として、「16」が採取されて、停止操作した回転リール62の中段にリプレイ(RP)を停止させる。そして、最終停止操作(第4停止操作)では、特定値(CW)として「17」が採取されて、停止操作した回転リール62の中段に、バー(BR)、ブランク3(B3)、RB(RB)又はブランク4(B4)のいずれか1つの図柄を停止させるものである。これにより、重複当選役である当選図柄の組み合わせ(BR/B3/RB/B4、RP、RP、RP)、(RP、BR/B3/RB/B4、RP、RP)、(RP、RP、BR/B3/RB/B4、RP)、(RP、RP、RP、BR/B3/RB/B4)のいずれかを揃えることができる。そして、当該処理が終了する。
ステップ612で現在の特定値(CW)が「16」でないと判定された場合は、ステップ614において、内部当選判定処理が行われる。具体的には、現在の遊技状態が、内部中であり、且つ、第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」であるか否かが判定される。現在の遊技状態が、内部中であり、且つ、第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」であると判定された場合、ステップ615に進み、そのような状態でないと判定された場合、ステップ616に進む。
ステップ615では、共通制御処理手段610により、図19に示す共通制御処理テーブルを用いて、共通制御処理が行われる。具体的には、図19に示す共通制御処理テーブルを用いて、役抽選結果の一部である第1抽選フラグ値(FPL)により特定値(CW)が決定され、この特定値(CW)と、停止操作した回転リール62とにより、ポインタが決定される。そして、このポインタの数値に基づいて、単一の停止テーブル440が決定され、当該停止テーブル440により停止処理が行われる。なお、共通制御処理テーブルにおいて採取されるポインタは、全て「01」〜「04」の範囲であって、停止テーブルポインタ(BTRP)となって、特定値移行判定処理を行うことなく、全て停止テーブルが採取される。
ステップ614で現在の遊技状態が内部中であり、且つ、第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」でないと判定された場合は、ステップ616において、第1停止正解処理手段630により、第1停止操作順序が正解か否かの判定が行われる。第1停止操作順序が正解であると判定された場合、ステップ618に進み、第1停止操作順序が不正解であると判定された場合、ステップ617に進む。
ステップ617において、第1停止操作順序不正解処理が行われる。この第1停止操作順序不正解処理では、図16の失敗ビットと、役抽選結果の一部(第1抽選フラグ値(FPL))とに基づいて、図17に示す特定値範囲が定まり、図18に示す停止操作順序に基づく特定値(CW)と、停止操作した回転リール62とにより、ポインタが定まり、当該ポインタの値に基づいて、図12の停止テーブルポインタ(BTRP)又は特定値移行判定処理が決定され、最終的に、停止テーブルポインタ(BTRP)が決定されて、単一の停止テーブル440が定まる。
一方、ステップ616で、第1停止操作順序が正解であると判定された場合、ステップ618において、第1停止正解処理手段580により、残りの停止操作で、停止操作順序が正解であるか否かが判定される。第1停止正解処理手段580により、残りの停止操作における停止操作順序が正解でない(不正解である)と判定された場合、ステップ619に進み、正解であると判定された場合、ステップ620に進む。
ステップ619において、第1停止正解処理手段630により、残停止操作順序不正解処理が行われる。具体的には、第1停止操作の残りの停止操作において、停止操作順序が不正解の場合、図23の停止操作順序正解不正解ポインタ決定テーブルにおける停止操作順序不正解ポインタ(0B、0C、0D,0E)が選択される。この停止操作順序不正解ポインタと、役抽選結果の一部(FPL)とにより、図24の停止操作順序不正解ポインタ用特定値取得テーブルにより新たな特定値(CW)が決定される。そして、図25の停止操作順序不正解用ポインタ決定テーブルにより、この新たな特定値(CW)と、停止操作した回転リール62とにより、ポインタが決定され、このポインタが図12に示すように「00」〜「04」である場合には、停止テーブルポインタ(BTRP)となって、対応する単一の停止テーブル440が採取され、当該停止テーブル440により停止処理が行われ、また、前記ポインタが図12に示す「05」〜「0A」である場合には、すでに説明した特定値移行判定処理が行われ、最終的に停止テーブルポインタ(BTRP)が決定され、対応する単一の停止テーブル440が採取され、当該停止テーブル440により停止処理が行われる。そして、次のステップ621に進む。
一方、ステップ618において、残りの停止操作で停止操作順序が正解であると判定された場合、ステップ620において、停止操作順序正解処理が行われる。具体的には、図23に示す停止操作順序正解不正解ポインタ決定テーブルにおいて、停止操作順序ポインタ(ATP)と、停止操作した回転リール62とにより、停止操作順序正解ポインタ(「01」〜「04」)が選択された場合に当該ポインタが、停止テーブルポインタ(BTRP)となる。このBTRPに対応する単一の停止テーブル440が採取されて、当該停止テーブル440により停止処理が行われる。そして、次のステップ621に進む。
ステップ621において、全ての回転リール62の停止処理が終了したか否かが判定される。そして、全ての回転リール62の停止処理が終了していないと判定された場合、ステップ618に戻り、終了していると判定された場合、この特別停止制御処理が終了する。
本実施の形態では、上述したような構成を有することで、以下に示すような作用及び効果を奏する。
本実施の形態では、特定値取得手段520により特定値を取得した後は、特定値が所定値であるか否かにより、停止操作順序に基づいて特定値を直接変更しない通常停止制御処理と、停止操作順序に基づいて特定値を直接変更可能な特別停止制御処理とに分け、停止操作処理に停止操作順序が強く影響する停止処理を通常停止制御処理とは異なる停止処理となるように別途規定することで処理の効率化、データ圧縮化を図り、通常停止制御処理だけでは、データテーブルの容量が膨大となることを回避し、データ量を削減することができる。
なお、上述した「停止操作順序に基づいて特定値を直接変更しない」とは、特定値を複数のパラメータに基づいて変更するための表(テーブル)を作成するにあたって、少なくとも一方のパラメータ(一方の欄、又は一方の軸)に第1番目に停止操作する「第1停止操作」、第2番目に停止操作する「第2停止操作」等のストップスイッチ50による停止操作順番が直接的に入ってきていないことを意味する。
また、本実施の形態は、ポインタ決定手段540が、特定値取得手段520により取得された特定値と、停止操作が行われた回転リール62とに基づいて、ポインタを決定する。
分岐処理決定手段560が、このポインタに基づいて、新たな特定値を設定するか又は単一の停止テーブル440を選択するかの複数の分岐処理の中から、いずれかの分岐処理を決定する。
この分岐処理において、単一の停止テーブル440が選択された場合には、リール停止処理手段600が、その選択された単一の停止テーブル440を用いて停止処理を行う。
また、前記分岐処理において、新たな特定値が設定された場合には、ポインタ決定手段540が、この新たな特定値と停止操作が行われた回転リール62とに基づいて新たなポインタを決定する。この新たなポインタに基づいて、上述したものと同様の分岐処理が繰り返される。そして、最終的には単一の停止テーブル440が選択されることで、リール停止処理手段600が、選択された停止テーブル440を用いて回転リール62の停止処理を行う。
分岐処理の結果がいずれの場合であっても、最終的に単一の停止テーブル440が選択されることで、リール停止処理手段600により、その停止テーブル440を用いて、回転リール62の停止処理が行われる。
本実施の形態では、ポインタ決定手段540により、特定値と、停止操作が行われた回転リール62とに基づいて、新たなパラメータであるポインタを処理途中に介在させている(決定している)。そして、このポインタに基づいて、単一の停止テーブル440を選択することができる場合には、停止テーブル440を選択して、この停止テーブル440により停止処理を行っている。一方、当該ポインタをそのまま用いて単一の停止テーブル440を選択することができない場合には、別の種類のパラメータを新たに採用することなく、再度、同一種類のパラメータである特定値としての新たな特定値を設定し、この新たな特定値と停止操作が行われた回転リール62とに基づいて新たなポインタを決定し、このポインタに基づいて同様の分岐処理を行っている。別の種類のパラメータを採用することなく、特定値として新たな特定値を用いることで、その後の処理を新たな特定値から新たなポインタを決定し、この新たなポインタを用いて分岐処理を行うという、それまでに行った処理と同一の処理工程を繰り返し使用することができる。これにより、別途、新たなパラメータを用いた場合の記憶テーブルや、新たなパラメータを用いた新たな処理工程のためのプログラム等は不要であり、それまでに用いた特定値や、ポインタを用いて、同様の分岐処理のためのプログラム等を繰り返し使用することができ、データやプログラムの記憶容量を抑えることができて記憶容量の削減を図ることができ、処理工程も少なくすることができ、停止制御処理の効率化を図ることができる。
また、図15に示すように、特別停止制御処理における内部当選判定処理では、役抽選の抽選結果の一部が所定の範囲(具体的には、第1抽選フラグ値(FPL)が「37」〜「66」)において、特別遊技への移行に当選している状態であるか否かにより(すなわち内部中であるか否かにより)停止制御処理の内容を変更している。具体的には、その他の場合は、第1停止判定処理で行っているのに対して、かかる場合にだけ、共通制御処理で処理を行っている(処理の内容を変更している)。
本実施の形態によれば、内部中であるか否かにより停止制御処理の内容を変更することができ、現在の遊技状態が内部中であることを停止制御処理の相違により、遊技者に類推させることができる。停止制御処理の装置を、内部中であるか否かを遊技者に報知する報知演出の一種として用いることができる。これにより、当該遊技の抽選が外れであって、当選しなかった場合であって当選図柄を有効ライン86上に停止させることができないような場合であっても、停止制御の相違を判断することで、遊技状態を知ることができるという新たな楽しみを提供することができる。
また、本実施の形態では、特別停止制御処理では、特定値と停止操作順序とにより停止操作順序ポインタ(具体的には、ATP(ATポインタ))が決定され、停止操作順序ポインタと、停止操作が行われた回転リール62(停止操作リール)とにより、停止操作順序が正解の時は停止操作順序正解ポインタ(具体的には、BTRPの「01」、「02」、「04」等)が決定され、この停止操作順序正解ポインタにより単一の停止テーブル440が選択され、停止操作順序ポインタと、停止操作が行われた回転リール62(停止操作リール)とにより、停止操作順序が不正解の時は停止操作順序不正解ポインタ(具体的には、「0B」、「0C」、「0D」、「0E」)が決定され、役抽選の役抽選結果と停止操作順序不正解ポインタとにより新たな特定値が取得され、この新たな特定値と停止操作が行われた回転リール62(停止操作リール)とにより、単一の停止テーブル440が選択される。
本実施の形態によれば、停止操作順序を反映させた停止操作順序ポインタを介することで、停止操作順序により最初から停止制御処理を区別するものと比較して、全体として処理の効率化を図ることができ、少ない記憶容量で、処理を容易なものにすることができる。
具体的には、本実施の形態では、停止操作順番により停止処理を当初から分断していない。すなわち、第1停止操作の場合は、最初から第1停止操作用の停止テーブルを設けて、当該停止テーブルによる停止処理を行うような停止操作順番毎に最初から停止処理を分断して処理するようなことをしていない。
本実施の形態では、特定値と、停止操作順序とにより規定される停止操作順序ポインタ(ATP)という停止操作順序が反映された新たなパラメータを作成し、当該パラメータ(停止操作順序ポインタ(ATP))と、停止操作した回転リール62とにより、停止操作順序が正解のポインタ(停止操作順序正解ポインタ)と、停止操作順序が不正解のポインタ(停止操作順序不正解ポインタ)とを作成して、それぞれ停止処理を行っている。このように、当初は停止操作順序が反映された共通のパラメータを用いることで、停止操作順序の相違により、最初から停止制御処理を分断して行うようなものと比較して、共通処理部分の割合が多くなり、全体として処理の効率化を図ることができ、少ない記憶容量で、処理を容易なものにすることができる。
本実施の形態によれば、図13の特殊処理1テーブルの箇所で説明したように、特殊処理1において、上述したような当選図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。
すなわち、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69における有効ライン86上の停止図柄の組み合わせとして、「RP、RP、RP、B7」、「RP、RP、B7、RP」、「RP、B7、RP、RP」、「B7、RP、RP、RP」のいずれかとなる4種類の図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。
さらに、上記リプレイ(RP)及び青7(B7)は、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン86上に停止可能となるように各回転リール上に配置されている(図2参照)。
上述したような当選図柄の組み合わせ、リール上の図柄配置を有することにより、各回転リール62で2種類の停止テーブル440を用意するだけでよい。具体的には、左回転リール64で停止テーブル440「02」及び「04」、中回転リール66で停止テーブル440「04」及び「02」、右回転リール68で停止テーブル440「01」及び「04」、端回転リール69で停止テーブル440「04」及び「02」だけでよい(図13参照)。すなわち、このような2種類の停止テーブル440を用いるための特定値(CW)である「14」及び「15」だけで、リプレイ(RP)及び青7(B7)における全ての当選図柄の組み合わせを停止させることができ、結果として、データ容量の削減を図ることができる。
本実施の形態によれば、図14の特殊処理2テーブルの箇所で説明したように、特殊処理2において、上述したような当選図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。
すなわち、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69における有効ライン86上の停止図柄の組み合わせとして、「RP、RP、RP、BR/B3/RB/B4」、「RP、RP、BR/B3/RB/B4、RP」、「RP、BR/B3/RB/B4、RP、RP」、「BR/B3/RB/B4、RP、RP、RP」のいずれかとなる当選図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。
さらに、上記リプレイ(RP)と、バー(BR)/ブランク3(B3)/RB(RB)/ブランク4(B4)とは、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン86上に停止可能となるように各回転リール上に配置されている(図2参照)。なお、バー(BR)/ブランク3(B3)/RB(RB)/ブランク4(B4)は、この4個の図柄のいずれの図柄でもよいことを意味しており、実質的にはこの4個の図柄のグループで1種類の図柄と見ることが可能なものである。
上述したような当選図柄の組み合わせ、リール上の図柄配置を有することにより、各回転リール62で2種類という少ない種類の複数の停止テーブル440を用意するだけでよい。具体的には、左回転リール64で停止テーブル440「02」及び「03」、中回転リール66で停止テーブル440「04」及び「03」、右回転リール68で停止テーブル440「01」及び「03」、端回転リール69で停止テーブル440「04」及び「03」だけでよい(図14参照)。すなわち、このような2種類の停止テーブル440を用いるための特定値(CW)である「16」及び「17」だけで、リプレイ(RP)及びバー(BR)/ブランク3(B3)/RB(RB)/ブランク4(B4)における全ての当選図柄の組み合わせを停止させることができる。このように、各リールで停止テーブル440を用いるための特定値(CW)の個数も抑えた状態で、多数の図柄61の組み合わせを停止させることができる。結果として、データ容量の削減を図ることができる。
なお、ここで、上述したものは、単一の停止テーブル440を選択するための特定値(CW)を構成として用いているものであるが、このような特定値(CW)を介さずに、上述したような前提条件を満たす2種類の停止テーブルを用いても、上述したようなものと同様の作用及び効果を奏することができるものである。 すなわち、B7を有効ライン86上に停止させるための停止テーブルAと、RPを有効ライン86上に停止させるための停止テーブルBとが各回転リール62の停止テーブル440として少なくとも設けられ、停止制御手段140は、上述したような重複当選役が当選した際、停止操作順序が第1番目の停止操作である第1停止操作から、停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、停止テーブルBを用いて停止制御を行い、停止操作順序が第n番目の停止操作である第n停止操作は、停止テーブルAを用いて停止制御を行うようにしてもよいものである。なお、ここで、nは、回転リール62の全部の個数であって、具体的には本実施の形態では4に設定されているが、これに限定されることなく、2以上の整数である。このようにすると、特定値(CW)を介さなくても、上述したような当選図柄の組み合わせ、回転リール62上の図柄配置を前提として有することにより、各回転リール62で2種類の停止テーブルA,Bだけで、B7、RPの当選図柄の組み合わせを停止させることができて、データ容量の削減を図ることができる。
本実施の形態によれば、図17、図18の第1停止不正解処理において説明したように、当選図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。
具体的には、例えば、特定値「88」〜「8A」で処理される重複当選役として、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68、端回転リール69における有効ライン86上の停止図柄の組み合わせとして、「RP、RP、RP、BR」、「RP、RP、BR、RP」、「RP、BR、RP、RP」、「BR、RP、RP、RP」のいずれかとなる4種類の図柄の組み合わせを有する重複当選役を有している。すなわち、1個のBRと、残りのRPとの全ての組み合わせとなるような複数の当選図柄の組み合わせとなっている。
さらに、上記リプレイ(RP)は、いずれの停止操作タイミングでも有効ライン86上に停止可能となるように各回転リール上に配置されているが、バー(BR)は、停止操作タイミングによっては、当選図柄を有効ライン86上に停止させることができない、いわゆる「こぼし」が発生するものである(図2参照)。
上述したような当選図柄の組み合わせ、リール上の図柄配置を前提条件として有することにより、停止操作タイミングによっては、いわゆる「こぼし」が発生するような場合であっても、各回転リール62で3種類という少ない種類の停止テーブル440を用いて停止させることができる。また、上述したように各停止テーブル440に対応する特定値(CW)として、具体的には、例えば、「88」「89」「8A」を用いて、リプレイ(RP)、バー(BR)、こぼし(ハズレ)における多数の図柄61の組み合わせを停止させることができる。このように、各リールで停止テーブル440を用いるための特定値(CW)の個数も抑えた状態で、多数の図柄61の組み合わせを停止させることができる。結果として、データ容量の削減を図ることができる。
なお、ここで、上述したものは、単一の停止テーブル440を選択するための特定値(CW)を構成として用いているものであるが、このような特定値(CW)を介さずに、上述したような前提条件を満たす3種類の停止テーブルを用いても、上述したようなものと同様の作用及び効果を奏することができるものである。すなわち、BRを有効ライン86上に停止させるための停止テーブルAと、RPを有効ライン86上に停止させるための停止テーブルBと、BR以外を有効ライン86上に停止させるための停止テーブルCとが各回転リール62の停止テーブル440として少なくとも設けられている。そして、停止制御手段としてのリール制御手段130は、この重複当選役が当選した際、停止操作順序が第1番目の停止操作である第1停止操作から、停止操作順序が第(n−1)番目の停止操作である第(n−1)停止操作までは、停止テーブルBを用いて停止制御を行い、第n停止操作は、停止操作タイミングが適正な場合、停止テーブルAを用いて停止制御を行うとともに、停止操作タイミングが不適正な場合、停止テーブルCを用いて停止制御を行うようにしてもよいものである。なお、ここで、nは、回転リール62の全部の個数であって、具体的には本実施の形態では4に設定されているが、これに限定されることなく、2以上の整数である。このようにすると、特定値(CW)を介さなくても、上述したような当選図柄の組み合わせ、回転リール62上の図柄配置を前提として有することにより、各回転リール62で3種類の停止テーブルA、B及びCだけで、リプレイ(RP)、バー(BR)及びこぼし(ハズレ)における図柄61の組み合わせを停止させることができて、データ容量の削減を図ることができる。
なお、本実施の形態では、特定値(CW)や、各種テーブル等を用いて停止制御を行うことにより、停止制御に関するデータ容量の圧縮をすることができるものであるが、それだけでは無い。本実施の形態では、最終的な特定値(CW)が確定すると、この特定値(CW)に1対1に対応する停止図柄が特定される。このため、従来、全ての回転リール62が停止した後、有効ライン86において(複数の有効ライン86を有するような場合には、各有効ライン86毎に)入賞判定を行っていたが、このような従来行われていた入賞判定自体が不要となっている。このため、本実施の形態において、従来の停止制御において、データとして実装されていた図2に示すような図柄番号(コマ番号)と各回転リール62の図柄配列とをそのまま記憶させた配列データを必要としないものである。この図2に示すような配列データ自体をそのまま記憶させる必要がない(不要とした)ことにより、記憶させるデータの数も減り、且つ、従来行われていたような入賞判定処理も不要になったため、記憶容量の低減化に加えて、停止制御の処理時間の短縮という効果も生み出しているものである。