JP6363400B2 - 口唇化粧料 - Google Patents

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本発明は、口唇化粧料に関する。
従来、油性口唇化粧料は、塗布時のツヤ、伸びの広がりの良さ、べたつきの無い使用感等を得るため、デキストリン脂肪酸エステル又は12-ヒドロキシステアリン酸を配合しゲル化させる技術(特許文献1)、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ペンタエリスリトールに炭素数14〜22の分岐脂肪酸をエステル化して得られる液状のテトラエステルを配合する技術(特許文献2)、リンゴ酸ジイソステアリルと、液状オレフィンポリマーを配合する技術がある(特許文献3)。
特開2002−3340号公報 特開2012−140417号公報 特開2003−113024号公報
しかしながら、特許文献1では塗布時のツヤは満たされるが伸びの広がりの良さに関しては満たされていない。特許文献2では塗布時のツヤ、伸びの広がりの良さは満たされるが、油性原料特有の臭いがある。特許文献3では油性原料特有の臭いが軽減されているが、べたつきの無さは満たされてない。これらすべてを満たす油性口唇化粧料は得られていない。
本発明は、次の成分(A)〜(D);(A)リンゴ酸ジイソステアリルを3〜25%、(B)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルを3〜25%、(C)ペンタステアリン酸ジペンタエリスリチルを3〜25%、(D)デキストリン脂肪酸エステルを3〜15%を含有することでツヤがあり、べたつきが無く、伸びの広がり良い、油性原料特有の不快な臭いを軽減する、使用感の良い油性口唇化粧料を提供し課題を解決する。
次の成分(A)〜(D);(A)リンゴ酸ジイソステアリルを3〜25%配合することにより油性原料特有の不快な臭いを軽減させることができる。(B)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルを3〜25%、(C)ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチルを3〜25%、(D)デキストリン脂肪酸エステルを3〜15%配合することにより、ツヤがあり、ベタつきが無く、伸びが良くなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の成分(A)は、リンゴ酸とイソステアリルアルコールのジエステルであり、無色透明な高粘度の高極性エステル油である。コスモール222(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明の成分(A)の含有量は、3〜25%であることが好ましく、5〜22%がより好ましい。
本発明の成分(B)は、イソステアリン酸とペンタエリスリトールのテトラエステルであり、淡黄色の高粘度の低極性エステル油である。KAK PTI(高級アルコール工業社製)、CRODAMOL PTIS(クローダ社製)、サラコス 5418V(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明の成分(B)の含有量は、3〜25%であることが好ましく、5〜22%がより好ましい。
本発明の成分(C)は、ジペンタエリスリトールとイソステアリン酸のペンタエステルであり、淡黄色の粘ちょう性の高極性エステル油である。市販品としてはジペンタエリスリトールにイソステアリン酸をエステル化して得られる、サラコスDP−518N(日清オイリオグループ社製)等が挙げられる。
本発明の成分(C)の含有量は、3〜25%であることが好ましく、5〜22%がより好ましい。
本発明の成分(D)は、多糖脂肪酸エステル誘導体であり、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ステアリン酸イヌリン等が挙げられる。特にこれらのもののうちパルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリンが好ましく、これらの1種又は2種以上を用いることができる。市販品としてはレオパールKL2、レオパールMKL2(千葉製粉社製)等が挙げられる。
本発明の成分(D)の含有量は、3〜15%であることが好ましく、5〜12%がより好ましい。
また、本発明の口唇化粧料は、通常化粧料に配合される成分として、成分(A)〜(D)以外の油性成分、水性成分、粉体、界面活性剤、糖類、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。
油性成分としては成分(A)〜(D)以外の、化粧料に一般に使用される、動物油、植物油、合成油等の固形油、半固形油、液体油、揮発性油等、起源や性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、エステル油類、硬化油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、パラフィンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリイソブチレン、セレシンワックス、オゾケライトワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等のロウ類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、ポリオキシ変性オルガノポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、ステアリル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ベヘニル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カリウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
一般に化粧品に用いられる粉体であるならば特に限定されない。具体例では、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光揮性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本発明の口唇化粧料は、非固形状のものである。口紅、リップクリーム、リップグロス、リップライナーなどが挙げられる。ここで、非固形状とは、金型等では成型できない程度に保型性が低い状態であり、スティック状のように繰出し容器では使用しないものである。本発明の口唇化粧料は、チューブ容器、ディッピング容器等に充填されるのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表1〜6を下記に示す方法により口唇化粧料を製造した。また、ツヤ(光沢感)、唇塗布時のべたつきの無さ、伸びの良さ、油性原料特有の不快な臭いについて下記評価方法を行った。
(製造方法)
色材、添加剤以外の基剤原料を90℃で加熱溶解し、均一に混合する。これに色材、添加剤を加え均一分散後、脱泡をした後30℃まで冷却を行いチューブ容器に流し込み製造した。
(評価方法)
パネラー10名より、各項目について、下記5段階絶対評価にて評価し、評点を付け、各パネラー全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記5段階判定基準により判定した。
(5段階絶対評価基準)
評点 : 評価(平均点)
5点:非常に良好(4.5点以上)
4点:良好(3.5点以上4.5点未満)
3点:普通(2.5点以上3.5点未満)
2点:やや不良(1.5点以上2.5点未満)
1点:不良(1.5点未満)
(1)ツヤ(光沢感):パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後のツヤ(光沢感)を官能評価した。パネラー10人の平均値を算出し、5段階判定基準により判定した。
(2)べたつきの無さ:パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後のべたつきの無さを官能評価した。パネラー10人の平均値を算出し、5段階判定基準により判定した。
(3)伸びの良さ:パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後の伸びの良さを官能評価した。パネラー10人の平均値を算出し、5段階判定基準により判定した。
(4)油性原料特有の不快な臭い:パネラー10名により、各口唇化粧料を唇へ塗布した直後、及び3時間後の油性原料特有の不快な臭いを官能評価した。パネラー10人の平均値を算出し、5段階判定基準により判定した。
Figure 0006363400
表1、実施例1〜7と比較例1〜4の結果から成分(A)、(B)、(C)、(D)は必須成分であることがわかる。
Figure 0006363400
表2、実施例8〜11と比較例5、6の結果から、成分(A)の含有量は3〜25%が好ましく、5〜22%がより好ましいことがわかる。
Figure 0006363400
表3、実施例12〜15と比較例7、8の結果から、成分(B)の含有量は3〜25%が好ましく、5〜22%がより好ましいことがわかる。
Figure 0006363400
表4、実施例16〜19と比較例9、10の結果から、成分(C)の含有量は3〜25%が好ましく、5〜22%がより好ましいことがわかる。
また、表3、4で成分(B)、成分(C)を高配合率にすることで、原料特有の臭いを感じる結果を得ている。
Figure 0006363400
表5、実施例20〜23と比較例11、12の結果から、成分(D)の含有量は3〜15%が好ましく、5〜12%がより好ましいことがわかる。
Figure 0006363400
比較例13では、特許文献1の成分を本発明の配合量で実施した結果、伸び広がりに対し良好な結果は得られていない。比較例14では、特許文献2の、配合量で実施した結果、原料特有の不快な臭いに対し良好な結果は得られていない。比較例15では、特許文献3の、配合量で実施した結果、べたつきの無さに対し良好な結果は得られていない。
表1〜6から(A)リンゴ酸ジイソステアリルを3〜25%、(B)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルを3〜25%、(C)ペンタステアリン酸ジペンタエリスリチルを3〜25%、(D)デキストリン脂肪酸エステルを3〜15%で配合することで全てを満たすことができるという結果を得た。
*1:レオパールKL2(千葉製粉社製)
*2:サラコス5418V(日清オイリオグループ社製)
*3:サラコスDP−518N(日清オイリオグループ社製)
*4:コスモール222(日清オイリオグループ社製)
*5:パールリーム24(日本油脂社製)

Claims (1)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)リンゴ酸ジイソステアリルを3〜25質量%、
    (B)テトライソステアリン酸ペンタエリスリチルを3〜25質量%、
    (C)ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチルを3〜25質量%、
    (D)パルミチン酸デキストリンを5〜12質量%を含有することを特徴とする口唇化粧料。
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