JP6360302B2 - 軸封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機器(ボイラ給水ポンプ、ボイラ循環ポンプ、熱油ポンプ等)のハウジングとこれを貫通する水平な回転軸との間に装備される軸封装置であって、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースを具備しており、このシールケースに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に液状熱媒体を給排する給排液通路を形成してある軸封装置に関するものである。
ボイラ給水ポンプ、ボイラ循環ポンプ、熱油ポンプ等の回転機器にあっては、一般に、ハウジングとこれを貫通する回転軸との間に軸封装置を配設すると共に、ハウジングに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成して、この熱交換室に冷却水や温水等の液状熱媒体を循環供給させることにより、機内領域の流体を冷却或いは保温することが行われている(例えば、特許文献1の図1、図3又は図5を参照)。
しかし、回転機器のハウジングは一般に鋳造物であることから、これに中空環状の熱交換室を形成しておくことは、鋳造物に巣ができることが多く、歩留まりも悪くなる。
そこで、従来からも、回転機器のハウジングには熱交換室を形成せず、ハウジングに取り付けられる軸封装置のシールケースに熱交換室を形成しておくことが提案されている。すなわち、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースに、回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に冷却水等の液状熱媒体を給排する給排液通路を形成して、熱交換室に液状熱媒体を循環供給させるようにする(例えば、特許文献2の図1、図7又は図8を参照)。
特開2010−216491公報 特開2013−007477公報
しかし、回転機器の構造や軸封装置以外の付属物の存在によってシールケースの外周面における配管の接続箇所は自由に決定することができない場合があり、シールケースにおける給排液通路の形成位置が制限されることが多い。
したがって、給液通路については特に問題はないが、排液通路を熱交換室における最上位部分以外の部分に接続するような位置に形成せざるを得ないような場合、熱交換室に液状熱媒体が充満せず、熱交換室に循環供給される液状熱媒体による熱交換が十分に行われず、熱交換の効率が悪くなるといった問題が生じる。すなわち、給液通路から熱交換室に供給された液状熱媒体は排液通路から排出されるが、例えば、図9に示す如く、給排液通路給172,173をシールケース103の上下方向において回転軸102の近傍に形成せざるを得ない場合、排液通路173が熱交換室171の最上位部分以外の部分に接続されていることから、熱交換室171における排液通路173に連通されている部分(排液口)より上方は気相領域(エア溜まり)となり、熱交換室171における排液口より下方領域にのみ液状熱媒体107aが循環供給されることになって、熱交換の効率が甚だ悪くなる。
本発明は、このような問題を解決して、シールケースにおける給排液通路の形成位置が制限されており、排液通路を熱交換室の最上部分に連通接続させ得ない位置に形成せざるを得ない場合においても、熱交換室に液状熱媒体を充満させ得て熱交換を効率良く行うことができる軸封装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、回転機器のハウジングとこれを貫通する水平な回転軸との間に装備される軸封装置であって、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースを具備しており、このシールケースに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に液状熱媒体を給排する給排液通路を形成してある軸封装置において、上記の目的を達成すべく、特に、シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室の最上位部分と排液通路とを連通接続する排液室を熱交換室に隣接して形成しておくことを提案する。
当該軸封装置にあっては、シールケースがその先端部分をハウジング内に突入させた状態でハウジングに取り付けられており、熱交換室が当該先端部分に形成されていると共に排液通路の下流端部及び給液通路の上流端部がハウジング外に露出するシールケース部分に開口されていることが好ましい。
また、当該軸封装置にあっては、シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室と給液通路とを連通接続する給液室を熱交換室に隣接して形成しておくことができる。この場合において、シールケースに熱交換室に隣接して熱交換室の外周部に沿って環状に延びる中空室を形成し、この中空室を排液室と給液室とに区画しておくことが好ましい。
また、当該軸封装置にあっては、排液室を、排液通路に連通されると共に熱交換室の最上位部分に連通された状態で熱交換室の外周部に沿って円弧状に延びる中空室で構成し、給液室を設けることなく、給液通路を熱交換室に直接に連通接続させておくこともできる。
また、本発明は、排液通路及び給液通路がシールケースの上下方向において回転軸の近傍位置又は回転軸より下方に配置されている軸封装置において好適に適用される。また、本発明の軸封装置は、シールケースに設けられた静止密封環と回転軸に設けられた回転密封環との相対回転作用によりシール機能を発揮するメカニカルシールであることが好ましい。
本発明の軸封装置によれば、排液通路を熱交換室の最上位部分に接続できないような位置に形成せざるを得ない場合にも、排液通路を排液室を介して熱交換室の最上位部分に連通接続させておくことができ、冷却水等の液状熱媒体を熱交換室に満杯とした状態で循環供給させることができ、熱交換室の液状熱媒体による熱交換を効率よく行うことができる。
図1は本発明に係る軸封装置の一例を示す断面図(断面は図3のI−I線に沿う)である。 図2は図1と異なる断面を示す当該軸封装置の断面図(断面は図3のII−II線に沿う)である。 図3は図1のIII −III 線に沿う断面図である。 図4は図1のIV−IV線線に沿う断面図である。 図5は本発明に係る軸封装置の変形例を示す断面図(断面は図7のV−V線に沿う)である。 図6は図5と異なる断面を示す当該軸封装置の断面図(断面は図7のVI−VI線に沿う)である。 図7は図5のVII − VII線に沿う断面図である。 図8は図5のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図9は従来装置の図4対応の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る軸封装置の一例を示す断面図(断面は図3のI−I線に沿う)であり、図2は図1と異なる断面を示す当該軸封装置の断面図(断面は図3のII−II線に沿う)であり、図3は図1のIII −III 線に沿う断面図であり、図4は図1のIV−IV線に沿う断面図である。なお、以下の説明において、上下とは図1、図3及び図4における上下を意味するものとする。
図1及び図2に示す軸封装置は、回転機器(ボイラ給水ポンプ、ボイラ循環ポンプ、熱油ポンプ等)のハウジング(以下「機器ハウジング」という)1とこれを貫通して機器外に突出する水平な回転軸2との間に組み込まれたメカニカルシールであり、ハウジング1に取り付けられたシールケース3と、シールケース3に固定された静止密封環4と、回転軸2に軸線方向(前後方向)に移動可能に保持された回転密封環5と、回転密封環5を静止密封環4へと押圧附勢するスプリング部材6と、熱交換手段7と、フラッシング手段8及びクエンチング手段9とを具備して、両密封環4,5の対向端面である密封端面4a,5aの相対回転摺接作用により当該相対回転摺接部分4a,5aの外周側領域である機内領域Aとその内周側領域である機外領域Bとの間を遮蔽シールするように構成された端面接触形メカニカルシールである。この例では、機内領域Aの流体(被密封流体)は正圧の液体であり、機外領域Bの流体(非密封流体)は大気である。なお、以下の説明において、前後とは図1における左右を意味するものとする。
シールケース3は、図1及び図2に示す如く、回転軸2と同心状をなして機器ハウジング1に取り付けられた金属製(ステンレス鋼等)の円筒状構造物であり、円筒状のケース本体31と、ケース本体31の機外領域B側端部(前端部)に図示しないボルトで固着された円環状の密封環保持体32と、ケース本体31の内周部から機器ハウジング1の内周部に近接して機内領域A方向に延びる円筒状の接続壁体33と、接続壁体33の外周部から回転軸2方向(下方)へ延びる円環状の内側壁体34と、内側壁体34の内周部から回転軸2に近接して機内領域A方向(後方)に延びる内周壁体35と、内側壁体34の外周部から機器ハウジング1の内周部に近接して機内領域A方向(後方)に延びる円筒状の外周壁体36と、内外周壁体35,36の先端部(後端部)間を連結する円環状の外側壁体37とからなる。ケース本体31、接続壁体33、内側壁体34及び内周壁体35と外周壁体36及び外側壁体37とは、夫々、一体構造物とされており、外周壁体36及び外側壁体37を内側壁体34及び内周壁体35に溶着38a,38bさせることにより一体化されている。
シールケース3は、ケース本体31及び密封環保持体32に機器ハウジング1に突設された複数のネジ軸39aを挿通させると共に各ネジ軸39aの先端部に螺合させたナット39bを締め付けることにより、先端部分33,34,35,36,37を機器ハウジング1の内周部に嵌合させると共にケース本体31を機器ハウジング1の機外領域B側端部(前端部)に衝合させた状態で、機器ハウジング1に取り付けられている。
静止密封環4は、図1及び図2に示す如く、先端面(後端面)を軸線に直交する平滑な環状平面をなす密封端面(静止側密封端面)4aに構成した一体成形物であり、シールケース3の密封環保持体32の内周部にOリング41及びドライブピン42を介して嵌合固定されている。静止密封環4は、一般に、カーボンや炭化ケイ素等のセラミックス等で構成されるが、この例ではカーボンで構成されている。
回転密封環5は、図1及び図2に示す如く、静止密封環4の機内領域A側に配して回転軸2に保持された円環状体である。回転密封環5は、先端面(前端面)を軸線に直交する密封端面(回転側密封端面)5aに構成した密封環本体51とこれを先端部に嵌合固着した密封環保持体52とその基端部(後端部)にドライブピン53を介して衝合連結されたスプリング受板54とからなり、密封環保持体52を回転軸2に挿通固定したスリーブ21にOリング55を介して嵌合保持させることにより、回転軸2に軸線方向移動可能に保持されている。密封環本体51は、一般に静止密封環4の構成材(カーボン)より硬質のセラミックスや超硬合金等(炭化ケイ素,タングステンカーバイド等)で構成されるが、この例では炭化珪素で構成されている。密封環保持体52及びスプリング受板54は金属製のもので、この例では密封環保持体52をチタンで、またスプリング受板54をステンレス鋼で構成してある。
スリーブ21は、図1に示す如く、金属製(ステンレス鋼等)の円筒体であり、先端部(前端部)がシールケース3の密封環保持体32から機外領域B側に突出する状態且つ基端部(後端部)がシールケース3の接続壁体33内に位置する状態で、当該先端部に嵌合固定した固定環22に螺合させたセットスクリュー23を回転軸2に締め付けることにより、回転軸2に固定されている。なお、固定環22は、セットスクリュー24をスリーブ21に締め付けることにより、スリーブ21に固定されている。
スプリング部材6は、図2に示す如く、回転密封環5のスプリング受体54とスリーブ21の基端部にセットスクリュー61により嵌合固定された円環状のスプリングリテーナ62との間に周方向に等間隔を隔てて介装された複数個のコイルスプリング6aで構成されており、回転側密封端面5aを静止側密封端面4aへと押圧接触させるべく回転密封環5を静止密封環方向に附勢するものである。なお、スプリングリテーナ62には、図1に示す如く、スプリング受体54に突設したドライブピン56が挿通係合されていて、回転密封環5の回転軸2ないしスリーブ21に対する相対回転を阻止するようになっている。
熱交換手段7は、図2及び図4に示す如く、シールケース3の先端部分に回転軸2と同心をなして回転軸2を囲繞する中空環状の熱交換室71を形成し、この熱交換室71にシールケース3に形成した給排液通路72,73により液状熱媒体7aを循環供給することにより機内領域Aの流体(被密封流体)との熱交換を行うように構成されている。この例では、液状熱媒体7aとして冷却水を使用し、熱交換室71内の冷却水7aとの熱交換により被密封流体を冷却するようになっている。
熱交換室71は、図1及び図2に示す如く、シールケース3の内外側壁体34、37及び内外周壁体35,36によって囲繞形成されている。
給液通路72及び排液通路73は、当該回転機器の構造及び付属物の存在に応じてシールケース3の適宜位置に形成されるが、この例では、図3及び図4に示す如く、鉛直方向において回転軸2と略同一位置に配して、シールケース3に形成されている。給排液通路72,73は、図2に示す如く、同一形状をなすもので、給液通路72の上流側部分72a及び排液通路73の下流側部分73aはシールケース3のケース本体31に形成されており、給液通路72の下流側部分72b及び排液通路73の上流側部分73bはシールケース3の接続壁体33及び内側壁体34に形成されている。給液通路72の上流側部分72a及び排液通路73の下流側部分73aは、機器ハウジング1外に露出するシールケース3のケース本体31の外周面に開口されていて、その開口部には冷却水の給液ライン74及び排液ライン75が接続されている。すなわち、給液通路72には冷却水循環装置(図示せず)により給液ライン74から冷却水7aが供給され、排液通路73から排液ライン75を経て当該冷却水循環装置に冷却水7aが返戻されるようになっている。
而して、給液通路72の下流側部分72b及び排液通路73の上流側部分73bは、夫々、熱交換室71に隣接してシールケース3に形成された給液室76a及び排液室76bを介して熱交換室71に連通接続されている。
すなわち、シールケース3の内側壁体34には、図1及び図2に示す如く、その先端面(前端面)に熱交換室71の外周部に沿って形成された環状凹溝を当該先端面に衝合させた金属製の円環状の仕切板77で閉塞することによって、熱交換室71と仕切板77で仕切られた環状の中空室76が形成されている。なお、仕切板77はその外周部を内側壁体34及び内周壁体36に溶着38c,38dすることにより内側壁体34に密着固定されて、熱交換室71と中空室76とを区画している。
中空室76内は、図3及び図4に示す如く、1対のブロック状の堰78,79により給液室76aと排液室76bとに区画されている。給液室76aは、給液通路72の下流側部分72bが連通接続されると共に仕切板77に穿設した給液孔77aを介して熱交換室71に連通接続されている。排液室76bは、排液通路73の上流側部分73bが連通接続されると共に仕切板77に穿設した排液孔77bを介して熱交換室71に連通接続されている。排液孔77bは、図3及び図4に示す如く、熱交換室71の最上位に位置しており、排液室76bにより排液通路73の上流側部分73bと熱交換室71の最上位部分とが連通接続されている。給液孔77aは、給液室76aと熱交換室71とを連通するものであればよく、その位置は限定されないが、この例では、図3及び図4に示す如く、排液通路73の上流側部分73bの連通接続箇所の近傍位置において仕切壁77に穿設してある。なお、給排液室76a,76bの容量は、給排室76a,76bを流動する冷却水7aの流量が給液通路72の下流側部分72b及び排液通路73の上流側部分73bを流動する冷却水7aの流量と同一となるように設定されており、熱交換室71の容量に比して極めて小さいものとされている。
フラッシング手段8は、図1に示す如く、シールケース3のケース本体31とその内周部に嵌合する密封環保持体32の後端突出部分32aとの間に回転軸2を囲繞する中空環状のヘッダ室81を形成すると共に、当該後端突出部分32aにヘッダ室81と機内領域Aにおける密封端面4a,5aの外周側領域部分とを連通する複数の噴出孔82を周方向に等間隔を隔てて形成し、ケース本体31の下部にヘッダ室81に連通する給液通路83を形成して、給液通路83からヘッダ室81に供給されたフラッシング液(水等)8aを噴出孔82から密封端面4a,5aに向けて噴出させることにより、密封端面4a,5aないし密封環4,5を冷却するように構成されている。なお、冷却後のフラッシング液8aは、図1に示す如く、シールケース3のケース本体3の上部に形成された排液通路84からシールケース3外に排出される。
クエンチング手段9は、図2に示す如く、シールケース3の密封環保持体32の前端内周部にスリーブ21に近接するシールリング91に嵌合固定して、密封環4,5とスリーブ21との対向周面間の機外領域B部分である洗浄領域92をシールケース3外の機外領域B部分と区画し、シールケース3の密封環保持体32に形成した給液通路93から洗浄領域92にクエンチング液(水等)9aを供給することにより密封端面4a,5aから漏洩した残渣を洗浄するように構成されている。なお、洗浄後のクエンチング液9a及び残渣は、図1に示す如く、シールケース3の密封環保持体32の下部に形成されたドレン通路94からシールケース3外に排出される。
以上のように構成されたメカニカルシールにあっては、冷却水7aが給液通路72から給液室76aを介して熱交換室71に供給され、熱交換室71に供給された冷却水7aが排液室76bを経て排液通路73からシールケース3外に排出された後、給液通路72から熱交換室71に循環される。
このとき、排液通路73は熱交換室71の最上位部分に接続できない位置に形成されているが、排液通路73は排液室76bを介して熱交換室71の最上位部分に連通接続されているから、つまり排液通路73に接続された排液室76bが排液孔77bにより熱交換室71の最上位部分に連通されているから、給液通路72ら給液室76aを介して熱交換室71に供給された冷却水7aは熱交換室71の最上位部分の排液孔77bから排液室76bを介して排液通路73へと排出されることになる。すなわち、排液通路73が熱交換室71の最上位部分に接続できない位置に形成されているにも拘らず、熱交換室71に貯留される冷却水7aの水面は常に排液孔77bの位置つまり熱交換室71の最上位の位置に保持されることになり、熱交換室71においては満水状態で冷却水7aが循環供給されることになる。したがって、熱交換室71に冷却水7aを循環供給させることにより、熱交換(冷却)が極めて効果的に行われる。かかる効果は、排液通路73及び給液通路72をシールケースの上下方向において回転軸2の近傍位置又は回転軸2より下方に配置せざるを得ない場合において、特に顕著に発揮される。
ところで、上記したメカニカルシールは、機器ハウジング1に取り付けられる静止側密封要素10A(シールケース3及び静止密封環4等)と回転軸2に取り付けられる回転側密封要素10B(スリーブ21及び回転密封環5等)とを、図2に示す如く、複数個の板状のセット爪(一個のみ図示)10aをボルト10bによりシールケース3の密封環保持体32の先端面(前端面)に取り付けると共にスリーブ21に形成した環状溝21aに係合させることにより、メカニカルシールの使用形態(図1に示す運転状態における形態)と同一の形態に一時的に連結させておくことができるカートリッジ型のものに構成されている。
かかるカートリッジ形のメカニカルシールは、セット爪10aにより両密封要素10A,10Bをメカニカルシール使用形態に組み立てた状態で機器ハウジング1と回転軸2との間に組み込むことができ、両密封要素10A,10Bの各構成部材を各別に組み込む場合に比して、未熟練者であっても組み込み不良を生じることなく、容易に且つ適正にメカニカルシールの組み立てを行うことができる。
なお、本発明の構成は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良、変更することができる。
すなわち、冷却水7aを熱交換室71に満水状態で循環供給させるためには、熱交換室71の最上位部分を排液通路73に連通接続させるための排液室76bを形成しておけばよく、給液通路72から熱交換室71への冷却水7aの供給箇所は任意に設定することができる。したがって、図5〜図8に示す如く、排液通路73と熱交換器71の最上位部分(排液孔)77bとを連通接続する排液室76bのみを設けて、給液室76aはこれを設けず、給液通路72を熱交換室71に直接に接続しておくことができる。この場合、排液室76は、例えば、図5〜図8に示す如く、シールケース3の内側壁体34に熱交換室71の外周部に沿って円弧状に延びる凹溝を形成して、この凹溝を金属製の扇形の仕切板77で閉塞することによって構成される。なお、図5〜図8に示す端面接触形メカニカルシールにあっては、上記した点を除いて、図1〜図4に示す端面接触形メカニカルシールと同一構成をなすものであるから、同一構成部分については図5〜図8において図1〜図4と同一符号を付することによって、それらの説明は省略する。
また、本発明は、上記した端面接触形メカニカルシールに限定されるものではなく、シールケース3に冷却水、熱油等の液状熱媒体を循環供給させる熱交換室71が形成されており、排液通路73を熱交換室71の最上位部分に接続できる位置に形成しておくことができない他の形式のメカニカルシールを含むあらゆる形式、構造の軸封装置に適用することができる。
1 ハウジング(機器ハウジング)
2 回転軸
3 シールケース3
4 静止密封環
4a 密封端面(静止側密封端面)
5 回転密封環
5a 密封端面(回転側密封端面)
6 スプリング部材
6a コイルスプリング
7 熱交換手段
7a 液状熱媒体(冷却水)
8 フラッシング手段
8a フラッシング液
9 クエンチング手段
9a クエンチング液
10A 静止側密封要素
10a セット爪
10B 回転側密封要素
10b ボルト
21 スリーブ
21a 環状溝
22 固定環
23 セットスクリュー
24 セットスクリュー
31 ケース本体
32 密封環保持体
32a 密封環保持体の後端突出部分
33 接続壁体
34 内側壁体
35 内周壁体
36 外周壁体
37 外側壁体
39a ネジ軸
39b ナット
41 Oリング
42 ドライブピン
51 密封環本体
52 密封環保持体
53 ドライブピン
54 スプリング受板
55 Oリング
56 ドライブピン
61 セットスクリュー
62 スプリングリテーナ
71 熱交換室
72 給液通路
72a 給液通路の上流側部分
72b 給液通路の下流側部分
73 排液通路
73a 排液通路の下流側部分
73b 排液通路の上流側部分
74 給液ライン
75 排液ライン
76 中空室
76a 給液室
76b 排液室
77 仕切板
77a 給液孔
77b 排液孔
78 堰
79 堰
81 ヘッダ室
82 噴出孔
83 給液通路
84 排液通路
91 シールリング
92 洗浄領域
93 給液通路
94 ドレン通路
A 機内領域
B 機外領域

Claims (8)

  1. 回転機器のハウジングとこれを貫通する水平な回転軸との間に装備される軸封装置であって、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースを具備しており、このシールケースに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に液状熱媒体を給排する給排液通路を形成してある軸封装置において、
    シールケースがその先端部分をハウジング内に突入させた状態でハウジングに取り付けられており、熱交換室が当該先端部分に形成されていると共に排液通路の下流端部及び給液通路の上流端部がハウジング外に露出するシールケース部分に開口されており、
    シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室の最上位部分と排液通路とを連通接続する排液室を熱交換室に隣接して形成して、給液通路から熱交換室に供給された液状熱媒体を熱交換室の最上位部分から排液室を介して排液通路へと排出することを特徴とする軸封装置。
  2. シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室と給液通路とを連通接続する給液室を熱交換室に隣接して形成してあることを特徴とする、請求項1に記載する軸封装置。
  3. シールケースに熱交換室に隣接して熱交換室の外周部に沿って環状に延びる中空室を形成し、この中空室を排液室と給液室とに区画してあることを特徴とする、請求項2に記載する軸封装置。
  4. 排液室が、排液通路に連通されると共に熱交換室の最上位部分に連通された状態で熱交換室の外周部に沿って円弧状に延びる中空室で構成されており、給液通路が熱交換室に連通接続されていることを特徴とする、請求項1に記載する軸封装置。
  5. 回転機器のハウジングとこれを貫通する水平な回転軸との間に装備される軸封装置であって、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースを具備しており、このシールケースに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に液状熱媒体を給排する給排液通路を形成してある軸封装置において、
    シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室と給液通路とを連通接続する給液室を熱交換室に隣接して形成すると共に熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室の最上位部分と排液通路とを連通接続する排液室を熱交換室に隣接して形成してあり、
    シールケースに熱交換室に隣接して熱交換室の外周部に沿って環状に延びる中空室を形成して、この中空室を排液室と給液室とに区画してあり、
    給液通路から熱交換室に供給された液状熱媒体を熱交換室の最上位部分から排液室を介して排液通路へと排出することを特徴とする軸封装置。
  6. 回転機器のハウジングとこれを貫通する水平な回転軸との間に装備される軸封装置であって、ハウジングに回転軸が同心状に洞貫する状態で取り付けられたシールケースを具備しており、このシールケースに回転軸を囲繞する中空環状の熱交換室を形成すると共に熱交換室に液状熱媒体を給排する給排液通路を形成してある軸封装置において、
    シールケースに、熱交換室より小容量の中空室であって熱交換室の最上位部分と排液通路とを連通接続する排液室を熱交換室に隣接して形成してあり、
    排液室が、排液通路に連通されると共に熱交換室の最上位部分に連通された状態で熱交換室の外周部に沿って円弧状に延びる中空室で構成されており、給液通路が熱交換室に連通接続されており、
    給液通路から熱交換室に供給された液状熱媒体を熱交換室の最上位部分から排液室を介して排液通路へと排出することを特徴とする軸封装置。
  7. 排液通路及び給液通路がシールケースの上下方向において回転軸の近傍位置又は回転軸より下方に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載する軸封装置。
  8. シールケースに設けられた静止密封環と回転軸に設けられた回転密封環との相対回転作用によりシール機能を発揮するメカニカルシールであることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載する軸封装置。
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