〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、前面が開放した箱形の筐体1aの内部に各種の機器が設けられるとともに、この筐体1aの前面に、ヒンジ2a(図2参照)を介して前面枠2が片開き形式に開閉可能に設けられている。この前面枠2の上部には、遊技に応じて表示による演出や情報表示を行う画像表示装置(表示装置、メイン表示器)3、音による演出を行うスピーカ4,4、光による演出を行う枠発光装置7(パイロットランプ7a、上側発光装飾部7b等)が設けられている。画像表示装置3は、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報を表示する。そして、画像表示装置3における各種演出表示は、演出制御装置70(図8参照)によって制御される。また、画像表示装置3は、スピーカ4,4や枠発光装置7に比べて奥まった位置に配設されている。
前面枠2の中央部には、後方を視認できないようにするとともに装飾のための絵柄等が描かれた前面パネル9が配され、前面パネル9の中央部には後方を視認可能な(例えば、透明の)図柄表示窓9aが形成されている。
なお、前面パネル9を表示装置で構成しても良く、図柄表示窓9aの部分に画像を表示しない状態ではリール6を視認可能とし、主に図柄表示窓9aの周囲において遊技を演出する画像を表示する。この場合、図柄表示窓9aの部分に遊技を演出する画像を表示することも可能である。
この図柄表示窓9a(窓部)を透して、筐体1a内に配設されたリール6の回転により変動表示される図柄を視認可能となっている。リール6は、円筒形の左リール6a、中リール6b、右リール6cが水平方向に並設されて構成されている。これらのリール6a,6b,6cの外周面には、長手方向に沿って複数の図柄が描画された短冊状のシート6dが巻き付けられることで、所定の配列に従って複数の図柄が配されている(図9(a)参照)。また、各リール6a,6b,6cにはそれぞれ、ステッピングモータであるリール用モータ64a,64b,64c(図8参照)が設けられており、各リール6a,6b,6cを独立して回転駆動ならびに回転停止することが可能となっている。すなわち、リール用モータ64a,64b,64cが各リール6a,6b,6cを駆動する電気的駆動源をなす。
リール用モータ64によりリール6を回転させることによって、図柄表示窓9aから視認される複数種類の図柄を、例えば上から下へと循環するように変動させる(変動表示)。一方、リール6が停止している状態では、各リール6a,6b,6cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄、つまり3×3の計9つの図柄が図柄表示窓9aを介して視認可能となっている。
また、リール6の裏面側であって、図柄表示窓9aから視認される3×3の図柄行列における各々の図柄停止位置の後方となる位置には、リールの後方から光を照射するバックライト67(図8参照)が設けられている。リール6は光を透過可能であって、バックライト67による光の照射態様を変化させることで光による演出を行うことが可能となっている。
前面パネル9の上部には確変決定演出部400(後述)を構成する各種ランプを視認可能な確率決定用表示窓9bが形成されるとともに、前面パネル9の下部にはクレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18及びベット数表示部19を視認可能な遊技進行用表示窓9cが形成されている。さらに、前面パネル9の右側には側部サブ表示装置310(表示装置)や確率モード表示器320,330(後述)等を視認可能な液晶用表示窓9dが形成されている。
前面パネル9の左側上部にはベット数を示す1〜3の丸囲み数字が描かれた賭数表示部9eが設けられている。賭数表示部9eの後方には賭数表示ランプ(図示省略)が配設されており、この賭数表示ランプを発光させることにより、賭数表示部9eの所定の丸囲み数字を間接的に発光させる。また、前面パネル9の左側下部には多角形で囲まれたVの文字が描かれた一発告知表示部9fが設けられている。一発告知表示部9fの後方には一発告知ランプ(図示省略)が配設されており、この一発告知ランプを発光させることにより、一発告知表示部9fを間接的に発光させる。これにより特別入賞役が内部当選したことを報知可能となっている。さらに、一発告知表示部9fの下方には「タッチ」の文字が描かれた第1タッチ示唆表示部9gが設けられている。第1タッチ示唆表示部9gの後方には赤外線スイッチ91が配設されており、第1タッチ示唆表示部9gの近傍に遊技者が翳した手を検知することが可能となっている。
前面パネル9の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面は前面側下方に向かって傾斜する傾斜台部14となっている。この傾斜台部14には、メダル投入部15と、ゲームを進行させるための進行操作部としてのマックスベットボタン17と、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ10aを内蔵した演出操作部をなす演出ボタン10と、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作入力部スイッチ30cを内蔵した操作入力部30(後述)が設けられている。また、傾斜台部14には、赤外線スイッチ92を内蔵した第2タッチ示唆表示部32(後述)が設けられており、第2タッチ示唆表示部32の近傍に遊技者が翳した手を検知することが可能となっている。
メダル投入部15は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て右側(前面枠2の開放端側)に配設されている。遊技者がこのメダル投入部15にメダルを投入して賭操作を行うことにより、ゲームが実行可能となる。このメダル投入部15から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出スイッチ51(図8参照)が設けられており、このメダル投入検出スイッチ51による検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。
マックスベットボタン17は、傾斜台部14における当該スロットマシン1の前面側から見て左側に配設されている。マックスベットボタン17は、押圧操作を一度行うことでクレジットから賭数の上限数(例えば、3枚)まで入力できるが、クレジット数が上限数に満たない場合にはクレジット数を賭数として入力するようになっている。演出ボタン10は、傾斜台部14における中央に配設されており、遊技者が操作することによって、画像表示装置3や、後述する側部サブ表示装置310、上部サブ表示装置225における演出表示において遊技者の操作を介入させた演出が行われるようになっている。操作入力部30は、傾斜台部14の右側に配設されており、遊技者が操作することによって、側部サブ表示装置310に表示されるメニュー画面から一の項目を選択して所望の表示(例えば、遊技の履歴情報等)がなされるようになっている。
傾斜台部14の下方には、払戻ボタン20、スタートレバー21、返却ボタン22、リールストップボタン24、鍵穴23等が設けられている。払戻ボタン20は、メダル投入部15から投入されたメダルやマックスベットボタン17により賭数として入力されたメダル(賭メダル)又は入賞が成立することにより払い出されクレジットとして記憶されているメダル(貯留メダル)を受け皿27に返却させる指令を与える際に用いられる。なお、再遊技入賞(リプレイ入賞)の成立に基づく自動賭操作の後にメダル投入部15からメダルが投入された場合や、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルも流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68を介して受け皿27に返却される。
スタートレバー21は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、一区切りのゲームを開始させるための操作レバーである。鍵穴23は、前面枠2を開く際、或いは当該スロットマシン1のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのものである。返却ボタン22は、メダル投入部15から投入されて流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68で詰まったメダルを受け皿27に返却させる際に用いられる。
リールストップボタン24は、ゲームを進行させるための進行操作部をなし、左リール6a、中リール6b及び右リール6cとそれぞれ1対1で対応付けられて設けられた、左リールストップボタン24a、中リールストップボタン24b及び右リールストップボタン24cで構成され、停止操作に応じて対応するリール6a,6b,6cの回転をそれぞれ停止させるためのものである。すなわち各リール6に対応して設けられ、リール6の回転を停止させるときに遊技者が操作する停止操作部をなす。これらのリールストップボタン24a,24b,24cは、例えば、有色半透明の樹脂部材等で形成されている。リールストップボタン24a,24b,24cの内部には、このリールストップボタン24a,24b,24cの操作により対応するリール6を停止可能な状態であるか否かを、発光態様により報知するためのストップボタンLED66(図8参照)がそれぞれ設けられている。
また、これらの操作ボタン類が設けられた部分の下方には、前面枠2の下部領域を構成する装飾パネルユニット25が設けられている。さらに、装飾パネルユニット25の下方であって前面枠2の最下部には、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するためのスピーカ4,4等が設けられている。
図2に示すように、筐体内部の上部には、当該スロットマシン1全体を制御する遊技制御装置50が配設されている。また、筐体内部のほぼ中央には、リール載置部29が設けられ、このリール載置部29の上に回転可能なリール6a,6b,6cを有する変動表示装置600が載置されている。本実施形態の変動表示装置600は、通常配設される位置よりも左寄りとなっている。これは変動表示装置600の右方に側部サブ表示装置310(後述)が配設されるスペースを考慮したためである。変動表示装置600の右方には遊技制御装置50から外部の装置へ信号を出力するための外部信号出力端子33が設けられている。
また、遊技制御装置50の右方には、前面枠2の開閉状態を検出する扉開閉検出スイッチ62と、上部ロック機構34aと、下部ロック機構34bが設けられ、遊技制御装置50の左方には、前面枠2の回動軸としてのヒンジ2aが設けられている。
また、リール載置部29の両側部直下には、筐体の両側壁にそれぞれ設けられている把持開口を覆う開口カバー部材37a,37bが設けられ、開口カバー部材37bの近傍には前面枠2の閉鎖時の重量を受ける重量支持部38が設けられている。
さらに、筐体内部の下部には、メダル払出装置(ホッパー)63が配設されている。メダル払出装置63は、メダル投入部15から投入されて流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68により誘導されたメダルを受け入れて貯留するとともに、有効ライン上に所定の図柄組合せ態様が形成され入賞が成立した場合に、この入賞に対応する枚数のメダル(払出メダル)又は入賞成立に伴う加算によりクレジットの上限を超えた分のメダルを受け皿27に払い出す装置である。クレジット分のメダルは払戻ボタン20を操作することによりメダル払出装置63によって受け皿27に払い出される。
メダル払出装置63の右方には、このメダル払出装置63からオーバーフローして流入してくるメダルを貯留したり、流入してきたメダルを当該スロットマシン1が設置される設置島のメダル回収機構へ誘導したりするためのオーバーフロータンク69が設けられている。
また、メダル払出装置63の左方には、制御装置や制御装置によって動作されるモータやランプなどの電子部品の電源を供給する電源装置40及び当該スロットマシン1の当選確率を例えば6段階の何れかに設定するための設定装置60が設けられている。この設定装置60とリール6a,6b,6cとの間の部位には、電源スイッチ31等が設けられている。
図3には、導光パネル223、前面パネル9、及び装飾パネルユニット25を取り外した状態の前面枠2が示されている。
図3に示されているように、前面枠2は、扉本体ユニット200と、扉本体ユニット200の上部に取り付けられる上部ユニット220と、扉本体ユニット200の下部に取り付けられる下部ユニット240と、を備えている。
扉本体ユニット200は、係合フック部材210,…を備えており、筐体1aに配設された上部ロック機構34a及び下部ロック機構34bと係合することにより、筐体1aの前面開口が閉じられるようになっている。また、扉本体ユニット200は、下部ユニット240の取付位置上方に装飾パネルユニット25を取り付けることが可能となっている。装飾パネルユニット25は、化粧パネル25aと、化粧パネル25aを支持するパネル支持フレーム25bと、化粧パネル25aを間接的に発光させるための蛍光灯25cと、を備えている。さらに、扉本体ユニット200は、傾斜台部14の上方に前面パネル9を取り付けることが可能となっている。
上部ユニット220は、上部ユニット本体部221と、画像表示装置3と、演出制御装置70と、パイロットランプ7aと、上側発光装飾部7b,7bと、スピーカ4,4と、スピーカカバー224,224と、導光パネル223と、上部サブ表示装置225(後述)と、可動演出装置226(後述)と、確率決定表示器228(後述)と、を備えている。
上部ユニット本体部221は、天井壁部221aと、底面をなす仕切り部221bと、左側壁部221cと、右側壁部221dとによって構成され、その背面に画像表示装置3及び演出制御装置70が配設されることにより、所定の奥行きを有するとともに前側に開口した矩形凹室形状をなしている。そして、上部ユニット本体部221は、当該矩形凹室内に演出空間部Rを有している。
導光パネル223は、上部ユニット本体部221の前面開口部を塞ぐようにして取り付けられるようになっており、画像表示装置3の前方に配設されるようになっている。図示は省略するが、導光パネル223の上端に沿って光源が配設されており、当該光源から出た光を導光パネル223の側部(上側部)から入射させ導光パネル223の前面から出射させることにより、導光パネル223に形成された文字部分を間接的に発光させることが可能となっている。
下部ユニット240は、前面枠2の最下部を構成するユニットであり、灰皿26、メダルを貯留するための受け皿27、メダル払出口28、音声を出力するためのスピーカ4,4等を備えている。
図4には、前面枠2の中央部の部分拡大図が示されている。なお、図1で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図4に示されているように、前面パネル9の確率決定用表示窓9bの後方には確変決定ルーレット演出(後述)を行うための確変決定演出部400が設けられている。確変決定演出部400は、低確率状態であることを報知するための低確確定ランプ410,…と、確率状態を曖昧に報知する確率曖昧ランプ420,420と、確変状態(高確率状態)であることを報知するための確変確定ランプ430,430と、を備えており、これら各ランプが横一例に配列されている。
また、前面パネル9の遊技進行用表示窓9cの後方には、クレジット数表示部11と、遊技進行表示部12と、払出数表示部13とが設けられている。クレジット数表示部11は、メダル払出装置63(図8参照)により払い出さずにクレジットとして記憶されているメダル数を表示する。また、遊技進行表示部12は、遊技進行状態を表示する。また、払出数表示部13は、入賞成立時の払出枚数を表示する。これらの表示部11,12,13は、例えば7セグメントのLEDで構成され、その点灯状態によって各種情報を表示する。また、遊技進行用表示窓9cの後方には、リプレイ状態やウェイト状態、遊技可能な待機状態などの状態表示を行う遊技状態表示部18が設けられており、ランプの点灯により遊技状態を表示する。また、賭数の表示を行うベット数表示部19が設けられている。
遊技状態表示部18は、再遊技入賞(リプレイ入賞)が成立してリプレイゲームが付与されたことを示すリプレイ表示部と、遊技者がスタートレバー21を操作してからリール6が回転するまでに待ち時間があること(前回のゲーム開始から一定時間経過していないためにリール6の回転開始を待機している状態であること)を示すウェイト表示部と、当該スロットマシン1が遊技可能な待機状態であることを示し賭操作を促すインサートメダル表示部とで構成される。
また、前面パネル9の液晶用表示窓9dの後方には、側部サブ表示装置310と、高確率モード表示器320と、低確率モード表示器330と、が設けられている。側部サブ表示装置310は、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330の前方に配設され上下動作可能となっている。高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330の後方にはランプ(図示省略)が配設されており、当該ランプを発光させることにより、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330を間接的に発光させることができるようになっている。
また、前面枠2の両側部には光による演出を行う枠発光装置7(中発光装飾部7c,7c)が設けられている。
傾斜台部14上の右側であって、液晶用表示窓9dの直下には操作入力部30が設けられている。操作入力部30は、上下左右に設けられた各選択ボタン30a,…と、各選択ボタン30a,…の中央に設けられた決定ボタン30bと、を備えている。
また、傾斜台部14上の左側であって、前面パネル9の第1タッチ示唆表示部9gの直下には第2タッチ示唆表示部32が設けられている。
また、傾斜台部14の下方に設けられたリールストップボタン24a,24b,24cは、左リールストップボタン24aよりも中リールストップボタン24bの方がボタンを押下したときの反発力が大きく、さらに中リールストップボタン24bよりも右リールストップボタン24cの方がボタンを押下したときの反発力が大きくなるように設けられている。すなわち、左、中、右の順にボタンが押し難くなるようになっている。これにより、推し易いボタンから操作をするように仕向けることができるので所謂変則押しを抑制することができる。さらに、右リールストップボタン24cには、左リールストップボタン24aや中リールストップボタン24bよりも大きなボタンが用いられている。
なお、遊技状態に応じて各リールストップボタンの反発力を変更するようにしても良く、例えば、通常遊技状態では上記のような変則押しを抑制する一方で、特定遊技状態(AT状態、ART状態、CT状態等)では各リールストップボタンの反発力を均一にして変則押しを許容する。
図5には、前面パネル9の右側の部分拡大図が示されている。
図5(a)は、側部サブ表示装置310が上端位置まで移動した状態を示す図であり、図5(b)は、側部サブ表示装置310が下端位置まで移動した状態を示す図である。
図5(a)に示されているように、側部サブ表示装置310が通常位置から上端位置に移動すると、それまで側部サブ表示装置310の後方に隠れていた「CHANCE」の文字が描かれた第1期待度表示部340が視認可能となる。
一方、図5(b)に示されているように、側部サブ表示装置310が通常位置から下端位置に移動すると、それまで側部サブ表示装置310の後方に隠れていた「激アツ」の文字が描かれた第2期待度表示部350が視認可能となる。
第1期待度表示部340及び第2期待度表示部350は、高確率モード表示器320や低確率モード表示器330と同様、後方にランプ(図示省略)が配設されており、当該ランプを発光させることにより、第1期待度表示部340及び第2期待度表示部350を間接的に発光させることができるようになっている。
図6には、上部ユニット220の分解斜視図が示されている。なお、図3で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図6に示されているように、上部ユニット220は、上部ユニット本体部221と、画像表示装置3と、演出制御装置70と、パイロットランプ7aと、上側発光装飾部7b,7bと、スピーカ4,4と、スピーカカバー224,224と、導光パネル223と、上部サブ表示装置225(後述)と、可動演出装置226(後述)と、確率決定表示器228(後述)と、を備えている。
上部ユニット本体部221は、天井壁部221aと、底面をなす仕切り部221bと、左側壁部221cと、右側壁部221dと、を備えている。
パイロットランプ7aは、パイロット発光部7a1と、パイロットレンズ部材7a2と、を備えており、天井壁部221aに配設されている。
上側発光装飾部7b,7bは、左側壁部221c、右側壁部221dの前面側にそれぞれ配設されている。
スピーカ4,4は天井壁部221aの両側にそれぞれ配設され、スピーカ4,4の前面側にそれぞれスピーカカバー224,224が配設されている。
導光パネル223は、透明なアクリル板であり、通常時は導光パネル223の後方に配設された画像表示装置3による演出表示等を視認可能となっているが、導光パネル223の端面から入射させた光を導光パネル223の左側領域、右側領域、及び中央領域に形成された文字部分で導光パネル223の前方に反射させることにより、当該文字部分を間接的に発光させることが可能となっている。なお、導光パネル223の端面に沿って設けられた光源はフルカラーLEDであり、左側領域、右側領域、及び中央領域に形成された文字部分をそれぞれフルカラーで発光させることが可能となっている。
上部サブ表示装置225は、画像表示装置3と同様、例えば液晶表示パネルで構成され、遊技に関する演出表示のほか、様々な情報を表示する。上部サブ表示装置225の上端には左右方向に突出する軸部材225aが設けられている。図示は省略するが、駆動部の駆動力によって、軸部材225aを回動させることにより、上部サブ表示装置225を前後方向に揺動させることが可能となっている。さらに、駆動部の駆動力によって、軸部材225aを左右方向にスライド移動させることにより、上部サブ表示装置225を左右方向にスライド移動させることが可能となっている。
可動演出装置226は、上部サブ表示装置225の裏面側に退避した状態と、上部サブ表示装置225の下端から出現した状態と、に変換可能となっており、動作によって上部サブ表示装置225による演出表示の補助を行う。可動演出装置226は、上部サブ表示装置225の裏面側に退避した状態では、遊技者からは視認不能な状態となり、上部サブ表示装置225の下端から出現した状態となることで遊技者から視認可能となる。
確率決定表示器228は、セグメントLEDである第1確率決定表示器228aと、第2確率決定表示器228bと、を備えており、左側壁部221cの内壁部分に配設されている。つまり、確率決定表示器228は、演出空間部Rを構成する矩形凹室内に配設され、遊技者からは視認し難くなっている。これにより、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者から視認し難い状態で配設される表示手段としての確率決定表示器228を備えたこととなる。なお、確率決定表示器228は、遊技者から視認し難い場所に設けられていれば良く、前面枠2の下部(例えば、化粧パネル25aの隅等)に設けるようにしても良い。
図7には、上部サブ表示装置225及び可動演出装置226の動作前後の状態が示されている。図7(a)は、上部サブ表示装置225及び可動演出装置226の動作前の状態を示す図であり、図7(b)は、動作後の状態を示す図である。
図7(a)に示されているように、天井壁部221aはその内壁部分に上部サブ表示装置225を収納可能な収納空間部221a1を備えるとともに、収納空間部221a1の前方に遮蔽部221a2を備えている。
収納空間部221a1は、上部サブ表示装置225をその表示画面が水平な状態で収納可能であるとともに、上部サブ表示装置225を左右方向にスライド移動させることが可能な領域となっている。遮蔽部221a2は、庇のように収納空間部221a1の前方に差し出ている。
これにより、動作前の上部サブ表示装置225、すなわち、収納空間部221a1に収納されている状態(下向き状態)の上部サブ表示装置225は、遮蔽部221a2によって遮られ前方からは視認できない状態となっている。
図7(b)に示されているように、上部サブ表示装置225の動作が開始されると、上部サブ表示装置225はその表示画面が水平な状態から水平面に対して垂直となる状態に変換され、前方から当該表示画面を視認可能な状態(前向き状態)となる。また、可動演出装置226の動作が開始されると、可動演出装置226は上部サブ表示装置225の下端から出現して視認可能な状態となる。
図8は、スロットマシン1の制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図1で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図8に示されているように、当該スロットマシン1の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)50と、この遊技制御装置50の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置)70と、これらの制御装置に電源を供給する電源装置40とを備えている。この制御系の構成要素は、それぞれ当該スロットマシン1の筐体内部に配設されている。また、電源装置40は、停電時にRAM50c及びRAM70c(後述)に記憶されたデータが保持されるようにバックアップ電源を供給するよう構成されている。
遊技制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)50a、ROM(Read Only Memory)50b、RAM(Random Access Memory)50c、入出力インタフェース(以下「I/F」という)50d、内部抽選に用いられる入賞判定用乱数などの各種乱数値を生成する乱数発生器50e等を備えて構成されている。
CPU50aは、制御部や演算部を備え、遊技制御装置50の演算処理装置として各種演算処理やデータの入出力、制御信号の生成などを行う。
ROM50bには、各種処理を実行するための制御プログラムや制御データのほか、内部抽選用の判定値(判定テーブル)等が格納されている。
また、ROM50bには、各ゲームにおいてリール6の停止制御を行う際に参照される停止制御テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止制御テーブルや、はずれに対応する停止制御テーブルなどである。停止制御テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるリール6の引き込み停止制御や内部当選していない各種入賞に対応する図柄組合せを有効ラインから外すリールの蹴飛ばし停止制御を行うためのデータ(最大4コマの滑りコマ数等)が格納されており、リール6の操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM50cは、スタート操作に基づきCPU50aがサンプリングした内部抽選用の乱数の記憶領域、各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、内部当選状態のデータ、所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ、内部抽選の当選確率値を示すデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU50aの作業領域を提供する。
I/F50dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、メダル投入検出スイッチ51、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、設定装置60、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82等から出力された各種信号を、CPU50aに対して供給する。
ここで、メダル投入検出スイッチ51は、流路切替ソレノイド(メダルセレクタ)68に設けられてメダル投入部15から投入されたメダルの通過を検出するものであり、この検出情報に基づいてメダルの投入枚数がカウントされる。
スタートレバースイッチ52は、スタートレバー21が操作されたことを検出するためのスイッチである。
リール停止スイッチ53の第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53cは、それぞれに対応するリールストップボタン24a,24b,24cが操作されたことを検出するためのスイッチである。
リール位置検出スイッチ54の左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54cは、それぞれに対応するリール6a,6b,6cの回動位相を検出するためのスイッチである。
マックスベットスイッチ57は、マックスベットボタン17が操作されたことを検出するためのスイッチである。
払戻ボタンスイッチ58は、払戻ボタン20が操作されたことを検出するためのスイッチである。
払出メダル検出スイッチ59は、メダル払出装置63から払い出されたメダルを検出するものであり、このスイッチからの検出信号を計数することでメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置60は、設定変更操作に基づき、当該スロットマシン1の設定を切り換えるためのものである。この設定装置60により、例えば、1ゲーム毎の内部抽選における各種入賞の当選確率(内部当選確率)や機械割が異なる複数の設定(例えば、設定1〜6)の何れかに設定される。
リセットスイッチ61は、例えば、鍵穴23に差し込まれた鍵が前面枠2を開放する時とは逆に回動されたことを検出し、この検出に基づき当該スロットマシン1をリセットするためのスイッチである。なお、遊技制御装置50は、リセットスイッチ61からの検出信号に基づき、例えば、当該スロットマシン1のエラー状態を解除する。
また、扉開閉検出スイッチ62は前面枠2の開放状態を検出するためのスイッチである。
電波検出スイッチ81は、異常な電波を検出するためのもので、不正行為を防止するためのものである。メダル満杯スイッチ82は、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であることを検出するものである。
また、I/F50dは、CPU50aから出力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置70、クレジット数表示部11、遊技進行表示部12、払出数表示部13、遊技状態表示部18、ベット数表示部19、メダル払出装置63、リール用モータ64(左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c)、外部信号出力端子(当該スロットマシン1とは別体で設けられた管理装置等と接続する端子)33、流路切替ソレノイド68、確率決定表示器228等に出力する。これによって、遊技制御装置50による各種構成要素の制御を可能としている。
なお、外部信号出力端子33に出力される制御信号としては、例えば、スタートレバー21の操作時に出力される賭数を示す信号(遊技メダル投入信号)、メダルの払い出し時に出力される払い出されたメダル数を示す信号(遊技メダル払出信号)、ビッグボーナス状態中であることを示す信号(BB信号)、レギュラーボーナス状態中であることを示す信号(RB信号)、リプレイタイム状態中であることを示す信号(RT信号)、前面枠2が開放された時又は設定変更時に出力される信号(セキュリティ信号)等がある。なお、CPUに一意に設定された遊技制御装置を識別可能な識別情報(チップID)を電源投入後などの出力イベントが発生した場合に出力するようにしても良い。
遊技制御装置50は、例えば、CPU50aが所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば、+1)し、スタートレバースイッチ52による検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。
また、遊技制御装置50は、内部抽選結果と、リールストップボタン24a,24b,24cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止制御テーブルを参照し、リール用モータ64a,64b,64cの動作を制御することにより、図柄表示窓5に所定の図柄が停止表示されるようにリール6a,6b,6cを停止させる。なお、乱数発生器50eにより発生された乱数をサンプリングするようにしても良い。
さらに、遊技制御装置50は、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引き込み停止制御を行う。
また、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、リール6a,6b,6cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置50による引き込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能とする(遅延させる)時間値は予め定められており、通常(1リールにつき21コマの場合)は停止操作が行われた位置から所定の図柄数(例えば、4コマ)の範囲内で引き込んだり蹴飛ばしたりすることが可能な時間値となっている。すなわち、遊技制御装置50が、停止操作部(リールストップボタン24)の操作態様に基づき役抽選手段(遊技制御装置50)による抽選結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るようにリール6を停止制御するリール停止制御手段をなす。
一方、演出制御装置70は、CPU70a、ROM70b、RAM70c、I/F70d等を備えて構成されている。この演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置(メイン表示器)3における演出表示の制御、バックライト67や枠発光装置7やスピーカ4による演出の制御等を行う。また、スピーカ4による演出等を行う際の音量の設定は、演出制御装置70に接続された音量ボリュームスイッチ(図示省略)によって行うことができるようになっている。
また、演出制御装置70は、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報に基づいて、ストップボタンLED66、側部サブ表示装置310(第1サブ表示器)、上部サブ表示装置225(第2サブ表示器)、確変決定演出部400の制御を行う。さらに、演出ボタン10からの入力情報に基づき、演出態様を変化させる制御等を行う。操作入力部スイッチ30cからの入力情報に基づき、側部サブ表示装置310の表示内容を切り替える制御等を行う。赤外線スイッチ91,92からの入力情報に基づき、一発告知表示部9fを点灯させる制御を行う。なお、ストップボタンLED66は、停止有効コマンドの受信に基づき有効報知点灯状態となり、停止コマンドの受信に基づき無効報知点灯状態となる。なお、無効報知点灯状態を消灯状態としても良い。
ここで、遊技制御装置50から供給される遊技に関する情報には、スタートレバー21が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数とを伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常遊技状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報、変動表示中のリール6に対応するリールストップボタン24が操作されたことを示すリール停止情報等が含まれる。
I/F70dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置50から入力された各種信号をCPU70aに対して出力する。また、I/F70dは、CPU70aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置3、スピーカ4、ランプやLEDなどからなる枠発光装置7、LEDなどからなるバックライト67等に出力する。これによって、演出制御装置70による画像表示装置3やスピーカ4などの制御を可能としている。
これにより、例えば演出制御装置70は、画像表示装置3に小役入賞の予告表示や、特別入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたるもの)などを表示する制御を行う。また、演出制御装置70は、前面枠2に設けられている枠発光装置7での発光による装飾や、スピーカ4での音声による演出を行う。なお、上述した遊技制御装置50と演出制御装置70との間の通信は、遊技制御装置50から演出制御装置70へ向かう一方向にのみ制御信号の送信が可能な形態になっており、これによって遊技制御装置50に不正な信号が入力されるのを防止している。
ここで、本実施形態のスロットマシン1における遊技の進行について簡単に説明する。スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、まずメダルをメダル投入部15から投入するか、或いはマックスベットボタン17を操作して、賭数を入力する(賭入力)。賭入力が行われると、有効ラインが設定され、スタートレバー21の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー21を操作すると、遊技制御装置50において内部抽選処理がなされて入賞(役)の当選/非当選が決定されるとともに、リール6a,6b,6cの変動が開始される。
所定時間経過後、停止操作が有効となったリールストップボタン24a,24b,24cの操作に基づいて、リール6a,6b,6cの回転が停止され、図柄表示窓9aに所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応するメダルが払い出される。以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図9(a)には、スロットマシン1が備えるリール6a,6b,6cの外周面を構成するリールシール(シート)6dに形成されている図柄の配列の一例が示されている。
図9(a)に示されているように、リールシール6dには、「黒7」、「白7」、「BAR」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」の識別可能な7種類の図柄が所定の順序で配置されている。各リールシール6dの上下端部は、リール6に巻きつけた際に継ぎ目となる部分である。
図9(b)には、図柄表示窓9aから視認される3×3の図柄行列に対する所定の有効化可能ラインが示されている。
図9(b)に示されているように、本実施形態では各リール6a,6b,6c中段の図柄を横切るライン(中段ライン)が有効化可能ラインとなっている。そして、遊技者によるメダルの投入又はクレジットからの入力(「賭操作」)によって賭数(ベット数)が所定数(例えば3)となることで有効化可能ラインが有効化され(いわゆる3枚がけ専用)、この有効ライン上に形成された図柄組合せ態様(出目)に基づいて入賞(役)の成立/不成立が判断される。
入賞が成立する場合には、有効ライン上に所定の図柄が3つ並ぶ場合の他、見た目上で他のラインで所定の図柄が3つ並ぶ場合もある。このようなラインとしては、各リール6a,6b,6c上段の図柄を横切るライン(上段ライン)がある。なお、各リール6a,6b,6c下段の図柄を横切るライン(下段ライン)や、上記以外の各リール6a,6b,6cの図柄表示窓9aに臨む前面部(視認可能な部分)を横切るように位置する仮想的なラインに見た目上図柄が並ぶようにしても良い。以下、有効ライン(中段ライン)や、入賞時に見た目上図柄が整列可能なライン(上段ライン)、その他のライン(下段ライン等)をまとめて図柄整列ラインと称する。
図10には、本実施形態のスロットマシン1における入賞役の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ態様及び入賞内容が示されている。
本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞役(特別役)としてビッグボーナス入賞役(BB入賞役)及びレギュラーボーナス入賞役(R-B入賞役(CT;チャレンジタイム))が定められている。また、BB入賞役として「黒7−黒7−黒7」からなるスーパービッグボースナ入賞役(S-BB入賞役)と、「白7−白7−白7」からなるノーマルビッグボースナ入賞役(N-BB入賞役)とが設けられている。各特別入賞役の当選フラグ(内部抽選に当選したときにセットされるフラグ)は区別して扱われる。なお、特別入賞役に内部当選した場合は、内部当選したゲームで当該特別入賞役の入賞を成立できなくても、当選フラグは次ゲームに持ち越され、以降のゲームにおいて特別入賞役の入賞を成立させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、通常入賞役(小役)としてスイカ入賞役、チェリー入賞役、ベル入賞役、1枚役A〜C入賞役、リプレイ1、2入賞役、シングルボーナス入賞役(SIN-B入賞役)が定められている。
通常入賞役(小役)に内部当選した場合は、内部当選したゲームでのみ当該通常入賞役(小役)の入賞を成立させることができる。例えば、停止操作のタイミングによって通常入賞役(例えば、スイカ入賞役)の入賞を成立させることができなかった場合(いわゆる取りこぼし)、この通常入賞役(小役)の当選フラグはクリアされ、次ゲームには持ち越されない。
図10に示されているように、「黒7−黒7−黒7」のボーナス図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立するS-BB入賞役が成立すると、特別遊技状態としてのS-BB状態が発生する。S-BB入賞役の入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。S-BB状態では、例えば、通常遊技状態や確変遊技状態よりも小役入賞の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、S-BB状態において遊技者に払い出したメダルの総数が361枚以上となったとき(360枚を超えたとき)に終了となる。なお、S-BB状態においては、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲーム(JACイン入賞が成立すると所定の入賞役の内部当選確率が高確率となるゲーム)を繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと通常入賞役(小役)の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
一方、「白7−白7−白7」のボーナス図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立するN-BB入賞役が成立すると、特別遊技状態としてのN-BB状態が発生する。N-BB入賞役の入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。N-BB状態では、S-BB状態と同様の制御が行われる。以下の説明において、S-BB状態とN-BB状態とを区別しない場合は単にBB状態と称する。そして、N-BB状態において遊技者に払い出したメダルの総数が301枚以上となったとき(300枚を超えたとき)に終了となる。なお、N-BB状態においても、メダルの総払出数が規定数となるまでJACゲームを繰り返し実行するようにしてもよく、また、JACゲームと通常入賞役(小役)の内部当選確率が高確率となるゲームとを組み合わせて実行するようにしてもよい。
R-B入賞は「BAR−BAR−BAR」のボーナス図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。R-B入賞役の入賞が成立すると、特別遊技状態としてのRB状態が発生する。R-B入賞役の入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。R-B状態では、例えば、通常遊技状態よりも通常入賞役(小役)の内部当選確率が高確率となる判定テーブルを使用したゲームが実行される。そして、R-B状態において遊技者にメダルの総数が100枚を超えたときに終了となる。
スイカ入賞は、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞で、5枚のメダルが払い出される。スイカ入賞役には、通常スイカ入賞役とレアスイカ入賞役(レア小役)とがある。レアスイカ入賞役には、弱スイカ入賞役と強スイカ入賞役とがあり、見た目上は同じスイカ入賞役であっても内部抽選に当選したときにセットされるフラグが区別されて扱われる。レア小役である弱スイカ入賞役と強スイカ入賞役はボーナス当選と重複して内部当選する可能性がある。
チェリー入賞は、「チェリー−ANY−ANY」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞で、1枚のメダルが払い出される。ここで、「ANY」は何れの図柄であってもよいことを示す。チェリー入賞役には、通常チェリー入賞役とレアチェリー入賞役(レア小役)とがある。レアチェリー入賞役には、弱チェリー入賞役と強チェリー入賞役と中段チェリー入賞役とがあり、見た目上は同じチェリー入賞役であっても例えばチェリー入賞役の入賞が成立したときの右リール6cの停止図柄の種類に応じて区別されて扱われる。また、内部抽選に当選したときにセットされるフラグも区別されて扱われる。レア小役である弱チェリー入賞役、強チェリー入賞役、中段チェリー入賞役はボーナス当選と重複して内部当選する可能性がある。
ベル入賞は、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞で、通常遊技状態においては10枚のメダルが払い出され、R-B状態においては12枚のメダルが払い出される。
1枚役A入賞は、「リプレイ−リプレイ−チェリー」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。1枚役B入賞は、「リプレイ−ベル−ベル」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。1枚役C入賞は、「ベル−スイカ−スイカ」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。各1枚役入賞が成立すると、1枚のメダルが払い出される。1枚役A入賞役、1枚役B入賞役、及び1枚役C入賞役はレア小役として扱われ、ボーナス当選と重複して内部当選する可能性がある。
リプレイ1入賞は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せ態様の図柄組合せ態様(リプレイ1入賞)が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。リプレイ2入賞は、「リプレイ−リプレイ−ベル」の図柄組合せ態様(リプレイ2入賞)が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。リプレイ1入賞役の入賞が成立すると、改めて賭操作することなくゲームを実行できる再遊技(リプレイゲーム)が付与される。一方、リプレイ2入賞役の入賞が成立すると、遊技者がマックスベットボタン17を押下することによりゲームを実行できる再遊技が付与される。何れのリプレイ入賞役の入賞が成立してもメダルの払い出しは0枚である。
SIN-B入賞は、「白7−BAR−BAR」の図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に形成された場合に成立する入賞である。SIN-B入賞役の入賞が成立すると、JACゲームが実行される。このJACゲームは特別遊技状態のときに実行されるJACゲームとは異なり、通常入賞役の内部当選確率は通常遊技状態のときと同じ確率である。また、このJACゲームは1回で終了する。SIN-B入賞役の入賞の成立に伴うメダルの払い出しは0枚である。
本実施形態のスロットマシン1では、同一ゲームにおいて、特別入賞と小役入賞とが重複して内部当選可能となっている。重複して内部当選した場合、有効ライン上に導出される入賞の優先順位は、例えば、リプレイ入賞>リプレイ入賞以外の小役入賞>特別入賞とする。すなわち、特別入賞の当選フラグが持ち越されていても、小役入賞に内部当選している場合は当該小役入賞の成立が優先され、当該小役入賞が成立するように引き込み停止制御がなされる。これにより、本実施形態のスロットマシン1において再遊技役(リプレイ入賞役)は特別入賞役に優先して入賞が成立するよう構成したこととなる。
遊技制御装置50における内部抽選により、上記何れかの入賞役に内部当選すると、この内部当選した入賞役に対応する図柄組合せ態様が図柄整列ライン(有効ライン)上に導出可能とされる。一方、何れの入賞役にも内部当選しない場合にははずれとなり、入賞役に対応する図柄組合せ態様は図柄整列ライン(有効ライン)上に形成されない。
図11(a)〜(c)には、本実施形態のスロットマシン1において、通常入賞役(小役)が内部当選した場合(特別入賞役と小役とが重複して内部当選した場合を含む)に導出可能な所謂チャンス目が示されている。チャンス目には、例えば、図11(a)に示されているように、有効ライン上に「リプレイ−リプレイ−チェリー」が形成される場合がある。また、この他にも、同図(b)に示されているように、左リール6a中段に「ベル」が形成され、中リール6b及び右リール6cの中段には「ベル」、「スイカ」以外の図柄(ハズレ図柄)が形成される場合や、同図(c)に示されているように、有効ライン上に「リプレイ−ベル−ベル」が形成される場合がある。
図11(d)〜(f)には、本実施形態のスロットマシン1において、特別入賞役が内部当選した場合(特別入賞役と小役とが重複して内部当選した場合を含む)に導出可能な所謂激アツ目が示されている。激アツ目には、例えば、図11(d)に示されているように、左リール6aの上段及び中段に「白7」が形成され、下段に「スイカ」が形成される場合がある。また、この他にも、同図(e)に示されているように、左リール6aの上段に「黒7」、中段に「チェリー」、下段に「スイカ」が形成される場合や、同図(f)に示されているように、左リール6aの上段に「スイカ」、中段に「BAR」、下段に「スイカ」が形成される場合がある。なお、中リール6b及び右リール6cの「回転中」は何れの図柄であってもよいことを示す。
図12(a)には、遊技制御装置50で制御される遊技状態を説明するための遊技状態遷移図が示されている。なお、電源を投入した直後は、通常(低確率)遊技状態(非RT状態)ST10でゲームが開始されるものとする。
通常遊技状態ST10は、特別入賞役(ボーナス入賞役)の当選確率は低確率状態となっている。また、通常遊技状態ST10は、RT状態ではない非RT状態であって、リプレイ入賞役(リプレイ1入賞役、リプレイ2入賞役)の当選確率も低確率状態となっている。
通常遊技状態ST10で、特別入賞役(ボーナス入賞役)であるRB入賞役又はBB入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。なお、特別入賞に当選した際、確率抽選が行われ当該確率抽選に当選すると、特別遊技状態ST20終了後の確率状態は特別入賞役(ボーナス入賞役)が高確率で当選する確変遊技状態ST30となる。一方、当該確率抽選に当選しないと、特別遊技状態ST20終了後の確率状態は特別入賞役(ボーナス入賞役)が低確率で当選する通常遊技状態ST10となる。
特別遊技状態ST20では、通常遊技状態ST10や確変遊技状態ST30よりも通常入賞役(小役)の当選確率が高確率となるゲームが実行される。そして、遊技者に払い出したメダルの総数が所定枚数を超えると特別遊技状態ST20が終了する。そして、高確移行条件が成立している場合(確率抽選に当選している場合)は、確変(高確率)遊技状態(非RT状態)ST30に移行する。一方、低確移行条件が成立している場合(確率抽選に当選していない場合)は、通常(低確率)遊技状態(非RT状態)ST10に移行する。
確変遊技状態ST30は、特別入賞役の当選確率が通常遊技状態ST10よりも高確率となっている。このため、確変遊技状態ST30では通常遊技状態ST10の場合に比較して特別入賞役への当選を期待できるようになっている。また、確変遊技状態ST30は、RT状態ではない非RT状態であって、リプレイ入賞役(リプレイ1入賞役、リプレイ2入賞役)の当選確率は低確率状態となっている。
確変遊技状態ST30で、特別入賞役(ボーナス入賞役)であるRB入賞役又はBB入賞役に内部当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、特別遊技状態ST20に移行する。
また、確変遊技状態ST30で、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されなかった場合は通常遊技状態ST10に移行する。
また、通常遊技状態ST10又は確変遊技状態ST30で、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されて入賞が成立すると、JACゲームST40に移行する。
JACゲームST40では、特別入賞役及び通常入賞役(小役)の内部当選確率が通常遊技状態ST10と同様に低確率であるゲームが1回だけ実行される。そして、JACゲームST40が終了すると、通常遊技状態ST10に移行する。
図12(b)には、演出制御装置70で制御される演出モードを説明するための演出モード遷移図が示されている。
特別遊技演出モードST110は、遊技制御装置50により制御される遊技状態が特別遊技状態ST20に移行したときに設定される演出モードである。特別遊技状態ST20である期間中は、特別遊技演出モードST110が継続するようになっている。そして、特別遊技状態ST20が終了すると、演出制御装置70によって確変決定ルーレット演出(後述)が実行され、所定の割合で確変報知演出モードST120、高確率曖昧演出モードST130、低確率曖昧演出モードST140、通常報知演出モードST160の何れかに移行する。
ここで、特別遊技演出モードST110から高確率曖昧演出モードST130に移行するケースとしては、遊技制御装置50により行われる確率抽選の抽選結果が当たりであり、且つ、演出制御装置70により行われるルーレット演出処理(図49参照)にて確率曖昧演出モードとすることが決定された場合がある。また、特別遊技演出モードST110から低確率曖昧演出モードST140に移行するケースとしては、遊技制御装置50により行われる確率抽選の抽選結果がはずれであり、且つ、演出制御装置70により行われるルーレット演出処理にて確率曖昧演出モードとすることが決定された場合がある。
確変報知演出モードST120は、確率状態が確変状態(高確率状態)にあることを明確に報知する演出モードである。確変報知演出モードST120において、高確率曖昧演出モードに移行するか否かを決定するための確率曖昧抽選に当選した場合などの曖昧条件が成立すると、高確率曖昧演出モードST130に移行する。
また、確変報知演出モードST120において、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されなかった場合は低確率曖昧演出モードST140に移行する。
一方、確変報知演出モードST120において、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出された場合は確率状態が低確率状態であることを明確に報知する通常報知演出モードST160に移行する。ここで、SIN-B入賞役の入賞が成立した場合に通常報知演出モードST160に移行するのは、SIN-B入賞役に対応する図柄組合せ態様が導出されることにより、通常遊技状態ST10に移行することが明らかとなるためである。
高確率曖昧演出モードST130は、確率状態が確変状態にあるのか低確率状態にあるのかを明確に報知しない演出モードである。なお、高確率曖昧演出モードST130では、確率状態を明確には報知しないものの確率状態は遊技制御装置50によって確変状態に設定されている。高確率曖昧演出モードST130において、確率状態を明確に報知するか否かを決定するための確率報知抽選に当選した場合などの報知条件が成立すると、確変報知演出モードST120に移行する。
また、高確率曖昧演出モードST130において、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出されなかった場合は低確率曖昧演出モードST150に移行する。
一方、高確率曖昧演出モードST130において、SIN-B入賞役に当選し、対応する図柄組合せ態様が導出された場合は通常報知演出モードST160に移行する。
低確率曖昧演出モードST140は、確率状態が確変状態にあるのか低確率状態にあるのかを明確に報知しない演出モードである。なお、低確率曖昧演出モードST140では、確率状態を明確には報知しないものの確率状態は遊技制御装置50により低確率状態に設定されている。なお、上述した低確率曖昧演出モードST140と低確率曖昧演出モードST150は同じ演出モードであるため、以下低確率曖昧演出モードST140についてのみ説明する。
低確率曖昧演出モードST140において、確率状態を明確に報知するか否かを決定するための確率報知抽選に当選した場合やSIN-B入賞役の入賞が成立した場合などの報知条件が成立すると、通常報知演出モードST160に移行する。
なお、高確率曖昧演出モードと低確率曖昧演出モードは見た目上では識別困難となるように設定されており、何れのモードとなっている場合であっても遊技者が確変遊技状態であることを期待しながら遊技を行えるようになっている。
図13には、通常遊技状態時の各当選役の分布を表した概念図(上段)と、確変遊技状態時の各当選役の分布を表した概念図(下段)と、が示されている。
図13の上段に示されているように、通常遊技状態時は、外れに単独当選する外れ当選、小役(通常入賞役)に単独当選する小役(通常入賞役)当選、RB入賞役に単独当選するRB単独当選、BB入賞役に単独当選するBB単独当選、一枚役入賞役とRB入賞役に重複当選する一枚役&RB重複当選、一枚役入賞役とBB入賞役に重複当選する一枚役&BB重複当選、スイカ入賞役とRB入賞役に重複当選するスイカ&RB重複当選、スイカ入賞役とBB入賞役に重複当選するスイカ&BB重複当選、リプレイ2入賞役とRB入賞役に重複当選するリプレイ2&RB重複当選、リプレイ2入賞役とBB入賞役に重複当選するリプレイ2&BB重複当選、チェリー入賞役とRB入賞役に重複当選するチェリー&RB重複当選、チェリー入賞役とBB入賞役に重複当選するチェリー&BB重複当選、及び、SIB-B入賞役に単独当選するSIN-B当選が所定の割合で分布している。
ここで、通常入賞役とは、リプレイ1入賞役、リプレイ2入賞役、ベル入賞役、スイカ入賞役、チェリー入賞役、1枚役入賞役を指すものである。また、レア小役とは、リプレイ2入賞役、スイカ入賞役、チェリー入賞役、1枚役A〜C入賞役を指すものである。
図13の下段に示されているように、確変遊技状態時は、一枚役&RB重複当選、一枚役&BB重複当選、スイカ&RB重複当選、スイカ&BB重複当選、リプレイ2&RB重複当選、リプレイ2&BB重複当選、チェリー&RB重複当選、チェリー&BB重複当選の当選確率については通常遊技状態時よりも高くなるように設定し、外れの当選確率、小役(通常入賞役)の当選確率、RB入賞役の単独当選確率、BB入賞役の単独当選確率、及びSIN-B入賞役の当選確率については通常遊技状態時と同じになるように設定(維持)している。
これは、通常遊技状態において単独当選していたレア小役(通常入賞役の一部であるチェリー入賞役、スイカ入賞役、1枚役A〜C入賞役、リプレイ2入賞役)に対して特別入賞役が重複して当選するように設定することで実現され、このようにすることで通常遊技状態と確変遊技状態のメダルの払出率(通常中ベースと確変中ベース)を同じにすることが可能となり、過度に射幸心を煽ることがなくなるという利点がある。
ここで、遊技制御装置50は、確率変動状態において特別入賞役の単独当選の当選確率を通常遊技状態と同じ確率に維持したまま特別入賞役の重複当選の当選確率を通常遊技状態よりも高めたこととなる。また、確率変動状態において通常入賞役(小役)の当選確率を通常遊技状態と同じ確率に維持したこととなる。
なお、確変遊技状態時に外れの当選確率を低くする一方でレア小役の当選確率を高め、その分だけレア小役と特別入賞役が重複当選する当選確率を高くするようにしても良い。ただし、確変遊技状態時のメダルの払出率を抑えたい(過度に高めたくない)場合には、1枚役やチェリーなどの払出枚数が規定ベット数(3)よりも少ないレア小役の当選確率を高めて特別入賞役と重複当選するように設定すれば良い。
また、既存の通常入賞役の一部(例えば、5枚払い出しの強スイカ)をリールストップボタン24が予め定められた押し順又は変則的な押し順(所謂順押しやはさみ押しと呼ばれる左リール6aを最初に停止させる押し順以外の押し順で、中リール6bや右リール6cを最初に停止させる押し順に相当する)で操作された場合にしか入賞が成立しない変則小役(変則入賞役)とし、確変遊技状態時に確率を高める対象を変則小役(強スイカ)と特別入賞役の重複当選とすることでも、確変遊技状態時のメダルの払出率が高くなり過ぎることを抑制することができる。また、確率変動状態において変則小役の入賞が成立した場合に重複特別当選が発生しているかも知れないという期待感が通常遊技状態のときと比べて増すので、通常遊技状態と確率変動状態とでゲーム性に変化を持たせることができ、確率変動状態における遊技の興趣を向上させることができる。さらに、予め定めた順序とは異なる変則順序で停止操作手段を操作することによって変則小役の入賞を成立させることができた遊技者のみが他の遊技者に比べて重複特別当選への期待感をより多く味わうことができるようになり、当該遊技者に優越感を与えることができる。
次に、遊技制御装置50による処理について説明する。遊技制御装置50による処理は、遊技を統括的に制御する遊技制御処理(図14参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図15参照)とを含む。
〔遊技制御処理〕
まず、遊技制御処理について説明する。図14には遊技制御処理の一例を示すフローチャートが示されている。この遊技制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることにより遊技制御装置50の電源が投入されることで、CPU50aがROM50bに記憶されている遊技制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
遊技制御処理では、まず、遊技制御装置50のCPU50a内のレジスタの初期化やRAM50cに記憶されている遊技データの初期化などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS1)。
次いで、賭操作(すなわち、メダル投入部15からのメダル投入又はクレジットからの入力)や、リプレイ1入賞の成立に基づく自動賭操作により賭数を設定し、賭数コマンドを演出制御装置70に送信する賭数/クレジット数制御処理を実行する(ステップS2)。
その後、払戻ボタン20が操作されたか否かを判定し、操作されたと判定した場合に、投入されたメダルの払い戻し及びクレジットとして記憶されているメダルの払い戻しを行うとともに、清算コマンドを演出制御装置70に送信するメダル清算処理を実行する(ステップS3)。
そして、ベット数が上限値(例えば規定ベット数である3)であるかを判定し(ステップS4)、ベット数が上限値に達していない場合(ステップS4;N)は、ステップS2に戻る。また、ベット数が上限値に達している場合(ステップS4;Y)は、スタートレバー21が操作されたか否かを判定する(ステップS5)。
スタートレバー21が操作されていない場合(ステップS5;N)は、ステップS2に戻る。また、スタートレバー21が操作された場合(ステップS5;Y)には、リプレイ入賞の成立に基づき設定される再遊技フラグをクリアし(ステップS6)、流路切替ソレノイド(セレクタ)68を動作してメダルの投入ができない投入規制状態に変換するメダル投入禁止動作を設定する(ステップS7)。
その後、遊技状態に応じた入賞役の内部抽選を行い、抽選結果に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する内部抽選処理(ステップS8)を行い、リールストップボタン24等の操作を所定時間に亘り無効にする演出であるフリーズ演出に関する設定として、内部抽選結果に基づきフリーズ演出の実行をセットしたり、フリーズ演出の実行までのゲーム数を管理したりするフリーズ演出設定処理を行う(ステップS9)。
次に、設定されたフリーズ演出を実行したり、リール6の変動開始(回転開始)を設定したりするリール回転開始処理(ステップS10)を行い、内部抽選の結果に基づき設定される入賞当選フラグと、リールストップボタン24の操作タイミングにより、各リール6の変動表示の停止(回転停止)に関する処理を行うリール回転停止処理(ステップS11)を行う。
そして、リール位置検出スイッチ54からのリール位置情報(具体的には、リール位置検出スイッチ54により検出されたリール6の回動位相等)に基づいて有効ライン上に停止表示された図柄組合せ態様が入賞当選フラグに対応するものであるかを判定することで入賞の成立を判定し、入賞が成立している場合に払出枚数情報をセットする入賞判定処理(ステップS12)を行う。
その後、払出枚数情報に基づきクレジットの加算又はメダル払出装置63によるメダルの払い出しを行う払出制御処理(ステップS13)を行い、成立した条件に応じて図12(a)に示した遊技状態(通常状態、特別遊技状態(S-BB状態、N-BB状態、RB状態)、確変遊技状態)の移行を制御する遊技状態更新処理(ステップS14)を行う。そして、流路切替ソレノイド(セレクタ)68を動作してメダルの投入が可能な投入許容状態に変換することによりメダル投入禁止動作を解除して(ステップS15)、ステップS2に戻る。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図15に示されているように、タイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM50cに移すレジスタ退避の処理(ステップS21)を行い、各種センサなどからの入力の取り込み、すなわち各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップS22)。
この入力処理(ステップS22)で取り込まれる入力は、メダル投入検出スイッチ51、スタートレバースイッチ52、リール停止スイッチ53(第1リール(左)停止スイッチ53a、第2リール(中)停止スイッチ53b、第3リール(右)停止スイッチ53c)、リール位置検出スイッチ54(左リール位置検出スイッチ54a、中リール位置検出スイッチ54b、右リール位置検出スイッチ54c)、マックスベットスイッチ57、払戻ボタンスイッチ58、払出メダル検出スイッチ59、リセットスイッチ61、扉開閉検出スイッチ62、電波検出スイッチ81、メダル満杯スイッチ82や設定装置60等からの入力である。
次に、セキュリティに関する処理として、メダル投入検出スイッチ51からの入力が異常を示す入力であった場合にこれに応じた処理を行ったり、メダル投入エラーコマンドを演出制御装置70に送信したりするメダル投入エラー監視処理(ステップS23)を行う。さらに、セキュリティに関する処理として、電波検出スイッチ81からの入力に基づき異常な電波の照射を検出した場合に対応する処理を行ったり、電波不正コマンドを演出制御装置70に送信したりする電波エラー監視処理(ステップS24)を行い、セキュリティに関する処理として、扉開閉検出スイッチ62からの入力に基づき前面枠2の状態を監視するとともに、前面枠2の開閉に応じて扉開放コマンド又は扉閉止コマンドを演出制御装置70に送信する扉開放監視処理(ステップS25)を行う。
次に、停電の発生を監視し、停電が発生した場合に停電発生時の処理を行う電源遮断処理(ステップS26)を行う。停電発生時の処理としては、例えば、メダルの払い出しの停止、RAM50cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。なお、停電が発生していない場合は電源遮断処理(ステップS26)では処理を行わず、次のリール動作制御処理(ステップS27)を行う。
リール動作制御処理(ステップS27)では、フリーズ演出が行われる場合に設定されるフリーズ情報やリール更新情報に基づいてリール6の回転及び停止の出力設定を行う。その後、各種タイマの更新を行うタイマ更新処理(ステップS28)を行って、処理番号に応じた分岐処理を行う(ステップS29)。
ステップS29にて処理番号が「0」の場合は、メダル満杯スイッチ82からの入力に基づき、メダル払出装置63のホッパー内のメダルが満杯であるかを監視するメダル満杯スイッチ監視処理(ステップS30)を行う。ステップS29にて処理番号が「1」の場合は、払出メダル検出スイッチ59からの入力に基づきメダルの払い出しの異常を監視し、異常があった場合は演出制御装置70に払出スイッチエラーコマンドを送信する払出メダル検出スイッチエラー監視処理(ステップS31)を行う。
ステップS29にて処理番号が「2」の場合は、遊技進行表示部12、ベット数表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18、確率決定表示器228での表示を制御するLED/7セグ制御処理(ステップS32)を行う。ステップS29にて処理番号が「3」の場合は、ホールコンピュータ等の外部装置に出力する情報を編集する外部情報編集処理(ステップS33)を行う。
処理番号に応じた処理を行った後、各種処理でセットされた出力データに基づき、演出制御装置70、遊技進行表示部12、ベット数表示部19、クレジット数表示部11、払出数表示部13、遊技状態表示部18、確率決定表示器228、メダル払出装置63、左リール用モータ64a、中リール用モータ64b、右リール用モータ64c、外部信号出力端子33等に対して制御信号を出力する出力処理を行う(ステップS34)。そして、割り込み要求をクリアして(ステップS35)、レジスタを復帰(ステップS36)し、割り込みを許可して(ステップS37)、タイマ割込み処理を終了する。
〔内部抽選処理〕
図16には、図14に示された遊技制御処理における内部抽選処理が示されている。なお、当該内部抽選処理中は、賭操作やリール6の停止操作などの各種操作の入力を受け付けずに無効なものとするように構成されている。
この内部抽選処理では、まず、乱数発生器50eから入賞役を判定するための役抽選乱数と確率抽選のための確率抽選用乱数を取得し(ステップS41)、現在の遊技状態に応じた入賞当選判定テーブル(図17(a)参照)をセットする(ステップS42)。
次に、ステップS41で取得した乱数値と、ステップS42でセットした入賞当選判定テーブルとに基づいて、入賞に内部当選したか否かを判定する入賞当選判定処理(ステップS43)を行う。これにより、遊技制御装置50は、役抽選手段をなす。なお、本実施形態では、入賞に内部当選したか否かそして確率抽選に当選したか否かを、乱数発生器50eで生成される乱数値、すなわちハードウェアで生成されるハード乱数を用いて判定するように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、入賞に内部当選したかそして確率抽選に当選したか否かを、ソフトウェアで生成されるソフト乱数に基づいて判定するように構成することも可能である。また、一方をハード乱数に基づいて判定して他方をソフト乱数に基づいて判定するようにしても良い。
そして、ハズレ当選フラグをセットし(ステップS44)、ステップS43の入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選であるか否かを判定する(ステップS45)。入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選でない場合(ステップS45;N)、すなわち、はずれである場合にはステップS51に移行する。また、入賞当選判定処理で得られた判定結果が入賞当選である場合(ステップS45;Y)は、ステップS44でセットしたハズレ当選フラグに代えて、内部当選した入賞に対応する入賞当選フラグをセットし(ステップS46)、ステップS47に移行する。
ステップS47では、ボーナス当選(本実施形態では、S-BB当選、N-BB当選、R-B当選)を持ち越し中(ボーナス当選したそのゲームでボーナス役を揃えられなかった状態)であるか否かを判定する(ステップS47)。
ボーナス当選を持ち越し中である場合(ステップS47;Y)は、ステップS51に移行する。また、ボーナス当選を持ち越し中でない場合(ステップS47;N)は、ステップS45で判定された入賞当選がボーナス当選であるか否かを判定する(ステップS45)。
ボーナス当選でない場合(ステップS48;N)は、ステップS51に移行する。また、ボーナス当選である場合(ステップS48;Y)は、ボーナス当選確率を高確率とするか否かを抽選する確率(遊技状態)抽選処理(ステップS49)を行い、確率抽選の抽選結果をボーナス後(特別遊技状態の終了後)の確率状態としてセットする(ステップS50)。これにより、遊技制御装置50は、通常遊技状態よりも高確率で特別役に当選する確率変動状態を発生させることが可能な確率変動状態発生手段をなすとともに、確率変動状態を発生させるか否かを役抽選手段の抽選とは別個(異なるタイミング)に抽選することが可能な確率変動抽選手段をなす。また、遊技制御装置50は、特別役に当選したことに基づき確率変動状態を発生させるか否かを抽選し、当該抽選に当選した場合には特別遊技状態の終了後に確率変動状態を発生させるようにしたこととなる。
次に、ステップS44又はステップS46でセットした当選フラグ(ハズレ当選フラグ又は入賞当選フラグ)に対応する抽選結果コマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS51)。そして、有効ライン上に入賞当選フラグに対応する図柄を停止させるための停止情報(停止制御テーブル)を設定する停止情報設定処理(ステップS52)を行う。
次いで、確率決定表示器228に表示される停止図柄によって確率状態や内部当選役を示唆する停止図柄情報設定処理(ステップS53)を行い、内部抽選処理を終了する。
なお、確率(遊技状態)抽選処理(ステップS49)は、入賞当選判定処理(ステップS43)の実行によりボーナス当選であると判定したタイミングで行う場合に限らず、当該ボーナス当選後のボーナス入賞によって移行する特別遊技状態が終了するまでの間の何れかのタイミングであれば良い。例えば、ボーナス入賞が成立したゲームの最後の停止操作時(例えば、右リールストップボタン24cを押したタイミング又は離したタイミング)で乱数を抽出して確率抽選処理を行うようにしても良い。これにより、入賞当選判定処理(役の抽選)は、スタートレバー21の操作に基づき行われ、確率抽選処理は、停止操作手段(リールストップボタン24)の操作に基づき確率変動状態を発生させるか否かを抽選したこととなる。
また、特別遊技状態中の何れかのゲーム(最初のゲーム〜最後のゲームの何れか)におけるスタートレバー21の操作時や停止操作時(リールストップボタン24a,24b,24cを押したタイミング又は離したタイミング)で行うようにしても良い。このように内部抽選処理のタイミングとは異なり且つ遊技者の操作が必要なタイミングで確率抽選処理を行うことにより、確率抽選に当選した場合には当該当選を自力で引き当てたという印象を遊技者に与えることができるので、特別遊技状態終了後の確率状態の決定に関する興趣を向上させることができる。
図17(a)には、遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルの種類が示されている。
図17(a)に示されているように、入賞当選判定テーブルには、通常中テーブルと、通常&B内部中テーブルと、確変中テーブルと、確変&B内部中テーブルと、BB中テーブルと、RB中テーブルと、JACゲーム中テーブルがある。なお、以下の説明ではリプレイ1、2入賞役に当選することをリプレイ当選とし、リプレイ1、2入賞役以外の通常入賞役に当選することを小役当選として説明する。
通常中テーブルは、通常遊技状態であってボーナス当選を持ち越していないときに用いられるテーブルである。通常中テーブルでは、ボーナス当選確率、小役当選確率、及びリプレイ当選確率が通常確率に設定されている。また、通常中テーブルでは、SIN-B当選するように設定されている。
通常&B内部中テーブルとは、通常遊技状態であってボーナス当選を持ち越しているときに用いられるテーブルである。通常&B内部中テーブルでは、小役当選確率が通常確率に設定され、リプレイ当選確率が通常確率よりも高い確率である高確率に設定されている。これにより、ボーナス当選を持ち越しているときはリプレイ当選確率を高めることが可能となる。また、通常&B内部中テーブルでは、ボーナス当選とSIN-B当選に当選しないように設定されている。ボーナス当選中は他のボーナス入賞役に当選しないようにするためである。なお、リプレイ当選確率を通常確率としても良い。
確変中テーブルとは、確変遊技状態であってボーナス当選を持ち越していないときに用いられるテーブルである。確変中テーブルでは、ボーナス当選確率が高確率に設定され、小役当選確率、及びリプレイ当選確率が通常確率に設定されている。また、確変中テーブルでは、SIN-B当選するように設定されている。なお、小役当選確率やリプレイ当選確率を高確率としても良いし、SIN-B当選しないようにしても良い。
確変&B内部中テーブルとは、確変遊技状態であってボーナス当選を持ち越しているときに用いられるテーブルである。確変&B内部中テーブルでは、小役当選確率が通常確率に設定され、リプレイ当選確率が高確率に設定されている。これにより、ボーナス当選を持ち越しているときはリプレイ当選の当選確率を高めることが可能となる。また、確変&B内部中テーブルでは、ボーナス当選とSIN-B当選に当選しないように設定されている。ボーナス当選中は他のボーナス入賞役に当選しないようにするためである。なお、リプレイ当選確率を通常確率としても良い。
BB中テーブルとは、S-BB入賞役又はN-BB入賞役の入賞が成立したことにより特別遊技状態に移行したときに用いられるテーブルである。BB中テーブルでは、小役当選確率が高確率に設定されている。また、BB中テーブルでは、ボーナス当選とSIN-B当選とリプレイ当選に当選しないように設定されている。
RB中テーブルとは、RB入賞役の入賞が成立したことにより特別遊技状態に移行したときに用いられるテーブルである。RB中テーブルでは、BB中テーブルと同様に、小役当選確率が高確率に設定されている。また、RB中テーブルでは、ボーナス当選とSIN-B当選とリプレイ当選に当選しないように設定されている。
これにより、特別遊技状態中は通常遊技状態中よりも特定の通常入賞役(スイカ入賞役、チェリー入賞役、ベル入賞役、1枚役A〜C入賞役の少なくとも一つ)の当選確率を高めることが可能となる。
JACゲーム中テーブルとは、SIN-B入賞役の入賞が成立したことによりJACゲームに移行したときに用いられるテーブルである。JACゲーム中テーブルでは、ボーナス当選確率、小役当選確率、及びリプレイ当選確率が通常確率に設定されている。また、通常中テーブルでは、SIN-B当選しないように設定されている。なお、JACゲーム中テーブルでは、通常中テーブルと同様に、SIN-B当選するように設定するようにしても良い。
図17(b)には、各レア小役における、ボーナス入賞役(特別入賞役)と重複して(同時に)当選する期待度(確率)の高さの順が示されている。この期待度は、弱スイカ入賞役が最も低く、中段チェリー入賞役が最も高くなっている。また、リプレイ2入賞役をレア小役として扱っても良く、本実施形態では、リプレイ2入賞役とボーナス入賞役とが重複して内部当選するようにしている。なお、ベル入賞役に対しても通常小役(通常ベル)とレア小役(レアベル)とを設定し、レア小役であるレアベルについてはボーナス入賞役と重複して当選させるようにしても良い。
〔停止図柄情報設定処理〕
図18には、図16に示された内部抽選処理における停止図柄情報設定処理が示されている。この停止図柄情報設定処理では、まず当該処理の対象となるゲームがボーナス入賞役に当選したゲームであるか否かを判定する(ステップS61)。
ボーナス当選ゲームである場合(ステップS61;Y)は、確率抽選の抽選結果が確変当選かチェックする(ステップS62)。そして、確変当選でない場合(ステップS63;N)は、低確用テーブル(図19参照)から停止図柄を選択して(ステップS64)、ステップS68へ移行する。また、確変当選である場合(ステップS63;Y)は、高確用テーブル(図19参照)から停止図柄を選択して(ステップS65)、ステップS68へ移行する。
また、ボーナス当選ゲームでない場合(ステップS61;N)は、ボーナス当選を持ち越し中か否かを判定する(ステップS66)。ボーナス当選を持ち越し中である場合(ステップS66;Y)は、ステップS62に移行してそれ以降の処理を行う。また、ボーナス当選を持ち越し中でない場合(ステップS66;N)は、内部抽選結果に対応するテーブル(外れ用TBL、スイカ用TBL、チェリー用TBL、ベル用TBL、1枚役用TBL、リプレイ用TBL、SIN-B用TBL;図19参照)から停止図柄を選択して(ステップS67)、ステップS68へ移行する。
ステップS68では、ステップS64、S65、又はS67で選択された停止図柄を確率決定表示器228の停止図柄に設定し(ステップS68)、停止図柄情報設定処理を終了する。
遊技制御装置50は、上記停止図柄情報設定処理にてゲームが実行される毎に所定の補助ゲームを実行することが可能な補助ゲーム実行手段をなし、確率抽選が行われた場合には、当該確率抽選の抽選結果に対応する結果となるように補助ゲームを実行し、確率抽選が行われない場合には、役の抽選結果に対応する結果となるように補助ゲームを実行することとなる。また、遊技制御装置50は、特別役の当選が持ち越されている場合には、確率抽選の抽選結果に対応する結果となるように補助ゲームを実行することとなる。
図19には、停止図柄情報設定処理(図18参照)で用いられる停止図柄選択用のテーブルの種類と、各テーブルで選択可能な停止図柄の態様が示されている。
低確用テーブルは確率抽選の抽選結果がはずれのとき(確変当選していないとき)に用いられるテーブルであり、低確用テーブルでは停止図柄として「22」、「44」、「66」、「88」の何れかが選択可能となっている。高確用テーブルは確率抽選の抽選結果が当りのとき(確変当選しているとき)に用いられるテーブルであり、高確用テーブルでは停止図柄として「11」、「33」、「55」、「77」の何れかが選択可能となっている。
なお、低確用テーブル及び高確用テーブルでは、ボーナス当選(当選したボーナス入賞役)の種類を特定できるように停止図柄を区別して設定するようにしても良い。例えば、低確用テーブルでは、BB入賞役の当選の場合には「44」、「88」の何れかが選択され、RB入賞役の当選の場合には「22」、「66」の何れかが選択される(高確用テーブルでは、BB入賞役当選の場合には「33」、「77」の何れかが選択され、RB入賞役の当選の場合には「11」、「55」の何れかが選択される)ようにしても良い。また、ボーナス当選の種類まで特定可能な停止図柄の表示は、当該ボーナス当選ゲームの期間だけ表示するようにしても良いし、当該ボーナス当選が持ち越されている期間中も表示するようにしても良い。前者の場合は、ボーナス当選の種類を特定した停止図柄を見逃さなかった遊技者にだけ当該ボーナス当選の種類を示唆することができるようになるので、確率決定表示器228の表示に関する興趣を向上させることができる。一方、後者の場合は、ボーナス入賞役の入賞が成立するまでボーナス当選の種類を遊技者に示唆することができるので、当該ボーナス当選の種類を遊技者に認識させ易くなる。
外れ用テーブルは内部抽選結果がはずれのときに用いられるテーブルであり、外れ用テーブルでは停止図柄として「H0」〜「H9」の何れかが選択可能となっている。スイカ用テーブルはスイカ入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、スイカ用テーブルでは停止図柄として「S0」〜「S9」の何れかが選択可能となっている。チェリー用テーブルはチェリー入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、チェリー用テーブルでは停止図柄として「C0」〜「C9」の何れかが選択可能となっている。ベル用テーブルはベル入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、ベル用テーブルでは停止図柄として「b0」〜「b9」の何れかが選択可能となっている。1枚役用テーブルは1枚役入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、1枚役用テーブルでは停止図柄として「Y0」〜「Y9」の何れかが選択可能となっている。リプレイ用テーブルはリプレイ入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、リプレイ用テーブルでは停止図柄として「R0」〜「R9」の何れかが選択可能となっている。SIN-B用テーブルはSIN-B入賞役に当選したときに用いられるテーブルであり、SIN-B用テーブルでは停止図柄として「Sb」が選択可能となっている。
以上のように、確率抽選の結果及び内部抽選の結果は、確率決定表示器228に表示される停止図柄(数字又は数字とアルファベットの組合せ)によって示唆することで、確率抽選の結果が示唆されたのか内部抽選の結果が示唆されたのかを区別し難くしている。
図20には、上述した停止図柄情報設定処理(図18参照)による確率決定ゲーム(補助ゲーム)の一例が示されている。確率決定ゲームは確率決定表示器228(第1確率決定表示器228a,第2確率決定表示器228b)に停止図柄を表示することで確率状態や内部抽選結果を示唆することができるゲームである。なお、図20には、ボーナス当選したが確率抽選に当選しなかった場合の確率決定ゲームの一例が示されている。
図20に示されているように、ゲームの開始前、例えば賭け操作等を行っているとき、確率決定表示器228の第1確率決定表示器228aに「H」の文字が点灯表示され、第2確率決定表示器228bに「6」の数字が点灯表示されている。これら2つの表示器により表示された「H6」の停止図柄は外れ用テーブルから選択されたものである(図19参照)。また、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bの各右下のドットポイントが点灯した状態となっている。このドットポイントの点灯により、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bに表示される図柄が停止(本停止)していることを示している。
次いで、ゲームの開始操作であるスタートレバー21の操作が行われると、リール6a,6b,6cが回転を開始する。このとき第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、各セグメントを所定の順番で順次点灯・消灯させていく移動点滅表示が行われるようになっている。また、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bの各右下のドットポイントは、移動点滅表示中、消灯(又は点滅)するようになっている。なお、ゲームの開始時に第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bの各セグメントを一瞬消灯させてから移動点滅表示を開始することが望ましい。第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bに表示される図柄の変動開始タイミングを把握し易くするためである。
次いで、第1停止操作(例えば、左リールストップボタン24aの押下)が行われると、対応するリール(左リール6a)の回転が停止する。一方、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が継続して行われるようになっている。また、第2停止操作(例えば、中リールストップボタン24bの押下)が行われたときも、第1停止操作時と同様に、対応するリール(中リール6b)の回転が停止するが、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が継続して行われるようになっている。
そして、第3停止操作(例えば、右リールストップボタン24cの押下)が行われると、対応するリール(右リール6a)の回転が停止する。このとき第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が終了し、第1確率決定表示器228aに「6」の数字が点灯表示され、第2確率決定表示器228bにも「6」の数字が点灯表示される。これら2つの表示器により表示された「66」の停止図柄は低確用テーブルから選択されたものである(図19参照)。従って、停止図柄「66」を表示することにより、ボーナス当選はしたものの確率抽選には当選しなかったことを遊技者に示唆することが可能となっている。
図21には、ボーナス当選し且つ確率抽選にも当選した場合の確率決定ゲームの一例が示されている。なお、賭け操作時及び開始操作時における確率決定表示器228の表示態様は、前述のボーナス当選したが確率抽選に当選しなかった場合(図20参照)の態様と同じであるため、賭け操作時及び開始操作時における確率決定表示器228の表示態様の説明は省略し、第1停止操作時における確率決定表示器228の表示態様から説明することとする。
第1停止操作(例えば、左リールストップボタン24aの押下)が行われると、対応するリール(左リール6a)の回転が停止する。一方、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が終了し、第1確率決定表示器228aに「5」の数字が点灯表示され、第2確率決定表示器228bに「3」の数字が点灯表示される。ただし、このとき第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bの各右下のドットポイントは消灯(又は点滅)した状態となっており、「5」「3」の図柄はそれぞれ仮停止状態であることを示している。これら2つの表示器により表示された「53」の図柄(仮停止図柄)はぞろ目ではないものの何れも奇数図柄を表しており、最終停止図柄も奇数の図柄となることを示唆している。なお、仮停止図柄を表示する場合には、第1確率決定表示器228aと第2確率決定表示器228bの何れか一方の図柄のみを仮停止させ、他方では図柄変動を継続して行わせるようにしても良い。図柄変動中であり本停止していないことを把握し易くするためである。
次いで、第1停止操作から所定期間が経過すると、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が再開ようになっている。ここで、所定期間とは、所定の時間でも良いし、第1停止操作されたリールストップボタン24が押下されてから遊技者の手が離れるまでの期間でも良い。
そして、第2停止操作(例えば、中リールストップボタン24bの押下)が行われると、対応するリール(中リール6b)の回転が停止する。一方、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が終了し、第1確率決定表示器228aに「7」の数字が点灯表示され、第2確率決定表示器228bに「5」の数字が点灯表示される。ただし、このときも第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bの各右下のドットポイントは消灯(又は点滅)した状態となっており、「7」「5」の図柄はそれぞれ仮停止状態であることを示している。これら2つの表示器により表示された「75」の図柄(仮停止図柄)はぞろ目ではないものの何れも奇数図柄を表しており、最終停止図柄も奇数の図柄となることを示唆している。
次いで、第2停止操作から所定期間が経過すると、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が再開ようになっている。そして、第3停止操作(例えば、右リールストップボタン24cの押下)が行われると、対応するリール(右リール6a)の回転が停止する。このとき第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bでは、移動点滅表示が終了し、第1確率決定表示器228aに「5」の数字が点灯表示され、第2確率決定表示器228bにも「5」の数字が点灯表示される。これら2つの表示器により表示された「55」の停止図柄は高確用テーブルから選択されたものである(図19参照)。従って、停止図柄「55」を表示することにより、ボーナス当選し且つ確率抽選にも当選したことを遊技者に示唆することが可能となっている。
なお、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bにおけるドットポイントの発光態様は、本停止状態と、仮停止状態又は図柄変動状態とを区別することができれば良く、本実施形態のように、図柄が停止(本停止)しているときは、当該ドットポイントを点灯表示し、仮停止しているときや図柄変動中のときは、当該ドットポイントを消灯(又は点滅)表示する場合に限られない。また、第1確率決定表示器228a及び第2確率決定表示器228bに表示される図柄を仮停止させることにより、最終停止図柄を示唆するようにしたが、確率抽選の抽選結果に対する期待度にかかわらず、かかる最終停止図柄の示唆を行わないようにしても良い。
〔入賞判定処理〕
図22には、図14に示された遊技制御処理における入賞判定処理が示されている。この入賞判定処理では、まず、停止しているリール6とその停止位置を示す情報であるリール停止情報を取得し(ステップS71)、遊技状態に応じた入賞成立判定情報をセットする(ステップS72)。次に、有効ライン数(本実施形態では1)をセットし(ステップS73)、判定対象とする有効ラインをセットし(ステップS74)、入賞図柄(何れかの入賞役に対応する図柄組合せ態様)があるかを判定する(ステップS75)。
入賞図柄がない場合(ステップS75;N)は、ステップS79に移行する。また、入賞図柄がある場合(ステップS75;Y)は、入賞図柄と入賞当選フラグが一致するかを判定する(ステップS76)。そして、一致しない場合(ステップS76;N)は、復帰不可能エラー処理(ステップS83)を行う。復帰不可能エラー処理では、点検を促すエラー報知が行われ、リセットボタンの操作やRAMクリア等のリセット操作が行われない限り復帰しないようになっている。また、一致する場合(ステップS76;Y)は、リプレイ入賞の成立であるかを判定する(ステップS77)。
リプレイ入賞の成立である場合(ステップS77;Y)は、自動ベット再遊技フラグをセットし(ステップS84)、ステップS77で判定したリプレイ入賞がリプレイ2入賞であるか判定する(ステップS85)。
リプレイ2入賞である場合(ステップS85;Y)は、自動ベット再遊技フラグに代えて手動ベット再遊技フラグをセットし(ステップS86)、ステップS87へ移行する。リプレイ2入賞役は、ボーナス当選と重複して当選することが可能な入賞役であるので、リプレイ2入賞により遊技者に手動ベットさせることで、ボーナス当選している可能性があることを示唆することができる。また、リプレイ2入賞でない場合(ステップS85;N)、すなわちリプレイ1入賞である場合は、ステップS86をスキップしてステップS87へ移行する。
また、リプレイ入賞の成立でない場合(ステップS77;N)は、払出カウンタに入賞図柄に対応する払出数を加算し(ステップS78)、入賞判定結果情報を記憶する(ステップS79)。その後、全有効ラインが判定済みであるかを判定し(ステップS80)、判定済みでない場合(ステップS80;N)は、ステップS74に戻り未判定の有効ラインについての判定を行う。また、全有効ラインが判定済みである場合(ステップS80;Y)は、設定された払出数が1ゲームにおける最大払出数(例えば15)を越えるかを判定する(ステップS81)。
最大払出数を超えない場合(ステップS81;N)は、ステップS87に移行する。また、最大払出数を超える場合(ステップS81;Y)は、払出カウンタに最大払出数をセットする(ステップS82)。そして、入賞判定結果情報に対応するゲーム結果コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS87)、入賞判定処理を終了する。
〔遊技状態更新処理〕
図23には、図14に示された遊技制御処理における遊技状態更新処理が示されている。この遊技状態更新処理では、まず、S-BB入賞(スーパービッグボーナス入賞)が発生したかを判定する(ステップS91)。S-BB入賞が発生した場合(ステップS91;Y)は、S-BB状態(特別遊技状態)に移行するためのS-BB状態移行処理(ステップS92)を行い、ステップS108へ移行する。
また、S-BB入賞が発生していない場合(ステップS91;N)は、N-BB入賞(ノーマルビッグボーナス入賞)が発生したかを判定する(ステップS93)。N-BB入賞が発生した場合(ステップS93;Y)は、N-BB状態(特別遊技状態)に移行するためのN-BB状態移行処理(ステップS94)を行い、ステップS108へ移行する。
また、N-BB入賞が発生していない場合(ステップS93;N)は、R-B入賞(レギュラーボーナス入賞)が発生したかを判定する(ステップS95)。R-B入賞が発生した場合(ステップS95;Y)は、RB状態(特別遊技状態)に移行するためのR-B状態移行処理(ステップS96)を行い、ステップS108へ移行する。
また、R-B入賞が発生していない場合(ステップS95;N)は、SIN-B(シングルボーナス)に当選したかを判定する(ステップS97)。SIN-Bに当選している場合(ステップS97;Y)は、SIN-B入賞が発生したかを判定し(ステップS98)、SIN-B入賞が発生した場合(ステップS98;Y)は、JACゲーム状態に移行するためのJACゲーム状態移行処理(ステップS99)を行い、ステップS108へ移行する。また、SIN-B入賞が発生していない場合(ステップS98;N)は、ステップS107へ移行する。
また、SIN-Bに当選していない場合(ステップS97;N)は、JACゲームの終了タイミングかを判定する(ステップS100)。JACゲームの終了タイミングである場合(ステップS100;Y)は、ステップS107へ移行する。また、JACゲームの終了タイミングでない場合(ステップS100;N)は、S-BB状態の終了タイミングかを判定する(ステップS101)。
S-BB状態の終了タイミングである場合(ステップS101;Y)は、ステップS104へ移行する。また、S-BB状態の終了タイミングでない場合(ステップS101;N)は、N-BB状態の終了タイミングかを判定する(ステップS102)。
N-BB状態の終了タイミングである場合(ステップS102;Y)は、ステップS104へ移行する。また、N-BB状態の終了タイミングでない場合(ステップS102;N)は、R-B状態の終了タイミングかを判定する(ステップS103)。
R-B状態の終了タイミングでない場合(ステップS103;N)は、遊技状態更新処理を終了する。また、R-B状態の終了タイミングである場合(ステップS103;Y)は、確率抽選の結果をチェックし(ステップS104)、確変当選である場合(ステップS105;Y)は、確変遊技状態へ移行するための確変遊技状態移行処理(ステップS106)を行い、ステップS108へ移行する。また、確変当選でない場合(ステップS105;N)は、通常遊技状態へ移行するための通常遊技状態移行処理(ステップS107)を行い、ステップS108へ移行する。
次いで、遊技状態更新コマンドを演出制御装置70に送信し(ステップS108)、演出用フリーズ実行処理(ステップS109)を行い、遊技状態更新処理を終了する。
以上のように、遊技制御装置50は、遊技状態更新処理にて、特定役(SIN-B入賞役)の入賞が成立したことに基づき通常役(通常入賞役)に所定確率で当選する特定遊技状態(JACゲーム)を発生させることが可能な特定遊技状態発生手段、特別役の入賞が成立したことに基づき通常役に通常遊技状態よりも高確率で当選する(通常役が通常遊技状態よりも高頻度で入賞する)特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技状態発生手段、及び所定条件の成立に基づき特別役に通常遊技状態よりも高確率で当選する確率変動状態を発生させることが可能な確率変動状態発生手段をなし、確率変動状態の発生中に特定役(SIN-B入賞役)が当選又は入賞したことに基づき当該確率変動状態を終了させることとなる。また、遊技制御装置50が、特別役の当選確率を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段をなすとも言え、確率設定手段が特別遊技状態の終了に伴い所定期間に亘り高確率状態を設定するとも言える。
〔演出用フリーズ実行処理〕
図24には、図23に示された遊技状態更新処理における演出用フリーズ実行処理が示されている。演出用フリーズ実行処理は、確変決定演出部400による確変決定ルーレット演出(後述)の実行時間を割くためにフリーズ状態(ゲーム進行待機状態)を発生させる処理である。
この演出用フリーズ実行処理では、まず、ボーナス(特別遊技状態)が終了したかを判定する(ステップS111)。ボーナス(特別遊技状態)が終了していない場合(ステップS111;N)は、演出用フリーズ実行処理を終了する。また、ボーナス(特別遊技状態)が終了した場合(ステップS111;Y)は、フリーズ時間決定テーブル(図25参照)に基づきフリーズ時間を決定する(ステップS112)。
次いで、決定後のフリーズ時間をセットし(ステップS113)、フリーズ時間に対応するフリーズコマンドを演出制御装置70に送信する(ステップS114)。次に、キャンセル入力があるかを判定する(ステップS115)。ここで、キャンセル入力には、賭け操作、スタートレバー21の操作、リールストップボタン24の操作等がある。なお、フリーズ状態中に例えば賭け操作が行われた場合には、当該賭け操作に対応する処理(賭数の設定)は実行されず、フリーズ状態のキャンセル入力としてのみ扱われることとなる。
キャンセル入力がない場合(ステップS115;N)は、フリーズ時間が経過したか判定する(ステップS116)。フリーズ時間が経過していない場合(ステップS116;N)は、ステップS115へ戻る。また、フリーズ時間が経過した場合(ステップS116;Y)は、演出用フリーズ実行処理を終了する。また、キャンセル入力がある場合(ステップS115;Y)は、演出キャンセルコマンドを演出制御装置70に送信して(ステップS117)、演出用フリーズ実行処理を終了する。
以上のように、遊技制御装置50は、演出用フリーズ実行処理にて特定演出(確変決定ルーレット演出)の実行中に変動ゲームを実行するための操作を行うことが可能な操作手段(スタートレバー21、マックスベットボタン17等)からの入力の受け付け(遊技の進行)を規制する規制状態を発生させることが可能な規制状態発生手段(進行規制状態発生手段)をなすとともに、規制状態の発生中に遊技者からの所定の操作入力があったことに基づき、当該規制状態を解除して特定演出を終了させることが可能な進行規制解除手段をなす。
図25には、フリーズ時間決定テーブルの一例が示されている。図25に示されているように、フリーズ時間決定テーブルには、10秒フリーズと15秒フリーズの2種類が設定されている。S-BB状態の終了後は、20%の割合で10秒フリーズに、80%の割合で15秒フリーズに決定される。N-BB状態の終了後は、50%の割合で10秒フリーズに、50%の割合で15秒フリーズに決定される。R-B状態の終了後は、80%の割合で10秒フリーズに、20%の割合で15秒フリーズに決定される。
次に、演出制御装置70による処理について説明する。演出制御装置70による処理は、演出を統括的に制御する演出制御処理(図26参照)と、所定時間毎(例えば、約2msec毎)に行われるタイマ割込み処理(図27参照)とを含む。
〔演出制御処理〕
図26には演出制御処理が示されている。この演出制御処理は、スロットマシン1の電源が投入されることにより演出制御装置70の電源が投入されることで、CPU70aがROM70bに記憶されている演出制御処理の制御プログラムを読み出して実行することにより開始される。
この演出制御処理では、まず、演出制御装置70のCPU70a内のレジスタの初期化やRAM70cに記憶されている遊技データの初期化処理や、遊技制御装置50からの電源投入/復旧コマンドに基づく電源投入/復旧の報知処理などを行う電源投入時処理を実行する(ステップS201)。次に、ゲームが所定時間実行されていない場合に画像表示装置3及び側部サブ表示装置310に客待ちデモ画像若しくは通常よりもディスプレイの輝度を低減した省エネ中画像を表示させる客待ち演出処理(ステップS202)を行う。なお、側部サブ表示装置310には過剰に遊技を行うこと(射幸心)を抑制するための表示(例えば「パチンコ・パチスロは適度に楽しむものです」)を行うようにしても良い。
次いで、操作入力部30による閲覧操作に基づいて、特別入賞役の発生履歴などのゲーム結果の履歴情報等を側部サブ表示装置310に表示する際のサポートメニュー処理(ステップS203)を行う。次に、賭数の更新毎に送信される賭数コマンドに基づいて賭数の報知(音、表示、発光)を行う賭数報知処理(ステップS204)を行う。そして、精算コマンドに基づいて精算が行われたことの報知(音、表示、発光)を行う精算報知処理(ステップS205)を行い、ゲームが開始されたかを判定する(ステップS206)。なお、ゲームの開始は抽選結果コマンドの受信により判定する。
ゲームが開始されていない場合(ステップS206;N)は、客待ち演出処理(ステップS202)に戻る。また、ゲームが開始された場合(ステップS206;Y)は、フリーズ演出を行う場合に当該フリーズ演出に対応する演出を実行するフリーズ演出処理(ステップS207)を行う。次に、特別入賞や小役入賞の当選、遊技状態に応じて、当該ゲームのみで行う単発演出や複数のゲームに亘り連続して行う連続予告(連続演出)を行うゲーム演出決定処理(ステップS208)を行う。そして、遊技モードに応じてゲームの演出を進行させるゲーム演出制御処理(ステップS209)を行う。
次に、ゲーム結果が払い出しを伴う場合に、1払い出し毎に送信される払出コマンドに基づいて払い出しを報知(音、表示、発光)する払出報知設定処理(ステップS210)を行い、遊技状態コマンドに基づいて演出モードを変更する演出モード更新処理(ステップS211)を行う。そして、ゲーム結果を履歴情報として記憶する履歴情報記憶処理(ステップS212)を行い、客待ち演出処理(ステップS202)に戻る。
なお、停電が発生した場合には停電発生時の処理を行う電源遮断処理を行うようになっている。停電発生時の処理としては、例えば、RAM70cの情報のバックアップ、スタックポインタ、チェックサムの記憶等を行った後、RAMアクセスを禁止してスロットマシン1の電源が遮断されるのを待つ。
〔タイマ割込み処理〕
図27には、タイマ割込み処理が示されている。このタイマ割込み処理では、まず、所定のレジスタに保持されている値をRAM70cに移すレジスタ退避の処理(ステップS221)を行う。そして、演出ボタンスイッチ10a、操作入力部スイッチ30c、赤外線スイッチ91,92から演出制御装置70に入力される信号を処理する入力処理(ステップS222)を行う。
次に、画像表示装置3、側部サブ表示装置310、上部サブ表示装置225での表示を制御する表示制御処理(ステップS223)、スピーカ4から出力する音声を制御する音声制御処理(ステップS224)、枠発光装置7、バックライト67、停止ボタンであるリールストップボタン24a,24b,24cに設けられたストップボタンLED66を制御するランプ/LED制御処理(ステップS225)を行う。
その後、ゲームの演出内容を決定する際に用いられる演出乱数などの乱数を更新(例えば+1)する乱数更新処理(ステップS226)。そして、各種処理で設定された情報に基づく制御信号を出力する出力処理を行い(ステップS227)、割り込み要求をクリアして(ステップS228)、レジスタを復帰(ステップS229)し、割り込みを許可して(ステップS230)、タイマ割込み処理を終了する。
〔サポートメニュー処理〕
図28には、図26に示された演出制御処理におけるサポートメニュー処理が示されている。このサポートメニュー処理では、まず、複数のゲームに亘り連続して行う連続演出を継続中であるかを判定する(ステップS231)。連続演出を継続中である場合(ステップS231;Y)は、サポートメニュー処理を終了する(操作入力部30からの入力を受け付けない)。連続演出の興趣が低下しないようにするためである。また、連続演出を継続中でない場合(ステップS231;N)は、操作入力部30の操作があるかを判定する(ステップS232)。
なお、連続演出を継続中である場合(ステップS231;Y)、画像表示装置3での当該連続演出の表示は継続させつつ、側部サブ表示装置310にてサポートメニュー処理を行うようにしても良い。また、リプレイ入賞役の入賞が成立したことにより自動賭け操作が行われた場合にもサポートメニュー処理を終了するようにしても良い。
操作入力部30の操作がない場合(ステップS232;N)は、サポートメニュー処理を終了する。また、操作入力部30の操作がある場合(ステップS232;Y)は、側部サブ表示装置310を液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動させる(ステップS233)。次いで、側部サブ表示装置310にメニュー選択(操作)画面(図29参照)を表示する(ステップS234)。そして、メニュー選択画面の中から「ゲーム説明(リール配列、役構成)」の項目を選択して決定する説明表示操作があるかを判定する(ステップS235)。
なお、メニュー選択画面の表示に先駆けて側部サブ表示装置310の移動を行ったが、それらの順序は逆でも良い。また、操作入力部30の操作の有無に関係なく、客待ち演出処理(ステップS202)が行われる時点で側部サブ表示装置310にメニュー選択(操作)画面(図29参照)を表示するようにしても良い。この場合、メニュー選択画面を表示した後、操作入力部30の操作があったときに側部サブ表示装置310を液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動させるようにしても良い。また、操作入力部30の操作を要せずにメニュー選択画面の表示とともに側部サブ表示装置310を液晶用表示窓9dの下端位置まで移動させても良い。
説明表示操作がある場合(ステップS235;Y)は、リール6の配列画面や入賞役の構成画面等のゲーム内容を説明する各画面を操作入力部30の操作により遊技者に選択させて表示することを可能とする説明表示処理(ステップS236)を行い、ステップS243へ移行する。また、説明表示操作がない場合(ステップS235;N)は、メニュー選択画面の中から「ゲーム履歴表示」の項目を選択して決定する履歴表示操作があるかを判定する(ステップS237)。
履歴表示操作がある場合(ステップS237;Y)は、過去3日分のゲーム履歴情報画面や当日の詳細履歴情報画面等の各履歴画面を操作入力部30の操作により遊技者に選択させて表示することを可能とする履歴表示処理(ステップS238)を行い、ステップS243へ移行する。なお、後述する携帯連動処理によって個人IDが登録されている場合には履歴表示処理にて個人履歴情報画面を選択表示することが可能となる。また、履歴表示操作がない場合(ステップS237;N)は、メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)」の項目を選択して決定する携帯連動操作があるかを判定する(ステップS239)。
携帯連動操作がある場合(ステップS239;Y)は、個人IDを登録したり当該個人IDを登録した遊技者のみが見られるコンテンツ等を表示することを可能とする携帯連動処理(ステップS240)を行い、ステップS243へ移行する。また、携帯連動操作がない場合(ステップS239;N)は、メニュー選択画面の中から「演出カスタマイズ」の項目を選択して決定する演出カスタマイズ操作があるかを判定する(ステップS241)。
演出カスタマイズ操作がある場合(ステップS241;Y)は、各種の遊技演出(BGM、背景画像、ゲーム内容等)をカスタマイズすることを可能とする演出カスタマイズ処理(ステップS242)を行い、ステップS243へ移行する。また、演出カスタマイズ操作がない場合(ステップS241;N)は、ステップS243へ移行する。
ステップS243では、メニュー選択画面の中から「終了」の項目を選択して決定する終了操作があるかを判定する(ステップS243)。終了操作がない場合(ステップS243;N)は、ステップS234へ戻る。また、終了操作がある場合(ステップS243;Y)は、側部サブ表示装置310にゲームに関する遊技演出画面を表示し(ステップS244)、側部サブ表示装置310を移動前の位置(例えば液晶用表示窓9dの中央位置)まで移動(復帰)させて、サポートメニュー処理を終了する。
以上のように、演出制御装置70は、サポートメニュー処理にて、操作入力部30の操作に対応して側部サブ表示装置310の表示内容を変更する操作連動処理を実行することが可能な操作連動処理手段、及び側部サブ表示装置310を第1位置と該第1位置よりも操作入力部30に近づく第2位置(液晶用表示窓9dの下端位置)とに移動させることが可能な表示移動手段をなし、操作連動処理の開始に伴い側部サブ表示装置310を第1位置から第2位置に移動させることとなる。また、補助遊技(ゲーム)の非実行状態中に側部サブ表示装置310の操作があった場合に操作連動処理を開始することとなる。
図29には、操作入力部30の操作があり(ステップS232;Y)、側部サブ表示装置310が液晶用表示窓9dの下端位置(操作入力部30の近傍)まで移動した(ステップS233)ときの状態が示されている。
図29に示されているように、画像表示装置3において連続演出が継続して行われているとき以外に操作入力部30の操作が行われると、側部サブ表示装置310は液晶用表示窓9dの下端位置まで移動することとなる。このとき、側部サブ表示装置310の表示画面にはサポートメニューを選択するための選択画面が表示される。これにより、側部サブ表示装置310を操作入力部30の近傍に移動させることができるので、側部サブ表示装置310の表示画面を見ながらのサポートメニューの選択操作がし易くなる。
なお、側部サブ表示装置310が液晶用表示窓9dの下端位置まで移動することにより、第2期待度表示部350が出現することとなるが、側部サブ表示装置310においてサポートメニューが選択されている間は高確率モード表示器320や第2期待度表示部350は点灯(作動)しないようになっている。
〔携帯連動処理〕
図30には、図28に示されたサポートメニュー処理における携帯連動処理が示されている。この携帯連動処理では、まず、連動メニュー選択画面(図31参照)を表示する(ステップS251)。次に、連動メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)開始」の項目を選択して決定する連動開始操作があるかを判定する(ステップS252)。
連動開始操作がある場合(ステップS252;Y)は、携帯連動を始めて行う場合や再開する場合に実行される連動開始処理(ステップS253)を行い、ステップS258へ移行する。また、連動開始操作がない場合(ステップS252;N)は、連動メニュー選択画面の中から「個人ログ(履歴)確認」の項目を選択して決定する個人ログ確認操作があるかを判定する(ステップS254)。
個人ログ確認操作がある場合(ステップS254;Y)は、携帯連動中に達成したミッションや獲得したポイント等の情報を表示する個人ログ表示処理(ステップS255)を行い、ステップS258へ移行する。また、個人ログ確認操作がない場合(ステップS254;N)は、連動メニュー選択画面の中から「携帯連動(ゲームログ)終了」の項目を選択して決定する連動終了操作があるかを判定する(ステップS256)。
連動終了操作がある場合(ステップS256;Y)は、携帯連動を再開するときに必要な再開パスワードを発行して当該携帯連動を終了する連動終了処理(ステップS257)を行い、ステップS258へ移行する。また、連動終了操作がない場合(ステップS256;N)は、連動メニュー選択画面の中から「終了」の項目を選択して決定する終了操作があるかを判定する(ステップS258)。
終了操作がない場合(ステップS258;N)は、ステップS251に戻る。また、終了操作がある場合(ステップS258;Y)は、携帯連動処理を終了する。
図31には、側部サブ表示装置310に表示される連動メニュー選択画面の一例が示されている。図31に示されているように、側部サブ表示装置310の表示画面には連動メニュー選択画面が表示され、「携帯連動(ゲームログ)開始」、「個人ログ(履歴)確認」、「携帯連動(ゲームログ)終了」、「終了」のうちの何れかの項目が選択決定されるようになっている。
なお、例えば、未達成ミッションの挑戦中は「携帯連動(ゲームログ)終了」の項目が選択決定されないように規制する(「未達成ミッションに挑戦中ですがよろしいですか?」等の注意を促す表示を行う)ようにしても良い。また、上記のような規制を行っている場合であっても、所定時間ゲームが行われなかった場合には当該規制を解除できるようにする。
図32には、本実施形態のスロットマシン1(遊技機)が連動開始処理(ステップS253)及び連動終了処理(ステップS257)を受け付けたときのスロットマシン1(遊技機)及び外部サーバGの動作の一例を示すフローチャートが示されている。
スロットマシン1(遊技機)が連動開始処理を受け付けた場合には、携帯連動を初めて行うか再開するかを遊技者に選択決定させるための選択画面が側部サブ表示装置310に表示されるようになっている。そして、携帯連動を初めて行う旨の選択決定がなされた場合には連動開始操作として受け付けられるようになっている。一方、携帯連動を再開する旨の選択決定がなされた場合には連動再開操作として受け付けられるようになっている。
図32(a)に示されているように、連動開始操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、外部サーバGへのアクセスコード(例えば2次元バーコード等)を側部サブ表示装置310に表示する(ステップY1)。このアクセスコードを携帯端末Mで読み取り、ウェブから外部サーバGにアクセスすると、外部サーバGは、必要事項の入力要求画面情報を携帯端末Mに送信する(ステップG1)。そして、携帯端末Mにおいてこの入力要求画面に表示された必須事項を入力すると、外部サーバGは、必要事項の入力受付を行い(ステップG2)、個人ログレコードを作成し(ステップG3)、開始パスワードを発行する(ステップG4)。
スロットマシン1は、外部サーバGへのアクセスコードを側部サブ表示装置310に表示した後、パスワード入力操作受付を行う(ステップY2)。そして、外部サーバGから携帯端末Mに送信された開始パスワードに基づき、遊技者がスロットマシン1に対して当該開始パスワードの入力を行うと、スロットマシン1は、開始パスワードの入力受付を行い(ステップY3)、携帯連動を開始し(ステップY4)、個人履歴(ログ)を更新する(ステップY5)。
図32(b)に示されているように、連動終了操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、それまで携帯連動した状態で行われたゲームの履歴に応じたアクセスコードを側部サブ表示装置310に表示する(ステップY11)。このアクセスコードを携帯端末Mで読み取り、ウェブから外部サーバGにアクセスすると、外部サーバGは、個人ログ(履歴)レコードを更新し(ステップG11)、再開パスワードを発行する(ステップG12)。
図32(c)に示されているように、連動再開操作がスロットマシン1(遊技機)によって受け付けられた場合、スロットマシン1は、パスワード入力操作受付を行う(ステップY21)。そして、外部サーバGから携帯端末Mに送信された再開パスワードに基づき、遊技者がスロットマシン1に対して当該再開パスワードの入力を行うと、スロットマシン1は、再開パスワードの入力受付を行い(ステップY22)、携帯連動を開始し(ステップY23)、個人履歴(ログ)を更新する(ステップY24)。
<変形例1>
なお、外部サーバGへのアクセスコード(例えば2次元バーコード等)を側部サブ表示装置310に表示した際、操作入力部30の操作によって、当該アクセスコードを拡大・縮小することができるようにしても良い(図33(a)参照)。このとき、演出制御装置70は、操作入力部30の操作に基づき側部サブ表示装置310に表示させたアクセスコードを拡縮表示させることを可能としたこととなる。また、スロットマシン1は、側部サブ表示装置310と携帯端末Mとの距離を計測する計測手段を備え、当該計測手段により計測された両者の距離に応じて、アクセスコードを読み取り可能な適正なサイズに自動的に変更して側部サブ表示装置310に表示することができるようにしても良い。
また、スロットマシン1は、連動開始操作を受け付けた場合や連動終了操作を受け付けた場合(アクセスコードを側部サブ表示装置310に表示した場合)に、側部サブ表示装置310を前方(周囲の構造物よりも前方)に移動させても良い。このとき、演出制御装置70は、アクセスコードの表示時には側部サブ表示装置310を周囲の構造物よりも前方に移動させることが可能としたこととなる。携帯端末Mでアクセスコードを読み取る際、側部サブ表示装置310の周囲の構造物に対してピントが合ってしまうことを抑制するためである。
<変形例2>
また、操作入力部30の手前側に遊技者の手を載置することができる載置部140を設けるようにしても良く(図33(b)参照)、さらに、当該載置部140を操作入力部30と隣り合うように配設されているメダル投入部15の手前側にも延設するようにしても良い。このとき、操作入力部30を操作する際、及びメダル投入部15にメダルを投入する際に遊技者が手を載置することが可能な載置部140を設けたこととなる。これにより、操作入力部30の操作がし易くなり誤操作を低減することができる。また、側部サブ表示装置310に表示されたアクセスコードを携帯端末Mで読み取る際の手ブレを低減することができる。さらに、メダル投入部15へのメダル投入がし易くなる。また、載置部140に衝撃を弱めるためのパッド141を設けるようにしても良い。
次に、前述したフリーズ演出処理(ステップS207)によって実行されるフリーズ演出の演出態様例について、図34〜図36を用いて説明する。本実施形態のスロットマシン1は演出内容を段階ごとにステップアップさせるステップアップ演出をフリーズ演出として実行することができる。なお、例えば、フリーズ演出時間が5秒に設定された場合は、ステップ1演出のみ、フリーズ演出時間が10秒に設定された場合は、ステップ2演出まで、フリーズ演出時間が15秒に設定された場合は、ステップ3演出まで、そして、フリーズ演出時間が60秒に設定された場合は、ステップ4演出及びプレミア確定演出を実行する。
図34(a)に示されているように、フリーズ演出の開始前、画像表示装置3の表示画面にはゲームに関するゲーム演出画像が表示されている。そして、図34(b)に示されているように、スタートレバー21の操作がなされゲームが開始されると、フリーズ演出が開始され、画像表示装置3の表示画面が突然暗転するようになっている。そして、図34(c)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動(前向き状態に変換)して、当該表示画面にはステップ1演出に関するステップ1演出画像が表示される。そして、図34(d)に示されているように、ステップ1演出画像の表示が終了すると、上部サブ表示装置225はもとの位置(下向き状態)に戻る。その後、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示がなされる。
ステップ1演出でフリーズ演出が終了する場合は、図34(e)に示されているように、画像表示装置3の表示画面の暗転が終了し、ゲームに関するゲーム演出画像が表示されるようになっている。
一方、フリーズ演出が継続する場合は、図34(f)に示されているように、再び上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動(前向き状態に変換)して、当該表示画面にはステップ2演出に関するステップ2演出画像が表示される。そして、図34(g)に示されているように、ステップ2演出画像の表示が終了すると、上部サブ表示装置225はもとの位置(下向き状態)に戻る。その後、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示(発展示唆演出)がなされる。
ステップ2演出でフリーズ演出が終了する場合は、図35(b)に示されているように、画像表示装置3の表示画面の暗転が終了し、ゲームに関するゲーム演出画像が表示されるようになっている。
一方、フリーズ演出が継続する場合は、図35(a)に示されているように、再び上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動(前向き状態に変換)して、当該表示画面にはステップ3演出に関するステップ3演出画像が表示される。また、図35(c)に示されているように、ステップ3演出では、可動演出装置226が上部サブ表示装置225の背面側から視認可能となるように下方へ移動(前向き状態に変換)した後、可動演出装置226が上下に振動する演出がなされる。そして、図35(d)に示されているように、ステップ3演出画像の表示が終了すると、可動演出装置226は振動を停止して上部サブ表示装置225の背面側のもとの位置(下向き状態)へ戻り、上部サブ表示装置225ももとの位置に戻る。その後、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示(発展示唆演出)がなされる。
ステップ3演出でフリーズ演出が終了する場合は、図35(e)に示されているように、画像表示装置3の表示画面の暗転が終了し、ゲームに関するゲーム演出画像が表示されるようになっている。
一方、フリーズ演出が継続する場合は、図35(f)に示されているように、再び上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動(前向き状態に変換)して、当該表示画面にはステップ4演出に関するステップ4演出画像が表示される。また、図35(g)に示されているように、ステップ4演出では、ステップ3演出と同様、可動演出装置226が上部サブ表示装置225の背面側から視認可能となるように下方へ移動した後、可動演出装置226が上下に振動(揺動)する演出がなされる。そして、図35(h)に示されているように、ステップ4演出画像の表示が終了すると、可動演出装置226は振動を停止して上部サブ表示装置225の背面側のもとの位置へ戻り、上部サブ表示装置225ももとの位置(下向き状態)に戻る。そして、画像表示装置3の表示画面の暗転が終了し、ステップ4演出へ進展した場合にのみ実行可能なプレミア確定演出が所定期間表示され、フリーズ演出が終了する。
なお、可動演出装置226による演出は、ステップ3演出でも行うようにしたが、特別入賞役の当選が確定したときにだけ進展するステップ4演出でのみ行うようにしても良い。また、ステップアップ演出は、ステップ1演出から順にステップ2演出、ステップ3演出、ステップ4演出と進展していく場合に限らず、例えば、ステップ1演出からステップ3演出へ、ステップ2演出からステップ4演出へと、ステップを飛ばすようにしても良い。かかる場合、特別入賞役の当選に対する期待度が高いほどステップを飛ばす演出が行われ易くし、特別入賞役の当選が確定した場合にのみステップ4演出へ進展するようにする。また、ステップを飛ばしてステップ4演出へ進展した場合には、画像表示装置3の表示画面にてプレミア確定演出は行わずに通常のボーナス確定演出を行う。
図36には、上述したステップアップ演出(フリーズ演出)の変形例が示されている。なお、ステップ演出が進展していく場合のみを例示し、ステップ演出が進展していく途中で終了する場合の例示は省略している。
図36(a)に示されているように、フリーズ演出が開始されると、画像表示装置3の表示画面が突然暗転する。そして、図36(b)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動(前向き状態に変換)して、当該表示画面にはステップ1演出に関するステップ1演出画像が表示される。ここまでは、上述したステップアップ演出(フリーズ演出)の演出態様と同様である。
そして、図36(c)に示されているように、ステップ1演出画像の表示が終了すると、上部サブ表示装置225はもとの位置(下向き状態)に戻った後、遮蔽部221a2によって視認が規制された状態で収納空間部221a1の左側へ水平移動するようになっている。そして、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示がなされる。
次いで、フリーズ演出が継続する場合は、図36(d)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように、上部サブ表示装置225は収納空間部221a1の左側の位置で軸部材225aを中心に回動する。つまり、上部サブ表示装置225の表示画面はこのとき画像表示装置3の左側前方にて視認されるようになっている。そして、当該表示画面にはステップ2演出に関するステップ2演出画像が表示される。そして、図36(e)に示されているように、ステップ2演出画像の表示が終了すると、上部サブ表示装置225はもとの位置に戻った後、遮蔽部221a2によって視認が規制された状態で収納空間部221a1の右側へ水平移動するようになっている。そして、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示がなされる。
次いで、フリーズ演出が継続する場合は、図36(f)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように、上部サブ表示装置225は収納空間部221a1の右側の位置で軸部材225aを中心に回動する。つまり、上部サブ表示装置225の表示画面はこのとき画像表示装置3の右側前方にて視認されるようになっている。そして、当該表示画面にはステップ3演出に関するステップ3演出画像が表示される。また、ステップ3演出では、可動演出装置226が上部サブ表示装置225の背面側から視認可能となるように下方へ移動した後、可動演出装置226が上下に振動(揺動)する演出がなされる。そして、図36(g)に示されているように、ステップ3演出画像の表示が終了すると、上部サブ表示装置225はもとの位置に戻った後、遮蔽部221a2によって視認が規制された状態で収納空間部221a1の中央へ水平移動するようになっている。そして、画像表示装置3の表示画面に閃光が発光するような演出表示がなされる。
次いで、フリーズ演出が継続する場合は、図36(h)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように、上部サブ表示装置225は収納空間部221a1の中央の位置で軸部材225aを中心に回動する。つまり、上部サブ表示装置225の表示画面はこのとき画像表示装置3の中央前方にて視認されるようになっている。そして、当該表示画面にはステップ4演出に関するステップ4演出画像が表示される。また、ステップ4演出では、ステップ3演出と同様、可動演出装置226が上部サブ表示装置225の背面側から視認可能となるように下方へ移動した後、可動演出装置226が上下に振動する演出がなされる。
なお、上部サブ表示装置225の出現パターンを複数設定しておき、特別入賞役の当選に対する期待度に応じて、当該出現パターンを変えるようにしても良い。例えば、ステップ2演出において、期待度が低い場合には、上部サブ表示装置225の表示画面が画像表示装置3の左側前方にて視認されるように上部サブ表示装置225を出現させる。一方、期待度が高い場合には、上部サブ表示装置225の表示画面が画像表示装置3の右側前方にて視認されるように、上部サブ表示装置225を出現させるようにする。
また、ステップ演出が終了する毎に一旦上部サブ表示装置225をもとの位置へ復帰させるようにしたが、これに限らず、上部サブ表示装置225の表示画面を視認可能な状態のままにして、ステップ演出が進展していく毎に上部サブ表示装置225を左右方向にスライド移動させて、ステップアップ演出画像を表示するようにしても良い。
また、フリーズ演出中にリール6の回転動作による演出を行っても良いし、側部サブ表示装置310の表示画面にもステップアップ演出画像を表示するようにしても良い。
〔ゲーム演出決定処理〕
図37には、図26に示された演出制御処理におけるゲーム演出決定処理が示されている。このゲーム演出決定処理では、まず、ボーナス中(特別遊技状態中)であるかを判定する(ステップS261)。ボーナス中である場合(ステップS261;Y)は、ボーナスに対応する演出を決定するボーナス中演出決定処理(ステップS262)を行い、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ボーナス中でない場合(ステップS261;N)は、ボーナス確定フリーズがあるかを判定する(ステップS263)。
ボーナス確定フリーズがある場合(ステップS263;Y)は、当該ボーナス確定フリーズ演出の終了後におけるプレミア確定演出の実行をセットし(ステップS264)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ボーナス確定フリーズがない場合(ステップS263;N)は、連続演出中であるかを判定する(ステップS265)。
連続演出中である場合(ステップS265;Y)は、連続演出が行われるゲームのうちの最後のゲームである継続最終ゲームであるかを判定する(ステップS266)。継続最終ゲームである場合(ステップS266;Y)は、ボーナス当選の有無に応じた最終演出の実行をセットし(ステップS267)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、継続最終ゲームでない場合(ステップS266;N)は、設定済みの連続演出の次のステップの演出の実行をセットし(ステップS268)、ゲーム演出決定処理を終了する。
また、連続演出中でない場合(ステップS265;N)は、ボーナス入賞当選フラグの持越中、すなわち特別入賞役に内部当選したゲームの次以降のゲームであって当該特別入賞役が成立していないゲーム中であるかを判定する(ステップS269)。
ボーナス入賞当選フラグの持越中でない場合(ステップS269;N)は、抽選結果コマンドに対応する演出種別決定テーブル(図38(a)参照)をセットする(ステップS270)。そして、演出種別決定テーブルから抽選結果に対応する演出種別を決定する(ステップS271)。そして、演出種別及び抽選結果に対応する演出態様を決定し(ステップS272)、決定された演出種別及び演出態様による演出の実行をセットして(ステップS273)、ゲーム演出決定処理を終了する。
また、ボーナス入賞当選フラグの持越中である場合(ステップS269;Y)は、ボーナス確定演出の実行をセットし(ステップS274)、今回の内部抽選の結果がハズレ当選であるかを判定する(ステップS275)。
今回の内部抽選の結果がハズレ当選である場合(ステップS275;Y)は、持ち越されている入賞当選フラグの種類(成立可能な特別入賞役の種類)を報知するボーナス種別告知演出をボーナス確定演出にプラスする処理を行い(ステップS276)、ゲーム演出決定処理を終了する。また、ハズレ当選でない場合(ステップS275;N)は、今回当選した小役入賞役の種類を報知する当選小役報知演出をボーナス確定演出にプラスする処理(ステップS277)を行い、ゲーム演出決定処理を終了する。なお、当選小役報知演出では小役の種類までは報知せず、小役に当選したことのみを報知するようにしても良い。
図38(a)には、演出種別決定テーブルの一例が示されている。演出(示唆演出)の種別には、1ゲームで完結する単発演出と、3ゲームに亘って行われる3連続演出と、4ゲームに亘って行われる4連続演出と、5ゲームに亘って行われる5連続演出と、特別入賞役に当選したことをゲームの開始時に報知する一発前告知演出と、特別入賞役に当選したことを全リール6a,6b,6cが停止した段階で報知する一発後告知演出と、がある。
図38(a)に示されているように、通常遊技状態において、外れに当選、通常入賞役に当選、又はSIN-B入賞役に当選したときは、単発演出のみが行われるようになっている。
また、通常遊技状態において、レア役(レア小役)に当選したときは、単発演出が20%、3連続演出が45%、4連続演出が35%の割合で行われるようになっている。
また、通常遊技状態において、RB入賞役と小役(レア小役)とが重複当選したときは、単発演出が10%、3連続演出が20%、4連続演出が50%、5連続演出が20%の割合で行われるようになっている。
また、通常遊技状態において、BB入賞役と小役(レア小役)とが重複当選したときは、単発演出が5%、3連続演出が10%、4連続演出が35%、5連続演出が40%、一発前告知演出が5%、一発後告知演出が5%の割合で行われるようになっている。
また、通常遊技状態において、ボーナス(RB、S-BB、N-BB)入賞役に単独当選したときは、一発前告知演出が50%、一発後告知演出が50%の割合で行われるようになっている。
なお、一発前告知演出及び一発後告知演出は、単発演出であるメイン表示器演出1(後述)とともに行われるものとする。つまり、一発前告知演出及び一発後告知演出は、メイン表示器演出1以外の単発演出では行われないようになっている。
確変遊技状態において、外れに当選、通常入賞役に当選、又はSIN-B入賞役に当選したときは、通常遊技状態のときと同様、単発演出のみが行われるようになっている。
また、確変遊技状態において、レア役(レア小役)に当選したときは、単発演出が50%、3連続演出が50%の割合で行われるようになっている。
また、確変遊技状態において、ボーナス入賞役と小役(レア小役)とが重複当選したときは、3連続演出が20%、4連続演出が20%、5連続演出が20%、一発前告知演出が20%、一発後告知演出が20%の割合で行われるようになっている。
また、確変遊技状態において、ボーナス(RB、S-BB、N-BB)入賞役に単独当選したときは、通常遊技状態のときと同様、一発前告知演出が50%、一発後告知演出が50%の割合で行われるようになっている。
図38(b)には、単発演出態様決定テーブルの一例が示されている。単発演出の演出態様には、画像表示装置3のみで行うメイン表示器演出1、2と、画像表示装置3及び側部サブ表示装置310で行うメイン&第1サブ複合演出1、2と、画像表示装置3及び導光パネル223で行うメイン&導光板演出と、画像表示装置3及び上部サブ表示装置225で行うメイン&第2サブ複合演出と、がある。
単発演出は、演出態様ごとに特別入賞役の当選に対する期待度が設定されている。具体的には、メイン表示器演出1→メイン表示器演出2→メイン&第1サブ複合演出1→メイン&第1サブ複合演出2→メイン&導光板演出→メイン&第2サブ複合演出の順に期待度が高くなるような設定がなされている。
メイン表示器演出1及びメイン&第1サブ複合演出1は、演出ボタン10の操作の有無に係らず演出が行われるようになっている。一方、メイン表示器演出2、メイン&第1サブ複合演出2、メイン&導光板演出、及びメイン&第2サブ複合演出は、演出ボタン10の操作により演出態様が変化するようになっている。
図38(b)に示されているように、外れに当選したときは、メイン表示器演出1が95%、メイン&第1サブ複合演出1が5%の割合で行われるようになっている。
また、通常入賞役に当選したときは、メイン表示器演出1が60%、メイン表示器演出2が30%、メイン&第1サブ複合演出1が5%、メイン&第1サブ複合演出2が5%の割合で行われるようになっている。
また、SIN-B入賞役に当選したときは、メイン表示器演出1のみが行われるようになっている。
また、レア役(レア小役)に単独当選したときは、メイン表示器演出1が20%、メイン表示器演出2が25%、メイン&第1サブ複合演出1が20%、メイン&第1サブ複合演出2が25%、メイン&導光板演出が5%、メイン&第2サブ複合演出が5%の割合で行われるようになっている。
また、ボーナス入賞役と小役(レア小役)とが重複当選したときは、メイン表示器演出1が5%、メイン表示器演出2が15%、メイン&第1サブ複合演出1が20%、メイン&第1サブ複合演出2が20%、メイン&導光板演出が20%、メイン&第2サブ複合演出が20%の割合で行われるようになっている。
なお、レア役(レア小役)に単独当選したとき、及び、ボーナス入賞役と小役(レア小役)とが重複当選したときは、当該レア小役の種類に応じて演出態様の振分率を変えるようにしても良い。かかる場合、重複当選の期待度の高い役(図17(b)参照)ほど高期待度の演出態様に振り分けられる確率が高くなるようにする。
図38(c)には、連続演出態様決定テーブルの一例が示されている。連続演出の演出態様には、単発演出とは異なり、画像表示装置3のみで行う演出は無く、画像表示装置3及び側部サブ表示装置310で行うメイン&第1サブ複合連続演出1、2と、画像表示装置3及び導光パネル223で行うメイン&導光板複合連続演出1、2と、画像表示装置3、側部サブ表示装置310及び上部サブ表示装置225で行うメイン&第1,2サブ複合連続演出と、がある。
連続演出は、単発演出と同様に演出態様ごとに特別入賞役の当選に対する期待度が設定されている。具体的には、メイン&第1サブ複合連続演出1→メイン&第1サブ複合連続演出2→メイン&導光板複合連続演出1→メイン&導光板複合連続演出2→メイン&第1,2サブ複合連続演出の順に期待度が高くなるような設定がなされている。
メイン&第1サブ複合連続演出1、メイン&導光板複合連続演出1、及びメイン&第1,2サブ複合連続演出は、演出ボタン10の操作の有無に係らず演出が行われるようになっている。一方、メイン&第1サブ複合連続演出2、及びメイン&導光板複合連続演出2は、演出ボタン10の操作により演出態様が変化するようになっている。
図38(c)に示されているように、レア役に当選したときは、メイン&第1サブ複合連続演出1が40%、メイン&第1サブ複合連続演出2が30%、メイン&導光板複合連続演出1が20%、メイン&導光板複合連続演出2が10%の割合で行われるようになっている。
また、ボーナス入賞役と小役とが重複当選したときは、メイン&第1サブ複合連続演出1が10%、メイン&第1サブ複合連続演出2が20%、メイン&導光板複合連続演出1が30%、メイン&導光板複合連続演出2が30%、メイン&第1,2サブ複合連続演出が10%の割合で行われるようになっている。
図39(a1)には、メイン表示器演出1(Vタッチ示唆なし)の演出態様例が示されている。ここで、Vタッチ示唆とは、第1タッチ示唆表示部9g及び第2タッチ示唆表示部32の近傍へ手を翳すことを促す演出表示を意味する。
図39(a1)に示されているように、メイン表示器演出1(Vタッチ示唆なし)は、例えば、画像表示装置3の表示画面に「小役(通常入賞役)」アイコンと、「レア役(レア小役)」アイコンと、「V(特別入賞役)?」アイコンを表示することによって、各アイコンが示す入賞役の何れかに当選しているかも知れないことを予告(示唆)する演出になっている。なお、ゲームの抽選結果に応じて、アイコンの数や種類を異ならせることが可能となっている。
図39(a2)には、メイン表示器演出1(Vタッチ示唆あり)の演出態様例が示されている。
図39(a2)に示されているように、メイン表示器演出1(Vタッチ示唆あり)は、例えば、画像表示装置3の表示画面の左側領域に「外れ」アイコンを表示するとともに、右側領域に「小役(通常入賞役)」アイコンを表示することによって、各アイコンが示す役の何れかに当選しているかも知れないことを予告(示唆)する演出になっている。また、画像表示装置3の表示画面の中央領域に「Vタッチ!」アイコンを表示することによって、第1タッチ示唆表示部9g及び第2タッチ示唆表示部32の近傍に手を翳すよう促す演出になっている。
なお、「Vタッチ!」アイコンの表示は、特別入賞役の単独当選等により一発前告知の設定がなされた場合のほか外れ当選している場合にも表示可能であるが、外れ当選している場合は、「Vタッチ!」アイコンが表示されて実際に第1タッチ示唆表示部9g及び第2タッチ示唆表示部32の近傍に手を翳したとしても一発告知表示部9fは点灯しないようになっている。
図39(b1),(b2)には、メイン表示器演出2の演出態様例が示されている。
図39(b1)に示されているように、メイン表示器演出2が行われると、画像表示装置3の表示画面に演出ボタン10を模した画像が表示されるとともに、演出ボタン10の押下操作を促す表示(例えば「ボタンを押せ!!操作タイミングによって画像が変わるぞ!」)がなされる。これにより、演出制御装置70及び画像表示装置3は、演出ボタン10の操作時期に応じて遊技演出の演出態様が異なることを示唆する示唆演出を実行することが可能な示唆演出実行手段をなす。
そして、演出ボタン10の押下操作がなされると、図39(b2)に示されているように、画像表示装置3の表示画面にそれまで表示されていた画像に割り込むようにしてカットイン画像が表示される。カットイン画像には3種類(Lv1〜3)あり、メイン表示器演出2では、カットイン画像Lv1又は2を表示可能となっている。この「Lv(レベル)」は特別入賞役の当選に対する期待度を表したものであり、レベルの高さに対応して期待度も高くなるように設定されている。また、メイン表示器演出2では、期待度の高さとは関係のないキャラクタA〜Cの何れかが演出ボタン10の操作タイミングに応じてカットイン画像に登場するようになっている。さらに、メイン表示器演出2では、カットイン画像のフレームの色や模様によっても期待度を示唆することが可能となっている。これにより、遊技演出(カットイン演出)の演出態様は複数種類設定され、当該演出態様にはそれぞれ特別遊技状態の発生に対する期待度が設定されていることとなる。
図40(a1),(a2)には、メイン&第1サブ複合演出1の演出態様例が示されている。
図40(a1)に示されているように、メイン&第1サブ複合演出1は、例えば、画像表示装置3の表示画面に「外れ」アイコンと、「小役(通常入賞役)」アイコンと、「レア役(レア小役)」アイコンを表示することによって、各アイコンが示す役の何れかに当選しているかも知れないことを予告(示唆)する演出になっている。なお、ゲームの抽選結果に応じて、アイコンの数や種類を異ならせることが可能となっている。
また、図40(a2)に示されているように、メイン&第1サブ複合演出1が開始されると、画像表示装置3の表示画面に表示された予告演出と関連した予告演出画像が側部サブ表示装置310の表示画面に表示される。また、側部サブ表示装置310は液晶用表示窓9dの上端位置まで移動し、このとき視認可能状態となった第1期待度表示部340が点灯した状態となる。第1期待度表示部340は視認可能状態となる前から点灯させておくことが望ましいが、視認可能状態となった後に点灯させるようにしても良い。
ここで、演出制御装置70は、表示装置(画像表示装置3、側部サブ表示装置310)における表示を制御する表示制御手段をなし、画像表示装置3でゲームの演出を実行することが可能な演出実行手段、及び側部サブ表示装置310に前記ゲームの演出画像を表示させることが可能な演出画像表示制御手段をなすとも言える。そして、前記ゲームの実行時には側部サブ表示装置310を第2位置(液晶用表示窓9dの下端位置)よりも画像表示装置3に近い液晶用表示窓9dの上端位置に配置することとなる。
図40(b1),(b2)には、メイン&第1サブ複合演出2の演出態様例が示されている。
図40(b1)に示されているように、メイン&第1サブ複合演出2が行われると、画像表示装置3の表示画面に演出ボタン10を模した画像が表示されるとともに、演出ボタン10の押下操作を促す表示(例えば「ボタンを押せ!!操作タイミングによって画像が変わるぞ!」)がなされる。演出ボタン10を模した画像には、大小2つの画像があり、画像表示装置3の表示画面に表示される演出ボタン10を模した画像の大きさによって、特別入賞役の当選に対する期待度を示唆することが可能となっている。
そして、演出ボタン10の押下操作がなされると、図40(b2)に示されているように、画像表示装置3の表示画面にそれまで表示されていた画像に割り込むようにしてカットイン画像が表示される。メイン&第1サブ複合演出2では、カットイン画像Lv2又は3を表示可能となっている。また、メイン&第1サブ複合演出2では、メイン表示器演出2と同様、期待度の高さとは関係のないキャラクタA〜Cの何れかが演出ボタン10の操作タイミングに応じてカットイン画像に登場するようになっている。さらに、カットイン画像のフレームの色や模様によっても期待度を示唆することが可能となっている。
また、図40(b3)に示されているように、メイン&第1サブ複合演出2が行われ、演出ボタン10の押下操作がなされると、画像表示装置3の表示画面に表示されたカットイン画像と関連した予告演出画像が側部サブ表示装置310の表示画面に表示される。また、側部サブ表示装置310は液晶用表示窓9dの上端位置又は下端位置まで移動し、このとき視認可能状態となった第1期待度表示部340又は第2期待度表示部350が点灯した状態となる。第1期待度表示部340及び第2期待度表示部350は視認可能状態となる前から点灯させておくことが望ましいが、視認可能状態となった後に点灯させるようにしても良い。
図41(a1),(a2)には、メイン&導光板演出の演出態様例が示されている。
図41(a1)に示されているように、メイン&導光板演出が行われると、画像表示装置3の表示画面に演出ボタン10を模した画像が表示されるとともに、演出ボタン10の押下操作を促す表示(例えば「ボタンを押せ!!操作タイミングによって画像が変わるぞ!」)がなされる。演出ボタン10を模した画像には、大小2つの画像があり、画像表示装置3の表示画面に表示される演出ボタン10を模した画像の大きさによって、特別入賞役の当選に対する期待度を示唆することが可能となっている。
そして、演出ボタン10の押下操作がなされると、図41(a2)に示されているように、画像表示装置3の表示画面にそれまで表示されていた画像に割り込むようにしてカットイン画像が表示される。メイン&導光板演出では、カットイン画像Lv2又は3を表示可能となっている。また、メイン&導光板演出では、メイン表示器演出2やメイン&第1サブ複合演出2と同様、期待度の高さとは関係のないキャラクタA〜Cの何れかが演出ボタン10の操作タイミングに応じてカットイン画像に登場するようになっている。さらに、カットイン画像のフレームの色や模様によっても期待度を示唆することが可能となっている。
また、導光パネル223の左側領域及び右側領域に対して光が照射されることにより、当該領域に「がやがや」の文字が発光表示される。メイン&導光板演出では、導光パネル223に表示される文字の発光色によっても期待度を示唆することが可能となっている。なお、導光パネル223の左側領域及び右側領域は画像表示装置3の表示画面に表示されるカットイン画像を遮らないようになっている。
図41(b1),(b2)には、メイン&第2サブ複合演出の演出態様例が示されている。
図41(b1)に示されているように、メイン&第2サブ複合演出が行われると、画像表示装置3の表示画面に演出ボタン10を模した画像が表示されるとともに、演出ボタン10の押下操作を促す表示(例えば「ボタンを押せ!!操作タイミングによって画像が変わるぞ!」)がなされる。演出ボタン10を模した画像には、大小2つの画像があり、画像表示装置3の表示画面に表示される演出ボタン10を模した画像の大きさによって、特別入賞役の当選に対する期待度を示唆することが可能となっている。
そして、演出ボタン10の押下操作がなされると、図41(b2)に示されているように、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225を移動(前向き状態に変換)させることにより画像表示装置3の表示画面の一部が遮られるようになっている。そして、画像表示装置3の表示画面にそれまで表示されていた画像に割り込むようにして、上部サブ表示装置225の表示画面にカットイン画像が表示される。メイン&第2サブ複合演出では、カットイン画像Lv3のみ表示可能となっている。また、メイン&第2サブ複合演出では、メイン表示器演出2やメイン&第1サブ複合演出2、メイン&導光板演出と同様、期待度の高さとは関係のないキャラクタA〜Cの何れかが演出ボタン10の操作タイミングに応じてカットイン画像に登場するようになっている。
図42(a)には、画像表示装置3(メイン表示器)での連続演出の演出態様例が示されている。
図42(a)に示されているように、3連続演出の場合は、1番目のゲーム(第1ゲーム)を実行しているときに画像表示装置3の表示画面に初回シーンが表示され、2番目のゲーム(第2ゲーム)を実行しているときに第2シーンが表示され、3番目のゲーム(第3ゲーム)を実行しているときに最終シーンが表示される。また、4連続演出の場合は、1番目のゲーム(第1ゲーム)を実行しているときに初回シーンが表示され、2番目のゲーム(第2ゲーム)を実行しているときに第2シーンが表示され、3番目のゲーム(第3ゲーム)を実行しているときに第3シーンが表示され、4番目のゲーム(第4ゲーム)を実行しているときに最終シーンが表示される。また、5連続演出の場合は、1番目のゲーム(第1ゲーム)を実行しているときに初回シーンが表示され、2番目のゲーム(第2ゲーム)を実行しているときに第2シーンが表示され、3番目のゲーム(第3ゲーム)を実行しているときに第3シーンが表示され、4番目のゲーム(第4ゲーム)を実行しているときに第4シーンが表示され、5番目のゲーム(第5ゲーム)を実行しているときに最終シーンが表示される。
なお、操作演出を有するメイン&第1サブ複合連続演出2及びメイン&導光板複合連続演出2の場合、最終シーンにおいて演出ボタン10の押下操作がなされると、画像表示装置3の表示画面にカットイン画像が表示されるようになっている。
図42(b)には、側部サブ表示装置310(第1サブ表示器)での連続演出の演出態様例が示されている。
図42(b)に示されているように、3連続演出の場合は、第1ゲームを実行しているときに側部サブ表示装置310の表示画面に「カウント1」が表示され、第2ゲームを実行しているときに「カウント2」が表示され、第3ゲームを実行しているときに「カウント3」が表示される。また、4連続演出の場合は、第1ゲームで「カウント1」が表示され、第2ゲームで「カウント2」が表示され、第3ゲームで「カウント3」が表示され、第4ゲームで「カウント4」が表示される。また、5連続演出の場合は、第1ゲームで「カウント1」が表示され、第2ゲームで「カウント2」が表示され、第3ゲームで「カウント3」が表示され、第4ゲームで「カウント4」が表示され、第5ゲームで「カウント5」が表示される。
図42(c)には、導光パネル223(導光板)での連続演出の演出態様例が示されている。
図42(c)に示されているように、3連続演出の場合は、第1ゲームを実行しているときに導光パネル223の左側領域を発光させ、第2ゲームを実行しているときに右側領域を発光させ、第3ゲームを実行しているときに左側領域及び右側領域を発光させる。また、4連続演出の場合は、第1ゲームで左側領域を発光させ、第2ゲームで右側領域を発光させ、第3ゲームで左側領域及び右側領域を発光させ、第4ゲームでも左側領域及び右側領域を発光させる。また、5連続演出の場合は、第1ゲームで左側領域を発光させ、第2ゲームで右側領域を発光させ、第3ゲームで左側領域及び右側領域を発光させ、第4ゲームでも左側領域及び右側領域を発光させ、第5ゲームで全領域を発光させる。
図42(d)には、上部サブ表示装置225(第2サブ表示器)での連続演出の演出態様例が示されている。
図42(d)に示されているように、3連続演出の場合は、第1ゲーム及び第2ゲームでは上部サブ表示装置225による演出は行わず、第3ゲームでカットイン動作演出を行う。カットイン動作演出とは、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225を移動させることにより画像表示装置3の表示画面の一部が遮られた後、画像表示装置3の表示画面にそれまで表示されていた画像に割り込むようにして、上部サブ表示装置225の表示画面にカットイン画像を表示する演出である。
また、4連続演出の場合は、第1〜3ゲームでは上部サブ表示装置225による演出は行わず、第4ゲームでカットイン動作演出を行う。また、5連続演出の場合は、第1〜4ゲームでは上部サブ表示装置225による演出は行わず、第5ゲームでSPカットイン動作演出を行う。SPカットイン動作演出とは、通常のカットイン動作演出に加えて、可動演出装置226を上部サブ表示装置225の背面側から視認可能となるように下方へ移動させた後、可動演出装置226を上下に振動させる演出である。
なお、図42(a)〜(d)には、画像表示装置3、側部サブ表示装置310、導光パネル223、及び上部サブ表示装置225について単体の連続演出態様が示されているが、例えば、メイン&第1サブ複合連続演出(3連続演出)が行われる場合には、図42(a)の画像表示装置3による3連続演出と、図42(b)の側部サブ表示装置310による3連続演出とが並行して(同時又は時期をずらして)行われるようになっている。
また、メイン&導光板複合連続演出(3連続演出)が行われる場合には、図42(a)の画像表示装置3による3連続演出と、図42(c)の導光パネル223による3連続演出とが並行して行われるようになっている。
また、メイン&第1・2サブ複合連続演出(3連続演出)が行われる場合には、図42(a)の画像表示装置3による3連続演出と、図42(b)の側部サブ表示装置310による3連続演出と、図42(d)の上部サブ表示装置225による3連続演出とが並行して行われるようになっている。
〔ゲーム演出制御処理〕
図43には、図26に示された演出制御処理におけるゲーム演出制御処理が示されている。このゲーム演出制御処理では、まず、ボーナス中(特別遊技状態中)であるかを判定する(ステップS281)。ボーナス中である場合(ステップS281;Y)は、ボーナス中演出処理(ステップS282)を行った後、確変決定演出部400によるルーレット演出処理(ステップS283)を行い、ゲーム演出制御処理を終了する。また、ボーナス中でない場合(ステップS281;N)は、プレミア確定演出の設定があるかを判定する(ステップS284)。
プレミア確定演出の設定がある場合(ステップS284;Y)は、プレミア確定演出処理(ステップS285)を行い、ゲーム演出制御処理を終了する。また、プレミア確定演出の設定がない場合(ステップS284;N)は、示唆演出の設定があるかを判定する(ステップS286)。
示唆演出の設定がある場合(ステップS286;Y)は、示唆演出処理(ステップS287)を行い、ゲーム演出制御処理を終了する。また、示唆演出の設定がない場合(ステップS286;N)は、連続演出の設定があるかを判定する(ステップS288)。
連続演出の設定がある場合(ステップS288;Y)は、連続演出処理(ステップS289)を行い、ゲーム演出制御処理を終了する。また、連続演出の設定がない場合(ステップS288;N)は、確定演出の設定があるかを判定する(ステップS290)。
確定演出の設定がある場合(ステップS290;Y)は、ボーナス確定演出処理(ステップS291)を行い、ゲーム演出制御処理を終了する。また、確定演出の設定がない場合(ステップS290;N)は、ゲーム演出制御処理を終了する。
〔示唆演出処理〕
図44には、図43に示されたゲーム演出制御処理における示唆演出処理が示されている。この示唆演出処理では、まず、決定済みの示唆演出態様をチェックし(ステップS301)、演出ボタン10の操作による操作演出があるかを判定する(ステップS302)。
操作演出がある場合(ステップS302;Y)は、演出ボタン10の操作有効タイミングであるかを判定する(ステップS303)。操作有効タイミングである場合(ステップS303;Y)は、示唆演出態様に応じて操作示唆画像を決定して画像表示装置3に表示する(ステップS304)。また、操作有効タイミングでない場合(ステップS303;N)は、ステップS304をスキップしてステップS305へ移行する。
ステップS305では、演出ボタン10の操作有効期間中であるかを判定する(ステップS305)。操作有効期間中でない場合(ステップS305;N)は、ステップS313へ移行する。また、操作有効期間中である場合(ステップS305;Y)は、演出ボタン10の操作があるかを判定する(ステップS306)。
演出ボタン10の操作がない場合(ステップS306;N)は、ステップS313へ移行する。また、演出ボタン10の操作がある場合(ステップS306;Y)は、操作タイミングと抽選結果に応じたカットイン演出態様を決定する(ステップS307)。
これにより、演出制御装置70は、ゲームの実行中の演出ボタン10の操作に基づき所定の遊技演出を実行することが可能な遊技演出実行手段をなすとともに、演出ボタン10の操作時期に応じて演出制御装置70が実行する遊技演出の演出態様を異ならせることが可能な演出態様変更手段をなす。
次いで、導光パネル(導光板)223による演出があるかを判定する(ステップS308)。導光パネル223による演出がない場合(ステップS308;N)は、ステップS310へ移行する。また、導光パネル223による演出がある場合(ステップS308;Y)は、抽選結果に応じた導光板演出態様を決定する(ステップS309)。
次いで、側部サブ表示装置310や上部サブ表示装置225によるサブ表示器演出があるかを判定する(ステップS310)。サブ表示器演出がない場合(ステップS310;N)は、ステップS312へ移行する。また、サブ表示器演出がある場合(ステップS310;Y)は、抽選結果に応じた表示器動作態様を決定し(ステップS311)、ステップS307、S309、S311で決定した態様で示唆演出を実行する(ステップS312)。
次いで、演出ボタン10の操作有効期間が終了したかを判定する(ステップS313)。操作有効期間が終了していない場合(ステップS313;N)は、ステップS315へ移行する。また、操作有効期間が終了した場合(ステップS313;Y)は、操作示唆画像の表示を消去する(ステップS314)。そして、ゲームが終了したかを判定する(ステップS315)。ゲームが終了していない場合(ステップS315;N)は、ステップS301に戻る。また、ゲームが終了した場合(ステップS315;Y)は、示唆演出処理を終了する。
また、ステップS302で、操作演出がない場合(ステップS302;N)は、演出開始タイミングであるかを判定する(ステップS316)。演出開始タイミングでない場合(ステップS316;N)は、ステップS323へ移行する。また、演出開始タイミングである場合(ステップS316;Y)は、一発告知設定があるかを判定する(ステップS317)。
一発告知設定がある場合(ステップS317;Y)は、タッチ示唆画像を含む予告演出態様を決定し(ステップS318)、ステップS320へ移行する。また、一発告知設定がない場合(ステップS317;N)は、抽選結果に応じて予告演出態様を決定し(ステップS319)、ステップS320へ移行する。
ステップS320では、側部サブ表示装置310や上部サブ表示装置225によるサブ表示器演出があるかを判定する(ステップS320)。サブ表示器演出がない場合(ステップS320;N)は、ステップS322へ移行する。また、サブ表示器演出がある場合(ステップS320;Y)は、抽選結果に応じた表示器動作態様を決定し(ステップS321)、ステップS318、S319、S321で決定した態様で示唆演出を実行する(ステップS322)。
次いで、演出更新タイミングであるかを判定する(ステップS323)。演出更新タイミングでない場合(ステップS323;N)は、ステップS325へ移行する。また、演出更新タイミングである場合(ステップS323;Y)は、実行中の示唆演出の演出態様を更新する(ステップS324)。
次いで、一発告知設定があるかを判定する(ステップS325)。一発告知設定がない場合(ステップS325;N)は、ステップS315へ移行する。また、一発告知設定がある場合(ステップS325;Y)は、一発告知演出処理(ステップS326)を行い、ステップS315へ移行する。
図45(a)には、演出ボタン10の操作タイミングとカットイン演出の演出態様との関係が示されている。
図45(a)に示されているように、スタートレバー21の操作によりゲームが開始すると、例えば画像表示装置3には演出ボタン10の押下を促す操作示唆画像表示がなされる(図39(b1)参照)。そして、リールストップボタン24a,24b,24cがすべて停止操作される前、すなわち、リール6a,6b,6cがすべて停止する前に演出ボタン10の押下操作がされず、リール6a,6b,6cがすべて停止した場合、カットイン演出は行われないようになっている。
一方、すべてのリール6a,6b,6cが回転している期間(T1)に演出ボタン10の押下操作がされた場合、キャラクタAが登場するカットイン演出が行われるようになっている。また、第1停止操作により一のリール6が停止し、残り2つのリール6が回転している期間(T2)に演出ボタン10の押下操作がされた場合、キャラクタBが登場するカットイン演出が行われるようになっている。また、第2停止操作により一のリール6が停止し、残り1つのリール6が回転している期間(T3)に演出ボタン10の押下操作がされた場合、キャラクタCが登場するカットイン演出が行われるようになっている。演出ボタン10の押下操作のタイミングに応じてカットイン演出で登場するキャラクタが異なるがキャラクタの違いによって期待度(例えば特別入賞役の当選に対する期待度)は変わらないようになっている。
これにより、演出制御装置70は、演出ボタン10が操作された際のゲームの進行状態に応じて遊技演出の演出態様を異ならせたこととなる。
なお、リール6a,6b,6cがすべて停止した後の期間(T4)も演出ボタン10の操作を有効とし、この期間(T4)に演出ボタン10の押下操作があった場合には、ゲームの抽選結果を確定的に示唆するカットイン演出を行うようにしても良い。
図45(b)には、キャラクタBが登場するカットイン演出の演出態様の一例が示されている。
図45(b)に示されているように、第1停止操作により左リール6aが停止し、中リール6b、及び右リール6cが回転している期間(T2)に演出ボタン10の押下操作がされた場合、画像表示装置3においてキャラクタBが登場するカットイン演出が行われるようになっている。また、サブ表示器演出がある場合(メイン&第1サブ複合演出2の場合)には、例えば、液晶用表示窓9dの上端位置まで側部サブ表示装置310を移動させ、側部サブ表示装置310の表示画面で予告演出の表示を行うようになっている。また、側部サブ表示装置310を上方に移動させたことにより出現する第1期待度表示部340を点灯させるようになっている。
なお、カットイン演出では、既に停止しているリール6の停止出目(停止態様)に応じてカットイン演出の演出態様を変更するようにしても良い。例えば、特別入賞役の当選が確定したことを示す激アツ目(リーチ目)が導出されている場合に当該当選を確定的に示唆する確定カットイン演出を行ったり、レア役の当選が確定したことを示すチャンス目が導出されている場合に通常よりも期待度の高いカットイン演出を行う。
これにより、遊技演出(カットイン演出)の演出態様は複数種類設定され、当該演出態様にはそれぞれ特別遊技状態の発生に対する期待度が設定されていることとなる。また、演出制御装置70は、演出ボタン10が操作された際に停止しているリールの停止出目に応じて遊技演出(カットイン演出)の演出態様を異ならせたこととなる。
図46(a)には、画像表示装置3において行われる連続演出(メイン表示器の連続演出)の変形例が示されている。当該変形例の連続演出は、演出ボタン10の操作に応じてストーリー展開が変化するようになっている。
図46(a)に示されているように、例えば、5連続演出が行われる場合、ストーリー分岐可能期間中に演出ボタン10の押下操作があるとその後のシーンが変わるようになっている。具体的には、ストーリー分岐可能期間中に演出ボタン10の押下操作がない場合、5連続演出は、初回シーン、第2シーンA、第3シーンA、第4シーンA、そして最終シーンとストーリーが展開していくこととなる。一方、初回シーンが画像表示装置3に表示される第1ゲームのストーリー分岐可能期間中に演出ボタン10の押下操作がなされた場合、その後、第2シーンB、第3シーンB、第4シーンB、そして最終シーンとストーリーが展開していくこととなる。また、第2シーンAが画像表示装置3に表示される第2ゲームのストーリー分岐可能期間中に演出ボタン10の押下操作がなされた場合、その後、第3シーンC、第4シーンC、そして最終シーンとストーリーが展開していくこととなる。なお、最終シーンは、ストーリー展開に応じて変更するようにしても良い。
これにより、演出制御装置70及び画像表示装置3は、複数回のゲームにわたって継続して所定の演出を行う連続演出を実行することが可能な連続演出実行手段をなし、演出制御装置70は、連続演出の実行中の演出ボタン10の操作に基づき当該連続演出の演出態様を変更することが可能な連続演出態様変更手段をなす。また、演出制御装置70は、連続演出が開始されてからのゲームの回数に応じて変更する演出態様を異ならせたこととなる。
図46(b1)〜(b5)には、第2シーンAが表示される第2ゲームのストーリー分岐可能期間中に演出ボタン10の押下操作がなされた場合の連続演出(5連続演出)の演出態様の一例が示されている。
図46(b1)に示されているように、初回シーンが画像表示装置3に表示される第1ゲームのストーリー分岐可能期間中、演出ボタン10の押下操作を促す表示(例えば、「操作するとストーリーが変わるぞ!」)が行われるようになっている。なお、ストーリーの変化時期を把握可能とする表示を追加しても良い。
次いで、図46(b2)に示されているように、初回シーンにおいて演出ボタン10の押下操作がなかった場合、第2ゲームでは画像表示装置3に第2シーンAが表示されることとなる。そして、第2シーンAが表示される第2ゲームのストーリー分岐可能期間中も、演出ボタン10の押下操作を促す表示が行われるようになっている。
これにより、演出制御装置70及び画像表示装置3は、ゲームの実行中に演出ボタン10の操作を促す操作示唆演出を実行することが可能な操作示唆演出実行手段をなし、演出制御装置70は、連続演出の実行が開始されてから所定回数目(2回目)のゲームが実行されるまで当該連続演出の演出態様を変更可能とし、演出制御装置70及び画像表示装置3は、連続演出の演出態様を変更可能な期間にわたって継続して操作示唆演出を実行可能としたこととなる。
次いで、図46(b3)に示されているように、第2シーンAにおいて演出ボタン10の押下操作がなされた場合、第3ゲームでは画像表示装置3に第3シーンCが表示されることとなる。そして、図46(b4)に示されているように、第4ゲームでは画像表示装置3に第4シーンCが表示されることとなる。そして、図46(b5)に示されているように、第5ゲームでは画像表示装置3に最終シーンが表示されることとなる。
〔一発告知演出処理〕
図47には、図44に示された示唆演出処理における一発告知演出処理が示されている。この一発告知演出処理では、まず、一発前告知の設定がなされているかを判定する(ステップS331)。一発前告知の設定がなされている場合(ステップS331;Y)は、一発前告知期間の開始タイミング(リール6a,6b,6cが変動を開始して一定の回転速度に達したタイミングなど)であるかを判定する(ステップS332)。
一発前告知期間の開始タイミングである場合(ステップS332;Y)は、このときの赤外線スイッチ91,92の検出状態を記憶する(ステップS333)。また、一発前告知期間の開始タイミングでない場合(ステップS332;N)は、ステップS333をスキップして、ステップS334へ移行する。
ステップS334では、一発前告知の期間中(リール6a,6b,6cが変動を開始して一定の回転速度に達したタイミングから最初の停止操作が行われるまでや所定時間が経過するまで)であるかを判定する(ステップS334)。一発前告知の期間中でない場合(ステップS334;N)は、ステップS341へ移行する。また、一発前告知の期間中である場合(ステップS334;Y)は、このときの赤外線スイッチ91,92の検出状態を取得し、ステップS333で記憶済みの検出状態と比較し(ステップS335)、一発前告知期間の開始タイミングと一発前告知期間中とで検出状態が相違するかを判定する(ステップS336)。
検出状態が相違しない場合(ステップS336;N)は、ステップS341へ移行する。また、検出状態が相違する場合(ステップS336;Y)は、2つの赤外線スイッチ91,92の検出状態が一致するかをチェックし(ステップS337)、検出状態が一致しない場合(ステップS338;N)は、ステップS341へ移行する。また、検出状態が一致する場合(ステップS338;Y)は、一発告知表示部9fの点灯をセットし(ステップS339)、一発告知設定をクリアする(ステップS340)。
ステップS341では、一発前告知期間が終了したかを判定する(ステップS341)。一発前告知期間が終了している場合(ステップS341;Y)は、一発告知設定の内容(一発前告知)を一発後告知に変更し(ステップS342)、一発告知演出処理を終了する。また、一発前告知期間が終了していない場合(ステップS341;N)は、一発告知演出処理を終了する。
また、ステップS331で、一発前告知の設定がなされていない場合(ステップS331;N)、すなわち、一発後告知の設定がなされている場合は、第3停止操作が解除されたか(リールストップボタン24a,24b,24cのうち最後に停止操作が行われたボタンの押下げ状態が解除されたか)を判定する(ステップS343)。
第3停止操作が解除されていない場合(ステップS343;N)は、一発告知演出処理を終了する。また、第3停止操作が解除された場合(ステップS343;Y)は、一発告知表示部9fの点灯をセットし(ステップS344)、一発告知設定をクリアして(ステップS345)、一発告知演出処理を終了する。
図48には、一発前告知演出において一発告知表示部9fを点灯(発光)させるための手順が示されている。
図48(a1)に示されているように、一発前告知期間の開始タイミングにおいて、遊技者が赤外線スイッチ91,92の検出範囲(領域)に手を翳していない場合、赤外線スイッチ91,92の状態は未検出状態として記憶されることとなる。
そして、図48(a2)に示されているように、一発前告知期間中、遊技者が赤外線スイッチ91,92の検出範囲に手を翳した場合、赤外線スイッチ91,92が検出状態となり、一発前告知期間の開始タイミングと検出状態が異なり、かつこのときの2つの赤外線スイッチ91,92の検出状態が一致するので、一発告知表示部9fが点灯することとなる。なお、2つの赤外線スイッチ91,92のうち少なくとも一方の赤外線スイッチが検出状態に変化した時点で一発告知表示部9fを点灯させるようにしても良い。また、2つある赤外線スイッチ91,92を一つだけにしても良い。さらに、一発告知表示部9fの点灯時にスピーカ4から告知音を出力するようにしても良い。
一方、図48(b1)に示されているように、一発前告知期間の開始タイミングにおいて、遊技者が赤外線スイッチ91,92の検出範囲に手を翳している場合、赤外線スイッチ91,92の状態は検出状態として記憶されることとなる。
そして、図48(b2)に示されているように、一発前告知期間中、遊技者が赤外線スイッチ91,92の検出範囲から手を離した場合、赤外線スイッチ91,92が未検出状態となり、一発前告知期間の開始タイミングと検出状態が異なり、かつこのときの2つの赤外線スイッチ91,92の検出状態(未検出状態)が一致するので、一発告知表示部9fが点灯することとなる。なお、2つの赤外線スイッチ91,92のうち少なくとも一方の赤外線スイッチが未検出状態に変化した時点で一発告知表示部9fを点灯させるようにしても良い。また、2つある赤外線スイッチ91,92を一つだけにしても良い。さらに、一発告知表示部9fの点灯時にスピーカ4から告知音を出力するようにしても良い。
〔ルーレット演出処理〕
図49には、図43に示されたゲーム演出制御処理におけるルーレット演出処理が示されている。このルーレット演出処理では、まず、ボーナス(特別遊技状態)が終了したかを判定する(ステップS351)。ボーナス(特別遊技状態)が終了していない場合(ステップS351;N)は、ルーレット演出処理を終了する。また、ボーナス(特別遊技状態)が終了した場合(ステップS351;Y)は、確率曖昧演出モードとするか否かを抽選により決定し(ステップS352)、決定結果に対応する演出モードをセットする(ステップS353)。
次いで、パターンテーブル(図50参照)から演出モードに対応するルーレット演出パターンを決定する(ステップS354)。次に、フリーズコマンドを受信したかを判定する(ステップS355)。フリーズコマンドを受信していない場合(ステップS355)は、フリーズコマンドを受信するまでステップS355の処理を行う。また、フリーズコマンドを受信した場合(ステップS355;Y)は、フリーズ時間が10秒であるかを判定する(ステップS356)。
フリーズ時間が10秒である場合(ステップS356;Y)は、通常ルーレット演出をセットする(ステップS357)。また、フリーズ時間が10秒でない場合(ステップS356;N)は、通常ルーレット演出を行った後に再抽選が行われたようにみせる再抽選ルーレット演出をセットする(ステップS358)。次に、キャンセルコマンドを受信したかを判定する(ステップS359)。
キャンセルコマンドを受信していない場合(ステップS359;N)は、ルーレット演出実行処理(ステップS360)を行い、ルーレット演出が終了したかを判定する(ステップS361)。ルーレット演出が終了していない場合(ステップS361;N)は、ステップS359に戻る。また、ルーレット演出が終了した場合(ステップS361;Y)は、ルーレット演出処理を終了する。
また、ステップS359で、キャンセルコマンドを受信した場合(ステップS359;Y)は、ルーレット演出の結果及び移行する遊技状態(確率状態)を画像表示装置(メイン表示器)3に表示(報知)して(ステップS362)、ルーレット演出処理を終了する。以上のように、演出制御装置70及び確変決定演出部400は、ルーレット演出処理にて、特別遊技状態の終了に基づき当該特別遊技状態の終了後の遊技状態を示唆する特定演出を行うことが可能な特定演出実行手段をなす。
図50には、ルーレット演出パターン決定テーブルが示されている。図50に示されているように、ルーレット演出パターン(パターン1〜5)は、ルーレット演出が行われるときの演出モード(通常報知演出モード、確率曖昧演出モード、確変報知演出モード)に応じてその決定確率が異なるように設定されている。
次に、確変決定演出部400による確変決定ルーレット演出のパターン例について図51を用いて説明する。図51(a)には、確変決定演出部400の構成例が示されている。図51(a)に示されているように、確変決定演出部400は、確率状態が低確率状態であることを報知するための低確確定ランプ410,…と、確率状態を明確に報知しないことを示す確率曖昧ランプ420,420と、確率状態が高確率状態であることを報知するための確変確定ランプ430,430と、で構成されている。低確確定ランプ410,…は8つあり、横一列に設けられている。確率曖昧ランプ420,420は2つあり、低確確定ランプ410,…に続けてその右側に設けられている。確変確定ランプ430,430は2つあり、確率曖昧ランプ420,420に続けてその右側に設けられている。
これにより、演出制御装置70及び確変決定演出部400は、特別遊技状態の終了後に確率曖昧演出モードが発生しない場合には、特定演出において遊技状態を明確に示す一方、特別遊技状態の終了後に確率曖昧演出モードが発生する場合には、特定演出において確率曖昧演出モードの発生を示すこととなる。
図51(b)には、演出パターン1が示されている。図51(b)に示されているように、演出パターン1では、左端に設けられた低確確定ランプ410から順に各ランプを一定間隔ごとに点滅させることで、左側から右側に向かって等速で点滅移動するような演出パターンとなっている。なお、右端に設けられた確変確定ランプ430が点滅した後は左端に設けられた低確確定ランプ410に戻って点滅し、再び左側から右側に向かって点滅移動するような演出パターンとなっている。以下、演出パターン2〜5についても同様とする。
図51(c)には、演出パターン2が示されている。図51(c)に示されているように、演出パターン2では、左端に設けられた低確確定ランプ410から順に低確確定ランプ410,…を演出パターン1のときよりも短い間隔ごとに点滅させることにより、低確確定ランプ410,…が高速で点滅移動するような演出パターンとなっている。また、確率曖昧ランプ420,420及び確変確定ランプ430,430については、演出パターン1のときよりも長い間隔ごとに順次点滅させることにより、確率曖昧ランプ420,420及び確変確定ランプ430,430が低速で点滅移動するような演出パターンとなっている。
図51(d)には、演出パターン3が示されている。演出パターン3では、演出パターン2とは逆に、低確確定ランプ410,…が低速で点滅移動し、確率曖昧ランプ420,420及び確変確定ランプ430,430が高速で点滅移動するような演出パターンとなっている。
図51(e)には、演出パターン4が示されている。演出パターン4では、上述した点滅移動方法に従い、低確確定ランプ410,…が高速で点滅移動し、確率曖昧ランプ420,420が中速で点滅移動し、確変確定ランプ430,430が低速で点滅移動するような演出パターンとなっている。
図51(f)には、演出パターン5が示されている。演出パターン5では、低確確定ランプ410,…が低速で点滅移動し、確率曖昧ランプ420,420が中速で点滅移動し、確変確定ランプ430,430が高速で点滅移動するような演出パターンとなっている。
図52には、確変決定演出部400の低確確定ランプ410,…、確率曖昧ランプ420,420、及び確変確定ランプ430,430の配置の変形例が示されている。
図52(a)には、属性まとめパターン配置例が示されている。図52(a)に示されているように、属性まとめパターン配置例では、同じ属性のランプが少なくとも2つ以上集まった状態でそれぞれ配置されるようになっている。
一方、図52(b)には、属性まだらパターン配置例が示されている。図52(b)に示されているように、属性まだらパターン配置例では、同じ属性のランプ(例えば、確率曖昧ランプ420や確変確定ランプ430)が左隣にも右隣にも並ばないような状態を含んだ配置となっている。
次に、ルーレット演出の演出態様の一例について図53及び図54を用いて説明する。
図53には通常ルーレット演出の演出態様の一例が示されている。
図53(a)に示されているように、特別遊技状態(ボーナス)の終了時にルーレット演出が開始されると、画像表示装置3の表示画面には当該ルーレット演出が開始された旨の表示(例えば「確変突入チャンス! 下のルーレットで停止したランプの状態になるよ!」)がなされる。
次いで、ルーレット演出のパターンとして演出パターン1が設定されている場合は、図53(b)に示されているように、確変決定演出部400を構成する各ランプが左側から右側に向かって等速で点滅移動するような演出(ルーレット演出)が行われる。そして、ルーレット演出が開始されてから10秒(フリーズ時間)が経過すると、確率抽選の抽選結果及び確率曖昧演出モードにするか否かの抽選結果に応じて所定のランプが点灯されて確率状態が報知されることとなる。
図53(c),(d)には、確率抽選に当選し且つ確率曖昧演出モードに移行しない場合、すなわち確率状態が確変状態であることを報知する場合の報知態様例が示されている。具体的には、図53(c)には、確率状態の報知を画像表示装置3と上部サブ表示装置225とで行う場合の演出態様例が示されている。
図53(c)に示されているように、確変状態にあることを報知する場合には、2つある確変確定ランプ430,430のうちの何れかが最終的に点灯することとなる。このとき、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動し、当該表示画面には確変状態にあることを示す表示(例えば「確変だ〜!!」の文字表示)がなされる。また、画像表示装置3の表示画面にも確変状態にあることを示す表示(例えば「確変」の文字表示)が上部サブ表示装置225と重ならない位置になされる。
一方、図53(d)には、確率状態の報知を画像表示装置3と導光パネル223とで行う場合の演出態様例が示されている。
図53(d)に示されているように、確変状態にあることを報知する場合には、図53(c)の場合と同様、2つある確変確定ランプ430,430のうちの何れかが最終的に点灯することとなる。このとき、画像表示装置3の手前側に配設された導光パネル223の中央領域に対して光が照射されることにより、当該中央領域に「しゃ〜んなろ」の文字が発光表示される。また、画像表示装置3の表示画面にも確変状態にあることを示す表示(例えば「確変」の文字表示)が導光パネル223の発光表示部分と重ならない位置になされる。
図54には再抽選ルーレット演出の演出態様の一例が示されている。
図54(a)に示されているように、通常ルーレット演出の場合と同様、ルーレット演出が開始されると、画像表示装置3の表示画面には当該ルーレット演出が開始された旨の表示(例えば「確変突入チャンス! 下のルーレットで停止したランプの状態になるよ!」)がなされる。
次いで、図54(b)に示されているように、設定された演出パターンに基づき確変決定演出部400を構成する各ランプが左側から右側に向かって点滅移動するような演出(ルーレット演出)が行われる。そして、ルーレット演出が開始されてから10秒が経過すると、図54(c)に示されているように、2つある確率曖昧ランプ420,420のうちの何れかが点灯する。また、確率曖昧ランプ420が点灯したことに伴い、画像表示装置3の表示画面には「どきどきモード」の文字表示がなされる。なお、通常ルーレット演出の場合には、ここで、ルーレット演出が終了し、どきどきモード(確率曖昧演出モード)に移行することとなる。
一方、再抽選ルーレット演出の場合には、図54(d)に示されているように、ルーレット演出が再開され、各ランプの点滅移動が行われる。このとき、上部サブ表示装置225の表示画面が視認可能となるように上部サブ表示装置225が移動し、当該表示画面にはルーレット演出が継続していることを示す表示(例えば「まだまだ!」の文字表示)がなされる。また、導光パネル223の左側領域及び右側領域に対して光が照射されることにより、当該領域に「がやがや」の文字が発光表示される。なお、導光パネル223の左側領域及び右側領域の発光表示は上部サブ表示装置225の表示画面を遮らないようになっている。
次いで、ルーレット演出が開始されてから15秒(フリーズ時間)が経過すると、確率抽選の抽選結果及び確率曖昧演出モードにするか否かの抽選結果に応じて所定のランプが点灯されて確率状態が報知されることとなる。
図54(e)には、確率抽選に当選し且つ確率曖昧演出モードに移行しない場合、すなわち確率状態が確変状態であることを報知する場合の報知態様例が示されている。また、確率状態の報知を画像表示装置3と導光パネル223とで行う場合の演出態様例が示されている。
図54(e)に示されているように、確変状態にあることを報知する場合には、2つある確変確定ランプ430,430のうちの何れかが最終的に点灯することとなる。このとき、導光パネル223の中央領域に対して光が照射されることにより、当該中央領域に「しゃ〜んなろ」の文字が発光表示される。また、画像表示装置3の表示画面にも確変状態にあることを示す表示(例えば「確変」の文字表示)が導光パネル223の発光表示部分と重ならない位置になされる。
一方、図54(f)には、確率曖昧演出モードに移行する場合の報知態様例が示されている。
図54(f)に示されているように、どきどきモード(確率曖昧演出モード)へ移行する場合には、2つある確率曖昧ランプ420,420のうちの何れかが最終的に点灯することとなる。このとき、画像表示装置3の表示画面には「残念 ち〜ん…」の文字表示がなされる。
なお、上述したルーレット演出は、特別遊技状態の終了後に行うようになっているが特別入賞役の入賞成立時や特別遊技状態中にも行うことができるようにしても良い。かかる場合には、当該ルーレット演出を1回又は複数回行っても良い。また、ルーレット演出は、フリーズ期間(ゲーム進行待機期間)に行うようになっているが、この期間をフリーズ期間としなくても良い。
〔演出モード更新処理〕
図55には、図26に示された演出制御処理における演出モード更新処理が示されている。この演出モード更新処理では、まず、ボーナス入賞役(特別入賞役)の入賞が成立したかを判定する(ステップS371)。ボーナス入賞役の入賞が成立した場合(ステップS371;Y)は、入賞したボーナス入賞役に対応する特別遊技演出モードをセットして(ステップS372)、ステップS383へ移行する。また、ボーナス入賞役の入賞が成立していない場合(ステップS371;N)は、SIN-B入賞役の入賞が成立したかを判定する(ステップS373)。
SIN-B入賞役の入賞が成立した場合(ステップS373;Y)は、通常報知演出モード中かを判定する(ステップS374)。通常報知演出モード中である場合(ステップS374;Y)は、ステップS383へ移行する。また、通常報知演出モード中でない場合(ステップS374;N)、すなわち、確変報知演出モード、又は確率曖昧演出モード(高確率曖昧演出モード、低確率曖昧演出モード)の何れかである場合は、演出モードを移行するための移行本演出をセットし(ステップS375)、通常報知演出モードをセットして(ステップS376)、ステップS383へ移行する。
また、ステップS373で、SIN-B入賞役の入賞が成立していない場合(ステップS373;N)は、SIN-B入賞役に当選しているもののSIN-B入賞役を取りこぼしたかを判定する(ステップS377)。SIN-B入賞役の取りこぼしでない場合(ステップS377;N)は、ステップS383へ移行する。また、SIN-B入賞役の取りこぼしである場合(ステップS377;Y)は、確変報知演出モード中であるかを判定する(ステップS378)。
確変報知演出モード中である場合(ステップS378;Y)は、演出モードを移行するための移行本演出をセットし(ステップS379)、確率曖昧演出モード(低確率曖昧演出モード)をセットして(ステップS380)、ステップS383へ移行する。また、確変報知演出モード中でない場合(ステップS378;N)は、確率曖昧演出モード中であるかを判定する(ステップS381)。
確率曖昧演出モード中でない場合(ステップS381;N)は、ステップS383へ移行する。また、確率曖昧演出モード中である場合(ステップS381;Y)は、通常報知演出モードをセットして(ステップS382)、ステップS383へ移行する。
ステップS383では、確変報知演出モード中であるかを判定する(ステップS383)。確変報知演出モード中である場合(ステップS383;Y)は、外れ当選ゲームであるかを判定する(ステップS384)。外れ当選ゲームでない場合(ステップS384;N)は、ステップS396へ移行する。また、外れ当選ゲームである場合(ステップS384;Y)は、確率曖昧演出モードに移行するか否かを決定するための確率曖昧抽選処理(ステップS385)を行う。
次いで、移行ガセ演出を所定確率でセットする(ステップS386)。ここで、移行ガセ演出とは、演出モードが移行するかのように見せかけて結果的には移行しない演出を意味する。
次いで、確率曖昧抽選に当選したかを判定する(ステップS387)。確率曖昧抽選に当選していない場合(ステップS387;N)は、ステップS396へ移行する。また、確率曖昧抽選に当選した場合(ステップS387;Y)は、演出モードを移行するための移行本演出をセットし(ステップS388)、確率曖昧演出モード(高確率曖昧演出モード)をセットして(ステップS389)、ステップS396へ移行する。
また、ステップS383で、確変報知演出モード中でない場合(ステップS383;N)は、確率曖昧演出モード中であるかを判定する(ステップS390)。確率曖昧演出モード中でない場合(ステップS390;N)は、ステップS396へ移行する。また、確率曖昧演出モード中である場合(ステップS390;Y)は、確率状態を明確に報知するか否かを決定するための確率報知抽選処理(ステップS391)を行い、移行ガセ演出を所定確率でセットする(ステップS392)。
次いで、確率報知抽選に当選したかを判定する(ステップS393)。確率報知抽選に当選していない場合(ステップS393;N)は、ステップS396へ移行する。また、確率報知抽選に当選した場合(ステップS393;Y)は、演出モードを移行するための移行本演出をセットし(ステップS394)、現在の確率状態に対応する演出モードをセットして(ステップS395)、ステップS396へ移行する。
次いで、ステップS396で、移行系演出のセットがあるかを判定する(ステップS396)。ここで、移行系演出には、実際に演出モードを移行させる移行本演出と、移行ガセ演出と、が含まれる。移行系演出のセットがある場合(ステップS396;Y)は、移行系演出実行処理(ステップS397)を行い、演出モード更新処理を終了する。また、移行系演出のセットがない場合(ステップS396;N)は、演出モード更新処理を終了する。
以上のように、演出制御装置70は、演出モード更新処理にて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか確率変動状態であるかを曖昧にする確率曖昧演出モードを発生させることが可能な曖昧報知状態発生手段をなし、確率変動状態の発生中に特定役(SIN-B入賞役)に当選した場合及び確率変動状態の発生中に予め定めた曖昧条件が成立した場合に確率曖昧演出モードを発生させることとなる。また、演出制御装置70は、確率変動状態の発生中に特定役(SIN-B入賞役)に当選した場合であっても当該特定役の入賞が成立した場合には確率曖昧演出モードを発生させないこととなる。また、確率曖昧演出モードの発生中に特定役(SIN-B入賞役)の入賞が成立した場合には確率曖昧演出モードを終了させることとなる。さらに、確率曖昧演出モードの発生中に予め定めた報知条件が成立した場合には確率曖昧演出モードを終了させることとなる。
なお、確率曖昧抽選処理(ステップS385)は、外れ当選ゲームでのみ行うようにしたが、例えば、SIN-B入賞役以外の特定の役に当選したゲームでも当該確率曖昧抽選処理を行うようにしても良い。ただし、当該特定の役に当選したゲームでの確率曖昧抽選の当選確率は、外れ当選したゲームでの当選確率よりも低くする。
また、確率報知抽選処理(ステップS390)は、確率曖昧演出モード中であればゲームの抽選結果にかかわらず行うようにしたが、SIN-B入賞役以外の特定の役に当選したゲームや外れ当選ゲームでのみ当該確率報知抽選処理を行うようにしても良い。
さらに、確率曖昧演出モードを複数段階に設定可能とし、複数の確率曖昧演出モードを段階的に移行していくことにより、最終的に確率状態が明確に報知されるようにしても良い。
次に、上述した移行系演出の一例について、図56及び図57を用いて説明する。
図56(a)〜(c)には、確変報知演出モード中、確率曖昧演出モード中、及び、通常報知演出モード中における側部サブ表示装置310、高確率モード表示器320、及び、低確率モード表示器330の表示例が示されている。
図56(a)に示されているように、確変報知演出モード中、側部サブ表示装置310ではゲームに係る演出表示がなされる。また、高確率モード表示器320が点灯することにより、高確率状態(HIGH MODE)であることが報知されるようになっている。このとき、低確率モード表示器330は消灯した状態となっている。
図56(b)に示されているように、確率曖昧演出モード中、側部サブ表示装置310では、例えば「どきどきモード」の文字を表示することにより確率曖昧演出モード中であることを報知するようになっている。このとき、高確率モード表示器320及び低確率モード表示器330は消灯した状態となっている。
図56(c)に示されているように、通常報知演出モード中、側部サブ表示装置310では確変報知演出モード中と同様に、ゲームに係る演出表示がなされる。また、低確率モード表示器330が点灯することにより、低確率状態(LOW MODE)であることが報知されるようになっている。このとき、高確率モード表示器320は消灯した状態となっている。
図56(d1)〜(d4)には、確変報知演出モード中に移行系演出が行われた場合の演出態様の一例が示されている。
図56(d1)に示されているように、確変報知演出モード中に移行系演出がセットされると、側部サブ表示装置310の表示画面下部に移行系演出の前兆である「ま、まさか?!」の文字が表示される。
次いで、移行系演出が実行されると、図56(d2),(d3)に示されているように、側部サブ表示装置310が上下に振動(揺動)するとともに、表示画面上ではゲームに係る演出表示から移行系演出表示に切り替わるようになっている。移行系演出では、「そのまま〜!!」や「やめて〜!!」の文字表示が数回繰り返されるようになっている。「そのまま〜!!」の文字表示がなされているときは高確率モード表示器320が点灯したままの状態にあり、「やめて〜!!」の文字表示がなされているときは高確率モード表示器320が消灯する。
そして、移行系演出として移行本演出がセットされている場合は、図56(d4)に示されているように、同図(d2)又は(d3)に示された状態から確率曖昧演出モードに移行するようになっている。
一方、移行系演出として移行ガセ演出がセットされている場合は、図56(d1)に示されているように、同図(d2)又は(d3)に示された状態から確変報知演出モードに戻るようになっている。
図57(a1)〜(a4)には、確率曖昧演出モード中に確変報知演出モードへの移行系演出が行われた場合の演出態様の一例が示されている。
図57(a1)に示されているように、確率曖昧演出モード中に移行系演出がセットされると、側部サブ表示装置310の表示画面下部に移行系演出の前兆である「もしかして?!」の文字が表示される。
次いで、移行系演出が実行されると、図57(a2),(a3)に示されているように、側部サブ表示装置310が上下に振動(揺動)するとともに、表示画面上では確率曖昧演出に係る表示から移行系演出表示に切り替わるようになっている。移行系演出では、「いけいけ!!」や「そのまま〜!!」の文字表示が数回繰り返されるようになっている。「いけいけ!!」の文字表示がなされているときは高確率モード表示器320も低確率モード表示器330も消灯したままの状態にあり、「そのまま〜!!」の文字表示がなされているときは高確率モード表示器320が点灯する。
そして、移行系演出として移行本演出がセットされている場合は、図57(a4)に示されているように、同図(a2)又は(a3)に示された状態から確変報知演出モードに移行するようになっている。
一方、移行系演出として移行ガセ演出がセットされている場合は、図57(a1)に示されているように、同図(a2)又は(a3)に示された状態から確率曖昧演出モードに戻るようになっている。
図57(b1)〜(b4)には、確率曖昧演出モード中に通常報知演出モードへの移行系演出が行われた場合の演出態様の一例が示されている。
図57(b1)に示されているように、確率曖昧演出モード中に移行系演出がセットされると、側部サブ表示装置310の表示画面下部に移行系演出の前兆である「ま、まさか?!」の文字が表示される。
次いで、移行系演出が実行されると、図57(b2),(b3)に示されているように、側部サブ表示装置310が上下に振動(揺動)するとともに、表示画面上では確率曖昧演出に係る表示から移行系演出表示に切り替わるようになっている。移行系演出では、「そのまま〜!!」や「やめて〜!!」の文字表示が数回繰り返されるようになっている。「そのまま〜!!」の文字表示がなされているときは高確率モード表示器320も低確率モード表示器330も消灯したままの状態にあり、「やめて〜!!」の文字表示がなされているときは低確率モード表示器330が点灯する。
そして、移行系演出として移行本演出がセットされている場合は、図57(b4)に示されているように、同図(b2)又は(b3)に示された状態から通常報知演出モードに移行するようになっている。
一方、移行系演出として移行ガセ演出がセットされている場合は、図57(b1)に示されているように、同図(b2)又は(b3)に示された状態から確率曖昧演出モードに戻るようになっている。
なお、上述した移行系演出(移行本演出及び移行ガセ演出)は原則としてゲームの終了時に行われるが、ゲームの開始時にフリーズ(待機)状態を発生させ、このときに実行するようにしても良いし、ゲーム中に実行するようにしても良い。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1によれば、所定の開始条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動ゲームを実行し、所定の停止条件の成立に基づき停止させたゲームの結果に基づき遊技者に所定の遊技価値を付与することが可能なスロットマシン1において、遊技者が操作することが可能な演出操作部(演出ボタン10)と、ゲームの実行中の演出操作部(演出ボタン10)の操作に基づき所定の遊技演出を実行することが可能な遊技演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)と、演出操作部(演出ボタン10)の操作時期に応じて遊技演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)が実行する遊技演出の演出態様を異ならせることが可能な演出態様変更手段(演出制御装置70)と、を備えたこととなる。
ここで、「所定の開始条件」とは、パチンコ遊技機において遊技球が始動入賞口に入賞したことや、スロットマシンにおいてスタートレバーの傾倒操作がなされたこと等をいう。
また、「所定の停止条件」とは、パチンコ遊技機において変動ゲームが実行されてから所定時間が経過したことや、スロットマシンにおいて複数のリールストップボタンが全て停止操作されたこと等をいう。
また、「所定の遊技価値を付与」とは、パチンコ遊技機において遊技者にとって有利な特別遊技状態(変動入賞装置を閉状態から開状態に変換する大当り状態)を発生させることや、スロットマシンにおいて賞メダルを付与したり、遊技者にとって有利な特別遊技状態(通常遊技状態よりも賞形成がし易い大当り状態)を発生したりすること等をいう。
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機やスロットマシンにおいては、所定の始動条件の成立に基づき複数の識別情報による変動ゲームを開始し、所定の停止条件の成立に基づき停止させた変動ゲームの結果に基づき所定の遊技価値を付与可能に構成されたものが一般的である。
このような遊技機では、遊技者が操作することが可能な演出操作部を設け、変動ゲームの実行中に当該演出操作部が操作されたことに基づき所定の遊技演出を実行することで変動ゲームの興趣を向上させるようにしたものが提案されている。
しかしながら、変動ゲーム中における演出操作部の操作時期(タイミング)に拘らず、予め決定された演出態様によって遊技演出を実行するので、演出操作部を操作する面白味に欠けていた。そのため、演出操作部を操作しようという遊技者の操作意欲が低下してしまい、遊技の興趣を向上させることができないという問題があった。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたもので、演出操作部の操作意欲を高めるとともに、遊技の興趣を向上させることができるスロットマシンを提供することを目的とし、上記の構成により、遊技者は異なる演出態様をそれぞれ見ようとするようになり、演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲を高めることができる。また、遊技演出の演出態様を異ならせることにより、遊技演出が単調になってしまうことを抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、遊技者の開始操作に基づきゲームを開始するとともに、遊技者の複数回の停止操作によってゲームを段階的に停止するスロットマシン1であり、演出態様変更手段(演出制御装置70)は、演出操作部(演出ボタン10)が操作された際のゲームの進行状態に応じて遊技演出の演出態様を異ならせたこととなる。
これにより、遊技者が複数回の停止操作を行わない限り、ゲームが停止することはない。従って、本実施形態のスロットマシン1においては演出操作部(演出ボタン10)を操作する意思があるにもかかわらず当該操作の期間を徒過してしまうという不都合を回避することができる。
また、本実施形態のスロットマシン1においては、演出操作部(演出ボタン10)が操作された際のゲームの進行状態、すなわち複数回の停止操作によってゲームが段階的に停止される各状態に応じて遊技演出の演出態様を異ならせることとなる。従って、本実施形態のスロットマシン1においては、遊技演出の演出態様を異ならせる境界を分かり易くすることができるので、演出操作部(演出ボタン10)の操作時期を選択し易くなる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、所定条件の成立に基づき通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させることが可能な特別遊技状態発生手段(遊技制御装置50)を備え、遊技演出の演出態様は複数種類設定されており、当該演出態様にはそれぞれ前記特別遊技状態の発生に対する期待度が設定されていることとなる。ここで、「所定条件」とは、変動ゲームの停止結果が当選役に対応する図柄組合せ態様になること等をいう。
これにより、遊技演出の演出態様にはそれぞれ特別遊技状態の発生に対する期待度が設定されているので、当該期待度を知りたい遊技者の演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、ゲームは、遊技者の開始操作に基づき複数の識別情報を有する複数のリール6a,6b,6cを回転させることで開始されるとともに、遊技者の複数回の停止操作によって複数のリール6a,6b,6cの回転を個別に停止させることで結果が導出され、演出態様変更手段(演出制御装置70)は、演出操作部(演出ボタン10)が操作された際に停止しているリール6a,6b,6cの停止出目に応じて遊技演出の演出態様を異ならせることとなる。
これにより、例えば、リール6a,6b,6cの停止出目が特別遊技状態の発生に対する期待度が高い出目である場合には遊技演出の演出態様も当該期待度の高いものを導出させることが可能となり、特別遊技状態の発生に対する信憑性を高めることができるので、当該期待度の信憑性を高めたい遊技者の演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲を高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、演出操作部(演出ボタン10)の操作時期に応じて遊技演出の演出態様が異なることを示唆する示唆演出を実行することが可能な示唆演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)を備えたこととなる。
これにより、遊技者は演出操作部(演出ボタン10)の操作時期に応じて遊技演出の演出態様が異なることを認識するようになる。従って、遊技者は異なる演出態様をそれぞれ体験しようとするようになり、演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲をより一層高めることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、複数回のゲームにわたって継続して所定の演出を行う連続演出を実行することが可能な連続演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)と、前記連続演出の実行中の演出操作部(演出ボタン10)の操作に基づき当該連続演出の演出態様を変更することが可能な連続演出態様変更手段(演出制御装置70)と、を備え、連続演出態様変更手段(演出制御装置70)は、前記連続演出が開始されてからのゲームの回数に応じて変更する演出態様を異ならせることとなる。
これにより、演出操作部(演出ボタン10)の操作時期に応じて連続演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)が実行する連続演出の演出態様を異ならせることが可能となるので、遊技者は異なる演出態様をそれぞれ見ようとするようになり、演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲を高めることができる。また、連続演出の演出態様を異ならせることにより、連続演出が単調になってしまうことを抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のスロットマシン1によれば、ゲームの実行中に演出操作部(演出ボタン10)の操作を促す操作示唆演出を実行することが可能な操作示唆演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)を備え、連続演出態様変更手段(演出制御装置70)は、前記連続演出の実行が開始されてから所定回数目の変動ゲームが実行されるまで当該連続演出の演出態様を変更可能とし、操作示唆演出実行手段(演出制御装置70、画像表示装置3)は、前記連続演出の演出態様を変更可能な期間にわたって継続して前記操作示唆演出を実行可能としたこととなる。
これにより、遊技者に対して連続演出の演出を変更可能な期間を把握させることができるので、演出操作部(演出ボタン10)の操作意欲をより一層高めることができる。
なお、本発明のスロットマシンは、遊技機として、例えば、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
たとえば、本実施形態のスロットマシン1では、通常遊技状態及び確変遊技状態においてSIN-B入賞役に当選するようにしたが、通常遊技状態と確変遊技状態とでSIN-B入賞役の当選確率を異ならせるようにしても良い。例えば、通常遊技状態のときよりも確変遊技状態のときの方がSIN-B入賞役の当選確率が高くなるようにする。また、その逆でも良い。また、通常遊技状態においてはSIN-B入賞役に当選しないようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、確変遊技状態においてSIN-B入賞役に当選することで通常遊技状態に移行するようにしたが、当該SIN-B入賞役に当選しても通常遊技状態に移行しないようにしても良い。かかる場合には、特別遊技状態の終了後、所定回数のゲームが行われたことにより、通常遊技状態へ移行するようにしても良い。また、確変遊技状態において、通常遊技状態へ移行させるか否かの抽選(所謂転落抽選)を行うようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、確変遊技状態においてSIN-B入賞役に当選することで通常遊技状態に移行するようにしたが、SIN-B入賞役の入賞が成立した場合にのみ通常遊技状態に移行するようにしても良い。
また、通常遊技状態においてSIN-B入賞役に当選した場合や、SIN-B入賞役の入賞が成立した場合に確変遊技状態に移行するようにしても良い。かかる場合には、特別入賞役(ボーナス役)の当選を契機として行われる確率変動抽選を行っても良いし、行わないようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、確変遊技状態においてRB、N-BB、S-BBそれぞれの当選確率を高確率に設定するようにしたが、これらの特別入賞役(ボーナス役)のうち1つ又は2つの特別入賞役の当選確率を高確率に設定し、残りの特別入賞役の当選確率は通常遊技状態の当選確率と同じ設定としても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、確変遊技状態において非RT状態としたが、リプレイ入賞役(リプレイ1及びリプレイ2の少なくとも何れか)の当選確率を通常遊技状態よりも高確率とするRT状態としても良い。かかる場合、特別遊技状態の終了後、確変遊技状態且つRT状態に移行するときは、演出モードを確変報知演出モードとし、確変遊技状態且つ非RT状態又は通常遊技状態且つ非RT状態に移行するときは、確率曖昧演出モードとする。
また、本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞役(ボーナス役)の当選を契機として確率変動抽選を行うことにより、特別遊技状態の終了後、通常遊技状態に移行するか確変遊技状態に移行するかを決定するようにしたが、当選した特別入賞役の種類に応じて通常遊技状態に移行するか確変遊技状態に移行するかを決定するようにしても良い。例えば、S-BB入賞役に当選した場合には確変遊技状態に移行し、それ以外の場合には通常遊技状態に移行するようにする。
また、本実施形態のスロットマシン1では、確変遊技状態において重複当選確率のみを高確率に設定するようにしたが、BB単独当選及びRB単独当選役の当選確率のみを高確率に設定するようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、特別入賞役(ボーナス役)として、単独当選役と重複当選役とを設定するようにしたが、単独当選役のみとしても良いし、重複当選役のみを設定するようにしても良い。また、特別入賞役の種類に応じて重複当選役があったりなかったりしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、SIN-B入賞役の入賞成立を契機として確変遊技状態から移行するJACゲームについては、小役(通常入賞役)の当選確率を通常遊技状態のときと同じに設定しているが、当該当選確率を高確率に設定しても良い。また、当該JACゲーム中はRB入賞役又はBB入賞役の何れかに当選しないようにしても良い。
また、本実施形態の確率決定表示器228は、確率変動抽選が行われるタイミング(例えば、特別入賞役の当選時、特別役の入賞成立時、特別遊技状態の終了時等)だけ作動させるようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1では、有効ラインを中段1ラインに設定したが、複数ラインを設定するようにしても良い。
また、本実施形態のスロットマシン1において、特別遊技状態の終了後、確変遊技状態へ移行する場合、確変遊技状態へ移行する契機となった特別入賞役の当選が単独当選役であるか重複当選役であるかによって、当該確変遊技状態の態様を異ならせるようにしても良い。
また、電源投入時に行われるRAMクリア操作によって遊技制御装置50が電源投入時処理S1の中でRAM50cの記憶内容を初期化(RAMクリア)した場合や設定装置60の操作によって設定変更を行った場合には、通常遊技状態が設定されるようになっているが、確変遊技状態が設定されるようにしても良いし、電源投入(電源断)前の遊技状態が確変遊技状態ならばそれを引き継ぐようにしても良い。
また、RAMクリアの場合には通常遊技状態を設定する一方、設定変更の場合には電源投入(電源断)前の遊技状態を引き継ぐようにしても良い。
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、通常入賞役のうち特定の役である特定役の当選確率を、特定役低確率状態と当該特定役低確率状態よりも高い特定役高確率状態の何れかに設定可能である。
図58には遊技制御装置50で制御される遊技状態を説明するための状態遷移図を示した。特別役の成立に基づく特別遊技状態ST200の終了後、第1遊技状態ST201、第2遊技状態ST202、第3遊技状態ST203、第4遊技状態ST204の何れかの遊技状態に移行する。この移行先は、確率(遊技状態)抽選処理(ステップS49、図16参照)における抽選結果により選択されるが、この確率(遊技状態)抽選処理は、入賞当選判定処理(ステップS43)の実行により特別役当選であると判定したタイミングで行う場合に限らず、当該特別役当選後の特別役の成立によって移行する特別遊技状態が終了するまでの間の何れかのタイミングで行われれば良い。また、成立する特別役に応じて移行する遊技状態を予め決定しておき、成立した特別役から遊技者が移行先を把握できるようにしても良い。
特別役の当選確率については、低確率(通常確率)である特別役低確率状態と、該低確率よりも高い高確率が設定される特別役高確率状態との何れかを設定可能である。また、特定役の当選確率については、図59に示すように低確率(通常確率)である特定役低確率状態と当該低確率よりも高い高確率が設定される特定役高確率状態の何れかに設定可能である。そして、第1遊技状態ST201、第2遊技状態ST202、第3遊技状態ST203及び第4遊技状態ST204は、これらの確率状態の組み合わせが異なる状態である。
なお、ここでは特定役をベル、スイカ、チェリーとしたが任意に設定可能である。また、特定役高確率状態ではゲームの回数に比例してメダルが増加も減少もしない(純増0枚)ように特定役の当選確率を設定することが好ましい。もちろんゲームの回数に比例してメダルが増加するようにしても良いし、減少するようにしても良い。
第1遊技状態ST201では、特別役の当選確率は低確率であり、特定役の当選確率も低確率である。第2遊技状態ST202では、特別役の当選確率は高確率であり、特定役の当選確率も高確率である。第3遊技状態ST203では、特別役の当選確率は高確率であり、特定役の当選確率は低確率である。これら第1〜第3遊技状態に移行した場合は、特別役の当選まで遊技状態は変化しない。また、第4遊技状態ST204では、特別役の当選確率は低確率であり、特定役の当選確率は高確率である。この第4遊技状態ST204に移行した場合は、特別役が成立しなければ100回のゲームを実行するまで滞在し、その後第1遊技状態ST201に移行する。
すなわち、遊技制御装置50が、特別役の当選確率を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段をなすとともに、特別役とは異なる特定役の当選確率を特定役通常確率状態と、該特定役通常確率状態よりも高い特定役高確率状態の何れかに設定する特定役確率設定手段をなす。
これにより、特別遊技状態の終了後から次回の特別役の当選や所定回数のゲームを実行するまでの所定期間に亘り、特別役や特定役の当選確率を高めることが可能である。特別役の当選確率を高めることで、特別遊技状態の終了後の遊技者の興趣が高い期間において次回の特別役の導出を容易にして更なる興趣の向上を図ることができる。特別役の当選はリール6の停止順序のような遊技者の操作態様によるものではないので、この当選確率を高めることで遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。
また、特定役の当選確率を高めることで、次回の特別役の導出までの期間におけるメダルの消費を抑えることができ、より遊技の興趣を高めることができる。この特定役の当選もリール6の停止順序のような遊技者の操作態様によるものではないので、遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。さらに後述するように、特定役に当選した場合には押し順演出を実行可能であり、この押し順演出の実行頻度が高まることでも遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1から第4遊技状態の4つの遊技状態を設定したが、第2、第3及び第4遊技状態については、これらのうち何れか一つ又は二つのみ設定するようにしても良い。例えば、選択可能な遊技状態を第1遊技状態と第2遊技状態のみにして、特定役高確率状態が特別役高確率状態である場合のみ設定されるようにしても良い。
また、画像表示装置3での表示やその他の演出等により、どの遊技状態に滞在しているのかを把握できるようにしても良い。また、複数の遊技状態について共通の演出態様として演出等からの判別を困難とする曖昧状態を設定可能としても良い。例えば、第1遊技状態と第3遊技状態は何れも特定役低確率状態であるので、同じ演出態様とすればどちらの遊技状態であるか判別することが困難となる。また、第2遊技状態と第4遊技状態は何れも特定役高確率状態であるので、同じ演出態様とすればどちらの遊技状態であるか判別することが困難となる。また、曖昧状態とする場合は、所定数のゲームの実行や、所定の役の成立などの所定条件の成立に基づき曖昧状態を終了して遊技状態を報知するようにしても良い。
以上のことから、複数種類の図柄を表示した複数のリール6と、各リール6に対応して設けられ、リール6の回転を停止させるときに遊技者が操作する停止操作部(リールストップボタン24)と、役の抽選を行う役抽選手段(遊技制御装置50)と、停止操作部の操作態様に基づき役抽選手段による抽選結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るようにリール6を停止制御するリール停止制御手段(遊技制御装置50)と、を備え、役には、成立することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別役が含まれ、役抽選手段は、特別役の当選確率を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置50)と、特別役とは異なる特定役の当選確率を特定役通常確率状態と、該特定役通常確率状態よりも高い特定役高確率状態の何れかに設定する特定役確率設定手段(遊技制御装置50)と、を備え、確率設定手段は、特別遊技状態の終了に伴い所定期間に亘り高確率状態を設定し、特定役確率設定手段は、高確率遊技状態である場合に特定役高確率遊技状態を設定することが可能であることとなる。
また、役には、特定役とは異なり、成立することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別役が含まれ、役抽選手段(遊技制御装置50)は、特定役の当選確率を特定役通常確率状態と、該特定役通常確率状態よりも高い特定役高確率状態の何れかに設定する特定役確率設定手段(遊技制御装置50)を備え、特定役確率設定手段は、特別遊技状態の終了後から所定期間に亘り、特定役高確率状態を設定することが可能であることとなる。
なお、特別遊技状態とは、当該特別遊技状態でない場合よりも遊技媒体の獲得が容易な状態であって、獲得した遊技媒体の総数が予め設定された上限数となることや、所定のゲーム数を実行することで終了するものである。JACゲームにより構成されるものでも良いしART状態により構成されるものでも良い。
また、特定役に内部当選した場合は、図60に示すような押し順演出を実行可能である。図60には、特定役であるベルに当選した場合の例を示した。スタートレバー21を操作してゲームを開始し特定役に内部当選すると押し順演出が開始される。この押し順演出では、図60(a)に示すように画像表示装置3に押し順を指示する画像が表示される。ここでは、中、左、右の順にリール6を停止するように指示している。
図60(b)に示すように、遊技者が指示した押し順に従い停止操作を行うと、図60(c)に示すように画像表示装置3に特典画像が表示される。また、内部当選していたベル入賞が成立するようにリール6の停止制御がなされてベル入賞が成立する。一方、図60(d)に示すように、遊技者が指示した押し順に従わずに停止操作を行うと、図60(e)に示すように画像表示装置3には特典画像が表示されない。ただしこの場合も内部当選していたベル入賞が成立するようにリール6の停止制御がなされ、ベル入賞は成立する。
すなわち、特定役は遊技者の操作態様によらずに成立するようになっているので遊技者間の公平を保つことができ、操作順番どおりに操作した場合には特定画像が表示されるという特典のみが付与されるので、いたずらに射幸心を煽ることなく遊技の興趣を向上することができる。なお、特定役であるスイカ入賞やチェリー入賞の場合も押し順によらずに成立可能であるが、停止タイミングによっては図柄を引き込めずに成立しない場合もある。しかし、これは遊技状態などによらず常に起こり得るものであるため、遊技者間の公平を損なうものではない。
図61、図62には、特典画像の一例を示した。図61に示すように特典画像には複数の画像が用意されており、押し順演出において指示された操作順番通りに操作することにより一つの特典画像が表示される。この特典画像の出現する順番は予め定められており、図61(a)、(b)、(c)…の順に出現するようになっている。また、特典画像にはいくつ目の特典画像であるかがわかるように出現の順番を「レベル」として示している。表示された特典画像は履歴として記憶され、後に参照できるようになっている。また、図62に示すように、ここでは10枚ごとに図61に示す通常の特典画像とは異なるレア特典画像が出現するようになっている。
なお、特典画像の種類や出現順序等は任意に設定可能であり、たとえば、複数の特典画像から抽選により選択するようにしても良く、この場合はレア特典画像の選択率を通常の特典画像よりも低くする。また、例えば獲得したメダルの枚数や実行したゲーム数などの遊技に関する情報に基づき表示する特典画像を選択するようにしても良い。
〔押し順報知処理〕
演出制御装置70ではこのような押し順演出を行うための処理として、図37に示すゲーム演出決定処理における演出種別決定テーブルから抽選結果に対応する演出種別を決定する処理(ステップS271)において、図38(b)に示す単発演出態様決定テーブルに従いメイン表示演出1(操作演出なし)が選択された場合に図63に示す押し順報知処理を行う。
この押し順報知処理では、まず、特定役に当選しているかを判定する(ステップS401)。ここでの特定役とは、スイカ、チェリー、ベルの何れかである。この特定役に当選していない場合(ステップS401;N)は、押し順報知処理を終了する。また、特定役に当選している場合(ステップS401;Y)は、押し順演出を実行するかを判定する(ステップS402)。
押し順演出を実行するか否かは、たとえば抽選により決定される。なお、特定役に当選した場合に常に押し順演出を行うようにしても良い。押し順演出を実行しない場合(ステップS402;N)は押し順報知処理を終了する。また、押し順演出を実行する場合(ステップS402;Y)は、報知する押し順の抽選を行い(ステップS403)、抽選結果に基づき押し順を決定して(ステップS404)、押し順報知処理を終了する。
ここで決定された押し順を含む押し順演出は、図37に示すゲーム演出決定処理における決定された演出種別&演出態様による演出の実行をセットする処理(ステップS273)において設定される。そして、図43に示すゲーム演出制御処理において示唆演出設定あり(ステップS286;Y)と判定され、示唆演出処理(ステップS287)により実行の制御がなされる。すなわち、演出制御装置70が、役抽選手段(遊技制御装置50)で特定役が当選したときに、停止操作部(リールストップボタン24)の操作順番を報知する操作順報知手段をなす。
〔特典画像表示処理〕
図44に示す示唆演出処理における、実行中の示唆演出の演出態様を更新する処理(ステップS324)では、押し順報知演出の処理として図64に示す特典画像表示処理を行う。この特典画像表示処理では、まず、押し順報知演出を実行していたかを判定し(ステップS411)、押し順報知演出を実行していない場合(ステップS411;N)は、特典画像表示処理を終了する。また、押し順報知演出を実行していた場合(ステップS411;Y)は、停止操作が指示通りであったかを判定する(ステップS412)。
停止操作が指示通りであったかの判定(ステップS412)では、第1、第2及び第3停止操作の全てが指示通りであったかを判定する。停止操作が指示通りでなかった場合(ステップS412;N)は、特典画像表示処理を終了する。この場合は、図60(e)に示したように特典画像が表示されない。また、停止操作が指示通りであった場合(ステップS412;Y)は、特典画像の選択を行う(ステップS413)。特典画像を選択する処理(ステップS413)では、すでに表示した特典画像の情報である特典画像履歴を参照して、表示順に従い次の順番となる特典画像を選択する。
その後、選択された特典画像の表示を行い(ステップS414)、表示された特典画像を特典画像履歴に追加して(ステップS415)、特典画像表示処理を終了する。この場合は、図60(c)に示したように特典画像が表示される。すなわち、演出制御装置70が、役抽選手段(遊技制御装置50)による抽選結果が特定役である場合に、操作順報知手段(演出制御装置70)による順番通りに停止操作部(リールストップボタン24)を操作することに基づき表示装置3に特定画像を表示する特典画像表示手段をなす。
以上のことから、複数種類の図柄を表示した複数のリール6と、各リール6に対応して設けられ、リール6の回転を停止させるときに遊技者が操作する停止操作部(リールストップボタン24)と、役の抽選を行う役抽選手段(遊技制御装置50)と、停止操作部の操作態様に基づき役抽選手段による抽選結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るようにリール6を停止制御するリール停止制御手段(遊技制御装置50)と、役抽選手段で特定役が当選したときに、停止操作部の操作順番を報知可能な操作順報知手段(演出制御装置70)と、遊技に関する画像を表示可能な表示装置(画像表示装置3、側部サブ表示装置310)と、表示装置における表示を制御する表示制御手段(演出制御装置70)と、を備え、リール停止制御手段は、役抽選手段で特定役が当選したときは、操作順報知手段により報知された操作順番とは異なる順番で停止操作部を操作しても、特定役に対応した図柄組合せ態様が導出されるようにリール6を停止制御し、表示制御手段は、役抽選手段による抽選結果が特定役である場合に、操作順報知手段による順番通りに停止操作部を操作することに基づき表示装置に特定画像を表示するようにしていることとなる。
なお、特典画像履歴は、所定の条件の成立に伴いリセットするようにしても良く、例えば特定役高確率状態の終了に伴いリセットするようにしても良いし、遊技機の電源投入時にリセットするようにしても良い。
また、特定役に当選した場合は、押し順にかかわらず特定役が成立可能であるので、所定時間に亘り停止操作が行われなかった場合に自動的にリール6を停止してゲームを終了する自動停止を行うことも可能である。すなわち、押し順によって有利、不利がないため、自動停止しても遊技者が不利益を蒙ることはない。
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技状態の移行条件が異なる。
図65には遊技制御装置50で制御される遊技状態を説明するための状態遷移図を示した。特別役の成立に伴う特別遊技状態ST200の終了後、第1遊技状態ST201、第2遊技状態ST202、第3遊技状態ST203、第4遊技状態ST204の何れかの遊技状態に移行する。この移行先は、確率(遊技状態)抽選処理(ステップS49、図16参照)における抽選結果により選択されるが、この確率(遊技状態)抽選処理は、入賞当選判定処理(ステップS43)の実行により特別役当選であると判定したタイミングで行う場合に限らず、当該特別役当選後の特別役の成立によって移行する特別遊技状態が終了するまでの間の何れかのタイミングで行われれば良い。また、成立する特別役に応じて移行する遊技状態を予め決定しておき、成立した特別役から遊技者が移行先を把握できるようにしても良い。
第1遊技状態ST201に移行した場合は、特別役の当選まで遊技状態は変化しない。また、第2〜第4遊技状態に移行した場合は、特別役が成立しなければ100回のゲームを実行するまで滞在し、その後第1遊技状態ST201に移行する。すなわち、特別遊技状態の終了後100ゲームの期間は遊技者にとって有利な状態である可能性が高い期間となる。このようにすれば、特別遊技状態の終了後の興趣を高めることができるとともに、100ゲームを経過すれば第1遊技状態となることが明確であるので、高確率状態で遊技を止めてしまうことを防止できる。
すなわち、特別役確率設定手段(遊技制御装置50)は、特別遊技状態の終了後から所定期間に亘り、特別役高確率状態を設定することが可能であり、所定期間は、所定数のゲームを実行する期間であることとなる。また、特定役確率設定手段(遊技制御装置50)は、特別遊技状態の終了後から所定期間に亘り、特定役高確率状態を設定することが可能であり、所定期間は、所定数のゲームを実行する期間であることとなる。
なお、第2から第4遊技状態を100回のゲームの実行により終了して第1遊技状態に移行するようにしたが、第1遊技状態に移行することとなるゲーム数を複数の値(例えば20,50,100の何れか)から選択するようにしても良い。この場合に、第1遊技状態に移行することとなるゲーム数を明確に報知せず、押し順演出において押し順に従った停止操作を行った場合に、残りのゲーム数の一部を報知するようにしても良い。例えば、押し順に従った停止操作を行った場合に、「高確状態+10ゲーム」のような報知を行う。また、特別役高確率状態と特定役高確率状態を異なる期間に亘り設定するようにしても良い。例えば、特別役高確率状態のみ100ゲームで終了するようにし、特定役高確率状態については次回の特別役の当選まで継続するようにしても良い。
〔第3変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、遊技状態の移行条件が異なる。
図66には遊技制御装置50で制御される遊技状態を説明するための状態遷移図を示した。特別役の成立に伴う特別遊技状態ST200の終了後、第1遊技状態ST201、第2遊技状態ST202、第3遊技状態ST203、第4遊技状態ST204の何れかの遊技状態に移行する。この移行先は、確率(遊技状態)抽選処理(ステップS49、図16参照)における抽選結果により選択されるが、この確率(遊技状態)抽選処理は、入賞当選判定処理(ステップS43)の実行により特別役当選であると判定したタイミングで行う場合に限らず、当該特別役当選後の特別役の成立によって移行する特別遊技状態が終了するまでの間の何れかのタイミングで行われれば良い。また、成立する特別役に応じて移行する遊技状態を予め決定しておき、成立した特別役から遊技者が移行先を把握できるようにしても良い。
第1遊技状態ST201に移行した場合は、特別役の当選まで遊技状態は変化しない。また、第2又は第3遊技状態に移行した場合は、ゲームの実行毎に1/100の確率で当選する転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合に第1遊技状態ST201へ移行する。すなわち、ゲームの実行毎に特別役高確率状態が終了する可能性を持たせることで遊技の興趣を向上するようにしている。また、第4遊技状態に移行した場合は、特別役が成立しなければ50回のゲームを実行するまで滞在し、その後、第1遊技状態ST201に移行する。
転落抽選は、遊技制御装置50において特別役高確率状態である場合にゲームの開始時であって役の内部抽選より前に行われる。すなわち、遊技制御装置50が、高確率状態である場合に、通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段をなす。このような転落抽選を行うことで、高確率状態が継続することに対する期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、転落抽選は遊技者の操作態様によらないものなので、遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。なお、転落抽選に当選することにより特別役高確率状態が終了した場合に特定役高確率状態も終了するようにしたが、特定役高確率状態は継続するようにしても良い。
以上のことから、役抽選手段(遊技制御装置50)は、特別役の当選確率を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置50)と、高確率状態である場合に、通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置50)と、を備え、確率設定手段は、特別遊技状態の終了に伴い高確率状態を設定し、転落抽選手段により転落抽選に当選することに基づき通常確率状態へ移行させるようにしていることとなる。
また、特定役高確率状態である場合に、特定役通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置50)を備え、特定役確率設定手段は、特別遊技状態の終了に伴い特定役高確率状態を設定し、転落抽選手段により転落抽選に当選することに基づき特定役通常確率状態へ移行させるようにしていることとなる。
この転落抽選の抽選結果は演出制御装置70に送信され、演出制御装置70は転落抽選の結果を示唆する転落示唆演出を行う。この転落示唆演出は、第2又は第3遊技状態である場合において、転落抽選に当選したゲーム及び転落抽選に当選しなかったゲームであって別途の抽選で選択されたゲームにおいて行われる。
図67には転落示唆演出の一例を示した。この転落示唆演出は上述の押し順演出と似た演出となっており、まず、図67(a)に示すように画像表示装置3に押し順を指示する画像が表示される。この転落示唆演出では、左リール6aを最初に停止する指定がなされ、その後の中リール6bと右リール6cの押し順を当てる演出となっている。左リール6aを最初に停止するように指定するのは、内部当選した役にかかわらずに転落示唆演出が行われるため、変則押しとなって当選した役が成立しないような事態を避けるためである。また、中リール6bと右リール6cの押し順を当てるのは演出であり、実際はどちらを選択してもゲームの結果は同じである。
図67(b)に示すように、遊技者が左リール6aを最初に停止する何れかの停止操作を行うと、転落抽選の結果が報知される。転落抽選に当選していた場合は、中リール6bと右リール6cの押し順を当てられなかったものとして、図67(c)に示すように「転落」と表示し、特別役通常確率状態に転落した旨が報知される。また、転落抽選に当選していなかった場合は、中リール6bと右リール6cの押し順を当てたものとして、図67(d)に示すように「褒美」と表示し、特別役高確率状態が継続する旨が報知されるとともに、図67(e)に示すように特典画像が表示される。
このように、転落抽選の結果を、押し順を当てる演出に絡めて報知することで、あたかも遊技者自身の押し順の選択により特別役高確率状態を終了又は継続させたような印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
一方、図67(f)に示すように、指示した押し順に従わずに遊技者が左リール6a以外を最初に停止する停止操作を行うと、図67(g)に示すように転落抽選の結果は報知されない。この場合は、その後の遊技の演出等の変化により転落したかが分かってしまうため、所定期間は確率状態を推測できないような曖昧状態を設定することが好ましい。なお、転落抽選に当選していた場合は、押し順を当てられなかったものとして図67(c)に示すように「転落」と表示し、特別役通常確率状態に転落した旨を報知するようにしても良い。
〔押し順報知処理〕
演出制御装置70では、図63に示した押し順報知処理に替えて図68に示す押し順報知処理を行う。なお、押し順演出を行うための処理として、図37に示すゲーム演出決定処理における演出種別決定テーブルから抽選結果に対応する演出種別を決定する処理(ステップS271)において、図38(b)に示す単発演出態様決定テーブルに従いメイン表示演出1(操作演出なし)が選択された場合に押し順報知処理を行うとしていた。ここでは、これに加えて、図38(a)に示す演出種別決定テーブルとして、転落抽選に当選したことに基づき選択されるテーブルを設定し、このテーブルでは単発演出のみを選択するようにする。これにより、転落抽選に当選したゲームでは、ボーナス確定フリーズ演出や連続演出が行われない場合であってボーナス持ち越し中でない場合に必ず押し順報知処理が行われるようになる。
この押し順報知処理では、まず、転落抽選に当選したかを判定する(ステップS421)。なお、転落抽選はゲームの開始時に遊技制御装置50で行われ、抽選結果コマンドとともにその結果の情報が演出制御装置70に送信されるようになっている。
転落抽選に当選した場合(ステップS421;Y)は、転落示唆演出を設定し(ステップS425)、押し順報知処理を終了する。これにより、図67に示した演出が行われることとなる。なお、この場合は転落抽選に当選しているので、押し順に従って左リール6aを最初に停止した場合は図67(c)に示すように転落したことが報知される。
また、転落抽選に当選していない場合(ステップS421;N)は、特別役高確率状態であるかを判定する(ステップS422)。特別役高確率状態である場合(ステップS422;Y)は、転落示唆演出を実行するかを決定する実行抽選を行う(ステップS423)。そして、抽選結果が転落示唆演出を実行する結果であった場合(ステップS424;Y)は、転落示唆演出を設定し(ステップS425)、押し順報知処理を終了する。
なお、この場合は転落抽選に当選していないので、押し順に従って左リール6aを最初に停止した場合は図67(d)に示すように転落していないことが報知され、図67(e)に示すように特典画像が表示される。特別役高確率状態であって転落抽選に当選していない場合に転落示唆演出の実行を選択する確率は任意に設定可能であるが、転落示唆演出が頻出しすぎないようにすることが望ましく、例えば1%の確率で転落示唆演出の実行を選択するようにする。すなわち、演出制御装置70が、転落抽選の当選を示唆、報知する演出である転落示唆演出を行う転落示唆演出手段をなす。
一方、抽選結果が転落示唆演出を実行する結果でなかった場合(ステップS424;N)や、特別役高確率状態でない場合(ステップS422;N)は、ステップS401以降の処理を行う。これにより、特定役に当選している場合に所定の確率で図60に示したような押し順演出が行われることとなる。
〔特典画像表示処理〕
また、図64に示した特典画像表示処理に替えて図69に示す特典画像表示処理を行う。この特典画像表示処理では、押し順報知演出を実行していない場合(ステップS411;N)に、転落示唆演出を実行したかを判定する(ステップS431)。転落示唆演出を実行していない場合(ステップS431;N)は、特典画像表示処理を終了する。また、転落示唆演出を実行していた場合(ステップS431;Y)は、停止操作が指示通りであったかを判定する(ステップS412)。なお、停止操作が指示通りであったかの判定(ステップS412)では、押し順報知演出を実行した場合は第1、第2及び第3停止操作の全てが指示通りであったかを判定し、転落示唆演出を実行した場合は第1停止操作が指示通りであったかを判定する。
停止操作が指示通りでなかった場合(ステップS412;N)は、図67(g)に示したように転落抽選の結果を報知しない表示である「??」報知を行い(ステップS434)、特典画像表示処理を終了する。なお、ステップS434の処理は転落示唆演出の場合のみ行い、押し順報知演出の場合には行わないようにしても良いし、押し順報知演出の場合も行うようにして、特典画像を表示しないことを示す報知とするようにしても良い。
また、停止操作が指示通りであった場合(ステップS412;Y)は、転落抽選に当選したゲームであるかを判定する(ステップS432)。転落抽選に当選したゲームである場合(ステップS432;Y)は、図67(c)に示したような転落報知を行い(ステップS433)、特典画像表示処理を終了する。また、転落抽選に当選したゲームでない場合(ステップS432;N)は、特典画像を表示するためのステップS413からS415の処理を行い、特典画像表示処理を終了する。
すなわち、転落抽選の当選を示唆、報知する演出である転落示唆演出を行う転落示唆演出手段(演出制御装置70)を備え、表示制御手段(演出制御装置70)は、転落示唆演出において転落抽選に当選しなかったことを報知したことに基づき表示装置に特定画像を表示するようにしたこととなる。
〔第4変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、第2及び第3変形例の遊技機にも適用可能である。本変形例の遊技機は、押し順に従った操作を行うことに基づきポイントを付与し、当該ポイントに応じて特典を付与するようになっている。
図70にはポイントの付与と当該ポイントに応じた特典の付与の例を示した。押し順演出において押し順に従った操作を行い、図70(a)に示すように特典画像が表示されると所定のポイントが付与され、図70(b)に示すように今回付与されたポイント(ここでは20ポイント)が表示される。また、画面の左上部にはこれまでの累積ポイントが表示される。
そして、図70(c)に示すように、今回のポイントの獲得で累積ポイントが100ポイントを超えたことに基づき遊技者に特典が付与される。ここでは、特定役高確率状態で獲得したメダルの枚数が360枚を超えていることが報知され、さらに、文字の色柄により、設定値が示唆されるようになっている。設定値と選択される文字の色柄との関係は図70(d)に示すように予め定められており、例えば、文字が桜柄であった場合には設定5又は6であることがわかるようになっている。
〔特典画像表示処理〕
このような制御を行うために、図64に示した特典画像表示処理に替えて図71に示す特典画像表示処理を行う。この特典画像表示処理では、表示された特典画像を特典画像履歴に追加する処理(ステップS415)を行った後、特典ポイントを加算する処理を行う(ステップS441)。
特典ポイントを加算する処理(ステップS441)では、付与するポイントを決定し、累積ポイントに加算する処理を行う。また、図70(b)に示すように付与したポイントを報知するための表示を行う。なお、付与するポイントは予め定めておいても良いし、特典画像を表示する毎に抽選により決定しても良い。また、出現頻度が相対的に低いレア特典画像を表示した場合は、より多くのポイントが付与されるようにしても良い。
その後、累積ポイントが所定値以上であるかを判定し(ステップS442)、所定値以上でない場合(ステップS442;N)は、特典画像表示処理を終了する。また、累積ポイントが所定値以上である場合(ステップS442;Y)は、設定値を取得し(ステップS443)、図70(d)に示した対応に従い設定示唆画像の設定を行う(ステップS444)。そして、設定した設定示唆画像を表示し(ステップS445)、特典画像表示処理を終了する。
これにより図70(c)に示したように設定示唆画像が表示される。すなわち、係員の操作により、内部抽選の当選確率を予め定められた複数の確率値から選択可能な確率設定手段(設定装置60、遊技制御装置50)を備え、当該確率設定手段による設定値を遊技者が推測するための補助となる推測補助演出を実行する推測補助演出手段(演出制御装置70)を備えることとなる。なお、設定示唆画像はここで示したものに限られず、設定を示唆するものであればなんでも良い。例えば、設定値に応じて各特典画像の選択確率を異ならせ、獲得した特典画像から遊技者が設定値を推測できるようにしても良い。また、ポイントに応じた特典として設定を示唆するようにしたが、これ以外の特典を付与するようにしても良く、例えばポイントに応じた特典画像を表示するようにしても良い。
〔第5変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、第2、第3及び第4変形例の遊技機にも適用可能である。本変形例の遊技機は、遊技者個人の特典の獲得履歴を管理できる遊技システムを構成している。
図72には、本変形例の遊技機を使用した遊技システムの概略構成が示されている。図72に示すように、本変形例における遊技システムは、遊技機であるスロットマシン1と携帯電話機のような無線通信機能を有する携帯端末110とメインサーバ100とから構成され、携帯端末110とメインサーバ100とは無線通信回線(インターネット)を介してデータの送受信が可能に構成される。
メインサーバ100は、コンピュータの一種であり、CPU(マイクロプロセッサ)101や、該CPU101が実行するプログラムや固定データを記憶するROM(リードンオンリメモリ)102、CPU101の作業領域を提供したり遊技機の経歴データやユーザ(遊技者)のデータを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)103の他、通信機能などを備え、インターネットを介して情報を提供するウェブサーバとして機能するように構成されている。
本変形例の遊技システムにおいては、遊技者がスロットマシン1に対して操作入力部30のような入力手段を操作すると、スロットマシン1は側部サブ表示装置310等によってQRコード(登録商標)に代表される二次元パターンコードを表示する。そして、表示されたこの二次元パターンコードを、携帯端末110が備える撮影機能(デジタルカメラ)により読み込んで無線通信回線を介してメインサーバ100に送信してパスワードを取得し、取得したパスワードを入力手段により入力することでスロットマシン1により特別な遊技態様による遊技などのサービスを受けることができるように構成されている。
従って、操作入力部30は識別コードを入力可能な入力手段として機能する。また、携帯端末110が備える撮影機能は、非接触情報読取手段として機能する。なお、二次元パターンコードの代わりに、赤外線などの無線通信信号により同様なコードをスロットマシン1から携帯端末110へ送信するように構成してもよい。
図73には、図72の遊技システムを構成するスロットマシン1における遊技者による操作の例が示されている。連続演出の実行中でない場合に遊技者が操作入力部30を操作することに基づき、側部サブ表示装置310に図29に示したようなメニュー選択画面が表示され、このメニュー選択画面において携帯連動の項目を選択する携帯連動操作を行うと、図73(a)に示すような連動メニュー選択画面が表示される。
本変形例の遊技機における携帯連動とは、携帯端末110を介してメインサーバ100において、遊技者個人の特典画像の獲得履歴を管理できる独自のサービスモードによる遊技のことであり、図73(a)に示す連動メニュー選択画面では、携帯連動の開始、終了、遊技者個人の特典画像の獲得履歴を含む個人ログの確認、携帯連動メニューの終了を選択可能である。
この連動メニュー選択画面で「携帯連動(ゲームログ)開始」を選択すると、図73(b)のようなパスワードの入力画面が表示される。過去に携帯連動サービスモードによる遊技を行ったことがあり、既にパスワードを取得している遊技者は、この画面で操作入力部30を操作してパスワードを入力すると前回までの遊技の経過を反映した遊技(継続)が開始される。一方、パスワードを持っていない遊技客は、「初めから」を選択すると、遊技経過情報が「0」の初期状態からの遊技が開始される。
そして、遊技終了時に図73(a)に示す連動メニュー選択画面で携帯連動(ゲームログ)の終了を選択すると、側部サブ表示装置310に図73(c)のように二次元パターンコードが表示される。これを携帯端末110のカメラ機能で撮影して情報を読み込みメインサーバ100にアクセスすると、メインサーバ100からパスワードが返信され、このパスワードを使用して次回の携帯連動サービスモードによる遊技を行なったりコンテンツを取得したりするなどの様々なサービスの提供を受けることができる。
すなわち、スロットマシン1では携帯連動サービスを行っている期間の特典画像の履歴を記憶し、その情報を含んだ二次元パターンコードを表示する。メインサーバ100では二次元パターンコードに基づくアクセスにより、履歴情報を取得して個人ログレコードとして管理する。また、メインサーバ100が発行するパスワードには、特典画像がどこまで表示されたかの情報が含まれ、スロットマシンではこの情報に基づき次の表示順の特典画像を表示するように制御する。なお、例えばスロットマシン1が、スロットマシンを管理する管理装置及びインターネットを介してメインサーバ100へ、当該スロットマシンが携帯連動サービスモードにおいて表示した特典画像の種類を逐次送信するように構成しても良い。
また、本変形例のスロットマシン1においては、上記のようなサービスモードによる遊技をしたくない遊技者が、演出ボタン10を操作せずにメダルを投入しスタートレバー21を操作して遊技を開始すると、従来のスロットマシン1と同様な遊技が行えるように構成しても良い。
〔遊技終了時設定処理〕
図74には、図30に示した携帯連動処理における連動開始処理を示した。この連動開始処理では、まず、図73(b)に示したようなパスワード入力可能画面を表示し(ステップS451)、パスワードを入力せずに遊技を開始する「初めから」の入力操作があったかを判定する(ステップS452)。
「初めから」の入力操作があった場合(ステップS452;Y)は、「初めから」の選択操作が実施されたことを記憶し(ステップS458)、初期状態の遊技態様に設定して(ステップS459)、連動開始処理を終了する。また、このとき演出制御装置70の記憶装置(RAM)内に用意される遊技履歴情報記憶領域は、初期状態(累積遊技データ等が0の状態)にされる。
また、「初めから」の入力操作がなかった場合(ステップS452;N)は、パスワードの入力操作があったかを判定する(ステップS453)。パスワードの入力操作がなかった場合(ステップS453;N)は、パスワードの入力可能時間が経過したかを判定する(ステップS457)。パスワードの入力可能時間が経過していない場合(ステップS457;N)は、「初めから」の入力操作があったかの判定(ステップS452)に戻る。また、パスワードの入力可能時間が経過した場合(ステップS457;Y)は、連動開始処理を終了する。この場合、終了操作がなければ図73(a)に示す連動メニュー選択画面の表示が行われる。
一方、パスワード入力操作があった場合(ステップS453;Y)は、正当なパスワードであるかを判定する(ステップS454)。正当なパスワードでない場合(ステップS454;N)は、入力をクリアし(ステップS456)、入力可能時間が経過したかを判定する(ステップS457)。また、正当なパスワードであった場合(ステップS454;Y)は、パスワードに基づく遊技態様に設定し(ステップS455)、連動開始処理を終了する。
なお、図30に示す連動終了処理(ステップS257)では、履歴に応じた二次元パターンコード(アクセスコード)を側部サブ表示装置310に表示する処理を行う。そして、遊技者が携帯端末110により読み込んで無線通信回線を介してメインサーバ100に接続するとパスワードが発行され、このパスワードを使用して次回の携帯連動サービスモードによる遊技を行なったりコンテンツを取得したりするなどの様々なサービスの提供を受けることができる。
図75には、メインサーバ側で実行されるパスワード送信処理を示した。このパスワード送信処理では、まず、携帯端末からのアクセスすなわち遊技機が発行した二次元パターンコードに基づくアクセスがあるかを判定する(ステップS461)。なお、二次元パターンコードには、メインサーバ100へアクセスするための情報(URLなど)の他、表示された特典画像の種類の情報、個人を特定する情報などが含まれており、この二次元パターンコードに基づきメインサーバ100にアクセスすることで、これらの情報もメインサーバ100に送信される。
携帯端末からのアクセスがない場合(ステップS461;N)は、パスワード送信処理を終了する。また、携帯端末からのアクセスがある場合(ステップS461;Y)は、該当する個人ログレコードがあるかを判定する(ステップS462)。
該当する個人ログレコードがない場合(ステップS462;N)は、個人ログレコードを作成し(ステップS463)、個人ログレコードに基づくパスワードを発行して(ステップS465)、パスワード送信処理を終了する。また、該当する個人ログレコードがある場合(ステップS462;Y)は、当該個人ログレコードを更新し(ステップS464)、個人ログレコードに基づくパスワードを発行して(ステップS465)、パスワード送信処理を終了する。これによりメインサーバ100側で二次元パターンコードに含まれた情報に基づき遊技者個人の特典画像の履歴が更新されて管理されるようになる。
なお、パスワードだけでなく、図76に示すような携帯端末110の待ち受け画像などのサービスデータを送信するようにしても良い。また、当該スロットマシンで発生可能な演出の数と、当該遊技者が実際の遊技で出現させた演出の種類を一覧として示す演出図鑑データや、当該遊技者のやりこみ度合を示すやりこみデータなどを送信しても良い。かかるデータを携帯端末に送信して表示させることで、遊技者はまだ出現していない演出がどの位あるかを知ることができ、すべて出現させたいという遊技意欲を掻き立てるのに貢献することができる。
すなわち、遊技開始時に外部より操作可能な入力手段(操作入力部30)の操作により入力された第1識別コードを取り込む入力部(演出制御装置70)と、遊技開始時に入力された第1識別コードに基づいて演出態様を設定可能な演出態様設定手段(演出制御装置70)と、遊技開始時に第1識別コードを取り込んでから、遊技終了操作を行うまでの間に発生した演出の情報である演出経過情報を記憶する演出経過情報記憶手段(演出制御装置70)と、演出経過情報記憶手段に記憶された演出経過情報に基づいて、演出経過情報の累積値である累積遊技経過情報にアクセスするためのアクセス情報を出力する情報出力手段(演出制御装置70)と、を備えることとなる。これによれば、遊技開始時に入力された第1識別コードにより演出態様が変更可能であるので、遊技者は累積遊技経過情報に応じて様々なヴァリエーションの遊技を楽しむことができ、遊技の興趣が高まる。
〔第6変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、第2から第5変形例の遊技機にも適用可能である。本変形例の遊技機は、獲得した特典画像を履歴として残すか否かを選択可能である。
本変形例では、特典画像は抽選により選択されるようになっており、既に表示された特典画像が再度表示される場合もある。そこで、遊技者が表示された特典画像を履歴として残すか否かを選択できるようにしている。図77には履歴として残すかを選択する操作の例を示した。
図77(a)に示すように押し順演出が行われ、遊技者が指示された押し順に従った停止操作を行うと、図77(b)に示すように画像表示装置3に特典画像が表示される。そして、遊技者が操作入力部30を操作して特典画像の保存を選択する保存操作を行うと、図77(d)に示すように特典画像が側部サブ表示装置310に移動するとともに、履歴として記憶される。また、遊技者が保存操作を行わずに所定時間が経過すると、図77(c)に示すように特典画像が破棄されるとともに、履歴としての記憶はなされない。
〔特典画像表示処理〕
上述のような制御を行うため、図44に示す特典画像表示処理に替えて図78に示す特典画像表示処理を行う。この特典画像表示処理では、操作入力部30の操作による保存操作があるか否かの判定(ステップS471)を行い、保存操作があった場合(ステップS471;Y)に、表示された特典画像を特典画像履歴に追加する処理(ステップS715)を行う。
すなわち、特典画像の表示履歴を記憶する履歴記憶手段(演出制御装置70)を備え、履歴記憶手段は、遊技者の操作に基づき表示履歴として記憶するか否かを選択する記憶選択手段(演出制御装置70)を備えることとなる。なお、保存操作を行った場合にのみ履歴として記憶するようにしたが、操作を行わなかった場合には履歴として記憶するようにし、操作入力部30の操作による破棄操作を行った場合に履歴として記憶しないようにしても良い。また、保存操作と破棄操作の両方を行えるようにしても良い。また、押し順演出において指示通りに停止操作を行わなかった場合には、特典画像は表示するが履歴として残せないようにしても良い。
〔第7変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。なお、第2から第6変形例の遊技機にも適用可能である。本変形例の遊技機は、日時を管理可能なリアルタイムクロックを備え、当該リアルタイムクロックにより把握される日時に応じて特典画像の選択割合を変更できるようにしている。
〔特典画像表示処理〕
本変形例の遊技機では、図44に示す特典画像表示処理に替えて図79に示す特典画像表示処理を行う。この特典画像表示処理では、停止操作が指示通りであった場合(ステップS412;Y)に、時刻に合わせた特典画像選択テーブルを選択する(ステップS481)。すなわち、時刻によって選択する特典画像選択テーブルが予め決まっており、リアルタイムクロックで管理される現在の時刻に応じて対応する特典画像選択テーブルを選択する。
図80には特典画像選択テーブルの一例を示した。図80(a)に示す第1テーブルは特典画像としてレアAを3%の割合で選択可能であるが、図80(b)に示す第2テーブルは特典画像としてレアAを選択できないようにされている。このように特典画像の選択割合が異なるテーブルを現在時刻に基づき選択するようにし、例えば、開店から所定時刻までは第1テーブルを選択し、それ以降は第2テーブルを選択するようにする。このようにすれば、開店から遊技を行っている遊技者に対してのみレアAの特典画像を獲得可能とすることができるという特典を付与することができ、遊技機の稼働率を高めることができる。
なお、リアルタイムクロックで管理する日時に基づくテーブルの選択態様や各テーブルの設定は任意に設定可能である。例えば、図81(a)に示すように、時刻により区分けされる期間により獲得可能なレア特典画像の種類を異ならせるようにしても良い。また、図81(b)に示すように、遊技機の遊技店の設置からの日時により区分けされる期間により獲得可能なレア特典画像の種類を異ならせるようにしても良い。
すなわち、日時を管理するリアルタイムクロック(演出制御装置70)を備え、表示制御手段(演出制御装置70)は、役抽選手段(遊技制御装置50)による抽選結果が特定役である場合に、操作順報知手段(演出制御装置70)による順番通りに停止操作部(リールストップボタン24)を操作することに基づき表示装置に表示する特定画像を、リアルタイムクロックの情報に基づき選択するようにしたこととなる。
なお、以上の各変形例では、一のゲームにおける特典として一の特典画像を表示するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図82に示すように、一の特典画像を複数のピースに区分けし、一のゲームの特典として一又は複数のピースを獲得できるようにし、複数回のゲームで特典を獲得することにより一の特典画像が得られるようにしても良い。また、特典画像はキャラクタのほか、写真など何でも良い。また、例えば複数枚の特典画像が一連のストーリーを持つものとしても良く、例えば、特典画像を4コマ漫画の一コマとしてストーリー順に表示するようにすれば、遊技者に複数回の押し順演出を成功させようとする意欲を持たせることができる。また、特典画像として二次元パターンコードを表示し、これを読み込んでアクセスすることで特典が得られるようにしても良い。
また、押し順演出で指示通りの停止操作を行ったゲーム毎に順次異なる特典画像を表示するようにしたが、所定の確率で既に表示した特典画像を表示したり、押し順演出で指示通りの停止操作を行ったゲームが所定回数に達する毎に特典画像を表示したりするようにしても良い。また、特定役が内部当選した場合の所定確率で押し順演出を行うようにしても良い。特定役高確率状態では特定役に頻繁に内部当選するため、表示される特典画像が増えすぎてしまうが、このようにすることで表示される特典画像の増加を緩やかにすることができる。特に、第1変形例のように次回の特別役の当選まで特定役高確率状態とする場合には、特定役高確率状態の期間が長くなる場合もあり、表示される特典画像が増えすぎてしまう可能性が高いため有効である。
以上のような遊技機は、複数種類の図柄を表示した複数のリール6と、各リール6に対応して設けられ、リール6の回転を停止させるときに遊技者が操作する停止操作部(リールストップボタン24)と、役の抽選を行う役抽選手段(遊技制御装置50)と、停止操作部の操作態様に基づき役抽選手段による抽選結果に応じた図柄組合せ態様が導出され得るようにリール6を停止制御するリール停止制御手段(遊技制御装置50)と、を備え、役には、成立することに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別役が含まれ、役抽選手段は、特別役の当選確率を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置50)と、特別役とは異なる特定役の当選確率を特定役通常確率状態と、該特定役通常確率状態よりも高い特定役高確率状態の何れかに設定する特定役確率設定手段(遊技制御装置50)と、を備え、確率設定手段は、特別遊技状態の終了に伴い所定期間に亘り高確率状態を設定し、特定役確率設定手段は、高確率遊技状態である場合に特定役高確率遊技状態を設定することが可能である。
ここで特別遊技状態とは、当該特別遊技状態でない場合よりも遊技媒体の獲得が容易な状態であって、獲得した遊技媒体の総数が予め設定された上限数となることや、所定のゲーム数を実行することで終了するものである。
したがって、特別遊技状態の終了後にさらに次回の特別役の導出の可能性が高まるため、より遊技の興趣を高めることができる。また、特別役の当選は遊技者の操作態様によらないものなので、この当選確率を高めることで遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。さらに特定役の当選確率も高まるので、次回の特別役の導出が高い期間において遊技者の損失を抑えることができる。この特定役の当選も遊技者の操作態様によらないものなので、遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。
また、役抽選手段(遊技制御装置50)により特定役が当選したときに、停止操作部(リールストップボタン24)の操作順番を報知可能な操作順報知手段(演出制御装置70)と、画像を表示可能な表示装置(画像表示装置3、側部サブ表示装置310)と、表示装置における表示を制御する表示制御手段(演出制御装置70)と、を備え、リール停止制御手段(遊技制御装置50)は、役抽選手段により特定役が当選したときは、操作順報知手段により報知された操作順番とは異なる順番で停止操作部を操作しても、特定役に対応した図柄組合せ態様が導出されるようにリール6を停止制御し、表示制御手段は、役抽選手段による抽選結果が特定役である場合に、操作順報知手段による順番通りに停止操作部を操作することに基づき表示装置に特定画像を表示するようにしている。
したがって、特定役は遊技者の操作態様によらずに成立するので遊技者間の公平を保つことができ、操作順番どおりに操作した場合には特定画像が表示されるという特典が付与されるので、いたずらに射幸心を煽ることなく遊技の興趣を向上することができる。
また、役抽選手段(遊技制御装置50)は、高確率状態である場合に、通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置50)を備え、確率設定手段(遊技制御装置50)は、所定期間内であっても転落抽選手段により転落抽選に当選することに基づき高確率状態を終了して通常確率状態へ移行させるようにしている。
したがって、高確率状態が継続することに対する期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、転落抽選は遊技者の操作態様によらないものなので、遊技者間の公平を保ちつつ遊技の興趣を向上することができる。
なお、本発明の遊技機は、スロットマシンとして、前記実施の形態に示されるようなメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンに適用可能である。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
〔第2実施形態〕
次に、上述した第2実施形態の遊技機ついて図83から図157を参照して説明する。第2実施形態の遊技機はパチンコ遊技機であり、第1実施形態の第1変形例に示した押し順演出をパチンコ遊技機にも適用可能であることを示すものである。なお、第2実施形態から第5実施形態での符号は、第1実施形態での符号とは関連がなく独立して付しており、以下の説明での符号は図83から図157で用いた符合を用いている。この第2実施形態では、演出ボタン25を用いて表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの停止順を当てる押し順演出を行うことが可能となっており、停止順を当てた場合に特典画像が表示されるようになっている。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、押し順演出を行わない場合は、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。
押し順演出を行う場合は、まず、抽選等により変動開始時に停止順を決定する。そして、遊技者は変動開始からの所定期間において演出ボタン25の操作に基づき停止させる変動表示領域を選択するとともに選択した変動表示領域の変動表示を停止させることができるようになっている。遊技者が選択した停止順が変動開始時に決定された停止順と合致すれば特典として特典画像の表示が行われる。なお、変動時間は予め定められているので、変動表示を停止させても完全に停止した状態となるのではなく仮停止した状態となり、識別情報は揺れるように表示される。
このような制御を行うため、後述する1stメイン処理でのシーン制御処理(ステップB22、図103参照)において、ゲーム開始時に図63に示した押し順報知処理を行う。なお、図63に示した押し順報知処理での特定役であるかの判定(ステップS401)は行わない。また、押し順演出の実行中は、演出ボタン入力処理(ステップB19、図103参照)で検出した入力に基づき、対応する変動表示領域の変動表示を仮停止する処理を行う。さらに、ゲーム終了前までに図64に示した特典画像表示処理を行い、押し順を当てた場合には特典画像を表示装置41に表示するようにする。
また、図58、図65、図66に示した遊技状態の遷移を、特別役高確率状態を特別結果の当選確率についての高確率状態と対応させ、特定役高確率状態を普通変動表示ゲームの時短状態と対応させることで同様の遊技状態の遷移を実現可能である。そして、図66に示したような転落抽選を行う場合は、これと押し順演出を組み合わせた図67に示した転落示唆演出も実行可能である。その他の変形例の構成についても適用可能である。なお、図70に示した設定示唆画像については、パチンコ遊技機において設定値を変更可能な機能を設けることで実現可能である。ただし、最も期待度の高い桜柄が遊技者に有利な設定値に対応付けられることが好ましく、パチンコ遊技機の場合は少なくとも設定1が対応付けられることが好ましい。
なお、演出ボタン25により停止させる変動表示領域を選択するとしたが、スロットマシン1と同様に左、中、右の識別情報に対応する停止操作部を設けるようにしても良い。また、二つ目の押し順を当てた時点でリーチ状態となるようにしても良い。
以下に本実施形態でのパチンコ遊技機の具体的な構成例を示す。なお、以下の遊技機は、遊技領域に設けられた始動入賞領域に遊技球が入賞することに基づき、表示装置で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する発明も含んでいる。
従来の遊技機においては、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき始動記憶を上限数まで記憶可能であり、該始動記憶に基づいて、表示装置で識別情報の変動表示を行う変動表示ゲームを実行し、その結果に基づき特別遊技状態を発生する遊技機が知られている。また、始動入賞領域を、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置とし、該普通変動入賞装置を入賞し易い状態に変化させるための抽選として普通図柄抽選を行う遊技機も知られている。
このような遊技機において、普通変動入賞装置の動作態様を複数設定し、遊技者にとってより有利な動作態様となることを表示装置で報知する遊技機が提案されている(例えば、特開2011−234957参照)。さらに、遊技者にとってより有利な動作態様となることの報知に加え、変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さである信頼度の報知も実行可能となっている。
しかしながら、大当りの確率は数百分の一であり、ほとんどの変動表示ゲームがはずれとなるのであって、大当りとなる信頼度の報知をするにしても低い信頼度の報知がほとんどとなり、遊技の興趣を高めるには不十分であるという課題を有する。
以下の遊技機は、遊技領域に設けられた始動入賞領域に遊技球が入賞することに基づき、表示装置で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技の興趣を高めることも目的としている。
以上の課題を解決するため、第1の発明は、遊技領域に設けられた始動入賞領域に遊技球が入賞することに基づき、表示装置で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記始動入賞領域をなし、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置と、前記遊技領域に設けられ遊技球の通過を検出する普図始動ゲートと、該普図始動ゲートへの遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段と、前記表示装置の普図演出領域に普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段と、前記普図変動表示ゲームが特定結果となることに基づき、前記普通変動入賞装置を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段と、前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した前記識別情報の変動パターンに従って前記表示装置の特図演出領域で特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段と、前記特図変動表示ゲームの実行中に前記普図演出領域にて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、特図変動表示ゲームの変動パターンについての示唆内容は、リーチの有無や擬似連の有無、変動時間の長さなど、何でも良い。
第1の発明によれば、普図演出領域で特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する演出が実行可能となり、普図演出領域での演出が多様なものとなって、遊技の興趣を高めることができる。
第2の発明は、第1の発明の遊技機であって、前記特図変動表示ゲーム制御手段は、前記変動パターンとして、1回の前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて前記識別情報の変動表示を行い、前記識別情報を全て仮停止した後に前記識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンを選択可能であり、前記変動パターン示唆手段は、前記特図変動表示ゲームの実行中に前記普図演出領域にて、前記擬似連変動パターンの実行を予告する変動パターン示唆表示を表示可能であることを特徴とする。
擬似連変動パターンの実行の予告とは、例えば、再変動表示が行われることを示唆することや、再変動表示の回数を示唆することなどである。
第2の発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
第3の発明は、第2の発明の遊技機であって、前記変動パターン示唆手段は、前記再変動表示動作の実行毎に当該再変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を前記普図演出領域に表示可能であることを特徴とする。
第3の発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。また、再変動表示が行われることに期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第4の発明は、第3の発明の遊技機であって、前記特図変動表示ゲーム制御手段は、前記表示装置で複数の識別情報を含む複数の識別情報列の各々で識別情報を変動表示し、各識別情報列において導出した識別情報の組み合せにより結果を表示する特図変動表示ゲームを実行し、前記変動パターンとして、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンを選択可能であり、前記変動パターン示唆手段は、前記滑り変動表示動作の実行毎に当該滑り変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を前記普図演出領域に表示可能であることを特徴とする。
第4の発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
第5の発明は、第1から第4の発明の何れか一つに記載の遊技機であって、前記始動入賞領域への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段を備え、前記特図変動表示ゲーム制御手段は、前記始動記憶に基づき前記特図変動表示ゲームを実行するように構成され、前記始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段と、前記事前判定手段による判定結果に関する情報を前記普図演出領域に表示可能な事前報知手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、遊技結果情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
第5の発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
第6の発明は、第5の発明の遊技機であって、前記事前報知手段は、前記普図演出領域にて、所定の結果となる特図変動表示ゲームの実行までのゲーム数を各特図変動表示ゲームの実行毎に表示可能であることを特徴とする。
第6の発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
本発明によれば、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図83は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図84参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が開閉可能に取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した操作手段をなす演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図84参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図84参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図84を用いて遊技盤30の一例について説明する。図84は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えた包囲枠体(センターケース)40が配置されている。表示装置41は、包囲枠体40に設けられた凹部に、当該包囲枠体40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、包囲枠体40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示領域においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示領域には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、包囲枠体40における上部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図84に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右下側には一つの一般入賞口35が配置されている。各一般入賞口35に入賞した遊技球は入賞口スイッチ35a(図85参照)により検出される。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図85参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(第1大入賞口)38が配設されている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図85参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図85参照)が配設されている。第1特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、包囲枠体40の左上部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、一対の可動部材39c,39cを備え、この一対の可動部材39c,39cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2特別変動入賞装置39の上方には、包囲枠体40の内側への遊技球の流入を規制する鎧部40aが延出しており、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となって特別遊技状態や小当り遊技状態となった場合には、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39b(図85参照)によって逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられて遊技球の流入が可能となり、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39a(図85参照)が配設されている。特別遊技状態や小当り遊技状態では、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39の何れか一方が開放されるが、何れを開放するかは特図変動表示ゲームの結果態様により決定される。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55、56とを備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部(第3遊技状態表示器)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
特図1保留表示器54は、特図1表示器の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器58は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率状態表示部59は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図85参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図85参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果には、はずれ、通常当り、特定当りの三種類があり、普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値により結果を決定する。結果が通常当り又は特定当りであれば、内蔵されている普電ソレノイド37c(図85参照)が駆動されることにより、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。なお、通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間が長く、遊技者にとって有利となっている。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図85参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、包囲枠体40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示41b(図106参照)として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様(特別結果)となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが(優先して)実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図85は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111C、個別ICレジスタ111Dを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態や小当り遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン111は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ111Dに記憶されたIDを、情報伝達部71から出力する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットと電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置201に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aが近接I/F121を介して接続される。近接I/F121は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや第2特別変動入賞装置39を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39b、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。情報伝達部(外部情報端子板)71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38b、大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けて各ソレノイドのソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を情報伝達部(外部情報端子板)71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置1000へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置1000との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図86を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられているLEDを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(包囲枠体40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出役物スイッチ44aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの結果を判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が通常当り又は特定当りの場合は、普図表示器に結果に応じた特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34への遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、普図変動表示ゲームが特定結果(通常当り又は特定当り)となることに基づき、普通変動入賞装置37を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段をなす。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38c又は大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の可動部材39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1回のラウンド遊技とし、このラウンド遊技を所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて特別結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態や小当り遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
遊技状態が時短状態でない場合は、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)が通常確率(普図低確率状態)とされる。さらに、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)が第1変動表示時間(例えば、10000ミリ秒)とされ、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間が第1停止時間(例えば、1604ミリ秒)とされる。また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放時間(普電開放時間)は、第1開放時間とされる。また、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数とする。ここで、通常当りの場合と特定当りの場合は、普電開放時間と普電開放回数の一方又は両方が異なり、通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間が長く、遊技者にとって有利となっている。
そして、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とする。さらに、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能であり(例えば、600ミリ秒)、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、704ミリ秒)。
また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合の開放時間(普電開放時間)を第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能であり、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数よりも多い第2開放回数に設定することが可能である。なお、時短状態においても通常当りよりも特定当りの方が普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開状態となる時間を長くし、遊技者にとって有利なものとする。
すなわち時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで、単位時間当たりに普通変動入賞装置37が開状態となる時間を時短状態でない場合よりも延長するようにする。なお、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。また、以下の説明や図中では、高確率状態や時短状態を特定遊技状態と称することがあり、時短状態を普電サポート状態又は電サポ状態と称することがある。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図87及び図88参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図89参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図87に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図88のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図88のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したかを判定し(ステップS28)、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図89のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38a,39aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b,39b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理及び普通変動入賞装置37の動作の制御を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図90に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。図91に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。図92に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。図93に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図94に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類又は小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り又は小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図95に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図96に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定した場合は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞領域への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなし、始動記憶と対応して始動記憶情報(大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1から3)を記憶する。また、遊技制御装置100が、第1入賞領域(始動入賞口36)への遊技球の入賞を、第1始動記憶として第1上限値まで記憶する第1始動記憶手段をなすとともに、第2入賞領域(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を、第2始動記憶として第2上限値まで記憶する第2始動記憶手段をなす。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した始動記憶情報の判定を行う先読み処理である。
図97に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段をなす。なお、ここでは始動記憶の発生時に事前判定を行っているが、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始前であればいつでも良い。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図98に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図99に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段をなす。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図100に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段をなす。
この特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定される。特図変動表示ゲームの変動パターンとして設定される内容には、特図変動表示ゲームの実行時間や飾り特図変動表示ゲームでの演出内容、識別情報の変動態様などがある。飾り特図変動表示ゲームでの識別情報の変動態様には、リーチや、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンや、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンが含まれる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図101には、図99に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図102には、図100に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコンでは主に図103に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図105に示す2ndメイン処理が行われる。
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。図103に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後のシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。シーン制御処理では、遊技制御装置100から受信したコマンドに基づき、遊技に関する演出の実行内容や実行タイミングを制御する。例えば、後述する図106等に示すように、遊技制御装置100で選択された変動パターンに応じて、表示装置41の特図演出領域41aに表示する飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する処理を行う。また、普図変動表示ゲームの結果に応じて、表示装置41の普図演出領域41cに結果を表示する処理を実行可能である。さらに、表示装置41の普図演出領域41cに実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆する表示を行う処理を実行可能である。また、事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報を普図演出領域41cに表示する処理を実行可能である。
また、始動記憶数に応じて表示装置41に飾り特図始動記憶表示41bを表示する処理を実行可能である。また、飾り特図始動記憶表示41bで対応する始動記憶の事前判定結果を報知する処理を実行可能である。すなわち、演出制御装置300が、第1始動記憶の記憶数及び第2始動記憶の記憶数を始動記憶表示として報知する始動記憶報知手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果を始動記憶表示において表示可能な事前判定結果表示手段をなす。
次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理について説明する。このコマンド受信割込み処理では、図104に示すように、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB51)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB52)を行う。ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB52;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB53)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB53;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB54)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB55)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB56)を行う。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB57)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB58)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB53において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB53;No)、又はステップB54において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB54;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB52において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB52;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB59)する。ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB59;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB60)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB60;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB61)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB61;Yes)は、ステップB55へ移行し、それ以降の処理を行う。また、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB61;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB62)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB63)を行う。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB64)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB59において、タイムアウトとなった場合(ステップB59;Yes)、又はステップB60において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB60;No)は、ステップB65へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB65)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB66)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。図105に示すように、2ndメイン処理においては、先ず2ndCPUの初期化処理(ステップB71)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB72)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB73)を行い、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)の初期化処理(ステップB74)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB75)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB76)を行う。
次いで、VDPによる画像描画を許可する処理(ステップB77)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB78)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB79;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB79の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB79;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB80)を行い、通常ゲーム処理(ステップB81)を行い、ステップB78へ戻る。
通常ゲーム処理(ステップB81)では、図103に示す1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)での設定内容に応じて、演出コマンド編集処理(ステップB24)で主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドに基づき、表示装置41における表示の制御等を行う。これにより、特図変動表示ゲームの変動パターンに応じた飾り特図変動表示ゲームが表示装置41の特図演出領域41aに表示される。また、普図変動表示ゲームの結果に応じて、表示装置41の普図演出領域41cに結果が表示される。さらに、表示装置41の普図演出領域41cに特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆する表示が行われる。また、表示装置41の普図演出領域41cに事前判定手段による判定結果(先読み結果)に関する情報が表示される。
すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段をなす。また、演出制御装置300が、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段をなす。また、演出制御装置300が、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段をなす。また、演出制御装置300が、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段をなす。
次に、遊技の演出について説明する。上述したように、普図変動表示ゲームの結果には、通常当りと該通常当りよりも遊技者に有利な特定当りとがある。本実施形態の遊技機では、普図変動表示ゲームの結果が特定当りとなることを表示装置41において報知可能であり、さらに、同様の報知態様で特図変動表示ゲームの結果や変動パターンに関する情報も報知可能となっている。
図106には、表示装置41での表示態様の一例を示した。図106(a)に示すように、表示装置41の表示領域の中央には、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する特図演出領域41aが設定されている。この特図演出領域41aでは、変動パターン乱数1から3に基づき選択された変動パターンに従って識別情報を所定時間に亘り変動表示した後に結果態様が表示されるとともに各種の演出表示が表示される。
また、表示領域の下部には、特図始動記憶に関する情報を示す飾り特図始動記憶表示41bが表示されるようになっている。表示領域の左下部には第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが表示され、表示領域の右下部には第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが表示される。この飾り特図始動記憶表示41bは各々が特図始動記憶と一対一に対応しており、第1始動記憶と第2始動記憶のそれぞれで左から消化順序が早い順に並んで表示される。図106(a)に示す状態では、第1始動記憶が4つあり、第2始動記憶が0であることを示している。また、飾り特図始動記憶表示41bの表示態様によって、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を示唆することが可能となっている。
図106(a)は、特図変動表示ゲームの結果態様に対応した飾り特図変動表示ゲームの結果態様が表示されている状態である。この後に特図始動記憶に基づき次の特図変動表示ゲームが開始されると、図106(b)に示すように識別情報の変動表示が開始される。また、消化された当該特図始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが消去され、消化順序の繰り上がりに伴い、飾り特図始動記憶表示41bが左へ移動する。この特図変動表示ゲームの実行中において、図106(c)、(d)に示すように普図変動表示ゲームの結果や特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する情報を報知する普図演出領域41cを表示領域に表示可能となっている。
普図演出領域41cを表示する場合は、図106(c)に示すように表示領域の下部中央から普図演出領域41cが出現するように表示する。また、同時にキャラクタ41dが表示され、普図演出領域41cとキャラクタ41dとにより種々の演出を行う。普図演出領域41cでは、飾り特図変動表示ゲームとは別個の複数の識別情報を変動表示して停止結果を表示し、停止結果により普図変動表示ゲームの結果や特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する情報を報知する。
図107には、普図演出領域41cに表示される停止結果の種類を示した。普図変動表示ゲームの結果に関する報知として、普図変動表示ゲームの結果が特定当りとなる場合には桜の花を模した表示がなされ、普図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には「×」の表示がなされる。
また、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する報知として、変動パターンが擬似連変動パターンである場合には「連」の文字を表示可能である。擬似連変動パターンとは、1回の始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行うものであり、特図変動表示ゲームの途中で飾り特図変動表示ゲームにおいて複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出するものとも言える。
また、特図変動表示ゲームの変動パターンや結果の報知として、変動パターンがSPリーチである場合は人の顔の表示を表示可能であり、特別結果となる可能性が高い場合は「激アツ」の文字を表示可能である。また、特図始動記憶に特別結果となる可能性が高い特図始動記憶がある場合に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでのゲーム数を複数の特図変動表示ゲームに亘り報知する連続報知を行う場合には、当該ゲーム数を示す数字を表示可能である。
また、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンである場合は、「滑」の文字を表示可能である。また、確率状態を明確に報知していない潜伏状態中に高確率状態である可能性が高いことを示す「潜」の文字を表示可能である。また、実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となる場合には「大当」の文字を表示可能である。
さらに、各停止結果に「?」を付加した表示を行うことも可能である。この場合は、「?」が付加されない場合よりも停止結果が示唆する状態となる可能性が低いことを示し、例えばガセの演出として用いる。また、普図演出領域41cでは、普図変動表示ゲームの結果よりも遊技者の関心が高い特図変動表示ゲームの変動パターンや結果に関する報知が優先的に行われるようになっている。このように普図演出領域41cで普図変動表示ゲームの結果だけでなく特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する演出も実行可能とすることで、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなって、遊技の興趣を高めることができる。
図108には、擬似連変動パターンであることを報知する場合の例を示した。特図変動表示ゲームの開始後、図108(a)に示すように普図演出領域41cが表示され、当該普図演出領域41cで識別情報が変動表示される。そして、図108(b)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、擬似連変動パターンであって再変動表示がなされることが示される。
その後、図108(c)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後に停止する識別情報として、再変動表示が行われることを示す「連」の表示がなされて識別情報が仮停止した状態となる。この仮停止した状態では識別情報が揺れるように表示されて完全に停止していないことが示される。なお、飾り特図変動表示ゲームでの「連」の表示は、最終的に停止しない図柄(結果態様には含まれない図柄)でも良い。また、飾り特図変動表示ゲームでの「連」の表示を「2」としても良く、仮停止図柄が「123」の順列でも良い。この仮停止の状態が所定時間継続した後に、図108(d)に示すように再変動表示が行われる。このとき、一回目の再変動表示であることが判るように、特図演出領域41aに再変動表示回数表示41eをなす「連」の文字表示を一つした状態とされる。
この例では再変動表示が行われた後の変動表示中に、図108(e)に示すように再び普図演出領域41cが表示されて、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、もう一度再変動表示が行われることが示されている。その後、図108(f)に示すように、飾り特図変動表示ゲームで最後に停止する識別情報として、再変動表示が行われることを示す「連」の表示が停止されて仮停止した状態となり、図108(g)に示すように、再変動表示が行われる。このとき、二回目の再変動表示であることが判るように、特図演出領域41aに再変動表示回数表示41eをなす「連」の文字表示を二つした状態とされる。
さらにこの例では図108(h)に示すように、二回目の再変動表示中に普図演出領域41cが表示されて、飾り特図変動表示ゲームで最後の識別情報が停止する前に、普図演出領域41cに「連」の表示がなされ、もう一度再変動表示が行われることが示される。この後、上述と同様の演出が行われて三回目の再変動表示が行われる。
図109には、記憶されている特図始動記憶に特別結果となる可能性が高い特図始動記憶がある場合に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行されるまでのゲーム数を報知する連続報知の例を示した。この例では、消化順序が1番目の特図始動記憶a、消化順序が2番目の特図始動記憶b、消化順序が3番目の特図始動記憶cがあり、消化順序が3番目の特図始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームで特別結果が導出される場合の例を示した。
まず、消化順序が1番目の特図始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームが開始され、この特図変動表示ゲームの実行中に、図109(a)に示すように普図演出領域41cが表示される。そして、図109(b)に示すように2つ後の特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「2」の表示がなされて、図109(c)に示すように特図始動記憶aに基づく特図変動表示ゲームが終了する。
また、図109(a)から(c)に示すように、表示装置41には特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−b及び特図始動記憶cに対応する飾り特図始動記憶表示41b−cが表示される。特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bは通常の表示態様(ここでは花びら一枚の表示態様)で表示されているが、特別結果となる特図始動記憶cに対応する飾り特図始動記憶表示41b−cは通常とは異なる特定表示態様(ここでは花が咲いた表示態様)で表示され、特別結果となる可能性が高いことが事前報知されている。なお、このような事前報知は行わなくても良い。
図109(d)に示すように、特図始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、再度普図演出領域41cが表示され、図109(e)に示すように次の特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「1」の表示がなされて、図109(f)に示すように特図始動記憶bに基づく特図変動表示ゲームが終了する。そして、図109(g)に示すように、特図始動記憶cに基づく特図変動表示ゲームが開始されると、再度普図演出領域41cが表示され、図109(h)に示すように当該特図変動表示ゲームで特別結果が導出される可能性が高いことを報知する「0」の表示がなされる。この例ではこの特図変動表示ゲームの結果として図109(i)に示すように特別結果が導出されている。
このように、普図演出領域41cを用いて特別結果が導出される特図変動表示ゲームに亘る複数の特図変動表示ゲームで連続した演出も行うことができ、遊技の興趣を効果的に高めることができる。なお、図109(j)に示すように、擬似連変動パターンでの残り再変動表示回数を表示するようにし、擬似連変動パターンにおいて図109(a)から(i)に示す演出と類似の演出を行うようにしても良い。
図110には、変動パターンがSPリーチであることを報知する人の顔の表示がなされた場合の例を示した。図110(a)に示すように、普図演出領域41cに人の顔の表示がなされた場合は、その後図110(b)に示すように、キャラクタ41dの種類や服装の色、動作などによりSPリーチの種類や特別結果となる可能性の高さが報知される。なお、普図演出領域41cに表示する人の顔の表示により出現するキャラクタ41dを示唆するようにしても良い。
図111には、その他の演出例を示した。図111(a)に示すように普図演出領域41cが表示される際に出現するキャラクタ41dが飾り特図始動記憶表示41bの前を通過した際に、当該飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を変化させることで、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を事前に報知する事前報知が開始されるようにしても良い。この例では、消化順序が1番目の特図始動記憶aと消化順序が2番目の特図始動記憶bとがあり、それぞれに対応する飾り特図始動記憶表示41b−a、41b−bが通常の表示態様で表示されている状態から、特図始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bが特定表示態様に変化した状態を示している。
また、図111(b)に示すように普図演出領域41cに停止結果を表示した後、図111(c)、(d)に示すようにキャラクタ41dが停止結果を変更するようにしても良い。そして、図111(e)に示すように、停止結果の変更の結果として、普図演出領域41cに実行中の特図変動表示ゲームの結果態様を報知する表示を行い、図111(f)に示すように普図演出領域41cを特図演出領域41aに向けて拡大するように表示して、図111(g)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果態様が導出されるような演出を行うようにしても良い。
〔普図演出領域表示制御処理〕
以上のような普図演出領域41cでの演出を行うため、演出制御装置300では、図103に示す1ndメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)において、図112に示す普図演出領域表示制御処理を行う。この普図演出領域表示制御処理では、まず、複数の特図変動表示ゲームに亘る連続報知(図109参照)の実行中であるかを判定する(ステップB91)。この連続報知の実行中である場合(ステップB91;Yes)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、連続報知の実行中でない場合(ステップB91;No)は、特図変動表示ゲームの開始タイミングであるかを判定する(ステップB92)。
特図変動表示ゲームの開始タイミングである場合(ステップB92;Yes)は、当該特図変動表示ゲームの結果及び変動パターンを参照し、結果又は変動パターンの報知を実行するかを判定する(ステップB93)。この処理では例えば、結果が特別結果である場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、結果がはずれである場合にも特別結果となる場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。また、変動パターンが擬似連変動パターン、SPリーチ、滑り変動パターンの何れかである場合は、これらの報知の実行を所定確率で決定する。また、これらの変動パターンでない場合にもこれらの変動パターンとなる場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
報知を実行する場合(ステップB94;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、結果に応じて「大当」、「激アツ」又はこれらに「?」を付加した表示若しくは図111(d)から(f)に示したような表示の何れかを選択する。ただし、「大当」や図111(d)から(f)に示した表示は結果が大当りである場合のみ選択可能である。また、変動パターンが擬似連変動パターン、SPリーチ、滑り変動パターンの何れかである場合は、これらに対応する表示又はこれらの表示に「?」を付加した表示の何れかを選択する。ただし、「?」を付加しない表示は対応する変動パターンとなる場合のみ選択可能である。また、図110に示したようなキャラクタ41dの動作等も設定される。
さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われる。結果に関する報知では、結果が導出されるまでの任意のタイミングで報知が行われるように設定する。また、変動パターンに関する報知では、当該変動パターンであることを識別情報や演出態様から遊技者が認識できるようになる前に報知を行うように設定される。さらに、擬似連変動パターンの再変動表示動作や滑り変動パターンでの滑り変動表示動作が複数回行われる場合は、各変動表示動作の前に報知が行われるように設定される。
結果や変動パターンの報知を実行しない場合(ステップB94;No)は、事前判定の結果を参照し(ステップB95)、連続報知を実行するかを判定する(ステップB96)。この処理では例えば、遊技制御装置100で行われた特図始動記憶の事前判定の結果、特別結果となる特図始動記憶がある場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、事前判定の結果、はずれであるがSPリーチとなる特図始動記憶がある場合にも特別結果となる特図始動記憶がある場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。さらに、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶がない場合にも、はずれであるがSPリーチとなる特図始動記憶がある場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
連続報知を実行する場合(ステップB96;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶までのゲーム数に応じた数字を選択する。また、特別結果又はSPリーチとなる特図始動記憶がない場合に報知の実行が選択された場合は、数字に「?」を付加した表示を選択する。さらに、連続報知の実行対象となる各特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて報知を行うようにする設定及びこれらの特図変動表示ゲームでの表示内容の設定も行われる。
連続報知を実行しない場合(ステップB96:No)は、確率報知状態を参照し(ステップB97)、確率状態の報知を実行するかを判定する(ステップB98)。この処理では、特図変動表示ゲームで特別結果が導出される確率の状態を明確に報知していない場合に報知の実行を所定確率で決定する。この場合、高確率状態である場合は通常確率状態である場合よりも高い確率で報知の実行を決定する。
確率状態の報知を実行する場合(ステップB98;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、確率状態に応じて「潜」、「潜?」の何れかを選択する。ただし、高確率状態である場合の方が通常確率状態である場合よりも「潜」の選択確率を高くする。さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われる。
確率状態の報知を実行しない場合(ステップB98;No)又は特図変動表示ゲームの開始タイミングでない場合(ステップB92;No)は、特定の演出の実行中であるかを判定する(ステップB99)。特定の演出とは、例えば、画面全体で演出表示を行うSPリーチの演出や、普図演出領域41cでの特図変動表示ゲームに関する報知の演出である。
この特定の演出の実行中である場合(ステップB99;Yes)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、特定の演出の実行中でない場合(ステップB99;No)は、普図結果を参照し(ステップB100)、普図に関する報知を実行するかを判定する(ステップB101)。この処理では、普図変動表示ゲームの結果が特定当りである場合に報知の実行を所定確率で決定する。また、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合にも特定当りである場合よりも低い確率で報知の実行を決定する。
普図に関する報知を実行しない場合(ステップB101;No)は、普図演出領域表示制御処理を終了する。また、普図に関する報知を実行する場合(ステップB101;Yes)は、表示内容を設定し(ステップB102)、普図演出領域表示制御処理を終了する。この場合の表示内容の設定では、普図変動表示ゲームの結果に対応した表示又はこれらの表示に「?」を付加した表示の何れかを選択する。ただし、特定当りであることを示す表示は結果が特定当りである場合のみ選択可能である。さらに、報知を実行するタイミングの設定も行われ、普図変動表示ゲームでの結果の導出に合わせて普図演出領域41cに停止結果が表示されるようにする。
以上の処理により、普図演出領域41cでの表示内容が設定され、所定のタイミングで図106から図111に示したような演出が実行される。なお、普図演出領域41cで普図変動表示ゲームに関する報知を実行中に特図変動表示ゲームに関する報知の実行が決定された場合には、普図変動表示ゲームに関する報知に替えて特図変動表示ゲームに関する報知を行うようにしても良いし、特図変動表示ゲームに関する報知を行わないようにしても良い。また、特図変動表示ゲームに関する報知内容によって実行の可否を選択するようにしても良く、例えばガセの報知である場合には普図変動表示ゲームに関する報知を優先するようにしても良い。また、「?」を付加する表示の実行を演出制御装置300で決定するようにしたが、遊技制御装置100で行う変動パターンの選択の結果や抽選に基づき「?」を付加する表示の実行を決定するようにしても良い。また、ステップB95からB98の処理は、ステップB99の後に行うようにしても良い。
以上のことから、遊技領域32に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき、表示装置41で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域をなし、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置37と、遊技領域32に設けられ遊技球の通過を検出する普図始動ゲート34と、該普図始動ゲートへの遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段(演出制御装置300)と、普図変動表示ゲームが特定結果となることに基づき、普通変動入賞装置37を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。ここで、特図変動表示ゲームの変動パターンについての示唆内容は、リーチの有無や擬似連の有無、変動時間の長さなど、何でも良い。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動パターンとして、1回の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、擬似連変動パターンの実行を予告する変動パターン示唆表示を表示可能であることとなる。ここで、擬似連変動パターンの実行の予告とは、例えば、再変動表示が行われることを示唆することや、再変動表示の回数を示唆することなどである。
また、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、再変動表示動作の実行毎に当該再変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能であることとなる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、表示装置41で複数の識別情報を含む複数の識別情報列の各々で識別情報を変動表示し、各識別情報列において導出した識別情報の組み合せにより結果を表示する特図変動表示ゲームを実行し、変動パターンとして、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、滑り変動表示動作の実行毎に当該滑り変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能であることとなる。
また、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、特図変動表示ゲーム制御手段は、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行するように構成され、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、始動記憶情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、普図演出領域41cにて、所定の結果となる特図変動表示ゲームの実行までのゲーム数を各特図変動表示ゲームの実行毎に表示可能であることとなる。
次に、特別結果が導出される際の演出について説明する。本実施形態の遊技機では、事前判定手段により特別結果となると判定された特図始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行している場合、すなわち、2回の特別遊技状態が発生すると判定された場合に、当該特図変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる特図始動記憶が存在することを報知可能となっている。
図113には、特別結果の導出態様を示した。結果が特別結果となる場合には、まず、図113(a)に示すように特図変動表示ゲームで特別結果態様が仮停止した状態となる。この状態では識別情報が揺れるように表示されて完全には停止していないことを示している。その後、図113(b)に示すように識別情報の再変動表示が行われて図113(c)から(f)に示す特別結果態様が導出される。
図113(c)に示すように偶数数字の特別結果態様は、特別遊技状態の終了後に通常確率状態となる通常大当りであることを示す特別結果態様であり、図113(d)に示すように奇数数字の特別結果態様は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる確変大当りであることを示す特別結果態様である。また、図113(e)に示す特別結果態様は、数字により特別遊技状態の終了後に高確率状態となるか否かを報知する(ここでは通常確率状態となることを報知)とともに、特殊表示をなす「EX」の文字表示により特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があることを示す特別結果態様(特殊図柄)である。すなわち、2回の特別遊技状態の発生を報知する特別結果態様である。
また、図113(f)に示す特別結果態様は、数字により特別遊技状態の終了後に高確率状態となるか否かを報知する(ここでは通常確率状態となることを報知)とともに、特殊表示をなす「EX」の文字表示の態様により特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶が複数あることを示す特別結果態様(特殊図柄)である。すなわち、3回以上の特別遊技状態の発生を報知する特別結果態様である。ここでは特別結果となる始動記憶が複数あることのみを報知しているが、例えば特別結果となる特図始動記憶が4つある場合に「EX×4」のように、より具体的な数を報知するようにしても良い。
このように、実行した特図変動表示ゲームが特別結果となることだけでなく、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があることも報知するようにしたことで、報知が行われれば特別結果が連続して発生することが約束されるため、実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となることへの期待感に加え、報知が行われることに対する期待感も持たせることができ、遊技性が広がり遊技の興趣を高めることができる。
また、従来は確変大当りの結果態様を当初から表示した後に価値の低い通常大当りの結果態様へ変更する演出は遊技の興趣が低下するので行われることはなく、確変大当りの結果態様を当初から表示した場合に効果的な演出を行うことができなかった。さらに、大当りの種類によらず特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機では、すべてが確変大当りとなるので昇格演出をしても意味がなく、これに代わる効果的な演出が必要となっていた。しかし本実施形態のようにすることで、確変大当りの結果態様を当初から表示した場合でも、さらに特殊図柄への変更を行うという従来にない効果的な演出を行うことが可能となる。また、大当りの種類によらず特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機においてはこれまでにない効果的な演出を行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機では、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態が発生する前に、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能となるラウンド遊技の回数を報知する次回ラウンド数報知が可能となっている。図114にはこのような報知の一例を示した。
図114(a)に示すように、特図変動表示ゲームで特別結果が導出されると、まず、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数(ここでは6回)が報知される。そして、特別結果となる特図始動記憶がある場合は、図114(b)に示すように当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数(ここでは16回)が報知され、その後、導出された特別結果に基づく特別遊技状態が開始される。すなわち、特別結果が導出される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を報知する結果表示中次回ラウンド数報知を実行可能である。
また、図114(a)に示すように発生した特別結果により実行されるラウンド遊技の回数(ここでは6回)が報知された後、当該特別結果に基づく特別遊技状態中において、図114(d)に示すように、特別結果となる特図始動記憶があることを示唆し、当該特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を示唆する報知を行うことも可能である。そして、実際に特別結果となる特図始動記憶がある場合には、図114(e)に示すように特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を確定的に報知することが可能である。すなわち、特別遊技状態中において、特別結果となる特図始動記憶に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の回数を報知する特別遊技中次回ラウンド数報知を実行可能である。
図114(d)に示すような示唆報知の態様としては、遊技者にとってより有利になる報知を順次行うことが効果的である。例えば、特別結果の種類により選択可能なラウンド遊技の回数として6ラウンドと16ラウンドがある場合、「+6Rかも」、「+6R確定」、「+16Rかも」、「+16R確定」、「確変」、「複数当り」のような順で報知を行う。なお、「+6Rかも」のように確定的ではない報知は、特別結果となる特図始動記憶がない場合に行っても良い。また、次回ラウンド数報知は、図113に示す報知と併せて行っても良いし、図113に示したような報知を行っていない場合にも行うようにしても良い。
このような次回ラウンド数報知を行うことで、遊技者の期待感を高めることができるとともに、後に発生する特別遊技状態でのラウンド遊技の回数を予め把握できるので、例えば球箱を早めに用意するなど、特別遊技状態が連続する場合の準備をすることができる。
〔再変動処理〕
また、演出制御装置300では、特別結果となる特図変動表示ゲームの実行中に図115に示す再変動処理を行う。この再変動処理では、まず、始動記憶の発生時に演出制御装置300に送信されて記憶されていた事前判定の結果を参照して、始動記憶内に大当りとなる始動記憶があるかを判定する(ステップB111)。始動記憶内に大当りとなる始動記憶がない場合(ステップB111;No)は再変動処理を終了する。また、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB111;Yes)は、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更するかを判定する(ステップB112)。
特殊図柄に変更するかの判定(ステップB112)では、例えば所定の確率で特殊図柄への変更を選択する。そして、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更しない場合(ステップB112;No)は、結果表示中次回ラウンド数報知を設定する処理を行う(ステップB115)。また、実行中の特図変動表示ゲームの特別結果態様を特殊図柄に変更する場合(ステップB112;Yes)は、特別結果態様を特殊図柄に変更する処理(ステップB113)を行う。この処理により、図113(e)又は(f)に示したような特別結果態様が設定される。
すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる変動表示ゲームを実行している場合に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる始動記憶が存在することを報知可能な複数特別結果報知手段をなす。
次に、結果表示中次回ラウンド数報知を行うかを判定する(ステップB114)。結果表示中次回ラウンド数報知とは、図114(b)に示したように特別結果が導出される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を報知するものである。結果表示中次回ラウンド数報知を行うかの判定(ステップB114)では、例えば所定確率で結果表示中次回ラウンド数報知の実行を選択する。
この結果表示中次回ラウンド数報知を行わない場合(ステップB114;No)は、特別遊技中次回ラウンド数報知を行うかを判定する(ステップB117)。また、結果表示中次回ラウンド数報知を行う場合(ステップB114;Yes)は、結果表示中次回ラウンド数報知を設定する(ステップB115)。この処理により、図114(b)に示したような報知が設定される。
そして、ラウンド数の一部報知であったかを判定する(ステップB116)。ラウンド数の一部報知とは、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数のうち、一部を報知することである。このラウンド数の一部報知でない場合(ステップB116;No)、すなわち、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を全て報知した場合は再変動処理を終了する。また、ラウンド数の一部報知である場合(ステップB116;Yes)、すなわち、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数のうち、報知していないラウンド回数がある場合は、特別遊技中次回ラウンド数報知を実行するかを判定する(ステップB117)。
特別遊技中次回ラウンド数報知とは、図114(d)、(e)に示したように、特別遊技状態中において、特別結果となる特図始動記憶に基づき発生するラウンド遊技の回数を報知するものである。特別遊技中次回ラウンド数報知を行うかの判定(ステップB117)では、例えば所定確率で特別遊技中次回ラウンド数報知の実行を選択する。
この特別遊技中次回ラウンド数報知を行わない場合(ステップB117;No)は、再変動処理を終了する。また、特別遊技中次回ラウンド数報知を行う場合(ステップB117;Yes)は、特別遊技中次回ラウンド数報知を設定し(ステップB118)、再変動処理を終了する。この処理により、図114(d)、(e)に示したような報知が設定される。
なお、特別結果となる特図変動表示ゲームにおける変動時間の終了になるべく近い時期に図115に示す再変動処理を行うようにすれば、特別結果となる特図変動表示ゲームの開始から所定期間内に発生した特図始動記憶が特別結果となる場合に、当該特図始動記憶の存在についての報知を行うことができるようになり、報知の機会を増やすことができる。また、図115に示す再変動処理におけるステップB114からB116の処理と、ステップB117、B118の処理は、それぞれの報知の実行に間に合う時期まで独立して別個に実行するようにして報知の機会を増やすようにしても良い。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、表示装置41にて変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が特別結果であった場合に、特別変動入賞装置38への遊技球の入賞を容易とする特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞を始動条件の成立として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で結果が特別結果となる変動表示ゲームを実行している場合に、当該変動表示ゲームの結果が特別結果であること及び特別結果となる始動記憶が存在することを報知可能な複数特別結果報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、始動記憶情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
また、特別遊技状態は、特別変動入賞装置38を所定期間に亘り開状態とするラウンド遊技を所定回数実行可能であり、複数特別結果報知手段(演出制御装置300)は、特別結果となる始動記憶に基づき発生する特別遊技状態で実行されるラウンド遊技の回数を報知可能であることとなる。
また、本実施形態の遊技機では、二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せることが可能となっている。図116には、このような場合の一例を示した。この例では、一回目の特別結果に基づく特別遊技状態で実行可能なラウンド遊技の実行回数が16ラウンドであり、この特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶のうち、二番目に実行される特図始動記憶が特別結果となるものである場合を示している。
特別遊技状態では、ラウンド遊技とラウンド遊技の間に所定時間のインターバルが挟まれるようになっており、15回目のラウンド遊技(t1からt2)の終了後、インターバル期間(t2からt3)を挟んで最終の16回目のラウンド遊技(t3からt4)が実行される。この16回目のラウンド遊技の終了により特別遊技状態が終了し、特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される。
ここで、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は、特別遊技状態の終了(t4)から、当該特別結果となる特図変動表示ゲームが終了して次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始(t9)されるまでの期間である接続期間の長さ(t4からt9)が、インターバル期間(t2からt3)と同じ長さとなるようにされている。
また、接続期間(t4からt9)においては、インターバル期間と同じ演出である擬似インターバル演出が行われる。さらに、接続期間後の特別遊技状態では、ラウンド遊技の実行回数が先に導出された特別結果に基づく特別遊技状態での計数結果に加算して計数されるようになっており、この例では、接続期間後の特別遊技状態における1回目のラウンド遊技が17ラウンド目として報知される。これによって二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せることができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔特図変動時間変更処理〕
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、図117に示す特図変動時間変更処理を行う。この特図変動時間変更処理では、まず、始動記憶内に大当りとなる始動記憶があるかを判定し(ステップA371)、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がない場合(ステップA371;No)は、特図変動時間変更処理を終了する。
また、始動記憶内に大当りとなる始動記憶がある場合(ステップA371;Yes)は、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更する(ステップA372)。この処理では、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間の合計値が、インターバル時間と同じ時間となるように変更を行う。その後、変更情報を演出制御装置300に送信し(ステップA373)、特図変動時間変更処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更可能な変更手段(遊技制御装置100)をなす。
ここで、特別遊技状態の終了から特図変動表示ゲームを開始するまでにエンディング期間がある場合や、特別結果を導出した特図変動表示ゲームの終了からラウンド遊技の開始までにファンファーレ期間がある場合は、これらの時間と、特別結果となる特図始動記憶及び当該特図始動記憶より前に消化される特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間との合計値がインターバル時間と同じ時間となるように特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間の変更を行う。なお、エンディング期間やファンファーレ期間を設定しない(時間値を0とする)ようにしても良い。
〔演出変更処理〕
演出制御装置300では、図118に示す演出変更処理を行う。この演出変更処理では、まず、変更情報を受信したかを判定し(ステップB131)、変更情報を受信した場合(ステップB131;Yes)は、ゲーム演出変更処理を行い(ステップB132)、演出変更処理を終了する。ゲーム演出変更処理(ステップB132)では、特別遊技状態における最終ラウンドの終了から次の特別遊技状態におけるラウンド遊技の開始までの演出をインターバル期間の演出と同様の擬似インターバル演出に変更する。すなわち、演出制御装置300が、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、実行中の特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、次に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間(接続期間)において、特別遊技状態におけるラウンド遊技間において実行するインターバル演出と同様の擬似インターバル演出を行うことが可能な擬似インターバル演出手段をなす。
〔ラウンド数計数処理〕
また、演出制御装置300では、図119に示すラウンド数計数処理を行う。このラウンド数計数処理では、まず、ラウンド遊技が開始されたかを判定し(ステップB141)、開始されていない場合(ステップB141;No)は、特別遊技状態が終了したかを判定する(ステップB143)。また、ラウンド遊技が開始された場合(ステップB141;Yes)は、ラウンド数カウンタを+1更新する(ステップB142)。このラウンド数カウンタの計数値は表示装置41に表示され、遊技者がラウンド遊技の実行回数を把握できるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を計数して報知するラウンド遊技回数報知手段をなす。
その後、特別遊技状態が終了したかを判定し(ステップB143)、特別遊技状態が終了していない場合(ステップB143;No)は、ラウンド数計数処理を終了する。また、特別遊技状態が終了した場合(ステップB143;Yes)は、変更情報を受信したかを判定する(ステップB144)。変更情報を受信していない場合(ステップB144;No)は、ラウンド数カウンタをクリアし(ステップB145)、ラウンド数報知処理を終了する。これにより、次回の特別遊技状態ではラウンド数が1から計数される。また、変更情報を受信している場合(ステップB144;Yes)は、ラウンド数報知処理を終了する。これにより、擬似インターバル演出の直後に実行される特別遊技状態では、現在の計数値に加算してラウンド数が計数される。
以上のことから、遊技の演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段は、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、実行中の特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、次に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間において、特別遊技状態におけるラウンド遊技間において実行するインターバル演出と同様の擬似インターバル演出を行うことが可能な擬似インターバル演出手段(演出制御装置300)を備えることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を計数して報知するラウンド遊技回数報知手段(演出制御装置300)を備え、ラウンド遊技回数報知手段は、擬似インターバル演出手段(演出制御装置300)により擬似インターバル演出が行われた場合に、当該擬似インターバル演出の直後に実行される特別遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を、擬似インターバル演出の直前に実行された特別遊技状態での計数結果に加算して計数するようにしたこととなる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となると判定された始動記憶が存在する状態で特別遊技状態を実行している場合に、特別結果となる始動記憶及び当該始動記憶より前に消化される始動記憶に基づく変動表示ゲームの変動時間、停止時間を変更可能な変更手段(遊技制御装置100)を備え、変更手段は、特別遊技状態における最終のラウンド遊技の終了から、後に導出される特別結果に基づく特別遊技状態における最初のラウンド遊技の開始までの期間が、特別遊技状態におけるラウンド遊技間のインターバル期間と同じ時間になるように変動表示ゲームの変動時間及び停止時間を変更するようにしたこととなる。
以上のような演出を行うことで、ラウンド遊技の回数が次々に上乗せされるような演出を行うことができ、複数発生する特別遊技状態を従来にない斬新な実行態様で行うことが可能となる。また、これにより従来の遊技機とは趣の違う遊技機とすることができる。
例えば、従来は複数の特別遊技状態が連続する場合でもそれぞれ別個に行うのみであり、遊技者は特別結果の導出回数を自身の遊技結果として評価しているが、本実施形態の遊技機のようにすることで、連続したラウンド遊技の実行回数を自身の遊技結果を評価するようになる。特別結果の導出回数よりもラウンド遊技の実行回数の方が遊技結果としての振れ幅が大きくなり、波が大きい印象を与えることができて興趣の高い遊技機とすることができる。
また、従来は2R大当りのようにラウンド回数の少ない特別結果は遊技者にとってほとんど意味を成さないものであり、これが頻発することで遊技者が不満感を持つこともあったが、本実施形態の遊技機では2R大当りを2回のラウンド遊技が上乗せされるものとして有効に活用できるようになる。また、従来は特別結果によって選択可能なラウンド遊技の回数の種類を多くすると遊技が複雑化した印象を与えてしまっていたが、本実施形態の遊技機では特別結果によって選択可能なラウンド遊技の回数の種類を多くしても遊技が複雑化することなく、むしろ上乗せ回数が多彩になって興趣を高めることができるようになり、遊技内容の設定の自由度が高まる。
なお、以上の説明では、特別結果となる特図変動表示ゲームの実行中に特別結果となる特図始動記憶がある場合には、当該特図変動表示ゲームの実行中に特殊図柄による報知又は結果表示中次回ラウンド数報知により特別結果となる特図始動記憶の存在を報知するようにしたが、これらの何れも行わず、特別遊技中次回ラウンド数報知のみを行うようにしても良い。
また、特別遊技中次回ラウンド数報知の報知態様は図114に示したものに限られず、例えば、特別遊技状態中に残りラウンド回数を表示するようにし、特別遊技状態の所定タイミングで残りラウンド回数に、未だ報知していない残りラウンド回数及び次回の特別遊技状態で実行可能なラウンド回数の一部又は全部が上乗せされる(加算される)ような演出としても良い。また、特殊図柄による報知を行った場合のみ次回ラウンド数報知や、接続期間での変動時間等の変更及び擬似インターバル演出を行うようにしても良い。
また、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの接続期間では、少なくとも遊技者に二つの特別遊技状態が連続して発生している印象を持たせることができれば良い。よって、接続期間とインターバル期間とを必ずしも同じ長さにしなくても良く、接続期間で実行する特図変動表示ゲームの変動時間、停止時間を所定の時間に設定(例えば、変動時間を0.3秒とし、停止時間を0.2秒)したり、変更を行わないようにしたりしても良い。
また、接続期間の演出をインターバル期間の演出と同様の擬似インターバル演出とするとしたが、これに限られるものではなく、例えば、特別遊技状態が連続することを報知又は示唆する演出や、通常の演出としても良く、特別遊技状態の開始を準備している旨の表示を行ったり、特別遊技状態の開始までに亘る所定の前兆演出を実行したりするようにしても良い。また、接続期間における各特図変動表示ゲームにおいて、次に発生する特別遊技状態における実行可能なラウンド回数を分割して報知し、各特図変動表示ゲームで報知されたラウンド回数を残りラウンド回数として上乗せするような演出としても良い。
図120には、特別遊技状態の実行態様の別例を示した。この例での特別遊技状態は、当該特別遊技状態で実行可能なラウンド回数である実行可能回数を特別結果に基づき選択するようになっている。実行可能回数として選択可能なラウンド回数は予め数種類に定められているが、特別結果を導出した際には何れの実行可能回数が選択されたかが明確に報知されない。そして、特別遊技状態において実行したラウンド回数が、実行可能回数として選択可能な回数に到達した際、すなわち、特別遊技状態が終了する可能性がある場合に、特別遊技状態が継続するか否かを報知する継続報知演出が行われるようになっており、この継続報知演出を行う期間として所定時間の継続報知期間が設定される。
図120に示す例では、選択可能な実行可能回数として10ラウンドと16ラウンドとがある遊技機であって、実行可能回数として16ラウンドが選択された場合と、実行可能回数として10ラウンドが選択され、特別遊技状態の実行中に記憶されている始動記憶のうち二番目の始動記憶が特別結果となる場合の特別遊技状態の実行態様を示している。
9回目のラウンド遊技(t21からt22)の終了後、インターバル期間(t22からt23)を挟んで10回目のラウンド遊技が実行される(t23からt24)。この10回目のラウンド遊技の終了後に継続報知期間(t24からt25)となり継続報知演出が行われる。
実行可能回数として16ラウンドが選択されている場合は、継続報知演出として特別遊技状態が継続する旨の演出が行われ、11回目のラウンド遊技が開始される(t25)。なお、実行可能回数として10ラウンドが選択されており、始動記憶に特別結果となるものがない場合は、継続報知演出で特別遊技状態が終了する旨の演出が行われ、継続報知期間の終了とともに特別遊技状態が終了する。
また、実行可能回数として10ラウンドが選択され、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの期間である接続期間の長さを、上述の継続報知期間と同じ長さとするようにして、二つの特別遊技状態を連続した一の特別遊技状態であるかのように見せるようにしている。
図120に示す例では、消化順序が二番目の特図始動記憶が特別結果となるものであるので、消化順序が一番目及び二番目の特図始動記憶の変動時間及び停止時間を変更し、特別遊技状態の終了から次の特別遊技状態でラウンド遊技が開始されるまでの期間である接続期間の長さを、継続報知期間と同じ長さとするようにしている。そして、この接続期間においては特別遊技状態が継続する旨の継続報知演出を行い、後の特別遊技状態でのラウンド回数の計数も先の特別遊技状態でのラウンド回数に加算して行うようにしている。
すなわち、特別遊技状態の実行態様として、予め継続報知演出を行う継続報知期間を設定しておき、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶があって次の特別遊技状態が発生する場合を、継続報知期間の後も特別遊技状態が継続する場合と同様の演出態様としている。
なお、特別遊技状態の実行中に記憶されている特図始動記憶に特別結果となるものがある場合には、接続期間において特別遊技状態が継続しない旨の演出を行った後に復活する演出を行うようにし、同様の演出を継続報知期間の後も特別遊技状態が継続する場合の継続報知演出として行うようにしても良い。
また、図121には、図113(e)、(f)や図114に示したような特別結果となる始動記憶の存在や当該特別結果により実行可能となるラウンド回数の報知を普図演出領域41cやキャラクタ41dで行う例を示した。この例では、図121(a)に示すように特図変動表示ゲームで特別結果態様が仮停止した状態とされた後、図121(b)に示すように識別情報の再変動表示が行われている。そして、この再変動表示中に、図121(c)に示すように、普図演出領域41c及びキャラクタ41dが出現し、普図演出領域41cに特別結果となる始動記憶により発生する特別遊技状態で実行可能となるラウンド回数が16ラウンドであることが報知されている。このような報知を行うことで、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、このような普図演出領域41cを用いた報知は、再変動表示中に限られず、図114(b)に示すような結果表示中次回ラウンド数報知としてや、図114(d)、(e)に示すような特別遊技中次回ラウンド数報知としても用いることができる。
次に、特図変動表示ゲームの実行態様について説明する。本実施形態の遊技機では、特図変動表示ゲームの実行中に特図始動記憶数が所定数以上となった場合に、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間を短縮することが可能となっている。また、実行中の特図変動表示ゲームが特定の変動パターンである場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても変動時間を短縮しないようになっている。
図122には、特図始動記憶数が2である状態で特図変動表示ゲームを実行している場合に、新たな特図始動記憶が発生して特図始動記憶数が3になった場合(所定数以上となった場合)の特図変動表示ゲームの実行態様を示した。実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン以外である場合は、特図始動記憶数が所定数以上となった(t31)ことに基づき変動時間が短縮され、当初予定されていた変動時間の終了(t33)よりも早く変動時間が終了(t32)するように制御される。これに対して、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンである場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても(t31)、変動時間は短縮されない。
図123には、特図始動記憶数が2である状態で特図変動表示ゲームを実行している場合に、新たな特図始動記憶が発生して特図始動記憶数が3になった場合(所定数以上となった場合)の特図変動表示ゲームの表示態様を示した。
実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン以外である場合(例えばリーチなしの変動パターン)である場合は、特図変動表示ゲームを実行している場合に特図始動記憶数が所定数以上となることで変動時間が短縮される。この場合飾り特図変動表示ゲームは、図123(a)から(c)に示すように特図変動表示ゲームの開始時に設定された変動パターンに従い実行している状態から、図123(d)に示すように識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様をなす白色の表示を経て、図123(e)に示すように結果態様が表示される。なお、特定表示態様とした場合でも、識別情報とは別に特図変動表示ゲームの実行態様を表示する第4図柄は遊技者が認識できる状態とする。
これにより、変動時間の短縮を違和感なく行うことができ、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、特定表示態様は識別情報を認識できない又は認識しがたい状態とするものであれば良く、識別情報自体の表示をやめることで認識できない状態とするものや識別情報自体の表示の透明度を高めて認識しがたい状態とするもの、識別情報の表示部分において特定の表示を行うことやキャラクタを表示すること又は画面全体を特定の表示色とすることで識別情報を認識できない又は認識しがたい状態とするものなどが挙げられる。
また、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンである場合(例えば、擬似連変動パターン)である場合は、特図始動記憶数が所定数以上となっても変動時間は短縮されず、図123(f)から(j)に示すように実行中の飾り特図変動表示ゲームの表示態様の変更も行われない。この特定パターンとしては、一の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて、表示装置41にて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に、識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンの他、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に演出を行う連続演出の変動パターン、特別結果となる場合に選択された変動パターンなどが挙げられる。特に、特別結果となる可能性が高い変動パターンを特定パターンとすることが望ましい。
このように変動時間を短縮する場合としない場合とを設定することで、効果的な演出の実行中に当該演出が途中で終了してしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止することができる。また、逆に特別結果となる可能性が低い場合は迅速に次の特図変動表示ゲームを実行でき、変動表示ゲームの変動時間にメリハリが出て、遊技の興趣を向上することができる。
〔特図変動時間短縮処理〕
このような制御を行うため、遊技制御装置100では、特図始動口スイッチ共通処理(図96参照)において、図124に示す変動時間短縮処理を行うようにする。この変動時間短縮処理では、まず、特図変動表示ゲームの変動中かを判定し(ステップA381)、変動中でない場合(ステップA381;No)は変動時間短縮処理を終了する。
また、変動中である場合(ステップA381;Yes)は、特図1保留数(第1始動記憶数)と特図2保留数(第2始動記憶数)の合計が3(所定数)となったかを判定する(ステップA382)。特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となったとは、始動記憶の発生により始動記憶数が2から3になることであり、変動開始時から所定数以上である場合は含まない。特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となっていない場合(ステップA382;No)は、変動時間短縮処理を終了する。また、特図1保留数と特図2保留数の合計が3(所定数)となった場合(ステップA382;Yes)は、実行中の特図変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターンかを判定する(ステップA383)。
そして、特定の変動パターンである場合(ステップA383;Yes)は、変動時間短縮処理を終了する。この場合は変動時間の短縮は行われない。また、特定の変動パターンでない場合(ステップA383;No)は、ホワイトアウトコマンドを演出制御装置300に送信し(ステップA384)、変動時間短縮停止を設定して(ステップA385)、変動時間短縮処理を終了する。これにより特図変動表示ゲームの変動時間が短縮される。
この変動時間短縮停止の設定(ステップA358)により、遊技制御装置100が制御している特図変動表示ゲームの変動時間が短縮されるとともに、演出制御装置300に飾り特図変動表示ゲームの停止コマンドが送信される。また、演出制御装置300では、ホワイトアウトコマンドの受信に基づき、識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様をなす白色の表示を行う処理をし、変動時間短縮停止の設定に伴い送信される停止コマンドの受信に基づき飾り特図変動表示ゲームを終了する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶の数が所定値以上となったときに、変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する変動時間短縮手段をなす。
なお、図125に示すように、擬似連変動パターンについて再変動表示動作の回数や結果により特定の変動パターンとするか否かを決定するようにしても良い。すなわち、結果がはずれであり再変動表示動作を一回行うハズレ擬似1連と、結果がはずれであり再変動表示動作を二回行うハズレ擬似2連については特定の変動パターンとせず、これ以外の場合を特定の変動パターンとする。
これにより、特別結果となる可能性が高い場合に演出がカットされないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。さらに、特図始動記憶数が所定数を超えた場合であって再変動表示動作が一回又は二回であった場合には特別結果となることが確定し、また、再変動表示動作が一回又は二回行われた時点で特図始動記憶数が所定数を超えた場合に変動時間が短縮されなければ、特別結果となる可能性が高いことを認識でき、遊技者がこれらを確認しようとするので、特図始動記憶数が増えた場合でも止め打ちを防止でき、遊技機の稼働率を高めることができる。
以上のことから、所定条件の成立を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、該始動記憶に基づいて表示装置41で識別情報の変動表示を行う変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果態様が特別結果となることに基づき特別遊技状態を発生する遊技機であって、始動記憶の数が所定値以上となったときに、変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する変動時間短縮手段(遊技制御装置100)を備え、変動時間短縮手段は、変動中の変動表示ゲームが所定の変動パターンを選択している場合には、始動記憶の数が所定値以上となっても当該変動表示ゲームの変動時間を短縮しないことが可能であることとなる。
ここで、所定の変動パターンとは、識別情報の仮停止、再変動を行う擬似連変動パターンや、複数の変動表示ゲームに亘り連続的に演出を行う連続演出の変動パターン、特別結果となる場合に選択された変動パターンなどである。
また、所定の変動パターンは、一の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて、表示装置41にて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に、識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンであることとなる。
したがって、擬似連変動パターンの場合、始動記憶の数が所定値以上になっても変動表示ゲームの変動時間を短縮しないので、滞りなく擬似連変動を実行することができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
また、表示装置41での表示態様を制御する表示制御手段(演出制御装置300)を備え、表示制御手段は、変動時間短縮手段(遊技制御装置100)が変動中の変動表示ゲームの変動時間を短縮する場合に、表示装置41において識別情報が認識できない又は認識しがたい特定表示態様を経て結果態様を表示するようにしていることとなる。
したがって、変動時間の短縮を違和感なく行うことができ、遊技の興趣の低下を防止できる。また、特定表示態様を表示する時間を省略することができ、より変動時間の短縮を効果的に行うことができる。
図126には、変動時間短縮処理の変形例を示した。この処理では、特定の変動パターンである場合(ステップA383;Yes)に、結果がハズレの擬似連の仮停止中かを判定し(ステップA386)、仮停止中である場合(ステップA386;Yes)には、変動時間短縮停止を設定して(ステップA387)、変動時間短縮処理を終了する。
図127(a)から(c)に示すように、特定の変動パターンでない場合は、特図始動記憶数が2から3となること(所定数となること)で変動時間が短縮され、図127(b)に示すような特定表示態様をなす白色の表示を経て結果が停止表示される。また、図127(d)、(e)に示すように、結果がはずれである擬似連変動パターンでの仮停止中に特図始動記憶数が2から3となった場合にも変動時間が短縮されるが、この場合は特定表示態様を経ずに仮停止した識別情報がそのまま停止する。すなわち、本来は変動時間の短縮を行わない特定の変動パターンであっても、違和感なく停止可能な状況である場合は、変動時間を短縮するようにしている。また、特定表示態様を表示する時間を省略することができ、より変動時間の短縮を効果的に行うことができる。
以上のことから、変動時間短縮手段(遊技制御装置100)は、特別結果とならない場合であって、擬似連変動パターンにおける仮停止中に始動記憶の数が所定値以上となった場合には変動時間を短縮するようにし、表示制御手段(演出制御装置300)は、擬似連変動パターンにおける仮停止中に始動記憶の数が所定値以上となり変動時間短縮手段により変動時間が短縮される場合は、特定表示態様を経ずに結果態様を表示するようにしていることとなる。
なお、図128に示すように、特図変動表示ゲームの実行中に特図始動記憶数が所定数となり変動時間が短縮される場合に、特定表示態様の表示により一旦飾り特図始動記憶表示41bを消去し、特定表示態様の表示後に再度飾り特図始動記憶表示41bを表示した際に、当該飾り特図始動記憶表示41bにより特図始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。このようにすれば、遊技者が積極的に所定数を越えるように特図始動記憶を発生させるようになり、止め打ちを防止できて、遊技機の稼働率を高めることができる。
また、変動時間の短縮が行われ、特定表示態様が表示される際に、当該特定表示態様によって、特図始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。例えば、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がない場合は白色とし、特図始動記憶内に特別結果となる特図始動記憶がある場合は虹色とする。
また、変動時間の短縮を行う条件を、第1始動記憶数と第2始動記憶数の合計値が所定数を超えた場合としたが、第2始動記憶数が所定数(例えば1つ)を超えることを変動時間の短縮の条件としても良い。このようにすれば、特図2始動記憶の発生が容易になる時短状態で効率よく特図変動表示ゲームを実行することが可能となるとともに、時短状態以外では変動時間が短縮される機会が減り、演出を最後まで行う機会を確保できる。
また、変動時間の短縮を行う条件を、第1始動記憶数と第2始動記憶数の合計値が所定数を超えた場合とし、特図変動表示ゲームの開始時から所定数以上の場合は当初から短い変動時間の変動パターンが設定されるため、新たな特図始動記憶が発生しても変動時間の短縮を行わないようにしたが、この場合にも新たな特図始動記憶の発生に伴い変動時間を短縮するようにしても良い。
また、図129(a)に示すように、擬似連変動パターンにおける表示態様として、再変動表示動作の実行を示唆する示唆表示41fを表示した後に、再変動表示動作の開始又は示唆表示41fが消滅して後方に位置していた識別情報が認識可能となって停止するようにし、擬似連変動パターンである場合に変動時間を短縮する際には、示唆表示41fが特定表示態様をなすようにしても良い。例えば図129(b)に示すように、示唆表示41fが表示された状態で特図始動記憶数が所定数となって変動時間の短縮が行われる場合には、示唆表示41fが消滅して結果態様が表示されるようにする。このようにすれば、違和感なく変動時間を短縮することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、第1始動記憶数の上限値である第1上限値よりも、第2始動記憶数の上限値である第2上限値の方が大きくされており、ここでは第1上限値が4、第2上限値が84とされている。
図130には、飾り特図始動記憶表示41bの表示態様を示した。第1始動記憶の飾り特図始動記憶表示41bは第1始動記憶と一対一に対応し、表示装置41の表示領域の左下部において左から消化順序が早い順に並んで表示される。この飾り特図始動記憶表示41bでは、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を表示態様によって示唆することが可能となっている。
第2始動記憶の飾り特図始動記憶表示は、第2始動記憶で消化順序が第1上限値以内の始動記憶、すなわち消化順序が1番目から4番目までの第2始動記憶については当該第2始動記憶と一対一に対応し、表示装置41の表示領域の右下部において左から消化順序が早い順に並んで表示される。この飾り特図始動記憶表示41bでは、対応する特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンや結果を表示態様によって示唆することが可能となっている。
そして、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より大きい(第1上限値より後の)始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶については、表示装置41の表示領域の右下部における特2入賞表示領域41gにおいてその存在が表示される。この特2入賞表示領域41gでは、消化順序が5番目以降の第2始動記憶の数については明確に報知せず、消化順序が5番目以降の第2始動記憶の存在を表示色の変化などの表示態様の変化により報知するようになっている。なお、第2始動記憶が第2上限数に達した場合は、特2入賞表示領域41gにその旨(例えば「MAX」)と表示する。このとき、その旨を報知する音声を出力しても良い。また、消化順序が5番目以降となる第2始動記憶が発生した際には、特2入賞表示領域41gを所定の表示態様(例えば点滅)とすることで報知するようになっている。
また、特2入賞表示領域41gでは、第2始動記憶についての事前判定結果の報知は行わない。これにより、特図変動表示ゲームの実行時期が近い第2始動記憶についてのみ事前判定の結果を報知することとなり、遊技者が必要な情報のみを確実に把握することができるとともに、遊技機での処理や表示が煩雑になることを防止できる。また、むやみに射幸心を煽ることを防止できる。
図131には、遊技盤30に設けられる一括表示装置50における特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55を示した。第1保留表示器54では、第1始動記憶の数をLEDの点灯数により表示するようになっており、第1始動記憶数を遊技者が容易に認識できるようになっている。
第2保留表示器55では、第2始動記憶で消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶についてはその数をLEDの点灯数により表示するようになっており、消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶数については遊技者が容易に認識できるようになっている。また、第2始動記憶で消化順序が5番目以降の第2始動記憶については4つのLEDの各々を消灯、点灯、点滅の何れかの態様とすることで構成される81通りの表示により表示するようになっている。
消化順序が5番目以降の第2始動記憶がない場合は、4つのLEDを消灯した態様とすることでその旨を認識可能とし、消化順序が1番目から4番目の第2始動記憶数について遊技者が容易に認識できるようにしている。しかし、消化順序が5番目以降である第2始動記憶の数が1以上である場合に、各々の数に対応付けられた4つのLEDで構成される表示態様は、第2始動記憶数の変化と表示態様の変化に規則性がないように設定され、ここでの表示態様から消化順序が5番目以降である第2始動記憶の数を容易に認識できないようにしている。
図132には、第2始動記憶数の変化に伴う飾り特図始動記憶表示41bの変化の例を示した。図132(a)に示す状態では、第1始動記憶が4つあり、第2始動記憶が3つある状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態を示している。この状態から消化順序が4番目となる第2始動記憶aが発生すると、図132(b)に示すように当該第2始動記憶aに対応する飾り特図始動記憶表示41b−aが表示される。この飾り特図始動記憶表示41b−aでは、その表示態様によって対応する第2始動記憶aについての先読み結果が報知されている。
さらに消化順序が5番目となる第2始動記憶bが発生すると、図132(c)に示すように特2入賞表示領域41gの表示態様が変化して、消化順序が5番目以降の第2始動記憶があることが報知される。ただし、明確な数は報知されない。その後、図132(d)に示すように、実行されていた特図変動表示ゲームが終了し、図132(e)に示すように消化順序が1番目である第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始されると、消化順序の繰り上がりにより各第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41bが順次左へ移動する。
そして、特2入賞表示領域41gで存在が報知されていた消化順序が5番目の第2始動記憶bは、消化順序が4番目となるので、当該第2始動記憶bに対応する飾り特図始動記憶表示41b−bが表示される。この飾り特図始動記憶表示41b−bでは、その表示態様によって対応する第2始動記憶bについての先読み結果が報知されている。この消化順序が4番目となった第2始動記憶bについての先読み結果の報知は、特2入賞表示領域41gでは行われていなかったものであって、消化順序が4番目となったことで報知が開始されたものである。
図133には、図132に示す例における情報の送信タイミングを示した。なお、図133中の(a)から(e)の記号は、図132の(a)から(e)に対応している。第2始動記憶数が3である状態で普通変動入賞装置37への入賞が発生して始動口2スイッチ37aで遊技球が検出されると(t41)、演出制御装置300に第2始動記憶の増加を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t42)。さらに、発生した始動記憶についての事前判定情報が先読みコマンドとして演出制御装置300に送信される(t43)。
その後、第2始動記憶数が4である状態で普通変動入賞装置37への入賞が発生して始動口2スイッチ37aで遊技球が検出されると(t44)、演出制御装置300に第2始動記憶の増加を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t45)。この発生した始動記憶は第2始動記憶で消化順序が5番目であり、特2入賞表示領域41gでは当該始動記憶についての事前判定情報を報知しない。よって、遊技制御装置100は、この時点では当該始動記憶についての事前判定は行わず、事前判定情報を含む先読みコマンドも送信しない。
そして、実行中の特図変動表示ゲームが終了し、消化順序が1番目である第2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが開始された際に、当該特図変動表示ゲームについての情報を含む変動開始コマンドが演出制御装置300に送信される(t46)。この特図変動表示ゲームの開始により、第2始動記憶が一つ消化されるため、演出制御装置300に第2始動記憶の減少を示す飾り特図保留数コマンドが送信される(t47)。さらに、消化順序が5番目であった第2始動記憶の消化順序が4番目となり、飾り特図始動記憶表示で事前判定情報を報知可能となるため、遊技制御装置100では当該始動記憶についての事前判定を行い、事前判定情報を含む先読みコマンドを演出制御装置300に送信する(t48)。
このように、消化順序が5番目以降の第2始動記憶についての事前判定を消化順序が4番目になってから行うようにしたことで、入賞時に事前判定手段での処理が集中して煩雑になることを防止できるとともに、事前判定結果を記憶しておくための記憶領域を削減することができる。さらに、停電発生時には遊技制御装置100で始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報をバックアップするだけで停電復帰後において事前判定の結果を報知可能となるので、停電発生時における事前判定の結果のバックアップや停電復帰後に全始動記憶について再度の事前判定を行うなどの処理が必要なくなり、停電発生時、停電復帰時の処理が煩雑になることを防止できる。
〔特図保留情報判定処理〕
このような制御を行うために、図97に示した特図保留情報判定処理に替えて図134に示す特図保留情報判定処理を行う。この特図保留情報判定処理では、始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力である場合(ステップA232;Yes)に、発生した第2始動記憶を含む第2始動記憶数が4以下であるかを判定する(ステップA391)。
第2始動記憶数が4以下である場合(ステップA391;Yes)は、ステップA235以降の事前判定に関する処理を行う。また、第2始動記憶数が4以下でない場合(ステップA391;No)は、当該第2始動記憶についての事前判定に関する処理を行わずに特図保留情報判定処理を終了する。
これにより、第2始動記憶で消化順序が第1上限値以内の始動記憶、すなわち消化順序が1番目から4番目までの第2始動記憶については当該第2始動記憶についての事前判定処理が当該第2始動記憶の発生時に行われるようになる。また、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より後の始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶については当該第2始動記憶についての事前判定処理を当該第2始動記憶の発生時には行わないようになる。
〔特図2変動開始処理〕
また、図100に示した特図2変動開始処理に替えて図135に示す特図2変動開始処理を行う。この特図2変動開始処理では、変動開始情報設定処理(ステップA333)を行った後、第2始動記憶に、保4になった始動記憶があるかを判定する(ステップA392)。保4になった始動記憶とは、第2特図変動表示ゲームの開始前には第2始動記憶が5以上あり、第2特図変動表示ゲームの開始により最先の第2始動記憶が消化されて消化順序が繰り上がることによって消化順序が4番目となった第2始動記憶である。
第2始動記憶に、保4(消化順序が4番目の第2始動記憶)になった始動記憶がない場合(ステップA392;No)は、特図2変動開始処理を終了する。また、第2始動記憶に、保4(消化順序が4番目の第2始動記憶)になった始動記憶がある場合(ステップA392;Yes)は、図134のステップA235以降の事前判定に関する処理を行う。
これにより、第2始動記憶で消化順序が第1上限値より後の始動記憶、すなわち消化順序が5番目以降の第2始動記憶であった始動記憶の消化順序が第1上限値以内となった際に、当該第2始動記憶についての事前判定処理が行われるようになる。
以上のことから、遊技領域に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域は、第1入賞領域(始動入賞口36)と、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な第2入賞領域(普通変動入賞装置37)と、を備え、第1入賞領域への遊技球の入賞を、第1始動記憶として第1上限値まで記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2入賞領域への遊技球の入賞を、第2始動記憶として第2上限値まで記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第1始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行する第1ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、第2始動記憶に基づいて、変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する第2ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、を備え、第1上限値よりも前記第2上限値の方を大きくしていることとなる。
また、第1始動記憶の記憶数及び第2始動記憶の記憶数を始動記憶表示として報知する始動記憶報知手段(演出制御装置300)を備え、始動記憶報知手段は、第2始動記憶の記憶数のうち第1上限値以下の記憶数については当該記憶数を明確に表示する一方、第1上限値を超える記憶数については当該記憶数を明確に表示しないようにし、第2始動記憶の記憶数が前記第2上限値に到達した場合には報知を行うようにしていることとなる。
また、第1始動記憶手段(遊技制御装置100)及び第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と対応して記憶される始動記憶情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、始動記憶報知手段(演出制御装置300)は、事前判定手段による判定結果を始動記憶表示において表示可能な事前判定結果表示手段(演出制御装置300)を備え、事前判定結果表示手段は、第2始動記憶の事前判定手段による判定結果について、消化順序が第1上限値以内の第2始動記憶については当該判定結果を表示可能である一方、第1上限値より大きい第2始動記憶については当該判定結果を表示しないようにしていることとなる。
また、事前判定手段(遊技制御装置100)は、第1上限値を超える第2始動記憶について、当該第2始動記憶の消化順序が前記第1上限値以内となった際に判定を行い、判定結果を始動記憶報知手段(演出制御装置300)に送信するようにしていることとなる。
また、本実施形態の遊技機では、時短状態において第2始動記憶が所定数に達した場合に、以降の第2特図変動表示ゲームの変動時間をさらに短いものとすることが可能となっている。図136(a)に示すように、時短状態の開始から第2始動記憶が第2上限値に到達するまで(t51からt52)は、通常時短状態として時短状態でない場合よりも短い変動時間で第2特図変動表示ゲームを実行可能となっている。そして、第2始動記憶が第2上限値に到達すると(t52)、次回の第2特図変動表示ゲームから時短状態の終了まで(t53からt54)が超時短状態となり、通常時短状態よりも短い変動時間で第2特図変動表示ゲームを実行可能となっている。
このような制御を行うため、図135に示した特図2変動開始処理における変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備する処理(ステップA329)において、時短状態で第2始動記憶が第2上限値に達したことに基づき超時短用の変動パターンテーブルを選択するようにし、通常時短状態よりも短い変動時間の変動パターンを設定可能とする。
さらに、図136(b)に示すように、第2始動記憶が第2上限値に到達した際(t52)に、実行中の第2特図変動表示ゲームでの残り変動時間(t52からt53)を短縮するようにしても良い。これにより、より第2始動記憶の消化を早めることができる。このような制御を行う場合は、図124に示した変動時間短縮処理において、第2始動記憶が第2上限値に到達した場合にホワイトアウトコマンド送信処理(ステップA384)及び変動時間短縮停止処理(ステップA385)を行うようにする。また、このとき実行中の第2特図変動表示ゲームが特定の変動パターンである場合には変動時間を短縮しないようにしても良い。さらに、変動時間を短縮する際に表示する特定表示態様によって、始動記憶についての事前判定情報を報知するようにしても良い。
以上のことから、第2ゲーム実行手段(遊技制御装置100)は、第2始動記憶が所定値に到達することに基づき、第2変動表示ゲームの実行時間を所定値に到達していない場合の実行時間よりも短くするようにしていることとなる。
なお、超時短状態とする条件を第2始動記憶が第2上限値に到達したこととしたが、第2上限値以外としても良い。例えば、特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機において、第2始動記憶数が、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数から高確率状態で実行済みの特図変動表示ゲームの実行回数を減算した値となったことを条件として超時短状態とするようにしても良い。すなわち、高確率状態で実行可能な残り回数の分だけ第2始動記憶が発生したことを条件に超時短状態とするようにしても良い。このようにすることで、高確率状態の終了後に多くの第2始動記憶が残ってしまうことを防止できる。
さらに、超時短状態となったことを契機として、既に記憶されている第2始動記憶は有効なものとした上で第2上限数を少なく(例えば第1上限数と等しく)するようにしても良い。すなわち、第2始動記憶数が変更された第2上限数未満となるまで新たな第2始動記憶の発生を禁止するようにしても良い。このようにすることでも、高確率状態の終了後に多くの第2始動記憶が残ってしまうことを防止できる。
特に、ST機において高確率状態で実行可能な残り回数の分だけ第2始動記憶が発生したことを条件に超時短状態とするようにした場合は、高確率状態の終了まで特図変動表示ゲームでの演出や事前判定情報の報知などに集中することができるようになるため、遊技の興趣を向上することができる。例えば、時短状態においては全ての第2始動記憶について発生時に事前判定を行うようにし、特別結果となる始動記憶がある場合には、次に発生する特別遊技状態における実行可能なラウンド回数を当該特別結果となる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで分割して報知し、各特図変動表示ゲームで報知されたラウンド回数が実行可能ラウンド回数として上乗せされていくような演出を行うようにしても良い。
また、図137(a)に示すように特2入賞表示領域41gを配置し、図137(b)に示すように消化順序が5番目以降の第2始動記憶の存在を表示色の変化などの表示態様の変化により報知する他、図137(c)に示すように普図演出領域41cとしても利用するようにしても良い。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、高確率状態における確率値が複数あり、高確率状態となる場合に何れかの確率値が選択されるようになっている。
本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後に所定のゲーム数を実行するまで高確率状態とするいわゆるST機となっている。そして、図138(a)に示すように、確率モードとしてAからDの4つがあり、何れかの確率モードが設定されるようになっている。これらの確率モードは、何れの確率モードであっても通常確率状態における特別結果となる確率は1/298で同じであるが、高確率状態における特別結果となる確率と、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数(ST回数)が異なる。
高確率状態での特別結果となる確率値は、確率モードAが最も高く、確率モードB、確率モードC、確率モードDの順に低くなる。これに対して、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数は、図138(b)に示すように確率モードAが最も少なく、確率モードB、確率モードC、確率モードDの順に多くなる。高確率状態での確率値とST回数は、ST回数の特図変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率モードであっても略同じ値になるように設定されており、公平な遊技を実現できるようになっている。なお、ST回数が多くなるにつれて高確率状態で消費される遊技球の数が多くなるため、ここではST回数が多くなるにつれて僅かに期待値が高くなるように設定されているが、全ての確率モードで期待値がまったく同じ値となるようにしても良い。
これらの確率モードは遊技者が選択できるようになっている。本実施形態の遊技機では、操作手段をなす演出ボタン25での操作入力が遊技制御装置100及び演出制御装置300に入力されるようになっている。そして、例えば、特別遊技状態中やその他の任意の時期に、遊技制御装置100が演出制御装置300を介して図139に示すような表示を表示装置41に表示させる制御を行い、この表示に従い遊技者が演出ボタン25を操作することで、所望の確率モードを選択できるようになっている。
この場合、演出ボタン25として第1、第2、第3の演出ボタンを備え、第1の演出ボタンが左移動表示42aに対応し、第2の演出ボタンが決定表示42bに対応し、第3の演出ボタンが右移動表示42cに対応するようにする。そして、遊技者が第1の演出ボタンを操作する毎に選択表示42dが左隣の確率モード表示42eへ移動し、遊技者が第3の演出ボタンを操作する毎に選択表示42dが右隣の確率モード表示42eへ移動するようになっており、選択表示42dを所望の確率モード表示42eに移動させた状態で第2の演出ボタンを操作することで確率モードを選択できるようになっている。
〔大当り終了後確率状態設定処理〕
遊技制御装置100では、このように選択された確率モードに従い、高確率状態での確率値及びST回数を設定するために、特図ゲーム処理(図94参照)における大当り終了処理(ステップA15)において図140に示す大当り終了後確率状態設定処理を行う。この大当り終了後確率状態設定処理では、まず、大当り終了タイミングであるかを判定する。
大当り終了タイミングでない場合(ステップA401;No)は、大当り終了後確率状態設定処理を終了する。また、大当り終了タイミングである場合(ステップA401;Yes)は、遊技者が選択した確率モードを参照して対応する確率値及びST回数を設定して(ステップA402からA406)、大当り終了後確率状態設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定する確率設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の確率値を設定可能であり、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段をなす。
このように確率モードを選択可能としたことで、特別結果の導出を契機として次回特別結果となる確率が様々に変化し、遊技の興趣を高めることができる。また、複数の高確率値のうち低い確率値が選択された場合ほど当該確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数が多くなるので、低い確率値を設定しても遊技者が不満を抱くことを防止できる。また、遊技者が確率値を選択できるという従来にない機能を実現でき、遊技の興趣を高めることができる。さらに、高確率での遊技を長い間楽しみたい遊技者は、高確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数が多くなる低い確率値を選択可能であり、時間に余裕のない遊技者は、高確率値が維持される変動表示ゲームの実行回数の少ない確率値を選択可能となるため、遊技に幅ができ、幅広い層の利便性が高まり遊技人口を増やすことに寄与できる。
なお、遊技者が確率モードを選択可能としたが、例えば特別結果の種類に基づき確率モードを選択するようにしても良い。この場合は演出ボタン25の操作入力を遊技制御装置100に入力しなくても良い。
また、特別結果の種類として、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる特別結果である確変大当りと、特別遊技状態の終了後に高確率状態とならない特別結果である通常大当りを設定するようにしても良い。この場合は確率モードとして、図141(a)、(b)に示すように上述の確率モードAからDに加えて確率モードEを選択可能とする。
特別結果として確変大当りが導出された場合は、上述と同様に確率モードAからDの何れかが選択される。また、特別結果として通常大当りが導出された場合は、必ず確率モードEが選択されるようになっている。さらに、確変大当りである場合は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を1から3又は5から7の何れかのぞろ目とし、通常大当りである場合は、飾り特図変動表示ゲームの結果態様を4又は8のぞろ目とすることで、遊技者が何れの大当りであるかを認識できるようにしている。このようにすることで、特別遊技状態の終了後に通常確率状態になる場合もあるようにすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
以上のことから、変動表示ゲームの停止結果が特別結果であった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定する確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、複数の確率値には、最も確率が低い低確率値と、該低確率値よりも確率が高い複数の異なる高確率値が含まれ、確率設定手段は、特別遊技状態の終了後の確率値を設定可能であり、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段(遊技制御装置100)を備え、期間設定手段は、高確率値を維持する期間として、確率値に応じた規定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を設定可能であり、当該規定回数として確率値が低いほど多い回数を設定するようにしていることとなる。
また、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後の確率値として高確率値を設定する場合に、複数の高確率値のうちから操作手段の操作により遊技者が選択した確率値を設定するようにしていることとなる。ここで、操作手段は、ボタンやタッチパネルなど遊技者の操作を検出できるものであれば何でも良い。
また、期間設定手段(遊技制御装置100)は、規定回数の変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率値であっても略同じ値になるように規定回数を設定するようにしていることとなる。
また、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後の確率値として、低確率値を設定可能であることとなる。
なお、上述した第3実施形態の遊技機と組み合わせても良い。例えば、高確率状態においては必ず時短状態となるようにし、第2始動記憶数が、選択された確率モードにおけるST回数から高確率状態で実行済みの特図変動表示ゲームの実行回数を減算した値となったことを、図142に示すように特2入賞表示領域41gで報知するようにしても良い。さらに、この状態となった場合に、通常時短状態から、該通常時短状態よりも特図変動表示ゲームの変動時間を短くすることが可能な超時短状態に変更するようにしても良い。
〔第4実施形態の第1変形例〕
次に、第4実施形態の第1変形例遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第4実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、電源投入時に確率状態を選択し、選択結果を示唆することが可能となっている。
本変形例の遊技機では、図143に示すように高確率値として、1/39の高確率と1/182の中確率があり、低確率値として1/384の低確率がある。特別遊技状態の終了後は、高確率と中確率の何れかが遊技者による選択又は遊技機による選択により設定され、確率値に応じたST回数が設定される。また、遊技機10が電源投入に基づいて何れの確率値とするかを選択可能であり、開店時の遊技機の選定における興趣を高めるようにしている。そして、選択された確率値を表示装置41や特図表示器51,52などにより示唆する示唆報知を行うことが可能となっている。
図144には表示装置41における示唆報知の例を示した。電源投入直後は何れの確率値であっても図144(a)に示すような表示態様とされる。その後、低確率値が選択されている場合には、所定の報知条件が成立することに基づき図144(b)に示すような表示態様に変更され低確率値が選択されたことが示唆されるようになっている。このような確率値を示唆する演出が行われることで、遊技機の選定の参考にすることができる。
所定の報知条件は、電源投入から所定回数の特図変動表示ゲームを実行することや、所定時間が経過すること、所定の変動パターンが選択されたことなど何でも良い。このように所定の報知条件を設定することで、電源投入後すぐに低確率状態であることを見破られにくくなるため、低確率値の遊技機が敬遠される可能性が低くなり、遊技店の稼働状態も安定しやすい。なお、低確率値を示唆するとしたが、他の確率値を示唆するようにしても良い。
図145には特図表示器51,52における示唆報知の例を示した。特図表示器51,52では電源投入後、特図変動表示ゲームが開始されるまでの期間において、図145(a)から(c)に示すような表示態様の何れかを行うことで確率値を示唆する。高確率値である場合は図145(a)に示すように、セグメントが右回りに順次点灯する表示態様とされ、中確率値である場合は図145(b)に示すように、セグメントが左回りの8の字に順次点灯する表示態様とされ、低確率値である場合は図145(c)に示すように、セグメントが右回りの8の字に順次点灯する表示態様とされる。このような確率値を示唆する表示が行われることで、遊技機の選定の参考にすることができる。
なお、所定の報知条件が成立した場合にこれらの表示を行うようにしても良い。また、特図変動表示ゲームを実行している場合でも報知を可能とし、一方の特図表示器51,52で特図変動表示ゲームを表示している場合は、他方の特図変動表示ゲームを表示していない特図表示器51,52でこれらの表示を行うようにする。また、図144に示したような表示装置41での報知を行わず、表示装置41より目立ちにくい特図表示器51,52でのみ図145に示した報知を行うようにすれば、確率状態を遊技者に容易に認識されないようにでき、遊技機の選定の興趣を高めることができる。また、電源投入後すぐに低確率状態であることを見破られにくくなるため、低確率の遊技機が敬遠される可能性が低くなり、遊技店の稼働状態も安定しやすい。また、複数のセグメントを同時に発光したり、更新周期を長期にしたりすることで、一見するだけでは容易に確率状態を識別することができないようにすることが望ましい。
このような制御を行うため、メイン処理の後半の処理(図88参照)に替えて図146に示す処理を行う。ここではRAMがクリアされた場合に、確率値として低確率値又は中確率値が選択されるようになっている。この処理では、電源投入時のコマンドを送信する処理(ステップS22)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS121)、選択された確率値が中確率値であるかを判定する(ステップS122)。
そして、中確率値である場合(ステップS122;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS123)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS124)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(b)に示した表示が行われる。
一方、中確率値でない場合(ステップS122;No)、すなわち低確率値である場合は、低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS125)、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS126)。低確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(c)に示した表示が行われる。
なお、ステップS17で高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報を後に演出制御装置300に送信し、演出制御装置300が、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行うようにしても良い。また、ステップS18で高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(a)に示した表示を行うようにしても良い。
また、図147には、RAMがクリアされない場合に、確率値として低確率値、中確率値、高確率値の何れかが選択されるようにした処理を示した。この処理では、エラー、不正監視に係る領域をリセットする処理(ステップS15)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS131)、選択された確率値が高確率値であるかを判定する(ステップS16)。なお、電源遮断時に高確率値又は中確率値が選択されていた場合は、確率値を選択する処理を行わないようにしても良い。
そして、高確率値である場合(ステップS16;Yes)は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS17)、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS18)。高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(a)に示した表示が行われる。
一方、高確率値でない場合(ステップS16;No)は、中確率値であるかを判定する(ステップS132)。そして、中確率値である場合(ステップS132;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS133)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS134)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(b)に示した表示が行われる。
また、中確率値でない場合(ステップS132;No)は、確率報知フラグ領域にON情報をセーブする処理や確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する処理を行わない。なお、この場合に低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定して、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行うようにしたり、特図表示器51,52において図145(c)に示した表示を行うようにしたりしても良い。
また、図148には、RAMクリアの有無に係らず確率値を選択するようにした処理を示した。この処理では、RAMがクリアされなかった場合には確率値として低確率値、中確率値、高確率値の何れかが選択され、RAMがクリアされた場合には確率値として低確率値、中確率値の何れかが選択される。
この処理では、エラー、不正監視に係る領域をリセットする処理(ステップS15)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS141)、選択された確率値が高確率値であるかを判定する(ステップS16)。なお、電源遮断時に高確率値又は中確率値が選択されていた場合は、確率値を選択する処理を行わないようにしても良い。
そして、高確率値である場合(ステップS16;Yes)は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS17)、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS18)。高確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(a)に示した表示が行われる。一方、高確率値でない場合(ステップS16;No)は、中低確率報知処理を行う(ステップS142)。
また、RAMがクリアされた場合は、電源投入時のコマンドを送信する処理(ステップS22)を行った後、確率値を選択する処理を行い(ステップS143)、中低確率報知処理を行う(ステップS144)。
図149に示すように、中低確率報知処理(ステップS142、S144)では、まず、選択された確率値が中確率値であるかを判定する(ステップS151)。そして、中確率値である場合(ステップS151;Yes)は、中確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS152)、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS153)。中確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、中確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(b)に示した表示が行われる。
一方、中確率値でない場合(ステップS151;No)、すなわち低確率値である場合は、低確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS154)、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定する(ステップS155)。低確率報知フラグ領域にON情報をセーブすることにより、この情報が後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300は、所定の報知条件の成立に基づき表示装置41において図144に示したような表示の変化による確率値の示唆報知を行う。また、低確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定することにより、特図表示器51,52において図145(c)に示した表示が行われる。
すなわち、遊技制御装置100が、遊技機の電源投入の際に確率値を選択する電源投入時確率選択手段をなす。また、遊技制御装置100が、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する表示を所定条件の成立により表示器(特図表示器51,52)に表示する示唆表示手段をなす。また、演出制御装置300が、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する演出を所定条件の成立により表示装置41に表示する示唆演出実行手段をなす。
以上のことから、遊技に関する画像を表示する表示装置41を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、遊技機の電源を投入した際に確率値を設定可能であり、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する演出を所定条件の成立により表示装置41に表示する示唆演出実行手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
ここで、確率設定手段は、電源投入時にRAMの情報がクリアされた場合にのみ確率値を選択するようにしても良いし、電源投入時に常に確率値を選択するようにしても良い。また、複数の確率値のうち全ての確率値から選択するようにしても良いし、一部の確率値(例えば、低確率値と、高確率値のうち一部(高確率値の中で確率値が低いものが好ましい))から選択するようにしても良い。
また、変動表示ゲームの結果態様を表示する表示器(特図1表示器51、特図2表示器52)を備え、確率設定手段(遊技制御装置100)は、遊技機の電源を投入した際に前記確率値を設定可能であり、電源を投入した際に設定された確率値を示唆する表示を所定条件の成立により表示器に表示する示唆表示手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特別結果の種類や特別遊技状態中の遊技態様により、確率値やST回数が選択されるようになっている。
図150には、本実施形態の遊技盤を示した。遊技領域32における包囲枠体40の左下側には三つの一般入賞口35が配置され、包囲枠体40の右側には一つの一般入賞口35が配置されている。また、包囲枠体40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられている。
さらに、遊技領域32に臨む包囲枠体40の右側部には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)が設けられている。この普通変動入賞装置37は、可動部材37bにより入賞可能な開状態と入賞不能な閉状態とに変換可能となっている。また、遊技領域32における包囲枠体40の右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34と、一般入賞口35と、流下する遊技球を普通変動入賞装置37側へ誘導する誘導部材80が配置されている。そして、遊技領域32における包囲枠体40の右下側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口、上AT)38と、第2特別変動入賞装置(大入賞口、下AT)39が配置されている。
遊技領域32のうち、包囲枠体40の左側の領域が第1流下経路(左側遊技領域)32aとされ、包囲枠体40の右側の領域が第2流下経路(右側遊技領域)32bとされている。そして、遊技者が発射勢を調節して第1流下経路32aへ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、第2流下経路32bへ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普通変動入賞装置37や、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができるようになっている。
図151に示すように、普通変動入賞装置37は、下端部が前後方向に沿った軸により回動可能に軸支された可動部材37bを有している。この可動部材37bは、駆動装置としての普電ソレノイド37cによって、略垂直となって包囲枠体40の右側方に開口する入賞口を塞いで入賞を不能とする閉状態と、遊技領域32側へ傾倒して入賞口を開放し入賞を可能とする開状態(図151の点線で示す状態)とに変換可能となっている。可動部材37bは常時は閉状態となっているが、普図変動表示ゲームの結果が当り(通常当り又は特定当り)となることで、所定の態様で開状態に変換されるようになっている。
第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉38cを有しており、特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38bにより駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1特別変動入賞装置(大入賞口)38の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38aが配設されている。
第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能なアタッカー形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド39bにより駆動される開閉扉39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2特別変動入賞装置(大入賞口)39の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39aが配設されている。
また、第2特別変動入賞装置39には、特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームにおける遊技状態を決定するための振分機構90が遊技者から視認可能となるように配されている。この振分機構90には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球が流入可能な特定領域91と非特定領域92が設けられており、特別結果の種類と特定領域91への遊技球の流入の有無により、特別遊技状態の終了後の高確率状態となる特図変動表示ゲームの回数(ST回数)が設定されるようになっている。
図151に示すようにこの振分機構90は、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を流下誘導する誘導流路93を備え、該誘導流路93の流下経路の途中に、流下する遊技球を特定領域91と非特定領域92との何れかに振り分ける振分装置94が設けられている。また、誘導流路93の上流側端部には、第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ39aが設けられ、特定領域91には当該特定領域91に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ97が設けられている。なお、特定領域や非特定領域に流入した遊技球は遊技機の外部に排出されるようになっている。
振分装置94には、誘導流路93における非特定領域92の上方となる位置の床部分を形成し、遊技制御装置100が制御する振分装置ソレノイド96(図153参照)により前後方向に進退可能に構成された板状の振分床部材95を備えている。この振分床部材95が図152(a)に示すように後方に退いた通過規制状態では、非特定領域92の上方に振分床部材がない状態となって非特定領域92が開放され、流下する遊技球は非特定領域92へ振り分られる。また、図152(b)に示すように、前方に進出した通過許容状態では、非特定領域92の上方に振分床部材95が存在する状態となって非特定領域92が閉鎖され、流下する遊技球は特定領域91へ振り分けられる。すなわち、遊技制御装置100が、特定領域91への遊技球の流入の容易さを制御する流入制御手段をなす。
なお、特別遊技状態において最終ラウンド以外では第1特別変動入賞装置38が開放され、最終ラウンドでは第2特別変動入賞装置39が開放されるようになっている。また、開閉扉39cの開放態様や振分床部材95の動作態様は、特別結果や別途の抽選により決定されるようになっている。
図154には、遊技の流れを示した。通常確率状態であり時短状態ではない通常状態において大当りが発生すると特別遊技状態となる。この特別遊技状態では、最終ラウンド以外では第1特別変動入賞装置38が開放されるラウンド遊技が行われ、最終ラウンドではチャレンジラウンドとして第2特別変動入賞装置39が開放されるラウンド遊技が行われる。チャレンジラウンドには、振分装置94の動作が特定領域91への流入が容易な状態とされるチャレンジラウンドAと、振分装置94の動作が特定領域91への流入が困難な状態とされるチャレンジラウンドBと、があり、それぞれ50%の確率で選択されるようになっている。なお、この選択は特別結果の種類や別途の抽選結果に基づき行うようにする。
そして、チャレンジラウンドで特定領域91へ遊技球が流入した場合は高確率状態かつ時短状態であるST状態となる。このST状態で大当りが発生した場合は特別遊技状態となるが、この場合は特定領域91への流入の有無に係らず特別遊技状態の終了後にST状態となる。また、ST状態において特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数がST回数に達した場合は通常確率状態かつ時短状態である特図時短状態に移行する。
一方、特別遊技状態で特定領域91へ遊技球が流入しなかった場合は通常確率状態かつ時短状態である特図時短状態となる。この特図時短状態で大当りが発生した場合は特別遊技状態となるが、この場合は特定領域91への流入の有無に係らず特別遊技状態の終了後にST状態となる。また、特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(99回)に達した場合は通常状態に戻る。
図155に示すように、特別遊技状態の終了後のST回数は、特別結果の種類と特定領域91への流入(V入賞)の有無により遊技制御装置100が決定するようになっている。なお、特別結果の種類や特定領域91への流入の有無によらず特別遊技状態の終了から99回の特図変動表示ゲームを実行するまでは時短状態となる。
例えば、大当り図柄が「111」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すれば(V入賞すれば)ST回数が5回に設定され、特別遊技状態の終了から5回の特図変動表示ゲームを実行するまでは高確率状態かつ時短状態であるST状態となる。このST状態で5回の特図変動表示ゲームを実行しても大当りが発生しなかった場合は、残り94回の特図変動表示ゲームを実行するまで(特別遊技状態の終了から数えて99回の特図変動表示ゲームを実行するまで)特図時短状態となる。また、大当り図柄が「111」であった場合に特定領域91へ遊技球が流入しなかった場合(Vハズレの場合)は、ST回数が0回に設定されてST状態にはならず、特別遊技状態の終了から99回の特図変動表示ゲームを実行するまで特図時短状態となる。
また、大当り図柄が「333」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が50回に設定され、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が10回に設定される。なお、大当り図柄が「777」であった場合は、特定領域91へ遊技球が流入すればST回数が100回に設定されるが、この場合は、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態が継続するようになっている。また、ST状態や時短状態で大当りが発生した場合も、特別結果の種類や特定領域91への遊技球の流入の有無にかかわらずST回数が100回に設定され、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態が継続するようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、特別結果の種類及び特定領域91への流入の有無に基づき、特別遊技状態の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定手段をなす。
そして、チャレンジラウンドにおいては、図156に示すように、特定領域91へ遊技球が流入した場合(V入賞した場合)のST回数が表示装置41で報知されるようになっている。
なお、特定領域スイッチ97よりも下流側に遊技球を検出する不正防止スイッチを設け、特定領域スイッチ97と不正防止スイッチの両方で遊技球を検出した場合のみ遊技球が特定領域91に流入したとするようにして、釣り糸で遊技球を操る不正行為を防止するようにしても良い。また、図157に示すように、特別結果と特定領域91への遊技球の流入の有無に基づき、図141に示した確率モードAからEの何れかを選択するようにしても良い。
以上のことから、遊技領域32に設けた始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)で複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となると複数のラウンドに亘って特別変動入賞装置38,39を開閉変換する特別遊技状態を発生する遊技機において、特別変動入賞装置39の内部に設定され、当該特別変動入賞装置39の動作により遊技球が流入可能な特定領域91と、該特定領域91への遊技球の流入の容易さを制御する流入制御手段(遊技制御装置100)と、特別結果の種類及び特定領域91への流入の有無に基づき、特別遊技状態の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、遊技状態設定手段(遊技制御装置100)は、特別結果となる確率として、予め定められた複数の確率値のうち何れかを設定可能であり、複数の確率値には、最も確率が低い低確率値と、該低確率値よりも確率が高い複数の異なる高確率値が含まれており、複数の高確率値の何れかを設定した場合に当該高確率値を維持する期間を設定する期間設定手段(遊技制御装置100)を備え、期間設定手段は、高確率値を維持する期間として、確率値に応じた規定回数の変動表示ゲームを実行するまでの期間を設定可能であり、当該規定回数として確率値が低いほど多い回数を設定するようにしていることとなる。
また、期間設定手段(遊技制御装置100)は、規定回数の変動表示ゲームを実行することによって特別結果が導出される期待値が、何れの確率値であっても略同じ値になるように規定回数を設定するようにしていることとなる。
以上のような遊技機10は、遊技領域32に設けられた始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞することに基づき、表示装置41で複数の識別情報を変動表示する特図変動表示ゲームを実行し、該特図変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、始動入賞領域をなし、遊技球が入賞しやすい状態と、遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態と、に変化可能な普通変動入賞装置37と、遊技領域32に設けられ遊技球の通過を検出する普図始動ゲート34と、該普図始動ゲートへの遊技球の通過に基づき、普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の普図演出領域41cに普図変動表示ゲームの結果を表示可能な普図変動表示ゲーム表示手段(演出制御装置300)と、普図変動表示ゲームが特定結果となることに基づき、普通変動入賞装置37を遊技球が入賞しやすい状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段(遊技制御装置100)と、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき選択した識別情報の変動パターンに従って表示装置41の特図演出領域41aで特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する変動パターン示唆表示を表示可能な変動パターン示唆手段(演出制御装置300)と、を備えている。ここで、特図変動表示ゲームの変動パターンについての示唆内容は、リーチの有無や擬似連の有無、変動時間の長さなど、何でも良い。
したがって、普図演出領域41cで特図変動表示ゲームの変動パターンを示唆する演出が実行可能となり、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなって、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、変動パターンとして、1回の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて識別情報の変動表示を行い、識別情報を全て仮停止した後に識別情報全ての再変動表示を行う再変動表示動作を所定回行う擬似連変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、特図変動表示ゲームの実行中に普図演出領域41cにて、擬似連変動パターンの実行を予告する変動パターン示唆表示を表示可能である。ここで、擬似連変動パターンの実行の予告とは、例えば、再変動表示が行われることを示唆することや、再変動表示の回数を示唆することなどである。
したがって、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、再変動表示動作の実行毎に当該再変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。また、再変動表示が行われることに期待感を高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、表示装置41で複数の識別情報を含む複数の識別情報列の各々で識別情報を変動表示し、各識別情報列において導出した識別情報の組み合せにより結果を表示する特図変動表示ゲームを実行し、変動パターンとして、変動表示を行う複数の識別情報列のうち、一部の識別情報列において仮停止した後に再変動表示を行って識別情報を導出する滑り変動表示動作を含む滑り変動パターンを選択可能であり、変動パターン示唆手段(演出制御装置300)は、滑り変動表示動作の実行毎に当該滑り変動表示動作の実行を示唆する変動パターン示唆表示を普図演出領域41cに表示可能である。
したがって、普図演出領域での演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞を始動記憶として上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)を備え、特図変動表示ゲーム制御手段は、始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行するように構成され、始動記憶手段に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、事前判定手段による判定結果に関する情報を普図演出領域41cに表示可能な事前報知手段(演出制御装置300)と、を備えている。
ここで、遊技結果情報とは、始動記憶に基づき実行される変動表示ゲームの実行態様(変動パターン等)や変動表示ゲームの結果、当該結果が特別結果である場合における特別遊技状態の実行態様(ラウンド数等)、を決定するための情報である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、事前報知手段(演出制御装置300)は、普図演出領域41cにて、所定の結果となる特図変動表示ゲームの実行までのゲーム数を各特図変動表示ゲームの実行毎に表示可能である。
したがって、普図演出領域41cでの演出が多様なものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第2実施形態から第5実施形態の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、上述の各実施形態及び各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。