JP6363482B2 - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、低温活性、高選択性、及び/又は高被毒耐性と、高耐久性とを備えた排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
自動車等のための内燃機関、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等から排出される排ガス中には、有害成分、例えば、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び窒素酸化物(NOx)等が含まれている。
このため、一般的には、これらの有害成分を分解除去するための排ガス浄化装置が内燃機関に取り付けられており、この排ガス浄化装置内に配備された排ガス浄化触媒によってこれらの有害成分がほとんど無害化されている。
この排ガス浄化触媒が有害成分を浄化するときの温度は、一般的に、高温、例えば、250℃〜300℃以上を必要とし、この温度以下の低温領域では、排ガス浄化触媒の性能が低下することがある。
さらに、上記の低温領域では、浄化されなかったCOやHCなどの濃度が上昇し、これらのガスが排ガス浄化触媒に配位又は結合することによって、触媒被毒が発生する。そのため、かかる課題の解決が望まれている。
特許文献1の触媒の生成方法では、デンドリマーに、白金イオンを含有させ、これを還元環境に曝すことによって、デンドリマー白金ナノ複合物を形成し、さらに、デンドリマー白金ナノ複合物をSiOと混合して焼成することによって、支持体としてのSiOに白金クラスターを担持させるようにしている。
非特許文献1では、白金原子30個からなる一原子層の白金クラスターと、このクラスターが担持されているシリコンについて記載しており、これらの間にショットキー接合(Shottky barrier junction)が生じて、白金クラスターからシリコンへと電子が流入するとしている。
この非特許文献1では、ショットキー接合によって白金クラスターとシリコンとの界面に電荷が集中するため、130(K)程度の低温下において、この集中した電子が、一酸化炭素から二酸化炭素(CO)への転換を促進する、としている。
なお、非特許文献2では、白金原子5〜40個からなる白金クラスターを、室温下、白金1原子あたり1.5eVで、7×7表面再配列構造からなるSi(111)面に衝突させて平板化し、かつこの白金クラスター及びシリコンが、Pt−Si結合と同種の化学結合を形成するようにしている。
特開2008−055418号公報
Phys.Chem.Chem.Phys.16,26493−26499 (2014) THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS 123,124709 (2005)
非特許文献1の排ガス浄化触媒では、白金クラスターとシリコンとの界面に集中した電荷によって、一酸化炭素から二酸化炭素への転化を促進しているものの、連続的な使用又は過酷な環境下での使用などによって、白金クラスターを構成する個々の原子がシリコン表面上で移動して、クラスターサイズが変わり、それによって、一酸化炭素から二酸化炭素への転換作用が失われる可能性がある。
したがって、本発明は、低温活性、高選択性、及び/又は高被毒耐性と、高耐久性とを備えた排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。
〈1〉シリコン及び上記シリコンの表面に担持された白金クラスターを有する排ガス浄化触媒であって、
上記シリコンの表面のうちの上記白金クラスターが担持されていない部分に一原子層の酸化被膜が形成され、
上記白金クラスターに含有されている白金原子の個数が、20個〜1000個である、
排ガス浄化触媒。
〈2〉上記酸化被膜の表面から上記白金クラスターの頂点までの高さが、0nm超である、上記〈1〉項に記載の触媒。
〈3〉白金ターゲットにスパッタリングを行うことにより白金クラスターを作製すること、
電圧を印加して加速させた上記白金クラスターを、シリコンの表面に衝突させて担持させること、及び
上記シリコンの表面のうちの上記白金クラスターが担持されていない部分を酸化すること、
を含む、上記〈1〉又は〈2〉項に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
〈4〉上記衝突のエネルギーが、白金1原子あたり0eV超〜1.5eVである、〈3〉項に記載の製造方法。
本発明によれば、低温活性、高選択性、及び/又は高被毒耐性と、高耐久性とを備えた排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の排ガス浄化触媒の一実施形態を示す図である。 図2は、実施例2の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))の関係を示す図である。 図3は、Alに担持されたPt粒子の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図である。 図4は、MgOに担持されたPd粒子の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図である。 図5は、白金単結晶の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図である。 図6(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、実施例2の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)と、N、NO、及びNOの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図である。 図7(a)は、実施例2の排ガス浄化触媒において、Oの分圧(5×10−7Pa)及び触媒温度(330K)を一定にしつつCOの分圧を変化させる条件で、COの分圧(×10−7Pa)と、COの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図であり、図7(b)は、実施例2の排ガス浄化触媒において、Oの分圧(5×10−7Pa)及びCOの分圧(0.6×10−7Pa)を一定にしつつ触媒温度を変化させる条件で、触媒温度(K)とCOの生成量(強度(任意単位))との関係を示す図である。 図8は、実施例1の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)とCO強度/カウント毎秒の関係を示す図である。 図9は、比較例1の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)とCO強度/カウント毎秒の関係を示す図である。 図10(a)は、比較例2の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)とCO強度/カウント毎秒の関係を示す図であり、図10(b)は、比較例2の排ガス浄化触媒の触媒温度(K)とN強度/カウント毎秒の関係を示す図である。 図11(a)は、実施例1の排ガス浄化触媒(Pt30クラスター)及び実施例2の排ガス浄化触媒(Pt60クラスター)の触媒温度(K)とCO規格化検出量/カウント毎秒との関係を示す図であり、図11(b)は、実施例1の排ガス浄化触媒(Pt30クラスター)及び実施例2の排ガス浄化触媒(Pt60クラスター)の触媒温度(K)とN規格化検出量/カウント毎秒との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〈排ガス浄化触媒〉
本発明の排ガス浄化触媒は、シリコン及びシリコンの表面に担持された白金クラスターを有する。
原理によって限定されるものではないが、本発明の排ガス浄化触媒が、低温活性、高選択性、及び高被毒耐性を備えている理由は、下記のようなものであると考えられる。
本発明の排ガス浄化触媒では、白金クラスターとシリコンとの間に、ショットキー接合が生じて、電子が集中し、この電子過剰な界面が、効果的な反応サイトとして作用して、低温活性、高選択性、及び高被毒耐性を提供していると考えられる。
なお、ショットキー接合は、金属及び半導体の接合によって生じる整流特性を意味する。この整流特性は、金属と半導体との間の仕事関数の差によって、電子が金属から半導体又は半導体から金属に流れ込み、この電子及び正孔の偏りが電位差(ショットキー障壁)となることから生じる現象である。
本発明の排ガス浄化触媒が備えている低温活性、高選択性、及び高被毒耐性とは、下記のようなものである。
(1)低温活性
本発明の排ガス浄化触媒では、130K(−143℃)程度の低温下において、上記ショットキー接合によって生じた界面付近の過剰な電子が、一酸化炭素を励起させ、かつ二酸化炭素に転換させることができる。
また、本発明者らは、界面付近の過剰な電子が、低温下、例えば、283K〜343K(10℃〜70℃)の範囲の温度でNOxを効率的にNに還元することを見出した。従来、排ガス浄化に433K〜523K(160℃〜250℃)以上の高温が必要とされることを考慮すれば、これは、驚くべきことである。
なお、白金クラスターとSiOとの間では、ショットキー接合が生じにくいため、それらの間の界面に電子が集中することがない。したがって、白金クラスターとSiOとの間では、低温下において、CO及びNOx等の反応物質の酸化又は還元を促進する効果がほとんど無いと考えられる。
(2)高選択性
本発明において、高選択性とは、ターゲットとなる主生成物を生じ、かつ主生成物と異なる副生成物をほとんど生じない性質を意味する。
本発明の排ガス浄化触媒は、NOxの還元において、Nを主生成物として生じ、かつNOやNOなどの副生成物をほとんど生じない。さらに、CO等の他の化合物が存在しているような雰囲気のときでも、選択的にNOxをNに還元することができる。
(3)高被毒耐性
一般に、白金系金属は、一酸化炭素と非常に結合し易く、これによって白金系金属の被毒が生じる。これは、COの共有電子対が、白金系金属の空のd軌道に流れ込み、σ結合を形成すること、並びに白金系金属のd軌道の電子が、COの空のπ反結合性軌道に流れ込み、C−O結合の結合性を低下させることによって、白金系金属−COの結合が、エネルギー的に安定化するためと考えられる。
具体的には、Pt/SiOによる一酸化炭素の触媒的酸化は、100℃〜200℃以上の温度で達成されるが、これ以下の温度、例えば室温では、一酸化炭素が約1000ppm以上の濃度のとき、白金系金属の被毒が発生する。
他方、本発明の排ガス浄化触媒は、低温下で、かつ一酸化炭素の濃度が高い場合でも、白金クラスターの被毒を生じること無く、酸化反応が進行する。これは、白金クラスターとシリコンの表面との界面に電子が集中し、低温下で、かつ一酸化炭素の濃度が高い場合でも、一酸化炭素が励起され易くなり、反応が進行することによると考えられる。
(4)高耐久性
ところで、従来のシリコン及びシリコン表面に担持された白金クラスターのみの構成では、連続的な使用又は過酷な環境での使用などによって、白金クラスターを構成する個々の原子がシリコン表面上で移動して、クラスターサイズが変わり、それによって、上記の低温活性、高選択性、及び高被毒耐性を喪失することがある。
理論によって限定されないが、低温活性、高選択性、及び高被毒耐性の喪失は、下記の理由によるものと考えられる。
従来のシリコン及びシリコン表面に担持された白金クラスターのみの構成では、白金クラスター担持部分のシリコンの表面エネルギーと、非担持部分のシリコンの表面エネルギーとの間に、差が生じている。この表面エネルギーの差は、Siダングリングボンド(dangling bonds)の存在、及びその濃度等に由来する。
この表面エネルギーの差を解消するために、熱力学的に安定な方向に、白金クラスター及びシリコン表面の構造変化が発生する。この構造変化の過程で、白金クラスターを構成する個々の白金原子がシリコン表面上で移動して、クラスターサイズが変わり、それによって、上記の低温活性、高選択性、及び高被毒耐性を喪失すると考えられる。
なお、ダングリングボンドには、結合に関与しない結合手、すなわち不対電子が存在する。例えば、理想結晶中では、各原子が規則正しく結合し合い、それがほぼ無限に続いている。しかしながら、結晶表面の原子層などでは、結合相手の無い原子が存在し、その原子の結合手、すなわちダングリングボンドは、エネルギー的に不安定な状態にある。
ダングリングボンドは、エネルギー的に安定な状態になろうとするため、構造変化を生じる駆動力となる。例えば、非特許文献2で示すような、シリコン表面で見られるSi(111)面の7×7表面再配列構造が、上記の構造変化の結果であることが、一般に知られている。
これに対して、本発明の排ガス浄化触媒では、シリコンの表面のうちの白金クラスターが担持されていない部分に一原子層の酸化被膜が形成され、それによって、白金クラスターを構成する個々の原子がシリコン表面上で移動して、クラスターサイズが変わることを、この酸化被膜が防止する。
理論によって限定されないが、本発明の排ガス浄化触媒が、高耐久性を有する理由は、シリコンの表面のうちの白金クラスターが担持されていない部分に一原子層の酸化被膜が形成されていることによって、Siダングリングボンドがほとんど無くなり、シリコン表面の表面エネルギーが安定化されるためと考えられる。
図1を参照して、本発明の排ガス浄化触媒を説明する。図1は、本発明の排ガス浄化触媒の一実施形態を示す図である。
図1では、白金クラスター(20)がシリコン(10)の表面に担持され、シリコンの表面のうちの白金クラスターが担持されていない部分に一原子層の酸化被膜(10a)が形成されていることが示されている。
(白金クラスター)
白金クラスターは、シリコン表面に担持されている。
白金クラスターを構成する白金原子の個数が少ない場合、例えば、10個以下である場合には、排ガス浄化触媒が失活する可能性がある。
また、白金クラスターを構成する白金原子の個数が多すぎる場合、例えば、1000個超である場合には、白金クラスターの比表面積が小さくなり、かつこのクラスターがバルクとしての性質を帯びる等の理由から、排ガス浄化触媒が失活する可能性がある。
したがって、白金クラスターを構成する白金原子の個数は、例えば、20個以上、30個以上、45個以上、又は60個以上であってよい。また、これは、1000個以下、500個以下、300個以下、150個以下、100個以下、又は82個以下であってよい。
白金クラスターの形状は、任意の形状でよいが、好ましくは、白金原子が二次元的に広がった一原子層の形状でよい。
本発明の排ガス浄化触媒では、白金クラスターが、シリコン表面に沈み込んでいないこと又は埋没していないことが好ましい。白金クラスターがシリコン表面に沈み込む又は埋没している場合、それらの間の界面に、CO及びNOxなどの反応物質が接近しにくくなるため、これら反応物質の酸化及び還元の促進効果が減少する可能性がある。
なお、本発明で「沈み込む」とは、シリコンの表面に凹みが生じ、その凹み部分に白金クラスターが担持されていることを意味する。また、本発明で「埋没」とは、白金クラスターがシリコンに埋もれてほとんど又は全く見えなくなることを意味する。
また、シリコンの表面の酸化被膜の厚さとしては、0.19nm×原子層の層数で表すことが可能であって、例えば、単原子層、二原子層、又は三原子層のとき、それぞれ0.19nm、0.38nm、又は0.57nmで表すことができる。
ここで、白金原子の直径は0.28nmであることを考慮すれば、例えば、白金クラスターの単原子層部分、二原子層部分及び三原子層部分の高さとしては、それぞれ、0.28nm、0.57nm及び0.85nmで表すことができる。
したがって、例えば、白金クラスターがシリコン表面に沈み込まずに単原子層で担持されている場合、シリコン表面から白金クラスターの頂点までの高さは0.28nmとなる。また、シリコン表面に白金を担持してからシリコン表面を酸化する場合、シリコン表面に形成されている酸化被膜の表面から白金クラスターの頂点までの高さは、シリコン表面から白金クラスターの頂点までの高さから、シリコンの表面の酸化被膜の厚さを引いた値となる。具体的には、シリコン表面から白金クラスターの頂点までの高さが0.28nmである場合、シリコン表面を酸化して単原子層の酸化被膜(0.19nm)を形成すると、酸化被膜の表面から白金クラスターの頂点までの高さは、0.09nm(0.28nm−0.19nm)となる。
酸化被膜の表面から白金クラスターの頂点までの高さとしては、白金クラスターの頂点が酸化被膜の表面より上にあれば任意の高さでよく、例えば、0nm超、0.02nm以上、0.04nm以上、又は0.05nm以上の高さを挙げることが可能であって、かつ0.09nm以下、0.18nm以下、0.27nm以下、0.37nm以下、又は0.46nm以下の高さを挙げることができる。
〈排ガス浄化触媒の製造方法〉
排ガス浄化触媒を製造する本発明の方法は、白金ターゲットにスパッタリングを行うことにより白金クラスターを作製するスパッタ工程を含む。
スパッタリング工程では、スパッタリング装置内において、プラズマ等によりガス分子をイオン化し、かつこのイオン化したガス分子を、直流電圧を印加した白金ターゲット材料に衝突させることによって、白金クラスターを叩き出す。
また、排ガス浄化触媒を製造する本発明の方法は、電圧を印加して加速させた白金クラスターを、シリコンの表面に衝突させて担持させる白金クラスター担持工程を含む。
白金クラスターは、上記のスパッタ工程において、イオン化したガス分子が衝突した際に電荷を帯びる。したがって、この白金クラスターイオンに、電圧を印加することによって、これを加速させることができる。
この電圧を印加する際に、電圧を調整することによって、白金クラスターイオンを、任意の加速度で加速させ、かつ任意の速度でシリコンの表面に衝突させる。これにより、白金クラスターをシリコン表面に、所定の沈み込み具合で担持させることができる。
ところで、白金クラスターをシリコン表面に担持させ、その他になんらかの処理を施すこと無くこれを放置した場合、一般に、大気圧雰囲気において、シリコンの表面は経時的に酸化される。
また、大気圧雰囲気における経時的な酸化は、下記の(A)及び(B)のような現象を伴う:
(A)高い分圧、例えば、200hPa程度の分圧の酸素雰囲気では、シリコンの表面の酸化が過剰に進行し、厚くかつ不均一な酸化被膜が形成される。
(B)大気中の不純物、例えば、水分、ダスト、及びハロゲン化物などが、シリコンの表面に付着して取り込まれる。
上記の(A)及び(B)のような現象が生じた場合には、不純物又は厚い酸化被膜によって、反応物質が界面に接近しにくくなる可能性がある。
したがって、白金クラスターをシリコンに担持させた構成のみでは、触媒の低温活性、高選択性、及び/又は高被毒耐性が失われ、かつ排ガス浄化触媒の性能の均一性を担保できない可能性がある。
その一方で、排ガス浄化触媒を製造する本発明の方法は、白金クラスターが担持されているシリコンの表面を酸化する酸化処理工程を含む。
この酸化処理工程では、白金クラスターが担持されているシリコンを、所定の酸素雰囲気で加熱することによって、非常に純度の高い一原子層の酸化被膜をシリコンの表面に均一に作製することができる。この酸化処理の工程では、白金クラスター及びシリコンの表面の白金クラスターが担持された部分をほとんど酸化することなく、白金クラスターが担持されていない部分を酸化処理することができる。
したがって、上記の(A)及び(B)のような現象を防止し、これらの現象から生じる弊害を回避することができる。
以下では、本発明の方法の各工程の詳細について説明する。
(スパッタ工程)
本発明の方法によれば、白金ターゲットにスパッタリングを行うことにより白金クラスターを作製する。
スパッタリングを行う白金ターゲットとしては、例えば、白金粉末を成型及び焼結等した板状又は円板状などのスパッタリングターゲットを使用することができる。
スパッタリングは、任意の適切な条件、例えば適切な、ガス成分、ガス圧、並びにスパッタリング電流、電圧、時間、及び回数を用いて行うことができる。
スパッタリングで用いられるガス成分としては、不活性ガス、例えば、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、又は窒素(N)などを挙げることができる。この中でも、取り扱いの容易さから、Ar又はNが好ましい。
スパッタリングで用いられるガス圧としては、プラズマを生じさせることが可能なガス圧であれば随意に選択することができるが、一般に、20Pa以下とすることが好ましい。
スパッタリングで用いられる電流及び電圧としては、所望の白金原子数から構成される白金クラスターが生成し易い条件や、スパッタリング装置等に応じて適宜設定することができる。
スパッタリングの時間としては、白金クラスターの所望の堆積量や、他のパラメータ等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、数十分から数時間あるいは数十時間の間で適切に設定することができる。
スパッタリングの回数としては、例えば、長時間に及ぶスパッタリングによって、基板上での白金クラスターの温度が、シンタリング等を生じるような高温となることを防止するために、数時間ごとに複数回に分けて行うことができる。
なお、シンタリングとは、金属微粒子が、その融点以下の温度で粒成長する現象を意味する。
(選別工程)
本発明の方法は、スパッタ工程とクラスター担持工程との間に、マスフィルタによって白金クラスターを選別する選別工程を任意選択的に含んでよい。このマスフィルタを用いることによって、所定の白金原子数から構成される白金クラスターのみを取り出すことができる。
例えば、特に高い触媒効果を発揮するような、特定の白金原子数から構成される白金クラスターを選別し、選別された白金クラスターをクラスター担持工程において選択的にシリコン表面に担持させることができる。
マスフィルタとしては、任意選択的なマスフィルタでよく、例えば、四重極型質量分析計を用いることができる。
(クラスター担持工程)
本発明の方法によれば、電圧を印加して加速させた白金クラスターを、シリコンの表面に衝突させて担持させる。
白金クラスターに印可する電圧は、白金クラスターをシリコンの表面に衝突させるときのエネルギーを考慮して、随意に調整される。
白金クラスターをシリコンの表面に衝突させるときのエネルギーが大きい場合、白金クラスターは、シリコンの表面に沈み込み又は埋没する。白金クラスターがシリコン表面に沈み込む又は埋没している場合、それらの間の界面に、CO及びNOxなどの反応物質が接近しにくくなるため、これら反応物質の酸化及び還元の効果が減少する可能性がある。
したがって、白金クラスターをシリコンの表面に衝突させるときのエネルギーとしては、白金クラスターをシリコンの表面に沈み込ませないようにする観点から、白金1原子あたり、0eV超〜1.5eVが好ましく、0eV超〜1.0eVがより好ましく、0eV超〜0.5eVがさらに好ましい。
(酸化処理工程)
本発明の方法によれば、シリコンの表面のうちの白金クラスターが担持されていない部分を酸化する。
シリコンの表面の酸化被膜の厚さとしては、一原子層又は多原子層でよいが、上記で記載したように、例えば、0.57nm以下、0.38nm以下、又は0.19nm以下の厚さを挙げることができる。
シリコンの表面を酸化するときの酸素雰囲気の圧力としては、1×10−5Pa〜100×10−5Pa、2×10−5Pa〜50×10−5Pa、又は2×10−5Pa〜30×10−5Paの圧力を挙げることができる。
シリコンの表面を酸化する温度としては、350℃〜1410℃、400℃〜1300℃、又は500℃〜1200℃の範囲の温度を挙げることができる。
シリコンの表面を酸化する時間としては、1分〜5時間、5分〜3時間、又は10分〜2時間を挙げることができる。
以下に示す実施例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
《実施例1》
〈白金クラスターの作製と選別〉
Arガス中で、白金ターゲットにスパッタリングを行うことによって、白金クラスターを作製した。マスフィルタとしての四重極型質量分析計を用いて、この白金クラスターから、白金原子30個から構成されるPt30クラスターを選別した。
〈白金クラスター加速と担持〉
上記のPt30クラスターがシリコン表面へ衝突するときのエネルギーが、白金1原子あたり0.5eVとなるように、印加する電圧を調整した。この調整した電圧を印加することによって、Pt30クラスターを加速させ、かつシリコン表面に衝突させて担持させた。
〈シリコン表面の酸化処理と排ガス浄化触媒の作製〉
シリコンの表面のうちの上記のPt30クラスターが担持されていない部分を、2×10−5Paの酸素、360℃の温度、及び30分間で酸化処理し、排ガス浄化触媒を作製した。
《実施例2並びに比較例1及び2》
白金クラスターの白金原子数(個)、白金1原子あたりの衝突エネルギー(eV)、及び酸化処理の有無を、それぞれ、下記の表1のように変更したことを除き、実施例1と同様にして排ガス浄化触媒を作製した。
なお、表1中の酸化被膜の表面から単原子層である白金クラスターの頂点までの高さ(nm)は、走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)によって測定した。
しかしながら、走査型トンネル顕微鏡による測定は、トンネル電流を観測して行われることから、その測定結果は、原子周辺の電子雲の状態を反映した結果となることに留意されたい。
これらの要素を考慮した場合には、シリコンの表面から白金クラスターの頂点までの高さが0.29nmである実施例1及び2並びに比較例2では、白金クラスターは、シリコン表面に沈み込んでいないと判断することができる。また、この高さが0.26nmである比較例1では、白金クラスターは、シリコンの表面に沈み込んでいると判断することができる。
なお、表1の「シリコンの表面から白金クラスターの頂点までの高さ」の()内の値は、シリコンの表面から白金クラスターの頂点までの高さから、シリコンの表面の酸化被膜が単原子層で構成されるときの厚さを減算した値である。これにより、シリコン表面に形成されている酸化被膜の表面から白金クラスターの頂点までの高さを表すことができる。
《排ガス浄化触媒の評価》
昇温脱離法(TPD:Temperature Programmed Desorption)を、上記の実施例1及び2並びに比較例1及び2の排ガス浄化触媒に適用することによって、排ガス浄化触媒を評価した。
一般に、昇温脱離法とは、高真空状態で、固体の温度を連続的に昇温させつつ、固体から脱離した吸着分子又は分解脱離した分子を計測し、脱離した分子、固体表面の状態、及び半導体の清浄度などを解析する手法である。
なお、脱離した吸着分子又は分解脱離した分子の種類と量は、複数の質量分析装置(Extrel社製の四重極電極直径19mm又はSRS社製のRGA100)で解析した。
〈低温活性の評価〉
実施例2の排ガス浄化触媒を用いて、低温活性の評価を下記のとおりに行った。
実施例2の排ガス浄化触媒に、NOをそれぞれ、0.05ラングミュア(A)、0.10ラングミュア(B)、及び0.25ラングミュア(C)で吸着させ、その後、この触媒を高真空雰囲気で昇温させ、触媒温度の変化に対するNの生成量の変化を測定した。結果を図2に示している。
なお、本発明において、「ラングミュア」とは、基板の表面にガスを吸着させる時の暴露量(dose量)を示す単位を意味し、例えば、1ラングミュア(Torr・sec/m)は、1×10−6(Torr)のガス雰囲気に面積S(m)の基板を1秒(sec)間曝すことを意味する。
実施例1及び2並びに比較例1及び2の排ガス浄化触媒において、基板としてのシリコンの表面積(m)は、同一であった。したがって、これらの排ガス浄化触媒の曝露量は、ガス圧及び暴露時間のみを考慮した。
図2からは、283K〜343K(10℃〜70℃)の範囲の低温でNOが、Nに還元されていることが分かる。また、図2からは、343K(70℃)付近で最大の強度を示すことから、上記の還元反応が特に促進されていることが分かる。
また、図3〜5を参照して、従来の排ガス浄化触媒との差異を明確にする。図3は、Alに担持されたPt粒子の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))の関係を示す図であり、図4は、MgOに担持されたPd粒子の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))の関係を示す図であり、また図5は、白金単結晶の触媒温度(K)とNの生成量(強度(任意単位))の関係を示す図である。
図3〜5からは、NOからNへの転換が最も進行する温度が、それぞれ、433K(160℃)付近、443K(170℃)付近、及び523K(250℃)付近であることが分かる。実施例1の排ガス浄化触媒の還元反応が最も進行する温度が、343K(70℃)付近であるので、これは従来の温度より、少なくとも90K低いことが理解される。
〈選択性の評価〉
実施例2の排ガス浄化触媒を用いて、選択性の評価を下記のとおりに行った。
NO、CO、及びOを、それぞれ、5:5:100の体積比で混合し、この混合気体を、実施例2の排ガス浄化触媒に継続的に供給し、触媒温度並びにN、NO、及びNOの生成量の変化を測定した。結果を図6(a)、(b)、及び(c)に示している。
図6(a)からは、Nの生成を示す鋭いピークが、423K(150℃)付近に出現している一方で、図6(b)及び(c)からは、NO及びNOの生成を示すピークが、300K〜650K(27℃〜377℃)の範囲の温度で見られないことが分かる。
このことからは、Oの体積がNOの体積の20倍であるような酸素過剰雰囲気において、NOが酸化されて、NO及びNOが生成されることなく、NOが還元されて、Nが選択的に生成されていることが理解される。
〈被毒耐性の評価〉
実施例2の排ガス浄化触媒を用いて、被毒耐性の評価を下記のとおりに行った。
実施例2の排ガス浄化触媒において、Oの分圧(5×10−7Pa)及び触媒温度(330K)を一定にしつつCOの分圧を変化させる条件で、COの分圧の変化に対するCOの生成量の変化を測定した。結果を図7(a)に示している。
また、実施例2の排ガス浄化触媒において、Oの分圧(5×10−7Pa)及びCOの分圧(0.6×10−7Pa)を一定にしつつ触媒温度を変化させる条件で、触媒温度の変化に対するCOの生成量の変化を測定した。結果を図7(b)に示している。
図7(a)からは、COの分圧が0.5×10−7Pa〜2.5×10−7Paとなる範囲において、COの分圧に比例して、COの生成量が直線的に増加していることが理解される。また、図7(a)からは、COの分圧が、2.5×10−7Pa以下、すなわちOの分圧の50%以下であるとき、実施例2の排ガス浄化触媒が、330K(57℃)の低温下でもCOで被毒されることなく、COをCOに酸化していることが理解される。
図7(b)からは、COの分圧が0.6×10−7Pa、すなわちOの分圧の12%であるとき、実施例2の排ガス浄化触媒は、300K(27℃)程度の低温下でもCOで被毒されることなく、COをCOに酸化していることが分かる。
〈白金クラスターの沈み込み又は埋没の評価〉
白金クラスターが、シリコンの表面に沈み込み又は埋没したとき、このことが反応物質の酸化及び還元反応に与える影響を評価した。評価は、下記のとおりに行った。
実施例1の排ガス浄化触媒に対するO及びCOの曝露量を、それぞれ2ラングミュアとし、この触媒を高真空雰囲気で昇温させ、触媒温度の変化に対するCOの生成量の変化を測定した。結果を図8に示している。
また、比較例1の排ガス浄化触媒に対するO及びCOの曝露量を、それぞれ2及び1.82ラングミュアとし、この触媒を高真空雰囲気で昇温させ、触媒温度の変化に対するCOの生成量の変化を測定した。結果を図9に示している。
図8及び9からは、どちらの排ガス浄化触媒も133K(−140℃)付近及び273K(0℃)付近にピークがきていることが分かる。特に、最大の強度を示す133K(−140℃)付近のピークを比較すると、実施例1の排ガス浄化触媒の強度は、比較例1の排ガス浄化触媒の強度の約15倍を示していることが分かる。
また、表1からは、実施例1の排ガス浄化触媒のPt30クラスターは、シリコンの表面に沈み込んでいないが、比較例1の排ガス浄化触媒のPt30クラスターは、シリコンの表面に沈み込んでいることが分かる。
したがって、図8及び9並びに表1からは、白金クラスターがシリコンの表面に沈み込んでいないことによって、実施例1の排ガス浄化触媒が、COからCOへの酸化を促進させたことが理解される。
これは、白金クラスターがシリコン表面に沈み込む又は埋没していないことによって、それらの間の界面に、CO及Oが接近し易くなり、反応が促進されたことによると考えられる。
〈白金クラスターを構成する白金原子数の影響の評価〉
白金クラスターを構成する白金原子の数が、COからCOへの転換及びNOからNへの転換に与える影響を評価した。評価は、下記のとおりに行った。
(白金クラスターを構成する白金原子数が10個又は30個の場合の影響)
比較例2の排ガス浄化触媒に対するO及びCOの曝露量を、それぞれ2ラングミュアとし、この触媒を高真空雰囲気で昇温させ、触媒温度の変化に対するCOの生成量の変化を測定した。結果を図10(a)に示している。
さらに、比較例2の排ガス浄化触媒に対するNOの曝露量を、0.5ラングミュアとし、この触媒を高真空雰囲気で昇温させ、触媒温度の変化に対するNの生成量の変化を測定した。結果を図10(b)に示している。
図10(a)及び(b)からは、それぞれ、CO及びNの生成を示すピークがほとんど見られないことが分かる。すなわち、白金クラスターを構成する白金原子の数が、10個のとき、COからCOへの転換及びNOからNへの転換がほとんどないことが理解される。
このことは、図10(a)及び(b)と、Pt30クラスターを含有している実施例1の排ガス浄化触媒を評価したときの図8及び図2とを比較することによっても、確かめることができる。
図8及び図2からは、133K(−140℃)付近及び343K(70℃)付近に大きなピークが現れ、これらのピークは、それぞれ、CO及びNの生成を示していることが分かる。
すなわち、白金クラスターを構成する白金原子の数が30個のとき、COからCOへの転換及びNOからNへの転換が十二分に進行していることが理解される。
(白金クラスターを構成する白金原子数が30個又は60個の場合の影響)
実施例1及び2の排ガス浄化触媒を、CO及びOに曝したときの暴露量と、それらの排ガス浄化触媒を、NOに曝したときの暴露量とを、下記の表2に示している。
実施例1(Pt30)及び実施例2(Pt60)の排ガス浄化触媒を、CO及びOに曝したときの触媒温度の変化に対するCOの生成量の変化を図11(a)に示している。
図11(a)からは、どちらの排ガス浄化触媒も133K(−140℃)付近及び253K(−20℃)付近にピークがきていることが分かる。特に、最大の強度を示す133K(−140℃)付近のピークを比較すると、実施例2の排ガス浄化触媒の規格化検出量は、実施例1の排ガス浄化触媒の規格化検出量の約2倍であることが分かる。
したがって、実施例2の排ガス浄化触媒のPt原子1個あたりのCO酸化能力は、実施例1の排ガス浄化触媒のPt原子1個あたりのCO酸化能力の2倍であることが理解される。
なお、本発明において「規格化検出量」とは、実際の強度を、白金原子1個あたりの検出量に換算した検出量を意味している。
実施例1(Pt30)及び実施例2(Pt60)の排ガス浄化触媒を、NOに曝したときの触媒温度の変化に対するNの生成量の変化を図11(b)に示している。
図11(b)からは、どちらの排ガス浄化触媒も103K(−170℃)付近及び343K(70℃)付近にピークがきていることが分かる。特に、最大の強度を示す343K(70℃)付近のピークを比較すると、実施例2の排ガス浄化触媒の規格化検出量は、実施例1の排ガス浄化触媒の規格化検出量の約2.5倍であることが分かる。
したがって、実施例2の排ガス浄化触媒のPt原子1個あたりのNO還元能力は、実施例1の排ガス浄化触媒のPt原子1個あたりのNO還元能力の2.5倍であることが理解される。
本発明の好ましい実施形態を詳細に記載したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明で使用される白金クラスター、シリコン、及びマスフィルタの配置及びタイプについて変更が可能であることを当業者は理解する。
10 シリコン
10a 酸化被膜
20 白金クラスター

Claims (4)

  1. シリコン及び前記シリコンの表面に担持された白金クラスターを有する排ガス浄化触媒であって、
    前記シリコンの表面のうちの前記白金クラスターが担持されていない部分に一原子層の酸化被膜が形成され、
    前記白金クラスターに含有されている白金原子の個数が、20個〜1000個であかつ
    前記白金クラスターが、前記シリコンの表面に沈み込んでおらず、かつ埋没していない、
    排ガス浄化触媒。
  2. 前記酸化被膜の表面から前記白金クラスターの頂点までの高さが、0nm超である、請求項1に記載の触媒。
  3. 白金ターゲットにスパッタリングを行うことにより白金クラスターを作製すること、
    電圧を印加して加速させた前記白金クラスターを、シリコンの表面に衝突させて担持させること、及び
    前記シリコンの表面のうちの前記白金クラスターが担持されていない部分を酸化すること、
    を含む、請求項1又は2に記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
  4. 前記衝突のエネルギーが、白金1原子あたり0eV超〜1.5eVである、請求項3に記載の製造方法。
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