JP6364134B1 - 蓋体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蓋体は、中心領域に拡がるカガミ部2と、カガミ部の周縁を基端として膨出するリング状の台部3と、蓋体の最外周に位置する嵌合部4を備える。台部3は、カガミ部2から立ち上がる内周壁31と、内周壁31の上端から屈曲してカガミ部2と平行に延びる天面部32と、天面部32の外周縁から垂れ下がる外周壁33とに囲まれて画成される。内周壁31は、外周壁33よりも壁が厚い。
【選択図】図3
Description
図1は、使用状態の蓋体1を示す斜視図である。図1に示すように、蓋体1は飲料用容器100に被せられる。飲料用容器100は、内容物がコーヒーであればチルドカップコーヒーとも呼ばれており、寸胴或いは口縁へ向けて暫次拡径し、上面が開口した円筒のコップ形状を有する。飲料用容器100の開口面にはアルミニウムシート101が熱融着されており、コーヒー等の飲料物が封止される。蓋体1は、アルミニウムシート101の上から飲料用容器100に被さることで、アルミニウムシート101へのホコリ等の異物の付着を阻止している。
このような蓋体1は次の通り製造できる。図6に示すように、蓋体1は熱可塑性樹脂シート200を用いたシート成型により作製される。熱可塑性樹脂シート200は、例えばポリエチレンテレフタレート製、ポリ塩化ビニル製、ポリスチレン製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製又はポリカーボネート製である。
図7乃至図11は、飲料用容器100が落下して蓋体1から地面に衝突した状態を示している。図7乃至図11に示すように、地面300に対して、鉛直方向と蓋体1及び飲料容器100の軸方向とが交差する所謂オフセット衝突したものとする。図7乃至図9と、図10及び図11とではオフセット量が異なる。
図7に示すように、落下によって蓋体1の台部3の一箇所と地面300とが接触する。台部3の外周壁33は内周壁31と比べて薄い。そのため、内周壁31よりも外周壁33が率先して折れ曲がる中折れが生じる。外周壁33の中折れ部5は、先鋭化して蓋体1の内側へ向けて折れつつ、衝突によって潰れていくため、その先端はアルミニウムシート101に向けて斜め下方に進行していく。
図10に示すように、蓋体1及び飲料用容器100が寝た状態で地面300に衝突すると、外周壁33、又は、外周壁33及び天面部32に亘る範囲で衝撃力が加わる。そのため、外周壁33、天面部33及び上側内周壁312が径方向内側に倒れ込もうとする。ここで、段部311は径方向内側に張り出しているので、上側内周壁312の剛性が高められており、これらの部位33、33、312の倒れ込みを抑制する。換言すれば、段部311は上側内周壁312に対して垂直に張り出したリブとして機能する。特に、段部311が周方向に沿って円環状に設けられているので、上側内周壁312の剛性が更に向上する。
(実施例1)
0.280mmの厚みを有する熱可塑性樹脂シート200を雄型201で成型し、実施例1の蓋体1を作製した。雄型201の天面部32に関しては、全幅は2mm、丸味部321を有し、平坦部の幅が1.5mmである。雄型201の上側内周壁312は高さが3.5mmで、下側内周壁313の高さは3.5mmである。段部311の幅は、1.5mmである。外周壁33の高さは、13mmである。
0.280mmの厚みを有する熱可塑性樹脂シート200を別の雄型で成型し、比較例1の蓋体1を作製した。この成型品の天面部に関しては、全幅は4.6mm、丸味部321は無い。この成型品は段部311を備えず、台部3の内周壁はストレートである。そして、この成型品の内周壁は高さは4.5mmで、外周壁33の高さは、13mmである。
以下表1の寸法を有する実施例1及び実施例2の蓋体1と比較例1及び比較例2の蓋体を、アルミニウムシート101で飲料物が封止された飲料用容器100に嵌め込み、蓋側を下にして高さ130cmから落下させた。130cmの高さは、コンビニエンスストア等の販売店で陳列されている高さを想定したものである。尚、実施例2は、実施例1と同じように天面部32が2mmであり、また段部311を有しているため、内周壁31は外周壁33よりも厚くなっている。
さらに実施例2の蓋体1と比較例1の蓋体を、アルミニウムシート101で飲料物が封止された飲料用容器100に嵌め込み、蓋側を下にした状態で固定し、衝撃試験機(群馬県立群馬産業技術センター、吉田精機株式会社ASQ−700型)にて自由落下高さ120cm想定の衝撃強度にて試験を実施した(n=10)。
下記表4の寸法を有する実施例3の蓋体1と比較例2及び比較例3の蓋体を、アルミニウムシート101で飲料物が封止された飲料用容器100に嵌め込み、蓋側を下にし、飲料用容器100及び蓋体1の軸が、上記落下試験1時より寝た状態で試験機(東京都立産業技術センター、神栄テクノロジー株式会社製DT−205H)に固定し、高さ110cmから自由落下させた。高さ110cmの高さは、コンビニエンスストア等の販売店における陳列棚の中段程度の高さを想定したものである。
このように、台部3を備えて其の外周壁33に中折れ部5が生じる虞に対し、この蓋体1は、内周壁31を中折れ部5のアルミニウムシート101への進展を阻む障壁とした。そして障壁としての機能をより高めるべく、第1に、内周壁31の障壁としての信頼性を高める各種措置を施し、第2に、内周壁31の守備範囲を拡げる措置を施し、第3に、内周壁31の守備範囲内に中折れ部5が生じる中折れ制御措置を施し、第4に、中折れ部5を進展させる衝撃エネルギーを分散する衝撃分散措置を施した。
2 カガミ部
21 ストロー差込口
3 台部
31 内周壁
311 段部
312 上側内周壁
313 下側内周壁
314 スタックボッチ
32 天面部
321 丸味部
33 外周壁
331 傾斜角変化点
332 上側外周壁
333 下側外周壁
34 折れ目
4 嵌合部
41 上面部
42 側面部
43 大突起
44 小突起
45 嵌合懐部
5 中折れ部
100 飲料用容器
101 アルミニウムシート
102 フランジ
200 熱可塑性樹脂シート
201 雄型
300 地面
Claims (12)
- 開口がシートで封止された飲料用容器に対して前記シートの上から被さり、前記飲料用容器のフランジが嵌め込まれる蓋体であって、
前記蓋体の中心領域に拡がるカガミ部と、
前記カガミ部の周縁を基端として膨出するリング状の台部と、
前記蓋体の最外周に位置し、前記フランジと嵌合する嵌合部と、
を備え、
前記台部は、
前記カガミ部から立ち上がる内周壁と、
前記内周壁の上端から屈曲して前記カガミ部と平行に延びる天面部と、
前記天面部の外周縁から垂れ下がる外周壁と、
により画成され、
前記内周壁は、前記外周壁よりも壁が厚く、
前記内周壁よりも壁が薄い前記外周壁は、衝撃に対して率先して中折れし、
前記内周壁は、障壁として、前記シートに向かう前記外周壁の中折れ部分の行く手を阻むこと、
を特徴とする蓋体。 - 前記内周壁の壁の厚みは、前記外周壁の壁の厚みよりも1.0倍超から1.45倍以下であること、
を特徴とする請求項1記載の蓋体。 - 前記内周壁は段部を備えていること、
を特徴とする請求項1又は2記載の蓋体。 - 前記段部は、径方向内側に張り出していること、
を特徴とする請求項3記載の蓋体。 - 前記内周壁は、前記段部下方の下側内周壁が、前記段部上方の上側内周壁より径方向内側に張り出していること、
を特徴とする請求項4記載の蓋体。 - 前記天面部は径方向の幅が2mm以下であること、
を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の蓋体。 - 前記天面部は、内周縁、又は内周縁と外周縁の両方にR面取りされた丸味部を有すること、
を特徴とする請求項6記載の蓋体。 - 前記カガミ部は、前記外周壁の中位位置よりも、前記天面部とは反対の下方位置に延在すること、
を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の蓋体。 - 前記カガミ部は、
切り込みにより成るストロー差込口を有し、
前記蓋体が前記飲料用容器と合体したとき、前記シートよりも前記ストロー差込口の長さ分以上に高く位置すること、
を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の蓋体。 - 前記段部には1又は複数のスタックボッチが形成されていること、
を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の蓋体。 - 請求項1乃至10の何れかに記載の蓋体に相当する雄型を熱可塑性樹脂シートに押し付けて前記蓋体を成型すること、
を特徴とする蓋体の製造方法。 - 前記押し付けの過程で、まず、前記天面部に相当する前記雄型の箇所に前記熱可塑性樹脂シートが接触し、次に、前記段部に相当する前記雄型の箇所に前記熱可塑性樹脂シートが接触すること、
を特徴とする請求項11記載の蓋体の製造方法。
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