JP7370300B2 - プラスチックボトル - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックボトルに関する。
プラスチックボトルは、飲料などの液体製品の容器として汎用されている。ここで、充填される製品や充填方法などの条件によっては、プラスチックボトルの内圧が高くなる場合がある。そのような用途に適用されるプラスチックボトルは、製品の外観および流通性を良好に維持するため、内圧が高くなった場合であっても変形しないことが求められる。そこで、内圧上昇に耐えうるプラスチックボトルの特徴的な形状として、特表2013-525212号公報(特許文献1)などに開示されているような、いわゆるペタロイド形状の底部を有するプラスチックボトルが採用されている。
特表2013-525212号公報
しかし、従来のペタロイド形状の底部を採用したプラスチックボトルであっても、耐圧性が不足する場合があった。また、従来のプラスチックボトルは、高い耐圧性に加えて高い耐衝撃性を付与することが難しい場合があった。耐衝撃性が低いプラスチックボトルは、輸送中に落下するなどの原因で破損するおそれがある。
そこで、耐圧性をさらに高めるとともに、高い耐衝撃性を付与したプラスチックボトルの実現が求められる。
本発明に係るプラスチックボトルは、ペタロイド形状の底部を備えるプラスチックボトルであって、前記底部は、前記底部の中心部から放射状に延出する複数の凹部と、前記凹部により互いに隔てられた複数の脚部と、を有し、前記凹部の少なくとも一つは、前記底部の内側に引退するリブを具備し、前記リブは、前記凹部の延出方向に複数の部分に分割されていることを特徴とする。
この構成によれば、耐圧性をさらに高めるとともに、高い耐衝撃性を付与しうる。特に、凹部に分割された引退リブが設けられていることによって、たとえば突出リブが設けられている場合に比べて、高い耐圧性および耐衝撃性を実現しうる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、前記凹部の全てが、前記リブを具備することが好ましい。
上記の構成によれば、分割された引退リブが設けられたことによって耐圧性および耐衝撃性が高められる効果が、より顕著になる。
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、前記脚部は、5~7個設けられていることが好ましい。
この構成によれば、耐圧性が一層高まりやすい。
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、前記リブは、前記凹部の延出方向に二つの部分に分割されていることが好ましい。
この構成によれば、耐圧性が一層高まりやすい。
本発明に係るプラスチックボトルは、一態様として、複数の部分に分割された前記リブの各部分は、前記プラスチックボトルの軸方向下側から見たときに角丸長方形状または楕円形状であることが好ましい。
この構成によれば、耐圧性が一層高まりやすい。また、耐衝撃性も高くなりやすい。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
本発明の実施形態に係るプラスチックボトルの正面図 本発明の実施形態に係るプラスチックボトルの底部の斜視図 本発明の実施形態に係るプラスチックボトルの下面図 本発明の実施形態に係るプラスチックボトルの底部の断面図 比較例1のプラスチックボトルの底部の斜視図 比較例2のプラスチックボトルの底部の斜視図
〔プラスチックボトルの基本構成〕
本発明に係るプラスチックボトルの実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るプラスチックボトル100(以下、単にボトル100と称する。)は、図1に示すように、液体の注ぎ口としての口部1と、口部1と連続し底面方向に向かうにつれて徐々に拡径する肩部2と、肩部2と連続する円筒状の胴部3と、ボトル100の底となる底部4と、から構成されている。なお、以下の説明における「上下」は、ボトル100の口部1側を「上」、底部4側を「下」と定義するものとする。
ボトル100は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を主材料として、二軸延伸ブロー成形などの延伸成形法によって一体的に成形できる。ボトル100の容量は特に限定されず、一般的に流通している280mL、350mL、500mLなど、200mL~2L程度とすることができる。また、ボトル100に充填する液体は特に限定されず、たとえば、清涼飲料水(炭酸飲料、果実飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、豆乳類、野菜飲料、スポーツ飲料、ココア飲料など)、アルコール飲料、乳飲料などの飲料、スープなどの液体食品、ソースや醤油などの液体調味料、などが例示される。以下の実施形態では、ボトル100がポリエチレンテレフタレート製であり、内容量が450mLの場合を例として説明する。
図1~4に示すように、ボトル100の底部4は、複数の脚部5と、二つの脚部5の間に設けられた凹部6とを有するペタロイド形状に構成されている。なお、底部4がペタロイド形状に構成されているため、ボトル100は、内圧が陽圧の場合であっても変形しにくい。そのため、ボトル100は、炭酸飲料を充填する用途や、内容物の充填後に滴下した液体窒素が気化した窒素によって容器から空気(特に酸素)を追い出して内容物の酸化を防止する充填方法を適用する用途などに好適に用いられうる。
脚部5は、より詳細には、凹部6により互いに隔てられ、ボトル100の下方に向けて突出した形状を有する(図2、図3)。脚部5の突出方向の先端は、ボトル100を机などの面に設置する際に接地する接地部51となる。ボトル100の口部1からの深さは、底部4の中心部41において最も浅く、脚部5に沿って漸増し、接地部51の内側において最も深くなる。なお、本実施形態では脚部5が6個設けられている。
また、図1~4に示すように、隣接する二つの脚部5の間には凹部6が設けられている。脚部5が6個設けられていることに対応して、凹部6も6個設けられている。凹部6は、底部4の中心部からボトル100の円周方向外側に向けて放射状に延出している。また、凹部6には、ボトル100の内側に引退するリブ61が設けられている。
リブ61は、ボトル100の外方に突出する突起部62により、凹部6が延出する方向に二つの部分61a、61bに分割されている。図3に示すように、二つに分割されたリブ61の各部分61a、61bは、ボトル100の軸方向下側から見たときに角丸長方形状である。
ここで、凹部6(リブ61)の脚部5に対して最も引退した部分を結んだ仮想線を谷筋63とすると、谷筋63を基準とする突起部62の高さは2mmである(図4)。また、リブ61の各部分61a、61bにおける谷筋63から突起部62への立ち上がり部分64、および、突起部62の頂部部分65の曲率半径は、いずれも2mmとして構成されている。
上記の実施形態によれば、ボトル100の耐圧性および耐衝撃性を同時に高めうる。
〔その他の実施形態〕
次に、本発明に係るプラスチックボトルのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の実施形態では、全ての凹部6にリブ61が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係るリブは、複数の凹部のうちの少なくとも一つに設けられていればよい。
上記の実施形態では、リブ61が二つの部分61a、61bに分割されている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係るリブは、三つ以上の部分に分割されていてもよい。なお、本発明に係るリブは、二つまたは三つの部分に分割されていることが好ましく、二つの部分に分割されていることが特に好ましい。
上記の実施形態では、リブ61がその延出方向の中間付近で二つの部分61a、61bに分割されている構成を例として説明した。しかし、上記の構成に限定されず、本発明に係るリブが二つの部分に分割される場合、その延出方向上のいずれの位置において分割されてもよい。
上記の実施形態では、脚部5が6個設けられている構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、本発明に係る脚部の数は特に限定されない。ただし、脚部が3~7個設けられていると、耐圧性が高まりやすい点で好ましく、5~6個設けられていることが特に好ましい。
上記の実施形態では、二つの部分61a、61bが、ボトル100の軸方向下側から見たときに角丸長方形状である構成を例として説明した。しかし本発明において、複数の部分に分割されたリブの各部分の形状は特に限定されず、たとえば、長方形状、楕円形状などでありうる。ただし、角丸長方形状や楕円形状などのように明確な角部を有さない形状の方が、ボトルの耐衝撃性が高まりやすい点で好ましい。
上記の実施形態では、リブ61の谷筋63を基準とする突起部62の高さが2mmである構成を例として説明した。本発明において突起部の高さは特に限定されないが、突起部の高さが0.5~3mmであると、ボトルを成形しやすい点で好ましい。
上記の実施形態では、立ち上がり部分64および頂部部分65の曲率半径がいずれも2mmである構成を例として説明した。本発明において突起部の立ち上がり部分および頂部部分の曲率半径は特に限定されないが、当該曲率半径が0.5~5mmであると、耐衝撃性が高くなりやすい点で好ましい。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
以下では、非限定的な実施例を示して、本発明をさらに説明する。
〔実施例および比較例のボトル〕
実施例:図1~4に示したボトルを用いた。
比較例1:図5に示す底部4Aを有するほかは実施例1と同様の構造を有するボトルを用いた。
比較例2:図6に示す底部4Bを有するほかは実施例1と同様の構造を有するボトルを用いた。
実施例は、本発明に係るボトルであり、実施形態の項で説明したように、凹部6に二つの部分に分割されたリブ61を有することが特徴的である。一方、比較例1は、その凹部6Aにリブを有さないボトルである。また、比較例2は、その凹部6Bに分割されていないリブ61Bを有するボトルである。
〔耐圧試験〕
実施例、比較例1、および比較例2の各ボトルに、86℃の熱水を450mL充填した。熱水を充填したボトルにキャップを巻締め、内部を所定の試験圧力にして、所定の試験時間にわたって保持した。その後、各ボトルについて、ボトルを水平面上に静置したときの、中心部41の水平面からの高さを測定した。そして、かかる水平面の高さについて、熱水を充填する前の測定値からの減少値を算出した。以上の試験を、実施例、比較例1、および比較例2のそれぞれについてボトル10本ずつ実施し、測定値の平均値、最大値、および最小値を記録した。
〔耐衝撃試験〕
実施例、比較例1、および比較例2の各ボトルに、水を充填してキャップを巻締め、総重量を470gとした。その後、各ボトルを1mの高さから、底部を下側にした姿勢で落下させた。落下させた各ボトルについて、破損の有無を目視により観察した。以上の試験を、実施例、比較例1、および比較例2のそれぞれについてボトル10本ずつ実施した。
〔結果〕
実施例、比較例1、および比較例2の各ボトルについての耐圧試験および耐衝撃試験の結果を表1に示した。表1に示すように、耐圧試験において、実施例のボトルは比較例1および比較例2のボトルに比べて、試験後における中心部41の水平面からの高さの減少量が少なかった。これはすなわち、実施例のボトルの変形量が相対的に少なかったことを意味する。なお、比較例1のボトルは、中心部41が接地部51よりも突出する程度に変形したため、試験後における中心部41の水平面からの高さの減少量の値を決定できなかった。また、耐衝撃試験については、いずれの例も十分な耐衝撃性を示した。
Figure 0007370300000001
本発明は、たとえば、炭酸飲料を充填する用途や、製品とともに液体窒素を充填する用途などの、容器の内圧が高くなりやすい飲料製品に利用することができる。
100 :プラスチックボトル(ボトル)
1 :口部
2 :肩部
3 :胴部
4 :底部
41 :中心部
5 :脚部
51 :接地部
6 :凹部
61 :リブ
62 :突起部
63 :谷筋
64 :立ち上がり部分
65 :頂部部分

Claims (5)

  1. ペタロイド形状の底部を備えるプラスチックボトルであって、
    前記底部は、前記底部の中心部から放射状に延出する複数の凹部と、前記凹部により互いに隔てられた複数の脚部と、を有し、
    前記凹部の少なくとも一つは、前記底部の内側に引退するリブを具備し、
    前記リブは、前記凹部の延出方向に複数の部分に分割されているプラスチックボトル。
  2. 前記凹部の全てが、前記リブを具備する請求項1に記載のプラスチックボトル。
  3. 前記脚部は、5~7個設けられている請求項1または2に記載のプラスチックボトル。
  4. 前記リブは、前記凹部の延出方向に二つの部分に分割されている請求項1~3のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
  5. 複数の部分に分割された前記リブの各部分は、前記プラスチックボトルの軸方向下側から見たときに角丸長方形状または楕円形状である請求項1~4のいずれか一項に記載のプラスチックボトル。
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