JP6359970B2 - 植物の不定胚誘導方法、植物の再生方法及び植物の増殖方法 - Google Patents

植物の不定胚誘導方法、植物の再生方法及び植物の増殖方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物の不定胚誘導方法、植物の再生方法、及び植物の増殖方法に関する。
現在、工業用ゴム製品に用いられている天然ゴム(ポリイソプレノイドの1種)は、トウダイグサ科のパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)や桑科植物のインドゴムノキ(Ficus elastica)などのゴム産生植物を栽培し、その植物体が有する乳管細胞で天然ゴムを生合成させ、該天然ゴムを植物から手作業により採取することにより得られる。
現状、工業用天然ゴムは、パラゴムノキをほぼ唯一の採取源としている。またゴム製品の主原料として、様々な用途において幅広くかつ大量に用いられている。しかしながら、パラゴムノキは東南アジアや南米などの限られた地域でのみ生育可能な植物である。更に、パラゴムノキは、植樹からゴムの採取が可能な成木になるまでに7年程度を要し、また、採取出来る季節が限られる場合もある。また、成木から天然ゴムを採取できる期間は20〜30年に限られる。
今後、開発途上国を中心に天然ゴムの需要の増大が見込まれており、上述の理由によりパラゴムノキによる天然ゴムの大幅な増産は困難である。そのため、天然ゴム資源の枯渇が懸念されており、パラゴムノキの成木以外の安定的な天然ゴムの供給源や、パラゴムノキでの収率の向上が望まれている。
このような状況下、パラゴムノキ以外の天然ゴムの供給源の探索が盛んに行われている。パラゴムノキ以外にもイソプレノイドを生産している植物が2000種以上存在することが知られており、特にグアユーレやロシアンタンポポなどが新たな天然ゴムの供給源として検討されている。また、キク科に属する植物のなかでもイソプレノイドを生産する植物が存在することが知られており、日本に広く自生するノゲシもその一つである。
新たな天然ゴムの供給源として、これらの植物を利用する場合、多量の天然ゴムを生産するためには、当該植物を大量に増殖させる必要が生じることが予想される。植物を大量に増殖させる方法としては、種子から植物を栽培する方法、挿し木により植物を増殖させる方法等が挙げられるが、これらの方法では、天候や季節等に影響されやすいため、安定的に植物を増殖できないおそれがある。
一方で、パラゴムノキによる天然ゴムの増産を図る動きも見られる。パラゴムノキは、播種により実生苗を育成させ成長させた後台木とし、クリーン苗から得た芽を台木に継ぎ芽する事で苗を増殖させる。クローン苗から得られる芽には限りがあるため、優良品種を普及させるには、優良品種のクリーン苗を大量増殖させる必要がある。
また従来のクリーン増殖技術である接ぎ木は、元の木がもつ病気を一緒に継いでしまう可能性があり、罹病した苗を増殖させる可能性がある。従って、安定的に植物を増殖できる方法が望まれている。
一方、植物におけるイソプレノイドの生産量を増大させるためには、例えば、耐ストレス性の向上や、植物中に蓄積されるイソプレノイド量の増大を目的として、植物を改良する方法が考えられる。植物の改良方法としては、人工交配や突然変異を利用する方法も考えられるが、所望する性質を効率的に付与することが難しく、その実現性は低いものと考えられる。そのため、植物の改良には、植物細胞に標的遺伝子を導入し、所望する性質を付与するという細胞工学的手法が利用されることになると考えられる。
細胞工学的手法を利用する場合、標的遺伝子を導入した植物細胞を植物体へ再分化させる必要がある。すなわち、植物細胞(例えば、カルス)から植物を再生する必要がある。しかしながら、従来から、植物において、種々の組織培養の検討が行われているものの、イソプレノイドを生産する植物のカルスから植物を再生する方法を検討した例はほとんどなく、カルスを安定的に植物に再生することは困難であった。
本発明は、前記課題を解決し、カルスを安定的に植物に再生できる植物の再生方法、及び天候や季節等に影響されずに安定的に植物を増殖できる植物の増殖方法を提供することを目的とする。また、植物の不定胚誘導方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、カルスから不定胚を誘導することにより、その後、安定的にシュートが形成され、形成されたシュートが伸長し、発根させることができることを見出した。すなわち、カルスから不定胚を誘導することにより、カルスを安定的に植物に再生できること、更には、安定的に植物の増殖が可能であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の再生方法に関する。
上記再生方法においては、不定胚を誘導した後に、シュートを形成させることが好ましい。
上記再生方法が、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、シュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことが好ましい。
上記再生方法が、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、形成されたシュートを伸長培地で培養することにより伸長させる伸長工程と、伸長させたシュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことが好ましい。
上記再生方法において、特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合には、上記伸長培地及び上記発根培地が、植物生長ホルモンを含まない培地であることも好ましい一形態である。
上記再生方法において、上記植物がイソプレノイド産生植物であることが好ましく、キク科に属する植物又はトウダイグサ科に属する植物であることがより好ましく、Sonchus属に属する植物又はHevea属に属する植物であることが更に好ましく、ノゲシ又はパラゴムノキであることが特に好ましい。
本発明は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の増殖方法に関する。
上記増殖方法が、植物の組織片からカルスを誘導する工程を含むことが好ましい。
上記増殖方法においては、不定胚を誘導した後に、シュートを形成させることが好ましい。
上記増殖方法が、植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、シュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことが好ましい。
上記増殖方法が、植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、形成されたシュートを伸長培地で培養することにより伸長させる伸長工程と、伸長させたシュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことが好ましい。
上記増殖方法において、特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合には、上記伸長培地及び上記発根培地が、植物生長ホルモンを含まない培地でも好ましい一形態である。
上記増殖方法において、上記植物がイソプレノイド産生植物であることが好ましく、キク科に属する植物又はトウダイグサ科に属する植物であることがより好ましく、Sonchus属に属する植物又はHevea属に属する植物であることが更に好ましく、ノゲシ又はパラゴムノキであることが特に好ましい。
本発明は、植物生長ホルモン及び炭素源を含む培地中でカルスを培養することにより不定胚を誘導する不定胚誘導方法に関する。
上記不定胚誘導方法においては、培地中の固形化剤の濃度が0.1〜2質量%、オーキシン系植物ホルモンの濃度が1×10−3〜15mg/l、サイトカイニン系植物ホルモンの濃度が1×10−3〜15mg/l、スクロースの濃度が1〜5質量%であり、培養温度が0〜40℃であることが好ましい。
本発明の植物の再生方法は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の再生方法であるので、カルスを安定的に植物に再生できる。また、本発明の植物の増殖方法は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の増殖方法であるので、制御された環境下で組織培養を行うことにより、天候や季節等に影響されずに安定的に植物を増殖できる。また、本発明の不定胚誘導方法は、植物生長ホルモン及び炭素源を含む培地中でカルスを培養することにより不定胚を誘導する方法であるので、好適に不定胚を誘導できる。
ノゲシにおける不定胚の形成、シュートの形成、シュートの伸長、及び発根の様子を示す写真である。
本発明の不定胚誘導方法は、植物生長ホルモン及び炭素源を含む培地中でカルスを培養することにより不定胚を誘導する方法であり、該方法によりカルスから不定胚を誘導できる(図1(a)参照)。
本発明の植物の再生方法は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の再生方法である。上述のように、カルスから不定胚を誘導し(図1(a)参照)、不定胚を培養することにより、安定的にシュートが形成され(図1(b)参照)、形成されたシュートが伸長し(図1(c)参照)、発根させる(図1(d)参照)ことができ、カルスを安定的に植物に再生できる。
また、本発明の植物の増殖方法は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の増殖方法である。本発明の植物の増殖方法は、上述の本発明の植物の再生方法を利用した植物の増殖方法であるので、安定的に植物の増殖が可能であり、制御された環境下で組織培養を行うことにより、天候や季節等に影響されずに安定的に植物を増殖できる。具体的には、植物の葉や茎など大量に入手可能な植物の組織片からカルスを誘導し、本発明の植物の再生方法を利用してカルスを植物に再生することにより、安定的かつ大量に植物を増殖させることが可能である。
また、再生された植物は、カルスの状態で維持(継代培養)する場合よりも変異が起こりにくく、安定的に植物を供給することができる。また、再生された植物は、土壌中で生育させることができるため、カルス等の植物細胞と異なり、細胞を維持するために高価な植物成長調整物質を必要としないため、コストを抑制できる。
本発明において、カルスとは、分化していない状態の植物細胞又は分化していない状態の植物細胞塊を意味する。また、本発明において、不定胚とは、カルスから誘導された胚様の組織を意味する。また、本発明において、シュートとは、葉や幼植物を意味する。
本発明の方法(植物の再生方法、植物の増殖方法)が適用できる植物は、特に限定されないが、天然ゴムの供給源となり得るという理由から、イソプレノイド産生植物が好ましい。
イソプレノイド産生植物としては、イソプレノイドを産生可能な植物であれば特に限定されず、例えば、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のHevea属;ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ハチジョウナ(Sonchus brachyotus)、タイワンハチジョウナ(Sonchus arvensis)等のSonchus属;セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica)、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa)、キリガミネアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa f. paludosa)、オオアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. gigantea)、オオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait. var. leiophylla Fernald)等のSolidago属;ヒマワリ(Helianthus annuus)、シロタエヒマワリ(Helianthus argophyllus)、ヘリアンサス・アトロルベンス(Helianthus atrorubens)、ヒメヒマワリ(Helianthus debilis)、コヒマワリ(Helianthus decapetalus)、ジャイアントサンフラワー(Helianthus giganteus)等のHelianthus属;タンポポ(Taraxacum)、エゾタンポポ(Taraxacum venustum H.Koidz)、シナノタンポポ(Taraxacum hondoense Nakai)、カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonicum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)、ロシアンタンポポ(Taraxacum koksaghyz)等のTaraxacum属;イチジク(Ficus carica)、インドゴムノキ(Ficus elastica)、オオイタビ(Ficus pumila L.)、イヌビワ(Ficus erecta Thumb.)、ホソバムクイヌビワ(Ficus ampelas Burm.f.)、コウトウイヌビワ(Ficus benguetensis Merr.)、ムクイヌビワ(Ficus irisana Elm.)、ガジュマル(Ficus microcarpa L.f.)、オオバイヌビワ(Ficus septica Burm.f.)、ベンガルボダイジュ(Ficus benghalensis)等のFicus属;グアユール(Parhenium argentatum)、レタス(Lactuca serriola)等が挙げられる。なかでも、Sonchus属、Solidago属、Helianthus属、Taraxacum属に属する植物等のキク科(Asteraceae)に属する植物、Hevea属に属する植物等のトウダイグサ科(Euphorbiaceae)に属する植物であることが好ましく、Sonchus属に属する植物、Hevea属に属する植物であることがより好ましく、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)であることが更に好ましい。
パラゴムノキはその生育可能な地域が東南アジアや南米に限定されるが、ノゲシはヨーロッパ諸国や日本などのアジアなど、世界各地で自生しており、生産地域を限定することなく、広範囲での栽培が可能である。さらに、パラゴムノキは植樹からゴムの採取まで約7年を要するが、ノゲシは一年草であることから、生育もより早い点で有利である。
以下において、本発明の植物の増殖方法について具体的に説明する。なお、本発明の植物の増殖方法は、基本的に本発明の不定胚誘導方法、本発明の植物の再生方法を利用した植物の増殖方法であるので、本発明の植物の増殖方法を説明することにより、本発明の不定胚誘導方法、本発明の植物の再生方法についても説明したこととなる。
本発明の植物の増殖方法は、カルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の増殖方法である。具体的には、カルスから不定胚を誘導し、該不定胚を培養することにより、カルスを植物に再生し、植物の増殖を行えばよい。更に具体的には、カルスから不定胚を誘導し、該不定胚を培養することにより、シュートを形成させ、該シュートを培養することにより、カルスを植物に再生し、植物の増殖を行えばよい。
カルスとしては、安定的にカルスを得ることができるという理由から、植物の組織片からカルスを誘導し、誘導したカルスを使用することが好ましい。すなわち、本発明の植物の増殖方法は、植物の組織片からカルスを誘導する工程と、カルスから不定胚を誘導する工程とを含むことが好ましい。
具体的には、本発明の植物の増殖方法は、植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、シュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことが好ましく、植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、形成されたシュートを伸長培地で培養することにより伸長させる伸長工程と、伸長させたシュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含むことがより好ましい。すなわち、本発明の植物の再生方法としては、上記再生誘導工程と、上記発根工程とを含むことが好ましく、上記再生誘導工程と、上記伸長工程と、上記発根工程とを含むことがより好ましい。
以下において、上記各工程について説明する。
(誘導工程)
誘導工程では、例えば、植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する。
組織片としては、特に限定されないが、具体的には、葉、茎、根、芽、花弁、子葉、胚軸、葯、及び種子からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、葉、茎が好ましい。
また、乳液の含有量が少ない組織、具体的には、花弁、葯、種子を使用することも好ましい。
誘導工程では、まず、植物の組織片の表面を洗浄する。組織片として植物の内部にある組織を利用する場合は、例えば、磨き粉で洗浄しても良いが、界面活性剤を約0.1%含む水で洗浄してもよい。葉などを利用する場合は、軟らかいスポンジで表面を洗浄することが好ましい。
次に、組織片を殺菌又は滅菌する。殺菌又は滅菌は、周知の殺菌剤、滅菌剤を用いて行うことができるが、エタノール、塩化ベンザルコニウム、次亜塩素酸ナトリウム水溶液が好ましい。
次に、殺菌又は滅菌した組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することにより、カルスの誘導を行う。なお、誘導培地は、液体であっても固体であってもよいが、培地上に置床して培養することで、カルス化しやすいため、固体培養が好ましい。また、誘導培地が液体培地である場合には、静置培養を行ってもよく、振とう培養を行ってもよい。
植物生長ホルモンとしては、例えば、オーキシン系植物ホルモン及び/又はサイトカイニン系植物ホルモンが挙げられる。
オーキシン系植物ホルモンとしては、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢酸、インドール酪酸、インドール酢酸、インドールプロピオン酸、クロロフェノキシ酢酸、ナフトキシ酢酸、フェニル酢酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、パラクロロフェノキシ酢酸、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸、4−フルオロフェノキシ酢酸、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸、2−フェニル酸、ピクロラム、ピコリン酸等が挙げられる。なかでも、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢酸、インドール酪酸が好ましく、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、ナフタレン酢酸がより好ましく、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合にはナフタレン酢酸が更に好ましく、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合には2,4−ジクロロフェノキシ酢酸が更に好ましい。
サイトカイニン系植物ホルモンとしては、ベンジルアデニン、カイネチン、ゼアチン、ベンジルアミノプリン、イソペンチニルアミノプリン、チジアズロン、イソペンテニルアデニン、ゼアチンリポシド、ジヒドロゼアチン等が挙げられる。なかでも、ベンジルアデニン、カイネチン、ゼアチンが好ましく、ベンジルアデニン、カイネチンがより好ましく、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合にはベンジルアデニンが更に好ましく、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合にはカイネチンが更に好ましい。
炭素源としては、特に限定されず、スクロース、グルコース、トレハロース、フルクトース、ラクトース、ガラクトース、キシロース、アロース、タロース、グロース、アルトロース、マンノース、イドース、アラビノース、アピオース、マルトース等の糖類が挙げられる。なかでも、スクロース、グルコースが好ましく、スクロースがより好ましい。
誘導培地としては、Whiteの培地(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)、Hellerの培地(Heller R, Bot.Biol.Veg.Paris 14 1−223(1953))、SH培地(SchenkとHildebrandtの培地)、MS培地(MurashigeとSkoogの培地)(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)、LS培地(LinsmaierとSkoogの培地)(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)、Gamborg培地、B5培地(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)、MB培地、WP培地(Woody Plant:木本類用)等の基本培地や、該基本培地の組成に変更を加えた改変基本培地等のベースとなる培地に植物生長ホルモンを加えたものを使用すればよい。なかでも、MS培地、B5培地、WP培地に植物生長ホルモンを加えたものが好ましい。また、カルスの維持および細胞分裂の促進に適しているという理由から、オーキシン系植物ホルモン及びサイトカイニン系植物ホルモンを含むことが好ましい。
誘導培地を固体培地とする場合、固形化剤を使用して培地を固体にすればよい。固形化剤としては、特に限定されず、寒天、ゲランガム、アガロース、ゲルライト、ゼラチン、シリカゲル、アガー、フィタゲル等が挙げられる。
好適な誘導培地の組成及び培養条件は、植物種により異なり、また培地が液体培地であるか固体培地であるかによっても異なるが、通常は(特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合は)以下の組成である。
誘導培地中の炭素源の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。該炭素源の濃度は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。なお、本明細書において、炭素源の濃度とは、糖類の濃度を意味する。
誘導培地中のオーキシン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは0mg/l以上、より好ましくは1×10−3mg/l以上、更に好ましくは0.05mg/l以上、特に好ましくは0.5mg/l以上である。植物が、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、最も好ましくは1.5mg/l以上である。該オーキシン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは20mg/l以下、より好ましくは10mg/l以下、更に好ましくは2.5mg/l以下である。
誘導培地中のサイトカイニン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは0mg/l以上、より好ましくは1×10−3mg/l以上、更に好ましくは0.1mg/l以上、特に好ましくは0.5mg/l以上である。植物が、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、最も好ましくは0.8mg/l以上である。該サイトカイニン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは15mg/l以下、より好ましくは10mg/l以下、更に好ましくは3mg/l以下、特に好ましくは1.5mg/l以下、最も好ましくは1.2mg/l以下である。
誘導培地のpHは、4.0〜10.0が好ましく、5.6〜6.5がより好ましく、5.7〜5.8が更に好ましい。培養温度は、0〜40℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。植物が、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、培養温度は20〜26℃であることが更に好ましい。培養は、暗所で行っても明所で行ってもよいが、照度は、0〜100000lxが好ましく、2000〜25000lxがより好ましい。培養時間は、特に限定されないが、1〜10週間培養することが好ましい。
なお、本明細書において、固体培地のpHは、固形化剤を除く全成分を添加した培地のpHを意味する。また、本明細書において、暗所とは、照度が0〜0.1lxであることを意味し、明所とは、照度が0.1lxを超えていることを意味する。
固体培地の場合、誘導培地中の固形化剤の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。該固形化剤の濃度は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
上述の条件のなかでも、特に、植物が、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、オーキシン系植物ホルモンがナフタレン酢酸で、その濃度が0.5〜2.5mg/lで、サイトカイニン系植物ホルモンがベンジルアデニンで、培養温度が20〜26℃であることが特に好ましい。
上述の条件のなかでも、特に、植物が、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、オーキシン系植物ホルモンが2,4−ジクロロフェノキシ酢酸で、その濃度が1.5〜2.5mg/lで、サイトカイニン系植物ホルモンがカイネチンで、その濃度が0.8〜1.2mg/lであることが特に好ましい。
以上のように、殺菌又は滅菌した組織片を上記誘導培地中で培養することにより、カルスの誘導を行うことが可能である。
本発明では、誘導されたカルスの遺伝子を組み換えてもよい。組み換え遺伝子の導入方法は一般的に用いられているものを、通常知られた条件で使用すればよく、例えば、プロトプラスト法、パーティクルガン法、アグロバクテリウム法(以上「生物化学実験法41植物細胞工学入門」1998年9月1日、学会出版センター、第255頁〜326頁,「植物バイオテクノロジー」2009年5月25日、幸書房、第130頁〜136頁)などがあるが、これらに限らない。
誘導したカルスをそのまま再生誘導工程に用いてもよいが、より多量の植物を増殖できるという理由から、誘導したカルスをまず増殖させ、増殖させたカルスを再生誘導工程に用いることが好ましい。カルスの増殖は、カルスが増殖可能な条件でカルスを培養すればよく、例えば、誘導工程と同様の培地組成、培養条件でカルスの培養を行うことにより、カルスの増殖が可能である。
(再生誘導工程)
再生誘導工程では、植物生長ホルモン及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる。カルスから不定胚を誘導(形成)し、不定胚を培養することにより、安定的にシュートの形成を行うことができるため、再生誘導工程の培養条件は、カルスから不定胚を誘導できる条件であれば、特に限定されない。
再生誘導工程では、例えば、誘導工程により誘導されたカルス(上述の方法等により遺伝子が組み換えられていてもよく、また、誘導工程により誘導されたカルスを増殖させたものであってもよい)を再生誘導培地中で培養して不定胚を誘導する。なお、再生誘導培地は、液体であっても固体であってもよいが、培地上に置床して培養することで、不定胚を誘導しやすいため、固体培養が好ましい。また、再生誘導培地が液体培地である場合には、静置培養を行ってもよく、振とう培養を行ってもよい。
再生誘導培地としては、上述の基本培地や、該基本培地の組成に変更を加えた改変基本培地等のベースとなる培地に植物生長ホルモンを加えたものを使用すればよい。なかでも、MS培地、LS培地、B5培地、WP培地に植物生長ホルモンを加えたものが好ましく、MS培地に植物生長ホルモンを加えたものがより好ましい。植物生長ホルモン、炭素源としては、上記誘導培地と同様のものが好適に使用できる。また、不定胚の誘導に適しているという理由から、オーキシン系植物ホルモン及びサイトカイニン系植物ホルモンを含むことが好ましく、ナフタレン酢酸及びベンジルアデニンを含むことがより好ましい。
再生誘導培地が固体培地の場合、上記誘導培地の場合と同様に、固形化剤を使用して培地を固体にすればよい。
好適な再生誘導培地の組成及び培養条件は、植物種により異なり、また培地が液体培地であるか固体培地であるかによっても異なるが、通常は(特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合は)以下の組成である。
再生誘導培地中の炭素源の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上である。該炭素源の濃度は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、特に好ましくは4質量%以下である。
再生誘導培地中のオーキシン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは0mg/l以上、より好ましくは1×10−3mg/l以上、更に好ましくは5×10−3mg/l以上、特に好ましくは0.01mg/l以上であり、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、最も好ましくは0.03mg/l以上である。該オーキシン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは15mg/l以下、より好ましくは8mg/l以下、更に好ましくは5mg/l以下、特に好ましくは1mg/l以下、最も好ましくは0.5mg/l以下、より最も好ましくは0.1mg/l以下、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、更に最も好ましくは0.03mg/l以下である。
再生誘導培地中のサイトカイニン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは0mg/l以上、より好ましくは1×10−3mg/l以上、更に好ましくは0.01mg/l以上、特に好ましくは0.5mg/l以上、最も好ましくは0.8mg/l以上である。該サイトカイニン系植物ホルモンの濃度は、好ましくは15mg/l以下、より好ましくは10mg/l以下、更に好ましくは5mg/l以下、特に好ましくは2mg/l以下、最も好ましくは1.5mg/l以下、より最も好ましくは1.2mg/l以下である。サイトカイニン系植物ホルモンの濃度が上記範囲内の場合に、特に、不定胚を好適に誘導でき、好適にシュートを形成できる。
再生誘導培地には、組織の成長阻害物質蓄積の防止のため、FeNaEDTAを培地中に添加してもよい。また、不定胚形成促進のために、ジベレリンを添加してもよい。
再生誘導培地のpHは、特に限定されないが、4.0〜10.0が好ましく、5.6〜6.5がより好ましい。培養温度は、0〜40℃が好ましく、20〜36℃がより好ましく、23〜32℃が更に好ましい。培養は、暗所で行っても明所で行ってもよいが、24時間中10〜16時間明所で培養を行うことが好ましく、明所の照度は、2000〜25000lxが好ましい。培養時間は、特に限定されないが、5〜48週間培養することが好ましく、5〜24週間培養することがより好ましく、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、5〜10週間培養することが更に好ましい。また、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、16〜48週間培養することが特に好ましい。
固体培地の場合、再生誘導培地中の固形化剤の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上である。該固形化剤の濃度は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。
キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、再生誘導培地は、ベースとなる培地としてMS培地を使用し、再生誘導培地中のスクロースの濃度が2〜4質量%、ナフタレン酢酸の濃度が1×10−3〜0.03mg/l、ベンジルアデニンの濃度が0.8〜1.2mg/l、固形化剤(ゲランガム)の濃度が0.1〜0.3質量%であることが好ましい。
トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、再生誘導培地は、ベースとなる培地としてMS培地を使用し、再生誘導培地中のナフタレン酢酸の濃度が0.03〜0.5mg/l、ベンジルアデニンの濃度が0.01〜1.2mg/l、固形化剤(ゲランガム)の濃度が0.1〜0.6質量%であることが好ましい。
以上のように、再生誘導工程では、カルスを上記再生誘導培地中で培養することにより、不定胚及びシュートを形成させることが可能である。この再生誘導工程により形成されたシュートは、次の伸長工程に使用される。次の伸長工程に移るタイミングとしては、シュートが視認され、その後安定して成長していることが確認できた後が好ましい。なお、次の伸長工程を省略して、再生誘導工程により形成されたシュートを直接発根工程に使用してもよい。また、再生誘導工程は、本発明の不定胚誘導方法に該当する。
(伸長工程)
伸長工程では、形成されたシュートを伸長培地で培養することによりシュートを伸長させる。
伸長工程では、例えば、再生誘導工程により形成されたシュートを伸長培地中で培養してシュートを伸長させる。なお、伸長培地は、液体であっても固体であってもよいが、培地上に置床して培養することで、シュートを伸長させやすいため、固体培養が好ましい。また、伸長培地が液体培地である場合には、静置培養を行ってもよく、振とう培養を行ってもよい。
伸長培地としては、上述の基本培地や、該基本培地の組成に変更を加えた改変基本培地等を使用すればよいが、シュートを好適に伸長できるという理由から、植物が、特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合には、伸長培地が、植物生長ホルモンを含まない培地であることが好ましく、植物生長ホルモンを含まないMS培地であることがより好ましい。なお、炭素源としては、上記誘導培地と同様のものが好適に使用できる。
伸長培地が固体培地の場合、上記誘導培地の場合と同様に、固形化剤を使用して培地を固体にすればよい。
伸長工程における好適な培養条件は、植物種により異なり、また培地が液体培地であるか固体培地であるかによっても異なるが、通常は(特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合は)以下の条件である。
伸長培地のpHは、特に限定されないが、4.0〜10.0が好ましく、5.6〜6.5がより好ましい。培養温度は、0〜40℃が好ましく、20〜36℃がより好ましく、20〜30℃が更に好ましい。培養は、暗所で行っても明所で行ってもよいが、24時間中10〜16時間明所で培養を行うことが好ましく、明所の照度は、2000〜25000lxが好ましい。培養時間は、特に限定されないが、5〜10週間培養することが好ましい。
固体培地の場合、伸長培地中の固形化剤の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。該固形化剤の濃度は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
以上のように、伸長工程では、形成されたシュートを上記伸長培地中で培養することにより、シュートを伸長させることが可能である。また、この伸長工程では、シュートが伸長するだけではなく、新たなシュートも形成される。この伸長工程により伸長させたシュートは、次の発根工程に使用される。次の発根工程に移るタイミングとしては、シュートが2〜3cm程度の大きさに伸長した後が好ましい。
(発根工程)
発根工程では、シュートを発根培地で培養することにより発根させる。ここで、シュートとしては、伸長工程により伸長させたシュートを使用してもよく、再生誘導工程により形成されたシュートを直接使用してもよい。
発根工程では、例えば、伸長工程により伸長させたシュート又は再生誘導工程により形成されたシュートを発根培地中で培養して発根させる。なお、発根培地は、液体であっても固体であってもよいが、培地上に置床して培養することで、発根させやすいため、固体培養が好ましい。また、発根培地が液体培地である場合には、静置培養を行ってもよく、振とう培養を行ってもよい。
発根培地としては、上述の基本培地や、該基本培地の組成に変更を加えた改変基本培地等を使用すればよいが、好適に発根できるという理由から、発根培地が、植物生長ホルモンを含まない培地であることが好ましく、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、植物生長ホルモンを含まないB5培地がより好ましく、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、1/2MS培地がより好ましい。なお、該1/2MS培地は、植物生長ホルモンを含んでいてもよく、含まなくてもよい。また、炭素源としては、上記誘導培地と同様のものが好適に使用できる。なお、伸長培地と発根培地の組成が同一であってもよい。また、伸長工程において既に発根している場合には、この発根工程を省略してもよい。
発根培地が固体培地の場合、上記誘導培地の場合と同様に、固形化剤を使用して培地を固体にすればよい。
発根工程における好適な培養条件は、植物種により異なり、また培地が液体培地であるか固体培地であるかによっても異なるが、通常は(特に、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合は)以下の条件である。
発根培地のpHは、特に限定されないが、4.0〜10.0が好ましく、5.6〜6.5がより好ましい。培養温度は、0〜40℃が好ましく、10〜36℃がより好ましく、20〜30℃が更に好ましく、キク科に属する植物(好ましくはSonchus属に属する植物、特に、ノゲシ)の場合、20〜25℃が特に好ましい。また、トウダイグサ科に属する植物(好ましくはHevea属に属する植物、特に、パラゴムノキ)の場合、25〜32℃が特に好ましい。
培養は、暗所で行っても明所で行ってもよいが、24時間中10〜16時間明所で培養を行うことが好ましく、明所の照度は、2000〜25000lxが好ましい。培養時間は、特に限定されないが、4〜10週間培養することが好ましい。
固体培地の場合、発根培地中の固形化剤の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上である。該固形化剤の濃度は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.1質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
以上のように、発根工程では、伸長したシュートを上記発根培地中で培養することにより、発根させることが可能であり、発根させたシュート(幼植物)が得られる。この幼植物は、直接土壌に移植してもよいが、バーキュライト等の人工土壌に移して馴化してから土壌に移植することが好ましい。
以上の説明の通り、本発明では、カルスから不定胚を誘導し、不定胚を培養することにより、安定的にシュートを形成させ、形成させたシュートを伸長させ、発根させることができ、カルスを安定的に植物に再生できる。また、制御された環境下で組織培養を行うことにより、天候や季節等に影響されずに安定的に植物を増殖できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、ノゲシを用いた実施例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NAA:ナフタレン酢酸
BA:ベンジルアデニン
ノゲシ:神戸市灘区で自生しているノゲシの種子から、無菌的に発芽させた植物体を使用した
(カルスの誘導(誘導工程))
ノゲシから葉及び茎を採取した。次に、採取した葉及び茎の表面を流水で洗浄し、さらに70%エタノールで洗浄した後、約5〜10%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液で滅菌し、再度流水で洗浄した。
次に、滅菌した葉及び茎の組織を誘導培地(固体培地)に差込み、培養を行った(誘導工程)。誘導培地は、MS培地(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)に、ナフタレン酢酸(NAA)、ベンジルアデニン(BA)、スクロースをそれぞれ1.0mg/L、0.1mg/L、3質量%となるように添加し、培地のpHを5.7〜5.8に調整した後、ゲランガムを0.2質量%となるように添加し、オートクレーブ(121℃、20分)で滅菌し、クリーンベンチ内で冷却することにより調製した。
ノゲシの組織片を誘導培地(固体培地)に差込み、培養温度23℃、明所(10000lx)で4週間培養し、ノゲシの組織片からカルス(未分化細胞)を誘導した。
(不定胚及びシュート形成のための培地検討(再生誘導工程))
次に、誘導されたカルスを用いて、カルスから不定胚及びシュートを形成させるための培地(再生誘導培地)条件の検討を基本培地であるMS培地を用いて行った。具体的には、MS培地に、オーキシン系植物ホルモンであるNAA、サイトカイニン系植物ホルモンであるBA、糖類であるスクロースを種々の濃度となるように添加した培地を用いて検討を行った(表1参照)。また、pHは、5.7〜5.8に調整した。なお、固形化剤であるゲランガムは0.2質量%となるように培地に添加した。そして、調製した各固体培地(滅菌済み)を用いて、誘導工程により誘導されたカルスを培養温度23℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で8週間培養した。8週間培養した後の不定胚の形成率を表1に示す。不定胚が形成された培地では、不定胚の形成後にシュートの形成も観察された。一方、不定胚が形成されなかった培地では、シュートも形成されなかった。このことから、カルスから不定胚を誘導することにより、安定的にシュートが形成されることが分かった。
なお、不定胚の形成率は、不定胚を形成したカルスの個数を、再生誘導培地に移植したカルスの個数で割ることにより算出した。
(シュート伸長(伸長工程))
次に、シュート伸長のために、形成されたシュートを、植物生長ホルモンを含まないMS培地に移植した。該培地のpHは、5.7に調整した。0.4%のゲランガムを含む固体培地(滅菌済み)を用い、培養温度23℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で8週間培養した。植物生長ホルモンを含まない培地で培養することにより、良好にシュート伸長が観察された。結果を表1に示す。
(発根(発根工程))
次に、発根のために、3cm程度に成長したシュートを、植物成長ホルモンを含まないB5培地に移植した。該培地のpHは、5.8に調整した。0.4%のゲランガムを含む固体培地(滅菌済み)を用い、培養温度23℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で8週間培養した。植物生長ホルモンを含まない培地で培養することにより、良好に発根が観察された。結果を表1に示す。
なお、表1において、以下の基準でシュートの伸長、発根を評価した。
○:10%以上でシュートの伸長・発根が見られる
△:10%未満でシュートの伸長・発根が見られる
×:シュート伸長なし
表1の結果より、再生誘導工程において、不定胚の形成率が高い場合に、その後のシュート形成、伸長、発根が安定的に進行することが分かった。このことから、カルスから不定胚を誘導することにより、その後、安定的にシュートが形成され、形成されたシュートが伸長し、発根させることができ、カルスを安定的に植物に再生でき、更には、安定的に植物の増殖が可能であることが分かった。
以下、パラゴムノキを用いた実施例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NAA:ナフタレン酢酸
2,4−D:2,4−ジクロロフェノキシ酢酸
IBA:インドール酪酸
BA:ベンジルアデニン
KI:カイネチン
ゲル化剤:ゲルライト、ゲランガム
パラゴムノキ:東京大学大学院農学生命科学研究科附属 科学の森教育研究センター 樹芸研究所より入手
(カルスの誘導(誘導工程))
パラゴムノキから葉を採取した。次に、採取した葉の表面を流水で洗浄し、さらに70%エタノールで洗浄した後、約5〜10%に希釈した次亜塩素酸ナトリウム溶液で滅菌し、再度流水で洗浄した。
次に、滅菌した葉の組織を誘導培地(固体培地)に差込み、培養を行った(誘導工程)。誘導培地は、MS培地(植物細胞工学入門(学会出版センター)p20〜p36に記載)に、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、カイネチン(KI)、スクロースをそれぞれ2.0mg/L、1.0mg/L、3質量%となるように添加し、培地のpHを5.7〜5.8に調整した後、ゲランガムを0.2質量%となるように添加し、オートクレーブ(121℃、20分)で滅菌し、クリーンベンチ内で冷却することにより調製した。
パラゴムノキの組織片を誘導培地(固体培地)に差込み、培養温度25℃、暗所で8週間培養し、パラゴムノキの組織片からカルス(未分化細胞)を誘導した。
(不定胚及びシュート形成のための培地検討(再生誘導工程))
次に、誘導されたカルスを用いて、カルスから不定胚及びシュートを形成させるための培地(再生誘導培地)条件の検討を基本培地であるMS培地を用いて行った。具体的には、MS培地に、オーキシン系植物ホルモンであるNAA、サイトカイニン系植物ホルモンであるBA、糖類であるスクロースを種々の濃度となるように添加し、必要に応じてFeNaEDTA、ジベレリンも添加した培地を用いて検討を行った(表2参照)。また、pHは、5.7〜5.8に調整した。なお、固形化剤であるゲランガムは0.4質量%となるように培地に添加した。そして、調製した各固体培地(滅菌済み)を用いて、誘導工程により誘導されたカルスを培養温度25℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で3〜6ヶ月培養した。なお、1ヶ月培養する毎に培地を交換した。3〜6ヶ月間培養した後の不定胚の形成率を表2に示す。不定胚が形成された培地では、不定胚の形成後にシュートの形成も観察された。一方、不定胚が形成されなかった培地では、シュートも形成されなかった。このことから、カルスから不定胚を誘導することにより、安定的にシュートが形成されることが分かった。
なお、不定胚の形成率は、不定胚を形成したカルスの個数を、再生誘導培地に移植したカルスの個数で割ることにより算出した。
(シュート伸長(伸長工程))
次に、シュート伸長のために、形成されたシュートを、再生誘導培地と同様の組成の培地で継代培養した。培養温度25℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で8週間培養した。良好にシュート伸長が観察された。結果を表2に示す。
(発根(発根工程))
次に、発根のために、3cm程度に成長したシュートを、植物成長ホルモンを含まない1/2MS培地又は植物成長ホルモンを含む1/2MS培地に移植した。該培地のpHは、5.7に調整した。0.4%のゲランガムを含む固体培地(滅菌済み)を用い、培養温度25℃、24時間中12時間の照明下(10000lx)で8週間培養した。上記培地で培養することにより、良好に発根が観察された。結果を表2に示す。
なお、表2において、以下の基準でシュートの伸長、発根を評価した。
○:10%以上でシュートの伸長・発根が見られる
△:10%未満でシュートの伸長・発根が見られる
×:シュート伸長なし
表2の結果より、再生誘導工程において、不定胚の形成率が高い場合に、その後のシュート形成、伸長、発根が安定的に進行することが分かった。このことから、カルスから不定胚を誘導することにより、その後、安定的にシュートが形成され、形成されたシュートが伸長し、発根させることができ、カルスを安定的に植物に再生でき、更には、安定的に植物の増殖が可能であることが分かった。

Claims (16)

  1. 1×10 −3 〜0.1mg/lのナフタレン酢酸及び0.8〜1.2mg/lのベンジルアデニンを含む再生誘導培地中でカルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の再生方法であって、
    前記植物がキク科に属する植物である植物の再生方法。
  2. 不定胚を誘導した後に、シュートを形成させる請求項1記載の植物の再生方法。
  3. ナフタレン酢酸、ベンジルアデニン、及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、シュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含む請求項1記載の植物の再生方法。
  4. ナフタレン酢酸、ベンジルアデニン、及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、形成されたシュートを伸長培地で培養することにより伸長させる伸長工程と、伸長させたシュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含む請求項1記載の植物の再生方法。
  5. 前記伸長培地及び前記発根培地が、植物生長ホルモンを含まない培地である請求項4記載の植物の再生方法。
  6. 前記植物がSonchus属に属する植物である請求項1〜5のいずれかに記載の植物の再生方法。
  7. 前記植物がノゲシである請求項1〜5のいずれかに記載の植物の再生方法。
  8. 1×10 −3 〜0.1mg/lのナフタレン酢酸及び0.8〜1.2mg/lのベンジルアデニンを含む再生誘導培地中でカルスから不定胚を誘導する工程を含む植物の増殖方法であって、
    前記植物がキク科に属する植物である植物の増殖方法。
  9. 植物の組織片からカルスを誘導する工程を含む請求項8記載の植物の増殖方法。
  10. 不定胚を誘導した後に、シュートを形成させる請求項8又は9記載の植物の増殖方法。
  11. 植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、ナフタレン酢酸、ベンジルアデニン、及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、シュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含む請求項8記載の植物の増殖方法。
  12. 植物の組織片を植物生長ホルモン及び炭素源を含む誘導培地中で培養することによりカルスを誘導する誘導工程と、ナフタレン酢酸、ベンジルアデニン、及び炭素源を含む再生誘導培地中でカルスを培養することにより不定胚及びシュートを形成させる再生誘導工程と、形成されたシュートを伸長培地で培養することにより伸長させる伸長工程と、伸長させたシュートを発根培地で培養することにより発根させる発根工程とを含む請求項8記載の植物の増殖方法。
  13. 前記植物がSonchus属に属する植物である請求項8〜12のいずれかに記載の植物の増殖方法。
  14. 前記植物がノゲシである請求項8〜12のいずれかに記載の植物の増殖方法。
  15. 1×10 −3 〜0.1mg/lのナフタレン酢酸、0.8〜1.2mg/lのベンジルアデニン、及び炭素源を含む培地中でキク科に属する植物のカルスを培養することにより不定胚を誘導する不定胚誘導方法。
  16. 培地中の固形化剤の濃度が0.1〜2質量%あり、培養温度が0〜40℃である請求項15記載の不定胚誘導方法。
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