以下、レシート印刷システムを含んで構成された電子レシートシステムの実施形態について、図面を用いて説明する。
[電子レシートシステムの説明]
図1は電子レシートシステム100の全体構成を示すブロック図である。
電子レシートシステム100は、POS(point-of-sale)端末10、携帯情報端末20、レシートサーバ30、印刷処理装置40および中継サーバ50を含む。図1では、POS端末10、携帯情報端末20、レシートサーバ30、印刷処理装置40および中継サーバ50をそれぞれ1つずつ表しているが、それぞれの数は任意である。POS端末10、レシートサーバ30および印刷処理装置40は、それぞれ専用回線を介して中継サーバ50に接続されている。携帯情報端末20とレシートサーバ30との間では、ネットワーク200を介してデータを授受することが可能である。ネットワーク200は、例えばインターネットおよび移動通信網を含む。ネットワーク200は、LAN(local area network)を含んでも良い。なお、レシートサーバ30および印刷処理装置40は、第1および第2のサーバにそれぞれ相当する。
POS端末10、レシートサーバ30および印刷処理装置40と中継サーバ50とは、専用回線以外の通信手段により通信可能としても良い。例えばPOS端末10、レシートサーバ30、印刷処理装置40および中継サーバ50を、LAN(local area network)またはインターネットなどの通信網に接続しても良い。この通信網は、ネットワーク200と共通であっても良い。そしてこのようにPOS端末10、レシートサーバ30および印刷処理装置40を通信網に接続する場合には、中継サーバ50を省略しても良い。
POS端末10は、商取引を行う施設に設置される。商取引には、商品の販売やサービスの提供などのような代金の授受を伴う行為の全てを含み得る。従って上記の施設は、例えば物販店または飲食店などの様々な販売店、あるいは遊興施設などのサービス提供店などである。POS端末10は、商取引に関する代金を会計するためのデータ処理である会計処理を行う。なお、会計とは、上記の代金の算出および決済を含む。またPOS端末10は、会計処理の中で、レシートデータを生成する。複数のPOS端末10が電子レシートシステム100に含まれる場合、これら複数のPOS端末10は、同一の店舗に設置されても良いし、異なる店舗に分散して配置されても良い。
携帯情報端末20は、電子レシートシステム100のユーザによる操作に基づいて、電子レシートを閲覧させるための画像の表示などを行う。複数の携帯情報端末20が電子レシートシステム100に含まれる場合、これらの複数の携帯情報端末20が同一のユーザにより利用されても良いし、異なるユーザにより個別に利用されても良い。あるいは、1つの携帯情報端末20が複数のユーザにより共用されても良い。なおユーザとは、電子レシートシステム100を利用してレシートの閲覧等を行う者を指す。典型的には、ユーザは、商取引に関する代金の支払者であり、つまりは商取引における顧客である。
レシートサーバ30は、POS端末10で生成されたレシートデータをPOS端末10から収集、蓄積し、管理する。レシートサーバ30は、レシートデータの内容をユーザに閲覧させるための画面のデータを生成し、このデータを携帯情報端末20へと送信する。
印刷処理装置40は、ユーザによる指示の下に、レシートサーバ30に蓄積されたレシートデータに基づいた紙レシートを発行する。
中継サーバ50は、POS端末10、レシートサーバ30および印刷処理装置40の間でのデータ伝送を中継する。
なお、一例としては、それぞれ少なくとも1つずつのPOS端末10、印刷処理装置40および中継サーバ50が、1つの施設に設置される。またレシートサーバ30は、施設を運営する企業とは別の企業により運営される電子レシートセンタに設置される。そして、電子レシートシステム100にそれぞれ別々の企業により運営される複数のPOS端末10が含まれる場合であっても、それら複数のPOS端末10のそれぞれで生成されるレシートデータを1つのレシートサーバ30で管理する。ただし、POS端末10、携帯情報端末20、レシートサーバ30、印刷処理装置40および中継サーバ50が、それぞれどのような形態で運営されるかは任意である。
[POS端末10の説明]
図2はPOS端末10の要部構成を示すブロック図である。
POS端末10は、プロセッサ101、主記憶デバイス102、補助記憶デバイス103、通信インタフェース104、I/O(input/output)インタフェース105およびシステム伝送路106等を備える。プロセッサ101と、主記憶デバイス102、補助記憶デバイス103、通信インタフェース104およびI/Oインタフェース105とは、システム伝送路106によって接続される。システム伝送路106は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
POS端末10においては、プロセッサ101、主記憶デバイス102および補助記憶デバイス103と、これらを接続するシステム伝送路106とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス102は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。主記憶デバイス102は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。また主記憶デバイス102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。主記憶デバイス102は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ101によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス103は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ101での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス103は、アプリケーションプログラムを記憶する。
補助記憶デバイス103が記憶するアプリケーションプログラムには、決済プログラムP11を含む。ただし、決済プログラムP11は、POS端末10の管理者またはPOS端末10の設置作業者等による操作に応じて、例えばインターネットを介してダウンロードされて補助記憶デバイス103に書き込まれても良い。つまり、POS端末10の使用者へのPOS端末10の譲渡は、決済プログラムP11が補助記憶デバイス103に記憶されていない状態で行われても良い。
通信インタフェース104は、中継サーバ50とのデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース104としては、例えばLANを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
I/Oインタフェース105は、種々の入出力デバイスとの間で行うデータ通信のインタフェースである。図示は省略するが、I/Oインタフェース105には例えば、ハンディスキャナ、タッチパネル、カードリーダおよびプリンタ等が適宜に接続される。
POS端末10のハードウェアとしては、既存の同種の装置を利用できる。
[携帯情報端末20の説明]
図3は携帯情報端末20の要部構成を示すブロック図である。
携帯情報端末20は、スマートフォン、携帯電話、あるいはタブレット端末等のような携帯型の情報処理装置である。
携帯情報端末20は、プロセッサ201、主記憶デバイス202、補助記憶デバイス203、タッチパネル204、通信インタフェース205、無線インタフェース206およびシステム伝送路207等を備える。プロセッサ201と、主記憶デバイス202、補助記憶デバイス203、タッチパネル204、通信インタフェース205および無線インタフェース206とは、システム伝送路207を介して接続される。システム伝送路207は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
携帯情報端末20においては、プロセッサ201、主記憶デバイス202および補助記憶デバイス203と、これらを接続するシステム伝送路207とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ201は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ201は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯情報端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス202は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。主記憶デバイス202は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。また主記憶デバイス202は、プロセッサ201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。主記憶デバイス202は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ201によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス203は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス203は、例えばEEPROMである。補助記憶デバイス203は、プロセッサ201が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ201での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス203は、アプリケーションプログラムを記憶する。
補助記憶デバイス203が記憶するアプリケーションプログラムには、レシートクライアントアプリP21を含む。レシートクライアントアプリP21は、レシートクライアントとしての動作のための制御プログラムである。なお典型的には、レシートクライアントアプリP21は、携帯情報端末20の使用者による操作に応じて、例えばインターネットを介してダウンロードされて補助記憶デバイス203に書き込まれる。つまり、携帯情報端末20の使用者への携帯情報端末20の譲渡は、レシートクライアントアプリP21が補助記憶デバイス203に記憶されていない状態で行われる。しかしながら、レシートクライアントアプリP21が補助記憶デバイス203に記憶された状態の携帯情報端末20が携帯情報端末20の使用者に譲渡されても構わない。
タッチパネル204は、携帯情報端末20の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。
通信インタフェース205は、ネットワーク60を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース205としては、例えば移動通信網またはインターネットを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
無線インタフェース206は、無線通信を用いたデータ通信のインタフェースである。無線インタフェース206としては、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-FiまたはNFC(near field communication)等の規格に準拠した周知の通信デバイスを利用できる。無線インタフェース206は、いずれか1つの規格に準拠した通信デバイスのみを含んでも良いし、複数の規格に準拠した複数の通信デバイスを含んでも良い。
[レシートサーバ30の説明]
図4はレシートサーバ30の要部構成を示すブロック図である。
レシートサーバ30は、プロセッサ301、主記憶デバイス302、補助記憶デバイス303、通信インタフェース304およびシステム伝送路305等を備える。プロセッサ301と、主記憶デバイス302、補助記憶デバイス303および通信インタフェース304とは、システム伝送路305によって接続される。システム伝送路305は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
レシートサーバ30においては、プロセッサ301、主記憶デバイス302および補助記憶デバイス303と、これらを接続するシステム伝送路305とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ301は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ301は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、レシートサーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス302は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。主記憶デバイス302は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。また主記憶デバイス302は、プロセッサ301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。主記憶デバイス302は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ301によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス303は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス303は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス303は、プロセッサ301が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ301での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス303は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶デバイス303が記憶するアプリケーションプログラムの1つは、レシートサーバ30としての動作のための制御プログラム(以下、レシートサーバアプリと称する)P31である。補助記憶デバイス303が記憶するアプリケーションプログラムの1つは、紙レシートの印刷を制御する動作のための制御プログラム(以下、印刷制御アプリと称する)P32である。
通信インタフェース304は、ネットワーク200を介したデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース304としては、例えばインターネットを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
レシートサーバ30は、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を基本ハードウェアとして用いることができる。レシートサーバ30は、レシートサーバアプリP31が補助記憶デバイス303に記憶されない状態のサーバ装置またはコンピュータ装置とレシートサーバアプリP31とが個別にレシートサーバ30の運営者に譲渡されても良い。このとき、レシートサーバアプリP31の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、レシートサーバ30の管理者またはレシートサーバ30の設置作業者などによる操作に応じて、レシートサーバアプリP31および印刷制御アプリP32が補助記憶デバイス303に書き込まれる。
プロセッサ301は、レシートサーバアプリP31および印刷制御アプリP32に基づく処理を実行するために、補助記憶デバイス303の記憶領域の一部を電子レシート領域W31および条件データ領域W32に割り当てる。電子レシート領域W31は、レシートデータを記憶する。条件データ領域W32は、条件データを記憶する。
図5はレシートデータのデータ構造を示す図である。
レシートデータは、図5に示すデータ構造を持ったデータファイルである。レシートデータは、レシートID、会員ID、企業コード、店舗コード、印刷回数および明細データを含む。
レシートIDは、当該レシートIDを含んだレシートデータを識別する一意のコードである。
会員IDは、電子レシートシステム100のユーザを識別する一意のコードである。
企業コードは、当該企業コードを含んだレシートデータを生成したPOS端末10を運営する企業を識別する一意のコードである。
店舗コードは、当該店舗コードを含んだレシートデータを生成したPOS端末10が設置された店舗を識別する一意のコードである。
印刷回数は、当該印刷回数の情報を含んだレシートデータに基づいて紙レシートを印刷した回数である。
明細データは、決済の内容の明細を表すデータの集合である。明細データにどのようなデータを含むかは任意である。明細データに含むデータは例えば、取引日時、レジ番号、取引種別、商品名、単価、数量および合計金額などである。
図6は条件データが含むデータレコードの構造を示す図である。
条件データは、図6に示す構造を持ったデータレコードを複数含んだデータファイルである。条件データが含むデータレコードの個々が、企業毎での紙レシートの印刷が可能であるか否かを判定するための条件(以下、印刷可能条件と称する)を表している。
条件データが含むデータレコードは、印刷可否、企業コード、企業チェック、店舗チェック、有効期間、許容回数および案内印字の各フィールドを含む。
企業コードのフィールドには、このデータレコードが表す印刷可能条件が適用される企業の企業コードが記述される。印刷可否のフィールドには、印刷処理装置40での紙レシートの印刷を許可するか否かが記述される。企業チェックのフィールドには、企業の合致をチェックするか否かが記述される。店舗チェックのフィールドには、店舗の合致をチェックするか否かが記述される。有効期間のフィールドには、印刷を許容する期間が記述される。許容回数のフィールドには、印刷を許容する回数が記述される。案内印字のフィールドには、同じレシートデータに基づく2回目以降の印刷の際に、予め定めた案内を紙レシートに印字するか否かが記述される。
かくして条件データでは、複数の企業のそれぞれで異なる条件を設定可能である。
補助記憶デバイス303は、記憶ユニットの一例である。そしてレシートサーバ30は、レシート管理装置としての機能を備えている。
[印刷処理装置40の説明]
図7は印刷処理装置40の要部構成を示すブロック図である。
印刷処理装置40は、プロセッサ401、主記憶デバイス402、補助記憶デバイス403、タッチパネル404、プリンタ405、通信インタフェース406、無線インタフェース407およびシステム伝送路408等を備える。プロセッサ401と、主記憶デバイス402、補助記憶デバイス403、タッチパネル404、プリンタ405、通信インタフェース406および無線インタフェース407とは、システム伝送路408によって接続される。システム伝送路408は、アドレスバス、データバスおよび制御信号線等を含む。
印刷処理装置40では、プロセッサ401、主記憶デバイス402および補助記憶デバイス403と、これらを接続するシステム伝送路408とによってコンピュータを構成する。
プロセッサ401は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ401は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、印刷処理装置40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
主記憶デバイス402は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。主記憶デバイス402は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。主記憶デバイス402は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。また主記憶デバイス402は、プロセッサ401が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。主記憶デバイス402は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ401によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス403は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス403は、例えばEEPROM、HDD、SSDなどである。補助記憶デバイス403は、プロセッサ401が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ401での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス403は、アプリケーションプログラムを記憶する。補助記憶デバイス403が記憶するアプリケーションプログラムの1つは、印刷処理装置40としての動作のための制御プログラム(以下、印刷処理アプリと称する)P41である。
タッチパネル404は、印刷処理装置40の入力デバイスおよび表示デバイスとして機能する。
プリンタ405は、レシートデータの内容を表す画像を印刷媒体に印刷する。なお印刷媒体は、典型的には紙であるが、プリンタ405によって画像を印刷可能なものであれば何でも良い。
通信インタフェース406は、中継サーバ50とのデータ通信のインタフェースである。通信インタフェース406としては、例えばLANを介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
無線インタフェース407は、無線通信を用いたデータ通信のインタフェースである。無線インタフェース407としては、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-FiまたはNFC等の規格に準拠した周知の通信デバイスを利用できる。無線インタフェース407は、いずれか1つの規格に準拠した通信デバイスのみを含んでも良いし、複数の規格に準拠した複数の通信デバイスを含んでも良い。ただし、携帯情報端末20の無線インタフェース206が含む通信デバイスと同じ規格に準拠する通信デバイスを少なくとも1つ含む。
印刷処理装置40は、印刷処理アプリP41が補助記憶デバイス403に記憶されない状態のサーバ装置またはコンピュータ装置と印刷処理アプリP41とが個別に印刷処理装置40の運営者に譲渡されても良い。このとき、印刷処理アプリP41の譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。そしてこの場合は、印刷処理装置40の管理者または印刷処理装置40の設置作業者などによる操作に応じて、印刷処理アプリP41が補助記憶デバイス403に書き込まれる。
[電子レシートシステム100の動作説明]
次に、電子レシートシステム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
電子レシートシステム100のユーザは、携帯情報端末20にレシートクライアントアプリP21をインストールする。ユーザは、予め定められた方法で、レシートサーバ30に対して会員登録を行う。この会員登録によりレシートサーバ30では、ユーザを識別する一意の会員IDが定められる。
ユーザは、電子レシートシステム100に属するPOS端末10が設置された店舗での商取引に関して、POS端末10を利用して会計する。
図8はPOS端末10での決済プログラムP11に基づくプロセッサ101の処理の流れ図である。
Act101においてプロセッサ101は、主記憶デバイス102内に設定する商品リストエリアをクリアする。商品リストエリアは、買上登録が済んだ商品に関する情報のリスト(以下、商品リストと称する)を記述するための記憶エリアである。
Act102においてプロセッサ101は、買上登録すべき商品の指定がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、商品の指定がなされていないためにNoと判定したならば、Act103へと進む。
Act103においてプロセッサ101は、会員IDが入力されたか否かを確認する。そしてプロセッサ101、会員IDが入力されていないためにNoと判定したならば、Act104へと進む。
Act104においてプロセッサ101は、買上登録を締めるべきであるか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、買上登録の締めを指定する操作が行われていないためにNoと判定したならば、Act102へと戻る。
かくしてプロセッサ101は、Act102〜Act104においては、商品の指定、会員IDの入力、あるいは締めを指定する操作のいずれかが行われるのを待ち受ける。
物販店の場合、ユーザは買い上げる商品を持参して会計コーナーに出向く。飲食店の場合に飲食を終えたユーザは、オーダー伝票を持参して会計コーナーに出向く。会計コーナーを担当する店員は、買い上げる商品または飲食された商品を指定するべく、I/Oインタフェース105に接続された入出力デバイスを操作する。例えば店員は、入出力デバイスの1つであるタッチパネルに表示された商品選択ボタンをタッチする。プロセッサ101は、このような操作がなされたためにAct102にてYesと判定したならば、Act105へと進む。
Act105においてプロセッサ101は、指定された商品を含むように商品リストを更新する。プロセッサ101はこののち、Act102〜Act104の待ち受け状態に戻る。なお、別のオーダー端末での商品指定に基づいて作成されたオーダーリストを商品リストとして取り込んでも良い。プロセッサ101はこののち、Act102〜Act104の待ち受け状態に戻る。
詳細な説明は省略するが、レシートサーバ30は、携帯情報端末20を使用するユーザが会員登録済みであることを周知の認証処理等により確認したならば、携帯情報端末20のタッチパネル204に会員IDを示したバーコードを表示させる。ユーザは、バーコードが表示された携帯情報端末20を、店員に提示する。店員は、POS端末10のI/Oインタフェース105に接続された入出力デバイスの1つであるハンディスキャナにバーコードを読み取らせる。
POS端末10においてプロセッサ101は、上記のようにしてハンディスキャナによりバーコードが読み取られたならば、そのバーコードから会員IDを判定する。そしてプロセッサ101はこれに応じて、Act103にてYesと判定し、Act106へと進む。
Act106においてプロセッサ101は、上記のように判定した会員IDを、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存する。そしてプロセッサ101はこののち、Act102〜Act104の待ち受け状態に戻る。このため、バーコードの読み取りが複数回行われた場合に、プロセッサ101はAct106を繰り返し実行することがある。この場合にプロセッサ101は、最後に読み取られたバーコードが表す会員IDで、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に既に保存されている会員IDを上書きする。
店員は、会計の対象となる商品の全てを指定し終えたならば、例えば入出力デバイスの1つであるタッチパネルに表示された小計ボタンをタッチする。プロセッサ101は、このような操作がなされたためにAct104にてYesと判定したならば、Act107へと進む。
Act107においてプロセッサ101は、商品リストに示された商品の提供に関わる代金の決済のための決済処理を行う。この決済処理は、既存のPOS装置などで実施している処理をそのまま利用できる。
Act108においてプロセッサ101は、会員IDが主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存されているか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、会員IDが保存されているためにYesと判定したならば、Act109へと進む。
Act109においてプロセッサ101は、図5に示すような構成のレシートデータを作成する。プロセッサ101は、作成したレシートデータを、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存する。なおプロセッサ101は、レシートデータに含まれる印刷回数を、ここでは「0」とする。
Act110においてプロセッサ101は、紙レシートを発行するか否かを確認する。具体的にはプロセッサ101は、紙レシートの発行をユーザが希望するか否かを問い合わせる画面をタッチパネルに表示する。そしてプロセッサ101は、タッチパネルでの操作により紙レシートを発行する旨の入力がなされたためにAct110にてYesと判定した場合は、Act111へと進む。プロセッサ101は、会員IDが保存されていないためにAct108にてNoと判定した場合にも、Act111へと進む。
Act111においてプロセッサ101は、I/Oインタフェース105に接続された入出力デバイスの1つであるプリンタを制御して、紙レシートを発行する。
Act112においてプロセッサ101は、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存されたレシートデータを、印刷回数を「1」とするように更新する。そしてプロセッサ101は、こののちにAct113へと進む。プロセッサ101は、タッチパネルでの操作により紙レシートを発行しない旨の入力がなされたためにAct110にてNoと判定した場合にも、Act113へと進む。なお、Act109およびAct110を省略して、Act108でYesと判定した場合にはAct113へと進むようにしても良い。
Act113においてプロセッサ101は、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存されたレシートデータをレシートサーバ30へと送信する。具体的にはプロセッサ101は、主記憶デバイス102または補助記憶デバイス103に保存されたレシートデータを含んだ伝送ファイルを生成する。そしてプロセッサ101は、上記の伝送ファイルを、通信インタフェース104からレシートサーバ30へと宛てて中継サーバ50へと送信する。そしてプロセッサ101はこののち、Act101に戻り、それ以降の処理を前述と同様にしてやり直す。中継サーバ50は、上記の伝送ファイルをレシートサーバ30へと転送する。
レシートデータを含んだ伝送ファイルがレシートサーバ30へと伝送されると、この伝送ファイルを通信インタフェース304が受信する。通信インタフェース304は、受信した伝送ファイルに含まれるレシートデータを主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存する。
図9は携帯情報端末20でのレシートクライアントアプリP21に基づくプロセッサ201の処理の流れ図である。ただし、レシートサーバ30に対してログインするための処理などの図示は省略し、ログイン完了後の処理を示している。
Act201においてプロセッサ201は、一覧表示の指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、当該指示がなされてないためにNoと判定したならば、Act202へと進む。
Act202においてプロセッサ201は、一覧表示以外の指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act201へと戻る。
かくしてプロセッサ201はAct201およびAct202においては、一覧表示の指示およびその他の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。ここでプロセッサ201は、その他の指示がユーザにより行われたためにAct202にてYesと判定したならば、その指示に応じた処理に移行する。この場合の処理についての説明は省略する。
プロセッサ201は、Act201およびAct202の待ち受け状態にあるときには、タッチパネル204の画面内に一覧表示を指示するためのボタンを表示している。ユーザは、レシートサーバ30で管理されているレシートを閲覧したい場合、当該ボタンにタッチする。プロセッサ201は、このようなタッチがタッチパネル204で検出されたためにAct201にてYesと判定したならば、Act203へと進む。
Act203においてプロセッサ201は、ユーザのユーザIDを含んだレシートデータに関する一覧データを、例えば周知の電子レシートシステムと同様にしてレシートサーバ30から取得する。このときにレシートサーバ30では、プロセッサ301が、例えば周知の処理によって携帯情報端末20へと一覧データを送信する。
なお、プロセッサ301は、レシートデータの主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303への保存および一覧データの携帯情報端末20への送信は、レシートサーバアプリP31に基づいて実行する。かくしてレシートサーバアプリP31に基づく制御処理をプロセッサ301が実行することによって、プロセッサ301を中枢部分とするコンピュータは管理ユニットとして機能する。
Act204においてプロセッサ201は、タッチパネル204における表示を、上記の一覧データに基づく一覧表示とする。
Act205においてプロセッサ201は、一覧データに示されたレシートデータのうちの1つが指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、当該指定がなされていないならばAct205を繰り返す。かくしてプロセッサ201はAct205において、レシートデータの1つが指定されるのを待ち受ける。
ユーザは、一覧表示を確認し、レシートデータの1つを指定するようにタッチパネル204にタッチする。プロセッサ201は、該当する操作がタッチパネル204で検出されたためにAct205にてYesと判定したならば、Act206へと進む。
Act206においてプロセッサ201は、指定されたレシートデータをレシートサーバ30から取得する。
Act207においてプロセッサ201は、取得したレシートデータの内容をタッチパネル204にて表示する。なおプロセッサ201は、レシートデータの内容を表示するための画面内に、印刷ボタンを含める。
Act208においてプロセッサ201は、印刷指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、印刷指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act209へと進む。
Act209においてプロセッサ201は、印刷指示以外の指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、当該指示がなされていないためにNoと判定したならば、Act208へと戻る。
かくしてプロセッサ201はAct208およびAct209においては、印刷指示およびその他の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。ここでプロセッサ201は、その他の指示がユーザにより行われたためにAct209にてYesと判定したならば、その指示に応じた処理に移行する。この場合の処理についての説明は省略する。
ユーザは、タッチパネル204での表示を確認した上で、それを紙レシートとして印刷したいと考えたならば、印刷ボタンにタッチする。プロセッサ201は、印刷ボタンへのタッチがタッチパネル204で検出されたためにAct208にてYesと判定したならば、Act210へと進む。
Act210においてプロセッサ201は、印刷処理装置40が検出されたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、印刷処理装置40が検出されていないためにNoと判定したならば、Act210を繰り返す。かくしてAct201においてプロセッサ201は、印刷処理装置40が検出されるのを待ち受ける。
ユーザは、印刷ボタンをタッチしたのち、携帯情報端末20を印刷処理装置40に近接させる。これにより無線インタフェース206と無線インタフェース407との間での無線通信が可能な状態となると、無線インタフェース206が、印刷処理装置40を検出したことをプロセッサ201に通知する。そしてプロセッサ201はこの通知を受けるとAct210にてYesと判定し、Act211へと進む。
Act211においてプロセッサ201は、会員IDと内容を表示しているレシートデータのレシートIDとを含む印刷要求データを無線インタフェース206から無線送信する。そしてプロセッサ201はこののち、Act208およびAct209の待ち受け状態に戻る。
印刷要求データが印刷処理装置40へと無線伝送されると、この印刷要求データを無線インタフェース407が受信する。無線インタフェース407は、受信した印刷要求データを主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存するとともに、その旨をプロセッサ301に通知する。
プロセッサ301はこのようにして印刷要求データが受信されたことに応じて、印刷処理アプリP41に基づく処理を開始する。
図10は印刷処理装置40での印刷処理アプリP41に基づくプロセッサ401の処理の流れ図である。
Act301においてプロセッサ401は、タッチパネル404における表示を第1のガイダンス表示とする。
図11はタッチパネル404における表示の遷移を示す図である。
図11に示す画面SC1は、第1のガイダンス表示のための画面の一例である。
画面SC1は、選択中のレシートデータに基づく紙レシートを印刷するか否かの確認をユーザに促すための文字メッセージを表す。また画面SC1は、ボタンB11,B12を表す。
ユーザは、画面SC1による表示を確認した上で、印刷を実行するならばボタンB11に、また印刷をキャンセルするならばボタンB12に、それぞれタッチする。
Act302においてプロセッサ401は、印刷の実行が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、ボタンB12へのタッチがタッチパネル404で検出されたためにAct302にてNoと判定したならば、図10に示す処理を終了する。つまり、この場合には携帯情報端末20にて選択されたレシートデータに基づく紙レシートの印刷は行われない。しかしながらプロセッサ401は、ボタンB11へのタッチがタッチパネル404で検出されたためにAct302にてYesと判定したならば、Act303へと進む。
Act303においてプロセッサ401は、印刷要求チケットをレシートサーバ30へと送信する。具体的にはプロセッサ401は、会員ID、レシートID、受付時刻および企業コードを含んだ印刷要求チケットを生成する。そしてプロセッサ401は、印刷要求チケットを含んだ伝送ファイルを生成し、この伝送ファイルを、通信インタフェース406からレシートサーバ30へと宛てて中継サーバ50へと送信する。
プロセッサ401は、無線インタフェース407により受信されて主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存された紙印刷要求に含まれた会員IDおよびレシートIDを印刷要求チケットに含める。かくしてプロセッサ401は、携帯情報端末20でのユーザ操作により指定されたレシートデータを印刷の対象として選択している。従って印刷処理アプリP41に基づく制御処理をプロセッサ401が実行することによって、プロセッサ401を中枢部分とするコンピュータは選択ユニットとして機能する。プロセッサ401は、例えば、紙印刷要求が受信された時刻、またはAct302でYesと判定した時刻を、受付時刻として印刷要求チケットに含める。プロセッサ401は、予め定められて主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存された企業コードおよび店舗コードを印刷要求チケットに含める。企業コードとしてどのようなコードを保存しておくかは、印刷処理装置40の管理者により任意に定められて良いが、印刷処理装置40が設置される施設を運営する企業に割り当てられた企業コードとすることが原則である。店舗コードとしてどのようなコードを保存しておくかは、印刷処理装置40の管理者により任意に定められて良いが、印刷処理装置40が設置される施設に割り当てられた店舗コードとすることが原則である。
中継サーバ50は、上記の伝送ファイルをレシートサーバ30へと転送する。印刷要求チケットを含んだ伝送ファイルがレシートサーバ30へと伝送されると、この伝送ファイルを通信インタフェース304が受信する。通信インタフェース304は、受信した伝送ファイルに含まれる印刷要求チケットを主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存する。これにより、印刷の対象として選択したレシートデータに基づくレシート印刷が要求される。かくして印刷処理アプリP41に基づく制御処理をプロセッサ401が実行することによって、プロセッサ401を中枢部分とするコンピュータは要求ユニットとして機能する。
プロセッサ301はこのようにして印刷要求チケットが受信されたことに応じて、印刷制御アプリP32に基づく処理を開始する。
図12および図13はレシートサーバ30での印刷制御アプリP32に基づくプロセッサ301の処理の流れ図である。
Act401においてプロセッサ301は、印刷要求チケットでの印刷要求の対象となっているレシートデータがあるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、印刷要求チケットに含まれたレシートIDで識別されるレシートデータ(以下、対象レシートデータと称する)が電子レシート領域W31に保存されているためにYesと判定したならば、Act402へと進む。
Act402においてプロセッサ301は、印刷要求チケットを送信した印刷処理装置40を運営する企業が、印刷処理装置40での紙レシートの印刷を許可しているか否かを確認する。具体的にはプロセッサ301は、条件データから、対象レシートデータに含まれる企業コードを含んだデータレコード(以下、対象レコードと称する)を抽出する。そしてプロセッサ301は、当該データレコードの印刷可否のフィールドに「許可」が記述されているためにYesと判定したならば、Act403へと進む。
Act403においてプロセッサ301は、企業チェックを行う必要があるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、対象レコードの企業チェックのフィールドの記述が「する」になっているためにYesと判定したならば、Act404へと進む。
Act404においてプロセッサ301は、印刷要求チケットに含まれた企業コードと、対象レシートデータに含まれる企業コードとが一致するか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、両企業コードが一致するためにYesと判定したならば、Act405へと進む。なおプロセッサ301は、Act403にてNoと判定したならば、Act404をパスしてAct405へと進む。
Act405においてプロセッサ301は、店舗チェックを行う必要があるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、対象レコードの店舗チェックのフィールドの記述が「する」になっているためにYesと判定したならば、Act406へと進む。
Act406においてプロセッサ301は、印刷要求チケットに含まれた店舗コードと、対象レシートデータに含まれる店舗コードとが一致するか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、両店舗コードが一致するためにYesと判定したならば、Act407へと進む。なおプロセッサ301は、Act405にてNoと判定したならば、Act406をパスしてAct407へと進む。
Act407においてプロセッサ301は、対象レシートデータの印刷に関する許容期限前であるか否かを確認する。具体的には、プロセッサ301は、対象レシートデータの明細データ中に含まれた取引日時から対象レコードの有効期間のフィールドに記述された期間が経過した日時として許容期限を求める。そしてプロセッサ301は、この許容期限よりも現在日時が前であるならばYesと判定し、Act408へと進む。
Act408においてプロセッサ301は、対象レシートデータに基づく紙レシートの印刷回数が許容回数未満であるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、対象レシートデータに含まれた印刷回数が、対象レコードの許容回数のフィールドに記述された回数未満であるためにYesと判定したならば、Act409へと進む。
Act409においてプロセッサ301は、印刷の許可を示す可否データを印刷処理装置40へと送信する。
一方でプロセッサ301は、Act401、Act402、Act404、Act406、Act407およびAct408のいずれかでNoと判定した場合には、Act410へと進む。
Act410にてプロセッサ301は、印刷の拒否を示す可否データを印刷処理装置40へと送信する。そしてプロセッサ301はこの場合は、図12に示す処理を終了する。
なおプロセッサ301は具体的には、印刷の許可および拒否のいずれを示す可否データを送信する場合でも、可否データを含んだ伝送ファイルを生成し、この伝送ファイルを、通信インタフェース304から印刷処理装置40へと宛てて中継サーバ50へと送信する。
かくして印刷制御アプリP32に基づく制御処理をプロセッサ301が実行することによって、プロセッサ301を中枢部分とするコンピュータは確認ユニットおよび許可ユニットとして機能する。
中継サーバ50は、伝送ファイルを印刷処理装置40へと転送する。可否データを含んだ伝送ファイルが印刷処理装置40へと伝送されると、この伝送ファイルを通信インタフェース406が受信する。通信インタフェース406は、受信した伝送ファイルに含まれる可否データを主記憶デバイス402または補助記憶デバイス403に保存する。
さて、印刷処理装置40においてプロセッサ401は、図10内のAct303にて前述のように印刷要求チケットを送信したのちには、Act304へと進む。
Act304においてプロセッサ401は、可否データが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、可否データが受信されていないためにNoと判定したならば、Act304を繰り返す。かくしてプロセッサ401はAct304において、可否データが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ401は、上述したようにして可否データが受信されたためにYesと判定したならば、Act305へと進む。
Act305においてプロセッサ301は、当該受信された可否データが、印刷の許可を示すか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、可否データが印刷の許可を示しているためにYesと判定したならば、Act306へと進む。
Act306においてプロセッサ401は、タッチパネル404における表示を第2のガイダンス表示とする。
図11に示す画面SC2は、第2のガイダンス表示のための画面の一例である。
画面SC2は、紙レシートを印刷可能であることをユーザに通知するとともに、印刷を実行するか否かの最終的な確認をユーザに促すための文字メッセージを表す。また画面SC2は、ボタンB21,B22を表す。
ユーザは、画面SC2による表示を確認した上で、印刷を実行するならばボタンB21に、また印刷をキャンセルするならばボタンB22に、それぞれタッチする。
Act307においてプロセッサ401は、印刷の実行が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、ボタンB21へのタッチがタッチパネル404で検出されたためにAct307にてYesと判定したならば、Act308へと進む。
Act308においてプロセッサ401は、予め定められた要求コマンドをレシートサーバ30に対して送信する。具体的にはプロセッサ401は、要求コマンドを含んだ伝送ファイルを生成し、この伝送ファイルを、通信インタフェース406からレシートサーバ30へと宛てて中継サーバ50へと送信する。
なおプロセッサ401は、ボタンB22へのタッチがタッチパネル404で検出されたためにAct307にてNoと判定したならば、Act312へと進む。
Act312においてプロセッサ401は、予め定められた中止コマンドをレシートサーバ30に対して送信する。具体的にはプロセッサ401は、中止コマンドを含んだ伝送ファイルを生成し、この伝送ファイルを、通信インタフェース406からレシートサーバ30へと宛てて中継サーバ50へと送信する。プロセッサ401はこののち、図10に示す処理を終了する。
中継サーバ50は、要求コマンドまたは中止コマンドを含んだ伝送ファイルをレシートサーバ30へと転送する。要求コマンドまたは中止コマンドを含んだ伝送ファイルがレシートサーバ30へと伝送されると、この伝送ファイルを通信インタフェース304が受信する。通信インタフェース304は、受信した伝送ファイルに含まれる要求コマンドまたは中止コマンドを主記憶デバイス302または補助記憶デバイス303に保存する。
レシートサーバ30においてプロセッサ301は、図12中のAct409にて可否データを送信したのちには、図13中のAct411へと進む。
Act411においてプロセッサ301は、要求コマンドが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、要求コマンドが受信されていないためにNoと判定したならば、Act412へと進む。
Act412においてプロセッサ301は、中止コマンドが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、中止コマンドが受信されていないためにNoと判定したならば、Act411に戻る。かくしてプロセッサ301はAct411およびAct412においては、要求コマンドおよび中止コマンドのいずれかが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ301は、中止コマンドが受信されたためにAct412にてYesと判定したならば、そのまま図12および図13に示す処理を終了する。しかしながらプロセッサ301は、要求コマンドが受信されたためにAct411にてYesと判定したならば、Act413へと進む。
Act413においてプロセッサ301は、対象レシートデータに含まれた印刷回数が1以上であるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、当該印刷回数が1以上であるためにYesと判定したならば、Act414へと進む。
Act414においてプロセッサ301は、案内印字を行う必要があるか否かを確認する。
かくしてプロセッサ301はAct413およびAct414において、印刷回数が1以上であり、かつ案内印字を行う必要があるか否かを確認する。そしてプロセッサ301は、この条件が成立しない場合、すなわちAct413またはAct414でNoと判定した場合は、Act415へと進む。
Act415においてプロセッサ301は、第1の印刷データを生成する。第1の印刷データは、対象レシートデータの明細データの内容を表す紙レシートを発行するための画像データである。プロセッサ301はこののち、Act417へと進む。
プロセッサ301は、Act413およびAct414でいずれもYesと判定したならば、Act414からAct416へと進む。
Act416においてプロセッサ301は、第2の印刷データを生成する。第2の印刷データは、対象レシートデータの明細データの内容を表すとともに、2度目以降の印刷であるために、各種証明のためには使用できないことの案内のためのメッセージなどを表した紙レシートを発行するための画像データである。プロセッサ301はこののち、Act417へと進む。
Act417においてプロセッサ301は、第1の印刷データまたは第2の印刷データを含んだ印刷指示データを印刷処理装置40に対して送信する。具体的にはプロセッサ301は、Act415を実行した場合には第1の印刷データを含み、またAct416を実行した場合には第2の印刷データを含んだ印刷指示データを生成する。そしてプロセッサ301は、この印刷指示データを含んだ伝送ファイルを生成し、この伝送ファイルを、通信インタフェース304から印刷処理装置40へと宛てて中継サーバ50へと送信する。プロセッサ301はこののち、図12および図13に示す処理を終了する。
中継サーバ50は、伝送ファイルを印刷処理装置40へと転送する。印刷指示データを含んだ伝送ファイルが印刷処理装置40へと伝送されると、この伝送ファイルを通信インタフェース406が受信する。通信インタフェース406は、受信した伝送ファイルに含まれる印刷指示データを主記憶デバイス402または補助記憶デバイス403に保存する。
さて、印刷処理装置40においてプロセッサ401は、図10内のAct308にて前述のように要求コマンドを送信したのちには、Act309へと進む。
Act309においてプロセッサ401は、印刷指示データが受信されたか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、印刷指示データが受信されていないためにNoと判定したならば、Act309を繰り返す。かくしてプロセッサ401はAct304において、印刷指示データが受信されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ401は、上述したようにして印刷指示データが受信されたためにYesと判定したならば、Act310へと進む。
Act310においてプロセッサ401は、印刷指示データに含まれた第1または第2の印刷データをプリンタ405へと送り、印刷を指示する。
プリンタ405は、第1または第2の印刷データが表すレシート画像を印刷媒体に対して印刷する。これにより、対象レシートに基づいた紙レシートが印刷される。かくして印刷処理アプリP41に基づく制御処理をプロセッサ401が実行することによって、プロセッサ401を中枢部分とするコンピュータは印刷制御ユニットとして機能する。
Act311においてプロセッサ301は、タッチパネル404における表示を第3のガイダンス表示とする。そしてプロセッサ301はこののち、図10に示す処理を終了する。
図11に示す画面SC3は、第3のガイダンス表示のための画面の一例である。
画面SC3は、紙レシートの印刷が完了したことをユーザに通知するための文字メッセージを表す。
ところでプロセッサ401は、受信された可否データが印刷の拒否を示しているためにAct305にてNoと判定したならば、Act313へと進む。
Act313においてプロセッサ401は、タッチパネル404における表示を第4のガイダンス表示とする。
図11に示す画面SC4は、第4のガイダンス表示のための画面の一例である。
画面SC4は、紙レシートを印刷することができないことをユーザに通知するための文字メッセージを表す。また画面SC4は、ボタンB31を表す。
ユーザは、画面SC4による表示を確認した上で、ボタンB31にタッチする。
Act314においてプロセッサ401は、ユーザが了解したか否かを確認する。そしてプロセッサ401は、ボタンB31へのタッチがタッチパネル404で検出されていないためにNoと判定したならば、Act314を繰り返す。従ってプロセッサ401はAct314においては、ユーザが了解するのを待ち受ける。そしてプロセッサ401は、ボタンB31へのタッチがタッチパネル404で検出されたためにAct314にてYesと判定したならば、図10に示す処理を終了する。
以上のように電子レシートシステム100では、印刷処理装置40においては、ユーザによる操作に応じて、レシートサーバ30により管理されているレシートデータに基づいて紙レシートを印刷する。ただし、条件データで定義された条件に合致しない場合には紙レシートの印刷は行わない。このため、電子レシートを発行したのちの紙レシートの発行を適切に制限できる。
また電子レシートシステム100では、条件データでは企業毎の条件を定義可能としており、紙レシートの印刷を行おうとしている印刷処理装置40を運営する企業に関して定義された条件に基づいて紙レシートの印刷を許可するか否かを決定している。従って、紙レシートの印刷に関する企業毎の方針の違いに適応できる。
また電子レシートシステム100においては、印刷処理装置40は、携帯情報端末20から送信された印刷要求データを受けて、紙レシートを印刷するための処理を行う。従って、ログインおよび印刷対象となるレシートデータの選択などのためのユーザの操作は、ユーザが所有する携帯情報端末20で行うことが可能である。この結果、1人のユーザが印刷処理装置40を占有する時間を短縮できる。また、ログインのための情報やレシートの内容などを、印刷処理装置40の周囲に居る他人から覗きみられることが防止できる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
ログインおよび印刷対象となるレシートデータの選択などのためのユーザの操作は、印刷処理装置40において受け付けるようにしても良い。
条件データは、1種類の条件のみを定義できるようにしても良い。
レシートデータを保存する記憶デバイスと、この記憶デバイスに保存されたレシートデータを管理するレシート管理装置とを別々の装置として構成しても良い。
印刷処理装置40は、プリンタ405を内蔵せず、別体のレシートプリンタに紙レシートの印刷を行わせるものとしても良い。
レシートサーバ30から印刷処理装置40へとレシートデータを送り、印刷処理装置40にて紙レシートを印刷するための画像を生成しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 印刷処理装置とともにレシート印刷システムを構成するレシート管理装置において、
商取引の内容を表すものとして生成されたレシートデータを記憶デバイスに記憶して管理する管理ユニットと、
前記印刷処理装置により要求された印刷許可の対象であるレシートデータが、印刷可能条件を満たすことを確認する確認ユニットと、
前記確認ユニットにより前記印刷可能条件を満たすことが確認されたことに応じて、前記印刷許可の対象である前記レシートデータに基づくレシート印刷を前記印刷処理装置に対して許可する許可ユニットと、
を具備したことを特徴とするレシート管理装置。
[付記2] 前記許可ユニットは、条件データによって定義された条件を前記印刷可能条件として用いる、
ことを特徴とする付記1に記載のレシート管理装置。
[付記3] 前記許可ユニットは、条件データによって定義された複数の条件のうちで、前記印刷処理装置を運営する企業に関連付けられた条件を前記印刷可能条件として用いる、ことを特徴とする付記2に記載のレシート管理装置。
[付記4] レシート管理装置と印刷処理装置とを含んだレシート印刷システムにおいて、
前記レシート管理装置に設けられ、商取引の内容を表すものとして生成されたレシートデータを記憶デバイスに記憶して管理する管理ユニットと、
前記印刷処理装置に設けられ、前記管理ユニットにより管理された前記レシートデータのうちの1つをユーザの指定に応じて選択する選択ユニットと、
前記印刷処理装置に設けられ、前記選択ユニットにより選択された前記レシートデータを対象とする印刷許可を前記レシート管理装置に対して要求する要求ユニットを、
前記レシート管理装置に設けられ、前記要求ユニットにより要求された印刷許可の対象である前記レシートデータが、印刷可能条件を満たすことを確認する確認ユニットと、
前記レシート管理装置に設けられ、前記確認ユニットにより前記印刷可能条件を満たすことが確認されたことに応じて、前記印刷許可の対象である前記レシートデータに基づくレシート印刷を前記印刷処理装置に対して許可する許可ユニットと、
前記印刷処理装置に設けられ、前記許可ユニットによりレシート印刷が許可されたことに応じて、対象である前記レシートデータに基づくレシート画像を印刷媒体へと印刷するようにプリンタを制御する印刷制御ユニットと、
を具備したことを特徴とするレシート印刷システム。
[付記5] 前記選択ユニットは、端末装置で前記ユーザにより指定されたレシートデータについてのデータを前記端末装置から取得して、当該データに示されたレシートデータを選択することを特徴とする付記4に記載のレシート印刷システム。
[付記6] 印刷処理装置とともにレシート印刷システムを構成するものであって、商取引の内容を表すものとして生成され、記憶デバイスに記憶されたレシートデータを管理するレシート管理装置を制御するコンピュータを、
前記印刷処理装置により要求された印刷許可の対象であるレシートデータが、印刷可能条件を満たすことを確認する確認ユニットと、
前記確認ユニットにより前記印刷可能条件を満たすことが確認されたことに応じて、前記印刷許可の対象である前記レシートデータに基づくレシート印刷を前記印刷処理装置に対して許可する許可ユニットと、
して機能させるための制御プログラム。