JP2008016395A - 防滴構造及び防滴カバー - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部材等の二次的材料を必要としない電線接続部の防滴構造を提供する。
【解決手段】防滴構造1は、互いに突合わされて使用される一対のカバー片2、3の各突合わせ面4に設けられた挿通溝6どうしを対向させて形成される挿通孔と、挿通孔に挿通される絶縁被覆電線Wとの間の防滴構造であって、各挿通溝6の内面に突設された、挿通孔に挿通された絶縁被覆電線Wをカバー片2,3の突合わせ方向に圧縮して変形させるとともに絶縁被覆電線Wの外周に密着する歯状圧縮片7と、各突合わせ面4の挿通溝6の側方にそれぞれ設けられた、互いに嵌合して各歯状圧縮片7の幅方向の変形を規制する凸部14及び凹部8からなる規制部材とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】防滴構造1は、互いに突合わされて使用される一対のカバー片2、3の各突合わせ面4に設けられた挿通溝6どうしを対向させて形成される挿通孔と、挿通孔に挿通される絶縁被覆電線Wとの間の防滴構造であって、各挿通溝6の内面に突設された、挿通孔に挿通された絶縁被覆電線Wをカバー片2,3の突合わせ方向に圧縮して変形させるとともに絶縁被覆電線Wの外周に密着する歯状圧縮片7と、各突合わせ面4の挿通溝6の側方にそれぞれ設けられた、互いに嵌合して各歯状圧縮片7の幅方向の変形を規制する凸部14及び凹部8からなる規制部材とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、防滴カバーと当該防滴カバーの挿通孔に挿通される絶縁被覆電線との間の防滴構造に関し、特にシール部材を別途必要としない防滴構造に関する。
従来、絶縁被覆された電線の接続部を防水するためのものとして、例えば図10に記載の電線端末接続防水器が知られている(特許文献1参照)。
図10は特許文献1に係る電線端末接続防水器の斜視図である。
図10に示す電線端末接続防水器50は、本体51と本体51に嵌合可能なカバー52を備えてなる。また、本体51には、接続する各電線端末53をそれぞれ挿入可能なスリーブ54が設けられ、カバー52には、カバー52が本体51に嵌合された際、スリーブ54を圧縮することによりスリーブ54内に挿入された各電線端末53を接続して導通させるスリーブ圧縮部材55が設けられている。さらに、本体51及びカバー52のそれぞれには、カバー52と本体51とを嵌合方向へ所定の圧力をかけて互いに嵌合することにより、本体51及びカバー52の内部を水密状態とするシール材56が設けられている。
図10は特許文献1に係る電線端末接続防水器の斜視図である。
図10に示す電線端末接続防水器50は、本体51と本体51に嵌合可能なカバー52を備えてなる。また、本体51には、接続する各電線端末53をそれぞれ挿入可能なスリーブ54が設けられ、カバー52には、カバー52が本体51に嵌合された際、スリーブ54を圧縮することによりスリーブ54内に挿入された各電線端末53を接続して導通させるスリーブ圧縮部材55が設けられている。さらに、本体51及びカバー52のそれぞれには、カバー52と本体51とを嵌合方向へ所定の圧力をかけて互いに嵌合することにより、本体51及びカバー52の内部を水密状態とするシール材56が設けられている。
電線端末接続防水器50は、カバー52が本体51に嵌合された際、スリーブ圧縮部材55によりスリーブ54を圧縮することでスリーブ54内に挿入された電線端末53どうしを接続して導通させる。また、電線端末接続防水器50は、カバー52が本体51に嵌合された際、シール材56により本体51及びカバー52の内部を水密状態とする。よって、電線端末接続防水器50によれば、電線端末53の接続及び接続部分の防水性の確保を、本体51とカバー52との嵌合という一動作で行える。
また、電線を内部から導出させても防水性を簡単に付与することができるものとして、例えば図11に記載の電気部品収容ケースが知られている(特許文献2参照)。
また、電線を内部から導出させても防水性を簡単に付与することができるものとして、例えば図11に記載の電気部品収容ケースが知られている(特許文献2参照)。
図11は特許文献2に係る電気部品収容ケースの構成図である。
図11に示す電気部品収容ケース60は、開口部61を有してこの開口部61から内部に電気部品62が収容されるケース本体63と開口部61にパッキン材64を介して密閉装着されるカバー体65を備えている。また、電気部品62と接続されカバー体65を貫通してケース本体63の開口部61から導出される電線66を開口部61とカバー体65との間で密閉状に挿通保持するための電線挿通部67がパッキン材64に形成されている。
図11に示す電気部品収容ケース60は、開口部61を有してこの開口部61から内部に電気部品62が収容されるケース本体63と開口部61にパッキン材64を介して密閉装着されるカバー体65を備えている。また、電気部品62と接続されカバー体65を貫通してケース本体63の開口部61から導出される電線66を開口部61とカバー体65との間で密閉状に挿通保持するための電線挿通部67がパッキン材64に形成されている。
電気部品収容ケース60は、ケース本体63の開口部61をこれに装着されるパッキン材64及びカバー体65により密閉する。また、電気部品収容ケース60は、電線66をパッキン材64に形成された電線挿通部67に挿通保持することで、その周囲を密閉された状態でカバー体65を貫通して開口部61から導出する。よって、電気部品収容ケース60によれば、ケース本体63の内部の防水性を確保できる。
特開平9−82403号公報
特開2004−356236号公報
しかしながら、図10に示す電線端末接続防水器50及び図11に示す電気部品収容ケース60は、防水性の確保のためにシール部材56又はパッキン材64という二次的材料を別途備える必要があり、電線接続部に防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを増加させてしまうという問題がある。
一方、冷蔵庫の製氷室等に配置される電気接続部品は、気密性を付与することができれば十分であり、高い水圧に耐え得る防水性を確保する必要はない。しかし、簡単な構成で安価に実現できる防滴構造がないので、高い防水性能をもつものを仕方なく使用しているという問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はシール部材等の二次的材料を必要としない防滴構造及び防滴カバーを提供することである。
一方、冷蔵庫の製氷室等に配置される電気接続部品は、気密性を付与することができれば十分であり、高い水圧に耐え得る防水性を確保する必要はない。しかし、簡単な構成で安価に実現できる防滴構造がないので、高い防水性能をもつものを仕方なく使用しているという問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的はシール部材等の二次的材料を必要としない防滴構造及び防滴カバーを提供することである。
本発明のうち請求項1に係る防滴構造は、互いに突合わされて使用される一対のカバー片の各突合わせ面に設けられた挿通溝どうしを対向させて形成される挿通孔と、前記挿通孔に挿通される絶縁被覆電線との間の防滴構造であって、
前記各挿通溝の内面に突設された、前記挿通孔に挿通された前記絶縁被覆電線を前記カバー片の突合わせ方向に圧縮して変形させるとともに前記絶縁被覆電線の外周に密着する歯状圧縮片と、
前記各突合わせ面の前記挿通溝の側方にそれぞれ設けられた、互いに嵌合して前記歯状圧縮片の幅方向の変形を規制する凸部及び凹部からなる規制部材とを備えることを特徴とする。
前記各挿通溝の内面に突設された、前記挿通孔に挿通された前記絶縁被覆電線を前記カバー片の突合わせ方向に圧縮して変形させるとともに前記絶縁被覆電線の外周に密着する歯状圧縮片と、
前記各突合わせ面の前記挿通溝の側方にそれぞれ設けられた、互いに嵌合して前記歯状圧縮片の幅方向の変形を規制する凸部及び凹部からなる規制部材とを備えることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項2に係る防滴構造は、請求項1記載の防滴構造において、前記歯状圧縮片は、前記挿通孔溝の幅方向に対象な多角形断面の歯形を有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項3に係る防滴構造は、請求項1又は2記載の防滴構造において、前記規制部材をなす凸部は、前記挿通溝に沿う側面に、相手凹部に向かって先細りになるように傾斜面を有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項4に係る防滴構造は、請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記歯状圧縮片は、前記絶縁被覆電線をその断面積が圧縮前の95%以下になるように圧縮することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項3に係る防滴構造は、請求項1又は2記載の防滴構造において、前記規制部材をなす凸部は、前記挿通溝に沿う側面に、相手凹部に向かって先細りになるように傾斜面を有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項4に係る防滴構造は、請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記歯状圧縮片は、前記絶縁被覆電線をその断面積が圧縮前の95%以下になるように圧縮することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項5に係る防滴構造は、請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記歯状圧縮片は、前記挿通溝の内面に、前記挿通孔に挿通される前記絶縁被覆電線の挿通方向にわたって複数設けられていることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項6に係る防滴構造は、請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記一対のカバー片は、ヒンジ部により互いに連結されていることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項7に係る防滴構造は、請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記一対のカバー片は、互いに突合わされた状態を維持するための係合部材を有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項6に係る防滴構造は、請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記一対のカバー片は、ヒンジ部により互いに連結されていることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項7に係る防滴構造は、請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記一対のカバー片は、互いに突合わされた状態を維持するための係合部材を有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項8に係る防滴構造は、請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の防滴構造において、前記一対のカバー片は、絶縁性材料により形成され、互いに突合わされて防滴カバーを構成することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項9に係る防滴カバーは、請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の防滴構造を用いることを特徴とする。
さらに、本発明のうち請求項10に係る防滴カバーは、請求項9記載の防滴カバーにおいて、前記防滴カバーは、電気コネクタを収容することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項9に係る防滴カバーは、請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の防滴構造を用いることを特徴とする。
さらに、本発明のうち請求項10に係る防滴カバーは、請求項9記載の防滴カバーにおいて、前記防滴カバーは、電気コネクタを収容することを特徴とする。
本願請求項1乃至8のうちいずれか1項に係る防滴構造又は請求項9若しくは10に係る防滴カバーによれば、シール部材等の二次的材料を必要としない。また、この防水構造又は防水カバーを用いれば、電線接続部に防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを削減できる。
以下、本発明の実施形態に係る防滴構造を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る防滴カバーの平面図である。図2は防滴カバーの側面図である。図3は図1における3−3線に沿う断面図である。図4は圧縮片の詳細断面図である。図5は圧縮孔により保持されている電線の状態を示す断面図である。図6は凸部の作用を示す断面図である。
図1は本発明の実施形態に係る防滴カバーの平面図である。図2は防滴カバーの側面図である。図3は図1における3−3線に沿う断面図である。図4は圧縮片の詳細断面図である。図5は圧縮孔により保持されている電線の状態を示す断面図である。図6は凸部の作用を示す断面図である。
本発明に係る防滴構造は、冷蔵庫の製氷室等の結露が発生する場所に配置される電線接続部を収容した電気機器の筐体、電気コネクタカバー等に適用可能である。本実施形態においては、本発明に係る防滴構造を電気コネクタ用の防滴カバーに適用した場合を例にして説明する。
防滴カバー1は、図1から図3に示すように、1つの矩形状の容器体を2分割した半割形状に形成された第一カバー片2と第二カバー片3とを備えている。
防滴カバー1は、図1から図3に示すように、1つの矩形状の容器体を2分割した半割形状に形成された第一カバー片2と第二カバー片3とを備えている。
第一カバー片2及び第二カバー片3は、ガラスフィラー、PBT等の絶縁性の樹脂を成形することにより一体に形成される。そして、防滴カバー1は、一対となる第一カバー片2及び第二カバー片3を両突合わせ面4を対向させて互いに突合わせることにより構成され、内部に電気コネクタ(図示せず)を収容可能となる。
第一カバー片2は、電気コネクタを収容するコネクタ収容部5と、電気コネクタから導出された電線(絶縁被覆電線)Wを挿通する複数の挿通溝6と、電線Wを保持する複数の歯状圧縮片7と、規制部材を構成する複数の凹部8a、8bとを備えている。
第一カバー片2は、電気コネクタを収容するコネクタ収容部5と、電気コネクタから導出された電線(絶縁被覆電線)Wを挿通する複数の挿通溝6と、電線Wを保持する複数の歯状圧縮片7と、規制部材を構成する複数の凹部8a、8bとを備えている。
コネクタ収容部5は、第一カバー片2の略中央部に凹状に形成されている。
各挿通溝6は、突合わせ面4に、コネクタ収容部5と第一カバー片2の外部とを連通するように設けられている。本実施形態においては、挿通溝6は、第一カバー片2の長手方向(図1における上下方向)を挿通方向として、突合わせ面4のコネクタ収容部5を介した長手方向各端部に2列ずつ設けられている。
各歯状圧縮片7は、各挿通溝6の内面に突設され、幅方向(図1における左右方向)に延びている。本実施形態においては、歯状圧縮片7は、各挿通溝6に長手方向に3個設けられている。各歯状圧縮片7の突合わせ面4側端面には、図4に示すように、電線Wを保持するための保持凹部(歯形)10が形成されている。
各挿通溝6は、突合わせ面4に、コネクタ収容部5と第一カバー片2の外部とを連通するように設けられている。本実施形態においては、挿通溝6は、第一カバー片2の長手方向(図1における上下方向)を挿通方向として、突合わせ面4のコネクタ収容部5を介した長手方向各端部に2列ずつ設けられている。
各歯状圧縮片7は、各挿通溝6の内面に突設され、幅方向(図1における左右方向)に延びている。本実施形態においては、歯状圧縮片7は、各挿通溝6に長手方向に3個設けられている。各歯状圧縮片7の突合わせ面4側端面には、図4に示すように、電線Wを保持するための保持凹部(歯形)10が形成されている。
保持凹部10は、長手方向から見た断面が幅方向に対象な多角形に形成され突合わせ面4に向かって拡がっている。各歯状圧縮片7で電線Wを複数本保持するように構成する場合には、保持凹部10は、各電線Wを保持する個別電線保持凹部10a、10b、10cから形成される。本実施形態においては、各歯状圧縮片7は、電線Wを3本保持するように構成されており、保持凹部10は、幅方向に3個設けられた個別電線保持凹部10a、10b、10cから形成されている。
各個別電線保持凹部10a、10b、10cは、図4に示すように、幅方向に直線的に延びる底面11と、底面11の両端から直線的に斜め上方に延びる両斜面12とから突合わせ面4に向かって拡がって形成されている。各保持凹部10が複数の個別電線保持凹部10a、10b、10cから形成される場合には、隣合う個別電線保持凹部10a、10b、10c間の斜面12は、両端部の個別電線保持凹部10a、10cの幅方向外側の斜面12よりも背が低く形成される。かかる構成により、対向する2つの保持凹部10により形成される圧縮孔24は、対向する個別電線保持凹部10a、10b、10c毎に分断されずに連続して形成される。
凹部8a、8bは、突合わせ面4に、電線Wの挿通方向から見た各挿通溝6の側方に設けられている。本実施形態においては、突合わせ面4の長手方向各端部に、2列の挿通溝6間に凹部8aが設けられ、各挿通溝6の幅方向外方に1箇所ずつ凹部8bが設けられている。凹部8a、8bは、各挿通溝6に設けられた全ての歯状圧縮片7の側方に凹部8a、8bが形成されるように長手方向長さが設定される。かかる構成により、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態において、全ての圧縮孔24により保持される電線Wに対して、後述する凸部14による圧縮を行うことができる。
第一カバー片2は、突合わせ面4の幅方向各端部に、長手方向に延びる嵌合凸条17が形成されている。また、第一カバー片2は、幅方向各端面に、係合部材を構成する係合凹部19が3箇所ずつ設けられている。
第二カバー片3は、第一カバー片2と基本構成を同一にし、コネクタ収容部5と、挿通溝6と、歯状圧縮片7とを、それぞれ第一カバー片2のものと鏡面対称となるように備えている。ここで、第二カバー片3は、第一カバー片2の凹部8に対応する位置に規制部材を構成する凸部14a、14bを備えている。
第二カバー片3は、第一カバー片2と基本構成を同一にし、コネクタ収容部5と、挿通溝6と、歯状圧縮片7とを、それぞれ第一カバー片2のものと鏡面対称となるように備えている。ここで、第二カバー片3は、第一カバー片2の凹部8に対応する位置に規制部材を構成する凸部14a、14bを備えている。
凸部14a、14bは、電線Wの挿通方向から見た各挿通溝6の側方に設けられている。本実施形態においては、突合わせ面4の長手方向各端部に、2列の挿通溝6間に凸部14aが設けられ、各挿通溝6の幅方向外方に1箇所ずつ凸部14bが設けられている。凸部14a、14bは、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ時において、第一カバー片2の各挿通溝6の設けられた全ての歯状圧縮片7の側方に凸部14a、14bが配置されるように、長手方向長さが設定される。かかる構成により、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態において、全ての圧縮孔24により保持される電線Wに対して、凸部14による圧縮を行うことができる。
凸部14aの挿通溝6側の両側面26a及び長手方向両側面は、上下方向(図3における上下方向。以下、加圧方向という)に対して傾斜している。かかる構成により、凸部14aは、凸部14aに対応して第一カバー片2に設けられた相手凹部8aに向かって先細りするように形成されている。
凸部14bは、加圧方向から見た断面がL字形に形成されている。凸部14bの挿通溝6側の側面26b及び他の側面は、加圧方向に対して傾斜している。かかる構成により、凸部14bは、凸部14bに対応して第一カバー片2に設けられた相手凹部8bに向かって先細りするように形成されている。
凸部14bは、加圧方向から見た断面がL字形に形成されている。凸部14bの挿通溝6側の側面26b及び他の側面は、加圧方向に対して傾斜している。かかる構成により、凸部14bは、凸部14bに対応して第一カバー片2に設けられた相手凹部8bに向かって先細りするように形成されている。
凸部14a、14bの各側面26a、26bの基端部の幅方向位置は、相手凹部8の挿通溝6側の内側面の幅方向位置に対して、わずかに挿通溝6側に入り込むように設定されている。
第二カバー片3は、突合わせ面4の幅方向各端部に、長手方向に延びる嵌合凹条18が形成されている。また、第二カバー片3は、幅方向各端面に、係合部材を構成する係合凸部20が3箇所ずつ設けられている。第二カバー片3の突合わせ面4の幅方向各端部には、嵌合凹条18の幅方向内側に、嵌合凹条18と並行して延びる防水溝23が設けられている。
防滴カバー1により防滴保持可能な電線Wは、軟質PVC、66ナイロン等の絶縁材料により断面円筒形に形成された被覆を備えているものである。電線Wにおける被覆の厚みは0.4mm以上あることが好ましい。
第二カバー片3は、突合わせ面4の幅方向各端部に、長手方向に延びる嵌合凹条18が形成されている。また、第二カバー片3は、幅方向各端面に、係合部材を構成する係合凸部20が3箇所ずつ設けられている。第二カバー片3の突合わせ面4の幅方向各端部には、嵌合凹条18の幅方向内側に、嵌合凹条18と並行して延びる防水溝23が設けられている。
防滴カバー1により防滴保持可能な電線Wは、軟質PVC、66ナイロン等の絶縁材料により断面円筒形に形成された被覆を備えているものである。電線Wにおける被覆の厚みは0.4mm以上あることが好ましい。
第一カバー片2と第二カバー片3とは、ヒンジ部16により開閉自在に互いに連結されている。
第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態においては、第一カバー片2のコネクタ収容部5と第二カバー片3のコネクタ収容部5とが対向することにより、電気コネクタを収容可能な空間が形成される。
また、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態においては、第一カバー片2に設けられた各挿通溝6と第二カバー片3の各挿通溝6とが対向するとにより、電気コネクタから導出された電線Wを挿通可能な挿通孔が形成される。
第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態においては、第一カバー片2のコネクタ収容部5と第二カバー片3のコネクタ収容部5とが対向することにより、電気コネクタを収容可能な空間が形成される。
また、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態においては、第一カバー片2に設けられた各挿通溝6と第二カバー片3の各挿通溝6とが対向するとにより、電気コネクタから導出された電線Wを挿通可能な挿通孔が形成される。
さらに、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態においては、図5に示すように、第一カバー片2の歯状圧縮片7と第二カバー片3の歯状圧縮片7とが対向することにより、第一カバー片2の保持凹部10と第二カバー片3の保持凹部10とで電線Wを保持する圧縮孔24が形成される。各歯状圧縮片7が電線Wを複数本保持するように構成されている場合には、上述したように、対向する2つの保持凹部10により形成される圧縮孔24は、対向する個別電線保持凹部10a、10b、10c毎に分断されずに連続して形成、各歯状圧縮片7において保持される全ての電線Wを一つの圧縮孔24により保持することができる。
ここで、第一カバー片2の歯状圧縮片7及び第二カバー片3の歯状圧縮片7は、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態において、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部の断面積を圧縮前の電線Wの断面積に対して95%以下に圧縮可能となるように、保持凹部10の形状が調整されている。
ここで、第一カバー片2の歯状圧縮片7及び第二カバー片3の歯状圧縮片7は、第一カバー片2と第二カバー片3とを組み合わせた状態において、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部の断面積を圧縮前の電線Wの断面積に対して95%以下に圧縮可能となるように、保持凹部10の形状が調整されている。
次に、防滴カバー1の作用について説明する。
防滴カバー1の使用に際しては、第一カバー片2と第二カバー片3とを開いた状態において、電気コネクタを第二カバー片3のコネクタ収容部5に挿入する。そして、図5(a)に示すように、電気コネクタから導出された各電線W1、W2、W3を、第二カバー片3の各歯状圧縮片7の保持凹部10における各個別電線保持凹部10a、10b、10c上に配置する。
防滴カバー1の使用に際しては、第一カバー片2と第二カバー片3とを開いた状態において、電気コネクタを第二カバー片3のコネクタ収容部5に挿入する。そして、図5(a)に示すように、電気コネクタから導出された各電線W1、W2、W3を、第二カバー片3の各歯状圧縮片7の保持凹部10における各個別電線保持凹部10a、10b、10c上に配置する。
かかる状態において、第一カバー片2を閉じ、第一カバー片2を第二カバー片3への突合わせ方向(加圧方向)に加圧し、第一カバー片2の係合凹部19と第二カバー片3の係合凸部20とを係合する。これにより、第一カバー片2と第二カバー片3との組み合わせ状態が維持され、防滴カバー1による電気コネクタの収容が完了する。
第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ時には、第一カバー片2の嵌合凸条17と第二カバー片3の嵌合凹条18とが嵌合することにより、第一カバー片2と第二カバー片3との突合わせ面4からの水滴の浸入を防止できる。また、万が一、嵌合凸条17と嵌合凹条18との嵌合部から水滴が浸入した場合においても、かかる水滴は、第二カバー片3の突合わせ面4に設けられた防水溝23により保持されるため、防滴カバー1の内部に浸入することはない。
第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ時には、第一カバー片2の嵌合凸条17と第二カバー片3の嵌合凹条18とが嵌合することにより、第一カバー片2と第二カバー片3との突合わせ面4からの水滴の浸入を防止できる。また、万が一、嵌合凸条17と嵌合凹条18との嵌合部から水滴が浸入した場合においても、かかる水滴は、第二カバー片3の突合わせ面4に設けられた防水溝23により保持されるため、防滴カバー1の内部に浸入することはない。
ここで、本願発明者は、電線Wの被覆面祖度(摩擦係数)、張力と水滴(水)の粘性及び張力のバランスから、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとの間に形成される径方向の隙間(片側)を0.005mm以下とすれば水滴の浸入を防止することが可能であることを知得した。
そして、本願発明者は、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮すれば、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとを密着させることができ、結果、径方向の隙間(片側)を0.005mm以下とすることが可能であることを知得した。
そして、本願発明者は、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮すれば、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとを密着させることができ、結果、径方向の隙間(片側)を0.005mm以下とすることが可能であることを知得した。
本実施形態において電線Wの被保持部をもとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮し、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとを密着させる構成としたのは、防滴カバー1の設計上の公差、バラツキに対する安全率を考慮したものである。また、電線Wの圧縮率を95%としたのは、作業性向上のため、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとを密着させるのに必要な最小外力に対応する電線Wの圧縮率を算出した結果95%となったためである。
また、特に、1つの圧縮孔24において複数の電線W1、W2、W3を保持する場合、隣合う電線W1、W2、W3間に隙間が形成されないようにするためには、電線W1、W2、W3を第一カバー片への加圧方向にのみ圧縮するだけでは不十分であり、かかる加圧方向に直交する方向(図3における左右方向)にも圧縮する必要がある。なお、本実施形態においては、加圧方向に直交する方向は幅方向と同一である。
そこで、防滴カバー1は、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ時に、第一カバー片2が加圧方向へ加圧されることにより、第一カバー片2及び第二カバー片3の各歯状圧縮片7が圧縮孔24に保持されている電線W1、W2、W3を加圧方向に圧縮する。ここで、電線W1、W2、W3の圧縮は、主として、電線Wに備えられている被覆が弾性変形することにより行われる。
すなわち、第一カバー片2を、図5(a)に示すように、第一カバー片2と第二カバー片3とを連結するヒンジ部16の中心部を回転軸として安定して閉じることにより、第一カバー片2の各歯状圧縮片7及び第二カバー片3の各歯状圧縮片7が電線W1、W2、W3をセンタリングする。
そして、第一カバー片2を加圧方向に加圧していくことにより、図5(b)に示すように、電線W1、W2、W3はさらにセンタリングされ横一列に整列される。かかる状態においては、各個別電線保持凹部10a、10b、10cと各個別電線保持凹部10a、10b、10cにより保持される電線W1、W2、W3との間には隙間が形成されている。
そして、第一カバー片2を加圧方向に加圧していくことにより、図5(b)に示すように、電線W1、W2、W3はさらにセンタリングされ横一列に整列される。かかる状態においては、各個別電線保持凹部10a、10b、10cと各個別電線保持凹部10a、10b、10cにより保持される電線W1、W2、W3との間には隙間が形成されている。
第一カバー片2をさらに加圧方向に加圧して第一カバー片2の係合凹部19と第二カバー片3の係合凸部20とを係合すると、図5(c)に示すように、第一カバー片2及び第二カバー片3の各歯状圧縮片7が圧縮孔24に保持されている電線W1、W2、W3を加圧方向に圧縮し、圧縮孔24と電線W1、W2、W3とが密着する。
この場合、各保持凹部10の個別電線保持凹部10a、10b、10cは、隣合う個別電線保持凹部10a、10b、10c間の斜面12が、両端部の個別電線保持凹部10a、10cの幅方向外側の斜面12よりも背が低く形成されているため、加圧方向への加圧時に、個別電線保持凹部10aの幅方向外側の斜面12及び個別電線保持凹部10cの幅方向外側の斜面12が強く電線W1及び電線W3を加圧することとなる。これにより、歯状圧縮片7は、図5(c)に示すように、歯状圧縮片7に保持されている3本の電線Wを変形させつつセンタリングし、圧縮孔24内において電線W1、W2、W3間の隙間を閉じていくこととなる。
この場合、各保持凹部10の個別電線保持凹部10a、10b、10cは、隣合う個別電線保持凹部10a、10b、10c間の斜面12が、両端部の個別電線保持凹部10a、10cの幅方向外側の斜面12よりも背が低く形成されているため、加圧方向への加圧時に、個別電線保持凹部10aの幅方向外側の斜面12及び個別電線保持凹部10cの幅方向外側の斜面12が強く電線W1及び電線W3を加圧することとなる。これにより、歯状圧縮片7は、図5(c)に示すように、歯状圧縮片7に保持されている3本の電線Wを変形させつつセンタリングし、圧縮孔24内において電線W1、W2、W3間の隙間を閉じていくこととなる。
さらに、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ時には、第一カバー片2の凹部8a、8bと第二カバー片3の凸部14a、14bとが嵌合することとなる。ここで、各凸部14a、14bの挿通溝6側の側面26a、26bは、加圧方向に対して傾斜している。また、凸部14a、14bの各側面26a、26bの基端部の幅方向位置は、相手凹部8a、8bの挿通溝6側の内側面の幅方向位置に対して、わずかに挿通溝6側に入り込むように設定されているしたがって、第一カバー片2の凹部8a、8bと第二カバー片3の凸部14a、14bとを嵌合し、第一カバー片2を加圧方向に加圧すると、図6に示すように、凸部14a、14bの側面26a、26bは、第一カバー片2の歯状圧縮片7に対して幅方向の外力を付与する。このように、凸部14a、14bと凹部8a、8bとからなる規制部材が、圧縮孔24が幅方向に拡がることを規制し、結果的に、圧縮孔24に保持される電線電線W1、W2、W3を加圧方向に対して直交する方向(図6の矢印方向)に圧縮することとなる。なお、この場合も、電線W1、W2、W3の圧縮は、主として、電線W1、W2、W3に備えられている被覆が弾性変形することにより行われる。
このように、第一カバー片2の歯状圧縮片7及び第二カバー片3の歯状圧縮片7が電線W1、W2、W3を加圧方向及び加圧方向に直交する方向に圧縮することにより、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することができる。つまり、電線W1、W2、W3は全周にわたって径方向に圧縮される。
そして、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することにより、圧縮孔24と電線W1、W2、W3とが密着するとともに、圧縮孔24内の電線W同士も密着する。つまり、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとの間に形成される径方向の隙間(片側)を確実に0.005mm以下にすることができ、圧縮孔24と圧縮孔24により保持される電線Wとの間から水滴が浸入することを防止できる。
このように、防滴カバー1によれば、シール部材等の二次的材料が不要なので、電気コネクタに防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを削減を図ることが可能である。
このように、防滴カバー1によれば、シール部材等の二次的材料が不要なので、電気コネクタに防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを削減を図ることが可能である。
次に、本発明の第二実施形態に係る防滴カバーを図面を参照して説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係る防滴カバーの平面図であり、第一カバー片と第二カバー片とを組み合わせた状態を示す。図8は、図7における8−8線に沿う断面図である。
本実施形態に係る防滴カバー30の基本構成は、防滴カバー1と同様であるため、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
防滴カバー30は、図7及び図8に示すように、第一カバー片2の挿通溝6における歯状圧縮片7の配置と第二カバー片3の挿通溝6における歯状圧縮片7の配置とが鏡面対称となっていない点において、防滴カバー1と異なっている。
図7は、本発明の第二実施形態に係る防滴カバーの平面図であり、第一カバー片と第二カバー片とを組み合わせた状態を示す。図8は、図7における8−8線に沿う断面図である。
本実施形態に係る防滴カバー30の基本構成は、防滴カバー1と同様であるため、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
防滴カバー30は、図7及び図8に示すように、第一カバー片2の挿通溝6における歯状圧縮片7の配置と第二カバー片3の挿通溝6における歯状圧縮片7の配置とが鏡面対称となっていない点において、防滴カバー1と異なっている。
第一カバー片2の各挿通溝6には、3個の歯状圧縮片7が、長手方向にコネクタ収容部5側から歯状圧縮片7a、歯状圧縮片7b、歯状圧縮片7cの順で設けられている。
第二カバー片3の各挿通溝6は、2個の歯状圧縮片7が、長手方向にコネクタ収容部5側から歯状圧縮片7d、歯状圧縮片7eの順で設けられている。そして、歯状圧縮片7dの長手方向位置は、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ状態において歯状圧縮片7aの長手方向位置と一致するように設定されている。また、歯状圧縮片7eは、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ状態において歯状圧縮片7bと歯状圧縮片7cとの間に配置されるように長手方向位置が設定されている。
第二カバー片3の各挿通溝6は、2個の歯状圧縮片7が、長手方向にコネクタ収容部5側から歯状圧縮片7d、歯状圧縮片7eの順で設けられている。そして、歯状圧縮片7dの長手方向位置は、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ状態において歯状圧縮片7aの長手方向位置と一致するように設定されている。また、歯状圧縮片7eは、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ状態において歯状圧縮片7bと歯状圧縮片7cとの間に配置されるように長手方向位置が設定されている。
ここで、第一カバー片2の各挿通溝6の歯状圧縮片7bと歯状圧縮片7cとの長手方向間隔は、第二カバー片3の歯状圧縮片7eの長手方向幅に対して小さく設定されている。これにより、第一カバー片2と第二カバー片3との組合せ状態において、加圧方向からみて、歯状圧縮片7eの長手方向両端部のうち一方と歯状圧縮片7bの長手方向端部とがわずかに重なるとともに、歯状圧縮片7eの長手方向両端部のうち他方と歯状圧縮片7cの長手方向端部とがわずかに重なる。
かかる構成により、第一カバー片2と第二カバー片3との組み合わせ状態において、第一カバー片2の歯状圧縮片7aと第二カバー片3の歯状圧縮片7dとが対向するので、図8に示すように、歯状圧縮片7aの保持凹部10と歯状圧縮片7dの保持凹部10との間に圧縮孔24aが形成される。また、第一カバー片2の歯状圧縮片7b及び歯状圧縮片7cと第二カバー片3の歯状圧縮片7eとが対向するので、歯状圧縮片7eの保持凹部10の長手方向両端部の一方と歯状圧縮片7bの保持凹部10の長手方向端部との間に圧縮孔24bが形成されるとともに、歯状圧縮片7eの保持凹部10の長手方向両端部の他方と歯状圧縮片7cの保持凹部10の長手方向端部との間に圧縮孔24cが形成される。
そして、圧縮孔24b及び圧縮孔24cの長手方向幅を歯状圧縮片7eの長手方向幅により小さくすることで、かかる圧縮孔24b及び圧縮孔24cにより圧縮される電線Wの被覆からの反発を大きくすることにより、圧縮孔24b及び圧縮孔24cと電線Wとの密着性を高めることができる。また、圧縮孔24b及び圧縮孔24cの長手方向幅を歯状圧縮片7eの長手方向幅により小さくすることで、圧縮孔24bと電線Wとの接触面積及び圧縮孔24cと電線Wとの接触面積が小さいくなるため、電線Wを圧縮するために必要な圧縮力を減らすことができる。
次に、防滴カバー30の作用について説明する。
電気コネクタを第二カバー片3のコネクタ収容部5に挿入し、電気コネクタから導出された各電線Wを、第二カバー片3の各歯状圧縮片7d、7eの保持凹部10における各個別電線保持凹部10上に配置する。
かかる状態において、第一カバー片2を閉じ、第一カバー片2を加圧方向に加圧し、第一カバー片2の係合凹部19と第二カバー片3の係合凸部20とを係合する。これにより、第一カバー片2と第二カバー片3との組み合わせ状態が維持され、防滴カバー30による電気コネクタの収容が完了する。
電気コネクタを第二カバー片3のコネクタ収容部5に挿入し、電気コネクタから導出された各電線Wを、第二カバー片3の各歯状圧縮片7d、7eの保持凹部10における各個別電線保持凹部10上に配置する。
かかる状態において、第一カバー片2を閉じ、第一カバー片2を加圧方向に加圧し、第一カバー片2の係合凹部19と第二カバー片3の係合凸部20とを係合する。これにより、第一カバー片2と第二カバー片3との組み合わせ状態が維持され、防滴カバー30による電気コネクタの収容が完了する。
この場合において、第一カバー片2が加圧方向へ加圧されることにより、第一カバー片2の歯状圧縮片7a〜7c及び第二カバー片3の歯状圧縮片7d、7eが、圧縮孔24a〜24cに保持される電線Wを加圧方向に圧縮する。
また、第一カバー片2の凹部8a、8bと第二カバー片3の凸部14a、14bとを嵌合し、第一カバー片2を加圧方向に加圧すると、凸部14a、14bの側面26a、26bは、第一カバー片2の歯状圧縮片7に対して幅方向の外力を付与する。このように、凸部14a、14bと凹部8a、8bとからなる規制部材が、圧縮孔24a〜24cが幅方向に拡がることを規制し、結果的に、圧縮孔24a〜24cに保持される電線電線Wを加圧方向に対して直交する方向に圧縮することとなる。
また、第一カバー片2の凹部8a、8bと第二カバー片3の凸部14a、14bとを嵌合し、第一カバー片2を加圧方向に加圧すると、凸部14a、14bの側面26a、26bは、第一カバー片2の歯状圧縮片7に対して幅方向の外力を付与する。このように、凸部14a、14bと凹部8a、8bとからなる規制部材が、圧縮孔24a〜24cが幅方向に拡がることを規制し、結果的に、圧縮孔24a〜24cに保持される電線電線Wを加圧方向に対して直交する方向に圧縮することとなる。
このように、第一カバー片2の歯状圧縮片7a〜7c及び第二カバー片3の歯状圧縮片7d、7eが電線Wを加圧方向及び加圧方向に直交する方向に圧縮することにより、圧縮孔24a〜24cに保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することができる。つまり、電線Wは全周にわたって径方向に圧縮される。
そして、圧縮孔24a〜24cに保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することにより、圧縮孔24a〜24cと電線Wとが密着するとともに、圧縮孔24a〜24c内の電線W同士も密着する。つまり、圧縮孔24a〜24cと圧縮孔24a〜24cにより保持される電線Wとの間に形成される径方向の隙間(片側)を確実に0.005mm以下にすることができ、圧縮孔24a〜24cと圧縮孔24a〜24cにより保持される電線Wとの間から水滴が浸入することを防止できる。
このように、防滴カバー30によれば、シール部材等の二次的材料が不要なので、電気コネクタに防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを削減を図ることが可能である。
このように、防滴カバー30によれば、シール部材等の二次的材料が不要なので、電気コネクタに防水性を付与するためのアッセンブリ工数及びコストを削減を図ることが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態においては、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明に係る防滴構造を電気コネクタ用の防滴カバーに適用した場合を例にして説明したが、洗濯機内部配線、産業機器内部配線、野外設置機器内部配線、自動車用簡易防水配線等の電線接続部の防水に適用することも可能である。
また、防滴カバー1,30における挿通孔の数及び配置並びに、各挿通溝6における歯状圧縮片7の数及び配置については適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明に係る防滴構造を電気コネクタ用の防滴カバーに適用した場合を例にして説明したが、洗濯機内部配線、産業機器内部配線、野外設置機器内部配線、自動車用簡易防水配線等の電線接続部の防水に適用することも可能である。
また、防滴カバー1,30における挿通孔の数及び配置並びに、各挿通溝6における歯状圧縮片7の数及び配置については適宜変更可能である。
次に、防滴カバー1,30の各圧縮孔24によって電線Wを3本一括保持する場合の具体的構成について説明する。
図9は本発明の実施例に係る圧縮孔の断面図である。
例えば、電線Wの直径が1.3mmである場合、3本の電線Wの総断面積は、下記式(1)により、
0.65×0.65×π×3=3.98[mm2] ・・・(1)
である。
一方、圧縮孔24を図9に示すように構成した場合、圧縮孔24の断面積は3.78[mm2]である。
したがって、かかる圧縮孔24により圧縮される3本の電線Wの圧縮率は、下記式(2)により、
(3.78/3.98)×100=94.975[%] ・・・(2)
となる。
すなわち、圧縮孔24を図9に示すように構成することにより、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することができる。
図9は本発明の実施例に係る圧縮孔の断面図である。
例えば、電線Wの直径が1.3mmである場合、3本の電線Wの総断面積は、下記式(1)により、
0.65×0.65×π×3=3.98[mm2] ・・・(1)
である。
一方、圧縮孔24を図9に示すように構成した場合、圧縮孔24の断面積は3.78[mm2]である。
したがって、かかる圧縮孔24により圧縮される3本の電線Wの圧縮率は、下記式(2)により、
(3.78/3.98)×100=94.975[%] ・・・(2)
となる。
すなわち、圧縮孔24を図9に示すように構成することにより、圧縮孔24に保持される電線Wの被保持部を、もとの断面積に対して95%以下になるように電線Wを圧縮することができる。
1 防滴カバー(防滴構造)
2 第一カバー片(カバー片)
3 第二カバー片(カバー片)
4 突合わせ面
W 電線
6 挿通溝
7 歯状圧縮片
8a、8b 凹部
10 保持凹部
10a、10b、10c 個別電線保持凹部
14a、14b 凸部
16 ヒンジ部
19 係合凹部
20 係合凸部
26a、26b 側面
30 防滴カバー(防滴構造)
2 第一カバー片(カバー片)
3 第二カバー片(カバー片)
4 突合わせ面
W 電線
6 挿通溝
7 歯状圧縮片
8a、8b 凹部
10 保持凹部
10a、10b、10c 個別電線保持凹部
14a、14b 凸部
16 ヒンジ部
19 係合凹部
20 係合凸部
26a、26b 側面
30 防滴カバー(防滴構造)
Claims (10)
- 互いに突合わされて使用される一対のカバー片の各突合わせ面に設けられた挿通溝どうしを対向させて形成される挿通孔と、前記挿通孔に挿通される絶縁被覆電線との間の防滴構造であって、
前記各挿通溝の内面に突設された、前記挿通孔に挿通された前記絶縁被覆電線を前記カバー片の突合わせ方向に圧縮して変形させるとともに前記絶縁被覆電線の外周に密着する歯状圧縮片と、
前記各突合わせ面の前記挿通溝の側方にそれぞれ設けられた、互いに嵌合して前記歯状圧縮片の幅方向の変形を規制する凸部及び凹部からなる規制部材とを備えることを特徴とする防滴構造。 - 前記歯状圧縮片は、前記挿通孔溝の幅方向に対象な多角形断面の歯形を有することを特徴とする請求項1記載の防滴構造。
- 前記規制部材をなす凸部は、前記挿通溝に沿う側面に、相手凹部に向かって先細りになるように傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は2記載の防滴構造。
- 前記歯状圧縮片は、前記絶縁被覆電線をその断面積が圧縮前の95%以下になるように圧縮することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の防滴構造。
- 前記歯状圧縮片は、前記挿通溝の内面に、前記挿通孔に挿通される前記絶縁被覆電線の挿通方向にわたって複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の防滴構造。
- 前記一対のカバー片は、ヒンジ部により互いに連結されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の防滴構造。
- 前記一対のカバー片は、互いに突合わされた状態を維持するための係合部材を有することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載の防滴構造。
- 前記一対のカバー片は、絶縁性材料により形成され、互いに突合わされて防滴カバーを構成することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の防滴構造。
- 請求項1乃至8のうちいずれか1項記載の防滴構造を用いることを特徴とする防滴カバー。
- 前記防滴カバーは、電気コネクタを収容することを特徴とする請求項9記載の防滴カバー。
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---|---|---|---|
JP2006188639A JP2008016395A (ja) | 2006-07-07 | 2006-07-07 | 防滴構造及び防滴カバー |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009141962A1 (ja) * | 2008-05-19 | 2009-11-26 | タイコエレクトロニクスアンプ株式会社 | 端子カバー |
CN103687379A (zh) * | 2012-09-03 | 2014-03-26 | 发那科株式会社 | 电子设备的防滴构造 |
JP2018092742A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | コネクタ保護ケース、防水中継コネクタ装置及びそれを備える電動工具 |
-
2006
- 2006-07-07 JP JP2006188639A patent/JP2008016395A/ja active Pending
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