<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図33を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64,65a等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図6参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
変動演出とは、第3図柄表示装置81にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(後述の第1入球口64。図2参照。)へ入球(以下、第1入球口64への球の入球を「始動入賞」という場合がある)したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該始動入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
なお、「リーチ表示」とは、第3図柄表示装置81において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図4参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図4参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
第1実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」演出を実行する一単位の要素(以下、演出を実行する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行されて、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行されて、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。各「リーチ表示」及び「変動要素」の詳細については、後述する。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や、第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
なお、第3図柄表示装置81にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展されるときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が選択されたりしてもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図6参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図6参照)で行われる各制御に応じた第1図柄の変動表示(以下、第1図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって動的表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」が用意されている。
LED37aには、第1入球口64への入球に伴って実行される変動終了後の停止図柄として、大当たり抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、「時間短縮状態」へ移行して所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は「時間短縮状態」となる大当たりのことである。
また、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした高確率状態、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。第1実施形態における高確率状態(確変中、確変状態)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、「確率変動状態」の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「時間短縮状態(所謂、時短状態)」とは、大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であると共に、第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時間短縮状態」において、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間を「時間短縮状態」以外の場合よりも長くしたり、1回の当たりで電動役物が開放する回数を「時間短縮状態」以外の場合よりも多くしたりしてもよい。また、「時間短縮状態」において、第2図柄の当たり確率のアップと、電動役物の開放時間の長時間化と、電動役物の開放回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示(以下、第2図柄の変動表示を「可変表示」という)するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図6参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図4参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図4参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4及び図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。また、図5(a)〜図5(d)は、主表示領域Dmにおいて、後述する「リーチ表示」が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷を模式的に示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に「確率変動状態(確変状態)」に移行すると共に最大15ラウンドの大当たりが付与される場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。同じく大当たり終了後に「確率変動状態」に移行すると共に最大2ラウンドの大当たりが付与される場合は、特定の図柄番号の組み合わせ(例えば、「341」)の主図柄(所謂「突確図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、大当たり終了後に「時間短縮状態(時短状態)」に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。また、第3図柄表示装置81の表示画面における下底辺側中央部分には、保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbが設けられている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。「大当たり表示」。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、第1入球口64に入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動演出(動的表示)が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbが表示されている場合は、該コクピット表示領域Dbに設けられた第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4おいても示される。第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4には、保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、各保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、第1保留図柄表示領域Db1に1つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が1回であることを示し、第1・第2保留図柄表示領域Db1,Db2にそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が2回であることを示し、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3にそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が3回であることを示し、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、保留球数が4回であることを示す。また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に保留図柄が表示されていない場合は、保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、コクピット表示領域Dbには、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1の左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1〜Db4より大きく構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が実行図柄表示領域Db0へシフトして実行図柄として表示する場合に、第1保留図柄表示領域Db1に表示されていた保留図柄が拡大しながら移動表示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄として表示されるように構成されている。具体的には、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、第1保留図柄表示領域Db1に表示される保留図柄より大きく(例えば、半径が2倍)表示されるように構成されている。
なお、第1保留図柄表示領域Db1から実行図柄表示領域Db0へ保留図柄をシフトする場合に、拡大しながら移動表示する態様の他に、第1保留図柄表示領域Db1に表示されている保留図柄を一旦見えなくした後、実行図柄表示領域Db0に実行図柄として再表示するパターンや、第1保留図柄表示領域Db1に表示されている保留図柄をモーフィングしながら実行図柄表示領域Db0へ実行図柄として表示するように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、第1保留図柄表示領域Db1に保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、第2保留図柄表示領域Db2に保留図柄が表示されていた場合、第1保留図柄表示領域Db1における保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、第3保留図柄表示領域Db3に保留図柄が表示されていた場合、第2保留図柄表示領域Db2における保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、第4保留図柄表示領域Db4に保留図柄が表示されていた場合、第3保留図柄表示領域Db3における保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、赤色の表示態様の「赤」、又は、虹色の表示態様の「虹」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(白)から別の表示態様(例えば、「青」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(白)より「青」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青」より「赤」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤」より「虹」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。「保留変化予告」の設定割合等については後述する。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤」である場合には、その「赤」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(以下、主とする演出の態様を「演出態様」という)、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様又は「特殊変動」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹」である場合には、その「虹」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、第1実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(白)→「青」→「赤」→「虹」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、第4保留図柄表示領域Db4において保留図柄の表示色が「赤」に変化した場合、該保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3→第2保留図柄表示領域Db2→第1保留図柄表示領域Db1→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。この「保留変化予告」の詳細については、後述する。
なお、第1実施形態においては、第1入球口64への入球に基づく変動演出の保留球数は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
ここで、図5を参照して、変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素および「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷について説明する。図5(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」の変動要素)」が現出される間際(直前)の状態を示した図である。図5(b)は、図5(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素が開始され、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図5(c)は、図5(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が開始され、コクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図5(d)は、図5(c)の状態から副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。
なお、以降の説明において、説明の便宜上、第3図柄を表現する場合に、図において数字図柄のみで主図柄を表現し、木箱よりなる後方図柄やキャラクタを模した付属図柄については省略して表現し、その説明についても省略する。また、図5において、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展する「リーチ表示」として「スーパーリーチ」の変動要素を例示して説明するが、「スーパーリーチ」の変動要素と「スペシャルリーチ」の変動要素とは、背景表示やキャラクタ図柄、変動時間等の演出内容は異なるものの、副表示領域Dsやコクピット表示領域Db等の画面構成(消去又は再表示等)は同様の構成であるので、「スーパーリーチ」の変動要素を「スペシャルリーチ」の変動要素に置き換えることは可能である。
まず、図5(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図5(b)では、図5(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。これは、副表示領域Dsは、上述したように、主として主表示領域Dmにおける変動演出で「リーチ表示」が発生するか否かを示唆する機能を担っており、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、副表示領域Dsの存在意義が薄れるからである。
また、遊技者は、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合に、該「リーチ表示」の結果が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるか否かに着目するものであり、「リーチ表示」の発生を示唆する副表示領域Dsの表示内容への注目は薄れてしまう。
従って、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするべく、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
この図5(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図5(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図5(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されずに継続表示されるように構成されている。これは、「ノーマルリーチ」の変動要素は、該「ノーマルリーチ」の変動要素のみの変動演出では大当たり抽選に外れる場合が多く「ハズレ表示」が現出する可能性が高い。そして、「ノーマルリーチ」の変動要素が「ハズレ表示」となった場合には、次の変動演出が直ちに開始されるため、次の変動演出が保留されているか否かを遊技者に示唆する必要がある。従って、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示を維持(継続表示)し、遊技者に対して変動演出の保留球数がいくつ存在するかを示唆するように構成されている。
また、コクピット表示領域Dbは、副表示領域Dsより小さい表示であるので、「ノーマルリーチ」の変動要素時に表示し続けたとしても、該「ノーマルリーチ」の変動要素の演出を阻害することない。よって、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示しても実害がない。
さらに、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、上述した「保留変化予告」を実行可能であり、実行中の変動演出の内容を示唆する実行図柄においても、該「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示するように構成されている。即ち、実行図柄の表示態様によって実行中の変動演出の大当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成されている。よって、遊技者に実行図柄の表示態様を「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に確認させることで、実行中の「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素へと発展して大当たりするか否かを、遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
具体的には、例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に、実行図柄が通常の表示態様である「白」や、該「白」より一段階大当たり期待度が高い「青」で表示されていた場合、遊技者は、該「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素に発展して大当たりとなる可能性が低いことを予測する。一方、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に、実行図柄が「赤」や「虹」で表示されていた場合、遊技者は、該「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素に発展して大当たりとなることや、該「ノーマルリーチ」の変動要素のままであっても「大当たり表示」が現出することを予測する。従って、「保留変化予告」を備えたパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中において上記興趣を遊技者に与えるため、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示するように構成されている。「保留変化予告」の詳細については後述する。
図5(c)では、図5(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄に基づく「リーチ表示」が発生したことを示す図柄(以下、この「リーチ表示」が発生したことを示す図柄を「リーチ形成図柄」という)が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図5(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」(「スペシャルリーチ」の変動要素では「競争演出」)が表示されている。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出(第1実施形態では、キックボクシング)が実行される。「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が勝利すれば大当たりとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「バトル演出」において、敵側のキャラクタ図柄が勝利した場合はハズレとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
また、図5(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上、かつ、リーチ形成図柄の下側に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)のリーチ形成図柄が新たに現出表示されるように構成されている。
実行中の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たりへの期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素が発生した場合、遊技者は、保留(待機)中の変動演出がいくつあるかよりも、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかに着目している。このため、実行前の変動演出の保留球数を示す保留図柄に着目していない。むしろ、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbによって保留図柄を表示してしまうと、遊技者が「スーパーリーチ」の変動要素の演出に集中することができず、遊技者は保留図柄の表示に対して煩わしさを感じてしまう場合がある。
また、コクピット表示領域Dbの第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出には直接的な関係を有さないものである。さらに、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出の表示制御とは異なる設定(抽選)処理(音声ランプ制御装置113では、変動演出に関しては後述する変動演出処理(図31参照)。保留図柄に関しては後述する保留表示設定処理(図30参照)。)に基づいて表示制御されるものである。一方、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、様々なキャラクタ図柄を現出させたり、各キャラクタ図柄等に多くのエフェクト表示を行うことよって、表示制御の処理負担が増加している状況である。このような状況において、実行中の変動演出とは直接的に関係がない複数の保留図柄の表示制御を行うと、各保留図柄分、第3図柄表示装置81全体の表示制御に関する処理負担が増加してしまい、所謂コマ落ち等の表示異常が発生してしまうおそれがある。
さらに、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継ぐ(受け継ぐ)ため、実行中の変動演出と直接的な関係を有するものであるが、該「保留変化予告」は、「大当たり表示」の現出期待度を示唆すると共に、「リーチ表示」の現出期待度を示唆するものである。このため、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合には、「保留変化予告」としての「リーチ表示」の現出期待度の示唆を全うしている状態である。また、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合には、「スーパーリーチ」の変動要素という大当たり期待度が高い「リーチ表示」の実行によって、「大当たり表示」の現出期待度の示唆を一定程度(例えば、半分)満たしている状態である。さらに、上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素の演出内容に着目しており、実行図柄における「保留変化予告」の表示態様に対する関心は薄れている。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去し、表示画面において主として「スーパーリーチ」の変動要素の演出を実行することで、遊技者を「スーパーリーチ」の変動要素の演出に注目(集中)させることができる。また、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去することで、その表示制御にかかる負担を軽減することができ、コマ落ち等の表示異常が発生することを防止することができる。
また、この図5(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。「スーパーリーチ」の変動要素の演出は、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかを示すものであるが、第3図柄の表示態様とは直接的な関係を有さないキャラクタ図柄によって行われるため、仮に第3図柄が全く表示されていない状態で「スーパーリーチ」の変動要素中の該キャラクタ図柄のみに着目してしまうと、その演出が「リーチ表示」なのか否かが認識できない場合(例えば、「デモ画面」と勘違いする場合)がある。また、「スーパーリーチ」の変動要素の演出は、所定時間(例えば、10秒)行われるため、「スーパーリーチ」の変動要素中にいずれの第3図柄によって「リーチ表示」が発生したか遊技者が忘れてしまう場合がある。ただし、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中にリーチ形成図柄を大きく表示してしまうと、「スーパーリーチ」の変動要素の演出が見難くなってしまい、「スーパーリーチ」の変動要素の演出自体を阻害してしまうおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素中において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった第3図柄のリーチ形成図柄を小さく表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素の演出を阻害することなく「リーチ表示」が発生していることを遊技者に示唆すると共に、「リーチ表示」を発生した第3図柄の種類を遊技者に明確に示唆させることができる。
また、この図5(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上(「リーチ表示」の下側)には、変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が表示されている。上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されるため、遊技者はコクピット表示領域Dbの表示内容によって保留されている変動演出の回数を全く認識できないおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、コクピット表示領域Dbを消去する代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、変動演出の保留球数を示す数字図柄を表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の変動要素の演出中に、該「スーパーリーチ」の変動要素の演出を阻害することなく、遊技者に保留されている変動演出の回数を示すことができる。
図5(d)では、図5(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の演出にハズれて(敵キャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した表情を示す態様で表示されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して変動演出が停止表示(確定表示)される場合、第3図柄表示装置81の表示状態が初期状態、即ち、主表示領域Dm、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbのそれぞれが表示された状態となるように構成されている。このように構成することで、変動演出が停止表示(確定表示)したことを遊技者に認識し易くすると共に、保留(待機)中の変動演出があった場合に、スムースに次の変動演出を実行させることが可能となる。従って、「スーパーリーチ」の変動要素が終了した場合に、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が再表示されることは、変動演出の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
以上、図5(a)から図5(d)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出における各タイミングにおいて、主表示領域Dmの表示状態を拡大若しくは縮小、副表示領域Dsの表示状態を表示、非表示(消去)若しくは再表示、及び、コクピット表示領域Dbの表示状態を表示、非表示(消去)若しくは再表示することで、各タイミングにおいて重要度が高い表示内容を遊技者に認識させ易くできるように構成されている。
なお、変動演出における各タイミングにおいて、主表示領域Dm、副表示領域Ds、又は、コクピット表示領域Dbの表示状態を適宜組み替えて変動演出を実行するように構成してもよい。具体的には、例えば、主表示領域Dmと副表示領域Dsとを表示して、コクピット表示領域Dbを消去して変動演出を実行してもよいし、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbを縮小表示しつつ、主表示領域Dmを拡大表示して変動演出を実行するように構成してもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
球の第2入球口67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。そして、第2図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、第2図柄の可変表示は、第1実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図6参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、第3図柄表示装置81にて変動演出が実行される。第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64には、その第1入球口64へ球が入球する開口部を覆う2枚の羽根を有する電動役物が設けられている。電動役物は、2枚の羽根を開閉することによって、第1入球口64を開放状態(拡大状態)または閉鎖状態(縮小状態)とする。通常時において、第1入球口64は、電動役物の羽根が閉じた(羽根が上方に起立した)閉鎖状態となっており、球が第1入球口64へ入球できない、または、入球しづらい状態となっている。
一方、第2図柄表示装置83における可変表示が「○」の図柄で停止すると、第1入球口64の電動役物が所定時間だけ作動される。電動役物が作動されている間、電動役物の羽根が上方に起立した状態から。略V字形(逆ハの字形)に可動した状態となり、第1入球口64が開放状態となる。第1入球口64が開放状態になると、球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。つまり、第2図柄表示装置83における可変表示の結果として「○」の図柄で停止して当たりとなり、第1入球口64が開放状態となった場合に、第1入球口64へ球が入球して大当たり抽選が多く行える状態とすることができる。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110(図6参照)での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
可変表示装置ユニット80の左方および右方には、それぞれ、第2入球口67が設けられている。第2入球口67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。遊技領域に発射された球が、第2入球口67を通過すると、貫通孔に設けられた第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で、第2図柄(普通図柄ともいう)の当たり抽選が行われる。
第2入球口67を通過した球に対して行われた第2図柄(普通図柄)の抽選の結果、当たりと判定された場合には、第2図柄表示装置83における可変表示を経て「○」の図柄が停止表示された後に、第1入球口64の電動役物が作動する。これにより、第1入球口64へ球が入球することを困難としている電動役物の羽根が略垂直に起立した状態から略V字形(逆ハの字形)に可動して、所定時間だけ球が第1入球口64へ入球できる状態、または、閉鎖状態に比して球が入球しやすい状態となる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定、第2図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図8から図13を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、第1図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である4ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図26参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から第1当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図8(a)を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図8(a)は、大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」および「時間短縮状態」である低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、「0〜899」の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1では、低確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
尚、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図7に戻って、説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203b内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。ここで、図8(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図8(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図8(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に大当たり確率が高確率状態となる「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に大当たり確率が低確率状態となると共に、100変動回数の間は「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」、及び、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」がある。なお、以降の説明において、「15R確変大当たり」と「15R通常大当たり」との15ラウンドの大当たりについて「15R大当たり共通」と説明する場合がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図8(b)の例では、「15R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、「15R通常大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、「2R確変大当たり」に対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、第1実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で「15R確変大当たり」が選択され、40%の確率で「15R通常大当たり」が選択され、20%の確率で「2R確変大当たり」が選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
なお、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける第1当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図7に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様と、「2R確変大当たり」が選択された場合に発生する「特殊変動」演出態様との6つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様別について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図4(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生させない演出態様である。
ここで、「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図4参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている状態をいう。この「高速変動」の変動要素では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図4(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている状態をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図4(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図4(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図5(b)参照)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、上記「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図4(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(第1実施形態では、キックボクシング)」を行う(図5(c)参照)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、上記「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図4(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図4(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(第1実施形態では、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「特殊変動」演出態様とは、「2R確変大当たり」に当選した場合にもれなく実行される演出態様である。この「特殊変動」演出態様では、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが消去され、主表示領域Dm全体が通常の背景表示から変化して、「2R確変大当たり」が発生することを示唆する「ムービー」演出が表示される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち第1当たり乱数カウンタC1が格納される保留エリアと同じ保留エリアに格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、上記待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、および、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様ごとに大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、および、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様ごとに大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202d(例えば、Cテーブル202d3(図11(a)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照))するように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、変動演出の待機回数が上限に達している状態における第1入球口64への入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、変動演出の待機回数は最大4回と上限が設けられていると共に、変動出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」や「時間短縮状態」における第1入球口64へ球が入球し易い遊技状態では、第3図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第3図柄の最大保留球数に到達した状態での第1入球口64への入球が頻発し、折角、第1入球口64へ入球したにもかかわらず、第3図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第3図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第3図柄の保留球数が消化されないため、その間に第1入球口64への入球が発生しても、第3図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、第1入球口64へ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202d(例えば、Bテーブル202d2(図10(b)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄の最大保留球数に到達している状態での第1入球口64への入球を未然に防止することができる。
さらに、第3の理由として、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに第1入球口64に球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、第1入球口64へ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1(図10(a)参照))に基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
ここで、図9から図11を参照して、保留数テーブル202c及び停止パターンテーブル202dの詳細について説明する。図9は、保留数テーブル202cを模式的に示した図である。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64に球が入球したことに基づいて変動演出を行う場合に、保留数テーブル202cを参照して、該変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、同じくその時点における変動演出の保留数とに基づいて、いずれかの停止パターンテーブル202d1〜202d4を選択するように構成されている。そして、選択された停止パターンテーブル202d1〜202d4のいずれかと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様が決定される。
具体的には、図9の保留数テーブル202cで示すように、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」若しくは「2個or3個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「1個」の場合には、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1(図10(a)参照)が選択される。また、「通常遊技状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「4個」の場合、又は、「確率変動状態」若しくは「時間短縮状態」のハズレ抽出時であって保留球数が「2個or3個」若しくは「4個」の場合には、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2(図10(b)参照)が選択される。さらに、「15R大当たり(「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」)」の抽出時には、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3(図11(a)参照)が選択される。また、「2R確変大当たり」の抽出時にも、いずれの遊技状態又は保留球数であっても、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4(図11(b)参照)が選択される。
即ち、いずれかの大当たりに当選した場合は、その時点での保留球数や遊技状態に関係なく、大当たりの種別のみに基づいて停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3又はDテーブル202d4)が選択され、大当たりに当選しなかった場合(即ち、ハズレ時)にのみ、その時点での保留球数や遊技状態に基づいて停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が選択される。
なお、大当たりに当選した場合においても、保留球数に応じて停止パターンテーブル202dが異なるように構成してもよい。例えば、大当たりに当選した場合に保留球数が多いとき、比較的短い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、「高速変動」の変動要素が3秒間の「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様等)を選択し得るように構成してもよい。この場合、「リーチ表示」が実行される各演出態様において、「高速変動」の変動要素の部分の時間のみが7秒間から3秒間のみに変更された演出態様を選択するように構成する。このように構成することで、例えば、最大保留球数が4回ある状態で変動演出を開始する場合に、「高速変動」の変動要素が3秒間で行われたとしても、該3秒間の「高速変動」の変動要素が終了した時点(3秒間の「高速変動」と認識した時点)では、その変動演出において「リーチ表示」が発生することがあり、3秒間の「高速変動」の変動要素が行われた場合であっても、「非リーチ(短縮)」以外の「リーチ表示」が実行される演出態様が実行されるように構成することで、3秒間の「高速変動」の変動要素の実行時点では該変動演出が大当たりとなるかハズレとなるか分からなくすることができる。
また、「確率変動状態」や「時間短縮状態」において、大当たりに当選していない場合に、保留球数が少ないときは、比較的長い変動パターンが選ばれ易い停止パターンテーブル202d(例えば、Aテーブル202d1)を選択するように構成してもよい。このように構成することで、「確率変動状態」や「時間短縮状態」においても、第3図柄表示装置81で変動演出が実行されている状態を維持し易くでき、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
次に、図10及び図11を参照して、各停止パターンテーブル202dについて説明する。図10は、ハズレ時に選択され得る停止パターンテーブル202dの示した図であり、図10(a)は、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1の一例を模式的に示した図であり、図10(b)は、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図11は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dを模式的に示した図であり、図11(a)は、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3の一例を模式的に示した図であり、図11(b)は、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4の一例を模式的に示した図である。
図10(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様別に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98」,「99」に設定されている。なお、Aテーブル202d1では、「非リーチ(短縮)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(短縮)」演出態様は選択されないように設定されている。
次に、図10(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのBテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「74」に設定され、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「75」〜「94」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「95」〜「97」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「98,99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、「非リーチ(通常)」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「非リーチ(通常)」演出態様は選択されないように設定されている。
即ち、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。また、Bテーブル202d2では、「非リーチ(短縮)」演出態様が75%、「ノーマルリーチ」演出態様が20%、「スーパーリーチ」演出態様が3%、「スペシャルリーチ」演出態様が2%、の選択割合となるように設定されている。
よって、Aテーブル202d1では、「非リーチ(通常)」演出態様が選択され、Bテーブル202d2では、「非リーチ(通常)」演出態様の代わりに「非リーチ(短縮)」演出態様が選択されるように構成されている。従って、Aテーブル202d1は、Bテーブル202d2と比べて選択される変動演出の変動時間が比較的長くなり易いといえる。換言すれば、Bテーブル202d2は、Aテーブル202d1と比べて選択される変動演出の変動時間が短くなり易いといえる。なお、Aテーブル202d1とBテーブル202d2との「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様及び「スペシャルリーチ」演出態様の選択割合は同じに設定されている。
このように、ハズレの抽選結果が抽出された場合に、保留中の変動演出の保留球数に基づいて、変動演出の演出態様を選択するように構成する。例えば、変動演出の保留球数が多い場合には、変動演出時間が短い「非リーチ(短縮)」演出態様を選択し易くする。これにより、変動演出の保留球数が多い場合に、実行される変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高めることができる。
また、例えば、変動演出の保留球数が少ない場合には、第1入球口64への球の入球時間を確保するために、「非リーチ(短縮)」演出態様より変動演出時間が長い「非リーチ(通常)」演出態様を選択し易くする。これにより、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択される場合より変動演出時間の長い「非リーチ(通常)」を行うことができるので、第1入球口64への球の入球時間を確保し易くなり、第3図柄表示装置81における変動演出の実行時間中に新たな始動入賞が発生する可能性を高くすることで、変動演出が実行されている状況を維持することができる。
次に、図11(a)で示すように、停止パターンテーブル202dのCテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「0」〜「4」に設定され、「スーパーリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「5」〜「39」に設定され、「スペシャルリーチ」演出態様に対応した停止パターン選択カウンタC3の範囲が「40」〜「99」に設定されている。なお、Cテーブル202d3では、「特殊変動」演出態様に対して停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られておらず、該「特殊変動」演出態様は選択されないように設定されている。また、Cテーブル202d3は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであるので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
次に、図11(b)で示すように、停止パターンテーブル202dのDテーブル202d4では、「特殊変動」演出態様のみに停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られ(「0」〜「99」)、他の「リーチ表示」には停止パターン選択カウンタC3の値が割り振られていない。従って、「2R確変大当たり」に当選した場合に選択される停止種別は必ず「特殊変動」演出態様となるように設定されている。なお、Dテーブル202d4は、大当たり時に選択される停止パターンテーブル202dであるので、「非リーチ」演出態様は選択されない。
即ち、Cテーブル202d3では、「ノーマルリーチ」演出態様が5%、「スーパーリーチ」演出態様が35%、「スペシャルリーチ」演出態様が60%、の選択割合となるように設定されている。また、Dテーブル202d4では、「特殊変動」演出態様が100%の選択割合となるように設定されている。
よって、大当たり当選時の変動演出において、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順で選択割合が高く、ハズレ時の変動演出において、「ノーマルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「スペシャルリーチ」演出態様の順で選択割合が高くなるように設定されている。従って、各「リーチ表示」の現出時における大当たり期待度は、「スペシャルリーチ」演出態様>「スーパーリーチ」演出態様>「ノーマルリーチ」演出態様の順に大当たりの表示結果が現出する可能性が高くなるように構成される。これにより、変動演出の演出態様によって遊技者に大当たりへの期待度を示すことができ、遊技者が実行された変動演出の演出態様に応じて大当たりへの高揚感を味わうことができる。
なお、第1実施形態では、ハズレの変動演出における演出態様に選択において、変動演出の保留球数に基づいて選択される停止パターンテーブル202dが異なるように構成されているが、第1入球口64への球の入球時に基づく変動演出の決定と、該入球に基づく変動演出の開始時に基づく変動演出の決定とで、実質的に同一の演出態様が選択されるように構成されている。具体的には、ハズレの変動演出である場合は、変動演出の保留球数に基づいて、Aテーブル202d1又はBテーブル202d2のいずれかが選択されるように構成されているが、Aテーブル202d1とBテーブル202d2とでは、「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値が同一であり、また、他の演出態様に割り振られた停止パターンカウンタC3の値もそれぞれ同一に設定されている。
即ち、変動演出の保留球数に基づいて、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択されるか、「非リーチ(通常)」演出態様が選択されるかが異なるのみであるので、実質的同一の演出態様が選択される。よって、始動入賞時に選択される演出態様と、変動開始時に選択される演出態様とは、遊技状態が遷移(例えば、「通常遊技状態」から「確率変動状態」)した場合であっても、実質的に同一の演出態様が選択される。その結果、始動入賞時に選択された演出態様に基づいて「保留変化予告」等の先読み予告を行った場合であっても、該先読み予告の対象となった変動演出において、該先読み予告の内容に対して齟齬が発生しない演出を実行することができる。
以上より、変動演出の当否と、その時点における遊技状態と、その時点における変動演出の保留球数とに基づいて、実行する変動演出の演出態様を決定することにより、遊技が行われている状況に基づいて変動演出の実行時間を短くし、変動演出の実行回数を多くすることで、変動演出の実行効率を高める演出態様を選択することができる。
なお、変動演出の保留球数が多い場合(例えば、「4」個)に、「リーチ表示」が選択されたとき、各「リーチ表示」の「高速変動」の変動要素が短縮された停止パターンテーブル202dを設けてもよい。また、変動演出の保留球数が多い場合に、各演出態様において「低速変動」の変動要素を省略した停止パターンテーブル202dを設けてもよい。さらに、変動演出の保留球数に応じて、各演出態様の選択率が全く異なる停止パターンテーブル202dを設けてもよい。ただし、変動演出の保留球数に応じて各演出態様の選択率が異なるような場合は、「保留変化予告」等の先読み予告を行う上で、先読み予告実行決定時における保留球数と、該先読み予告の対象となった変動演出の実行時における保留球数とが異なる場合がある。このような場合、先読み予告の内容と変動演出の内容との整合性を保つ処理が必要となるため、処理が煩雑となる。
図7に戻って説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図20参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図26参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高める。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、図12及び図13を参照して、変動パターンテーブル202eの詳細について説明する。本パチンコ機10は、変動パターンテーブル202eとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202e1と、ハズレ時に用いられるハズレ用変動パターンテーブル202e2とが用意されている。図12は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202e1の一例を模式的に示した図である。
大当たり用変動パターンテーブル202e1は、選択された演出態様に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、演出態様として、「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E5:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E6:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「E7:スペシャルリーチ」用と、「特殊変動」演出態様が決定された場合に参照される「E8:特殊変動」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別と、その始動入賞時点での遊技状態と、同じく始動入賞時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいて大当たり用変動パターンテーブル202e1の中で参照するグループ(群)を決定する。その大当たり用変動パターンテーブル202e1のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E5:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が20秒の「ノーマルリーチのみ」と、全体の変動時間が30秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ」と、全体の変動時間が40秒の「疑似連1+ノーマルリーチ」と、全体の変動時間が30秒の「ノーマルリーチ+再変動」と、全体の変動時間が40秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動」と、全体の変動時間が50秒の「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動」との6つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
ここで、図14を参照して、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。図14は、変動演出の変動要素ごとの演出時間の一例を示した図である。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」、「低速変動」、「疑似ガセ」、「疑似連1」、「疑似連2」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「スペシャルリーチ」、「再変動」及び「ムービー」が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に3秒間行われ(図14参照)、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に7秒間行われる(図14参照)。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、7秒間の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に3秒間行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似ガセ」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、7秒間の「高速変動」の変動要素と3秒間の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、3秒間の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似ガセ」の変動要素とは、後述する「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素(以下、「疑似連1」の変動要素と「疑似連2」の変動要素とを総称して「「疑似連」の変動要素」という場合がある)を発生するか否かの演出を行うが、該「疑似連」の変動要素を発生しない変動要素である。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回以上)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が、1回の変動演出の間に複数回行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が少なくとも1回以上停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図4(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)が行われ、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しない変動要素である。従って、この「疑似ガセ」の変動要素は、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了する。
「疑似連1」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の後の「疑似変動」の実行後に所定の停止結果が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後の2回目の「疑似変動」では再び所定の停止結果が現出せずに「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連1」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。従って、「疑似連1」の変動要素の終了後は、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、そのまま変動演出が終了する。
「疑似連2」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後の「疑似変動」の実行後に所定の停止結果が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後の2回目の「疑似変動」で再び所定の停止結果が現出し、3回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連2」は、疑似停止が合計2回行われ、各疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似連2」の変動要素が「疑似連」の変動要素の中で最大疑似変動回数に設定されている。従って、「疑似連1」の変動要素の終了後は、必ず「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する。
よって、「疑似ガセ」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に疑似連チャンス目が停止しない演出であり、合計で10秒間行われる。「疑似連1」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に疑似連チャンス目が停止し、その後、「疑似変動」が行われ、該「疑似変動」では疑似連チャンス目ではなくリーチ形成図柄が現出する演出であり、合計で20秒間行われる。「疑似連2」の変動要素は、最初の「低速変動」の変動要素の後に1回目の疑似連チャンス目が停止し、その後、1回目の「疑似変動」が行われ、該1回目の「疑似変動」で再び疑似連チャンス目が停止し、その後、再び「疑似変動」が行われてリーチ形成図柄が現出する演出であり、合計で30秒間行われる(図14参照)。
上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似ガセ」の変動要素の実行後は、所定の停止結果を現出せずそのまま「ハズレ表示」を現出するパターンと、所定の停止結果を現出しないがリーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」の変動要素が発生するパターンとが用意されている。また、「疑似連1」の変動要素の実行後は、「疑似ガセ」の変動要素と同様、所定の停止結果を現出せずそのまま「ハズレ表示」を現出するパターンと、所定の停止結果を現出しないがリーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」の変動要素が発生するパターンとが用意されている。さらに、「疑似連2」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出することはなく、リーチ形成図柄が停止して、「ノーマルリーチ」が発生するパターンが用意されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「疑似連2」の変動要素は、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様が選択されている場合にのみ選択されるように構成されている。よって、「疑似連2」の変動要素が行われた場合は、その後に「ノーマルリーチ」の変動要素を経由して「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が発生することが確定する。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」の実行タイミングとして、変動演出の変動開始から「リーチ表示」が実行される前までの間、即ち、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素の実行中に実行図柄が変化する「リーチ前」の実行タイミングが設けられているが、「疑似連」の変動要素が実行されることで該「リーチ前」の期間が延長されることから、遊技者としては「保留変化予告」の実行タイミングが増加したかのように感じ、「疑似連」が実行されることに基づいて大当たり信頼度が高まる興趣と、「保留変化予告」が実行される可能性が増加したことによる興趣とを堪能することができるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、疑似停止回数(疑似連チャンス目停止回数)が3回以上の「疑似連」の変動要素を設けてもよい。また、「疑似変動」を実行せずに「低速変動」の変動要素において所定の停止結果を現出させて「疑似連」の変動要素に関する演出に発展させるように構成してもよい。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素又は「疑似連2」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」等の変動要素後に10秒間行われる(図14参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンとが用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に10秒間行われる(図14参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンとが用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に20秒間行われる(図14参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンとが用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」の変動要素後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に10秒間行われる(図14参照)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「再変動」が実行された場合は、その後に必ず「大当たり表示」が現出するように構成されている。
「ムービー」の変動要素は、「2R確変大当たり」に当選している場合に「低速変動」の実行後に行われ、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」を現出させる変動要素である。この「ムービー」の変動要素は、「低速変動」後に40秒間行われ(図14参照)、主表示領域Dm全体において特定のキャラクタ図柄(例えば、プレミアキャラ)が所定のメッセージを語るような演出を実行する(図示せず)。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ムービー」の変動要素の実行後は、「2R確変大当たり」に対応する「大当たり表示」が現出するパターンのみが用意されている。即ち、「ムービー」が実行された場合は、その後に必ず「2R確変大当たり」の「大当たり表示」が現出するように構成されている。
図12に戻って説明を続ける。図12で示す例では、「E5:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ノーマルリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」に対して「20〜59」、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」に対して「60〜79」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」に対して「80〜99」、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」に対して「100〜199」、となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」の変動パターンが20%、「ノーマルリーチ+再変動(04H)」の変動パターンが10%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが10%、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「ノーマルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(全体の70%)なっており、特に、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが選択され易く(全体の50%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素を含まない「ノーマルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E6:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が30秒の「スーパーリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が40秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」と、全体の変動時間が50秒の「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」と、全体の変動時間が40秒の「スーパーリーチ+再変動(05H)」と、全体の変動時間が50秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」との8つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図12で示す例では、「E6:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スーパーリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」に対して「20〜59」、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」に対して「60〜99」、「スーパーリーチ+再変動(05H)」に対して「100〜119」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」に対して「120〜139」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」に対して「140〜169」、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」に対して「170〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが20%、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」の変動パターンが20%、「スーパーリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが10%、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが10%、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが15%、「疑似連2+スーパーリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが15%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(35%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スーパーリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E7:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が40秒の「スペシャルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が50秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」と、全体の変動時間が50秒の「スペシャルリーチ+再変動(05H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」と、全体の変動時間が80秒の「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」との8つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図12で示す例では、「E7:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スペシャルリーチのみ(01H)」に対して「0〜9」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」に対して「10〜19」、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」に対して「20〜39」、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」に対して「40〜99」、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」に対して「100〜109」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」に対して「110〜119」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」に対して「120〜139」、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」に対して「140〜199」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」の変動パターンが30%、「スペシャルリーチ+再変動(05H)」の変動パターンが5%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動(06H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動(07H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動(08H)」の変動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、「再変動」の変動要素を含む変動パターンと「再変動」の変動要素を含まない変動パターンとが均等(互いに50%)に選択されるようになっている。また、「疑似連2」の変動要素を含む変動パターンが選択され易く(60%)なっている。ただし、「再変動」の変動要素や「疑似連2」の変動要素を含まない「スペシャルリーチのみ(01H)」や「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」も選択されるように構成することで、どの変動パターンからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できる。
大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「E8:特殊変動」には、全体の変動時間が50秒の「ムービー(01H)」の1つのみの変動パターンが用意されている。図12で示す例では、「E8:特殊変動」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ムービー(01H)」に対して「0〜199」となっており、「ムービー(01H)」のみが選択可能に設定されている。つまり、大当たりの停止種別が「2R確変大当たり」となる場合は、変動パターンとして必ず「ムービー(01H)」が選択される。
主制御装置110にて「ムービー(01H)」が選択されると、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて「ムービー(01H)」に対応する詳細な変動パターンが決定される。本パチンコ機10では、「ムービー(01H)」に対応する詳細な変動パターンとして、例えば、第3図柄表示装置81の小領域Ds1,Ds3に「ニワトリ」又は「女の子」等のキャラクタを表示しつつ、最終的に第3図柄が特定の図柄(例えば、「341」)で停止する変動パターンや、特定のランプの点灯や点滅等に伴って、最終的に第3図柄が特定の図柄で停止する変動パターン等が含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、大当たりや「リーチ表示」の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かが、他の変動種別カウンタにより決定されても良いし、リーチが成立した場合に、最後に停止する第3図柄を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後ハズレ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されてもよい。
また、大当たり用変動パターンテーブル202e1において、「2R確変大当たり」専用のグループを設けたが、本パチンコ機10では、「2R確変大当たり」となった場合に、「ムービー(01H)」の変動パターンのみが選択されるので、「2R確変大当たり」専用のグループを設けず、大当たり用変動パターンテーブル202e1では「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」となった場合の変動種別カウンタCS1と変動パターンとの対応付けのみが規定されてもよい。この場合、大当たり種別として「2R確変大当たり」となった場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1を参照せず、変動パターンとして「ムービー(01H)」を決定するようにしてもよい。
また、本パチンコ機10では、「2R確変大当たり」となった場合に「ムービー(01H)」のみが選択されるが、「2R確変大当たり」となった場合に複数の変動パターンの中から1つ変動パターンが選択されるようにしてもよい。この場合は、「15R大当たり共通」のグループのように、「2R確変大当たり」専用のグループにおいても、「2R確変大当たり」となった場合に選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1を対応付け、ある保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定されてもよい。
次に、図13を参照して、ハズレ用変動パターンテーブル202e2について説明する。図13は、ROM202に記憶されるハズレ用変動パターンテーブル202e2の一例を模式的に示した図である。図13に示すように、ハズレ用変動パターンテーブル202e2は、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、演出態様として、「非リーチ(短縮)」が決定された場合に参照される「E0:非リーチ(短縮)」用と、「非リーチ(通常)」が決定された場合に参照される「E1:非リーチ(通常)」用と、「ノーマルリーチ」が決定された場合に参照される「E2:ノーマルリーチ」用と、「スーパーリーチ」が決定された場合に参照される「E3:スーパーリーチ」用と、「スペシャルリーチ」が決定された場合に参照される「E4:スペシャルリーチ」用とに区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
ある保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、ハズレとなる値であった場合に、その時点での遊技状態と、その時点での保留球数と、に基づいて停止パターンテーブル202dを選択し、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値と上記停止パターンテーブル202dとに基づいて演出態様を選択する。そして、その演出態様に基づいてハズレ用変動パターンテーブル202e2の中で参照するグループ(群)を決定する。そのハズレ用変動パターンテーブル202e2のグループ(群)において、同保留エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンが、その保留エリアに保留された変動演出における変動パターンとして決定される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E0:非リーチ(短縮)」には、全体の変動時間が3秒の「非リーチ(短縮)のみ」の1つのみの変動パターンが用意されている。図13で示す例では、「E0:非リーチ(短縮)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「非リーチ(短縮)のみ(01H)」に対して「0〜199」となっており、「非リーチ(短縮)のみ(01H)」だけを選択可能に設定されている。即ち、ハズレ用変動パターンテーブル202e2において「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合、変動種別カウンタCS1がとり得るすべての値(「0〜199」)に対して「非リーチ(短縮)のみ(01H)」が対応付けられている。つまり、「非リーチ(短縮)」演出態様の場合は、変動パターンとして必ず「非リーチ(短縮)のみ(01H)」が選択される。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E1:非リーチ(通常)」には、全体の変動時間が10秒の「非リーチ(通常)のみ(01H)」と、全体の変動時間が20秒の「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」と、全体の変動時間が30秒の「疑似連1+非リーチ(通常)(03H)」との3つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E1:非リーチ(通常)」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「非リーチ(通常)のみ(01H)」に対して「0〜179」、「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」に対して「180〜189」、「疑似連1+非リーチ(通常)(03H)」に対して「190〜199」、となっている。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(通常)」の変動演出では、「非リーチ(通常)のみ(01H)」の変動パターンが90%、「疑似ガセ+非リーチ(通常)(02H)」の変動パターンが5%、「疑似連1+非リーチ(通常)(03H)」の変動パターンが5%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「非リーチ(通常)」の変動演出では、「非リーチ(通常)のみ(01H)」の変動パターンが選択され易く(90%)なっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E2:ノーマルリーチ」には、全体の変動時間が20秒の「ノーマルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が30秒の「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が40秒の「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」との3つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E2:ノーマルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「ノーマルリーチのみ(01H)」に対して「0〜49」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」に対して「50〜149」、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」に対して「150〜199」、となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「ノーマルリーチのみ(01H)」の変動パターンが25%、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが50%、「疑似連1+ノーマルリーチ(03H)」の変動パターンが25%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「ノーマルリーチ」の変動要素を含む変動演出では、「疑似ガセ+ノーマルリーチ(02H)」の変動パターンが選択され易く(50%)なっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E3:スーパーリーチ」には、全体の変動時間が30秒の「スーパーリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が40秒の「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」と、全体の変動時間が50秒の「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E3:スーパーリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スーパーリーチのみ(01H)」に対して「0〜49」、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」に対して「50〜99」、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」に対して「100〜179」、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」に対して「180〜199」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、「スーパーリーチのみ(01H)」の変動パターンが25%、「疑似ガセ+スーパーリーチ(02H)」の変動パターンが25%、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが40%、「疑似連2+スーパーリーチ(04H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スーパーリーチ」演出態様では、「疑似連1+スーパーリーチ(03H)」の変動パターンが選択され易くなっている。
ハズレ用変動パターンテーブル202e2において、「E4:スペシャルリーチ」には、全体の変動時間が40秒の「スペシャルリーチのみ(01H)」と、全体の変動時間が50秒の「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」と、全体の変動時間が60秒の「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」と、全体の変動時間が70秒の「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」との4つの変動パターンが選択可能に用意され、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。
図13の示す例では、「E4:スペシャルリーチ」における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが、「スペシャルリーチのみ(01H)」に対して「0〜79」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」に対して「80〜159」、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」に対して「160〜179」、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」に対して「180〜199」、となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンが40%、「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンが40%、「疑似連1+スペシャルリーチ(03H)」の変動パターンが10%、「疑似連2+スペシャルリーチ(04H)」の変動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時に選択される「スペシャルリーチ」演出態様では、「スペシャルリーチのみ(01H)」の変動パターンと「疑似ガセ+スペシャルリーチ(02H)」の変動パターンとが均等(互いに40%)に選択され易くなっている。
このように、大当たりに当選している場合には、比較的長い変動パターンが選択され易いように構成することで、大当たりが発生する変動演出の演出内容を充実させることで遊技の興趣を向上することができる。また、大当たりに当選していない場合、即ち、ハズレの場合には、比較的短い変動パターンが選択され易いように構成することで、ハズレ時の変動演出の演出内容を短くして、変動演出を効率よく消化することができる。
なお、ハズレ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。
図7に戻り、第2当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜250」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「250」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
第2当たり乱数カウンタC4の値は、第1実施形態ではタイマ割込処理(図20参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149個あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当たりと判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64の電動役物が作動し、第1入球口64が所定時間だけ開放される。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜250」)、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図26参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図26参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図19参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203a、保留球格納エリア203b、保留球実行エリア203cを少なくとも有している。
保留球数カウンタ203aは、4ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図20参照)の中で検出される第1入球口64への入球(以下「始動入賞」と称す)に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる動的表示(第3図柄表示装置81で行われる変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図25のS613)によって、初期値として「0」が設定される。そして、始動入賞が検出されて動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図21のS203参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図22のS305参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図21のS205参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された保留球数カウンタ203aの値だけでなく、その保留球数カウンタ203aの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ(図7参照)より取得される第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファより取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、第1当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の第1当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、第1入球口64への球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
保留球格納エリア203bは、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図7参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図20参照)の中で、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、保留球格納エリア203bに格納する。保留球格納エリア203bは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)を有している(図7参照)。
保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203cへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図7を参照して、保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cの詳細について説明する。保留球格納エリア203b及び保留球実行エリア203cは、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。保留球格納エリア203bは、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶する。
保留球格納エリア203bは、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203b4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1と、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3と、変動種別カウンタ格納エリア203b4とを1つの保留球格納エリア203bの中に設けているが、保留球格納エリアを複数設け、4つの各エリア203b1,203b2,203b3,203b4をいずれかの保留球格納エリアに設けるようにしてもよい。
上述した通り、保留球格納エリア203bには、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い始動入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203cは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203cには、保留球格納エリア203bと同様に、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納する第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1と、第1当たり種別カウンタC2の値を格納する第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203c4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)を、この保留球実行エリア203cの各エリア203c1〜203c4にそれぞれシフトする。そして、保留球実行エリア203cにシフトされたデータを、変動開始処理(図23参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、保留第1エリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1の乱数値を、保留球実行エリア203cの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203c1へシフトする。同様に、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2の乱数値を、第1当たり種別カウンタ格納エリア203c2へシフトし、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203c3へシフトし、変動種別カウンタ格納エリア203b4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203c4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203cへのデータのシフトが終了すると、保留第1エリアが空き状態となるため、保留球格納エリア203bの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、本実施の形態では、保留球格納エリア203bにおいて、データが記憶(保留)されている保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、保留球格納エリア203b内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、保留球格納エリア203bの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203cへシフトされ、保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、保留第2エリアのデータを、保留第1エリアへシフトし、保留第3エリアのデータを、保留第2エリアへシフトし、保留第4エリアのデータを、保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、保留第2エリアのデータのみを、保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、データが記憶(保留)されていない保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図6に戻り、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート425が接続されている。入出力ポート425には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」等の演出態様を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。
ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
「スーパーリーチ」の演出態様を変更する等、ステージの変更以外の目的で枠ボタン22が操作された場合は、表示制御装置114へ枠ボタン操作コマンドを送信する。表示制御装置114では、枠ボタン操作コマンドを受信することで、枠ボタン22の操作に応じた画像を第3図柄表示装置81に表示する。
ここで、図15を参照して、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の詳細な電気的構成について説明する。図15は、主に音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。音声ランプ制御装置113のROM222には、MPU221にて実行される各種制御プログラムの他、固定値データとして、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222c、変動パターンテーブル222d、保留変化テーブル222e、シナリオテーブル222fが少なくとも格納されている。これらのテーブル222a〜222fのうち、テーブル222a〜222dは、いずれも主制御装置110のROM202に設けられた大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202eと同じものである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて、先読み処理を実行する。
そして、この先読み処理によって、その先読み処理の対象となった保留中の変動演出が、結果としてどのような演出となるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定したりする制御を実行する。なお、保留変化テーブル222e及びシナリオテーブル222fの詳細については後述する。
RAM223には、変動開始フラグ223a、サブ保留球数カウンタ223b、保留変化カウンタ223c、シナリオカウンタ223d、保留情報格納エリア223e、実行情報格納エリア223fが少なくとも設けられている。
変動開始フラグ223aは、オン状態で変動演出を開始すべきことを示すフラグである。この変動開始フラグ223aは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされる(図29のS1207参照)。そして、第3図柄表示装置81における変動演出の設定がなされるときにオフされる(図31のS1401参照)。MPU221は、この変動開始フラグ223aがオンされたことを契機として、待機中の変動演出が存在する場合に、該待機中の変動演出を実行させるための変動演出処理(図31参照)を行う。
サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)で行われる変動演出(動的表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数を格納・更新し、サブ保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加されて主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)をサブ保留球数カウンタ223bに格納する(図30のS1301参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動演出の態様を設定すると、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減算する(図31のS1411参照)。このように、保留球数カウンタ203aの更新にあわせて主制御装置110から送信されるコマンドに従って、音声ランプ制御装置113ではサブ保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、サブ保留球数カウンタ223bの値を更新することができる。
サブ保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数をサブ保留球数カウンタ223bに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じてサブ保留球数カウンタ223bの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後のサブ保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する(図30のS1313又は図31のS1412参照)。
また、サブ保留球数カウンタ223bの値は、後述する「保留変化予告」を行う場合において、該「保留変化予告」を実行するタイミングを決定するために参照される。具体的には、後述する保留表示設定処理(図30参照)において、「保留変化予告」を実行すると判定された場合、後述するシナリオカウンタ223d及びシナリオテーブル222fによって「保留変化予告」の実行タイミングを決定する際にサブ保留球数カウンタ223bの値を参照して、その時点における変動演出の保留球数が判定されるように構成されている。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示するように、画像の描画を制御する。
上述したように、サブ保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに表示される保留図柄の数も、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動演出が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
保留変化カウンタ223cは、コクピット表示領域Dbの保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を実行するか否かを抽選するカウンタである。第1実施形態では、上述したように、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である白色から、青色の表示態様の「青」、赤色の表示態様の「赤」、又は、虹色の表示態様の「虹」に変化可能に構成されている。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドによって第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて先読み処理を実行可能である。その先読み処理において、保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223c及び保留変化テーブル222eによって「保留変化予告」を行うか否かが抽選される。
この保留変化カウンタ223cは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図28のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。保留変化カウンタ223cの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図28のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて保留変化カウンタ223cの値と保留変化テーブル222eとを参照し、「保留変化予告」の実行可否および表示態様が決定される(図30のS1303参照)。
ここで、図16を参照して、保留変化テーブル222eについて説明する。図16は、保留変化テーブル222eの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その時点での保留変化カウンタ223cの値に基づいて保留変化テーブル222eを参照し、「保留変化予告」を行うか否か、および、「保留変化予告」の表示態様が決定される。図16で示すように、保留変化テーブル222eは、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時における「非リーチ(短縮)」演出態様用と、ハズレ時における「非リーチ(通常)」演出態様用と、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様用と、大当たり時における「特殊変動」演出態様用とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ保留変化カウンタ223cの取り得る値が対応付けられている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。第1実施形態では、保留図柄又は実行図柄の色が変化しない「無し」が選択された場合、「保留変化予告」は実行されない。
なお、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。これは、第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「赤」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ以上」演出態様が実行されることを確定させるためである。また、「保留変化予告」において、保留図柄又は実行図柄の色が「虹」であった場合は、その保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」が現出することを確定させるためである。よって、「スーパーリーチ以上」及び「大当たり表示」が現出しない「非リーチ(短縮)」演出態様では、「保留変化予告」の「赤」又は「虹」が選択されないように設定されている。
図16の示す例では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜98」、「青」に対して「99」、となっている。なお、「赤」及び「虹」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」の演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青」の表示態様が1%、「赤」及び「虹」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」と同様、「スーパーリーチ以上」及び「大当たり表示」が現出しない。このため、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図16の示す例では、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜98」、「青」に対して「99」、となっている。なお、「赤」及び「虹」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が99%、「青」の表示態様が1%、「赤」及び「虹」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(99%)なっており、「保留変化予告」自体が発生し難い設定となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」との2つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様等と同様、「スーパーリーチ以上」及び「大当たり表示」が現出しない。このため、保留図柄又は実行図柄の色が、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図16の示す例では、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜79」、「青」に対して「80〜99」、となっている。なお、「赤」及び「虹」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が80%、「青」の表示態様が20%、「赤」及び「虹」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易い(80%)が、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様及びハズレ時の「非リーチ(通常)」演出態様よりも「青」の表示態様が選択され易い設定(1%→20%)となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様等と同様、「大当たり表示」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が虹色に変化する「虹」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。一方、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様は、「スーパーリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」を示唆する「赤」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。
図16の示す例では、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜19」、「青」に対して「20〜89」、「赤」に対して「90〜99」となっている。なお、「虹」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が20%、「青」の表示態様が70%、「赤」の表示態様が10%、「虹」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「青」の表示態様が「無し」の表示態様より選択され易い設定(70%)となっている。また、「青」の表示態様より大当たり期待度が高い「赤」の表示態様も選択可能に設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、変化しない「無し(白色)」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。なお、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様では、ハズレ時の「非リーチ(短縮)」演出態様等と同様、「大当たり表示」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が虹色に変化する「虹」との表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。一方、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様は、「スペシャルリーチ」の変動要素を実行するため、「スーパーリーチ以上」を示唆する「赤」の表示態様が選択されるように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。
図16の示す例では、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青」に対して「10〜49」、「赤」に対して「50〜99」となっている。なお、「虹」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が40%、「赤」の表示態様が50%、「虹」の表示態様が0%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤」の表示態様が「青」又は「無し」の表示態様より選択され易い設定(50%)となっている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、虹色に変化する「虹」との3つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。なお、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様では、「スーパーリーチ以上」が現出しないため、保留図柄又は実行図柄の色が赤色に変化する「赤」の表示態様が選択されないように、保留変化カウンタ223cの値が対応付けられていない。
図16の示す例では、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青」に対して「10〜89」、「虹」に対して「90〜99」となっている。なお、「赤」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が80%、「赤」の表示態様が0%、「虹」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「青」の表示態様が選択され易く(80%)、また、「虹」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。
図16の示す例では、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青」に対して「10〜39」、「赤」に対して「40〜89」、「虹」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が30%、「赤」の表示態様が50%、「虹」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤」の表示態様が選択され易く(40%)、また、「青」の表示態様も選択され易く(30%)、さらに、「虹」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。
図16の示す例では、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「青」に対して「10〜19」、「赤」に対して「20〜89」、「虹」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が10%、「青」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が70%、「虹」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「赤」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「青」の表示態様も選択され(10%)、さらに、「虹」の表示態様も選択される設定となっている(10%)ため、「保留変化予告」が発生し易いように設定されている。
保留変化テーブル222eにおいて、大当たり時の「特殊変動」演出態様には、保留図柄又は実行図柄の色が、通常の表示態様(「白」)から変化しない「無し」と、青色に変化する「青」と、赤色に変化する「赤」と、虹色に変化する「虹」との4つの表示態様が選択可能に用意され、各表示態様に対して保留変化カウンタ223cの値が対応付けられている。
図16の示す例では、大当たり時の「特殊変動」演出態様における保留変化カウンタ223cの値と「保留変化予告」との対応付けが、「無し」に対して「0〜69」、「青」に対して「70〜79」、「赤」に対して「80〜89」、「虹」に対して「90〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「特殊変動」演出態様が選択された場合(「2R確変大当たり」に当選した場合)は、「保留変化予告」が「無し」の表示態様が70%、「青」の表示態様が10%、「赤」の表示態様が10%、「虹」の表示態様が10%、の割合で選択されるように設定されている。
従って、大当たり時の「特殊変動」演出態様時に選択される「保留変化予告」では、「無し」の表示態様が選択され易く(70%)、また、「青」、「赤」又は「虹」の表示態様もそれぞれ均等(10%)に選択される設定となっているため、「保留変化予告」が発生し難いが、発生する場合にはほぼ均等に選択されるように設定されている。
よって、ハズレ時の「保留変化予告」の現出確率は、例えば、「通常遊技状態」中における保留球数が1個目の場合、即ち、Aテーブル202d1によって演出態様が選択された場合では、「保留変化予告」が、変化しない「無し」が91.05%、「青」が7.65%、「赤」が1.3%、の割合で選択される。また、大当たり時の「保留変化予告」の現出確率は、例えば、「15R確変大当たり」に当選した場合、即ち、Cテーブル202d3によって演出態様が選択された場合では、「保留変化予告」が、変化しない「無し」が10%、「青」が20.5%、「赤」が59.5%、「虹」が10%、の割合で選択される。従って、第3図柄の大当たり抽選に当選した場合には、「保留変化予告」のうち、「赤」や「虹」が選択され易く、「無し」や「青」が選択され難い一方、大当たり抽選にハズレた場合には、「無し」や「青」が選択され易く、「赤」が選択され難い(ハズレ時に「虹」は選択されない)。
このように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からの保留球数コマンドの受信時に、該保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を把握し、その当否および演出態様に基づいて「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定するように構成する。このように構成することで、変動演出の実行前に該変動演出の結果を保留図柄によって遊技者に示唆し、その変動演出が実行されるまでの間、遊技者に保留されている変動演出が大当たりとなるか否かを予測させることで、遊技の興趣を高めることができる。
なお、保留変化テーブル222eおよび保留変化カウンタ223cの値に基づいて決定(選択)された「保留変化予告」の保留変化情報は、サブ保留球数カウンタ223bの値が示す後述する保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223e5(図19参照)に記憶される。第1実施形態のパチンコ機10では、保留変化情報格納エリア223e5に格納された保留変化情報と、後述するシナリオデータとに基づいて、「保留変化予告」が保留図柄又は実行図柄において実行される。
図15に戻って説明を続ける。シナリオカウンタ223dは、決定された「保留変化予告」の実行タイミングを決めるためのカウンタである。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドに基づいて、「保留変化予告」の実行可否と表示態様とが決定される。第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、その「保留変化予告」の実行タイミングを、シナリオカウンタ223dおよびシナリオテーブル222fによって決定する。
このシナリオカウンタ223dは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図28のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。シナリオカウンタ223dの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図28のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第1実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握すると共に、その演出態様に基づいて「保留変化予告」の実行可否および表示態様が決定される。そして、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照し、「保留変化予告」の実行タイミングが決定される(図30のS1305参照)。
ここで、図17及び図18を参照して、シナリオテーブル222fについて説明する。上述したように、第1実施形態のパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113は、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、該「保留変化予告」の実行タイミングを決定する。この場合に、同じ「保留変化予告(例えば、「青」)」であっても、ハズレ時における「保留変化予告」の実行タイミングと、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミングとを異ならせることで、「保留変化予告」の実行タイミングの違いによって大当たり期待度が異なるように構成されている。図17は、大当たり用シナリオテーブル222f1の一例を模式的に示した図である。
図17の大当たり用シナリオテーブル222f1では、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
第1実施形態における「保留変化予告」は、上記状況パターンごとにシナリオカウンタ223dとシナリオテーブル222fとによって決定されたタイミングパターンにおいて、決定された「保留変化予告」の表示態様が実行(現出)するように設定されている。
具体的には、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「開始時」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出が開始されるタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ前」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」が現出する前(例えば、「高速変動」の変動要素の実行中や、「低速変動」の変動要素の実行中における左図柄列Z1の停止時等)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」の実行中(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「保留消去後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後のコクピット表示領域Dbが再表示されたタイミング(「再変動」の変動要素の実行前のタイミング)に該「保留変化予告」が実行される。
また、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「1」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第1保留図柄表示領域Db1へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで、該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「2」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第2保留図柄表示領域Db2へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「3」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「4」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第4保留図柄表示領域Db4へ表示されたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への球の入球に基づいて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドが送信された場合に、該音声ランプ制御装置113において「保留変化予告」の抽選が行われ、「保留変化予告」を実行するか否かが決定される。「保留変化予告」の実行が決定された場合に、まず、その決定時点における保留球数と、決定された「保留変化予告」の表示態様とを把握する。そして、保留球数コマンドが示す変動演出が大当たりである場合には、シナリオカウンタ223dの値と大当たり用シナリオテーブル222f1とを参照して、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。
図17で示すように、大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
まず、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
まず、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜49」、保留球数「1」個に対して「50〜99」、となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が35%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(35%)ように設定されている。
なお、第1実施形態において、「保留変化予告」の実行タイミングを決定する場合に、該当する変動演出の演出態様を判断していない。従って、例えば、「保留消去後」の実行タイミングが選定された場合であっても、変動演出が「ノーマルリーチ」演出態様であるときは、「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を行えない状況が起こり得る。しかしながら、このような場合において、第1実施形態のパチンコ機10では、決定した実行タイミングで「保留変化予告」を行うことができない演出態様であった場合は、実行することができる他の実行タイミング(例えば、「リーチ後」)に変更するように構成されている(図32参照)。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選した場合には、該「保留変化予告」をいずれかのタイミングで確実に実行することができる。従って、「保留変化予告」の実行タイミングを決定する場合に、変動演出の演出態様を把握せずに該実行タイミング決定したとしても、「保留変化予告」を確実に実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。変更制御の詳細については後述する。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜89」、保留球数「1」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が60%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングに最も選択され易い(60%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜49」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「50〜99」となっている。なお、「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能であるため、この大当たり用シナリオテーブル222f1では、保留球数「1」個の実行タイミングに対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が40%、保留球数「0」個の「保留消去後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が0%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングに最も選択され易く(50%)、次に、「リーチ表示」の実行中のタイミングが選択され易い(40%)ように設定されている。なお、大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、該「保留変化予告」の決定時点の保留球数に関係なく上記選択割合に設定されている。よって、「保留変化予告」の決定時点の保留球数「2」個〜「4」個における大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様の説明は省略する。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が25%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングに最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(25%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜79」、保留球数「1」個に対して「80〜89」、保留球数「2」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図17参照)。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜29」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が15%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが選択され易い(15%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が40%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「15〜19」、保留球数「1」個に対して「20〜29」、保留球数「2」個に対して「30〜39」、保留球数「3」個に対して「40〜49」、保留球数「4」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「保留消去後」が5%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図17の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「30〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が30%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの保留図柄が消去された後の再表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
このように、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」等によってコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の演出が終了してコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0の実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第1実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「保留消去後」)に多く割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
次に、図18を参照して、ハズレ用シナリオテーブル222f2について説明する。図18は、ハズレ用シナリオテーブル222f2の一例を模式的に示した図である。図18のハズレ用シナリオテーブル222f2では、大当たり用シナリオテーブル222f1と同様、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数1個〜4個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
図18で示すように、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。なお、「保留変化予告」の表示態様の「虹」は、該「虹」の表示態様が現出することで大当たりの発生を示唆するものであり、ハズレ時には選択されない。よって、ハズレ用シナリオテーブル222f2の「虹」の状況パターンには、「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の保留個数のいずれにもシナリオカウンタ223dの値が割り振られていないため、その説明は省略する。
まず、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図18参照)。
図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が70%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(70%)ように設定されている。
なお、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、保留球数「0」個の「保留消去後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dが割り振られていない。これは、「保留消去後」の実行タイミングにて「保留変化予告」を行うためには、「リーチ表示」の演出が実行された後に「再変動」の変動要素等、何らかの演出を行う必要がある。第1実施形態では、「リーチ表示」が行われた後は、大当たりする場合を除き「再変動」の変動要素等の演出が行われず、「ハズレ表示」が確定するように構成されている。よって、ハズレの変動演出では、「リーチ表示」の演出の後に大当たりが確定する「再変動」の変動要素が行われることがないため、「リーチ表示」後における実行図柄(保留図柄)の再表示のタイミングにおいて「保留変化予告」を実行させてしまうと、演出の齟齬が生じてしまう。よって、このような事象が起こらないように、「保留消去後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dを割り振らないように設定されている。
次いで、図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図18参照)。
図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が60%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
次いで、図18の例で示す「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図18参照)。
図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングや、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」若しくは「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜59」、保留球数「4」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図18の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「保留消去後」に対して「‐」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「保留消去後」が0%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」又は「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
このように、変動演出のハズレ時と大当たり時とで、同じ「保留変化予告(例えば、「青」)」であってもその実行タイミング(現出タイミング)を異ならせることで、「保留変化予告」の表示態様と、その表示態様が現出するタイミングとで大当たり期待度を異ならせることができる。よって、「保留変化予告」の表示態様と現出タイミングとによって該「保留変化予告」による大当たり期待度の示唆内容を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図15に戻って説明を続ける。保留情報格納エリア223eは、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、先読み処理(保留表示設定処理(図30参照))を実行する。また、音声ランプ制御装置113は、その先読み処理によって得られた保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報および再変動情報を保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223e5、シナリオデータ格納エリア223e6、保留消去情報格納エリア223e7および再変動情報格納エリア223e8にそれぞれ記憶し、各エリア223e5〜223e8に記憶された値に基づいて「保留変化予告」を実行する。
実行情報格納エリア223fは、第3図柄表示装置81で変動演出を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、変動演出の設定等を実行するために、上述した保留情報格納エリア223eの第1保留情報格納エリアに記憶されている変動演出を行うための情報(カウンタC1〜C3,CS1等の各値)を、この実行情報格納エリア223fへシフトする。
ここで、図19を参照して、保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fの詳細について説明する。図19は、保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fの構成を模式的に示す模式図である。保留情報格納エリア223eは、保留情報格納第1〜第4エリアの4つのエリアを有している。各保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値が格納される第1当たり乱数カウンタ格納エリア223e1と、第1当たり種別カウンタC2の値が格納される第1当たり種別カウンタ格納エリア223e2と、停止パターン選択カウンタC3の値が格納される停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3と、変動種別カウンタCS1の値が格納される変動種別カウンタ格納エリア223e4と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報が格納される保留変化情報格納エリア223e5と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータが格納されるシナリオデータ格納エリア223e6と、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報を格納する保留消去情報格納エリア223e7と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報が格納される再変動情報格納エリア223e8とが少なくとも設けられている。
実行情報格納エリア223fは、現在実行中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報と、を格納するためのエリアである。
また、保留情報格納第1〜第4エリアは、それぞれ、保留された最大4つ分の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1の値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」が行われるか否かを示す再変動情報と、を格納するためのエリアである。
具体的には、実行情報格納エリア223fが、現在実行中の変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第1エリアが、保留された変動演出のうち時間的に1番目に保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第2エリアが、保留された変動演出のうち時間的に2番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第3エリアが、保留された変動演出のうち時間的に3番目に古く保留された変動演出に対応するエリアであり、保留情報格納第4エリアが、保留された変動演出のうち時間的に4番目に古く保留された変動演出に対応するエリアである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、保留球数コマンドより抽出する。そして、音声ランプ制御装置113は、抽出した各カウンタC1〜C3,CS1の値をそれぞれ、保留情報格納第1〜第4エリアのうち該保留球数コマンドに含まれる保留球数に対応するエリアの乱数カウンタ格納エリア223e1、第1当たり種別カウンタ格納エリア223e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3、変動種別カウンタ格納エリア223e4に格納する。
具体的には、保留球数コマンドに含まれる保留球数がX(1≦X≦4)であれば、その時点で保留されている変動演出の数はXであり、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、保留された変動演出のうち時間的にX番目に保留された変動演出に対応したものとなるので、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に対応するカウンタC1〜C3,CS1の値を格納する。このとき、主制御装置110では、保留球数コマンドに含めた各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bの保留第Xエリアに格納する。つまり、主制御装置110の保留第Xエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が、保留情報格納第Xエリアに格納されることになる。
また、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図30参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報および再変動情報を、同じ保留情報格納Xエリアの各格納エリア223e5〜223e8にそれぞれ格納する。即ち、各保留情報格納Xエリアにおいて、各変動演出において「保留変化予告」が実行されるか否か、「保留変化予告」が実行される場合の実行タイミング、各変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去される演出が含まれるか否か、各変動演出において「再変動」が行われるか否かがぞれぞれ記憶される。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリア223f1〜223f8に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223fおよび保留情報格納エリア223eに格納される。
音声ランプ制御装置113では、先読み処理(保留表示設定処理(図30参照))を行う場合に、サブ保留球数カウンタ223bから保留されている変動演出の数(保留球数)を把握する。そして、その保留球数に基づき、保留情報格納第1〜第4エリアのうち、変動演出が保留されているエリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、その変動演出において大当たりとなるか否かや、変動時間等が判定される。例えば、サブ保留球数カウンタ223bの値が「1」であれば、変動演出の保留球数が1回であるので、保留情報格納第1エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。また、サブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であれば、変動演出の保留球数が4回であるので、保留情報格納第4エリアについて、格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値を先読みし、判定を行う。
パチンコ機10は、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成されており、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110のRAM203等にアクセスすることはできない。これに対し、音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223eを設けて、主制御装置110にて保留された変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1を音声ランプ制御装置113にも格納するので、この保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を音声ランプ制御装置113にて実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行態様および実行タイミングに関する制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
なお、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fにおける上述のシフト処理は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの保留球数(変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドの受信に基づく更新が行われる前のサブ保留球数カウンタ223bの値)に基づいて、保留情報格納第1〜第4エリアのうち保留されている変動演出に対応するエリアについてのみデータの移動(シフト)を行う。
例えば、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「4」であり、保留情報格納エリア223eの全エリア(保留情報格納第1〜第4エリア)にデータが記憶されているとする。この場合、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223fへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトし、保留情報格納第3エリアのデータを保留情報格納第2エリアへシフトし、保留情報格納第4エリアのデータを保留情報格納第3エリアへシフトする。
一方、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信したときの更新前のサブ保留球数カウンタ223bの値が「2」であれば、保留情報格納第1エリアのデータを実行情報格納エリア223fへシフトし、保留情報格納第2エリアのデータを保留情報格納第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、本実施の形態では、変動演出が保留されていない保留情報格納第3,第4エリアについては、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、保留情報格納第1〜第4エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリア(実行情報格納エリア223f又は保留情報格納第1〜第3エリア)にそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、保留情報格納第1〜第4エリアの各々のエリアについて、データが記憶(保留)されているか否かの判定を不用とするので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図15に戻って説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。
コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図29参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出や連続予告演出を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、プログラムROM232と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238には音声ランプ制御装置113が接続されており、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113によって決定された第3図柄表示装置81の表示態様を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113から受信する。入力ポート238には、また、バスライン240を介して、MPU231、プログラムROM232、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237が接続されている。画像コントローラ237には、ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から入力されたコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。プログラムROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
キャラクタROM234は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や装飾図柄)といった各スプライトの画像データが記憶されたキャラクタ記憶エリア234aを備えている。キャラクタ記憶エリア234aには、記憶するデータ量を少なくするために、上記の画像データが圧縮形式のデータで記憶されている。第1実施形態では、圧縮前の画像データは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトの画像データが、約768Mバイトに圧縮されて、キャラクタ記憶エリア234aに記憶されている。
ビデオRAM236は、第3図柄表示装置81に表示される1フレーム分の画像を記憶するフレームバッファ領域を2フレーム分有するメモリである。
画像コントローラ237は、描画リストに従って、1フレーム分の画像データを生成して、ビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込むと共に、ビデオRAM236の他方のフレームバッファ領域に書き込まれた1フレーム分の画像データを読み出して、読み出した画像データを、出力ポート239を介して第3図柄表示装置81へ出力することで、複数のフレーム画像を連続して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
画像コントローラ237は、描画リストに記述された順番に従って、その描画リストで規定されたスプライトの画像データ(圧縮形式の画像データ)をキャラクタ記憶エリア234aから読み出し、その画像データを解凍した上で、描画リストにて規定された描画情報に従って加工処理を行い、描画リストで指定された表示位置座標に、そのスプライトの画像データをビデオRAM236の一方のフレームバッファ領域に書き込む。描画リストに規定された全てのスプライトについて、画像データの解凍・加工・書き込みを行うことで、1フレームで表示させる画像データが生成される。
この一方のフレームバッファ領域への1フレーム分の画像データの書き込みと、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しは、並行して行われ、いずれも20ミリ秒で完了する。そして、他方のフレームバッファ領域からの1フレーム分の画像データの読み出しが完了すると、続いて、一方のフレームバッファ領域から先に書き込まれた1フレーム分の画像データの読み出しが行われ、その間、他方のフレームバッファ領域に対して、次の1フレーム分の画像データの書き込みが行われる。
このように、一方のフレームバッファ領域と他方のフレームバッファ領域とを、交互に、画像データの書き込みおよび画像データの読み出しを行うことによって、連続して複数のフレーム画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図6に戻って、説明を続ける。電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図24参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20から図26のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図25参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図26参照)と、定期的に(第1実施形態では4ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図20参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図24参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば4ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図21参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、変動処理(図22参照)や変動処理の一処理である変動開始処理(図23)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS111の処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S105)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて可変表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物を所定時間開放する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S106)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S107)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「250」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S108)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態ではそれぞれ、「899」,「99」,「99」,「198」,「250」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1又は第2当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37による動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S109)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S110)。なお、変動処理の詳細は図22を参照して後述し、始動入賞処理の詳細は図21を参照して後述する。
始動入賞処理(S110)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S111)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S112)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理(S110)を説明する。図21は、この始動入賞処理(S110)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、第1入球口64への入球(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球格納エリア203bに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S110)では、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図20のS106)において読み込んだ、第1入球口64への入球(入賞)を検出する第1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。
球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(第1実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S201:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S202:No)、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞があり(S201:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S202:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算する(S203)。そして、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ(図7参照)から読み出し、RAM203の保留球格納エリア203bに設けられた保留第1〜第4エリアのうち、保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア203b1、第1当たり種別カウンタ格納エリア203b2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203b3及び変動種別カウンタ格納エリア203b4に各々保留(格納)する(S204)。
具体的には、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203の処理による加算後の保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)と、S204の処理により保留球格納エリア203bに格納(保留)した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S205)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S205の処理を終えると、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
なお、S205の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S204の処理によりカウンタ用バッファから読み出した値そのものを用いてもよいし、S204の処理において保留球格納エリア203bに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である変動処理(S109)について説明する。図22は、この変動処理(S109)を示すフローチャートである。変動処理(S109)は、第1図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出を制御するものである。
この変動処理(S109)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、第1図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図20参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている動的表示(変動演出)の保留球数N)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が「0」でなければ(S304:Yes)、変動演出の実行開始タイミングであると判断し、まず、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算する(S305)。これは、変動開始処理(S307)によって、保留されていた変動演出のうち1の変動演出の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203cへ向けて順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→保留球実行エリア203c、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S307)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。なお、変動開始処理については、図23を参照して後述する。
S304の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が「0」であると判別されると(S304:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S308)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S308:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S309)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S309:Yes)、そのままタイマ割込処理に戻る。S309の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図20のS101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S308の処理においてデモ中ではない(S308:No)と判断された場合に、更に、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS309の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S310)。第1図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S310:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S311)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。
第1実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は4ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが「100」に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、「0」にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S310:Yes)、第1図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S312)。停止図柄は、図23を参照して後述する変動開始処理(S307)によって予め設定される。変動開始処理では、S306の処理によって保留球実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値により、大当たり後に「15R確変大当たり」となる図柄か、「2R確変大当たり」となる図柄か、「15R通常大当たり」となる図柄かが決定される。
第1実施形態では、大当たり後に「15R確変大当たり」になる場合には青色のLEDを点灯させ、「2R確変大当たり」になる場合には赤色のLEDを点灯させ、「15R通常大当たり」になる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、ハズレである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDは、次の動的表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S312の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S313)、タイマ割込処理(図20参照)に戻る。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理の一処理である変動開始処理(S307)について説明する。図23は、変動開始処理(S307)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S307)は、保留球実行エリア203cに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S307)では、まず、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と大当たり乱数テーブル202a(図8(b)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S401)。
大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値として規定される。
S401の処理では、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S401の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値と、大当たり種別テーブル202b(図8(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203cに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する「15R通常大当たり」か、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「2R確変大当たり」かが判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、第1図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。
また、第3図柄表示装置81において、大当たり種別に対応した各種大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(「15R確変大当たり」、「2R確変大当たり」、「15R通常大当たり」)をそのまま停止種別として設定することにより、第3図柄表示装置81における大当たり時の表示態様を設定する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S403)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、大当たり時の表示態様(停止種別)と、その時点での停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて演出態様を選択し、その選択された演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動演出の変動時間が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たりの停止種別に応じて、使用する停止パターンテーブル202d(図11(a)又は(b)参照)を選択する。
そして、S402の処理において大当たり種別として「15R確変大当たり」又は「15R通常大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Cテーブル202d3)において、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のうちいずれかの演出態様が選択される(図11(a)参照)。
演出態様として「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E5:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチのみ」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ」、「疑似連1+ノーマルリーチ」、「ノーマルリーチ+再変動」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動」又は「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
演出態様として「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E6:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スーパーリーチのみ」、「疑似ガセ+スーパーリーチ」、「疑似連1+スーパーリーチ」、「疑似連2+スーパーリーチ」、「スーパーリーチ+再変動」、「疑似ガセ+スーパーリーチ+再変動」、「疑似連1+スーパーリーチ+再変動」又は「疑似連2+スーパーリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
演出態様として「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、大当たり用変動パターンテーブル202e1(図12参照)の「E7:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スペシャルリーチのみ」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ」、「疑似連1+スペシャルリーチ」、「疑似連2+スペシャルリーチ」、「スペシャルリーチ+再変動」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ+再変動」、「疑似連1+スペシャルリーチ+再変動」又は「疑似連2+スペシャルリーチ+再変動」のいずれかの変動パターンが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
また、S402の処理において大当たり種別として「2R確変大当たり」が設定された場合は、選択した停止パターンテーブル202d(Dテーブル202d4)において、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。即ち、「2R確変大当たり」に当選した場合、「特殊変動」がもれなく選択される。そして、選択された演出態様と大当たり用変動パターンテーブル202e1とを参照し、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。第1実施形態では、この場合、「ムービー」のみが選択される(図12参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図12参照)。
一方、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203cに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と保留球数カウンタ203aの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、上述したように、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202d(Aテーブル202d1又はBテーブル202d2)が設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S405)、S406の処理へ移行する。具体的には、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。このとき、パチンコ機10の遊技状態が「通常遊技状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照)のいずれかが選択される。また、パチンコ機10の遊技状態が「時間短縮状態」または「確率変動状態」にある場合は、保留球数カウンタ203aにて示されるその時の保留球数に対応した停止パターンテーブル202dのAテーブル202d1又はBテーブル202d2(図10(a)又は図10(b)参照)のいずれかが選択される。
そして、S404の処理において演出態様として「非リーチ(短縮)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E0:非リーチ(短縮)」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「非リーチ(短縮)のみ」が選択され、他の変動パターンは選択されない(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S404の処理において演出態様として「非リーチ(通常)」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E1:非リーチ(通常)」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「非リーチ(通常)のみ」、「疑似ガセ+非リーチ(通常)」又は「疑似連1+非リーチ(通常)」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において演出態様として「ノーマルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E2:ノーマルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「ノーマルリーチのみ」、「疑似ガセ+ノーマルリーチ」又は「疑似連1+ノーマルリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において演出態様として「スーパーリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E3:スーパーリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スーパーリーチのみ」、「疑似ガセ+スーパーリーチ」、「疑似連1+スーパーリーチ」又は「疑似連2+スーパーリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
また、S402の処理において演出態様として「スペシャルリーチ」演出態様が設定された場合は、ハズレ用変動パターンテーブル202e2の「E4:スペシャルリーチ」のグループにおいて、保留球実行エリア203cに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。即ち、この場合、「スペシャルリーチのみ」、「疑似ガセ+スペシャルリーチ」、「疑似連1+スペシャルリーチ」又は「疑似連2+スペシャルリーチ」が選択される(図13参照)。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される(図13参照)。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S406の処理では、S403及びS405の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S406)。具体的には、例えば、大当たりに当選し、さらに、「スーパーリーチのみ」の30秒の変動パターンが選択されていた場合は、変動パターンコマンドとして、「E601H」が設定される。また、大当たりにハズレて、さらに、「スーパーリーチのみ」の30秒の変動パターンが選択されていた場合は、変動パターンコマンドとして、「E301H」が設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S402又はS404の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S407)、変動処理(図22参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R確変大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「15R確変大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R通常大当たり」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「4」図柄等)は特定せずに、「15R通常大当たり」であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様(所謂、前後ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様(所謂、前後以外ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様(所謂、完全ハズレ)であることを示す停止種別コマンドを設定する。このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図20)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図25を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図25は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では1秒)を実行する(S602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S604)、オンされていれば(S604:Yes)、処理をS611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S605)、記憶されていなければ(S605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S605:Yes)、RAM判定値を算出し(S606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS611へ移行する。
なお、図26のS706でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S612,S613)を実行する。RAM203の初期化処理(S612,S613)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S612)、その後、RAM203に初期値を設定する(S613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S608)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S609)、S610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S610の処理では、割込みを許可する(S610)。そして、後述するメイン処理(図26参照)に移行する。
次に、図26を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図26は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S701)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S701:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S702,S703)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S702)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「250」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S108(図20参照)の処理と同一の方法によって実行し(S703)、S701の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図20を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では4ミリ秒)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、特定入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、第2入球口67への球の通過があれば、第2図柄表示装置83による第2図柄の表示制御が行われる。また、第1図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した第1当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS702,S703の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する第1当たり乱数カウンタC1及び第2当たり乱数カウンタC2の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S701の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S701:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S704以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S704)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S705)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S706)、RAM203のアクセスを禁止して(S707)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S701の処理は、タイマ割込処理(図20参照)の残余時間内に行われるS702とS703の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図25参照)の終了後、処理をS701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS701の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S701の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図20参照)で実行し、メイン処理において、タイマ割込処理の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理の中で所定時間(例えば、4ミリ秒)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大開放口開閉処理(S103)、第2図柄制御処理(S105)及びスイッチ読み込み処理(S106)の一部または全部を、タイマ割込処理ではなく、メイン処理の中で4ミリ秒毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理の中で所定時間(4ミリ秒)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図27から図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図27参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図28参照)とがある。
まず、図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図27は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図28参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図28を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図28のS1112参照)、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1115の電源断処理の実行時にオンされる(図28のS1114参照)。つまり、電源断フラグは、S1115の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図28を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S1101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1108の処理を行わずにS1109の処理へ移行する。S1101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1108が短い周期(1ミリ秒以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1109の変動演出処理やS1110のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1110の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1109の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図27に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1111の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1106の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1105)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、「高速変動」期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、枠ボタン操作コマンドに代えて、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動演出開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、「リーチ表示」中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1105の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1105)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1106)、その後音編集・出力処理を実行する(S1107)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1107の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1108)、S1109の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1106のランプ編集処理が実行され、また、S1107の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1109の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。この変動演出処理の詳細については、図31を参照して後述する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1110)、S1111の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図29を参照して後述する。
S1111では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留変化カウンタ223c及びシナリオカウンタ223dを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1111)。具体的には、保留変化カウンタ223c及びシナリオカウンタ223dをそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態ではともに「99
」)に達した際、それぞれ「0」クリアする。このように更新された各カウンタ223c,223dは、上述したように、保留変化カウンタ223cは、「保留変化予告」の実行および表示態様の選定に使用され、シナリオカウンタ223dは、「保留変化予告」の実行タイミングの選定に使用される。
S1111の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1112)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1112:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1114)、電源断処理を実行する(S1115)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1116)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1112の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1112:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1113)、RAM223が破壊されていなければ(S1113:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1113:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1110)について説明する。図29は、このコマンド判定処理(S1110)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1110)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1201)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1201:Yes)、該変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S1202)。ここで抽出された変動パターンは、RAM223に記憶され、その変動パターンに基づいて、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターンを通知する表示用変動パターンコマンドを設定し(S1203)、メイン処理(図28参照)へ戻る。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113で決定された変動パターンの変動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1204)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1203:Yes)、該停止種別コマンドから停止種別を抽出する(S1205)。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、その停止種別に基づいて、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定し(S1206)、変動開始フラグ223aをオンに設定して(S1207)、メイン処理(図28参照)に戻る。
ここで設定された表示用停止種別コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、S1206の処理により設定された表示用変動パターンコマンドによって実行される変動演出を確定表示させる場合に、この表示用停止種別コマンドにて示される停止種別に対応する停止図柄を設定する。
なお、停止種別コマンドは、変動演出を開始する場合に主制御装置110が変動パターンコマンドを送信後、その変動パターンコマンドによって変動パターンが示された変動演出の停止種別を示すものとして、主制御装置110より必ず送信されるコマンドである。S1206の処理によって変動開始フラグ223aをオンに設定することにより、後に実行される変動演出処理において、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の変動パターンと、受信した変動パターンコマンドより抽出した変動演出の変動パターンとが一致するか否かの判定を行う。また、先に保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1等の値に基づいて抽出された変動演出の停止種別と、受信した停止種別コマンドより抽出した変動演出の停止種別とが一致するか否かの判定を行う。それらの判定の結果、1の変動演出において、保留球数コマンドに基づく変動パターンと変動パターンコマンドに基づく変動パターンとが一致していない場合、又は、保留球数コマンドに基づく停止種別と停止種別コマンドに基づく停止種別とが一致していない場合は、何らかの異常(例えば、ノイズによるコマンド受信異常)が発生していると判断し、異常を示す表示用エラーコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するための処理を実行する(図31参照)。
S1204の処理の結果、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1208)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1208:Yes)、保留表示設定処理を行い(S1209)、メイン処理(図28参照)へ戻る。この保留表示設定処理(S1209)では、受信した保留球数コマンドに含まれる各種情報(例えば、第1当たり乱数カウンタC1の値等)に基づいて、「保留変化予告」に関する制御を行う。この保留表示設定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1208の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1208:No)、次いで、主制御装置110より確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1210)。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。この確定コマンドを受信したと判別された場合は(S1210:Yes)、表示制御装置114に対して確定コマンドの受信を通知するための表示用確定コマンドを設定して(S1211)、メイン処理(図28参照)へ戻る。
ここで設定された表示用確定コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を停止させ、先に表示用停止種別コマンドにて示された停止種別に対応する停止図柄を表示することで、確定表示させる。
S1210の処理の結果、確定コマンドを受信していないと判別された場合は(S1210:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1212)、メイン処理(図28参照)に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1212の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納された後、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1002参照)により表示制御装置114に対して送信される。
ここで、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理(S1209)について説明する。図30は、保留表示設定処理(S1209)を示したフローチャートである。この保留表示設定処理(S1209)では、まず、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bに格納する(S1301)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S1301の処理によって、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113のサブ保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
次いで、受信した保留球数コマンドに含まれる第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値を抽出し、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第4エリア(図19参照)のうち、S1301の処理により該保留球数コマンドより抽出された保留球数に対応するエリアに格納する(S1302)。即ち、該保留球数がX(1≦X≦4)である場合に、抽出された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3,変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ、保留情報格納第Xエリアの第1当たり乱数カウンタ格納エリア223e1,第1当たり種別カウンタ格納エリア223e2,停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3,変動種別カウンタ格納エリア223e4に格納される。
保留球数コマンドに含まれる各カウンタC1〜C3,CS1の値は、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110においてカウンタ用バッファより取得されたものであり、該保留球数コマンドに含まれる保留球数がXである場合、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第Xエリアに格納された値である。つまり、音声ランプ制御装置113の保留情報格納エリア223eには、主制御装置110の保留球格納エリア203bと同じ情報(各カウンタC1〜C3,CS1の値)が格納されることになる。音声ランプ制御装置113は、この保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1を参照することで、先読み処理を実行できるようになっている。即ち、保留された変動演出が実行された場合にその変動演出の結果がどのようになるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)を変動演出の実行前に判断して、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定したり、該「保留変化予告」の実行(開始)タイミングを決めたりする制御を音声ランプ制御装置113にて実行することができる。
次いで、S1303の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1303)。「保留変化予告」の実行抽選は、上述したように、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その保留球数コマンドが示す変動演出の当否および演出態様を抽出する。そして、その抽出された当否および演出態様に基づいて、その時点での保留変化カウンタ223cの値と保留変化テーブル222e(図16参照)とを参照して、「保留変化予告」の実行可否および表示態様を決定する。
S1303の処理の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1303:Yes)、「保留変化予告」の実行抽選結果である表示態様(例えば、「青」等)を示す保留変化情報を、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223e5に格納する(S1304)。これにより、「保留変化予告」を実行するか否かを保留情報格納第Xエリアごとに記憶させることができる。
次いで、S1304の処理では、「保留変化予告」の実行タイミング、即ち、「保留変化予告」が実行図柄又は保留図柄に反映される表示タイミングを決定するために、その時点でのシナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、「保留変化予告」の実行タイミングを決定し、その決定された実行タイミングを示すシナリオデータを、保留情報格納第Xエリアのシナリオデータ格納エリア223e6に格納する(S1305)。これにより、「保留変化予告」の実行タイミングを保留情報格納第Xエリアごとに記憶させることができる。
次いで、S1306の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「スーパーリーチ以上」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1306)。上述したように、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素又は「特殊変動」の変動要素では、その変動要素の実行中に第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去される。従って、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素又は「特殊変動」の変動要素を含む変動演出であれば、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が含まれていても実行可能である。従って、保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、その変動演出に「スーパーリーチ以上」の変動要素を含むか否かを判別する。
S1306の処理の結果、「スーパーリーチ以上」の変動要素を含む変動演出であれば(S1306:Yes)、その変動演出でコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去されることを示す保留消去情報を、保留情報格納第Xエリアの保留消去情報格納エリア223e7に格納し(S1307)、処理をS1309へ移行する。一方、「スーパーリーチ以上」の変動要素を含まない変動演出であれば(S1306:No)、その変動演出ではコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄が消去されないので、保留情報格納第Xエリアの保留消去情報格納エリア223e7に何も情報が格納されていない(空欄である)ことを示すデータ(以下、「Nullデータ」という)を格納して(S1308)、処理をS1309へ移行する。S1308の処理において、保留消去情報格納エリア223e7にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「保留変化予告」に関する保留消去情報の重複使用を防止することができる。
S1309の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「再変動」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1309)。「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択されていた場合に、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbが消去される変動演出であったとしても、その「スーパーリーチ」の変動要素等の後に何らかの演出がなければ、「保留消去後」に「保留変化予告」を行う意味がない。
具体的には、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。従って、「スーパーリーチ」の変動要素等の後に実行される変動要素である「再変動」の変動要素が存在するか否かを判別し、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行することが可能か否かを確認する。
S1309の処理の結果、「再変動」を含む変動演出であれば(S1309:Yes)、その変動演出で「再変動」の変動要素が行われることを示す再変動情報を、保留情報格納第Xエリアの再変動情報格納エリア223e8に格納し(S1310)、処理をS1313へ移行する。一方、「再変動」の変動要素を含まない変動演出であれば(S1309:No)、保留情報第Xエリアの再変動情報格納エリア223e8にNullデータを格納して(S1311)、処理をS1313へ移行する。S1307及びS1310の処理により、「保留消去後」の実行タイミングにおいて「保留変化予告」を実行することが可能であることを認識できる。また、S1311の処理において、再変動情報格納エリア223e8にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた再変動情報の重複使用を防止することができる。
なお、S1303の処理において、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1303:No)、「保留変化予告」は実行されないので、「保留変化予告」に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223e5、シナリオデータ格納エリア223e6、保留消去情報格納エリア223e7および再変動情報格納エリア223e8にNullデータをそれぞれ格納し(S1312)、処理をS1313へ移行する。S1312の処理において、各格納エリア223e5〜223e8にNullデータを書き込むことにより、例えば、書き込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「保留変化予告」に関する情報の重複使用を防止することができ、演出の齟齬(例えば、「ハズレ表示」の変動演出であるにもかかわらず「保留変化予告」が「虹」)が発生してしまうことを未然に防止することができる。
S1313の処理では、S1301の処理によって更新されたサブ保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1313)、処理をS1314へ移行する。S1314の処理では、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出において、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時(取得した保留の変化タイミング)か否かを判別する(S1314)。この判別は、保留情報格納第Xエリアのシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるシナリオデータが、サブ保留球数カウンタ223bの値と同一である場合に、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時であると判定する。
S1314の判別の結果、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時であれば(S1314:Yes)、決定された「保留変化予告」の表示態様を保留図柄が表示されるタイミングで行うことを表示制御装置114へ通知するための表示用点灯時保留変化コマンドを設定し(S1315)、メイン処理(図28参照)へ戻る。一方、「保留変化予告」の実行タイミングが保留図柄の表示時でなければ(S1314:No)、S1315の処理をスキップして、メイン処理へ戻る。
S1313及びS1315で設定された表示用保留球数コマンドおよび表示用点灯時保留変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示用保留球数コマンドを受信した表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。また、表示用点灯時保留変化コマンドを受信した表示制御装置114では、保留図柄を表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で該保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1109)について説明する。図31は、この変動演出処理(S1109)を示したフローチャートである。
この変動演出処理(S1109)は、メイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を正常に表示させるか否かを確認すべく、まず、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1エリアに記憶される各種情報を実行情報格納エリア223fへシフトすると共に、保留情報格納第2〜4エリアに記憶される情報を保留情報格納第1〜第3エリアへシフトする処理を行う。また、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致していない場合に表示用エラーコマンドを生成し、このコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。さらに、実行図柄および保留図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。
第1実施形態のパチンコ機10において、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合に、該コマンドに基づいた変動演出に関する表示処理を直ちには開始せず、上述した表示用エラーコマンド等の変動演出の変更を示すコマンドが送信されるか否か所定時間(例えば、1ミリ秒)待機するように構成されている。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信して、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行してしまうと、音声ランプ制御装置113からその後に表示用エラーコマンドが送信された場合、上記変動演出に関する表示処理を中止し、改めて表示用エラーコマンドに基づくエラーに対応した表示(例えば、デフォルト変動)に差し替えなければいけなくなる。そこで、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合であっても、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行せず、音声ランプ制御装置113から表示用エラーコマンドが送信される可能性がある所定時間、該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理の実行を待機する。このように構成することで、表示制御装置114は、変動演出に関する表示処理において、無駄な処理を実行することによる処理負担が生じることを未然に防止できる。
なお、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から表示用エラーコマンドが送信される可能性がある所定時間として、第1実施形態では1ミリ秒を例示したが、この待機時間は表示制御装置114における表示処理が遅れない範囲であれば如何様でもよい。具体的には、例えば、表示制御装置114では、20ミリ秒ごとに1フレーム分の表示処理及び描画処理を行うように構成されように構成されている、また、音声ランプ制御装置113では、上述したコマンド判定処理(図29参照)を実行した後に、変動演出処理(図31参照)は数ミリ秒以内に実行されるように構成されている。従って、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを送信した後に、変動演出処理において表示用エラーコマンドを生成及び送信するまで、少なくとも数ミリ秒の時間があれば確実に表示用エラーコマンドの生成及び送信が実行可能である。従って、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した後、少なくとも上記数ミリ秒待機すれば、表示用エラーコマンドがある場合は受信することができる構成となっている。従って、1フレーム分の表示処理及び描画処理にかかる時間(20ミリ秒)より短い時間待機することで、変動演出に関する表示処理を滞りなく実行することが可能となるのため、第3図柄表示装置81への変動演出の表示処理が明らかに遅滞するような事象を未然に防止することができる。
変動演出処理(S1109)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図28参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、変動開始フラグ223aをオフし(S1402)、次いで、保留情報格納エリア223eに設けられた保留情報格納第1エリアに含まれるデータを実行情報格納エリア223fへシフトし(S1403)、さらに、保留情報格納エリア223eに設けられた保留情報格納第2〜第4エリアに含まれるデータを保留情報格納第1〜第3エリアへシフトして(S1404)、処理をS1405へ移行する。
つまり、この場合は、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報第1エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリア223f1〜223f8に移動させる。また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e8に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになり、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。
次いで、S1405の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得する(S1405)。そして、実行情報格納エリア223fに記憶される変動パターンと、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターンとが一致しているか否かの判別を行う(S1406)。今回受信した変動パターンコマンドが示す変動演出に関する情報と、それ以前に実行情報格納エリア223f(保留情報格納エリア223e)に記憶された変動演出に関する情報とが異なっていた場合は、何らかの異常(ノイズ等)の影響によって正常な変動演出(変動パターン)を実行することができない。このため、この判別処理によって、異常の有無を判別し、正常な変動演出が実行可能か否かを確認する。
S1406の判別の結果、実行情報格納エリア223fに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致しないと判定された場合は(S1406:No)、実行する変動演出に関し何らかの異常が発生しているので、該異常を表示制御装置114へ通知するための表示用エラーコマンドを生成して設定して(S1407)、処理をS1408へ移行する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、変動演出に関して何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81をエラーに対応した表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
一方、S1406の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致すると判定された場合は(S1406:Yes)、実行する変動演出に関して異常は発生していないので、S1407の処理をスキップして、処理をS1408へ移行する。
次いで、S1408の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の停止種別を取得する(S1408)。そして、実行情報格納エリア223fに記憶される停止種別と、コマンド判定処理(図29参照)のS1205の処理においてRAM223に記憶されている停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とが一致しているか否かの判別を行う(S1409)。今回受信した停止種別コマンドが示す変動演出に関する情報と、それ以前に実行情報格納エリア223f(保留情報格納エリア223e)に記憶された変動演出に関する情報とが異なっていた場合は、何らかの異常(ノイズ等)の影響によって正常な変動演出(停止種別)を実行することができない。このため、この判別処理によって、異常の有無を判別し、正常な変動演出が実行可能か否かを確認する。
S1409の判別の結果、実行情報格納エリア223fに記憶されている停止種別とRAM223に記憶されている停止種別とが一致しないと判定された場合は(S1409:No)、実行する変動演出に関し何らかの異常が発生しているので、該異常を表示制御装置114へ通知するための表示用エラーコマンドを生成して設定して(S1410)、処理をS1411へ移行する。
なお、第1実施形態では、実行情報格納エリア223fに記憶されている値に基づく変動パターンと変動パターンコマンドが示す変動パターンとが一致しない場合に表示用エラーコマンドを生成及び送信すると共に、実行情報格納エリア223fに記憶されている値に基づく停止種別と停止種別コマンドが示す停止種別とが一致しない場合に表示用エラーコマンドを生成及び送信し、最大で2の表示用エラーコマンドが送信されるように構成されている。これに代えて、実行情報格納エリア223fに記憶されている値に基づく変動パターンと変動パターンコマンドが示す変動パターンとが一致しない場合、又は、実行情報格納エリア223fに記憶されている値に基づく停止種別と停止種別コマンドが示す停止種別とが一致しない場合の、いずれか一方でも一致しない場合に、1の表示用エラーコマンドを送信するように構成してもよい。このように構成することで、コマンドの送信数を削減することができるので、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の処理負担を軽減することができる。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、変動演出に関して何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81をエラー表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
一方、S1409の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶されている停止種別とRAM223に記憶されている停止種別とが一致すると判定された場合は(S1409:Yes)、実行する変動演出に関して異常は発生していないので、S1410の処理をスキップして、処理をS1411へ移行する。
なお、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドの受信後、表示用エラーコマンドの受信があるか否か所定時間待機してから変動演出を開始するように構成してもよい。このように構成することで、変動演出に関する表示制御の準備(キャラクタ図柄の展開処理等)を行うことなくエラー表示を直ちに行えるため、表示制御装置114の処理負担を軽減することができる。
次いで、S1411の処理では、変動演出の開始に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動演出の設定が行われた)のに合わせて、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減らし(S1411)、更新後のサブ保留球数カウンタ223bの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定し(S1412)、処理をS1413へ移行する。
次いで、S1413の処理では、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1413)。この判別は、実行情報格納エリア223fに設けられたシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータを確認し、該シナリオデータが保留球数「0」個であって「開始時」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」(以下、「開始時」〜「保留消去後」と略す)を示すデータか否かを判別する。
S1413の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータである場合は(S1413:Yes)、実行図柄において「保留変化予告」を実行するために、実行図柄変化処理を行い(S1414)、処理をS1415へ移行する。
一方、S1413の処理において、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータでなければ(S1413:No)、S1414の処理をスキップして、処理をS1415へ移行する。S1414の実行図柄変化処理については図32において後述する。
次いで、S1415の処理では、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3に表示される保留図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1415)。この判別は、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第3エリアに設けられたシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるそれぞれのシナリオデータについて判別する。つまり、各シナリオデータ格納エリア223e6の各シナリオデータが、シフト後の保留図柄表示領域Db1〜Db3において「保留変化予告」の実行タイミングか否か(例えば、保留情報格納第1エリアにシフトして記憶されたシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「1」個を示すデータか否か)を判別する。
S1415の処理の結果、実行タイミングに該当するシナリオデータを記憶する保留情報格納第1〜3エリアが存在すれば(S1415:Yes)、該当する保留図柄に保留変化情報格納エリア223e5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて該当する保留図柄の情報を含めた表示用シフト時保留変化コマンドを設定し(S1416)、メイン処理(図28参照)へ戻る。
具体的には、保留情報格納第1エリアのシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるシナリオデータが保留個数「1」個を示すデータであれば、保留情報格納第1エリアの保留変化情報格納エリア223e5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。また、保留情報格納第2エリアのシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるシナリオデータが保留個数「2」個を示すデータであれば、保留情報格納第2エリアの保留変化情報格納エリア223e5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。さらに、保留情報格納第3エリアのシナリオデータ格納エリア223e6に記憶されるシナリオデータが保留個数「3」個を示すデータであれば、保留情報格納第3エリアの保留変化情報格納エリア223e5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させることを通知する表示用シフト時保留変化コマンドを生成して設定する。
ここで設定された表示用シフト時保留変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用シフト時保留変化コマンドを受信した表示制御装置114では、保留図柄をシフト表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で該当する保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
一方、S1415の処理において、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第3エリアの各シナリオデータ格納エリア223e6に、実行タイミングに該当するシナリオデータが記憶されていなければ(S1415:No)、S1416の処理をスキップして、メイン処理(図28参照)へ戻る。
このように、変動演出の実行開始に伴う実行図柄および保留図柄のシフト表示時に、実行情報格納エリア223fおよび保留情報格納エリア223eにそれぞれ記憶されるシナリオデータを確認して、「保留変化予告」の実行タイミングに該当するシナリオデータが存在する場合は、保留図柄および実行図柄のシフト表示時に「保留変化予告」を現出させることが可能となる。これにより、「保留変化予告」が現出するタイミングを多様化し、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理(S1414)について説明する。図32は、この実行図柄変化処理(S1414)を示したフローチャートである。
この実行図柄変化処理(S1414)は、メイン処理(図28参照)において実行される変動演出処理(図31参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81の実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を実行するために行われる。この実行図柄変化処理では、まず、実行図柄の変化タイミング、即ち、実行図柄において「保留変化予告」を現出させる実行タイミングを判別する(S1501)。この判別は、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータを確認することで判別する。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」を示すデータであれば(S1501:「開始時」)、実行図柄を実行図柄表示領域Db0に表示(シフト)するタイミングにおいて、保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用開始時変化コマンドを設定し(S1502)、この実行図柄変化処理を終了して、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用開始時変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用開始時変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に実行図柄をシフト表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で実行図柄を表示させるように表示制御を行う。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「リーチ前」を示すデータであれば(S1501:「リーチ前」)、変動演出の「リーチ表示」が現出する前のタイミング(例えば、「高速変動」の変動要素中や、「低速変動」の変動要素中における左図柄列Z1の停止時等)において、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ前変化コマンドを設定し(S1503)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用リーチ前変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用リーチ前変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対し、該変動演出の「リーチ表示」が現出する前のタイミング(例えば、「高速変動」の変動要素中や、「低速変動」の変動要素中における左図柄列Z1の停止時等)で、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「リーチ後」を示すデータであれば(S1501:「リーチ後」)、変動演出の「リーチ表示」が現出した後のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)において「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「リーチ表示」が現出するか否かを判別する(S1504)。この判別は、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動パターンを判別することで行う。
S1504の判別の結果、変動演出において「リーチ表示」が現出すると判別された場合は(S1504:Yes)、当初設定された変動演出の「リーチ表示」が現出した後のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)において「保留変化予告」を実行することができる。よって、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ後変化コマンドを設定し(S1505)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用リーチ後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用リーチ後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対し、該変動演出の「リーチ表示」が現出した後(現出中)のタイミング(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中等)で、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
一方、S1504の処理において、変動演出において「リーチ表示」が現出しないと判別された場合は(S1504:No)、変動演出において「リーチ表示」が存在しないことによって、「保留変化予告」を「リーチ後」に実行することができない。従って、「リーチ後」に設定されている「保留変化予告」を、実行可能なタイミングである「リーチ前」に変更するため、処理をS1503へ移行して、表示制御装置114へ向けて表示用リーチ前変化コマンドを設定し(S1503)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
このように構成することで、当初設定された「リーチ後」の「保留変化予告」を実行できない変動演出であっても、実行可能な「リーチ前」の実行タイミングに変更して「保留変化予告」を実行することができる。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを別系統の処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を別系統のプログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「保留消去後」を示すデータであれば(S1501:「保留消去後」)、この判別は、保留表示設定処理(図30参照)のS1309の処理に基づいて、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に記憶されている再変動情報の判別を行う。
S1506の判別の結果、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されている場合は(S1506:Yes)、「リーチ表示」の後に「再変動」が実行される変動演出であるので、次に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去した後のタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後や、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後)において「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行によってコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを判別する(S1507)。この判別は、保留表示設定処理(図30参照)のS1307の処理において、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に記憶されている保留消去情報の判別を行う。
S1507の判別の結果、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に保留消去情報が記憶されている場合は(S1507:Yes)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行可能であるので、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用消去後変化コマンドを設定し(S1508)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、該変動演出の「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が終了した後であって、「再変動」の変動要素の実行前のタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
このように構成することで、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」の変動要素等によってコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了してコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0の実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第1実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、コクピット表示領域Dbの表示や、該コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄や保留図柄は、「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行中以外、常時表示され続け、遊技者に現在の変動演出の実行示唆と、待機中の変動演出の有無を報知するものである。また、コクピット表示領域が「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行に伴って消去された場合であっても、該「スーパーリーチ以上」の変動要素が終了次第、直ちに再表示されるように構成されており、遊技者は、その再表示に対して違和感を感じない。即ち、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示内容として、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄は、本来表示されるべきものと認識し、それが例外的な事象(「スーパーリーチ以上」の実行)に伴って消去されたとしても、その例外的な事象が終了した場合に、直ちに本来あるべき姿に戻るものと認識している。そして、第1実施形態では、その本来あるべき姿に戻るタイミングにおいて、さりげなく実行図柄の表示態様を消去前から変更することで、敢えてその変化に気付き難く構成し、変化に気付いた時の意外性によって驚きを増大させている。このように構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「保留消去後」)に割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
一方、S1506の処理において、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合は(S1506:No)、変動演出において「再変動」の変動要素を含まないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する意味がない。具体的には、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、該「スーパーリーチ」の変動要素の後に演出が何の発生しないため、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。
また、S1507の処理において、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に保留消去情報が記憶されていないと判別された場合は(S1507:No)、変動演出においてコクピット表示領域Dbを消去する演出が行われないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することができない。
よって、S1506において、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合(S1506:No)、又は、S1507の処理において、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に保留消去情報が記憶されていないと判別された場合は(S1507:No)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行できないため、「保留変化予告」の実行可能なタイミングを確認するべく、処理をS1504へ移行する。
このように構成することで、当初設定された「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動演出であっても、実行可能な実行タイミング(「リーチ後」又は「リーチ前」)に変更して「保留変化予告」を実行することができる。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを別系統の処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を別系統のプログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
次に、図33を参照して、「保留消去後」の「保留変化予告」の実行例について説明する。図33は、第3図柄表示装置81で実行される変動演出において、「保留消去後」の「保留変化予告」が行われる状況を示した図である。具体的には、図33(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が現出される間際の状態を示した図である。図33(b)は、図33(a)の状態から副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図33(c)は、図33(b)の状態からコクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図33(d)は、図33(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が現出することを示唆する演出が実行されている状態を示した図である。図33(e)は、図33(d)の状態から副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。図33(f)は、図33(e)の状態から「再変動」が実行されて「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図33(a)〜図33(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
図33(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図33(b)では、図33(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。これは、副表示領域Dsは、上述したように、主として主表示領域Dmにおける変動演出で「リーチ表示」が発生するか否かを示唆する機能を担っており、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、副表示領域Dsの存在意義が薄れるからである。また、遊技者は、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合に、該「リーチ表示」の結果が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるか否かに着目するものであり、「リーチ表示」の発生を示唆する副表示領域Dsの表示内容への注目は薄れてしまう。従って、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするために、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
この図33(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図33(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図33(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されずに継続表示されるように構成されている。これは、「ノーマルリーチ」の変動要素は、該「ノーマルリーチ」の変動要素のみの変動演出では大当たり抽選に外れる場合が多く「ハズレ表示」が現出する可能性が高い。そして、「ノーマルリーチ」の変動要素が「ハズレ表示」となった場合には、次の変動演出が直ちに開始されるため、次の変動演出が保留されているか否かを遊技者に示唆する必要がある。従って、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示を維持(継続表示)し、遊技者に対して変動演出の保留球数がいくつ存在するかを示唆するように構成されている。
また、コクピット表示領域Dbは、副表示領域Dsより小さい表示であるので、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時に表示し続けたとしても、該「ノーマルリーチ」の変動要素の演出を阻害することない。よって、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示しても実害がない。
さらに、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、上述した「保留変化予告」を実行可能であり、実行中の変動演出の内容を示唆する実行図柄においても、該「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示するように構成されている。即ち、実行図柄の表示態様によって実行中の変動演出の大当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成されている。よって、遊技者に実行図柄の表示態様を「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中に確認させることで、実行中の「ノーマルリーチ」の変動要素が「スーパーリーチ」の変動要素へと発展して大当たりするか否かを、遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
図33(c)では、図33(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図33(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」(「スペシャルリーチ」の変動要素では「競争演出」)が表示されている。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出(第1実施形態では、キックボクシング)が実行される。「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が勝利すれば大当たりとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「バトル演出」において、敵側のキャラクタ図柄が勝利した場合はハズレとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
また、図33(c)で示すように、第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が新たに現出表示されるように構成されている。
実行中の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たりへの期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素が発生した場合、遊技者は、保留(待機)中の変動演出がいくつあるかよりも、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかに着目している。このため、変動演出の保留球数を示す保留図柄に着目していない。むしろ、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbによって保留図柄を表示してしまうと、遊技者が「スーパーリーチ」の変動要素の演出に集中することができず、遊技者は保留図柄の表示に対して煩わしさを感じてしまう場合がある。
また、コクピット表示領域Dbの第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出には直接的な関係を有さないものである。さらに、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4に表示される保留図柄は、実行中の変動演出の表示制御とは別系統の処理(音声ランプ制御装置113では、保留表示設定処理(図30参照))によって表示制御されるものである。「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、様々なキャラクタ図柄を現出させたり、各キャラクタ図柄等に多くのエフェクト表示を行うことよって、多くのスプライトに対して多くの付加的演出を実行しており、表示制御の処理負担が増加している状況である。このような状況において、実行中の変動演出とは直接的に関係がない複数の保留図柄の表示制御を行うと、各保留図柄のスプライトの数分、第3図柄表示装置81全体の表示制御に関する処理負担が増加してしまい、所謂コマ落ち等の表示異常が発生してしまうおそれがある。
さらに、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示し、その表示態様で実行中の変動演出の大当たり期待度を示すため、実行中の変動演出と直接的な関係を有するものである。しかし、該「保留変化予告」は、「大当たり表示」の現出期待度を示唆すると共に、「リーチ表示」の現出期待度を示唆するものである。このため、「スーパーリーチ」が現出した場合には、「保留変化予告」としての「リーチ表示」の現出期待度の示唆を全うしている状態である。また、「スーパーリーチ」が現出した場合には、「スーパーリーチ」という大当たり期待度が高い「リーチ表示」の実行によって、「大当たり表示」の現出期待度の示唆を一定程度(例えば、半分)満たしている状態である。さらに、上述したように、「スーパーリーチ」が現出した場合、遊技者は、「スーパーリーチ」の演出内容に着目しており、実行図柄における「保留変化予告」の表示態様に対する関心は薄れている。
そこで、「スーパーリーチ」の実行中において、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去し、表示画面において主として「スーパーリーチ」の演出を実行することで、遊技者を「スーパーリーチ」の演出に注目(集中)させることができる。また、遊技者の注目度が低い保留図柄及び実行図柄を消去することで、その表示制御にかかる負担を予め除いておくことで、遊技者に遊技に関する違和感を感じさせることなく、コマ落ち等の表示異常が発生することを防止することができる。
なお、この図33(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。「スーパーリーチ」の演出は、実行中の変動演出が「大当たり表示」となるか「ハズレ表示」となるかを示すものであるが、第3図柄の表示態様とは直接的な関係を有さないキャラクタ図柄によって行われるため、仮に第3図柄が全く表示されていない状態で「スーパーリーチ」中の該キャラクタ図柄のみに着目してしまうと、その演出が「リーチ表示」なのか否かが認識できない場合(例えば、「デモ画面」と勘違いする場合)がある。また、「スーパーリーチ」の演出は、所定時間(例えば、10秒)行われるため、「スーパーリーチ」中にいずれの第3図柄によって「リーチ表示」が発生したか遊技者が忘れてしまう場合がある。一方、「スーパーリーチ」の実行中にリーチ形成図柄を大きく表示してしまうと、「スーパーリーチ」の演出が見難くなってしまい、第3図柄によって「スーパーリーチ」の演出自体を阻害してしまうおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」中において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、「スーパーリーチ」の発生要因となった第3図柄のリーチ形成図柄を小さく表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の演出を阻害することなく「リーチ表示」が発生していることを遊技者に示唆すると共に、「リーチ表示」を発生した第3図柄の種類を遊技者に明確に示唆させることができる。
また、この図33(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上(「リーチ表示」の下側)には、変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が表示されている。上述したように、「スーパーリーチ」の実行中は、コクピット表示領域Dbの表示が消去されるため、遊技者はコクピット表示領域Dbの表示内容によって保留されている変動演出の回数を認識できないおそれがある。
そこで、「スーパーリーチ」の実行中において、コクピット表示領域Dbを消去する代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、変動演出の保留球数を示す数字図柄を表示するように構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」の演出中に、該「スーパーリーチ」の演出を阻害することなく、遊技者に変動演出の保留回数を示すことができる。
図33(d)では、図33(c)の状態から、「スーパーリーチ」における「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に負けた状態が表示されている。従って、遊技者は、図33(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。
また、図33(d)では、図33(c)と同様、「スーパーリーチ」の実行中であるので、コクピット表示領域Dbが消去された状態が維持されている。
図33(e)では、図33(d)の状態から、「スーパーリーチ」の演出にハズれて(敵側のキャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示(787)」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部では、チャンスダウンしている状態が表示されている。
この図33(e)では、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄が、「スーパーリーチ」の実行によって消去される前の表示態様(「白」。図33(b)参照。)から変化した表示態様(「赤」)で表示されている。即ち、「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」が行われている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部ではない部分(即ち、非主要部)では、チャンスアップしている状態が表示されている。よって、第3図柄表示装置81の表示画面上では、主要部(主表示領域Dm及び副表示領域Ds)においてチャンスダウンしている状態と、非主要部(コクピット表示領域Db)においてチャンスアップしている状態とが同時に表示されている。
遊技者は、図33(e)の状態を初めて見たとき、主表示領域Dmに「ハズレ表示(787)」が現出していることと、「スーパーリーチ」での「バトル演出」で負けたことの印象とにより、図33(d)の時点での予測通り、この変動演出で「大当たり表示」が現出せず、「ハズレ表示」が現出し、そのまま「ハズレ表示」が確定すると推測して、次の変動演出に興味が移っている状態である。そして、遊技者が次の変動演出の内容に着目しようとコクピット表示領域Dbの保留図柄を見たとき、今回の変動演出を示す実行図柄表示領域Db0の実行図柄において「保留変化予告」が行われ、該実行図柄が「赤」に変化していることを認識する。
この「保留消去後」の「保留変化予告」を初めて見た遊技者は、この時点で、まず、「スーパーリーチ」の「バトル演出」の実行前からの実行図柄の表示態様の違いに気付き、違和感を感じる。そして、その違和感の根源が、「赤」の実行図柄であることを認識する。そして、該「赤」の実行図柄の「保留変化予告」がいつ行われたか自身の記憶をもとに検討する。検討の結果、「保留変化予告」は、「スーパーリーチ」の実行前には行われておらず、「スーパーリーチ」が終わった後に実行されたものであることを把握する。この瞬間、遊技者は、実行中の変動演出において、該「赤」の実行図柄によって何らかの事象が発生するのでは、と予想する。
図33(f)では、図33(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「再変動」が実行されている状態を示している。この「再変動」では、主表示領域Dmが拡大して表示されると共に副表示領域Dsが消去され、各表示領域Dm1〜Dm3において「787」と停止表示されていた「ハズレ表示」が再び変動を開始し、最終的に「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、「再変動」が発生したことに対して驚くと共に、図33(e)の段階で推測した通り、変動演出が「ハズレ表示」で確定せずに発展して、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
また、この「保留消去後」の「保留変化予告」を一度体験した経験がある遊技者は、次回からの「スーパーリーチ」において、たとえ該「スーパーリーチ」で「ハズレ表示」が現出したとしても、再表示されるコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0において実行図柄が変更しているか否かを確認するようになる。よって、「スーパーリーチ」の実行後であっても再表示される実行図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、変動演出が確定表示されるまで「大当たり表示」が現出することを期待しながら遊技を行うことができる。従って、変動演出が確定表示されるまで遊技の興趣を維持することができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、まず、コクピット表示領域Dbを消去する演出(例えば、「スーパーリーチ」)を行う。そして、該演出の実行後にコクピット表示領域Dbを再表示するタイミングであって、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を再表示するタイミングにおいて「保留変化予告」を実行するように構成する。その後、再表示時に「保留変化予告」が実行された場合には、「ハズレ表示」が「大当たり表示」に変化する「再変動」を行うように構成する。このように構成することで、遊技者は、当初、ハズレと予測していた変動演出において大当たりが付与されたに対して驚くと共に、実行図柄の変化を認識した段階での推測通り、変動演出が「ハズレ表示」で確定せずに発展して、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
また、この「保留消去後」の「保留変化予告」を一度体験した遊技者は、次回からのコクピット表示領域Dbが消去される演出(例えば、「スーパーリーチ」)において、たとえ該演出で「ハズレ表示」が現出したとしても、再表示されるコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0において実行図柄が変更しているか否かを確認するようになる。よって、上記演出の実行後であっても再表示される実行図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、変動表示が確定表示されるまで「大当たり表示」が現出することを期待しながら遊技を行うことができる。従って、変動演出が確定表示されるまで遊技の興趣を維持することができる。
さらに、実行図柄において「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が消去され、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0の実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第1実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、コクピット表示領域Dbの表示や、該コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄や保留図柄は、「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行中以外、常時表示され続け、遊技者に現在の変動演出の実行示唆と、待機中の変動演出の有無を報知するものである。また、コクピット表示領域が「スーパーリーチ以上」の変動要素の実行に伴って消去された場合であっても、該「スーパーリーチ以上」の変動要素が終了次第、直ちに再表示されるように構成されており、遊技者は、その再表示に対して違和感を感じない。即ち、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示内容として、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄は、本来表示されるべきものと認識し、それが例外的な事象(「スーパーリーチ以上」の実行)に伴って消去されたとしても、その例外的な事象が終了した場合に、直ちに本来あるべき姿に戻るものと認識している。そして、第1実施形態では、その本来あるべき姿に戻るタイミングにおいて、さりげなく実行図柄の表示態様を消去前から変更することで、敢えてその変化に気付き難く構成し、変化に気付いた時の意外性によって驚きを増大させている。このように構成することで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「保留消去後」)に割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
また、「保留変化予告」の実行を決定し、該実行タイミングが「保留消去後」であった場合、該実行タイミングで「保留変化予告」を実行可能か否かを確認し、実行できないと判定された場合に、実行可能な実行タイミング(「リーチ後」又は「リーチ前」)に変更して「保留変化予告」を実行するように構成する。このように構成することで、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを異なる(別系統の)処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を異なる(別系統の)プログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
<第2実施形態>
次いで、図34から図37を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、当初設定された実行タイミング(「保留消去後」)で「保留変化予告」を実行できる変動演出か否かを判別し、実行できる変動演出である場合には、当初の設定通りの実行タイミング(「保留消去後」)で「保留変化予告」を行う一方、実行できない変動演出である場合には、当初設定されていた「保留変化予告」の実行タイミングを変更して、「保留変化予告」を実行可能なタイミングを判別した上で、該「保留変化予告」を実行するように構成されている。
しかしながら、「保留消去後」の「保留変化予告」が選定されていた場合であっても、該「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる(「再変動」を含む)変動演出でなければ、折角、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択されたにもかかわらず、該タイミングでの「保留変化予告」が実行され難く、従来通りの「保留変化予告」が頻発し、遊技の興趣を向上できないおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、当初設定された実行タイミングで「保留変化予告」を実行できる変動演出か否かを判別し、実行できない変動演出である場合には、該変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる内容に変更して、当初された「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成されている。
具体的には、変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない演出態様(変動要素)と判定されたとき、「疑似ガセ」の変動要素又は「疑似連1」の変動要素(以下、「疑似ガセ」の変動要素又は「疑似連1」の変動要素を総称して「疑似演出」の変動要素という場合がある)に関する変動要素の有無を判別する。そして、「疑似演出」の変動要素を含むと判定された場合に、「疑似演出」の変動要素の全部(又は一部)を、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素である「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に変換する。
この変動要素の変更は、本パチンコ機10の主制御装置110では、変動演出の大まかな変動パターンと変動時間のみを決定して、その決定内容を音声ランプ制御装置113に送信し、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から受信した変動演出の大まかな変動パターンと変動時間とに基づいて変動演出の詳細な変動パターンを決定しているため、変更可能に構成されている。即ち、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110で決定された変動時間の中で整合性が取れる変動演出を実行できるのであれば、その細かな変動要素等は音声ランプ制御装置113側で自由に選択及び決定することができるように構成されている。具体的には、例えば、音声ランプ制御装置113において、変動演出の変動要素を変更しようとする場合、例えば、同一の変動時間の変動要素が2つ存在するとき、一方の変動要素を他方の変動要素に変更したとしても、変動演出における変動時間の整合性が取れる。よって、主制御装置110の決定した変動時間に対応するように音声ランプ制御装置113で変動要素を変更しても問題は生じることがなく、主制御装置110が決定した変動時間内で適切な変動演出を実行することができる。
第2実施形態では、当初、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択されていた場合に、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素が存在しないとき、「疑似演出」の変動要素に該当する部分をコクピット表示領域Dbを消去する変動要素(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)に変更することで、コクピット表示領域Dbを消去させることができる。従って、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素を追加することで、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することが可能となる。このように構成することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、該「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行し易くすることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図34を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fについて説明する。図34は、第2実施形態における保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fの構成を模式的に示した図である。第2実施形態における保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fの構成において、第1実施形態と相違する点は、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fに、それぞれ、「疑似演出」が実行されることを示す疑似演出情報を記憶する疑似演出情報格納エリア223e9,223f9が設けられている点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信時に、保留情報格納Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図36参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報、再変動情報および疑似演出情報を、同じ保留情報格納Xエリアの各格納エリア223e5〜223e9にそれぞれ格納する。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e8に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリア223f1〜223f9に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e9に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e9に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e9に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e9に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e9に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e9に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223fおよび保留情報格納エリア223eに格納される。
次に、図35を参照して、「疑似演出」を含み、かつ、コクピット表示領域Dbを消去しない変更前変動演出と、該変更前変動演出と変動時間が同一で、かつ、コクピット表示領域Dbを消去する変更後変動演出について説明する。図35(a)は、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」と「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」との関係を示したタイムチャートであり、図35(b)は、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」と「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」との関係を示したタイムチャートである。
図35(a)で示すように、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」と「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」とは、共に全体の変動時間が40秒で構成されている。具体的には、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」は、7秒間の「高速変動」の変動要素と、3秒間の「低速変動」の変動要素と、10秒間の「疑似ガセ」の変動要素と、10秒間の「ノーマルリーチ」の変動要素と、10秒間の「再変動」の変動要素とが順に組み合わされて構成され、全体で40秒間行われる変動パターンである。よって、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」では、「疑似演出」の変動要素である「疑似ガセ」の変動要素が実行されるが、コクピット表示領域Dbを消去する「スーパーリーチ」の変動要素等は実行されない。従って、この「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」は、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動パターンである。
一方、「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」は、7秒間の「高速変動」の変動要素と、3秒間の「低速変動」の変動要素と、10秒間の「ノーマルリーチ」の変動要素と、10秒間の「スーパーリーチ」の変動要素と、10秒間の「再変動」の変動要素とが順に組み合わされて構成され、全体で40秒間行われる変動パターンである。よって、「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」では、「疑似演出」の変動要素は含まれないが、「疑似ガセ」の変動要素と同等の変動時間である「スーパーリーチ」の変動要素が含まれ、該「スーパーリーチ」の変動要素の実行によってコクピット表示領域Dbが消去される。従って、この「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」は、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる変動パターンである。
これにより、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」と「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」とは、それぞれの変動要素は異なるが全体の変動時間が同一なので(40秒)、音声ランプ制御装置113において一方の変動パターンを他方の変動パターンへ置き換えても整合性が取れている。その結果、後に主制御装置110から送信されるコマンド(例えば、確定コマンド)があった場合であっても、該コマンドの制御タイミングにおいて問題が生じない。即ち、「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」と「ノーマルリーチ+スーパーリーチ+再変動(C605H)」とは互いに置き換え可能な変動パターンである。
次いで、図35(b)で示すように、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」と「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」とは、共に全体の変動時間が50秒で構成されている。具体的には、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」は、7秒間の「高速変動」の変動要素と、3秒間の「低速変動」の変動要素と、20秒間の「疑似連1」の変動要素と、10秒間の「ノーマルリーチ」の変動要素と、10秒間の「再変動」の変動要素とが順に組み合わされて構成され、全体で50秒間行われる変動パターンである。よって、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」では、「疑似演出」の変動要素である「疑似連1」の変動要素が実行されるが、コクピット表示領域Dbを消去する「スーパーリーチ」の変動要素等は実行されない。従って、この「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」は、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動パターンである。
一方、「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」は、7秒間の「高速変動」の変動要素と、3秒間の「低速変動」の変動要素と、10秒間の「ノーマルリーチ」の変動要素と、20秒間の「スペシャルリーチ」の変動要素と、10秒間の「再変動」の変動要素とが順に組み合わされて構成され、全体で50秒間行われる変動パターンである。よって、「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」では、「疑似演出」の変動要素は含まれないが、「疑似連1」の変動要素と同等の変動時間である「スペシャルリーチ」の変動要素が含まれ、該「スペシャルリーチ」によってコクピット表示領域Dbが消去される。従って、この「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」は、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる変動パターンである。
従って、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」と「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」とは、それぞれの変動要素は異なるが全体の変動時間が同一なので(50秒)、音声ランプ制御装置113において一方の変動パターンを他方の変動パターンへ置き換えても整合性が取れている。その結果、後に主制御装置110から送信されるコマンド(例えば、確定コマンド)があった場合であっても、該コマンドの制御タイミングにおいて問題が生じない。即ち、「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」と「ノーマルリーチ+スペシャルリーチ+再変動(C705H)」とは互いに置き換え可能な変動パターンである。
次に図36を参照して、第2実施形態における保留表示設定処理(S1209)について説明する。図36は、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理を示したフローチャートである。第2実施形態では、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信した場合に、この保留表示設定処理を行い、「保留変化予告」の実行が決定されたとき、保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報および再変動情報を、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5〜223e8にそれぞれ格納する。また、保留表示設定処理では、保留球数コマンドが示す変動演出において「疑似演出」の変動要素が含まれているか否かを判別する。判別の結果、「疑似演出」の変動要素が含まれている場合には、該「疑似演出」の変動要素の実行を示す疑似演出情報を疑似演出情報格納エリア223e9に格納するように構成されている。
具体的には、保留表示設定処理(S1209)のS1303の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1303)。判別の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1303:No)、「保留変化予告」は実行されないので、「保留変化予告」に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223e5、シナリオデータ格納エリア223e6、保留消去情報格納エリア223e7、再変動情報格納エリア223e8および疑似演出情報格納エリア223e9に、Nullデータをそれぞれ格納し(S1354)、処理をS1313へ移行する。
一方、S1303の処理において、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1303:Yes)、第1実施形態と同様、S1304〜S1311の処理を行い、保留変化情報、シナリオデータ、保留消去情報又は再変動情報を、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5〜223e8に格納し、処理をS1351へ移行する。
S1351の処理では、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出に「疑似演出」の変動要素が含まれるか否かを判別する(S1351)。判別の結果、「疑似演出」の変動要素が含まれていれば(S1351:Yes)、その変動演出で「疑似演出」の変動要素が行われることを示す疑似演出情報を、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの疑似演出情報格納エリア223e9に格納し(S1352)、処理をS1313へ移行する。S1352の処理により、「疑似演出」の変動要素を、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に置き換えることが可能であることを認識できる。なお、S1351の処理において、「疑似演出」の変動要素が含まれていないと判別された場合は(S1351:No)、保留情報格納第Xエリアの疑似演出情報格納エリア223e9にNullデータを格納して(S1353)、処理をS1313へ移行する。S1353の処理において、疑似演出情報格納エリア223e9にNullデータを書き込むことにより、例えば、書込み前に保留情報格納第Xエリアに記憶されていた「疑似演出」の変動要素に関する疑似演出情報の重複使用を防止することができる。
次に、図37を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理(S1414)について説明する。図37は、第2実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理を示したフローチャートである。この実行図柄変化処理は、メイン処理(図28参照)において実行される変動演出処理(図31参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81の実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を実行するために行われる。
第2実施形態の実行図柄変化処理(S1414)において、S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「保留消去後」を示すデータであれば(S1501:「保留消去後」)、変動演出の「リーチ表示」の後に「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「再変動」の変動要素が実行されるか否かを判別する(S1506)。この判別は、保留表示設定処理(図30参照)のS1309の処理に基づいて、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に記憶されている再変動情報の判別を行う。
S1506の処理において、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合は(S1506:No)、変動演出において「再変動」の変動要素を含まないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する意味がない。具体的には、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」の変動要素が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。
よって、S1506において、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されていないと判別された場合(S1506:No)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行できないため、「保留変化予告」の実行可能なタイミングを確認するべく、処理をS1504へ移行する。
一方、S1506の判別の結果、実行情報格納エリア223fの再変動情報格納エリア223f8に再変動情報が記憶されている場合は(S1506:Yes)、「リーチ表示」の後に「再変動」の変動要素が実行される変動演出であるので、次に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去した後のタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後や、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後)において「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行によってコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを判別する(S1507)。この判別は、保留表示設定処理(図30参照)のS1307の処理において、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に記憶されている保留消去情報の判別を行う。
S1507の判別の結果、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に保留消去情報が記憶されている場合は(S1507:Yes)、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行可能であるので、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用消去後変化コマンドを設定し(S1508)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、該変動演出の「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」が終了した後であって、「再変動」の実行前のタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
一方、S1507の処理において、実行情報格納エリア223fの保留消去情報格納エリア223f7に保留消去情報が記憶されていないと判別された場合は(S1507:No)、変動演出において行われる「リーチ表示」は「ノーマルリーチ」であって、コクピット表示領域Dbを消去する演出が行われないため、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することができない。従って、変動演出の変動要素を変更して「保留消去後」の「保留変化予告」を実行可能な否かを確認するべく、処理をS1551へ移行する。
S1551の処理では、変動演出において「疑似演出」の変動要素が選択されているか否かを判別する(S1551)。この判別は、保留表示設定処理(図36参照)のS1352の処理において、実行情報格納エリア223fの疑似演出情報格納エリア223f9に記憶されている疑似演出情報の判別を行う。
S1551の判別の結果、実行情報格納エリア223fの疑似演出情報格納エリア223f9に疑似演出情報が記憶されていない場合は(S1551:No)、実行図柄を変化させるコマンドを設定することなく、この実行図柄変化処理(S1414)を終了し、変動演出処理(図31参照)へ戻る。即ち、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択されている場合に、「再変動」、「スーパーリーチ以上」、および、「疑似演出」が行われない変動演出においては、実行図柄において「保留変化予告」を実行しないように構成する。このように構成することで、「保留変化予告」の実行タイミングとして適切な演出ではない場合に、実行図柄の「保留変化予告」を実行しないように構成することで、演出内容に齟齬が生じることなく、整合のとれた演出を遊技者に提供することができる。
なお、S1551の処理において、実行情報格納エリア223fの疑似演出情報格納エリア223f9に疑似演出情報が記憶されていないと判別された場合に(S1551:No)、例えば、S1504の処理に移行して、実行図柄に対して「保留変化予告」を行える実行タイミングがあるか否かを判別するように構成してもよい。このように構成することで、選択された「保留変化予告」をいずれかの実行タイミングで確実に実行することができるので、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
一方、S1551の判別の結果、実行情報格納エリア223fの疑似演出情報格納エリア223f9に疑似演出情報が記憶されている場合は(S1551:Yes)、「疑似演出」の内容に応じて変更する変動要素を確認するべく、疑似演出情報格納エリア223f9に記憶されている「疑似演出」は「疑似ガセ」か否かを判別する(S1552)。判別の結果、疑似演出情報格納エリア223f9に記憶される疑似演出情報として「疑似ガセ」が記憶されている場合は(S1552:Yes)、現時点で表示制御装置114へ送信済みの表示用変動パターンコマンドをキャンセルさせて、「疑似ガセ」の変動要素を「スーパーリーチ」の変動要素に変更して「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる変動演出を実行するべく、「疑似ガセ」の変動要素を変更して「スーパーリーチ」の変動要素を実行する疑似ガセ変更スーパーコマンドを表示制御装置114へ向けて設定し(S1553)、処理をS1508へ移行する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から上記疑似ガセ変更スーパーコマンドを受信した場合、受信済みの表示用変更パターンコマンドを、該疑似ガセ変更スーパーコマンドに差し替えて、変動演出の表示制御を実行するように構成されている。上述したように、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変更パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合、該コマンドに基づいた変動演出に関する表示処理を直ちには開始せず、上述した表示用エラーコマンドや疑似ガセ変更スーパーコマンド等の変動演出の変更を示すコマンドが送信されるか否か所定時間(例えば、1ミリ秒)待機するように構成されている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信して、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行してしまうと、音声ランプ制御装置113からその後に表示用エラーコマンドが送信された場合、上記変動演出に関する表示処理を中止し、改めて疑似ガセ変更スーパーコマンド等に基づく変動表示に差し替えなければいけなくなる。そこで、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した場合であっても、直ちに該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理を実行せず、音声ランプ制御装置113から表示用エラーコマンドや疑似ガセ変更スーパーコマンド等が送信される可能性がある所定時間、該コマンドに基づく変動演出に関する表示処理の実行を待機する。このように構成することで、表示制御装置114は、変動演出に関する表示処理において、無駄な処理を実行することによる処理負担が生じることを未然に防止できる。
なお、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113から疑似ガセ変更スーパーコマンドが送信される可能性がある所定時間として、第2実施形態では1ミリ秒を例示したが、この待機時間は表示制御装置114における表示処理が遅れない範囲であれば如何様でもよい。具体的には、例えば、表示制御装置114では、20ミリ秒ごとに1フレーム分の表示処理及び描画処理を行うように構成されように構成されている、また、音声ランプ制御装置113では、上述したコマンド判定処理(図29参照)を実行した後に、変動演出処理(図31参照)内の実行図柄変化処理(S1414)は数ミリ秒以内に実行されるように構成されている。
従って、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信に基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを送信した後に、実行図柄変化処理において疑似ガセ変更スーパーコマンドを生成及び送信するまで、少なくとも数ミリ秒の時間があれば確実に該疑似ガセ変更スーパーコマンドの生成及び送信が実行可能である。従って、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを受信した後、少なくとも上記数ミリ秒待機すれば、疑似ガセ変更スーパーコマンドがある場合は受信することができる構成となっている。従って、1フレーム分の表示処理及び描画処理にかかる時間(20ミリ秒)より短い時間待機することで、変動演出に関する表示処理を滞りなく実行することが可能となるのため、第3図柄表示装置81への変動演出の表示処理が明らかに遅滞するような事象を未然に防止することができる。
また、S1552の処理において、疑似演出情報格納エリア223f9に記憶される疑似演出情報として「疑似ガセ」が記憶されていない場合は(S1552:No)、疑似演出情報として「疑似連1」が記憶されているので、現時点で表示制御装置114へ送信済みの表示用変動パターンコマンドをキャンセルさせて、「疑似連1」の変動要素を「スペシャルリーチ」の変動要素に変更して「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できる変動演出を実行するべく、「疑似連1」を変更して「スペシャルリーチ」を実行する疑似連1変更スペシャルコマンドを表示制御装置114へ向けて設定し(S1554)、処理をS1508へ移行する。
S1553又はS1554の処理で設定された疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。
疑似ガセ変更スーパーコマンドを受信した表示制御装置114は、当初、表示用変動パターンコマンドが示す「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」の変動演出を実行しようとしていたが、該疑似ガセ変更スーパーコマンドを受信したことによって、該「疑似ガセ+ノーマルリーチ+再変動(C505H)」を、「スーパーリーチ+再変動(C605H)」に変更して(差し替えて)表示制御を行う。
また、疑似連1変更スペシャルコマンドを受信した表示制御装置114は、当初、表示用変動パターンコマンドが示す「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」の変動演出を実行しようとしていたが、該疑似連1変更スペシャルコマンドを受信したことによって、該「疑似連1+ノーマルリーチ+再変動(C506H)」を、「スペシャルリーチ+再変動(C705H)」に変更して(差し替えて)表示制御を行う。
第2実施形態では、「疑似演出」の変動要素を、同一の変動時間で構成されている他の変動要素(例えば、「疑似ガセ」に対し「スーパーリーチ」等)に変更可能に構成されている。「疑似演出」の変動要素は、変動演出の前半部分で行われ、また、「大当たり表示」を現出しない。一方、「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」は、「大当たり表示」を現出し得る変動要素である。従って、遊技者は、変動演出の変動要素のうち、「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」に注目しがちであり、「疑似演出」に対しては表示結果に着目せず、いずれの「疑似演出」が実行されるか否かに注目するのみである。即ち、演出の重要度に関し、「疑似演出」の重要度は低く、「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」の重要度は高いといえる。
そして、第2実施形態のように、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、当初選択された変動演出で該「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できないとき、重要度の低い「疑似演出」が存在するか否かを確認する。そして、「疑似演出」が存在する場合には、該「疑似演出」より重要度が高い「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」に変更し、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できるように構成する。このように構成することで、重要度が低い演出を重要度が高い演出に変更することで、遊技者を変動演出の結果に注目させつつ、「保留消去後」の「保留変化予告」を行うことで、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
音声ランプ制御装置113は、メイン処理におけるコマンド判定処理(図28のS1110参照)において、表示制御装置114へ向けて表示用変動パターンコマンドを送信した後、次のメイン処理における変動演出処理(図28のS1109参照)において、表示制御装置114へ向けて疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを送信するように構成されている。また、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信した場合でも、上述したように、該表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドに基づく変動演出の表示制御を所定時間(例えば、1ミリ秒)待機し、第3図柄表示装置81において該表示用変動パターンコマンドに基づく表示を直ちに行わないように構成されている。さらに、表示制御装置114は、疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを、表示用変動パターンコマンドを受信してから上記所定時間以内に受信できるように構成されている。よって、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信した後に、該表示用変動パターンコマンドに基づく変動演出を第3図柄表示装置81で開始する前に疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを受信することができる。従って、第3図柄表示装置81の変動演出において、変動要素が変更されたことを遊技者に認識させることなく変動演出を実行することができる。その結果、遊技者に違和感等を感じさせることなく、スムースな変動演出を実行することができる。
なお、メイン処理の変動演出処理(図28のS1109参照)を、メイン処理のコマンド判定処理(図28のS1110)の処理の後に実行するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113は、表示用変動パターンコマンドを表示制御装置114へ送信してから直ちに疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを表示制御装置114へ送信することが可能となる。よって、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信してから直ちに疑似似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを受信することができ、変動演出の内容を変更することを早期に認識することができる。その結果、変更前の変動演出の表示制御を行うことなく、変更後の表示制御を行うことができるので、表示制御装置114の表示制御の負担を軽減することができる。
また、第2実施形態では、疑似ガセ変更スーパーコマンドや疑似連1変更スペシャルコマンドを生成する実行図柄変化処理(図37参照)は、コマンド判定処理(図29参照)において表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成して、変動開始フラグ223aをオンした後に実行されるように構成されている。即ち、音声ランプ制御装置113は、表示用変更パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを表示制御装置114へ送信した後でなければ、疑似ガセ変更スーパーコマンドや疑似連1変更スペシャルコマンドを送信しないように構成されている。よって、表示制御装置114では、例えば、表示用変更パターンコマンドを受信せずに、疑似ガセ変更スーパーコマンドを受信するようなことが発生せず、表示制御装置114における表示制御プログラムの作成を容易にすることができる。
S1508の処理では、S1507、S1553又はS1554の処理に基づいて「保留消去後」に「保留変化予告」を実行可能であるので、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用消去後変化コマンドを設定し(S1508)、変動演出処理(図31参照)へ戻る。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、該変動演出の「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」が終了した後であって、「再変動」の実行前のタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない演出態様(変動要素)と判定されたとき、まず、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素に変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」に関する変動要素)の有無を判別する。そして、変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」の変動要素)を含むと判定された場合に、該変更可能な変動要素(例えば、「疑似演出」の全部又は一部)を、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素(例えば、「スーパーリーチ」)の変動要素に変換する。
よって、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素を追加することで、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行することが可能となる。このように構成することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、該「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行し易くすることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、当初選択された変動演出で該「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できないとき、重要度の低い変動要素(例えば、「疑似演出」)が存在するか否かを確認する。そして、重要度の低い変動要素(例えば、「疑似演出」)が存在する場合には、該重要度の低い変動要素(例えば、「疑似演出」)より重要度が高い変動要素(例えば、「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」)に変更し、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できるように構成する。このように構成することで、重要度が低い変動要素を重要度が高い変動要素に変更し、該重要度が高い変動要素よって遊技者を変動演出の結果に注目させつつ、該重要度が高い変動要素の終了後に「保留消去後」の「保留変化予告」を行うことで、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、音声ランプ制御装置113は、メイン処理におけるコマンド判定処理(図28のS1110参照)において、表示制御装置114へ向けて表示用変動パターンコマンドを送信した後、次のメイン処理における変動演出処理(図28のS1109参照)において、表示制御装置114へ向けて疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを送信するように構成されている。また、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信した場合でも、表示制御処理の準備等によって所定時間(例えば、20ミリ秒)は第3図柄表示装置81において該表示用変動パターンコマンドに基づく表示を行うことができないように構成されている。さらに、表示制御装置114は、疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを、表示用変動パターンコマンドを受信してから上記所定時間以内に受信できるように構成されている。よって、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信した後に、該表示用変動パターンコマンドに基づく変動演出を第3図柄表示装置81で開始する前に疑似ガセ変更スーパーコマンド又は疑似連1変更スペシャルコマンドを受信することができる。従って、第3図柄表示装置81の変動演出において、変動要素が変更されたことを遊技者に認識させることなく変動演出を実行することができる。その結果、遊技者に違和感等を感じさせることなく、スムースな変動演出を実行することができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図38から図52を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10では、変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない変動要素の変動演出と判定されたとき、「疑似演出」の変動要素に関する変動要素の有無を判別するように構成されている。そして、「疑似演出」の変動要素を含むと判定された場合に、「疑似演出」の変動要素の全部(又は一部)を、コクピット表示領域Dbを消去する「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に変換している。
しかしながら、変動演出において、コクピット表示領域Dbを消去する変動要素に変更可能な変動要素が含まれない場合、変動要素の変更を行うことができないので、変動演出の変動要素を変更せず、また、「保留変化予告」を「保留消去後」に行わないように構成している。具体的には、変動演出に変更元となる「疑似演出」の変動要素が含まれない場合には、該「疑似演出」の変動要素を「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に置き換えることができないので、実行図柄において「保留消去後」の「保留変化予告」を実行しないように構成されている。従って、折角、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択されたにもかかわらず、該タイミングでの「保留変化予告」を実行することができず、遊技の興趣を向上できないおそれがある。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81の一部を覆うことが可能な可動役物を使用して、コクピット表示領域Dbを視認できない(視認困難に)状態に駆動可能に構成する。そして、該可動役物によりコクピット表示領域Dbを覆っている状態で、実行図柄において「保留変化予告」を実行する。その後、可動役物がコクピット表示領域Dbを覆う状態から元の状態に戻った場合に、遊技者は、実行図柄を再び視認することができる状態になると共に、実行図柄において「保留変化予告」が実行されていることを認識することが可能となる。
具体的には、第3実施形態のパチンコ機10において、第3図柄表示装置81の表示画面の左側に該表示画面上を往復駆動可能な左側可動役物87(図38参照)を配設するとともに、表示画面の右側に該表示画面上を往復駆動可能な右側可動役物88(図38参照)を配設する。該左側可動役物87および右側可動役物88は、変動演出において駆動抽選により駆動有無および駆動パターンが決定されるように構成されている。また、コクピット表示領域Dbは、変動演出の実行中、いずれの変動要素でも常時表示されるように構成する。さらに、左側可動役物87が所定の駆動態様(第3実施形態では、「強パターン」。以下、所定の駆動態様を「強パターン」と表現する。)で駆動した場合に、該左側可動役物87がコクピット表示領域Dbに覆い被る状態となり、該左側可動役物87によって遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できなくなる。そして、左側可動役物87が「強パターン」で駆動している状態において、実行図柄にて「保留変化予告」を実行(以下、「強パターン」時における「保留変化予告」の実行タイミングを、「強パターン駆動後」という)し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」が実行済みの実行図柄を、遊技者が再び視認可能となるように構成する。
また、第3実施形態のパチンコ機10において、変動演出において「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択されていた場合に、該変動演出において左側可動役物87の「強パターン」が選択されていないとき、左側可動役物87を「強パターン」で駆動可能な変動演出の内容か否かを判定する。判定の結果、変動演出において左側可動役物87を駆動可能な内容(変動要素)であれば、左側可動役物87を「強パターン」で駆動させ、該左側可動役物87をコクピット表示領域Dbを覆う。そして、左側可動役物87が「強パターン」で駆動している状態、即ち、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbの実行図柄を覆っている状態において、実行図柄にて「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」を実行済みの実行図柄が遊技者によって再び視認可能となるように構成する。
このように構成することで、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第3実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄を見えなくさせる場合に、第3図柄表示装置81の演出内容(変動要素)を変更するのではなく、第3図柄表示装置81とは異なる可動役物(左側可動役物87)の駆動パターンを変更することで、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄を見えなくすることができる。よって、第3図柄表示装置81の制御を行う表示制御装置114に対して、追加的なコマンド等を送信して演出内容の差し替え等をすることなく実行図柄を見えなくし、その上で「保留変化予告」を行うことができるので、表示制御装置114の制御負担を増やすことなく、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
なお、第3実施形態では、各可動役物87,88の「強パターン」以外の駆動パターンとして、該「強パターン」の駆動パターンより駆動範囲が小さい「弱パターン」の駆動パターンが設けられている。具体的には、「強パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態(90°)から水平状態(0°)に傾倒して、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われるように構成されている。一方、「弱パターン」の駆動パターンは、各可動役物87,88が初期位置の起立状態からやや傾いた状態(60°)に傾倒して、各可動役物87,88によってはコクピット表示領域Dbが覆われないように構成されている。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態又は第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態又は第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図38を参照して、第3実施形態の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素および「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷について説明する。
図38(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(「ノーマルリーチ」)」が現出される間際(直前)の状態を示した図である。図38(b)は、図38(a)の状態から「ノーマルリーチ」の変動要素の発生が確定し、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図38(c)は、図38(b)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素が発生し、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図38(d)は、図38(c)の状態から副表示領域Dsが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。
まず、図38(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」の変動要素が実行されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
また、第3図柄表示装置81の表示画面の左側には剣を模した左側可動役物87が配設されていると共に、該表示画面の右側にも同じく剣を模した右側可動役物88が配設されている。これら左側可動役物87および右側可動役物88(以下、左側可動役物87および右側可動役物88について「各可動役物87,88」と略す場合がある)は、通常時において初期位置として原点位置にあり、それぞれ第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置されている。
この各可動役物87,88の初期位置では、該各可動役物87,88の前面側が遊技者から視認可能であると共に、各可動役物87,88によって第3図柄表示装置81はほとんど覆われておらず、該第3図柄表示装置81の表示画面がほとんど視認できる状態となっている。
この各可動役物87,88は、変動演出における駆動抽選に当選した場合に、図示しない駆動モータによって第3図柄表示装置81の表示画面上をそれぞれ往復駆動するように構成されている。具体的には、各可動役物87,88の初期位置である非駆動時には、各可動役物87,88は、第3図柄表示装置81の左右両側にそれぞれ直立状態(90°)で保持される。
ここで、図39を参照して、各可動役物87,88の駆動態様について具体的に説明する。図39(a)は、第3実施形態における左側可動役物87および右側可動役物88の「弱パターン」による駆動パターンを模式的に示した図であり、図39(b)は、左側可動役物87および右側可動役物88の「強パターン」による駆動パターンを模式的に示した図である。
左側可動役物87は、初期位置(第3図柄表示装置81の左側位置。直立状態(90°)。)から駆動される場合に、該左側可動役物87の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を右側(時計回り)に回動駆動させる。この回転駆動において、「弱パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面中央部分である所定位置(所定角度(60°))まで回動して停止し(図39(a)参照)、「強パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面下部(0°)まで回動して停止し(図39(b)参照)、その停止状態を所定時間(例えば、1秒又は2秒)維持する。その後、上記各停止位置に停止している左側可動役物87は、該左側可動役物87の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を左側(反時計回り)に回転駆動して、初期位置(第3図柄表示装置81の左側位置。直立状態(90°)。)に戻るように構成されている。
右側可動役物88は、初期位置(第3図柄表示装置81の右側位置。直立状態(90°)。)から駆動される場合に、該右側可動役物88の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を左側(反時計回り)に回動駆動させる。この回転駆動において、「弱パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面中央部分である所定位置(所定角度(60°))まで回動して停止し(図39(a)参照)、「強パターン」の駆動態様では、第3図柄表示装置81の画面下部(0°)まで回動して停止し(図39(b)参照)、その停止状態を所定時間(例えば、1秒又は2秒)維持する。その後、上記各停止位置に停止している右側可動役物88は、該右側可動役物88の下端部を軸として第3図柄表示装置81の画面上を右側(時計回り)に回転駆動して、初期位置(第3図柄表示装置81の右側位置。直立状態(90°)。)に戻るように構成されている。
第3実施形態のパチンコ機10では、各可動役物87,88は、いずれかの「リーチ表示」が実行されているタイミングにおいて、抽選によって選択された駆動パターンにて駆動するように構成されている。即ち、「リーチ表示」が実行されている段階で、各可動役物87,88がいずれの駆動パターンで駆動するか否かによって大当たり期待度を異なるように構成しており、遊技者が、「リーチ表示」の実行中に各可動役物87,88がいずれの駆動パターンで駆動するか否かに注目し、遊技を行っている。
なお、第3実施形態のパチンコ機10では、左側可動役物87及び右側可動役物88は、「弱パターン」又は「強パターン」のいずれの駆動パターンであっても同時に駆動されるように構成されている。従って、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動した場合、各可動役物87,88の軌道が干渉するが、第3実施形態では、左側可動役物87の方が右側可動役物88よりやや早めに駆動し、それぞれが衝突しないように駆動制御される。
図38に戻って説明を続ける。図38(b)では、図38(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。これは、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするべく、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
この図38(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図38(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図38(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
また、図38(b)では、図38(a)と同様、各可動役物87,88は駆動されておらず、それぞれ初期位置(直立位置)に停止している状態である。
図38(c)では、図38(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図38(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示されている。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出が実行される。「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が勝利すれば大当たりとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「バトル演出」において、敵側のキャラクタ図柄が勝利した場合はハズレとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
この図38(c)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図38(a)および図38(b)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図38(a)および図38(b)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
第3実施形態のパチンコ機10において、コクピット表示領域Dbは、副表示領域Dsより小さい表示であるので、「スーパーリーチ」の変動要素の実行時に表示し続けたとしても、副表示領域Dsを表示し続ける場合と比べて「スーパーリーチ」の変動要素の演出を著しく阻害することない。よって、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中において、コクピット表示領域Dbの実行図柄を継続表示するように構成している。
また、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、「保留変化予告」を実行可能であり、実行中の変動演出の内容を示唆する実行図柄においても、該「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示するように構成されている。即ち、実行図柄の表示態様によって実行中の変動演出の大当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成されている。よって、遊技者に実行図柄の表示態様を「スーパーリーチ」の変動要素の実行中に確認させることで、実行中の「スーパーリーチ」の変動要素が大当たりするか否かを、遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
また、図38(c)では、図38(a)および図38(b)と同様、各可動役物87,88は駆動されておらず、それぞれ初期位置(直立位置)に停止している状態である。
なお、この図38(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。
また、この図38(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上(「リーチ表示」の下側)には、変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では「4」が表示されている)が表示されていない。これは、第3実施形態のパチンコ機10において、コクピット表示領域Dbの表示が常時行われているため、遊技者はコクピット表示領域Dbの表示内容を確認することで変動演出の回数を認識できるためである。
図38(d)では、図38(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素にハズれて(敵側のキャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Dsが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄が再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示されている。
第3実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して変動演出が停止表示(確定表示)される場合、第3図柄表示装置81の表示状態が初期状態、即ち、主表示領域Dm、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbのそれぞれが表示された状態となるように構成されている。このように構成することで、変動演出が停止表示(確定表示)したことを遊技者に認識し易くすると共に、保留(待機)中の変動演出があった場合に、スムースに次の変動演出を実行させることが可能となる。
よって、図38(a)から図38(d)で示すように、第3実施形態のパチンコ機10では、変動演出における各タイミングにおいて主表示領域Dmおよび副表示領域Dsの表示状態を拡大、縮小、消去または再表示することで、各タイミングにおいて重要度が高い表示内容を遊技者に認識させ易くできるように構成されている。また、コクピット表示領域Dbにおいて実行図柄および保留図柄を遊技者に常時表示することで、保留中の変動表示がいくつあるかを遊技者に明確に認識させることができる。
また、上述したように、第3実施形態のパチンコ機10では、各可動役物87,88の駆動パターンは、「弱パターン」と「強パターン」との2種類設けられている。なお、各可動役物87,88の「弱パターン」および「強パターン」の抽選比率については後述する。
各可動役物87,88の「弱パターン」では、コクピット表示領域Dbは覆われておらず、実行図柄および保留図柄は視認可能な状態である。なお、図示しないが、各可動役物87,88が「弱パターン」で駆動した場合、第3図柄表示装置81では、該可動役物87,88の駆動と連動してキャラクタ図柄等が所定の第1演出(例えば、各可動役物87,88をよけながら戦う演出)が行われるように構成されている。従って、音声ランプ制御装置113は、各可動役物87,88が「弱パターン」で駆動する場合に、その駆動態様を表示制御装置114に通知するために表示用弱パターンコマンドを送信するように構成されている。表示制御装置114は、該表示用弱パターンコマンドを受信した場合に、各可動役物87,88が「弱パターン」で駆動することを認識し、各可動役物87,88の「弱パターン」による駆動のタイミングに応じて、上記第1演出の表示制御を実行するように構成されている。
各可動役物87,88の「強パターン」では、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われており、実行図柄および保留図柄が視認できない状態である。なお、図示しないが、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動した場合、第3図柄表示装置81では、該可動役物87,88の駆動と連動してキャラクタ図柄等が所定の第2演出(例えば、各可動役物87,88によって斬られた演出)が行われるように構成されている。従って、音声ランプ制御装置113は、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動する場合に、その駆動態様を表示制御装置114に通知するために表示用強パターンコマンドを送信するように構成されている。表示制御装置114は、該表示用強パターンコマンドを受信した場合に、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動することを認識し、各可動役物87,88の「強パターン」による駆動のタイミングに応じて、上記第2演出の表示制御を実行するように構成されている。
このように、各可動役物87,88は、「弱パターン」の駆動パターンが延長されて駆動した態様が「強パターン」の駆動パターンとなるように構成されている。即ち、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンは、「弱パターン」の駆動パターンを含む内容で駆動される。従って、遊技者は、各可動役物87,88が駆動した段階で、その駆動パターンが「弱パターン」で終わるのか、その駆動が延長されて「強パターン」まで駆動するのか、という各可動役物87,88の駆動パターンに着目し、その駆動パターンがいずれの駆動パターンとなるか否かの興趣が生まれる。
なお、各可動役物87,88の駆動パターンを「弱パターン」と「強パターン」との2種類ではなく、3種類以上の駆動パターンを設けてもよい。具体的には、「中パターン」を設け、3段階の駆動パターンによって、大当たり期待度を示唆するように構成してもよい。
また、各可動役物87,88の駆動パターンを全く異なる駆動パターンで構成してもよい。具体的には、各可動役物87,88が剣先を軸として回動するパターンと、柄の先端を軸として回動するパターンとで構成してもよい。
さらに、各可動役物87,88を初期位置で遊技者から見えない位置に配置してもよい。このように構成することで、当初、見えなかった各可動役物87,88が第3図柄表示装置81の表示画面上に出没するので、出没したことよって遊技者を驚かせ、迫力ある演出を行うことができる。
次に、図40を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113および表示制御装置114の詳細な電気的構成について説明する。図40は、第3実施形態における主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。第3実施形態の音声ランプ制御装置113のROM222には、第1実施形態又は第2実施形態のROM222のシナリオテーブル222fと異なるシナリオテーブル222fが格納されると共に、さらに、役物抽選テーブル222gが少なくとも格納されている。
ここで、図41および図42を参照して、第3実施形態のシナリオテーブル222fについて説明する。上述したように、第3実施形態のパチンコ機10では、実行図柄に対して、「強パターン」で駆動した後の実行タイミングで「保留変化予告」を実行可能に構成されている。よって、音声ランプ制御装置113は、実行図柄に対する「保留変化予告」の実行タイミングとして、「強パターン駆動後」の実行タイミングが選択可能に構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置113は、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、「強パターン駆動後」の実行タイミングを含む「保留変化予告」の実行タイミングの中から、1の実行タイミングを決定する。図41は、第3実施形態の大当たり用シナリオテーブル222f1の一例を模式的に示した図である。
図41の大当たり用シナリオテーブル222f1では、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
第3実施形態における「保留変化予告」は、上記状況パターンごとにシナリオカウンタ223dとシナリオテーブル222fとによって決定されたタイミングパターンにおいて、決定された「保留変化予告」の表示態様が実行(現出)するように設定されている。
具体的には、例えば、「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「強パターン駆動後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって、左側可動役物87が「強パターン」で駆動している状態、即ち、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbの実行図柄を覆っている状態において、実行図柄にて「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行し、その後、該左側可動役物87が元の位置に戻ったとき、「保留変化予告」を実行済みの実行図柄が遊技者によって再び視認可能となるように構成する。
第3実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」は、第1入球口64への球の入球時に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドが送信された場合に、該音声ランプ制御装置113において抽選が行われ、「保留変化予告」を実行するか否かが決定される。「保留変化予告」の実行が決定された場合に、まず、その決定時点における保留球数と、決定された「保留変化予告」の表示態様とを把握する。そして、保留球数コマンドが示す変動演出が大当たりである場合には、シナリオカウンタ223dの値と大当たり用シナリオテーブル222f1とを参照して、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。
図41で示すように、大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
まず、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図41参照)。
図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「15〜49」、保留球数「1」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が35%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが選択され易い(35%)ように設定されている。
次いで、図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜89」、保留球数「1」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が60%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
次いで、図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜49」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「50〜99」となっている。なお、「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能であるため、この大当たり用シナリオテーブル222f1では、保留球数「1」個の実行タイミングに対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が40%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が0%、の選択割合となるように設定されている。なお、「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能であるため、この大当たり用シナリオテーブル222f1では、保留球数「1」個の実行タイミングに対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、「リーチ表示」の実行中のタイミングが選択され易い(40%)ように設定されている。なお、大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、該「保留変化予告」の決定時点の保留球数に関係なく上記選択割合に設定されている。よって、「保留変化予告」の決定時点の保留球数「2」個〜「4」個における大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様の説明は省略する。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図41参照)。
図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「15〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が25%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが選択され易い(25%)ように設定されている。
次いで、図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜79」、保留球数「1」個に対して「80〜89」、保留球数「2」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が50%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図41参照)。
図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「15〜29」、保留球数「1」個に対して「30〜39」、保留球数「2」個に対して「40〜49」、保留球数「3」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が15%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易く(50%)、次に、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが選択され易い(15%)ように設定されている。
次いで、図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が40%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜4」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「5〜9」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「10〜14」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「15〜19」、保留球数「1」個に対して「20〜29」、保留球数「2」個に対して「30〜39」、保留球数「3」個に対して「40〜49」、保留球数「4」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が5%、保留球数「0」個の「リーチ前」が5%、保留球数「0」個の「リーチ後」が5%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が5%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図41の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が30%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
このように、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動してコクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に再び視認可能となるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第3実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。つまり、予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
次に、図42を参照して、第3実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2について説明する。図42は、第3実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2の一例を模式的に示した図である。図42のハズレ用シナリオテーブル222f2では、大当たり用シナリオテーブル222f1と同様、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数1個〜4個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
図42で示すように、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。なお、「保留変化予告」の表示態様の「虹」は、該「虹」の表示態様が現出することで大当たりの発生を示唆するものであり、ハズレ時には選択されない。よって、ハズレ用シナリオテーブル222f2の「虹」の状況パターンには、「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の保留個数のいずれにもシナリオカウンタ223dの値が割り振られていないため、その説明は省略する。
まず、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図42参照)。
図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が60%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留消去後」にシナリオカウンタ223dの値が割り振られていなかったが、第3実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2では、「強パターン駆動後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dを割り振るように設定されている。これは、各可動役物87,88は、ハズレの変動演出でも実行され得るものであり、各可動役物87,88の「強パターン」が実行されたとしても「大当たり表示」が確定しないからである。
次いで、図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「60〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図42参照)。
図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図42の例で示す「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「60〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングや、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」若しくは「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図42参照)。
図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜59」、保留球数「3」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「60〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」若しくは「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜59」、保留球数「3」個に対して「60〜69」、保留球数「4」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次いで、図42の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜49」、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」に対して「50〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「0」個の「強パターン駆動後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、当該変動演出の「開始時」又は「リーチ前」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
このように、変動演出のハズレ時と大当たり時とで、同じ「保留変化予告(例えば、「青」)」であってもその実行タイミング(現出タイミング)を異ならせることで、「保留変化予告」の表示態様と、その表示態様が現出するタイミングとで大当たり期待度を異ならせることができる。よって、「保留変化予告」の表示態様と現出タイミングとによって該「保留変化予告」による大当たり期待度の示唆内容を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図40に戻って説明を続ける。第3実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223には、第1実施形態又は第2実施形態のRAM223に加え、駆動抽選カウンタ223g、ノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i、スーパー強フラグ223jが少なくとも設けられている。
駆動抽選カウンタ223gは、各可動役物87,88の駆動有無および駆動パターンを抽選するカウンタである。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した保留球数コマンドによって第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3および変動種別カウンタCS1の各値と、大当たり乱数テーブル222a、大当たり種別テーブル222b、停止パターンテーブル222cおよび変動パターンテーブル222dとに基づいて先読み処理を実行可能である。その先読み処理において、保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて駆動抽選カウンタ223g及び役物抽選テーブル222gによって各可動役物87,88の駆動有無および駆動パターンが抽選される。
この駆動抽選カウンタ223gは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図28のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。駆動抽選カウンタ223gの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図28のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第3実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その保留球数コマンドが示す変動演出の演出態様を把握し、その演出態様に基づいて駆動抽選カウンタ223gの値と役物抽選テーブル222gとを参照し、各可動役物87,88の駆動有無および駆動パターンが抽選される(図48のS1363参照)。
ここで、図43を参照して、役物抽選テーブル222gについて説明する。図43は、役物抽選テーブル222gの一例を模式的に示した図である。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、その時点での駆動抽選カウンタ223gの値に基づいて役物抽選テーブル222gを参照し、各可動役物87,88の駆動有無および駆動パターンが決定される。図43で示すように、役物抽選テーブル222gは、選択された演出態様に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時における「非リーチ(短縮および通常)」演出態様が決定された場合に参照される「非リーチ」用と、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「ノーマルリーチ:ノーマル時」用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「スーパーリーチ:ノーマル時」用および「スーパーリーチ:スーパー時」用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「スペシャルリーチ:ノーマル時」用および「スペシャルリーチ:スペシャル時」用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「ノーマルリーチ:ノーマル時」用と、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「スーパーリーチ:ノーマル時」用および「スーパーリーチ:スーパー時」用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様が決定された場合に参照される「スペシャルリーチ:ノーマル時」用および「スペシャルリーチ:スペシャル時」用と、大当たり時における「特殊変動」用とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれ駆動抽選カウンタ223gの取り得る値が対応付けられている。
なお、役物抽選テーブル222gにおいて、ハズレ時の「非リーチ」演出態様には、駆動抽選カウンタ223gの値が割り振られていない。これは、各可動役物87,88を「弱パターン」又は「強パターン」で駆動しようとした場合、いずれの駆動パターンにおいても、その駆動の開始から駆動の終了までに一定の駆動時間を要する。ハズレ時の「非リーチ」演出態様は、変動時間が比較的短く設定(例えば、「非リーチ(短縮)」演出態様で3秒、「非リーチ(通常)」演出態様で10秒)されており、各可動役物87,88を駆動する演出幅を有していないからである。
ここで、図44を参照して、変動演出における各変動要素ごとの演出時間について説明する。図44(a)は、変動演出の変動要素ごとの演出時間の一例を示した図であり、図44(b)は、各可動役物87,88の「弱パターン」および「強パターン」の駆動時間の一例を示した図である。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第3実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似ガセ」の変動要素、「疑似連1」の変動要素、「疑似連2」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素、「再変動」の変動要素及び「ムービー」の変動要素が設けられている。
図44(a)で示すように、第3実施形態の「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は変動演出の冒頭に3秒間行われ、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、変動演出の冒頭に7秒間行われる。
第3実施形態の「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に3秒間行われる。
第3実施形態の「疑似ガセ」の変動要素は、1回目の「低速変動」の変動要素の後に「疑似変動」の変動要素が10秒間行われ、「疑似連1」の変動要素は、1回目の「低速変動」の変動要素の後に「疑似変動」の変動要素と併せて20秒間行われ、「疑似連2」の変動要素は、1回目の「低速変動」の変動要素の後に「疑似変動」の変動要素と併せて30秒間行われる。
第3実施形態の「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素の後に5秒間行われる。また、第3実施形態の「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に10秒間行われる。さらに、第3実施形態の「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に20秒間行われる。また、第3実施形態の「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に10秒間行われる。さらに、第3実施形態の「ムービー」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の後に40秒間行われる。
次いで、図44(b)で示すように、各可動役物87,88の「弱パターン」は、初期位置(起立位置)から駆動位置(傾倒位置)まで駆動し、その後、再び初期位置(起立位置)まで戻るまでに3秒間要する駆動パターンである。具体的には、各可動役物87,88の「弱パターン」は、初期位置から駆動位置までの移動に1秒、駆動位置の状態維持に1秒、駆動位置から初期位置までの移動に1秒、の計3秒間行われる駆動パターンである。
また、各可動役物87,88の「強パターン」は、初期位置(起立位置)から駆動位置(傾倒位置)まで駆動し、その後、再び初期位置(起立位置)まで戻るまでに8秒間要する駆動パターンである。具体的には、各可動役物87,88の「強パターン」は、初期位置から駆動位置までの移動に2秒、駆動位置の状態維持に4秒、駆動位置から初期位置までの移動に2秒、の計8秒間行われる駆動パターンである。
従って、各可動役物87,88の「弱パターン」の駆動時間は、3秒間と短いため、図44(a)で示す「ノーマルリーチ」の変動要素や「スーパーリーチ」の変動要素等の各変動要素で実行可能である。一方、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動時間は、8秒間と長いため、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素および「ノーマルリーチ」の変動要素において実行することができない駆動パターンである。
ここで、図45を参照して、変動演出における各可動役物87,88の駆動パターンと駆動タイミングについて説明する。図45は、各変動演出における各可動役物87,88の駆動時間と駆動タイミングを示すタイムチャートであって、図45(a)は、第3実施形態における「ノーマルリーチ」の変動要素における各可動役物87,88の「弱パターン」の関係を示すタイムチャートであり、図45(b)は、「スーパーリーチ」の変動要素における各可動役物87,88の「弱パターン」及び「強パターン」との関係を示すタイムチャートであり、図45(c)は、「スペシャルリーチ」の変動要素における各可動役物87,88の「弱パターン」及び「強パターン」との関係を示すタイムチャートである。
図45(a)で示すように、「ノーマルリーチのみ(「E201H」又は「E501H」)」は、変動要素として、「高速変動」の変動要素と、「低速変動」の変動要素と、「ノーマルリーチ」の変動要素とで構成されている。そして、この「ノーマルリーチのみ(「E201H」又は「E501H」)」における各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングは、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時における「弱パターン」のみの1種類設けられている。これは、「ノーマルリーチのみ(「E201H」又は「E501H」)」の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素が5秒間しか実行されないため、各可動役物87,88の「強パターン(8秒間)」を実行できないためである。
次いで、図45(b)で示すように、「スーパーリーチのみ(「E301H」又は「E601H」)」は、変動要素として、「高速変動」の変動要素と、「低速変動」の変動要素と、「ノーマルリーチ」の変動要素と、「スーパーリーチ」の変動要素とで構成されている。そして、この「スーパーリーチのみ(「E301H」又は「E601H」)」における各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングは、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時における「弱パターン」と、「スーパーリーチ」の変動要素の実行時における「弱パターン」又は「強パターン」との3種類設けられている。これは、「スーパーリーチのみ(「E301H」又は「E601H」)」の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素では、各可動役物87,88の「強パターン」を実行することができないが、「スーパーリーチ」の変動要素では、該「スーパーリーチ」の変動要素が10秒間行われるため、各可動役物87,88の「強パターン」を実行できるからである。
次いで、図45(c)で示すように、「スペシャルリーチのみ(「E401H」又は「E701H」)」は、変動要素として、「高速変動」の変動要素と、「低速変動」の変動要素と、「ノーマルリーチ」の変動要素と、「スペシャルリーチ」の変動要素とで構成されている。そして、この「スペシャルリーチのみ(「E401H」又は「E701H」)」における各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングは、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時における「弱パターン」と、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行時における「弱パターン」又は「強パターン」との3種類設けられている。これは、「スペシャルリーチのみ(「E401H」又は「E701H」)」の変動演出において、「ノーマルリーチ」の変動要素では、各可動役物87,88の「強パターン」を実行することができないが、「スペシャルリーチ」の変動要素では、該「スペシャルリーチ」の変動要素が20秒間行われるため、各可動役物87,88の「強パターン」を実行できるからである。
従って、各可動役物87,88の「弱パターン」の駆動パターンは、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素および「スペシャルリーチ」の変動要素の実行時に駆動可能であるが、「強パターン」の駆動パターンは、「スーパーリーチ」の変動要素及び「スペシャルリーチ」の変動要素の実行時にのみ駆動可能に構成されている。
このように、各変動要素の中で各可動役物87,88の駆動パターンが完結(初期位置→駆動位置→初期位置)するため、各変動要素の演出内容と各可動役物87,88の駆動内容とが連動した演出を実行することができ、第3図柄表示装置81と各か可動役物87,88とで分かりやすい迫力のある演出を実行することができる。
なお、各可動役物87,88の駆動パターンを、変動要素を跨いで実行する駆動パターンを設けてもよい。このように構成することで、各可動役物87,88の駆動開始を自由に設定することができ、いつ各可動役物87,88が動き出すか予測し辛くし、意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
図43に戻って説明を続ける。上述したように、役物抽選テーブル222gにおいて、ハズレ時における「非リーチ」演出態様には、駆動抽選カウンタ223gの値が割り振られていない。従って、第3実施形態において、「非リーチ」演出態様では各可動役物87,88が駆動されないように設定されている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、ハズレ時における「ノーマルリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」のみが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「ノーマルリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜89」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「90〜99」となっている。なお、「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが90%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが10%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、該可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが選択され易い設定(90%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、ハズレ時における「スーパーリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」と「スーパー時」とが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「スーパーリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜69」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「70〜79」、「スーパー時」の「弱パターン」に対して「80〜89」、「スーパー時」の「強パターン」に対して「90〜99」となっている。なお、「ノーマル時」の「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが70%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが10%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、「スーパー時」の「弱パターン」の駆動パターンが10%、「スーパー時」の「強パターン」の駆動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、該可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが選択され易い設定(70%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、ハズレ時における「スペシャルリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」と「スペシャル時」とが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「スペシャルリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜49」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「50〜79」、「スペシャル時」の「弱パターン」に対して「80〜89」、「スペシャル時」の「強パターン」に対して「90〜99」となっている。なお、「ノーマル時」の「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが50%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが30%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、「スペシャル時」の「弱パターン」の駆動パターンが10%、「スペシャル時」の「強パターン」の駆動パターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、該可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが選択され易い設定(50%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、大当たり時における「ノーマルリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」のみが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「ノーマルリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜29」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「30〜99」となっている。なお、「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが30%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが70%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、該可動役物87,88が「ノーマル時」に「弱パターン」で駆動する駆動パターンが選択され易い設定(70%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、大当たり時における「スーパーリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」と「スーパー時」とが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「スーパーリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜19」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「20〜49」、「スーパー時」の「弱パターン」に対して「50〜69」、「スーパー時」の「強パターン」に対して「70〜99」となっている。なお、「ノーマル時」の「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが20%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが30%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、「スーパー時」の「弱パターン」の駆動パターンが20%、「スーパー時」の「強パターン」の駆動パターンが30%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「スーパーリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、「ノーマル時」に「弱パターン」で駆動する駆動パターンや、「スーパー時」に「強パターン」で駆動する駆動パターンが選択され易い設定(それぞれ30%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、大当たり時における「スペシャルリーチ」演出態様には、駆動タイミングとして「ノーマル時」と「スペシャル時」とが選択可能に用意されている。図43で示す例では、「スペシャルリーチ」演出態様における駆動抽選カウンタ223gの値と駆動パターンとの対応付けが、「無し」に対して「0〜9」、「ノーマル時」の「弱パターン」に対して「10〜19」、「スペシャル時」の「弱パターン」に対して「20〜49」、「スペシャル時」の「強パターン」に対して「50〜99」となっている。なお、「ノーマル時」の「強パターン」に対しては値が割り振られていないため、「−」と表記する。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88が駆動しない「無し」のパターンが10%、「ノーマル時」の「弱パターン」の駆動パターンが10%、「ノーマル時」の「強パターン」の駆動パターンが0%、「スペシャル時」の「弱パターン」の駆動パターンが30%、「スペシャル時」の「強パターン」の駆動パターンが50%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」演出態様時に選択される各可動役物87,88の駆動パターンでは、「スペシャル時」に「強パターン」で駆動する駆動パターンが選択され易い設定(50%)となっている。
次いで、役物抽選テーブル222gにおいて、大当たり時における「特殊変動」演出態様には、駆動抽選カウンタ223gの値が割り振られていない。従って、第3実施形態において、「特殊変動」演出態様では各可動役物87,88が駆動されないように設定されている。これは、「特殊変動」演出態様では、「ムービー」の変動要素が実行され、該「ムービー」の変動要素の演出は、「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」や、「スペシャルリーチ」の変動要素の「競争演出」のように、各可動役物87,88の駆動態様に対応した演出ではないからである。従って、大当たり時における「特殊変動」演出態様が選択された場合は、各可動役物87,88を駆動しないように構成されている。
このように、役物抽選テーブル222gおよび駆動抽選カウンタ223gを用いて、各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングを予め設定された複数のパターンの中から選択すると共に、大当たり時とハズレ時とでそれぞれの選択割合を異ならせることで、各可動役物87,88の駆動パターンと駆動タイミングとによって該各可動役物87,88の駆動による大当たり期待度の示唆内容を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
図40に戻って、説明を続ける。保留情報格納エリア223eは、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得され、保留球数コマンドによって送信された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値と、「保留変化予告」の表示態様を示す保留変化情報と、「保留変化予告」の実行タイミングを示すシナリオデータと、各可動役物87,88の駆動パターンを示す駆動パターン情報とを格納するためのエリアである。
音声ランプ制御装置113は、保留情報格納エリア223eに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値と、ROM222に格納された各テーブル222a〜222dとを用いて、先読み処理(保留表示設定処理(図48参照))を実行する。また、音声ランプ制御装置113は、その先読み処理によって得られた保留変化情報、シナリオデータおよび駆動パターン情報を保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223e5、シナリオデータ格納エリア223e6および駆動パターン情報格納エリア223e10にそれぞれ記憶し、各エリア223e5,223e6,223e10に記憶された値に基づいて「保留変化予告」を実行する。
ここで、図46を参照して、第3実施形態の保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fの詳細について説明する。図46は、第3実施形態の保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fの構成を模式的に示す模式図である。第3実施形態における保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fの構成において、第1実施形態と相違する点は、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fに、それぞれ、各可動役物87,88の駆動パターンを示す駆動パターン情報を記憶する駆動パターン情報格納エリア223e10,223f10が設けられている点と、保留消去情報格納エリア223e7,223f7および再変動情報格納エリア223e8,223f8が設けられていない点と、である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
なお、第3実施形態の保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fは、保留消去情報格納エリア223e7,223f7および再変動情報格納エリア223e8,223f8が設けられていないため、第1実施形態の保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fと比べて記憶容量が削減されている。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信時に、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第4エリアのうち、該保留球数コマンドによって更新されたサブ保留球数カウンタ223bの値に対応する保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4の各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図48参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報、シナリオデータおよび駆動パターン情報を、同じ保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6,223e10にそれぞれ格納する。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリア223f1〜223f6,223f10に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e6,223e10に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223fおよび保留情報格納エリア223eに格納される。
なお、第3実施形態では、保留球数コマンドの受信時の先読み処理において、保留球数コマンドが示す各カウンタC1等の値を判定し、その判定結果に基づいて各可動役物87,88の駆動パターン情報を駆動パターン情報格納エリア223e10に格納するように構成されている。これに代えて、変動パターンコマンド及び停止種別コマンドの受信時に、該変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが示す各可動役物87,88を判定し、その判定結果に基づいて各種処理を実行するように構成してもよい。このように構成することで、先読み処理において各可動役物87,88の駆動パターンを記憶しておくことが不能となるが、保留情報格納エリア223e及び実行情報格納エリア223fに駆動パターン情報格納エリア223e10,223f10を設ける必要がなくなり、RAM223の記憶容量を削減することができる。
図40に戻って説明を続ける。第3実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられたノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223iおよびスーパー強フラグ223jは、オン状態で各可動役物87,88の駆動タイミングを示すフラグである。このノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223iおよびスーパー強フラグ223jは、電源投入時に初期値としてそれぞれオフに設定される。
第3実施形態では、保留球数コマンドの受信時に、各可動役物87,88の駆動抽選を行い(図48のS1362参照)、その駆動抽選に当選した場合に、その駆動パターンを示す駆動パターン情報を保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの駆動パターン情報格納エリア223e10に格納する。そして、変動演出の開始時において、当選した駆動タイミングを判定し、該駆動タイミング毎にノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i又はスーパー強フラグ223jのいずれかがオンされる(図49のS1453〜S1455参照)。また、ノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i又はスーパー強フラグ223jに基づいて各可動役物87,88を駆動した後、ノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i又はスーパー強フラグ223jはオフに設定される(図51のS1606,S1611,S1615参照)。
第3実施形態の音声ランプ制御装置113は、変動演出の実行時に、メイン処理の中で実行される後述する役物駆動処理(図28のS1151参照)において、変動演出にて実行されている変動要素と、ノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i又はスーパー強フラグ223jとを確認し、各可動役物87,88の駆動制御を行うように構成されている。
具体的には、音声ランプ制御装置113のRAM223にタイマー(図示せず)を設け、MPU221は、実行する変動演出の変動パターンと変動時間とを把握する。そして、MPU221は、ノーマル弱フラグ223hがオンされている場合は、把握した変動パターンと変動時間とにより、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始から1秒後)に、タイマーがタイムアップするように値を設定(例えば、「11000」)する。そして、変動演出の開始と共にタイマーの値を更新(減算)し、該タイマーがタイムアップ(例えば、「0」)したタイミングで各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動するように構成する。
また、MPU221は、スーパー弱フラグ223iがオンされている場合、把握した変動パターンと変動時間とにより、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から1秒後)に、タイマーがタイムアップするように値を設定(例えば、「16000」)する。そして、変動演出の開始と共にタイマーの値を更新(減算)し、該タイマーがタイムアップ(例えば、「0」)したタイミングで各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動するように構成する。
また、MPU221は、スーパー強フラグ223jがオンされていた場合、把握した変動パターンと変動時間とにより、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から1秒後)に、タイマーがタイムアップするように値を設定(例えば、「16000」)する。そして、変動演出の開始と共にタイマーの値を更新(減算)し、該タイマーがタイムアップ(例えば、「0」)したタイミングで各可動役物87,88を「強パターン」で駆動する。
なお、各可動役物87,88の「弱パターン」及び「強パターン」の駆動開始タイミングを、各リーチの変動要素の開始から所定時間(例えば、1秒後)経過したタイミグで駆動させているが、この構成に代えて、各駆動パターンごとに開始タイミングが異なるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、各タイミングにおいて各可動役物87,88が駆動するか否かを期待しながら遊技を行うため、興趣を得る機会を増やすことができる。
音声ランプ制御装置113の入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22、左側可動役物87および右側可動役物88などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113のMPU221は、上記ノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223iおよびスーパー強フラグ223jの設定状況に応じて、左側役物用のモータ(図示せず)により左側可動役物87を駆動させると共に、右側役物用のモータ(図示せず)により右側可動役物88を駆動させるように構成されている。
なお、上述したように、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンは、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素の実行時にのみ実行されるように構成されている。このように構成することで、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングを、当該変動演出の後半(「リーチ後」や「強パターン駆動後」)に多く割り振ることで、当該変動演出の後半になっても大当たり期待度が高まる「保留変化予告」の発生(現出)を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、変動演出の後半まで大当たりを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる。
次に、図47を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理について説明する。図47は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。第3実施形態では、音声ランプ制御装置113は、各可動役物87,88の駆動制御を行うため、メイン処理において役物駆動処理(S1151)を行うように構成されている。
具体的には、第3実施形態のメイン処理のS1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから1ミリ秒以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、第1実施形態と同様、S1102〜S1108の処理を行った後、処理をS1151へ移行する。S1151の処理では、各可動役物87,88を駆動させるための役物駆動処理を行い(S1151)、その後、処理をS1109の変動演出処理へ移行する。この役物駆動処理(S1151)の詳細については、図51を参照して後述する。また、この変動演出処理(S1109)については、図49を参照して後述する。
次いで、図48を参照して、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理(S1209)について説明する。図48は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図47のS1110参照)の一処理である保留表示設定処理を示したフローチャートである。第3実施形態では、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信した場合に、この保留表示設定処理を行い、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、保留変化情報およびシナリオデータを、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6にそれぞれ格納する。また音声ランプ制御装置113は、該保留球数コマンドが示す変動演出において各可動役物87,88が駆動するか否かを判別する。判別の結果、変動演出において各可動役物87,88が駆動される場合には、該各可動役物87,88の駆動パターンを示す駆動パターン情報を駆動パターン情報格納エリア223e10に格納するように構成されている。
具体的には、保留表示設定処理(S1209)のS1303の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1303)。判別の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1303:No)、「保留変化予告」は実行されないので、「保留変化予告」に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223e5およびシナリオデータ格納エリア223e6に、Nullデータをそれぞれ格納し(S1361)、処理をS1362へ移行する。
一方、S1303の処理において、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1303:Yes)、第1実施形態と同様、S1304,S1305の処理を行い、保留変化情報およびシナリオデータを、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6に格納し、処理をS1362へ移行する。
S1362の処理では、今回受信した保留球数コマンドが示す変動演出において各可動役物87,88を駆動させる駆動抽選に当選したか否かを判別する(S1362)。この判別は、駆動抽選カウンタ223gおよび役物抽選テーブル222gを参照し、該当する変動演出の演出態様に対応する役物抽選テーブル222gの「無し」に駆動抽選カウンタ223gの値が該当している場合は、駆動抽選に非当選と判断する一方、役物抽選テーブル222gの「弱パターン」又は「強パターン」に駆動抽選カウンタ223gの値が該当している場合は、駆動抽選に当選したと判断する。
判別の結果、各可動役物87,88の駆動抽選に当選していれば(S1362:Yes)、その変動演出で各可動役物87,88が駆動するので、その駆動パターンを示す駆動パターン情報を、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの駆動パターン情報格納エリア223e10に格納し(S1363)、処理をS1313へ移行する。S1363の処理により、変動演出における各可動役物87,88の駆動態様および駆動タイミングを認識できる。なお、S1362の処理において、各可動役物87,88の駆動抽選に当選していないと判別された場合は(S1362:No)、各可動役物87,88は実行されないので、各可動役物87,88の駆動に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの駆動パターン情報格納エリア223e10に、Nullデータを格納し(S1364)、処理をS1313へ移行する。
このように、第3実施形態では、保留球数コマンド受信時に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報とを判別および記憶していない。これは、第3実施形態では、各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbを視認不能にしたタイミングで「保留変化予告」を実行可能であって、第1実施形態のように、「保留消去後」に「保留変化予告」を実行可能か否かを判定するために、保留消去情報や再変動情報を判定する処理が不要であるからである。これにより、音声ランプ制御装置113のROM222の容量を削減することができると共に、MPU221の制御負担が軽減される。
次に、図49を参照して、第3実施形態の変動演出処理(S1109)について説明する。図49は、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1109)を示したフローチャートである。
この変動演出処理は、メイン処理(図47参照)において実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、まず、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1エリアに記憶される各種情報を実行情報格納エリア223fへシフトすると共に、保留情報格納第2〜4エリアに記憶される情報を保留情報格納第1〜第3エリアへシフトする処理を行う。また、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致していない場合に表示用エラーコマンドを生成し、このコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。さらに、実行する変動演出において、各可動役物87,88が駆動される場合は、その駆動パターンに応じたノーマル弱フラグ223h、スーパー弱フラグ223i又はスーパー強フラグ223jの設定を行う。また、実行図柄および保留図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。
変動演出処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図47参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、第1実施形態と同様、S1402〜S1410の処理を行い、処理をS1451へ移行する。
S1451の処理では、これから実行する変動演出において各可動役物87,88が駆動されるか否かの判別を行う(S1451)。この判別は、実行情報格納エリア223fの駆動パターン情報格納エリア223f10に記憶される駆動パターン情報に基づいて行われる。判別の結果、これから実行する変動演出において各可動役物87,88が駆動すると判別された場合は(S1451:Yes)、次に、各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングを判別する(S1452)。
S1452の判別の結果、各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングが「ノーマル時」における「弱パターン」であれば(S1452:「ノーマル時弱パターン」)、ノーマル弱フラグ223hをオンに設定し(S1453)、処理をS1411へ移行する。また、各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングが「スーパー時」における「弱パターン」であれば(S1452:「スーパー時弱パターン」)、スーパー弱フラグ223iをオンに設定し(S1454)、処理をS1411へ移行する。さらに、各可動役物87,88の駆動パターンおよび駆動タイミングが「スーパー時」における「強パターン」であれば(S1452:「スーパー時強パターン」)、スーパー強フラグ223jをオンに設定し(S1455)、処理をS1411へ移行する。これにより、後述する役物駆動処理(図47のS1151参照)によって、設定されたフラグ223h〜223jが参照され、各可動役物87,88が設定されたタイミングで駆動される。
なお、第3実施形態のパチンコ機10では、各可動役物87,88が駆動するタイミングで第3図柄表示装置81において、各可動役物87,88と第3図柄表示装置81に表示されるキャラクタ図柄等が連動する演出(第1演出又は第2演出)を実行するように構成されている。よって、音声ランプ制御装置113は、各可動役物87,88の駆動パターンを変更する場合、各可動役物87,88の駆動パターンが変更されたことを示す表示用駆動パターン変更コマンドを表示制御装置114へ送信するように構成する。表示制御装置114は、上記表示用駆動パターン変更コマンドを受信することで、各可動役物87,88が「弱パターン」から「強パターン」に変更されたことを認識し、各可動役物87,88の「強パターン」による駆動タイミングに応じて、第2演出の表示制御を実行するように構成されている。
次に、図50を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理(S1414)について説明する。図50は、第3実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理を示したフローチャートである。この実行図柄変化処理は、メイン処理(図47参照)において実行される変動演出処理(図49参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81の実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を実行するために行われる。
第3実施形態の実行図柄変化処理において、S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「強パターン駆動後」を示すデータであれば(S1501:「強パターン駆動後」)、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動後に「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、変動演出において各可動役物87,88が「強パターン」で実行されるか否かを判別する(S1561)。この判別は、保留表示設定処理(図48参照)のS1363の処理に基づいて、実行情報格納エリア223fの駆動パターン情報格納エリア223f10に記憶されている駆動パターン情報の判別を行う。
S1561の判別の結果、実行情報格納エリア223fの駆動パターン情報格納エリア223f10に「強パターン」の駆動パターン情報が記憶されている場合は(S1561:Yes)、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動後に「保留変化予告」を実行可能であるので、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用強パターン後変化コマンドを設定し(S1562)、変動演出処理(図49参照)へ戻る。
ここで設定された表示用強パターン後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図47のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用強パターン後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、変動演出において各可動役物87,88が「強パターン」で駆動されてコクピット表示領域Dbが覆われるタイミングで、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。具体的には、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から1秒後に各可動役物87,88が駆動を開始し、その駆動開始から2秒後にコクピット表示領域Dbが覆われ、そこから3秒間、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われている状態が維持される。従って、左側可動役物87によってコクピット表示領域Dbが覆われているタイミングで、実行図柄の表示態様を変化させる。
一方、S1561の処理において、実行情報格納エリア223fの駆動パターン情報格納エリア223f10に「強パターン」の駆動パターン情報が記憶されていないと判別された場合は(S1561:No)、変動演出において行われる各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが覆われていないため、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行することができない。従って、各可動役物87,88の駆動パターンを変更して「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、処理をS1563へ移行する。
S1563の処理では、変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が選択されているか否かを判別する(S1563)。この判別は、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターンの判別を行う。
S1563の判別の結果、変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が選択されていない場合は(S1563:No)、実行図柄を変化させるコマンドを設定することなく、この実行図柄変化処理(S1414)を終了し、変動演出処理(図49参照)へ戻る。即ち、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択されている場合に、「スーパーリーチ以上」が行われない変動演出においては、実行図柄において「保留変化予告」を実行しないように構成する。このように構成することで、「保留変化予告」の実行タイミングとして適切な演出ではない場合に、実行図柄の「保留変化予告」を実行しないように構成することで、演出内容に齟齬が生じることなく、整合のとれた演出を遊技者に提供することができる。
なお、S1563の処理において、変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が選択されていない場合は(S1563:No)、例えば、S1504の処理に移行して、実行図柄に対して「保留変化予告」を行える実行タイミングがあるか否かを判別するように構成してもよい。このように構成することで、選択された「保留変化予告」をいずれかの実行タイミングで確実に実行することができるので、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。
一方、S1563の判別の結果、変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が選択されている場合は(S1563:Yes)、各可動役物87,88を「強パターン」で駆動可能な変動要素があるので、各可動役物87,88の駆動パターンを変更するために、スーパー強フラグ223jをオンに設定する(S1564)。次いで、ノーマル弱フラグ223hおよびスーパー弱フラグ223iをクリア(オフに設定)して(S1565)、処理をS1562へ移行する。S1562では、上述したように、表示制御装置114へ向けて表示用強パターン後変化コマンドが設定される。該表示用強パターン後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、変動演出において各可動役物87,88が「強パターン」で駆動されるタイミングで、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
このように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出において「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において「強パターン駆動後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない場合、即ち、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動しない場合に、「強パターン」の駆動パターンを実行可能な変動要素(例えば、「スーパーリーチ以上」に関する変動要素)の有無を判別する。そして、「強パターン」の駆動パターンを実行可能な変動要素(例えば、「スーパーリーチ以上」の変動要素)を含むと判定された場合に、各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に変更する。
よって、当初、各可動役物87,88の駆動パターンとして「強パターン」が選択されていないために、「保留変化予告」の実行タイミングとして「強パターン駆動後」が選択されていても、該実行タイミングで実行することができずに他の実行タイミング(例えば、「リーチ後」)に変更していた場合でも、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動が可能な変動演出であれば該各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に変更し、コクピット表示領域Dbを遊技者から見えない状態にした上で、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行することが可能となる。このように構成することで、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択された場合に、該「強パターン駆動後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行し易くすることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄を各可動役物87,88によって見えなくし、コクピット表示領域Dbの実行図柄が再び見える状態になったときに「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第3実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。特に、各可動役物87,88の駆動は、物体が直接的に動く演出であるので、遊技者は該各可動役物87,88の動きに注目している。そして、各可動役物87,88の動きに注目している間に(予告対象物を見えなくしている間に)予告対象物をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄(又は保留図柄)を見えなくさせる場合に、第3図柄表示装置81の演出内容を変更するのではなく、第3図柄表示装置81とは異なる各可動役物87,88の駆動パターンを変更することで、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄(又は保留図柄)を見えなくすることができる。よって、変動演出に変更可能な変動要素がない場合に、「保留変化予告」の実行タイミングを変更することなく当初設定された「保留変化予告」の実行タイミングで該「保留変化予告」を実行することができる。よって、遊技者に意外性のある演出の実行機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
ここで、図51を参照して、第3実施形態の役物駆動処理(S1151)について説明する。図51は、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される役物駆動処理(S1151)を示したフローチャートである。第3実施形態では、この役物駆動処理(S1151)は、メイン処理(図47参照)の中で実行され、変動演出に内容に基づいて設定された駆動パターンで各可動役物87,88を駆動させるために、まず、第3図柄表示装置81で変動演出が変動中(実行中)であるか否かを確認する(S1601)。第3図柄表示装置において変動演出が変動中でなければ(S1601:No)、この役物駆動処理(S1151)を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1601の処理において、第3図柄表示装置81が変動中であれば(S1601:Yes)、次いで、変動中の変動演出において「ノーマルリーチ」の実行中か否かを判別する(S1602)。この判別は、上述したようにタイマー等を用いて行う。判別の結果、変動演出において「ノーマルリーチ」の実行中であれば(S1602:Yes)、次いで、ノーマル弱フラグ223hがオンか否かを判別し(S1603)、該「ノーマルリーチ」の実行中に各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動させるか否かを確認する。判別の結果、ノーマル弱フラグ223hがオンされていれば(S1603:Yes)、次いで、「ノーマルリーチ」における「弱パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングか否かを判別する(S1604)。この判別は、例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の開始から所定時間(例えば、1秒)経過したか否かを判別することで行われる。「ノーマルリーチ」の変動要素の開始から所定時間が経過していれば(S1604:Yes)、「ノーマルリーチ」における各可動役物87,88の「弱パターン」での駆動タイミングなので、各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動させる(S1605)。その後、ノーマル弱フラグ223hをオフに設定して(S1606)、処理をS1607へ移行する。
なお、S1602の処理において、「ノーマルリーチ」の実行中ではないと判別された場合(S1602:No)、S1603の処理において、ノーマル弱フラグ223hがオンに設定されていない場合(S1603:No)、又は、S1604の処理において、「ノーマルリーチ」における「弱パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングではない場合は(S1604:No)、各可動役物87,88の「弱パターン」での駆動タイミングではないため、S1605およびS1606の処理をスキップして、処理をS1607へ移行する。
S1607の処理では、変動中の変動演出において「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の実行中か否かを判別する(S1607)。判別の結果、変動演出において「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の実行中であれば(S1607:Yes)、次いで、スーパー弱フラグ223iがオンか否かを判別し(S1608)、該「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の実行中に各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動させるか否かを確認する。判別の結果、スーパー弱フラグ223iがオンされていれば(S1608:Yes)、次いで、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における「弱パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングか否かを判別する(S1609)。この判別は、例えば、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から所定時間(例えば、1秒)経過したか否かを判別することで行われる。「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から所定時間が経過していれば(S1609:Yes)、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における各可動役物87,88の「弱パターン」での駆動タイミングなので、各可動役物87,88を「弱パターン」で駆動させる(S1610)。その後、スーパー弱フラグ223iをオフに設定して(S1611)、この役物駆動処理(S1151)を終了して、メイン処理(図47参照)へ戻る。
一方、S1608の処理において、スーパー弱フラグ223iがオンされていなければ(S1608:No)、次に、スーパー強フラグ223jがオンか否かを判別し(S1612)、該「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の実行中に各可動役物87,88を「強パターン」で駆動させるか否かを確認する。判別の結果、スーパー強フラグ223jがオンされていれば(S1612:Yes)、次いで、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における「強パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングか否かを判別する(S1613)。この判別は、例えば、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から所定時間(例えば、1秒)経過したか否かを判別することで行われる。「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の変動要素の開始から所定時間が経過していれば(S1613:Yes)、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における各可動役物87,88の「強パターン」での駆動タイミングなので、各可動役物87,88を「強パターン」で駆動させる(S1614)。その後、スーパー強フラグ223jをオフに設定して(S1615)、この役物駆動処理(S1151)を終了し、メイン処理(図47参照)へ戻る。
なお、S1607の処理において、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」の実行中ではないと判別された場合は(S1607:No)、変動演出において各可動役物87,88の駆動タイミングではないため、この役物駆動処理(S1511)を終了して、メイン処理(図47参照)へ戻る。また、S1609の処理において、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における「弱パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングではない場合は(S1609:No)、各可動役物87,88の「弱パターン」での駆動タイミングではないため、S1610およびS1611の処理をスキップして、この役物駆動処理(S1511)を終了して、メイン処理へ戻る。さらに、S1612の処理において、スーパー強フラグ223jがオンに設定されていない場合は(S1612:No)、各可動役物87,88の駆動抽選に外れて該各可動役物87,88が駆動しない変動演出であるので、S1613〜S1615の処理をスキップして、この役物駆動処理(S1511)を終了して、メイン処理へ戻る。また、S1613の処理において、「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」における「強パターン」での各可動役物87,88の駆動タイミングではない場合は(S1613:No)、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動タイミングではないため、S1614およびS1615の処理をスキップして、この役物駆動処理(S1511)を終了して、メイン処理へ戻る。
ここで、図52を参照して、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動した後に実行図柄が変化する「強パターン駆動後」の「保留変化予告」の実行例について説明する。図52は、第3実施形態の第3図柄表示装置81で実行される変動演出において、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動態様と、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が行われる状況とを示した図である。
具体的には、図52(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が現出される間際の状態を示した図である。図52(b)は、図52(a)の状態から副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」が実行されている状態を示した図である。図52(c)は、図52(b)の状態から主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」が実行されている状態を示した図である。図52(d)は、図52(c)の状態から各可動役物87,88が「強パターン」で駆動して、該各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが覆われた状態を示した図である。図52(e)は、図52(d)の状態から各可動役物87,88が「強パターン」で駆動された後、初期位置に戻り、コクピット表示領域Dbが再び視認可能となっている状態を示した図である。図52(f)は、図52(e)の状態から「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図52(a)〜図52(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
図52(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。また、各可動役物87,88は、初期位置(起立位置)で停止しているため、各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbは覆われていない。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
また、各可動役物87,88は、それぞれ初期位置の状態(第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置)を維持しており、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼすべてが遊技者により視認可能となっている。
図52(b)では、図52(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。
コクピット表示領域Dbでは、図52(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。また、各可動役物87,88は、初期位置(起立位置)で停止しているため、各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbは覆われていない。従って、図52(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
なお、各可動役物87,88は、図52(a)の状態と同様、それぞれ初期位置の状態(第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置)を維持しており、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼすべてが遊技者により視認可能となっている。
図52(c)では、図52(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」では、「ノーマルリーチ」で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図52(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」(「スペシャルリーチ」では「競争演出」)が表示されている。
この図52(c)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図52(a)および図52(b)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図52(a)および図52(b)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
なお、各可動役物87,88は、図52(a)および図52(b)の状態と同様、それぞれ初期位置の状態(第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置)を維持しており、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼすべてが遊技者により視認可能となっている。
また、この図52(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。
図52(d)では、図52(c)の状態から、「スーパーリーチ」中に各可動役物87,88が「強パターン」で駆動し、該各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが覆われている状態を示している。この状態では、遊技者は、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動したことに基づいて、該「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が勝利し、該変動演出において「大当たり表示結果」の現出に期待する。
また、コクピット表示領域Dbは、各可動役物87,88によって該コクピット表示領域Dbの全体が覆われており、実行図柄および保留図柄ともに遊技者から視認不能な状態となっている。従って、遊技者は、「スーパーリーチ」の実行内容と、各可動役物87,88の駆動態様とに注目しており、見えなくなったコクピット表示領域Dbへの注目は薄れている状態である。
図52(e)では、図52(d)の状態から、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動が終了し、該各可動役物87,88がそれぞれ初期位置の状態(第3図柄表示装置81の左右両側に直立して配置)に戻った状態を示している。また、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動前の表示態様(「白」。図52(c)参照。)から変化した表示態様(「赤」)で表示されている。即ち、「強パターン駆動後」の実行タイミングで「保留変化予告」が行われたことを示している。
この「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を初めて見た遊技者は、この時点で、まず、各可動役物87,88の「強パターン」の駆動前からの実行図柄の表示態様の違いに気付き、違和感を感じる。そして、その違和感の根源が、「赤」の実行図柄であることを認識する。そして、該「赤」の実行図柄の「保留変化予告」がいつ行われたか自身の記憶をもとに検討する。検討の結果、「保留変化予告」は、各可動役物87,88の駆動前には行われておらず、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動が終わった後に実行されたものであることを把握する。この瞬間、遊技者は、実行中の変動演出において、「スーパーリーチ」の変動要素と、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動と、該「赤」の実行図柄への変化とが該変動演出において複合して実行されたことで、「大当たり表示」への期待値がさらに高まったのでは、と推測する。
図52(f)では、図52(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「大当たり表示」が現出する間際の状態を示している。この状態では、各表示領域Dm1〜Dm3において「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、図52(e)の段階で推測した通り、変動演出において「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
また、この「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を一度体験した遊技者は、次回からの各可動役物87,88の「強パターン」で駆動された場合に、各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが見えなくなった後、再びコクピット表示領域Dbが見える状態になったときに、該コクピット表示領域Dbの実行図柄が変更しているか否かを確認するようになる。よって、各可動役物87,88の「強パターン」での駆動後に実行図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、各可動役物87,88が「強パターン」で駆動したことによる興趣(喜び)と実行図柄が変化する興趣(喜び)とを間髪入れずに複合して堪能することができ、遊技の興趣を飛躍的に向上することができる。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出において可動役物(例えば、各可動役物87,88)の駆動(例えば、「強パターン」での駆動)によって、コクピット表示領域Dbを遊技者から視認不能にさせた後、再び視認できるようになったタイミングで「保留変化予告」を行うように構成する。このように構成することで、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第3実施形態では、実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。予告対象物をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
特に、可動役物(各可動役物87,88)の駆動は、物体が直接的に動く演出であるので、遊技者は該可動役物(各可動役物87,88)の動きに注目し易い。そして、可動役物(各可動役物87,88)の動きに注目している間に、該可動役物によって見えなくなった予告対象物をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、この可動役物の駆動後(「強パターン駆動後」)の「保留変化予告」を一度体験した遊技者は、次回からの可動役物(各可動役物87,88の「強パターン」)が駆動された場合に、可動役物(各可動役物87,88)によってコクピット表示領域Dbが見えなくなった後、再びコクピット表示領域Dbが見える状態になったときに、該コクピット表示領域Dbの予告対象物(実行図柄)が変更しているか否かを確認するようになる。よって、可動役物(各可動役物87,88の「強パターン」)の駆動後に予告対象物の表示態様を確認するという興趣が生まれ、可動役物(各可動役物87,88が「強パターン」)が駆動したことによる興趣(喜び)と予告対象物が変化する興趣(喜び)とを間髪入れずに複合して堪能することができ、遊技の興趣を飛躍的に向上することができる。
さらに、変動演出において可動役物の駆動後(「強パターン駆動後」)の「保留変化予告」が選択された場合に、その変動演出において可動役物の駆動後(「強パターン駆動後」)の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができない場合、即ち、可動役物が(各可動役物87,88が「強パターン」で)駆動しない場合に、可動役物の駆動(「強パターン」の駆動パターン)を実行可能な変動要素(例えば、「スーパーリーチ以上」に関する変動要素)の有無を判別する。そして、可動役物の駆動(「強パターン」の駆動パターン)を実行可能な変動要素(例えば、「スーパーリーチ以上」の変動要素)を含むと判定された場合に、可動役物を駆動するように(各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に)変更する。
よって、当初、「保留変化予告」の実行タイミングとして、「強パターン駆動後」が選択されていた場合に、各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが覆われないため、該「強パターン駆動後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行することができずに他の実行タイミング(例えば、「リーチ後」)に変更していた状況でも、各可動役物87,88を「強パターン」で駆動することが可能な変動演出であるか否かを確認する。そして、各可動役物87,88を「強パターン」で駆動することが可能な変動演出であったときは、各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に変更して、コクピット表示領域Dbを遊技者から見えない状態にした上で、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行することが可能となる。このように構成することで、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択された場合に、該「強パターン駆動後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行し易くすることができる。よって、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄(又は保留図柄)を見えなくさせる場合に、第3図柄表示装置81の演出内容を変更するのではなく、各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に変更することで、「保留変化予告」の実行対象である実行図柄(又は保留図柄)を見えなくすることができる。よって、変動演出に変更可能な変動要素がない場合に、「保留変化予告」の実行タイミングを変更することなく当初設定された「保留変化予告」の実行タイミングで該「保留変化予告」を実行することができる。よって、遊技者に意外性のある演出の実行機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<第4実施形態>
次いで、図53から図55を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第3実施形態におけるパチンコ機10では、変動演出において「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択された場合に、当初、該変動演出において各可動役物87,88の駆動パターンが「強パターン」が選択されていなかったとき、該変動演出において各可動役物87,88の「強パターン」の駆動パターンを実行できる変動要素があるか否かを確認する。そして、該変動演出に各可動役物87,88の「強パターン」での駆動が可能な変動要素が存在する場合に、各可動役物87,88の駆動パターンを「強パターン」に変更すると共に、当初設定された「強パターン駆動後」の「保留変化予告」を実行していた。
しかしながら、変動演出に各可動役物87,88の「強パターン」を実行できる変動要素が含まれない場合には、各可動役物87,88の「強パターン」を実行することができず、各可動役物87,88の駆動パターンを変更せず、実行図柄において「保留変化予告」を実行しないように構成されている。従って、折角、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」が選択されたにもかかわらず、該タイミングで「保留変化予告」を実行することができずに変動演出が行われるため、演出が単調に終わり、遊技の興趣を向上できないおそれがある。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、変動演出中にコクピット表示領域Dbに重複するように大キャラカットイン画像Dc2(図54(b)参照)を表示可能に構成すると共に、大キャラカットイン画像Dc2の表示時間を、変動演出のいずれの変動要素の実行時間よりも短い時間に構成する。また、コクピット表示領域Dbは、変動演出の実行中、いずれの変動要素でも常時表示可能に構成する。さらに、変動演出において、該大キャラカットイン画像Dc2が表示されている間、遊技者からコクピット表示領域Dbが視認できないように構成する。その後、大キャラカットイン画像Dc2が消えて、コクピット表示領域Dbが再び視認可能になったとき、実行図柄の表示態様が変化する「大カットイン表示後」の「保留変化予告」を実行するように構成する。
このように構成することで、各変動要素の実行時間より短い表示時間の大キャラカットイン画像Dc2によって、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄を隠蔽し、その隠蔽が解除された段階で実行図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行うことで、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者に認識し難くして、さりげなく実行図柄の表示態様を変化させることができる。実行図柄がさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図53を参照して、第4実施形態の変動演出において、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」が現出した場合における第3図柄表示装置81の表示内容の変遷について説明する。図53(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示(ノーマルリーチ)」が現出される間際(直前)の状態を示した図である。図53(b)は、図53(a)の状態から「ノーマルリーチ」の発生が確定し、副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」が実行されている状態を示した図である。図53(c)は、図53(b)の状態から「スーパーリーチ」が発生し、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」が実行されている状態を示した図である。図53(d)は、図53(c)の状態から副表示領域Dsが再表示されて、主表示領域Dmにおいて第3図柄の「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。
まず、図53(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図53(b)では、図53(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。これは、主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が発生した場合には、遊技者が着目する「リーチ表示」の内容を遊技者に認識し易くするべく、主表示領域Dmの表示内容を拡大して表示すると共に、その拡大に伴って副表示領域Dsを消去するように構成されている。
この図53(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図53(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図53(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図53(c)では、図53(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図53(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示されている。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出(第4実施形態では、キックボクシング)が実行される。「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が勝利すれば大当たりとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「大当たり表示」が現出するように設定されている。一方、「バトル演出」において、敵側のキャラクタ図柄が勝利した場合はハズレとなり、「スーパーリーチ」の変動要素の表示結果として「ハズレ表示」が現出するように設定されている。
この図53(c)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図53(a)および図53(b)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図53(a)および図53(b)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
第4実施形態のパチンコ機10において、コクピット表示領域Dbは、副表示領域Dsより小さい表示であるので、「スーパーリーチ」の変動要素の実行時に表示し続けたとしても、副表示領域Dsに比べて該「スーパーリーチ」の変動要素の演出を阻害することない。よって、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中においてコクピット表示領域Dbを継続表示するように構成している。
また、コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄は、「保留変化予告」を実行可能であり、実行中の変動演出の内容を示唆する実行図柄においても、該「保留変化予告」によって変化した保留図柄の表示態様を引き継いで(受け継いで)表示するように構成されている。即ち、実行図柄の表示態様によって実行中の変動演出の大当たり期待度を遊技者に示唆可能に構成されている。よって、遊技者に実行図柄の表示態様を「スーパーリーチ」の変動要素の実行中に確認させることで、実行中の「スーパーリーチ」の変動要素が大当たりするか否かを、遊技者に予測可能に構成し、該予測に基づく興趣を付与している。
なお、この図53(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。
また、この図53(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上(「リーチ表示」の下側)には、変動演出の保留球数を示す数字図柄(第1実施形態では、「4」)が表示されていない。これは、第4実施形態のパチンコ機10において、コクピット表示領域Dbの表示が常時行われているため、遊技者はコクピット表示領域Dbの表示内容を確認することで変動演出の回数を認識できるためである。
図53(d)では、図53(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素にハズれて(敵側のキャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Dsが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄が再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示されている。
第4実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して変動演出が停止表示(確定表示)される場合、第3図柄表示装置81の表示状態が初期状態、即ち、主表示領域Dm、副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbのそれぞれが表示された状態となるように構成されている。このように構成することで、変動演出が停止表示(確定表示)したことを遊技者に認識し易くすると共に、保留(待機)中の変動演出があった場合に、スムースに次の変動演出を実行させることが可能となる。
よって、図53(a)から図53(d)で示すように、第4実施形態のパチンコ機10では、変動演出における各タイミングにおいて主表示領域Dmおよび副表示領域Dsの表示状態を拡大、縮小、消去または再表示することで、各タイミングにおいて重要度が高い表示内容を遊技者に認識させ易くできるように構成されている。また、コクピット表示領域Dbにおいて実行図柄および保留図柄を遊技者に常時表示することで、保留中の変動表示がいくつあるかを遊技者に明確に認識させることができる。
次に、図54を参照して、第3図柄表示装置81に表示されるキャラカットイン画像について説明する。図54(a)は、第4実施形態における小キャラカットイン画像Dc1を模式的に示した図であり、図54(b)は、第4実施形態における大キャラカットイン画像Dc2を模式的に示した図である。
第4実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に表示されるキャラカットイン画像は、小キャラカットイン画像Dc1と大キャラカットイン画像Dc2との2種類設けられている。なお、小キャラカットイン画像Dc1及び大キャラカットイン画像Dc2の抽選比率は、第3実施形態の各可動役物87,88の「弱パターン」及び「強パターン」と同等(小キャラカットイン画像Dc1は「弱パターン」に対応、大キャラカットイン画像Dc2は「強パターン」に対応)の抽選比率である。
図54(a)で示すように、小キャラカットイン画像Dc1は、主表示領域Dmの表示画面縦幅1/3、かつ、横幅全体の表示枠画像が表示され、その表示枠画像の中央部に小さ目の女性キャラクタ図柄が応援しているかのような態様で表示される。また、表示枠画像の背景は、青色で表示される。
この小キャラカットイン画像Dc1は、表示開始から表示終了(消去)まで1秒間、第3図柄表示装置81の表示画面の最前面に表示される。よって、該小キャラカットイン画像Dc1と重複して表示される他の画像(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素中のキャラクタ画像等)は、小キャラカットイン画像Dc1が表示されている間、その重複部分が視認不能に構成される。第4実施形態では、この小キャラカットイン画像Dc1は、コクピット表示領域Dbと重複する領域には表示されないため、該小キャラカットイン画像Dc1が表示されている間、コクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄は視認可能な状態である。
音声ランプ制御装置113は、小キャラカットイン画像Dc1を表示する場合に、該小キャラカットイン画像Dc1を表示することを表示制御装置114に通知するため、表示用小キャラカットインコマンドを送信するように構成されている。表示制御装置114は、該表示用小キャラカットインコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81に小キャラカットイン画像Dc1を表示することを認識し、所定のタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中)に第3図柄表示装置81に小キャラカットイン画像Dc1を追加的に表示するように表示制御を行う。
次いで、図54(b)で示すように、大キャラカットイン画像Dc2は、主表示領域Dmの表示画面縦幅4/5、かつ、横幅全体の表示枠画像が表示され、その表示枠画像の中央部に大き目の女性キャラクタ図柄が応援しているかのような態様で表示される。また、表示枠画像の背景は、小キャラカットイン画像Dc1と異なり、赤色で表示される。従って、小キャラカットイン画像Dc1と大キャラカットイン画像Dc2との大きさ及び色彩の表示態様が明確に異なっているため、遊技者はその違いを明確に認識することが可能となる。
この大キャラカットイン画像Dc2は、小キャラカットイン画像Dc1と同様、表示開始から表示終了(消去)まで1秒間、第3図柄表示装置81の表示画面の最前面に表示される。よって、該大キャラカットイン画像Dc2と重複して表示される他の画像(例えば、コクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄や、「スーパーリーチ」の変動要素中のキャラクタ画像等)は、大キャラカットイン画像Dc2が表示されている間、その重複部分が視認不能に構成される。第4実施形態では、この大キャラカットイン画像Dc2は、コクピット表示領域Dbと重複する領域に表示されるため、該大キャラカットイン画像Dc2が表示されている間、コクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄は視認不能な状態となり、大キャラカットイン画像Dc2が消去されたタイミングで、コクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が再び視認可能な状態となる。
音声ランプ制御装置113は、大キャラカットイン画像Dc2を表示する場合に、該大キャラカットイン画像Dc2を表示することを表示制御装置114に通知するため、表示用大キャラカットインコマンドを送信するように構成されている。表示制御装置114は、該表示用大キャラカットインコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81に大キャラカットイン画像Dc2を表示することを認識し、所定のタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中)に第3図柄表示装置81に大キャラカットイン画像Dc2を追加的に表示するように表示制御を行う。
小キャラカットイン画像Dc1及び大キャラカットイン画像Dc2は、その表示時間が1秒間に設定されているため、いずれの変動要素の実行時間よりも短く構成されている。第4実施形態では、表示制御装置114により、小キャラカットイン画像Dc1及び大キャラカットイン画像Dc2の実行タイミングをランダムに決定するように構成されている。具体的には、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から表示用小キャラカットインコマンド又は表示用大キャラカットインコマンドを受信した場合、所定のカウンタ及びテーブルを参照して、いずれの変動要素において該小キャラカットイン画像Dc1又は大キャラカットイン画像Dc2を表示するか否かを抽選により決定するように構成されている。
このように構成することで、小キャラカットイン画像Dc1又は大キャラカットイン画像Dc2の実行タイミングを多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、音声ランプ制御装置113によって実行タイミングを決定しないため、小キャラカットイン画像Dc1又は大キャラカットイン画像Dc2の実行タイミングに関するコマンドを送信する必要がなくなるため、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114による処理を軽減することができる。さらに、大キャラカットイン画像Dc2による「保留消去後」の「保留変化予告」の現出タイミングを多様化し、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、大キャラカットイン画像Dc2の表示時間を各変動要素の実行時間より短く設定することで、いずれの変動要素でも大キャラカットイン画像Dc2を表示することが可能となるので、第3実施形態の各可動役物87,88の駆動によりコクピット表示領域Dbを覆う場合と比べて、大キャラカットイン画像Dc2を表示可能か否か変動演出の変動要素を判定する処理が不要となる。よって、音声ランプ制御装置113は、「保留消去後」の「保留変化予告」を行うために、大キャラカットイン画像Dc2を表示するか否かを決定する制御のみを行えばいいので、音声ランプ制御装置113の制御負担を軽減させつつ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
なお、この小キャラカットイン画像Dc1及び大キャラカットイン画像Dc2の実行タイミングについて、音声ランプ制御装置113で決定してもよいし、特定の変動要素の固定的なタイミング(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の開始から1秒後等)で実行するように構成してもよい。
次に、図55を参照して、大キャラカットイン画像Dc2が表示された後に実行図柄が変化する「保留消去後」の「保留変化予告」の実行例について説明する。図55は、第4実施形態の第3図柄表示装置81で実行される変動演出について、大キャラカットイン画像Dc2の表示態様と、「保留消去後」の「保留変化予告」が行われる状況とを示した図である。
具体的には、図55(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が現出される間際の状態を示した図である。図55(b)は、図55(a)の状態から副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図55(c)は、図55(b)の状態から主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図55(d)は、図55(c)の状態から大キャラカットイン画像Dc2が表示され、コクピット表示領域Dbが覆われた状態を示した図である。図55(e)は、図55(d)の状態から大キャラカットイン画像Dc2が消去され、コクピット表示領域Dbが再び視認可能となっている状態を示した図である。図55(f)は、図55(e)の状態から「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図55(a)〜図55(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
図55(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。また、この段階で、大キャラカットイン画像Dc2は表示されておらず、コクピット表示領域Dbが視認可能な状態である。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図55(b)では、図55(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。
コクピット表示領域Dbでは、図55(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。また、図55(a)と同様、この段階で、大キャラカットイン画像Dc2は表示されておらず、コクピット表示領域Dbが視認可能な状態である。従って、図55(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図55(c)では、図55(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図55(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示されている。
この図55(c)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図55(a)及び図55(b)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。また、図55(a)及び図55(b)と同様、この段階で、大キャラカットイン画像Dc2は表示されておらず、コクピット表示領域Dbが視認可能な状態である。従って、図55(a)及び図55(b)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
また、この図55(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。
図55(d)では、図55(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中中に大キャラカットイン画像Dc2が表示され、該大キャラカットイン画像Dc2によってコクピット表示領域Dbが覆われている状態を示している。この状態では、遊技者は、大当たり時に選択され易い大キャラカットイン画像Dc2が表示されたことに基づいて、該「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が勝利し、該変動演出において「大当たり表示」の現出に期待する。
また、コクピット表示領域Dbは、大キャラカットイン画像Dc2によって該コクピット表示領域Dbの全体が覆われており、実行図柄および保留図柄ともに遊技者から視認不能な状態となっている。従って、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素の実行内容と、大キャラカットイン画像Dc2とに注目しており、見えなくなったコクピット表示領域Dbへの注目は薄れている状態である。
図55(e)では、図55(d)の状態から、大キャラカットイン画像Dc2が消去された状態を示している。また、コクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄が、大キャラカットイン画像Dc2の表示前の表示態様(「白」。図55(c)参照。)から変化した表示態様(「赤」)で表示されている。即ち、大キャラカットイン画像Dc2の現出および消去に伴って「保留消去後」の「保留変化予告」が行われたことを示している。
この大キャラカットイン画像Dc2の現出および消去による「保留消去後」の「保留変化予告」を初めて見た遊技者は、この時点で、まず、大キャラカットイン画像Dc2の表示前からの実行図柄の表示態様の違いに気付き、違和感を感じる。そして、その違和感の根源が、「赤」の実行図柄であることを認識する。そして、該「赤」の実行図柄の「保留変化予告」がいつ行われたか自身の記憶をもとに検討する。検討の結果、「保留変化予告」は、大キャラカットイン画像Dc2の表示前には行われておらず、該大キャラカットイン画像Dc2の表示後に実行されたものであることを把握する。この瞬間、遊技者は、実行中の変動演出において、「スーパーリーチ」の変動要素と、大キャラカットイン画像Dc2の現出と、該「赤」の実行図柄への変化とが該変動演出において複合して実行されたことで、「大当たり表示」への期待値がさらに高まったのでは、と推測する。
図55(f)では、図55(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「大当たり表示」が現出する間際の状態を示している。この状態では、各表示領域Dm1〜Dm3において「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、図55(e)の段階で推測した通り、変動演出において「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
また、この大キャラカットイン画像Dc2の表示による「保留消去後」の「保留変化予告」を一度体験した遊技者は、次回からの大キャラカットイン画像Dc2が表示された場合に、該大キャラカットイン画像Dc2によってコクピット表示領域Dbが見えなくなった後、該大キャラカットイン画像Dc2が消去されて再びコクピット表示領域Dbが見える状態になったときに、該コクピット表示領域Dbの実行図柄が変更しているか否かを確認するようになる。よって、大キャラカットイン画像Dc2の表示後に実行図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、大キャラカットイン画像Dc2が表示されたことによる興趣(喜び)と実行図柄が変化する興趣(喜び)とを間髪入れずに複合して堪能することができ、遊技の興趣を飛躍的に向上することができる。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10によれば、変動演出においてカットイン画像(例えば、大キャラカットイン画像Dc2)の表示によって、コクピット表示領域Dbを遊技者から視認不能にさせた後、再び視認できるようになったタイミングで「保留変化予告」を行うように構成する。このように構成することで、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者に認識し難くして、さりげなく実行図柄の表示態様を変化させることができる。実行図柄をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、大キャラカットイン画像Dc2は、その表示時間が1秒間に設定されているため、いずれの変動要素の実行時間よりも短く構成されている。よって、いずれの変動要素でも現出可能な大キャラカットイン画像Dc2によって、「保留消去後」の「保留変化予告」を発生させることができる。従って、「保留消去後」の「保留変化予告」の現出タイミングを多様化し、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
さらに、大キャラカットイン画像Dc2の表示時間を各変動要素の実行時間より短く設定することで、いずれの変動要素でも大キャラカットイン画像Dc2を表示することが可能となる。第3実施形態の各可動役物87,88の駆動によりコクピット表示領域Dbを覆う場合と比べて、大キャラカットイン画像Dc2を表示可能か否か変動演出の変動要素を判定する処理が不要となる。よって、音声ランプ制御装置113は、「保留消去後」の「保留変化予告」を行うために、大キャラカットイン画像Dc2の表示することを決定する制御のみを行えばいいので、音声ランプ制御装置113の制御負担を軽減させつつ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<第5実施形態>
次いで、図56から図62を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、実行中の変動演出を示す実行図柄において、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行していた。上述したように、実行図柄は、実行中の変動演出の内容を示すものであるので、遊技者は、変動演出の実行中において実行図柄の表示態様がいずれの表示態様であるか着目しながら遊技を行っている。
従って、変動演出の実行中に実行図柄の表示態様が変化した場合、「保留消去後」の「保留変化予告」によって実行図柄の表示態様をさりげなく変化させた場合でも、その変化を遊技者に察せられるおそれがある。
これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、保留図柄において「保留消去後」の「保留変化予告」を実行可能に構成する。遊技者は、実行図柄ほど保留図柄の変化には着目しておらず、その変化に気付き辛い。よって、保留図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行った場合に、遊技者は、実行図柄が変化したときに比べて保留図柄の変化を認識するのを遅らせることができ、その間、遊技者に違和感を与えることができる。その結果、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、第5実施形態のパチンコ機10では、大当たりの変動演出が実行される実行図柄又は保留図柄において、コクピット表示領域Dbが消去された「コクピット消去後」のタイミングで「保留変化予告」の最少変化態様、即ち、通常の表示態様(「白」)から1段階変化した表示態様(「青」)に変化するように構成する。その一方で、「保留変化予告」の上記最少表示態様以外の表示態様、即ち、通常の表示態様(「白」)から複数段階変化した表示態様(例えば、「赤」)を実行する場合に、上記「コクピット消去後」の実行タイミングが選択されないように構成する。このように構成することで、従来、大当たりを期待することができなかった最少変化態様の「保留変化予告」であっても、その「保留変化予告」が発生するタイミングによっては大当たりを期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった最少表示態様である1段階の「保留変化予告」の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも大当たりを期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる。
さらに、第5実施形態のパチンコ機10では、大当たりの変動演出が実行される保留図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」の変動要素等によって保留図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了して保留図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第5実施形態では、保留図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。また、遊技者が着目していない保留図柄を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させると共に、その変化態様も通常の変化から僅かな変化(最少変化態様。1段階の変化。)であることで、まず、遊技者にその変化に気付き難くしつつ、変化していることにって遊技者に違和感を与える。そして、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第4実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図56および図57を参照して、第5実施形態におけるシナリオテーブル222fについて説明する。上述したように、第5実施形態のパチンコ機10では、実行図柄のみならず、保留図柄に対しても該実行図柄および保留図柄が消去されて再表示されるタイミングでの「保留変化予告」を実行可能に構成されている。よって、音声ランプ制御装置113は、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄および保留図柄が消去される演出が実行された場合に、該消去される演出の実行後に実行図柄又は保留図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を実行可能な「コクピット消去後」という実行タイミングが選択可能に構成されている。
第5実施形態では、音声ランプ制御装置113は、「保留変化予告」の実行が決定された場合に、シナリオカウンタ223dの値とシナリオテーブル222fとを参照して、「コクピット消去後」の実行タイミングを含む「保留変化予告」の実行タイミングの中から、1の実行タイミングを決定する。図56は、第5実施形態における大当たり用シナリオテーブル222f1の一例を模式的に示した図である。
第5実施形態の大当たり用シナリオテーブル222f1では、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数1個〜4個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行する(開始する)保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)の4パターンと、当該変動演出中(保留球数「0」個)に関しては、「開始時」、「リーチ前」、「リーチ後」の3パターンと、コクピット表示領域Dbが消去された時の「コクピット消去後」の1パターンとの計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
第5実施形態における「保留変化予告」は、上記状況パターンごとにシナリオカウンタ223dとシナリオテーブル222fとによって決定されたタイミングパターンにおいて、決定された「保留変化予告」の表示態様が実行(現出)するように設定されている。
具体的には、例えば、1の始動入賞に基づく変動演出において「保留変化予告」の実行タイミングが「コクピット消去後」が選択された場合は、該始動入賞の時点から該始動入賞に基づく変動演出が確定表示するまでの間に、コクピット表示領域Dbが消去されるタイミングで該「保留変化予告」が実行される。即ち、1の始動入賞に基づく変動演出において「コクピット消去後」の「保留変化予告」が決定された場合、その始動入賞に基づく変動演出が確定表示される前までの間に、いずれかの変動演出(その始動入賞に基づく変動演出も含む)でコクピット表示領域Dbが消去される変動要素が実行されたとき、その変動要素の終了後、コクピット表示領域Dbを再表示するタイミングで「保留変化予告」が実行される。
第5実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」は、第1入球口64への球の入球時に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドが送信された場合に、該音声ランプ制御装置113において抽選が行われ、「保留変化予告」を実行するか否かが決定される。「保留変化予告」の実行が決定された場合に、まず、その決定時点における保留球数と、決定された「保留変化予告」の表示態様とを把握する。そして、保留球数コマンドが示す変動演出が大当たりである場合には、シナリオカウンタ223dの値と大当たり用シナリオテーブル222f1とを参照して、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。一方、保留球数コマンドが示す変動演出がハズレである場合には、シナリオカウンタ223dの値とハズレ用シナリオテーブル222f2とを参照して、ハズレ時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。なお、ハズレ用シナリオテーブル222f2については、図57にて後述する。
図56の大当たり用シナリオテーブル222f1では、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、又は、「リーチ後」の3パターンと、保留個数の如何を問わずコクピット表示領域Dbの消去後のタイミングにおける「コクピット消去後」の1パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
第5実施形態における「保留変化予告」は、上記状況パターンごとにシナリオカウンタ223dとシナリオテーブル222fとによって決定されたタイミングパターンにおいて、決定された「保留変化予告」の表示態様が実行(現出)するように設定されている。
具体的には、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが「コクピット消去後」が選択された場合は、その変動演出が確定表示される前までに、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されて、その後、コクピット表示領域Dbが再表示されるタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「開始時」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出が開始されるタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ前」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」が現出する前(例えば、「高速変動」の変動要素の実行中や、「低速変動」の変動要素の実行中における左図柄列Z1の停止時等)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「0」個であって「リーチ後」が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出における変動演出中であって「リーチ表示」の実行中(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行中)のタイミングで該「保留変化予告」が実行される。
また、例えば、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「1」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第1保留図柄表示領域Db1へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで、該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「2」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第2保留図柄表示領域Db2へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「3」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第3保留図柄表示領域Db3へ表示されたタイミング、又は、シフトされたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。また、「保留変化予告」の実行タイミングが保留球数「4」個が選択された場合は、その「保留変化予告」を決定した変動演出を示す保留図柄が第4保留図柄表示領域Db4へ表示されたタイミングで該「保留変化予告」が実行される。
第5実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への球の入球に基づいて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドが送信された場合に、該音声ランプ制御装置113において「保留変化予告」の抽選が行われ、「保留変化予告」を実行するか否かが決定される。「保留変化予告」の実行が決定された場合に、まず、その決定時点における保留球数と、決定された「保留変化予告」の表示態様とを把握する。そして、保留球数コマンドが示す変動演出が大当たりである場合には、シナリオカウンタ223dの値と大当たり用シナリオテーブル222f1とを参照して、大当たり時における「保留変化予告」の実行タイミング(現出タイミング)が決定される。
図56で示すように、大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。
まず、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図56参照)。
図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「40〜59」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「60〜79」、保留球数「1」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が20%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、いずれの実行タイミング(「コクピット消去後」、保留球数「0」個の「開始時」、保留球数「0」個の「リーチ前」、保留球数「0」個の「リーチ後」、保留球数「1」個)が均等に選択(20%)されるように設定されている。
次いで、図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
また、第5実施形態では、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、表示態様が「赤」又は後述する「虹」である場合に、「コクピット消去後」の実行タイミングは選択されないように設定されている。換言すれば、大当たりの変動演出に対応する保留図柄の「コクピット消去後」の「保留変化予告」は、表示態様が「青」である場合にのみ選択されるように設定されている。
従来、「保留変化予告」では、初期の表示態様から複数の変化パターン(通常の「白」、「青」、「緑」、「赤」、「虹」等)が予め用意され、その変化度合いに応じて大当たり期待値が異なるように構成されている。よって、例えば、「保留変化予告」が発生する場合に、通常の表示態様から1段階の変化である「青」の表示態様より、通常の表示態様から2段階の変化である「赤」の表示態様の方が大当たり期待値が高いように設定されている。つまり、実行図柄又は保留図柄における「保留変化予告」では、通常の表示態様から複数段階変化した表示態様(「赤」等)で大当たりを期待し、通常の表示態様から1段階変化した表示態様(「青」等)では大当たりを期待することができず、ハズレとなる場合が多いように設定されている。従って、「保留変化予告」が発生した場合であっても、例えば、1段階の表示態様(「青」等)が現出したとき、該1段階の表示態様は複数段階変化した表示態様(「赤」等)より大当たりを期待することができないため、遊技者は、該1段階の「保留変化予告」が発生した変動演出に関しては大当たりが期待できないと判断し、該1段階の「保留変化予告」に対応する変動演出に対する興趣を見い出せず、むしろ興醒めしてしまっていた。
そこで、第5実施形態のパチンコ機10では、大当たりの変動演出を示す実行図柄又は保留図柄において、1段階の「保留変化予告」を実行する場合に、コクピット表示領域Dbが消去された「コクピット消去後」のタイミングで1段階の表示態様(「青」)に変化できるように構成する。また、複数段階変化した「保留変化予告」を実行する場合に、上記「コクピット消去後」の実行タイミングが選択されないように構成する。このように構成することで、従来、大当たりを期待することができなかった1段階の「保留変化予告」であっても、その「保留変化予告」が発生するタイミングによっては大当たりを期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった1段階の「保留変化予告」の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも大当たりを期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる。
また、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」等によって保留図柄又は実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の演出が終了して保留図柄又は実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第5実施形態では、保留図柄又は実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。また、遊技者が着目していない保留図柄を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させると共に、その変化態様も通常の変化から僅かな変化(1段階の変化)であることで、まず、遊技者にその変化に気付き難くしつつ、変化していることにって遊技者に違和感を与える。そして、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜29」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「30〜59」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「60〜99」となっている。なお、「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能であるため、「コクピット消去後」および保留球数「1」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が30%、保留球数「0」個の「リーチ前」が30%、保留球数「0」個の「リーチ後」が40%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が0%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「虹」であるとき、「リーチ表示」の実行中のタイミングが選択され易い(40%)ように設定されている。なお、大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様は、該「保留変化予告」の決定時点の保留球数に関係なく上記選択割合に設定されている。よって、「保留変化予告」の決定時点の保留球数「2」個〜「4」個における大当たり時の「保留変化予告」の「虹」の表示態様の説明は省略する。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図56参照)。
図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜29」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「30〜39」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「40〜49」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「50〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が30%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が20%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、コクピット表示領域Dbの再表示されるタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次いで、図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、この大当たり用シナリオテーブル222f1において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図56参照)。
図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜39」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「40〜49」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「50〜59」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「60〜69」、保留球数「1」個に対して「70〜79」、保留球数「2」個に対して「80〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が40%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、コクピット表示領域Dbの再表示されるタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留球数「0」個の「開始時」、保留球数「0」個の「リーチ前」、保留球数「0」個の「リーチ後」、及び、保留球数「3」個の実行タイミングが均等に選択(20%)されるように設定されている。
次に、大当たりの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜49」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「50〜59」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「60〜69」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「70〜79」、保留球数「1」個に対して「80〜84」、保留球数「2」個に対して「85〜89」、保留球数「3」個に対して「90〜94」、保留球数「4」個に対して「95〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が50%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が5%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が5%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が5%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が5%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、コクピット表示領域Dbの再表示されるタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図56の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留球数「0」個の「開始時」、保留球数「0」個の「リーチ前」、及び、保留球数「0」個の「リーチ後」の実行タイミングが均等に選択(20%)されるように設定されている。
このように、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、該「保留変化予告」に対応する変動演出が確定表示される前までにコクピット表示領域Dbが消去されて、該コクピット表示領域Dbの実行図柄および保留図柄が視認不能となった後に、再び視認可能となるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第5実施形態では、実行図柄又は保留図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。つまり、予告対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、「コクピット消去後」の「保留変化予告」は、該「保留変化予告」を決定した時点での保留球数が多ければ多いほど、選択され易いように構成されている。「コクピット消去後」の「保留変化予告」に対応する変動演出が確定表示する前までに実行される変動演出の数が多いほど、コクピット表示領域Dbが消去される可能性が高くなるので、「コクピット消去後」の「保留変化予告」が実行される機会を増やすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図57を参照して、第5実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2について説明する。図57は、第5実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2の一例を模式的に示した図である。図57のハズレ用シナリオテーブル222f2では、大当たり用シナリオテーブル222f1と同様、縦行が「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の各保留球数(保留球数1個〜4個の4パターン)において、各保留球数のそれぞれに「保留変化予告」の表示態様ごと(「青」、「赤」、「虹」の3パターン)に区分けされた合計12種類の状況パターンにそれぞれ区分けされている。また、横列が「保留変化予告」を実行(開始)するタイミングとして、各保留球数(保留球数「1」個〜「4」個)への表示時又はシフト時における4パターンと、保留球数「0」個(当該変動演出実行中)における「開始時(シフト時)」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」の4パターンとの、計8種類のタイミングパターンにそれぞれ区分けされている。そして、その区分けされたグループに対してそれぞれシナリオカウンタ223dの取り得る値が対応付けられている。
図57で示すように、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数と、該「保留変化予告」の各表示態様との状況パターンが用意され、各状況パターンに対してシナリオカウンタ223dの値が対応付けられている。なお、「保留変化予告」の表示態様の「虹」は、該「虹」の表示態様が現出することで大当たりの発生を示唆するものであり、ハズレ時には選択されない。よって、ハズレ用シナリオテーブル222f2の「虹」の状況パターンには、「保留変化予告」を決定した時点における変動演出の保留個数のいずれにもシナリオカウンタ223dの値が割り振られていないため、その説明は省略する。
まず、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「1」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「2」個〜「4」個については、保留球数「1」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「1」個目の発生時に保留球数「2」個〜「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「1」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「2」個〜「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図57参照)。
図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が10%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が60%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(60%)ように設定されている。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、ハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留消去後」にシナリオカウンタ223dの値が割り振られていなかったが、第3実施形態のハズレ用シナリオテーブル222f2では、「コクピット消去後」の実行タイミングにシナリオカウンタ223dを割り振るように設定されている。これは、コクピット表示領域Dbの消去は、「コクピット消去後」の「保留変化予告」に対応する変動演出の前に実行される変動演出でも実行され得るものであり、その変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去された場合でも「大当たり表示」が確定しないからである。
次いで、図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「1」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「2」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「3」個又は「4」個については、保留球数「2」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「2」個目の発生時に保留球数「3」個又は「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「2」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「3」個又は「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図57参照)。
図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が10%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が50%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(50%)ように設定されている。
次いで、図57の例で示す「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「2」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが選択され易い(30%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「3」個である場合について説明する。なお、この場合において、保留球数「4」個については、保留球数「3」個目の発生時点で存在していない。即ち、保留球数「3」個目の発生時に保留球数「4」個の保留図柄を表示することはない。よって、このハズレ用シナリオテーブル222f2において、「保留変化予告」決定時における保留球数「3」個の時点では、「保留変化予告」実行時の保留球数「4」個に対してシナリオカウンタ223dの値が割り振られていない(図57参照)。
図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜59」、保留球数「3」個に対して「60〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が10%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄表示時)が40%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(40%)ように設定されている。
次いで、図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が20%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄表示時)が20%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「3」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」、「リーチ後」、又は、保留図柄の表示時が選択され易い(各20%)ように設定されている。
次に、ハズレの「保留変化予告」の決定時点における変動演出の保留球数が「4」個である場合について説明する。
図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「0〜9」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「10〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜29」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「30〜39」、保留球数「1」個に対して「40〜49」、保留球数「2」個に対して「50〜59」、保留球数「3」個に対して「60〜69」、保留球数「4」個に対して「70〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が10%、保留球数「0」個の「開始時」が10%、保留球数「0」個の「リーチ前」が10%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が30%、の選択割合となるように設定されている。
従って、ハズレの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「青」であるとき、保留図柄の表示時のタイミングが最も選択され易い(30%)ように設定されている。
次いで、図57の例で示すように、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるときは、該「保留変化予告」の実行タイミングとシナリオカウンタ223dの値との対応付けが、コクピット表示領域Dbが消去されたタイミングを示す「コクピット消去後」に対して「−」、保留球数「0」個の「開始時」に対して「0〜19」、保留球数「0」個の「リーチ前」に対して「20〜39」、保留球数「0」個の「リーチ後」に対して「40〜59」、保留球数「1」個に対して「60〜69」、保留球数「2」個に対して「70〜79」、保留球数「3」個に対して「80〜89」、保留球数「4」個に対して「90〜99」となっている。
即ち、「保留変化予告」の決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、該「保留変化予告」の実行タイミングとしては、「コクピット消去後」が0%、保留球数「0」個の「開始時」が20%、保留球数「0」個の「リーチ前」が20%、保留球数「0」個の「リーチ後」が10%、保留球数「1」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留球数「2」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「3」個(即ち、保留図柄シフト時)が10%、保留図柄「4」個(即ち、保留図柄表示時)が10%、の選択割合となるように設定されている。
従って、大当たりの変動演出に対応する実行図柄又は保留図柄の「保留変化予告」は、その決定時の保留球数が「4」個、かつ、表示態様が「赤」であるとき、当該変動演出の「開始時」、「リーチ前」又は「リーチ後」が選択され易い(各20%)ように設定されている。
このように、変動演出のハズレ時と大当たり時とで、同じ「保留変化予告(例えば、「青」)」であってもその実行タイミング(現出タイミング)を異ならせることで、「保留変化予告」の表示態様と、その表示態様が現出するタイミングとで大当たり期待度を異ならせることができる。よって、「保留変化予告」の表示態様と現出タイミングとによって該「保留変化予告」による大当たり期待度の示唆内容を多様化することができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図58を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fについて説明する。図58は、第5実施形態における保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fの構成を模式的に示した図である。第5実施形態における保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fの構成において、第1実施形態と相違する点は、保留消去情報格納エリア223e7,223f7および再変動情報格納エリア223e8,223f8が設けられていない点である。その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信時に、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第4エリアのうち、該保留球数コマンドによって更新されたサブ保留球数カウンタ223bの値に対応する保留情報格納第Xエリアの各カウンタ格納エリア223e1〜223e4に格納された各値に基づいて、先読み処理(保留表示設定処理(図59参照))を行い、この先読み処理の結果に基づいて生成された保留変化情報およびシナリオデータを、同じ保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6にそれぞれ格納する。
また、音声ランプ制御装置113は、「コクピット消去後」の「保留変化予告」のシナリオデータがシナリオデータ格納エリア223e6,223f6に記憶されている場合において、変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されてコクピット表示領域Dbが消去されたとき、「コクピット消去後」の「保留変化予告」のシナリオデータが記憶されている実行情報格納エリア223f又は保留情報格納エリア223eに対応する保留図柄又は実行図柄に対して「保留変化予告」を実行させると共に、該実行情報格納エリア223f又は保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223f5,223e5に記憶されている保留変化情報を、保留変化済み情報に書き換えて格納するように構成されている。このように、「コクピット消去後」の「保留変化予告」が実行された場合に、実行情報格納エリア223f又は保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223f5,223e5に格納される保留変化情報を保留変化済み情報に書き換えることで、「コクピット消去後」の「保留変化予告」を重複して実行せずに済み、MPU221の制御負担を軽減することができる。
一方、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より変動演出の開始を意味する変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドを受信すると、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fにおいてシフト処理を実行する。つまり、保留された変動演出が1つ減り、時間的に1番目に保留された変動演出の実行が開始されるので、その1番目に保留された変動演出に対応する保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、現在実行中の変動演出に対応する実行情報格納エリア223fの各格納エリア223f1〜223f6に移動させる。
また、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第1エリアの各格納エリア223e1〜223e6に移動させ、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第2エリアの各格納エリア223e1〜223e6に移動させ、保留情報格納第4エリアの各格納エリア223e1〜223e6に格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値および各種情報(データ)を、保留情報格納第3エリアの各格納エリア223e1〜223e6に移動させる。
これにより、実行情報格納エリア223fには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。また、保留情報格納第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値が格納されることになる。つまり、音声ランプ制御装置113には、主制御装置110にて実行中および保留中の変動演出に対応する各カウンタC1〜C3,CS1が、実行情報格納エリア223fおよび保留情報格納エリア223eに格納される。
なお、第5実施形態の保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fは、保留消去情報格納エリア223e7,223f7および再変動情報格納エリア223e8,223f8が設けられていないため、第1実施形態の保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fと比べて記憶容量が削減されている。
次いで、図59を参照して、第5実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理(S1209)について説明する。図59は、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留表示設定処理を示したフローチャートである。第5実施形態では、音声ランプ制御装置113は、コマンド判定処理(図28のS1110)において保留球数コマンドを受信したと判断した場合に、この保留表示設定処理を行い、「保留変化予告」の実行が決定されたときに、保留変化情報およびシナリオデータを、保留球数コマンドによって更新されたサブ保留球数カウンタ223bが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6にそれぞれ格納する。
具体的には、保留表示設定処理(S1209)のS1303の処理において、今回受信した保留球数コマンドが示す各種情報に基づいて「保留変化予告」の実行抽選に当選したか否かを判別する(S1303)。判別の結果、「保留変化予告」の実行抽選に当選していなければ(S1303:No)、「保留変化予告」は実行されないので、「保留変化予告」に関する情報を消去すべく、保留情報格納第Xエリアの保留変化情報格納エリア223e5およびシナリオデータ格納エリア223e6に、Nullデータをそれぞれ格納し(S1361)、処理をS1313へ移行する。
一方、S1303の処理において、「保留変化予告」の実行抽選に当選していれば(S1303:Yes)、第1実施形態と同様、S1304,S1305の処理を行い、保留変化情報およびシナリオデータを、保留球数コマンドが示す保留情報格納第Xエリアの各格納エリア223e5,223e6に格納し、処理をS1313へ移行する。
このように、第5実施形態では、保留球数コマンド受信時に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報とを判別および記憶していない。これにより、音声ランプ制御装置113のROM222の容量を削減することができると共に、MPU221の制御負担が軽減される。
次に、図60を参照して、第5実施形態の変動演出処理(S1109)について説明する。図60は、第5実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1109)を示したフローチャートである。
この変動演出処理は、メイン処理(図28参照)において実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、まず、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1エリアに記憶される各種情報を実行情報格納エリア223fへシフトすると共に、保留情報格納第2〜4エリアに記憶される情報を保留情報格納第1〜第3エリアへシフトする処理を行う。また、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致していない場合に表示用エラーコマンドを生成し、このコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。さらに、実行図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。また、保留図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。
変動演出処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図28参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、第1実施形態と同様、S1402〜S1412の処理を行い、処理をS1413へ移行する。
S1413の処理では、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1413)。この判別は、実行情報格納エリア223fに設けられたシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータを確認し、該シナリオデータが「コクピット消去後」の示すデータ、又は、保留球数「0」個であって「開始時」、「リーチ前」又は「リーチ後」(以下、「開始時」〜「リーチ後」と略す)を示すデータか否かを判別する。
S1413の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、「コクピット消去後」、又は、保留球数「0」個であって「開始時」〜「リーチ後」のいずれかを示すデータである場合は(S1413:Yes)、実行図柄において「保留変化予告」を実行するために、実行図柄変化処理を行い(S1414)、処理をS1415へ移行する。
一方、S1413の処理において、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、「コクピット消去後」を示すデータ、又は、保留球数「0」個であって「開始時」〜「リーチ後」のいずれかを示すデータでなければ(S1413:No)、S1414の処理をスキップして、処理をS1415へ移行する。S1414の実行図柄変化処理については図61において後述する。
次いで、S1415の処理では、第1〜第3保留図柄表示領域Db1〜Db3に表示される保留図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1415)。この判別は、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1〜第3エリアに設けられたシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるそれぞれのシナリオデータについて判別する。つまり、各シナリオデータ格納エリア223f6の各シナリオデータが、シフト後の保留図柄表示領域Db1〜Db3において「保留変化予告」の実行タイミングか否かを判別する。この判別は、例えば、保留情報格納第1エリアにシフトして記憶されたシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「1」個を示すデータか否か、或いは、コクピット表示領域Dbが消去された後に保留図柄表示領域Db1〜Db3において「保留変化予告」の実行させるデータ(即ち、「コクピット消去後」)か否か等、を判別する。
S1415の処理の結果、実行タイミングに該当するシナリオデータを記憶する保留情報格納第1〜3エリアが存在しなければ(S1415:No)、保留図柄に対して「保留変化予告」を行わなくてよいので、この変動演出処理(S1109)を終了して、メイン処理(図28参照)へ戻る。一方、実行タイミングに該当するシナリオデータを記憶する保留情報格納第1〜3エリアが存在すれば(S1415:Yes)、次に、保留図柄の変化タイミング、即ち、保留図柄における「保留変化予告」の実行タイミングが「シフト時」か「コクピット消去後」か否かを判別する(S1461)。判別の結果、保留図柄の変化タイミングが保留図柄のシフト時である場合は(S1461:「シフト時」)、該当する保留図柄に保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて該当する保留図柄の情報を含めた表示用シフト時保留変化コマンドを設定し(S1462)、メイン処理(図28参照)へ戻る。
ここで設定された表示用シフト時保留変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用シフト時保留変化コマンドを受信した表示制御装置114では、保留図柄をシフト表示する際に、決定された「保留変化予告」の表示態様で該当する保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
一方、S1461の処理において、保留図柄の変化タイミングが保留図柄が消去したタイミング、即ち、「コクピット消去後」である場合は(S1461:「コクピット消去後」)、次に、今から第3図柄表示装置81で実行される変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されるか否かを判別する(S1463)。即ち、当該変動演出において、「スーパーリーチ以上」の変動要素によって、コクピット表示領域Dbが消去され、保留図柄が視認不能になるタイミングがあるか否かを確認する。この判別は、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動パターンを判別することで行う。
S1463の処理において、今から第3図柄表示装置81で実行される変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されなければ(S1463:No)、今から実行する変動演出では「コクピット消去後」の「保留変化予告」を行えないため、S1464〜S1466の処理をスキップして、この変動演出処理(S1109)を終了して、メイン処理(図28参照)へ戻る。
一方、S1463の処理において、今から第3図柄表示装置81で実行される変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行される場合は(S1463:Yes)、次に、既にコクピット表示領域Dbを消去する演出が実行されて保留図柄が変化済みか否かを判別する(S1464)。この判別は、保留情報格納エリア223eの保留変化情報格納エリア223e5に格納される保留変化情報が、保留変化済み情報に書き換えられているか否かを判別する。保留変化情報格納エリア223e5の保留変化情報が保留変化済み情報であった場合は、既に保留図柄において「保留変化予告」が実行されているため、再度、「保留変化予告」を行う必要が無い。従って、S1464の判別の結果、保留変化情報格納エリア223e5に保留変化済み情報が格納されていれば(S1464:Yes)、S1465及びS1466の処理をスキップして、この変動演出処理(S1109)を終了して、メイン処理(図28参照)へ戻る。
一方、S1464の判別の結果、保留変化情報格納エリア223e5に保留変化済み情報が格納されていなければ(S1464:No)、未だ「コクピット消去後」の「保留変化予告」は実行されていないので、コクピット表示領域Dbが消去された後、再表示されるタイミングで、該当する保留図柄に保留変化情報格納エリア223e5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて該当する保留図柄の情報を含めた表示用消去後保留変化コマンドを設定する(S1465)。そして、該当する保留図柄の保留変化情報格納エリア223e5に保留変化済み情報を格納し(S1466)、メイン処理(図28参照)へ戻る。
なお、「コクピット消去後」の「保留変化予告」が実行した場合に、該当する保留図柄の保留変化情報格納エリア223e5に保留変化済み情報を格納していたが、これに代えて、該当する保留図柄のシナリオデータ格納エリア223e6のシナリオデータを「コクピット消去後」からNullデータ等に変更するように構成してもよい。このように構成することで、S1415の処理において、実行タイミングに該当するシナリオデータを記憶する保留情報格納第1〜3エリアが存在しないと判断して(S1415:No)、以後、該当する保留図柄において「保留変化予告」を行わないように構成することができる。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、当該変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されて、コクピット表示領域Dbが消去され、該「スーパーリーチ以上」の変動要素が終了して、コクピット表示領域Dbが再表示されるタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様で該当する保留図柄を表示させるように表示制御を行う。
次に、図61を参照して、第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理(S1414)について説明する。図61は、第5実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される実行図柄変化処理を示したフローチャートである。この実行図柄変化処理は、メイン処理(図28参照)において実行される変動演出処理(図60参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81の実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を実行するために行われる。
第5実施形態の実行図柄変化処理において、S1501の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「コクピット消去後」を示すデータであれば(S1501:「コクピット消去後」)、まず、既にコクピット表示領域Dbを消去する演出が実行されて実行図柄が変化済みか否かを判別する(S1571)。この判別は、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に格納される保留変化情報が、保留変化済み情報に書き換えられているか否かを判別する。保留変化情報格納エリア223f5の保留変化情報が保留変化済み情報であった場合は、既に実行図柄において「保留変化予告」が実行されているため、再度、「保留変化予告」を行う必要が無い。従って、S1571の判別の結果、保留変化情報格納エリア223f5に保留変化済み情報が格納されていれば(S1571:Yes)、S1572〜S1574の処理をスキップして、この実行図柄変化処理(S1414)を終了して、変動演出処理(図60参照)へ戻る。
一方、S1571の処理において、保留変化情報格納エリア223f5に保留変化済み情報が格納されていなければ(S1571:No)、未だ「コクピット消去後」の「保留変化予告」は実行されていないので、次に、当該変動演出において「コクピット消去後」の「保留変化予告」を実行可能な否かを確認するべく、当該変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されるか否かを判別する(S1572)。この判別は、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動パターンを判別することで行う。
S1572の判別の結果、当該変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行される場合は(S1572:Yes)、当該変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去される演出が存在するので、次に、当該変動演出の「リーチ表示」の後に「保留変化予告」を実行可能か否かを確認するべく、当該変動演出において「再変動」の変動要素が実行されるか否かを判別する(S1573)。この判別は、コマンド判定処理(図29参照)のS1202の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動パターンを判別することで行う。
S1573の判別の結果、当該変動演出において「再変動」の変動要素が実行される場合は(S1573:Yes)、「リーチ表示」の後に「再変動」が実行される変動演出であって、コクピット表示領域Dbの再表示時に「保留変化予告」を実行可能な変動演出であるので、実行情報格納エリア223fの保留変化情報格納エリア223f5に記憶される表示態様で「保留変化予告」を実行させるために、表示制御装置114へ向けて表示用消去後変化コマンドを設定し(S1574)、変動演出処理(図60参照)へ戻る。
ここで設定された表示用消去後変化コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示用消去後変化コマンドを受信した表示制御装置114は、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄に対して、該変動演出の「スーパーリーチ」又は「スペシャルリーチ」が終了した後であって、「再変動」の実行前のタイミングで、決定された「保留変化予告」の表示態様に実行図柄を変化(例えば、「通常(白)」から「青」)させるように表示制御を行う。
一方、S1572の処理において、当該変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されない場合は(S1572:No)、当該変動演出においてコクピット表示領域Dbを消去する演出が行われないため、「コクピット消去後」の「保留変化予告」を実行することができない。
また、S1573の処理において、当該変動演出において「再変動」の変動要素が実行されない場合は(S1573:No)、当該変動演出において「再変動」の変動要素を含まないため、「コクピット消去後」の「保留変化予告」を実行する意味がない。具体的には、例えば、「スーパーリーチ」が実行されて「大当たり表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、該「スーパーリーチ」後に演出が何の発生しないため、遊技者には何ら興趣を付与することができず、むしろ意味の無い演出によって興醒めさせてしまう。また、例えば、「スーパーリーチ」が実行されて「ハズレ表示」が確定した後に実行図柄の「保留変化予告」を実行しても、そのまま「ハズレ表示」が確定し、次の変動演出が開始された場合は、演出の齟齬により、遊技者に遊技に対する不信感を与えてしまう。
よって、S1572の処理において、当該変動演出において「スーパーリーチ以上」の変動要素が実行されないと判別された場合は(S1572:No)、又は、S1573の処理において、当該変動演出において「再変動」の変動要素が実行されないと判別された場合(S1573:No)、「コクピット消去後」に「保留変化予告」を実行できないため、「保留変化予告」の実行可能なタイミングを確認するべく、処理をS1504へ移行する。
このように構成することで、当初設定された「コクピット消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動演出であっても、実行可能な実行タイミング(「リーチ後」又は「リーチ前」)に変更して「保留変化予告」を実行することができる。よって、「保留変化予告」の実行抽選に当選したにもかかわらず実行されないケースを減らすことができ、「保留変化予告」の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、「保留変化予告」の抽選処理と、変動演出の抽選処理とを異なる(別系統の)処理で行った場合であっても、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができるので、各抽選処理を異なる(別系統の)プログラムで行うことで各プログラムの設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる。
次に、図62を参照して、「コクピット消去後」の「保留変化予告」の実行例について説明する。図62は、第5実施形態の第3図柄表示装置81で実行される変動演出において、「コクピット消去後」の「保留変化予告」が行われる状況を示した図である。具体的には、図62(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が現出される間際の状態を示した図である。図62(b)は、図62(a)の状態から副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」が実行されている状態を示した図である。図62(c)は、図62(b)の状態から主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」が実行されている状態を示した図である。図62(d)は、図62(c)の状態から「スーパーリーチ」の演出において「ハズレ表示」が現出することを示唆する演出が実行されている状態を示した図である。図62(e)は、図62(d)の状態から副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。図62(f)は、図62(e)の状態から変動演出が消化されて、図62(e)の段階で第3保留図柄表示領域Db3に表示されていた保留図柄に対応する変動演出において「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図62(a)〜図62(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
図62(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図62(b)では、図62(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。
コクピット表示領域Dbでは、図62(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図62(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図62(c)では、図62(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」では、「ノーマルリーチ」で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図62(c)では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」(「スペシャルリーチ」では「競争演出」)が表示されている。
また、図62(c)で示すように、第5実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第5実施形態では、「4」)が新たに現出表示されるように構成されている。
図62(d)では、図62(c)の状態から、「スーパーリーチ」における「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に負けた状態が表示されている。従って、遊技者は、図62(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。
また、図62(d)では、図62(c)と同様、「スーパーリーチ」の実行中であるので、コクピット表示領域Dbが消去された状態が維持されている。
図62(e)では、図62(d)の状態から、「スーパーリーチ」の演出にハズれて(敵側のキャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示(787)」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部では、チャンスダウンしている状態が表示されている。
この図62(e)では、コクピット表示領域Dbの第3保留図柄表示領域Db3に表示される保留図柄が、「スーパーリーチ」の実行によって消去される前の表示態様(「白」。図62(b)参照。)から変化した表示態様(「青」)で表示されている。即ち、「コクピット消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」が行われている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部ではない部分(副部)では、チャンスアップしている状態が表示されている。よって、第3図柄表示装置81の表示画面上では、主要部においてチャンスダウンしている状態と、非主要部においてチャンスアップしている状態とが同時に表示されている。
遊技者は、図62(e)の状態を見たとき、主表示領域Dmに「ハズレ表示(787)」が現出していることと、「スーパーリーチ」での「バトル演出」で負けたことの印象とにより、図62(d)の時点での予測通り、この変動演出で「大当たり表示」が現出せず、「ハズレ表示」が現出し、そのまま「ハズレ表示」が確定すると推測して、次の変動演出に興味が移っている状態である。そして、遊技者が次の変動演出の内容に着目しようとコクピット表示領域Dbの保留図柄を見たとき、保留中の変動演出を示す第3保留図柄表示領域Db3の保留図柄において「保留変化予告」が行われ、該保留図柄が「青」に変化していることを認識する。
この「コクピット消去後」の「保留変化予告」を初めて見た遊技者は、この時点で、まず、「スーパーリーチ」の「バトル演出」の実行前からの保留図柄の表示態様の違いに気付き、違和感を感じる。そして、その違和感の根源が、「青」の保留図柄であることを認識する。そして、該「青」の保留図柄の「保留変化予告」がいつ行われたか自身の記憶をもとに検討する。検討の結果、「保留変化予告」は、「スーパーリーチ」の実行前には行われておらず、「スーパーリーチ」が終わった後に実行されたものであることを把握する。この瞬間、遊技者は、この「保留変化予告」が実行された保留中の変動演出において、何らかの事象が発生するのでは、と予想する。
図62(f)では、図62(e)の状態から変動演出が2つ消化(図62(e)の段階で第1保留図柄表示領域Db1及び第2保留図柄表示領域Db2に表示されていた保留図柄に対応する変動演出が実行)されて、図62(e)の段階で第3保留図柄表示領域Db3に表示されていた保留図柄に対応する変動演出において「大当たり表示」が現出する間際の状態を示している。この変動演出では、「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、図62(e)の段階で推測した通り、「保留変化予告」が発生した変動演出において「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
また、この「コクピット消去後」の「保留変化予告」を一度体験した経験がある遊技者は、次回からの「スーパーリーチ」や「スペシャルリーチ」において、たとえ該「スーパーリーチ」等で「ハズレ表示」が現出したとしても、再表示されるコクピット表示領域Dbの第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において保留図柄が変更しているか否かを確認するようになる。よって、「スーパーリーチ」の実行後であっても再表示される保留図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、たとえ実行中の変動表示がハズレた場合であっても、保留図柄において「保留変化予告」が発生し、該保留図柄に対応する変動演出において「大当たり表示」が現出することを期待しながら遊技を行うことができる。従って、多様なタイミングで「保留変化予告」を実行して、遊技の興趣を向上することができる。
以上、説明したように、第5実施形態のパチンコ機10によれば、大当たりを発生する変動演出を示す保留図柄及び実行図柄において「保留変化予告」を行う場合、「スーパーリーチ」等によって保留図柄又は実行図柄が消去され、該「スーパーリーチ」の演出が終了して保留図柄又は実行図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を現出(実行)可能に構成する。これにより、常に視認可能にされている予告対象物(変化対象物。第5実施形態では、保留図柄又は実行図柄。)を直接的に変更して報知する場合や、新たに予告対象物を現出させて報知する場合に比べ、予告対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく予告対象物の表示態様を変化させることができる。特に、遊技者が着目していない保留図柄を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させると共に、その変化態様も通常の変化から僅かな変化(最少変化態様。1段階の変化。)であることで、まず、遊技者に保留図柄の変化に気付き難くしつつ、変化していることにって遊技者に違和感を与える。そして、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、大当たりの変動演出を示す実行図柄又は保留図柄において、1段階の「保留変化予告」を実行する場合に、コクピット表示領域Dbが消去された「コクピット消去後」のタイミングで1段階の表示態様(「青」)に変化するように構成する。また、複数段階変化した「保留変化予告」を実行する場合に、上記「コクピット消去後」の実行タイミングが選択されないように構成する。このように構成することで、従来、大当たりを期待することができなかった1段階の「保留変化予告」であっても、その「保留変化予告」が発生するタイミングによっては大当たりを期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった1段階の「保留変化予告」の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも大当たりを期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる。
さらに、「コクピット消去後」の「保留変化予告」は、該「保留変化予告」を決定した時点での保留球数が多ければ多いほど、選択され易いように構成されている。「コクピット消去後」の「保留変化予告」に対応する変動演出が確定表示する前までに実行される変動演出の数が多いほど、コクピット表示領域Dbが消去される可能性が高くなるので、「コクピット消去後」の「保留変化予告」が実行される機会を増やすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fは、保留消去情報格納エリア223e7,223f7および再変動情報格納エリア223e8,223f8が設けられていないため、第1実施形態の保留情報格納エリア223eおよび実行情報格納エリア223fと比べて記憶容量が削減される。
さらに、保留球数コマンド受信時に、変動演出においてコクピット表示領域Dbが消去されるか否かを示す保留消去情報と、変動演出において「再変動」の変動要素が行われるか否かを示す再変動情報とを判別および記憶していない。これにより、音声ランプ制御装置113のROM222の容量を削減することができると共に、MPU221の制御負担が軽減される。
<第6実施形態>
次いで、図63から図70を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、実行中の変動演出において、「スーパーリーチ」の変動要素が現出することでコクピット表示領域Dbが消去され、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了してコクピット表示領域Dbが再び表示されたタイミングで実行図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行っていた。また、第1実施形態の変動演出では、「リーチ表示」として、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素及び「スペシャルリーチ」の変動要素(以下、「各リーチ表示」と略す場合がある)の異なる3種類の「リーチ表示」が設けられ、「各リーチ表示」のリーチパターン(実行態様)はそれぞれ1種類で構成されていた。
これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、「各リーチ表示」のリーチパターンをそれぞれ複数(第6実施形態では、「弱パターン」と「強パターン」との2種類)設け、「各リーチ表示」が選択された場合に、該「各リーチ表示」のリーチパターンを決定するように構成されている。具体的には、例えば、変動演出において、「スーパーリーチ」演出態様が選択された場合に、後述するリーチパターンテーブル222h及びリーチパターンカウンタ223kの値を参照して、「スーパーリーチ」演出態様について「弱パターン」又は「強パターン」のリーチパターンのいずれかを選択するように構成する。
また、第6実施形態のパチンコ機10では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、「各リーチ表示」が「強パターン」のリーチパターンが選択されていたとき、該「強パターン」を「弱パターン」のリーチパターンに変更する。そして、該「弱パターン」の「各リーチ表示」が実行された後、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成する。
従来、演出パターンの多様化を目的として、「各リーチ表示」においてそれぞれ複数種類のリーチパターンを設けた場合に、例えば、大当たり時に選択され易い「強パターン」のリーチパターンと、該「強パターン」より大当たり時に選択され難い「弱パターン」のリーチパターンとが設けられる。即ち、「弱パターン」のリーチパターンは、大当たり時には選択され難く、ハズレ時に選択され易く構成されると共に、「強パターン」のリーチパターンは、大当たり時に選択され易く、ハズレ時に選択され難く構成される。よって、遊技者は、「各リーチ表示」の「弱パターン」が現出した場合、大当たり期待値が低いことによって、該変動演出において大当たりが付与される可能性が低いことを認識し、該変動演出での大当たりを諦めてしまい、「弱パターン」のリーチパターンが現出したことによって興醒めるおそれがある。
そこで、第6実施形態のパチンコ機10では、大当たりの変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合に、変動演出の「各リーチ表示」において「強パターン」のリーチパターンが選択されていた場合、該「強パターン」のリーチパターンを「弱パターン」のリーチパターンに変更するように構成する。このように構成することで、「弱パターン」のリーチパターンが現出した場合でも、該「弱パターン」の「リーチ表示」の変動要素の終了後に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出すれば大当たりとなるため、「弱パターン」現出時においても興醒めすることなく遊技を堪能することが可能となる。
以下、第6実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図63を参照して、第6実施形態における音声ランプ制御装置113および表示制御装置114の詳細な電気的構成について説明する。図63は、第6実施形態における主に音声ランプ制御装置113の電気的構成を示すブロック図である。第6実施形態の音声ランプ制御装置113のROM222には、第1実施形態乃至第5実施形態のROM222に対し、さらに、リーチパターンテーブル222hが少なくとも格納されている。リーチパターンテーブル222hについては、図64にて後述する。
第6実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223には、第1実施形態乃至第5実施形態のRAM223に対して、さらに、リーチパターンカウンタ223kが少なくとも設けられている。
リーチパターンカウンタ223kは、「各リーチ表示」のリーチパターンを抽選するためのカウンタである。上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、該変動パターンコマンドから変動パターン(演出態様)を抽出する。そして、抽出した変動パターンに「リーチ表示」の演出態様が含まれていた場合、該「リーチ表示」の種類に基づいてリーチパターンカウンタ223k及びリーチパターンテーブル222hによって、「リーチ表示」のリーチパターンを「弱パターン」又は「強パターン」のいずれにするか抽選するように構成されている。
このリーチパターンカウンタ223kは、音声ランプ制御装置113のメイン処理のカウンタ更新処理(図28のS1111参照)において、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。リーチパターンカウンタ223kの値は、メイン処理が1回ループする毎に1回(図28のS1111参照)更新(例えば、1加算)される。第6実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドが示す変動演出の変動パターンを抽出し、「リーチ表示」の種類に基づいてリーチパターンカウンタ223kの値とリーチパターンテーブル222hとを参照し、「リーチ表示」のリーチパターンが抽選される(図67のS1703参照)。
ここで、図64を参照して、第6実施形態における「各リーチ表示」のリーチパターンと、「各リーチ表示」のぞれぞれリーチパターンの選択割合を示したリーチパターンテーブル222hについて説明する。図64(a)は、第6実施形態におけるリーチパターンの「弱パターン」及び「強パターン」の一例を示した図であり、図64(b)は、リーチパターンテーブル222hの一例を模式的に示した図である。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信した場合に、該変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する。そして、該変動パターンに「リーチ表示」が実行されると判断されたとき、その時点でのリーチパターンカウンタ223kの値に基づいてリーチパターンテーブル222hを参照し、「リーチ表示」のリーチパターンが決定される。具体的には、第6実施形態では、「ノーマルリーチ」のリーチパターンとして「背景青」及び「背景赤」が設けられ、「スーパーリーチ」のリーチパターンとして「パンチ」及び「キック」が設けられ、「スペシャルリーチ」のリーチパターンとして「銃」及び「大砲」が設けられている(図64(a)参照)。なお、「特殊変動」は、リーチパターンが設けられていないため、「−」と表記する(図64(a)参照)。
ここで、図65を参照して、第6実施形態における各「リーチ表示」ごとのリーチパターンについて説明する。図65(a)は、第6実施形態における「ノーマルリーチ」の「弱パターン」を示した図であり、図65(b)は、「ノーマルリーチ」の「強パターン」を示した図であり、図65(c)は、「スーパーリーチ」の「弱パターン」を示した図であり、図65(d)は、「スーパーリーチ」の「強パターン」を示した図であり、図65(e)は、「スペシャルリーチ」の「弱パターン」を示した図であり、図65(f)は、「スペシャルリーチ」の「強パターン」を示した図である。
第6実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の「弱パターン」として、「背景青」のリーチパターンが設けられている(図65(a)参照)。また、「ノーマルリーチ」の「強パターン」として、「背景赤」のリーチパターンが設けられている(図65(b)参照)。
また、「スーパーリーチ」の「弱パターン」として、「パンチ」のリーチパターンが設けられている(図65(c)参照)。また、「スーパーリーチ」の「強パターン」として、「キック」のリーチパターンが設けられている(図65(d)参照)。
さらに、「スペシャルリーチ」の「弱パターン」として、「銃」のリーチパターンが設けられている(図65(e)参照)。また、「スペシャルリーチ」の「強パターン」として、「大砲」のリーチパターンが設けられている(図65(f)参照)。
図64(b)に戻って、説明を続ける。図64(b)で示すように、リーチパターンテーブル222hは、選択された「リーチ表示」に基づいてグループ分けされている。
具体的には、ハズレ時における「ノーマルリーチ」が決定された場合に参照される「ハズレ:ノーマルリーチ」用と、ハズレ時における「スーパーリーチ」が決定された場合に参照される「ハズレ:スーパーリーチ」用と、ハズレ時における「スペシャルリーチ」が決定された場合に参照される「ハズレ:スペシャルリーチ」用と、大当たり時における「ノーマルリーチ」が決定された場合に参照される「大当たり:ノーマルリーチ」用と、大当たり時における「スーパーリーチ」が決定された場合に参照される「大当たり:スーパーリーチ」用と、大当たり時における「スペシャルリーチ」が決定された場合に参照される「大当たり:スペシャルリーチ」用と、大当たり時における「特殊変動」用とに区分けされている。そして、区分けされたグループに対してそれぞれリーチパターンカウンタ223kの値が対応付けられている。
なお、リーチパターンテーブル222hにおいて、大当たり時の「特殊変動」には、リーチパターンカウンタ223kの値が割り振られていない。これは、「特殊変動」は、「2R確変大当たり」時にもれなく選択される演出態様であり、「ムービー」の変動要素が漏れなく選択され、他のリーチパターンが設けられていないからである。
図64(b)で示す例では、「ノーマルリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜79」、「強パターン」に対して「80〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが80%、「強パターン」のリーチパターンが20%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「ノーマルリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「弱パターン」が選択され易い設定(80%)となっている。
図64(b)で示す例では、「スーパーリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜89」、「強パターン」に対して「90〜99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが90%、「強パターン」のリーチパターンが10%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「スーパーリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「弱パターン」が選択され易い設定(90%)となっている。
図64(b)で示す例では、「スペシャルリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜98」、「強パターン」に対して「99」となっている。
即ち、ハズレ時の「スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが99%、「強パターン」のリーチパターンが1%、の割合で選択されるように設定されている。従って、ハズレ時の「スペシャルリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「弱パターン」が選択され易い設定(99%)となっている。
従って、いずれの「リーチ表示」も、ハズレ時には、「弱パターン」のリーチパターンが選択され易く、「強パターン」のリーチパターンは選択され難いように構成されている。
図64(b)で示す例では、「ノーマルリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜9」、「強パターン」に対して「10〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「ノーマルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが10%、「強パターン」のリーチパターンが90%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「ノーマルリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「強パターン」が選択され易い設定(90%)となっている。
図64(b)で示す例では、「スーパーリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜19」、「強パターン」に対して「20〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スーパーリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが20%、「強パターン」のリーチパターンが80%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「スーパーリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「強パターン」が選択され易い設定(80%)となっている。
図64(b)で示す例では、「スペシャルリーチ」の演出態様におけるリーチパターンカウンタ223kとリーチパターンとの対応付けが、「弱パターン」に対して「0〜29」、「強パターン」に対して「30〜99」となっている。
即ち、大当たり時の「スペシャルリーチ」の演出態様が選択された場合は、「弱パターン」のリーチパターンが30%、「強パターン」のリーチパターンが70%、の割合で選択されるように設定されている。従って、大当たり時の「スペシャルリーチ」時に選択されるリーチパターンは、「強パターン」が選択され易い設定(70%)となっている。
従って、いずれの「リーチ表示」も、大当たり時には、「強パターン」のリーチパターンが選択され易く、「弱パターン」のリーチパターンは選択され難いように構成されている。
このように、大当たり時に選択され易く、ハズレ時に選択され難い「強パターン」のリーチパターンと、大当たり時に選択され難く、ハズレ時に選択され易い「弱パターン」のリーチパターンとを設けることで、「弱パターン」と「強パターン」とのリーチパターンにおける大当たり期待値の差によって、変動演出の演出パターンを多様化し、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図66を参照して、第6実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1110)について説明する。図66は、このコマンド判定処理(S1110)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1110)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図28参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1110)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1201)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1201:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターンを抽出して、変動演出における詳細は変動パターン(リーチパターン)を決定するために変動パターン決定処理を行い(S1251)、メイン処理(図28参照)へ戻る。なお、S1201の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1201:No)、S1204〜S1212の処理を行い、メイン処理(図28参照)に戻る。
ここで、図67を参照して、第6実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン決定処理(S1251)について説明する。図67は、この変動パターン決定処理(S1251)を示したフローチャートである。この変動パターン決定処理(S1251)は、変動パターンコマンドにより抽出された変動パターンが「リーチ表示」である場合、該「リーチ表示」のリーチパターンを決定して、表示制御装置114用の表示用変動パターンコマンドを設定する処理を行う。
この変動パターン決定処理(S1251)では、まず、変動パターンコマンドから変動パターンを抽出する(S1701)。ここで抽出された変動パターンは、RAM223に記憶される。そして、該変動パターンにおいて「リーチ表示」が含まれるか否かを判別する(S1702)。判別の結果、変動パターンに「リーチ表示」が含まれる場合は(S1702:Yes)、「リーチ表示」の詳細なリーチパターンを決定するために、その時点におけるリーチパターンカウンタ223kの値に基づいてリーチパターンテーブル222hを参照してリーチパターンを決定し(S1703)、処理をS1704へ移行する。一方、変動パターンに「リーチ表示」が含まれない場合は(S1702:No)、S1703の処理をスキップして、処理をS1704へ移行する。
S1704の処理では、抽出された変動パターンとリーチパターンとに基づいて、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン及びリーチパターンを通知する表示用変動パターンコマンドを設定し(S1704)、この変動パターン決定処理(S1251)を終了して、コマンド判定処理(図66参照)へ戻る。なお、S1704の処理では、「特殊変動」演出態様のようにリーチパターンが存在しない変動演出には、専用の表示用変動パターンコマンドが設定されるように構成されている。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102)により表示制御装置114に対して送信される。これにより、表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113で決定された変動パターンおよびリーチパターンの変動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
次に、図68を参照して、第6実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動演出処理(S1109)について説明する。図68は、第6実施形態の変動演出処理(S1109)を示したフローチャートである。
この変動演出処理(S1109)は、メイン処理(図28参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、まず、保留情報格納エリア223eの保留情報格納第1エリアに記憶される各種情報を実行情報格納エリア223fへシフトすると共に、保留情報格納第2〜4エリアに記憶される情報を保留情報格納第1〜第3エリアへシフトする処理を行う。また、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致するか否かを判定すると共に、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合にリーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更する変動変更処理を行う。さらに、主制御装置110より受信した停止種別コマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致していない場合に表示用エラーコマンドを生成し、このコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。また、実行図柄および保留図柄において「保留変化予告」の実行タイミングである場合に、該「保留変化予告」の各実行タイミングに関する各種コマンドを生成し、これらのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する処理を行う。
具体的には、変動演出処理(S1109)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223aがオンか否かを判別する(S1401)。そして、変動開始フラグ223aがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1401:No)、少なくとも主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動演出処理を終了して、メイン処理(図28参照)に戻る。
一方、変動開始フラグ223aがオンであると判別された場合(S1401:Yes)、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドをともに受信しているので、変動演出を開始すべく、S1402〜S1404の処理を行い、次いで、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致するか否かを判定すると共に、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合にリーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更する変動変更処理を行う(S1471)。この変動変更処理(S1471)の処理の後は、S1408〜S1416の処理を実行し、この変動演出処理(S1109)を終了して、メイン処理(図28参照)に戻る。
ここで、図69を参照して、第6実施形態の音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動変更処理(S1471)について説明する。図69は、この変動変更処理(S1471)を示したフローチャートである。この変動変更処理では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが実行情報格納エリア223fに記憶される内容(情報)と一致するか否かを判定すると共に、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合に、リーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更する処理を行う。
具体的には、まず、実行情報格納エリア223fに記憶される各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、今から実行する変動演出の変動パターンを取得する(S1801)。そして、実行情報格納エリア223fに記憶される変動パターンと、変動パターン決定処理(図67参照)のS1701の処理においてRAM223に記憶されている変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターンとが一致しているか否かの判別を行う(S1802)。今回受信した変動パターンコマンドが示す変動演出に関する情報と、それ以前に実行情報格納エリア223f(保留情報格納エリア223e)に記憶された変動演出に関する情報とが異なっていた場合は、何らかの異常(ノイズ等)の影響によって正常な変動演出(変動パターン)を実行することができない。このため、この判別処理によって、異常の有無を判別し、正常な変動演出が実行可能か否かを確認する。
S1802の判別の結果、実行情報格納エリア223fに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致しないと判定された場合は(S1802:No)、実行する変動演出に関し何らかの異常が発生しているので、該異常を表示制御装置114へ通知するための表示用エラーコマンドを生成して設定して(S1803)、処理をS1804へ移行する。
ここで設定された表示用エラーコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦格納され、メイン処理のコマンド出力処理(図28のS1102参照)により表示制御装置114に対して送信される。表示制御装置114では、この表示用エラーコマンドを受信することによって、変動演出に関して何らかの異常が発生したことを認識し、第3図柄表示装置81をエラー表示(例えば、デフォルト変動)に切り替え、そのエラー表示の表示制御を開始する。
一方、S1802の処理において、実行情報格納エリア223fに記憶されている変動パターンとRAM223に記憶されている変動パターンとが一致すると判定された場合は(S1802:Yes)、実行する変動演出に関して異常は発生していないので、S1803の処理をスキップして、処理をS1804へ移行する。
次いで、S1804の処理では、実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄において「保留変化予告」を現出する実行タイミングか否かを判別する(S1804)。この判別は、実行情報格納エリア223fに設けられたシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータを確認し、該シナリオデータが保留球数「0」個であって「開始時」、「リーチ前」、「リーチ後」又は「保留消去後」(以下、「開始時」〜「保留消去後」と略す)を示すデータか否かを判別する。
S1804の判別の結果、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータである場合は(S1804:Yes)、次いで、該「保留変化予告」の実行タイミングが「保留消去後」か否かを判別する(S1805)。
なお、S1805において、「保留変化予告」の実行タイミングが「保留消去後」であるか否かを判別しているため、S1804における実行図柄における「保留変化予告」の実行タイミングか否かの処理は省略することは可能である。
S1805の判別の結果、今回の「保留変化予告」の実行タイミングが「保留消去後」であれば(S1805:Yes)、次いで、当該変動演出で実行される「リーチ表示」のリーチパターンは「強パターン」か否かを判別する(S1806)。この判別は、変動パターン決定処理(図67参照)のS1703の処理において決定されたリーチパターンを判別することによって行う。判別の結果、当該変動演出で実行される「リーチ表示」のリーチパターンが「強パターン」であれば(S1806:Yes)、該「リーチ表示」のリーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更し(S1807)、変更されたリーチパターンに基づいて表示用リーチパターン変更コマンドを設定して(S1808)、この変動変更処理(S1471)を終了して、変動演出処理(図68参照)へ戻る。
このように、変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合に、変動演出の「各リーチ表示」において「強パターン」のリーチパターンが選択されていた場合、該「強パターン」のリーチパターンを「弱パターン」のリーチパターンに変更するように構成する。このように構成することで、「弱パターン」のリーチパターンが現出した場合でも、該「弱パターン」の「リーチ表示」の変動要素の終了後に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出すれば大当たりとなるため、「弱パターン」の現出時においても興醒めすることなく遊技を堪能することが可能となる。
なお、S1804の処理において、実行情報格納エリア223fのシナリオデータ格納エリア223f6に記憶されるシナリオデータが、保留球数「0」個であって「開始時」〜「保留消去後」のいずれかを示すデータでない場合は(S1804:No)、実行図柄における「保留変化予告」は実行されないので、S1805〜S1808の処理をスキップして、この変動変更処理(S1471)を終了して、変動演出処理(図68参照)へ戻る。また、S1805の処理において、今回の「保留変化予告」の実行タイミングが「保留消去後」でなければ(S1805:No)、S1806〜S1808の処理をスキップして、この変動変更処理(S1471)を終了して、変動演出処理(図68参照)へ戻る。S1806の処理において、当該変動演出で実行される「リーチ表示」のリーチパターンが「強パターン」でなければ(S1806:No)、リーチパターンを変更する必要がないので、S1807及びS1808の処理をスキップして、この変動変更処理(S1471)を終了して、変動演出処理(図68参照)へ戻る。
次に、図70を参照して、第6実施形態における「保留消去後」の「保留変化予告」の実行例について説明する。図70は、第6実施形態における第3図柄表示装置81で実行される変動演出において、「保留消去後」の「保留変化予告」が行われる状況を示した図である。
具体的には、図70(a)は、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて「リーチ表示」が現出される間際の状態を示した図である。図70(b)は、図70(a)の状態から副表示領域Dsが消去されて、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示した図である。図70(c)は、図70(b)の状態からコクピット表示領域Dbが消去されて、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」が実行されている状態を示した図である。図70(d)は、図70(c)の状態から「スーパーリーチ」の変動要素の演出において「ハズレ表示」が現出することを示唆する演出が実行されている状態を示した図である。図70(e)は、図70(d)の状態から副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbとが再表示されて、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示」が現出した状態を示した図である。図70(f)は、図70(e)の状態から「再変動」が実行されて「大当たり表示」が現出する間際の状態を示した図である。なお、図70(a)〜図70(f)において、第3図柄の表示態様は省略して表現している。
図70(a)では、主表示領域Dmの左表示領域Dm1において、「7」図柄の第3図柄が停止表示され、また、右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示される直前であり、さらに、中表示領域Dm2において、未だ第3図柄が視認不能に「高速変動」されている状態を示している。従って、所謂、「7」図柄による「リーチ表示」が現出する間際(直前)の状態である。
また、副表示領域Dsでは、中央小領域Ds2において、「リーチ表示」が現出することを示唆する予告態様にてキャラクタ図柄が表示されている。具体的には、中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄が、応援を行っているかのような態様で表示される。なお、左小領域Ds1及び右小領域Ds3には、所定の背景(図示せず)が表示され、キャラクタ図柄等は表示されていない。
さらに、コクピット表示領域Dbでは、実行図柄表示領域Db0において、実行図柄が表示され、また、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4において、保留図柄がそれぞれ表示されている。従って、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図70(b)では、図70(a)の状態から、主表示領域Dmの右表示領域Dm3において、「7」図柄の第3図柄が停止表示されて該「7」図柄による「リーチ表示」が確定し、主表示領域Dmにおいて「ノーマルリーチ」の変動要素が実行されている状態を示している。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dm全体が拡大したかのような態様で表示される。具体的には、左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3において、停止表示中の「7」図柄が拡大表示されると共に、中表示領域Dm2において、第3図柄が低速で視認可能に変動演出(例えば、「5」図柄から「6」図柄に低速スクロール)される。
一方、副表示領域Dsは、「ノーマルリーチ」の変動要素の発生に基づく主表示領域Dmの拡大に伴って消去され、該副表示領域Dsが視認不能な状態となっている。
この図70(b)の状態において、コクピット表示領域Dbでは、図70(a)の表示状態と同様、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていると共に、第1〜第4保留図柄表示領域Db1〜Db4にそれぞれ保留図柄が表示されている。従って、図70(a)と同様、実行図柄によって、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されていることを示すと共に、4つの保留図柄によって、変動演出の保留球数が4回であることを示している。
図70(c)では、図70(b)の状態から、主表示領域Dmにおいて「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」が実行されている状態を示している。この「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」では、「ノーマルリーチ」の変動要素で表示されていた「7」図柄のリーチ形成図柄が第3図柄表示装置81の表示領域左上に縮小して表示される。
また、図70(c)で示すように、第6実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、コクピット表示領域Dbが消去され、その代わりに、第3図柄表示装置81の表示領域左上に変動演出の保留球数を示す数字図柄(第6実施形態では、「4」)が新たに現出表示されるように構成されている。
さらに、図70(c)の「スーパーリーチ」の変動要素では、第3図柄表示装置81の表示画面のほぼ全体を使って複数のキャラクタ図柄が勝敗を競う「バトル演出」が表示される。この「バトル演出」では、遊技者側のキャラクタ図柄(例えば、左側キャラクタ図柄)と敵側のキャラクタ図柄(例えば、右側キャラクタ図柄)が闘う演出(第6実施形態では、キックボクシング)が実行される。
「スーパーリーチ」の変動要素には、上述したように、遊技者側のキャラクタ図柄の攻撃パターンを異ならせて表現することで、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」と「強パターン」とを実行可能に構成されている。具体的には、「弱パターン」の「パンチ」と、「強パターン」の「キック」とリーチパターンが設けられており、図70(c)で示す例では、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」のリーチパターンである「パンチ」が実行されている。
従来、「スーパーリーチ」の変動要素では、大当たりに当選した場合に「強パターン」が選択され易く、大当たりに当選しなかった場合、即ち、ハズレの場合に「弱パターン」が選択され易いように構成されている。従って、この「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」を見た遊技者は、該「弱パターン」を見た段階で、該「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」で遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝ち難く、結果として敵側キャラクタ図柄に遊技者側キャラクタ図柄が負けてハズレてしまうのでは、と予想する。
一方、第6実施形態のパチンコ機10では、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合、即ち、例えば、大当たりに当選して、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「再変動」によって「大当たり表示」が現出する場合に、「スーパーリーチ」の変動要素のリーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更可能に構成されている。従って、「スーパーリーチ」の変動要素で「弱パターン」が現出した場合でも、「保留消去後」の「保留変化予告」が発生して大当たりとなるため、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」が現出した段階では興醒めせず、「スーパーリーチ」の変動要素が終了して、コクピット表示領域Dbが再表示されるタイミングに着目し、その段階まで変動演出に集中することで、長く興趣を維持することができる。
なお、この図70(c)の状態において、第3図柄表示装置81の表示領域左上に、この「スーパーリーチ」の変動要素の発生要因となった「7」図柄のリーチ形成図柄を縮小して表示している。
図70(d)では、図70(c)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素における「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄(左側キャラクタ図柄)が敵側のキャラクタ図柄(右側キャラクタ図柄)に負けた状態が表示されている。従って、遊技者は、図70(d)の表示内容を認識した場合、「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」において遊技者側のキャラクタ図柄が負けたことにより、該「スーパーリーチ」の変動要素では「大当たり表示」が現出せず「ハズレ表示」が現出することを予測する。
一方、第6実施形態のパチンコ機10では、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合に、「スーパーリーチ」の変動要素のリーチパターンを「強パターン」から「弱パターン」に変更可能に構成されている。従って、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」が現出した場合は、「保留消去後」の「保留変化予告」が発生する可能性があることを既に経験したことがある遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素が「弱パターン」によって「バトル演出」に負けてしまったが、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了した場合に、コクピット表示領域Dbの実行図柄が再表示されるタイミングに「保留変化予告」が発生する可能性に注目し、その段階まで変動演出に集中している状態である。
また、図70(d)では、図70(c)と同様、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中であるので、コクピット表示領域Dbが消去された状態が維持されている。
図70(e)では、図70(d)の状態から、「スーパーリーチ」の変動要素の演出にハズれて(敵側のキャラクタ図柄が勝利して)、主表示領域Dmにおいて「ハズレ表示(787)」が現出すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面において副表示領域Ds及びコクピット表示領域Dbが再表示された状態を示している。この状態において、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄と、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄とが再び視認可能となっている。なお、副表示領域Dsの中央小領域Ds2のキャラクタ図柄は、「ハズレ表示」が現出したことによって、失望した態様で表示されている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部では、チャンスダウンしている状態が表示されている。
この図70(e)では、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄が、「スーパーリーチ」の変動要素の実行によって消去される前の表示態様(「白」。図70(b)参照。)から変化した表示態様(「青」)で表示されている。即ち、「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」が行われている。即ち、第3図柄表示装置81の主要部ではない部分(副部)では、チャンスアップしている状態が表示されている。よって、第3図柄表示装置81の表示画面上では、主要部においてチャンスダウンしている状態と、非主要部においてチャンスアップしている状態とが同時に表示されている。
遊技者は、図70(e)の状態を初めて見たとき、主表示領域Dmに「ハズレ表示(787)」が現出していることと、「スーパーリーチ」の変動要素での「バトル演出」で負けたことの印象とにより、図70(d)の時点での予測通り、この変動演出で「大当たり表示」が現出せず、「ハズレ表示」が現出し、そのまま「ハズレ表示」が確定すると推測して、次の変動演出に興味が移っている状態である。そして、遊技者が次の変動演出の内容に着目しようとコクピット表示領域Dbの保留図柄を見たとき、今回の変動演出を示す実行図柄表示領域Db0の実行図柄において「保留変化予告」が行われ、該実行図柄が「青」に変化していることを認識する。
この「保留消去後」の「保留変化予告」を初めて見た遊技者は、この時点で、まず、「スーパーリーチ」の変動要素の「バトル演出」の実行前からの実行図柄の表示態様の違いに気付き、違和感を感じる。そして、その違和感の根源が、「青」の実行図柄であることを認識する。そして、該「青」の実行図柄の「保留変化予告」がいつ行われたか自身の記憶をもとに検討する。検討の結果、「保留変化予告」は、「スーパーリーチ」の変動要素の実行前には行われておらず、「スーパーリーチ」の変動要素が終わった後に実行されたものであることを把握する。この瞬間、遊技者は、実行中の変動演出において、該「青」の実行図柄によって何らかの事象が発生するのでは、と予想する。
図70(f)では、図70(e)の状態から、主表示領域Dmにおいて「再変動」の変動要素が実行されている状態を示している。この「再変動」の変動要素では、主表示領域Dmが拡大して表示されると共に副表示領域Dsが消去され、各表示領域Dm1〜Dm3において「787」と停止表示されていた「ハズレ表示」が再び変動を開始し、最終的に「大当たり表示」である「777」で停止表示される。遊技者は、「再変動」の変動要素が発生したことに対して驚くと共に、図70(e)の段階で推測した通り、変動演出が「ハズレ表示」で確定せずに発展して、「大当たり表示」が現出したことに対して幸福感と満足感とを得ることができる。
また、この「保留消去後」の「保留変化予告」を一度体験した経験がある遊技者は、次回からの「弱パターン」の「スーパーリーチ」の変動要素において、たとえ該「スーパーリーチ」の変動要素が「弱パターン」のリーチパターンで実行され、該「スーパーリーチ」の変動要素の結果に「ハズレ表示」が現出したとしても、再表示されるコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0において実行図柄が変更されているか否かを確認するようになる。よって、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後であっても再表示される実行図柄の表示態様を確認するという興趣が生まれ、変動演出が確定表示されるまで「大当たり表示」が現出することを期待しながら遊技を行うことができる。従って、変動演出が確定表示されるまで遊技の興趣を維持することができる。
以上、説明したように、第6実施形態のパチンコ機10では、大当たりの変動演出において「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合に、変動演出の「各リーチ表示」において「強パターン」のリーチパターンが選択されていた場合、該「強パターン」のリーチパターンを「弱パターン」のリーチパターンに変更するように構成する。このように構成することで、「弱パターン」のリーチパターンが現出した場合でも、該「弱パターン」の「リーチ表示」の変動要素の終了後に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出すれば大当たりとなるため、「弱パターン」現出時においても興醒めすることなく遊技を堪能することが可能となる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしてもよい。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
<変形例1>
上記各実施形態では、「スーパーリーチ」の変動要素が現出した場合に、コクピット表示領域Db全体を消去して、該コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄及び保留図柄をともに視認不能となるように消去していた。これに対し、コクピット表示領域Dbの保留図柄のみを消去し、実行中の変動演出の内容を示す実行図柄を表示し続けるように構成してもよい。このように構成することで、実行図柄において「保留変化予告」が実行されていた場合に、該「保留変化予告」の表示態様に基づく実行中の変動演出に関する大当たり期待度を遊技者に示唆し続けることができ、実行中の変動演出における遊技の興趣を高めることができる。なお、変動演出中に実行図柄を消去せずに表示し続ける場合には、「保留消去後」の「保留変化予告」は、保留図柄に対して実行するように構成すると好適である。
<変形例2>
上記第1実施形態又は第5実施形態では、通常時では視認可能であって、「スーパーリーチ」の変動要素が発生した場合に視認不能となるコクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄において、該「スーパーリーチ」の変動要素が終了して、再び実行図柄及び保留図柄が視認可能となるタイミングで「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、実行図柄又は保留図柄とは異なる表示物において、「消去後」の「変化予告」を行うように構成してもよい。
具体的には、例えば、副表示領域Dsの中央小領域Ds2に表示されているキャラクタ図柄に対して「消去後」の「変化予告」を行うように構成してもよい。中央小領域Ds2に表示されるキャラクタ図柄において「消去後」の「変化予告」を行う場合は、「スーパーリーチ」の変動要素の終了後、中央小領域Ds2が再表示されるタイミングでキャラクタ図柄の一部(例えば、髪の毛のみ、又は、ハチマキのみ)又は全部(例えば、キャラクタ図柄の表情)の表示態様を、通常の表示態様(例えば、ハチマキであれば「白」、髪の毛であれば「黒」、キャラクタ図柄の表情であれば「ハズレ表示」現出時における失望したような態様)とは異なる特別な表示態様(例えば、ハチマキであれば「赤」、髪の毛であれば「金」キャラクタ図柄の表情であれば喜んでいる態様)で表示するように構成してもよい。
このように構成することで、消去された表示物が再表示される場合に、遊技者は、消去される前と同様の表示内容で再表示されると思い込んでいる最中、再表示された表示物が変化し、その変化も表示内容全体からごく僅かの変化であることによって、当初の思い込みからその違いを認識し難い。よって、遊技者に気付かれないように表示物の表示内容を変化させることができ、遊技者に意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を高めることができる。
また、例えば、副表示領域Dsの右小領域Ds3にレベルメータ表示物を表示し、該レベルメータ表示物を通常時に常時表示するように構成する。このレベルメータ表示物は、変動演出における大当たり期待度を具体的に表示するように構成するものであり、具体的には、変動演出において大当たり期待度を高める演出が現出する毎(例えば、キャラクタ図柄の現出やカットイン図柄の現出等)にレベルメータ表示物を段階的に上昇させて、その段階における大当たり期待度を遊技者に分かりやすいように可視化して表示するものである。そして、「スーパーリーチ」の変動要素等によって副表示領域Dsを消去するタイミングで、該レベルメータ表示物も消去し、該「スーパーリーチ」の変動要素等が終了して、副表示領域Dsを再表示するタイミングで、このレベルメータ表示物も再表示する。再表示されたレベルメータ表示物が、消去前の表示態様から変化(例えば、消去前よりレベルメータの段階が上昇している等)していた場合に、「再変動」の変動要素を行って「大当たり表示」を導出するように構成する。
さらに、例えば、主表示領域Dmの背景表示において、「スーパーリーチ」の変動要素等によって該背景表示を消去し、該「スーパーリーチ」の変動要素等が終了して、主表示領域Dmの背景表示を再表示するタイミングで、この背景表示も再表示する。再表示された背景表示が、消去前の表示態様から変化(例えば、「街中ステージ」から「空ステージ」に明確に変化、背景色の表示色が「青」から「水色」に変化、背景の一部に紛れ込むように小さなキャラクタ図柄を追加表示)していた場合に、「再変動」の変動要素を行って「大当たり表示」を導出するように構成する。
このように、実行図柄又は保留図柄ではない表示対象物を再表示するタイミングで消去する前から変化させて表示することで、常に視認可能にされている対象物を直接的に変更して報知する場合や、新たに対象物を現出させて報知する場合に比べ、対象物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく対象物の表示態様を変化させることができる。対象物を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
また、上記対象物の変化を複数の対象物で行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、「スーパーリーチ」の変動要素等が終了して、表示画面が通常の表示態様に戻る場合に、消去前から変更されている表示物がどこにあるかを探す遊技が生まれ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例3>
上記各実施形態では、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、実行図柄又は保留図柄の表示態様を、通常の表示態様から上昇(チャンスアップ)した表示態様で表示するように構成されていた。これに対し、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合に、実行図柄又は保留図柄の表示態様を、消去前の表示態様から下降(チャンスダウン)した表示態様で表示するように構成してもよい。このように構成することで、例えば、消去前の保留図柄が「青」の表示態様であった場合に、再表示したタイミングで保留図柄を通常の表示態様である「白」で表示することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が行われた保留図柄の表示を、他の保留図柄と同等の表示として、いずれの保留図柄が変化していたか遊技者に分かり辛くさせることができる。消去前に変化していた保留図柄を分からなくすることで、どの変動演出において「保留変化予告」が発生していたかを不明確にする。そして、その不明確な印象から遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例4>
上記第3実施形態では、各可動役物87,88を駆動する場合に、各可動役物87、88をそれぞれ同時に駆動するように構成されていた。これに対し、各可動役物87,88が同時に駆動せず、別々に駆動するように構成してもよい。この場合、例えば、左側可動役物87のみがコクピット表示領域Dbを覆うように駆動するように構成する。即ち、左側可動役物87が右側可動役物88より先に駆動した場合にのみコクピット表示領域Dbを覆うように構成し、右側可動役物88が左側可動役物87より先に駆動した場合には、左側可動役物87がコクピット表示領域Dbを覆うことができないように構成する。このように構成することで、いずれか可動役物87,88が先に動き出すか否かで、その後の演出内容が変化するため、各可動役物87,88の動き出し方に興趣を生み出すことができる。
<変形例5>
上記第3実施形態では、左側可動役物87を駆動させてコクピット表示領域Dbの実行図柄を覆い、該左側可動役物87が実行図柄を覆っているタイミングで実行図柄に対し「保留変化予告」を行うように構成されていた。これに対し、他の隠蔽部材(被覆部材)により実行図柄を隠蔽(覆う)するように構成してもよい。具体的には、例えば、遊技盤13の前面側に導光板を設け、該導光板の前面側を機械的にエッチングすることで細かな線状の凸凹部を形成し、該導光板の側方から光を導入して、該凸凹部によって導入した光をパチンコ機10の前面側に出射するように構成する。これにより、凸凹部に対応した模様が光によって有色に光って見える。そして、該凸凹部を実行図柄の手前側に配置することで、導光板に光が入射されている状態で実行図柄を見えないように構成し、導光板への光の入射を止めて実行図柄が再び見えるようになったタイミングで「保留変化予告」を実行するように構成する。このように構成することで、導光板と第3図柄表示装置81とによって立体的な演出が可能となると共に、導光板への光の入射タイミングで「保留消去後」の「保留変化予告」を行って、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。
<変形例6>
上記第6実施形態では、「リーチ表示」のリーチパターンにそれぞれ「弱パターン」と「強パターン」とを設け、「保留消去後」の「保留変化予告」を行う場合に、「リーチ表示」の「強パターン」が選択されていたとき、該「強パターン」を「弱パターン」に変更するように構成していた。これに対し、「リーチ表示」のリーチパターンに関し、例えば、「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄による攻撃パターン及び防御パターンの2種類の行動パターンと、敵側のキャラクタ図柄による攻撃パターン及び防御パターンの2種類の行動パターンとを設け、遊技者側のキャラクタ図柄によるいずれかの行動パターンと敵側のキャラクタ図柄によるいずれかの行動パターンとの組み合わせでリーチパターンを構成し、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合にのみ選択されるリーチパターンの組み合わせを設けるように構成してもよい。具体的には、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行する場合は、通常では起こり得ない組み合わせの行動パターン(例えば、遊技者側のキャラクタ図柄の防御パターンと、敵側のキャラクタ図柄の防御パターンとの防御パターン同士の組み合わせ)が実行されるように構成してもよい。
このように構成することで、通常では起こり得ない組み合わせパターンによって、遊技者に第1の違和感を与え、その後、実行図柄又は保留図柄が再表示されるタイミングで「保留変化予告」を実行し、その変化から遊技者に第2の違和感を与える。遊技者は、第2の違和感を察した場合に、その第2の違和感の根源が遊技価値(例えば、大当たり)に直結するものであることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者は、第2の違和感が発生する前の第1の違和感が、第2の違和感の予告的表示であったことを認識する。そして、一度、当該事象を経験した遊技者は、その後の遊技において、第2の違和感を探す遊技を行うと共に、第1の違和感を探す遊技を行うので、遊技性を多様化させて、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例7>
上記各実施形態では、実行図柄又は保留図柄を見えなくした後に「保留変化予告」を行う場合に、コクピット表示領域Dbが再び見えるようになったタイミングで実行図柄又は保留図柄において「保留変化予告」を実行していた。これに対し、コクピット表示領域Dbが再び見えるようになってから所定時間経過した段階で「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。この場合、実行図柄又は保留図柄が徐々に変化するような表示態様(例えば、モーフィング等)によって、実行図柄又は保留図柄が変化している様を遊技者に認識し難くしながら変化させる構成でもよい。
<変形例8>
上記第6実施形態では、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」が現出した場合に、「保留消去後」の「保留変化予告」が現出する場合があるように構成されていた。即ち、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」によって、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される可能性を示唆するように構成されている。これに対し、変動演出の実行中に、背景表示や予告図柄、或いは、「ハズレ表示」の停止図柄等によって「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される可能性を示唆するように構成してもよい。
具体的には、例えば、背景表示に弱背景(「青」)と強背景(「赤」)とを設け、弱背景より強背景の方が直接的に「大当たり表示」を現出し易いが、強背景より弱背景の方が「保留消去後」の「保留変化予告」が実行され易いように構成する。また、例えば、予告図柄に弱予告(「ミニキャラ」)と強予告(「デカキャラ」)とを設け、弱予告より強予告の方が直接的に「大当たり表示」を現出し易いが、強予告より弱予告の方が「保留消去後」の「保留変化予告」が実行され易いように構成する。さらに、「ハズレ表示」の停止図柄に弱ハズレ目(「169」等のそれぞれの図柄に関連性がない出目)と強ハズレ目(所定順列の「123」や、語呂表現可能な「645(ムジコ)」等の図柄同士に関連性がある出目)とを設け、弱ハズレ目より強ハズレ目の方が直接的に「大当たり表示」を現出し易いが、強ハズレ目より弱ハズレ目の方が「保留消去後」の「保留変化予告」が実行され易いように構成する。
このように構成することで、変動演出の実行中に、「保留消去後」の「保留変化予告」の実行を示唆する演出が現出するか否かに着目しながら遊技者に遊技を行わせ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例9>
上記各実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される表示物(実行図柄又は保留図柄)によって、該表示物が視覚的に認知できる状態から認知できない状態に切り替わり、再び、視覚的に認知できるタイミングにおいて表示態様を変化させることで、該変化に基づいて違和感を生じさせるように構成されていた。これに対し、視覚以外の知覚、例えば、聴覚や皮膚感覚(触覚、温度覚、痛覚、風覚等)に基づく認知を変化させることで、遊技者に違和感を生じさせるように構成してもよい。
例えば、聴覚による違和感を生じさせる場合として、音声出力装置226によって出力される音を通常の状態から変化させて遊技者に違和感を感じさせるように構成する。音声による違和感とは、例えば、音の高低や、音像の変化パターン、音の大小、リズムの変化、楽器の種類等、遊技者の聴覚を刺激する方法を通常の出力状態から変化させることで、遊技者に違和感を感じさせるように構成する。
具体的には、例えば、当初、音の高音と低音とで音を合成して出力し、一旦、音の出力を停止(無音)にし、その後、再度音を出力する場合に、音の高音のみで出力するように構成する。また、例えば、当初、右から左に音像が変化する音を出力し、一旦、音の出力を停止(無音)にし、その後、再度音を出力する場合に、左から右に音像が変化する音を出力するように構成する。さらに、例えば、当初、ピアノによる音で出力し、一旦、音の出力を停止(無音)にし、その後、再度音を出力する場合に、ギターによる音で出力するように構成する。
視覚の認知は、目で見て確認し続けることが可能であるため、違和感を感じた場合に早期に認識し易いが、聴覚での認識は、音はその瞬間における出力のみの認知であり、継続して確認することができないので、視覚の認識力より低い。従って、音を通常の出力状態から変更させて遊技者に違和感を感じさせる方が、遊技者が違和感を明確に認識するまで時間を長引かせることができる。
また、例えば、皮膚感覚(触覚(触り心地を感じる知覚)、温度覚(温度を感じる知覚)、痛覚(痛みや刺激を感じる知覚)、圧覚(圧力を感じる知覚)、風覚(風を感じる知覚)等の体表面に生起する知覚)による違和感を生じさせる場合として、操作ハンドル51や枠ボタン22、球抜きレバー52、球貸しボタン42、或いは、返却ボタン43、その他、扇風機やヒーター等、遊技者に刺激を与える部品に対して通常と制御状態を異ならせて遊技者に違和感を感じさせるように構成する。
具体的には、例えば、操作ハンドル51では、操作ハンドル51を初期位置に付勢する図示しないバネによる付勢力を所定タイミングで通常より強くすることで遊技者に違和感を感じさせるように構成してもよい。また、例えば、枠ボタン22では、枠ボタン22を押し込み操作できないように枠ボタン22をロックするロック機構を設け、連打等の指示を出力している状態で、その連打状態の途中から枠ボタン22をロックして押し込み操作できないことで遊技者に違和感を感じさせるように構成してもよい。この場合、第3図柄表示装置81等で「枠ボタンを連打してください」等のアナウンスを出力しながら行うと好適である。さらに、例えば、風を遊技者に向けて出力可能な扇風機では、通常時は風を放出(出力)して遊技者の風覚を刺激するように構成されているが、当初、風を出力しているが、途中から風を吸入することで遊技者の風覚に違和感を感じさせるように構成してもよい。
<変形例10>
上記第1実施形態では、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択された場合に、変動演出において「再変動」の変動要素が含まれていないとき、「保留変化予告」の実行タイミングを「保留消去後」ではない他のタイミング(例えば、「リーチ後」)に変更するように構成していた。これに対し、「保留変化予告」の実行タイミングとして「保留消去後」が選択された場合に、変動演出において「保留消去後」の実行タイミングで「保留変化予告」を実行できないとき、「保留変化予告」ではない他の予告演出を実行するように構成してもよい。
具体的には、例えば、「ノーマルリーチ+再変動」の変動パターンのように、「再変動」の変動要素は行うが、コクピット表示領域Dbを消去しない変動パターンであった場合に、「保留消去後」の「保留変化予告」が選択されていたとき、「保留消去後」の「保留変化予告」に代えて、副表示領域Dsが再表示されるタイミングで該副表示領域Dsにおいて「副表示領域消去後」の「再表示予告」を行う。この「再表示予告」としては、例えば、副表示領域Dsに表示されるキャラクタ図柄の表示態様が、副表示領域Dsの消去前から変化(例えば、ハチマキの色が「白」から「赤」等)に変化して表示される。「再変動」の変動要素を含む変動演出では、必ず「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素の実行時には、副表示領域Dsの中央小領域Ds2が消去されるので、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行できない変動パターンであっても、「副表示領域消去後」の「再表示予告」のように、「保留消去後」の「保留変化予告」と同等もしくは類似の予告演出を行って、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例11>
上記各実施形態では、複数の「保留変化予告」の表示態様を設け、「保留変化予告」の実行タイミングに関し、いずれか1の実行タイミングを選択し、該1の実行タイミングにおいて決定されたいずれかの表示態様で「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、「保留変化予告」において複数段階上の表示態様(例えば、「赤」や「虹」)が選択された場合に、複数の実行タイミングにおいて段階的に「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。このように構成することで、段階的に「保留変化予告」を実行して、大当たり期待度がステップアップさせる予告演出を実行することができ、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例12>
上記第3実施形態では、各可動役物87,88を「強パターン」で駆動して、コクピット表示領域Dbを覆い、再び各可動役物87,88を初期位置に駆動させて該被覆を解除した場合に実行図柄に対して「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、各可動役物87,88にLEDを搭載させて色彩の変化を表現可能に構成すると共に、各可動役物87,88がコクピット表示領域Dbを被覆する前に、各可動役物87,88の色彩を示唆態様で表現する。そして、その後、示唆態様で表現された各可動役物87,88によってコクピット表示領域Dbが被覆された場合に、該示唆態様がコクピット表示領域Dbの実行図柄(保留図柄)に伝播し、各可動役物87,88の被覆が解除されてコクピット表示領域Dbが視認可能になった際に、実行図柄の表示態様が上記示唆態様を反映させた状態で表示されるように構成してもよい。
具体的には、例えば、コクピット表示領域Dbを被覆する前の各可動役物87,88の表示態様を赤色で点灯させ、各可動役物87,88がコクピット表示領域Dbを被覆し、該被覆が解除された場合に、コクピット表示領域Dbの実行図柄(保留図柄)が赤色の表示態様で表示されるように構成する。このように構成することで、各可動役物87,88によって実行図柄(保留図柄)が被覆されるか否かと、被覆された場合には示唆態様が各可動役物87,88の示唆態様が実行図柄(保留図柄)に伝播するか否か、という遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる。なお、各可動役物87,88に代えて、カットイン画像等を用いて行ってもよい。なお、「示唆態様を反映させた状態」とは、実行図柄(保留図柄)を視認困難にする演出手段の表示態様が該実行図柄(保留図柄)に直接的に伝播することや、演出手段の表示態様に関連する内容に実行図柄(保留図柄)が表示されること、或いは、演出手段の表示態様が実行図柄(保留図柄)に移り変わって(移行されて)表示されること等が含まれる。
<変形例13>
上記第3実施形態では、各可動役物87,88を初期位置から「強パターン」で駆動して、コクピット表示領域Dbを覆い、再び各可動役物87,88を初期位置に駆動させて該被覆を解除した場合に実行図柄に対して「保留変化予告」を実行し、遊技者に違和感を与えていた。これに対し、遊技者に違和感を感じさせる演出として、例えば、各可動役物87,88を初期位置から移動位置まで移動し、該移動位置から再び駆動する場合に、初期位置ではなく、初期位置から若干ズレたズレ位置に戻るように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は、各可動役物87,88が初期位置からズレ位置にズレていることに違和感を感じさせることができる。
<変形例14>
上記各実施形態では、「保留変化予告」の表示色の違いに応じて、大当たり期待度が異なることを遊技者に示唆するように構成されていた。これに対し、「保留変化予告」の表示色の違いに応じて、大当たり時に付与される遊技価値(「確率変動状態」又は「時間短縮状態」)が異なることを遊技者に示唆するように構成してもよい。具体的には、例えば、「保留変化予告」が「青」の場合は、「確率変動状態」が付与される可能性が低く、「保留変化予告」が「赤」の場合は、「確率変動状態」が付与される可能性が高く、「保留変化予告」が「虹」である場合は、「確率変動状態」が付与されると共に、最も遊技価値が高い大当たり(例えば、15R)が付与されることを示唆するように構成してもよい。このように構成することで、「保留消去後」の「保留変化予告」が実行される場合に、「保留変化予告」の表示色の違いで付与される遊技価値が異なることを示唆し、「保留消去後」に表示される「保留変化予告」の表示色がいずれの色になるかという遊技性を生み出し、遊技の興趣を高めることができる。
また、「保留変化予告」の表示色の違いに応じて、大当たり時に付与される遊技価値が異なることを示唆する構成の他に、「保留変化予告」の表示色の違いに応じて、何らかの遊技状況を遊技者に示唆するように構成してもよい。具体的には、例えば、「保留変化予告」が「青」の場合は、実行される変動演出の変動時間が短く、「保留変化予告」が「赤」の場合は、実行される変動演出の変動時間が長いことを示唆するように構成してもよい。
<変形例15>
上記第1実施形態では、「スーパーリーチ」の変動要素が終了した後に、副表示領域Dsとコクピット表示領域Dbを再表示し、再表示されたコクピット表示領域Dbの実行図柄表示領域Db0に表示されている実行図柄において、該実行図柄の消去前の表示態様から再表示時の表示態様を変更する「保留消去後」の「保留変化予告」を実行して、該変更に基づいて大当たりとなることを示唆し、意外性のある演出を実行するように構成していた。これに対し、副表示領域Dsに表示されているキャラクタ図柄において、該キャラクタ図柄の消去前の表示態様から再表示時の表示態様を変更して、該変更に基づいて大当たりとなることを示唆するように構成してもよい。この場合に、主表示領域Dmでは仮の「ハズレ表示」を表示しつつ、副表示領域Dsに表示されるキャラクタ図柄は「ハズレ表示」とは対応しない表示態様(例えば、喜んでいる表情)で表示し、「ハズレ表示」の表示態様とキャラクタ図柄との表情が対応しないことに基づいて遊技者に違和感を感じさせるように構成してもよい。
<変形例16>
上記第3実施形態では、左側可動役物87を「強パターン」で駆動した場合に、該左側可動役物87全体でコクピット表示領域Db全体を覆うように構成されていた。これに対し、左側可動役物87が「強パターン」で駆動した場合に、コクピット表示領域Dbの一部、例えば、実行図柄表示領域Db0、第1保留図柄表示領域Db1及び第2保留図柄表示領域Db2のみを覆い、第3保留図柄表示領域Db3及び第4保留図柄表示領域Db4を覆わないように構成してもよい。このように構成することで、左側可動役物87が覆える範囲内の実行図柄および保留図柄でのみ「保留消去後」の「保留変化予告」を実行でき、左側可動役物87で覆うことができない保留図柄では「保留消去後」の「保留変化予告」を実行しないように構成し、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
また、上記構成において、左側可動役物87では、実行図柄表示領域Db0、第1保留図柄表示領域Db1及び第2保留図柄表示領域Db2を覆い、右側可動役物88では、第3保留図柄表示領域Db3及び第4保留図柄表示領域Db4を覆うように構成し、各可動役物87,88の駆動態様によって「保留消去後」の「保留変化予告」の実行タイミングに変化を設けるように構成してもよい。この際に、左側可動役物87の「強パターン」の駆動と、右側可動役物88の「強パターン」の駆動とで、大当たり信頼度が異なるように構成することで、各可動役物87,88の駆動内容と、「保留変化予告」の実行内容とで遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例17>
上記第4実施形態では、変動演出中に大キャラカットイン画像Dc2を1回表示して、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄を隠蔽し、その隠蔽が解除された段階で実行図柄に対して「保留消去後」の「保留変化予告」を行うように構成されていた。これに対し、変動演出中にコクピット表示領域Dbが表示される領域に大キャラカットイン画像Dc2を複数回表示し、いずれかの大キャラカットイン画像Dc2の表示後においてコクピット表示領域Dbを再び視認可能とする際に、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成してもよい。
具体的には、例えば、大キャラカットイン画像Dc2を変動演出において3回表示するように構成し、大キャラカットイン画像Dc2が表示されて、その後、消去された際に、コクピット表示領域Dbが消去されるか否か、並びに、コクピット表示領域Dbが消去された状態で大キャラカットイン画像Dc2が表示されて、その後、消去された際に、コクピット表示領域Dbの実行図柄又は保留図柄が再表示されるか否かという遊技性を付与してもよい。例えば、1回目の大キャラカットイン画像Dc2の表示に基づいて、コクピット表示領域Db全体を覆い、該1回目の大キャラカットイン画像Dc2が消去されたときにコクピット表示領域Dbも消去する。そして、2回目の大キャラカットイン画像Dc2が表示され、該2回目の大キャラカットイン画像Dc2が消去された場合にコクピット表示領域Dbの外枠のみを再表示する。そして、3回目の大キャラカットイン画像Dc2が表示され、該3回目の大キャラカットイン画像Dc2が消去された場合に、実行図柄表示領域Db0において実行図柄を表示すると共に、その実行図柄の表示色を変化させて「保留消去後」の「保留変化予告」を実行するように構成する。このように構成することで、コクピット表示領域Dbを覆う大キャラカットイン画像Dc2が消去されるタイミングでの「保留変化予告」に関する演出が実行されるか否かを遊技性を付与し、遊技の興趣を高めることができる。
<変形例18>
上記第4実施形態では、大キャラカットイン画像Dc2を表示した場合に、該大キャラカットイン画像Dc2全体でコクピット表示領域Db全体を覆うように構成されていた。これに対し、大キャラカットイン画像Dc2を表示した場合に、コクピット表示領域Dbの一部、例えば、実行図柄表示領域Db0、第1保留図柄表示領域Db1及び第2保留図柄表示領域Db2のみを覆い、第3保留図柄表示領域Db3及び第4保留図柄表示領域Db4を覆わないように構成してもよい。このように構成することで、大キャラカットイン画像Dc2が覆える範囲内の実行図柄および保留図柄でのみ「保留消去後」の「保留変化予告」を実行でき、大キャラカットイン画像Dc2で覆うことができない保留図柄では「保留消去後」の「保留変化予告」を実行しないように構成し、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
<変形例19>
上記第4実施形態では、後方側が視認不能になる大キャラカットイン画像Dc2を表示して、該大キャラカットイン画像Dc2全体でコクピット表示領域Db全体を覆い、コクピット表示領域Dbを隠蔽し、大キャラカットイン画像Dc2を消去した場合にコクピット表示領域Dbを再び視認可能に構成すると共に、該視認可能となるタイミングで「保留変化予告」を実行するように構成されていた。これに対し、大キャラカットイン画像Dc2の後方側を所定条件成立時に視認可能、所定条件不成立で視認不能となるように構成してもよい。具体的には、例えば、大キャラカットイン画像Dc2の表示色が青色で表示されている場合は、実行図柄が「青」で表示されているときは視認不能となる一方、実行図柄が「白」又は「赤」で表示されているときは該実行図柄が大キャラカットイン画像Dc2から透けて見えるように構成する。このように構成することで、大キャラカットイン画像Dc2が現出される前に表示されている実行図柄(保留図柄)の表示色が大キャラカットイン画像Dc2と同一(同系統)の表示色であった場合に、大キャラカットイン画像Dc2が表示された際に実行図柄を大キャラカットイン画像Dc2と同化させて視認不能にし、大キャラカットイン画像Dc2が消去された場合に、実行図柄の表示色を変化するように構成する。これにより、大キャラカットイン画像Dc2が表示される前の実行図柄の表示色と、大キャラカットイン画像Dc2の表示色との関係性に基づいて「保留消去後」の「保留変化予告」の実行可否が決定され、演出のバリエーションを豊富にして、遊技の興趣を高めることができる。
また、先読み処理を表示制御装置114にて実行してもよい。例えば、先読み処理を行うための情報、即ち、主制御装置110において始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を格納する、図19に示すものと同様の保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアを表示制御装置114に設け、表示用保留球数コマンドを受信した場合に、保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1の値に基づいて、表示制御装置114が先読み処理を実行し、実行中の変動演出および保留中の変動演出の中に大当たりとなる変動演出があると判断される場合は「保留変化予告」を実行するようにしてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドをそのまま表示用保留球数コマンドとして表示制御装置114へ送信してもよい。これにより、始動入賞に伴って主制御装置110にて取得された各カウンタC1〜C3,CS1の値を、表示制御装置114の保留情報格納エリアに設けられた保留情報第1〜第4エリアのうち、表示用保留球数コマンドの保留球数に対応するエリアに格納させることができる。そして、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドを受信するたびに、保留情報格納エリアに対し、図31のS1403及びS1404の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。これにより、表示制御装置114の実行情報格納エリアには、主制御装置110の保留球実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができ、保留情報第1〜第4エリアには、それぞれ、主制御装置110の保留球格納エリア203bの保留第1〜第4エリアに格納された各カウンタC1〜C3,CS1と同じ値を格納させることができる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
尚、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1つの制御装置として構成する場合、その1つの制御装置が有するRAMに、図19に示すものと同様の保留情報格納エリア及び実行情報格納エリアを設け、主制御装置110より保留球数コマンドを受信した場合は、保留情報格納エリアに設けられた先読み情報第1〜第4エリアのうち、保留球数コマンドの先読み保留回数に対応するエリアに、その保留球数コマンドに含まれる各カウンタ値C1〜C3,CS1を格納してもよい。また1つの制御装置は、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信する毎に、保留情報第1〜第4エリア及び実行情報格納エリアの間で図31のS1403及びS1404の処理と同様のシフト処理を実行してもよい。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113にて実行されるコマンド判定処理(S911)において、停止種別コマンドを受信すれば必ず変動開始フラグ223aをオンに設定する場合について説明したが、変動パターンコマンドの受信があった上で停止種別コマンドを受信した場合に、変動開始フラグ223aをオンに設定してもよい。これにより、変動パターンコマンドの受信がなく、停止種別コマンドを受信したような場合に、おかしな変動演出が実行されることを抑制できる。
また、変動パターンコマンドを受信したタイミングで、変動開始フラグ223aをオンに設定してもよい。この場合、音声ランプ制御装置113にて実行される変動演出処理(S910)では、変動開始フラグ223aがオンされたことに基づいて、変動パターンコマンドにより抽出した変動パターンを表示制御装置114へ通知する表示用変動パターンコマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113にて停止種別コマンドの受信を待つことなく、表示制御装置114に対して、この表示用変動パターンコマンドに基づき、変動演出を第3図柄表示装置81に実行させることができる。なお、この場合、音声ランプ制御装置113では、停止種別コマンドを受信したタイミングで、該停止種別コマンドより抽出された停止種別を表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成し、表示制御装置114へ送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に実行させた変動演出の停止図柄を決定してもよい。
上記実施形態では、第1入球口64への入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、第2入球口67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、第2図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の第2図柄(普通図柄)の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、第2図柄の可変表示の実行前に第2図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物87,88とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、第1入球口64への入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に、該保留球数コマンドにて示される各カウンタC1〜C3,CS1の値そのものを保留情報格納エリア223eに格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信した場合に、該コマンドにて示される各カウンタの値に基づいて、大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別等の一部または全部を判定し、これらの判定結果を、該コマンドにて示される各カウンタの値に代えて、または、該カウンタの値の一部または全部とあわせて、保留情報格納エリア223eに格納してもよい。これにより、先読み処理を実行する場合に、実行中や保留中の変動演出が大当たりか否か等の判定結果が、既に保留情報格納エリア223eに格納されているので、先読み処理ではこの判定結果を読み出すだけでよく、素早く処理の実行を完了させることができる。なお、変動演出の変動時間が、その変動演出の実行が開始される時点(厳密には、大当たり抽選が行われる時点)の保留球数に応じて決定される場合、保留球数コマンド(又は、各カウンタの値が示されるコマンド)を受信したときには、変動演出が開始されるときの保留球数が確定できないため、変動時間の判定を正確に行うことができない。よって、この場合、少なくとも変動時間の判定に用いられる変動種別カウンタCS1の値は、保留情報格納エリア223eに格納しておくことが好ましい。これにより、先読み処理を実行するときに、遊技領域への球の打出しが停止されていれば、変動演出が開始されるときの保留球数を確定できるので、保留情報格納エリア223eに格納された大当たりか否か、大当たりの場合の大当たり種別、外れの場合の外れ種別の判定結果とあわせて、変動種別カウンタCS1の値に基づき、変動時間を算出することができる。
上記実施形態において、入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が遊技盤13に配設される場合、それぞれの第1入球口への入賞(始動入賞)に伴って取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113へ通知してもよい。この場合、主制御装置110が始動入賞に伴い取得されたカウンタ値を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドには、いずれの第1入球口への始動入賞に伴って取得されたものであるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口への始動入賞に伴う変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。更に、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留情報格納エリアを用意してもよい。これにより、変動パターンコマンドを受信する毎に、その変動パターンコマンドで示される変動演出の実行契機となった始動入賞を検出した第1入球口に対応する保留情報格納エリアに対してシフト処理を行うことができる。よって、第1入球口毎に保留中の変動演出に対応する各カウンタの値を、音声ランプ制御装置113においても保持させることができる。従って、始動入賞した第1入球口により、大当たりとなる確率や大当たり種別の振り分け確率、外れ種別の振り分け確率等が異なるような場合に、先読み処理において、それぞれの変動演出について、大当たりとなるか否か、大当たりとなる場合の大当たり種別、外れとなる場合の外れ種別などを、どの第1入球口への始動入賞かに基づいて正しく判定することができる。また、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出が、他の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に優先して行われるような場合に、1の第1入球口への始動入賞に基づく変動演出に対応するカウンタの値から順番に先読み処理を行うことができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、第1入球口への始動入賞に基づいて取得された各カウンタの値をコマンドにより主制御装置110から受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、始動入賞があった第1入球口に関わらず、その時点で保留されている全ての変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の第1入球口が設けられており、一の第1入球口への入賞に対する変動演出を、他の第1入球口への入賞に対する変動演出よりも優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される第1入球口への入賞に対して取得されたカウンタ値の先読み結果のみから、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されない。仮に、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い第1入球口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるおそれがある。これに対し、本変形例では、優先度の低い第1入球口への入賞に対応する変動演出に対して、連続予告演出の実行の設定の有無が判断されず、この変動演出に対して連続予告演出は開始されないので、そのような事態が生じることを抑えることができる。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、サブ保留球数カウンタ223bの値を1減らす(図31のS1411参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図22参照)において、変動開始処理(S307)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図22のS305参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113では、より正確に主制御装置110に保留された保留球の数を把握することができる。また、変動パターンコマンドに、減算後の保留球数カウンタ203aの値(N)を含めてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113では、変動パターンコマンドを受信した場合に該変動パターンコマンドに含まれる保留球数(N)を抽出して、サブ保留球数カウンタ223bに設定すればよい。
上記実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:再表示時に「保留変化予告」&「保留変化予告」の実行タイミングを変更>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示を実行する場合に、常に遊技者によって視認可能な表示物の表示態様を第1態様から第2態様へ変化させたり、新たに表示物を追加的に現出させて、その表示物の表示態様によって大当たりの期待度を遊技者に示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、示唆表示を実行する場合に、常に視認可能な表示物の表示態様を変化させたり、新たに表示物を追加的に現出させるため、遊技者が表示物の変化を認識し易く、演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、意外性のある演出を実行して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
該第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させる場合に、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させるとき、前記第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる再表示変化手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、
を備えていることを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。また、表示切替手段により、第2表示手段が表示状態と非表示状態とに切替制御される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させる。変化手段によって第1状態から第2態様に変化させる場合に、再表示変化手段により、表示切替手段により非表示状態とされた第2表示手段を再表示させるときに、第2表示手段の表示を第2態様に変化される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。よって、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))、を備え、
前記再表示変化手段は、
前記変化判定手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、
を備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが変化手段に設けられた変化判定手段により判定される。変化判定手段によって第1状態から第2態様に変化させると判定された場合に、再表示変化手段に設けられた変化実行手段により、表示切替手段により非表示状態とされた第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングで、第2表示手段の表示を第2態様に変化される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。よって、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記第2表示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記取得手段により取得された前記情報の数を表す図柄を表示可能であり、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記第2表示手段を継続的に表示する継続表示手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素)と、
該継続表示手段によって表示されている前記第2表示手段を、前記表示切替手段により非表示状態とする演出を含む特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
該特別演出実行手段による前記特別演出の終了後に、前記第2表示手段を前記表示切替手段の切替制御により再表示する終了後再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素終了後にコクピット表示領域Dbを再表示)と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記終了後再表示手段によって前記第2表示手段が再表示された場合に、該第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている取得手段によって取得された情報の数を表す図柄が第2表示手段により表示可能に構成される。また、動的表示実行手段に設けられた継続表示手段により、動的表示において第2表示手段が継続的に表示される。そして、特別演出実行手段により、継続表示手段によって表示されている第2表示手段を、表示切替手段により非表示状態とする演出を含む特別演出が実行され、終了後再表示手段により、特別演出実行手段による特別演出の終了後に、表示切替手段の切替制御によって第2表示手段が再表示される。そして、変化実行手段により、終了後再表示手段によって第2表示手段が再表示された場合に、第2表示手段の表示を第2態様に変化させる。
従来、動的表示の開始時において、第2表示手段によって記憶手段に記憶される情報の数を表示し、また、継続表示手段により第2表示手段を継続的に表示している。そして、特別演出の実行時に、第2表示手段を表示切替手段によって非表示状態に切替え、特別演出の終了後に表示切替手段によって第2表示手段を再表示して、動的表示の開始時に継続表示手段によって表示されていた状態に第2表示手段を戻すことで、次の動的表示の実行に備えられている。即ち、動的表示の開始時に表示されている第2表示手段を、特別演出の終了時に再表示させることで、動的表示の終了を遊技者に示唆できると共に、次の動的表示の数を遊技者に認識させつつ、次の動的表示をスムースに実行することができる。従って、特別演出が終了した場合に、第2表示手段が再表示されることは、動的表示の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機A2のように、継続表示手段によって継続的に表示されている第2表示手段を、特別演出の実行に基づいて表示切替手段により非表示状態とし、特別演出の終了時に表示切替手段により第2表示手段を再表示するタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様に変化させる。このように構成することで、動的表示の実行行程の流れにおいて、非表示状態とされた第2表示手段を再表示しながら、その表示態様を第1態様から第2態様へ変化させることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A1又はA2において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記所定の識別情報以外の暫定識別情報を表示する暫定表示手段(例えば、図33(e)の仮の「ハズレ表示」)と、
該暫定表示手段によって前記暫定識別情報が表示された後、前記暫定識別情報を前記所定の識別情報へ変更する再動的表示を実行する再動的手段(例えば、「再変動」の変動要素)と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記変化判定手段によって前記第1態様から前記第2態様へ変化させると判定され、かつ、前記再動的手段によって前記再動的表示が実行される場合に、前記第1表示タイミングで第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた暫定表示手段により、動的表示において所定の識別情報以外の暫定識別情報が表示される。そして、同じく動的表示実行手段に設けられた再動的手段により、暫定表示手段によって暫定識別情報が表示された後、暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。そして、変化判定手段によって第1態様から第2態様へ変化させると判定され、かつ、再動的手段によって再動的表示が実行される場合に、変化実行手段により第1表示タイミングで第2表示手段の表示が第2態様に変化される。即ち、動的表示において所定の識別情報ではない暫定識別情報を一旦表示している状態において、第2表示手段の第2態様を表示し、その状態において再動的表示を実行して、暫定識別情報を所定の識別情報に変更するように構成する。よって、第2表示手段の再表示に併せて第2表示手段の表示態様が第1態様から第2態様へ変更され、該変更に基づいて遊技者に違和感を与える。そして、その後、再動的表示が行われ、暫定識別情報が所定の識別情報へ変更されることで、その違和感の根源が遊技価値に直結するものであることを認識させることができ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記変化実行手段は、
前記第1表示タイミング(例えば、「保留消去後」)と異なる第2表示タイミング(例えば、「リーチ後」)で、前記第2表示手段を前記第2態様に変更する第2タイミング実行手段(例えば、「リーチ後」の「保留変化予告」)と、
前記第2表示手段の前記第2態様への変更開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
該開始時期選択手段によって前記第2態様の開始時期として前記第1表示タイミングが選択された場合に、前記再動的手段によって前記再動的表示を実行するか否かを判別する再動的判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506))と、
該再動的判別手段によって前記再動的表示が実行されないと判別された場合に、前記第2態様の開始時期を、前記第1表示タイミングから前記第2表示タイミングに変更する再動的タイミング変更手段(例えば、実行図柄変化処理のS1506)と、を備えていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変化実行手段に設けられた第2タイミング実行手段により、第1表示タイミングと異なる第2表示タイミングで、第2表示手段が第2態様に変化される。また、開始時期選択手段により、第2表示手段の第2態様への変更開始時期が選択される。そして、開始時期選択手段によって第2態様の開始時期として第1表示タイミングが選択された場合に、再動的判別手段により再動的手段によって再動的表示が実行されるか否かが判別される。そして、再動的判別手段によって再動的表示が実行されないと判別された場合に、再動的タイミング変更手段により、第2態様の開始時期が第1表示タイミングから第2表示タイミングに変更される。これにより、当初、第2表示手段を第2態様に変更する変更開始時期として第1表示タイミングが選択されていた場合に、該第1表示タイミングで第2表示手段を第2態様に変更する条件が整っていないとき、第2態様の変更開始時期を第2表示タイミングに変更して表示させることで、第2態様が表示されないケースを減らし、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3又はA4において、
前記変化実行手段は、
前記第1表示タイミング(例えば、「保留消去後」)と異なる第2表示タイミング(例えば、「リーチ後」)で、前記第2表示手段を前記第2態様で表示する第2タイミング実行手段(例えば、「リーチ後」の「保留変化予告」)と、
前記第2表示手段の前記第2態様への変更開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
該開始時期選択手段によって前記第2態様の開始時期として、前記第1表示タイミングが選択された場合に、前記特別演出実行手段によって前記特別演出を実行するか否かを判別する特別演出判別手段(例えば、保留消去情報を判定する処理(S1507))と、
該特別演出判断手段によって前記特別演出が実行されないと判別された場合に、前記第2態様の開始時期を、前記第1表示タイミングから前記第2表示タイミングに変更する特別タイミング変更手段と、を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変化実行手段に設けられた第2タイミング実行手段により、第1表示タイミングと異なる第2表示タイミングで、第2表示手段が第2態様に変更される。また、開始時期選択手段により、第2表示手段の第2態様への変更開始時期が選択される。そして、開始時期選択手段によって第2態様の開始時期として第1表示タイミングが選択された場合に、特別演出実行手段によって特別演出が実行されるか否かが判別される。そして、特別タイミング変更手段により、特別演出判別手段によって特別演出が実行されないと判別された場合に、第2態様の開始時期が第1表示タイミングから第2表示タイミングに変更される。これにより、当初、第2表示手段を第2態様に変更する変更開始時期として第1表示タイミングが選択されていた場合に、該第1表示タイミングで第2表示手段を第2態様に変更する条件が整っていないとき、第2態様の変更開始時期を第2表示タイミングに変更して表示させることで、第2態様が表示されないケースを減らし、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A4又はA5において、
前記動的表示実行手段は、前記表示切替手段によって前記第2表示手段が非表示状態とされ得る前のタイミングで所定の特定演出(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素や「疑似連」の変動要素等)を実行する構成であり、
前記第2表示タイミングは、前記特定演出の実行時であることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、表示切替手段により第2表示手段が非表示状態とされる前のタイミングで所定の特定演出が実行され、表示切替手段によって第2表示手段が非表示状態とされ得る前のタイミングで実行される特定演出において、第2表示手段において第2態様が表示される。よって、仮に、表示切替手段によって第2表示手段が非表示状態とされなくても第2表示手段において第2態様で表示させることができ、第2態様が表示されないケースを減らすことができる。従って、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、前記動的表示の後半部分に前記特別演出を実行することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、動的表示の後半部分に特別演出が実行される。これにより、動的表示の後半になっても第2表示手段による第2態様での表示の現出を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、動的表示の後半まで所定の識別情報の現出を期待させながら遊技者に遊技を行わせることができので、長期に渡って遊技者に興趣を与えることができる、という効果がある。
遊技機A6又はA7において、
前記動的表示実行手段は、前記動的表示において、前記特別演出の実行タイミングより前のタイミングで前記特定演出の実行タイミングが到来するように構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A6又はA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により、動的表示において、特別演出の実行タイミングより前に特定演出の実行タイミングが到来するように構成されている。これにより、特別演出によって第2表示手段が非表示状態とされる前のタイミングで実行される特定演出において、第2表示手段において第2態様が表示され得る。よって、特別演出が実行されない動的表示においても特定演出において第2表示手段を第2態様に変更することができるので、第2態様が表示されないケースを減らすことができる。従って、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A4からA8のいずれかにおいて、
前記開始時期選択手段は、
前記取得手段により、前記始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様へ変化させるタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記動的表示実行手段は、
所定の実行条件の成立に基づいて、前記動的表示の内容を決定する実行成立決定手段を備え、
前記変化実行手段は、
前記動的表示実行手段によって決定された前記動的表示の内容に基づいて、前記開始時期選択手段によって選択された前記第2態様の実行タイミングを修正するタイミング修正手段を備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A4からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられたタイミング選択手段により、取得手段により始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様へ変化させるタイミングが選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた実行成立決定手段により、所定の実行条件の成立に基づいて、動的表示の内容が決定される。そして、変化実行手段に設けられたタイミング修正手段より、動的表示実行手段によって決定された動的表示の内容に基づいて、開始時期選択手段によって選択された第2態様の実行タイミングが修正される。即ち、第2表示手段による第2態様の実行タイミングの選択と、動的表示の内容の決定とを、それぞれ独立して選択又は決定させ、その後、動的表示の内容に基づいて第2表示手段による第2態様の実行タイミングの修正を行う。これにより、第2表示手段による第2態様の決定と、動的表示の内容の決定とを別々のタイミングで行われる処理で行った場合であっても、演出内容の整合性を取ることで、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができる。従って、各決定を別々の処理で行うことで、各決定に用いる制御プログラムの開発時における設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することができる、という効果がある。
遊技機A3からA9のいずれかにおいて、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記特別演出の実行有無を記憶する特別演出記憶手段(例えば、保留消去情報格納エリア223e7)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記再動的手段による前記再動的表示の実行有無を記憶する再動的記憶手段(例えば、再変動情報格納エリア223e8)と、を備えていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A3からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には取得手段により取得される情報ごとに、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、特別演出記憶手段により特別演出の実行有無が記憶され、同じく対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、再動的記憶手段により再動的手段による再動的表示の実行有無が記憶される。これにより、各記憶手段に記憶される特別演出の実行有無と、再変動表示の実行有無とを確認することで、該記憶手段に記憶される動的表示の実行態様が容易に判別することが可能となる。よって、例えば、動的表示の開始時に動的表示の実行態様を詳細に判定することなく、該動的表示の実行態様を把握することができ、動的表示の開始時の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
<B群:「保留変化予告」を実行するために変動要素を変更>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示を実行する場合に、該示唆表示を開始する時期を抽選によって決定し、その抽選結果に基づいて示唆表示を現出させることで大当たりの期待度を遊技者に示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、示唆表示を開始する時期を先に決めた場合であっても、変動演出における変動要素の内容によっては、決定された開始時期で示唆表示を実行できない場合があり、そのような場合には、示唆表示の実行自体を中止してしまい、演出を多様化できずにいた。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、当初、選択された開始時期で示唆表示を実行する機会を増やし、演出を多様化して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記動的表示は、複数の動的要素(例えば、「高速変動」の変動要素と、「低速変動」の変動要素と、「ノーマルリーチ」の変動要素)を組み合わせて構成されており、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
該開始時期選択手段によって選択された開始時期に前記第2態様を表示可能か否かを判断する実行判断手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))と、
該実行判断手段によって、前記開始時期選択手段によって選択された開始時期に前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記動的表示の動的要素を、前記開始時期選択手段によって選択された開始時期において前記第2態様を表示可能な前記動的表示の動的要素へ変更する要素変更手段(例えば、実行図柄変化処理のS1553又はS1554)と、
を備えていることを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。また、動的表示は複数の動的要素を組み合わせて構成される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様が、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。変化手段によって第2態様に変化される場合に、開始時期選択手段により、第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。ここで、実行判別手段により、開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示可能か否かが判別され、実行判別手段によって、開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示できないと判別された場合に、要素変更手段により、動的表示の動的要素が、開始時期選択手段によって選択された開始時期において第2態様を表示可能な動的表示の動的要素へ変更される。これにより、当初、選択された開始時期で第2態様を表示できない場合に、動的表示の動的要素を変更して、該開始時期において第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された開始時期で第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって前記第2表示手段の表示態様を前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段により選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、を備え、
前記開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングを選択する再表示時選択手段(例えば、実行図柄変化処理のS1506)、を備え、
前記実行判断手段は、
前記再表示時選択手段により選択された前記第1表示タイミングで前記第2態様を表示可能か否かを判別する第1表示タイミング実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))、を備え、
前記要素変更手段は、
前記第1表示タイミング実行判別手段によって、前記再表示時選択手段により選択された前記第1表示タイミングにて前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記動的表示の動的要素を、前記第1表示タイミングにおいて前記第2態様を表示可能な前記動的表示の動的要素へ変更する第1表示タイミング実行要素変更手段(例えば、実行図柄変化処理のS1553又はS1554)と、を備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示切替手段により、第2表示手段が表示状態と非表示状態とに切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。変化判定手段によって第2態様に変化させると判定された場合に、変化実行手段により、開始時期選択手段によって選択された実行タイミングで第2表示手段を第2態様に変化させる。そして、開始時期選択手段に設けられた再表示時選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、表示切替手段により非表示状態とされた第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングが選択される。ここで、実行判別手段に設けられた第1表示タイミング実行判別手段より、再表示時選択手段により選択された第1表示タイミングで第2態様を表示可能か否かが判別され、第1表示タイミング実行判別手段によって、再表示時選択手段により選択された第1表示タイミングにて第2態様を表示できないと判別された場合に、要素変更手段に設けられた第1表示タイミング実行要素変更手段より、動的表示の動的要素を、第1表示タイミングにおいて第2態様を表示可能な動的表示の動的要素へ変更される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。よって、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、当初、選択された第1表示タイミングで第2態様を表示できない場合に、動的表示の動的要素を変更して、該第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B1において、
前記第2表示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記取得手段により取得された前記情報の数を表す図柄を表示可能であり、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記第2表示手段を継続的に表示する継続表示手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素)と、
該継続表示手段によって表示されている前記第2表示手段を、前記表示切替手段により非表示とする演出を含む特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
該特別演出実行手段による前記特別演出の終了後に、前記第2表示手段を前記表示切替手段の切替制御により再表示する終了後再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素終了後にコクピット表示領域Dbを再表示)と、を備え、
前記再表示時選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記終了後再表示手段によって前記第2表示手段が再表示されるタイミングを選択するタイミング選択手段を備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている取得手段によって取得された情報の数を表す図柄が第2表示手段により表示可能に構成される。また、動的表示実行手段に設けられた継続表示手段により、動的表示において第2表示手段が継続的に表示される。そして、特別演出実行手段により、継続表示手段によって表示されている第2表示手段を、表示切替手段により非表示とする演出を含む特別演出が実行され、終了後再表示手段により、特別演出実行手段による特別演出の終了後に、表示切替手段の切替制御によって第2表示手段が再表示される。そして、再表示時選択手段に設けられたタイミング選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、終了後再表示手段によって第2表示手段が再表示されるタイミングが選択される。
従来、動的表示の開始時において、第2表示手段によって記憶手段に記憶される情報の数を表す図柄を表示し、また、継続表示手段により第2表示手段を継続的に表示している。そして、特別演出の実行時に、第2表示手段を表示切替手段によって非表示状態に切替え、特別演出の終了後に表示切替手段によって第2表示手段を再表示して、動的表示の開始時に継続表示手段によって表示されていた状態に第2表示手段を戻すことで、次の動的表示の実行に備えられている。即ち、動的表示の開始時に表示されている第2表示手段を、特別演出の終了時に再表示させることで、動的表示の終了を遊技者に示唆できると共に、次の動的表示の数を遊技者に認識させつつ、該次の動的表示をスムースに実行することができる。従って、特別演出が終了した場合に、第2表示手段が再表示されることは、動的表示の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機B2のように、継続表示手段によって継続的に表示されている第2表示手段を、特別演出の実行に基づいて表示切替手段により非表示状態とし、特別演出の終了時に表示切替手段により再び第2表示手段を再表示するタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様に変化させる。このように構成することで、動的表示の実行行程の流れにおいて、非表示状態とされた第2表示手段を再表示しながら、その表示態様を第1態様から第2態様へ変化させることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B1又はB2において、
前記要素変更手段は、
前記動的表示において前記特別演出を実行するか否かを判別する特別演出判別手段と(例えば、保留消去情報を判定する処理(S1507))、
該特別演出判別手段によって前記特別演出を実行しないと判別された場合に、該動的表示において前記特別演出を実行させる演出変更手段(例えば、「疑似演出」の変動要素を、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に変更する処理(S1553,S1554))と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記演出変更手段によって変更された前記特別演出の終了後に、前記第2表示手段を前記第2態様に変化させることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、要素変更手段に設けられた特別演出判別手段により、動的表示において特別演出が実行されるか否かが判別される。また、同じく要素変更手段に設けられた演出変更手段により、特別演出判別手段によって特別演出を実行しないと判別された場合に、動的表示において特別演出が実行される。そして、変化実行手段により、演出変更手段によって変更された特別演出の終了後に、第2表示手段を第2態様に変化させる。これにより、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B3において、
前記演出変更手段は、
前記動的表示において、前記特別演出に変更可能な変更対象動的要素(例えば、「疑似演出」の変動要素)の有無を判別する動的要素判別手段(例えば、疑似演出情報を確認する処理(S1551))、を備え、
該動的要素判別手段によって、前記変更対象動的要素があると判別された場合に、該変更対象動的要素を前記特別演出に変更することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出変更手段に設けられた動的要素判別手段により、動的表示において特別演出に変更可能な変更対象動的要素の有無が判別される。そして、動的要素判別手段によって変動対象動的要素があると判別された場合に、その変更対象動的要素が特別演出に変更される。これにより、特別演出に変更可能な変更対象動的要素がある場合に、第2表示手段を消去する特別演出に変更し、第2表示手段を消去することができる。よって、動的表示の動的要素の整合性を保ちながら第2表示手段を消去する特別演出を追加することで、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2表示手段において第2態様を表示することが可能となる。従って、改めて動的表示の動的要素を選択し直す等の処理をすることなく、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B4において、
前記特別演出と前記変更対象動的要素とは、同一の実行時間で構成されていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出と変更対象動的要素とは、同一の実行時間で構成される。これにより、動的表示全体の実行時間を変更することなく、動的表示の動的要素を変更することができる。よって、動的表示の動的要素の整合性を保ちながら第2表示手段を消去する特別演出を追加することで、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2表示手段において第2態様を表示することが可能となる。従って、改めて動的表示の動的要素を選択し直す等の処理をすることなく、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B4又はB5において、
前記変化実行手段は、
前記再表示時選択手段により前記第1表示タイミングが選択された場合において、前記動的要素判別手段によって、前記特別演出に変更可能な前記変更対象動的要素がないと判別されたとき、前記第2表示手段において前記第2態様を表示しないことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変化実行手段により、再表示時選択手段により第1表示タイミングが選択された場合において、動的要素判別手段によって、特別演出に変更可能な変更対象動的要素がないと判別されたとき、第2表示手段において第2態様を表示しないように構成される。これにより、動的表示において特別演出の変更できる変更対象動的要素がない場合、即ち、第2態様の実行タイミングとして適切な演出がない場合に、第2態様を表示しないように構成することで、演出内容に齟齬が生じることなく、整合のとれた演出を遊技者に提供することができる、という効果がある。
遊技機B4又はB5において、
前記開始時期選択手段は、
前記第2態様の表示を開始する実行タイミングとして前記第1表示タイミングと異なる第2表示タイミング(例えば、「リーチ後」)を選択する第2タイミング選択手段(例えば、「リーチ後」の「保留変化予告」)と、
前記第2態様の開始時期として前記第1表示タイミングが選択された場合に、前記動的要素判別手段によって、前記特別演出に変更可能な前記変更対象動的要素がないと判別されたとき、前記第2態様の開始時期を、前記第1表示タイミングから前記第2表示タイミングに変更するタイミング変更手段と、を備えていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられた第2タイミング選択手段により、第2態様の表示を開始する実行タイミングとして第1表示タイミングと異なる第2表示タイミングが選択される。また、第2態様の開始時期として第1表示タイミングが選択された場合に、動的要素判別手段により特別演出に変更可能な変更対象動的要素がないと判別されたとき、タイミング変更手段により、第2態様の開始時期が第1表示タイミングから第2表示タイミングに変更される。これにより、当初選択された第1表示タイミングで第2表示手段にて第2態様を表示する条件が整っていない場合に、第2態様の開始時期を第2表示タイミングに変更して表示させることで、第2態様が表示されないケースを減らし、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B2からB7のいずれかにおいて、
前記特別演出は、前記所定の識別情報が表示される可能性がある動的要素(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)であることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B2からB7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別演出は、所定の識別情報が表示される可能性がある動的要素、即ち、遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを示唆する演出として構成される。これにより、例えば、演出変更手段によって動的表示において特別演出の実行機会を増やし、所定の遊技価値が付与されるか否かの演出を遊技者に多く経験させ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B2からB8のいずれかにおいて、
前記変更対象動的要素は、前記所定の識別情報が表示される可能性がない動的要素(例えば、「疑似連」の変動要素)であることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B2からB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、変更対象動的要素は、所定の識別情報が表示される可能性がない動的要素、即ち、遊技者に所定の遊技価値を付与し得ない演出として構成される。これにより、例えば、演出変更手段によって、変更対象動的要素を特別演出に変更することで、所定の遊技価値を付与し得ない動的要素を、所定の遊技価値を付与し得る動的要素に変更し、所定の遊技価値が付与されるか否かの演出を遊技者に多く経験させ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記所定の識別情報以外の暫定識別情報を表示する暫定表示手段(例えば、図33(e)の仮の「ハズレ表示」)と、
該暫定表示手段によって前記暫定識別情報が表示された後、前記暫定識別情報を前記所定の識別情報へ変更する再動的表示を実行する再動的手段(例えば、「再変動」の変動要素)と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記変化判定手段によって前記第1態様から前記第2態様へ変化させると判定され、かつ、前記再動的手段によって前記再動的表示が実行される場合に、前記第1表示タイミングで第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた暫定表示手段により、動的表示において所定の識別情報以外の暫定識別情報が表示される。そして、同じく動的表示実行手段に設けられた再動的手段により、暫定表示手段によって暫定識別情報が表示された後、暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。そして、変化判定手段によって第1態様から第2態様へ変化させると判定され、かつ、再動的手段によって再動的表示が実行される場合に、変化実行手段により第1表示タイミングで第2表示手段の表示が第2態様に変化される。即ち、動的表示において所定の識別情報ではない暫定識別情報を一旦表示している状態において、第2表示手段の第2態様を表示し、その状態において再動的表示を実行して、暫定識別情報を所定の識別情報に変更するように構成する。よって、第2表示手段の再表示に併せて第2表示手段の表示態様が第1態様から第2態様へ変更され、該変更に基づいて遊技者に違和感を与える。そして、その後、再動的表示が行われ、暫定識別情報が所定の識別情報へ変更されることで、その違和感の根源が遊技価値に直結するものであることを認識させることができ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機B1からB10のいずれかにおいて、
前記開始時期選択手段は、
前記取得手段により、前記始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様へ変化させるタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記動的表示実行手段は、
所定の実行条件の成立に基づいて、前記動的表示の内容を決定する実行成立決定手段を備え、
前記変化実行手段は、
前記動的表示実行手段によって決定された前記動的表示の内容に基づいて、前記開始時期選択手段によって選択された前記第2態様の実行タイミングを修正するタイミング修正手段を備えていることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1からB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられたタイミング選択手段により、取得手段により始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様へ変化させるタイミングが選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた実行成立決定手段により、所定の実行条件の成立に基づいて、動的表示の内容が決定される。そして、変化実行手段に設けられたタイミング修正手段より、動的表示実行手段によって決定された動的表示の内容に基づいて、開始時期選択手段によって選択された第2態様の実行タイミングが修正される。即ち、第2表示手段による第2態様の実行タイミングの選択と、動的表示の内容の決定とを、それぞれ独立して選択又は決定させ、その後、動的表示の内容に基づいて第2表示手段による第2態様の実行タイミングの修正を行う。これにより、第2表示手段による第2態様の決定と、動的表示の内容の決定とを別々のタイミングで行われる処理で行った場合であっても、演出内容の整合性を取ることで、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができる。従って、各決定を別々の処理で行うことで、各決定に用いる制御プログラムの開発時における設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる、という効果がある。
遊技機B10又はB11において、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記特別演出の実行有無を記憶する特別演出記憶手段(例えば、保留消去情報格納エリア223e7)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記再動的手段による前記再動的表示の実行有無を記憶する再動的記憶手段(例えば、再変動情報格納エリア223e8)と、を備えていることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B10又はB11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には取得手段により取得される情報ごとに、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、特別演出記憶手段により特別演出の実行有無が記憶され、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、再動的記憶手段により再動的手段による再動的表示の実行有無が記憶される。これにより、各記憶手段に記憶される特別演出の実行有無と、再変動表示の実行有無とを確認することで、該記憶手段に記憶される動的表示の実行態様が容易に判別することが可能となる。よって、例えば、動的表示の開始時に動的表示の実行態様を詳細に判定することなく、該動的表示の実行態様を把握することができ、動的表示の開始時の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
遊技機B4からB12のいずれかにおいて、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記変更対象動的要素の実行有無を記憶する変更対象記憶手段(例えば、疑似演出情報格納エリア223e9)を備えていることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B4からB12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には取得手段により取得される情報ごとに、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、変更態様記憶手段により変更対象動的要素の実行有無が記憶される。これにより、各記憶手段に記憶される変更対象動的要素の実行有無を確認することで、特別演出と変更され得る変更対象動的要素の実行態様が容易に判別することが可能となる。よって、例えば、動的表示の開始時に動的表示の実行態様を詳細に判定することなく、該動的表示の実行態様を把握することができ、動的表示の開始時の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
<C群:「保留変化予告」を実行するために可動役物を駆動>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示を実行する場合に、該示唆表示を開始する時期を抽選によって決定し、その抽選結果に基づいて示唆表示を現出させることで大当たりの期待度を遊技者に示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、示唆表示を開始する時期を先に決めた場合であっても、変動演出における変動要素の内容によっては、決定された開始時期で示唆表示を実行できない場合があり、そのような場合には、示唆表示の実行自体を中止してしまい、演出を多様化できずにいた。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、当初、選択された開始時期で示唆表示を実行する機会を増やし、演出を多様化して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段による前記動的表示の実行中に、該動的表示の演出内容と連動して駆動される可動役物(例えば、左側可動役物87)と、
該可動役物を駆動させる役物駆動手段(例えば、役物駆動処理(S1151))と、を備え、
前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
該開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2態様を表示可能か否かを判別する実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))と、
該実行判別手段によって、前記開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記役物駆動手段によって前記可動役物を駆動させる駆動変更手段(例えば、スーパー強フラグ223jを設定する処理(S1564))と、
該駆動変更手段によって駆動された前記可動役物の駆動に伴って前記第2表示手段による前記第2態様を表示する駆動連動表示手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示の実行中に、該動的表示の演出内容と連動して可動役物が駆動される。そして、役物駆動手段により、可動役物が駆動される。また、その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。変化手段によって、第1態様から第2態様に変化される場合には、開始時期選択手段により、第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。ここで、実行判別手段により、開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示可能か否かが判別され、実行判別手段によって開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示できないと判別された場合に、駆動変更手段により、役物駆動手段によって可動役物が駆動される。そして、駆動連動表示手段により、駆動変更手段によって駆動された可動役物の駆動に伴って、第2表示手段によって第2態様が表示される。これにより、当初、選択された開始時期で第2態様を表示できない場合に、可動役物を駆動させて、その駆動に伴って第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された開始時期で第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記第2表示手段の視認可能状態と視認困難状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)、を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段により選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、を備え、
前記役物駆動手段は、
前記第2表示手段を視認困難状態にする位置へ前記可動役物を駆動可能に制御し、
前記開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を開始する実行タイミングとして、前記表示切替手段により視認困難状態とされた前記第2表示手段が、視認困難状態から視認可能状態となる第1表示タイミングを選択する再視認時選択手段(例えば、例えば、「強パターン駆動後」の「保留変化予告」)、を備え、
前記実行判別手段は、
前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングで前記第2態様を表示可能か否かを判別する第1表示タイミング実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))、を備え、
前記駆動連動表示手段は、
前記第1表示タイミング実行判別手段によって、前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングにて前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記役物駆動手段によって前記可動役物を、前記第2表示手段を視認困難状態にする位置へ駆動させる第1表示タイミング駆動変更手段(例えば、スーパー強フラグ223jを設定する処理(S1564))と、を備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示切替手段により、第2表示手段の視認可能状態と視認困難状態とが切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。また、変化判定手段によって、第1態様から第2態様に変化させると判定された場合には、変化手段に設けらた変化実行手段により、開始時期選択手段によって選択された実行タイミングで第2表示手段が第2態様に変化される。ここで、役物駆動手段により、第2表示手段を視認困難状態にする位置へ可動役物が駆動可能に制御される。そして、開始時期選択手段に設けられた再視認時選択手段により、第2表示手段において第2態様を開始する実行タイミングとして、表示切替手段により視認困難状態とされた第2表示手段が視認可能状態となる第1表示タイミングが選択される。ここで、実行判別手段に設けられた第1表示タイミング実行判別手段により、再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングで第2態様を表示可能か否かが判別され、第1表示タイミング実行判別手段によって再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングにて第2態様を表示できないと判別された場合に、駆動連動表示手段に設けられた第1表示タイミング駆動変更手段により、役物駆動手段によって可動役物が、第2表示手段を視認困難状態にする位置へ駆動される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。よって、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、再び第2表示手段が視認可能となった場合にさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、当初、選択された第1表示タイミングで第2態様を表示できない場合に、可動役物を駆動させて、該第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
また、第2表示手段を遊技者から視認困難にする場合に、動的表示の演出内容を変更するのではなく、動的表示の演出とは異なる可動役物の駆動態様を変更することで、第2表示手段を視認困難にすることができる。よって、動的表示の制御に関して追加的なコマンド等を送信して演出内容の差し替え等をすることなく第2表示手段を視認困難にした上で第2態様への変化を行うことができるので、動的表示の制御負担を増やすことなく、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C1において、
前記役物駆動手段は、
前記可動役物の初期位置と、
前記動的表示において、前記可動役物によって前記第2表示手段を視認困難にする第1位置(例えば、「強パターン」)と、
該第1位置から、前記第2表示手段を再び視認可能にする前記初期位置とに前記可動役物を駆動可能であり、
前記変化実行手段は、
前記可動役物が前記第1位置にある状態で、前記第2表示手段において前記第2態様を開始し、
前記可動役物が前記初期位置に戻った状態で、前記第2表示手段において前記第2態様を継続的に表示することを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、役物駆動手段により、可動役物を初期位置から第1位置に駆動することで第2表示手段が視認困難にされ、また、変化実行手段により、可動役物が第1位置にある状態で第2表示手段により第2態様の表示が開始され、可動役物が初期位置に戻った状態で、第2表示手段において第2態様が継続的に表示される。
従来、動的表示の実行時に可動役物が駆動する場合、当初の初期位置から駆動位置へ駆動し、その後、再び初期位置に駆動することで、1の駆動態様が完結するように構成されている。即ち、可動役物が駆動される場合は、必ず初期位置に戻ることで、動的表示のおける他の演出の内容を阻害しないように構成されている。従って、可動役物が駆動された場合に、駆動位置から初期位置に戻ることは、可動役物の駆動態様の流れとして自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機C2のように、可動役物を初期位置から第1位置へ駆動することで第2表示手段を視認困難にし、可動役物が第1位置にある状態で第2表示手段により第2態様を表示する。その後、可動役物を第1位置から初期位置へ駆動し、第2表示手段で第2態様が継続的に表示されることで遊技者は第2態様を視認することができる。このように構成することで、可動役物の駆動態様のスムースな流れの中で第2表示手段を視認可能にしながら、その表示態様を変化させることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与える。そして、その後、その違和感が第2表示手段による第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C1又はC2において、
前記実行判別手段は、
前記動的表示において、前記可動役物が前記第1位置になるか否かを判別する位置判別手段(例えば、「強パターン」で駆動するか否かを判定する処理(S1561))、を備え、
前記駆動変更手段は、
該位置判別手段によって前記可動役物が前記第1位置にならないと判別された場合に、該動的表示において前記可動役物を前記第1位置に駆動させる駆動位置変更手段(例えば、スーパー強フラグ223jを設定する処理(S1564))、を備え、
前記変化実行手段は、
前記駆動位置変更手段によって前記可動役物の駆動位置を前記第1位置へ変更し、前記役物駆動手段によって前記可動役物を前記第1位置にしている状態で、前記第2表示手段において前記第2態様の表示を開始することを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段に設けられた位置判別手段により、動的表示において可動役物が第1位置となるか否かが判別され、駆動変更手段に設けられた駆動位置変更手段により、位置判別手段によって可動役物が第1位置にならないと判別された場合に、動的表示において可動役物を第1位置へ駆動させる。そして、変化実行手段により、可動役物が第1位置にしている状態で、第2表示手段において第2態様の表示が開始される。これにより、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C3において、
前記駆動位置変更手段は、
前記動的表示において、前記可動役物を駆動可能な動的要素(例えば、「スーパーリーチの変動要素」)の有無を判別する動的要素判別手段(例えば、「スーパーリーチ」以上の変動要素の有無を確認する処理(S1563))、を備え、
該動的要素判別手段によって、前記可動役物を駆動可能な前記動的要素があると判別された場合に、該動的要素の実行中に前記可動役物を前記第1位置へ駆動させることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動位置変更手段に設けられた動的要素判別手段により、動的表示において可動役物を駆動可能な動的要素の有無が判別される。そして、動的要素判別手段によって可動役物を駆動可能な動的要素があると判別された場合に、その動的要素の実行中に可動役物が第1位置へ駆動される。これにより、可動役物を駆動可能な動的要素がある場合に、第2表示手段を視認困難にする駆動態様に変更し、第2表示手段を遊技者から見えなくすることができる。よって、動的表示の演出内容と可動役物の駆動態様との整合性を保ちながら第2表示手段を視認困難にすることで、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2表示手段において第2態様を表示することが可能となる。従って、改めて動的表示の動的表示を選択し直す等の処理をすることなく、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機C4において、
前記役物駆動手段は、
前記可動役物を前記初期位置から前記第1位置へ駆動し、再び前記初期位置へ駆動するために所定時間を有し、
前記動的要素判別手段は、
前記動的表示において、前記所定時間以上の前記動的要素の有無を判別することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、役物駆動手段により、可動役物が初期位置から第1位置へ駆動され、再び初期位置へ駆動されるのに所定時間をかけて駆動される。そして、動的要素判別手段により、動的表示において所定時間以上の動的要素の有無が判別される。これにより、動的表示の動的要素において、所定時間を要する可動役物の駆動を完結できる動的要素において該可動役物を駆動することができるので、該動的要素で可動役物の駆動を完結させることができ、動的表示の動的要素と可動役物の駆動との複合演出を整合のとれた内容で実施することができる。よって、遊技者に理解し易い演出を提供して、遊技の興趣を向上させることができる、という効果がある。
遊技機C4又はC5において、
前記変化実行手段は、
前記再表示時選択手段により前記第1表示タイミングが選択された場合に、前記動的要素判定手段によって、前記動的表示において、前記可動役物を駆動可能な前記動的要素がないと判別されたとき、前記第2表示手段において前記第2態様を表示しないことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、再視認時実行手段により、第2態様の開始時期として、第1表示タイミングが選択された場合に、動的要素判別手段によって、可動役物を駆動可能な動的要素がないと判別されたとき、第2表示手段において第2態様を表示しないように構成される。これにより、動的表示において可動役物を駆動可能な動的要素がない場合、即ち、第2態様の実行タイミングとして適切な演出がない場合に、第2態様を表示しないように構成することで、演出内容に齟齬が生じることなく、整合のとれた演出を遊技者に提供することができる、という効果がある。
遊技機C4又はC5において、
前記開始時期選択手段は、
前記第2態様の表示を開始する実行タイミングとして前記第1表示タイミングと異なる第2表示タイミング(例えば、「リーチ後」)を選択する第2タイミング選択手段(例えば、「リーチ後」の「保留変化予告」)と、
前記第2態様の開始時期として前記第1表示タイミングが選択された場合に、前記動的要素判別手段によって、前記可動役物を駆動可能な前記動的要素がないと判別されたとき、前記第2態様の開始時期を、前記第1表示タイミングから前記第2表示タイミングに変更するタイミング変更手段と、を備えていることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられた第2タイミング選択手段により、第2態様の表示を開始する実行タイミングとして第1表示タイミングと異なる第2表示タイミングが選択される。そして、また、第2態様の開始時期として、第1表示タイミングが選択された場合に、動的要素判別手段によって、可動役物を駆動可能な動的要素がないと判別されたとき、タイミング変更手段により、第2態様の開始時期が第1表示タイミングから第2表示に変更される。これにより、当初選択された第1表示タイミングで第2表示手段にて第2態様を表示する条件が整っていない場合に、第2態様の開始時期を第2表示タイミングに変更して表示させることで、第2態様が表示されないケースを減らし、第2表示手段による第2態様の実行率を高めることができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、
前記開始時期選択手段は、
前記取得手段により、前記始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様へ変化させるタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記動的表示実行手段は、
所定の実行条件の成立に基づいて、前記動的表示の内容を決定する実行成立決定手段を備え、
前記変化実行手段は、
前記動的表示実行手段によって決定された前記動的表示の内容に基づいて、前記開始時期選択手段によって選択された前記第2態様の実行タイミングを修正するタイミング修正手段を備えていることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられたタイミング選択手段により、取得手段により始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様へ変化させるタイミングが選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた実行成立決定手段により、所定の実行条件の成立に基づいて、動的表示の内容が決定される。そして、変化実行手段に設けられたタイミング修正手段より、動的表示実行手段によって決定された動的表示の内容に基づいて、開始時期選択手段によって選択された第2態様の実行タイミングが修正される。即ち、第2表示手段による第2態様の実行タイミングの選択と、動的表示の内容の決定とを、それぞれ独立して選択又は決定させ、その後、動的表示の内容に基づいて第2表示手段による第2態様の実行タイミングの修正を行う。これにより、第2表示手段による第2態様の決定と、動的表示の内容の決定とを別々のタイミングで行われる処理で行った場合であっても、演出内容の整合性を取ることで、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができる。従って、各決定を別々の処理で行うことで、各決定に用いる制御プログラムの開発時における設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる、という効果がある。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記役物駆動手段による前記可動役物の駆動情報を記憶する駆動情報記憶手段(例えば、駆動パターン情報格納エリア223e10)を備えていることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には取得手段により取得される情報ごとに、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、駆動情報記憶手段により役物駆動手段による可動役物の駆動情報が記憶される。これにより、各記憶手段に記憶される駆動情報を確認することで、可動役物の駆動態様が容易に判別することが可能となる。よって、例えば、動的表示の開始時に可動役物の駆動態様を詳細に判定することなく、該可動役物の駆動態様を把握することができ、動的表示の開始時の処理負担を軽減することができる、という効果がある。
<D群:「保留変化予告」を実行するために演出付加>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示を実行する場合に、該示唆表示を開始する時期を抽選によって決定し、その抽選結果に基づいて示唆表示を現出させることで大当たりの期待度を遊技者に示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、示唆表示を開始する時期を先に決めた場合であっても、変動演出における変動要素の内容によっては、決定された開始時期で示唆表示を実行できない場合があり、そのような場合には、示唆表示の実行自体を中止してしまい、演出を多様化できずにいた。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、当初、選択された開始時期で示唆表示を実行する機会を増やし、演出を多様化して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段による前記動的表示の実行中に、該動的表示の演出内容と連動して特定画像(例えば、大キャラカットイン画像Dc2)を表示する画像表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
前記動的表示において前記特定画像を現出させるか否かを抽選する画像抽選手段(例えば、第3実施形態の駆動抽選カウンタ223gを流用(段落0948に記載))と、
該画像抽選手段による抽選に基づいて前記特定画像を現出させる場合に、前記第2表示手段と重複するように前記特定画像を現出させる画像現出手段(例えば、表示用大キャラカットインコマンド)と、
前記開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2態様を表示可能か否かを判別する実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))と、
該実行判別手段によって、前記開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記画像現出手段によって前記特定画像を現出させる画像変更手段(例えば、大キャラカットイン画像Dc2を付加して表示するパターン)と、
該画像変更手段による前記特定画像の現出に伴って前記第2表示手段において前記第2態様を表示する現出連動表示手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示の実行中に、画像表示手段により該動的表示の演出内容と連動して特定画像が表示される。また、その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、少なくとも判定手段による判定に用いられるまで、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。変化手段によって、第1態様から第2態様に変化される場合に、開始時期選択手段により、第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。また、画像抽選手段により、動的表示において特定画像を現出させるか否かが抽選され、画像抽選手段の抽選に基づいて特定画像を現出させる場合には、画像現出手段により第2表示手段と重複(被覆、隠蔽、重畳、隠匿、遮蔽)するように特定画像が現出される。また、実行判別手段により、開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示可能か否かが判別され、実行判別手段によって開始時期選択手段により選択された開始時期に第2態様を表示できないと判別された場合に、画像変更手段により、画像現出手段によって特定画像が現出される。そして、現出連動表示手段により、画像変更手段による特定画像の現出に伴って第2表示手段において第2態様が表示される。これにより、当初、選択された開始時期で第2態様を現出できない場合に、特定画像を現出させて、その現出に伴って第2態様を表示することができる。よって、当初、設定された開始時期で第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記第2表示手段の視認可能状態と視認困難状態とを切替制御する視認切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)、を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段により選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、を備え、
前記開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を開始するタイミングとして、前記視認切替手段により視認困難状態とされた前記第2表示手段が、視認困難状態から視認可能状態となる第1表示タイミングを選択する再視認時選択手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行させる表示用消去後変化コマンド)、を備え、
前記実行判別手段は、
前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングで前記第2態様を表示可能か否かを判別する第1表示タイミング実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))、を備え、
前記現出連動表示手段は、
前記第1表示タイミング実行判別手段によって、前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングにて前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記画像現出手段によって前記特定画像を現出させる第1表示タイミング画像変更手段(例えば、大キャラカットイン画像Dc2を付加して表示するパターン)と、を備えていることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、視認切替手段により、第2表示手段の視認可能状態と視認困難状態とが切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。また、変化判定手段によって、第1態様から第2態様に変化させると判定された場合に、変化手段に設けられた変化実行手段により、開始時期選択手段によって選択された実行タイミングで第2表示手段が第2態様に変更される。また、開始時期選択手段に設けられた再視認時選択手段により、第2表示手段において第2態様を開始する実行タイミングとして、視認切替手段により視認困難状態とされた第2表示手段が視認可能状態となる第1表示タイミングが選択される。ここで、実行判別手段に設けられた第1表示タイミング実行判別手段により、再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングで第2態様を表示可能か否かが判別され、第1表示タイミング実行判別手段によって再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングにて第2態様を表示できないと判別された場合に、現出連動表示手段に設けられた第1表示タイミング画像変更手段により、画像現出手段によって特定画像が現出される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。よって、第2表示手段を一旦視認困難にし、その後、再び第2表示手段が視認可能となった場合にさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
また、第2表示手段を遊技者から視認困難にする場合に、動的表示の動的要素を変更するのではなく、動的表示の動的要素に付加的に表示可能な特定画像の現出有無を変更することで、第2表示手段を視認困難にすることができる。よって、動的表示の動的要素を調整して変更したり、他の可動役物等を制御することなく、動的表示の演出の僅かな変更によって第2表示手段を視認困難にした上で第2態様を行うことができる。従って、動的表示に関する制御負担を大幅に増加させることなく、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D1において、
前記実行判別手段は、
前記動的表示において、前記特定画像が現出するか否かを判別する画像判別手段(例えば、大キャラカットイン画像Dc2が現出するか否かを判定する処理)、を備え、
前記画像変更手段は、
前記画像判別手段によって前記特定画像が現出しないと判別された場合に、該動的表示において前記特定画像を現出させる画像付加手段(例えば、大キャラカットイン画像Dc2を付加的に表示させる処理)、を備え、
前記変化実行手段は、
前記画像付加手段によって前記特定画像を現出させ、該特定画像を消去したときに再表示した前記第2表示手段を前記第2態様で表示することを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段に設けられた画像判別手段により、動的表示において特定画像が現出するか否かが判別され、画像変更手段に設けられた画像付加手段により、画像判別手段によって特定画像が現出しないと判別された場合に、動的表示において特定画像が現出される。そして、変化実行手段により、画像付加手段によって特定画像が現出され、その特定画像を消去したときに再表示した第2表示手段が第2態様で表示される。これにより、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D1又はD2において、
前記動的表示は、複数の動的要素を組み合わせて構成されており、
前記画像表示手段は、
いずれの前記動的要素の実行時間よりも短い時間で前記特定画像を表示することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示が複数の動的要素の組み合わせで構成される。そして、画像表示手段により、いずれの動的要素の実行時間よりも短い時間で特定画像が表示される。これにより、動的表示のいずれの動的要素でも特定画像の演出を完結させることができ、動的表示の動的要素と特定画像との複合演出を整合のとれた内容で実施することができる。よって、遊技者に理解し易い演出を提供して、遊技の興趣を向上させることができる、という効果がある。
また、特定画像の表示時間を各動的要素の実行時間より短く設定することで、例えば、所定の駆動時間を要する可動役物の駆動により第2表示手段を被覆する場合と比べて、特定画像を表示可能か否か動的要素を判定する処理が不要となる。よって、特定画像によって第2表示手段を視認困難にした後に第2態様を実行する場合に、特定画像の表示タイミングを決定する制御のみを行えばいいので、制御負担を軽減させつつ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、
前記開始時期選択手段は、
前記取得手段により、前記始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様へ変化させるタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記動的表示実行手段は、
所定の実行条件の成立に基づいて、前記動的表示の内容を決定する実行成立決定手段を備え、
前記変化実行手段は、
前記動的表示実行手段によって決定された前記動的表示の内容に基づいて、前記開始時期選択手段によって選択された前記第2態様の実行タイミングを修正するタイミング修正手段を備えていることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられたタイミング選択手段により、取得手段により始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様へ変化させるタイミングが選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた実行成立決定手段により、所定の実行条件の成立に基づいて、動的表示の内容が決定される。そして、変化実行手段に設けられたタイミング修正手段より、動的表示実行手段によって決定された動的表示の内容に基づいて、開始時期選択手段によって選択された第2態様の実行タイミングが修正される。即ち、第2表示手段による第2態様の実行タイミングの選択と、動的表示の内容の決定とを、それぞれ独立して選択又は決定させ、その後、動的表示の内容に基づいて第2表示手段による第2態様の実行タイミングの修正を行う。これにより、第2表示手段による第2態様の決定と、動的表示の内容の決定とを別々のタイミングで行われる処理で行った場合であっても、演出内容の整合性を取ることで、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができる。従って、各決定を別々の処理で行うことで、各決定に用いる制御プログラムの開発時における設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる、という効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記所定の識別情報が現出するか否かの当否情報を記憶する当否情報記憶手段(例えば、第1当たり乱数カウンタ格納エリア223e1)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記所定の識別情報の種別を決定する種別情報を記憶する種別情報記憶手段(例えば、第1当たり種別カウンタ格納エリア223e2)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記動的表示の実行態様に関する動的情報を記憶する動的情報記憶手段(例えば、停止パターン選択カウンタ格納エリア223e3又は変動種別カウンタ格納エリア223e4)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記第2態様の表示態様に関する情報を記憶する第2態様記憶手段(例えば、保留変化情報格納エリア223e5)と、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記実行タイミングを記憶するタイミング記憶手段(例えば、シナリオデータ格納エリア223e6)と、備え、
前記記憶手段は、前記当否情報記憶手段、前記種別情報記憶手段、前記動的情報記憶手段、前記第2態様記憶手段および前記タイミング記憶手段のみを記憶することを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、取得手段により取得される情報ごとに記憶手段に以下の情報のみが記憶される。まず、当否情報記憶手段により、所定の識別情報が現出するか否かの当否情報が記憶される。また、種別情報記憶手段により、所定の識別情報の種類を決定する種別情報が記憶される。さらに、動的情報記憶手段により、動的表示の実行情報が記憶される。また、第2態様記憶手段により、第2表示手段に表示する第2態様が記憶される。さらに、タイミング記憶手段により、第2態様の実行タイミングが決定される。そして、上記した当否情報記憶手段、種別情報記憶手段、動的情報記憶手段、第2態様記憶手段およびタイミング記憶手段のみが記憶手段に記憶される。よって、記憶手段に余分な情報を記憶せずに、記憶手段全体の記憶容量を削減することができる、という効果がある。
<E群:実行タイミングに応じて1段階の「保留変化予告」の価値上昇>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示は、複数段階の表示態様が用意され、大当たりに当選した場合に、ハズレ時には選定され難い表示態様を選定することで、各表示態様毎に大当たり期待度を示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、ハズレ時に選定され易い表示態様の示唆表示は、お大当たりに当選した場合には選定され難く構成されており、ハズレ時に選定され易い表示態様の示唆表示を現出させると、遊技者は、当該示唆表示に基づいて大当たりへの期待感が薄れ、遊技に興醒めしていた。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、大当たりへの期待感を維持できる演出を実行して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、を備え、
前記第2表示手段の表示態様は、その種類に基づいて前記所定の識別情報が現出される期待度を段階的(例えば、「白」、「青」、「赤」又は「虹」)に示し、
前記開始時期選択手段は、
前記所定の識別情報を現出させる場合に、前記開始時期選択手段によって選択された開始時期に前記第2表示手段を前記第2態様に変化させるとき、前記所定の識別情報の期待度が1段階異なる単段階変化態様で表示する単段階変化手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」の「白」から「青」への変化)、
を備えていることを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。変化手段によって第2表示手段の表示態様を変化させる場合に、開始時期選択手段により第2表示手段の表示態様を変化させる時期が選択される。ここで、第2表示手段の表示態様は、その種類に基づいて所定の識別情報が現出される期待度が段階的に示される。そして、所定の識別情報を現出させる場合において開始時期選択手段によって選択された開始時期に第2表示手段を第2態様に変化させるとき、開始時期選択手段に設けられた単段階変化手段により、所定の識別情報の期待度が1段階異なる単段階変化態様で表示される。これにより、所定の識別情報が現出する場合に第2表示手段の変化度合いが1段階異なる単段階変化態様によって表示されることで、第2表示手段の変化度合いが僅かであることから、遊技者に変化度合いを認識し難くすることが可能となる。そして、所定の識別情報が現出する場合に、第2表示手段をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における単段階変化態様の現出であることを認識させ、単段階変化態様であっても所定の識別情報が現出することで、それ以降の遊技において、単段階変化態様においても、所定の識別情報の現出を期待しながら遊技を行わせることができる。よって、大当たりへの期待感を維持できる演出を実行し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)、を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第1態様から前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段により選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理)と、を備え、
前記開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングを選択する再表示時選択手段(例えば、実行図柄変化処理のS1506)、を備え、
前記単段階変化手段は、
前記再表示時選択手段によって前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段が非表示状態とされる前に表示されていた表示態様から、前記単段階変化態様で前記第2表示手段を再表示する再表示時単段階変化手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」の「白」から「青」への変化)、を備えていることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、表示切替手段により、第2表示手段の表示状態と非表示状態とが切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。また、変化判定手段によって第2表示手段の表示態様を変化させると判定された場合に、開始時期選択手段により選択された実行タイミングで第2表示手段が第2態様に変化される。そして、開始時期選択手段に設けられた再表示時選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、表示切替手段により非表示状態とされた第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングが選択される。また、再表示時選択手段により第2表示手段を第2態様に変化させる場合に、単段階変化手段に設けられた再表示時単段階変化手段により、第2表示手段が非表示状態とされる前に表示させていた表示態様から、単段階変化態様で第2表示手段が再表示される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を変化させることができる。また、第2表示手段の変化度合いが消去前の表示態様から1段階異なる単段階変化態様によって表示されることで、第2表示手段の変化度合いが僅かであることから、遊技者に変化度合いを認識し難くすることが可能となる。よって、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における単段階変化態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E1において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記所定の識別情報以外の暫定識別情報を表示する暫定表示手段(例えば、図33(e)の仮の「ハズレ表示」)と、
該暫定表示手段によって前記暫定識別情報が表示された後、前記暫定識別情報を前記所定の識別情報へ変更する再動的表示を実行する再動的手段(例えば、「再変動」の変動要素)と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記再動的手段によって前記再動的表示が実行される場合に、前記第1表示タイミングで第2表示手段の表示を前記単段階変化態様に変化させる
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた暫定表示手段により、動的表示において所定の識別情報以外の暫定識別情報が表示される。そして、同じく動的表示実行手段に設けられた再動的手段により、暫定表示手段によって暫定識別情報が表示された後、暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。そして、再動的手段によって再動的表示が実行される場合に、変化実行手段により第1表示タイミングで第2表示手段の表示が単段階変化態様に変化される。即ち、動的表示において所定の識別情報ではない暫定識別情報を一旦表示している状態において、第2表示手段の単段階変化態様を表示し、その状態において再動的表示を実行して、暫定識別情報を所定の識別情報に変更するように構成する。
従来、判断手段の判断結果に基づいて第2表示手段の表示態様を変更する場合、その種類に基づいて所定の識別情報が現出される期待度が段階的に示されるように構成されている。よって、例えば、第2表示手段の表示態様を変更する場合に、変化前の表示から1段階期待度が異なる単段階変化態様より、変化前の表示から複数段階期待度が異なる複数段階態様の方が所定の識別情報の現出期待度が高いように設定されている。つまり、第2表示手段の表示態様において、複数段階変化態様が現出することをで所定の識別情報の現出を期待し、単段階変化態様の現出では所定の識別情報の現出を期待することができず、所定の識別情報以外の識別情報(即ち、ハズレ)となる場合が多いように設定されている。従って、第2表示手段の表示態様が変化した場合であっても、例えば、単段階変化態様が現出したとき、該単段階変化態様は複数段階変化態様より所定の識別情報の現出を期待することができないため、遊技者は、該単段階変化態様が現出した動的表示に関しては所定の識別情報の現出が期待できないと判断し、該単段階変化態様に対応する動的表示に対する興趣を見い出せず、むしろ興醒めしてしまっていた。
そこで、所定の識別情報を現出する動的表示において、第2表示手段を非表示状態とし、再び第2表示手段を再表示するタイミングで、該第2表示手段により単段階変化態様を現出させることで、従来、所定の識別情報の現出を期待することができなかった単段階変化態様であっても、その単段階変化態様が現出するタイミングによっては所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった単段階変化態様の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E2において、
前記単段階変化態様は、前記所定の識別情報の期待度が1段階上昇した態様であることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の識別情報の期待度が1段階上昇した態様で単段階変化態様が表示される。これにより、第2表示手段を消去し、再び第2表示手段を再表示するタイミングで、該第2表示手段により所定の識別情報の期待度が1段階上昇した単段階変化態様を現出させることで、従来、所定の識別情報の現出を期待することができなかった所定の識別情報の期待度が1段階上昇した単段階変化態様であっても、その単段階変化態様が現出するタイミングによっては所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった所定の識別情報の期待度が1段階上昇した単段階変化態様の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E2又はE3において、
前記単段階変化手段は、前記第2表示手段が非表示状態とされる前において、期待度が最も低い初期態様である場合に単段階変化態様を実行し、
該単段階変化態様は、前記初期態様から1段階上昇した第1上昇態様にすることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、単段階変化手段により、第2表示手段が非表示状態とされる前において、期待度が最も低い初期態様である場合に単段階変化態様が実行され、単段階変化態様として、初期態様から1段階上昇した第1上昇態様が表示される。
従来、判断手段による判断結果に基づいて第2表示手段の表示態様を変化させる場合に、所定の識別情報の期待度が最も低い初期態様から1段階上昇した第1上昇態様は、所定の識別情報以外の識別情報が現出される場合に選択され易く、所定の識別情報が現出される場合に選択され難く構成されている。このため、遊技者は、該第1上昇態様が現出した動的表示に関しては所定の識別情報の現出が期待できないと判断し、該第1上昇態様に対応する動的表示に対する興趣を見い出せず、むしろ興醒めしてしまっていた。
そこで、所定の識別情報を現出する動的表示において、第2表示手段を非表示状態とし、再び第2表示手段を再表示するタイミングで、該第2表示手段により単段階変化態様を現出させ、その単段階変化態様も、所定の識別情報の現出期待度が最も低い初期態様から1段階上昇した第1上昇態様を現出させることで、従来、所定の識別情報の現出を期待することができなかった第1上昇態様であっても、その第1上昇態様が現出するタイミングによっては所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった第1上昇態様の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、
前記第2表示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記取得手段により取得された前記情報ごとに、その情報に対する図柄を表示可能であり、
前記単段階変化手段は、前記動的表示実行手段による実行前であって、前記動的表示の実行が待機されている前記情報に対応する図柄において、前記単段階変化態様を現出させる待機中実行手段を備えていることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている取得手段によって取得された情報ごとに、その情報に対する図柄が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、単段階変化手段に設けられた待機中実行手段により、動的表示実行手段による実行前であって、動的表示の実行が待機されている情報に対応する図柄において、単段階変化態様が現出される。
従来、実行中の動的表示において所定の識別情報を現出するか否かの抽選演出が行われるため、遊技者は、実行中の動的表示の表示結果を示唆可能な図柄(例えば、第3図柄や実行図柄)が如何様に変化するかに着目しながら遊技を行っている。このため、動的表示の実行中に、該動的表示に関連する表示物を変化させた場合、如何様に変化させたとしても、その変化を遊技者に察せられる可能性がある。よって、実行中の動的表示に対する判定結果に基づいてさりげなく第2表示手段の表示態様を変化させたい場合であっても、その変化が遊技者に気付かれるおそれがある。
そこで、実行中の動的表示の表示結果を示唆可能な第2表示手段の表示態様を変化させるのではなく、動的表示が実行される前の待機されている動的表示を示す第2表示手段において単段階変化態様を現出させる。遊技者は、実行中の動的表示の表示結果を示唆可能な図柄ほど待機中の動的表示を示す第2表示手段の変化には着目しておらず、その変化に気付き辛い。よって、待機されている動的表示を示す第2表示手段に対応する図柄の表示態様を変化させた場合に、遊技者はその変化に気付くのが遅れるため、第2表示手段に対する単段階変化態様によって遊技者に違和感を与えることができる。その結果、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E5において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記第2表示手段を継続的に表示する継続表示手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素)と、
該継続表示手段によって表示されている前記第2表示手段を、前記表示切替手段により非表示状態とする演出を含む特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
該特別演出実行手段による前記特別演出の終了後に、前記第2表示手段を前記表示切替手段の切替制御により再表示する終了後再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素終了後にコクピット表示領域Dbを再表示)と、を備え、
前記単段階変化手段は、
前記終了後再表示手段によって前記第2表示手段が再表示された場合に、該第2表示手段の表示を前記単段階変化態様に変化させることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた継続表示手段により、動的表示において第2表示手段が継続的に表示される。そして、特別演出実行手段により、継続表示手段によって表示されている第2表示手段を、表示切替手段により非表示状態とする演出を含む特別演出が実行され、同じく動的表示実行手段に設けられた終了後再表示手段により、特別演出実行手段による特別演出の終了後に、第2表示手段が表示切替手段の切替制御により再表示される。そして、単段階変化手段により、終了後再表示手段によって第2表示手段が再表示された場合に、第2表示手段の表示を単段階変化態様に変化させる。
従来、動的表示の開始時において、第2表示手段によって記憶手段に記憶される情報の数を表す図柄を表示し、また、継続表示手段により第2表示手段を継続的に表示している。そして、特別演出の実行時に該第2表示手段を非表示状態とし、特別演出の終了後に第2表示手段を再表示して、動的表示の開始時に継続表示手段によって表示されていた状態に第2表示手段を戻すことで、次の動的表示の実行に備えられている。即ち、動的表示の開始時に表示されている第2表示手段を、特別演出の終了時に再表示させることで、動的表示の終了を遊技者に示唆できると共に、次の動的表示の数を遊技者に認識させつつ、次の動的表示をスムースに実行することができる。従って、特別演出が終了した場合に、第2表示手段が再び視認可能とされることは、動的表示の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機E6のように、継続表示手段によって継続的に表示されている第2表示手段を、動的表示における特別演出の実行に基づいて表示切替手段により非表示状態とし、特別演出の終了時に表示切替手段により第2表示手段を再表示するタイミングで、第2表示手段の表示を単段階変化態様に変化させる。このように構成することで、動的表示の実行行程の流れにおいて、非表示状態とされた第2表示手段を再び視認可能としながら、その表示態様を変化させることができる。また、変化する内容も1段階の変化であるので、その変化が僅かであることから遊技者に認識し難くさせることができる。さらに、遊技者が着目していない待機中の動的表示を示す第2表示手段において単段階変化態様を現出させることで、遊技者に変化を認識し難くさせることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を単段階変化態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における単段階変化態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機E6において、
前記記憶手段は、
前記取得手段により取得される情報ごとに、
対応する前記情報に基づいて実行される前記識別情報の前記動的表示において、前記待機中実行手段によって、前記第2表示手段において前記単段階変化態様を表示した場合に、前記単段階変化態様を表示済みであることを示す表示済情報を記憶する表示済情報記憶手段を備え、
前記単段階変化手段は、前記表示済情報記憶手段に前記表示済情報が記憶されている場合に、前記特別演出実行手段により前記特別演出が実行されたときは、前記特別演出の実行前に前記第2表示手段で表示されていた表示態様を維持する表示維持手段を備えていることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段には取得手段により取得される情報ごとに、対応する情報に基づいて実行される識別情報の動的表示において、表示済情報記憶手段により、待機中実行手段によって、第2表示手段において単段階変化態様を表示した場合に、単段階変化態様を表示済みであることを示す表示済情報が記憶される。また、単段階変化手段に設けられた表示維持手段により、表示済情報記憶手段に表示済情報が記憶されている場合に、特別演出実行手段により特別演出が既に実行されていたときは、特別演出の実行前に第2表示手段で表示されていた表示態様が維持される。これにより、第2表示手段において重複して単段階変化態様が実行されることを防止することができ、演出の整合性を維持することができる、という効果がある。
<F群:リーチパターンを「弱パターン」に変更>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、大当たりの現出を示唆する場合、大当たりが現出される期待度が異なるいずれかの示唆演出(第1示唆演出又は第2示唆演出)を実行可能に構成されている。よって、例えば、大当たり時には第1示唆演出より、該第1示唆演出と異なる第2示唆演出を選択し易く構成し、第2示唆演出の方が大当たりの現出期待度が高いように設定されている。つまり、遊技者は、第2示唆演出が実行されることで大当たりの現出を期待し、第1示唆演出が実行されることで大当たりの現出を期待し難くなるように設定されている。
このような遊技機において、変動演出において第1示唆演出が実行されたとき、該第1示唆演出は第2示唆演出より大当たり時に選定され難くハズレ時に選定され易いため、遊技者は、該第1示唆演出が現出した変動演出に関しては大当たりの現出が期待できないと判断し、該第1示唆演出が実行される変動演出に対する興趣を見い出せず、むしろ興醒めしてしまっていた。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、いずれの演出であっても大当たりへの期待感を維持して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記動的表示において、前記所定の識別情報の現出を示唆する第1示唆演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「弱パターン」)と、該第1示唆演出より前記所定の識別情報の現出期待度が高い第2示唆演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の「強パターン」)と、を実行可能な示唆演出実行手段と、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、を備え、
前記動的表示実行手段は、
前記所定の識別情報を現出させる場合に、前記開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2態様を表示するとき、該第2態様の表示前に、前記示唆演出実行手段により前記第1示唆演出を実行する第1示唆実行手段(例えば、表示用リーチパターン変更コマンド)、
を備えていることを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。動的表示において、所定の識別情報の現出を示唆する第1示唆演出と、該第1示唆演出より所定の識別情報の現出期待度が高い第2示唆演出とが、示唆演出実行手段により実行可能に構成される。また、取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。また、変化手段によって第2態様に変化させる場合に、開始時期選択手段により第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた第1示唆実行手段により、所定の識別情報を現出させる場合に、開始時期選択手段によって選択された開始時期に第2表示手段において第2態様を表示するとき、その第2態様の表示前に、示唆演出実行手段により第1示唆演出が実行される。これにより、第2態様の表示前に、第1示唆演出が実行され、その後、第2表示手段が第2態様の表示に変化してから、所定の識別情報が現出される。その結果、従来、第2示唆演出より所定の識別情報の現出を期待することができなかった第1示唆演出であっても、その後に第2態様が現出することで所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。一方で、第1示唆演出ではない第2示唆演出が現出した場合は、第1示唆演出より所定の識別情報の現出期待度が高い該第2示唆演出による所定の識別情報の現出期待度に基づいて、所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった第1示唆演出の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F0において、
前記動的表示実行手段は、
前記動的表示において、前記所定の識別情報以外の暫定識別情報を表示する暫定表示手段(例えば、図33(e)の仮の「ハズレ表示」)と、
該暫定表示手段によって前記暫定識別情報が表示された後、前記暫定識別情報を前記所定の識別情報へ変更する再動的表示を実行する再動的手段(例えば、「再変動」の変動要素)と、を備え、
前記第1示唆実行手段は、
前記変化手段によって前記第1態様から前記第2態様へ変化される場合であって、かつ、前記再動的手段によって前記再動的表示が実行される場合に、前記第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる前に前記第1示唆演出を実行する
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段に設けられた暫定表示手段により、動的表示において所定の識別情報以外の暫定識別情報が表示される。そして、同じく動的表示実行手段に設けられた再動的手段により、暫定表示手段によって暫定識別情報が表示された後、該暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。そして、変化手段によって第1態様から第2態様へ変化させる場合であって、かつ、再動的手段によって再動的表示が実行される場合に、第2表示手段の表示を第2態様に変化させる前に、第1示唆実行手段により第1示唆演出が実行される。即ち、第2表示手段の第2態様が表示される前に第1示唆演出が実行され、その後、暫定識別情報が現出すると共に、第2表示手段が第2態様の表示に変化し、その後、暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。これにより、従来、所定の識別情報の現出を期待することができなかった第1示唆演出であっても、その後に第2態様が現出することで所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。また、第1示唆演出ではない第2示唆演出が現出した場合は、第1示唆演出より所定の識別情報の現出期待度が高い該第2示唆演出による所定の識別情報の現出期待度に基づいて、所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった第1示唆演出の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F1において、
前記第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)、を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段によって選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理)と、を備え、
前記開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングを選択する再表示時選択手段(例えば、実行図柄変化処理のS1506)、を備え、
前記第1示唆実行手段は、
前記再表示時選択手段により選択された前記第1表示タイミングで前記第2態様を表示する場合に、該第2態様の表示前に、前記示唆演出実行手段により前記第1示唆演出を実行する表示前第1示唆実行手段(例えば、表示用リーチパターン変更コマンド)、
を備えていることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示切替手段により、第2表示手段の表示状態と非表示状態とが切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。変化判定手段によって第2態様に変化させると判定された場合に、変化実行手段により、開始時期選択手段によって選択された実行タイミングで第2表示手段が第2態様に変化される。そして、開始時期選択手段に設けられた再表示時選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、表示切替手段により非表示状態とされた第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングが選択される。また、第1示唆実行手段に設けられた表示前第1示唆実行手段により、再表示時選択手段により第2表示手段において第2態様を表示する場合に、その第2態様の表示前に、示唆演出実行手段により第1示唆演出が実行される。
従来、示唆演出実行手段によって所定の識別情報の現出を示唆する場合、その種類に基づいて所定の識別情報が現出される期待度が異なるように構成されている。よって、例えば、示唆演出実行手段で所定の識別情報の現出を示唆する場合に、第1示唆演出を実行するより、該第1示唆演出と異なる第2示唆演出の方が所定の識別情報の現出期待度が高いように設定されている。つまり、遊技者は、第2示唆演出が実行されることで所定の識別情報の現出を期待し、第1示唆演出の実行では所定の識別情報の現出を期待することができず、所定の識別情報以外の識別情報(即ち、ハズレ)を予想する場合が多いように設定されている。従って、例えば、第1示唆演出が実行されたとき、該第1示唆演出は第2示唆演出より所定の識別情報の現出を期待することができないため、遊技者は、該第1示唆演出が現出した動的表示に関しては所定の識別情報の現出が期待できないと判断し、該第1示唆演出が実行される動的表示に対する興趣を見い出せず、むしろ興醒めしてしまっていた。
そこで、再表示時選択手段により、第2表示手段を非表示状態としてから再表示するタイミングで第2表示手段の表示を第2態様に変化させる動的表示において、該第2態様の表示前に、示唆演出実行手段により第1示唆演出が実行される。そして、暫定識別情報が現出すると共に、第1表示タイミングで第2表示手段が第2態様の表示に変化し、その後、暫定識別情報が表示された後、該暫定識別情報を所定の識別情報へ変更する再動的表示が実行される。これにより、従来、所定の識別情報の現出を期待することができなかった第1示唆演出であっても、その後に第2態様が現出することで所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。また、第1示唆演出ではない第2示唆演出が現出した場合は、第1示唆演出より所定の識別情報の現出期待度が高い該第2示唆演出による所定の識別情報の現出期待度に基づいて、所定の識別情報の現出を期待することが可能となる。その結果、従来では興趣を見出せなかった第1示唆演出の存在意義を高め、いずれの演出パターンでも所定の識別情報の現出を期待することができ、多様な演出によって遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F2において、
前記第2表示手段は、前記記憶手段に記憶されている前記取得手段により取得された前記情報の数を表す図柄を表示可能であり、
前記示唆演出実行手段は、
前記動的表示において、前記第2表示手段を継続的に表示する継続表示手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素)と、
該継続表示手段によって表示されている前記第2表示手段を、前記表示切替手段により非表示状態とする演出を含む前記第1示唆演出又は前記第2示唆演出を実行する特別演出実行手段(例えば、「スーパーリーチ」の「弱パターン」又は「強パターン」の変動要素)と、
該特別演出実行手段による前記第1示唆演出又は前記第2示唆演出の終了後に、前記第2表示手段を前記表示手段の切替制御により再表示する終了後再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素終了後にコクピット表示領域Dbを再表示)と、を備え、
前記変化実行手段は、
前記終了後再表示手段によって前記第2表示手段が再表示された場合に、該第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている取得手段によって取得された情報の数を表す図柄が第2表示手段により表示可能に構成される。また、動的表示実行手段に設けられた継続表示手段により、動的表示において第2表示手段が継続的に表示される。そして、示唆演出実行手段により、継続表示手段によって表示されている第2表示手段を、表示切替手段により非表示状態とする演出を含む第1示唆演出又は第2示唆演出が実行され、同じく示唆演出実行手段に設けられた終了後再表示手段により、特別演出実行手段による第1示唆演出又は第2示唆演出の終了後に、表示切替手段の切替制御によって第2表示手段が再表示される。そして、変化実行手段により、終了後再表示手段によって第2表示手段が再表示された場合に、第2表示手段の表示を第2態様に変化させる。
従来、動的表示の開始時において、第2表示手段によって記憶手段に記憶される情報の数を表す図柄を表示し、また、継続表示手段により第2表示手段を継続的に表示している。そして、第1示唆演出又は第2示唆演出の実行時に該第2表示手段を表示切替手段によって非表示状態に切替え、第1示唆演出又は第2示唆演出の終了後に表示切替手段によって第2表示手段を再表示して、動的表示の開始時に継続表示手段によって表示されていた状態に第2表示手段を戻すことで、次の動的表示の実行に備えられている。即ち、動的表示の開始時に表示されている第2表示手段を、第1示唆演出又は第2示唆演出の終了時に再表示させることで、動的表示の終了を遊技者に示唆できると共に、次の動的表示の数を遊技者に認識させつつ、次の動的表示をスムースに実行することができる。従って、第1示唆演出又は第2示唆演出が終了した場合に、第2表示手段が再表示されることは、動的表示の実行行程の流れにおいて自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機F3のように、継続表示手段によって継続的に表示されている第2表示手段を、第1示唆演出又は第2示唆演出の実行に基づいて表示切替手段により非表示状態とし、第1示唆演出又は第2示唆演出の終了時に表示切替手段により第2表示手段を再表示するタイミングで、第2表示手段において第2態様を表示する。このように構成することで、動的表示の実行行程のスムースな流れの中で第2表示手段を再表示しながら、その表示態様を第1態様から第2態様へ変化させることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を第1示唆演出又は第2示唆演出によって一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F3において、
前記第1示唆実行手段は、
前記動的表示において前記第2示唆演出を実行するか否かを判別する示唆演出判別手段と(例えば、変動変更処理(S1471))、
該示唆演出判別手段によって前記第2示唆演出を実行すると判別された場合に、該第2示唆演出を前記第1示唆演出に変更する演出変更手段(例えば、「強パターン」を「弱パターン」に変更する処理(S1807))と、を備え、
前記再表示時選択手段は、
前記演出変更手段によって変更された前記第1示唆演出の終了後に前記第2表示手段を表示するときに、該第2表示手段の表示を前記第2態様に変更することを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1示唆実行手段に設けられた示唆演出判別手段により、動的表示において第2示唆演出が実行されるか否かが判別される。また、同じく第1示唆実行手段に設けられた演出変更手段により、示唆演出判別手段によって第2示唆演出を実行すると判別された場合に、その第2示唆演出が第1示唆演出に変更される。そして、再表示時選択手段により、演出変更手段によって変更された第1示唆演出の終了後に、第2表示手段の表示を第2態様へ変更される。これにより、第2示唆演出を第1示唆演出に差し替えるという単純な制御によって第1示唆演出が実行された後に所定の識別情報が現出される機会を増やし、第1示唆演出による所定の識別情報の現出期待度を高めることができる。よって、簡易な制御によって演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F4において、
前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とは、同一の実行時間で構成されていることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1示唆演出と第2示唆演出とは、同一の実行時間で構成される。これにより、動的表示全体の実行時間を変更することなく、第1示唆演出を第2示唆演出に変更することができる。よって、動的表示の実行時間の整合性を保ちながら第2示唆演出を第1示唆演出に変更することで、改めて動的表示の動的要素を選択し直す等の処理をすることなく、第1示唆演出による所定の識別情報の現出期待度を高めることができる。よって、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、
前記開始時期選択手段は、
前記取得手段により、前記始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、前記第2表示手段の表示を前記第2態様へ変化させるタイミングを選択するタイミング選択手段を備え、
前記動的表示実行手段は、
所定の実行条件の成立に基づいて、前記動的表示の内容を決定する実行成立決定手段を備え、
前記変化実行手段は、
前記動的表示実行手段によって決定された前記動的表示の内容に基づいて、前記開始時期選択手段によって選択された前記第2態様の実行タイミングを修正するタイミング修正手段を備えていることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられたタイミング選択手段により、取得手段により始動条件の成立を契機として情報を取得したタイミングで、第2表示手段の表示を第2態様へ変化させるタイミングが選択される。そして、動的表示実行手段に設けられた実行成立決定手段により、所定の実行条件の成立に基づいて、動的表示の内容が決定される。そして、変化実行手段に設けられたタイミング修正手段より、動的表示実行手段によって決定された動的表示の内容に基づいて、開始時期選択手段によって選択された第2態様の実行タイミングが修正される。即ち、第2表示手段による第2態様の実行タイミングの選択と、動的表示の内容の決定とを、それぞれ独立して選択又は決定させ、その後、動的表示の内容に基づいて第2表示手段による第2態様の実行タイミングの修正を行う。これにより、第2表示手段による第2態様の決定と、動的表示の内容の決定とを別々のタイミングで行われる処理で行った場合であっても、演出内容の整合性を取ることで、互いの演出内容に対して齟齬が生じないように調整することができる。従って、各決定を別々の処理で行うことで、各決定に用いる制御プログラムの開発時における設計を容易にすることができつつ、整合のとれた演出を実行することが可能となる、という効果がある。
<G群:隠すモノの内容が隠されるモノへ伝播する>
従来、パチンコ機等の遊技機では、液晶表示装置等の表示手段にて図柄等の変動演出(変動表示)が行われる間に、球等の遊技媒体が始動入賞口に入り始動入賞が検出されると、所定の数を上限として、その始動入賞に係る変動演出が保留されるものがある。実行中の変動演出が終了すると、保留された未実行の変動演出の実行が開始される。
この変動演出では、遊技の興趣の一環として、大当たりの期待度等を示唆する示唆表示(例えば、「保留変化予告」やミニ出現予告等)を実行するように構成されている。この示唆表示を実行する場合に、常に遊技者によって視認可能な表示物の表示態様を第1態様から第2態様へ変化させたり、新たに表示物を追加的に現出させて、その表示物の表示態様によって大当たりの期待度を遊技者に示唆するように構成されている。
しかしながら、従来の遊技機では、示唆表示を実行する場合に、常に視認可能な表示物の表示態様を変化させたり、新たに表示物を追加的に現出させるため、遊技者が表示物の変化を認識し易く、演出内容に意外性を生み出せていなかった。よって、従来の遊技機から遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、意外性のある演出を実行して、好適に遊技の興趣向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、
該動的表示実行手段による前記動的表示の演出内容と連動して制御される演出手段(例えば、可動役物やカットイン画像等)と、
該演出手段の表示態様を変化させる演出態様変化手段と、を備え、
前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能に構成された第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させる変化手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化手段によって、前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、シナリオカウンタ223d)と、
該開始時期選択手段により選択された開始時期に前記第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる場合に、前記演出手段の表示態様を前記第2表示手段に伝播させて前記第2態様を表示する表示伝播手段(例えば、左側可動役物87の表示色を実行図柄の表示色に反映)を備えていることを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示の演出内容と連動するように演出手段が制御される。また、その演出手段の表示態様が演出態様変化手段により変化される。識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果を第2表示手段により表示可能に構成される。そして、変化手段により、第2表示手段の表示態様が、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化される。変化手段によって第2態様に変化させる場合には、開始時期選択手段により第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。そして、開始時期選択手段により選択された開始時期に第2表示手段の表示を第2態様に変化させる場合に、演出手段の表示態様を第2表示手段に伝播させて第2態様が表示される。これにより、第2表示手段の第1態様から第2態様へ変化させる場合に、演出手段の表示態様が伝播して変更されるため、演出手段がどのように変化するか否かと、演出手段の表示態様が第2表示手段に伝播するか否か、という遊技性が生まれる。よって、第2表示手段を変化させる場合に、演出手段の表示態様を第2表示手段に伝播させて変化させることで、まず、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。なお、「演出手段の表示態様を第2表示手段に伝播させる」とは、演出手段の表示態様が第2表示手段に直接的に伝播することや、演出手段の表示態様に関連する内容に第2表示手段が表示されること、或いは、演出手段の表示態様が第2表示手段に移り変わって(移行されて)表示されること等が含まれる。
遊技機G0において、
前記演出手段によって前記第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)、を備え、
前記変化手段は、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記開始時期選択手段により選択された実行タイミングで前記第2表示手段を前記第2態様に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、を備え、
該開始時期選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングを選択する再表示時選択手段(例えば、実行図柄変化処理のS1506)、を備え、
前記表示伝播手段は、
前記再表示時選択手段により前記第1表示タイミングで前記第2表示手段の表示を前記第2態様に変化させる場合に、前記第2表示手段を前記演出手段によって視認困難にし、前記表示切替手段の切替制御により前記第2表示手段を再び視認可能とする場合に、前記演出手段の表示態様を前記第2表示手段に伝播させて前記第2態様を表示する再表示時伝播手段(例えば、左側可動役物87の表示色を実行図柄の表示色に反映)を備えていることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示切替手段により、演出手段によって第2表示手段の表示状態と非表示状態とが切替制御される。そして、変化手段に設けられた変化判定手段により、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが判定される。変化判定手段によって第2態様に変化させると判定された場合には、変化実行手段により、開始時期選択手段により選択された実行タイミングで第2表示手段の表示態様が変化される。ここで、開始時期選択手段に設けられた再表示時選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、表示切替手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示させる第1表示タイミングが選択される。そして、伝播表示手段に設けられた再表示時伝播手段により、再表示時選択手段により第1表示タイミングで第2表示手段の表示を第2態様に変化させる場合に、第2表示手段を演出手段により視認困難とし、表示切替手段の切替制御により第2表示手段を再び視認可能とする場合に、演出手段の表示態様を第2表示手段に伝播させて第2態様が表示される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。また、第2表示手段の第1態様から第2態様への変化も、演出手段の表示態様が伝播して変更されるため、演出手段がどのように変化するか否かと、演出手段の表示態様が第2表示手段に伝播するか否か、という遊技性が生まれる。よって、第2表示手段を演出手段によって一旦見えなくし、その後、さりげなく演出手段の表示態様を第2表示手段に伝播させて変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G1において、
前記演出手段は、前記第2表示手段の前面側を被覆可能な可動役物であることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2表示手段の前面側を被覆可能な可動役物により演出手段が構成される。これにより、動的表示を表示する表示手段とは異なる可動役物の駆動態様により第2表示手段を見えなくすることができる。よって、動的表示の動的要素と可動役物の駆動との複合演出を整合のとれた内容で実施することができ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G2において、
前記可動役物を駆動させる役物駆動手段(例えば、役物駆動処理(S1151))を備え、
前記役物駆動手段は、
前記可動役物の初期位置と、
前記動的表示において、前記可動役物によって前記第2表示手段を視認困難にする第1位置(例えば、「強パターン」)と、
該第1位置から、前記第2表示手段を再び視認可能にする前記初期位置とに前記可動役物を駆動可能であり、
前記再視認時伝播手段は、
前記可動役物が前記第1位置にある状態で、前記可動役物の表示態様を前記第2表示手段へ伝播させて前記第2態様の表示を開始し、
前記可動役物が前記初期位置に戻った状態で、前記第2表示手段において前記第2態様を継続的に表示することを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、役物駆動手段により可動役物が駆動され、役物駆動手段により、可動役物を初期位置から第1位置に駆動することで第2表示手段が視認困難にされ、また、再視認時時伝播手段により、可動役物が第1位置にある状態で可動役物の表示態様を第2表示手段へ伝播させて第2態様の表示が開始され、可動役物が初期位置に戻った状態で、第2表示手段において第2態様が継続的に表示される。
従来、動的表示の実行時に可動役物が駆動する場合、当初の初期位置から駆動位置へ駆動し、その後、再び初期位置に駆動することで、1の駆動態様が完結するように構成されている。即ち、可動役物が駆動される場合は、必ず初期位置に戻ることで、動的表示のおける他の演出の内容を阻害しないように構成されている。従って、可動役物が駆動された場合に、駆動位置から初期位置に戻ることは、可動役物の駆動態様の流れとして自然な表現であるため、遊技者は違和感を感じない。
そして、遊技機G3のように、可動役物を初期位置から第1位置へ駆動することで第2表示手段を視認困難にし、可動役物が第1位置にある状態で該可動役物の表示態様が第2表示手段へ伝播して第2態様を表示する。その後、可動役物を第1位置から初期位置へ駆動し、第2表示手段で第2態様が継続的に表示されることで遊技者は第2態様を視認することができる。このように構成することで、可動役物の駆動態様のスムースな流れの中で第2表示手段を視認可能にしながら、その表示態様を変化させることができる。よって、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。その結果、第2表示手段を一旦見えなくし、その後、さりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段による第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、可動役物の表示態様が第2表示手段に伝播するか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G3において、
前記開始時期選択手段は、
前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングで前記第2態様を表示可能か否かを判別する実行判別手段(例えば、再変動情報を判定する処理(S1506)、又は、保留消去情報を判定する処理(S1507))と、
該実行判別手段によって、前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングにて前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記役物駆動手段によって前記可動役物を、前記第2表示手段を視認困難状態にする位置へ駆動させる駆動変更手段(例えば、スーパー強フラグ223jを設定する処理(S1564))と、を備えていることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開始時期選択手段に設けられた実行判別手段により、再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングで第2態様を表示可能か否かが判別され、実行判別手段によって再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングにて第2態様を表示できないと判別された場合に、駆動変更手段により、役物駆動手段によって可動役物が、第2表示手段を視認困難状態にする位置へ駆動される。これにより、当初、選択された第1表示タイミングで第2態様を表示できない場合に、可動役物を駆動させて、該第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
また、第2表示手段を遊技者から視認困難にする場合に、動的表示の演出内容を変更するのではなく、動的表示の演出とは異なる可動役物の駆動態様を変更することで、第2表示手段を視認困難にすることができる。よって、動的表示の制御に関して追加的なコマンド等を送信して演出内容の差し替え等をすることなく第2表示手段を視認困難にした上で第2態様への変化を行うことができるので、動的表示の制御負担を増やすことなく、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G4において、
前記実行判別手段は、
前記動的表示において、前記可動役物が前記第1位置になるか否かを判別する位置判別手段(例えば、「強パターン」で駆動するか否かを判定する処理(S1561))、を備え、
前記駆動変更手段は、
該位置判別手段によって前記可動役物が前記第1位置にならないと判別された場合に、該動的表示において前記可動役物を前記第1位置に駆動させる駆動位置変更手段(例えば、スーパー強フラグ223jを設定する処理(S1564))、を備え、
前記再視認時伝播手段は、
前記駆動位置変更手段によって前記可動役物の駆動位置を前記第1位置へ変更し、前記役物駆動手段によって前記可動役物を前記第1位置にしている状態で、前記可動役物の表示態様を前記第2表示手段へ伝播させて前記第2態様の表示を開始することを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段に設けられた位置判別手段により、動的表示において可動役物が第1位置となるか否かが判別され、駆動変更手段に設けられた駆動位置変更手段により、位置判別手段によって可動役物が第1位置にならないと判別された場合に、動的表示において可動役物を第1位置へ駆動させる。そして、再視認時伝播手段により、可動役物が第1位置にしている状態で、可動役物の表示態様を第2表示手段へ伝播させて第2態様の表示が開始される。これにより、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2態様を表示することができる。よって、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、可動役物の表示態様が第2表示手段に伝播するか否かの遊技性が生まれ、遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G5において、
前記駆動位置変更手段は、
前記動的表示において、前記可動役物を駆動可能な動的要素(例えば、「スーパーリーチの変動要素」)の有無を判別する動的要素判別手段(例えば、「スーパーリーチ」以上の変動要素の有無を確認する処理(S1563))、を備え、
該動的要素判別手段によって、前記可動役物を駆動可能な前記動的要素があると判別された場合に、該動的要素の実行中に前記可動役物を前記第1位置へ駆動させることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動位置変更手段に設けられた動的要素判別手段により、動的表示において可動役物を駆動可能な動的要素の有無が判別される。そして、動的要素判別手段によって可動役物を駆動可能な動的要素があると判別された場合に、その動的要素の実行中に可動役物が第1位置へ駆動される。これにより、可動役物を駆動可能な動的要素がある場合に、第2表示手段を視認困難にする駆動態様に変更し、第2表示手段を遊技者から見えなくすることができる。よって、動的表示の演出内容と可動役物の駆動態様との整合性を保ちながら第2表示手段を視認困難にすることで、当初、選択された第1表示タイミングにおいて第2表示手段において第2態様を表示することが可能となる。従って、改めて動的表示の動的表示を選択し直す等の処理をすることなく、当初、選択された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G6において、
前記役物駆動手段は、
前記可動役物を前記初期位置から前記第1位置へ駆動し、再び前記初期位置へ駆動するために所定時間を有し、
前記動的要素判別手段は、
前記動的表示において、前記所定時間以上の前記動的要素の有無を判別することを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、役物駆動手段により、可動役物が初期位置から第1位置へ駆動され、再び初期位置へ駆動されるのに所定時間をかけて駆動される。そして、動的要素判別手段により、動的表示において所定時間以上の動的要素の有無が判別される。これにより、動的表示の動的要素において、所定時間を要する可動役物の駆動を完結できる動的要素において該可動役物を駆動することができるので、該動的要素で可動役物の駆動を完結させることができ、動的表示の動的要素と可動役物の駆動との複合演出を整合のとれた内容で実施することができる。よって、遊技者に理解し易い演出を提供して、遊技の興趣を向上させることができる、という効果がある。
遊技機G1からG7のいずれかにおいて、
前記演出手段は、前記第2表示手段と重複して表示される特定画像であることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G1からG7のの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2表示手段と重複して表示される特定画像により演出手段が構成される。これにより、動的表示を表示する表示手段に追加的に画像を表示することで、第2表示手段を見えなくすることができる。よって、動的表示の動的要素を調整して変更したり、他の可動役物等を制御することなく、特定画像を追加して表示するという動的表示の演出の僅かな変更によって第2表示手段を見えなくした上で第2態様を行うことができ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G8において、
前記開始時期選択手段は、
前記実行判別手段によって、前記再視認時選択手段により選択された前記第1表示タイミングにて前記第2態様を表示できないと判別された場合に、前記画像現出手段によって前記特定画像を現出させる画像変更手段(例えば、大キャラカットイン画像Dc2を付加して表示するパターン)と、を備えていることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行判別手段によって再視認時選択手段により選択された第1表示タイミングにて第2態様を表示できないと判別された場合に、画像変更手段により、画像現出手段によって特定画像が現出される。これにより、当初、選択された第1表示タイミングで第2態様を現出できない場合に、特定画像を現出させて、該第1表示タイミングにおいて特定画像の表示態様を第2表示手段へ伝播させて第2態様を表示することができる。よって、当初、設定された第1表示タイミングで第2表示手段の第2態様を実行する機会を増やし、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機G8又はG9において、
前記動的表示は、複数の動的要素を組み合わせて構成されており、
前記画像表示手段は、
いずれの前記動的要素の実行時間よりも短い時間で前記特定画像を表示することを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G8又はG9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示が複数の動的要素の組み合わせで構成される。そして、画像表示手段により、いずれの動的要素の実行時間よりも短い時間で特定画像が表示される。これにより、動的表示のいずれの動的要素でも特定画像の演出を完結させることができ、動的表示の動的要素と特定画像との複合演出を整合のとれた内容で実施することができる。よって、遊技者に理解し易い演出を提供して、遊技の興趣を向上させることができる、という効果がある。
また、特定画像の表示時間を各動的要素の実行時間より短く設定することで、例えば、所定の駆動時間を要する可動役物の駆動により第2表示手段を被覆する場合と比べて、特定画像を表示可能か否か動的要素を判定する処理が不要となる。よって、特定画像によって第2表示手段を視認困難にした後に第2態様を実行する場合に、特定画像の表示タイミングを決定する制御のみを行えばいいので、制御負担を軽減させつつ、遊技者に意外性のある演出を提供し、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<H群:チャンスダウン&チャンスアップ同時表示>
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記動的表示において、前記所定の識別情報が現出される期待度が高まったことを示す期待度上昇演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の発生等)を実行する上昇演出実行手段と、
前記動的表示において、前記所定の識別情報が現出される期待度が下がったこと示す期待度下降演出(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素のハズレ等)を実行する下降演出実行手段と、
前記期待度上昇演出および前記期待度下降演出をそれぞれ前記表示手段の主要表示部(例えば、主表示領域Dm)で実行可能な主要実行手段と、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
該判断手段による判断結果を表示可能な第2表示手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
該第2表示手段の表示状態と非表示状態とを切替制御する表示切替手段(例えば、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素への変更)と、
前記第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、前記判断手段による判断結果を示す第2態様(例えば、「保留変化予告」)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第2態様に変化させると判定された場合に、前記第2表示手段による前記第2態様の開始時期を選択する開始時期選択手段(例えば、実行図柄変化処理)と、を備え、
前記表示切替手段は、
前記主要実行手段によって、前記表示手段の前記主要表示部において前記上昇演出実行手段により前記期待度上昇演出が実行される場合に、前記第2表示手段を非表示状態とする非表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
前記主要実行手段によって、前記表示手段の前記主要表示部において、前記下降演出実行手段により前記期待度下降演出が実行される場合に、前記非表示手段により非表示状態とされた前記第2表示手段を再表示する再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の終了)と、を備え、
前記開始時選択手段は、
前記第2表示手段において前記第2態様を表示する実行タイミングとして、前記期待度下降演出が前記主要表示部で実行されている場合に、該主要表示部以外の表示部であって該主要表示部より小さい表示領域である副表示部(例えば、コクピット表示領域Db)において、前記再表示手段により前記第2表示手段が再表示される第1表示タイミングを選択する再表示時選択手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行させる表示用消去後変化コマンド)と、を備えていることを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。上昇演出実行手段により、動的表示において、所定の識別情報が現出される期待度が高まったことを示す期待度上昇演出が実行される。また、下降演出実行手段により、動的表示において、所定の識別情報が現出される期待度が下がったことを示す期待度下降演出が実行される。そして、主要実行手段により、期待度上昇演出および期待度下降演出が表示手段がそれぞれ主要表示部で実行可能にされる。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断され、その判断手段による判断結果が第2表示手段により表示可能に構成される。また、表示切替手段により、第2表示手段の表示状態と非表示状態とが切替制御される。そして、第2表示手段の表示態様を、所定の第1態様から、判断手段による判断結果を示す第2態様に変化させるか否かが変化判定手段により判定される。変化判定手段によって第2態様に変化させると判定された場合に、開始時期選択手段により第2表示手段による第2態様の開始時期が選択される。そして、表示切替手段に設けられた非表示手段により、主要実行手段によって、表示手段の主要表示部において上昇演出実行手段により期待度上昇演出が実行される場合に、第2表示手段が非表示状態とされる。同じく表示切替手段に設けられた再表示手段により、主要実行手段によって、表示手段の主要表示部において下降演出実行手段により期待度下降演出が実行される場合に、非表示手段により非表示状態とされた第2表示手段が再表示される。そして、開始時期選択手段に設けられた再表示時選択手段により、第2表示手段において第2態様を表示する実行タイミングとして、期待度下降演出が主要表示部で実行されている場合に、主要表示部以外の表示部であって該主要表示部より小さい表示領域である副表示部において、再表示手段により第2表示手段が再表示される第1表示タイミングで、第2表示手段の表示が第2態様に変化される。これにより、常に視認可能な第2表示手段を第1態様から第2態様へ直接的に変更して報知する場合や、新たに第2表示手段を追加して現出させる場合に比べ、第2表示手段の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく第2表示手段を第2態様に変化させることができる。また、表示手段の主要表示部において期待度上昇演出を実行した後に期待度下降演出の実行中に、表示手段の副表示部によって第2表示手段により第2態様を表示することで、遊技者が主要表示部の演出結果に注目している最中にさりげなく第2表示手段を変化させることができる。よって、第2表示手段をさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が第2表示手段における第2態様の現出であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<I群:視覚・聴覚・触覚の知覚の認知において違和感>
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該判断手段による判断結果を示唆可能に構成された示唆手段(例えば、コクピット表示領域Dbに表示される実行図柄又は保留図柄)と、
該示唆手段を遊技者の知覚による認知を困難にする認知困難手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
該認知困難手段によって遊技者の知覚による認知が困難となった前記示唆手段を、再び知覚により認知可能にする認知再開手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の後に再表示されるコクピット表示領域Db)と、
該認知再開手段によって前記示唆手段が再び認知可能となった場合に、所定の第1状態から、該示唆手段において前記判断手段による判断結果に基づく第2状態へ変化させる変化実行手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行させる表示用消去後変化コマンド)と、
を備えることを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断される。そして、その判断手段による判断結果が示唆手段により示唆可能に構成される。その示唆手段が認知困難手段によって遊技者の知覚による認知が困難にされ、認知困難手段によって遊技者の知覚のよる認知が困難となった示唆手段が、認知再開手段によって再び認知可能に構成される。そして、認知再開手段によって示唆手段が再び認知可能となった場合に、変化実行手段により、所定の第1態様から、示唆において判断手段の判断結果に基づく第2状態へ変化させる。これにより、常に遊技者の知覚によって認知可能にされている示唆手段を第1状態から第2状態へ直接的に変更して示唆する場合に比べ、示唆手段による示唆を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく示唆手段を第2状態へ変化させて判断手段の判断結果を示唆することができる。よって、示唆手段を一旦認知し難くし、その後、再び認知可能となるタイミングで判断手段の判断結果を示唆させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が示唆手段による示唆であることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記示唆手段は、前記表示手段における表示物であり、
前記認知困難手段は、前記表示物の表示を視認困難にする視認困難手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)を有し、
前記認知再開手段は、前記視認困難手段によって視認困難にされた前記表示物を再び視認可能にする再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素の終了)を有し、
前記変化実行手段は、前記再表示手段によって前記表示物を再び視認可能にする場合に、該表示物の表示態様を、前記視認困難手段によって視認困難にされる前の前記表示物の表示態様から、前記判断手段による判断結果に基づいて変化させる再表示時変化手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行させる表示用消去後変化コマンド)を備えていることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆手段は、表示手段における表示物であって、認知困難手段に設けられた視認困難手段により、表示物の表示が視認困難にされる。また、認知再開手段に設けられた再表示手段により、視認困難手段によって視認困難にされた表示物が再び視認可能となる。そして、変化実行手段に設けられた再表示時変化手段により、再表示手段によって表示物を再び視認可能にする場合に、その表示物の表示態様を、視認困難手段によって視認困難にされる前の表示物の表示態様から、判断手段による判断結果に基づいて変化させる。これにより、常に遊技者の視覚によって視認可能にされている表示物を第1状態から第2状態へ直接的に変更して報知する場合に比べ、表示物の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく表示物の変化によって判断手段の判断結果を示唆することができる。示唆手段である表示物を一旦視認困難にし、その後、再び視認可能となるタイミングで判断手段の判断結果を示唆させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が示唆手段による示唆であることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
遊技機I0又はI1において、
遊技者の聴覚によって聞き取り可能な音を出力する音出力手段(例えば、スピーカ)を備え、
前記認知困難手段は、前記音出力手段による前記音の出力を聞き取り困難にする聞取困難手段(例えば、スピーカからの音の出力の停止)を有し、
前記認知再開手段は、前記聞取困難手段によって聞き取り困難にされた前記音を再び聞き取り可能に出力する再出力手段(例えば、スピーカから音を再出力)を有し、
前記報知実行手段は、前記再出力手段によって前記音を再び聞き取り可能に出力する場合に、前記聞取困難手段によって聞き取り困難にされる前の前記音の出力態様から、前記判断手段による判断結果に基づいて変化させる再出力時変化手段(例えば、音の大きさを変化)を備えていることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音出力手段により、遊技者の聴覚によって聞き取り可能な音が出力される。認知困難手段に設けられた聞取困難手段により、音出力手段による音の出力を聞き取り困難にされる。また、認知再開手段に設けられた再出力手段により、聞取困難手段によって聞き取り困難にされた音の出力が再び聞き取り可能となる。そして、報知実行手段に設けられた再出力時変化手段により、再出力手段によって音の出力を再び聞き取り可能にする場合に、その音の出力態様を、聞取困難手段によって聞き取り困難にされる前の音の出力態様から、判断手段による判断結果に基づいて変化させる。これにより、常に遊技者の聴覚によって聞き取り可能にされている示唆手段を第1状態から第2状態へ直接的に変更して示唆する場合に比べ、示唆手段による示唆を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく示唆手段によって判断手段の判断結果を報知することができる。また、示唆手段である音を一旦聞き取り困難にし、その後、再び聞き取り可能となるタイミングで判断手段の判断結果を示唆させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が示唆による示唆であることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
所定の数を上限として、前記取得手段により取得される情報を記憶する記憶手段(例えば、保留球格納エリア203b又は保留球実行エリア203c)と、
該記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の中に、前記所定の識別情報を現出する前記動的表示があるか否かを判断する判断手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該判断手段による判断結果を示唆可能に構成された示唆手段(例えば、送風機)と、
遊技者の皮膚感覚(例えば、触覚、温度覚、痛覚、風覚等)によって前記示唆手段の認知状態(例えば、風有り)と非認知状態(例えば、風無し)とを切替制御する認知切替手段(例えば、音声ランプ制御装置113)と、
前記示唆手段の示唆態様を、所定の第1状態(例えば、弱風)から、前記判断手段による判断結果を示す第2状態(例えば、強風)に変化させるか否かを判定する変化判定手段(例えば、保留表示設定処理(S1209))と、
該変化判定手段によって、前記第1状態から前記第2状態に変化させると判定された場合に、前記認知切替手段により非認知状態とされた前記示唆手段を認知状態とする第1認知タイミングで、前記示唆手段の示唆態様を第2状態に変化させる変化実行手段(例えば、実行図柄変化処理(S1414))と、
を備えていることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。取得手段により取得される情報は、所定の数を上限として記憶手段に記憶される。ここで、記憶手段に記憶されている情報のそれぞれに基づいて実行される識別情報の動的表示の中に、所定の識別情報を現出する動的表示があるか否かが判断手段により判断される。そして、その判断手段による判断結果が示唆手段により示唆可能に構成される。また、認知切替手段により、遊技者の皮膚感覚によって示唆手段の認知状態と非認知状態とが切替制御される。そして、変化判定手段により、示唆手段の示唆態様を、所定の第1状態から、判断手段による判断結果を示す第2状態に変化させるか否かが判定される。ここで、変化判定手段によって、第1状態から第2状態に変化させると判定された場合に、変化実行手段により、認知切替手段によって非認知状態とされた示唆手段を認知状態とする第1認知タイミングで、示唆手段の示唆態様を第2状態に変化させる。これにより、遊技者の皮膚感覚によって示唆手段を第1状態から第2状態に変化して判断手段による判断結果を示唆することで、視覚や聴覚より感度が鈍い皮膚感覚によって遊技者に判断手段による判断結果を示唆することができる。よって、示唆手段の変化を遊技者が明確に認識し難くしつつ、さりげなく示唆によって判断手段の判断結果を報知することができる。よって、示唆手段を変化を遊技者に認知し難くすることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感の根源が示唆手段による示唆であることを認識させることで、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。
<J群:継続表示物の再表示タイミングで変更>
所定の始動条件の成立を契機として情報を取得する取得手段(例えば、第1入球口64)と、
該取得手段により取得された情報に基づいて判定を行う判定手段(例えば、主制御装置110)と、
該判定手段による判定結果に基づいて表示手段(例えば、第3図柄表示装置81)に識別情報の動的表示(例えば、第3図柄の変動演出)を実行させる動的表示実行手段(例えば、表示制御装置114)と、を備え、
該動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記動的表示に関する情報を示唆する継続表示物(例えば、コクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄)と、
該継続表示物を前記表示手段に継続的に表示する継続表示実行手段(例えば、表示制御装置114のMPU231)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記所定の識別情報が現出されるか否かを判断する判断手段(例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221)と、
所定条件の成立(例えば、「スーパーリーチ」演出態様に当選)に基づいて、前記継続表示実行手段による前記継続表示物の表示を消去する消去手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素)と、
該消去手段により消去された前記継続表示物を再び表示する再表示手段(例えば、「スーパーリーチ」の変動要素終了後にコクピット表示領域Dbの実行図柄及び保留図柄を再表示)と、
該再表示手段による前記継続表示物を再び表示させる場合に、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記継続表示物の表示態様を前記消去手段による消去前の表示態様から変化させる表示態様変化手段(例えば、「保留消去後」の「保留変化予告」を実行させる表示用消去後変化コマンド)と、
を備えていることを特徴とする遊技機J0。
遊技機J0によれば、所定の始動条件の成立を契機として取得手段により情報が取得され、その取得手段により取得された情報に基づいて判定手段により判定が行われる。その判定手段による判定結果に基づいて表示手段に識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。その識別情報の動的表示において所定の識別情報が現出された場合に、遊技者に所定の遊技価値が付与される。継続表示実行手段により表示手段に継続的に表示される継続表示物によって動的表示に関する情報が示唆される。そして、判定手段による判定結果に基づいて所定の識別情報が現出されるか否かが判断手段により判断される。また、消去手段により、所定条件の成立に基づいて、継続表示手段による継続表示物の表示が消去され、該消去手段により消去された継続表示物が再表示手段により再び表示される。再表示手段によって継続表示物を再び表示させる場合に、判断手段の判断結果に基づいて、表示態様変化手段により、継続表示物の表示態様を消去手段による消去前の表示態様から変化させる。これにより、常に視認可能な表示物を直接的に変更して報知する場合や、新たに表示物を現出させて報知する場合に比べ、継続表示物の変化を遊技者に認識し難くしつつ、さりげなく継続表示物の表示態様によって判断手段の判断結果を表示することができる。よって、継続表示物を一旦見えなくし、その後、継続表示物を再び表示する場合に、該継続表示物の表示態様を消去前からさりげなく変化させることで、まず、遊技者に違和感を与え、その後、その違和感が継続表示物の変化であることを認識させ、遊技者に意外性のある演出を提供しつつ、演出を多様化して遊技の興趣を高めることができる、という効果がある。また、消去された継続表示物が再表示される場合に、遊技者は、継続的に表示される継続表示物であるが故、該継続表示物が消去される前と同様の表示内容で再表示されると思い込んでいる。その最中、再表示された継続表示物が変化していることによって、当初の思い込みからその違いを認識し難い。よって、遊技者に気付かれないように継続表示物の表示内容を変化させることができ、遊技者に意外性のある演出を提供して、遊技の興趣を高めることができる。
なお、上記遊技機A0〜A10のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機B0〜B13のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機C0〜C9のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機D0〜D5のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機E0〜E7のいずれかの構成に対して、上記遊技機上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機F0〜F6のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,G0〜G10,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機G0〜G10のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,H0,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機H0の構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,I0〜I3,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機I0〜I3の構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,J0のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。また、上記遊技機J0の構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B13,C0〜C9,D0〜D5,E0〜E7,F0〜F6,G0〜G10,H0,I0〜I3のいずれか1に限定した構成を適用してもよい。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA10,B0からB13,C0からC9、D0からD5、E0からE7、F0からF6、G0からG10、H0,I0からI3,J0のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB13,C0からC9、D0からD5、E0からE7、F0からF6、G0からG10、H0,I0からI3,J0のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB13,C0からC9、D0からD5、E0からE7、F0からF6、G0からG10、H0,I0からI3,J0のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、上記実施形態に記載の「第1入球口64」への「入球」が特許請求の範囲の「所定の始動条件」に対応し、上記実施形態に記載の「カウンタC1〜C3,CS1の値」が特許請求の範囲の「取得手段」により取得される「情報」に対応し、上記実施形態に記載の「第3図柄」が特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動演出」が特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり図柄」が特許請求の範囲に記載の「所定の識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が特許請求の範囲に記載の「所定の遊技価値」に対応する。