実施の形態1.
図1は、カメラ5、マイク6、圧力センサ7及び車載情報機器100を図示しない車両に搭載した状態を示している。図2は車載情報機器100のハードウェア構成の一例を示しており、図3は車載情報機器100のハードウェア構成の他の例を示している。図1〜図3を参照して、実施の形態1の車載情報機器100について説明する。
経路案内部11は、車載情報機器100を搭載した車両の現在位置から、操作入力部2により設定された目的地までの走行経路を検索するものである。経路案内部11は、検索した走行経路を案内する画像を生成して、表示部3に表示させるようになっている。また、経路案内部11は、検索した走行経路を案内する音声を生成して、音声出力部4に出力させるようになっている。すなわち、車載情報機器100は、経路案内部11によりナビゲーション装置の機能を果たすものである。
オーディオ再生部12は、車載情報機器100本体に記憶された音声データ、又は、車載情報機器100と通信自在に接続された外部機器から受信した音声データに基づき音声を再生させるものである。オーディオ再生部12は、音声データから生成した音声信号を音声出力部4に出力して、音声を再生させるようになっている。すなわち、車載情報機器100は、オーディオ再生部12によりオーディオ装置の機能を果たすものである。
表示部3は、例えば、FPD(Flat Panel Display)などのディスプレイ51により構成されている。音声出力部4は、例えば、スピーカ52により構成されている。操作入力部2は、例えば、ディスプレイ51と一体のタッチパネル53により構成されている。
カメラ5は、車両の助手席と対向して配置されており、車両内を撮影するものである。マイク6は、車両の助手席と対向して配置されており、車両内の音声を取得するものである。圧力センサ7は、車両の助手席に設けられており、助手席の座面に加わる圧力を検知するものである。
操作者判定部13には、操作入力部2を操作するユーザ(以下「操作者」という。)のうち、操作制限の対象となるユーザ(以下「操作制限対象ユーザ」という。)が予め設定されている。操作者判定部13は、タッチパネル53、カメラ5、マイク6及び圧力センサ7のうちの少なくとも1つを用いて、操作入力部2の操作者が操作制限対象ユーザであるか否かを判定するものである。
例えば、車両の運転席に座ったユーザと助手席に座ったユーザとが操作入力部2を操作し得る状態において、助手席に座った全てのユーザが例外なく操作制限対象ユーザとなるように設定されている。このとき、操作者判定部13は、操作者が助手席に座ったユーザであるか否かを判定する。
すなわち、操作者判定部13は、タッチパネル53の出力、例えばタッチパネル53が静電容量方式である場合は検知面の各座標に配置された電極間の静電容量値を用いて、タッチパネル53に接触した操作者の指の向きを検出する。操作者判定部13は、操作者の指が助手席側からタッチパネル53に向けられている場合、操作者が助手席に座ったユーザであると判定する。一方、操作者の指が運転席側からタッチパネル53の検知面に向けられている場合、操作者判定部13は、操作者が運転席に座ったユーザであると判定する。
または、操作者判定部13は、カメラ5で撮影した画像データに対して画像認識処理を実行することで、助手席に座ったユーザが操作入力部2に向けて手を伸ばしているか否かを判定する。操作入力部2が操作されたとき、助手席に座ったユーザが操作入力部2に向けて手を伸ばしていた場合、操作者判定部13は操作者が助手席に座ったユーザであると判定する。一方、操作入力部2が操作されたとき、助手席に座ったユーザが操作入力部2に向けて手を伸ばしていなかった場合、操作者判定部13は、操作者が運転席に座ったユーザであると判定する。
操作制限対象ユーザの設定が上記の例と異なる場合には、操作者判定部13も、当該設定に合わせて、別の判定方法を採用可能である。例えば、上記の例と同様の状態において、助手席に座ったユーザのうちの子供のみが操作制限対象ユーザに設定されているとする。このとき、操作者判定部13は、上記のいずれかの方法により操作者が助手席に座ったユーザであるか否かを判定するとともに、以下のように操作者が子供であるか否かを判定する。
すなわち、操作者判定部13は、タッチパネル53の出力を用いて、操作者の指がタッチパネル53に接触した領域の面積を検出する。操作者判定部13には、検出した指の面積と比較することで、この指が子供の指であるか大人の指であるかを識別可能な閾値が設定されている。操作者判定部13は、検出した面積が閾値以下である場合、操作者が子供であると判定する。一方、検出した面積が閾値を超える場合、操作者判定部13は、操作者が大人であると判定する。
または、操作者判定部13は、カメラ5で撮影した画像データに対して画像認識処理を実行し、助手席に座ったユーザの体型、顔の各部位の配置、チャイルドシートの設置の有無などに応じて、助手席に座ったユーザが子供であるか否かを判定する。
または、操作者判定部13は、マイク6で取得した音声データに対して音声分析処理を実行し、助手席の方向から取得した音性が子供の声を示す音声であるか否かを判定する。取得した音声データが子供の声を示す場合、操作者判定部13は、助手席に座ったユーザが子供であると判定する。一方、取得した音声データが子供の声を示していない場合、操作者判定部13は、助手席に座ったユーザが子供でないと判定する。
または、操作者判定部13は、マイク6で取得した音声データに対して音声分析処理を実行し、助手席の方向から取得した音性の発生源の高さ方向の位置を算出する。操作者判定部13は、算出した位置が基準位置よりも低い場合、助手席に座ったユーザが子供であると判定する。一方、算出した位置が基準位置よりも高い場合、操作者判定部13は、助手席に座ったユーザが大人であると判定する。
または、操作者判定部13には、圧力センサ7で検知した圧力値と比較することで、助手席の座面に加わる圧力が子供によるものであるか否かを判定可能な閾値が設定されている。操作者判定部13は、検知した圧力値が閾値以下である場合、助手席に座ったユーザが子供であると判定する。一方、検知した圧力値が閾値を超える場合、操作者判定部13は、助手席に座ったユーザが大人であると判定する。
または、操作者判定部13は、圧力センサ7で検知した圧力値を用いて、助手席に座ったユーザの体重を算出する。操作者判定部13は、算出した体重が基準体重以下である場合、助手席に座ったユーザが子供であると判定する。一方、算出した体重が基準体重を超える場合、操作者判定部13は、助手席に座ったユーザが大人であると判定する。
操作内容判定部14には、操作入力部2の操作により経路案内部11又はオーディオ再生部12に入力される内容(以下「操作内容」という。)のうち、操作制限の対象となる内容(以下「操作制限対象内容」という。)が予め設定されている。操作内容判定部14は、経路案内部11又はオーディオ再生部12に対する操作内容が操作制限対象内容であるか否かを判定するものである。
具体的には、例えば、経路案内部11に対する操作内容のうち、表示部3の表示画面を他の画面に切り替える内容が操作制限対象内容に設定されている。または、オーディオ再生部12に対する操作内容のうち、再生中の楽曲を曲送りする内容、及び、再生中の音声の音量を変更する内容が操作制限対象内容に設定されている。
操作タイミング判定部15には、操作入力部2により経路案内部11又はオーディオ再生部12が操作されるタイミング(以下「操作タイミング」という。)のうち、操作制限の対象となるタイミング(以下「操作制限対象タイミング」という。)が予め設定されている。操作タイミング判定部15は、経路案内部11又はオーディオ再生部12の操作タイミングが操作制限対象タイミングであるか否かを判定するものである。
具体的には、例えば、経路案内部11が車両の走行経路を案内しているタイミングのうち、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングが操作制限対象タイミングに設定されている。または、オーディオ再生部12が音声データを再生しているタイミングが操作制限対象タイミングに設定されている。
操作制限部16は、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザであると判定され、かつ、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容であると判定され、かつ、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングであると判定された場合、操作入力部2の操作を無効とするものである。また、操作制限部16は、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザでないと判定された場合、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容でないと判定された場合、又は、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングでないと判定された場合、操作入力部2の操作を有効とするものである。
操作制限部16は、操作が有効であるか無効であるかを経路案内部11に通知するようになっている。経路案内部11は、操作制限部16が操作を有効とした場合、当該操作を自己の動作に反映する。すなわち、経路案内部11は、当該操作の内容を反映した画像を表示部3に表示させるとともに、当該操作の内容を反映した音声を音声出力部4に出力させる。一方、経路案内部11は、操作制限部16が操作を無効とした場合、当該操作を自己の動作に反映しない。
同様に、操作制限部16は、操作が有効であるか無効であるかをオーディオ再生部12に通知するようになっている。オーディオ再生部12は、操作制限部16が操作を有効とした場合、当該操作を自己の動作に反映する。すなわち、オーディオ再生部12は、当該操作の内容を反映した音声を音声出力部4に出力させる。一方、オーディオ再生部12は、操作制限部16が操作を無効とした場合、当該操作を自己の動作に反映しない。
経路案内部11、オーディオ再生部12、操作者判定部13、操作内容判定部14、操作タイミング判定部15及び操作制限部16により、制御部1が構成されている。制御部1、操作入力部2、表示部3及び音声出力部4により、車載情報機器100が構成されている。
制御部1の機能は、専用の処理回路54により実現される。処理回路54は、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)又はこれらを組み合わせたものである。なお、複数個の処理回路が連携して制御部1の機能を実現するものであっても良い。
または、制御部1の機能は、メモリ55及びプロセッサ56により実現される。メモリ55は、経路案内部11、オーディオ再生部12、操作者判定部13、操作内容判定部14、操作タイミング判定部15及び操作制限部16の各処理ステップに対応したプログラムを記憶するものである。メモリ55に記憶されたプログラムをプロセッサ56が実行することで、制御部1の機能が実現される。メモリ55は、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリである。プロセッサ56は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro−Processing Unit)、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)である。なお、複数個のプロセッサが連携して、複数個のメモリに記憶されたプログラムを実行することで制御部1の機能を実現するものであっても良い。
次に、図4のフローチャートを参照して、車載情報機器100の動作について、制御部1の動作を中心に説明する。
初期状態において、操作者判定部13には操作制限対象ユーザが予め設定されており、操作内容判定部14には操作制限対象内容が予め設定されており、操作タイミング判定部15には操作制限対象タイミングが予め設定されている。操作制限対象ユーザ、操作制限対象内容及び操作制限対象タイミングは、車載情報機器100の製造時に設定されたものでも良く、ユーザが操作入力部2などを用いて設定したものでも良い。車載情報機器100を搭載した車両は走行中であり、車載情報機器100の電源が入っている。
ステップST1にて、経路案内部11が操作入力部2による操作の入力を受け付ける。経路案内部11が当該操作を自己の動作に反映するより先に、以下のステップST2〜ST6の処理が実行される。
ステップST2にて、操作内容判定部14は、ステップST1における経路案内部11に対する操作内容が操作制限対象内容であるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作内容が表示部3の表示画面を他の画面に切り替える内容であるか否かを判定する。
ステップST3にて、操作者判定部13は、ステップST1における操作入力部2の操作者が操作制限対象ユーザであるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作者が車両の助手席に座ったユーザであるか否かを判定する。
ステップST4にて、操作タイミング判定部15は、ステップST1における経路案内部11の操作タイミングが操作制限対象タイミングであるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作タイミングが、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングであるか否かを判定する。
操作内容が操作制限対象内容でない場合、操作者が操作制限対象ユーザでない場合、又は、操作タイミングが操作制限対象タイミングでない場合(ステップST2“NO”又はステップST3“NO”又はステップST4“NO”)、ステップST5にて、操作制限部16はステップST1にて受け付けた操作を有効とする。操作制限部16は、ステップST1にて受け付けた操作が有効である旨を経路案内部11に通知する。経路案内部11は、ステップST1にて受け付けた操作を自己の動作に反映する。
一方、操作内容が操作制限対象内容であり、かつ、操作者が操作制限対象ユーザであり、かつ、操作タイミングが操作制限対象タイミングである場合(ステップST2“YES”かつステップST3“YES”かつステップST4“YES”)、ステップST6にて、操作制限部16はステップST1にて受け付けた操作を無効とする。操作制限部16は、ステップST1にて受け付けた操作が無効である旨を経路案内部11に通知する。経路案内部11は、ステップST1にて受け付けた操作を自己の動作に反映しない。
制御部1は、経路案内部11が操作入力部2により操作される度に、ステップST1〜ST6の処理を実行する。
一般に、表示部3が交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示しているタイミングの場合、表示部3の表示画面が示す情報は運転者にとって重要度が高い情報である。この場合、助手席に座ったユーザによる操作が表示画面を他の画面に切り替える内容の操作であるときは、当該操作を無効とすることで、運転者にとって重要度の高い画像の表示を継続し、当該操作が運転の妨げになるのを防ぐことができる。一方、助手席に座ったユーザによる操作が表示画面を他の画面に切り替える操作でないときは、当該操作を有効としても案内画面の表示が継続されるため、当該操作を有効として助手席に座ったユーザの利便性を向上することができる。
これに対し、例えば車両が10キロメートル(km)などの長い直線道路を道なりに走行しており、表示部3が右左折又は車線変更を案内する画像を表示していないタイミングの場合、表示部3の表示画面が示す情報は運転者にとって重要度が低い情報である。この場合、助手席に座ったユーザによる操作が表示画面を他の画面に切り替える内容の操作であるか否かに関わらず当該操作を有効とすることで、助手席に座ったユーザの利便性を向上することができる。
次に、図4のフローチャートを参照して、制御部1の動作の他の例について説明する。
ステップST1にて、オーディオ再生部12が操作入力部2による操作の入力を受け付ける。オーディオ再生部12が当該操作を自己の動作に反映するより先に、以下のステップST2〜ST6の処理が実行される。
ステップST2にて、操作内容判定部14は、ステップST1におけるオーディオ再生部12に対する操作内容が操作制限対象内容であるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作内容が再生中の楽曲を曲送りする内容、又は、再生中の音声の音量を変更する内容であるか否かを判定する。
ステップST3にて、操作者判定部13は、ステップST1における操作入力部2の操作者が操作制限対象ユーザであるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作者が車両の助手席に座った子供であるか否かを判定する。
ステップST4にて、操作タイミング判定部15は、ステップST1におけるオーディオ再生部12の操作タイミングが操作制限対象タイミングであるか否かを判定する。具体的には、例えば、操作タイミングが音声データを再生しているタイミングであるか否かを判定する。
操作内容が操作制限対象内容でない場合、操作者が操作制限対象ユーザでない場合、又は、操作タイミングが操作制限対象タイミングでない場合(ステップST2“NO”又はステップST3“NO”又はステップST4“NO”)、ステップST5にて、操作制限部16はステップST1にて受け付けた操作を有効とする。操作制限部16は、ステップST1にて受け付けた操作が有効である旨をオーディオ再生部12に通知する。オーディオ再生部12は、ステップST1にて受け付けた操作を自己の動作に反映する。
一方、操作内容が操作制限対象内容であり、かつ、操作者が操作制限対象ユーザであり、かつ、操作タイミングが操作制限対象タイミングである場合(ステップST2“YES”かつステップST3“YES”かつステップST4“YES”)、ステップST6にて、操作制限部16はステップST1にて受け付けた操作を無効とする。操作制限部16は、ステップST1にて受け付けた操作が無効である旨をオーディオ再生部12に通知する。オーディオ再生部12は、ステップST1にて受け付けた操作を自己の動作に反映しない。
制御部1は、オーディオ再生部12が操作入力部2による操作される度に、ステップST1〜ST6の処理を実行する。
助手席に座った子供が音量を変更した場合、でたらめな操作により運転者の想定を超えて音量が大きくなり、スムーズな運転の妨げになる可能性がある。また、助手席に座った子供が楽曲を曲送りした場合、演奏中の曲が途切れるなど、運転者等の意図で実行中の機器動作が妨げられることになる。実施の形態1の車載情報機器100は、助手席に座った子供がこれらの操作をしたときは、当該操作を無効とすることで、当該操作が運転や実行中の機器動作の妨げやになるのを防ぐことができる。一方、助手席に座った子供が例えば再生中の曲のタイトルを表示するなど、操作制限対象内容以外の操作をしたときや、再生中以外のタイミングなど、操作制限対象タイミング以外のタイミングで操作をしたとき、あるいは、助手席に座ったユーザが子供でないときは、当該操作を有効とすることで、助手席に座ったユーザの利便性を向上することができる。
なお、カメラ5は、車両に搭乗したユーザのうちの操作入力部2を操作し得るユーザを撮影できるものであれば良く、助手席と対向した配置に限定されるものはない。同様に、マイク6は、車両に搭乗したユーザのうちの操作入力部2を操作し得るユーザが発した音声を取得できるものであれば良く、助手席と対向した配置に限定されるものはない。また、圧力センサ7は、操作入力部2を操作し得るユーザが座る座席に設けたものであれば良く、助手席に限定されるものではない。また、カメラ5、マイク6及び圧力センサ7のうち、操作者判定部13が操作者の判定に用いない部材については除去した構成としても良い。
また、操作制限対象ユーザは、車両の助手席に座った全てのユーザ、又は、車両の助手席に座った子供に限定されるものではない。タッチパネル53、カメラ5、マイク6及び圧力センサ7のうちの少なくとも1つを用いて判定できるものであれば、如何なる特性のユーザを操作制限対象ユーザに設定したものでも良い。操作制限対象ユーザは、操作入力部2などを用いて、ユーザが任意に設定できるものである。
また、経路案内部11の操作制限対象内容は、表示部3の表示画面を他の画面に切り替える内容に限定されるものではない。オーディオ再生部12の操作制限対象内容は、再生中の楽曲を曲送りする内容、又は、再生中の音声の音量を変更する内容に限定されるものではない。操作制限対象内容は、操作入力部2などを用いて、ユーザが任意に設定できるものである。
また、経路案内部11の操作制限対象タイミングは、車両の走行経路を案内しているタイミングのうち、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングに限定されるものではない。オーディオ再生部12の操作制限対象タイミングは、音声データを再生しているタイミングに限定されるものではない。操作制限対象タイミングは、操作入力部2などを用いて、ユーザが任意に設定できるものである。
また、車載情報機器100の機能は、ナビゲーション装置及びオーディオ装置の機能に限定されるものではない。タッチパネル53などの操作入力部2により操作される情報機器であれば、如何なる情報機器の機能を果たすものであっても良い。ユーザは、操作入力部2などを用いて、車載情報機器100の機能に応じた操作制限対象内容及び操作制限対象タイミングを任意に設定することができる。
また、車載情報機器100は、車両に搭載されたカーナビゲーション装置で構成されたものでも良い。または、車載情報機器100は、車両に持ち込まれたスマートフォン又はPND(Portable Navigation Device)などの携帯情報端末で構成されたものでも良い。
以上のように、実施の形態1の車載情報機器100は、操作入力部2に入力操作を行った操作者が操作制限対象に設定された操作者であるか否かを判定する操作者判定部13と、操作入力部2に入力された操作内容が操作制限対象に設定された内容であるか否かを判定する操作内容判定部14と、操作入力部2の入力操作を行った操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングであるか否かを判定する操作タイミング判定部15と、操作者が操作制限対象に設定された操作者であり、かつ、操作内容が操作制限対象に設定された内容であり、かつ、操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングである場合、操作入力部2の操作を無効とする操作制限部16と、を備える。操作者が操作制限対象ユーザである場合であっても、操作内容が操作制限対象内容でないとき、又は、操作タイミングが操作制限対象タイミングでないときは操作を有効とすることで、入力された操作がスムーズな運転又は実行中の機器動作の妨げになるのを防ぎつつ、ユーザの利便性を向上することができる。
また、車載情報機器100は、車両の走行経路を案内する経路案内部11を備える。操作タイミング判定部15は、経路案内部11が走行経路を案内しているタイミングを操作制限対象に設定している。これにより、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングなど、運転者にとって重要度の高い情報が案内されているタイミングを操作制限対象タイミングに設定することができる。
また、操作内容判定部14は、表示部3が表示している画面を他の画面に切り替える内容を操作制限対象に設定している。これにより、表示部3が運転者にとって重要度の高い情報を表示している場合、表示画面を切り替える操作は無効とすることでスムーズな運転又は実行中の機器動作の妨げになるのを防ぐことができ、かつ、表示画面を切り替えない操作は有効とすることで利便性を向上することができる。
また、操作者判定部13は、車両内を撮影するカメラ5、車両内の音声を取得するマイク6、操作入力部2を構成するタッチパネル53、及び、車両の座席に設けられた圧力センサ7のうちの少なくとも1つを用いて操作者が操作制限対象に設定された操作者であるか否かを判定する。これらのハードウェアを用いて判定できるユーザであれば、如何なる特性のユーザも操作制限対象ユーザに設定することができる。
また、操作者判定部13は、車両の助手席に座った操作者を操作制限対象に設定している。これにより、運転者以外に車載情報機器100を操作する可能性の高い助手席に座ったユーザによる、運転者の意に反する操作を制限することができる。
実施の形態2.
図5を参照して、実施の形態1と異なる操作制限部16aを設けた車載情報機器100について説明する。なお、図5において、図1に示す実施の形態1のブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、車載情報機器100のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図2及び図3を援用して説明する。
操作制限部16aは、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザでないと判定された場合、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容でないと判定された場合、又は、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングでないと判定された場合、操作入力部2の操作を有効とするものである。操作制限部16aは、操作が有効である旨を経路案内部11に通知するようになっている。
また、操作制限部16aは、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザであると判定され、かつ、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容であると判定され、かつ、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングであると判定された場合、操作入力部2の操作を有効とした状態の画面(以下「有効画面」という。)とともに、操作入力部2の操作を無効とした状態の画面(以下「無効画面」という。)を表示部3に表示させる旨を経路案内部11に通知するものである。
具体的には、例えば、表示部3の表示領域を左右に2分割し、一方の領域に有効画面を表示させるとともに、他方の領域に無効画面を表示させる。または、表示部3の表示領域の全体に有効画面を表示させるとともに、表示領域の隅部に重畳して無効画面を小さく表示させる。これに限らず、無効画面の表示が妨げられない範囲であれば、どのような表示でも良い。
次に、図6のフローチャートを参照して、制御部1の動作について説明する。
図6において、図4に示す実施の形態1のフローチャートと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。初期状態において、操作者判定部13は、車両の助手席に座ったユーザが操作制限対象ユーザに設定されている。操作内容判定部14は、表示部3の表示画面を他の画面に切り替える内容が操作制限対象内容に設定されている。操作タイミング判定部15は、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングが操作制限対象タイミングに設定されている。
経路案内部11がステップST1の処理を実行し、操作内容判定部14がステップST2の処理を実行し、操作者判定部13がステップST3の処理を実行し、操作タイミング判定部15がステップST4の処理を実行する。
操作内容が操作制限対象内容でない場合、操作者が操作制限対象ユーザでない場合、又は、操作タイミングが操作制限対象タイミングでない場合(ステップST2“NO”又はステップST3“NO”又はステップST4“NO”)、操作制限部16aはステップST5の処理を実行する。
一方、操作内容が操作制限対象内容であり、かつ、操作者が操作制限対象ユーザであり、かつ、操作タイミングが操作制限対象タイミングである場合(ステップST2“YES”かつステップST3“YES”かつステップST4“YES”)、ステップST6aにて、操作制限部16aは、有効画面とともに無効画面を表示させる旨を経路案内部11に通知する。経路案内部11は、ステップST1の操作内容を反映した有効画面を表示部3に表示させるとともに、ステップST1の操作内容を反映していない無効画面を表示部3に表示させる。
実施の形態1で説明したように、表示部3が交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示している場合、表示部3の表示画面が示す情報は運転者にとって重要度が高い情報である。実施の形態2の車載情報機器100は、この場合において、助手席に座ったユーザによる操作が表示画面を他の画面に切り替える操作であるとき、切り替えた後の画面を有効画面として表示部3に表示させることで、助手席に座ったユーザの利便性を確保することができる。これと同時に、切り替える前の画面を無効画面として表示部3に表示させることで、運転者にとって重要度の高い画面の表示を継続し、当該操作がスムーズな運転又は実行中の機器動作の妨げになるのを防ぐことができる。
以上のように、実施の形態2の車載情報機器100は、操作入力部2に入力操作を行った操作者が操作制限対象に設定された操作者であるか否かを判定する操作者判定部13と、操作入力部2に入力された操作内容が操作制限対象に設定された内容であるか否かを判定する操作内容判定部14と、操作入力部2の入力操作を行った操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングであるか否かを判定する操作タイミング判定部15と、操作者が操作制限対象に設定された操作者であり、かつ、操作内容が操作制限対象に設定された内容であり、かつ、操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングである場合、操作入力部2の操作を有効とした状態の画面とともに、操作入力部2の操作を無効とした状態の画面を表示部3に表示させる操作制限部16aと、を備える。入力された操作が操作制限対象の条件を満たす場合、操作内容を反映した有効画面と操作内容を反映していない無効画面との両方を表示させることで、操作者の利便性を損なうことなく当該操作がスムーズな運転又は実行中の機器動作の妨げになるのを防ぐことができる。
実施の形態3.
図7を参照して、実施の形態1,2と異なる操作制限部16bを設けた車載情報機器100について説明する。なお、図7において、図1に示す実施の形態1のブロック図と同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。また、車載情報機器100のハードウェア構成は実施の形態1と同様であるため、図2及び図3を援用して説明する。
操作制限部16bは、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザでないと判定された場合、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容でないと判定された場合、又は、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングでないと判定された場合、操作入力部2の操作を有効とするものである。操作制限部16bは、操作が有効である旨を経路案内部11に通知するようになっている。
また、操作制限部16bは、操作者判定部13で操作者が操作制限対象ユーザであると判定され、かつ、操作内容判定部14で操作内容が操作制限対象内容であると判定され、かつ、操作タイミング判定部15で操作タイミングが操作制限対象タイミングであると判定された場合、有効画面を表示部3に表示させるとともに、操作入力部2の操作を無効とした状態の音声(以下「無効音声」という。)を音声出力部4に出力させる旨を経路案内部11に通知するものである。
次に、図8のフローチャートを参照して、制御部1の動作について説明する。
図8において、図4に示す実施の形態1のフローチャートと同様のステップには同一符号を付して説明を省略する。初期状態において、操作者判定部13は、車両の助手席に座ったユーザが操作制限対象ユーザに設定されている。操作内容判定部14は、表示部3の表示画面を他の画面に切り替える内容が操作制限対象内容に設定されている。操作タイミング判定部15は、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングが操作制限対象タイミングに設定されている。
経路案内部11がステップST1の処理を実行し、操作内容判定部14がステップST2の処理を実行し、操作者判定部13がステップST3の処理を実行し、操作タイミング判定部15がステップST4の処理を実行する。
操作内容が操作制限対象内容でない場合、操作者が操作制限対象ユーザでない場合、又は、操作タイミングが操作制限対象タイミングでない場合(ステップST2“NO”又はステップST3“NO”又はステップST4“NO”)、操作制限部16bはステップST5の処理を実行する。
一方、操作内容が操作制限対象内容であり、かつ、操作者が操作制限対象ユーザであり、かつ、操作タイミングが操作制限対象タイミングである場合(ステップST2“YES”かつステップST3“YES”かつステップST4“YES”)、ステップST6bにて、操作制限部16bは、有効画面を表示部3に表示させるとともに、無効音声を音声出力部4に出力させる旨を経路案内部11に通知する。経路案内部11は、ステップST1の操作内容を反映した有効画面を表示部3に表示させるとともに、ステップST1の操作内容を反映していない無効音声を音声出力部4に表示させる。
このとき、無効音声は、交差点などの右左折又は車線変更を案内する音声である。無効音声は、通常時に当該交差点などを案内する画像の表示とともに出力される案内音声と比較して、より詳細な内容を案内するものであっても良い。これにより、操作に応じて表示画面を切り替えることで助手席に座ったユーザの利便性を損なわず、かつ、交差点などの詳細な案内音声を出力することで当該操作が運転の妨げになるのを防ぐことができる。
なお、操作制限対象タイミングは、交差点などの右左折又は車線変更を案内する画像を表示部3に表示させているタイミングに限定されるものではない。例えば、車載情報機器100が、実施の形態1と同様のオーディオ再生部12と、DVDに記録された映像又はテレビ放送の映像を再生する映像再生部とを有し、オーディオ再生部12が音声データを再生しているタイミングが操作制限対象タイミングに設定されているものとする。オーディオ再生部12が音声データを再生しているタイミングで、助手席に座ったユーザが映像再生部に映像を再生させる操作を入力して表示部3の画面を映像再生の画面に切り換えたとき、音声についてはオーディオ再生部12による音声再生を継続することで、音声については運転者等の意図に即した機器動作を継続することができる。
以上のように、実施の形態3の車載情報機器100は、操作入力部2に入力操作を行った操作者が操作制限対象に設定された操作者であるか否かを判定する操作者判定部13と、操作入力部2に入力された操作内容が操作制限対象に設定された内容であるか否かを判定する操作内容判定部14と、操作入力部2の入力操作を行った操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングであるか否かを判定する操作タイミング判定部15と、操作者が操作制限対象に設定された操作者であり、かつ、操作内容が操作制限対象に設定された内容であり、かつ、操作タイミングが操作制限対象に設定されたタイミングである場合、操作入力部2の操作を有効とした状態の画面を表示部3に表示させるとともに、操作入力部2の操作を無効とした状態の音声を音声出力部4に出力させる操作制限部16bと、を備える。入力された操作が操作制限対象の条件を満たす場合、操作内容を反映した有効画面を表示させるとともに操作内容を反映していない無効音声を出力させることで、操作者の利便性を損なうことなく当該操作がスムーズな運転又は実行中の機器動作の妨げになるのを防ぐことができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。