<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別図柄(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別図柄として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図2に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器(第3遊技状態表示器)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器59が設けられている。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別図柄(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別図柄の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別図柄として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54,55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別図柄)が左(第1特別図柄)、右(第2特別図柄)、中(第3特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備えており、始動記憶に対応して記憶された乱数値が特定の値であった場合に、対応する変動表示ゲームを特別結果で導出するとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段として機能する。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が16R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別図柄を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別図柄)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別図柄となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶をRAM111C等に記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする表示装置41における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の復帰表示について説明する。
本実施形態において、遊技機10は、停電により電源が遮断して変動中の変動表示ゲームが中断された場合、電源が再投入された際(停電復旧の際)に、当該中断された変動表示ゲームに似通った変動表示ゲームを表示させることによって、変動表示ゲームの復帰表示を行うように構成されている。
具体的には、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では2000ms)以上である場合に、当該中断された変動表示ゲームに似通った変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)が表示される。
復帰変動表示ゲームの変動パターン(復帰変動表示パターン)には、例えば、図11に示すように、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では10000ms)に達していない場合に選択される復帰変動表示パターン(図11(a)参照)と、当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(10000ms)に達している場合に選択される復帰変動表示パターン(図11(b)参照)と、がある。
また、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(2000ms)未満である場合、すなわち、当該中断時点における残り変動表示時間が復帰変動表示パターンに基づく変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)の変動表示時間の何れにも達していない場合には、復帰変動表示ゲームの代わりに高速変動表示ゲームが表示されるように構成されている。この高速変動表示ゲームは、復帰変動表示ゲームよりも高速に識別図柄が変動表示されているような表示態様、具体的には、例えば、遊技者が変動表示中の識別図柄を認識することが困難な速度で識別図柄を変動表示する表示態様の変動表示ゲームである。
なお、図11では、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルのみを示しており、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブルは、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル中のコマンド(MODE)「AAH」が「ABH」となる以外は、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルと同一であるため省略している。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図5及び図6参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図8参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図6のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図6のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定して(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、後述の停電時復旧処理を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
すなわち、RWM(本実施形態ではRAM111C)が、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報を記憶保持可能な遊技情報記憶保持手段として機能する。
〔停電時復旧処理〕
次に、前述のメイン処理における停電時復旧処理(ステップS23)の詳細について説明する。
当該停電時復旧処理では、後述の特図ゲーム処理(図9)を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300に対して送信する。
具体的には、図7に示すように、停電時復旧処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、機種指定コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS231)、飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS232)、確率情報コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS233)を行う。
次いで、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であるか否かを判定する(ステップS234)。
ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であると判定した場合(ステップS234;Yes)、すなわち、当該停電時復旧処理が、客待ちデモ中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、客待ちデモ中であることを知らせるための客待ちデモコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS235)、当該停電時復旧処理を終了する。これにより、客待ちデモが再開されて、表示装置41において停電直前と同様の表示(すなわち、客待ちデモ表示)が復帰(再開)される。
一方、ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」でないと判定した場合(ステップS234;No)には、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であるか否かを判定する(ステップS236)。
ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」でないと判定した場合(ステップS236;No)、すなわち、当該停電時復旧処理が、特図変動表示ゲームが停止して、当該特図変動表示ゲームの結果(停止図柄)が表示されている最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、特図変動表示ゲームが停止中であることを知らせるための特図変動停止中コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS237)、当該停電時復旧処理を終了する。
なお、特図変動停止中コマンドとともに、RWMに記憶されている遊技情報のうちの飾り特図コマンド(すなわち、前回の特図変動表示ゲーム(停電直前に停止した特図変動表示ゲーム)の停止図柄を特定するための飾り特図コマンド)を演出制御装置300に対して送信するように構成しても良い。これにより、表示装置41における停電直前と同様の表示(すなわち、前回の特図変動表示ゲームの停止図柄の表示)の復帰(再開)が可能となる。
また、本実施形態では、特図ゲーム処理番号が「1」でないと判定した場合に、特図変動停止中コマンドを送信するように構成したが、これに限ることはなく、例えば、さらに、特図ゲーム処理番号が「2(=特図表示中処理)」であるか否か判定し、特図ゲーム処理番号が「2」である場合にのみ、特図変動停止中コマンドを送信するように構成しても良い。この場合、特図変動停止中コマンドとともに、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理タイマ(後述)に基づいて、残り停止表示時間に関する情報を送信するようにしても良い。
一方、ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であると判定した場合(ステップS236;Yes)、すなわち、当該停電時復旧処理が、特図変動表示ゲームの変動中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、特図変動表示ゲームが変動中であることを知らせるための特図変動中コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS238)、RWMに記憶されている遊技情報のうちの残り時間情報に基づいて、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では2000ms)以上であるか否かを判定する(ステップS239)。
ここで、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームを開始する際、表示装置41における特図変動表示ゲームの表示を開始するよう指示するための表示指令信号を、演出制御装置300に対して送信するとともに、当該特図変動表示ゲームの変動表示時間をRWM(RAM111C)に割り当てられた特図ゲーム処理タイマ領域に特図ゲーム処理タイマとして記憶し、当該特図変動表示ゲームの変動表示時間を計測するように構成されている。さらに、特図ゲーム処理タイマがタイムアップすると、表示装置41における当該特図変動表示ゲームの表示を停止するよう指示するための停止指令を表示指令信号として、演出制御装置300に対して送信するように構成されている。
すなわち、特図変動表示ゲームが変動中である場合、特図ゲーム処理タイマは、当該変動中の特図変動表示ゲームの現在の残り変動表示時間を表している。また、特図ゲーム処理タイマは、RWMに記憶されて残り時間情報として、停電等に伴う遊技機10の電源遮断時にはバックアップされるように構成されている。
これにより、RWMに記憶されている遊技情報のうちの残り時間情報に基づいて、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が、2000ms以上であるか否かが判定可能となっている。
なお、遊技用マイコン111は、停電復旧の際(具体的には、例えば、当該停電時復旧処理が終了した際)に、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理タイマ(残り時間情報)の更新を再開して、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの変動表示時間の続きを計測するように構成されている。
ステップS239で、当該中断時点における残り変動表示時間が2000ms以上であると判定した場合(ステップS239;Yes)には、特図変動表示ゲームの表示を復帰することを知らせるための変動表示復帰中コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS240)、変動表示復帰監視フラグを設定して(ステップS241)、当該停電時復旧処理を終了する。
一方、ステップS239で、当該中断時点における残り変動表示時間が2000ms以上でないと判定した場合(ステップS239;No)には、前述した高速変動表示ゲームの表示を開始することを知らせるための高速変動表示開始コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS242)、当該停電時復旧処理を終了する。
これにより、演出制御装置300は、画像ROM323等に記憶保持されている各表示情報の中から、高速変動表示ゲームに関する表示情報のうちの何れか一つを取得して、当該取得した表示情報に基づく高速変動表示ゲームを表示装置41に表示させる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図8に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図8のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
当該特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図9に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイプアップしたか否か、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor16R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor16R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、後述する変動表示復帰監視処理(ステップS16)を行い、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔変動表示復帰監視処理〕
次に、前述の特図ゲーム処理における変動表示復帰監視処理(ステップA16)の詳細について説明する。
当該変動表示復帰監視処理では、復帰変動表示ゲームを表示装置41に表示させるためのコマンドを演出制御装置300に対して送信する。
具体的には、図10に示すように、変動表示復帰監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、停電時復旧処理(図7)のステップS241で設定される変動表示復帰監視フラグが設定されているか否かを判定する(ステップA161)。
ステップA161で、変動表示復帰監視フラグが設定されていないと判定した場合(ステップA161;No)には、当該変動表示復帰監視処理を終了する。
一方、ステップA161で、変動表示復帰監視フラグが設定されていると判定した場合(ステップA161;Yes)には、特図ゲーム処理タイマに基づいて、現在の残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では10000ms)未満であるか否かを判定する(ステップA162)。
ここで、特図ゲーム処理タイマは、例えば、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップするまでの間、特図ゲーム処理(図9)の実行の度に更新されるように構成されている。したがって、遊技機10の電源が再投入されて、復帰変動表示ゲームが表示されている間は無論のこと、復帰変動表示ゲームが表示される前の時点においても、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないのであれば、当該特図ゲーム処理タイマは特図ゲーム処理の実行の度に更新される。そのため、ステップA162で判定される現在の残り変動表示時間は、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間とは必ずしも一致せず、当該中断時点における残り変動表示時間よりも値が小さい場合がある。
ステップA162で、現在の残り変動表示時間は10000ms未満であると判定した場合(ステップS162;Yes)には、10000ms未満時の復帰変動表示コマンド選択テーブル(すなわち、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1(図11(a))と、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1(図11(a)のテーブル中のコマンド(MODE)「AAH」が「ABH」となる以外は図11(a)のテーブルと同一のテーブル))が記憶されている記憶領域のアドレスを示すポインタを取得して(ステップA163)、ステップA165の処理に移行する。
一方、ステップA162で、現在の残り変動表示時間は10000ms未満でないと判定した場合(ステップS162;No)には、10000ms以上時の復帰変動表示コマンド選択テーブル(すなわち、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル2(図11(b))と、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブル2(図11(b)のテーブル中のコマンド(MODE)「AAH」が「ABH」となる以外は図11(b)のテーブルと同一のテーブル))が記憶されている記憶領域のアドレスを示すポインタを取得して(ステップA164)、ステップA165の処理に移行する。
ここで、復帰変動表示コマンド選択テーブルは、例えばROM111Bに記憶されている。
ステップA165では、RWMに記憶されている遊技情報のうちの変動パターン番号や停止図柄番号など(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの変動パターン番号や停止図柄番号など)に基づいて、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA165)。
ステップA165で、特図変動表示ゲームの結果が大当りでないと判定した場合(ステップA165;No)、すなわち、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、ステップA163又はステップA164で取得したポインタに対応するはずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルを取得して、ステップA168の処理に移行する。
具体的には、例えば、遊技用マイコン111は、ステップA163でポインタを取得した場合には、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1(図11(a))を取得し、ステップA164でポインタを取得した場合には、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル2(図11(b))を取得する。
ここで、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合に表示される復帰変動表示ゲーム、すなわち、はずれ時の復帰変動表示コマンドに応じて表示される「はずれ時の復帰変動表示ゲーム」とは、最終的に特別結果態様を導出しない変動表示ゲームである。
一方、ステップA165で、特図変動表示ゲームの結果が大当りであると判定した場合(ステップA165;Yes)には、ステップA163又はステップA164で取得したポインタに対応する大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブルを取得して、ステップA168の処理に移行する。
具体的には、例えば、遊技用マイコン111は、ステップA163でポインタを取得した場合には、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1を取得し、ステップA164でポインタを取得した場合には、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブル2を取得する。
ここで、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合に表示される復帰変動表示ゲーム、すなわち、大当り時の復帰変動表示コマンドに応じて表示される「大当り時の復帰変動表示ゲーム」とは、最終的に特別結果態様を導出する変動表示ゲームである。
ステップA168では、特図ゲーム処理タイマに基づいて、現在の残り変動表示時間が、ステップA166又はステップA167で取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中の残り変動表示時間のうちの何れかと一致するか否かを判定する(ステップA168)。
具体的には、例えば、現在の残り変動表示時間が「2500ms」であり、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合、遊技用マイコン111は、ステップA163で、10000ms未満時の復帰変動表示コマンド選択テーブルが記憶されている記憶領域のアドレスを示すポインタを取得して、ステップA166で、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1を取得する。そして、このテーブル中の残り変動表示時間は、図11(a)に示すように、「2000ms」、「3000ms」、「4000ms」、「5000ms」、「6000ms」、「7000ms」、「8000ms」、「9000ms」であるため、ステップS168で、現在の残り変動表示時間「2500ms」は、このテーブル中の残り変動表示時間のうちの何れとも一致しないと判定する。
ステップA168で、現在の残り変動表示時間が、ステップA166又はステップA167で取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中の残り変動表示時間のうちの何れかと一致すると判定した場合(ステップA168;Yes)には、当該取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中のコマンドのうち、現在の残り変動表示時間に対応するコマンドを準備する処理(ステップA169)、コマンド設定処理(ステップA170)を行い、変動表示復帰監視フラグをクリアして(ステップA171)、当該変動表示復帰監視処理を終了する。これにより、当該現在の残り変動表示時間に対応するコマンドは、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。
具体的には、例えば、現在の残り変動表示時間が「3000ms」であり、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合、遊技用マイコン111は、ステップA163で、10000ms未満時の復帰変動表示コマンド選択テーブルが記憶されている記憶領域のアドレスを示すポインタを取得し、ステップA166で、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1を取得し、ステップS168で、現在の残り変動表示時間「3000ms」が、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル1中の残り変動表示時間のうちの何れかと一致すると判断し、ステップA169で、現在の残り変動表示時間「3000ms」に対応するコマンドとして復帰変動表示3000msを指示するためのコマンド「AAH,03H」(図11(a)参照)を準備する。そして、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で、当該準備した現在の残り変動表示時間に対応するコマンドを演出制御装置300に対して送信する。
すなわち、遊技制御装置100の遊技用マイコン111及び出力部130が、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、遊技情報記憶保持手段(RWM(本実施形態ではRAM111C))に記憶保持されている遊技情報(特図ゲーム処理番号、残り変動表示時間、変動パターン番号、停止図柄番号等)に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲームの進行状態を特定可能な状態情報(客待ちデモコマンド、特図変動停止中コマンド、特図変動中コマンド、変動表示復帰中コマンド、高速変動表示開始コマンド、現在の残り変動表示時間に対応するコマンド等)を、表示制御装置(演出制御装置300)に対して送信する状態情報送信手段として機能する。
そして、演出制御装置300は、例えば、画像ROM323(或いは、PROM321やPROM322などであっても良い。)に、復帰変動表示ゲームそれぞれに関する各表示情報を予め記憶保持しており、演出制御装置300の主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313は、遊技制御装置100から送信された現在の残り変動時間に対応するコマンドに基づいて現在の残り変動表示時間を判定し、変動表示時間が当該判定した現在の残り変動表示時間と一致する復帰変動表示ゲームに関する表示情報を画像ROM323から取得して、表示装置41における当該取得した表示情報に基づく復帰変動表示ゲームの表示を開始するように構成されている。
すなわち、演出制御装置300の画像ROM323が、表示内容の異なる複数の変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)それぞれに関する各表示情報を予め記憶保持する表示情報記憶保持手段として機能する。
また、演出制御装置300の主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313が、遊技機10の電源再投入後に、状態情報送信手段(遊技制御装置100の遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に基づき表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に記憶保持されている複数の表示情報の中から一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)を表示装置41に表示させる変動表示復帰手段として機能する。
具体的には、例えば、遊技制御装置100から送信された現在の残り変動表示時間に対応するコマンドが、現在の残り変動表示時間「3000ms」に対応するコマンド(「AAH,03H」)である場合、演出制御装置300は、画像ROM323に記憶保持されている各表示情報の中から、変動表示時間が3000msの復帰変動表示ゲームに関する表示情報のうちの何れか一つを取得して、当該取得した表示情報に基づく復帰変動表示ゲームを表示装置41に表示させる。
一方、ステップA168で、現在の残り変動表示時間が、ステップA166又はステップA167で取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中の残り変動表示時間のうちの何れとも一致しないと判定した場合(ステップA168;No)には、当該変動表示復帰監視処理を終了する。
具体的には、例えば、ステップA166又はステップA167で取得した復帰変動表示コマンド選択テーブルが図11(a)に示すテーブルである場合、遊技用マイコン111は、現在の残り変動表示時間が例えば「2500ms」である時点では、現在の残り変動表示時間に対応するコマンドを演出制御装置300に対して送信しないで、変動表示復帰監視処理を繰り返し行い、現在の残り変動表示時間が「2000ms」になった時点で、現在の残り変動表示時間「2000ms」に対応するコマンド(「AAH,02H」、図11(a)参照)を演出制御装置300に対して送信する。これにより、変動時間が2000msの復帰変動表示ゲームが表示装置41に表示される。
ここで、図11(a)及び(b)に示すように、残り変動表示時間が10000ms未満の復帰変動表示コマンド選択テーブル(復帰変動表示コマンド選択テーブル1)中の残り変動表示時間は、1000ms刻みであり、残り変動表示時間が10000ms以上の復帰変動表示コマンド選択テーブル(復帰変動表示コマンド選択テーブル2)中の残り変動表示時間は、5000ms刻みである。すなわち、現在の残り変動表示時間が、取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中の残り変動表示時間のうちの何れかと一致した場合に、現在の残り変動表示時間に対応するコマンドが演出制御装置300に対して送信されて、復帰変動表示ゲームが表示されるため、残り変動表示時間が10000ms未満である場合の方が、10000ms以上である場合よりも、復帰変動表示ゲームの表示タイミングが細かく設けられている。
すなわち、演出制御装置300の画像ROM323に記憶されている復帰変動表示ゲームに関する表示情報は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では10000ms)に達していない場合に選択される第1変動グループの表示情報と、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(10000ms)に達している場合に選択される第2変動グループの表示情報と、の何れかである。
そして、第2変動グループには、変動表示時間が、所定時間(10000ms)以上であり、かつ、一定間隔(本実施形態では5000ms間隔)で異なる複数の所定の変動表示時間(本実施形態では「10000ms」、「15000ms」、「20000ms」、「25000ms」、「30000ms」、「35000ms」、「40000ms」)のうちの何れかである変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)に関する表示情報が属している。
また、第1変動グループには、変動表示時間が、所定時間(10000ms)未満であり、かつ、前記一定間隔(5000ms間隔)よりも小さい間隔(本実施形態では1000ms間隔)で異なる複数の所定の変動表示時間(本実施形態では「2000ms」、「3000ms」、「4000ms」、「5000ms」、「6000ms」、「7000ms」、「8000ms」、「9000ms」)のうちの何れかである変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)に関する表示情報が属している。
次に、図12に、本実施形態において前述したような停電時復旧処理(図7)及び変動表示復帰監視処理(図10)を実行する場合のタイミングチャートの一例を示す。なお、ここでは、特図変動表示ゲームが、前半変動表示ゲームと、それ以降の後半変動表示ゲームと、からなる場合について説明する。
まず、遊技制御装置100は、表示装置41における特図変動表示ゲームの表示を開始させる際に、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを特定するための変動パターン情報(変動パターンコマンド)を表示指令信号として演出制御装置300に対して送信するとともに、当該特図変動表示ゲームの変動表示時間をRWM(RAM111C)の特図ゲーム処理タイマ領域に特図ゲーム処理タイマとして記憶する。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした際に、表示装置41における特図変動表示ゲームの表示を停止させるための変動停止指令(変動停止コマンド)を表示指令信号として演出制御装置300に対して送信する。
一方、演出制御装置300は、表示制御装置として機能して、遊技制御装置100からの表示指令信号に応じて表示装置41における表示を制御する。
ここで、変動パターンコマンドを送信してから変動停止コマンドを送信するまでの間、すなわち、特図変動表示ゲームの表示が開始してから終了するまでの間に、停電が発生したとする。
具体的には、例えば、変動中の特図変動表示ゲームの現在の残り変動表示時間が2000ms以上の時点で停電が発生した場合(停電1発生の場合)、当該停電からの復旧の際に、表示装置41における復帰変動表示ゲームの表示が開始して、現在の残り変動表示時間が「0」になった時点で、当該表示が終了する。
また、例えば、変動中の特図変動表示ゲームの現在の残り変動表示時間が2000ms未満の時点で停電が発生した場合(停電2発生の場合)、当該停電からの復旧の際に、表示装置41における高速変動表示ゲームの表示が開始して、現在の残り変動表示時間が「0」になった時点で、当該表示が終了する。
すなわち、演出制御装置300は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が、表示情報記憶保持手段(演出制御装置300の画像ROM323)に予め記憶保持されている表示情報に基づく各変動表示ゲーム(各復帰変動表示ゲーム)の変動表示時間の何れにも達していない場合(本実施形態では2000ms未満の場合)に、当該各変動表示ゲームの何れよりも高速に識別図柄が変動表示されているような表示態様の高速変動表示ゲームを表示装置41に表示させるように構成されている。
なお、「各復帰変動表示ゲームの何れよりも高速に識別図柄が変動表示されているような表示態様」とは、実際に識別図柄を変動表示することにより実現することも可能であるし、識別図柄の変動表示を省略する等して実際には識別図柄を変動表示させずに、見かけ上、あたかも識別図柄が変動表示しているような表示を行うことにより実現することも可能である。
以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、遊技の進行を管理する遊技制御装置100と、識別図柄を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示装置41と、遊技制御装置100からの表示指令信号に応じて表示装置41における表示を制御する表示制御装置(演出制御装置300)と、を備えた遊技機10において、遊技制御装置100は、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報を記憶保持可能な遊技情報記憶保持手段(RWM(本実施形態ではRAM111C))と、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲームが中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、遊技情報記憶保持手段(RWM)に記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲームの進行状態を特定可能な状態情報を、表示制御装置(演出制御装置300)に対して送信する状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)と、を備え、表示制御装置(演出制御装置300)は、表示内容の異なる複数の変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)それぞれに関する各表示情報を予め記憶保持する表示情報記憶保持手段(画像ROM323)と、遊技機10の電源再投入後に、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に基づき表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に記憶保持されている複数の表示情報の中から一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)を表示装置41に表示させる変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)と、を備えている。
したがって、遊技制御装置100は、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報を記憶保持可能であり、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲームが中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、当該記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲームの進行状態を特定可能な状態情報を、演出制御装置300に対して送信し、演出制御装置300は、遊技機10の電源再投入後に、当該送信された状態情報に基づき一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく復帰変動表示ゲームを表示装置41に表示させるので、演出制御装置300にバックアップ機能を設けることなく、停電が発生した場合に、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
すなわち、遊技機10の電源再投入時に、遊技制御装置100から演出制御装置300に対して状態情報が送信されるので、演出制御装置300にバックアップ機能を設けなくても、演出制御装置300は、遊技機10の電源再投入時に状態情報を取得することができる。
また、状態情報は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における進行状態を特定可能な情報であり、当該状態情報に基づき一の表示情報が選択され、当該選択された一の表示情報に基づく復帰変動表示ゲームが表示装置41に表示されるので、遊技機10の電源再投入後に、変動表示ゲームの表示を再開(復帰)させ、変動表示している識別図柄を所定のタイミングで、所定の停止位置に違和感なく停止表示させることができる。したがって、仮停止(揺れ変動)等の簡易な表示を行わなくても、当該違和感を防止することができるため、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、当該選択された一の表示情報に基づく復帰変動表示ゲームが表示装置41に表示されるので、遊技者は、停電しても変動表示ゲームが継続している旨を認識することができ、停電によって変動表示ゲームがキャンセルされてしまったのではないか等の不安が遊技者に生じることを回避することができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)によって選択される表示情報は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では10000ms)に達していない場合に選択される第1変動グループの表示情報と、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(10000ms)に達している場合に選択される第2変動グループの表示情報と、の何れかであり、第2変動グループには、変動表示時間が、所定時間(10000ms)以上であり、かつ、一定間隔(本実施形態では5000ms間隔)で異なる複数の所定の変動表示時間(本実施形態では「10000ms」、「15000ms」、「20000ms」、「25000ms」、「30000ms」、「35000ms」、「40000ms」)のうちの何れかである変動表示ゲームに関する表示情報が属し、第1変動グループには、変動表示時間が、所定時間未満(10000ms)であり、かつ、前記一定間隔(5000ms間隔)よりも小さい間隔(本実施形態では1000ms間隔)で異なる複数の所定の変動表示時間(本実施形態では「2000ms」、「3000ms」、「4000ms」、「5000ms」、「6000ms」、「7000ms」、「8000ms」、「9000ms」)のうちの何れかである変動表示ゲームに関する表示情報が属している。
すなわち、残り変動表示時間が10000ms未満である場合の方が、10000ms以上である場合よりも、復帰変動表示ゲームの表示タイミング、すなわち、変動表示ゲームの復帰(再開)タイミングが細かく設けられている。
したがって、残り変動表示時間が10000ms未満である場合のような、残り変動表示時間が短い場合であっても、遊技機10の電源再投入時に、変動表示ゲームの表示を適切に復帰(再開)させることができ、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が、表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に予め記憶保持されている表示情報に基づく各変動表示ゲーム(各復帰変動表示ゲーム)の変動表示時間の何れにも達していない場合に、当該各変動表示ゲーム(各復帰変動表示ゲーム)の何れよりも高速に識別図柄が変動表示されているような表示態様の高速変動表示ゲームを表示装置41に表示させるように構成されている。 なお、本実施形態において、当該中断時点における残り変動表示時間が、各復帰変動表示ゲームの変動表示時間の何れにも達していない場合にのみ、高速変動表示ゲームを表示するように構成したが、これに限ることはなく、当該中断時点における残り変動表示時間に関わらず、高速変動表示ゲームを表示するように構成しても良い。すなわち、変動表示ゲームの表示を再開(復帰)させる際は常に高速変動表示ゲームを表示するように構成しても良い。この場合、変動表示復帰手段は、ステップS239〜ステップS242の処理を省き、ステップS238で送信された特図変動中コマンドを受信すると、高速変動表示ゲームを表示装置41に表示させるように構成しても良い。
したがって、遊技機10の電源再投入後に、予め記憶保持されている表示情報に基づく各復帰変動表示ゲームの表示が困難な場合、すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が予め記憶保持されている表示情報に基づく各復帰変動表示ゲームの変動表示時間の何れにも達していない場合であっても、高速変動表示ゲームを表示させるようにしたので、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、高速変動表示ゲームの表示態様は、予め記憶保持されている表示情報に基づく各復帰変動表示ゲームの何れよりも高速に識別図柄が変動表示されているような表示態様であるため、遊技者が変動表示中の識別図柄を認識することが困難となる。そのため、例えば、停電復旧後に高速変動表示ゲームを表示させ、変動表示している識別図柄を所定のタイミングで、所定の停止位置に停止表示させる際に、当該停止表示が唐突であっても、遊技者が違和感を抱くことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、変動表示復帰監視処理(図10)を特図ゲーム処理(図9)で行うように構成したが、これに限定されることはなく、変動表示復帰監視処理は、タイマ割込み処理(図8)における特図ゲーム処理(ステップS58)以降の処理、具体的には、特図ゲーム処理(ステップS58)、普図ゲーム処理(ステップS59)、セグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気エラー監視処理(ステップS61)及び外部情報編集処理(ステップS62)のうちの何れかの処理で行われるのであれば、特図ゲーム処理以外の処理で行われても良い。
また、本実施形態では、変動表示復帰監視処理(図10)で復帰変動表示コマンド選択テーブルに基づいてコマンドを取得して演出制御装置300に送信し、復帰変動表示を行うようにしたが、復帰変動表示コマンド選択テーブルの代わり後半変動パターンテーブルを使用してもよい。
具体的には、後半変動パターンテーブルを使用して、残り変動表示時間で実行可能な後半変動パターン番号を取得して演出制御装置300に送信し、演出制御基板は受信した後半変動パターン番号に基づき復帰変動表示として後半変動表示を行うことが考えられる。
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態の遊技機10が、遊技制御装置100側で変動表示ゲームの復帰表示のタイミングを監視するように構成されていたのに対し、第2実施形態の遊技機10は、演出制御装置300側で変動表示ゲームの復帰表示のタイミングを監視するように構成されている点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
〔停電時復旧処理〕
本実施形態では、遊技制御装置100は、図7の停電時復旧処理に代えて、図13に示す停電時復旧処理を行う。
具体的には、図13に示すように、本実施形態の停電時復旧処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、機種指定コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS231)、飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS232)、確率情報コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS233)を行う。
次いで、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であるか否かを判定する(ステップS234)。
ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であると判定した場合(ステップS234;Yes)には、客待ちデモコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS235)、当該停電時復旧処理を終了する。
一方、ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」でないと判定した場合(ステップS234;No)には、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であるか否かを判定する(ステップS236)。
ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」でないと判定した場合(ステップS236;No)には、特図変動停止中コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS237)、当該停電時復旧処理を終了する。
なお、本実施形態では、特図ゲーム処理番号が「1」でないと判定した場合に、特図変動停止中コマンドを送信するように構成したが、これに限ることはなく、例えば、さらに、特図ゲーム処理番号が「2(=特図表示中処理)」であるか否か判定し、特図ゲーム処理番号が「2」である場合にのみ、特図変動停止中コマンドを送信するように構成しても良い。この場合、特図変動停止中コマンドとともに、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理タイマ(後述)に基づいて、残り停止表示時間に関する情報を送信するようにしても良い。
一方、ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であると判定した場合(ステップS236;Yes)には、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図変動フラグを参照して、特図変動フラグは特図1であるか否かを判定する(ステップS250)。
ステップS250で、特図変動フラグは特図1であると判定した場合(ステップS250;Yes)、すなわち、当該停電時復旧処理が、第1特図変動表示ゲームの変動中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、第1特図変動表示ゲームが変動中であることを知らせるための特図1変動中コマンドを演出制御装置300に対して送信する(ステップS251)。
次いで、RWMに記憶されている遊技情報のうちの飾り図柄コマンド(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された第1特図変動表示ゲームの停止図柄(表示結果態様)を特定するための飾り特図コマンド(図柄指定情報))を演出制御装置300に対して送信し(ステップS252)、RWMに記憶されている遊技情報のうちの残り時間情報(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された第1特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間である特図ゲーム処理タイマを特定するための残り時間情報)を演出制御装置300に対して送信し(ステップS253)、当該停電時復旧処理を終了する。
一方、ステップS250で、特図変動フラグは特図1でないと判定した場合(ステップS250;No)、すなわち、当該停電時復旧処理が、第2特図変動表示ゲームの変動中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、第2特図変動表示ゲームが変動中であることを知らせるための特図2変動中コマンドを演出制御装置300に対して送信する(ステップS254)。
次いで、RWMに記憶されている遊技情報のうちの飾り特図コマンド(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された第2特図変動表示ゲームの停止図柄(表示結果態様)を特定するための飾り特図コマンド(図柄指定情報))を演出制御装置300に対して送信し(ステップS255)、RWMに記憶されている遊技情報のうちの残り時間情報(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された第2特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間を特定するための残り時間情報)を演出制御装置300に対して送信し(ステップS256)、当該停電時復旧処理を終了する。
〔変動表示復帰処理〕
本実施形態では、遊技制御装置100は変動表示復帰監視処理(図10)を行わず、その代わりに、演出制御装置300が変動表示復帰処理(図14)を行う。
当該変動表示復帰処理は、停電後、遊技機10の電源が再投入されてから一定期間の間、定期的に行われる。具体的には、例えば、当該変動表示復帰処理は、停電時復旧処理(図13)のステップS231で送信される機種指定コマンドを受信してから、ステップS253又はステップS256で送信される残り変動表示時間(残り時間情報)を受信し得る期間を少なくとも含む一定期間の間、定期的に行われる。
具体的には、図14に示すように、変動表示復帰処理において、演出制御装置300は、まず、停電時復旧処理(図13)のステップS251で送信される特図1変動中コマンド又はステップS254で送信される特図2変動中コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1)。
ステップB1で、特図1変動中コマンド又は特図2変動中コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB1;No)には、ステップB6の処理に移行する。
一方、ステップB1で、特図1変動中コマンド又は特図2変動中コマンドを受信したと判定した場合(ステップB1;Yes)には、停電時復旧処理(図13)のステップS252又はステップS255で送信される飾り特図コマンドに基づいて、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の飾り特図(停止図柄)は、大当り図柄であるか否かを判定する(ステップB2)。
ステップB2で、飾り特図は大当り図柄であると判定した場合(ステップB2;Yes)には、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブルを取得して(ステップB3)、ステップB5の処理に移行する。
一方、ステップB2で、飾り特図は大当り図柄でないと判定した場合(ステップB2;No)、すなわち、飾り特図がはずれ図柄である場合には、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルを取得して(ステップB4)、ステップB5の処理に移行する。
ここで、本実施形態において、復帰変動表示ゲームは、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(本実施形態では10000ms)以上である場合に表示される。
なお、当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(10000ms)未満である場合には、復帰変動表示ゲームの代わりに高速変動表示ゲームを表示するように構成しても良いし、何れの変動表示ゲームも表示しないように構成しても良い。
したがって、本実施形態において、復帰変動表示ゲームの変動パターン(復帰変動表示パターン)は、例えば、図15に示すように、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が所定時間(10000ms)以上である場合に選択される復帰変動表示パターンのみである。
なお、図15では、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルのみを示しており、大当り時の復帰変動表示コマンド選択テーブルは、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブルと略同一であるため省略している。
ここで、復帰変動表示コマンド選択テーブルは、例えばPROM321(或いはPROM322であっても良い。)に記憶されている。
ステップB5では、ステップB3又はステップB4で取得した復帰変動表示コマンド選択テーブル中の復帰変動表示パターンのうちの、現在の残り変動表示時間に対応する復帰変動表示パターンを設定して(ステップB5)、ステップB6の処理に移行する。
ここで、演出制御装置300は、停電時復旧処理(図13)のステップS253又はステップS256で送信された残り変動表示時間(残り時間情報)を受信した際に、当該残り変動表示時間を残り時間タイマにセットし、当該残り時間タイマを所定のタイミング(具体的には、例えば、遊技制御装置100の特図ゲーム処理タイマの更新タイミングと同一のタイミング)で更新(−1)することにより、現在の残り変動表示時間を把握できるように構成されている。
具体的には、例えば、現在の残り変動表示時間が「25000ms」であり、飾り特図がはずれ図柄である場合(すなわち、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合)、演出制御装置300は、ステップB4で、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル(図15)を取得し、ステップB5で、現在の残り変動表示時間「25000ms」に対応する復帰変動表示パターンとして変動表示時間が20000msの復帰変動表示パターン(「復帰変動表示パターン5」、図15参照)を設定する。
また、例えば、現在の残り変動表示時間が「70000ms」であり、飾り特図がはずれ図柄である場合(すなわち、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合)、演出制御装置300は、ステップB4で、はずれ時の復帰変動表示コマンド選択テーブル(図15)を取得し、ステップB5で、現在の残り変動表示時間「70000ms」に対応する復帰変動表示パターンとして変動表示時間が60000msの復帰変動表示パターン(「復帰変動表示パターン1」、図15参照)を設定する。
ステップB6では、復帰変動表示パターンが設定されているか否かを判定して(ステップB6)、設定されていないと判定した場合(ステップB6;No)には、当該変動表示復帰処理を終了する。
一方、ステップB6で、復帰変動表示パターンが設定されていると判定した場合(ステップB6;Yes)には、残り時間タイマに基づいて、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであるか否かを判定し(ステップB7)、そのタイミングでないと判定した場合(ステップB7;No)には、当該変動表示復帰処理を終了する。
具体的には、例えば、「復帰変動表示パターン5」が設定されている場合、演出制御装置300は、現在の残り変動表示時間が「20000ms」であれば、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであると判定し、「20000ms」以外であれば、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングでないと判定する。
また、例えば、「復帰変動表示パターン1」が設定されている場合、演出制御装置300は、現在の残り変動表示時間が「60000ms」であれば、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであると判定し、「60000ms」以外であれば、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングでないと判定する。
一方、ステップB7で、復帰変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであると判定した場合(ステップB7;Yes)には、設定されている復帰変動表示パターンに対応する変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)に関する表示情報を画像ROM323から取得して、表示装置41における当該取得した表示情報に基づく復帰変動表示ゲームの表示を開始し(ステップB8)、復帰変動表示パターンの設定をクリアして(ステップB9)、当該変動表示復帰処理を終了する。
具体的には、例えば、「復帰変動表示パターン5」が設定されている場合、演出制御装置300は、画像ROM323に記憶保持されている復帰変動表示ゲームそれぞれに関する各表示情報の中から、「復帰変動表示パターン5」に対応する復帰変動表示ゲーム(すなわち、変動表示時間が20000msの復帰変動表示ゲーム)に関する表示情報のうちの何れか一つを取得して、当該取得した表示情報に基づく復帰変動表示ゲームを表示装置41に表示する。
また、例えば、「復帰変動表示パターン1」が設定されている場合、演出制御装置300は、画像ROM323に記憶保持されている復帰変動表示ゲームそれぞれに関する各表示情報の中から、「復帰変動表示パターン1」に対応する復帰変動表示ゲーム(すなわち、変動表示時間が60000msの復帰変動表示ゲーム)に関する表示情報のうちの何れか一つを取得して、当該取得した表示情報に基づく復帰変動表示ゲームを表示装置41に表示する。
以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの表示結果態様を特定するための図柄指定情報(飾り特図コマンド)と、当該変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間を特定するための残り時間情報と、を含む情報を状態情報として送信し、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)は、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に含まれる図柄指定情報(飾り特図コマンド)と残り時間情報とに基づき表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に記憶保持されている複数の表示情報の中から一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく変動表示ゲーム(復帰変動表示ゲーム)を表示装置41に表示させるように構成されている。
すなわち、状態情報は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの表示結果態様を特定するための飾り特図コマンドと、当該変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間を特定するための残り時間情報と、を含む情報であるので、遊技機10の電源再投入後に、当該遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの表示結果態様に対応し、かつ、当該遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間に対応する復帰変動表示ゲームを表示することができる。
したがって、例えば、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの表示結果態様がはずれであるにもかかわらず、大当りを導出するような復帰変動表示ゲームを表示してしまったり、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間よりも長い変動表示時間を有する復帰変動表示ゲームを表示してしまったり等の矛盾が生じることを防止することができる。
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態の遊技機10が、停電復旧時に変動表示ゲームを復帰表示するように構成されていたのに対し、第3実施形態の遊技機10は、さらに、停電復旧時に予告演出も復帰するように構成されている点が、第2実施形態の遊技機10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
まず、特図ゲーム処理(図9)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
なお、前述の第1実施形態や第2実施形態では、始動口スイッチ監視処理の詳細についての説明は省略したが、第1実施形態や第2実施形態でも始動口スイッチ監視処理として、図16と同一の処理が行われる。
図16に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。
なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
なお、前述の第1実施形態や第2実施形態では、特図始動口スイッチ共通処理の詳細についての説明は省略したが、第1実施形態や第2実施形態でも特図始動口スイッチ共通処理として、図17と同一の処理が行われる。
図17に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。
ここで、RWM(本実施形態ではRAM111C)は、始動口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図18に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でないと判定した場合(ステップA232;No)には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する(ステップA233)。
ステップA233で、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定した場合(ステップA233;No)には、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップA234)。
ステップA234で、大当り中でないと判定した場合(ステップA234;No)には、抽出した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233で、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定した場合(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234で、大当り中であると判定した場合(ステップA234;Yes)には、当該特図保留情報判定処理を終了する。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232で、始動口2スイッチ37aの入力であると判定した場合(ステップA232;Yes)には、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA237)、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定した場合(ステップA240;No)、すなわち、始動口2スイッチ37aの入力である場合には、大当り図柄乱数チェックテーブル2を設定する(ステップA239)。また、始動口1スイッチ36aの入力であると判定した場合(ステップS240;Yes)には、大当り図柄乱数チェックテーブル1を設定する(ステップA240)。
ここで、大当り図柄乱数チェックテーブルには、例えば、図20に示すように、始動入賞球の検出時に抽出した大当り図柄乱数を判定するための大当り図柄乱数判定値と、停止図柄を特定するための飾り特図コマンドと、時短回数を特定するための時短回数フラグと、ラウンド数を特定するための連続作動回数上限値データと、特別変動入賞装置38の開放時間を特定するための大入賞口開放データと、が対応付けて記憶されている。
なお、図20では、大当り図柄乱数チェックテーブルの一例を示している。
大当り図柄乱数チェックテーブル1の内容と大当り図柄乱数チェックテーブル2の内容とは、同一であっても良いし、異なっていても良い。すなわち、大当り図柄乱数チェックテーブル1と大当り図柄乱数チェックテーブル2とで内容(例えば、時短回数、ラウンド数、特別変動入賞装置38の開放時間等)を同一にして、始動口1スイッチ36aの入力である場合と始動口2スイッチ37aの入力である場合とで、付与される価値が同一になるように設定しても良いし、大当り図柄乱数チェックテーブル1と大当り図柄乱数チェックテーブル2とで内容を異ならせて、始動口1スイッチ36aの入力である場合と始動口2スイッチ37aの入力である場合とで、付与される価値が異なるように設定しても良い。
ここで、大当り図柄乱数チェックテーブルは、例えばROM111Bに記憶されている。
次いで、ステップA239又はステップS240で設定した大当り図柄乱数チェックテーブルに基づいて、抽出した大当り図柄乱数に対応する飾り特図コマンドを取得する処理(ステップA241)、コマンド設定処理(ステップA243)を行う。これにより、当該飾り特図コマンドは、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。
具体的には、例えば、ステップA239又はステップS240で設定した大当り図柄乱数チェックテーブルが図20に示すテーブルであり、抽出した大当り図柄乱数が「30」である場合、遊技用マイコン111は、「飾り特図コマンド2」を設定し、そして、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で、当該設定した飾り特図コマンドを演出制御装置300に対して送信する。
なお、演出制御装置300においては、PROM321(或いはPROM322であっても良い。)に、遊技制御装置100のROM111Bに記憶されている大当り図柄乱数チェックテーブルと同じ内容のテーブルが記憶されており、遊技制御装置100から受信した飾り特図コマンドに基づいて、時短回数、ラウンド数、特別変動入賞装置38の開放時間等を把握できるように構成されている。
また、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)、すなわち、判定結果がはずれである場合には、はずれ時の飾り特図コマンドを取得する処理(ステップA242)、コマンド設定処理(ステップA243)を行う。これにより、当該飾り特図コマンドは、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。
次いで、RWMの先読み情報セーブ領域のうちの、特図保留数に対応する先読み情報セーブ領域のアドレスを算出して(ステップA244)、当該算出したアドレスが割り当てられた先読み情報セーブ領域に、ステップS241又はステップA242で取得した飾り特図コマンドをセーブする(ステップA245)。
ここで、RWMの先読み情報セーブ領域には、変動中の特図変動表示ゲームの先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)を記憶する領域1と、特図保留数に対応した先読み情報を記憶する領域2と、からなる。
次いで、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターン(後半変動表示パターン)を設定する後半変動パターン設定処理(ステップA246)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA247)を行う。
次いで、ステップA247の変動パターン設定処理で取得された前半変動番号(すなわち、前半変動表示ゲームの変動パターン(前半変動表示パターン)を特定するための変動パターン番号)に対応する変動コマンド(MODE)を準備する処理(ステップA248)、ステップA246の後半変動パターン設定処理で取得された後半変動番号(すなわち、後半変動表示ゲームの変動パターン(後半変動表示パターン)を特定するための変動パターン番号)に対応する変動コマンド(ACTION)を準備する処理(ステップA249)、コマンド設定処理(ステップA250)を行う。これにより、先読み変動コマンド(当該前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)及び当該後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION))は、次回のタイマ割込み処理(図8)のコマンド送信処理(ステップS54)で演出制御装置300に対して送信される。
次いで、ステップS244で算出したアドレスが割り当てられた先読み情報セーブ領域に、ステップA248及びステップS249で準備した先読み変動コマンド(前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)及び後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION))をセーブして(ステップA251)、当該特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA241又はステップA244で飾り特図コマンドを取得するとともに、ステップA248及びステップA249で先読み変動コマンド(前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)及び後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION))を準備することで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができる。これにより、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100の遊技用マイコン111及び出力部130が、始動口(始動入賞口36及び普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞時に、始動記憶に対応して記憶された乱数値の判定結果に基づいて、特別遊技状態(大当り状態)の発生の有無及び演出内容に関する情報を含む演出情報(先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド))を表示制御装置(演出制御装置300)に対して送信する演出情報送信手段として機能する。
また、ステップA245でRWMの先読み情報セーブ領域のうちの特図保留数に対応する先読み情報セーブ領域に飾り特図コマンドをセーブするとともに、ステップA251で当該先読み情報セーブ領域に先読み変動コマンド(前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)及び後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION))をセーブすることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、停電等に伴う遊技機10の電源遮断時にもバックアップすることができる。これにより、特に停電等に伴い遊技機10の電源が遮断した場合、当該遊技機10の電源が遮断する前に演出制御装置300に対して知らせた先読み結果と同一の先読み結果を、当該遊技機10の電源が再投入された際に演出制御装置300に対して再度知らせることが可能となる。
〔停電時復旧処理〕
本実施形態では、遊技制御装置100は、図13に示す停電時復旧処理に代えて、図19に示す停電時復旧処理を行う。
具体的には、図19に示すように、本実施形態の停電時復旧処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、機種指定コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS231)、飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS232)、確率情報コマンドを演出制御装置300に対して送信する処理(ステップS233)を行う。
次いで、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であるか否かを判定する(ステップS234)。
ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」であると判定した場合(ステップS234;Yes)には、客待ちデモコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS235)、当該停電時復旧処理を終了する。
一方、ステップS234で、特図ゲーム処理番号は「0(=特図普段処理)」でないと判定した場合(ステップS234;No)には、先読み情報送信設定処理(ステップS260)を行い、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号を参照して、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であるか否かを判定する(ステップS236)。
ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」でないと判定した場合(ステップS236;No)には、停止中復帰処理(ステップS261)を行って、当該停電時復旧処理を終了する。
一方、ステップS236で、特図ゲーム処理番号は「1(=特図変動中処理)」であると判定した場合(ステップS236;Yes)には、RWMに記憶されている遊技情報のうちの残り時間情報(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間を特定するための残り時間情報)を演出制御装置300に対して送信し(ステップS262)、当該停電時復旧処理を終了する。
〔先読み情報送信設定処理〕
次に、前述の停電時復旧処理における先読み情報送信設定処理(ステップS260)の詳細について説明する。
図21に示すように、先読み情報送信設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図1保留数(すなわち、第1特図変動表示ゲームの始動記憶数)及び特図2保留数(すなわち、第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)を取得して(ステップS301)、送信カウンタを初期化する(ステップS302)。
ここで、本実施形態では、ステップS302で、送信カウンタに「0」を設定することによって、当該送信カウンタを初期化することとする。
次いで、送信カウンタに対応する先読み情報セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップS303)、当該算出したアドレスが割り当てられた先読み情報セーブ領域に記憶されている先読み変動コマンドを取得して演出制御装置300に対し送信する処理(ステップS304)、当該算出したアドレスが割り当てられた先読み情報セーブ領域に記憶されている飾り特図コマンドを取得して演出制御装置300に対し送信する処理(ステップS305)を行う。
次いで、送信カウンタを+1更新して(ステップS306)、送信カウンタの値が、ステップS301で取得した特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値に一致するか否か、すなわち、ステップS301で取得した特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した回数分、先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)の送信を行ったか否かの判定を行う(ステップS307)。
ここで、前述したように、RWMの先読み情報セーブ領域には、変動中の特図変動表示ゲームの先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)を記憶する領域1と、特図保留数に対応した先読み情報を記憶する領域2と、からなる。そのため、ステップS307で、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値に一致するか否か判定することによって、RWMの先読み情報セーブ領域に記憶保持されている全ての先読み情報を演出制御装置300に対して送信可能となっている。
ステップS307で、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した回数分の送信を行っていないと判定した場合(ステップS307;No)、すなわち、送信カウンタの値が、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値でない場合には、ステップS303以降の処理を繰り返して行う。
一方、ステップS307で、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した回数分の送信を行ったと判定した場合(ステップS307;Yes)、すなわち、送信カウンタの値が、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値に一致する場合には、当該先読み情報送信処理を終了する。
ここで、RWMの先読み情報セーブ領域に記憶されている先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)は、対応する特図変動表示ゲームの変動が完了した時点、すなわち、対応する特図変動表示ゲームの現在の残り変動表示時間が「0」になった時点で削除される。
また、本実施形態では、変動中の特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)は、送信カウンタ「0」に対応する先読み情報セーブ領域(領域1)に記憶されることとする。
具体的には、例えば、特図1保留数が「2」(「第1始動記憶1」と「第1始動記憶2」との2つ)、特図2保留数が「1」(「第2始動記憶1」の1つ)である場合、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、ステップS301で、特図1保留数「2」及び特図2保留数「1」を取得し、ステップS302で、送信カウンタを初期化する。
この段階では、送信カウンタの値は「0」であるので、遊技用マイコン111は、ステップS304及びステップS305で、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)を取得して送信する。
次いで、遊技用マイコン111は、ステップS306で、送信カウンタを+1更新する。
この段階では、送信カウンタの値は「1」であるので、ステップS307で、送信カウンタの値が特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値(2+1+1=4)でない、すなわち、先読み情報を、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した回数分(4回分)送信していないと判定する。
次いで、送信カウンタの値「1」に対応する先読み情報セーブ領域のアドレス、例えば、「第1始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)が記憶されている先読み情報セーブ領域のアドレスが算出される。
そして、遊技用マイコン111は、ステップS304及びステップS305で、「第1始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報を取得して送信する。
次いで、遊技用マイコン111は、ステップS306で、送信カウンタを+1更新する。
この段階では、送信カウンタの値は「2」であるので、遊技用マイコン111は、先読み情報を4回分送信していないと判定する。
次いで、送信カウンタの値「2」に対応する先読み情報セーブ領域のアドレス、例えば、「第1始動記憶2」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)が記憶されている先読み情報セーブ領域のアドレスが算出される。
そして、遊技用マイコン111は、ステップS304及びステップS305で、「第1始動記憶2」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報を取得して送信する。
次いで、遊技用マイコン111は、ステップS306で、送信カウンタを+1更新する。
この段階では、送信カウンタの値は「3」であるで、遊技用マイコン111は、先読み情報を4回分送信していないと判定する。
次いで、送信カウンタの値「3」に対応する先読み情報セーブ領域のアドレス、例えば、「第2始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)が記憶されている先読み情報セーブ領域のアドレスが算出される。
そして、遊技用マイコン111は、ステップS304及びステップS305で、「第2始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報を取得して送信する。
次いで、遊技用マイコン111は、ステップS306で、送信カウンタを+1更新する。
この段階では、送信カウンタの値は「4」であるので、遊技用マイコン111は、先読み情報を4回分送信したと判定して、先読み情報送信設定処理を終了する。
すなわち、ステップS307で、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した回数分の送信を行ったか否かを判定することによって、RWMの先読み情報セーブ領域に記憶保持されている全ての先読み結果(すなわち、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)と、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームに対応する先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド))を演出制御装置300に対して送信可能となっている。
次に、図22に、本実施形態において後述するような変動表示復帰処理(図24)を実行する場合のタイミングチャートの一例を示す。なお、本実施形態では、特図変動表示ゲームが、前半変動表示ゲームと、それ以降の後半変動表示ゲームと、からなっている。
まず、遊技制御装置100は、表示装置41における特図変動表示ゲームの表示を開始させる際に、当該特図変動表示ゲームの変動パターンを特定するための変動パターン情報(変動パターンコマンド)を表示指令信号として演出制御装置300に対して送信するとともに、当該特図変動表示ゲームの変動表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域に特図ゲーム処理タイマとして記憶する。
そして、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした際に、表示装置41における特図変動表示ゲームの表示を停止させるための変動停止指令(変動停止コマンド)を表示指令信号として演出制御装置300に対して送信する。
一方、演出制御装置300は、表示制御装置として機能して、遊技制御装置100からの表示指令信号に応じて表示装置41における表示を制御する。
ここで、変動パターンコマンドを送信してから変動停止コマンドを送信するまでの間、すなわち、特図変動表示ゲームの表示が開始してから終了するまでの間に、停電が発生したとする。
具体的には、例えば、特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームが変動している最中に停電が発生した場合(停電1発生の場合)、当該停電からの復旧の際に、表示装置41における変動開始待ち表示(具体的には、例えば、「変動表示待ち」等の字幕表示)が開始する。そして、現在の残り変動時間が当該特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの変動時間(後半変動時間)に一致した時点で、表示装置41における当該後半変動表示ゲームの表示が開始して、現在の残り変動表示時間が「0」になった時点で、当該表示が終了する。
また、例えば、特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームが変動している最中に停電が発生した場合(停電2発生の場合)、当該停電からの復旧の際に、表示装置41における高速変動表示ゲームの表示が開始して、現在の残り変動表示時間が「0」になった時点で、当該表示が終了する。
すなわち、本実施形態の遊技機10は、停電復旧の際に、復帰変動表示ゲームを表示するのではなく、当該遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームを表示するように構成されている。
また、本実施形態の遊技機10は、当該遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が、当該特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの変動表示時間(後半変動時間)以上である場合に、現在の残り変動表示時間が当該後半変動時間に一致した時点で、変動表示ゲームを復帰表示し、当該遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間が、当該特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの変動表示時間(後半変動時間)未満である場合には、高速変動表示ゲームを表示するように構成されている。
〔停止中復帰処理〕
次に、前述の停電時復旧処理における停止中復帰処理(ステップS261)の詳細について説明する。
図23に示すように、停止中復帰処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップS311)を行う。
ステップS311にて、特図ゲーム処理番号が「2(=特図表示中処理)」の場合、すなわち、当該停止中復帰処理が、特図表示中処理の最中(特図変動表示ゲームが停止して、当該特図変動表示ゲームの結果(停止図柄)が表示されている最中)に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、特図変動表示ゲームが停止中であることを知らせるための特図変動停止中コマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS312)、ステップS321の処理に移行する。
これにより、演出制御装置300は、例えば、特図表示中処理の次に行うべき処理(ファンファーレ/インターバル中処理)にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となる。
また、ステップS311にて、特図ゲーム処理番号が「3(=ファンファーレ/インターバル中処理)」の場合、すなわち、当該停止中復帰処理が、ファンファーレ/インターバル中処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、ファンファーレ/インターバル中であることを知らせるためのファンファーレ/インターバル中コマンドを演出制御装置300に対して送信するとともに(ステップS313)、RWMに記憶されている遊技情報のうちのラウンド数情報に基づいて、遊技機10の電源遮断によって中断されたサイクル遊技(ラウンド遊技)の当該中断時点におけるラウンド数を知らせるためのラウンドコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS314)、ステップS321の処理に移行する。
これにより、演出制御装置300は、例えば、ファンファーレ/インターバル中処理の次に行うべき処理(大入賞口開放中処理)にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となるとともに、停電した時点におけるラウンド数を遊技者に対して報知することが可能となる。
また、ステップS311にて、特図ゲーム処理番号が「4(=大入賞口開放中処理)」の場合、すなわち、当該停止中復帰処理が、大入賞口開放中処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、大入賞口開放中であることを知らせるための大入賞口開放中コマンドを演出制御装置300に対して送信するとともに(ステップS315)、RWMに記憶されている遊技情報のうちのラウンド数情報に基づいてラウンドコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS316)、ステップS321の処理に移行する。
これにより、演出制御装置300は、例えば、大入賞口開放中処理の次に行うべき処理(大入賞口残存球処理)にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となるとともに、停電した時点におけるラウンド数を遊技者に対して報知することが可能となる。
また、ステップS311にて、特図ゲーム処理番号が「5(=大入賞口残存球処理)」の場合、すなわち、当該停止中復帰処理が、大入賞口残存球処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、大入賞口残存球処理中であることを知らせるための大入賞口残存球処理中コマンドを演出制御装置300に対して送信するとともに(ステップS317)、RWMに記憶されている遊技情報のうちのラウンド数情報に基づいてラウンドコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS318)、ステップS321の処理に移行する。
これにより、演出制御装置300は、例えば、大入賞口残存球処理の次に行うべき処理(大当り終了処理)にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となるとともに、停電した時点におけるラウンド数を遊技者に対して報知することが可能となる。
また、ステップS311にて、特図ゲーム処理番号が「6(=大当り終了処理)」の場合、すなわち、当該停止中復帰処理が、大当り終了処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、大当り終了処理中であることを知らせるための大当り終了処理中コマンドを演出制御装置300に対して送信するとともに(ステップS319)、RWMに記憶されている遊技情報のうちのラウンド数情報に基づいてラウンドコマンドを演出制御装置300に対して送信し(ステップS320)、ステップS321の処理に移行する。
これにより、演出制御装置300は、例えば、大当り終了処理の次に行うべき処理(特図普段処理)にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となるとともに、停電した時点におけるラウンド数を遊技者に対して報知することが可能となる。
ステップS321では、RWMに記憶されている遊技情報のうちの飾り特図コマンド(すなわち、前回の特図変動表示ゲーム(停電直前に停止した特図変動表示ゲーム)の停止図柄を特定するための飾り特図コマンド)を演出制御装置300に対して送信する(ステップS321)。そして、RWMに記憶されている遊技情報のうちの特図ゲーム処理タイマの値を演出制御装置300に対して送信し(ステップS322)、当該停止中復帰処理を終了する。
ここで、ステップS322で送信される特図ゲーム処理タイマの値は、遊技機10の電源遮断によって中断された特図ゲーム処理の当該中断時点における残り処理時間を特定するための残り時間情報である。すなわち、例えば、当該停止中復帰処理が、特図表示中処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、ステップS322で送信される特図ゲーム処理タイマの値は、残り停止表示時間を特定するための残り時間情報であり、また、例えば、当該停止中復帰処理が、大入賞口開放中処理の最中に発生した停電からの復旧時に行われている処理である場合には、ステップS322で送信される特図ゲーム処理タイマの値は、残り開放時間を特定するための残り時間情報である。
すなわち、停止中復帰処理によれば、ステップS312で特図変動停止中コマンドが、ステップS313でファンファーレ/インターバル中コマンドが、ステップS315で大入賞口開放中コマンドが、ステップS317で大入賞口残存球処理中コマンドが、ステップS391で大当り終了処理中コマンドが、演出制御装置300に対して送信されるため、演出制御装置300は、次に行うべき処理にまもなく移行する旨の示唆等を遊技者に対して行うことが可能となる。
これにより、遊技者は、停電しても特図変動表示ゲームに関する一連の処理が継続している旨を認識することができるため、未消化の処理が停電によってキャンセルされてしまったのではないか等の不安が遊技者に生じることを回避することができる。
また、停止中復帰処理によれば、ステップS314、ステップS316、ステップS318又はステップS320で、ラウンドコマンドが演出制御装置300に対して送信されるため、演出制御装置300は、停電した時点におけるラウンド数を遊技者に対して報知することが可能となる。
これにより、遊技者は、停電してもサイクル遊技(ラウンド遊技)が継続している旨を認識することができるため、未消化のラウンドが停電によってキャンセルされてしまったのではないか等の不安が遊技者に生じることを回避することができる。
なお、本実施形態では、停電した時点におけるラウンド数を報知するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、停電した時点における残りラウンド数を報知するようにしても良い。
また、停止中復帰処理によれば、ステップS321で飾り特図コマンドが演出制御装置300に対して送信されるため、演出制御装置300は、表示装置41における停電直前と同様の表示(すなわち、前回の特図変動表示ゲームの停止図柄の表示)の復帰(再開)が可能となる。
これにより、遊技者は、停電しても停電直前と同一の停止図柄の表示が継続している旨を認識することができるため、遊技者に不安が生じることを回避することができる。具体的には、例えば、当該停止図柄が確変図柄であった場合には、確変状態が停電によってキャンセルされてしまったのではないか等の不安が遊技者に生じることを回避することができる。
また、停止中復帰処理によれば、ステップS322で特図ゲーム処理タイマの値が演出制御装置300に対して送信されるため、演出制御装置300は、当該特図ゲーム処理タイマの値を表示装置41に表示させることが可能となる。
これにより、遊技者は、次に行うべき処理に移行するタイミング等を的確に把握することができる。具体的には、例えば、復帰したファンファーレ/インターバル中処理の残り処理時間を表示することで、遊技者は、次の動作(大入賞口の開放動作)に移行するタイミングを的確に把握することができる。
〔変動表示復帰処理〕
実施形態では、演出制御装置300は、図14の変動表示復帰処理に代えて、図24に示す変動表示復帰処理を行う。
当該変動表示復帰処理は、停電後、遊技機10の電源が再投入されてから一定期間の間、定期的に行われる。具体的には、例えば、当該変動表示復帰処理は、停電時復旧処理(図19)のステップS231で送信される機種指定コマンドを受信してから、ステップS262で送信される残り変動表示時間(残り時間情報)を受信し得る期間を少なくとも含む一定期間の間、定期的に行われる。
具体的には、図24に示すように、本実施形態の変動表示復帰処理において、演出制御装置300は、まず、先読み情報送信設定処理(図21)のステップS304及びステップS305で送信される先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップB11)。
ステップB11で、先読み情報を受信していないと判定した場合(ステップB11;No)には、ステップB16の処理に移行する。
一方、ステップB11で、先読み情報を受信したと判定した場合(ステップB11;Yes)には、当該受信した先読み情報のうちの、最初に受信した先読み情報(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームに対応する先読み情報)から先読み変動コマンド(前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)及び後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION))を抽出し、当該抽出した先読み変動コマンドに対応する後半変動表示ゲームの時間値(後半変動時間)を取得する(ステップB12)。具体的には、演出制御装置300は、当該抽出した先読み変動コマンドに対応する後半変動時間として、遊技機10の電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの変動時間を取得する。
次いで、残り時間タイマに基づいて、ステップB12で取得した後半変動時間が、現在の残り変動表示時間以上であるか否かを判定する(ステップB13)。
ここで、演出制御装置300は、停電時復旧処理(図19)のステップS262で送信された残り変動表示時間(残り時間情報)を受信した際に、当該残り変動表示時間を残り時間タイマにセットし、当該残り時間タイマを所定のタイミング(具体的には、例えば、遊技制御装置100の特図ゲーム処理タイマの更新タイミングと同一のタイミング)で更新(−1)することにより、現在の残り変動表示時間を把握できるように構成されている。
ステップB13で、後半変動時間が現在の残り変動表示時間以上でないと判定した場合(ステップB13;No)には、表示装置41における高速変動表示ゲームの表示を開始して(ステップB15)、当該変動表示復帰処理を終了する。
一方、ステップB13で、後半変動時間が現在の残り変動表示時間以上であると判定した場合(ステップB13;Yes)には、表示装置41における変動開始待ち表示を開始し、ステップB12で後半変動時間を取得する際に抽出した先読み変動コマンドに対応する後半変動表示パターンを設定して(ステップB14)、ステップB16の処理に移行する。具体的には、演出制御装置300は、当該抽出した先読み変動コマンドに対応する後半変動表示パターンとして、遊技機10の電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームの変動パターンを設定する。
ステップB16では、後半変動表示パターンが設定されているか否かを判定して(ステップB16)、設定されていないと判定した場合(ステップB16;No)には、当該変動表示復帰処理を終了する。
一方、ステップB16で、後半変動表示パターンが設定されていると判定した場合(ステップB16;Yes)には、残り時間タイマに基づいて、現在の残り変動表示時間がステップB12で取得した後半変動時間に一致するか否か判断することによって、後半変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップB17)。
ステップB17で、後半変動表示ゲームの表示を開始するタイミングでないと判定した場合(ステップB17;No)、すなわち、現在の残り変動表示時間がステップB12で取得した後半変動時間に一致しないと判断した場合には、当該変動表示復帰処理を終了する。
一方、ステップB17で、後半変動表示ゲームの表示を開始するタイミングであると判定した場合(ステップB17;Yes)、すなわち、現在の残り変動表示時間がステップB12で取得した後半変動時間に一致すると判断した場合には、設定されている後半変動表示パターンに対応する変動表示ゲーム(後半変動表示ゲーム)に関する表示情報を画像ROM323から取得して、表示装置41における当該取得した表示情報に基づく後半変動表示ゲームの表示を開始し(ステップB18)、後半変動表示パターンの設定をクリアして(ステップB19)、当該変動表示復帰処理を終了する。
〔連続予告復帰処理〕
本実施形態では、演出制御装置300は、さらに、図25に示す連続予告復帰処理を行う。
当該連続予告復帰処理は、停電後、遊技機10の電源が再投入されてから一定期間の間、定期的に行われる。具体的には、例えば、当該連続予告復帰処理は、停電時復旧処理(図19)のステップS231で送信される機種指定コマンドを受信してから、ステップS262で送信される残り変動表示時間(残り時間情報)を受信し得る期間を少なくとも含む一定期間の間、定期的に行われる。
具体的には、図24に示すように、本実施形態の連続予告復帰処理において、演出制御装置300は、まず、先読み情報送信設定処理(図21)のステップS304及びステップS305で送信される先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド)を全て受信したか否かを判定する(ステップB21)。
ここで、本実施形態において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先読み情報送信設定処理(図21)の最中に、当該先読み情報送信設定処理のステップS301で取得した特図1保留数及び特図2保留数を演出制御装置300対して送信するように構成されていることとする。これにより、演出制御装置300は、ステップB21で、当該受信した特図1保留数及び特図2保留数に基づいて、先読み情報を全て受信したか否かを判定することができる。
なお、本実施形態では、特図1保留数及び特図2保留数を、先読み情報送信設定処理(図21)の最中に送信するように構成したが、これに限定されることはなく、特図1保留数及び特図2保留数は、停電時復旧処理(図19)の最中に送信されるのであれば、その送信のタイミングは任意である。
ステップB21で、先読み情報を全て受信していないと判定した場合(ステップB21;No)、すなわち、受信した先読み情報の個数が、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値でない場合には、当該連続予告復帰処理を終了する。
一方、ステップB21で、先読み情報を全て受信したと判定した場合(ステップB21;Yes)、すなわち、受信した先読み情報の個数が、特図1保留数と特図2保留数との和に1を加算した値に一致する場合には、当該受信した各先読み情報から飾り特図コマンドを抽出し、当該抽出した飾り特図コマンドに基づいて、始動記憶内に大当りがあるか否かを判定する(ステップB22)。具体的には、演出制御装置300は、受信した全ての先読み情報のうちの、最初に受信した先読み情報以外の先読み情報(すなわち、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに対応する先読み情報)から飾り特図コマンドを抽出し、当該抽出した飾り特図コマンドの中に、大当り図柄を特定するための飾り特図コマンドが含まれているか否か判断することによって、始動記憶内に大当りがあるか否かを判定する。
ステップB22で、始動記憶内に大当りがないと判定した場合(ステップB22;No)、すなわち、当該抽出した飾り特図コマンドの中に、大当り図柄を特定するための飾り特図コマンドが含まれていないと判定した場合には、当該連続予告復帰処理を終了する。
一方、ステップB22で、始動記憶内に大当りがあると判定した場合(ステップB22;Yes)、すなわち、当該抽出した飾り特図コマンドの中に、大当り図柄を特定するための飾り特図コマンドが含まれていると判定した場合には、連続予告の発生を設定して(ステップB23)、当該連続予告復帰処理を終了する。これにより、表示装置41において予告演出が行われる。
すなわち、演出制御装置300の主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313は、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に基づき、特別遊技状態(大当り状態)が発生する可能性を報知するための所定の予告演出を、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)による変動表示ゲーム(後半変動表示ゲーム)の表示に並行して、表示装置41に表示させる予告演出復帰手段として機能する。
なお、予告演出復帰手段は、表示装置41における予告演出を復帰するように構成されているが、これに限ることはなく、予告演出復帰手段を、表示装置41、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44及び枠演出装置45のうちの少なくとも何れか1つにおける予告演出を復帰することができるように構成することも可能である。
次に、図26に、本実施形態において前述したような変動表示復帰処理(図24)や連続予告復帰処理(図25)を実行する場合のタイムチャートの一例を示す。
なお、本実施形態では、始動口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞した順に始動記憶を消化することとする。すなわち、図26の右上にある表における「消化順序」は入賞順序を表している。
まず、第1始動口(始動入賞口36)に遊技球が入賞して「第1始動記憶1」が記憶される。そして、図26の右上にある表における「第1始動記憶 保留1」に対応する「大当り乱数」の欄に示すように、この「第1始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームの結果ははずれであるため、表示装置41において、はずれ変動パターンに基づく特図変動表示ゲームの表示が開始される。
当該はずれ変動パターンに基づく特図変動表示ゲームを構成する前半変動表示ゲームの最中に、第1始動口に遊技球が入賞して「第1始動記憶2」が記憶され、次いで、第2始動口(普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞して「第2始動記憶1」が記憶され、次いで、第1始動口に遊技球が入賞して「第1始動記憶3」が記憶され、次いで、第1始動口に遊技球が入賞して「第1始動記憶4」が記憶され、そして、停電が発生したとする。
当該停電からの復旧時に、「第1始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲーム(変動開始待ち表示を含む)の表示、或いは、高速変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始する。これにより、停電により中断された特図変動表示ゲームが復帰表示される。また、図26の右上にある表に示すように、始動記憶内に大当りがあるため、当該復帰表示に並行して予告演出が行われる。
すなわち、本実施形態の遊技機10は、停電復旧時に、特図変動表示ゲームを復帰表示できるとともに、当該復帰表示した特図変動表示ゲームから連続予告演出を行うことができるように構成されている。
なお、復帰表示する特図変動表示ゲームの変動表示時間(すなわち、遊技機10の電源遮断によって中断された特図変動表示ゲームの当該中断時点における残り変動表示時間)の長さに応じて、予告演出の演出態様を異ならせることも可能である。
具体的には、例えば、復帰表示する特図変動表示ゲームの変動表示時間が、表示による予告演出を行うことができる程度に長い場合には、表示装置41において予告演出を行い、表示による予告演出を行うことができない程度に短い場合には、ランプ(LED)を点滅させる等して予告演出を行うことも可能である。
また、本実施形態では、当該復帰表示した特図変動表示ゲームから連続予告演出を行うことができるように構成したが、これに限ることはなく、復帰表示した特図変動表示ゲームから予告演出を行うことができるのであれば、連続予告演出ではなく、単発の予告演出を行うように構成することも可能である。
当該復帰表示した特図変動表示ゲームが終了すると、「第1始動記憶1」の次に記憶された「第1始動記憶2」に基づく特図変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始する。また、図26の右上にある表に示すように、始動記憶内に大当りがあるため、当該表示に並行して予告演出が行われる。
当該「第1始動記憶2」に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、「第1始動記憶2」の次に記憶された「第2始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始する。また、図26の右上にある表に示すように、始動記憶内に大当りがあるため、当該表示に並行して予告演出が行われる。
当該「第2始動記憶1」に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、「第2始動記憶1」の次に記憶された「第1始動記憶3」に基づく特図変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始する。ここで、図26の右上にある表における「第1始動記憶 保留3」に対応する「大当り乱数」の欄に示すように、当該特図変動表示ゲームの結果は大当りであるため、この場合、大当り変動パターンに基づく特図変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始される。
当該「第1始動記憶3」に基づく特図変動表示ゲームが終了すると、当該特図変動表示ゲームの結果は大当りであるため、特別遊技状態が発生し、そして、図示は省略するが、当該特別遊技状態が終了した後に、「第1始動記憶3」の次に記憶された「第1始動記憶4」に基づく特図変動表示ゲームの表示が表示装置41において開始する。
以上説明した第3実施形態の遊技機10によれば、始動口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(RAM111C)と、始動記憶に対応して記憶された乱数値が特定の値であった場合に、対応する変動表示ゲームを特別結果で導出するとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当り状態)を発生させる遊技制御手段(遊技用マイコン111)と、を含み、遊技の進行を管理する遊技制御装置100と、変動表示ゲームを表示可能な表示装置41と、遊技制御装置100からの表示指令信号に応じて表示装置41における表示を制御する表示制御装置(演出制御装置300)と、を備えた遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口(始動入賞口36や普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞時に、始動記憶に対応して記憶された乱数値の判定結果に基づいて、特別遊技状態(大当り状態)の発生の有無及び演出内容に関する情報を含む演出情報(先読み情報(先読み変動コマンドや飾り特図コマンド))を表示制御装置(演出制御装置300)に対して送信する演出情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)と、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報として演出情報(先読み情報)を含む情報を記憶保持可能な遊技情報記憶保持手段(RWM(本実施形態ではRAM111C))と、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲームが中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、遊技情報記憶保持手段(RWM)に記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲームの進行状態を特定可能な状態情報を、表示制御装置(演出制御装置300)に対して送信する状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)と、を備え、表示制御装置(演出制御装置300)は、表示内容の異なる複数の変動表示ゲーム(後半変動表示ゲーム)それぞれに関する各表示情報を予め記憶保持する表示情報記憶保持手段(画像ROM323)と、遊技機10の電源再投入後に、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に基づき表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に記憶保持されている複数の表示情報の中から一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく変動表示ゲーム(後半変動表示ゲーム)を表示装置41に表示させる変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)と、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に基づき、特別遊技状態(大当り状態)が発生する可能性を報知するための所定の予告演出を、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)による変動表示ゲーム(後半変動表示ゲーム)の表示に並行して、表示装置41に表示させる予告演出復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)と、を備えている。
したがって、遊技制御装置100は、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報として先読み情報を含む情報を記憶保持可能であり、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲームが中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、当該記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲームの進行状態を特定可能な状態情報を、演出制御装置300に対して送信し、演出制御装置300は、遊技機10の電源再投入後に、当該送信された状態情報に基づき一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく後半変動表示ゲームを表示装置41に表示させるとともに、当該後半変動表示ゲームの表示に並行して、当該送信された状態情報に基づく所定の予告演出を表示装置41に表示させるので、演出制御装置300にバックアップ機能を設けることなく、停電が発生した場合に、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
すなわち、遊技機10の電源再投入時に、遊技制御装置100から演出制御装置300に対して状態情報が送信されるので、演出制御装置300にバックアップ機能を設けなくても、演出制御装置300は、遊技機10の電源再投入時に状態情報を取得することができる。
また、状態情報は、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームの当該中断時点における進行状態を特定可能な情報であり、当該状態情報に基づき一の表示情報が選択され、当該選択された一の表示情報に基づく後半変動表示ゲームが表示装置41に表示されるので、遊技機10の電源再投入後に、変動表示ゲームの表示を再開(復帰)させ、変動表示している識別図柄を所定のタイミングで、所定の停止位置に違和感なく停止表示させることができる。したがって、仮停止(揺れ変動)等の簡易な表示を行わなくても、当該違和感を防止することができるため、変動表示ゲームに対する興趣が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、状態情報は、遊技機10の電源遮断前に演出制御装置300に対して送信された先読み情報を含む情報(遊技情報)に基づく情報であり、当該状態情報に基づき予告演出が表示装置41に表示されるので、遊技機10の電源再投入後に、復帰(再開)された変動表示ゲームの表示に並行して、予告演出を行うことができるため、変動表示ゲームに対する高揚感が低下してしまうことを防止することができる。
また、当該選択された一の表示情報に基づく後半変動表示ゲームが表示装置41に表示されるとともに、これに並行して、当該状態情報に基づき予告演出が表示装置41に表示されるので、遊技者は、停電しても変動表示ゲームや予告演出が継続している旨を認識することができ、停電によって変動表示ゲームや予告演出がキャンセルされてしまったのではないか等の不安が遊技者に生じることを回避することができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、変動表示ゲームは、所定の前半変動表示ゲームとそれ以降の後半変動表示ゲームとからなり、後半変動表示ゲームは、複数種類あり、各々演出態様及び/又は変動表示時間が異なるように構成され、表示情報記憶保持手段(画像ROM323)は、各表示情報として、複数種類の後半変動表示ゲームそれぞれに関する各表示情報を記憶保持し、変動表示復帰手段(主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312及びVDP313)は、状態情報送信手段(遊技用マイコン111及び出力部130)から送信される状態情報に含まれる図柄指定情報(飾り特図コマンド)と残り時間情報とに基づき表示情報記憶保持手段(画像ROM323)に記憶保持されている複数の表示情報の中から一の表示情報を選択し、当該選択した一の表示情報に基づく後半変動表示ゲームを表示装置41に表示させるように構成されている。
したがって、遊技機10の電源再投入後に、当該遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームを表示することで、変動表示ゲームの表示を復帰(再開)するようになっている。したがって、演出制御装置300に、復帰変動表示ゲームに関する表示情報を別途記憶しておく必要がなく、効率が良い。
また、遊技機10の電源遮断によって中断された変動表示ゲームを構成する後半変動表示ゲームを表示することで、変動表示ゲームの表示を復帰(再開)するようになっているので、遊技者が違和感を抱くことをより一層抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態の遊技機10が、電源が再投入されると、バックアップされていた先読み情報に基づいて、変動表示ゲームを復帰表示するとともに、それに並行して、始動記憶に対応する結果関連情報の判定結果(先読み結果)に応じた予告演出を復帰するように構成されていたのに対し、第4実施形態の遊技機10は、電源が再投入されてから所定期間の間、バックアップされていた先読み情報に基づいて、始動記憶に対応する結果関連情報の判定結果(先読み結果)を報知するように構成されている点が、第3実施形態の遊技機10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
遊技盤1000は、図27に示すように、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1001b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1001bの前面に、ガイドレール1002で囲まれた遊技領域1001aを有している。また、遊技盤本体1001bの前面であってガイドレール1002の外側には、前面構成部材1003,1003,…が取り付けられている。そして、このガイドレール1002で囲まれた遊技領域1001a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1001a内には、普図始動ゲート1004と、始動入賞口をなす普通変動入賞装置1007、始動入賞装置1013,1013と、始動遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特別図柄記憶表示器1008が設けられている。また、遊技領域1001a内には、始動遊技を行う変動入賞装置1080、各種情報を表示可能な演出表示装置1014aを備えた装飾装置1014が設けられている。また、遊技盤1000における遊技者から視認可能な位置には、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普通図柄記憶表示器1006、普図の変動表示ゲームを表示する普通図柄表示器1005、特図変動表示ゲームを表示する特別図柄表示器1009、特別遊技状態となった場合のラウンド数(2R,7R,15R)を表示するラウンド数表示器1010(LED)が設けられている。
また、遊技領域1001aには、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴1011が設けられている。さらに、遊技領域1001aには、一般入賞口1012,1012,1012、打球方向変換部材としての風車(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート1004内には、該普図始動ゲート1004を通過した遊技球を検出するための普図始動センサ1004aが設けられている。そして、遊技領域1001a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート1004内を通過すると、普通図柄変動表示ゲームが行われる。また、普通図柄変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普通図柄変動表示ゲームが行われ、その普通図柄変動表示ゲームが終了していない状態や、普通図柄変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置1007が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート1004を遊技球が通過すると、普通図柄始動記憶数の上限数未満でならば、普通図柄始動記憶数が1加算されて普通図柄始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普通図柄変動表示ゲームの始動記憶はLEDを備える普通図柄記憶表示器1006にて表示されるようになっている。
普通図柄変動表示ゲームは普通図柄表示器1005で実行されるようになっており、この普通図柄変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普通図柄の当りとなって、普通変動入賞装置1007の開閉部材1007a,1007aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置1007に遊技球が入賞しやすくなり、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置1007は左右一対の開閉部材1007a,1007aを具備し、この開閉部材1007a,1007aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普通図柄変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電開閉SOL1007b、図28に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置1007に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。この普通変動入賞装置1007は、特別図柄変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。また、始動入賞口1013や普通変動入賞装置1007の内部(入賞領域)には、入賞した遊技球を検出する特図始動センサ1007dが備えられており、この特図始動センサ1007dによって遊技球を検出することに基づき特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特別図柄始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置1007に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特別図柄変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口1013や普通変動入賞装置1007に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特別図柄記憶表示器1008にて表示されるようになっている。
特図(特別図柄、識別図柄)変動表示ゲームは、遊技盤1000に設けられた7セグからなる特別図柄表示器1009(図28に図示)で実行されるようになっており、複数の識別図柄を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器1009の表示態様が大当り態様(例えば、「7」)となった場合は、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、この特図変動表示ゲームの結果として、特別図柄表示器1009の表示態様が小当り態様(例えば、「3」や「5」)となった場合は、小当りとなって始動遊技が実行される。なお、遊技機10に特別図柄表示器1009を備えずに、始動入賞口をなす普通変動入賞装置1007、始動入賞装置1013,1013への入賞に基づき始動遊技を行うようにしても良い。
遊技領域1001aの略中央に設けられた変動入賞装置1080は、遊技盤1000に形成された取付開口部に遊技盤1000の前面側から取り付けられるものであり、前方側が開放し、遊技盤1000の後方に延在する入賞空間1081を有する。また、変動入賞装置1080の前面側は、遊技盤1000の前面を覆うガラス板1141の近傍まで突出した状態となっており、後述する可動部材1087,1087が開いた場合以外は変動入賞装置1080内に遊技球が入らないようになっている。
入賞空間1081の上部には、上部構造部材(鎧部材)1085が遊技盤1000の表面より前方に突出するように設けられ、変動入賞装置1080の上部の装飾装置として機能している。さらに、上部構造部材1085は、変動入賞装置1080の上方から流下する遊技球が入賞空間1081に入ることを防止するとともに、その遊技球を左右方向に誘導するようになっている。また、この上部構造部材1085には、特別図柄記憶表示器1008が設けられている。
上部構造部材1085の下側の左右側部には、変動入賞装置1080の入賞口となる流入口1086,1086が設けられており、この左右の流入口1086,1086には、流入口1086,1086を開閉する可動部材1087,1087がそれぞれ設けられている。この可動部材1087,1087は、その下端部に回動中心を有しており、遊技制御装置1030により制御される開閉ソレノイド(大入賞口SOL1087a、図28に図示)によって左右に回動可能となっている。
そして、可動部材1087,1087が略垂直に立った状態においては、可動部材1087,1087が流入口1086,1086を塞いだ状態となり変動入賞装置1080へ入賞できない状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって不利な閉状態となる。これに対して、左右の可動部材1087,1087が下端部を中心にそれぞれ変動入賞装置1080から離れる方向に回動した状態においては、可動部材1087,1087が、逆「ハ」の字状に開いて流入口1086,1086を開放した状態となり、変動入賞装置1080への入賞が可能な状態となる。すなわち、この状態が遊技者にとって有利な開状態となる。なお、可動部材1087,1087は付勢部材によって通常時は閉じた状態(閉状態)を保つようになっている。
この可動部材1087,1087は、始動遊技の発生条件の成立(ここでは特図変動表示ゲーム表示ゲームの結果態様が小当りになること)に基づく始動遊技において、大入賞口SOL1087a(図28に図示)の駆動によって所定態様で開状態に変換され、変動入賞装置1080への入賞の機会が得られるようになっている。また、小当りの種類によって、例えば、可動部材1087,1087が開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う第1始動遊技か、可動部材1087,1087が所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う第2始動遊技の何れかが行われるようになっている。
入賞空間1081の上部であって流入口1086,1086の近傍には、左右の流入口1086,1086に流入した遊技球を検出可能な位置に、それぞれカウントセンサ左1088、カウントセンサ右1088(図28に図示)が設けられている。このカウントセンサ左1088、カウントセンサ右1088は、遊技球が通過可能な検出部を有し、検出部を遊技球が通過したときに検出信号を出力するようになっている。そして、この検出信号を後述する遊技制御装置1030でカウントすることで、変動入賞装置1080に入賞した遊技球の数を計数することができる。すなわち、このカウントセンサ左1088、カウントセンサ右1088が、変動入賞装置1080に受け入れた遊技球を検出する入賞球検出手段をなす。また、この検出信号に基づき所定数(例えば10個)の賞球が排出装置1051から排出される。
また、入賞空間1081の上部であって流入口1086,1086の下方には、上方に開口するとともに前後方向に延在する樋状の上部流路形成部材1089が設けられている。この上部流路形成部材1089は後方へ向かって下るように形成され、左右の流入口から流入した遊技球を集合して下方の入賞空間1081の後方へ流下誘導するようになっている。
入賞空間1081には、貯留装置1160、棚部材1092、床部が設けられている。貯留装置1160は、遊技球を貯留可能な矩形箱状の貯留部1162を備えており、該貯留部1162は、遊技球を貯留可能となるように開口部を上方に向けた貯留状態と、貯留した遊技球を排出可能となるように開口部を前方に向けた貯留解除状態とに変換可能となっている。なお、貯留部1162は、貯留状態において上部流路形成部材1089を流下した遊技球を受け入れ可能な位置に配されるようになっている。このように貯留状態と貯留解除状態に変換可能な貯留部1162は、人形モータ1164(図28に図示)により駆動されるようになっている。また、人形モータ1164の回転位相は、人形モータセンサ1164c(図28に図示)により検出可能となっており、遊技制御装置1030は、この人形モータセンサ1164cからの情報に基づき、貯留装置1160の状態を検出可能となっている。
棚部材1092は、貯留装置1160の前方を除く周囲を囲むような略U字型をした板状の部材で、側端及び後端が入賞空間1081の左右の側壁及び後壁に沿って配されている。この棚部材1092は前方に向かって下るように傾斜しており、上部流路形成部材1089を流下したが貯留部1162に貯留されなかった遊技球を受けるとともに前方に誘導して、前端から下方に形成された床部へ流下させるようになっている。
また、棚部材1092の下流側端部となる前端部は、入賞空間1081の前端よりも遊技球の直径以上後退した位置にあって、棚部材1092を前方へ流下した遊技球は前端部から下方の床部上に落下するようになっている。また、この棚部材1092の左右の位置となる入賞空間1081の左右の側壁には、棚部材1092を流下する遊技球の流下方向を変更するレバー部材1093,1093が設けられている。このレバー部材1093,1093は、後方側が上下方向に沿った回動軸により軸支されているとともに、レバーソレノイド1093a(図28に図示)により、駆動可能となっている。そして、レバーソレノイド1093aを動作させることにより、棚部材1092上から退避した状態と、棚部材1092上に出現した状態とに変換可能となっており、棚部材1092を流下する遊技球を、入賞空間1081の中央方向へ誘導できるようになっている。
床部は棚部材1092の下面よりも遊技球の直径以上下方に離れた位置にあって、その上面が後方に向かって下る傾斜面となっていて、棚部材1092や貯留装置1160からの遊技球が入賞空間1081の前端側に位置する上流側部分に流入するようになっている。この床部には床モータ1084c(図28に図示)により駆動されて遊技球の流下方向を変化させる流下方向変換部材が設けられているとともに、傾斜下流側となる後端部(奥部)には、左右方向の中央に特別入賞口が形成され、その左右両側に一般入賞口が形成されている。よって、床部を流下した遊技球は特別入賞口と一般入賞口の何れかに流入するようになっている。また、特別入賞口には、入賞した遊技球を検出する特別検出手段をなす特別入賞センサ1090(図28に図示)が設けられている。この特別入賞センサ1090によって遊技球が検出されることで、検出信号が遊技制御装置1030に特別入力として入力され、特別遊技状態の発生等の処理が行われるようになっている。
また、入賞空間1081の下部には、床部を流下して特別入賞口もしくは一般入賞口に流入した遊技球を回収する回収流路が形成されている。この回収流路には流下する遊技球を検出可能な残存球検出センサ1094(図28に図示)が設けられており、遊技制御装置1030はこの残存球検出センサ1094からの情報に基づき、変動入賞装置1080から流出するすべての遊技球を検出できるようになっている。
また、変動入賞装置1080における流入口1086,1086の近傍と床部の下側には、磁気を検出する磁気センサ1017(図28に図示)が設けられている。さらに、変動入賞装置1080の近傍には、遊技機に与えられた振動を検出する振動センサ1018(図28に図示)が設けられている。この磁気センサ1017、振動センサ1018は遊技機10の異常を検出するための異常検出手段をなすものであって、後述するように、磁気センサ1017により磁石による不正行為を検出し、振動センサ1018により振動による不正行為を検出するようになっている。
また、遊技領域1001aに設けられた各一般入賞口1012には、一般入賞口1012に入った遊技球を検出するための入賞口センサ1012a(図28に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1001a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1012,1012,…、普通変動入賞装置1007、始動入賞装置1013,1013、変動入賞装置1080等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置1051によって排出される(払い出される)ようになっている。
また、図28に示すように、本実施形態の遊技機10は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置1030、この遊技制御装置1030の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置1040、排出装置1051による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置1052による遊技球の発射の制御を行うサブ制御装置としての排出発射制御装置1050、電力を供給する電源供給装置1060を備えている。
遊技制御装置1030は、CPU1031a、RAM1031b、ROM1031c等を有する遊技用マイクロコンピュータ1031を備えるとともに、入出力インタフェース(入出力I/F)1033、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(CLK)1032(発振器)等により構成されている。
CPU1031aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。
RAM1031bは、普通変動入賞装置1007、始動入賞装置1013,1013に設けられた特図始動センサ1007dのオン信号などを記憶する記憶領域や、各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU1031aの作業領域等を備えている。
ROM1031cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の大当り判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値などの各種乱数値に対応した判定値などが記憶されている。
また、入出力インタフェース1033には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動センサ1007d、普図始動センサ1004a、入賞口センサ1012a,1012a,…、カウントセンサ1088、特別入賞センサ1090、残存球検出センサ1094、人形モータセンサ1164c、床モータセンサ1084d、磁気センサ1017、振動センサ1018などが接続されている。なお、磁気センサ1017は磁石による不正行為を検出するものであり、振動センサ1018は遊技機10を振動させることによる不正行為を検出するものである。そして、入出力インタフェース1033は、これらから入力された各種信号を中継し、CPU1031aに対し出力する。
さらに、入出力インタフェース1033には、CPU1030bから出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該入出力インタフェース1033により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、ラウンド数表示器1010、特別図柄表示器1009、特別図柄記憶表示器1008、普通図柄表示器1005、普通図柄記憶表示器1006、普電開閉SOL1007b、人形モータ1164、床モータ1084c、大入賞口SOL1087a、レバーソレノイド1093a、床ソレノイド1098a、遊技機外部の管理装置などと接続する外部出力端子1016、演出制御装置1040、排出発射制御装置1050に出力される。
サブ制御装置としての演出制御装置1040は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置1030から受信した演出制御データに基づいて(遊技制御装置1030の制御の下に)遊技機の制御を行うものである。演出制御装置1040が制御を行うものとしては、例えば、枠装飾装置としての装飾ランプ・LED1144の点灯、点滅や、スピーカ1145,1157からの効果音の出力、演出表示装置1014aの表示がある。
サブ制御装置としての排出発射制御装置1050は、演算処理用CPU、ROM、RAM等を備え、遊技制御装置1030からの賞球制御指令(賞球数データの受信)や、球貸機(図示略)からの球貸制御指令に基づいて、排出装置1051に所定数の遊技球(賞球、貸球)を排出させる制御を行う。また、発射装置1052による遊技球の発射制御を行ようになっており、排出発射制御装置1050には、遊技者が操作ハンドル1156に触れることで、操作ハンドル1156に設けられたタッチセンサ1054からの信号が入力されるようになっている。また、遊技者が操作ハンドル1156に設けられた発射停止スイッチ1053を操作することで、該発射停止スイッチ1053からの入力信号がタッチセンサ1054からの入力信号と併せて入力されるようになっている。
また、遊技制御装置1030には、電源供給装置1060から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置1060から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置1060には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源1061が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
これらの制御回路においては、例えば以下のような制御が行われる。遊技制御装置1030では、普図始動ゲート1004に備えられた普図始動センサ1004aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普通図柄の当り判定用乱数値を抽出してROM1031cに記憶されている判定値と比較し、普通図柄変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普通図柄表示器1005に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普通図柄変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普通図柄変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普通図柄表示器1005に特別の結果態様を表示するとともに、普電開閉SOL1007bを動作させ、普通変動入賞装置1007の開閉部材1007a,1007aを所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普通図柄変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普通図柄表示器1005にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置1030では、始動入賞口1013や普通変動入賞装置1007に備えられた特図始動センサ1007dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、各種の乱数を抽出記憶するとともに変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する。
すなわち、遊技制御装置1030(具体的にはRAM1031b)が、始動口(始動入賞口1013、普通変動入賞装置1007)への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出記憶するとともに識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。
また、遊技制御装置1030は、特図変動表示ゲームの開始時に始動記憶に記憶された特図の大当り判定用乱数値をROM1031cに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、変動パターン決定用乱数値に基づき変動パターンを決定する処理も行う。また、これらの結果を含む制御信号(演出制御データ)を、演出制御装置1040に出力する。そして、特別図柄表示器1009に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、特別図柄表示器1009が、始動記憶に基づき変動表示ゲームを表示する表示手段をなす。また、演出制御装置1040では、遊技制御装置1030からの制御信号に基づき、スピーカ1145,1157からの音の出力、枠装飾装置としての装飾ランプ、LED1144、演出表示装置1014aを制御する処理を行う。この処理としては、例えば、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームに関する制御処理が含まれ、演出表示装置1014aでの表示ゲームの表示制御や、表示ゲームに合わせたスピーカ1145,1157からの音の出力および装飾ランプ、LED1144の制御を行う。
すなわち、演出表示装置1014aが、変動表示ゲームを表示可能な表示装置として機能する。
また、演出制御装置1040が、遊技制御装置1030からの表示指令信号に応じて表示装置(演出表示装置1014a)における表示を制御する表示制御装置として機能する。
そして、遊技制御装置1030は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が特別結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を大当りとして、特別図柄表示器1009に大当りの結果態様(特別態様)を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
すなわち、遊技制御装置1030(具体的には遊技用マイクロコンピュータ1031)が、始動記憶に対応して記憶された乱数値が特定の値であった場合に、対応する変動表示ゲームを特別結果で導出するとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段として機能する。
また、遊技制御装置1030は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が第1特定結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を小当り1として、特別図柄表示器1009に小当りの1の結果態様(小当り1態様)を表示するとともに、第1始動遊技を実行する処理を行う。第1始動遊技を実行する処理では、可動部材1087,1087を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後(ここでは0.5秒経過後)に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作を1回行う制御を行う。
また、遊技制御装置1030は、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)が第2特定結果である場合に特図変動表示ゲームの結果を小当り2として、特別図柄表示器1009に小当りの2の結果態様(小当り2態様)を表示するとともに、第2始動遊技を実行する処理を行う。第2始動遊技を実行する処理では、可動部材1087,1087を、所定の態様の開放動作(ここでは開放時間0.8秒の開放動作)を所定時間(ここでは0.8秒)の閉鎖動作をはさんで2回行う制御を行う。すなわち、遊技制御装置1030が、乱数の抽出結果が第1特定結果(小当り1態様)となった場合に、変動入賞装置1080を1回開状態に変換する第1始動遊技を実行する一方、乱数の抽出結果が第2特定結果(小当り2態様)となった場合に、変動入賞装置1080を複数回(2回)開状態に変換する第2始動遊技を実行する始動遊技制御手段をなす。
そして、第1始動遊技および第2始動遊技では、変動入賞装置1080に流入した遊技球が特別入賞口に流入し、特別入賞センサ1090で検出された場合は、上述の特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、変動入賞装置1080に流入した遊技球が特別入賞口に流入せず、かつ、流入した遊技球の全てが残存球検出センサ1094で検出された場合は、次回の特図変動表示ゲームを実行可能とする処理を行う。なお、大当り判定用乱数の抽出結果(判定結果)がはずれの場合は、特図変動表示ゲームの結果をはずれとして、特別図柄表示器1009にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、例えば、大入賞口SOL1087aにより変動入賞装置1080の可動部材1087,1087を開放し、変動入賞装置1080内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、変動入賞装置1080に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、変動入賞装置1080を所定回数(例えば18回)開閉動作するかの何れかの条件が達成されるまで変動入賞装置1080を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(2回、7回、16回の何れか)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。特別遊技状態におけるラウンド数は大当り判定用乱数値により決定する。すなわち遊技制御装置1030が、特別遊技状態のラウンド数を複数のラウンド数の何れかに決定するラウンド数決定手段をなす。なお、始動遊技を行う変動入賞装置1080とは別に特別遊技状態で開放される特別変動入賞装置を備えるようにしても良い。また、特別遊技状態におけるラウンド数を決定するための乱数(大当り図柄乱数)を始動記憶の発生時に抽出記憶するようにしても良い。
また、遊技制御装置1030は、各種入賞口に設けられたセンサ(特図始動センサ1007d、カウントセンサ1088、入賞口センサ1012a)から入力される遊技球の検出信号に基づき、排出発射制御装置1050に制御信号(賞球数データ)を出力する。排出発射制御装置1050は、制御信号の入力に基づき排出装置1051を制御して所定数の遊技球が払い出されるようにする。
また、遊技制御装置1030では、所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、始動記憶に記憶されている大当り判定用乱数値や変動パターン判定用乱数などの判定を行う。そして、特図変動表示ゲームの結果や変動パターン(リーチの発生の有無)などを判定する先読み処理を行う。これらの判定の結果(先読み結果)は、結果情報として遊技制御装置30から演出制御装置1040へ送信される。すなわち、遊技制御装置1030が、始動記憶手段(遊技制御装置1030)に記憶されて変動表示ゲームの実行を待機している始動記憶に対応した乱数の抽出結果を変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。
さらに、先読み結果に関する情報(先読み情報)は、RWM(本実施形態ではRAM1031b)に記憶されて、停電等に伴う遊技機10の電源遮断時にはバックアップされるように構成されている。
すなわち、遊技制御装置1030(具体的には、遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)が、始動口(始動入賞口1013、普通変動入賞装置1007)への遊技球の入賞時に、始動記憶に対応して記憶された乱数値の判定結果に基づいて、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果に関する結果情報(先読み情報)を表示制御装置(演出制御装置1040)に対して送信する結果情報送信手段として機能する。
また、遊技制御装置1030(具体的には、RWM(本実施形態ではRAM1031b))が、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報として当該結果情報(先読み情報)を含む情報を記憶保持可能な遊技情報記憶保持手段として機能する。
また、排出発射制御装置1050は、操作ハンドル1156に設けられたタッチセンサ1054からの信号が入力されている間は、発射装置1052を動作させて遊技球を発射する制御を行う。また、タッチセンサ1054から信号が入力されている間であっても、操作ハンドル1156に設けられた発射停止スイッチ1053からの入力信号が入力されている場合は、発射装置1052を停止させて遊技球の発射を停止する制御を行う。
図29(a)には、遊技状態の状態遷移図を示した。通常遊技状態ST1は、特図変動表示ゲームの実行を待機している状態である。この通常遊技状態ST1において、始動記憶があると特図変動表示ゲームを実行する変動表示状態ST2に移行する。この変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様であった場合は、第1始動遊技状態ST3に移行し、始動遊技が実行される。第1始動遊技状態ST3では、変動入賞装置1080の可動部材1087,1087を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作が1回行われる。そして、変動入賞装置1080に流入した遊技球が特別入賞口に流入すると特別遊技状態ST5に移行する。また、変動入賞装置1080に流入した遊技球が一般入賞口に流入した場合、もしくは、変動入賞装置1080に遊技球が流入しなかった場合は、通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が小当り2態様であった場合は、第2始動遊技状態ST4に移行し、始動遊技が実行される。第2始動遊技状態ST4では、変動入賞装置1080の可動部材1087,1087を開放動作(開状態に変換)し、所定時間経過後に再び閉鎖動作(閉状態に変換)するといった所定の態様の開放動作が所定時間の閉鎖動作をはさんで2回行われる。そして、変動入賞装置1080に流入した遊技球が特別入賞口に流入すると特別遊技状態ST5に移行する。また、変動入賞装置1080に流入した遊技球が一般入賞口に流入した場合、もしくは、変動入賞装置1080に遊技球が流入しなかった場合は、通常遊技状態ST1に戻る。
また、変動表示状態ST2において特図変動表示ゲームの結果が大当り態様(特別結果)であった場合は、特別遊技状態ST5に移行する。そして、特別遊技状態ST5において所定の回数のラウンド遊技を行った後、通常遊技状態ST1に戻る。なお、特図変動表示ゲームの結果が小当り1態様もしくは小当り2態様である場合は、特別遊技状態における継続可能なラウンド数として、2ラウンドが20%、7ラウンドが60%、16ラウンドが20%の割合で選択されている。つまり、第1始動遊技状態および第2始動遊技状態で遊技球が特別入賞口に流入することに基づき特別遊技状態が発生する場合の継続可能なラウンド数は、2ラウンドが20%、7ラウンドが60%、16ラウンドが20%の割合となっている。また、特図変動表示ゲームの結果が特別結果である場合は、特別遊技状態における継続可能なラウンド数として16ラウンドのみが選択される。
図29(a)には、特図変動表示ゲームで各結果態様が導出される確率を示している。特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる確率は50/300であり、小当り1態様となる確率は150/300である。また、小当り2態様となる確率は50/300であり、大当りとなる確率は50/300である。この特図変動表示ゲームでの結果態様は、大当り判定用乱数値により決定される。
ここで、本実施形態の遊技機10においては、停電後、電源が再投入されてから所定期間の間、バックアップされていた先読み情報に基づいて、始動記憶に対応する先読み結果を報知するように構成されている。
具体的には、例えば、先読み結果が「小当り1」や「小当り2」である場合には、図29(b)に示すように、装飾ランプ・LED144を点滅させることによって、先読み結果(小当り)を報知したり、或いは、演出表示装置1014aに「小当り1」や「小当り2」などの表示を行うことによって、先読み結果(小当り)を報知したりするように構成されている。
また、例えば、先読み結果が「はずれ」である場合には、図29(b)に示すように、装飾ランプ・LED144の点滅や点灯、演出表示装置1014aにおける所定の表示等を行わないことによって、先読み結果(はずれ)を報知するように構成されている。
また、例えば、先読み結果が「大当り」である場合には、装飾ランプ・LED144を点灯させたり、「小当り1」や「小当り2」である場合と異なる態様で点滅させたりすることによって、先読み結果(小当り)を報知したり、演出表示装置1014aに「大当り」等の表示を行うことによって、先読み結果(大当り)を報知したりするように構成されている。
すなわち、遊技制御装置1030(具体的には、遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)が、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、遊技情報記憶保持手段(RWM)に記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の進行状態を特定可能な状態情報を、表示制御装置(演出制御装置1040)に対して送信する状態情報送信手段として機能する。
また、演出制御装置1040が、遊技機10の電源が再投入されてから所定時間の間、状態情報送信手段(遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)から送信される状態情報に基づいて、始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果を報知手段(装飾ランプ・LED1144、演出表示装置1014a)に報知させる報知制御手段として機能する。
以上説明した第4実施形態の遊技機10によれば、始動口(始動入賞口1013、普通変動入賞装置1007)への遊技球の入賞に基づき識別図柄を変動表示する変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として記憶する始動記憶手段(RAM1031b)と、始動記憶に対応して記憶された乱数値が特定の値であった場合に、対応する変動表示ゲームを特別結果で導出するとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(遊技用マイクロコンピュータ1031)と、を含み、遊技の進行を管理する遊技制御装置1030と、変動表示ゲームを表示可能な表示装置(演出表示装置1014a)と、遊技制御装置1030からの表示指令信号に応じて表示装置(演出表示装置1014a)における表示を制御する表示制御装置(演出制御装置1040)と、を備えた遊技機10において、遊技制御装置1030は、始動口(始動入賞口1013、普通変動入賞装置1007)への遊技球の入賞時に、始動記憶に対応して記憶された乱数値の判定結果に基づいて、当該始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果に関する結果情報(先読み情報)を表示制御装置(演出制御装置1040)に対して送信する結果情報送信手段(遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)と、遊技機10の電源遮断後においても遊技に関する遊技情報として当該結果情報(先読み情報)を含む情報を記憶保持可能な遊技情報記憶保持手段(RWM(本実施形態ではRAM1031b))と、遊技機10の電源遮断によって変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)が中断された場合、当該遊技機10の電源再投入時に、遊技情報記憶保持手段(RWM)に記憶保持されている遊技情報に基づいて、当該中断時点における当該変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の進行状態を特定可能な状態情報を、表示制御装置(演出制御装置1040)に対して送信する状態情報送信手段(遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)と、を備え、表示制御装置(演出制御装置1040)は、遊技機10の電源が再投入されたから所定時間の間、状態情報送信手段(遊技用マイクロコンピュータ1031及び入出力I/F1033)から送信される状態情報に基づいて、始動記憶に基づく変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果を報知手段(装飾ランプ・LED1144、演出表示装置1014a)に報知させる報知制御手段(演出制御装置1040)と、を備えている。
したがって、当該遊技機10の電源が再投入されてから所定期間の間、バックアップされていた状態情報(先読み情報を含む情報)に基づいて、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果(すなわち、始動記憶に対応する結果関連情報の判定結果(先読み結果))を報知するように構成されているので、遊技店の店員等は的確なタイミングで球通し確認を行うことができる。
具体的には、先読み結果が小当りや大当りである際に当該先読み結果を報知することで、可動部材1087,1087が開放する(開状態に変換する)タイミングを遊技店の店員等に把握させることができるため、遊技店の店員等は的確なタイミングで大入賞口(変動入賞装置1080)の球通し確認を行うことができる。
停電が発生して遊技機10の電源が再投入された後、球通し確認を行って不具合が発生していないか等のチェックを行う必要がある。しかしながら、特に本実施形態のように特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる確率が高い場合、可動部材1087,1087が開放する確率が低いため、当該チェックのタイミングをなかなか見計らうことができず、効率よく当該チェックを行うことができない。
これに対し、本実施形態では、遊技機10の電源が再投入された後に、先読み結果が報知されるので、遊技店の店員等は可動部材1087,1087が開放するタイミングを把握することができる。したがって、当該チェックのタイミングを容易に見計らうことができるようになり、効率よく当該チェックを行うことができる。
また、遊技機10に、始動遊技を行う変動入賞装置1080とは別に特別遊技状態で開放される特別変動入賞装置を備える場合には、先読み結果が小当りである際に当該先読み結果を報知することで、遊技店の店員等は的確なタイミングで変動入賞装置1080の球通し確認を行うことができるとともに、先読み結果が大当りである際に当該先読み結果を報知することで、遊技店の店員等は的確なタイミングで特別変動入賞装置の球通し確認を行うことができるため、この場合も、球通し確認を行って不具合が発生していないか等のチェックを効率よく行うことができる。
なお、本発明の遊技機10は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機及びスロットマシンに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態及び変形例の構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。