JP6358644B2 - 警報システム及びその報知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、火災などの異状を検知して警報する警報器を複数設置して連動警報を行う警報システム及びその報知方法に関する。
従来、住宅等における火災を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。例えば、このような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検出するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検知すると警報部から火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で相互に無線通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報音が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる無線連動型の住警器を用いた警報システムも実用化され、普及している。
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検出した場合、当該火災を検出した連動元の住警器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点灯し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点滅するようにしている。
しかし、このような従来の無線連動型の警報システムにあっては、ある住警器が他の住警器からの無線信号を受信する際に、同じ通信周波数を使用する複数の無線信号が同時に到来して信号衝突を起こす場合があり、信号衝突の発生頻度は警戒エリアに設置する住警器の台数が増加するほど高くなり、そのため1つの警戒エリアに設置できる住警器の台数が制約される。
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、複数の警報器からなるグループを形成するにあたって、信号衝突の頻度が高くならないよう制限した警報器の最大台数を設定し、このように形成した複数のグループ間に中継器を配置して連動させ、更に、グループ毎に使用する通信周波数を異ならせた警報システムを提案している(特許文献3)。
このグループ連動の警報システムにあっては、警戒エリア内で複数のグループを連動させることで全体の警報器連動台数を増やすことができ、グループが異なると警報器の通信周波数が異なるため、あるグループの警報器に当該グループ内の警報器からの信号と他のグループの警報器からの信号が同時に到来しても、信号衝突は発生せず、信号の送受信を確実に行うことができる。
この信号衝突の問題は、無線信号を使用する場合には警報器の親機と子機を区別しないシステムでも、また親機に対し複数の子機を配置する親子方式のシステムでも同様であり、親子方式の場合例えば親機は子機の個別IDを用いて子機を順次呼出し処理しているが、子機の台数が多くなると、信号衝突に伴うリトライ回数増加に起因して全体の通信に時間がかかる。そこで、親機と信号衝突の発生頻度を低減すべく子機を所定の最大台数以下に制限してグループを形成し、各グループの親機に中継機能を持たせて連動し、更に、グループ毎に使用する通信周波数を異ならせた警報システムとする。
このため、一般住宅よりも規模が大きく通常の無線連動型の住警器からなる警報システムでは警報器最大台数の制限により全体をカバーできないが、しかし火災報知設備の設置義務のない、床面積が3000平米未満の施設、例えば高齢者や知的障害者の家事支援などを行うグループホーム等に、グループ連動を行う警報システムを設置することで、信号衝突の問題を回避しつつグループホーム全体の警報器連動台数を必要にして十分な数に増やし、実質的に火災報知設備を設置したと同等の火災監視機能を低コストで提供可能としている。
特開2007−094719号公報 特開2009−140236号公報 特開2011−034373号公報
ところで、このような従来のグループ連動を行う警報システムにあっては、住警器が火災を検知して警報した場合、同じグループ内の住警器及び他の全てのグループに配置した住警器から火災警報を出力させることができるが、警報システムを設置しているグループホーム等の施設の形態によっては、全グループの警報器を一斉連動させることが不適切な場合がある。
例えば、複数の部屋割りをもつ平屋建ての家屋を廊下でつなげたような施設にあっては、家屋単位にグループを形成し、各家屋の各部屋に住警器を設置し、家屋間(異なるグループ間)は中継器で連動させるが、火災が発生した部屋の住警器(連動元住警器)が属する連動元グループ(家屋:当該グループの警戒エリア)から相当離れた場所に位置する連動先グループの住警器についても一斉に火災警報が出力され、火災に伴う危険度が比較的低く避難に時間的な余裕があるにも係らず、緊急の行動を促す結果となり、多くの人が避難路に殺到して不要な混乱を招く恐れがあるし、非火災報や誤報の場合には迷惑が拡大してしまう。
この非火災報や誤報の場合として例えば、調理に伴う煙や浴室の湯気によって住警器が作動してしまった場合など、火災を検知した警報器が設置されている住居の居住者が自身で非火災報や誤報を判断でき、作動原因の除去や住警器の警報停止操作、或いは復旧操作をおこなえるような状況が考えられる。
同様に、複数階に分かれた施設の場合、通常は階毎にグループを形成して連動させることになるが、ある階で火災が発生した場合に、階毎に分けた全てのグループの全住警器から火災警報が一斉に出力され、この場合も不要な混乱や迷惑を招く恐れがある。
このような問題を解決するためには、例えば上述の平屋建ての場合は、火災を検知したグループに隣接するグループについて、また複数階に分かれた施設の場合は、火災発生階に対し直上階のグループについて連動警報を行えば、火災の危険度に応じた適切な初期警報となる。
しかし、火災を検知しているグループとこれに隣接したグループの連動警報だけでは、それ以外の連動警報を行わないグループの部屋の居住者は、居住している施設内で火災が起きていることが分からず、火災が隣接するグループに拡大した場合の連動警報により、火災を初めて知ることととなり、避難行動が結果的に遅れてしまう可能性がある。
本発明は、住警器等の警報器の連動台数を拡張し、複数の警戒エリアの異状を監視する警報システムにおいて、火災等所定の異状の発生状況に応じて、避難行動を含む適切な対処行動を可能とする異状警報の報知方法と、このための警報システムを提案することを目的とする。
(警報システム)
本発明は、所定の警戒エリアに直列状に配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムに於いて、
複数の警報器の各々は、隣接する他の警報器では受信可能で、それ以外の他の警報器では受信できないレベルの送信電力を設定して無線信号を送信し、
警報器の何れかは、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、
異状連動信号を受信した他の警報器は、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわずに、自己に登録されている初期値としての中継回数を含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信し、
警報準備連動信号を受信した他の警報器は、所定の警報準備動作を行うと共に、当該警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む警報準備連動信号を中継送信し、一方、受信した警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数に達している場合は、当該警報準備連動信号の中継送信をおこなわないことを特徴とする。
(警報準備動作から警報動作への移行)
異状を検知した警報器は、異状の検知が継続している場合に異状連動信号を繰り返し送信し、
初期登録された中継回数を含む警報準備連動信号を送信した警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を所定回数受信したことを検知した場合に、初期登録された中継回数を含む異状連動信号を送信し、
警報準備連動信号の受信に基づき警報準備動作を行っている警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を受信した場合に、警報準備動作を異状警報の出力動作に切り替えると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわない。
(警報システム)
本発明は、所定の警戒エリアに配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムに於いて、
複数の警報器の何れかは、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、その後異状の検知が継続している場合は、当該異状連動信号を繰り返し送信し、
異状連動信号を受信した他の警報器は、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわず、
中継回数が所定の警報連動数に達して異状連動信号の中継送信をおこなわなかった警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を所定回数受信したことを検知した場合に、中継回数を初期値に設定した異状連動信号を送信することを特徴とする。
(送信電力の設定)
理想化した通信環境であれば、信号が届くかどうかは通信距離のみに依存し、通信距離は送信電力に対応することから、次のようにして設定する。なお、図面中の符号を括弧内に示す。
警報器(例えばA8)は、送信電力を(Pa,Pb,Pc)と順次変えながら試験信号を送信し、これに伴い、隣接する警報器(A7,A9)及びその外側に更に隣接する警報器(A6,A10)で試験信号が受信されることにより、これらから送信される試験応答信号を受信した場合に、自ら送信した元の試験信号のうち、受信した各試験応答信号に対応する試験信号の送信電力(Pa,Pb,Pc)に基づいて、隣接する他の警報器(A7,A9)で受信できるが、それ以外の他の警報器(A1〜A6,A10〜A15)では受信されない送信電力として設定する。
(3台の住警器間での送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御)
警報器(例えばA8)は、両側に隣接する警報器(A7,A9)から受信した試験応答信号に対応する各試験信号のうちの高い方の第1送信電力(Pb)に、隣接する警報器の何れか一方の外側に更に隣接する警報器(例えばA10)から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第2送信電力(Pc)第1送信電力との差(Pc−Pb)未満の所定の余裕値(ΔP)を加算した送信電力(Pb+ΔP)を、両側に隣接する警報器(A7,A9)で受信できるが、それ以外の警報器(A1〜A6,A10〜A15)では受信されない送信電力として自己に設定登録する。
(4台の住警器間での送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御)
警報器(例えばA8)は、両側に隣接する警報器(A7,A9)から受信した試験応答信号に対応する各試験信号の同じか又は高い方の第1送信電力(Pa又はPb)に、隣接する警報器の外側に更に隣接する警報器(A6,A10)から受信した試験応答信号に対応する各試験信号の同じか又は低い方の第2送信電力(Pc第1送信電力(Pa)との差(Pc−Pa又はPc−Pb)未満の所定の余裕値(ΔP)を加算した送信電力(Pa+ΔP又はPb+ΔP)を、両側に隣接する警報器(A7,A9)で受信でるが、それ以外の警報器(A1〜A6,A10〜A15)では受信されない送信電力として自己に設定登録する。
(片側に警報器が隣接する場合の隣接送信電力の設定制御)
警報器(例えばA1)は、片側に隣接する警報器(A2)から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第1送信電力(Pa)に、隣接する警報器(A2)の外側に更に隣接する警報器(A3)から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第2送信電力(Pc)と第1送信電力(Pa)との差(Pc−Pa)未満の所定の余裕値(ΔP)を加算した送信電力(Pa+ΔP)を、片側に隣接する警報器(A2)で受信できるが、それ以外の警報器(A3〜A15)では受信されない送信電力として自己に設定登録する。
(報知方法)
本発明は、所定の警戒エリアに直列状に配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムの報知方法に於いて、
複数の警報器の各々が、隣接する他の警報器では受信可能で、それ以外の他の警報器では受信できないレベルの送信電力を設定して無線信号を送信し、
複数の警報器の何れかが、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、
異状連動信号を受信した他の警報器が、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわずに、自己に登録されている初期値としての中継回数を含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信し、
警報準備連動信号を受信した他の警報器が、所定の警報準備動作を行うと共に、当該警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む警報準備連動信号を中継送信し、一方、受信した警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数に達している場合は、当該警報準備連動信号の中継送信を行わないことを特徴とする。
これ以外の報知方法の特徴は、上記の警報システムの場合と基本的に同じになる。

(基本的な効果)
本発明の警報システムによれば、火災等の異状を検知した警報器は、火災警報を出力すると共に、中継回数の初期値を含む火災連動信号を送信し、火災連動信号を受信した他の警報器は、火災警報を出力すると共に、当該中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、この中継回数を例えば1つ増加させ、増加させた中継回数を含む異状連動信号を他の警報器へ中継送信し、一方、中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわないようにしたため、例えば平屋建ての家屋を仕切った居室が廊下に沿って並んでいるような施設の場合、火災を検知した居室の警報器を中心に、その両側の危険度を考慮して定めた所定の警報連動数の範囲の居室に設置した警報器から火災連動警報を出力させることができ、危険度の高い火元に近い居室側で連動警報を行って居住者の迅速な避難行動を促すことを可能とする。
また、火災警報を行う連動範囲は固定的ではなく、火災を検知した警報器を設置した居室が異なっても、その居室の警報器を中心として両側に位置する所定の警報連動数の警報器を設置した居室範囲が動的に設定され、火災の発生場所に応じて適切な警報範囲を設定することができる。
(隣接警報器に対応した送信電力の設定による効果)
また、複数の警報器の各々は、隣接する警報器で受信され、それ以外の警報器で受信されない送信電力を設定して信号を送信するようにしたため、例えば平屋建ての家屋を仕切って複数の居室が廊下に沿って並んでいるような施設の場合、火災を検知した警報器が送信した火災連動信号を、隣接する警報器へのみ順番に中継するマルチホップ方式(バケツリレー方式)の中継通信を可能とし、このため隣接する警報器以外からは受信可能な強さの電波は到来せず、信号衝突を考慮する必要がないため、設置可能な警報器の数の制約をなくすことができる。
また、警報器間のマルチホップ方式による中継通信は、送信電力の設定により通信可能範囲を決めているため、通常のマルチホップ方式における送信元ID、送信先ID、中継元ID、及び中継先IDを信号に含めて行う複雑な通信プロトコルに従った通信制御(ルーチング制御)を不要とし、送信元IDと中継回数を含む信号とするだけで、簡単且つ確実にマルチホップ方式による中継通信を実現することができる。
(警報準備動作の連動による効果)
また、他の警報器から火災連動信号を受信して1つ変化させた中継回数が所定の警報連動数に達して火災連動信号の中継送信を終了した警報器は、更に、初期設定した中継回数を含んだ警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信し、この警報準備連動信号を受信した他の警報器は、所定の警報準備動作を行うと共に当該警報準備連動信号に含まれる中継回数を1つ変化させ、中継回数が所定の警報準備連動数未満の場合は、変化させた中継回数を含む警報準備連動信号を中継送信し、中継回数が所定の警報準備連動数に達した場合は、当該警報準備連動信号の中継送信を終了するようにしたため、火災を検知した警報器を中心とした所定の警報連動数で決まる複数の警報器による警報連動範囲の外側に、所定の警報準備連動数で決まる複数の警報器による警報準備動作範囲を動的に構築することができ、警報準備動作による報知を行うことで、居住者に火災の可能性を知らせて避難の準備行動を促すことを可能とする。
(試験信号の送信に基づく送信電力の設定による効果)
警報器は、送信電力を変えながら試験信号を送信し、隣接する警報器及びその外側に隣接する警報器で試験信号を受信して送信される試験応答信号を受信した場合の送信電力に基づいて、隣接する他の警報器で受信され、それ以外の他の警報器で受信されない送信電力を設定するようにしたため、例えば平屋建ての家屋の廊下に沿って並んでいる複数の居室の各々に警報器を設置した場合、隣の居室に設置した警報器で受信され、それより先の居室に設置した警報器では受信されない送信電力を、実際の電波環境に合わせて適切に設定することができ、信号衝突を起こすことなく、隣接配置している警報器の中継送信で火災連動信号を順番に送信する通信制御を確実に実現可能とする。
平屋建ての施設に配置した警報システムの実施形態を示した説明図 施設の中央に位置する住警器A8で火災を検知した場合の動作を示した説明図 施設の左端に位置する住警器A1で火災を検知した場合の動作を示した説明図 住警器の概略構成の実施形態を示したブロック図 住警器A8を例にとって、両側及びその外側に隣接する住警器の3台に対する送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御を示した説明図 住警器A8を例にとって、両側及びその外側に隣接する住警器の4台に対する送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御を示した説明図 住警器A1を例にとって、片側にのみ住警器が隣接する場合の送信電力の設定制御を示した説明図 施設の廊下に住警器を配置した警報システムの実施形態を示した説明図 コ字形の家屋をもつ平屋建ての施設に配置した警報システムの実施形態を示した説明図 家屋1bの住警器A9で火災を検知した場合の動作を示した説明図 家屋1aの住警器A1で火災を検知した場合の動作を示した説明図
[警報システムの概要]
図1は平屋建ての施設に配置した警報システムの実施形態を例示した説明図であり、異状として火災を検知して警報する警報器である住警器を使用した場合を例にとっており、図1(A)に平面を、図1(B)に立面を示す。
(住警器の配置)
図1に示すように、警報システムを設置する施設は、平屋建ての家屋1であり、廊下2に沿って例えば15個の居室に別れ、居室に住警器A1〜A15を設置し、施設に設置した全ての住警器A1〜A15で一つのグループを形成している。
住警器A1〜A15は警報器として機能し、火災を検知した場合には連動元の警報器として動作し、連動元を示す火災警報を出力すると共に火災連動信号を所定の通信プロトコルに従って送信して、これを受信した住警器から連動先を示す火災警報を連動して出力させる。また、住警器A1〜A15は、他の住警器が送信した火災連動信号を受信した場合、連動先の警報器として動作し、必要に応じて当該火災連動信号(或いはその内容)を中継送信する。
なお、本説明の「中継する」或いは「中継送信する」とは、ある信号の受信に基づいて、少なくとも、受信した連動信号の内容の一部を示す信号を送信することを指す。
火災を検知した連動元の警報器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点灯し、一方、連動先の警報器は、例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力すると共に警報表示用LEDを点滅するようにしている。
ここで、住警器A1〜A15の通信プロトコルは、日本国内の場合、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。
また、住警器A1〜A15が送受信する信号は、送信元を示す識別子である送信元符号(送信元ID)、グループを示す識別子であるグループ符号(グループID)、中継毎に1つ変化(増加又は減少)する中継回数、制御コマンド又は火災、復旧、警報停止等の検知結果を示す符号(事象符号)を含んだ形式とし、送信元符号としては、例えば住警器のシリアル番号を利用する。
住警器A1〜A15は、片側又は両側の隣接する住警器で受信され、それ以外の住警器で受信されない送信電力(以下「隣接送信電力」という)を予め設定して信号を送信する。
また、住警器A1〜A15は、火災を検知した場合に、連動元を示す火災警報を出力すると共に、N=0に初期設定し、中継毎に1つ変化するた中継回数Nを含む火災連動信号を隣接する住警器へ送信する。
また、住警器A1〜A15は、隣接する住警器から火災連動信号を受信した場合、連動先を示す火災警報を出力すると共に、当該火災連動信号に含まれる中継回数Nを1つ増加させてN=N+1とし、当該中継回数Nが所定の警報連動数Nth1、例えばNth1=5未満の場合は、変化させた中継回数Nを含む火災連動信号を中継送信し、中継回数Nが警報連動数Nth1に達した場合は、火災連動信号の中継送信を終了する。
また、住警器A1〜A15は、隣接する他の住警器から火災連動信号を受信して1つ増加させた中継回数Nが警報連動数Nth1に達して火災連動信号の中継送信を終了した場合、更に、N=0に初期設定した中継回数Nを含んだ警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信する。
また、住警器A1〜A15は、隣接する住警器から警報準備連動信号を受信した場合、所定の警報準備動作による報知を行うと共に当該警報準備連動信号に含まれる中継回数Nを1つ増加させ、中継回数Nが所定の警報準備連動数Nth2、例えばNth2=5未満の場合は、変化させた中継回数Nを含む警報準備連動信号を中継送信し、中継回数Nが警報準備連動数Nth2に達した場合は、警報準備連動信号の中継送信を終了する。
また、住警器A1〜A15は、隣接する住警器から警報準備連動信号を受信した場合、所定の警報準備動作を行う。住警器A1〜A15の警報準備動作は、火災警報とは異なる警報音及び又は警報表示による報知を行もので、例えば次の報知を行う。
(1) 「ピッ」といった短い警報音を繰り返し出力する。
(2) 警報音を出さずに警報用LEDを点灯、点滅又は明滅する。
(3) 前記(1)と(2)を行う。
住警器の警報準備動作による報知は、居住者に居室から離れた施設内の場所で火災が検知されていることを知らせ、火災が続いた場合には、そのうちに火災警報が出力されることから、そのための準備を促すことを意図している。
また、住警器A1〜A15は、N=0に初期設定した中継回数Nを含む警報準備連動信号を送信した場合、その後、隣接する住警器から火災連動信号を所定回数受信したことを検知した場合に、N=0に初期設定した中継回数Nを含む火災連動信号を送信する。
これにより警報準備連動信号の受信に基づき警報準備動作を行っている住警器は、その後、火災連動信号を受信した場合に、火災警報の出力に切り替えると共に当該火災連動信号に含まれる中継回数Nを1つ変化させ、中継回数Nが警報連動数Nth2未満の場合は、変化させた中継回数Nを含む火災連動信号を中継送信し、中継回数Nが警報連動数Nth2に達した場合は、火災連動信号の中継送信を終了し、これにより警報準備連動範囲を火災警報連動範囲に切り替えると共に、その外側へ警報準備連動範囲を拡大することができる。
[警報システムの動作]
図2は家屋1の中央の居室に設置した住警器A8で火災を検知した場合の動作を示した説明図であり、図2(A)は火災を検知した場合の火災警報連動範囲とその外側の警報準備連動範囲を示し、図2(B)は火災検知の継続に基づき火災警報連動範囲を拡大した場合を示す。
(火災検知に伴う連動警報)
図2(A)に示すように、例えば住警器A8を設置した居室で火災Fが発生したとすると、住警器A8が火災を検知し、連動元を示す火災警報を出力すると共に、中継回数NをN=0に初期設定した実線矢印で示す火災連動信号を、隣接する住警器A7,A9で受信され、それ以外の住警器では受信されない所定の隣接送信電力で送信する。
住警器A8が送信した火災連動信号は、住警器A7,A9で受信され、住警器A7,A9は連動先を示す火災警報を出力すると共に、火災連動信号に含まれる中継回数N=0を1つ増加してN=1とし、これは警報連動数Nth1=5未満であることから、中継回数N=1を含む火災連動信号を、隣接する住警器A6,A10に対する所定の隣接送信電力で送信する。
このようにして住警器A8から住警器A7側に送信した火災連動信号は、住警器A6,A5,A4,A3と中継され、中継回数NはN=2,3,4と変化し、住警器A3では受信した火災連動信号の中継回数N=4は1つ増加してN=5となり、警報連動数Nth1=5に一致する。このため住警器A3は火災連動信号の中継送信を終了する。
この場合、住警器A3はN=0に初期設定した中継回数Nを含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を生成し、これを隣接する住警器A2に対する所定の隣接送信電力で送信する。住警器A3が送信した警報準備連動信号は、住警器A2で受信され、住警器A2は警報準備動作による報知を行うと共に、警報準備連動信号に含まれる中継回数N=0を1つ増加してN=1とし、これは警報準備連動数Nth2=5未満であることから、中継回数N=1を含む警報準備連動信号を、隣接する住警器A1に対する所定の隣接送信電力で送信する。
これを受信した住警器A1は警報準備動作による報知を行うと共に、中継回数N=2を含む警報準備連動信号を送信しようとするが、隣接する住警器は存在しないことから中継送信を終了する。
一方、住警器A8から住警器A9側に送信した火災連動信号は、住警器A10,A11,A12,A13と中継され、中継回数NはN=2,3,4と変化し、住警器A13では受信した火災連動信号の中継回数N=4は1つ増加してN=5となり、警報連動数Nth1=5に一致する。このため住警器A13は火災連動信号の中継送信を終了する。
この場合、住警器A13はN=0に初期設定した中継回数Nを含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を生成し、隣接する住警器A14に対する所定の隣接送信電力で送信する。住警器A13が送信した警報準備連動信号は、住警器A14で受信され、住警器A14は警報準備動作による報知を行うと共に、警報準備連動信号に含まれる中継回数N=0を1つ増加してN=1とし、これは警報準備連動数Nth2=5未満であることから、中継回数N=1を含む警報準備連動信号を、隣接する住警器A15に対する所定の隣接送信電力で送信する。
これを受信した住警器A15は警報準備動作による報知を行うと共に、中継回数N=2を含む警報準備連動信号を送信しようとするが、隣接する住警器は存在しないことから中継送信を終了する。
このため火災を検知した住警器A8を中心にその両側に警報連動数Nth1=5に対応した住警器A7〜A3及びA9〜A13を含む火災警報連動範囲3aが形成され、その外側に、警報準備連動数Nth2=5に対応した住警器A2〜A1,A14〜A15を含む警報準備連動範囲4が形成される。
(火災検知の継続に伴う連動範囲の広がり)
火災を検知した住警器A8は、火災検知が継続している場合、所定周期毎、例えば10秒周期毎に、繰り返し火災連動信号を送信する。この火災連動信号は住警器A7〜A3と中継され、また住警器A9〜A13と中継され、警報準備連動信号を送信した住警器A3,A13で繰り返し受信される。
住警器A3,A13は、火災連動信号の受信回数が所定回数、例えば6回に到達したことを検知した場合、火災検知の継続を判定し(火災検知の1分継続を判定)、図2(B)に示すように、N=0に初期化した中継回数Nを含む火災連動信号を、隣接する住警器A2,A14に対する隣接送信電力で送信する。
これを受信した住警器A2,A14は、それまでの警報準備動作による報知から火災警報の出力に切り替えると共に、火災連動信号に含まれる中継回数N=0を1つ増加してN=1とし、これは警報連動数Nth1=5未満であることから、中継回数N=1を含む火災連動信号を、隣接する住警器A1,A15に対する所定の隣接送信電力で送信する。
これを受信した住警器A1,A15は火災警報の出力に切り替えると共に、中継回数N=2を含む火災連動信号を送信しようとするが、隣接する住警器は存在しないことから中継送信を終了する。
このため図2(A)に示した火災警報連動範囲3aは、その外側の警報準備連動範囲4が火災警報の出力に切り替わることで、外側に住警器2台分広がった火災警報連動範囲3bへ拡大する。
なお、住警器A1,A15の外側に更に複数の居室が存在して住警器が配置されている場合は、火災連動範囲は警報連動数Nth1=5となる範囲まで拡大し、その外側に警報準備連動数Nth2=5に対応した警報準備連動範囲を形成する。
(末端の住警器で火災を検知した場合の動作)
図3は、家屋1の左端の居室に設置した住警器A1で火災を検知した場合の動作を示した説明図であり、図3(A)は火災を検知した場合の火災警報連動範囲とその外側の警報準備連動範囲を示し、図3(B)は火災検知の継続に基づき火災警報連動範囲を拡大した場合を示す。
図3(A)に示すように、住警器A1で火災を検知した場合、住警器A1が送信した実線矢印で示す火災連動信号は住警器A2〜A6で順次中継され、住警器A1〜A6が火災警報連動範囲3aとなる。また、火災連動信号の中継送信を終了した住警器A6は破線矢印で示す警報準備連動信号を送信し、これは住警器A7〜A11で順次中継され、住警器A7〜A11が警報準備連動範囲4となる。
続いて、火災連動信号の中継を終了した住警器A6が火災連動信号の所定回数の受信を検知すると、図3(B)に示すように、実線矢印で示す火災連動信号を送信し、これは住警器A7〜A11で順次中継され、それまでの警報準備動作による報知から火災警報の出力に切り替え、住警器A7〜A11を含む火災連動範囲3bに拡大する。
また火災連動信号の中継を終了した住警器A11は、破線矢印で示す警報準備連動信号を送信し、これは住警器A12〜A15で順次中継され、拡大した火災連動範囲3bの外側に警報準備連動範囲4を新たに形成する。
[住警器の構成]
図4は両側に住警器が隣接する住警器として、家屋1の中央の居室に配置した住警器A8を例にとって機能構成の概略を示したブロック図であり、他の住警器A1〜A7,A9〜A15も基本的に同様となる。
図4において、住警器A8は、制御部10、アンテナ14を接続した通信部12、センサ部16、報知部18、操作部20を備え、図示しない電池電源により動作する。
制御部10は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
センサ部16は例えば温度検出部や検煙部である。センサ部16として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を制御部10へ出力する。またセンサ部16として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、制御部10の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、発光に同期して、フォトダイオードなどの受光部で、発光光が煙粒子により散乱される散乱光を受光して得られる受光信号を増幅回路で増幅し、煙濃度検出信号として制御部10へ出力する。
通信部12は、隣接する住警器A7,A9との間で所定の無線通信プロトコルに従って火災監視に伴う連動信号(前述の警報準備連動信号、火災連動信号を含む)を送受信し、また必要に応じて中継送信する。なお、図1に示した左端と右端の住警器A1,A15は中継先の住警器が存在しないことから、中継送信は行わない。
通信部12の通信プロトコルは、前述したように400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30準拠し、通信部12の送信電力は10mW以下であり、10mWの場合、見通し通信距離は約100メートル程度となる。
また、通信部12は受信感度を超える強さの無線信号を受信した場合に、受信信号を復調出力することができる。ここで、受信感度とは、無線信号の受信強度(電波強度)がこれ以上低いと受信を正常に行うことのできない最低の受信強度を示す値である。
受信強度の単位としては、例えば、1mWを基準とする対数表現の単位「dBm」を用いることができ、
dBm=10×log(受信強度(mW))
として計算できる。例えば、1mWは0dBm、5mWは7dBm、10mWは10dBm、1μWは−30dBmとなる。
住警器A1〜A15に到達する電波の受信強度は、住警器間の距離等の条件により、例えば、10-12〜10-4mW程度の幅で変動し、通信部12の受信感度は例えば−90〜−100dBm程度となる。
通信部12は、制御部10からの指示により送信電力を変更することが可能であり、例えば最大送信電力Pmaxを10mWとした場合、0.1mW刻みで変化させることができる。
報知部18は、スピーカ、表示LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ制御部10の指示によりスピーカから警報音を出力すると共に表示LEDにより警報表示を行う。操作部20は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチを備える。
制御部10は、次の隣接送信電力設定制御、火災警報制御、警報準備連動制御、火災復旧制御、警報停止制御等を行う。
[隣接送信電力の設定制御]
(3台の住警器間での送信電力の検出に基づく隣接送信電力設定制御)
図5は、住警器A8を例にとって、両側に隣接する住警器及び更にその外側に隣接する1台の住警器の3台に対する送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御を示した説明図である。
図5にあっては、理想化した通信環境であれば、信号が届くかどうかは通信距離のみに依存し、通信距離は送信電力に対応することから、住警器A8に隣接する近い方の住警器A9との通信距離をLaとし、遠い方の住警器A7との通信距離をLbとし、更に隣接する近い方の住警器A10との通信距離をLcとし、遠い方の住警器A6との通信距離をLdとしている。即ち、通信距離La〜Ldとの間には、
La<Lb<Lc<Ld
の関係があるものとする。また、住警器A6〜A10はそれぞれの通信距離を離して引いた一点鎖線上のドットとして示している。
住警器A8の制御部10は、警報システムを設置した場合に、操作部20に設けた警報停止スイッチの所定操作、例えば長押し操作の受付けを検知した場合に、隣接送信電力設定制御を行う。
制御部10は、送信電力Pを所定の初期値、例えば1mWから所定値ずつ、例えば0.1mW刻みで増加させながら、通信部12に指示して試験信号を送信させる制御を行う。
また、制御部10は、試験信号の送信により隣接する住警器A7及びA9、更に2つ先の例えばA10で受信された場合に送信される試験応答信号を、通信部12を介して有効受信した場合に、試験応答信号のそれぞれに対応した各試験信号の送信電力Pa、Pb,Pcを検出して保持する制御を行う。
ここで、制御部10は、住警器A8に隣接する住警器A9,A7から受信した試験応答信号に対応した試験信号の送信電力Pa,PbとしてPa=3.0mW、Pb=3.2mWを検出し、また、2つ離れた住警器A10から受信した試験応答信号に対応した試験信号の送信電力PcとしてPc=4.0mWを検出したとする。
このように3台の住警器A9,A7、A10で試験信号を受信可能な送信電力として、
Pa=3.0mW
Pb=3.2mW
Pc=4.0mW
を検出した場合、制御部10は、3つの中の最小の送信電力Paと次に小さい送信電力Pbの差
(Pb−Pa)=0.2mW
を求め、所定の閾値ΔPth、例えばΔPth=0.5mWと比較し、ΔPth以下であれば、高い方の送信電力Pbを隣接した住警器A7及びA9で受信可能な第1送信電力と判断する制御を行う。
また、制御部10は、住警器A10からの試験応答信号に対応した試験信号の送信電力Pcを第2送信電力とし、第1送信電力Pbの差
ΔP=(Pc−Pb)=0.8mW
を求め、所定の閾値ΔPth、例えばΔPth=0.5mWと比較し、ΔPthより大きければ、送信電力Pcは2つ先の住警器A10で受信可能な第2送信電力と判断する制御を行う。
そして、制御部10は、隣接する住警器A7,A9への送信電力Pa,Pbの内の大きい方の第1送信電力Pbに、2つ先の住警器A10への第2送信電力Pcと第1送信電力Paとの差ΔPの半分を余裕値として加えた電力を隣接送信電力Pとして算出して設定する制御を行う。この場合、隣接送信電力Pは、
P=Pb+(Pc−Pb)/2
=3.2+(40−3.2)/2
=3.6mW
となる。
この隣接送信電力Pは、隣接する両側の住警器A7,A9で受信され、2つ離れた住警器A10では受信されず、更に、隣接する遠い方の住警器A7で受信される送信電力Pb=3.2mWに、2つ先の住警器A10で受信される送信電力Pc=4mWとの差0.8mWの半分の0.4mWを余裕値として加えることで、隣接する両側の住警器A7,A9で確実に受信される隣接送信電力としている。なお、余裕値は、第2送信電力と第1送信電力との差未満の所定値でも良いし、所定の固定値であっても良い。
また、制御部10は、受信部22を介して他の住警器が送信した試験信号を有効受信した場合、予め設定した固有の遅延時間を経過した後に、通信部12に指示し、試験応答信号を所定の送信電力で送信する制御を行う。この固有の遅延時間の設定により、複数の住警器からの試験応答信号の送信タイミングをずらし、信号衝突を回避する。なお、試験応答信号の送信は、キャリアセンスによる衝突回避で送信しても良い。
また、制御部10は、試験信号を有効受信した場合、中継制御を禁止する制御を行う。これにより試験信号及び試験応答信号が隣接送信電力の設定に関係しない住警器に中継送信されることを防止する。
また、制御部10は、試験応答信号を送信した後に、同じ送信元符号の試験信号を受信した場合は試験応答信号の送信を禁止する制御を行う。これにより他の住警器が送信電力を変化して繰り返し送信した試験信号に対し、最初に受信された場合にのみ試験応答信号を返送するようにする。
以下、図1の住警器A2〜A14についても、同様に隣接送信電力を求めて設定する。
(4台の住警器間での送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御)
図6は、住警器A8を例にとって、両側に隣接する住警器及び更にその両側に隣接する住警器の4台に対する送信電力の検出に基づく隣接送信電力の設定制御を示した説明図である。
図6にあっては、住警器A8の両側に隣接する住警器A7,A9との通信距離を同じLaとし、更にその両側に隣接する住警器A6,A10との通信距離を同じLcとしている。即ち、通信距離La〜Lcとの間には、La<Lcの関係がある。
住警器A8の制御部10は、送信電力Pを所定の初期値、例えば1mWから所定値ずつ、例えば0.1mW刻みで増加させながら、通信部12に指示して試験信号を送信させる制御を行い、この試験信号の送信により住警器A7,A9から受信した試験応答信号に対応した各試験信号の同じ送信電力Paを検出して保持し、更にその外側に隣接した住警器A6,A10から受信した試験応答信号に対応した各試験信号の同じ送信出力Pcを検出して保持する制御を行う。
ここで、住警器A8に隣接する住警器A9,A7は同じ通信距離Laにあることから、例えば送信電力Pa=3.0mWを検出し、これに対し2つ離れた住警器A6,A10は同じ通信距離Lcにあることから送信電力Pc=4.0mWを検出したとする。
このように4台の住警器A9、A7、A6、A10で受信可能な送信電力として、
Pa=3.0mW
Pa=3.0mW
Pc=4.0mW
Pc=4.0mW
の4つを検出した場合、制御部10は、小さい方の送信電力Paを隣接する住警器A7,A9で受信可能な第1送信電力と判断する制御を行う。
また、制御部10は、小さい方の送信電力Paと大きい方の送信電力Pbの差
(Pb−Pa)=1.0mW
を求め、所定の閾値ΔPth、例えばΔPth=0.5mWと比較し、ΔPthより大きければ、送信電力Pcは2つ先の住警器A10で受信可能な第2送信電力と判断する制御を行う。
そして、制御部10は、隣接する住警器A7,A9への同じ第1送信電力Paに、その外側に更に隣接する住警器A6,A10への同じ第2送信電力Pcと第1送信電力Paとの差ΔPの半分を余裕値として加えた電力を、隣接送信電力Pとして算出して設定する制御を行う。この場合、隣接送信電力Pは、
P=Pa+(Pc−Pa)/2
=3.0+(40−3.0)/2
=3.5mW
となる。
なお、図6において、住警器A8の両側に隣接する住警器A7,A9の通信距離が図5のLa,Lbのように異なる場合もあり、この場合は4台の住警器A7,A9,A6,10に対する4つの送信電力Pa,Pb,Pc,Pcが検出され、図5の場合と同様に、制御部10は、隣接する住警器A7,A9への送信電力Pa,Pbの内の大きい方の第1送信電力Pbに、2つ先の住警器A6,A10への同じか又は低い方の第2送信電力Pcと第1送信電力Pa又はPbとの差ΔPの半分を余裕値として加えた電力を隣接送信電力Pとして算出して設定する制御を行う。
(片側にのみ隣接する場合の隣接送信電力の設定制御)
図1に示した家屋1の両端に位置する住警器A1,A15については、例えば住警器A1を例にとると、隣接する住警器は片側の住警器A2のみであり、2つ先が住警器A3となっている。
図7は、住警器A1を例にとって、片側にのみ住警器が隣接する場合の送信電力の設定制御を示した説明図であり、住警器A1の片側に隣接する住警器A2との通信距離をLaとし、更にその両側に隣接する住警器A3の通信距離をLcとしている。即ち、通信距離La,Lcとの間には、La<Lcの関係があるものとする。
制御部10は、送信電力を所定値ずつ増加させながら試験信号を送信することで、隣接する住警器A2から受信した試験応答信号に対応する試験信号の送信電力Paを検出して保持し、また、2つ先の住警器A3から受信した意見応答信号に対応する試験信号の送信電力Pcを検出して保持する制御を行う。ここで、制御部10は、送信電力Pa及び送信電力Pcとして、例えばPa=3.0mW,Pc=4.0mWを検出して保持したとする。
続いて、制御部10は、小さい方の送信電力Paと大きい方の送信電力Pbとの差(Pc−Pa)=1.0mWを求め、所定の閾値ΔPth、例えばΔPth=0.5mWと比較し、ΔPthより大きいことから、小さい方の送信電力Paを隣接した住警器A2で受信可能な第1送信電力と判断し、大きい方の送信電力Pcを2つ先の住警器A3で受信可能な第2送信電力と判断する制御を行う。
そして、制御部10は、隣接する住警器A2への第1送信電力Paに、2つ先の住警器A3への第2送信電力Pcとの差の半分を余裕値として加えた電力を隣接送信電力Pとして算出して設定する制御を行う。即ち、隣接送信電力Pは、
P=Pa+(Pc−Pa)/2
=3+(4−3)/2
=3.5mW
となる。以下、図1の住警器A15についても、同様に隣接送信電力を求めて設定する。
(火災警報制御)
住警器A8の制御部10は、センサ部16から出力した温度又は煙濃度の検出信号をAD変換により読み込み、所定の閾値以上の場合に火災を検知し(火災検知処理)、報知部18から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ウー ウー 火事です 火事です」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示用LEDを例えば点灯して行う。
また、制御部10は、火災を検知した場合、N=0に初期設定した中継回数Nを含む火災連動信号を生成し、通信部12に指示し、隣接する住警器A7、A9へ火災連動信号を設定した隣接送信電力で送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した住警器A7及びA9から連動先を示す火災警報を出力させる。
この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に表示LEDを例えば点灯して行う。
また、制御部10は、通信部12を介して隣接する住警器A7又はA9から送信又は中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合、報知部18からの連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の連動先を示す火災警報も例えば「ウー ウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共に警報表示用LEDを例えば点灯して行う。
また、制御部10は、通信部12を介して例えば隣接する住警器A7から送信又は中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合、火災連動信号に含まれる中継回数NをN=N+1と増加し、増加した中継回数Nが警報連動数Nth1未満、例えばNth1=5未満の場合は、中継回数Nを含む火災連動信号を生成し、通信部12に指示し、隣接する住警器A9へ火災連動信号を設定した隣接送信電力で送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した住警器A9から連動先を示す火災警報を出力させる。
また、制御部10は、通信部12を介して隣接する例えば住警器A7から中継送信された火災連動信号の有効受信を検知した場合、火災連動信号に含まれる中継回数NをN=N+1と増加し、増加した中継回数Nが警報連動数Nth1=5に一致した場合は、中継送信を終了する制御を行う。
また、制御部10は、通信部12に指示して中継回数Nを含む火災連動信号を中継送信する場合、中継回数Nに1を加算した送信回数(N+1)をメモリに記憶し、その後、通信部12を介して火災連動信号の有効受信を検知した場合、当該火災連動信号に含まれる中継回数Nがメモリに記憶した中継回数(N+1)と比較し、一致する場合は、既に隣接した住警器へ中継送信した火災連動信号が戻ってきたと判断し、この火災連動信号についての中継送信を禁止する制御を行う。これにより隣接する住警器間で火災連動信号が繰り返し中継送信されることを防止する。
例えば住警器A8が送信した中継回数N=1の火災連動信号を住警器A9が受信した場合、住警器A9は次の住警器A10へ中継回数N=2の火災連動信号を送信するが、この火災連動信号は住警器A8でも受信される。この場合、住警器A8は送信した火災連動信号の中継回数N=1に1を加えたN=2をメモリに記憶しており、住警器A9が送信した火災連動信号の中継回数N=2に一致することから、住警器A9から受信した火災連動信号の中継送信を禁止する。
なお、前述した「信号の有効受信を検知」とは、受信した信号に含まれるグループ符号が、受信装置である自己のメモリに予め登録したグループ符号に一致して自己に宛てた信号と認識し、更に、信号内容としても異状が無いことを認識したことを意味する。以下、有効受信を検知することを単に「受信(する)」という。
(警報準備連動制御)
住警器A8の制御部10は、例えば住警器A7から受信した火災連動信号の中継回数Nに1を加算した中継回数(N+1)が警報連動数Nth1に一致して火災連動信号の中継送信を終了した場合、N=0に初期設定した中継回数Nを含む警報準備連動信号を生成し、通信部12に指示し、隣接する住警器A9へ警報準備連動信号を設定した隣接送信電力で送信させる制御を行い、当該警報準備連動信号を受信した住警器A9で警報準備動作による報知を行わせる。
また、制御部10は、通信部12を介して例えば隣接する住警器A7が送信した警報準備連動信号の受信した場合、警報準備動作による報知を行うと共に、警報準備連動信号に含まれる中継回数NをN=N+1と増加し、増加した中継回数Nが警報準備連動数Nth2=5未満の場合は、中継回数Nを含む警報準備連動信号を生成し、通信部12に指示し、隣接する住警器A9へ警報準備連動信号を設定した隣接送信電力で中継送信させる制御を行い、当該警報準備連動信号を受信した住警器A9で警報準備動作による報知を行わせる。
また、制御部10は、通信部12を介して例えば隣接する住警器A7が送信した警報準備連動信号を受信した場合、警報準備動作による報知を行うと共に、警報準備連動信号に含まれる中継回数NをN=N+1と増加し、増加した中継回数Nが警報準備連動数Nth2=5に一致した場合は、中継送信を終了する。
(火災復旧制御)
住警器A8の制御部10は、センサ部16の検出信号に基づき温度又は煙濃度が所定の閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検知状態が解消したこと)を検知し、報知部18からの連動先を示す火災警報出力を停止させると共に、火災復旧連動信号を生成し、通信部12に指示し、当該火災復旧連動信号を隣接送信電力で住警器A7及びA9へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。この火災復旧連動信号には中継回数Nは含めておらず、このため火災復旧連動信号は他の全ての住警器A6〜A1,A10〜A15へ中継送信される。
また、制御部10は、通信部12を介して例えば隣接する住警器A7が送信又は中継送信した火災復旧連動信号を受信した場合に、報知部18からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行うと共に、通信部12に指示し、当該火災復旧連動信号を隣接送信電力で中継送信させる制御を行う。
(警報停止制御)
住警器A8の制御部10は、連動元としての火災警報の出力中に操作部20の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部18からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、警報停止連動信号を生成し、通信部12に指示し、当該警報停止連動信号を住警器A7及びA9へ隣接送信電力で送信させる制御を行い、これを受信した住警器A7及びA9に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。この警報停止連動信号には中継回数Nは含めておらず、このため警報停止連動信号は他の全ての住警器A6〜A1,A10〜A15へ中継送信される。
また、制御部10は、通信部12を介して例えば隣接する住警器A7から送信又は中継送信された警報停止連動信号を受信した場合に、報知部18からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行うと共に、当該警報停止連動信号を住警器A9へ隣接送信電力で中継送信させる制御を行い、これを受信した住警器A9から連動先を示す火災警報出力を停止させる。
[共用部に住警器を配置した警報システム]
図8は、図1の警報システムにおいて、更に共用部となる家屋1の廊下2に住警器A16,A17を配置した警報システムの実施形態を示した説明図であり、図8(A)は施設の平面を示し、図8(B)は住警器A8で火災を検知した場合の動作を示す。
図8(A)に示すように、家屋1の廊下2に沿った複数の居室には住警器A1〜A15を設置し、これに加えて共用部となる廊下2の2箇所に分けた所定位置に住警器A16,A17を設置している。
住警器A16,A17は図4に示した住警器A2と基本的に同じであるが、最短距離で隣接する住警器は、住警器A16の場合は住警器A5、住警器A17の場合は住警器A12となる。
このため住警器A5は、隣接する住警器A6,A4,A16で受信感され、それ以外の住警器では受信されない隣接送信電力を設定し、また住警器A11は、隣接する住警器A10,A12,A17で受信され、それ以外の住警器では受信感されない隣接送信電力を設定する。即ち、住警器A5は住警器A4,A6,A16の3台に隣接することから、それぞれに対する隣接送信電力に余裕値を加えたものを求め、その中の最大の隣接送信電力を設定する。この点は住警器A11も同様であり、住警器A10,A12,A17の3台に隣接することから、それぞれに対する隣接送信電力に余裕値を加えたものを求め、その中の最大の隣接送信電力を設定する。
この警報システムの動作は、図8(B)に示すように、例えば住警器A8で火災を検知した場合、図2(A)に示したと同様に、火災連動信号及び警報準備連動信号の中継送信が行われ、火災警報連動範囲3aと警報準備連動範囲4が形成されるが、更に、廊下2に設置している住警器A16,A17も火災連動信号を受信して火災警報を出力し、共用部となる廊下2にいる居住者や関係者に火災を報知して避難などの適切な対処を可能とする。
また、警報準備連動範囲4となる居室の居住者が警報準備動作による報知を受けて、外の様子を伺った場合、廊下2に設置している住警器A16,A17からの火災警報を聞き、施設内で火災が起きていることを確認できる。
[コ字形の家屋をもつ平屋建て施設の警報システム]
図9はコ字形の家屋をもつ平屋建ての施設に配置した警報システムの実施形態を示した説明図であり、図9(A)は平面を示し、図9(B)は立面を示す。
図9に示すように、警報システムを設置する施設は、平屋建ての家屋1a,1b,1cを例えばコ字形に配置し、家屋1a〜1cは廊下2に沿って5つの居室に別れ、家屋1aに住警器A1〜A5を設置し、家屋1bに住警器A7〜A11を設置し、家屋1cに住警器A13〜A17を設置し、更に共用部となる廊下2に住警器A6,A12を設置している。住警器A1〜A17は図4の実施形態の住警器A8と同じになる。
図10は家屋1bの住警器A9で火災を検知した場合の動作を示した説明図であり、図10(A)は火災を検知した場合の動作を示し、図10(B)は火災連動範囲を拡大する動作を示す。
図10(A)に示すように、住警器A9を配置した居室で火災Fが発生したとすると、住警器A9が火災を検知して火災警報を出力すると共に実線矢印で示す火災連動信号を送信し、この火災連動信号は住警器A8〜A4、及び住警器A10〜A13と順次中継され、住警器A4〜A13が火災警報連動範囲となる。また住警器A5,A13から破線矢印で示す警報準備連動信号が送信されて順次中継され、住警器A5〜A1及びA14〜A17が警報準備連動範囲となる。
続いて住警器A5,A13で所定回数の火災連動信号の受信を検知すると、図10(B)に示すように、住警器A5,A13が実線矢印で示す火災連動信号を送信し、これが順次中継され、住警器A5〜A1及びA14〜A17を含む範囲に火災警報連動範囲が拡大する。
図11は家屋1aの右端の住警器A1で火災を検知した場合の動作を示した説明図であり、図11(A)は火災を検知した場合の動作を示し、図11(B)は火災連動範囲を拡大する動作を示す。
図11(A)に示すように、住警器A1を配置した居室で火災Fが発生したとすると。住警器A1が火災を検知して火災警報を出力すると共に実線矢印で示す火災連動信号を送信し、この火災連動信号は住警器A2〜A6と順次中継され、住警器A2〜A6が火災警報連動範囲となる。また住警器A6から破線矢印で示す警報準備連動信号が送信されて順次中継され、住警器A7〜A11が警報準備連動範囲となる。
続いて住警器A6で所定回数の火災連動信号の受信を検知すると、図11(B)に示すように、住警器A6が実線矢印で示す火災連動信号を送信し、これが順次中継され、住警器A7〜A11を含む範囲に火災警報連動範囲が拡大する。更に、住警器A11が破線矢印で示す警報準備連動信号を送信し、これが順次中継され、住警器A12〜A16を含む範囲に警報準備連動範囲が新たに形成される。
[本発明の変形例]
(隣接送信電力の設定)
上記の実施形態では、送信電力を変更しながら隣接する住警器へ試験信号を送信して受信された場合に返信される試験応答信号の受信に基づき、隣接する住警器のみで受信される隣接送信電力を設定しているが、隣接する住警器のみで受信される隣接送信電力を、実験などにより求め、これを住警器に予め設定するようにしても良い。これにより警報システムを設置した場合の隣接送信電力設定制御を不要とすることができる。
(中継回数)
上記の実施形態では、住警器が火災を検知して火災連動信号を送信する場合に、火災連動信号に含める中継回数NをN=0の初期値に設定して送信し、当該火災連動信号を受信した住警器で中継回数Nを1つ増加し、増加した中継回数Nが所定の警報連動数Nth1未満の場合は中継送信し、警報連動数Nth1に一致する場合は中継を終了するようにしているが、中継回数Nの初期値を所定の警報連動数Nthに設定して送信し、当該火災連動信号を受信した住警器で中継回数Nを1つ減少し、減少した中継回数NがN=0でない場合は中継送信し、N=0となった場合は中継を終了するようにしても良い。この点は、警報準備連動信号の場合も同様である。
また、火災を検知した住警器は、火災の検知が継続した場合、繰り返し火災連動信号を送信するが、この場合、火災連動信号の送信回数の増加に応じて、中継回数Nの初期値を増加させることで、住警器で火災連動警報を行う火災警報連動範囲を段階的に拡大することができる。
また、中継回数Nを警報システムに含まれる住警器の総数に設定して火災連動信号を送信すれば、その順次中継により全住警器による火災警報の連動を行うことができる。
(階建て施設の警報システム)
また、本発明の警報システムを複数階の階建て施設に設けた場合、隣接階の居室に配置した住警器間の信号送受信を可能とするため、例えば隣接階をつなぐ階段室に中継器を設置し、中継器を介して最短通信距離で配置した隣接階の住警器間の信号送受信を行うようにしても良い。この場合、中継器に住警器と同様に報知部を設け、火災連動信号を受信した場合に火災警報を出力し、また警報準備連動信号を受信した場合に警報準備動作による報知を行うようにしても良い。
(警報器)
また、上記の実施形態は異状を検知して警報する警報器として、火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら警報器を複合的に含むシステムについても同様に適用できる。
(その他)
また、上記の実施形態はグループホーム等の施設に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
A1〜A15:住警器
10:制御部
12:通信部
16:センサ部
18:報知部
20:操作部

Claims (8)

  1. 所定の警戒エリアに直列状に配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムに於いて、
    前記複数の警報器の各々は、隣接する他の警報器では受信可能で、それ以外の他の警報器では受信できないレベルの送信電力を設定して無線信号を送信し、
    前記複数の警報器の何れかは、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、前記無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、
    前記異状連動信号を受信した他の警報器は、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、前記受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわずに、自己に登録されている初期値としての中継回数を含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信し、
    前記警報準備連動信号を受信した他の警報器は、所定の警報準備動作を行うと共に、当該警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む警報準備連動信号を中継送信し、一方、前記受信した警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数に達している場合は、当該警報準備連動信号の中継送信をおこなわないことを特徴とする警報システム。
  2. 請求項記載の警報システムに於いて、
    異状を検知した警報器は、異状の検知が継続している場合に異状連動信号を繰り返し送信し、
    初期登録された中継回数を含む警報準備連動信号を送信した警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を所定回数受信したことを検知した場合に、初期登録された中継回数を含む異状連動信号を送信し、
    前記警報準備連動信号の受信に基づき警報準備動作を行っている警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を受信した場合に、警報準備動作を異状警報の出力動作に切り替えると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわないことを特徴とする警報システム。
  3. 所定の警戒エリアに配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムに於いて、
    前記複数の警報器の何れかは、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、その後異状の検知が継続している場合は、当該異状連動信号を繰り返し送信し、
    前記異状連動信号を受信した他の警報器は、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、前記受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわず、
    中継回数が所定の警報連動数に達して異状連動信号の中継送信をおこなわなかった警報器は、その後所定期間内に、同じ警報器から異状連動信号を所定回数受信したことを検知した場合に、中継回数を初期値に設定した異状連動信号を送信することを特徴とする警報システム。
  4. 請求項1又は3記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、送信電力を順次変えながら試験信号を送信し、これに伴い、隣接する警報器及びその外側に更に隣接する警報器で試験信号が受信されることにより、これらから送信される試験応答信号を受信した場合に、自ら送信した元の試験信号のうち、受信した各試験応答信号に対応する試験信号の送信電力に基づいて、隣接する他の警報器で受信できるが、それ以外の他の警報器では受信されない送信電力として設定することを特徴とする警報システム。
  5. 請求項4記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、両側に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する各試験信号
    のうちの高い方の第1送信電力に、隣接する警報器の何れか一方の外側に更に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第2送信電力と前記第1送信電力との差未満の所定の余裕値を加算した送信電力を、両側に隣接する警報器で受信できるが、それ以外の警報器では受信されない送信電力として自己に設定登録することを特徴とする警報システム。
  6. 請求項4記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、両側に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する各試験信号の同じか又は高い方の第1送信電力に、隣接する警報器の外側に更に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する各試験信号の同じか又は低い方の第2送信電力と前記第1送信電力との差未満の所定の余裕値を加算した送信電力を、両側に隣接する警報器で受信できるが、それ以外の警報器では受信されない送信電力として自己に設定登録することを特徴とする警報システム。
  7. 請求項4記載の警報システムに於いて、
    前記警報器は、片側に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第1送信電力に、隣接する警報器の外側に更に隣接する警報器から受信した試験応答信号に対応する試験信号の第2送信電力と前記第1送信電力との差以下の余裕値を加算した送信電力を、片側に隣接する警報器で受信できるが、それ以外の警報器では受信されない送信電力として自己に設定登録することを特徴とする警報システム。
  8. 所定の警戒エリアに直列状に配置され、異状を検知して連動元を示す異状警報を出力すると共に異状連動信号を他の警報器へ送信し、他の警報器から異状連動信号を受信した場合に連動先を示す異状警報を出力すると共に当該異状連動信号を中継送信する警報器を複数備えた警報システムの報知方法に於いて、
    前記複数の警報器の各々が、隣接する他の警報器では受信可能で、それ以外の他の警報器では受信できないレベルの送信電力を設定して無線信号を送信し、
    前記複数の警報器の何れかが、異状を検知した場合に、異状警報を出力すると共に、前記無線信号として、中継毎に1つ変化する中継回数を含む異状連動信号を、当該中継回数を初期値に設定して送信し、
    前記異状連動信号を受信した他の警報器が、異状警報を出力すると共に、当該異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む異状連動信号を中継送信し、一方、前記受信した異状連動信号に含まれる中継回数が所定の警報連動数に達している場合は、当該異状連動信号の中継送信をおこなわずに、自己に登録されている初期値としての中継回数を含む警報準備動作を指示する警報準備連動信号を送信し、
    前記警報準備連動信号を受信した他の警報器が、所定の警報準備動作を行うと共に、当該警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数未満の場合は、当該中継回数を所定演算に基づき変化させ、当該変化させた中継回数を含む警報準備連動信号を中継送信し、一方、前記受信した警報準備連動信号に含まれる中継回数が所定の警報準備連動数に達している場合は、当該警報準備連動信号の中継送信を行わないことを特徴とする警報システムの報知方法。
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