以下に説明する実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態)
以下では、本実施形態のコネクタ保護ケース1について、図1A〜8に基づいて説明する。
コネクタ保護ケース1は、中継コネクタ装置10を収納可能に構成されている。コネクタ保護ケース1は、中継コネクタ装置10を保護するために使用される。コネクタ保護ケース1は、より詳細には、防水中継コネクタ装置100に使用される。ただし、中継コネクタ装置10は、コネクタ保護ケース1の構成要素ではない。
中継コネクタ装置10は、第1コネクタ11と、第2コネクタ12と、を含む。言い換えれば、中継コネクタ装置10は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続して構成される。「第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続する」とは、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを電気的かつ機械的に接続することを意味する。第1コネクタ11は、プラグコネクタである。第2コネクタ12は、レセプタクルコネクタである。第1コネクタ11は、第1コネクタハウジング110を備え、第1コネクタハウジング110から複数(例えば、2つ)の第1リード線111が導出されている。第1コネクタ11は、第1コネクタハウジング110内に配置されて複数の第1リード線111が一対一に接続された複数の第1コンタクト(図示せず)を備える。第1コネクタハウジング110は、合成樹脂により形成されており、電気絶縁性を有する。第1コンタクトは、導電性を有する。第2コネクタ12は、第2コネクタハウジング120を備え、第2コネクタハウジング120から複数(例えば、2つ)の第2リード線121が導出されている。第2コネクタ12は、第2コネクタハウジング120内に配置されて複数の第2リード線121が一対一に接続された複数の第2コンタクト(図示せず)を備える。第2コネクタハウジング120は、合成樹脂により形成されており、電気絶縁性を有する。第2コンタクトは、導電性を有する。
防水中継コネクタ装置100では、コネクタ保護ケース1のケース本体4の第1導出孔44(図3E参照)から複数の第1リード線111が導出され、第2導出孔45(図3B参照)から複数の第2リード線121が導出されている。複数の第1リード線111及び複数の第2リード線121は、可撓性を有する。複数の第1リード線111及び複数の第2リード線121は、絶縁被覆電線である。第1リード線111及び第2リード線121の直径(外径)は、例えば、1mmである。防水中継コネクタ装置100では、第1リード線111の直径と第2リード線121の直径とが同じであるが、異なっていてもよい。
防水中継コネクタ装置100は、中継コネクタ装置10と、コネクタ保護ケース1と、第1シール部101(図3E参照)と、第2シール部102(図3B参照)と、を備える。第1シール部101は、グリスにより形成されている。第1シール部101は、複数の第1リード線111の各々の外周面と第1導出孔44の内周面との間に介在している。第2シール部102は、グリスにより形成されている。第2シール部102は、複数の第2リード線121の各々の外周面と第2導出孔45の内周面との間に介在している。
グリスは、電気絶縁性を有する。グリスは、例えば、合成炭化水素油系のグリスであってシリコン油を含まないグリスが好ましい。これにより、防水中継コネクタ装置100では、中継コネクタ装置10における電気的な接触不良の発生を抑制することが可能となる。ここにおいて、「電気的な接触不良」とは、例えば、中継コネクタ装置10において一対一に対応する第1コンタクトと第2コンタクトとの電気的な接触不良である。
コネクタ保護ケース1の各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
コネクタ保護ケース1は、電気絶縁性を有する。ここにおいて、コネクタ保護ケース1は、樹脂成形品である。これにより、コネクタ保護ケース1は、低コスト化を図ることが可能となる。コネクタ保護ケース1の材質は、防水性を向上させる観点から、例えば、ナイロンであるのが好ましい。
コネクタ保護ケース1は、ベース2と、カバー3と、を備える。ここにおいて、コネクタ保護ケース1は、ベース2とカバー3とを含むケース本体4を備える。
ベース2は、一面21に開口22を有する箱状(矩形箱状)である。より詳細には、ベース2は、偏平な矩形箱状であり、外周形状が矩形状である。カバー3は、ベース2の開口22を覆うようにベース2に連結される。カバー3は、矩形板状であり、外周形状が矩形状である。カバー3の外周形状は、ベース2の外周形状と略同じである。カバー3は、中継コネクタ装置10を収納可能なコネクタ収納室43をベース2とともに形成する。ケース本体4の形状は、中空の偏平な直方体状である。
コネクタ保護ケース1は、カバー3をベース2に連結するヒンジ6を備える。ここにおいて、ヒンジ6は、ベース2及びカバー3と一体に形成されている。ヒンジ6は、カバー3がベース2の開口22を覆う閉位置とカバー3がベース2の開口22を覆わない開位置との間でカバー3が回転可能(ここでは、コネクタ保護ケース1の長手方向を軸に回転可能)となるようにカバー3をベース2に連結している。ヒンジ6は、ベース2及びカバー3それぞれの4つの側面のうち、複数の第1リード線111の並ぶ方向及び複数の第2リード線121の並ぶ方向に交差する1つの側面から外方に突出している。ここにおいて、ヒンジ6は、帯状であり、長手方向の一端がベース2に繋がり、長手方向の他端がカバー3に繋がっている。また、ヒンジ6は、長手方向の中央に、他の部位6aよりも肉厚が厚くなるように厚み方向の一面から突出した凸部6bを有する。コネクタ保護ケース1は、ヒンジ6を2つ備えている。コネクタ保護ケース1では、2つのヒンジ6が当該2つのヒンジ6が突出する側面の長手方向(図2Aの上下方向)において互いに離れて配置されている。
コネクタ保護ケース1は、フック7と、着脱部8と、を備える。フック7は、ベース2に一体に形成されている。フック7は、ベース2の4つの側面のうちヒンジ6が突出している側面とは反対側の側面から外方に突出している。フック7は、ベース2の厚さ方向において、ベース2の一面21から離れるにつれてベース2の側面からの突出量が徐々に大きくなる形状に形成されている。着脱部8は、カバー3に一体に形成されている。着脱部8は、カバー3の4つの側面のうちヒンジ6が突出している側面とは反対側の側面から突出している。着脱部8は、カバー3の側方から見てU字状であり、カバー3がベース2の開口22を覆う閉位置においてカバー3の側面とベース2の側面とに跨る大きさに形成されている。着脱部8は、カバー3においてベース2の一面21に対向する一面31よりもベース2側へ突出した部分とカバー3の一面31の周縁との間に、フック7が嵌る嵌合孔81が形成されている。これにより、コネクタ保護ケース1では、フック7が着脱部8に着脱可能に引っ掛かる。コネクタ保護ケース1は、フック7と着脱部8とを備えるので、着脱部8をフック7に引っ掛けることにより、カバー3をベース2の開口22を覆う位置に保つことが可能となる。
ベース2とカバー3とを含むケース本体4は、図3A〜3Eに示すように、コネクタ収納室43と、第1導出孔44と、第2導出孔45と、第1リード線収納室46と、第2リード線収納室47と、を有する。ここにおいて、第1導出孔44、第2導出孔45、第1リード線収納室46及び第2リード線収納室47は、ベース2の開口22がカバー3により覆われた状態(図1A、3A〜3E及び4Aの状態)で規定される。以下では、ベース2の一面21に沿った一方向(図2Aの上下方向)を規定方向として説明する。
ベース2は、上述のように一面21に開口22を有する矩形箱状である。ベース2は、内周面と底面とに跨る2つの台部28が上記規定方向に沿った一対の側壁に対して1つずつ一体に形成されている。ベース2の内底面からの台部28の突出高さは、ベース2の内底面から一面21を含む平面までの高さよりも低い。これに対して、カバー3の一面31には、ベース2の開口22を覆っている状態においてベース2の台部28に接する矩形枠状の凸部38が突出して形成されている。ベース2の内底面から一面21を含む平面までの高さは、中継コネクタ装置10の高さよりも低い。このため、カバー3の一面31には、凸部38よりも内側に、コネクタ収納室43等の一部を形成するための凹部33を有する。
コネクタ収納室43は、中継コネクタ装置10を収納可能である。より詳細には、コネクタ収納室43は、中継コネクタ装置10における第1コネクタ11の第1コネクタハウジング110及び第2コネクタ12の第2コネクタハウジング120を収納する空間である。コネクタ収納室43の形状は、第1コネクタハウジング110と第2コネクタハウジング120とを嵌め合せた状態の形状に対応している。
ここにおいて、ベース2は、コネクタ収納室43に対応する中央収納室23を有する。中央収納室23は、コネクタ収納室43の一部を構成する。言い換えれば、コネクタ収納室43は、ベース2の中央収納室23と、カバー3の一面31の凹部33の一部と、で規定される。中央収納室23の幅H23(図5A参照)は、中央収納室23における2つの台部28間の距離である。中央収納室23の幅H23は、中継コネクタ装置10の幅よりも広い。
第1導出孔44は、上記規定方向においてケース本体4の第1端41に形成されている。第1導出孔44は、上記規定方向及びケース本体4の厚さ方向(図3Eの上下方向)に直交する方向(図3Eの左右方向)に並んだ複数の第1リード線111をケース本体4の外に導出可能に形成されている。
ケース本体4では、第1導出孔44を形成するために、ベース2の一面21における開口22の周縁に第1溝214が形成されている。第1溝214の内周面は、U字状に形成である。ここにおいて、第1導出孔44は、図3Eに示すように、第1仕切壁48によって、複数の第1小孔441に分かれているのが好ましい。複数の第1小孔441は、複数の第1リード線111それぞれを導出できる程度の大きさに形成されている。第1仕切壁48は、ベース2から一体に突出したベース側第1リブ24とカバー3から一体に突出したカバー側第1リブ34とで構成される。ケース本体4の第1導出孔44の内周面は、第1溝214の内周面と、第1溝214内に配置されるカバー側第1リブ34の表面と、を含む。より詳細には、ケース本体4の第1導出孔44の内周面は、第1溝214の内周面と、第1溝214内に配置されるカバー側第1リブ34の表面と、カバー3の一面31において第1溝214に臨む部位と、を含む。上述のベース側第1リブ24は、ベース2における第1溝214の内周面から突出している。
第2導出孔45は、上記規定方向においてケース本体4の第2端42に形成されている。第2導出孔45は、上記規定方向及びケース本体4の厚さ方向(図3Bの上下方向)に直交する方向(図3Bの左右方向)に並んだ複数の第2リード線121をケース本体4の外に導出可能に形成されている。
ケース本体4では、第2導出孔45を形成するために、ベース2の一面21における開口22の周縁に第2溝215が形成されている。第2溝215の内周面は、U字状である。ここにおいて、第2導出孔45は、図3Bに示すように、第2仕切壁49によって、複数の第2小孔451に分かれているのが好ましい。複数の第2小孔451は、複数の第2リード線121それぞれを導出できる程度の大きさに形成されている。第2仕切壁49は、ベース2から一体に突出したベース側第2リブ25とカバー3から一体に突出したカバー側第2リブ35とで構成される。ケース本体4の第2導出孔45の内周面は、第2溝215の内周面と、第2溝215内に配置されるカバー側第2リブ35の表面と、を含む。より詳細には、ケース本体4の第2導出孔45の内周面は、第2溝215の内周面と、第2溝215内に配置されるカバー側第2リブ35の表面と、カバー3の一面31において第2溝215に臨む部位と、を含む。上述のベース側第2リブ25は、ベース2における第2溝215の内周面から突出している。
第1リード線収納室46は、上記規定方向において、第1導出孔44とコネクタ収納室43との間に形成される。第1リード線収納室46は、複数の第1リード線111の各々の一部を収納可能である。ここにおいて、ベース2は、第1リード線収納室46に対応する第1収納室26を有する。第1収納室26は、第1リード線収納室46の一部を構成する。言い換えれば、第1リード線収納室46は、ベース2の第1収納室26と、カバー3の一面31の凹部33の一部と、で規定される。第1収納室26の幅H26(図5A参照)は、第1収納室26における2つの台部28間の距離である。第1収納室26の幅H26は、中継コネクタ装置10の幅よりも狭い。言い換えれば、第1収納室26の幅H26は、第1コネクタハウジング110の幅及び第2コネクタハウジング120の幅よりも狭い。
第2リード線収納室47は、上記規定方向において、第2導出孔45とコネクタ収納室43との間に形成される。第2リード線収納室47は、複数の第2リード線121の各々の一部を収納可能である。ここにおいて、ベース2は、第2リード線収納室47に対応する第2収納室27を有する。第2収納室27は、第2リード線収納室47の一部を構成する。言い換えれば、第2リード線収納室47は、ベース2の第2収納室27と、カバー3の一面31の凹部33の一部と、で規定される。第2収納室27の幅H27(図5A参照)は、第2収納室27における2つの台部28間の距離である。第2収納室27の幅H27は、中継コネクタ装置10の幅よりも狭い。言い換えれば、第2収納室27の幅H27は、第1コネクタハウジング110の幅及び第2コネクタハウジング120の幅よりも狭い。
ベース2は、第1収納室26の幅H26及び第2収納室27の幅H27が、コネクタ収納室43に対応する中央収納室23の幅H23よりも狭い。
ケース本体4は、カバー3に一体に形成された2つの第1突出部36及び2つの第2突出部37を更に備えるのが好ましい。2つの第1突出部36は、第1リード線収納室46内において複数の第1リード線111が並ぶ方向の両側に配置されるようにカバー3からベース2に向かって突出している。したがって、防水中継コネクタ装置100では、2つの第1突出部36の間を複数の第1リード線111が通る。各第1突出部36の先端面とベース2との距離は、例えば、第1リード線111の直径の4分の1以下であるのが好ましい。また、2つの第2突出部37は、第2リード線収納室47内において複数の第2リード線121が並ぶ方向の両側に配置されるようにカバー3からベース2に向かって突出している。したがって、防水中継コネクタ装置100では、2つの第2突出部37の間を複数の第2リード線121が通る。各第2突出部37の先端面とベース2との距離は、例えば、第2リード線121の直径の4分の1以下であるのが好ましい。
以下、防水中継コネクタ装置100の製造方法の一例について説明する。
防水中継コネクタ装置100の製造にあたっては、まず、第1コネクタ11、第2コネクタ12及びコネクタ保護ケース1を準備する。
その後、ベース2の内底面のうち第1収納室26に対応する部位と第1溝214の内周面の底部とに、ディスペンサによりグリスを塗布する。同様に、ベース2の内底面のうち第2収納室27に対応する部位と第2溝215の内周面の底部とに、ディスペンサによりグリスを塗布する。ここにおいて、コネクタ保護ケース1では、第1収納室26の幅H26及び第2収納室27の幅H27が中央収納室23の幅H23よりも狭いので、グリスの塗布領域を認識しやすく、ベース2の内底面のうち中央収納室23に対応する部位にもグリスを塗布する場合と比べて、グリスの塗布量を低減することが可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、第1仕切壁48及び第2仕切壁49を備えることにより、ケース本体4の外にはみ出すグリスの量を低減することが可能となる。
続いて、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを接続して構成した中継コネクタ装置10を、ベース2に入れる。この際、カバー3は、ベース2の開口22を覆っていない(つまり、カバー3は、開位置にある)。中継コネクタ装置10をベース2に入れる際に複数の第1リード線111が第1シール部101の元になるグリスに接触する。また、複数の第2リード線121が第2シール部102の元になるグリスに接触する。
その後、カバー3がベース2の開口22を覆うようにカバー3を回転させて着脱部8をフック7に引っ掛ける。このときに、第1シール部101及び第2シール部102が形成される。
上述の防水中継コネクタ装置100の製造方法では、ベース2の内底面のうち第1収納室26に対応する部位上のグリスの一部が、第1突出部36により押されて第1突出部36の隣りの第1リード線111の外周面を覆うように流動する(押し広げられる)。同様に、ベース2の内底面のうち第2収納室27に対応する部位上のグリスの一部が、第2突出部37により押されて第2突出部37の隣りの第2リード線121の外周面を覆うように流動する。したがって、防水中継コネクタ装置100は、第1シール部101及び第2シール部102それぞれによる防水性を向上させることが可能となる。防水中継コネクタ装置100の製造方法では、中継コネクタ装置10をベース2に入れた後で、カバー3によりベース2の開口22を覆う前に、第1収納室26及び第2収納室27それぞれにグリスを塗布してもよい。
コネクタ保護ケース1において、ヒンジ6は必須の構成要素ではなく、例えば、ベース2とカバー3とが、ベース2とカバー3との一方に設けた係合爪と、他方に設けた係合孔とが着脱可能に引っ掛かることにより連結されていてもよい。
また、中継コネクタ装置10における第1リード線111及び第2リード線121の数は2つずつに限らず、例えば、それぞれ3つ以上でもよい。ここにおいて、コネクタ保護ケース1では、第1リード線111の数(例えば、3つ)よりも1つ少ない数(例えば、2つ)の第1仕切壁48を備えているのが好ましい。また、コネクタ保護ケース1では、第2リード線121の数(例えば、3つ)よりも1つ少ない数(例えば、2つ)の第2仕切壁49を備えているのが好ましい。
上述の実施形態から明らかなように、第1の態様に係るコネクタ保護ケース1は、中継コネクタ装置10を収納可能である。中継コネクタ装置10は、複数の第1リード線111が第1コネクタハウジング110から導出された第1コネクタ11と複数の第2リード線121が第2コネクタハウジング120から導出された第2コネクタ12とを接続して構成される。コネクタ保護ケース1は、ベース2と、カバー3と、を備える。ベース2は、一面21に開口22を有する箱状である。カバー3は、ベース2の開口22を覆うようにベース2に連結される。ベース2とカバー3とを含むケース本体4は、コネクタ収納室43と、第1導出孔44と、第2導出孔45と、第1リード線収納室46と、第2リード線収納室47と、を有する。コネクタ収納室43は、中継コネクタ装置10を収納可能である。第1導出孔44は、ベース2の一面21に沿った規定方向においてケース本体4の第1端41に形成されている。第1導出孔44は、複数の第1リード線111をケース本体4の外に導出可能である。第2導出孔45は、上記規定方向においてケース本体4の第2端42に形成されている。第2導出孔45は、複数の第2リード線121をケース本体4の外に導出可能である。第1リード線収納室46は、第1導出孔44とコネクタ収納室43との間に形成される。第1リード線収納室46は、複数の第1リード線111の各々の一部を収納可能である。第2リード線収納室47は、第2導出孔45とコネクタ収納室43との間に形成される。第2リード線収納室47は、複数の第2リード線121の各々の一部を収納可能である。
上記構成によれば、コネクタ保護ケース1は、薄型化が可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、例えば、ケース本体4内において第1導出孔44付近に複数の第1リード線111を覆うグリスからなる第1シール部101を形成し、かつ、第2導出孔45付近に複数の第2リード線121を覆うグリスからなる第2シール部102を形成することにより、ケース本体4の薄型化を図りながらも、ケース本体4の外からコネクタ収納室43に水分が浸入するのを抑制することが可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、特許文献1に記載されたコネクタカバーで必要とした第1シール部材及び第2シール部材をなくすことができるので、薄型化及び低コスト化の点で有利である。
第2の態様に係るコネクタ保護ケース1では、第1の態様において、ベース2は、第1リード線収納室46に対応する第1収納室26の幅H26及び第2リード線収納室47に対応する第2収納室27の幅H27が、コネクタ収納室43に対応する中央収納室23の幅H23よりも狭いのが好ましい。これにより、コネクタ保護ケース1では、防水中継コネクタ装置100を製造する際に、第1導出孔44付近で複数の第1リード線111を覆う第1シール部101を形成するためにベース2に中継コネクタ装置10を仮保持してからベース2の開口22をカバー3で覆う前に第1収納室26の底面に塗布するグリスの塗布量、第2導出孔45付近で第2リード線121を覆う第2シール部102を形成するためのグリスの塗布量それぞれを低減することが可能となる。グリスの塗布は、例えばディスペンサ等を用いて行うのが好ましい。防水中継コネクタ装置100の製造方法では、ディスペンサによってグリスを塗布する際、第1収納室26及び第2収納室27それぞれを塗布位置の目安とすることが可能となり、作業効率を向上させることも可能となる。
第3の態様に係るコネクタ保護ケース1では、第1又は第2の態様において、ケース本体4の第1導出孔44は、第1仕切壁48によって、複数の第1小孔441に分かれているのが好ましい。複数の第1小孔441は、複数の第1リード線111それぞれを導出可能である。第1仕切壁48は、ベース2から一体に突出したベース側第1リブ24とカバー3から一体に突出したカバー側第1リブ34とで構成されるのが好ましい。また、ケース本体4の第2導出孔45は、第2仕切壁49によって、複数の第2小孔451に分かれているのが好ましい。複数の第2小孔451は、複数の第2リード線121それぞれを導出可能である。第2仕切壁49は、ベース2から一体に突出したベース側第2リブ25とカバー3から一体に突出したカバー側第2リブ35とで構成されるのが好ましい。これにより、コネクタ保護ケース1では、中継コネクタ装置10をケース本体4内に収納したときに、複数の第1リード線111のうち隣り合う2つの第1リード線111の間に第1仕切壁48があるので、複数の第1リード線111と第1導出孔44の内周面との間の隙間を小さくすることが可能となり、第1シール部101による防水性をより向上させることが可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、中継コネクタ装置10をケース本体4内に収納したときに、複数の第2リード線121のうち隣り合う2つの第2リード線121の間に第2仕切壁49があるので、複数の第2リード線121と第2導出孔45の内周面との間の隙間を小さくすることが可能となり、第2シール部102による防水性をより向上させることが可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、第1仕切壁48によって複数の第1リード線111を整線することが可能となり、第2仕切壁49によって複数の第2リード線121を整線することが可能となる。
第4の態様に係るコネクタ保護ケース1では、第3の態様において、ケース本体4の第1導出孔44の内周面は、ケース本体4の第1端41でベース2の一面21において開口22の周縁に形成された第1溝214の内周面と、第1溝214内に配置されるカバー側第1リブ34の表面と、を含む。ベース側第1リブ24は、ベース2における第1溝214の内周面から突出している。ケース本体4の第2導出孔45の内周面は、ケース本体4の第2端42でベース2の一面21において開口22の周縁に形成された第2溝215の内周面と、第2溝215内に配置されるカバー側第2リブ35の表面と、を含む。ベース側第2リブ25は、ベース2における第2溝215の内周面から突出している。コネクタ保護ケース1は、2つの第1突出部36と2つの第2突出部37とを更に備える。2つの第1突出部36は、カバー3に一体に形成され、第1リード線収納室46内において複数の第1リード線111が並ぶ方向の両側に配置されるようにカバー3からベース2に向かって突出している。2つの第2突出部37は、カバー3に一体に形成され、第2リード線収納室47内において複数の第2リード線121が並ぶ方向の両側に配置されるようにカバー3からベース2に向かって突出している。これにより、コネクタ保護ケース1では、2つの第1突出部36を備えていることにより、例えば、ケース本体4内において第1導出孔44付近に複数の第1リード線111を覆うグリスからなる第1シール部101を形成する際に、2つの第1突出部36によりグリスを押すことが可能となる。これにより、防水中継コネクタ装置100では、グリスによる第1リード線111の周囲の被覆性を向上させることが可能となり、第1シール部101による防水性を向上させることが可能となる。また、コネクタ保護ケース1では、2つの第2突出部37を備えていることにより、例えば、ケース本体4内において第2導出孔45付近に複数の第2リード線121を覆うグリスからなる第2シール部102を形成する際に、2つの第2突出部37によりグリスを押すことが可能となる。これにより、防水中継コネクタ装置100では、グリスによる第2リード線121の周囲の被覆性を向上させることが可能となり、第2シール部102による防水性を向上させることが可能となる。
第5の態様に係るコネクタ保護ケース1では、第1乃至4の態様において、ベース2及びカバー3と一体に形成され、カバー3がベース2の開口22を覆う閉位置とカバー3がベース2の開口22を覆わない開位置との間でカバー3が回転可能となるようにカバー3をベース2に連結するヒンジ6と、ヒンジ6の反対側においてベース2とカバー3との一方に一体に形成されたフック7と、ヒンジ6の反対側においてベース2とカバー3との他方に一体に形成され、フック7が着脱可能に引っ掛かる着脱部8と、を備えるのが好ましい。これにより、コネクタ保護ケース1では、カバー3を開位置に回転させることにより、ケース本体4に対して中継コネクタ装置10を出し入れすることが可能となる。よって、コネクタ保護ケース1を備える防水中継コネクタ装置100では、コネクタ保護ケース1に対する中継コネクタ装置10の出し入れが容易となるので、中継コネクタ装置10における第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続を容易に解除することが可能となる。
第6の態様に係る防水中継コネクタ装置100は、第1乃至第5の態様のいずれか一つの態様に記載のコネクタ保護ケース1と、中継コネクタ装置10と、第1シール部101と、第2シール部102と、を備える。中継コネクタ装置10は、コネクタ保護ケース1のコネクタ収納室43に収納されている。第1シール部101は、複数の第1リード線111の各々の外周面と第1導出孔44の内周面との間に介在する。第1シール部101は、グリスにより形成されている。第2シール部102は、複数の第2リード線121の各々の外周面と第2導出孔45の内周面との間に介在している。第2シール部102は、グリスにより形成されている。
上記構成によれば、防水中継コネクタ装置100は、防水性を向上させながらも薄型化が可能となる。
以下では、防水中継コネクタ装置100を備える電動工具300について、図7に基づいて説明する。図7は、電動工具300の一部破断した側面図を示す。電動工具300は、作業者が片手で把持可能な可搬型の電動工具である。具体的には、電動工具300は、作業対象(ねじ等)を回転させて衝撃力を加えることによって締め付ける電動式のインパクトドライバー等である。
電動工具300には、充電式の電池パック500が着脱可能に取り付けられる。電動工具300は、電池パック500から供給される電力により動作する、いわゆる充電式の電動工具である。電池パック500は、電動工具300の構成要素ではない。ただし、電動工具300が電池パック500を備えていてもよい。電池パック500は、例えば、複数の二次電池(例えば、リチウムイオン電池)と、これら二次電池を収納したケース501と、を備える。電池パック500は、電池パック500の情報を示す電池情報を通信するための、通信用コネクタを備える。電池情報には、例えば、温度情報、残容量情報、定格電圧情報、定格容量情報、回数情報等が含まれる。
電動工具300は、ハウジング302と、モータ303と、スイッチ回路モジュール304(第1回路モジュール)と、操作部341と、制御回路モジュール305(第2回路モジュール)と、接続端子ユニット306と、を備える。
ハウジング302は、中空筒形状の胴体部321と、胴体部321の周面から胴体部321の一径方向(図7の下方)へ突出するグリップ部322と、を備える。
胴体部321の内部には、モータ303が収納される。胴体部321には、モータ303が配置される位置の近傍に、通気孔331が形成されている。
また、胴体部321の軸方向における一端側(図7の右側)からは、先端にビット装着部310が設けられた出力軸311が、突出している。ビット装着部310には、作業対象の部材に合わせたビット(ドライバービット等)が、着脱可能に取り付けられる。モータ303の回転は、インパクト機構332を介して出力軸311(ビット装着部310)に伝達される。以下、モータ303に対して出力軸311が位置する側(図7の右側)を、「前側」とする。
グリップ部322は、使用者が手で持つことができるように、一方向(図7の上下方向)に長い中空の筒形状に形成されている。グリップ部322の内部(空間)は、胴体部321の内部(空間)と繋がっている。ハウジング302は、グリップ部322の胴体部321側とは反対側に、電池パック500が着脱可能に取り付けられる電池パック装着部323を更に備えている。電池パック500は、例えば、電池パック装着部323に対して前方及び後方にスライド移動させることで、電池パック装着部323への取り付け及び電池パック装着部323からの取り外しが可能である。
スイッチ回路モジュール304は、グリップ部322における胴体部321側の部分の内部(第1領域)に配置されている。スイッチ回路モジュール304は、防水中継コネクタ装置100を介して、制御回路モジュール305に接続されている。
また、スイッチ回路モジュール304は、操作部341に接続されている。操作部341は、トリガレバー342を備えている。トリガレバー342は、操作者の指による操作が可能なように、グリップ部322の前側に設けられている。トリガレバー342は、操作者の指の操作によって後方に引き込まれるよう構成されている。
スイッチ回路モジュール304は、例えばメインスイッチ(図示せず)を備えている。メインスイッチは、例えば、電池パック500からモータ303に電力を供給するための電力供給路に設けられる。電力供給路は、例えば、接続端子ユニット306における一対の接続端子361の一方の接続端子361とモータ303とを繋ぐ電線373と、モータ303とメインスイッチとを繋ぐ電線と、メインスイッチと接続端子ユニット306における一対の接続端子361の他方の接続端子361とを繋ぐ電線と、を含む。図7では、図面の煩雑さをさけるため、上記のモータ303とメインスイッチとを繋ぐ電線、及びメインスイッチと接続端子ユニット306とを繋ぐ電線の図示を、省略している。スイッチ回路モジュール304は、トリガレバー342の引き込み量が所定量以下の場合にはメインスイッチをオフし、トリガレバー342の引き込み量が所定量を超えるとメインスイッチをオンする。これにより、スイッチ回路モジュール304は、電池パック500からモータ303への電力の供給と遮断とを切り換える。また、スイッチ回路モジュール304は、トリガレバー342の引き込み量が上記の所定量を超えると、トリガレバー342の引き込み量に応じた操作信号を、防水中継コネクタ装置100を介して、制御回路モジュール305に送信する。
また、スイッチ回路モジュール304は、モータ303の回転方向を切り換えるための正逆切換スイッチ352に、接続されている。正逆切換スイッチ352は、胴体部321とグリップ部322との境界付近に設けられている。
制御回路モジュール305は、ハウジング302の電池パック装着部323内(第2領域)に配置されている。
制御回路モジュール305は、電動工具300の動作を制御する。制御回路モジュール305は、スイッチ回路モジュール304から送信される操作信号に基づいて、モータ303の駆動(回転速度)を制御する。制御回路モジュール305は、図示しない制御線を介してモータ303に接続されており、制御線を介してモータ303の駆動を制御する。
制御回路モジュール305は、接続コネクタ351を備えている。電池パック500が電池パック装着部323に取り付けられた状態で、接続コネクタ351は、電池パック500の通信コネクタに接続される。制御回路モジュール305は、接続コネクタ351を通じて、電池パック500から電池情報を取得する。また、制御回路モジュール305は、接続コネクタ351もしくは接続端子ユニット306を通じて、電池パック500から動作電力を受け取る。
接続端子ユニット306は、一対の接続端子361を備えている。電池パック500が電池パック装着部323に取り付けられた状態で、一対の接続端子361は、電池パック500の正極側及び負極側の電極にそれぞれ接続される。図7には、一対の接続端子361のうちの一方の接続端子361のみを図示している。
電動工具300では、使用者によって操作される操作部341及びスイッチ回路モジュール304は、摩耗などによって故障が発生する可能性がある。そこで、本実施形態の電動工具300では、制御回路モジュール305を交換することなくスイッチ回路モジュール304を交換可能なように、スイッチ回路モジュール304と制御回路モジュール305とを防水中継コネクタ装置100を介して接続している。
第7の態様に係る電動工具300は、モータ303と、モータ303を収納する中空のハウジング302と、第6の態様の防水中継コネクタ装置100と、第1回路モジュール(スイッチ回路モジュール304)と、第2回路モジュール(制御回路モジュール305)と、を備える。第1回路モジュールは、ハウジング302内の第1領域に配置されている。第1回路モジュールは、防水中継コネクタ装置100の第1コネクタ11に複数の第1リード線111を介して電気的に接続されている。第2回路モジュールは、ハウジング302内の第2領域に配置されている。第2回路モジュールは、防水中継コネクタ装置100の第2コネクタ12に複数の第2リード線121を介して電気的に接続されている。
以上の構成により、電動工具300では、中継コネクタ装置10に水分が浸入するのを抑制することが可能となる。また、電動工具300では、防水中継コネクタ装置100における第1コネクタ11と第2コネクタ12との接続を解除することにより、第1回路モジュールを交換することが可能となる。また、防水中継コネクタ装置100は、スイッチ回路モジュール304と制御回路モジュール305との接続に限らず、第1回路モジュールとして、モータ、LEDモジュール等を採用してもよく、第2回路モジュールとして、制御回路モジュール305以外の回路モジュールを採用してもよい。
次に、変形例1の防水中継コネクタ装置について、図8に基づいて説明する。変形例1の防水中継コネクタ装置に関し、実施形態の防水中継コネクタ装置100と同様の構成要素には実施形態の防水中継コネクタ装置100と同一の符号を付して説明を省略する。
変形例1の防水中継コネクタ装置は、第2コネクタ12がコネクタ保護ケース1におけるベース2にボンドにより固定されている点が、実施形態の防水中継コネクタ装置100と相違する。変形例1の防水中継コネクタ装置では、コネクタ保護ケース1においてカバー3によりベース2の開口22を覆っていない状態で、第1コネクタ11を第2コネクタ12に対して着脱可能となっている。図8中に一点鎖線で示した矢印は、第1コネクタ11を第2コネクタ12に接続するときに第1コネクタ11を動かす方向を模式的に示している。