以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態における遊技機10について説明する。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25や、遊技者による接触操作を検出可能であり、当該接触操作を検出した場合に接触位置を示す検出信号を出力する接触式操作手段としてのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図5(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、図5(b)のように、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する(図5(b)参照)。
普図保留表示器56は、図5(c)に示すように、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示器58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド数表示器59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド数表示器59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54,55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第1特別図柄)、右(第3特別図柄)、中(第2特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44や変動表示ゲームに関連して作動する可動役物46を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力したり、前面枠12に設けられたタッチパネル29からの検出信号を主制御用マイコン(1stCPU)311へ入力したりするスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
ここで、遊技制御装置100は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り)となった場合に遊技者に特別価値を付与する特別価値付与手段として機能する。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図6及び図7参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図10参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図7のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図7のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS25で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔初期値乱数更新処理〕
次に、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS27)の詳細について説明する。
図8に示すように、初期値乱数更新処理では、当り初期値乱数をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS271)、大当り図柄初期値乱数1をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS272)、大当り図柄初期値乱数2をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS273)を順次行う。なお、各乱数更新処理では、上限値がそれぞれ設けられ、上限値に達すると0となり、0から上限値の間で順次更新(+1)する処理が行われる。
ここで、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔チェックサム算出処理〕
次に、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS12,S32)の詳細について説明する。
図9に示すように、チェックサム算出処理では、先ず算出アドレスとしてRWMの先頭アドレスを設定する処理(ステップS321)、繰り返し数を設定する処理(ステップS322)、算出値として「0」を設定する処理(ステップS323)を順次行う。
その後、算出アドレスの内容をロードし(ステップS324)、ロードした値に算出値を加算した値を新たな算出値とする(ステップS325)。そして、算出アドレスを更新(+1)し(ステップS326)、繰り返し数を−1更新すなわち減算してチェックサムの算出が終了したかチェックする(ステップS327)。そして、算出が終了でない(ステップS328:No)と判定するとステップS324へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了である(ステップS328:Yes)と判定すると当該チェックサム算出処理を終了する。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図11に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図12に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。
なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図13に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1,特図2の変動表示ゲーム)での変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図14に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。
ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合にも(ステップA234;Yes)、特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA236)を行った後、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA237;No)と判定すると、処理をステップA245に移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA237;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA238)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA239)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA240;No)と判定すると、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA241)。
そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA242)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA243)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA244)を行う。
また、ステップA240にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA240;Yes)は、処理をステップA242に移行して、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、ステップA236またはA244で設定した情報テーブルから停止図柄パターン情報を取得する処理(ステップA245)を行って、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA246)。
続いて、ステップA236またはA244で設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA247)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA249)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA250)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA251)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA252)を行う。
そして、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。
このように、ステップA253にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA255にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行前に、当該変動表示ゲームに関する情報(結果関連情報)について判定を行う事前判定手段として機能する。
ここで、例えば、図15に示すように、ステップA255にて準備された始動口入賞演出図柄コマンドが、「始動口入賞演出図柄コマンド1」(MODEが「A3H」でACTIONが「01H」の始動口入賞演出図柄コマンド)である場合、遊技制御装置100は、演出制御装置300に対して、当該始動記憶(保留)に基づく特図変動表示ゲームが「はずれ・ノーマル(N)リーチ以下」であることを知らせる(指示する)ことができる。
また、ステップA255にて準備された始動口入賞演出図柄コマンドが、「始動口入賞演出図柄コマンド2」(MODEが「A3H」でACTIONが「02H」の始動口入賞演出図柄コマンド)である場合、遊技制御装置100は、演出制御装置300に対して、当該始動記憶(保留)に基づく特図変動表示ゲームが「はずれ・スペシャル(SP)1リーチ」であることを知らせる(指示する)ことができる。
また、ステップA255にて準備された始動口入賞演出図柄コマンドが、「始動口入賞演出図柄コマンド3」(MODEが「A3H」でACTIONが「03H」の始動口入賞演出図柄コマンド)である場合、遊技制御装置100は、演出制御装置300に対して、当該始動記憶(保留)に基づく特図変動表示ゲームが「はずれ・スペシャル(SP)2リーチ」であることを知らせる(指示する)ことができる。
また、ステップA255にて準備された始動口入賞演出図柄コマンドが、「始動口入賞演出図柄コマンド4」(MODEが「A3H」でACTIONが「04H」の始動口入賞演出図柄コマンド)である場合、遊技制御装置100は、演出制御装置300に対して、当該始動記憶(保留)に基づく特図変動表示ゲームが「通常大当り」であることを知らせる(指示する)ことができる。
また、ステップA255にて準備された始動口入賞演出図柄コマンドが、「始動口入賞演出図柄コマンド5」(MODEが「A3H」でACTIONが「05H」の始動口入賞演出図柄コマンド)である場合、遊技制御装置100は、演出制御装置300に対して、当該始動記憶(保留)に基づく特図変動表示ゲームが「確変大当り」であることを知らせる(指示する)ことができる。
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とするタッチパネル29と表示装置41における飾り特図変動表示ゲームとについて説明する。なお、飾り特図変動表示ゲームに関しては、本実施形態では、特図1の変動表示ゲームも特図2の変動表示ゲームも変わりがないので、特に区別して説明しない。
本実施形態において、タッチパネル29は、例えば、アナログ抵抗膜方式のタッチパネル(タッチパッド)である。
タッチパネル29は、アナログ抵抗膜方式のタッチパネルであれば任意であり、例えば、ガラス板と、ガラス板の表面に複数のスペーサを介して貼着されたフィルムと、を備え、フィルムとガラス板との対向する面にはそれぞれ導電膜が成膜されており、フィルムの左右両端とガラス板の前後両端とにはそれぞれ電極が設けられている。遊技者が指等によりタッチパネル29の上面(操作面)に接触すると、フィルム側の導電膜とガラス板側の導電膜とが接触して通電することとなる。このタッチパネル29においては、フィルム側の電極に電圧を印加すると導電膜の抵抗により左右方向に電位勾配ができるため、接触点の電位をガラス板側で検出すると分圧により接触点のX座標を特定可能となっている。また、ガラス板側の電極に電圧を印加すると導電膜の抵抗により前後方向に電位勾配ができるため、接触点の電位をフィルム側で検出すると分圧により接触点のY座標を特定可能となっている。そして、タッチパネル29は、このようにして特定した接触位置(X座標、Y座標)を示す検出信号を、演出制御装置300に出力し、演出制御装置300は、当該検出信号を、主制御用マイコン(1stCPU)311内のRAM等に記憶するように構成されている。
なお、本実施形態においては、タッチパネル29として、アナログ抵抗膜方式のタッチパネルを採用するが、タッチパネル29は、これに限定されるものではなく、例えばマトリックス抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
また、タッチパネル29は、抵抗膜方式のタッチパネルに限定されるものではなく、例えば、マトリクススイッチ方式、光学方式、静電容量方式、超音波方式等の公知の検出方式のタッチパネルを採用可能である。
タッチパネル29の操作面(被接触領域)は、複数の小領域に分割されている。具体的には、例えば、図16(A)に示すように、タッチパネル29の操作面は、左側の第1小領域R1と、右側の第3小領域R3と、第1小領域R1と第3小領域R3との間の第2小領域R2と、の3つの小領域に分割されている。
ここで、各小領域はそれぞれ、例えば、図16(B)に示すように、識別可能に構成されていてもよい。この場合、タッチパネル29を着色することにより各小領域を識別してもよいし、或いは、タッチパネル29として透明な部材等により形成された光透過可能なタッチパネルを採用し、タッチパネル29の側方(前方や後方)または下方に各色の光源(LED等)を配置して当該光源からの光により各小領域を識別したり、タッチパネル29の下方に表示器(LCD等)を配置して当該表示器に所定の識別画面を表示させることにより各小領域を識別したりしてもよい。また、タッチパネル29の下方に表示器を配置する場合には、表示装置41における飾り特図変動表示ゲームと略同一のものを表示するようにしてもよい。
なお、図16(A)及び(B)に示すタッチパネル29には、操作面上における各小領域の境界に破線が描かれているが、この破線は、実際のタッチパネル29に描かれていてもよいし、描かれていなくてもよい。
また、本実施形態においては、飾り特図変動表示ゲームにて変動表示される飾り特別図柄の変動態様が変更可能となっている。
本実施形態では、まず、飾り特別図柄の変動中における挙動を変更する「挙動変更」グループと、飾り特別図柄の変動速度を変更する「速度変更」グループとのいずれかを、タッチパネル29を操作することにより選択できるようになっている。
具体的には、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの開始時等に、例えば、図17に示すような、「挙動変更」グループと「速度変更」グループとのいずれかが選択可能な旨を遊技者に報知するために、“挙動変更”や“速度変更”などの操作補助表示を表示する。本実施形態では、“挙動変更”は左側に、“速度変更”は右側に表示されているため(図17参照)、演出制御装置300は、タッチパネル29によって、左側の小領域(第1小領域R1)における接触操作が検出された場合には、「挙動変更」グループが選択されたと判断し、右側の小領域(第3小領域R3)における接触操作が検出された場合には、「速度変更」グループが選択されたと判断する。
なお、図17等の表示装置41の画面を示す各図において、変動中の飾り特別図柄は、矢印で図示している。
ここで、タッチパネル29は、複数の変動態様グループ(「挙動変更」グループ、「速度変更」グループ)のうち、いずれかの変動態様グループを遊技者が選択するための変動態様グループ選択手段として機能する。
なお、本実施形態においては、タッチパネル29を操作して変動態様グループを選択するよう構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、演出ボタン25を操作して変動態様グループを選択するように構成してもよい。
また、操作補助表示として、“挙動変更”や“速度変更”とともに、“挙動変更”か“速度変更”かのいずれかを選択するよう遊技者に促すメッセージ等を出現させるようにしてもよい。
そして、演出制御装置300は、「挙動変更」グループが選択されたと判断した場合には、例えば、図18(A)に示すように、「挙動変更」グループが選択された旨を遊技者に報知するために、“挙動変更中”等の操作補助表示を表示する。これにより、各飾り特別図柄の変動中における挙動を、タッチパネル29を接触操作している遊技者の指等の動き(遊技者による操作態様)に応じて変更可能な挙動変更モードに切り替わる。
具体的には、例えば、図18(B)に示すように、遊技者が指等をタッチパネル29の第1小領域R1〜第3小領域R3のうちのいずれかの小領域に接触させた状態でその指等を左右に揺動させると、演出制御装置300は、各飾り特別図柄が左右に揺動しながら変動するように、各飾り特別図柄の変動態様を変更する。以下、飾り特別図柄が左右に揺動しながら変動する変動態様を「変動態様1」と称し、「挙動変更」グループ選択中において、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を左右に揺動させる操作態様を「操作1」と称する。
また、例えば、図18(C)に示すように、遊技者が指等をタッチパネル29の第1小領域R1〜第3小領域R3のうちのいずれかの小領域に接触させた状態でその指等を回転させると、演出制御装置300は、各飾り特別図柄がらせん状に回転しながら変動するように、各飾り特別図柄の変動態様を変更する。以下、飾り特別図柄がらせん状に回転しながら変動する変動態様を「変動態様2」と称し、「挙動変更」グループ選択中において、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を回転させる操作態様を「操作2」と称する。
また、各飾り特別図柄の変動態様が「変動態様1」や「変動態様2」に変更されている間に、遊技者が指等をタッチパネル29の第1小領域R1〜第3小領域R3のうちのいずれかの小領域に接触させた状態でその指等を遊技者側へと前方向(以下、遊技者方向と称する)にスライドさせると、演出制御装置300は、例えば、図18(A)に示すように、各飾り特別図柄の変動態様をデフォルトの変動態様に戻す。以下、「挙動変更」グループ選択中において、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を遊技者方向にスライドさせる操作態様を「デフォルト操作」と称する。
ここで、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、PROM321等に予め記憶されている操作態様パターンと、を比較することによって、遊技者による操作態様が、「デフォルト操作」、「操作1」及び「操作2」のいずれであるかを判定するように構成されている。
具体的には、例えば、図19の(1)に示すような接触位置を示す検出信号がRAM等に記憶されている場合、遊技者による操作態様は「デフォルト操作」であると判定する。
また、例えば、図19の(2)に示すような接触位置を示す検出信号がRAM等に記憶されている場合、遊技者による操作態様は「操作1」であると判定する。
また、例えば、図19の(3)に示すような接触位置を示す検出信号がRAM等に記憶されている場合、遊技者による操作態様は「操作2」であると判定する。
また、例えば、図19の(4)に示すような接触位置を示す検出信号がRAM等に記憶されている場合、遊技者による操作態様は「デフォルト操作」、「操作1」及び「操作2」のいずれでもない、すなわち、遊技者による操作態様は判別不能であると判定する。
また、演出制御装置300は、「速度変更」グループが選択されたと判断した場合には、例えば、図20(A)に示すように、「速度変更」グループが選択された旨を遊技者に報知するために、“速度変更中”等の操作補助表示を表示する。これにより、各飾り特別図柄の変動速度を、タッチパネル29を接触操作している遊技者の指等の動き(遊技者による操作態様)に応じて変更可能な速度変更モードに切り替わる。
具体的には、例えば、図20(B)に示すように、遊技者が指等をタッチパネル29の第1小領域R1〜第3小領域R3のうちのいずれかの小領域に接触させた状態でその指等を遊技者方向にスライドさせると、すなわち、その指等を各飾り特別図柄の通常の変動方向(下方向)に従う方向にスライドさせると、演出制御装置300は、各飾り特別図柄の変動速度が速くなるように、各飾り特別図柄の変動態様を変更する。以下、飾り特別図柄の変動速度が速くなる変動態様を「変動態様3」と称し、「速度変更」グループ選択中において、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を遊技者方向にスライドさせる操作態様を「操作3」と称する。
また、例えば、図20(C)に示すように、遊技者が指等をタッチパネル29の第1小領域R1〜第3小領域R3のうちの何れかの小領域に接触させた状態でその指等を遊技盤30側へと後方向(以下、遊技盤方向と称する)にスライドさせると、すなわち、その指等を各飾り特別図柄の通常の変動方向(下方向)に逆らう方向にスライドさせると、演出制御装置300は、各飾り特別図柄の変動速度が遅くなるように、各飾り特別図柄の変動態様を変更する。以下、飾り特別図柄の変動速度が遅くなる変動態様を「変動態様4」と称し、「速度変更」グループ選択中において、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を遊技盤方向にスライドさせる操作態様を「操作4」と称する。
なお、「挙動変更」グループ選択中においては、例えば、図18(A)〜(C)に示すように、「挙動変更」グループ選択中に「速度変更」グループが選択できるよう、操作補助表示として“速度変更”も表示されている。これにより、挙動変更モードから速度変更モードへと切り替え可能となっている。
また、「速度変更」グループ選択中においては、例えば、図20(A)〜(C)に示すように、「速度変更」グループ選択中に「挙動変更」グループが選択できるよう、操作補助表示として“挙動変更”も表示されている。これにより、速度変更モードから挙動変更モードへと切り替え可能となっている。
ここで、表示装置41は、所定条件の成立(例えば、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞)に基づき、識別図柄(飾り特別図柄)を変動表示させる変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置として機能する。
また、演出制御装置300は、同時に表示される複数の識別図柄(飾り特別図柄)の変動表示により実行される変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の実行を制御可能な変動表示ゲーム制御手段として機能する。
また、演出制御装置300は、当該変動表示ゲーム制御手段が有する識別図柄変動態様制御手段(変動表示ゲームの実行中、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様を判断し、当該操作態様に応じて識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御可能な手段)として機能する。
ここで、本実施形態では、演出制御装置300は、上述したように、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づき判断した操作態様が、変動態様グループ選択手段(タッチパネル29)により選択された変動態様グループに対応する操作態様であった場合に、当該操作態様に応じて識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御するようになっている。
すなわち、遊技者が変動態様グループとして「挙動変更」グループを選択した際は、遊技者による操作態様が「挙動変更」グループに対応する操作態様(「操作1」、「操作2」、「デフォルト操作」)である場合に、当該操作態様に応じて飾り特別図柄の変動態様(飾り特別図柄の変動中における挙動)を変更する。
また、遊技者が変動態様グループとして「速度変更」グループを選択した際は、遊技者による操作態様が「速度変更」グループに対応する操作態様(「操作3」、「操作4」)である場合に、当該操作態様に応じて飾り特別図柄の変動態様(飾り特別図柄の変動速度)を変更するように構成されている。
また、本実施形態において、演出制御装置300は、複数の識別図柄(飾り特別図柄)が特別結果(大当り)の一部を構成している状態であるリーチ状態となった場合に、複数の識別図柄のうちの変動中の識別図柄の変動態様に応じたリーチ演出態様を表示可能となっている。
ここで、本実施形態では、特図変動表示ゲームの変動パターンが、NリーチからSPリーチに発展する等の発展型のリーチが発生する変動パターンである場合に、発展先のリーチ演出態様として、リーチ状態となった後も変動している変動中の飾り特別図柄(例えば、中央の第2特別図柄)の変動態様に応じたリーチ演出態様を表示するように構成されている。
具体的には、例えば、飾り特別図柄の変動態様が、左右に揺動しながら変動する変動態様(「変動態様1」)に変更されている場合、演出制御装置300は、例えば、図21(A)に示すように、雪が左右に揺動しながら降っている背景が表示される「雪リーチ」に発展させる。
また、例えば、飾り特別図柄の変動態様が、らせん状に回転しながら変動する変動態様(「変動態様2」)に変更されている場合、演出制御装置300は、例えば、図21(B)に示すように、風がらせん状に回転しながら吹いている背景が表示される「風リーチ」に発展させる。
また、例えば、飾り特別図柄の変動態様が、変動速度が速くなる変動態様(「変動態様3」)に変更されている場合、演出制御装置300は、例えば、図21(C)に示すように、車が高速で移動している背景が表示される「車リーチ」に発展させる。
また、例えば、飾り特別図柄の変動態様が、変動速度が遅くなる変動態様(「変動態様4」)に変更されている場合、演出制御装置300は、例えば、図21(D)に示すように、亀が低速で移動している背景が表示される「亀リーチ」に発展させる。
次に、上記演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
演出制御装置300による制御処理は、図22(A)に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われる図22(B)に示す割込み処理とからなる。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
図22(A)に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理は、電源投入時の初期化処理(ステップB1)と、タイマを起動する処理(ステップB2)である。その後、演出制御装置300は、メインループ処理ステップB3〜B9を行う。
このループ処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップB3)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップB3)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(例えば、負論理データ)と、第2コマンド(例えば、第1コマンドをビット反転した正論理データ)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンドと第2コマンドが矛盾しない場合(例えば、一方の反転ビットが他方に一致する場合)に正しくコマンドを受信したと判定するようになっている。
次いで、所定条件の成立に基づき、一括表示装置50の変動表示部51,52における特図変動表示ゲームと並行して表示装置41で実行される飾り特図変動表示ゲームの変動時間や変動パターン等の制御に関するゲーム制御処理(ステップB4)、表示装置41における演出表示およびこれらの表示に関連してセンターケース40に設けられた状態報知ランプ等を駆動する表示制御処理(ステップB5)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a,19bの駆動処理)である音制御処理(ステップB6)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB7)を行う。さらに、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行うエラー監視処理(ステップB8)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB9)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB3)に戻る。
一方、演出制御装置300における割込み処理では、図22(B)に示すように、先ず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップB11)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB12)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップB13)を行う。その後、タッチパネル29に関連した処理を行うタッチパネル関連処理(ステップB14)、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB15)を行い、割込み処理を終了する。
〔タッチパネル操作可能フラグ設定処理〕
次に、図22(B)に示す演出制御装置300の割込み処理におけるタッチパネル関連処理(ステップB14)で行われるタッチパネル操作可能フラグ設定処理の一例について、図23のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの進行状況に関する情報である変動表示ゲーム進行情報を確認し(ステップB21)、当該確認結果に基づいて、操作開始タイミングであるか否かを判断する(ステッB22)。具体的には、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に、操作開始タイミングであると判断する。
ステップB22で、操作開始タイミングであると判断した場合(ステップB22;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをオンにする処理(ステップB23)を行い、“挙動変更”や“速度変更”などの操作補助表示(図17参照)を表示するための設定を行って、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が有効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が開始する。
一方、ステップB22で、操作開始タイミングでないと判断した場合(ステップB22;No)、演出制御装置300は、ステップB21での確認結果に基づいて、操作終了タイミングであるか否かを判断する(ステップB24)。具体的には、例えば、リーチ開始時や、タッチパネル操作可能フラグをオンにしてから所定時間経過後に、操作終了タイミングであると判断する。
ステップB24で、操作終了タイミングであると判断した場合(ステップB24;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをクリアする処理(ステップB25)を行い、操作補助表示を消去するための設定を行って、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が無効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が終了する。
一方、ステップB24で、操作終了タイミングでないと判断した場合(ステップB24;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。
〔変更内容設定処理〕
次に、図22(B)に示す演出制御装置300の割込み処理におけるタッチパネル関連処理(ステップB14)で行われる変更内容設定処理の一例について、図24のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグがオンであるか否かを判断する(ステップB31)。
ステップB31で、タッチパネル操作可能フラグがオンであると判断した場合(ステップB31;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル29から出力された検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する(ステップB32)。
ステップB32で、検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップB32;No)、演出制御装置300は、当該変更内容設定処理を終了する。
一方、ステップB32で、検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップB32;Yes)、演出制御装置300は、当該検出信号に基づいて検出座標位置、すなわち接触位置(X座標、Y座標)を確認し(ステップB33)、当該確認結果に基づいて挙動変更領域、すなわち「挙動変更」グループに対応する領域が選択されたか否かを判断する(ステップB34)。具体的には、接触位置が、操作補助表示“挙動変更”に対応する小領域(本実施形態では第1小領域R1)内であるか否かを判断する。
ステップB34で、挙動変更領域が選択されたと判断した場合(ステップB34;Yes)、具体的には、接触位置が第1小領域R1内であると判断した場合、演出制御装置300は、遊技者により「挙動変更」グループが選択されたと判断して、挙動変更領域選択フラグをオンにする処理を行い(ステップB35)、“挙動変更中”等の操作補助表示(図18(A)参照)を表示するための設定を行って、当該変更内容設定処理を終了する。これにより、挙動変更モードに切り替わる。
一方、ステップB34で、挙動変更領域が選択されていないと判断した場合(ステップB34;No)、具体的には、接触位置が第1小領域R1内でないと判断した場合、演出制御装置300は、ステップB33での確認結果に基づいて、速度変更領域、すなわち「速度変更」グループに対応する領域が選択されたか否かを判断する(ステップB36)。具体的には、接触位置が、操作補助表示“速度変更”に対応する小領域(本実施形態では第3小領域R3)内であるか否かを判断する。
ステップB36で、速度変更領域が選択されたと判断した場合(ステップB36;Yes)、具体的には、接触位置が第3小領域R3内であると判断した場合、演出制御装置300は、遊技者により「速度変更」グループが選択されたと判断して、速度変更領域選択フラグをオンにする処理を行い(ステップB37)、“速度変更中”等の操作補助表示(図20(A)参照)を表示するための設定を行って、当該変更内容設定処理を終了する。これにより、速度変更モードに切り替わる。
一方、ステップB36で、速度変更領域が選択されていないと判断した場合(ステップB36;No)、具体的には、接触位置が第3小領域R3内でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該変更内容設定処理を終了する。
すなわち、接触位置が、第2小領域R2内であると判断した場合や、複数の小領域内であると判断した場合(すなわち、遊技者が複数の小領域に同時に接触した場合)には、挙動変更領域選択フラグも速度変更領域選択フラグもオンせずに、当該変更内容設定処理を終了する。
なお、タッチパネル操作可能フラグがオンされてから所定時間が経過しても、挙動変更領域選択フラグも速度変更領域選択フラグもオンされない場合には、遊技者により変動態様グループ(「挙動変更」グループや「速度変更」グループ)が選択されなくても、挙動変更領域選択フラグ(或いは、速度変更領域選択フラグであってもよい。)をオンする処理を行ってもよい。これにより、自動的に「挙動変更」グループ(或いは、「速度変更」グループ)が選択されるので、飾り特別図柄の変動態様を変更するためには、まず変動態様グループを選択しなければならないことを知らない遊技者であっても、飾り特別図柄の変動態様を変更することができる。
また、ステップB31で、タッチパネル操作可能フラグがオンでないと判断した場合(ステップB31;No)、演出制御装置300は、挙動変更領域選択フラグをクリアする処理(ステップB38)、速度変更領域選択フラグをクリアする処理(ステップB39)を行って、当該変更内容設定処理を終了する。
〔タッチパネル操作時処理〕
次に、図22(B)に示す演出制御装置300の割込み処理におけるタッチパネル関連処理(ステップB14)で行われるタッチパネル操作時処理の一例について、図25のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、挙動変更領域選択フラグがオンであるか否かを判断する(ステップB51)。
ステップB51で、挙動変更領域選択フラグがオンであると判断した場合(ステップB51;Yes)、演出制御装置300は、特定パターンの検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する(ステップB52)。ここで、RAM等に記憶されている検出信号の個数が少ない場合、遊技者による操作態様を判別することができない。そこで、ステップB52で、特定パターンの検出信号(一連のまとまった接触操作に基づく検出信号)がRAM等に記憶されているか、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値(例えば5個)以上であるかを判断して、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合は、遊技者による操作態様を判定する処理を行わないように構成されている。
ステップB52で、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップB52;No)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップB52で、特定パターンの検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップB52;Yes)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上であると判断した場合、演出制御装置300は、当該記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、PROM321等に予め記憶されている操作態様パターンとを比較して、遊技者による操作態様が「操作1」であるか否か判断する(ステップB53)。
ステップB53で、遊技者による操作態様が「操作1」であると判断した場合(ステップB53;Yes)、演出制御装置300は、飾り特別図柄の変動態様を「操作1」に対応する変動態様(「変動態様1」)に変更するために、操作1対応の図柄変動態様変更設定を行い(ステップB54)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、飾り特別図柄の変動態様が「変動態様1」に変更される(図18(B)参照)。
一方、ステップB53で、遊技者による操作態様が「操作1」でないと判断した場合(ステップB53;No)、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、PROM321等に予め記憶されている操作態様パターンとを比較して、遊技者による操作態様が「操作2」であるか否か判断する(ステップB55)。
ステップB55で、遊技者による操作態様が「操作2」であると判断した場合(ステップB55;Yes)、演出制御装置300は、飾り特別図柄の変動態様を「操作2」に対応する変動態様(「変動態様2」)に変更するために、操作2対応の図柄変動態様変更設定を行い(ステップB56)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、飾り特別図柄の変動態様が「変動態様2」に変更される(図18(C)参照)。
一方、ステップB55で、遊技者による操作態様が「操作2」でないと判断した場合(ステップB55;No)、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、PROM321等に予め記憶されている操作態様パターンとを比較して、遊技者の操作態様が「デフォルト操作」であるか否かを判断する(ステップB57)。
ステップB57で、遊技者の操作態様が「デフォルト操作」であると判断した場合(ステップB57;Yes)、演出制御装置300は、飾り特別図柄の変動態様を「デフォルト操作」に対応する変動態様(「デフォルトの変動態様」)に変更するために、デフォルト操作対応の図柄変動態様変更設定を行い(ステップB58)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、飾り特別図柄の変動態様が「デフォルトの変動態様」に変更される(図18(A)参照)。
一方、ステップB57で、遊技者による操作態様が「デフォルト操作」でないと判断した場合(ステップB57;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
すなわち、当該記憶されている検出信号の個数がまだ少ないために操作態様を判別できないと判断した場合や、或いは、遊技者による操作態様が「デフォルト操作」、「操作1」及び「操作2」のいずれでもないと判断した場合は、飾り特別図柄の変動態様を変更するための設定を行わずに、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
なお、遊技者による操作態様が「デフォルト操作」、「操作1」及び「操作2」のいずれでもないと判断した場合には、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行うようにしてもよい。
また、ステップB51で、挙動変更領域選択フラグがオンでないと判断した場合(ステップB51;No)、演出制御装置300は、速度変更領域選択フラグがオンであるか否かを判断する(ステップB59)。
ステップB59で、速度変更領域選択フラグがオンでないと判断した場合(ステップB59;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップB59で、速度変更領域選択フラグがオンであると判断した場合(ステップB59;Yes)、演出制御装置300は、特定パターンの検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する(ステップB60)。
ステップB60で、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップB60;No)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップB60で、特定パターンの検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップB60;Yes)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上であると判断した場合、演出制御装置300は、当該記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、遊技者による操作態様が「操作3」であるか否かを判断する(ステップB61)。
ステップB61で、遊技者による操作態様が「操作3」であると判断した場合(ステップB61;Yes)、演出制御装置300は、飾り特別図柄の変動態様を「操作3」に対応する変動態様(「変動態様3」)に変更するために、操作3対応の図柄変動態様変更設定を行い(ステップB62)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、飾り特別図柄の変動態様が「変動態様3」に変更される(図20(B)参照)。
一方、ステップB61で、遊技者による操作態様が「操作3」でないと判断した場合(ステップB61;No)、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、遊技者による操作態様が「操作4」であるか否かを判断する(ステップB63)。
ステップB63で、遊技者による操作態様が「操作4」であると判断した場合(ステップB63;Yes)、演出制御装置300は、飾り特別図柄の変動態様を「操作4」に対応する変動態様(「変動態様4」)に変更するために、操作4対応の図柄変動態様変更設定を行い(ステップB64)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、飾り特別図柄の変動態様が「変動態様4」に変更される(図20(C)参照)。
一方、ステップB63で、遊技者による操作態様が「操作4」でないと判断した場合(ステップB63;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
すなわち、当該記憶されている検出信号の個数がまだ少ないために操作態様を判別できないと判断した場合や、或いは、遊技者による操作態様が「操作3」及び「操作4」のいずれでもないと判断した場合は、飾り特別図柄の変動態様を変更するための設定を行わずに、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
なお、演出制御装置300は、遊技者による操作態様が「操作3」及び「操作4」のいずれでもないと判断した場合には、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行うようにしてもよい。
図26に、本実施形態において上述したようなタッチパネル関連処理(図22(B)参照)で行われる各種処理(図23〜図25)を実行する場合のタイムチャートの一例を示す。
まず、特図変動表示ゲームが開始すると、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が開始するとともに、タッチパネル操作有効期間が開始する。
このタッチパネル操作有効期間中には、タッチパネル29における接触操作が有効状態になるとともに、“挙動変更”、“速度変更”、“挙動変更中”、“速度変更中”等の操作補助表示が表示可能になる。なお、タッチパネル29の各小領域を、光源や表示器などにより識別する場合には、このタッチパネル操作有効期間中にのみ、光源や表示器などを起動して、各小領域を識別するようにしてもよい。
そして、タッチパネル操作有効期間中に、タッチパネル29から検出信号が出力されると、飾り特別図柄の変動態様を変更する等の処理が行われる。
次いで、所定のタイミングとなりリーチが成立すると、タッチパネル操作有効期間が終了し、ゲーム結果調整期間が開始する。ここで、例えば、「デフォルトの変動態様」(図20(A)参照)と「変動態様3」(図20(B)参照)と「変動態様4」(図20(C)参照)とでは変動速度が異なる。したがって、飾り特別図柄の変動態様に応じて、リーチ成立後にも変動している変動中の飾り特別図柄(例えば、中央の第2特別図柄)を予め定めた図柄(数字等)で停止させるまでに要する時間が異なる場合がある。そのため、表示上の調整を行う期間としてゲーム結果調整期間を設けている。
なお、ゲーム結果調整期間中は、タッチパネル操作有効期間が終了しており、タッチパネル29における接触操作が無効状態となっているため、タッチパネル29から検出信号が出力されても、飾り特別図柄の変動態様を変更する等の処理は行われない。
そして、ゲーム結果調整期間が終了して、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が停止すると、当該特図変動表示ゲームが終了する。
次いで、再び、特図変動表示ゲームが開始すると、飾り特図(飾り特別図柄)の変動が開始するとともに、タッチパネル操作有効期間が開始する。
ここで、当該開始した特図変動表示ゲームの変動パターンは、NリーチからSPリーチに発展する発展型のリーチが発生する変動パターンであるとする。
次いで、所定のタイミングとなりリーチ(Nリーチ)が成立すると、タッチパネル操作有効期間が終了する。
その後、所定時間経過後に、リーチが成立する直前の飾り特別図柄の変動態様に応じたSPリーチが開始する。ここで、リーチ成立後にも変動している変動中の飾り特別図柄は、リーチが成立する直前の変動態様で変動している。
なお、SPリーチ中は、タッチパネル操作有効期間が終了しており、タッチパネル29における接触操作が無効状態となっているため、タッチパネル29から検出信号が出力されても、飾り特別図柄の変動態様を変更する等の処理は行われない。
そして、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が停止して、SPリーチが終了すると、当該変動表示ゲームが終了する。
以上説明した第1の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の実行中、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様を判断し、当該操作態様に応じて識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御可能となっている。
すなわち、遊技者によるタッチパネル29に対する操作態様に応じて、表示装置41における飾り特別図柄の変動態様を変更することができる。つまり、遊技者による操作態様に基づいて飾り特別図柄の変動態様が決定される。したがって、単なる操作ボタンを「押す」という操作やタッチパネル式の操作手段を「タッチする」という操作ではなく、二次元的な移動操作によって、遊技者の好みのタイミングで、遊技者の好みの変動態様に、飾り特別図柄の変動態様を変更できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、以上説明した第1の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、リーチ状態となった場合に、変動中の識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様に応じたリーチ演出態様を表示可能である。
すなわち、遊技者によるタッチパネル29に対する操作態様に基づき決定された飾り特別図柄の変動態様に応じて、リーチ演出態様を変更することができる。したがって、表示されるリーチ演出態様に、遊技者による操作態様が関わるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、以上説明した第1の実施形態の遊技機10によれば、変動態様は複数(「デフォルトの変動態様」、「変動態様1」、「変動態様2」、「変動態様3」、「変動態様4」等)であり、当該複数の変動態様はそれぞれ複数の変動態様グループ(「挙動変更」グループ、「速度変更」グループ)のうちのいずれかの変動態様グループに属している。また、操作態様は複数(「デフォルト操作」、「操作1」、「操作2」、「操作3」、「操作4」等)であり、当該複数の操作態様はそれぞれ複数の変動態様グループのうちのいずれかの変動態様グループに対応している。
すなわち、変動態様グループを用いて変動態様と操作態様とが分類されているため、多種多様な操作態様を設けておいても、遊技者による操作態様に基づいて、遊技者が意図する変動態様を容易に判断することができる。
また、以上説明した第1の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づき判断した操作態様が、変動態様グループ選択手段(タッチパネル29)により選択された変動態様グループに対応する操作態様であった場合に、当該操作態様に応じて識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御するように構成されている。
すなわち、遊技者による操作態様が、遊技者が選択した変動態様グループに対応する操作態様であった場合に、当該操作態様に応じて飾り特別図柄の変動態様を変更するようになっている。したがって、遊技者による操作態様が、遊技者が選択した変動態様グループに対応する操作態様でなければ、飾り特別図柄の変動態様は変化しないので、遊技者が意図しない変動態様に変更してしまうことを防止することができる。
なお、第1の実施形態においては、「速度変更」グループ選択中、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を遊技者方向(又は、遊技盤方向)にスライドさせたスライド回数に応じて、変動速度を速く(又は、遅く)していってもよい。
或いは、遊技者が指等をタッチパネル29に接触させた状態でその指等を遊技者方向(又は、遊技盤方向)にスライドさせる際のスライド速度に応じて、変動速度を速く(又は、遅く)していってもよい。
また、第1の実施形態においては、特定パターンの検出信号が記憶されている場合、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上である場合に、遊技者による操作態様を判定する処理を行うよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、タッチパネル29からの検出信号の出力タイミング等に基づきタッチパネル29から指等が離れたと判断した際に、遊技者による操作態様を判定する処理を行うように構成してもよい。
また、第1の実施形態においては、タッチパネル29を前面枠12に備えるように構成したが、タッチパネル29の位置は、これに限定されるものではなく、例えば、カバーガラス14の前面に表示装置41に対応してタッチパネル29を備えるようにしてもよい。
また、第1の実施形態においては、タッチパネル29の各小領域(第1小領域R1〜第3小領域R3)を、複数の識別図柄(飾り特別図柄)それぞれの変動表示領域に対応付けておき、そして、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づいて、複数の小領域のうち、接触操作された小領域を判定し、当該検出信号に基づき判断した操作態様に応じて、当該接触操作された小領域に対応する変動表示領域における識別図柄の変動態様を制御するように演出制御装置300を構成してもよい。
具体的には、例えば、左側の飾り特別図柄(第1特別図柄)と左側の小領域(第1小領域R1)、中央の飾り特別図柄(第2特別図柄)と中央の小領域(第2小領域R2)、右側の飾り特別図柄(第3特別図柄)と右側の小領域(第3小領域R3)をそれぞれ対応付けておく。
そして、例えば、「挙動変更」パターン選択中に、遊技者が第1小領域R1において「操作1」を行った場合は、第1小領域R1に対応する変動表示領域(左側)に表示されている飾り特別図柄(第1特別図柄)の変動態様のみを「変動態様1」に変更したり、「速度変更」パターン選択中に、遊技者が第3小領域R3において「操作3」を行った場合は、第3小領域R3に対応する変動表示領域(右側)に表示されている飾り特別図柄(第3特別図柄)の変動態様のみを「変動態様3」に変更したりするように構成してもよい。
これにより、第1小領域R1〜第3小領域R3のうち、遊技者により接触操作された小領域に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄の変動態様を変更することができる。
したがって、飾り特別図柄ごとに変動態様を変更することができ、より遊技者の好みに合った変動態様を提示できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、各小領域を、例えば、図16(B)に示すように識別可能に構成すれば、遊技者が変動態様を変更したい飾り特別図柄に対応する小領域が明確になるため、接触操作が行い易くなって、使い勝手が良くなる。
<変形例1>
次に、第1の実施形態の変形例である変形例1について説明する。
変形例1の遊技機10は、特定の変動表示ゲームの実行の際に、識別図柄(飾り特別図柄)を変動表示が開始されない変動待機状態(仮停止状態)に制御し、そして、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出されると、変動待機状態の識別図柄を、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づき判断した操作態様(接触操作方向)に応じた方向へと変動表示するように構成されている。
具体的には、本実施形態において、演出制御装置300は、揺れ変動が設定されている特図変動表示ゲームの実行の際に、例えば、図27(A)に示すように、各飾り特別図柄を、仮停止状態にして揺れ変動させる。
そして、演出制御装置300は、例えば、タッチパネル29により第1小領域R1における接触操作が検出されると、当該接触操作方向に応じた方向へと、第1小領域R1に対応する変動表示領域における飾り特別図柄(第1特別図柄)を変動表示するように構成されている。
すなわち、例えば、図27(B)に示すように、遊技者が第1小領域R1及び第2小領域R2において指等を遊技者方向にスライドさせるとともに、第3小領域R3において指等を遊技盤方向にスライドさせると、第1小領域R1及び第2小領域R2に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)を当該遊技者方向に応じた方向である下方向(以下、通常方向と称する)に変動させ、第3小領域R3に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第3特別図柄)を当該遊技盤方向に応じた方向である上方向(以下、逆方向と称する)に変動させる。
また、例えば、図27(C)に示すように、第3小領域R3では接触操作が行われず、第1小領域R1及び第2小領域R2のみで接触操作が行われたときは、接触操作が行われていない第3小領域R3に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第3特別図柄)は変動させずに、接触操作が行われた第1小領域R1及び第2小領域R2に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)のみを変動させる。
〔タッチパネル操作時処理〕
次に、変形例1におけるタッチパネル操作時処理の一例について、図28及び図29のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、現在行っている特図変動表示ゲームが、揺れ変動が設定されている特定の変動表示ゲームであるか否かを判断する(ステップC51)。なお、本実施形態では、当該揺れ変動の設定は、保留内の特図変動表示ゲームにおいて継続するようになっている。すなわち、例えば、現在の保留数が「2」である場合、現在行っている特図変動表示ゲームに揺れ変動が設定されている場合には、保留「1」に基づく特図変動表示ゲームや保留「2」に基づく特図変動表示ゲームでも揺れ変動が継続して設定されるようになっている。
ステップC51で、現在行っている特図変動表示ゲームが特定の変動表示ゲームでないと判断した場合(ステップC51;No)、演出制御装置300は、ステップC57の処理に移行する。
一方、ステップC51で、現在行っている特図変動表示ゲームが特定の変動表示ゲームであると判断した場合(ステップC51;Yes)、演出制御装置300は、現在表示中の飾り図柄(飾り特別図柄)を確認し(ステップC52)、当該確認結果に基づいて、現在表示中の飾り特別図柄の中に確変図柄があるか否かを判断する(ステップC53)。
ステップC53で、現在表示中の飾り特別図柄の中に確変図柄があると判断した場合(ステップC53;Yes)、演出制御装置300は、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドを確認し(ステップC54)、当該確認結果に基づいて、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に「始動口入賞演出図柄コマンド4」(図15参照)があるか否かを判断する(ステップC55)。すなわち、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」となるゲームがあるか否かを判断する。
ステップC55で、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に「始動口入賞演出図柄コマンド4」があると判断した場合(ステップC55;Yes)、演出制御装置300は、各飾り特別図柄の仮停止状態を解除して変動を開始するとともに、“挙動変更”や“速度変更”などの操作補助表示を表示するための設定を行って、ステップC57の処理に移行する。
ここで、特図変動表示ゲームの結果が「通常大当り」である場合に、現在表示中の仮停止状態の飾り特別図柄の中に確変図柄があると、この確変図柄が、仮停止状態のまま最後まで(結果態様を表示する時点まで)残ってしまう可能性があり、矛盾が生じる虞がある。そこで、当該矛盾が生じるのを回避するために、現在表示中の仮停止状態の飾り特別図柄の中に確変図柄がある場合であり、かつ、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」となるゲームがある場合は、現在行っている特図変動表示ゲームが特定の変動表示ゲームであっても、変形例1特有の処理(揺れ変動している仮停止状態の飾り特別図柄を、遊技者による接触操作方向に応じた方向へと変動させる処理)は実行せずに、例えば、図17に示すように、仮停止状態の飾り特別図柄の変動を開始するとともに、“挙動変更”や“速度変更”などの操作補助表示を表示して、現在行っている特図変動表示ゲームが特定の変動表示ゲームでない場合と同一の処理に移行するように構成されている。
次いで、ステップC57の処理を行うが、図28に示すように、ステップC57〜C70の処理は、第1の実施形態のタッチパネル操作時処理(図25)におけるB51〜B64の処理と略同一であるため詳細な説明は省略する。
一方、ステップC55で、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に「始動口入賞演出図柄コマンド4」がないと判断した場合(ステップC55;No)、演出制御装置300は、特定変動パターン実行許可フラグをオンにする処理を行い(ステップC56)、図29のステップC71の処理に移行する。
また、ステップC53で、現在表示中の飾り特別図柄の中に確変図柄がないと判断した場合(ステップC53;No)も、特定変動パターン実行許可フラグをオンにする処理を行い(ステップC56)、図29のステップC71の処理に移行する。
これにより、変形例1特有の処理(揺れ変動している仮停止状態の飾り特別図柄を、遊技者による接触操作方向に応じた方向へと変動させる処理)の実行が可能となる。
ステップC71では、特定パターンの検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する。
ステップC71で、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップC71;No)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップC71で、特定パターンの検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップC71;Yes)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上であると判断した場合、演出制御装置300は、当該記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、遊技者による操作態様が、通常方向パターンであるか否かを判断する(ステップC72)。具体的には、遊技者による接触操作方向が、通常方向に対応する方向(遊技者方向)であるか否かを判断する。
ステップC72で、遊技者による操作態様が通常方向パターンであると判断した場合(ステップC72;Yes)、具体的には、遊技者による接触操作方向が遊技者方向であると判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号を分析して接触操作された小領域を判定し(ステップC73)、当該判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)であるか否かを判断する(ステップC74)。
ステップC74で、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)であると判断した場合(ステップC74;Yes)、演出制御装置300は、第1図柄(第1特別図柄)を通常方向へ変動させるための設定を行い(ステップC75)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第1特別図柄が通常の変動方向(下方向)に変動表示される。
一方、ステップC74で、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)でないと判断した場合(ステップC74;No)、演出制御装置300は、ステップC73での判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)であるか否かを判断する(ステップC76)。
ステップC76で、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)であると判断した場合(ステップC76;Yes)、演出制御装置300は、第2図柄(第2特別図柄)を通常方向へ変動させるための設定を行い(ステップC77)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第2特別図柄が通常の変動方向(下方向)に変動表示される。
一方、ステップC76で、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)でないと判断した場合(ステップC76;No)、演出制御装置300は、接触操作された小領域は第3図柄(第3特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第3小領域R3)であると判断して、第3図柄(第3特別図柄)を通常方向へ変動させるための設定を行い(ステップC78)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第3特別図柄が通常の変動方向(下方向)に変動表示される。
また、ステップC72で、遊技者による操作態様が通常方向パターンでないと判断した場合(ステップC72;No)、具体的には、遊技者による接触操作方向が遊技者方向でないと判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、遊技者による操作態様が、逆方向パターンであるか否かを判断する(ステップC79)。具体的には、遊技者による接触操作方向が、逆方向に対応する方向(遊技盤方向)であるか否かを判断する。
ステップC79で、遊技者による操作態様が逆方向パターンであると判断した場合(ステップC79;Yes)、具体的には、遊技者による接触操作方向が遊技盤方向であると判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号を分析して接触操作された小領域を判定し(ステップC80)、当該判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)であるか否かを判断する(ステップC81)。
ステップC81で、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)であると判断した場合(ステップC81;Yes)、演出制御装置300は、第1図柄(第1特別図柄)を逆方向へ変動させるための設定を行い(ステップC82)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第1特別図柄が通常の変動方向とは逆の方向(上方向)に変動表示される。
一方、ステップC81で、接触操作された小領域は第1図柄(第1特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第1小領域R1)でないと判断した場合(ステップC81;No)、演出制御装置300は、ステップC80での判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)であるか否かを判断する(ステップC83)。
ステップC83で、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)であると判断した場合(ステップC83;Yes)、演出制御装置300は、第2図柄(第2特別図柄)を逆方向へ変動させるための設定を行い(ステップC84)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第2特別図柄が通常の変動方向とは逆の方向(上方向)に変動表示される。
一方、ステップC83で、接触操作された小領域は第2図柄(第2特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第2小領域R2)でないと判断した場合(ステップC83;No)、演出制御装置300は、接触操作された小領域は第3図柄(第3特別図柄)の変動表示領域に対応する小領域(第3小領域R3)であると判断して、第3図柄(第3特別図柄)を逆方向へ変動させるための設定を行い(ステップC85)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、第3特別図柄が通常の変動方向とは逆の方向(上方向)に変動表示される。
また、ステップC79で、遊技者による操作態様が逆方向パターンでないと判断した場合(ステップC79;No)、具体的には、遊技者による接触操作方向が遊技盤方向でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
なお、演出制御装置300は、遊技者による操作態様が通常方向パターンでも逆方向パターンでもないと判断した場合には、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行うようにしてもよい。
図30に、本実施形態において上述したようなタッチパネル関連処理(図22(B)参照)で行われる各種処理(図23、図24、図28、図29)を実行する場合のタイムチャートの一例を示す。
まず、特図変動表示ゲームが開始すると、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が開始するとともに、タッチパネル操作有効期間が開始する。
なお、タッチパネル操作有効期間中、各飾り特別図柄は、タッチパネル29から対応する検出信号が出力されるまでは、仮停止状態となっており、揺れ変動している。
このタッチパネル操作有効期間中には、タッチパネル29における接触操作が有効状態になるとともに、例えば“タッチパネルを操作して図柄を変動させよう”等の操作補助表示が表示可能になる。なお、タッチパネル29の各小領域を、光源や表示器などにより識別する場合には、このタッチパネル操作有効期間中にのみ、光源や表示器などを起動して、各小領域を識別するようにしてもよい。
そして、タッチパネル操作有効期間中に、第1小領域R1において遊技者方向(又は遊技盤方向)への接触操作が行われ、それに伴いタッチパネル29から検出信号が出力されると、第1図柄(第1特別図柄)の通常方向(又は逆方向)への変動表示が開始する。
また、タッチパネル操作有効期間中に、第2小領域R2において遊技者方向(又は遊技盤方向)への接触操作が行われ、それに伴いタッチパネル29から検出信号が出力されると、第2図柄(第2特別図柄)の通常方向(又は逆方向)への変動表示が開始する。
そして、タッチパネル操作有効期間が終了し、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が停止すると、当該特図変動表示ゲームが終了する。
なお、タッチパネル操作有効期間が終了すると、タッチパネル29における接触操作が無効状態になるため、タッチパネル29から検出信号が出力されても、飾り特別図柄の変動態様を変更する等の処理は行われない。
次いで、再び、特図変動表示ゲームが開始すると、飾り特図(飾り特別図柄)の変動が開始するとともに、タッチパネル操作有効期間が開始する。
この場合も、各飾り特別図柄は、タッチパネル29から対応する検出信号が出力されるまでは、仮停止状態となっており、揺れ変動している。
そして、タッチパネル操作有効期間中に、第3小領域R3において遊技者方向への接触操作が行われ、それに伴いタッチパネル29から検出信号が出力されると、第3図柄(第3特別図柄)の通常方向への変動表示が開始する。その後、第3小領域R3において遊技盤方向への接触操作が行われ、それに伴いタッチパネル29から検出信号が出力されると、第3図柄(第3特別図柄)の変動方向が切り替わり、第3図柄(第3特別図柄)の逆方向への変動表示が開始する。
また、その間に、第2小領域R2において遊技者方向(又は遊技盤方向)への接触操作が行われ、それに伴いタッチパネル29から検出信号が出力されると、第2図柄(第2特別図柄)の通常方向(又は逆方向)への変動表示が開始する。
次いで、所定のタイミングになると、タッチパネル操作有効期間が終了し、ゲーム結果調整期間が開始する。
なお、このゲーム結果調整期間中には、例えば、リーチに発展させたり、予め定めた図柄(数字等)で停止表示させたりするための表示上の調整を行うために、仮停止していた飾り特別図柄(図30では第1図柄(第1特別図柄))の通常方向(又は逆方向)への変動表示が開始するようになっている。
そして、ゲーム結果調整期間が終了し、飾り図柄(飾り特別図柄)の変動が停止すると、当該特図変動表示ゲームが終了する。
以上説明した変形例1の遊技機10によれば、演出制御装置300は、特定の変動表示ゲームの実行の際に、識別図柄(飾り特別図柄)を変動表示が開始されない変動待機状態(仮停止状態)に制御し、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出されると、変動待機状態の識別図柄を、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づき判断した操作態様(接触操作方向)に応じた方向へと変動表示するように構成されている。
すなわち、仮停止状態の飾り特別図柄を、遊技者による接触操作方向に応じた方向へと変動表示することができる。したがって、遊技者が意図する方向へと飾り特別図柄を変動させることができ、より遊技者の好みに合った変動態様を提示できる。
また、遊技者は、変動させずに残しておく飾り特別図柄と、残しておかずに変動させる飾り特別図柄とを選択できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
なお、変形例1において、現在表示中の飾り特別図柄の中に確変図柄がある場合であり、かつ、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」となるゲームがある場合は、現在行っている特別変動表示ゲームが特定の変動表示ゲームであっても、変形例1特有の処理(揺れ変動している仮停止状態の飾り特別図柄を、遊技者による接触操作方向に応じた方向へと変動させる処理)を実行しないように構成することで、変動させずに残った飾り特別図柄が確変図柄である場合に生じる矛盾を回避するようにしたが、当該回避の仕方はこれに限定されるものではなく、例えば、ゲーム結果調整期間中に変動させずに残った確変図柄を通常図柄に変更したり、或いは、通常図柄と変動させずに残った確変図柄のダブルラインリーチ等の複数ラインリーチを導出したりするようにしてもよい。
また、変形例1においては、揺れ変動の設定が、保留内の特図変動表示ゲームにおいて継続するように構成して、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」となるゲームがある場合(ステップC55;Yes)は、変形例1特有の処理(揺れ変動している仮停止状態の飾り特別図柄を、遊技者による接触操作方向に応じた方向へと変動させる処理)を実行しないように構成したが、これに限ることはなく、例えば、揺れ変動が、特図変動表示ゲームごとに設定されるように構成して、現在表示中の飾り特別図柄の中に確変図柄がある場合であり、かつ、現在行っている特別変動表示ゲームの結果が「通常大当り」である場合に、変形例1特有の処理を実行しないように構成してもよい。
また、変形例1においては、複数の小領域において同時に接触操作が行われた場合、当該接触操作された各小領域それぞれに対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄の変動表示を開始するように構成してもよい。すなわち、例えば、第2小領域R2における遊技者方向への接触操作と、第3小領域R3における遊技盤方向への接触操作と、が同時に行われた場合には、第2特別図柄の通常方向への変動と、第3特別図柄の逆方向への変動とを同時に開始するようにしてもよい。
また、変形例1においては、遊技機10に、接触式操作手段(タッチパネル29)が有する複数の小領域(第1小領域R1〜第3小領域R3)のうち、いずれの小領域における接触操作を有効状態にするかを遊技者が選択するための小領域選択手段(第1操作許可スイッチSW1〜第3操作許可スイッチSW3)を備え、そして、接触式操作手段から出力された検出信号に基づき判定した接触操作された小領域が、小領域選択手段により選択された有効状態にする小領域である場合に、当該検出信号に基づき判断した操作態様に応じて、当該小領域に対応する識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御可能となるよう演出制御装置300を構成してもよい。
具体的には、例えば、図31(A)に示すように、第1小領域R1に対応する第1操作許可スイッチSW1と、第2小領域R2に対応する第2操作許可スイッチSW2と、第3小領域R3に対応する第3操作許可スイッチSW3とをそれぞれ対応する各小領域の近傍に備えておく。
そして、例えば、遊技者により第2操作許可スイッチSW2及び第3操作許可スイッチSW3が押下されて、第1操作許可スイッチSW1が押下されない場合、第2小領域R2及び第3小領域R3における接触操作を有効状態にして、第1小領域R1における接触操作を無効状態のまま維持し、第1小領域R1において遊技者方向(又は、遊技盤方向)への接触操作が行われても、図31(B)に示すように、当該第1小領域R1に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第1特別図柄)の変動は行わないように構成してもよい。
これにより、遊技者が接触操作を有効状態にする小領域を選択することができる。
したがって、遊技者が、変動させずに残しておきたい飾り特別図柄の変動表示領域に対応する小領域において接触操作してしまっても、当該小領域における接触操作を有効状態にせずに無効状態のままにしておけば、当該接触操作は反映されないため、誤操作を防止できる。
なお、これらのスイッチは、各小領域に対応する操作許可スイッチではなく、各小領域に対応する操作禁止スイッチであってもよい。
具体的には、例えば、遊技者により第1操作禁止スイッチSW1が押下されて、第2操作禁止スイッチSW2及び第3操作有効スイッチSW3が押下されない場合、第1小領域R1における接触操作を無効状態にして、第2小領域R2及び第3小領域R3における接触操作を有効状態のまま維持し、第1小領域R1において遊技者方向(又は、遊技盤方向)への接触操作が行われても、図31(B)に示すように、当該第1小領域R1に対応する変動表示領域に表示されている飾り特別図柄(第1特別図柄)の変動は行わないようにしてもよい。
これにより、遊技者が接触操作を無効状態にする小領域を選択することができる。
したがって、遊技者が、変動させずに残しておきたい飾り特別図柄の変動表示領域に対応する小領域において接触操作してしまっても、当該小領域における接触操作を無効状態にしておけば、当該接触操作は反映されないため、誤操作を防止できる。
また、変形例1において、接触式操作手段(タッチパネル29)の操作面(被接触領域)には、遊技球を用いた接触操作が行い易くなるよう、前後方向に延在する複数の溝部(第1溝部29a〜第3溝部29c)が設けられていてもよい。
具体的には、例えば、図32(A)及び(B)に示すように、タッチパネル29の第1小領域R1、第2小領域R2及び第3小領域R3のそれぞれに、幅が遊技球の直径よりも広く、深さが遊技球の半径よりも浅い第1溝部29a、第2溝部29b及び第3小領域R3が設けられていてもよい。
これにより、遊技球を用いてタッチパネル29を接触操作する場合に、接触操作が行い易くなる。
したがって、タッチパネル29の被接触領域に指等で直接触れたくない遊技者であっても、遊技球を用いて接触操作できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、被接触領域に設けられた溝部(第1溝部29a〜第3溝部29c)の深さが遊技球の半径よりも浅いため、遊技球を用いて接触操作する際、遊技球を摘まみ易くなり、使い勝手が良い。
なお、第1溝部29a〜第3溝部29cの底面形状は、図32(A)及び(B)に示すような曲面に限定されるものではなく、遊技球を用いてタッチパネル29を接触操作することができるのであれば、任意である。
また、被接触領域から遊技球が転げ落ちてしまうことを防止するために、第1溝部29a〜第3溝部29cの前端及び/又は後端に壁等を備えてもよい。
また、タッチパネル29の検出方式は、遊技球を用いた接触操作を検出可能な方式であることが望ましい。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態における遊技機10について説明する。
第2の実施形態の遊技機10においては、遊技者による操作態様に応じて飾り特別図柄の変動態様を変更するのではなく、遊技者による操作態様に応じて可動役物46の作動態様を変更する点が、第1の実施形態の遊技機10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して説明は省略する。
具体的には、遊技機10は、例えば、図33(A)に示すように、可動役物46として、表示装置41の左側に設けられた第1役物46aと、表示装置41の下側略中央に設けられた第2役物46bと、表示装置41の右側に設けられた第3役物46cとを備えている。
そして、演出制御装置300は、演出用可動役物(可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c))の作動を制御する演出用可動役物制御手段として機能して、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の実行中、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様(接触操作方向)を判断し、当該操作態様に応じて演出用可動役物の作動態様を制御可能に構成されている。
ここで、本実施形態において、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づき判断した操作態様(接触操作方向)が、予め設定された特定操作態様(正解の接触操作方向)であった場合に、当該操作態様に応じて演出用可動役物(可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c))の作動態様を制御可能となっている。
すなわち、遊技者による接触操作方向が正解である場合には、可動役物46を作動させ、遊技者による接触操作方向が不正解である場合には、可動役物46を作動させないように構成されている。
なお、本実施形態においては、可動役物46を作動させることによって、可動役物46の作動態様を変更するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、作動中の可動役物46の作動を停止することによって、可動役物46の作動態様を変更するようにしてもよい。
さらに、本実施形態において、複数の演出用可動役物(第1役物46a〜第3役物46c)はそれぞれ、タッチパネル29の各小領域(第1小領域R1〜第3小領域R3)に対応付けられているとともに、特定操作態様(正解の接触操作方向)は、複数の演出用可動役物それぞれに対応して設定されている。
そして、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づいて、複数の小領域のうち、接触操作された小領域を判定し、当該検出信号に基づいて判断した操作態様が、当該接触操作された小領域に対応する演出用可動役物に対応して設定された特定操作態様であった場合に、当該操作態様に応じて、当該接触操作された小領域に対応する演出用可動役物の作動態様を制御するように構成されている。
具体的には、例えば、左側の演出用可動役物(第1役物46a)と左側の小領域(第1小領域R1)、中央の演出用可動役物(第2役物46b)と中央の小領域(第2小領域R2)、右側の演出用可動役物(第3役物46c)と右側の小領域(第3小領域R3)をそれぞれ対応付けておく。
そして、演出制御装置300は、例えば、タッチパネル29により第1小領域R1における接触操作が検出されると、当該接触操作方向が、第1小領域R1に対応する演出用可動役物(第1役物46a)に対応して設定された正解の接触操作方向であった場合に、当該接触操作方向に応じて、第1役物46aの作動態様を変更するように構成されている。
すなわち、例えば、図33(B)に示すように、第1役物46aに対応する正解の接触操作方向(正しい操作方法(方向))として「→(右方向)」が設定され、第2役物46bに対応する正解の接触操作方向(正しい操作方法(方向))として「↑(遊技盤方向)」が設定され、第3役物46cに対応する正解の接触操作方向(正しい操作方法(方向))として「←(左方向)」が設定されているとする。
そして、例えば、図34(A)に示すように、第1小領域R1における接触操作方向が右方向(正解)、第2小領域R2における接触操作方向が遊技盤方向(正解)、第3小領域R3における接触操作方向が遊技盤方向(不正解)である場合、第1役物46aを接触操作方向に応じた方向(右方向)へと作動させ、第2役物46bを接触操作方向に応じた方向(上方向)へと作動させるが、第3役物46cは作動させない。
また、例えば、図34(B)に示すように、第1小領域R1における接触操作方向が遊技盤方向(不正解)、第2小領域R2における接触操作方向が遊技盤方向(正解)であり、第3小領域R3においては接触操作が行われない場合、第2役物46bは作動させるが、第1役物46aと第3役物46cとは作動させない。
〔タッチパネル操作可能フラグ設定処理〕
次に、第2の実施形態におけるタッチパネル操作可能フラグ設定処理の一例について、図35のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの進行状況に関する情報である変動表示ゲーム進行情報を確認し(ステップD21)、当該確認結果に基づいて、役物可動チャンス開始タイミングであるか否かを判断する(ステッD22)。具体的には、例えば、役物可動チャンスが設定されている特図変動表示ゲームの開始時に、役物可動チャンス開始タイミングであると判断する。
ステップD22で、役物可動チャンス開始タイミングであると判断した場合(ステップD22;Yes)、演出制御装置300は、現在行っている特図変動表示ゲームの変動パターンや抽出した所定の乱数などに基づいて、正解の接触操作方向を設定するために、役物操作正解設定を行う(ステップD23)。
すなわち、本実施形態においては、特図変動表示ゲームごとに正解の接触操作方向が設定されるようになっている。
次いで、タッチパネル操作可能フラグをオンにする処理を行い(ステップD24)、役物可動チャンス開始報知(例えば、“役物可動チャンス 役物を動かせ!”(図34(A)及び(B)参照))を表示等するために、役物可動チャンス開始報知設定を行って(ステップD25)、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が有効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が開始する。
一方、ステップD22で、役物可動チャンス開始タイミングでないと判断した場合(ステップD22;No)、演出制御装置300は、ステップD21での確認結果に基づいて、役物可動チャンス終了タイミングであるか否かを判断する(ステップD26)。具体的には、例えば、リーチ開始時や、タッチパネル操作可能フラグをオンにしてから所定時間経過後に、役物可動チャンス終了タイミングであると判断する。
ステップD26で、役物可動チャンス終了タイミングであると判断した場合(ステップD26;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをクリアする処理(ステップD27)を行い、役物可動チャンス開始報知を消去等するための設定を行って、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が無効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が終了する。
一方、ステップD26で、役物可動チャンス終了タイミングでないと判断した場合(ステップD26;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。
〔タッチパネル操作時処理〕
次に、第2の実施形態におけるタッチパネル操作時処理の一例について、図36のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグがオンであるか否かを判断する(ステップD51)。
ステップD51で、タッチパネル操作可能フラグがオンでないと判断した場合(ステップD51;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップD51で、タッチパネル操作可能フラグがオンであると判断した場合(ステップD51;Yes)、演出制御装置300は、特定パターンの検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する(ステップD52)。具体的には、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンが、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された正解の接触操作方向のうちのいずれかと一致する特定パターンであるか否かを判断して、いずれとも一致しないと判断した場合は、遊技者による操作態様(接触操作方向)を判定する処理を行わないように構成されている。
ステップD52で、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップB52;No)、すなわち、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンが、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された正解の接触操作方向のうちのいずれとも一致しないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップD52で、特定パターンの検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップB52;Yes)、すなわち、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンが、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された正解の接触操作方向のうちのいずれかと一致すると判断した場合、演出制御装置300は、当該記憶されている検出信号を分析して接触操作された小領域を判定し(ステップD53)、当該判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第1役物46aに対応する小領域(第1小領域R1)であるか否かを判断する(ステップD54)。
ステップD54で、接触操作された小領域は第1役物46aの対応する小領域(第1小領域R1)であると判断した場合(ステップD54;Yes)、演出制御装置300は、第1役物対応領域操作時処理を行って(ステップD55)、ステップD59の処理に移行する。
一方、ステップD54で、接触操作された小領域は第1役物46aに対応する小領域(第1小領域R1)でないと判断した場合(ステップD54;No)、演出制御装置300は、ステップD53での判定結果に基づいて、接触操作された小領域は第2役物46bに対応する小領域(第2小領域R2)であるか否かを判断する(ステップD56)。
ステップD56で、接触操作された小領域は第2役物46bに対応する小領域(第2小領域R2)であると判断した場合(ステップD56;Yes)、演出制御装置300は、第2役物対応領域操作時処理を行って(ステップD57)、ステップD59の処理に移行する。
一方、ステップD56で、接触操作された小領域は第2役物46bに対応する小領域(第2小領域R2)でないと判断した場合(ステップD56;No)、演出制御装置300は、接触操作された小領域は第3役物46cに対応する小領域(第3小領域R3)であると判断し、第3役物対応領域操作時処理を行って(ステップD58)、ステップD59の処理に移行する。
次いで、演出制御装置300は、第1役物46a〜第3役物46cの作動状況を確認して(ステップD59)、当該確認結果に基づいて、第1役物46a〜第3役物46cの全てが作動したか否かを判断する(ステップD60)。
ステップD60で、第1役物46a〜第3役物46cの全てが作動したと判断した場合(ステップD60;Yes)、演出制御装置300は、遊技者に有利な情報(現在の確率状態や演出の紹介など)を表示する等の特典を付与するために、特典付与設定を行って(ステップD61)、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップD60で、第1役物46a〜第3役物46cの全てが作動していない(すなわち、第1役物46a〜第3役物46cのうちの少なくとも1つは作動していない)と判断した場合(ステップD60;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
〔第1役物対応領域操作時処理〕
次に、上述のタッチパネル操作時処理(図36参照)における第1役物対応領域操作時処理(ステップD55)の一例について、図37(A)のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、第1小領域R1における接触操作が済んでいるか否かを判断する(ステップD55a)。具体的には、第1領域操作済情報が設定されているか否かを判断する。
ステップD55aで、第1小領域R1における接触操作が済んでいないと判断した場合(ステップD55a;No)、具体的には、第1領域操作済情報が設定されていないと判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された第1役物46aに対応する正解の接触操作方向とを比較して(ステップD55b)、遊技者による接触操作方向は正解であるか否かを判断する(ステップD55c)。
ステップD55cで、正解であると判断した場合(ステップD55c;Yes)、演出制御装置300は、第1役物46aを作動させるために、第1役物作動設定を行う(ステップD55d)。これにより、第1役物46aの作動態様が変更される。
次いで、演出制御装置300は、第1領域操作済情報を設定し(ステップD55e)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第1役物対応領域操作時処理を終了する。
一方、ステップD55cで、正解でないと判断した場合(ステップD55c;No)、演出制御装置300は、第1領域操作済情報を設定し(ステップD55f)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第1役物対応領域操作時処理を終了する。
また、ステップD55aで、第1小領域R1における接触操作が済んでいると判断した場合(ステップD55a;Yes)、具体的には、第1領域操作済情報が設定されていると判断した場合、演出制御装置300は、当該第1役物対応領域操作時処理を終了する。
ここで、ステップD55eやステップD55fで設定された第1領域操作済情報は、現在行っている特図変動表示ゲームの終了時にクリアされるよう構成されている。
したがって、第1小領域R1における接触操作の際に接触操作方向を一度でも間違ってしまうと、現在行っている特図変動表示ゲームの実行中は、第1役物46aを作動させることができないようになっている。
〔第2役物対応領域操作時処理〕
次に、上述のタッチパネル操作時処理(図36参照)における第2役物対応領域操作時処理(ステップD57)の一例について、図37(B)のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、第2小領域R2における接触操作が済んでいるか否かを判断する(ステップD57a)。具体的には、第2領域操作済情報が設定されているか否かを判断する。
ステップD57aで、第2小領域R2における接触操作が済んでいないと判断した場合(ステップD57a;No)、具体的には、第2領域操作済情報が設定されていないと判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された第2役物46bに対応する正解の接触操作方向とを比較して(ステップD57b)、遊技者による接触操作方向は正解であるか否かを判断する(ステップD57c)。
ステップD57cで、正解であると判断した場合(ステップD57c;Yes)、演出制御装置300は、第2役物46bを作動させるために、第2役物作動設定を行う(ステップD57d)。これにより、第2役物46bの作動態様が変更される。
次いで、演出制御装置300は、第2領域操作済情報を設定し(ステップD57e)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第2役物対応領域操作時処理を終了する。
一方、ステップD57cで、正解でないと判断した場合(ステップD57c;No)、演出制御装置300は、第2領域操作済情報を設定し(ステップD57f)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第2役物対応領域操作時処理を終了する。
また、ステップD57aで、第2小領域R2における接触操作が済んでいると判断した場合(ステップD57a;Yes)、具体的には、第2領域操作済情報が設定されていると判断した場合、演出制御装置300は、当該第2役物対応領域操作時処理を終了する。
ここで、ステップD57eやステップD57fで設定された第2領域操作済情報は、現在行っている飾り特図変動表示ゲームの終了時にクリアされるよう構成されている。
したがって、第2小領域R2における接触操作の際に接触操作方向を一度でも間違ってしまうと、現在行っている特図変動表示ゲームの実行中は、第2役物46bを作動させることができないようになっている。
〔第3役物対応領域操作時処理〕
次に、上述のタッチパネル操作時処理(図36参照)における第3役物対応領域操作時処理(ステップD58)の一例について、図38のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、第3小領域R3における接触操作が済んでいるか否かを判断する(ステップD58a)。具体的には、第3領域操作済情報が設定されているか否かを判断する。
ステップD58aで、第3小領域R3における接触操作が済んでいないと判断した場合(ステップD58a;No)、具体的には、第3領域操作済情報が設定されていないと判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている複数の検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンと、タッチパネル操作可能フラグ設定処理(図35)のステップD23で設定された第3役物46cに対応する正解の接触操作方向とを比較して(ステップD58b)、遊技者による接触操作方向は正解であるか否かを判断する(ステップD58c)。
ステップD58cで、正解であると判断した場合(ステップD58c;Yes)、演出制御装置300は、第3役物46cを作動させるために、第3役物作動設定を行う(ステップD58d)。これにより、第3役物46cの作動態様が変更される。
次いで、演出制御装置300は、第3領域操作済情報を設定し(ステップD58e)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第3役物対応領域操作時処理を終了する。
一方、ステップD58cで、正解でないと判断した場合(ステップD58c;No)、演出制御装置300は、第3領域操作済情報を設定し(ステップD58f)、RAM等に記憶されている検出信号をクリアする処理を行って、当該第3役物対応領域操作時処理を終了する。
また、ステップD58aで、第3小領域R3における接触操作が済んでいると判断した場合(ステップD58a;Yes)、具体的には、第3領域操作済情報が設定されていると判断した場合、演出制御装置300は、当該第3役物対応領域操作時処理を終了する。
ここで、ステップD58eやステップD58fで設定された第3領域操作済情報は、現在行っている飾り特図変動表示ゲームの終了時にクリアされるよう構成されている。
したがって、第3小領域R3における接触操作の際に接触操作方向を一度でも間違ってしまうと、現在行っている特図変動表示ゲームの実行中は、第3役物46cを作動させることができないようになっている。
以上説明した第2の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の実行中、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様(接触操作方向)を判断し、当該操作態様に応じて演出用可動役物(可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c))の作動態様を制御可能となっている。
すなわち、遊技者によるタッチパネル29に対する接触操作方向に応じて、可動役物46の作動態様を変更することができる。つまり、遊技者による接触操作方向に基づいて可動役物46の作動態様が決定される。
したがって、単なる操作ボタンを「押す」という操作やタッチパネル式の操作手段を「タッチする」という操作ではなく、二次元的な移動操作によって、可動役物46の作動態様を変更できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、以上説明した第2の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づき判断した操作態様(接触操作方向)が、予め設定された特定操作態様(正解の接触操作方向)であった場合に、当該操作態様に応じて演出用可動役物(可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c))の作動態様を制御可能となっている。
すなわち、遊技者による接触操作方向が、予め設定された正解の接触操作方向であった場合に、当該接触操作方向に応じて可動役物46の作動態様を変更するようになっている。
したがって、遊技者による接触操作方向が正解の接触操作方向でなければ、可動役物46の作動態様は変化しないので、接触操作に面白みがあり、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、以上説明した第2の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から出力された検出信号に基づいて、複数の小領域(第1小領域R1〜第3小領域R3)のうち、接触操作された小領域を判定し、当該検出信号に基づいて判断した操作態様(接触操作方向)が、当該接触操作された小領域に対応する演出用可動役物(可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c))に対応して設定された特定操作態様(正解の接触操作方向)であった場合に、当該操作態様に応じて、当該接触操作された小領域に対応する演出用可動役物の作動態様を制御するように構成されている。
すなわち、第1小領域R1〜第3小領域R3のうち、遊技者により接触操作された小領域に対応する可動役物46(第1役物46a〜第3役物46c)の作動態様を変更することができる。
したがって、可動役物46ごとに作動態様を変更することができ、より遊技者の好みに合った作動態様を提示できるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、各小領域は識別可能に構成されている。したがって、遊技者が作動態様を変更したい可動役物46に対応する小領域が明確になっているため、接触操作が行い易く、使い勝手が良い。
<変形例2>
次に、第2の実施形態の変形例である変形例2について説明する。
変形例2の遊技機10は、可動役物46として、演出用可動役物(第1役物46a〜第3役物46c)に加えて、第2の演出用可動役物としての第4役物46dを備えており、演出制御装置300は、この第2の演出用可動役物(第4役物46d)の作動を制御する第2の演出用可動役物制御手段として機能するように構成されている。
ここで、本実施形態において、演出制御装置300は、演出用可動役物(第1役物46a〜第3役物46c)の作動態様を制御した場合に、第2の演出用可動役物(第4役物46d)の作動態様を制御可能となっている。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、第1役物46a〜第3役物46cの全てを作動させた場合(図39(A)参照)、表示上のエフェクトEを導出するとともに(図39(B)及び(C)参照)、第4役物46dを作動させる(図39(C)参照)。そして、その後、第4役物46dが作動しない場合に導出されるリーチとは表示態様等が異なる特殊リーチに発展させるように構成されている。
また、演出制御装置300は、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果(先読み結果)が特定結果となった場合に、第2の演出用可動役物(第4役物46d)の作動態様を制御可能となっている。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、第1役物46a〜第3役物46cの全てを作動させなかった場合(すなわち、第1役物46a〜第3役物46cのうちの少なくとも1つは作動させなかった場合)であっても、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドを確認し、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が特定結果(「通常大当り」又は「確変大当り」)となるゲームがあれば、表示上のエフェクトEを導出するとともに、第4役物46dを作動させる。そして、その後、特殊リーチに発展させるように構成されている。
より具体的には、演出制御装置300は、例えば、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドを確認し、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に、結果が「通常大当り」又は「確変大当り」となるゲームがある場合、或いは、「はずれ・SP2リーチ」となるゲームがある場合に、先読み演出として、役物可動チャンス開始報知(例えば、“役物可動チャンス 役物を動かせ!”(図39(A)参照))を演出表示する。そして、そのチャンスに成功して、第4役物46dを作動させることができれば、或いは、そのチャンスに成功しなくても、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が特定結果(「通常大当り」又は「確変大当り」)となるゲームがあれば、当該先読みされた保留に基づく特図変動表示ゲームに特殊リーチを設定するように構成されている。
〔タッチパネル操作可能フラグ設定処理〕
次に、変形例2のタッチパネル操作可能フラグ設定処理の一例について、図40のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの進行状況に関する情報である変動表示ゲーム進行情報を確認し(ステップE21)、当該確認結果に基づいて、役物可動チャンス開始タイミングであるか否かを判断する(ステッE22)。具体的には、例えば、役物可動チャンスが設定されている特図変動表示ゲームの開始時に、役物可動チャンス開始タイミングであると判断する。
ステップE22で、役物可動チャンス開始タイミングであると判断した場合(ステップE22;Yes)、演出制御装置300は、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドを確認し(ステップE23)、当該確認結果に基づいて、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」(図15参照)があるか否かを判断する(ステップE24)。すなわち、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」又は「確変大当り」となるゲームがあるか否かを判断する。
ステップE24で、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」がないと判断した場合(ステップE24;No)、演出制御装置300は、ステップE23での確認結果に基づいて、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に、「始動口入賞演出図柄コマンド3」(図15参照)があるか否かを判断する(ステップE25)。すなわち、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に「はずれ・SP2リーチ」となるゲームがあるか否かを判断する。
ステップE25で、「始動口入賞演出図柄コマンド3」がないと判断した場合(ステップE25;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。
一方、ステップE25で、「始動口入賞演出図柄コマンド3」があると判断した場合(ステップE25;Yes)、演出制御装置300は、現在行っている特図変動表示ゲームの変動パターンや抽出した所定の乱数などに基づいて、正解の接触操作方向を設定するために、役物操作正解設定を行う(ステップE26)。
また、ステップE24で、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」があると判断した場合(ステップE24;Yes)も、役物操作正解設定を行う(ステップE26)。
次いで、タッチパネル操作可能フラグをオンにする処理を行い(ステップE27)、役物可動チャンス開始報知(例えば、“役物可動チャンス 役物を動かせ!”(図39(A)参照))を表示等するために、役物可動チャンス開始報知設定を行って(ステップE28)、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が有効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が開始する。
なお、ステップE25で、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に、「始動口入賞演出図柄コマンド2」又は「始動口入賞演出図柄コマンド3」(図15参照)があるか否かを判断して、「始動口入賞演出図柄コマンド2」又は「始動口入賞演出図柄コマンド3」がある場合に、ステップE26の処理に移行するようにしても良い。すなわち、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に「はずれ・SP1リーチ」又は「はずれ・SP2リーチ」となるゲームがあるか否かを判断して、「はずれ・SP1リーチ」又は「はずれ・SP2リーチ」となるゲームがある場合に、ステップE26の処理に移行するようにしても良い。
ここで、本実施形態においては、ゲームの結果が当り(「通常大当り」、「確変大当り」)となる場合は、当該ゲームの実行の際に必ずSPリーチ以上のリーチが導出されることとする。
これにより、第1役物46a〜第3役物46cを作動させ、その後に第4役物46dを作動させるためには、所定の演出時間が必要になるが、その演出時間を確保できる場合(すなわち、SPリーチ以上のリーチが導出される場合)にのみ、タッチパネル操作可能フラグがオンになり、後述するタッチパネル操作時処理(図41参照)において可動役物46の作動態様を変更するための処理に移行することができるようになっている。
一方、ステップE22で、役物可動チャンス開始タイミングでないと判断した場合(ステップE22;No)、演出制御装置300は、ステップE21での確認結果に基づいて、役物可動チャンス終了タイミングであるか否かを判断する(ステップE29)。具体的には、例えば、リーチ開始時や、タッチパネル操作可能フラグをオンにしてから所定時間経過後に、役物可動チャンス終了タイミングであると判断する。
ステップE29で、役物可動チャンス終了タイミングであると判断した場合(ステップE29;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをクリアする処理(ステップE30)を行い、役物可動チャンス開始報知を消去等するための処理を行って、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。これにより、タッチパネル29における接触操作が無効状態に切り替わり、遊技者によるタッチパネル29操作を有効なものとして受け付ける期間(タッチパネル操作有効期間)が終了する。
一方、ステップE29で、役物可動チャンス終了タイミングでないと判断した場合(ステップE29;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作可能フラグ設定処理を終了する。
〔タッチパネル操作時処理〕
次に、変形例2のタッチパネル操作時処理の一例について、図41のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、ステップE51の処理を行うが、図41に示すように、ステップE51〜E60の処理は、第2の実施形態のタッチパネル操作時処理(図36)におけるステップD51〜D60の処理と略同一であるため詳細な説明は省略する。
ステップE60で、第1役物46a〜第3役物46cの全てが作動したと判断した場合(ステップE60;Yes)、演出制御装置300は、第4役物46dを作動させるために、第4役物作動設定を行う(ステップE61)。これにより、表示上のエフェクトEを導出されて(図39(B)及び(C)参照)、第4役物46dの作動態様が変更される(図39(C)参照)。
次いで、演出制御装置300は、各保留に基づく特図変動表示ゲームのうちの「通常大当り」、「確変大当り」又は「はずれ・SP2リーチ」となるゲームに特殊リーチを設定して(ステップE62)、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップE60で、第1役物46a〜第3役物46cの全てが作動していない(すなわち、第1役物46a〜第3役物46cのうちの少なくとも1つは作動していない)と判断した場合(ステップE60;No)、演出制御装置300は、第1小領域R1〜第3小領域R3の全てにおいる接触操作が済んでいるか否かを判断する(ステップE63)。具体的には、第1役物対応領域操作時処理(ステップE55(図37(A)参照))で設定される第1領域操作済情報と、第2役物対応領域操作時処理(ステップE57(図37(B)参照))で設定される第2領域操作済情報と、第3役物対応領域操作時処理(ステップE58(図38参照))で設定される第3領域操作済情報との全てが設定されているか否かを判断する。
ステップE63で、第1小領域R1〜第3小領域R3の全てにおいる接触操作が済んでいない(すなわち、第1小領域R1〜第3小領域R3のうちの少なくとも1つにおいる接触操作が済んでいない)と判断した場合(ステップE63;No)、具体的には、第1領域操作済情報、第2領域操作済情報及び第3領域操作済情報の全てが設定されていない(すなわち、第1領域操作済情報、第2領域操作済情報及び第3領域操作済情報のうちの少なくとも1つが設定されていない)と判断した場合に、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップE63で、第1小領域R1〜第3小領域R3の全てにおける接触操作が済んでいると判断した場合(ステップE63;Yes)、具体的には、第1領域操作済情報、第2領域操作済情報及び第3領域操作済情報の全てが設定されていると判断した場合、演出制御装置300は、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドを確認し(ステップE64)、当該確認結果に基づいて、保留内の始動口入賞演出図柄コマンドの中に、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」(図15参照)があるか否かを判断する(ステップE65)。すなわち、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が「通常大当り」又は「確変大当り」となるゲームがあるか否かを判断する。
ステップE65で、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」があると判断した場合(ステップE65;Yes)、演出制御装置300は、演出制御装置300は、第4役物46dを作動させるために、第4役物作動設定を行う(ステップE61)。
これにより、第1役物46a〜第3役物46cの全てを作動させなかった場合であっても、第1小領域R1〜第3小領域R3の全てにおいて接触操作が検出された場合であり、かつ、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に結果が特定結果(「通常大当り」又は「確変大当り」)となるゲームがあれば、第4役物46dを作動させて、プレミアム的な演出を行うことができる。
なお、この場合、第4役物46dとともに、第1役物46a〜第3役物46cを作動させてもよい。
次いで、各保留に基づく特図変動表示ゲームのうちの「通常大当り」又は「確変大当り」となるゲームに特殊リーチを設定して(ステップE62)、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップE65で、「始動口入賞演出図柄コマンド4」又は「始動口入賞演出図柄コマンド5」がないと判断した場合(ステップE65;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
以上説明した変形例2の遊技機10によれば、演出制御装置300は、演出用可動役物(第1役物46a〜第3役物46c)の作動態様を制御した場合に、第2の演出用可動役物(第4役物46d)の作動態様を制御可能となっている。
すなわち、第1役物46a〜第3役物46c全ての作動態様を変更した場合に、第4役物46dの作動態様を変更するようになっている。
したがって、第1役物46a〜第3役物46c全ての作動態様が変化しなければ、第4役物46dの作動態様も変化しないため、第1役物46a〜第3役物46c全ての作動態様を変更するための接触操作の重要度が増す。また、接触操作を行って、チャンスに成功すれば(第1役物46a〜第3役物46c全ての作動態様を変更させれば)、第4役物46dの作動態様も変更するため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
また、以上説明した変形例2の遊技機10によれば、演出制御装置300は、事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果(先読み結果)が特定結果となった場合に、第2の演出用可動役物(第4役物46d)の作動態様を制御可能となっている。
すなわち、遊技制御装置100による先読み結果が特定結果(「通常大当り」又は「確変大当り」)となった場合に、第4役物46dの作動態様を変更するようになっている。
したがって、第1役物46a〜第3役物46c全ての作動態様が変化しなくても、遊技制御装置100による先読み結果が「通常大当り」又は「確変大当り」となれば、第4役物46dの作動態様が変化するため、遊技者に何かが起こるのではないかという期待感を持たせることができ、遊技の興趣を高め、さらに遊技者の遊技意欲を効果的に高めることができる。
なお、変形例2において、各保留に基づく特図変動表示ゲームの中に「通常大当り」、「確変大当り」又は「はずれ・SP2リーチ」となるゲームがある場合に、タッチパネル操作時処理(図41参照)において可動役物46の作動態様を変更するための処理に移行できるよう構成したが、これに限定されるものではなく、現在行っている特別変動表示ゲームが、「通常大当り」、「確変大当り」又は「はずれ・SP2リーチ」(「はずれ・SP1リーチ」を含んでもよい)となるゲームである場合に、タッチパネル操作時処理(図41参照)において可動役物46の作動態様を変更するための処理に移行できるように構成してもよい。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態における遊技機10について説明する。
第3の実施形態の遊技機10においては、前面枠12にタッチパネル29が備えられているのではなく、カバーガラス14の前面に表示装置41に対応してタッチパネル29が備えられている点が、第1の実施形態や第2の実施形態の遊技機10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して説明は省略する。
具体的には、遊技機10は、タッチパネル29として、カバーガラス14の前面における少なくとも表示装置41に対応する位置に設けられた透明なタッチパネルを備えている。
ここで、本実施形態において、演出制御装置300は、タッチパネル29により接触操作が検出された場合に、当該タッチパネル29から出力される検出信号に基づいて接触位置を判定し、当該接触位置が、複数の飾り特別図柄のうち、いずれかの飾り特別図柄の変動表示領域に対応する位置であれば、例えば、図42に示すように、当該変動表示領域における飾り特別図柄(図42においては左側の第1特別図柄)の変動を停止するように構成されている。
また、本実施形態において、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様を判断し、当該操作態様に応じて特定表示演出(キャラクタC)の表示位置を制御可能な特定表示演出制御手段として機能する。
そして、演出制御装置300は、特定表示演出(キャラクタC)の表示位置が、複数の識別図柄(飾り特別図柄)それぞれの変動表示領域のうちのいずれかの変動表示領域に対応する位置に移動した場合に、当該変動表示領域における識別図柄の変動態様を制御するように構成されている。
具体的には、演出制御装置300は、特定の飾り特別図柄に所定の作用を及ぼすキャラクタC(「お助けキャラ」)を表示し、例えば、図43(A)に示すように、遊技者がタッチパネル29におけるキャラクタCに対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のままスライドさせると、キャラクタCがその指等に追従して移動するように、キャラクタCの表示位置を変更する。
そして、例えば、図43(B)に示すように、キャラクタCがその指等に追従して「お助けキャラストック」領域まで移動すると、キャラクタCを消去して、キャラクタストック数を更新(+1)する。
また、演出制御装置300は、例えば、図44(A)に示すように、遊技者がタッチパネル29における「お助けキャラストック」領域に対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のままスライドさせると、例えば、図44(B)に示すように、キャラクタストック数を更新(−1)して、キャラクタCを表示し、キャラクタCがその指等に追従して移動するように、キャラクタCの表示位置を変更する。
そして、例えば、図44(C)に示すように、キャラクタCがその指等に追従して変動中の各飾り特別図柄のうち、いずれかの飾り特別図柄に重なる位置まで移動すると、当該飾り特別図柄の変動態様を、そのキャラクタCの種類に応じた変動態様に変更するように構成されている。
なお、図43(A)及び図44(A)に示す表示装置41の画面中における破線矢印は、キャラクタCの移動経路を表すものである。
ここで、本実施形態においては、キャラクタC(「お助けキャラ」)として、特定の図柄(キャラクタCと重なった飾り特別図柄)を確変図柄にする「キャラクタ1」と、特定の図柄(キャラクタCと重なった飾り特別図柄)の変動時間を延長する「キャラクタ2」と、特定の図柄(キャラクタCと重なった飾り特別図柄)の変動をすぐに停止させる「キャラクタ3」と、特定の図柄(キャラクタCと重なった飾り特別図柄)を変動終了まで消去する「キャラクタ4」とが設定されている。そして、例えば、「キャラクタ1」〜「キャラクタ3」の出現割合はそれぞれ30%、「キャラクタ4」の出現割合は10%に設定されている。
なお、遊技者による「お助けキャラストック」領域からキャラクタCを取り出して使用する操作(図44(A)及び(B)参照)に応じて出現させるキャラクタCは、ストックされているキャラクタCであってもよいし、ストックされていないキャラクタCであってもよい。
〔第2のタッチパネル操作時処理〕
次に、第3の実施形態の演出制御装置300の割込み処理におけるタッチパネル関連処理(ステップB14)で、タッチパネル操作可能フラグ設定処理、変更内容設定処理及びタッチパネル操作時処理とともに行われる第2のタッチパネル操作時処理の一例について、図46のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグがオンであるか否かを判断する(ステップF51)。
ステップF51で、タッチパネル操作可能フラグがオンでないと判断した場合(ステップF51;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップF51で、タッチパネル操作可能フラグがオンであると判断した場合(ステップF51;Yes)、演出制御装置300は、特定パターンの検出信号がRAM等に記憶されているか否かを判断する(ステップF52)。
ステップF52で、特定パターンの検出信号が記憶されていないと判断した場合(ステップF52;No)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上でないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップF52で、特定パターンの検出信号が記憶されていると判断した場合(ステップF52;Yes)、すなわち、RAM等に記憶されている検出信号の個数が所定の閾値以上であると判断した場合、演出制御装置300は、当該記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、キャラクタCをストックするか否か判断する(ステップF53)。具体的には、遊技者がキャラクタCに対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のまま「お助けキャラストック」領域までスライドさせたか否かを判断する。
ステップF53で、キャラクタCをストックすると判断した場合(ステップF53;Yes)、具体的には、遊技者がキャラクタCに対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のまま「お助けキャラストック」領域までスライドさせたと判断した場合、演出制御装置300は、キャラクタストック数を更新(+1)する処理を行って(ステップF54)、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップF53で、キャラクタCをストックしないと判断した場合(ステップF53;No)、具体的には、遊技者がキャラクタCに対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のまま「お助けキャラストック」領域までスライドさせていないと判断した場合、演出制御装置300は、RAM等に記憶されている検出信号に基づく接触位置(X座標、Y座標)のパターンに基づいて、キャラクタCを使用するか否かを判断する(ステップF55)。具体的には、遊技者が「お助けキャラストック」領域に対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のままスライドさせたか否かを判断する。
ステップF55で、キャラクタCを使用していないと判断した場合(ステップF55;No)、具体的には、遊技者が「お助けキャラストック」領域に対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のままスライドさせていないと判断した場合、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作時処理を終了する。
一方、ステップF55で、キャラクタCを使用したと判断した場合(ステップF55;Yes)、具体的には、遊技者が「お助けキャラストック」領域に対応する位置に指等を接触させ、その指等をタッチパネル29に接触させた状態のままスライドさせたと判断した場合、演出制御装置300は、キャラクタストック数を更新(−1)する処理を行って、キャラクタCとして「キャラクタ1」〜「キャラクタ4」のうちのいずれかを出現させる。
次いで、当該出現させたキャラクタCがその指等に追従して、複数の飾り特別図柄のうち、いずれかの飾り特別図柄に重なる位置まで移動すると、そのキャラクタCと重なった飾り特別図柄の変動態様を、そのキャラクタCの種類に応じた変動態様に変更し(ステップF56)、当該タッチパネル操作時処理を終了する。これにより、当該出現させたキャラクタCが、例えば、「キャラクタ1」であれば、そのキャラクタCと重なった変動中の飾り特別図柄を確変図柄にして停止表示させる(例えば、図44(C)参照)。
なお、ステップF55でキャラクタCを使用したと判断してから、所定時間経過しても、当該出現させたキャラクタCがいずれの飾り特別図柄にも重ならない場合には、当該出現させたキャラクタCを消去してもよいし、当該出現させたキャラクタCの位置に最も近い飾り特別図柄の変動態様を、そのキャラクタCの種類に対応する変動態様に変更するようにしてもよい。
以上説明した第3の実施形態の遊技機10によれば、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)により接触操作が検出された場合に、接触式操作手段から出力された検出信号に基づいて遊技者による操作態様を判断し、当該操作態様に応じて特定表示演出(キャラクタC)の表示位置を制御可能であるとともに、特定表示演出の表示位置が、複数の識別図柄(飾り特別図柄)それぞれの変動表示領域のうちのいずれかの変動表示領域に対応する位置に移動した場合に、当該変動表示領域における識別図柄の変動態様を制御するように構成されている。
すなわち、遊技者による操作態様に応じてキャラクタCの表示位置を移動させることができ、それによって、飾り特別図柄の変動態様を変化させることができる。
したがって、キャラクタCの表示位置の移動に、遊技者による操作態様が関わり、さらに、キャラクタCの表示位置に応じて、複数の飾り特別図柄のうちのいずれかの飾り特別図柄の変動態様を変更することができるため、遊技者の操作意欲を効果的に高め、十分に興趣を高めることができる。
なお、第3の実施形態においては、カバーガラス14の前面に表示装置41に対応してタッチパネル29を備えるよう構成したが、タッチパネル29の位置は、これに限定されるものではなく、例えば、タッチパネル29を前面枠12に備えて、そのタッチパネル29の下方に表示器(LCD等)を配置し、当該表示器の画面に、表示装置41の画面に表示されているものと略同一のものを表示するようにしてもよい。
<変形例3>
次に、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態の変形例である変形例3について説明する。
変形例3の遊技機10は、タッチパネル29の清掃タイミングを報知するように構成されている。
具体的には、例えば、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)から検出信号が出力された回数に関するタッチパネル検出回数情報を記憶する検出信号出力回数記憶手段、変動表示ゲームが実行された回数に関する変動表示ゲーム実行回数情報を記憶するゲーム実行回数記憶手段として機能する。
さらに、演出制御装置300は、タッチパネル29から検出信号が出力された回数が、所定の検出信号用基準回数以上となった場合、或いは、変動表示ゲームが実行された回数が、所定の変動表示ゲーム用基準回数以上となった場合に、接触式操作手段(タッチパネル29)における接触操作を無効状態にする操作無効手段、当該無効状態になったことを報知する操作無効状態報知手段として機能する。
そして、演出制御装置300は、接触式操作手段(タッチパネル29)における接触操作が無効状態にされていない場合に、当該接触式操作手段から出力された検出信号に基づき判断した操作態様に応じて識別図柄(飾り特別図柄)の変動態様を制御したり、或いは、演出用可動役物(第1役物46a〜第3役物46c)の作動態様を制御したりするように構成されている。
〔タッチパネル操作禁止監視処理〕
次に、変形例3の演出制御装置300の割込み処理におけるタッチパネル関連処理(ステップB14)で、タッチパネル操作可能フラグ設定処理や変更内容設定処理、タッチパネル操作時処理などとともに行われるタッチパネル操作禁止監視処理の一例について、図47(A)のフローチャートを参照して説明する。
まず、演出制御装置300は、所定のメモリ等に記憶されているタッチパネル検出回数情報に基づいて、タッチパネル29から検出信号が出力された回数を確認し(ステップG91)、当該確認結果に基づいて、タッチパネル29から検出信号が出力された回数が、所定の検出信号用基準回数以上であるか否かを判断する(ステップG92)。
ステップG92で、タッチパネル29から検出信号が出力された回数が、所定の検出信号用基準回数以上であると判断した場合(ステップG92;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをクリアする処理を行い(ステップG93)、所定のメモリ等に記憶されているタッチパネル検出回数情報をクリアする処理を行って(ステップG94)、ステップG99の処理に移行する。
一方、ステップG92で、タッチパネル29から検出信号が出力された回数が、所定の検出信号用基準回数以上でないと判断した場合(ステップG92;No)、演出制御装置300は、所定のメモリ等に記憶されている変動表示ゲーム実行回数情報に基づいて、変動表示ゲームが実行された回数を確認し(ステップG95)、当該確認結果に基づいて、変動表示ゲームが実行された回数が、所定の変動表示ゲーム用基準回数以上であるか否かを判断する(ステップG96)。
ステップG96で、変動表示ゲームが実行された回数が、所定の変動表示ゲーム用基準回数以上でないと判断した場合(ステップF96;No)、演出制御装置300は、当該タッチパネル操作禁止監視処理を終了する。
一方、ステップG96で、変動表示ゲームが実行された回数が、所定の変動表示ゲーム用基準回数以上であると判断した場合(ステップF96;Yes)、演出制御装置300は、タッチパネル操作可能フラグをクリアする処理を行い(ステップG97)、所定のメモリ等に記憶されている変動表示ゲーム実行回数情報をクリアする処理を行って(ステップG98)、ステップG99の処理に移行する。
ステップG99では、タッチパネル29における接触操作を無効状態にするために、タッチパネル操作禁止設定を行う。
そして、タッチパネル29の清掃タイミングを報知するために、タッチパネル清掃報知設定を行って(ステップG100)、当該タッチパネル操作禁止監視処理を終了する。
なお、ステップG99で設定されるタッチパネル操作禁止設定は、当該設定後所定時間経過後に解除されるように構成されている。
また、タッチパネル29の清掃タイミングの報知の仕方は、例えば、図47(B)に示すような“清掃タイミングです”等の表示により行ってもよいし、或いは、遊技機が備えるランプ(照明装置16やランプ17など)を点灯又は点滅させたり、外部情報端子71等から遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置などに対してタッチパネル29の清掃タイミングである旨を報知するための報知信号を送信したりすることにより行ってもよい。
以上説明した変形例3の遊技機10によれば、演出制御装置300は、検出信号出力回数記憶手段(演出制御装置300が備えるメモリ等)に記憶されている接触式操作手段(タッチパネル29)から検出信号が出力された回数が、所定の検出信号用基準回数以上となった場合、或いは、ゲーム実行回数記憶手段(演出制御装置300が備えるメモリ等)に記憶されている変動表示ゲームが実行された回数が、所定の変動表示ゲーム用基準回数以上となった場合に、接触式操作手段における接触操作を無効状態にすることができるとともに、接触式操作手段における接触操作が無効状態になったことを報知することができる。
したがって、無効状態になったことが報知される度に、タッチパネル29を清掃するようにすれば、タッチパネル29を定期的に清掃することができるため、タッチパネル29を清潔に保つことができる。
なお、変形例3において、演出制御装置300は、検出信号用基準回数や変動表示ゲーム用基準回数を、季節等に応じて変更するように構成されていてもよい。
具体的には、例えば、演出制御装置300(或いは、遊技制御装置100であってもよい。)に日時を計時するリアルタイムクロックを備えておき、当該リアルタイムクロックにより計時される日時に応じて、所定の基準回数(検出信号用基準回数や変動表示ゲーム用基準回数)を変更するように構成されていてもよい。
これにより、無効状態になったことを報知するタイミングを、例えば、季節によって変更することができるため、無効状態になったことが報知される度に、タッチパネル29を清掃するようにすれば、タッチパネル29をより清潔に保つことができる。
具体的には、例えば、春、夏、秋に設定する基準回数に比較して、冬に設定する基準回数を少なくしておけば、ウイルス感染等が特に気になる冬に、タッチパネル29の清掃タイミングが報知される頻度が高くなるため、報知に応じてタッチパネル29を清掃するようにすれば、ウイルス感染対策になる。
なお、本発明は、上記した実施形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の遊技機は、上記した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
本発明の表示装置は、表示装置41に限定されるものではなく、例えば、特図1表示器51及び特図2表示器52であっても良いし、表示装置41と特図1表示器51及び特図2表示器52との両方であっても良い。