JP6359352B2 - 弁体、弁装置、及び、空気調和機 - Google Patents

弁体、弁装置、及び、空気調和機 Download PDF

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本発明は、弁座面上を摺動移動することで弁ポートを弁室に対して開閉する弁体、該弁体を備えた弁装置、及び、該弁装置を備えた空気調和機に関する。
従来、空気調和機に設けられた弁装置として、弁体における弁座面との摺接面に凹部が形成された四方弁が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された空気調和機の四方弁では、弁体が弁ハウジングに形成された弁室に収容されるとともに、弁室に向けて開口した複数の弁ポートが形成された弁座面上を直線状に摺動移動することで、空気調和機における流体の流動方向を切り換え可能に構成されている。また、図10(A)に示すように、弁体100における弁座面との摺接面101には、2つの弁ポートを連通する連通空間の開口102と、開口102を囲む環状の凹部103と、が形成されている。
このような弁体100では、弁座面上を摺動する際に、空気調和機の流路部を流れる流体に含まれる油を凹部103に取り込み、この油によって弁座面と摺接面101との間の隙間を塞ぎ、シール性の向上が図られている。さらに、弁体100内側の連通空間には低圧の流体が流れ、外側には高圧の流体が流れるようになっており、凹部103を形成することによって、弁座面との接触面積を減らして面圧を高め、さらにシール性が向上するようになっている。摺接面におけるシール性が向上すると、弁体100の内側と外側とで流体の混合が抑制される。
また、摺動方向に延在する溝部が摺接面に形成された弁体も開示されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された弁体200では、図10(B)に示すように、摺接面201に、開口202を摺動方向の両側から挟む位置に摺動方向に延在する凹部203が形成されている。このような弁体200では、凹部203が摺接面201における摺動方向の端部まで延在しており、流体に含まれる油を凹部203に取り込みやすいようになっている。
特開2008−138995号公報 特開2013−227994号公報
しかしながら、上記のような特許文献1の弁体100では、油によるシール機能を有するためには凹部103全体に均等に油を満たす必要があり、多量の油を取り込まなければならず、シール性の付与が困難であった。一方、特許文献2の弁体200では、凹部203に油を取り込みやすいものの、油が抜けやすくシール性を維持することが困難であった。
また、特許文献1の弁体100では、面圧を高めてシール性を向上させるためには、開口102を除く摺接面101全体の面積に対して、凹部103の平面視面積(即ち、図10(A)におけるハッチング部分の面積)をより大きくしなければならない。しかしながら、この平面視面積を大きくすると、凹部103において表面張力が低下して油が抜けやすくなってシール性を維持しにくく、シール性の付与と維持とを両立させることが困難であった。
本発明の目的は、摺接面に容易にシール性を付与するとともに、このシール性を維持可能な弁体、弁装置、及び、空気調和機を提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、弁ハウジングに形成された弁室に収容されるとともに、該弁室に向けて開口した1又は複数の弁ポートが形成された弁座面上を直線状の摺動方向に摺動移動することで該弁ポートの少なくとも一部を前記弁室に対して開閉する本体部を有する弁体であって、前記本体部における前記弁座面に重ねられる摺接面に、前記弁座面との間に閉鎖空間を形成する複数の凹部が設けられ、前記弁座面には、前記弁ポートが複数形成され、前記本体部が、少なくとも2つの前記弁ポートを前記弁室に対して同時に閉じるように構成されるとともに、当該弁ポートを互いに連通するように前記摺接面において前記弁座面に向けて開口した連通空間を有し、前記複数の凹部が、少なくとも、前記摺接面における前記摺動方向と直交する方向の両端間に亘って並設されるとともに、前記直交する方向に並んだ列を複数構成し、前記凹部により形成された複数の列が、前記連通空間の開口に対して少なくとも前記摺動方向の両側それぞれの位置において、前記摺動方向に独立して並んでいることを特徴とする弁体である。
請求項に記載された発明は、請求項に記載の発明において、前記複数の凹部が、前記連通空間の開口を囲むように配置されていることを特徴とする弁体である。
請求項に記載された発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記複数の凹部の少なくとも一部における前記本体部の摺動時の軌跡が、前記摺動方向との直交方向に隙間なく並ぶように配置されていることを特徴とする弁体である。
請求項に記載された発明は、弁室を形成する弁ハウジングと、該弁室に向けて開口した1又は複数の弁ポートが形成された弁座面を有する弁座と、前記弁室に収容されるとともに前記弁座面上を所定の摺動方向に摺動することで該弁ポートを前記弁室に対して開閉する弁体と、を備えた弁装置であって、前記弁体が、請求項1〜のいずれか1項に記載の弁体で構成されていることを特徴とする弁装置である。
請求項に記載された発明は、室外熱交換器と膨張弁と室内熱交換器とが順に接続された第1流路部と、圧縮機が接続された第2流路部と、前記第1流路部及び前記第2流路部の両端にそれぞれ接続された4つの弁ポートを備えるとともに前記第1流路部における流体の流動方向を切り換える弁装置と、を備えた空気調和機であって、前記弁装置が、請求項に記載の弁装置で構成されていることを特徴とする空気調和機である。
請求項1に記載された発明によれば、本体部の摺接面に設けられた複数の凹部が摺接面における摺動方向と直交する方向(直交方向)の両端間に亘って並設されていることから、当該直交方向に1つの凹部が延在する構成と比較して、1つの凹部が形成する閉鎖空間の容積が小さくなり、少量の油でこの閉鎖空間を満たすことができ、摺接面に容易にシール性を付与することができる。また、一部の凹部に油が満たされていなくても、油が満たされた他の凹部によってシール性を確保することができる。
さらに、凹部が比較的小さな容積の閉鎖空間を形成することから、油が抜けにくくシール性を維持しやすい。さらに、複数の凹部のうち一部に傷が形成されて弁室と連通して油が抜けやすくなってしまっても、他の凹部によってシール性を維持することができる。また、摺接面における凹部以外の面積を小さくして面圧を高めてシール性を向上させても、凹部の数を増やすことによって凹部の大型化を抑制することができ、凹部における油の表面張力の低下を抑制してシール性を維持することができる。
請求項に記載された発明によれば、複数の凹部が開口を囲んでいることから、開口の周囲においてシール性を向上させることができ、弁室内の流体と、連通空間内の流体と、が混合してしまうことを効果的に抑制することができる。
請求項に記載された発明によれば、少なくとも一部の凹部における本体部の摺動時の軌跡が、摺動方向との直交方向に隙間なく並ぶように配置されていることから、摺接面が弁座面に摺接した際にこの界面に油が隙間なく塗られ、このように油が塗られた領域を流体が摺動方向に沿って通過しようとしても、流体を油によって遮ることができ、シール性をさらに向上させることができる。
請求項に記載された発明によれば、前述のような弁体を弁装置が有していることで、摺接面に容易にシール性を付与するとともに、このシール性を維持することができる。また、弁体によって区画される空間をそれぞれ通過する流体同士が混合してしまうことを抑制することができる。
請求項に記載された発明によれば、前述のような弁装置を空気調和機が有していることで、弁体の摺接面に容易にシール性を付与するとともに、このシール性を維持することができる。また、弁体によって区画される空間をそれぞれ通過する流体同士が混合してしまうことを抑制し、空気調和機の運転効率の低下を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機全体を示す構成図である。 図1の空気調和機に用いられる弁装置に設けられた弁体の摺接面を示す平面図である。 図2のI−I線に沿う断面図である。 図3の要部を拡大して示す断面図である。 図2の要部を拡大して示す平面図である。 (A)〜(E)は、変形例の弁体の摺接面を示す平面図である。 (A)〜(D)は、変形例における弁体の要部を示す断面図である。 (A)、(B)は、他の変形例における弁体の摺接面を示す平面図である。 他の変形例における弁体の摺接面を示す平面図である。 (A)、(B)は、従来の弁体の摺接面を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の空気調和機1は、図1に示すように、室外熱交換器2と膨張弁3と室内熱交換器4とが順に接続された第1流路部10と、圧縮機5が接続された第2流路部20と、第1流路部10及び第2流路部20に接続された弁装置6と、弁装置6を切り換えるためのパイロット弁7と、を備える。空気調和機1は、冷房運転と暖房運転とが切り換え可能に構成されており、流路部10、20に図示しない冷媒等の流体を流して室内熱交換器4において熱交換させることによって室内を冷やしたり暖めたりする。
室外熱交換器2は、冷房運転時においては高温の流体を室外に放熱させて温度を低下させ、暖房運転時においては低温の流体を室外から吸熱させて温度を上昇させるように構成されている。
膨張弁3は、通過する流体を断熱膨張させ、この流体を降圧するように構成されている。
室内熱交換器4は、冷房運転時においては低温の流体を室内から吸熱させて温度を上昇させ、暖房運転時においては高温の流体を室内に放熱させて温度を低下させるように構成されている。
第1流路部10は、室外熱交換器2側の端部が弁装置6の後述するC継手管84に接続され、室内熱交換器4側の端部がE継手管82に接続され、流体の流動方向が、冷房運転時にはC継手管84からE継手管82に向かう方向となり、暖房運転時にはE継手管82からC継手管84に向かう方向となるように構成されている。
圧縮機5は、弁装置6の後述するD継手管81とS継手管83との間に接続され、通過する流体を圧縮して高圧にするように構成されている。第2流路部20における流体の流動方向は、常にS継手管83からD継手管81に向かう方向となっている。
弁装置6は、四方弁であって、弁室S1を形成する弁ハウジング61と、弁ポート62A〜62Cが形成された弁座面621を有する弁座62と、弁室S1に収容されるとともに弁座面621上を直線状の摺動方向(図1における左右方向)に摺動することで弁ポート62A〜62Cの一部を弁室S1に対して開閉する弁体63と、弁体63を移動させるための一対のピストン部64、65と、D継手管81と、E継手管82と、S継手管83と、C継手管84と、を備える。
弁ハウジング61は、例えば真鍮やステンレス等の金属によって構成され、円筒形状の円筒部611と略円形皿形状の2つのキャップ部612A、612Bとを一体に有している。キャップ部612A、612Bは、それぞれ円筒部611の端部を塞ぐようにろう付けや溶接等によって取り付けられている。円筒部611の中央部における弁座62に対向する位置には、弁室S1のうち後述する主弁室S2に開口した流体入口孔61Aが形成されている。キャップ部612A、612Bには、パイロット弁7に接続された導管613A、613Bがそれぞれ接続されている。
弁座62は、例えば真鍮やステンレス等の金属によって構成され、主弁室S2において流体入口孔61Aに対向して配置され、円筒部611にろう付けや溶接等によって固定されている。弁座面621は、流体入口孔61Aに対向して設けられるとともに、弁ポートとしてのEポート62A、Sポート62B、及び、Cポート62Cが図1中左から順に形成されている。各ポート62A〜62Cは、平面視円形に形成されるとともに、それぞれ同一形状を有している。また、弁座面621は、弁体63が摺動しやすいように表面が平滑に形成されている。また、弁座面621の表面が平滑に形成されていることから、弁体63を傷つけにくい。
弁体63は、例えばPA(ポリアミド)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等の合成樹脂によって構成されるとともに、図2、3にも示すように、略半楕円体形状に形成された本体部630を有し、本体部630の下面には弁座面621に重ねられる摺接面631が形成されている。本体部630の内側には、弁ポート62A〜62Cのうち2つを連通する連通空間S5が形成されている。
摺接面631には、弁座面621との間に閉鎖空間を形成する複数の凹部632と、連通空間S5の開口633と、が形成されている。後述するように主弁室S2には高圧の流体が通過するとともに、連通空間S5には低圧の流体が通過することから、本体部630は、圧力差によって摺接面631が弁座面621に押し付けられるようになっている。
一対のピストン部64、65は、例えば主にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂を材料として構成されるとともに、連結部材66によって互いに連結されている。また、一対のピストン部64、65は、図1の左右方向(摺動方向)に対向配置されるとともにこの方向に移動可能に設けられている。一対のピストン部64、65は、弁ハウジング61内に配置されることによって、弁室S1を、一対のピストン部64、65同士の間の主弁室S2と、キャップ部612A、612Bとの間に形成される副弁室S3、S4と、に区画している。
D継手管81、E継手管82、S継手管83、及び、C継手管84は、流体が内側を流れる銅製等の配管である。D継手管81は、主弁室S2と連通するように流体入口孔61Aに取り付けられている。E継手管82、S継手管83、及び、C継手管84は、それぞれEポート62A、Sポート62B、及び、Cポート62Cと連通するように、それぞれの一端部が円筒部611を貫通して取り付けられている。
次に、弁装置6を動作機構について説明する。ここで、パイロット弁7は、後述するように高圧の流体が流れるD継手管81と、低圧の流体が流れるS継手管83とに接続され、コイルに通電することによって、継手管81、83と導管613A、613Bとの接続を切り換え可能に構成されている。例えば、弁体63を図1中左側に動作させる場合(冷房運転時)、パイロット弁7のコイルへの通電を停止し、D継手管81と右側の導管613Bとを接続するとともに、S継手管83と左側の導管613Aとを接続する。これにより、右側の副弁室S4が左側の副弁室S3よりも高圧となり、一対のピストン64、65が左側に移動するとともに、これに伴って弁体63も左側に移動する。このとき、弁体63は、連通空間S5によってEポート62AとSポート62Bとを連通し、Cポート62Cを主弁室S2に対して露出させる。即ち、弁体63は、主弁室S2に対してEポート62A及びSポート62Bを閉じ、Cポート62Cを開く。
また、弁体63を右側に動作させる場合(暖房運転時)、パイロット弁7のコイルに通電させ、D継手管81と左側の導管613Aとを接続するとともに、S継手管83と右側の導管613Bとを接続することで、左側の副弁室S3が右側の副弁室S4よりも高圧となり、一対のピストン64、65及び弁体63が右側に移動する。このとき、弁体63は、連通空間S5によってCポート62CとSポート62Bとを連通し、Eポート62Aを主弁室S2に対して露出させる。即ち、弁体63は、主弁室S2に対してCポート62C及びSポート62Bを閉じ、Eポート62Aを開く。なお、パイロット弁7は、冷房運転時にコイルに通電させ、暖房運転時にコイルへの通電を停止する構成であってもよい。
次に、摺接面631に形成された複数の凹部632の詳細について、図2〜5を参照して説明する。複数の凹部632は、開口633を囲むように摺接面631全体に形成されている。各凹部632は、平面視円状に形成されるとともに、直径が例えば0.5mm〜2mm程度に形成されている。なお、凹部632は円状でなくてもよく、他の形状に形成されている場合、平面視面積が上記の円状の凹部632と同程度となるように設定されていればよい。また、摺接面631全体の面積のうち、例えば10%〜40%程度に凹部632が形成され、凹部が形成されない構成と比較して弁座面621に対する面圧が高められている。また、凹部632の断面は、半楕円状に形成され、深さが例えば0.3mm〜2mm程度に形成されている。なお、凹部632は、本体部630を射出成形する際に金型にピンを設けることによって形成されてもよいし、本体部630の成形後に切削したり、高温のピンを押し当てて溶融させたりすることによって形成されてもよい。
複数の凹部632は、摺接面631において、図2に示す摺動方向と直交する方向(直交方向)の両端間に亘って並設され、この直交方向に沿った列を複数構成している。なお、直交方向の端部に形成された凹部632と、摺接面631の端部と、の間には多少の隙間が形成されていてもよい。このような複数の凹部632は、各列において隣の列の凹部632と互い違いに配列され(即ち、他の列における凹部632同士の隙間と摺動方向に隣り合うように配置され)、摺動方向から見たときに直交方向の両端に亘って凹部632が隙間なく配置されている。即ち、複数の凹部632における本体部630が摺動方向に摺動移動した際の軌跡(図5において二点鎖線で図示)が、隣の列同士で直交方向に互いに重なり合い、この軌跡が直交方向に隙間がなくなるように配置されている。
以下、空気調和機1の動作について説明する。空気調和機1は、冷房運転時には、前述のように連通空間S5によってEポート62AとSポート62Bとを連通する。圧縮機5によって圧縮された高圧の流体は、第2流路部20及びD継手管81を通過して流体入口孔61Aから主弁室S2に流入し、主弁室S2内を通過してCポート62Cから流出し、C継手管84及び第1流路部10に向かう。さらに、この流体は、第1流路部10を通過する際、室外熱交換器2において放熱し、膨張弁3によって降圧され、室内熱交換器4において室内を冷やすことによって温度上昇する。第1流路部10を通過した低圧の流体は、E継手管82を通ってEポート62Aから連通空間S5に流入し、Sポート62Bから流出してS継手管83及び第2流路部20に向かい、再び圧縮機5に到達して上記のサイクルを繰り返す。
また、空気調和機1は、暖房運転時には、前述のように連通空間S5によってCポート62CとSポート62Bとを連通する。圧縮機5によって圧縮された高圧の流体は、第2流路部20及びD継手管81を通過して流体入口孔61Aから主弁室S2に流入し、主弁室S2内を通過してEポート62Aから流出し、E継手管82及び第1流路部10に向かう。さらに、この流体は、第1流路部10を通過する際、室内熱交換器4において室内を暖めることによって温度低下し、膨張弁3によって降圧され、室外熱交換器2において吸熱する。第1流路部10を通過した低圧の流体は、C継手管84を通ってCポート62Cから連通空間S5に流入し、Sポート62Bから流出してS継手管83及び第2流路部20に向かい、再び圧縮機5に到達して上記のサイクルを繰り返す。
以上のように空気調和機1の各部を通過する流体には潤滑用の油が含まれており、弁体63の摺接面631に形成された凹部632は、本体部630が摺動移動する際に、この油を取り込むようになっている。例えば、弁座面621に油が付着し、摺接面631がこの弁座面621に摺接することによって、凹部632に油が取り込まれる。このとき、凹部632が上述のような寸法を有していることによって、凹部632全体を満たすように油が取り込まれる。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、摺接面631に設けられた複数の凹部632が直交方向の両端間に亘って並設されていることから、直交方向に1つの凹部が延在する構成と比較して、1つの凹部632が形成する閉鎖空間の容積が小さくなり、少量の油でこの閉鎖空間を満たすことができ、摺接面631に容易にシール性を付与することができる。また、一部の凹部632に油が満たされていなくても、油が満たされた他の凹部632によってシール性を確保することができる。
さらに、凹部632が比較的小さな閉鎖空間を形成することから、油が抜けにくくシール性を維持しやすい。さらに、複数の凹部632のうち一部に傷が形成されて主弁室S2と連通して油が抜けやすくなってしまっても、他の凹部632に取り込んだ油によってシール性を維持することができる。また、前述のように弁座面621に対する摺接面631の面圧を高めても、凹部632の面内寸法の大型化を抑制することができ、凹部632における油の表面張力の低下を抑制してシール性を維持することができる。また、流体中に固形の不純物が混入してしまい、凹部632の近傍において摺接面631と弁座面621とがこの不純物を挟み込んでしまった場合でも、他の凹部632によってシール性を維持することができる。
さらに、複数の凹部632が開口633を囲んでいることから、開口633の周囲においてシール性を向上させることができ、主弁室S2内の流体と、連通空間S5内の流体と、が混合してしまうことを効果的に抑制することができる。
さらに、複数の凹部632が、本体部630の摺動時の軌跡が直交方向に隙間なく並ぶように配置されていることから、摺接面631が弁座面621に摺接した際にこの界面に油が隙間なく塗られ、このように油が塗られた領域を流体が摺動方向に沿って通過しようとしても、流体を油によって遮ることができ、シール性をさらに向上させることができる。
以上のように、摺接面631と弁座面621とのシール性が向上するとともにこのシール性が維持され、主弁室S2内の流体と連通空間S5内の流体との混合が抑制されていることから、空気調和機1の運転効率の低下を抑制することができる。
また、凹部632が樹脂製の本体部630に形成されるとともに金属製の弁座62の弁座面621が平滑に形成されていることから、弁座62に凹部を形成する構成と比較して、金属部材を切削する必要がなく凹部を容易に形成することができるとともに、弁座面621によって摺接面631が傷つけられてしまうことを抑制することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、摺接面631に直径が0.5mm〜2mm程度の平面視円状の凹部632が形成されるものとしたが、凹部の形状や寸法、平面視面積は任意に設定されていればよく、例えば図6(A)に示すように直径の比較的大きい凹部632Bが形成されていてもよいし、図6(B)に示すように直径が互いに異なる平面視円状の凹部632Cが形成されていてもよいし、図6(C)に示すように平面視菱形状の凹部632Dが形成されていてもよいし、図6(D)に示すように長径が直交方向に沿う平面視略楕円形状の凹部632Eが形成されていてもよいし、図6(E)に示すように長径が摺動方向に沿う平面視略楕円形状の凹部632Fが形成されていてもよい。図6(C)のように凹部632Dが菱形状に形成されていれば、本体部630を射出成形するための金型に凹部632D形成用の突起を設ける際に、直線状に金型を切削することで容易に突起を形成することができる。
また、凹部の断面形状は、前記実施形態に示すものに限らず適宜な形状を有していればよく、例えば、図7(A)に示すように角部が円弧状に形成された矩形状の凹部632Gであってもよいし、図7(B)に示すように矩形状の凹部632Hであってもよいし、図7(C)に示すように台形状の凹部632Iであってもよいし、図7(D)に示すように三角形状の凹部632Jであってもよい。
また、前記実施形態では、弁体63が直線状の摺動方向に摺動移動するものとしたが、弁体は所定の軸を中心とする摺動方向に摺動回転するものであってもよく、図8に示すように、弁体67の本体部670が軸Oを中心に摺動回転するように構成されていてもよい。このような弁体67では、摺接面671に開口673と複数の凹部672とが形成され、凹部672が連通空間S5の開口673を囲むように設けられている。さらに、複数の凹部672は、図8(B)に拡大して示すように、本体部670が摺動方向に摺動回転した際の軌跡(二点鎖線で図示)が直交方向に重なり合い、この軌跡が直交方向に隙間がなくなるように配置されている。このような構成によれば、摺動回転する弁体67であっても、前記実施形態と略同様にシール性を向上させるとともにシール性を維持することができる。
また、前記実施形態では、複数の凹部632における本体部630が摺動方向に摺動移動した際の軌跡が隣の列同士(即ち、2列)で直交方向に互いに重なり合うものとしたが、この軌跡が直交方向に隙間がなくなるように凹部が配置されていれば前記実施形態と同様の効果を奏することができる。例えば、2列の凹部の軌跡を重ね合わせた際に直交方向に隙間が形成されてしまう場合であっても、さらにもう1列以上の凹部の軌跡を重ね合わせることによってこの隙間がなくなるような配置であってもよいし、凹部が列を形成せずにランダムに配置されるとともにこれらの少なくとも一部の軌跡を重ね合わせることで直交方向の隙間がなくなるように配置されていてもよい。
また、直交方向における凹部同士の隙間が充分に小さく形成されていれば、凹部の軌跡が直交方向に隙間をあけていてもよく、例えば、図9に示すように、複数の凹部632Kが直交方向に並設されて列を複数構成するとともに、各列の凹部632Kが摺動方向に互いに隣り合う構成であってもよい。
また、前記実施形態では、複数の凹部632が、開口633を囲むように設けられるものとしたが、複数の凹部は開口を囲んでいなくてもよく、例えば、図9に示すように、凹部632Kが開口633の摺動方向の両側に設けられる構成であってもよいし、凹部が開口の摺動方向の一方側に設けられる構成であってもよい。
また、前記実施形態では、複数の凹部632が直交方向に沿った列を構成するように並設されるものとしたが、複数の凹部は、直交方向の両端間に亘っていれば(即ち、当該両端を繋ぐように互いに間隔をあけて連続的に並べられていれば)その間において任意の形状で並設されればよく、例えば、曲線状に並設されてもよいし、ジグザグ形状に並設されてもよく、凹部同士の間隔は一定でなくてもよい。
また、前記実施形態では、弁装置6が四方弁であるものとしたが、弁装置は、適宜な数の弁ポートを有するとともに、この弁ポート同士を連通させたり弁室に対して開閉したりするものであればよい。また、本体部に連通空間が形成されないとともに摺接面に開口が形成されず、弁体が弁室に対して弁ポートを単に開閉する構成であってもよい。
また、前記実施形態では、弁装置6が空気調和機1に設けられて冷房運転と暖房運転とを切り換えるものとしたが、弁装置は、流体の流路を切り換えるために適宜な装置に設けられればよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 空気調和機
2 室外熱交換器
3 膨張弁
4 室内熱交換器
5 圧縮機
6 弁装置
10 第1流路部
20 第2流路部
61 弁ハウジング
62 弁座
62A Eポート(弁ポート)
62B Sポート(弁ポート)
62C Cポート(弁ポート)
63 弁体
621 弁座面
631 摺接面
632 凹部
633 開口
S1 弁室
S5 連通空間

Claims (5)

  1. 弁ハウジングに形成された弁室に収容されるとともに、該弁室に向けて開口した1又は複数の弁ポートが形成された弁座面上を直線状の摺動方向に摺動移動することで該弁ポートの少なくとも一部を前記弁室に対して開閉する本体部を有する弁体であって、
    前記本体部における前記弁座面に重ねられる摺接面に、前記弁座面との間に閉鎖空間を形成する複数の凹部が設けられ、
    前記弁座面には、前記弁ポートが複数形成され、
    前記本体部が、少なくとも2つの前記弁ポートを前記弁室に対して同時に閉じるように構成されるとともに、当該弁ポートを互いに連通するように前記摺接面において前記弁座面に向けて開口した連通空間を有し、
    前記複数の凹部が、少なくとも、前記摺接面における前記摺動方向と直交する方向の両端間に亘って並設されるとともに、前記直交する方向に並んだ列を複数構成し、
    前記凹部により形成された複数の列が、前記連通空間の開口に対して少なくとも前記摺動方向の両側それぞれの位置において、前記摺動方向に独立して並んでいることを特徴とする弁体。
  2. 前記複数の凹部が、前記連通空間の開口を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の弁体。
  3. 前記複数の凹部の少なくとも一部における前記本体部の摺動時の軌跡が、前記摺動方向との直交方向に隙間なく並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弁体。
  4. 弁室を形成する弁ハウジングと、該弁室に向けて開口した1又は複数の弁ポートが形成された弁座面を有する弁座と、前記弁室に収容されるとともに前記弁座面上を所定の摺動方向に摺動することで該弁ポートを前記弁室に対して開閉する弁体と、を備えた弁装置であって、
    前記弁体が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弁体で構成されていることを特徴とする弁装置。
  5. 室外熱交換器と膨張弁と室内熱交換器とが順に接続された第1流路部と、圧縮機が接続された第2流路部と、前記第1流路部及び前記第2流路部の両端にそれぞれ接続された4つの弁ポートを備えるとともに前記第1流路部における流体の流動方向を切り換える弁装置と、を備えた空気調和機であって、
    前記弁装置が、請求項4に記載の弁装置で構成されていることを特徴とする空気調和機。
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