本発明は車両の駐車支援を目的とし、照度が十分でない駐車区画の検知状態を改善するために、自車両に搭載された灯具で、所定の位置を照らすための適切な経路を生成する駐車支援装置に関する。
以下、本発明の各実施の形態について図1〜図13を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部材、部位およびステップについては同一符号を付して説明する。
<実施の形態1>
<装置構成>
図1は、本発明に係る実施の形態1の駐車支援装置1000の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように駐車支援装置1000は、要求入力部100、車両状態検出部101、車両周辺状態監視部102および障害物検知部103からの入力に基づいて駐車支援制御を行う装置であり、駐車支援装置1000の出力は、ステアリング制御部113および投光制御部114に与えられる。
駐車支援装置1000は、駐車区画投光要求検出部104、駐車支援制御状態管理部105、駐車区画検出部106、駐車標識検知部107、自車位置推定部108、駐車支援情報表示部109、投光目標位置設定部110、駐車支援終了判定部111、誘導経路演算部112を備えている。
要求入力部100は、運転者が駐車支援開始要求を入力する部位であり、車室内に配置されたスイッチなどが該当する。なお、スイッチ以外にもタッチパネル、マイクを要求入力部100とすることもでき、タッチパネルを介しての規定の操作、マイクを介しての音声入力によって駐車支援開始要求を入力しても良い。
要求入力部100を介して運転者が駐車支援開始要求を入力すると、駐車支援制御状態遷移要求信号が出力され駐車支援制御状態管理部105に入力される。駐車支援制御状態遷移要求信号が入力された駐車支援制御状態管理部105は、駐車支援制御状態を駐車区画検知モードに遷移させる。なお、駐車区画検知モードに遷移して駐車区画を検知している間は、駐車支援制御状態をステアリングの自動操舵が開始される駐車区画誘導モードに遷移させることも可能である。
車両状態検出部101は、車両に備え付けられた複数のセンサーで構成され、複数のセンサーが車両状態を検出し車両状態信号を出力する。車両状態とは具体的には、ハンドル(ステアリング)の回転角であるハンドル角、車両の前後方向への移動速度である車速、車両の鉛直軸回りの角速度であるヨーレート、ウィンカーの作動状態、シフトレバーの位置情報などが含まれ、これらを検出した各センサーが、それぞれ車両状態信号を出力する。これらの複数の車両状態信号を総称して車両状態情報と呼称する。
車両周辺状態監視部102は、車両に取り付けられた周辺監視カメラを備え、車両周辺の駐車区画を検出する。本実施の形態1では、車両周辺状態監視部102は、例えば、車両の前後左右に設置されたカメラで構成され、各カメラで撮像された映像を、自車両を上方から見た平面に貼り付けるように座標変換した後、互いに結合する画像処理を行うことで得られた車両周辺映像を出力する。
障害物検知部103は、車両に取り付けられた障害物検知装置により、自車両周辺の障害物の存在と自車両からの位置を検知し、障害物情報として出力する。本実施の形態1では、障害物検知装置は、例えば車体に備え付けられた複数の超音波センサーであり、障害物検知部103は、各超音波センサーで検知された自車両の周囲に存在する障害物の情報に基づいて、自車両周辺の障害物の存在と自車両からの位置を障害物情報として出力する。なお、障害物検知装置は超音波センサーに限定されるものではなく、周辺監視カメラまたはミリ波レーダーまたはLIDAR(Light Detection and Ranging)などを用いても良い。
周辺監視カメラを用いる場合は、カメラによって得た自車両周辺の画像から物体の特徴点(角部、シルエットなど)を抽出し、異なる時刻間での比較を行って、その移動量(オプティカルフロー)を計算する。その物体の移動量が路面の特徴点の移動量と異なる場合は、その物体を障害物と判定する。ミリ波レーダー、LIDARは電磁波とその反射波を用いて物体までの距離を測定する技術である。
駐車区画投光要求検出部104は、車両周辺映像に基づいて駐車支援制御状態管理部105に駐車区画投光要求信号を出力し、駐車支援制御状態を駐車区画投光モードへ遷移させる。具体的には、車両周辺映像の明度から車両周辺の照度を検知し、その照度が所定の数値を下回った場合には、駐車区画への投光の必要性があると判断して駐車区画投光要求信号を出力する。この車両周囲の照度検知の手法は、車両周辺映像全体の明度を用いる以外に、自車の灯具で照らされた領域とそれ以外の領域との明度差などを利用しても良い。
駐車支援制御状態管理部105は、要求入力部100が出力する駐車支援制御状態遷移要求信号と、駐車支援終了判定部111が出力する駐車支援終了判定信号と、駐車区画投光要求検出部104が出力する駐車区画投光要求信号と、駐車区画検出部106が出力する駐車区画情報を用いて、駐車支援制御の制御状態を設定し管理する。駐車支援制御の制御状態には、大きく分けて、自車両が駐車可能な駐車区画を検知する駐車区画検知モードと、駐車区画を投光するために自車両を誘導しつつ駐車区画検出を行う駐車区画投光モードと、検知した駐車区画に自車両を誘導する駐車区画誘導モードなどがあり、それぞれのモードは駐車支援の状況によりさらに細分化されたモードを有している。なお、本発明にはこれらの詳細なモードの違いは関係しないため、詳細説明は省略する。
駐車区画検出部106は、車両周辺状態監視部102が出力した車両周辺映像を用いて駐車区画を検出する。具体的には、自車両が駐車できる間隔を開けるように他車両が駐車している状態が、車両周辺映像に十分鮮明に映されていた場合、駐車区画検出部106はその駐車車両の間を駐車区画と認識する。
あるいは、自車両が駐車できる大きさの駐車枠線が地面に描かれている状態が、車両周辺映像に十分鮮明に映されていた場合、駐車区画検出部106はその駐車枠を駐車区画と認識する。また、この2つの判断手法を同時に用いても良い。また、駐車支援制御状態管理部105から出力された駐車支援制御状態信号により駐車区画の認識を行う領域を変更することも可能である。すなわち、駐車支援制御のモードに合わせて駐車区画の認識を行う領域を変更しても良い。駐車区画を認識した駐車区画検出部106は、駐車区画を検出した旨と、その位置情報を駐車区画情報として出力する。
駐車標識検知部107は、車両周辺状態監視部102が出力した車両周辺映像に基づいて駐車区画内部あるいは周囲の駐車に関連した標識を検出する。本実施の形態においては、例えば、駐車枠内部に駐車禁止などの文字または車いすのマークなどの駐車を制限する標識が描かれていることを画像認識によって検出する。また、駐車区画の脇に駐車禁止の道路標識を、画像認識によって検出する。ここで挙げた標識の例以外にも、駐車を制限する標識を検出するようにしても良い。パターンマッチングのための比較パターンを多種類準備しておけば、画像認識によって得られた標識とパターンマッチングすることで検出が可能である。
自車位置推定部108は、駐車支援に必要な自車位置の推定を行い、自車位置情報として出力する。自車位置の推定には、車両状態検出部101が出力する車速とヨーレートを用いる。自車位置推定部108では、車速とヨーレートと、駐車支援制御状態管理部105が設定する駐車支援制御状態の各モードで必要な、ある特定の地点からの相対的な自車の位置を求めて出力する。
ここで、ある特定の地点とは、自車位置の推定のための座標の原点を指し、例えば、駐車可能スペースを発見した時点での自車後輪車軸の中央位置が挙げられる。なお、原点自体はセンサー類で検知した物体の座標系などと正しく整合していれば、どこに設定しても良い。
駐車支援情報表示部109は、駐車標識検知部107で得られた駐車標識情報を運転者に対して表示する装置である。また、駐車区画検出部106から出力される駐車区画情報、駐車支援制御状態管理部105から出力される駐車支援制御状態を同時に表示しても良い。その場合は、駐車支援情報表示部109が運転者に駐車支援制御時における車両誘導の際の駆動制御(アクセル操作)、制動制御(ブレーキ操作)およびシフトレバーの切り替え操作の教示を行い、運転者はその教示に従う。例えば、音声情報および視覚情報等によって運転者に駐車区画の検知の有無、停車およびシフトレバー切り替えの情報を提示する。また、駐車支援情報表示部109は、車両周辺映像と駐車区画の位置および駐車区画標識情報を重畳してディスプレイに表示するようにしても良い。
投光目標位置設定部110は、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号により駐車支援制御状態が駐車区画投光モードに遷移したことを認識した場合は、所定の投光目標位置情報を誘導経路演算部112に出力する。本実施の形態1における所定の投光目標位置とは、自車両の左側あるいは右側の近傍の領域であり、車両の実装時に予め設定され、車両からの相対位置情報として記憶されている。
図2には、その一例を示しており、自車両の左側ドアの近傍には左側投光目標位置LPが設定され、右側ドアの近傍には右側投光目標位置RPが設定される。このように、投光目標位置を自車両の左側あるいは右側の近傍の領域に設定することで、投光目標位置を一義的に決めることができる。
左側投光目標位置LPまたは右側投光目標位置RPの選択には車両状態検出部101から出力される自車情報に含まれるウィンカーの情報を用いる。この投光目標位置の詳細な設定は、サイドミラーの真横、ピラーの真横、前照灯の真横など、車両の実装時の仕様によって変更することができる。
誘導経路演算部112は、駐車区画検出部106が出力する駐車区画情報と、自車位置推定部108が出力する自車位置情報と、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号から得られる駐車支援制御状態と、投光目標位置設定部110が出力する投光目標位置情報とに基づいて、駐車区画に自車両を誘導するための誘導経路および投光目標位置に投光するための位置に自車両を誘導するための誘導経路を演算する。なお、駐車区画に自車両を誘導するための誘導経路の算出には公知の技術を利用でき、例えば特開2017−88112号公報、特許第6124977号公報に開示の技術を利用できる。また、投光目標位置に投光を行うための誘導経路の算出には、前述の特開2017−88112号公報に開示の技術を応用することができる。すなわち、特開2017−88112号公報に開示の誘導経路演算方法では、車両を任意の直線(目標駐車直線)に沿った位置および姿勢に誘導する経路とハンドル角を生成する。そのため当該直線を投光目標位置を通るように設定することで、前照灯または後退灯で投光目標位置に投光を行うことができる位置に車両を誘導することができる。
また並列駐車の場合、前進して入庫する前向き駐車および後退して入庫する後ろ向き駐車の2パターンが存在するが、どちらの場合も、投光のための誘導経路演算と入庫のための誘導経路演算は独立して機能する。
駐車支援終了判定部111は、駐車区画検出部106が出力する駐車区画情報と、投光目標位置設定部110が出力する投光目標位置情報と、自車位置推定部108が出力する自車位置情報と、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号と、障害物検知部103が出力する障害物検知情報とに基づいて、駐車支援の終了を判定し、駐車支援制御状態管理部105に駐車支援終了判定信号を出力する。
具体例の一つとしては、駐車支援制御状態が駐車区画誘導モードであって、駐車区画情報に対し自車両の位置が予め設定された位置誤差および角度誤差に収まる場合に、駐車支援終了判定部111は駐車支援終了として駐車支援終了判定信号を出力する。他の具体例としては、駐車区画投光モードで車両を誘導中、駐車支援終了判定部に設定された投光目標位置に投光するために十分な相対位置、姿勢に自車両が到達して所定の時間が経過した場合、駐車支援終了判定部111は駐車区画の認識が不可能と判断して、駐車支援終了判定信号を出力する。
なお、本実施の形態1では、この駐車支援終了判定信号を用いて駐車支援制御状態のモードを終了状態に遷移させるが、この駐車支援終了判定信号を用いて実際には車両に装備されたパーキングブレーキ(図示せず)を作動させたり、また車両に装備された車両始動コントローラーを停止させてイグニッションスイッチをOFFさせたりして、自動的に車両を完全停車状態に誘導することも可能である。
ステアリング制御部113は、誘導経路演算部112が出力する誘導経路情報から得られる座標の各位置に対する目標曲率と、自車位置推定部108が出力する自車両の位置情報に基づいて、その時の自車位置での目標ステアリング角を演算し、ステアリング(図示せず)を制御する。目標曲率から目標ステアリング角を求めるには、以下の数式(1)で示される変換式を用いる。
δref=Grp・ρref・lWB ・・・(1)
上記数式(1)において、Grpはステアリングリンク機構が有するタイヤ舵角とステアリング舵角間のギア比であり、lWBはホイールベースであり、ρrefは目標曲率であり、δrefは目標タイヤ舵角を示している。ステアリング制御部113は、上記数式(1)に基づいて誘導経路演算部112が出力する誘導経路情報より目標ステアリング角を演算し、ステアリングの制御を行う。
投光制御部114は、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号と、車両周辺状態監視部102が出力する車両周辺映像と、駐車区画検出部106が出力する駐車区画情報とに基づいて、投光器115の点灯の有無、明るさおよび光の向きの少なくとも一つの制御を行う。
投光器115は、投光目標位置を照らすことができる自車に搭載された灯具である。本実施の形態1においては、灯具の例としては、車両の前照灯、後退灯および補助灯である。また、投光器115は、投光制御部114によって点灯の有無と、配光の制御を受けることが可能に構成されている。この投光器115は、上述した灯具以外に、車幅灯、制動灯などの灯具でも良い。
カメラで撮像された周辺映像を用いた通常の駐車支援装置においては、運転者が駐車支援開始を要求すると、車両周辺映像に基づいて駐車区画の検出を試みる。しかし、駐車区画周囲の照度不足などにより、運転者には見えていても周辺映像からは駐車区画を正しく認識できない場合がある。この場合は駐車支援を開始できないため、夜間および暗い屋内のような照度が十分でない環境では、駐車支援を受けることができない。
それに対し本実施の形態1の駐車支援装置1000では、以下の動作により夜間および暗い屋内のような照度が十分でない環境下でも駐車支援を受けることが可能となる。
<動作>
図3は駐車支援装置1000における駐車支援動作を説明するフローチャートである。駐車支援を利用したい運転者は、駐車を望む駐車区画に投光目標位置を設定するため、車両の横位置を駐車区画の枠線の入り口側の短辺に合わせるように自車両を移動させる。ここでは、並列駐車の場合を説明するものとし、投光目標位置は図2を用いて説明したように、自車両の左側ドアまたは右側ドアの近傍に設定される。
投光目標位置の選択にはウィンカーを使用し、駐車区画の入り口に自車両を横付けした後、右折または左折のウィンカーを点滅させることで、自車両の左側ドアまたは右側ドアの近傍の投光目標位置が選択される。また、前進して入庫する前向き駐車を行う場合は、シフトレバーを前進の位置に入れ、後退して入庫する後ろ向き駐車の場合はシフトレバーを後退の位置に入れる。
その後、運転者が要求入力部100を介して駐車支援開始要求を入力することで駐車支援動作が開始され、要求入力部100から駐車支援制御状態遷移要求信号が出され、それを受けた駐車支援制御状態管理部105は、駐車支援制御状態を駐車区画検知モードに遷移させる(ステップS0)。
駐車区画検知モードになると、駐車区画検出部106は車両周辺状態監視部102から得られた車両周辺映像から車両周辺の駐車区画を検出する。これは、画像認識によって駐車区画の特徴量を抽出し、予め設定したパターンとマッチングを行うことで駐車区画を検出する処理である。
駐車支援制御状態管理部105は、駐車支援制御状態を駐車区画検知モードに遷移させた後は、駐車区画投光要求検出部104から駐車区画投光要求信号が出力されたか否かを判定する(ステップS1)。なお、駐車支援制御状態管理部105は、駐車区画投光要求信号が出力されていない場合(Noの場合)、ステップS1の動作を繰り返す。駐車区画投光要求信号は、駐車区画投光要求検出部104が車両周辺状態監視部102が出力する車両周辺映像の明度に基づいて車両周辺の照度を検知し、その照度が所定の数値を下回った場合に出力される。
ステップS1で駐車区画投光要求信号を検知した場合(Yesの場合)、駐車支援制御状態管理部105は駐車支援制御状態を、駐車区画投光モードに遷移させ(ステップS2)、その旨を駐車支援制御状態信号として出力する。
駐車支援制御状態信号を受けて駐車区画投光モードであることを認識した投光目標位置設定部110は、駐車区画を十分な照度で照らすための自車両の投光目標位置情報を出力する(ステップS3)。投光目標位置は、図2を用いて説明したように、自車両の左側または右側の位置がデフォルト値として設定されており、投光目標位置設定部110は、車両状態検出部101から右折または左折のウィンカーの点滅が車両状態情報として出力されたことを受けて、対応するデフォルト値が出力される。
誘導経路演算部112は、投光目標位置情報に含まれる投光目標位置の座標を自車位置推定部108が出力する自車位置情報の座標に座標変換し、投光目標位置を絶対座標とし、投光目標位置に投光するための位置に自車両を誘導する誘導経路を演算し(ステップS4)、誘導経路情報としてステアリング制御部113に出力する。ステアリング制御部113は、投光目標位置に投光するための位置に自車両を誘導する誘導経路に基づいてステアリングを制御する(ステップS5)。
自車両はこの誘導経路に沿って自動で操舵され、前照灯または後退灯、あるいは補助灯によって所定の位置に投光を行う。図4および図5は、それぞれ前進して入庫する前向き駐車および後退して入庫する後ろ向き駐車の場合の投光目標位置に投光するための誘導経路の一例を示している。なお、図4では、投光器25を前照灯と補助灯とし、図5では、投光器25を後退灯と補助灯としている。
すなわち、図4においては、車両の右側が駐車区画23の枠線の入り口側の短辺に沿うように自車両を横付けした自車位置21から、投光目標位置に投光するための誘導経路22に沿って自車両が自動で移動した後の自車位置24を示しており、車両は矢印で示すように左斜め後方に自動で移動する。図4において、投光目標位置は破線の円で示されており、自車両が自車位置24に移動することで、投光器25(この場合は前照灯)で照らされる2つの領域26は、投光目標位置を含んで駐車区画23全体をカバーすることとなる。
また、図5においては、車両の右側が駐車区画23の枠線の入り口側の短辺に沿うように自車両を横付けした自車位置21から、投光目標位置に投光するための誘導経路22に沿って自車両が自動で移動した後の自車位置24を示しており、車両は矢印で示すように左斜め前方に自動で移動する。図5において、投光目標位置は破線の円で示されており、自車両が自車位置24に移動することで、投光器25(この場合は後退灯)で照らされる2つの領域26は、投光目標位置を含んで駐車区画23を半分以上カバーすることとなる。
このような投光により駐車区画23が十分な照度で照らされ、駐車区画検出部106が車両周辺状態監視部102が出力した車両周辺映像を用いて駐車区画を検出すると、駐車区画検出部106は駐車区画情報を出力する。駐車支援制御状態管理部105は、駐車区画検出部106から駐車区画情報が出力されたか否かを判定し(ステップS6)、駐車区画情報が出力された、すなわち駐車区画が発見された場合(Yesの場合)、駐車支援制御状態を駐車区画誘導モードに遷移させる(ステップS7)。なお、駐車区画が発見されない場合(Noの場合)は、ステップS6の判定を繰り返す。
誘導経路演算部112は、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号により駐車支援制御状態が駐車区画誘導モードに遷移したことを認識した場合には、駐車区画検出部106が出力する駐車区画情報と、自車位置推定部108が出力する自車位置情報とに基づいて、駐車区画に進入するための誘導経路を演算し(ステップS8)、誘導経路情報としてステアリング制御部113に出力する。
ステアリング制御部113は、駐車区画に進入するための誘導経路に基づいてステアリングを制御し(ステップS9)、自車両を駐車区画に誘導する。
駐車支援終了判定部111は、自車両の位置、姿勢が駐車区画情報に対し自車両の位置が予め設定された位置誤差および角度誤差に収まっているかを判定し(ステップS10)、位置誤差および角度誤差に収まっている場合(Yesの場合)、駐車支援終了判定部111は駐車支援終了として駐車支援終了判定信号を出力する(ステップS11)。なお、位置誤差および角度誤差に収まっていない場合(Noの場合)は、ステップS9以下の動作を繰り返す。
駐車支援終了判定信号を入力された駐車支援制御状態管理部105は、駐車支援を終了させる。
以上説明したように、本実施の形態1の駐車支援装置1000は、駐車区画の照度が十分に得られない環境下でも、駐車区画の位置を精度よく認識することができ、利便性が高く安全な駐車支援を提供することが可能となる。
また、本実施の形態1の駐車支援装置1000は、車両に既存の灯具を利用するため、車両に新たな灯具を装着する必要がないので、駐車区画検出部106の画像処理に複雑なフィルタ処理を実行させることも、高負荷な処理を実行させることも不要である。このためコストの上昇を抑えることができる。さらにコーナリングランプでの投光と比較し、前照灯または後退灯は光度が高く、離れた領域も投光することができるため、自車両から離れた駐車区画に対しても十分な照度を与えることができる。従って、駐車支援の精度および適用性を高めることができる。
なお、以上説明した実施の形態1においては、ステアリング制御は自動で行われるが、車両誘導の際の駆動制御(アクセル操作)、制動制御(ブレーキ操作)およびシフトレバーの切り替え操作は、駐車支援情報表示部109の教示に従って運転者が行うものとしたが、これらの操作を、誘導経路情報に基づいて図示されない駆動制御部、制動制御部およびシフト制御部(図示せず)を誘導経路演算部112が制御することによって実現しても良い。ここで、駆動制御部、制動制御部などは、ADAS-ECU(Electronic Control Unit)などにより実現することができ、ステアリング制御部113などもADAS-ECUに含ませることができる。
<応用例>
以上説明した実施の形態1の駐車支援装置1000の誘導経路演算部112は、駐車支援制御状態が駐車区画投光モードの場合に、誘導経路上で障害物を発見した際は、接触を避ける経路を設定するように構成することも可能である。このような経路を設定する場合の一例を図6を用いて説明する。
図6においては、車両の右側が駐車区画23の枠線の入り口側の短辺に沿うように自車両を横付けした自車位置21から、自車両が自動で移動した後の自車位置24を示しているが、駐車区画23の左側には壁42があり自車両の後退距離には制限があり、また、駐車区画23に対向する位置には、駐車車両41が存在している。
駐車支援装置1000は、駐車車両41および壁42などの障害物を障害物検知部103によって検知し、障害物情報が誘導経路演算部112に入力された場合、誘導経路演算部112は、誘導経路22の演算に加えて、切り返し動作によって障害物への接触を回避しつつ、目標投光位置への投光を行う誘導経路43を生成する。このため、駐車区画23の周辺に障害物が存在する場合、および他の駐車車両が近くに存在する狭小な駐車場においても駐車支援を提供することが可能となる。
なお、このような障害物回避機能は、前向き駐車、後ろ向き駐車に関わらず利用することができ、また投光器25の種類によらず利用することができる。
また、実施の形態1の駐車支援装置1000は、投光目標位置への投光後に、駐車区画内に障害物または駐車を制限する標識を検知した場合は、駐車支援の停止または運転者への警告、通知を与えるように構成することも可能である。
具体的には、投光目標位置への投光後に、障害物検知部103が駐車区画内に自車両と衝突する可能性のある障害物を検出した場合、検出結果を障害物検知情報として駐車支援終了判定部111に出力し、障害物検知情報を受けた駐車支援終了判定部111は、駐車支援の終了を決定し、駐車支援を終了させる。
また、投光目標位置への投光後に、駐車標識検知部107が、駐車枠内部に駐車禁止などの文字または車いすのマークなど駐車を制限する標識が描かれていることを画像認識によって検出した場合は、自車両が駐車すべきでない駐車区画が検知されたと判定し、駐車支援情報表示部109を介して、音声および画像によって運転者に警告を与える。
これによって、投光する前は運転者にも検知されなかった障害物および標識の存在を検知でき、駐車支援の安全性を高めることができる。
また、実施の形態1の駐車支援装置1000は、投光を行っても車両周辺映像の明度が所定の閾値よりも小さい場合、駐車区画投光要求検出部104は投光した照度が十分ではないと判断し、再び駐車区画投光要求信号を出力する。駐車支援制御状態管理部105は、駐車区画投光モードとなっている場合に駐車区画投光要求検出部104から再び駐車区画投光要求信号を受けると、駐車区画投光モードが細分化された投光制御モードに遷移する。駐車支援制御状態管理部105から、投光制御モードに遷移した旨の駐車支援制御情報を受けた投光制御部114は、補助灯を自動で点灯し、駐車区画の照度を高める動作を行う。
また、投光により車両周辺映像の明度が所定の閾値よりも十分に高いと駐車区画投光要求検出部104が判定したにも関わらず、車両周辺映像では駐車区画の一部分だけが検出された場合は、駐車区画投光要求検出部104は照度過剰による反射または白飛びのために駐車区画の認識が不可能となっているものと判断し、駐車区画投光要求信号の出力を停止する。駐車支援制御状態管理部105は、駐車区画投光モードとなっている場合に駐車区画投光要求信号の出力が停止すると、駐車区画投光モードが細分化された投光制限モードに遷移する。駐車支援制御状態管理部105から、投光制限モードに遷移した旨の駐車支援制御情報を受けた投光制御部114は、各投光器のオン、オフ制御、出力、配光の少なくとも一つの変更を行う。これによって駐車区画の認識に必要な適切な照度を投光することが可能になる。具体的には前照灯または後退灯と補助灯との切り替えなどが挙げられる。
また、実施の形態1の駐車支援装置1000は、投光制御部114が投光器115の投光の向きを制御して駐車区画への投光を行うように構成することも可能である。具体的には、投光器115として配光制御機能の付いた灯具を使用することによって、投光目標位置に投光する自車両の位置および姿勢の変更条件を緩和することができる。これによって、駐車区画投光のための誘導経路を短く設定することができ、駐車支援を速やかに完了することが可能となる。また、障害物の存在により駐車区画投光のための誘導経路を十分に長くとることができない場合でも、誘導経路の短縮により、駐車支援装置の利用可能範囲を広げることができる。
なお、配光制御機能の付いた灯具としては、例えば、アダプティブ・フロントライティング・システムを挙げることができる。これは、コーナリング時においてステアリングの操舵方向に光軸を向けるように投光の向きを変えることができる前照灯である。
<変形例>
以上説明した実施の形態1の駐車支援装置1000においては、投光目標位置は図2を用いて説明したように、自車両の左側ドアまたは右側ドアの近傍に設定され、運転者は車両の横位置を駐車区画の枠線の入り口側の短辺に合わせるように自車両を移動させた後に、駐車支援制御状態遷移要求を行うことで駐車支援動作が開始されるものとしたが、投光目標位置を自車両の前方または後方付近に設定することもできる。
図7は、投光目標位置を自車両の前方付近に設定する場合の掃引的な投光による駐車区画の検知方法を説明する図である。
図7においては、自車両が駐車区画23の枠線に対して右斜め上に横向きに停止している自車位置21から、後退しながら投光器25(ここでは前照灯)による掃引的な投光を行うための誘導経路52に沿って自車両が自動で移動した後の自車位置24を示しており、車両は矢印で示すように左斜め後方に車両姿勢が90°傾くように自動で移動する。掃引的な投光を行う場合の投光目標位置は、図7において投光目標位置51として示され、自車両の前方付近に設定される。
従って、誘導経路演算部112は、投光目標位置に投光するための誘導経路を算出するのではなく、最小旋回半径の円(すなわちハンドルを一方向に最大まで回した場合の経路)となるような誘導経路52を算出すれば良い。すなわち、投光目標位置設定部110が、投光目標位置として自車両の前方付近を出力した場合、誘導経路演算部112は、掃引的な投光を行うものと判断して誘導経路の演算方法を変更する。なお、投光目標位置は自車両の前方付近に限定されず、自車両の後方付近に設定することもできる。この場合、自車両が前進しながら後退灯で掃引的な投光を行うこととなる。また、投光目標位置を自車両の前方付近に設定するか後方付近に設定するかは、車両状態検出部101から出力される自車状態情報に含まれるシフトレバーの位置情報を用いることが可能である。すなわち、シフトレバーを後退位置に入れると投光目標位置が自車両の前方付近に設定され、シフトレバーを前進位置に入れると投光目標位置が自車両の後方付近に設定されるようにすれば良い。
この誘導経路52に沿った移動により、自車両周辺を投光器25(ここでは前照灯)で掃引的に照らすことができる。すなわち、図7において、自車位置21における投光開始時の2つの投光領域53が、自車両が自車位置24に移動するまでの間、刻々と位置を変えることで、自車両周辺を掃引的に照らすこととなり、自車位置24に達した場合には、2つの投光領域54が駐車区画23全体をカバーしている。投光領域53から投光領域54までの間の投光領域の際外縁を2つの2点鎖線で示しており、当該2点鎖線で規定される領域が掃引的に投光される領域となる。
図7の例では移動後の自車位置24の前方に駐車区画23が存在しているが、駐車区画23は、この位置に限定されるものではなく、2点鎖線で規定される領域内に存在していれば、掃引中の光に照らされることで、検知されることとなる。すなわち、駐車区画検出部106は、掃引的な投光の期間中は車両周辺映像を用いて定期的に駐車区画を検出を行っており、駐車区画を検出した場合は駐車区画情報を出力する。
駐車区画23を検出した後の動作は、図3のフローチャートにおけるステップS5〜S10の動作と同じであり、説明は省略する。
上述の説明では、掃引的な投光は投光器25(ここでは前照灯)を用いて後退しながら行う例を示したがこれに限定されるものではなく、後退灯を用いて前進しながら行っても良い。その場合、投光目標位置は自車両の後方付近に設定される。
また、掃引的な投光を後退しながら行うか、前進しながら行うかの判断は、車両状態検出部101から出力される自車状態情報に含まれるシフトレバーの位置情報を用いることが可能である。また、自車両の左右どちら側に掃引的な投光を行うかは、自車状態情報に含まれるウィンカーの点滅の情報を用いることが可能である。従って、運転者は、駐車を望む駐車区画付近に自車両を停止させ、要求入力部100を介して駐車支援制御状態遷移要求を行い、シフトレバーを後退位置に入れ、左折のウィンカーを点滅させれば、駐車支援動作が開始され、投光目標位置が自車両の前方付近に設定され、かつ自車両は図7に示すような誘導経路52に沿った移動を行い、後退しながら掃引的な投光を行うこととなる。
このように投光目標位置を自車両の前方または後方付近に設定する場合は、掃引的な投光により駐車区画を検出するので、運転者が自車両の位置を駐車区画に合わせて調節しなくても、駐車区画を検出するための駐車支援を開始することができる。このため運転者は、駐車を望む駐車区画付近に大まかに移動するだけで、駐車支援を開始することが可能となり、駐車支援の利用に至るまでの運転者の負担をさらに減少することができる。
また、掃引的な投光による駐車区画の検出に際しても、駐車支援制御状態が駐車区画投光モードの場合に、誘導経路上で障害物を発見した際は、接触を避ける経路を設定するように構成することも可能である。この方法の一例は、図6を用いて説明した方法と同じであるので説明は省略する。
<実施の形態2>
図8は、本発明に係る実施の形態2の駐車支援装置2000の構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように駐車支援装置2000は、図1を用いて説明した実施の形態1の駐車支援装置1000の構成に対して、投光目標位置選択部601をさらに備えた構成となっている。なお、図8においては、図1を用いて説明した駐車支援装置1000と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図8に示すように投光目標位置選択部601は、車両状態検出部101が出力する車両状態情報と、駐車支援制御状態管理部105が出力する駐車支援制御状態信号と、車両周辺状態監視部102が出力する車両周辺映像とを受け、投光目標位置を運転者が任意に選択できるように表示する装置であり、運転者が選択した投光目標位置を投光目標位置情報として出力する。
図9に投光目標位置選択部601の一例を示す。図9に示すように投光目標位置選択部601は、車室内に設置され、タッチパネルを有するディスプレイ71によって構成され、車両周辺状態監視部102が出力した車両周辺映像72に、投光目標位置の選択肢73を重畳して表示する。投光目標位置選択部601は投光目標位置の選択肢73を運転者などのユーザーが選択できるユーザーインターフェイスを持ち、それはタッチパネルによって実現される。
図9においては、車両周辺映像72の中央に仮想的に自車両VVが表示され、自車両VVの左右両側に複数の選択肢73が投光領域の候補として配列されている。それぞれの選択肢には連続する選択番号が付与されており、ユーザーは、希望する選択肢の番号を指定することで、投光領域を選択することができる。
投光領域を選択することで、当該投光領域に関連付けられた投光目標位置が設定され、投光目標位置情報が誘導経路演算部112に出力されるが、投光目標位置選択部601から出力された投光目標位置は、投光目標位置設定部110が出力する投光目標位置よりも優先して誘導経路演算に用いられる。なお、投光目標位置選択部601から投光目標位置情報が出力されない場合は、投光目標位置設定部110が出力する投光目標位置情報を用いて誘導経路を演算する。
誘導経路を演算した後の動作は、図3のフローチャートにおけるステップS5〜S10の動作と同じであり、説明は省略する。
なお、目標投光位置の設定は、図9に示したような予め設定された選択肢73のような大まかに分けた領域からの選択に限定されるものではなく、図10に示されるように任意性を高めた方法で選択しても良い。すなわち、図10に示す投光目標位置選択部601においては、車両周辺映像72の中央に仮想的に自車両VVが表示され、自車両VVの左右、前後のスペースにタッチする、またはフリーカーソルを移動させることで投光目標位置81を設定することができる。設定された投光目標位置81の座標が投光目標位置情報として誘導経路演算部112に出力される。
なお、図9および図10では表示していないが、車両周辺映像72には駐車区画の枠線などの映像がリアルタイムで表示されており、ユーザーはそれらを見ながら投光目標位置を選択できる。
ここで、投光目標位置選択部601を構成するタッチパネル、ディスプレイ71などのハードウェアは、要求入力部100と代替または兼用しても良い。要求入力部100がスイッチである場合は、投光目標位置選択部601のハードウェアで代替することができ、要求入力部100がタッチパネルなどのハードウェアを備える場合は、投光目標位置選択部601のハードウェアと兼用しても良い。
以上説明した実施の形態2の駐車支援装置2000は、駐車区画投光モードに遷移後、ユーザーが投光目標位置選択部601を介して投光目標位置を選択した場合は、選択された投光目標位置情報が誘導経路演算部112に出力され、駐車支援が実行される。従って、実施の形態1の駐車支援装置1000のように、運転者が自車両の位置を駐車区画に合わせて調節しなくても、投光目標位置を選択するだけで駐車区画を検出するための駐車支援を開始することができる。
なお、図10に示す投光目標位置選択部601において、自車両VVの前後に投光目標位置を設定した場合は、図7を用いて説明したように、掃引的な投光による駐車区画の検知を実行させることができ、使用できる駐車区画の検知方法の種類を増やすことができる。
<実施の形態3>
<装置構成>
図11は、本発明に係る実施の形態3の駐車支援装置3000の構成を示す機能ブロック図である。なお、図11においては、図1を用いて説明した駐車支援装置1000と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図11に示すように駐車支援装置3000は、図1を用いて説明した実施の形態1の駐車支援装置1000の構成に対して、駐車区画検出部106において車両周辺映像から検知した駐車区画の認識尤度が予め定めた範囲内であれば駐車区画検出部106は、認識尤度が低いと判断して、その駐車区画の位置を投光目標位置設定部110に出力する機能をさらに有しており、投光目標位置設定部110に駐車区画検出部106から駐車区画情報(認識尤度も含む)が入力される点で駐車支援装置1000とは異なっている。なお、本発明における認識尤度とは、認識の信頼度と言い換えることもできる。
上記機能は駐車区画の照度が駐車区画投光要求検出部104に設定された値を僅かに下回った場合、または灯具によって駐車区画の一部が照らされている場合など、車両周辺映像から検知した駐車区画の認識尤度が低い場合に用いられる。
図12には駐車区画の認識尤度が低いと判断される一例を示している。図12においては、自車両が駐車区画1002の近傍にあって投光器25による投光領域1003が、駐車区画1002の一部分1001を含んでいる場合を示している。このように、駐車区画1002の一部分1001が投光領域1003に含まれていると、一部分1001は検出できても駐車区画1002の他の部分は検出できず、認識尤度が低いと判断される。
すなわち、駐車区画が四角い枠線で規定され、4つの角部のうち、幾つの角部を検出できたかで認識尤度を決定する場合、図12では、投光領域1003内の2つの角部1010は検出できても、他の2つは検出できないので認識尤度は50%となる。この値が、予め定めた認識有尤度の範囲内であれば認識尤度が低いと判断される。なお、上述した角部以外に、駐車区画と判定するための特徴部のうち、幾つを検出できたかで認識尤度を決定する方法もあり、その場合も、一部分しか検出できない場合は認識尤度が低いと判断される。
また、上述のように駐車区画の角部およびその他の特徴部を検出して駐車区画を判定する場合、車両周辺映像からそれらを検出する際に、それらの検出状況が予め定めた条件を満たす場合には尤度が高いと判断する。例えば、所定の時間内(所定のフレーム数内)に一定時間(一定回数)以上検出すると信頼度が高い(尤度が高い)と判断する。この方法を採る場合、駐車区画の照度が低いと画像のノイズが増え、検出回数が低下して尤度が低いと判断される。
<動作>
図13は駐車支援装置3000における駐車支援動作を説明するフローチャートである。なお、図3に示した実施の形態1のフローチャートと同じ処理には同じステップ番号を付し、重複する説明は省略する。
運転者が要求入力部100を介して駐車支援開始要求を入力することで駐車支援動作が開始され、要求入力部100から駐車支援制御状態遷移要求信号が出され、それを受けた駐車支援制御状態管理部105は、駐車支援制御状態を駐車区画検知モードに遷移させる(ステップS0)。
駐車区画検知モードになると、駐車区画検出部106は車両周辺状態監視部102から得られた車両周辺映像から車両周辺の駐車区画を検出するが、その際に駐車区画検出部106は、車両周辺映像から抽出した駐車区画の特徴量に基づいて検出した領域が駐車区画であるかの認識尤度を演算し、その尤度が所定の範囲内に含まれているか否かを判定する(ステップS12)。そして、認識尤度が所定の範囲内に含まれている場合(Yesの場合)、駐車区画検出部106は、投光目標位置設定部110に、検出した領域の位置を投光目標位置情報として出力する(ステップS13)。このため、図12のように、駐車区画1002内に投光目標位置が設定されることとなる。一方、認識尤度が所定の範囲内に含まれていない場合(Noの場合)はステップS1に移行する。この場合、ステップS1〜S11の処理は図3のフローチャートにおけるステップS1〜S11の動作と同じとなり説明は省略する。
ステップS13において投光目標位置設定部110に出力された投光目標位置情報は、投光目標位置設定部110から誘導経路演算部112に出力され(ステップS3)、誘導経路演算部112において投光目標位置に投光するための位置に自車両を誘導する誘導経路の演算に使用される(ステップS4)。誘導経路を演算した後の動作は、図3のフローチャートにおけるステップS5〜S11の動作と同じであり、説明は省略する。
このように、実施の形態3の駐車支援装置3000は、認識尤度が低い状態の駐車区画に対しても駐車支援を提供することが可能となり、自車両の灯具で照らすことで認識尤度を上げ、認識精度を高めることができる。
また、実施の形態1の駐車支援装置1000のように、運転者が自車両の位置を駐車区画に合わせて調節する必要がなく、実施の形態2の駐車支援装置2000のように、運転者が投光目標位置を選択する必要もない。このため、駐車支援における運転者の負担を軽減できると共に、情報提供のためのハードウェアをシンプルなものにできる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。