JP6360870B2 - 回転コネクタ及び回転コネクタの組立方法 - Google Patents

回転コネクタ及び回転コネクタの組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車のステアリング装置におけるエアバッグシステムなどの電気的接続機構として用いられる回転コネクタに関する。
従来の回転コネクタは通常、固定側ハウジング、可動側ハウジング、フラットケーブル及びリードブロックなどを含む。可動側ハウジングが固定側ハウジングに連結され、且つ前記固定側ハウジングに対して回転可能である。フラットケーブルが固定側ハウジングと可動側ハウジングとの間に位置する環状空間内に巻回されると共に、その長手方向の両端部が環状空間の外部に露出し、リードブロックと電気的に接続される。リードブロックが外部回路と接続された接続端子と、当該接続端子を保持する本体とからなる。フラットケーブルの端部と電気的に接続されたリードブロックが、固定側ハウジング及び可動側ハウジングの少なくとも一方のリードブロック組込部に保持される。
図12は、従来の回転コネクタ中の各リードブロックをリードブロック組込部に組み込んだ状態を示す断面図である。特許文献1において、回転コネクタ中の第1のリードブロック101、第2のリードブロック102、第3のリードブロック103をリードブロック組込部104に組み込み前、第1のリードブロック101が第1のフラットケーブル201と電気的に接続され、第2のリードブロック102が第2のフラットケーブル202と電気的に接続され、第3のリードブロック103が第3のフラットケーブル203及び第4のフラットケーブル204と電気的に接続される。
そして、図12において、リードブロック組込部104に第1〜第3のリードブロック101〜103をそれぞれ組み込んだ際には、各リードブロックの挿入方向が上向きの方向である。
次に、第1及び第2リードブロック101、102を例として、リードブロック組込部104への第1及び第2リードブロック101、102の組込操作を説明する。実際に、図12におけるリードブロック及びリードブロック組込部の上下を転倒した向きでリードブロックの組込操作を行う場合があるため、図13及び図14に示した上下を転倒した向きで組込操作を説明する。なお、図13及び図14は、図12そのものの斜視図ではなく、特許文献1に記載されていないが、図12における第1及び第2リードブロック101、102のリードブロック組込部104への組込操作を模式的に説明するための図面である。
まず、図13に示すように、第1及び第2リードブロック101、102をリードブロック組込部104中の所定の位置の真上に位置させ、その後、リードブロック組込部104を構成する収納壁104aに沿いながら、第1のリードブロック101を下へ移動させることにより、第1及び第2リードブロック101、102をリードブロック組込部104中の所定の位置(図14に示す位置)に挿入する。
特開2013−219008号公報
しかし、第1及び第2リードブロック101、102が図13に示す位置に位置したときには、そのときの第1及び第2リードブロック101、102と複数のフラットケーブルを収容する環状空間301との距離に基づいて、第1のリードブロック101に接続された第1のフラットケーブル201の一部分及び第2のリードブロック102に接続された第2のフラットケーブル202の一部分を環状空間301内から一旦余分に引き出す必要があり、そして、第1及び第2リードブロック101、102を図14に示す位置に組み込んだ後に、その余分に引き出された一部分110を環状空間301の一部であるフラットケーブル導出部302に戻す必要がある。図13、図14に示すように、このフラットケーブル導出部302は、環状空間301のリードブロック組込部104側に位置し、第1のフラットケーブル201および第2のフラットケーブル202などを収容するとともに環状空間301から導出されている。このような組込作業は通常手動的に操作され、フラットケーブルの引出及び戻しにより、組込作業は手数がかかるようになってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リードブロックの組込作業の効率を高くすることができる回転コネクタを提供することにある。
本発明は、固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングに連結され、且つ前記固定側ハウジングに対して回転可能な可動側ハウジングと、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に位置する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、前記フラットケーブルの長手方向の端部に接続され、前記固定側ハウジング及び前記可動側ハウジングの少なくとも一方のリードブロック組込部に保持されたリードブロックと、を有する回転コネクタであって、前記リードブロック組込部は、前記リードブロックを収納する収納空間を形成するとともに、前記環状空間側から前記リードブロックを挿入可能な開口部を有し、前記リードブロック組込部は前記収納空間を形成する収納壁を有し、前記開口部は前記収納壁に設けられ、前記開口部に連なる前記収納壁は、前記リードブロック組込部に保持されたリードブロックに対して前記環状空間側に傾斜しているガイド部を有することを特徴とする。
本発明に係る回転コネクタにより、環状空間側からリードブロックを挿入しているため、従来回転軸の方向に沿ってリードブロックを挿入することに比べ、環状空間内から一旦余分に引き出されたフラットケーブルの引き出す量が格段に減少し、その引き出す量を元に戻す操作も容易になり、ひいてはその引き出す量を元に戻す操作を行う必要がなくなる。これにより、手動的に操作される組込作業の複雑度が低くなり、組込作業の効率を高くすることができる。
持されたリードブロックに対して環状空間側に傾斜しながらリードブロックを挿入する過程は、リードブロックがフラットケーブルの環状空間から導出された導出口を中心として回動する過程と近時的に見なすことができる。この過程において、フラットケーブルの一部分を環状空間内から一旦余分に引き出す必要がほぼなくなり、その余分に引き出された一部分を環状空間内に戻す必要もほぼなくなる。
前記回転コネクタにおいては、前記フラットケーブルの前記環状空間から前記リードブロックまで引き回された部分の長さが、前記環状空間と前記ガイド部との距離と同じ長さである。
環状空間側からリードブロックを挿入する過程において、フラットケーブルの前記環状空間から前記リードブロックまで引き回された部分の長さは、環状空間とリードブロック組込部との間の最短距離より長くする必要がなく、当然フラットケーブルの一部分を環状空間内から一旦余分に引き出すなどの操作を行う必要もなくなる。
前記回転コネクタにおいては、前記ガイド部が、前記リードブロックの挿入方向に沿うガイド面を有する。
このガイド面に基づいて、挿入方向に沿ってリードブロック組込部にリードブロックを確実に挿入することができ、且つ、リードブロックとガイド面との接触によって挿入操作がより安定になり、組込作業の効率をより高くすることができる。
前記回転コネクタにおいては、前記リードブロック組込部に保持された前記リードブロックの一方の端部を前記収納壁の下端部が保持しているとともに、前記リードブロックの他方の端部を所定の位置に保持する保持機構を更に備える。
この収納壁及び保持機構により、リードブロックの位置が固定され、外部コネクタとリードブロックの接続端子との接続が容易になる。
前記回転コネクタにおいては、前記リードブロックが前記所定の位置に保持された場合に、前記リードブロックが有する複数の接続端子の配列方向は前記可動側ハウジングの回転軸の方向と平行である。
前記回転コネクタには、前記リードブロックの本体が長方体である場合、前記所定の位置に保持された前記本体の1つの面は前記可動側ハウジングの回転軸の方向と平行である。
リードブロックの接続端子の配列方向が回転軸の方向と平行である場合に、または、所定の位置に保持された長方体の本体の1つの面が可動側ハウジングの回転軸の方向と平行である場合に、リードブロックが回転軸に対して傾斜して配置された場合に比べ、接続工程がより容易になり、且つ、リードブロックの設置スペースが小さく、スペース使用の効率が高くなるため、装置全体の小型化により有利である。
前記回転コネクタには、前記リードブロック組込部の前記可動側ハウジングの回転軸の方向に沿う一方側に設置されている他の部材を備える。前記他の部材は、前記リードブロック以外の他のリードブロックである。
リードブロック組込部の回転軸方向に沿う一方側(例えば、図10における上側)に他の部材が設置されたとしても、この他の部材がリードブロックの插入を影響することなく、リードブロックの組込をスムーズに実現することができる。更に、この他の部材が挿入されたリードブロック他のリードブロックであっても良く、この場合に複数のリードブロックを近く設置する際の設置自由度を保証することもできる。
あるいは本発明は、固定側ハウジングと、前記固定側ハウジングに連結され、且つ前記固定側ハウジングに対して回転可能な可動側ハウジングと、前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に位置する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、前記フラットケーブルの長手方向の端部に接続され、前記固定側ハウジング及び前記可動側ハウジングの少なくとも一方のリードブロック組込部に保持されたリードブロックと、を有する回転コネクタであって、前記リードブロック組込部は、前記リードブロックを収納する収納空間を形成するとともに、前記環状空間側から前記リードブロックを挿入するための開口部を有し、前記リードブロック組込部の前記可動側ハウジングの回転軸の方向に沿う一方側に前記リードブロック以外の他のリードブロックが設置されていることを特徴とする。
本発明は更に、上述したいずれか1つの回転コネクタの組立方法であって、前記開口部を介して前記環状空間側から前記リードブロックを前記リードブロック組込部に組み込むことを特徴とする。
前記回転コネクタの組立方法では、前記リードブロックの一方の端部が前記リードブロック組込部の下端部に接触するまで、前記リードブロックを前記開口部に挿入されるステップと、前記リードブロックの一方の端部が前記リードブロック組込部の下端部に接触しており、前記リードブロックの他方の端部を所定の位置まで回転するステップと、を含む。
本発明に係る回転コネクタ及び回転コネクタの組立方法により、環状空間側からリードブロックを挿入しているため、従来回転軸の方向に沿ってリードブロックを挿入することに比べ、環状空間内から一旦余分に引き出されたフラットケーブルの引き出す量が格段に減少し、その引き出す量を元に戻す操作も容易になり、ひいてはその引き出す量を元に戻す操作を行う必要がなくなる。これにより、手動的に操作される組込作業の複雑度が低くなり、組込作業の効率を高くすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る回転コネクタの斜視図である。 図1に示す回転コネクタの分解斜視図である。 固定側ハウジングの分解斜視図である。 リードブロックをリードブロック組込部に組み込んだ状態を示す斜視図である。 外筒体に設けられたリードブロック組込部の構造を示す拡大斜視図である。 リードブロック組込部の開口部からリードブロックを挿入することを示す拡大斜視図である。 リードブロックをリードブロック組込部中の所定の位置に組み込むことを示す拡大斜視図である。 保持機構の第1のフック部と第1の係合凹部との係合状態を示す図である。 保持機構の第2のフック部と第2の係合凹部との係合状態を示す図である。 第2の実施形態に係るリードブロック組込部の開口部からリードブロックを挿入することを示す拡大斜視図である。 第2の実施形態に係るリードブロックをリードブロック組込部中の所定の位置に組み込むことを示す拡大斜視図である。 従来の回転コネクタ中の各リードブロックをリードブロック組込部に組み込んだ状態を示す断面図である。 従来の回転コネクタ中の第1及び第2リードブロックをリードブロック組込部に組み込む前の状態を模式的に示す斜視図である。 従来の回転コネクタ中の第1及び第2リードブロックをリードブロック組込部に組み込んだ状態を模式的に示す斜視図である。
以下、発明に係る各実施形態について各図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る回転コネクタの全体的構成について説明する。図1は第1の実施形態に係る回転コネクタの斜視図である。図2は図1に示す回転コネクタの分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態例に係る回転コネクタは、固定側ハウジング1と、この固定側ハウジング1に回転自在に連結された可動側ハウジング2(上部ローター21と下部ローター22とからなる)と、固定側ハウジング1と可動側ハウジング2との間に位置する環状空間S内に巻回されたフラットケーブル3(図3参照)と、2つのハウジング1、2の間に回転自在に配置されたホルダ4と、回転コネクタの中立位置を維持するためのロック部材5とによって主に構成されている。
本発明に係る回転コネクタは自動車のステアリング装置に組み込んで用いられる。固定側ハウジング1がステアリング装置のステアリングコラム側(図示せず)に設けられ、可動側ハウジング2がステアリング装置のボデー側(図示せず)に連結され、少なくとも1つのフラットケーブル3を介して、固定側ハウジング1と可動側ハウジング2との電気的接続が実現する。
また、可動側ハウジング2には、フラットケーブル3と電気的に接続された第1のワイヤハーネス23及び第2のワイヤハーネス24が設けられている。
図2に示すように、可動側ハウジング2は合成樹脂製の上部ローター21と下部ローター22とからなり、上部ローター21と下部ローター22とが固定側ハウジング1を挟んでスナップ結合によって一体化されている。上部ローター21は、円環状の天板部21aと、この天板部21aの中央から垂下する内筒部21bとを有しており、内筒部21bの内径はステアリングシャフト(図示せず)を挿通可能な寸法に設定されている。
フラットケーブル3はPET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる絶縁フィルムに帯状導体を担持した長尺な可撓性ケーブルであり、フラットケーブル3の長手方向の両端部を除いて帯状導体は絶縁フィルムに被覆されている。フラットケーブル3の幅は約15mmである。図3にはフラットケーブル3の固定側ハウジング1に近傍する一部分のみが示されているが、実際に、フラットケーブル3は、外筒体6と内筒部21bとの間に存する環状空間S内に巻き締めおよび巻き戻し可能に収納されている。
フラットケーブル3はエアバッグシステムやホーン回路等の電気信号を伝送することができ、さらに、多機能ハンドルに設けられた、スピーカー制御スイッチなどの各種スイッチの電気信号を伝送することも可能である。そして、必要に応じて、フラットケーブル3の数は1本であっても良いし、2本以上であっても良い。
ホルダ4は、環状空間S内で底板部材7上に回動自在に搭載される環状平板部4aと、この環状平板部4aに立設された回動可能な複数のローラ4bおよびガイド壁部4cとを有する合成樹脂の成形品である。フラットケーブル3を所定のローラ4bに巻き掛けて対向するガイド壁部4cとの間に通過させることによって、フラットケーブル3の巻回方向を途中で反転させている。
次に、図3及び図4を参照し,固定側ハウジング1の構造を説明する。
図3は固定側ハウジング1の分解斜視図である。固定側ハウジング1は合成樹脂製の外筒体6と底板部材7によって概略構成されており、略円筒状の外筒体6がスナップ結合によって略円環状の底板部材7の外周縁部に一体化されている。
また、外筒体6の外側には、リードブロック9を組み込むためのリードブロック組込部8が設けられている。そして、リードブロック組込部8にリードブロック9を組み込む前に、リードブロック9とフラットケーブル3の長手方向の端部3aとをリベッティングまたは溶接などにより電気的に接続する。
図4はリードブロック9をリードブロック組込部8に組み込んだ状態を示す。
図3及び図4に示すように、リードブロック9は金属製の複数の接続端子(図示せず)と合成樹脂製の本体とからなり、複数の接続端子及び本体がインサート成形されてなり、本体が複数の接続端子を保持している。接続端子の一方の端部がリードブロック9の本体に露出し、回転軸の方向(回転軸方向)に沿って配列され、他方の端部がリベッティングまたは溶接などによりフラットケーブル3の端部3aと電気的に接続されている。前記「回転軸の方向」は、回転コネクタの可動側ハウジング2の回転軸の軸線の方向を含み、そして該軸線と平行である方向も含む。
また、固定側ハウジング1の底板部材7の外周には、図3における下側からリードブロック9を覆い固定するリードブロックハウジング10が設けられている。固定側ハウジング1には更に、外部コネクタ(図示せず)と接続するためのインターフェイス11を有しており、このインターフェイス11はリードブロックハウジング10上に組込可能である。
続いて、リードブロック9とリードブロック組込部8の構造及び組込過程について、図5〜図7を参照しながら説明する。実際に、図1〜図4に示す回転コネクタの上下関係は、回転コネクタを自動車のステアリング装置に組み込む際の上下関係であるが、リードブロック9をリードブロック組込部8に組み込む工程のときには通常、固定側ハウジング1の上下を転倒し、図5〜図7に示す向きでリードブロック9の組込操作を行う。以下、実際の組込過程と一致するように、図5〜図7における固定側ハウジング1の上下を転倒した状態を参照しながら説明する。
図5は外筒体6に設けられたリードブロック組込部8の構造を示す拡大斜視図である。
リードブロック組込部8が、リードブロック9を収納する収納空間を形成する収納壁12を有するとともに、収納壁12には環状空間S側からリードブロック9を挿入可能な開口部13が設けられている。図5には、下記の第2の収納壁12b、第3の収納壁12c及びガイド面14aでそれぞれ二つの開口部13を形成し、各開口部13はリードブロック9の挿入方向に向いて開口する。図5では、環状空間Sが外筒体6の径方向内側に位置する。
本実施形態に係るリードブロック9の本体が略長方体の形状になるので、収納壁12は、空間上に互いに直交する第1の収納壁12a、第2の収納壁12b及び第3の収納壁12cを有しており、第1の収納壁12a、第2の収納壁12b及び第3の収納壁12cがそれぞれ、略長方体の本体の三面を支持する。そのうち、第3の収納壁12cが回転軸の方向においてリードブロック9を支持する(図7参照)。
また、第3の収納壁12cの開口部13に連なる一部分(即ち、第3の収納壁12cの開口部13に近傍する一部分)には、回転軸の方向(図5における上下方向)に対して環状空間S側に傾斜しているガイド面14aを有するガイド部14が設けられ、且つこのガイド面14aの傾斜方向がリードブロック9の挿入方向と一致している。言い換えれば、ガイド面14aはリードブロック組込部8に保持されたリードブロック9に対して環状空間S側に傾斜している(図7参照)。
図6はリードブロック組込部8の開口部13からリードブロック9を傾斜しながら挿入することを示す拡大斜視図である。図7はリードブロック9をリードブロック組込部8中の所定の位置に組み込むことを示す拡大斜視図である。
具体的な組込動作は以下のとおりである。図6に示すように、まずリードブロック9をガイド面14aの傾斜方向に沿って環状空間S側から開口部13に挿入する。リードブロック9の本体の一方の端部9aが下側に位置する第3の収納壁12cと接触した(第3の収納壁12cによって支持された)後、接触した部分を支点として、リードブロック9の本体の他方の端部9bを所定の位置までに回転する。ここで、「所定の位置」とは、リードブロック9をリードブロック組込部8に対して正確に組み込んだ位置をいう。図7に示すように、リードブロック9が当該所定の位置に位置する場合、リードブロック9の複数の接続端子の配列方向(図7での上下方向)が可動側ハウジング2の回転軸の方向と平行である。この場合、当該所定の位置に保持された長方体の本体の1つの面は可動側ハウジング2の回転軸の方向と平行である。
且つ、図6に示す挿入際の状態でも、図7に示す所定の位置までに回転する状態でも、フラットケーブル3の端部3a(即ち、環状空間Sのフラットケーブル導出部S1からリードブロック9まで引き回された部分)の長さが、環状空間Sのフラットケーブル導出部S1とガイド部14との距離とほぼ同じ長さである。このフラットケーブル導出部S1は、環状空間Sのリードブロック組込部8側に位置し、フラットケーブル3を収容するとともに、フラットケーブル3を環状空間Sから導出されている。
また、固定側ハウジング1には更に、リードブロック9の本体の他方の端部9bを図7に示す所定の位置に保持する保持機構15が設けられている。
本実施形態に係る保持機構は係合機構により実現する。図5及び図6に示すように、第1の収納壁12aの上端付近には、リードブロック9の収容空間に向って突起する第1のフック(Hook)部15aが設けられており、第2の収納壁12bの上端付近には、リードブロック9の収容空間に向って突起する第2のフック部15bが設けられている。
図8に示すように、リードブロック9の厚み方向(即ち、リードブロック9に接続されたフラットケーブル3の端部3aの引回方向)において、第1のフック部15aはリードブロック9の本体に設けられた第1の係合凹部15cに係合して、リードブロック9の厚み方向における位置を決定する。
図9に示すように、リードブロック9の高さ方向(即ち、回転コネクタの回転軸の方向)及び幅方向(各接続端子の延伸方向)において、第2のフック部15bはリードブロック9の本体に設けられた第2の係合凹部15dに係合して、リードブロック9の高さ方向及び幅方向における位置を決定する。
以下、本実施形態による技術的効果について説明する。
本実施形態に係る回転コネクタ、または当該回転コネクタの組込方法により、環状空間S側からリードブロック9を挿入しているため、従来回転軸の方向に沿ってリードブロック9を挿入することに比べ、環状空間S内から一旦余分に引き出されたフラットケーブル3の引き出す量が格段に減少し、その引き出す量を元に戻す操作も容易になり、ひいてはその引き出す量を元に戻す操作を行う必要がなくなる。これにより、手動的に操作される組込作業の複雑度が低くなり、組込作業の効率を高くすることができる。
また、保持されたリードブロック9に対して環状空間S側に傾斜しながらリードブロック9を挿入する過程は、リードブロック9が環状空間Sのフラットケーブル導出部S1を中心として回動する過程と近時的に見なすことができる。この過程において、フラットケーブル3の一部分を環状空間Sのフラットケーブル導出部S1から一旦余分に引き出す必要がほぼなくなり、その余分に引き出された一部分を環状空間Sのフラットケーブル導出部S1に戻す必要もほぼなくなる。
また、環状空間S側からリードブロック9を挿入する過程において、フラットケーブル3のフラットケーブル導出部S1からリードブロック9まで引き回された部分の長さは、フラットケーブル導出部S1とリードブロック組込部8との間の最短距離より長くする必要がなく、当然フラットケーブル3の一部分を環状空間S内から一旦余分に引き出すなどの操作を行う必要もなくなる。
そして、ガイド面14aに基づいて、挿入方向に沿ってリードブロック組込部8にリードブロック9を確実に挿入することができ、且つ、リードブロック9とガイド面14aとの接触によって挿入操作がより安定になり、組込作業の効率をより高くすることができる。
なお、この第3の収納壁12c及び保持機構15により、リードブロック9の位置が固定され、外部コネクタとリードブロック9の接続端子との接続が容易になる。
更に、リードブロック9の接続端子の配列方向が回転軸の方向と平行である場合に、または、所定の位置に保持された長方体の本体の1つの面が可動側ハウジング2の回転軸の方向と平行である場合に、リードブロック9が回転軸に対して傾斜して配置された場合に比べ、接続工程がより容易になり、且つ、リードブロック9の設置スペースが小さく、スペース使用の効率が高くなるため、装置全体の小型化により有利である。
(第2の実施形態)
本実施形態に係る回転コネクタは第1の実施形態に係る回転コネクタとほぼ同一である。以下、相違点のみについて説明する。
図10は第2の実施形態に係るリードブロック組込部8の開口部13からリードブロック9を挿入することを示す拡大斜視図である。図11は第2の実施形態に係るリードブロック9をリードブロック組込部8中の所定の位置に組み込むことを示す拡大斜視図である。
本実施形態に係る回転コネクタはリードブロック9に加えて、他のリードブロック16を更に有する。他のリードブロック16は金属製の接続端子(図示せず)と合成樹脂製の本体とからなる。接続端子の一方の端部が本体に露出し、他方の端部がリベッティングまたは溶接などにより他のフラットケーブル3の端部3aと電気的に接続されている。
図11に示すように、この他のリードブロック16の一部分はリードブロック組込部8の可動側ハウジング2の回転軸の方向に沿う一方側に設けられている(図11における上側)。
リードブロック組込部8の回転軸方向に沿う一方側に他のリードブロック16などの他の部材が設置されたとしても、この他の部材がリードブロックの插入を影響することなく、リードブロック9の組込をスムーズに実現することができる。更に、この他の部材が他のリードブロック16である場合に複数のリードブロックを近く設置する際の設置自由度を保証することもできる。
本発明は上記の実施形態に限らない。即ち、当業者は本発明の技術範囲又は同等の範囲内で、上記の実施形態に対して変更、組み合わせ、入れ替えを行うことができる。
例えば、本発明の実施形態に係るガイド面の数および形状は何れも適切に変更してもよく、図5における2つのガイド面の代わりに、より狭いガイドリブを複数設置するか、または、より広いガイド面を1つ設置することができる。
また、リードブロックを収納する機能を実現できれば、各収納壁の形状及び数も適切に変更してもよいことは自明である。更に、収納壁は、リードブロックの図7における上面を覆う天井壁を含んでも良い。
また、開口部の形状も図5に示す形状に限らない。例えば、天井壁を設ける場合に、開口部は、回転軸の方向と直交する方向で環状空間S側に向いて開口することも可能である。
そして、本発明の保持機構もそれだけではない。例えば、固定側ハウジングのリードブロックハウジング上に保持機構を形成してリードブロックの位置を固定保持することもできる。また、保持機構も係合機構に限らず、挿入などを行う機構により実現することもできる。
なお、本発明に係るリードブロックは傾斜しているガイド面に沿って傾斜しながら挿入されたものであり、このガイド面の角度や長さなども適切に変更してもよい。
更に、傾斜部及び傾斜しているガイド面を設置せず、リードブロックを図6における水平方向に沿って環状空間の一方側からリードブロック組込部に挿入しても良い。
1 固定側ハウジング
2 可動側ハウジング
21 上部ローター
21a 天板部
21b 内筒部
22 下部ローター
23 第1のワイヤハーネス
24 第2のワイヤハーネス
3 フラットケーブル
3a 端部
4 ホルダ
4a 環状平板部
4b ローラ
4c ガイド壁部
5 ロック部材
6 外筒体
7 底板部材
8 リードブロック組込部
9 リードブロック
9a 一方の端部
9b 他方の端部
10 リードブロックハウジング
11 インターフェイス
12 収納壁
12a 第1の収納壁
12b 第2の収納壁
12c 第3の収納壁
13 開口部
14 ガイド部
14a ガイド面
15 保持機構
15a 第1のフック部
15b 第2のフック部
15c 第1の係合凹部
15d 第2の係合凹部
16 他のリードブロック(他の部材)
S 環状空間
S1 フラットケーブル導出部

Claims (11)

  1. 固定側ハウジングと、
    前記固定側ハウジングに連結され、且つ前記固定側ハウジングに対して回転可能な可動側ハウジングと、
    前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に位置する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、
    前記フラットケーブルの長手方向の端部に接続され、前記固定側ハウジング及び前記可動側ハウジングの少なくとも一方のリードブロック組込部に保持されたリードブロックと、
    を有する回転コネクタであって、
    前記リードブロック組込部は、前記リードブロックを収納する収納空間を形成するとともに、前記環状空間側から前記リードブロックを挿入するための開口部を有し
    前記リードブロック組込部は前記収納空間を形成する収納壁を有し、前記開口部は前記収納壁に設けられ、前記開口部に連なる前記収納壁は、前記リードブロック組込部に保持されたリードブロックに対して前記環状空間側に傾斜しているガイド部を有することを特徴とする回転コネクタ。
  2. 前記フラットケーブルの前記環状空間から前記リードブロックまで引き回された部分の長さが、前記環状空間と前記ガイド部との距離と同じ長さであることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
  3. 前記ガイド部が、前記リードブロックの挿入方向に沿うガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
  4. 前記リードブロック組込部に保持された前記リードブロックの一方の端部を前記収納壁の下端部が保持しているとともに、前記リードブロックの他方の端部を所定の位置に保持する保持機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
  5. 前記リードブロックが前記所定の位置に保持されており、前記リードブロックが有する複数の接続端子の配列方向は前記可動側ハウジングの回転軸の方向と平行であることを特徴とする請求項4に記載の回転コネクタ。
  6. 前記リードブロックの本体が長方体であり、前記所定の位置に保持された前記本体の1つの面は前記可動側ハウジングの回転軸の方向と平行であることを特徴とする請求項4に記載の回転コネクタ。
  7. 前記リードブロック組込部の前記可動側ハウジングの回転軸の方向に沿う一方側に設置されている他の部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
  8. 前記他の部材は、前記リードブロック以外の他のリードブロックであることを特徴とする請求項7に記載の回転コネクタ。
  9. 固定側ハウジングと、
    前記固定側ハウジングに連結され、且つ前記固定側ハウジングに対して回転可能な可動側ハウジングと、
    前記固定側ハウジングと前記可動側ハウジングとの間に位置する環状空間内に巻回されたフラットケーブルと、
    前記フラットケーブルの長手方向の端部に接続され、前記固定側ハウジング及び前記可動側ハウジングの少なくとも一方のリードブロック組込部に保持されたリードブロックと、
    を有する回転コネクタであって、
    前記リードブロック組込部は、前記リードブロックを収納する収納空間を形成するとともに、前記環状空間側から前記リードブロックを挿入するための開口部を有し、
    前記リードブロック組込部の前記可動側ハウジングの回転軸の方向に沿う一方側に前記リードブロック以外の他のリードブロックが設置されていることを特徴とする回転コネクタ。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載された回転コネクタの組立方法であって、
    前記開口部を介して前記環状空間側から前記リードブロックを前記リードブロック組込部に組み込むことを特徴とする回転コネクタの組立方法。
  11. 前記リードブロックの一方の端部が前記リードブロック組込部の下端部に接触するまで、前記リードブロックを前記開口部に挿入されるステップと、
    前記リードブロックの一方の端部が前記リードブロック組込部の下端部に接触しており、前記リードブロックの他方の端部を所定の位置まで回転するステップと、
    を含むことを特徴とする請求項10に記載の回転コネクタの組立方法。
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