以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームを行う。特図ゲームでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)され、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示し、確定特別図柄(可変表示結果)を導出表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を変動させる特図ゲームを第1特図ゲームともいい、第2特図を変動させる特図ゲームを第2特図ゲームともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が導出表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム、または、第2特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、第1保留表示部5HLと、第2保留表示部5HRと、アクティブ表示部AHAとが配置されている。第1保留表示部5HLは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図ゲームの保留数である。第2保留表示部5HRは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2特図保留記憶数は、第2特図ゲームの保留数である。特図ゲームの保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する特図ゲーム(可変表示)の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第1始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。また、第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達していれば、第2始動条件は成立せず、その始動入賞に基づく特図ゲームは無効とされ、賞球の払出しのみが行われてもよい。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。また、以下では、第1特図保留記憶数の上限値及び第2特図保留記憶数が所定の上限値それぞれを「4」とする。
第1保留表示部5HLは、例えば右詰めで第1保留表示を第1特図保留記憶数の上限値と同じ数(ここでは、「4」)だけ表示可能となっている。第1保留表示は、保留されている第1特図ゲームと一対一で対応しており、保留されている第1特図ゲームを表す。例えば、第1保留表示部5HLには、第1保留表示を表示する4つの表示部位が設けられ、各表示部位は、右端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられている。そして、第1特図ゲームの保留が発生したときには、第1保留表示を表示していない表示部位のうち最も小さい保留番号に対応する表示部位に今回保留された第1特図ゲームに対応する第1保留表示を表示する。これにより、第1特図ゲームの保留が順次発生したときには、第1保留表示は右詰めで順次追加される。
第2保留表示部5HRは、例えば左詰めで第2保留表示を第2特図保留記憶数の上限値と同じ数(ここでは、「4」)だけ表示可能となっている。第2保留表示は、保留されている第2特図ゲームと一対一で対応しており、保留されている第2特図ゲームを表す。例えば、第2保留表示部5HRには、第2保留表示を表示する4つの表示部位が設けられ、各表示部位は、左端から順に保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられている。そして、第2特図ゲームの保留が発生したときには、第2保留表示を表示していない表示部位のうち最も小さい保留番号に対応する表示部位に今回保留された第2特図ゲームに対応する第2保留表示を表示する。これにより、第2特図ゲームの保留が順次発生したときには、第2保留表示は左詰めで順次追加される。なお、第1保留表示と第2保留表示とを総称して単に保留表示ということもある。
アクティブ表示部AHAには、すでに表示されている保留表示のうち、実行が開始された特図ゲームに対応する保留表示を表示する。第1保留表示部5HLの保留番号「1」に対応している表示部位に表示されている第1保留表示(最も右の第1保留表示)は、当該第1保留表示に対応する第1特図ゲームの実行に対応して、アクティブ表示部AHAに移動し、当該第1保留表示は、当該第1特図ゲーム中に当該第1特図ゲームに対応するものとして所定期間(例えば、第1特図ゲーム開始から終了まで)表示される。第2保留表示部5HRの保留番号「1」に対応している表示部位に表示されている第2保留表示(最も左の第2保留表示)は、当該第2保留表示に対応する第2特図ゲームの実行に対応して、アクティブ表示部AHAに移動し、当該第2保留表示は、当該第2特図ゲーム中に当該第2特図ゲームに対応するものとして所定期間(例えば、第2特図ゲーム開始から終了まで)表示される。
なお、上記第1保留表示のアクティブ表示部AHAへの移動に伴って、第1保留表示部5HLの他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位に表示されている第1保留表示のそれぞれは、アクティブ表示部AHAに移動した当該第1保留表示の表示部位の方向(右側)に、つまり、第1保留表示部5HLの保留番号「1」〜「3」それぞれに対応した表示部位に移動(シフト)する。また、上記第2保留表示のアクティブ表示部AHAへの移動に伴って、第2保留表示部5HRの他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位に表示されている第2保留表示のそれぞれは、アクティブ表示部AHAに移動した当該第2保留表示の表示部位の方向(左側)に、つまり、第2保留表示部5HRの保留番号「1」〜「3」それぞれに対応した表示部位に移動(シフト)する。
アクティブ表示部AHAに表示される保留表示(第1保留表示又は第2保留表示)をアクティブ保留表示ということがある。当該アクティブ保留表示は、厳密に言うと保留表示ではないが(未実行の特図ゲームに対応したものではないため。)、保留表示が移動して表示されたものであるので、この実施の形態では便宜上当該保留表示と表現する。アクティブ保留表示は、アクティブ表示、今回表示などと表現されることもある。アクティブ保留表示の表示態様と、第1保留表示や第2保留表示の表示態様とは、基本的に共通するが、大きさ等が異なってもよい。
図1に示された画像表示装置5の表示領域には、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間にアクティブ表示部AHAが配置されている。これに対し、アクティブ表示部AHAは、第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとの間に配置されるものに限定されず、画像表示装置5の表示領域における任意の位置に配置されていればよい。また、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRの配置も任意に変更可能であり、例えば第1保留表示部5HLと第2保留表示部5HRとを入れ替えて配置したものでもよい。
第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、あるいは第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている(点灯個数によって第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示する)。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときに拡大開放状態となって通常開放状態よりも遊技球が進入(通過)しやすいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または第1可変状態よりも通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を開放状態よりも通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)し、可変表示結果を導出表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数(図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。)としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、各ソレノイドに信号を出力する機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる演出制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示(第1特図ゲームや第2特図ゲーム)を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示(普図ゲーム)を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cを制御し、特図保留記憶数や普図保留記憶数などを表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(ソレノイドをオンにする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号(演出制御コマンド)を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令など(例えば、音番号データを示す情報信号としての効果音信号など)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令など(例えば、ランプデータを示す情報信号としての電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(演出制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の演出制御コマンドを送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターン(図10)を複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターン(各種演出を実行するための制御パターン)を構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作を制御する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が、通過ゲート41を通過したときには、通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた第1特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた第2特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
第1特図ゲームが開始されるときや、第2特図ゲームが開始されるときには、特図ゲームの可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特図ゲームや、第2特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特図ゲームの可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで繰返し実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、次回の大当り遊技状態が開始されるまでに所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されるとき、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となり、確変状態にはならない。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態及び時短状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。このため、時短状態は、高ベース状態ともいう。このような高ベース状態は、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態及び時短状態のときを高確高ベース状態ともいう。確変状態のみのときを高確低ベース状態ともいう。時短状態のみのときを低確高ベース状態ともいう。通常状態のときを低確低ベース状態ともいう。また、時短状態の有無にかかわらず確変状態でないときのことを非確変状態又は低確状態ともいう。確変状態の有無にかかわらず時短状態でないときのことを非時短状態又は低ベース状態ともいう。
最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している態様、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している態様(以下、これらの態様をリーチ態様という。大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されるときには、その前にこのようなリーチ態様になる。)においては、リーチ演出が実行される。リーチ演出では、例えば、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行される。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。なお、どのリーチ演出を実行するかなどは、この実施の形態では、主基板11の側で決定される(変動パターンの決定によって決定される)。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(リーチ演出パターンともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(信頼度、あるいは大当り信頼度ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマルのリーチ演出(ノーマルリーチ)とスーパーのリーチ演出(スーパーリーチ)が予め設定されている。そして、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチにおけるリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。なお、スーパーリーチとなるリーチ演出には、他のスーパーリーチに比べて大当り期待度が異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出の実行の有無は、この実施の形態では、主基板11の側で決定される(変動パターンの決定によって決定される)。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回)まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。この実施の形態では、飾り図柄の仮停止時に、仮停止時にのみ使用される擬似連図柄(「擬」の文字の図柄)を含む擬似連チャンス目が仮停止する(図31などを参照。なお、図31では各飾り図柄が発光し、擬似連のチャンス目がより分かりやすくなっている。)。このように、擬似連において仮停止される飾り図柄は、仮停止前に可変表示されていた飾り図柄とは異なる図柄を含んでもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告演出(先読み演出ともいう)が実行される。先読み予告演出は、後述の始動入賞判定処理の判定結果に基づいて実行される演出であり、始動入賞判定処理の対象であって予告の対象の特図ゲーム(所謂ターゲット)の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する演出である。先読み予告演出は、基本的にターゲットの可変表示(ターゲットとなる特図ゲームやターゲットとなる特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示)の前に実行される可変表示にて実行される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、先読みチャンス目予告と、保留表示予告とがある。
先読みチャンス目予告(単に先読みチャンス目ともいう。)は、ターゲットの可変表示の前に実行される飾り図柄の可変表示の可変表示結果(確定飾り図柄)を所定のチャンス目の組み合わせ(図29などを参照。なお、図29では各飾り図柄が発光し、先読み予告用のチャンス目が分かりやすくなっている。)とすることで、その後に実行される飾り図柄の可変表示(特図ゲーム)の可変表示結果(ターゲットの可変表示結果)が「大当り」となる可能性などを予告する演出である。
保留表示予告は、ターゲットの可変表示に対応する保留表示(第1保留表示部5HLの第1保留表示や第2保留表示部5HRの第2保留表示)の表示態様を通常のものとは異なるもの(ここでは、表示色を変化させるなど)にすることで(図32などを参照)、当該保留表示に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示の可変表示結果(ターゲットの可変表示結果)が「大当り」となる可能性などを予告する演出である。
また、この実施の形態では、アイコン表示変化演出が実行される。アイコン表示変化演出は、アクティブ表示部AHAに表示されている保留表示の表示態様を所定のアイコン表示(図31)に変化させることで、当該保留表示に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示(つまり現在実行中の可変表示)の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告する演出である。
先読みチャンス目予告、保留表示予告を実行する前には、これら演出の実行を示唆する示唆演出が実行される。示唆演出は、当該示唆演出開始後から所定タイミングまで、先読みチャンス目予告の実行を示唆するときと、保留表示予告の実行を示唆するときとで同じ演出態様になっており、示唆演出の開始から前記所定タイミングまでは、当該示唆演出がどの演出の実行を示唆するものであるかわからないようになっている(図27参照)。
先読みチャンス目予告の実行を示唆する示唆演出は、先読みチャンス目用示唆演出ともいう。保留表示予告の実行を示唆する示唆演出は、保留表示予告用示唆演出ともいう。なお、これら示唆演出が実行されても、実際に各演出が実行されない場合がある。つまり、先読みチャンス目用示唆演出が実行された場合、当該示唆演出後に先読みチャンス目予告が実行される場合(成功の示唆演出)と実行されない場合(失敗(所謂「ガセ」)の示唆演出)とがある。保留表示予告用示唆演出が実行された場合、当該示唆演出後に保留表示予告が実行される場合(成功の示唆演出)と実行されない場合(失敗(所謂「ガセ」)の示唆演出)とがある。
第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいてハズレ図柄が導出表示されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、飾り図柄の可変表示の態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。飾り図柄の可変表示の態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)の確定飾り図柄が停止表示(導出)される。飾り図柄の可変表示の態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチ組合せ)の確定飾り図柄が導出表示される。非リーチ組合せやリーチ組合せを構成する飾り図柄は、ハズレ図柄となる特別図柄とともに、非特定表示結果に含まれる。なお、上述のようにリーチ態様になったときには、最終的に大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されることもあるので、リーチ態様になったときには、遊技者は、大当りになることを期待することになる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。なお、以下で説明される動作は、パチンコ遊技機1の主要な動作であり、適宜他の動作が行われる(例えば、図に示したフローチャートの各ステップの間などに適宜必要な処理が行われてもよい)。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態(各スイッチの状態)を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、例えば、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれている。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や、大当り種別や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの普図表示結果や変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行するとともに普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が「普図当り」の場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図表示結果や変動パターンの決定、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図4は、始動入賞判定処理として、図3のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、上記スイッチ処理の判定結果などに基づいて、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1始動入賞が発生したとして、第1特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタの格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい(以降でも、第1特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウント値により特定すればよい)。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、上記スイッチ処理の判定結果などに基づいて、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2始動入賞が発生したとして、第2特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタの格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい(以降でも、第2特図保留記憶数は、第2特図保留記憶数カウント値により特定すればよい)。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102の所定領域に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶(格納)される(ステップS210)。
ステップS210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。
第1特図保留記憶部は、例えば第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、保留されている第1特図ゲームを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が大当りとなるか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ態様など)となるか否かなどを始動入賞時においても判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部は、例えば第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、保留されている第2特図ゲームを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が大当りとなるか否か(大当り遊技状態に制御するか否か)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるか、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ態様など)となるか否かなどを始動入賞時においても判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、予め用意された始動口入賞指定コマンド(詳しくは後述)を演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS211)。続いて、入賞時乱数値判定処理(詳しくは後述)を実行する(ステップS212)。その後、予め用意された特図保留記憶数通知コマンド(詳しくは後述)を演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS213)。さらに、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図5は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄の可変表示(特図ゲーム)や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(ステップS110)、変動パターン設定処理(ステップS111)において、特図保留記憶部に記憶された乱数値MR1、MR3などに基づいて、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)の決定や、変動パターンの決定(選択)などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、今回抽出された乱数値MR1が、ステップS110にて可変表示結果(特図表示結果)を「大当り」とすると決定される乱数値であるかの判定や、今回抽出された乱数値MR3が、ステップS111にて特定の変動パターン(ここでは、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様にする変動パターン)を選択する乱数値であるかの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となるか否かや、飾り図柄の可変表示中にリーチ態様となるか否かを予測(判定)し、この予測結果(判定結果)に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かなどを、決定することができる。
図5に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンとなるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときのオンとなるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグ及び時短フラグがオンであるときには、遊技状態が高確高ベース状態であること、確変フラグがオンで時短フラグがオフであるときには、遊技状態が高確低ベース状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには、遊技状態が低確高ベース状態であること、確変フラグ及び時短フラグがともにオフであるときには、遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)であることを特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、現在が大当り遊技状態であるか否かを特定する(例えば、特図プロセスフラグの値が「4」〜「7」のいずれかであれば現在大当り遊技状態に制御されていることになる)。
CPU103は、こうして特定された状態に基づいて現在が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には(ステップS402;No)、さらに現在高ベース中であるか否か(前記で特定された遊技状態が高確高ベース状態又は低確高ベース状態(つまり、時短状態)であるか否か)を判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて高ベース中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて高ベース中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、図4に示されたステップS209の処理で抽出され特図保留記憶部に記憶された乱数値を用いて各種の可変表示内容(今回始動条件が成立した特図ゲームの可変表示結果や当該特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示の態様)を判定する(ステップS405)。当該判定の判定結果には、「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」がある。
ステップS405では、CPU101は、まず、可変表示内容が「大当り」であるか否かを判定するために、大当り判定範囲を設定する。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブル(特図ゲーム開始時のステップS110において特図表示結果を決定する際に参照されるテーブル)に基づいて大当り判定範囲を設定する。特図表示結果決定テーブルは、確変状態(高確高ベース状態又は高確低ベース状態)のときに参照される第1特図表示結果決定テーブルと、非確変状態(低確高ベース状態又は低確低ベース状態)のときに参照される第2特図表示結果決定テーブルとを備える。各テーブルは、乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果の決定結果である「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられている(可変表示開始時では、CPU103は、乱数値MR1と合致する決定値に割り当てられた特図表示結果を今回の特図表示結果と決定する)。なお、第1特図表示結果決定テーブルと第2特図表示結果決定テーブルでは、「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が異なっている(第1特図表示結果決定テーブルの方が決定値の範囲が広い。)。CPU101は、ステップS401で特定された現在の遊技状態が確変状態のときは、第1特図表示結果決定テーブルにおいて「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を大当り判定範囲として設定し、ステップS401で特定された現在の遊技状態が確変状態でない非確変状態のときは、第2特図表示結果決定テーブルにおいて「大当り」に割り当てられた決定値の範囲を大当り判定範囲として設定する。この大当り判定範囲は、ステップS209の処理で抽出され特図保留記憶部に記憶された乱数値MR1と比較される。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であれば、可変表示内容が「大当り」と判定される。
また、ステップS405では、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲外であることに対応して、可変表示内容が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定する。ハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲は、特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターン(図10)に決定することができる乱数値(変動パターン決定用の乱数値MR3)の範囲として、予め定められていればよい。
特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるとき(ステップS111)には、変動パターン決定用の乱数値MR3と、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された変動パターン決定テーブル(図11)とを用いて、予め用意された複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示で使用される変動パターンが決定される。変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数の変動パターンのいずれかに割り当てられている。特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、CPU103は、乱数値MR3と合致する決定値が割り当てられた変動パターンを、今回の可変表示で使用される変動パターンに決定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に用いられる変動パターン決定テーブルでは、複数の変動パターンに対する決定値の割当てが、図11(B1)や図11(B2)に示すように、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて異なっている。ただし、一部の決定値は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数にかかわらず同一(あるいは同一種)の変動パターンに割り当てられている。こうした変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、スーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、スーパーリーチ確定範囲として予め定められていればよい。また、変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータにおいて、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値のうちで、特図保留記憶数にかかわらずリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値の範囲が、リーチ確定範囲として予め定められていればよい。
図6は、可変表示結果が「ハズレ」となるハズレ時における変動パターンの判定例を示している。ステップS401で特定した遊技状態が時短状態でない非時短状態(高確低ベース状態又は低確低ベース状態)のときには、図11(B1)に示すような変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。また、変動パターン決定用の乱数値MR3が「271」〜「294」の範囲内であれば、第1特図保留記憶数に応じてスーパーリーチを伴うか否かは不確定であるものの、少なくとも第1特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに決定されることが確定する。このため、ステップS401で特定した遊技状態が非時短状態のときには、「295」〜「300」をハズレ時のスーパーリーチ確定範囲に設定し、「271」〜「294」をハズレ時のリーチ確定範囲に設定する。
また、ステップS401で特定した遊技状態が時短状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)のときには、図11(B2)に示すような決定値が変動パターンに割り当てられた変動パターン決定テーブルが用いられる。この場合、変動パターン決定用の乱数値MR3が「295」〜「300」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずスーパーリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。また、変動パターン決定用の乱数値MR3が「289」〜「294」の範囲内であれば、第2特図保留記憶数にかかわらずノーマルリーチを伴う変動パターンに決定されることが確定する。このため、ステップS401で特定した遊技状態が時短状態のときには、「295」〜「300」をハズレ時のスーパーリーチ確定範囲に設定し、「289」〜「294」をハズレ時のリーチ確定範囲に設定する。
ステップS405において、CPU103は、ステップS209の処理で抽出され特図保留記憶部に記憶された乱数値MR3と、前記で設定したハズレ時のスーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲とを比較し、乱数値MR3がスーパーリーチ確定範囲内(「295」〜「300」の範囲内)であれば、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であると判定し、乱数値MR3がリーチ確定範囲内(非時短状態のときは「271」〜「294」の範囲内、時短状態のときは「289」〜「294」の範囲内)であれば、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」であると判定する。また、乱数値MR3がこれら範囲外であれば可変表示内容が「ハズレ時一般」であると判定する。
始動入賞が発生したときの特図保留記憶数(第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数)は、実際に可変表示が開始されるときの特図保留記憶数と一致するとはかぎらず、始動入賞が発生した後に可変表示の実行や新たな始動入賞の発生により変化することがある。そのため、始動入賞時の判定結果と可変表示開始時における変動パターンの決定とで、特図保留記憶数の相違により参照されるテーブルデータが一致しない場合があり、始動入賞時に前もって特定の変動パターンに決定されるか否かを判定して予測することは一般に難しい。一方、この実施の形態における変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に少なくともスーパーリーチを伴う変動パターンあるいはノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値は、特図保留記憶数にかかわらず共通の決定値を含んでいる。したがって、スーパーリーチ確定範囲やリーチ確定範囲を設定することで、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における特図保留記憶数にかかわらず、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択(決定)されることが確定したか否かや、ノーマルリーチを含めたリーチ演出を伴う変動パターンが選択(決定)されることが確定したか否かを、判定することができる。
図5に示すステップS404にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、ステップS405の処理における入賞時判定を制限するための設定を行う(ステップS406)。こうして、現在の遊技状態が時短状態のときや、現在が大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく可変表示内容の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される場合に、時短状態や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
その後、ステップS405の処理による判定結果やステップS406の処理による設定に応じた始動入賞時の通知内容(詳しくは後述)を設定する(ステップS407)。こうした通知内容に応じて、予め用意された入賞時判定結果コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS408)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図7は、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第2始動口入賞指定コマンド)、特図保留記憶数通知コマンド(第1特図保留記憶数通知コマンドおよび第2特図保留記憶数通知コマンド)、入賞時判定結果コマンドの設定例を示している。
図7(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB100Hと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB200Hとが、予め用意されている。なお、添字Hは16進数であることを示している。また、特図保留記憶数通知コマンドとして、第1特図保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2特図保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。特図保留記憶数通知コマンドでは、現在の第1又は第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータ(例えば00H〜04Hのいずれか)が設定される。さらに、入賞時判定結果コマンドとなるコマンドC4XXHが、予め用意されている。
図7(B)は、入賞時判定結果コマンドによる通知内容を例示している。
入賞時乱数値判定処理にて、ステップS406の処理が行われた場合には、ステップS407において、入賞時判定制限中が通知内容として設定され、ステップS408において、コマンドC400Hが入賞時判定結果コマンドとして送信設定される。コマンドC400Hは、可変表示内容の判定(ステップS405)が制限されていること(入賞時判定制限中)を入賞時判定結果として演出制御基板12側に通知する。なお、この入賞時判定結果が通知されると、先読み演出の実行が禁止される。
入賞時乱数値判定処理のステップS405で、可変表示内容が「大当り」と判定された場合、ステップS407において、「大当り」が通知内容として設定され、ステップS408において、コマンドC401Hが入賞時判定結果コマンドとして送信設定される。コマンドC401Hは、可変表示結果が「大当り」に決定されるとの入賞時判定結果を通知する。
入賞時乱数値判定処理のステップS405で、可変表示内容が「ハズレ時スーパーリーチ確定」と判定された場合、ステップS407において、「ハズレ時スーパーリーチ確定」が通知内容として設定され、ステップS408において、コマンドC402Hが入賞時判定結果コマンドとして送信設定される。コマンドC402Hは、可変表示結果が「ハズレ」に決定されるが、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンが選択されるとの入賞時判定結果を通知する。
入賞時乱数値判定処理のステップS405で、可変表示内容が「ハズレ時リーチ確定」と判定された場合、ステップS407において、「ハズレ時リーチ確定」が通知内容として設定され、ステップS408において、コマンドC403Hが入賞時判定結果コマンドとして送信設定される。コマンドC403Hは、可変表示結果が「ハズレ」に決定されるが、少なくともノーマルリーチのリーチ演出を実行する変動パターンが選択されるとの入賞時判定結果を通知する。
入賞時乱数値判定処理のステップS405で、可変表示内容が「ハズレ時一般」と判定された場合、ステップS407において、「ハズレ時一般」が通知内容として設定され、ステップS408において、コマンドC404Hが入賞時判定結果コマンドとして送信設定される。コマンドC404Hは、可変表示結果が「ハズレ」に決定され、リーチが成立しない変動パターンが選択される可能性があるとの入賞時判定結果を通知する。
以上のように、入賞時判定結果コマンドは、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。
ステップS211では、始動口バッファ値が「1」のときに、第1始動口入賞指定コマンドを送信設定し、始動口バッファ値が「2」のときに、第2始動口入賞指定コマンドを送信設定する。また、ステップS408では、上記のように、それ以前の処理内容(ステップS406の処理の有無、ステップS405での判定結果)に応じた入賞時判定結果コマンドを送信設定する。さらに、ステップS213では、始動口バッファ値が「1」のときに、第1特図保留記憶数通知コマンドを送信設定し、始動口バッファ値が「2」のときに、第2特図保留記憶数通知コマンドを送信設定する。
演出制御基板12の側では、第1始動口入賞指定コマンドを受信することで第1始動条件の成立を検知でき、第2始動口入賞指定コマンドを受信することで第2始動条件の成立を検知できる。このように、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動条件の成立を通知する演出制御コマンドである。入賞時判定結果コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時や、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に、乱数回路104等から抽出した遊技用乱数(乱数値MR1、MR3)を用いた可変表示内容の判定結果など(入賞時判定結果)を、演出制御基板12の側に対して通知する。第1特図保留記憶数通知コマンドは、現在の第1特図保留記憶数を通知する。第2特図保留記憶数通知コマンドは、現在の第2特図保留記憶数を通知する。この実施の形態において、第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1特図保留記憶数加算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1特図保留記憶数減算指定コマンドまたは第2特図保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1特図保留記憶数通知コマンドや第2特図保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。図8は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データである、所定の乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルのうちの第1特図表示結果決定テーブル又は第2特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。第1特図表示結果決定テーブルは、確変フラグがオン状態であるとき(現在の遊技状態が確変状態のとき)に選択される。第2特図表示結果決定テーブルは、確変フラグがオフ状態であるとき(現在の遊技状態が非確変状態のとき)に選択される。各テーブルは、乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果の決定結果である「大当り」又は「ハズレ」に割り当てられている
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、乱数値MR1を示す数値データに基づいて、第1特図表示結果決定テーブル(確変時)又は第2特図表示結果決定テーブル(非確変時)を参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を今回の特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)として決定すればよい。
確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される(大当りに割り当てられた決定値の範囲が、第2特図表示結果決定テーブルよりも第1特図表示結果決定テーブルの方が広くなっている。)。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別の決定結果である「非確変」と「確変」とのいずれに割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別を今回の大当り種別として決定すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームの可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合(大当りフラグがオフ状態のとき)には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合(大当りフラグがオン状態のとき)には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、ステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)の開始を指定する演出制御コマンド(デモ表示開始指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、デモ表示開始指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、デモ表示開始指定コマンドが送信されてくると、デモ画面表示を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。図9は、変動パターン設定処理の一例のフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
ステップS262の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブル(図11(A)参照)を用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となる変動パターンに割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを今回の変動パターンとして決定すればよい。
ステップS263の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブル(非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には図11(B1)のテーブル、時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には図11(B2)のテーブル)を用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、第1特図保留記憶数(図11(B1)の場合)又は第2特図保留記憶数(図11(B2)の場合)に応じて異なる範囲で決定結果となる変動パターンに割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」である場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。「非リーチ」の変動パターン(PA1−1〜1−4、PB1−1〜PB1−3)は、非リーチ変動パターン(非リーチハズレ変動パターンともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の変動パターン(PA2−1〜PA2−3、PB2−1〜PB2−4)は、リーチ変動パターン(リーチハズレ変動パターンともいう)と称される。非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」のハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」の変動パターン(PA3−1〜PA3−3、PB3−1〜PB3−4)は、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターン(PA2−1〜PA2−3、PA3−1〜PA3−3)と、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターン(PB2−1〜PB2−4、PB3−1〜PB3−4)とがある。さらに、擬似連変動を1回から3回実行することを指定する変動パターンが用意されている(PA1−4、PA2−2〜PA2−3、PB2−2〜PB2−4、PA3−2〜PA3−3、PB3−2〜PB3−4)。なお、変動パターンPA2−2〜PA2−3、PB2−2〜PB2−4、PA3−2〜PA3−3、PB3−2〜PB3−4では、それぞれ、擬似連変動(再変動)を1回〜3回行ってから飾り図柄の可変表示の態様をリーチ態様にすることが指定されている。
図11は、大当り変動パターンやハズレ変動パターンの決定例を示している。図9に示すステップS262の処理では、例えば図11(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。なお、図11(A)の決定結果では、PA3−1〜PA3−3の決定割合がまとめられ、PB3−1〜PB3−4の決定割合でまとめられているが、実際には、これら変動パターン1つずつに決定値が割り当てられ、決定割合が設定されている。ここでは、擬似連変動の回数が多いほど決定割合が大きくなるように決定値が各変動パターンに割り当てられている。図11(A)のPB3−1〜PB3−4の決定割合は、PB3−1〜PB3−4それぞれの決定割合の合算であればよく、PA3−1〜PA3−3の決定割合は、PB3−1〜PB3−4それぞれの決定割合の合算であればよい。図9に示すステップS263の処理では、非時短状態のときに、例えば図11(B1)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図9に示すステップS263の処理では、時短状態(時短中)であるときに、例えば図11(B2)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。なお、図11(B1)及び(B2)の決定結果では、PA2−1〜PA2−3を1グループとして決定値が割り当てられ、PB2−1〜PB2−4を1グループとして決定値が割り当てられているが、実際には、これら変動パターン1つずつに決定値が細かく割り当てられている。ここでは、擬似連変動の回数が少ないほど決定割合が小さくなるように決定値が各変動パターンに割り当てられている。ステップS263の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図11(A)に示す例では、変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−4といった、スーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−3といった、ノーマルリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合よりも多くなるように設定されている。一方、図11(B1)や図11(B2)に示す例では、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−3といった、ノーマルリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合が、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−4といった、スーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンの決定割合よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
また、大当り時には(図11(A)のとき)、擬似連の回数が多いほど、変動パターンの決定割合が高くなり、ハズレ時には(図11(B1)又は(B2)のとき)、擬似連の回数が少ないほど、変動パターンの決定割合が低くなる。このため、ノーマルリーチが実行されるとき、又は、スーパーリーチが実行されるときのそれぞれにおいて、擬似連変動が実行された方が、大当り期待度が高くなり、擬似連変動の回数が多くなるほど、大当り期待度が高くなっている。
図11(B1)に示す決定例では、第1特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。具体的な一例として、「151」〜「180」の範囲の決定値は、第1特図保留記憶数が0であれば変動パターンPA1−1に割り当てられ、第1特図保留記憶数が1であれば変動パターンPA1−2に割り当てられ、第1特図保留記憶数が2以上であれば変動パターンPA1−3に割り当てられている。このような設定により、第1特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間(特図ゲームの実行期間である特図変動時間)を異ならせることができる。特に、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第1特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。非時短状態のときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図ゲームの開始条件が成立したときには、第2特図保留記憶数にかかわらず、第1特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることに対応して、第2特図保留記憶数にかかわらず図11(B1)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B1)に示す「第1特図保留記憶数」を「第2特図保留記憶数」に読み替えて、第2特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
図11(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、第2特図保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、第2特図保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われている時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が高い。第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される場合には、時短中であれば第2特図ゲームが繰り返し実行される可能性が高く、第1特図ゲームを実行する頻度が低い。そして、第1特図ゲームの開始条件が成立するときには、第2特図保留記憶数が0になっている。そのため、第1特図ゲームの開始条件が成立したときには、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「0」)である場合と同様のテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図保留記憶数にかかわらず図11(B2)とは決定値の割当てが異なるテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。あるいは、第1特図ゲームの開始条件が成立したときには、図11(B2)に示す「第2特図保留記憶数」を「第1特図保留記憶数」に読み替えて、第1特図保留記憶数に応じたテーブルデータを参照して、変動パターンの決定が行われてもよい。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS262、S263の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値(初期値)を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動(特図ゲーム)を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、変動開始時(特図ゲーム開始時)におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1特図保留記憶数通知コマンドを順次に送信する設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2特図保留記憶数通知コマンドを順次に送信する設定を行う。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262やS263で決定した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果(ステップS244で決定した確定特別図柄であって、「大当り」又は「ハズレ」や大当り種別)を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理において、CPU103は、ステップS111で設定した特図変動時間が経過したか否か(特図表示結果を導出するタイミングであるか否か)を判定する。例えば、ステップS111で初期値を設定した遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、減算したタイマ値が「0」になったか否かを判定することで、特図変動時間が経過したか否かを判定すればよい。遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、実行中の特図ゲームにおける特図の可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図又は第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させる制御を行い、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定した確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、図柄確定コマンド(表示結果の導出を指定するコマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。なお、第1特図と第2特図とのうちのどちらを変動させるか及びどちらに特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を表示するかは、変動特図指定バッファ値などで特定すればよい。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にリセットする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド(大当り遊技状態の開始を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオンしたと判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新され、大当り開放中処理を終了する。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンド(大当りの終了つまりエンディングの開始を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、CPU103は、大当り種別が「確変」か否かを判定し、確変であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。その後、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する(なお、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する他の場合についても適宜データをリセットする。)。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに入賞時判定結果コマンドおよび第1特図保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる演出側保留番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと入賞時判定結果コマンドと第1特図保留記憶数通知コマンドとを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに入賞時判定結果コマンドおよび第2特図保留記憶数通知コマンドを受信したときには、RAM122の所定領域(例えば演出制御バッファ設定部)などに設けられた第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる演出側保留番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと入賞時判定結果コマンドと第2特図保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド、入賞時判定結果コマンド、第1特図保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファにおける演出側保留番号は、第1特図保留記憶部の保留番号に対応している。
第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド、入賞時判定結果コマンド、第2特図保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファにおける演出側保留番号は、第2特図保留記憶部の保留番号に対応している。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御を、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などに基づいて実行する。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定が再度実行される。
図12は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す演出制御プロセス処理では、まず、始動時演出設定処理を実行する(ステップS161)。始動時演出設定処理は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時に、示唆演出、先読み予告演出の実行などを決定し、決定結果を図13の演出側保留データ記憶部(RAM121の所定領域に設けられている)に記録する処理などを含む。
図13は、演出側保留データ記憶部の構成例を示している。図13では、1つの演出側保留データ記憶部のみが示されているが、実際には、演出側保留データ記憶部として、第1特図ゲーム用(第1保留表示用)の第1演出側保留データ記憶部と第2特図ゲーム用(第2保留表示用)の第2演出側保留データ記憶部とが用意されている(記憶部の構成内容は同じである)。なお、図13(A)は先読みチャンス目用示唆演出を実行するときの演出側保留データ記憶部の内容を示し、図13(B)は保留表示予告用示唆演出を実行するときの演出側保留データ記憶部の内容を示す。
第1演出側保留データ記憶部には、第1始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号と同じ演出側保留番号(「1」〜「4」)が設定されており、演出側保留番号に対応付けて入賞時判定結果、先読みチャンス目用示唆演出の実行有無、保留表示変化パターン、示唆演出タイミングパターンの各データが格納される。なお、第1演出側保留データ記憶部や第1始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号は、第1保留表示の表示部位や主基板11側の保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられている。例えば、演出側保留番号「1」は、保留番号「1」に対応した第1保留表示の表示部位(第1保留表示部5HLの最も右の表示部位)に対応しており、演出側保留番号「2」は、保留番号「2」に対応した第1保留表示の表示部位(第1保留表示部5HLの右から2番目の表示部位)に対応している。このため、演出側保留番号に対応付けられた各データは、同じ番号の保留番号に対応した表示部位に表示された第1保留表示(保留されている第1特図ゲーム)についてのデータとなる。
第2演出側保留データ記憶部には、第2始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号と同じ演出側保留番号(「1」〜「4」)が設定されており、演出側保留番号に対応付けて入賞時判定結果、先読みチャンス目用示唆演出の実行有無、保留表示変化パターン、示唆演出タイミングパターンの各データが格納される。なお、第2演出側保留データ記憶部や第2始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号は、第2保留表示の表示部位や主基板11側の保留番号「1」、「2」、「3」、「4」と対応付けられている。例えば、演出側保留番号「1」は、保留番号「1」に対応した第2保留表示の表示部位(第2保留表示部5HRの最も左の表示部位)に対応しており、演出側保留番号「2」は、保留番号「2」に対応した第2保留表示の表示部位(第2保留表示部5HRの左から2番目の表示部位)に対応している。このため、演出側保留番号に対応付けられた各データは、同じ番号の保留番号に対応した表示部位に表示された第2保留表示(保留されている第2特図ゲーム)についてのデータとなる。
第1演出側保留データ記憶部や第2演出側保留データ記憶部の記憶内容は、第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファの記憶内容とともに、可変表示実行時に演出側保留番号の上位にシフトされる(演出側保留番号「2」〜「4」それぞれに対応した記憶領域に格納された各データが演出側保留番号「1」〜「3」それぞれに対応した記憶領域にシフトして格納される)。これによって、保留表示の表示部位の位置と、演出側保留番号とが対応することになる。
図14は、始動時演出設定処理として、図12のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す始動時演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時に伝送される演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンド、入賞時判定結果コマンド、特図保留記憶数通知コマンドなど)の受信があったか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301の処理では、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドや入賞時判定結果コマンド、特図保留記憶数通知コマンドが新たに格納されているか否かを確認することにより、始動入賞時におけるコマンド受信の有無を判定すればよい。
ステップS301にてコマンド受信がない場合には(ステップS301;No)、保留表示設定処理を終了する。一方、コマンド受信があると判定された場合には(ステップS301;Yes)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果コマンドが示す入賞時判定結果を特定するとともに、特定した入賞時判定結果を演出側保留データ記憶部に格納する(ステップS302)。新たなコマンドが第1始動入賞時コマンドバッファに格納されている場合には、第1演出側保留データ記憶部に入賞時判定結果を格納する。このとき、第1始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号(当該新たなコマンドに対応する演出側保留番号)と同じ番号の演出側保留番号に対応付けて入賞時判定結果を第1演出側保留データ記憶部に格納する。新たなコマンドが第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている場合には、第2演出側保留データ記憶部に入賞時判定結果を格納する。このとき、第2始動入賞時コマンドバッファの演出側保留番号(当該新たなコマンドに対応する演出側保留番号)と同じ番号の演出側保留番号に対応付けて入賞時判定結果を第2演出側保留データ記憶部に格納する。その後、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果が「入賞時判定制限中」であるか否かを判定する(ステップS303A)。
「入賞時判定制限中」でない場合には(ステップS303;No)、演出制御用CPU120は、現在、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行する保留記憶があるかどうかを判定する(ステップS303B)。後述のように、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行すると決定した場合には、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行する飾り図柄の可変表示(ターゲットと同じ特図ゲームであって、ターゲットの前に実行される特図ゲームに対応して実行される飾り図柄の可変表示)の演出側保留番号に対応して、先読みチャンス目用示唆演出を実行する旨のデータが演出側保留データ記憶部に記憶されるので、第1演出側保留データ記憶部と第2演出側保留データ記憶部とのいずれかに先読みチャンス目用示唆演出を実行する旨のデータが記憶されているか否かを判定するによって、当該判定を行う。
第1演出側保留データ記憶部と第2演出側保留データ記憶部とのいずれかにも先読みチャンス目用示唆演出を実行する旨のデータが記憶されておらず、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行する保留記憶がない場合(ステップS303B;No)、先読みチャンス目用示唆演出の実行の有無などを決定する(ステップS304)。
ステップS304では、演出制御用CPU120は、所定割合で先読みチャンス目用示唆演出を実行することを決定するとともに、実行すると決定した場合には、成功の先読みチャンス目用示唆演出(その後に先読みチャンス目予告を実行する先読みチャンス目用示唆演出)を実行するか失敗の先読みチャンス目用示唆演出(その後に先読みチャンス目予告を実行しない先読みチャンス目用示唆演出)を実行するかを所定割合で決定する。例えば、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される先読みチャンス目用示唆演出実行決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された先読みチャンス目用示唆演出実行決定テーブルを参照することなどにより、先読みチャンス目用示唆演出実行の有無を決定すればよい。例えば、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される先読みチャンス目用示唆演出種類決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された先読みチャンス目用示唆演出種類決定テーブルを参照することなどにより、成功と失敗のいずれの先読みチャンス目用示唆演出を実行するかを決定すればよい
図15(A)は、先読みチャンス目用示唆演出の実行の決定例である。ステップS304では、新たな受信コマンドに対応する演出側保留番号(今回格納した入賞時判定結果に対応する演出側保留番号)や、今回の入賞時判定結果に応じて、図15(A)に示すような決定割合で、先読みチャンス目用示唆演出の実行の有無を決定する(例えば、先読みチャンス目用示唆演出実行決定テーブルを、図15(A)に示すような決定割合を実現するように構成する。)。図15(A)に示すように、演出側保留番号が「1」の場合には、必ず「実行無し」と決定される。これは、演出側保留番号が「1」の場合、ターゲットの特図ゲームや飾り図柄の可変表示が次変動で実行されてしまうことが多く、先読みチャンス目予告を実行することができないからである。また、図15(A)に示すように、演出側保留番号が「2」〜「4」の場合には、入賞時判定結果が「大当り」のとき、「ハズレ時スーパーリーチ」のとき、「ハズレ時リーチ」のとき、「ハズレ時一般」のときの順で、「実行有り」の決定割合が高く、「実行無し」の決定割合が低くなっている。したがって、先読みチャンス目用示唆演出が実行されたときには、実行されなかったときに比べて、ターゲット(今回の新たな受信コマンドに対応する特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)や、ターゲットの可変表示でスーパーリーチが実行される可能性、ターゲットの飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性などが高くなる。
図15(B)は、成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行するか失敗の先読みチャンス目用示唆演出を実行するかを決定する決定例である。ステップS304では、今回の入賞時判定結果に応じて、図15(B)に示すような決定割合で、先読みチャンス目用示唆演出を成功とするか失敗とするかを決定する(例えば、先読みチャンス目用示唆演出種類決定テーブルを、図15(A)に示すような決定割合を実現するように構成する。)。図15(B)に示すように、入賞時判定結果が「大当り」のとき、「ハズレ時スーパーリーチ」のとき、「ハズレ時リーチ」のとき、「ハズレ時一般」のときの順で、「成功」の決定割合(成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行する決定割合)が高く、「失敗」の決定割合(失敗の先読みチャンス目用示唆演出を実行する決定割合)が低くなっている。
図15(A)及び(B)の決定割合のように、この実施の形態では、成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行する場合(つまり、先読みチャンス目予告を実行する場合)、先読みチャンス目用示唆演出を実行しない場合や失敗の先読みチャンス目用示唆演出を実行する場合よりも、ターゲット(今回の新たな受信コマンドに対応する特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)や、ターゲットの可変表示でスーパーリーチが実行される可能性、ターゲットの飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性などが高くなる。
ステップS304のあと、演出制御用CPU120は、先読みチャンス目用示唆演出を実行すると決定したかを判定し(ステップS306)、実行する(「実行有り」)と決定した場合(ステップS306;Yes)、決定結果を演出側保留データ記憶部に記録する(ステップS307)。
例えば、今回の入賞時判定結果を第1演出側保留データ記憶部に格納した場合には、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号よりも上位の演出側保留番号に対応付けて第1演出側保留データ記憶部に「実行有り(成功)」(成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行すると決定したとき)又は「実行有り(失敗)」(失敗の先読みチャンス目用示唆演出を実行すると決定したとき)のデータを格納する。また、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に対応付けて第1演出側保留データ記憶部に「ターゲット」を示すデータを記憶する。なお、前記各データは、先読みチャンス目用示唆演出実行の有無を記憶する記憶領域に格納される。当該演出の実行有りと決定されていない場合には、「無し」又は「実行無し」が格納されていればよい。
例えば、今回の入賞時判定結果を第2演出側保留データ記憶部に格納した場合には、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号よりも上位の演出側保留番号に対応付けて第2演出側保留データ記憶部に「実行有り(成功)」(成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行すると決定したとき)又は「実行有り(失敗)」(失敗の先読みチャンス目用示唆演出を実行すると決定したとき)のデータを格納する。また、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に対応付けて第2演出側保留データ記憶部に「ターゲット」を示すデータを記憶する。なお、前記各データは、先読みチャンス目用示唆演出実行の有無を記憶する記憶領域に格納される。当該演出の実行有りと決定されていない場合には、「無し」又は「実行無し」が格納されていればよい。
このようなことによって、「実行有り(成功)」が記憶された演出側保留番号に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時には、成功の先読みチャンス目用示唆演出が実行され、先読みチャンス目予告も実行される。「実行有り(失敗)」が記憶された演出側保留番号に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時には、失敗の先読みチャンス目用示唆演出が実行される。また、「ターゲット」が記憶された演出側保留番号に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示は、先読みチャンス目予告のターゲッ(先読みチャンス目用示唆演出のターゲットでもある)であることがわかる。なお、「ターゲット」は、成功の先読みチャンス目用示唆演出が実行されるときのみ格納されるようにしてもよい。
図13(A)は、今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号が「4」であり、演出側保留番号「4」に対応する特図ゲームや飾り図柄の可変表示がターゲットとなり、その前に実行される特図ゲーム(第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちターゲットと同じ特図ゲーム)や当該特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示それぞれの実行時(演出側保留番号「1」〜「3」それぞれに対応する可変表示の実行時)に、成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行するときの第1演出側保留データ記憶部又は第2演出側保留データ記憶部の様子を示したものである。なお、この実施の形態では、ターゲット前に実行される各特図ゲーム(第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちターゲットと同じ特図ゲーム)の実行時に、成功又は失敗の先読みチャンス目用示唆演出が実行される。
演出制御用CPU120は、先読みチャンス目用示唆演出を実行しないと決定した場合(ステップS306;No)、保留表示予告用示唆演出の実行の有無などを決定する(ステップS308)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される保留表示予告用示唆演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告用示唆演出決定テーブルを参照することなどにより、保留表示予告用示唆演出の実行の有無や実行種別を決定すればよい。ステップS304の処理では、保留表示予告用示唆演出を実行しない場合における「実行無し」、あるいは保留表示予告用示唆演出を実行する場合における「実行有り(1)」または「実行有り(2)」の実行種別のいずれかに、決定される。
続いて、ステップS308の処理による決定結果が「実行有り(1)」または「実行有り(2)」であるか否かを判定する(ステップS309)。決定結果が「実行有り(1)」または「実行有り(2)」である場合には(ステップS309;Yes)、成功又は失敗のいずれの保留表示予告用示唆演出を実行するかを決定する(ステップS311)。成功の保留表示予告用示唆演出を実行すると決定した場合には、成功の保留表示予告用示唆演出を実行して保留表示を変化させる保留表示予告を実行することになる。失敗の保留表示予告用示唆演出を実行すると決定した場合には、失敗の保留表示予告用示唆演出を実行して保留表示予告を実行しないことになる。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される保留表示予告用示唆演出種類決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告用示唆演出種類決定テーブルを参照することなどにより、「成功」(成功の保留表示予告用示唆演出を実行すると決定する)又は「失敗」(失敗の保留表示予告用示唆演出を実行すると決定する)を決定すればよい。
ステップS311の処理を実行した後には、ステップS311の決定結果が「成功」であるかを判定する(ステップS312)。このとき、決定結果が「成功」である場合には(ステップS312;Yes)、保留表示予告が実行されるので、保留表示予告における保留表示の変化パターン(保留表示変化パターン)を予め用意された複数の保留表示変化パターンのいずれかに決定する(ステップS313)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される保留表示変化パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示変化パターン決定テーブルを参照することなどにより、今回の保留表示変化パターンを決定すればよい。ステップS312にて決定結果が「失敗」と判定された場合や(ステップS312;No)、ステップS313の処理を実行した後には、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングのパターン(示唆演出タイミングパターン)を予め用意された複数の示唆演出タイミングパターンのいずれかに決定する(ステップS314)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される示唆演出タイミングパターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出タイミングパターン決定テーブルを参照することなどにより、今回の示唆演出タイミングパターンを決定すればよい。
図16(A)は、ステップS308における保留表示予告用示唆演出の実行の有無などの決定例を示している。ステップS308では、新たな受信コマンドに対応する演出側保留番号(今回格納した入賞時判定結果に対応する演出側保留番号)や、今回の入賞時判定結果に応じて、例えば図16(A)に示すような決定割合で、「実行無し」、「実行有り(1)」、「実行有り(2)」のいずれかに決定する(例えば、保留表示予告用示唆演出決定テーブルを、図16(A)に示すような決定割合を実現するように構成する。)。図16(A)に示す決定例では、演出側保留番号や入賞時判定結果に応じて、決定可能な保留表示予告用示唆演出の実行種別や決定割合が異なっている。演出側保留番号が「2」〜「4」のいずれかである場合には、入賞時判定結果に応じて異なる割合で「実行無し」、「実行有り(1)」、「実行有り(2)」のいずれかに決定する。保留番号が「1」である場合には、入賞時判定結果に応じて異なる割合で「実行無し」、「実行有り(1)」のいずれかに決定し、「実行有り(2)」には決定しない。入賞時判定結果が「大当り」である場合に、「実行無し」の決定割合が最も低くなり、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」の順に「実行無し」の決定割合が高くなる。また、「実行有り」の決定割合は入賞時判定結果が「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」の順で高い。したがって、保留表示予告用示唆演出が実行されたときには、実行されなかったときに比べて、ターゲット(今回の新たな受信コマンドに対応する特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)や、ターゲットの可変表示でスーパーリーチが実行される可能性、ターゲットの飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性などが高くなる。
保留表示予告用示唆演出の実行種別は、複数の保留表示変化パターンを保留表示の変化態様などに応じて分類したものであればよい。保留表示予告用示唆演出の実行種別のうち、「実行有り(1)」は、保留表示の表示色を変化可能とする一方、「秘」などのメッセージを示す表示態様には変化しない保留表示変化パターンが分類されている。保留表示予告用示唆演出の実行種別のうち、「実行有り(2)」の演出種別は、保留表示の表示態様を「秘」などのメッセージを示す表示態様に変化可能な保留表示変化パターンが分類されている。
図16(B)は、ステップS311における保留表示予告用示唆演出の「成功」又は「失敗」の決定例を示している。ステップS311の処理では、今回の入賞時判定結果に応じて、例えば図16(B)に示すような決定割合で、成功の保留表示予告用示唆演出を実行するか失敗の保留表示予告用示唆演出を実行するかを決定する(例えば、保留表示予告用示唆演出種類決定テーブルを、図16(B)に示すような決定割合を実現するように構成する。)。図16(B)に示す決定例では、入賞時判定結果に応じて決定割合が異なっている。「成功」の決定割合は入賞時判定結果が「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」、「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」の順で高い。「失敗」の決定割合はその逆の順で高い。図16(A)や図16(B)を参照すると、成功の保留表示予告用示唆演出が実行されたときには、保留表示予告用示唆演出が実行されなかったときや失敗の保留表示予告用示唆演出が実行されたときに比べて、ターゲット(今回の新たな受信コマンドに対応する特図ゲーム)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)や、ターゲットの可変表示でスーパーリーチが実行される可能性、ターゲットの飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性などが高くなる。入賞時判定結果が「大当り」である場合には、必ず(100/100の決定割合で)保留表示予告を行う「成功」に決定される。入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」や「ハズレ時リーチ確定」、「ハズレ時一般」のいずれかである場合には、保留表示予告を行わない「失敗」に決定される場合があり、この順に「失敗」の決定割合が高くなる。したがって、先読み保留予告により保留表示の表示態様が変化したときには、変化しなかったときに比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行される可能性、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性などが高くなる。
なお、入賞時判定結果が「大当り」である場合にも、所定割合で「失敗」に決定されることがあるように設定してもよい。この場合には、他の入賞時判定結果に比べて十分に低い割合で「失敗」に決定されるように設定してもよい。
図17は、保留表示変化パターンと示唆演出タイミングパターンの設定例を示している。図17(A)に示すように、この実施の形態では、保留表示変化パターンZHP1−1〜ZHP1−3、ZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1と、保留表示変化パターンZHP10〜13とが、予め用意されている。保留表示変化パターンZHP1−1〜ZHP1−3、ZHP2−1〜ZHP2−3、ZHP3−1は、「実行有り(1)」に分類され、保留表示の表示色を変化させる一方、「秘」などのメッセージを示す表示態様には変化させない。保留表示変化パターンZHP10〜ZHP13は、「実行有り(2)」に分類され、保留表示の表示態様を、「秘」などのメッセージを示す表示態様に変化させることができる。このように、複数の保留表示変化パターンは、保留表示予告によって変化可能な保留表示の表示態様などに応じて、複数の演出種別のいずれかに分類されるように設定されてもよい。
図17(B)に示すように、この実施の形態では、示唆演出タイミングパターンTP0−1、TP1−1、TP1−2、TP2−1〜TP2−4、TP3−1〜TP3−7が、予め用意されている。各示唆演出タイミングパターンは、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングを示す1または複数の演出保留番号(図17(B)にて「1」〜「3」で示す)、あるいは「A」(アクティブ表示部AHAにターゲットの保留表示を表示するタイミング)を指定している。図13に示す演出側保留表示データ記憶部では、演出側保留番号に対応付けて示唆演出タイミングパターンを示すデータが記憶される。この記憶データが示す示唆演出タイミングパターンで指定される演出側保留番号と、保留データ記憶部にて当該示唆演出タイミングパターンに対応付けられた演出側保留番号とが合致したときに、保留表示予告用示唆演出の実行条件が成立する。また、可変表示を開始するときに演出側保留データ記憶部の記憶内容をシフトするとともに演出側保留番号「1」に対応する記憶データを読み出すときに、この記憶データが示す示唆演出タイミングパターンでアクティブ表示中(上記「A」)が指定されていれば、アクティブ表示領域に表示された保留表示をターゲットとする保留表示予告用示唆演出の実行条件が成立する。こうして保留表示予告用示唆演出の実行条件が成立した後、例えば飾り図柄の可変表示が開始されてから所定時間が経過したときに、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングとなり、保留表示予告用示唆演出が実行(開始)される。
保留表示変化パターン(これも演出側保留データ記憶部に記憶される)と示唆演出タイミングパターンとの組合せにより、保留表示予告用示唆演出の実行の有無や実行タイミング、成功の保留表示予告用示唆演出を実行したときに保留表示をどのような態様に変化させるかなどを特定できる。また、保留表示変化パターンと示唆演出タイミングパターンと始動入賞時に決定することによって、保留表示予告用示唆演出の実行の有無や実行タイミング、成功の保留表示予告用示唆演出を実行したときに保留表示をどのような態様に変化させるかなどを始動入賞が発生したときに一括して決定することができる。
図18は、ステップS313における、保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(1)」に応じた保留表示変化パターンの決定例を示している。今回の保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(1)」で今回の入賞時判定結果が「大当り」である場合に、ステップS313の処理では、今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に応じて、図18(A)に示すような決定割合で、複数の保留表示変化パターンのいずれかを今回の保留表示変化パターンに決定する。これに対し、保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(1)」で入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」である場合に、ステップS313の処理では、今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に応じて、図18(B)に示すような決定割合で、複数の保留表示変化パターンのいずれかを今回の保留表示変化パターンに決定する。図18(A)および図18(B)に示す決定例では、演出側保留番号(今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号)に応じて、決定可能な保留表示変化パターンや決定割合が異なっている。例えば、演出側保留番号が「3」または「4」である場合には、所定割合で保留表示変化パターンZHP3−1に決定可能となる一方、演出側保留番号が「1」または「2」である場合には、保留表示変化パターンZHP3−1に決定不可となる。また、演出側保留番号が「2」〜「4」のいずれかである場合には、所定割合で保留表示変化パターンZHP2−1〜ZHP2−3のいずれかに決定可能となる一方、演出側保留番号が「1」である場合には、これらの保留表示変化パターンに決定不可となる。
図17(A)に示すように、保留表示変化パターンZHP3−1は、通常の表示態様である白色表示となる保留表示を表示した後、保留表示の表示色を青色、緑色、赤色の順に3段階で変化させる。保留表示予告は、可変表示が開始されるごとに実行条件が成立し得る。したがって、保留表示の表示色を3段階で変化させるためには、保留表示を開始した後に、少なくとも3回の可変表示が実行(開始)される必要がある。そこで、演出側保留番号が「3」または「4」である場合には保留表示変化パターンZHP3−1に決定可能とする一方、演出側保留番号が「1」または「2」である場合には保留表示変化パターンZHP3−1に決定不可とすることで、保留表示の表示色を確実に3段階で変化させることができる。保留表示変化パターンZHP2−1〜ZHP2−3は、それぞれ保留表示の表示色を2段階で変化させる。そこで、演出側保留番号が「2」〜「4」である場合には保留表示変化パターンZHP2−1〜ZHP2−3のいずれかに決定可能とする一方、演出側保留番号が「1」である場合にはこれらの保留表示変化パターンに決定不可とすることで、保留表示の表示色を確実に2段階で変化させることができる。
また、図18(A)および図18(B)に示す決定例では、今回の入賞時判定結果が「大当り」であるか「ハズレ時スーパーリーチ確定」であるかに応じて、保留表示変化パターンの決定割合が異なっている。例えば演出側保留番号が「3」または「4」である場合に、入賞時判定結果が「大当り」であるときには、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」であるときよりも高い割合で、保留表示変化パターンZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1のいずれかに決定される。図17(A)に示すように、保留表示変化パターンZHP2−2、ZHP2−3、ZHP3−1はいずれも、保留表示の表示色が最終的に赤色となるように変化させる。このような設定により、保留表示の表示色が赤色に変化したときには、他の表示色に変化したときよりも可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを示唆できる。
図19は、ステップS313における、保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(2)」に応じた保留表示変化パターンの決定例を示している。今回の保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(2)」で今回の入賞時判定結果が「大当り」である場合に、ステップS313の処理では、図19(A)に示すような決定割合で、複数の保留表示変化パターンのいずれかを今回の保留表示変化パターンに決定する。これに対し、今回の保留表示予告用示唆演出の実行種別が「実行有り(2)」で今回の入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」である場合に、ステップS313の処理では、図19(B)に示すような決定割合で、複数の保留表示変化パターンのいずれかを今回の保留表示変化パターンに決定する。図19(A)および図19(B)に示す決定例では、演出側保留番号にかかわらず、所定割合で保留表示変化パターンZHP10〜ZHP13のいずれかに決定される。
図16(A)に示すように、演出側保留番号が「2」〜「4」のいずれかである場合には、入賞時判定結果に応じて異なる割合で「実行有り(2)」に実行種別を決定可能となる一方、演出側保留番号が「1」である場合には、「実行有り(2)」の実行種別に決定不可となる。したがって、ステップS313の処理にて保留表示変化パターンZHP10〜ZHP13のいずれかに決定する場合には、保留番号が「2」〜「4」のいずれかとなっている。図17(A)に示すように、保留表示変化パターンZHP11〜ZHP13は、それぞれ通常の表示態様である白色表示となる保留表示を表示した後、保留表示の表示態様を、「秘」のメッセージを示す表示態様に変化させる段階と、保留表示の表示色を、青色、緑色、赤色のいずれかに変化させる段階とからなる2段階の変化を含んでいる。保留表示変化パターンZHP10は、保留表示の表示態様を、1段階で「秘」のメッセージを示す表示態様に変化させる。したがって、演出側保留番号が「2」〜「4」のいずれかであれば、保留表示の表示態様を確実に2段階で変化させることができる。
また、図19(A)および図19(B)に示す決定例では、入賞時判定結果にかかわらず、保留表示変化パターンZHP10の決定割合が、他の保留表示変化パターンの決定割合よりも十分に低くなるように設定されている。したがって、保留表示の表示態様が「秘」のメッセージを示す表示態様に変化した後には、さらに保留表示の表示色が青色、緑色、赤色のいずれかに変化する可能性が高くなる。こうして、保留表示の表示態様が「秘」のメッセージを示す表示態様に変化したときには、保留表示の表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆できる。
なお、ここでは、実行種別が「実行有り(1)」、「実行有り(2)」のいずれの場合においても、入賞時判定結果が「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」のときの保留表示変化パターンの決定例のみ例示しているが、入賞時判定結果が他の場合のときにも所定割合で保留表示変化パターンが決定される。保留表示変化パターンの決定割合は、例えば、最終的な保留表示の色(後述のアイコン表示変化演出実行前であってもよい。)が「赤」のときの大当り期待度が高く、「緑」のときの大当り期待度がその次に高く、「青」のときの大当り期待度が最も低くなるような割合で設定されるとよい。また、保留表示の表示態様が「秘」のメッセージを示す表示態様に変化したときには、保留表示の表示態様が特定態様(他の態様)に変化する可能性が高いことを示唆できるように、保留表示変化パターンの決定割合が設定されるとよい。その他、上記で説明した条件を適宜満たすように、保留表示変化パターンの決定割合が設定されるとよい。これらは、例えば、保留表示変化パターンを決定するときに参照される保留表示変化パターン決定テーブルにおける、各決定結果(保留表示変化パターン)に割り当てられている決定値(乱数値と比較される値)の範囲などを適切に設定することで実現される。
図20は、入賞時判定結果が「大当り」の場合に対応した示唆演出タイミングパターンの決定例を示している。ステップS314では、今回の入賞時判定結果が「大当り」の場合に、上記で決定した保留表示変化パターン及び今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に応じて、図20に示すような決定割合で、複数の示唆演出タイミングパターンのいずれかを今回の示唆演出タイミングパターンに決定する。
図21は、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」の場合に対応した示唆演出タイミングパターンの決定例を示している。ステップS314の処理では、今回の入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」の場合に、上記で決定した保留表示変化パターン(なお、ステップS313が実行されなかった場合は、「なし」となる。)及び今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に応じて、図21に示すような決定割合で、複数の示唆演出タイミングパターンのいずれかを今回の示唆演出タイミングパターンに決定する。
図20および図21に示す決定例では、ステップS313の処理により決定された保留表示変化パターンや、今回の入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に応じて、決定可能な示唆演出タイミングパターンや決定割合が異なっている。なお、入賞時判定結果が「ハズレ時スーパーリーチ確定」の場合には、ステップS311の処理にて所定割合で「失敗」に決定される。このときには、ステップS313の処理が実行されないことから、保留表示変化パターンが「なし」となる。
図20および図21に示す決定例において、ステップS313の処理により保留表示変化パターンZHP1−1〜ZHP1−3のいずれかに決定された場合のうち、演出側保留番号が「4」である場合には、所定割合で示唆演出タイミングパターンTP3−1に決定可能となる一方、演出側保留番号が「1」〜「3」のいずれかである場合には、示唆演出タイミングパターンTP3−1に決定不可となる。図17(B)に示すように、示唆演出タイミングパターンTP3−1は、演出側保留番号が「3」のときに、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングとなる。保留表示予告用示唆演出は、可変表示が開始されるごとに実行条件が成立し得る。したがって、演出側保留番号が「3」のときに保留表示予告用示唆演出を実行するためには、始動入賞が発生したときに演出側保留番号「4」と対応付けて示唆演出タイミングパターンが保留表示データ記憶部に記憶される必要がある。そこで、演出側保留番号が「4」である場合には示唆演出タイミングパターンTP3−1に決定可能とする一方、演出側保留番号が「1」〜「3」のいずれかである場合には示唆演出タイミングパターンTP3−1に決定不可とすることで、演出側保留番号が「3」のときに実行(開始)される可変表示に対応して保留表示予告用示唆演出を実行することができる。
図21に示す決定例において、保留表示変化パターンが「なし」の場合には、演出側保留番号に応じて、示唆演出タイミングパターンTP1−1、TP2−1、TP3−1のいずれかに決定される。図17(B)に示すように、示唆演出タイミングパターンTP1−1、TP2−1、TP3−1は、1つの保留番号を保留表示変化タイミングとして指定する。保留表示変化パターンが決定されない場合は、失敗の保留表示予告用示唆演出が実行されるので、保留表示予告は実行されず、保留表示の表示態様が変化しない。したがって、1つの保留表示(ターゲット)に対する失敗の保留表示予告用示唆演出は、その保留表示に対応する可変表示が開始されるまでに1回実行することができる。なお、1つの保留表示(ターゲット)に対する失敗の保留表示予告用示唆演出を複数回実行できるように、示唆演出タイミングパターンが決定されてもよい。
図20および図21に示す決定例において、保留表示変化パターンZHP10の場合には、演出側保留番号に応じて、示唆演出タイミングパターンTP1−1、TP2−1、TP3−1のいずれかに決定される一方、演出側保留番号にかかわらず、示唆演出タイミングパターンTP0−1に決定不可となる。図17(A)に示すように、保留表示変化パターンZHP10は、通常の表示態様である白色表示の保留表示を表示した後、保留表示の表示態様を、「秘」のメッセージを示す表示態様に変化させる。図17(B)に示すように、示唆演出タイミングパターンTP0−1は、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングとしてアクティブ表示中を指定する。このように、保留表示変化パターンZHP10の場合には示唆演出タイミングパターンTP0−1に決定不可とすることで、アクティブ保留表示の表示態様が「秘」のメッセージを示す表示態様には変化しないように制限を設けることができる。すなわち、「秘」のメッセージを示す表示態様は、保留表示予告によって変化したあとの保留表示(第1保留表示部5HL又は第2保留表示部5HRに表示される保留表示)の表示態様に含まれる一方、保留表示予告によって変化したあとのアクティブ保留表示の表示態様として表示されない特殊態様となる。
なお、ここでは、入賞時判定結果が「大当り」、「ハズレ時スーパーリーチ確定」のときの示唆演出タイミングパターンの決定例のみ例示しているが、入賞時判定結果が他の場合のときにも所定割合で示唆演出タイミングパターンが決定される。示唆演出タイミングパターンの決定割合は、上記で説明した条件を適宜満たすように設定されるとよい。例えば、示唆演出タイミングパターンを決定するときに参照される示唆演出タイミングパターン決定テーブルにおける、各決定結果(示唆演出タイミングパターン)に割り当てられている決定値(乱数値と比較される値)の範囲などを適切に設定することで実現される。
ステップS314のあとは、ステップS313で決定した保留表示変化パターンや、ステップS314で決定した示唆演出タイミングパターンを特定可能に示すデータを、演出側保留データ記憶部に記憶させる(ステップS315)。例えば、今回の入賞時判定結果を第1演出側保留データ記憶部に格納した場合には、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に対応付けて第1演出側保留データ記憶部に保留表示変化パターンや示唆演出タイミングパターンのデータを格納する(図13(B)参照)。例えば、今回の入賞時判定結果を第2演出側保留データ記憶部に格納した場合には、当該入賞時判定結果に対応する演出側保留番号に対応付けて第2演出側保留データ記憶部に保留表示変化パターンや示唆演出タイミングパターンのデータを格納する(図13(B)参照)。なお、失敗の保留表示予告用示唆演出を実行する場合には、保留表示変化パターンが格納されない。これにより、演出側保留データ記憶部に格納された保留表示変化パターンや示唆演出タイミングパターンのデータをチェックすることによって、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングや保留表示予告を実行する場合にどのように保留表示を変化させるかなどを特定することができ、保留表示予告用示唆演出や保留表示予告を実行できる。
ステップS303Aにて「入賞時判定制限中」であると判定された場合(ステップS303A;Yes)、ステップS307のあと、ステップS309にて決定結果が「実行無し」と判定された場合(ステップS309;No)、ステップS315の処理を実行した後には、始動入賞時における保留表示の更新設定を行ってから(ステップS310)、本処理を終了する。ステップS310では、例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより第1特図保留記憶数が1増加したときには(今回の入賞時判定結果を第1演出側保留データ記憶部に格納した場合など)、第1保留表示部5HLでの第1保留表示を1増加させるように、新たな第1保留表示を追加する。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより第2特図保留記憶数が1増加したときには(今回の入賞時判定結果を第2演出側保留データ記憶部に格納した場合など)、第2保留表示部5HRでの第2保留表示を1増加させるように、新たな第2保留表示を追加する。この実施の形態において、第1保留表示や第2保留表示における通常の表示態様は、丸型無地の白色表示となっている。また、入賞時判定結果を格納した演出保留番号と同じ番号の保留番号に対応する表示部位に第1保留表示や第2保留表示を表示する。ステップS310の処理では、第1保留表示や第2保留表示の初期表示として、丸型無地の白色表示となる保留表示を追加するように更新する。
上記一連の処理では、先に保留表示予告用示唆演出の実行が決まっていても、先読みチャンス目用示唆演出の実行の有無を決定する。この場合、演出がかぶらないように、後に先読みチャンス目用示唆演出の実行を決定したときには、それ以降の保留表示予告用示唆演出の実行をキャンセルするようにしてもよい(例えば、演出側保留データ記憶部に記憶されている保留表示変化パターンや示唆演出タイミングパターンを削除する)。また、先読みチャンス目用示唆演出の実行が決まっていた場合(保留表示変化パターンや示唆演出タイミングパターンがすでに格納されている場合)には、保留表示予告用示唆演出の実行を制限してもよい。
上記一連の処理では、まず、先読みチャンス目用示唆演出の実行の有無を決定し、実行しないと決定したときに、保留表示予告用示唆演出の実行の有無が決定される。このため、基本的には、先読みチャンス目用示唆演出の実行割合の方が保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高くなっている。なお、図15(A)及び図16(A)の決定割合からわかるように、両示唆演出実行の決定割合がほぼ同じであり、しかも先読みチャンス目用示唆演出の方が実行すると決定する決定割合が高いことも、先読みチャンス目用示唆演出の実行割合の方が保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高くなっている一因である。なお、保留表示予告用示唆演出の実行有無について、演出側保留番号が「1」のときには、先読みチャンス目用示唆演出と同様に、必ず実行無しとしてもよい(これによって、略確実に、先読みチャンス目用示唆演出の実行割合を保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高くできる)。また、図15(B)及び図16(B)の決定割合からわかるように、先読みチャンス目用示唆演出を実行する場合に「成功」となる割合(先読みチャンス目予告が実行される割合)は、保留表示予告用示唆演出を実行する場合に「成功」となる割合(保留表示予告が実行される割合)よりも高くなっている(入賞時判定結果が「大当り」のときのみ、保留表示予告用示唆演出を実行する場合に「成功」となる割合の方がわずかに高くなっているが、入賞時判定結果が「大当り」のときの割合自体がそもそも低いので、全体としては、先読みチャンス目用示唆演出を実行する場合に「成功」となる割合の方が高くなっている。)。
演出制御用CPU120は、ステップS161のあと、RAM122の所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS171〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき(受信の有無はコマンド解析処理のコマンド受信の判定結果に基づいて行えばよい。他のコマンドの受信の有無についての判定についても同じ。)、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図22は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、今回実行する飾り図柄の可変表示にて先読みチャンス目予告を実行するかを判定する(ステップS321)。例えば、第1変動開始コマンドを受信しているときには、今回、第1特図ゲームに対応して飾り図柄の可変表示が実行されるので、第1演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「1」に対応して先読みチャンス目用示唆演出についての「実行有り(成功)」のデータが格納されているかを判定する。例えば、第2変動開始コマンドを受信しているときには、今回、第2特図ゲームに対応して飾り図柄の可変表示が実行されるので、第2演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「1」に対応して先読みチャンス目用示唆演出についての「実行有り(成功)」のデータが格納されているかを判定する。「実行有り(成功)」のデータが格納されている場合には、今回の可変表示で、成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行し、先読みチャンス目予告を実行するので(ステップS321;Yes)、先読みチャンス目予告用のチャンス目を飾り図柄の可変表示の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)として決定する(ステップS323)。また、「実行有り(成功)」のデータが格納されておらず、先読みチャンス目予告を実行しない場合(ステップS321;No)、変動パターン指定コマンド及び可変表示結果通知コマンドの内容に応じて確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定する(ステップS322)。ステップS322では、例えば、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが非リーチの変動パターンであれば、非リーチ組合せの確定飾り図柄を最終停止図柄とし、変動パターンがリーチハズレの変動パターンであれば、リーチ組合せの確定飾り図柄を最終停止図柄とし、可変表示結果通知コマンドで通知される可変表示結果が「大当り」のときには、大当り組合せの確定飾り図柄を最終停止図柄として決定する。なお、最終停止図柄は、チャンス目、非リーチ組合せ、リーチ組合せ、大当り組合せそれぞれの少なくとも一つについて複数種類用意され、乱数値とテーブルとを用いて最終停止図柄をランダムで決定するようにしてもよい。
その後、演出制御用CPU120は、示唆演出等実行設定処理を行う(ステップS324)。図23(A)は、示唆演出等実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図23(A)に示す示唆演出等実行設定処理では、まず、演出側保留データ記憶部の記憶内容を更新する(ステップS501)。例えば、第1変動開始コマンドを受信しているときには、第1演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「1」に対応するデータを読み出し、演出側保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)の記憶データを、1エントリずつ上位にシフトする。例えば、第2変動開始コマンドを受信しているときには、第2演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「1」に対応するデータを読み出し、演出側保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)の記憶データを、1エントリずつ上位にシフトする。
今回実行する可変表示において示唆演出を実行するかを、前記で読み出したデータ、更新した方の演出側保留データ記憶部の記憶内容に基づいて判定する(ステップS502)。例えば、読み出したデータに、先読みチャンス目用示唆演出についての「実行有り(成功)」又は「実行有り(無し)」が含まれていれば、先読みチャンス目用示唆演出を実行すると判定する。また、例えば、読み出したデータに「A」を指定する示唆演出タイミングパターンTP0−1、TP1−2、TP2−2、TP2−4、TP3−2、TP3−5、TP3−6のいずれかのデータが含まれている場合には、アクティブ保留表示(アクティブ表示部AHAに表示された保留表示)をターゲットとした保留表示予告演出を実行すると判定する。このとき、読み出したデータに保留表示変化パターンが含まれていなければ、失敗の保留表示予告演出を実行すると判定し、読み出したデータに保留表示変化パターンが含まれていれば、成功の保留表示予告演出を実行すると判定する。また、更新した方の演出側保留データ記憶部に示唆演出タイミングパターンが記憶されており、かつ、当該記憶されている示唆演出タイミングパターンが、当該示唆演出タイミングパターンに対応する演出側保留番号(更新した方の演出側保留データ記憶部の演出側保留番号)と同じ番号の演出側保留番号を指定している場合、当該当該示唆演出タイミングパターンに対応する演出側保留番号に対応する保留表示をターゲットとした保留表示予告用示唆演出を実行すると判定する。このとき、同じ演出側保留番号に対応して、保留表示変化パターンが記憶されていれば、成功の保留表示予告演出を実行すると判定する。保留表示変化パターンが記憶されていなければ、失敗の保留表示予告演出を実行すると判定する。例えば示唆演出タイミングパターンTP3−1〜TP3−7(演出側保留番号「3」を指定している。)のいずれかが演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「3」と対応付けて記憶されているときには、今回の可変表示にて保留表示予告用示唆演出を実行すると判定する。示唆演出タイミングパターンTP2−1〜TP2−4、TP3−4、TP3−6、TP3−7(演出側保留番号「2」を指定している。)のいずれかが演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「2」と対応付けて記憶されているときには、今回の可変表示にて保留表示予告用示唆演出を実行すると判定する。変化演出タイミングパターンTP1−1、TP1−2、TP2−3、TP2−4、TP3−3、TP3−5、TP3−7(演出側保留番号「1」を指定している。)のいずれかが演出側保留データ記憶部の演出側保留番号「1」と対応付けて記憶されているときには、今回の可変表示にて保留表示予告用示唆演出を実行すると判定する。
上記示唆演出を実行すると判定した場合には(ステップS502;Yes)、実行すると判定した示唆演出の実行設定を行う(ステップS503)。なお、成功の先読みチャンス目用示唆演出を実行する場合には、先読みチャンス目予告の実行設定も行う。また、成功の保留表示予告用示唆演出を実行する場合には、対応する保留表示変化パターンによって指定される表示態様(例えば、ターゲットの保留表示の現在の表示態様を記憶しておき、現在の表示態様と保留表示変化パターンの内容とを比較して、保留表示予告後の表示態様を特定すればよい。例えば、保留表示変化パターンがZHP3−1で現在の表示態様が「青」であれば、変化後の表示態様は、「緑」と特定できる。)にターゲットの保留表示を変化させる保留表示予告を実行する設定も行う。なお、複数の示唆演出を実行すると判定している場合には、タイミングをずらして各示唆演出を実行するように実行設定を行う。
ステップS502にて示唆演出等の実行が無いと判定された場合や(ステップS502;No)、ステップS503の処理を実行した後には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンが「擬似連」の実行を指定しているかを判定する(ステップS504)。このとき、「擬似連」の実行を指定している場合には(ステップS504;Yes)、アイコン表示変化演出を実行するか否かを決定する(ステップS505)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新されるアイコン表示変化演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたアイコン表示変化演出決定テーブルを参照することなどにより、アイコン表示変化演出の実行の有無を決定すればよい。ステップS505の処理では、アイコン表示変化演出を実行しない「変化演出なし」、またはアイコン表示変化演出を実行する「変化演出あり」のいずれかに決定される。
ステップS504にて「擬似連」の実行を指定していないと判定した場合には(ステップS505;No)、アクティブ保留表示をターゲットとした保留表示予告の実行があるか否かを判定する(ステップS506)。このとき、アクティブ保留表示をターゲットとした保留表示予告の実行があると判定された場合には(ステップS506;Yes)、本処理を終了する。これに対し、アクティブ保留表示をターゲットとした保留表示予告の実行がないと判定された場合には(ステップS506;No)、ステップS505の処理に進み、アイコン表示変化演出の実行の有無を決定する。
ステップS505の処理を実行した後には、決定結果が「変化演出なし」であるか否かを判定する(ステップS507)。決定結果が「変化演出なし」となる場合には(ステップS507;Yes)、本処理を終了する。決定結果が「変化演出あり」となる場合には(ステップS507;No)、予め用意された複数のアイコン表示変化パターンのいずれかを今回のアイコン表示変化パターンに決定してから(ステップS508)、本処理を終了する。
図23(B)は、アイコン表示変化演出の決定例を示している。ステップS505の処理では、可変表示内容(変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドによって特定すればよい)に応じて、例えば図23(B)に示すような決定割合で、アイコン表示変化演出の実行有無を決定する。図23(B)に示す決定例では、可変表示内容に応じて、「変化演出あり」とする決定割合が異なっている。例えば可変表示内容が「確変(大当り)」である場合に、「変化演出なし」の決定割合が最も低くなり、「非確変(大当り)」、「リーチ(ハズレ)」、「非リーチ(ハズレ)」の順に「変化演出なし」の決定割合が高くなる。また、「変化演出あり」の決定割合その逆の関係になっている。したがって、アイコン表示変化演出が実行されたときには、実行されなかったときに比べて、大当り遊技状態の終了後に確変状態になる可能性や、可変表示結果が「大当り」となる可能性、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性などが高くなる。
図24は、アイコン表示変化パターンの設定例を示している。ここでは、「擬似連」の可変表示が実行されない擬似連変動なしの場合と、「擬似連」の可変表示演出が実行されて擬似連変動が3回実行される場合とに対応して、予め用意された複数のアイコン表示変化パターンを示している(同様に、擬似連変動が1〜2回のときについてもアイコン表示変化パターンが設定されればよい。)。擬似連変動なしの場合には、図24(A)に示すように、アイコン表示変化パターンYAP1〜YAP3のいずれかによるアイコン表示変化演出を実行することができる。なお、アイコン表示変化演出を実行する「変化演出あり」に決定されても、アイコン表示変化パターンが決定されない場合もある。この場合には、アクティブ表示変化演出においてアクティブ表示変化共通演出を実行した後に、アクティブ表示変化失敗演出を実行することになり、アクティブ保留表示(アクティブ表示部AHAに表示される保留表示)の表示態様が変化しない。アイコン表示変化パターンYAP1〜YAP3は、アクティブ保留表示を、それぞれ「?」、「チャンス」、「激熱」のメッセージを報知する特定アイコンに変化させる。
擬似連変動3回の場合には、図24(B)に示すように、アイコン表示変化パターンYDP1−1〜YDP1−4、YDP2−1〜YDP2−4、YDP3−1〜YDP3−4のいずれかによるアイコン表示変化演出を実行することができる。「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、初回変動と各回の擬似連変動に対応してアイコン表示変化演出を実行する。これにより、飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果となる確定飾り図柄が導出されるまでに、複数回のアイコン表示変化演出を実行して、アクティブ表示の表示態様を変化させることができる。なお、今回の可変表示にてアクティブ保留表示をターゲットとした保留表示予告を実行する場合には、初回変動(再変動前の変動)で当該保留表示予告を実行してもよい。
図24(B)に示す設定例において、「NEXT」のメッセージを報知するアイコンは、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合にのみ、アイコン表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ保留表示の表示態様となる。さらに、「NEXT」のメッセージを報知するアイコンは、図24(B)に示す設定例の擬似連変動3回目といった、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合の最終変動でアイコン表示変化演出が実行された後にはアクティブ保留表示の表示態様として表示されない表示態様となる。すなわち、「NEXT」のメッセージを報知するアイコンは、「擬似連」の可変表示演出にて飾り図柄が一旦仮停止(擬似連変動)する以前の可変表示中にアイコン表示変化演出が実行された後に表示可能なアクティブ表示の表示態様に含まれる一方、所定回の擬似連変動が行われた後の可変表示中にアイコン表示変化演出が実行された後にはアクティブ保留表示の表示態様として表示されない表示態様となる。
図24(A)および図24(B)に示す設定例において、「?」、「チャンス」、「激熱」、「NEXT」などのメッセージを報知するアイコンは、アイコン表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ保留表示の表示態様に含まれる一方、第1保留表示部5HLの第1保留表示又は第2保留表示部5HRの第2保留表示をターゲットとする保留表示予告が実行された後には当該保留表示の表示態様として表示されない特殊態様となる。
図25は、アイコン表示変化パターンの決定例を示している。ステップS508の処理において、演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新されるアイコン表示変化パターン決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたアイコン表示変化パターン決定テーブルを参照することなどにより、複数のアイコン表示変化パターンのいずれかに決定すればよい。
「擬似連」の可変表示演出が実行されない擬似連変動なしの場合には、ステップS508の処理により、可変表示内容に応じて、図25(A)に示すような決定割合で、複数のアイコン表示変化パターンのいずれかを今回のアイコン表示変化パターンに決定する。これに対し、「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動が3回実行される擬似連変動3回の場合には、ステップS508の処理により、可変表示内容に応じて、図25(B)に示すような決定割合で、複数のアイコン表示変化パターンのいずれかを今回のアイコン表示変化パターンに決定する。図25(A)および図25(B)に示す決定例では、可変表示内容に応じて、決定可能なアイコン表示変化パターンや決定割合が異なっている。例えば図25(A)に示す決定例において、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合には、アイコン表示変化パターンYAP3に決定可能となる一方、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」である場合には、アイコン表示変化パターンYAP3に決定不可となる。また、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合には、所定割合でアイコン表示変化パターンYAP1〜YAP3のいずれかに決定される一方、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」である場合には、所定割合でアイコン表示変化パターンが「なし」となる。
このような設定により、擬似連変動なしの場合に、アイコン表示変化演出が実行され、アイコン表示変化パターンYAP3により変化後の表示態様として「激熱」のメッセージを報知する表示態様が表示されたときには、アクティブ保留表示に対応する今回の可変表示において可変表示結果が「大当り」となることが確定する。また、擬似連変動なしの場合に、アイコン表示変化演出が実行され、アイコン表示変化パターンが「なし」に対応してアクティブ保留表示の表示態様が変化しないアイコン表示変化ガセ演出となったときには、アクティブ保留表示に対応する今回の可変表示において可変表示結果が「大当り」にはならず「ハズレ」となることが確定する。
なお、アイコン表示変化演出が実行された後に表示されるアクティブ保留表示の表示態様に応じて、アクティブ保留表示に対応する今回の可変表示において可変表示結果が「大当り」となることや「ハズレ」となることが確定してしまうと、可変表示が終了するまでの遊技興趣が減退するおそれがある。そこで、例えば可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」または「リーチ(ハズレ)」の場合にも、所定割合でアイコン表示変化パターンYAP3に決定されることがあるように設定してもよい。この場合には、可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」の場合に比べて十分に低い割合でアイコン表示変化パターンYAP3に決定されるように設定してもよい。また、例えば可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」の場合にも、所定割合でアイコン表示変化パターンが「なし」に決定されるように設定してもよい。この場合には、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」や「リーチ(ハズレ)」の場合に比べて十分に低い割合でアイコン表示変化パターンが「なし」に決定されるように設定してもよい。
ステップS508の処理にてアイコン表示変化パターンが「なし」に決定される割合は、ステップS311の処理にて「失敗」(保留表示予告を実行しないこと)に決定される割合よりも低くなるように設定されている。例えば図16(B)に示すように、ステップS311の処理では、入賞時判定結果が「ハズレ時一般」の場合に80/100の割合で「失敗」に決定される。これに対し、例えば図25(A)に示すように、ステップS508の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合に5/100の割合でアイコン表示変化パターンが「なし」に決定される。ステップS311にて「失敗」に決定された場合には失敗の保留表示予告用示唆演出が実行され、ステップS508にてアイコン表示変化パターンが「なし」に決定された場合にはアイコン表示変化ガセ演出が実行される。このような設定により、アクティブ保留表示の表示態様が変化しないアイコン表示変化ガセ演出が実行される割合は、失敗の保留表示予告用示唆演出が実行される割合よりも低くなる。したがって、保留表示予告用示唆演出において第1成功演出となる成功の保留表示予告用示唆演出が実行される割合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出において成功演出となる成功のアクティブ表示変化演出を実行することができる。
図17(B)に示された複数の示唆演出タイミングパターンのうち、示唆演出タイミングパターンTP0−1、TP1−2、TP2−2、TP2−4、TP3−2、TP3−5、TP3−6に決定された場合には、ターゲットがアクティブ保留表示になったときに、保留表示予告用示唆演出の実行タイミングとなり、アクティブ保留表示の表示態様として表示色を特定色に変化させる成功の保留表示予告用示唆演出や保留表示予告が実行される。ステップS310の処理では、これらのアクティブ保留表示をターゲットとする保留表示予告用示唆演出や保留表示予告を実行する示唆演出タイミングパターンの決定割合が、アクティブ保留表示をターゲットとしない示唆演出タイミングパターンの決定割合よりも低くなるように設定された決定テーブルを用いて、示唆演出タイミングパターンを決定されてもよい。ステップS506の処理では、アクティブ保留表示をターゲットする保留表示予告の実行があると判定すると、ステップS505の処理には進まず、アイコン表示変化演出を実行しないように制限する。そのため、アクティブ保留表示をターゲットする保留表示予告の実行割合が高くなると、アイコン表示変化演出が実行されにくくなってしまうおそれがある。そこで、アクティブ保留表示をターゲットとする保留表示予告用示唆演出や保留表示予告を実行する示唆演出タイミングパターンの決定割合を低下させることで、アイコン表示変化演出が実行される割合を高められるようにしてもよい。
ステップS506にてアクティブ保留表示をターゲットする保留表示予告の実行があると判定された場合には、ステップS505の処理に進むことなく示唆演出等実行設定処理を終了することで、アイコン表示変化演出が実行されないように制限する。これにより、アクティブ保留表示をターゲットする保留表示予告と、アイコン表示変化演出とが、重複して実行されることがないようにして、複雑な演出の防止により、遊技興趣を向上させることができる。
なお、上記では、アイコン表示変化パターンの決定例について擬似連変動が1〜2回のときを説明していないが、上記条件を満たすような決定割合を設定して、擬似連変動が1〜2回のときもアイコン表示変化パターンを決定するようにすればよい。
ステップS324のあと、演出制御用CPU120は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS325)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、上記各種示唆演出の実行設定や先読み予告演出の実行設定、アイコン表示変化演出の実行の決定結果、アイコン表示変化パターンの決定結果を反映した演出制御パターンを、複数用意された演出制御パターン(表示変化演出制御パターン)のいずれかから選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS325の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS326)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS327)。このときには、例えばステップS325の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS325の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HLにおける第1保留表示や第2保留表示部5HRにおける第2保留表示などを更新するための設定を行う(ステップS328)。例えば、第1特図ゲームが実行(開始)される場合(第1変動開始コマンドを受信しているとき)には、第1保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)に表示していた第1保留表示を消去(消化)してアクティブ表示部AHAに移動させ、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合(第2変動開始コマンドを受信しているとき)には、第2保留表示部5HRにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)に表示していた第2保留表示を消去(消化)してアクティブ表示部AHAに移動させ、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS327)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図26は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS341)。一例として、ステップS341処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS341;No)、現在が示唆演出を実行する示唆演出期間であるかを判定する(ステップS3442)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。示唆演出期間である場合(ステップS342;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9などに点灯/消灯駆動を行なわせることといった演出動作制御を行う(演出動作制御について以下同じ。)(ステップS343)。タイマ割り込み毎にステップS343が繰り返し実行されることで、示唆演出の実行が実現される。
ステップS343のあと、又は、示唆演出期間でない場合(ステップS342;No)、演出制御用CPU120は、現在が保留表示予告を実行する保留表示予告期間であるかを判定する(ステップS344)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該期間である場合(ステップS344;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、保留表示予告を実行する演出動作制御を行う(ステップS345)。タイマ割り込み毎にステップS345が繰り返し実行されることで、保留表示予告が実現される。なお、保留表示予告で変化した表示態様は、RAM122に保持され、当該表示態様での保留表示の表示はその後も継続される。
ステップS345のあと、又は、保留表示予告期間でない場合(ステップS344;No)、演出制御用CPU120は、現在がアイコン表示変化演出を実行するアイコン表示変化演出期間であるかを判定する(ステップS346)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該期間である場合(ステップS346;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、アイコン表示変化演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS347)。タイマ割り込み毎にステップS347が繰り返し実行されることで、アイコン表示変化演出の実行が実現される。なお、アイコン表示変化演出で変化した表示態様は、RAM122に保持され、当該表示態様でのアクティブ保留表示の表示はその後も継続される。
ステップS347のあと、又は、アイコン表示変化演出期間でない場合(ステップS344;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するリーチ演出期間であるかを判定する(ステップS348)。当該期間は、演出制御パターンなどによって規定されていればよい。当該期間である場合(ステップS348;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS349)。タイマ割り込み毎にステップS349が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現される。
ステップS349のあと、又は、リーチ演出期間でない場合(ステップS348;No)、演出制御用CPU120は、設定されている演出制御パターンに従ったその他の演出動作制御を行う(ステップS350)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、飾り図柄の可変表示、先読みチャンス目の導出前の演出などの実行が実現する。ステップS350のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS341の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS341;Yes)、図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS361)。このとき、当該コマンドの受信がなければ(ステップS361;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS361にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS361;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄であり、先読みチャンス目予告を実行する場合には、所定のチャンス目)を導出表示させる制御を行う(ステップS362)。この制御内容は演出制御パターンにて規定されていてもよい。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS363)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS364)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態に実行される大当り中演出(エンディングの前までの演出)を実行するための演出制御パターンを使用パターンに設定し、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。このとき、使用パターンとして設定した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定し、本処理を終了する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が「0」であるかを判定することで、待ち時間の経過を判定する。1減算後のタイマ値が「0」でない場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。1減算後のタイマ値が「0」である場合、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していることになるので、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新して本処理を終了する。
ステップS174のアタッカー開放時演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。
アタッカー開放時演出処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新して本処理を終了する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。エンディングの演出制御パターンは、予め設定されていればよい。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、エンディング期間が経過したかを判定する。例えば、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御パターンに含まれるデータが終了コードであるか否かを判定することによって、エンディング期間が経過したかを判定する。
前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードでなく、エンディング期間が経過していない場合、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、前記で1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯データなど)に基づいて、エンディングの演出動作制御を行い、本処理を終了する。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。前記演出制御パターンに含まれるデータが終了コードのときには、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新したときには、本処理を終了する。
次に、本実施形態における演出画面について説明する。
まず、先読みチャンス目用示唆演出又は保留表示予告用示唆演出を実行したときの演出画面について説明する。飾り図柄の可変表示が開始されたあと(図27(A))、所定タイミングにて、キャラクタCHが登場する先読みチャンス目用示唆演出又は保留表示予告用示唆演出が開始される(図27(B))。図中の下向き矢印は、飾り図柄が変動する様子を示す。キャラクタCHが登場して所定期間が経過するまで(示唆演出開始から所定期間経過時まで)は、先読みチャンス目用示唆演出と保留表示予告用示唆演出とで共通の演出態様になっており、前記所定期間が経過するまでは、当該示唆演出が先読みチャンス目用示唆演出又は保留表示予告用示唆演出のいずれかであるかがわからないようになっている。なお、当該示唆演出の実行時には、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが中央から左上に移動する。その後、先読みチャンス目用示唆演出の実行時には、キャラクタCHから左上の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに向けてビームが発射され、先読みチャンス目予告の実行が示唆され(図27(C))、先読みチャンス目用示唆演出が成功の場合には、先読みチャンス目予告が実行され、所定のチャンス目(ここでは、発光態様のチャンス目)が確定飾り図柄(最終停止図柄)として導出される(図27(D))。先読みチャンス目用示唆演出が失敗の場合には、先読みチャンス目予告が実行されず、変動パターンに応じた確定飾り図柄が導出される(図27(E))。その後、保留表示予告用示唆演出の実行時には、キャラクタCHからターゲットの第1保留表示H1に向けてビームが発射され、保留表示予告の実行が示唆され(図27(H))、保留表示予告用示唆演出が成功の場合には、保留表示予告が実行され、ターゲットの第1保留表示H1の表示態様が変化する(図27(I))。保留表示予告用示唆演出が失敗の場合には、保留表示予告が実行されず、ターゲットの第1保留表示H1の表示態様は変化しない(図27(J))。
次に保留表示予告用示唆演出について説明する。飾り図柄の可変表示が開始されたあと(図28(A))、所定タイミングにて、キャラクタCHが登場する保留表示予告用示唆演出が開始され、キャラクタCHからターゲットの第1保留表示H1に向けてビームが発射され、保留表示予告の実行が示唆される(図28(B))。その後、保留表示予告用示唆演出が成功し、保留表示予告が実行され、第1保留表示H1の表示態様が変化し(図28(C))、その後この変動は、終了する(図28(D))。その後次変動が開始され、同じ第2保留表示をターゲットとする保留表示予告用示唆演出が再度実行され、保留表示予告用示唆演出が成功し、保留表示予告が実行され、第1保留表示H1の表示態様(なお、図の「赤」は、第1保留表示H1が赤色であることを示す。図の色を示す文字について同じ。)が再度変化する(図28(E)〜図28(G))。その後再度変動が終了し(図28(H))、ターゲットの可変表示が実行される(図28(I))。可変表示が実行されるごとに、第2保留表示は、右の位置に移動し、最終的にアクティブ保留表示として表示される(表示態様は、次の保留表示予告又はアイコン表示変化演出が実行されるまで維持される。)。
次に先読みチャンス目用示唆演出について説明する。飾り図柄の可変表示が開始されたあと(図29(A))、所定タイミングにて、キャラクタCHが登場する先読みチャンス目用示唆演出が開始され、キャラクタCHからに左上の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに向けてビームが発射され、先読みチャンス目予告の実行が示唆される(図29(B))。その後、先読みチャンス目用示唆演出が成功し、先読みチャンス目予告が実行されてチャンス目が停止(導出)されてこの変動が終了する(図29(C))、その後次変動が開始され、再度先読みチャンス目用示唆演出、先読みチャンス目予告が実行される(図29(D)〜図28(G))。
次に保留表示予告用示唆演出やアイコン表示変化演出について説明する。この実施の形態では、アイコン表示変化演出の最初の所定期間(例えば、キャラクタCHの登場からビームの発射前まで)が、保留表示予告用示唆演出や先読みチャンス目用示唆演出と同じ演出態様になっている。このため、同じ演出態様の演出が実行されている期間は、当該演出が、保留表示予告用示唆演出であるのかアイコン表示変化演出であるのか先読みチャンス目用示唆演出であるのか分からないようになっている。飾り図柄の可変表示が開始されたあと、所定タイミングにて、キャラクタCHが登場する保留表示予告用示唆演出又は先読みチャンス目用示唆演出が開始され、キャラクタCHからターゲットのアクティブ保留表示HAに向けてビームが発射され、保留表示予告の実行やアクティブ保留表示のアイコンへの変化が示唆される(図30(A))(ここまで、保留表示予告用示唆演出とアイコン表示変化演出とで同じ態様になっている。)。その後、アイコン表示変化演出実行時には、アクティブ保留表示が「激熱」のアイコンに変化するか(図30(B)。成功の場合)、アクティブ保留表示が変化しない(図30D。失敗つまりアイコン表示変化ガセ演出の場合)。保留表示予告用示唆演出実行時には、アクティブ保留表示の表示色が保留表示予告によって変化するか(図30(C)。成功の場合)、保留表示予告が実行されず表示色が変化しない(図30D。失敗の場合)。
次に擬似連における保留表示予告用示唆演出やアイコン表示変化演出について説明する。飾り図柄の可変表示が開始されたあと、所定タイミングにて、キャラクタCHが登場する保留表示予告用示唆演出が開始され、キャラクタCHからターゲットのアクティブ保留表示HAに向けてビームが発射され、保留表示予告の実行が示唆される(図31(A))(見た目的には、アクティブ保留表示のアイコンへの変化も示唆される)。その後、保留表示予告用示唆演出は成功し、保留表示予告によってアクティブ保留表示HAの表示色が変化する(図31(B))。その後、擬似連チャンス目仮停止、再変動開始、アイコン表示変化演出の実行、アクティブ保留表示HAの変化が繰り返され、最後に例えばリーチが成立する(図31(C)〜(K))。ここでは、再変動が行われるごとにアイコン表示変化演出が実行され、アクティブ保留表示HAが順次他のアイコンに変化していく。
また、図32に示すように、保留表示予告のターゲットが複数あってもよく、この場合には、保留表示予告用示唆演出は、各々のターゲットに対して行われる。なお、図32では、各変動において1回保留表示予告用示唆演出を実行するようにしているが、1回の変動(可変表示)において異なるターゲットに対して複数回保留表示予告用示唆演出を実行してもよい。
上記実施の形態では、異なる領域で実行される先読みチャンス目予告と保留表示予告とが用意されており、さらに、これらの実行を示唆する先読みチャンス目予告用示唆演出と保留表示予告用示唆演出とが用意されている。そして、先読みチャンス目予告用示唆演出と保留表示予告用示唆演出とは、最初の期間の態様(先読みチャンス目予告を実行する領域や保留表示予告を実行する領域に演出画像が作用する前までの態様。ここでは、ビーム発射までの態様。)が共通している。従って、両示唆演出の実行開始時において遊技者は、どちらの示唆演出が実行されるか分からず、さらにその後の示唆(ビームによる演出画像の作用)では、実行される領域が異なる先読みチャンス目予告の示唆と保留表示予告の示唆とのいずれかが行われる。このように、この実施の形態では、示唆演出が単調とはならず、示唆演出に対する遊技の興趣が向上する。
また、上述のように、先読みチャンス目予告用示唆演出の実行の有無を決定し、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行しないと決定した場合に保留表示予告用示唆演出の実行の有無を決定するなどの理由によって(図14〜16参照)、先読みチャンス目予告用示唆演出の実行割合が保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高く、両示唆演出で差を設けることができ、両示唆演出に対する興趣が向上する。また、上述のように先読みチャンス目予告用示唆演出を実行するときの成功割合は、保留表示予告用示唆演出を実行するときの成功割合よりも高くなっているので(図15(B)及び図16(B)参照)、両示唆演出で差を設けることができ、両示唆演出に対する興趣が向上する。また、成功の先読みチャンス目予告用示唆演出の実行割合は、成功の保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高くなっているので(先読みチャンス目予告用示唆演出の実行の有無を決定し、先読みチャンス目予告用示唆演出を実行しないと決定した場合に保留表示予告用示唆演出の実行の有無を決定すること、図15(B)及び図16(B)の決定割合などによる。)、両示唆演出で差を設けることができ、両示唆演出に対する興趣が向上する。
また、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに表示される保留表示やアクティブ保留表示は、表示態様が変化可能であるが、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに表示される保留表示が変化可能な変化後の表示態様には、アクティブ保留表示が変化可能な変化後の表示態様にはない表示態様が含まれ(「秘」)、アクティブ保留表示が変化可能な変化後の表示態様には、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに表示される保留表示が変化可能な変化後の表示態様にはない表示態様が含まる(「激熱」のアイコンなど)。このため、遊技者は、保留表示の表示態様の変化のタイミング(表示位置)に注目し(変化可能な変化後の表示態様が異なるため)、遊技の興趣が向上する。
上記実施形態では、上記の構成によって、パチンコ遊技機1は、第1領域で第1演出(例えば、先読みチャンス目予告など)を実行する第1演出実行手段(例えば、ステップS161の処理を行ったあとステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、前記第1領域とは異なる第2領域で第2演出(例えば、保留表示予告など)を実行する第2演出実行手段(例えば、ステップS161の処理を行ったあとステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、前記第1演出の実行を示唆する第1示唆演出(例えば、先読みチャンス目用示唆演出など)を実行する第1示唆演出実行手段(例えば、ステップS161の処理を行ったあとステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、前記第2演出の実行を示唆する第2示唆演出(例えば、保留表示予告用示唆演出など)を実行する第2示唆演出実行手段(例えば、ステップS161の処理を行ったあとステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備えることになる。
また、上記の構成によって、前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とで少なくとも一部の演出態様が共通し(例えば、先読みチャンス目用示唆演出と保留表示予告用示唆演出とで最初の期間が共通するなど)、前記第1示唆演出が実行される割合は、前記第2示唆演出が実行される割合よりも高い(例えば、先読みチャンス目用示唆演出の実行割合が保留表示予告用示唆演出の実行割合よりも高いなど)、ことになる。さらに、前記第1示唆演出が実行されて前記第1演出が実行される割合は、前記第2示唆演出が実行されて前記第2演出が実行される割合よりも高い(例えば、先読みチャンス目用示唆演出のあとに先読みチャンス目予告が実行される実行割合が保留表示予告用示唆演出のあとに保留表示が実行される実行割合よりも高いなど)、ことになる。
上記第1演出は、先読みチャンス目予告の他、擬似連のチャンス目を仮停止する演出(擬似連チャンス目の演出)などとしてもよい。第1演出は、例えば、上記のように飾り図柄の可変表示態様によって、予告対象の可変表示が特定態様(大当たり、リーチ成立、スーパーリーチ実行などを含む。)になる可能性を示唆ないし予告するものとすればよい。なお、第1演出は、予告対象の可変表示が特定態様になる可能性などを報知しないものとしてもよい。第1演出を、擬似連のチャンス目を仮停止する演出とする場合、例えば、第1示唆演出として、保留表示予告用示唆演出などと共通の態様の部分を有する擬似連チャンス目用示唆演出を用意すればよい。例えば、図33のように、キャラクタCHを登場される演出を共通の態様の部分の演出とする擬似連チャンス目用示唆演出を用意すればよい。また、図33に示すように、擬似連チャンス目用示唆演出と、先読みチャンス目用示唆演出とを実行可能とし、当該各示唆演出が終了しないと、実行される演出(実行の示唆がされる演出)が擬似連チャンス目なのか先読みチャンス目なのか分からないようにしてもよい。これによって遊技の興趣を向上させることができる。なお、擬似連は、主基板11側で指定されるので、例えば、擬似連チャンス目用示唆演出の失敗を実行すると決定した場合には、擬似連チャンス目用示唆演出の後に擬似連チャンス目を仮停止しないで、変動を継続するように制御するとよい。先読みチャンス目予告や擬似連のチャンス目は、可変表示されていた飾り図柄によって構成されても、チャンス目専用の飾り図柄を含んで構成されてもよい。仮停止される図柄は、可変表示される図柄とは異なる図柄である特殊図柄等であってもよい(上記「擬」の図柄など)。つまり、擬似連演出用示唆演出を実行後に、飾り図柄を特定の組合せとはせず、特殊図柄等を停止(表示)させてもよい。
上記第2演出は、保留表示予告の他、アクティブ保留表示の表示態様を変化させる演出などであってもよい。第2演出は、例えば、上記のように保留表示やアクティブ保留表示などの所定の可変表示を表す表示を変化させることで、予告対象の可変表示(前記所定の可変表示)が特定態様(大当たり、リーチ成立、スーパーリーチ実行などを含む。)になる可能性を示唆ないし予告するものであればよい。第2演出は、アイコン表示変化演出におけるアクティブ保留表示をアイコン表示に変化させる演出であってもよく、この場合には、第2示唆演出をアイコン表示変化演出のキャラクタCHの登場やビームの発射の演出などと捉えてもよい。
上記第1演出や第2演出は、複数回の連続する可変表示それぞれにおいて連続して実行されるものの他、不連続に複数回実行されるもの、1回のみ実行されるものなどであってもよい。また、第1演出と第2演出とは、同じターゲットを対象とする演出であってもよい。例えば、先読みチャンス目予告と、保留表示予告とは、同じターゲットを対象として、同じ可変表示内に実行されるものであってもよい。
第1演出を、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRに表示された保留表示に対する保留表示予告とし、第2演出を、アクティブ保留表示を変化させる演出としてもよい。
また、上記実施の形態では、同じターゲットについて、同じ種類の演出のみを実行するようにしていたが、異なる種類の演出を実行するようにしてもよい。例えば、図34に示すように、同じターゲットについて、第1演出として先読みチャンス目予告、第1示唆演出として先読みチャンス目用示唆演出を実行してから、第2演出として保留表示予告、第2示唆演出として保留表示予告用示唆演出を実行するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、同じターゲットについて、複数回示唆演出を行う場合には、全ての回について成功の示唆演出を実行しているが、ある回の示唆演出については失敗とするようにしてもよい(図35参照)。
第1示唆演出と第2示唆演出とは、上記実施の形態では、第1演出又は第2演出の実行の有無を示唆するものであるが(つまり、失敗ないしガセの示唆演出が実行されるようになっているが)、第1演出又は第2演出が実行されることのみを示唆するようにしてもよい(この場合、失敗やガセを設けないようにする。)。
第1示唆演出と第2示唆演出とで共通する演出態様は、第1演出や第2演出以外の演出の実行の示唆に発展してもよい。つまり、前記第1示唆演出と第2示唆演出と共通する演出態様を有し、かつ、他の演出を示唆する第3示唆演出などを実行可能としてもよい。また、第1示唆演出と第2示唆演出とで態様が共通する部分は、演出開始時から所定タイミング経過までの部分であっても、演出開始後の第1のタイミングから第2のタイミングまでの部分であってもよい。第1示唆演出と第2示唆演出とで態様が共通する部分は、演出の示唆が始まる前の部分であり、当該部分の演出実行がなされてもその後の示唆対象が分からない部分などであればよい。共通する演出態様は、例えば、全く同じ態様の他、キャラクタが同じでアクションが違う態様や、同じアクションでキャラクタが異なる態様などであってもよい。
上記第1領域と第2領域とは、互いに一部が重なる領域であってもよい。上記第1領域と第2領域との少なくともいずれかは、画像表示装置5の外の領域(例えば、ロゴの発光部や、役物、遊技盤2のセンターの飾りや装飾部、画像表示装置5の近傍に設けられたサブの画像表示装置の表示領域など)であってもよい。第1演出と第2演出との少なくともいずれからは、画像表示装置5の外の領域で実行される演出であってもよい(例えば、ロゴの発光、役物の動作、飾りや装飾部の点灯、サブの画像表示装置での演出などのいずれかを第1演出又は第2演出としてもよい。)。第1演出又は第2演出のうちの少なくともいずれかは、特定の領域で実行可能なものであってもよく、当該特定の領域で演出実行がされた場合に、大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
示唆演出は、複数種類の演出それぞれが実行される演出実行領域又はその領域の近傍に対して作用することで、第1演出や第2演出の実行を示唆する演出としてもよい(示唆演出を、例えば、示唆演出によるビームが画面周辺に設けられた役物の近傍に作用するような演出や、サブ液晶の表示内容に対して作用する演出としてもよい)。
上記実施の形態では、示唆演出の示唆のあとにのみ第1演出や第2演出を実行するようにしていたが、示唆演出の実行無しに第1演出や第2演出が実行されるパターンがあってもよい。
なお、第1演出、第2演出、第1示唆演出、第2示唆演出をどのような演出としても、演出実行の決定割合や演出実行の決定順番などを調整することによって(なお、保留表示予告用示唆演出や先読みチャンス目用示唆演出の実行の決定方法(決定の順序なども含む。)や、成功/失敗の決定方法も、上記実施の形態の例に限らず、種々の形態を取ることができる。)、前記第1示唆演出が実行される割合は、前記第2示唆演出が実行される割合よりも高いとしたり、前記第1示唆演出が実行されて前記第1演出が実行される割合(第1示唆演出が実行されたうちの第1演出が実際に実行される割合を含む。)は、前記第2示唆演出が実行されて前記第2演出が実行される割合(第2示唆演出が実行されたうちの第2演出が実際に実行される割合を含む。)よりも高いとするようにしたりするとよい。
なお、第1示唆演出又は第2示唆演出を実行したあとに、第1演出と第2演出との両方を行う場合があってもよい。
変動開始時において第1保留表示や第2保留表示が右又は左にシフトするタイミングで第1保留表示、第2保留表示、又は、アクティブ保留表示の表示態様を変化させる保留表示予告を行い、当該変動中においても保留表示予告用示唆演出やアイコン表示変化演出を実行して第1保留表示、第2保留表示、又は、アクティブ保留表示の表示態様を変化させるようにしてもよい。このように、1回の可変表示(変動)にて、2回以上の第1保留表示、第2保留表示、又は、アクティブ保留表示の表示態様の変化があってもよい。また、示唆演出やアイコン表示変化演出も1回の可変表示(変動)にて、2回以上実行してもよい。
保留表示予告用示唆演出やアイコン表示変化演出において、1回の演出で、複数個の保留表示の表示態様を変化させてもよい。この際、前記複数個の保留表示は、アクティブ保留表示と第1保留表示及び/又は第2保留表示との組み合わせでもよい。つまり、第1保留表示や第2保留表示を対象してアイコン表示変化演出を実行してもよい。
リーチ演出の開始後に示唆演出を実行してもよく、その後に、保留表示予告、先読みチャンス目予告、アイコン表示変化演出、擬似連チャンス目の仮停止の演出などを実行するようにしてもよい。
第1演出や第2演出の具体的な演出は、上記実施の形態とは逆としてもよい。例えば、第1演出を保留表示予告とし、第2演出を先読みチャンス目予告とし、第1示唆演出を保留表示予告用示唆演出とし、第2示唆演出を先読みチャンス目予告用示唆演出としてもよい。この場合でも、演出実行の決定割合などを調整することによって(例えば、保留表示予告用示唆演出の実行の有無などを先に決定し、保留表示予告用示唆演出を実行しなと決定したあとに先読みチャンス目予告用示唆演出の実行の有無などを決定するなど。)、前記第1示唆演出が実行される割合は、前記第2示唆演出が実行される割合よりも高いとしたり、前記第1示唆演出が実行されて前記第1演出が実行される割合(第1示唆演出が実行されたうちの第1演出が実際に実行される割合を含む。)は、前記第2示唆演出が実行されて前記第2演出が実行される割合(第2示唆演出が実行されたうちの第2演出が実際に実行される割合を含む。)よりも高いとするようにしたりするとよい。なお、前記第2示唆演出が実行される割合は、前記第1示唆演出が実行される割合よりも高いとしたり、前記第2示唆演出が実行されて前記第2演出が実行される割合(第2示唆演出が実行されたうちの第2演出が実際に実行される割合を含む。)は、前記第1示唆演出が実行されて前記第1演出が実行される割合(第1示唆演出が実行されたうちの第1演出が実際に実行される割合を含む。)よりも高いとするようにしたりしてもよい。
上記のような構成によれば、示唆演出についての興趣を向上させることができる。特に、共通の演出態様の演出の実行から、異なる領域で実行される演出の実行の示唆に移行するので、演出のバリエーションが増え、示唆演出についての遊技の興趣が向上する。また、上記のように実行割合を調整することで、各演出に差を設けることができ、遊技の興趣が向上する。
上記実施形態では、上記の構成によって、前記遊技機は、可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能であり、未だ開始されていない可変表示に対応して特定表示(例えば、保留表示など)を表示する特定表示手段(例えば、ステップS310を実行する演出制御用CPU120など)と、可変表示の実行中に、当該可変表示に対応する対応表示(例えば、アクティブ保留表示など)を対応表示領域(例えば、アクティブ表示部AHAなど)にて表示する対応表示手段(例えば、ステップS328を実行する演出制御用CPU120など)と、前記特定表示の態様を変化させる第1変化演出(例えば、保留表示予告)を実行する第1変化演出実行手段(例えば、ステップS161の処理を行ったあとステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、前記対応表示の態様を変化させる第2変化演出(例えば、アイコン表示変化演出など)を実行する第2変化演出実行手段(例えば、ステップS171〜S172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、をさらに備えることになる。なお、第1変化演出又は第2変化演出は、前記第1演出や第2演出であってもよいし、別個の演出であってもよい。このような構成によれば、変化演出についての興趣を向上させることができる。
なお、前記遊技機は、可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を実行し、前記示唆演出実行手段は、複数回の可変表示のそれぞれにおいて前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とを実行可能であり、未だ開始されていない可変表示が特定の可変表示の場合に、複数回の可変表示のそれぞれにおいて、前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とでいずれも同じ演出を実行する割合が、前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とで異なる演出を実行する割合よりも高いようにしてもよい。例えば、可変表示がスーパーリーチを実行する可変表示であったり、可変表示結果が大当りになったりするような特定の可変表示になるときには、先読みチャンス目用示唆演出を保留表示予告用示唆演出よりも高い割合で実行するようにすればよい。なお、割合の比較では、一方の割合が「0割」又は「10割」であってもよい(本明細書について同じ。)。このような構成によれば、複数回の示唆演出を行うときに演出の変化に注目させることができるので、示唆演出についての興趣をより向上させることができる。
また、前記遊技機は、可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能であり、未だ開始されていない可変表示に対応して特定表示(例えば、保留表示など)を表示する特定表示手段(例えば、ステップS310を実行する演出制御用CPU120など)と、可変表示の実行中に、当該可変表示に対応する対応表示(例えば、アクティブ保留表示など)を対応表示領域にて行う対応表示手段(例えば、ステップS328を実行する演出制御用CPU120など)と、をさらに備え、前記第1演出及び前記第2演出の対象となる可変表示が未だ開始されていない可変表示である場合(例えば、先読み予告の場合など)には、前記第1演出は、前記特定表示に対応する可変表示よりも前に実行される可変表示の表示結果を所定の表示結果とする演出(例えば、先読みチャンス目予告など)であり、前記第2演出は、前記特定表示を変化させる演出(例えば、保留表示予告など)であり、前記第1演出及び前記第2演出の対象となる可変表示が実行中の可変表示である場合(例えば、実行中の特図ゲームについての予告演出の場合など)には、前記第1演出は、可変表示の実行中に一旦仮停止する演出(例えば、擬似連チャンス目の演出など)であり、前記第2演出は、前記対応表示を変化させる演出(例えば、アクティブ表示変化演出など)である、ようにしてもよい。このような構成によれば、示唆演出開始後、遊技者がどのような演出が実行されるかに注目するので、示唆演出についての興趣をより向上させることができる。
なお、遊技機は、前記特定表示に対応する可変表示よりも前に実行される可変表示の表示結果を所定の表示結果とする演出と、前記特定表示を変化させる演出と、がないパチンコ遊技機としてもよいし、又は、可変表示の実行中に一旦仮停止する演出と、前記対応表示を変化させる演出と、がないパチンコ遊技機としてもよい。可変表示の実行中に一旦仮停止する演出を第1演出とし、対応表示を変化させる演出を第2演出としてもよい。また、変表示の実行中に一旦仮停止する演出を第1演出とし、特定表示を変化させる演出を第2演出としてもよい。
特定表示を変化させる、対応表示を変化させるとは、表示色を変化させることの他、特定の形状にする、特定のメッセージを新たに表示する、大きさを変えるなど様々な方法で行われればよい(表示態様の変化についても同じ。)。なお、特定表示を変化させる、対応表示を変化させるときの変化後の表示態様は、「秘」や「NEXT」など、特定表示や対応表示が他の態様に変化しやすいことを示すようなものであってもよい。
また上記実施の形態では上記構成によって、前記遊技機は、可変表示(例えば、飾り図柄の可変表示など)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能であり、未だ開始されていない可変表示に対応して特定表示(例えば、保留表示など)を表示する特定表示手段(例えば、ステップS310を実行する演出制御用CPU120など)と、可変表示の実行中に、当該可変表示に対応する対応表示(例えば、アクティブ保留表示など)を対応表示領域にて行う対応表示手段(例えば、ステップS328を実行する演出制御用CPU120など)と、を有し、前記特定表示と前記対応表示とは態様が変化可能であり(例えば、保留表示予告やアイコン表示変化演出など)、前記特定表示の変化後の態様は、前記対応表示の変化後の態様にはない第1特殊態様(例えば、「秘」など)を含み、前記対応表示の変化後の態様は、前記特定表示の変化後の態様にはない第2特殊態様(例えば、「激熱」のアイコンなど)を含む、ことになる。この構成によれば、表示態様の変化タイミングに応じて、変化する可能性が有る表示態様が異なるので、表示態様変化演出についての興趣を向上させることができる。第1特殊態様や第2特殊態様は、大当り期待度などを報知するものでなくてもよい(例えば、「秘」や「NEXT」など他の表示態様に変化しやすい態様であってもよい)。また、特定表示や対応表示の態様の変化は、上記第1演出や第2演出によって行われても、これらとは別の変化演出によって行われても良い。
なお、アクティブ保留表示は、可変表示が終了するまで継続して表示されるものに限定されず、例えば可変表示が開始されてから予め定められた表示消去条件が成立したときに、消去されるようにしてもよい。一例として、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったときに、表示消去条件が成立することで、アクティブ保留表示が消去されるようにしてもよい。
特定表示や対応表示の態様を変化させる演出(例えば、保留表示予告用示唆演出)が実行されるようにしてもよく、この場合には、上記示唆演出のように、特定表示の態様を変化させるときと対応表示の態様を変化させるときとで、共通の態様を有していても良い。このような構成においては、特定表示と対応表示のいずれが変化するかに注目させることにより、遊技興趣を向上させることができる。
また、特定表示の表示態様を変化させるときと変化させないときとで共通で実行される第1共通演出(例えば、保留表示予告用示唆演出の少なくとも一部)と、当該第1共通演出を実行した後に前記特定表示の表示態様を変化させる第1成功演出(例えば保留表示予告など)または前記保留表示の表示態様を変化させない第1失敗演出(例えば保留表示予告用示唆演出における保留表示を変化させない部分など)とを実行可能であり、前記対応表示の表示態様を変化させるときと、前記対応表示の表示態様を変化させないときとで共通で実行される第2共通演出(例えばアイコン表示変化演出など)と、当該第2共通演出を実行した後に前記対応表示の表示態様を変化させる第2成功演出(例えばアイコン表示変化演出においてアクティブ保留表示を変化させる演出など)または前記対応表示の表示態様を変化させない第2失敗演出(例えばアイコン表示変化演出においてアクティブ保留表示を変化させない演出など)とを実行可能であり、前記第1失敗演出と前記第1成功演出とのうちで前記第1成功演出が実行される割合よりも高い割合で、前記第2成功演出を実行してもよい。このような構成においては、可変表示に対応する対応表示の表示態様を変化させやすくして、可変表示に対する遊技興趣の低下を抑制することができる。
また、識別情報の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに前記対応表示を複数回変化させることで(アイコン表示変化演出参照)、可変表示に対する期待感を持続させることができる。
また、特定表示が変化するときと、対応表示が変化するときとに、前記特定表示と前記対応表示とのうち少なくとも一部に制限を設ける制限演出を実行してもよい。このような構成においては、いずれの表示が変化するかにより注目させることにより、遊技興趣を向上させることができる。例えば、保留表示予告が実行されるときと、アイコン表示変化演出が実行されるときには、例えば図36に示すような表示制限用の演出画像SVを表示することによる制限演出を実行することで、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRにおける保留表示とアクティブ表示部AHAにおけるアクティブ保留表示とのうち少なくとも一部に制限を設ける。こうして、複数の保留表示とアクティブ保留表示とを含めたいずれの表示が変化するかに遊技者をより注目させることにより、遊技興趣を向上させることができる。なお、制限演出として、互いに演出態様が異なる複数種類の演出を用意してもよい。制限演出は、例えば画像表示装置5の表示領域に表示制限用の演出画像を表示すること、第1保留表示部5HLや第2保留表示部5HRやアクティブ表示部AHAにて半透明表示や透明表示や縮小表示を行うこと、あるいは演出用模型(可動部材)を退避状態から進出状態に移行させて進出状態のときに保留表示やアクティブ保留表示を隠蔽することなどにより、保留表示やアクティブ保留表示の一部または全部を遊技者が視認不可能または視認困難となるように制限するものであればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連変動の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
なお、図柄の可変表示について、変動中に表示されるものは1種類のハズレ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。更に変動中に表示されるものが、図柄の停止時(表示結果の導出時や仮停止時)に表示されるものでなくてもよい(例えば、表示機器が7セグメントなどの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはない等)。このように、パチンコ遊技機1は、識別情報の可変表示や可変表示を実行し、表示結果(可変表示中に表示される識別情報に限られない。)を導出するものであればよい。
また、上記実施形態では、遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射して、特別図柄や飾り図柄を可変表示するパチンコ遊技機1に、特定演出が実行されることを認識可能に報知するための構成や、操作内容に応じて異なる特典を付与するための構成などを、設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも、この発明の特徴となる構成や機能を適用することができる。例えば、スロットマシンにおいては、未だ開始されていない可変表示についてその可変表示における有利状態への移行(例えば、ボーナスやアシストタイムやこれらの高確率状態への移行)又は特定事象の発生(例えば、アシストタイムのセット数又は回数の上乗せ報知やリールの回転の仮停止の発生や特定役の成立等)の期待度を特定表示として表示するとともにし、実行中の可変表示についてその可変表示における有利状態への移行又は特定事象の発生の期待度等を対応表示として表示するものについて、本願発明を適用することができる。
先読み予告演出についての始動入賞時の先読み判定(入賞時乱数値判定処理による大当り判定など)を演出制御基板12側で行ってもよい。例えば、主基板11側から保留データを示すコマンド(乱数値を示す演出制御コマンドなど)を送信し、演出制御基板12側で、当該コマンドに基づいて始動入賞時の先読み判定を行い、当該判定結果に基づいて実行の有無及び態様を決定してもよい。なお、上記実施の形態では、アクティブ保留表示の変化(アクティブ保留表示についての保留表示予告)の実行の有無などの決定は、先読み判定結果に基づいて行われているが、当該アクティブ保留表示に対応する可変表意の変動パターンに基づいて行われるようにしてもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、各種遊技や演出の決定割合、画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体における点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。